説明

自動車ドアのシール構造

【課題】 ドアガラスのフロント側のベルトライン部位におけるコーナー部とドアミラーベースの先端部におけるドアガラスウエザストリップとの間のシール性を向上させることを目的とする。
【解決手段】 自動車ドアと、車体ドア開口縁との間の自動車ドアのシール構造において、ルーフモール4の内部に、ドアガラス2の上端をシールするドアガラスウエザストリップ10を装着し、ドアガラスウエザストリップは、ドアガラスの上端と当接してシールするシール部14を有し、自動車ドアにコーナーピース40を取付け、コーナーピースは、シール部14に当接する上辺部46と、ドアガラスのフロント側端が昇降する縦辺部47と、上辺部と縦辺部が交差する頂点に先端部48を有し、コーナーピースの先端部48と対応する、ドアガラスの上端のフロント側コーナー部にドアガラス先端凹部2bを設けたことを特徴とする自動車ドアのシール構造である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の車体ドア開口縁の上部とドアとの間をシールする自動車ドアのシール構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の車体ドア開口縁とドアとの間をシールするシール構造においては、例えば、図8と図9に示すように車体ドア開口縁のフランジにドアオープニングトリムウエザストリップ150を取り付け、ドアフレーム101の外周にドアウエザストリップ140を取り付け、ドア閉時にドアオープニングトリムウエザストリップ150の中空シール部がドアフレーム101の膨出部に当接し、ドアウエザストリップ140の中空シール部およびシールリップ部が車体ドア開口縁のアウターパネルに当接してドア1との間をシールしていた。ここで、図9は、図8のB−B線に沿った断面図である。
【0003】
このとき、ドアにおいて昇降するドアガラス2は、ドアフレーム101の内周側に設けられたガラスラン114によって保持され、ガラスラン114の溝部内を昇降している。このドアガラス2とドアフレーム101との間のシールは、ドアフレーム101の内周部に取付けられたガラスラン114のシールリップ116、117によりなされている。即ち、断面略U字形に形成されたガラスラン114の両側壁からそれぞれ断面略U字形の内側に向けて延設されたシールリップ116、117が、断面略U字形の内側に挿入されるドアガラス2の上部と断面略U字形の内部に挿入されている側部の周辺端部を把持して、シールしている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
しかしながら、この場合には、自動車の側面の外観では、ドアガラス2の周囲にガラスラン114、ドアフレーム101やセンターピラーが目立つこととなり、デザイン的に改良の必要性があった。また、ドアフレーム101やセンターピラーとドアガラス2の間に、ガラスラン114が存在するため、ドアフレーム101とドアガラス2との間の表面でギャップが存在し、風切り音が発生し、デザイン的にも好ましくなかった。
【0005】
このため、ドアフレーム101を廃止したり、ドアガラス2の車内側の側端にドアフレーム101を設けたりして、ドア1のベルトライン部位よりも上部では、ドアガラス2だけを自由に昇降させることが行われている。これによって、自動車の側面では、ドアのベルトライン部位から上の部分では、ドアガラス2のみの外観とすることができる。
しかしながら、この場合には、ドアガラス2は、従来のように、その上部と側部の外周縁をドアフレーム101とガラスラン114で保持されることがなく、ドアガラス2は、車外方向に撓みやすくなる。このため、ドアガラス2の上端を保持して、ドアガラス2を撓まなくすることが必要である。
【0006】
そこで、図10に示すように、車体ドア開口縁5の上部の車体ルーフ近傍の車外側側端部にルーフモール4を取り付け、このルーフモール4の内部にドアガラスウエザストリップ110を装着することが考えられている。ドア1を閉じるときに、ドアガラス2の上端はルーフモール4の側壁の下を通り、閉じ終わったときにドアガラス微昇降システムによりドアガラス2が若干上昇し、ドアガラス2の上端をドアガラスウエザストリップ110内部に収納する。これによって、ドアガラス2の上端を撓まないように保持するとともに、ドアガラスウエザストリップ110の中空シール部112でシールしている(例えば、特許文献2参照。)。
【0007】
この場合に、フロントドア1aのベルトライン部位におけるフロント側先端にはドアミラーベース40が装着されている。ドアミラーベース40は昇降せずに固定されているので、このドアミラーベース40の上辺部とルーフモール4との間に、ドア1の開閉のため、所定の隙間が設けられている。そのため、ドア1と車体ドア開口縁5との間のシールのために、ドアガラスウエザストリップ110の車外側の中空シール部112は、ドアミラーベース40の上端に対応する部分が、下方に突出して、この突出した部分にドアミラーベース40の上辺の側面が当接してシールしている。
【0008】
このドアミラーベース40のリヤ側の縦辺部には溝が設けられ、ドアガラス2のフロント側端が昇降時に摺動している。そして、このドアガラス2とドアミラーベース40の境界部分におけるドアガラスウエザストリップ110とのシールを確保するため、中空シール部112の下方に突出した部分から突出していない部分にかけてのところに対応するようにドアガラス2のコーナー部は上方に凸の円弧状である。この場合に、ドアガラス2は、ドア閉時にルーフモール4内に収納されるために、若干上昇するが、このときドアガラス2の振動や組付けのバラツキ等のため、ドアガラス2のコーナー部の上端とドアミラーベース40の先端とが隙間を生じたり、接触して、磨耗する場合があった。
そのため、ドアガラス2のコーナー部の上端とドアミラーベース40の先端との間のシール性が低下する場合があった。
【特許文献1】特開2000−16089号公報(第2−3頁、図4)
【特許文献2】特開平8−40073号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このため、ドアガラスのフロント側のコーナー部とドアミラーベースの先端部におけるドアガラスウエザストリップとの間のシール性を向上させる自動車ドアのシール構造が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために請求項1の本発明は、昇降するドアガラスを有する自動車ドアと、車体ドア開口縁との間の自動車ドアのシール構造において、
車体ドア開口縁の上辺部に、ドアガラスが閉じたときのドアガラスの上端を収納するルーフモールを設け、ドアガラスの上端は、ドア開時にルーフモールから外れるように若干下がり、ドア開状態では、その位置を保持し、ドア閉時にともなって、再び上端が若干上昇してルーフモールの内部に入り、
ルーフモールの内部に、ドアガラスの上端をシールするドアガラスウエザストリップを装着し、ドアガラスウエザストリップは、ドアガラスの上端と当接してシールするシール部を有し、
自動車ドアのフロント側のベルトライン部位におけるコーナー部にコーナーピースを取付け、コーナーピースは、シール部に当接する上辺部と、ドアガラスのフロント側端が昇降する縦辺部と、上辺部と縦辺部が交差する頂点に先端部を有し、コーナーピースの先端部と対応するドアガラスの上端のフロント側コーナー部にドアガラス先端凹部を設けたことを特徴とする自動車ドアのシール構造である。
【0011】
請求項1の本発明では、車体ドア開口縁の上辺部に、ドアガラスが閉じたときのドアガラスの上端を収納するルーフモールを設けたため、ドア閉時にドアガラスが閉じたときのドアガラスの上端をルーフモールで保持することができ、ドアガラス上端が車外側に撓むことを防止することができる。
また、このルーフモールの側壁の高さは、ドアフレームの側面の長さよりもはるかに短く、車体ルーフから自然に変化して一体的な外観を有するため、車体外側の外観において目立つことがなく、概略ドアガラスのみの外観とすることができる。
【0012】
ドアガラスの上端は、ドア開時にルーフモールから外れるように若干下がり、ドア開状態では、その位置を保持し、ドア閉時にともなって、再び上端が若干上昇してルーフモールの内部に入る。即ち、ドアガラスは、ドアの開閉時に、ドアガラス微昇降手段(図示せず)によって上記の動作が行われる。このため、乗員がドア開時に特別の操作をしなくても、ドアを開く動作に伴って、ドアガラスの上端がルーフモール及びドアガラスウエザストリップから外れる。これによって、ドアを車外方向に開くことができる。そして、ドア閉時には、ドアが閉じた直後にドアガラスが若干上昇し、ドアガラスの上端がルーフモールの内部に収容されるため、自動車の走行時にもドアガラスが振動することや車外方向に吸い出されることがない。
【0013】
ルーフモールにドアガラスの上端をシールするドアガラスウエザストリップを装着したため、ドアガラスウエザストリップでドアガラスの上端を保持してシールすることができ、ドアガラスと車体のルーフとの間から雨水、埃等が浸入することを防止できる。また、ドアガラスウエザストリップは、ルーフモールの内部に収納されているので、ドアガラスが上昇してドアガラスウエザストリップに当接しても、そのシール部は、ルーフモールからはみ出さず、車体外側から見た場合に、見栄えがよい。
【0014】
自動車ドアのフロント側のベルトライン部位におけるコーナー部にコーナーピースを取付け、コーナーピースは、シール部に当接する上辺部と、ドアガラスのフロント側端が昇降する縦辺部と、上辺部と縦辺部が交差する頂点に先端部を有している。このため、コーナーピースの上辺部は、ドア閉時にドアガラスウエザストリップとの間をシールすることができる。また、縦辺部でドアガラスを案内するとともに側端との間をシールすることができる。
【0015】
コーナーピースの先端部と対応する、ドアガラスの上端のフロント側コーナー部にドアガラス先端凹部を設けたため、ドア閉時にまずドアガラスの上端がルーフモールの下に位置し、その後ドアガラスの上端が若干上昇してドアガラスウエザストリップの中に収納されるが、そのとき、ドアガラスの上端のフロント側コーナー部は、凹部となっているので、コーナーピースの先端に当接しても、その先端を大きく変形させることがない。また、ドアガラスのコーナー部の凹部の部分は、そのコーナーピースの先端部分と対応する上端がほぼ水平方向にオーバーラップして形成されているので、ドアガラスの昇降時のバラツキや組み付け時のバラツキで凹部の部分の位置が前後方向にずれても、コーナーピースの先端部を大きく変形させたり磨耗させたりすることがなく、かつオーバーラップしているいずれかの部分で接触し、確実にシールすることができる。
【0016】
請求項2の本発明は、コーナーピースは、ドアミラーを装着するドアミラーベースであり、ドアミラーベースは、ドアミラーを取付けるドアミラーベース本体と、ドアミラーベース本体の上辺部と縦辺部に装着される弾性体で形成されるドアミラーウエザストリップから形成され、ドアミラーウエザストリップの上記先端部に対応する部位には、ドアガラスが最も上昇したときに上記ドアガラス先端凹部と当接するシール膜を有する自動車ドアのシール構造である。
【0017】
請求項2の本発明では、コーナーピースは、ドアミラーを装着するドアミラーベースであり、ドアミラーベースは、ドアミラーを取付けるドアミラーベース本体と、ドアミラーベース本体の上辺部と縦辺部に装着される弾性体で形成されるドアミラーウエザストリップから形成されている。このため、ドアミラーベース本体でドアミラーを確実に固定するとともに、弾性体のドアミラーウエザストリップでドアガラスとの間のシールと、ドアガラスウエザストリップとの間のシールを確実にすることができる。
【0018】
ドアミラーウエザストリップの上記先端部に対応する部位には、ドアガラスが最も上昇したときに上記ドアガラス先端凹部と当接するシール膜を有するため、ドア閉時にドアガラスがドアガラスウエザストリップに収容されるときに、ドアミラーウエザストリップにおける上記の先端部とドアガラスのコーナー部のガラス先端凹部との間に隙間が生じることがなく、シール性を確保することができる。また、柔軟性を有するシール膜であるため、ドアガラスの昇降時等において、ドアガラスが車両の前後方向に若干のバラツキで振れたとしてもドアガラスのコーナー部のドアガラス先端凹部が上記シール膜と接触して両者の間を確実にシールすることができる。
【0019】
請求項3の本発明は、ドアガラスウエザストリップは、ルーフモールに取付ける取付基部と、取付基部の車外側側端から下方に形成されルーフモールの裏面に当接する車外側側壁と、取付基部の車内側端部から一体的に下方に形成される車内側側壁と、車内側側壁と車外側側壁の先端を連結する中空シール膜とを有するシール部を備え、
シール部は、車内側側壁と車外側側壁と中空シール膜とで中空状のシール部を形成し、ドア閉時に中空シール膜に上記ドアガラスの上端が当接してシールし、コーナーピースの上辺部がドア閉時に当接する部分は、車内側側壁を下方に延設して形成し、ドアガラスが当接する部分よりも下方位置の中空シール膜であり、ドアガラスウエザストリップは、ドアガラスが当接する中空シール膜からコーナーピースが当接する中空シール膜にかけて連続して変化させられている自動車ドアのシール構造である。
【0020】
請求項3の本発明では、ドアガラスウエザストリップは、ルーフモールに取付ける取付基部と、取付基部の車外側側端から下方に形成されルーフモールの裏面に当接する車外側側壁と、取付基部の車内側端部から一体的に下方に形成される車内側側壁と、車内側側壁と車外側側壁の先端を連結し、中空状のシール部を形成する中空シール膜を有し、ドア閉時にドアガラスが再び微上昇して、中空シール膜にドアガラスの上辺部が当接してシールする。このため、ルーフモールに取付けられる取付基部と車内側側壁及び車外側側壁によりを中空シール膜を保持し、取付基部を固定すると、取付基部に一体に設けられた中空シール膜の位置が安定し、中空シール膜がドアガラスの上端に確実に当接するようにすることができる。
【0021】
ドアガラスとドアフレームの間をシールする中空シール膜は、車内側側壁と車外側側壁とを連結した形状の中空状であるため、リップ形状と比べて、ドアガラスの先端を当接させる幅が広く、ドアガラスが車幅方向に振れても、ドアガラスの先端を確実に当接させて包むことができ、ドアガラスとの間を確実にシールすることができる。
【0022】
自動車ドアのフロント側のベルトライン部位におけるコーナー部にコーナーピースを取付け、コーナーピースの上辺部がドア閉時に当接する部分は、車内側側壁を下方に延設して形成して、ドアガラスが当接する部分よりも下方位置の中空シール膜である。このため、ドア閉時にコーナーピースの上辺部は、車外側側壁との間に隙間があり、ドアを閉じることができるとともに、中空シール膜と車内側側壁が下方に幅が広がっているので、コーナーピースは固定されたままでも、コーナーピースの上辺部の車内側の面が中空シール膜に当接して、コーナーピースと車体ドア開口縁の間をシールすることができる。
【0023】
ドアガラスが当接する中空シール膜からコーナーピースが当接する中空シール膜にかけての境界部分は、一体的に連続して車内側側壁と中空シール膜が徐々に下方に変化しているため、ドアガラスとコーナーピースの境界付近で確実に中空シール膜がドアガラスとコーナーピースの両方の上端に当接することができる。また、その幅が下方に徐々に延出しているため、ドアガラス等の取付け位置がバラついてもシールすることができる。
【0024】
請求項4の本発明は、ドアガラスウエザストリップは、ルーフモールに取付ける取付基部と、取付基部の車外側側端から下方に形成されルーフモールの裏面に当接する車外側側壁と、取付基部の車内側端部から一体的に下方に形成される車内側側壁からなる断面略U字形であり、シール部は、車外側側壁と車内側側壁の先端からそれぞれ断面略U字形の内部に向けて斜めに形成された車外側シールリップと車内側シールリップであり、コーナーピースの上辺部がドア閉時に当接する部分は、車内側側壁を下方に延設して形成し、ドアガラスが当接する部分よりも下方位置の車内側シールリップであり、ドアウエザストリップは、ドアガラスが当接する車内側シールリップからコーナーピースが当接する車内側シールリップにかけて連続して変化させられている自動車ドアのシール構造である。
【0025】
請求項4の本発明では、アガラスウエザストリップは、ルーフモールに取付ける取付基部と、取付基部の車外側側端から下方に形成されルーフモールの裏面に当接する車外側側壁と、取付基部の車内側端部から一体的に下方に形成される車内側側壁からなる断面略U字形であり、シール部は、車外側側壁と車内側側壁の先端からそれぞれ断面略U字形の内部に向けて斜めに形成された車外側シールリップと車内側シールリップである。このため、ルーフモールに取付けられる取付基部と車内側側壁及び車外側側壁によりシールリップを保持し、取付基部を固定すると、シールリップの位置が安定し、シールリップがドアガラスの上端の車外側面と車内側面を確実に当接するようにすることができる。
【0026】
自動車ドアのフロント側のベルトライン部位におけるコーナー部にコーナーピースを取付け、コーナーピースの上辺部がドア閉時に当接する部分は、車内側側壁を下方に延設して形成して、ドアガラスが当接する部分よりも下方位置の車内側シールリップである。
このため、ドア閉時にコーナーピースの上辺部は、コーナーピースが固定されていても、車外側側壁との間に隙間があり、ドアを閉じることができるとともに、コーナーピースの上辺部の車内側の面が車内側側壁に当接して、コーナーピースと車体ドア開口縁の間をシールすることができる。
【0027】
ドアガラスが当接する車内側シールリップからコーナーピースが当接する車内側シールリップにかけての境界部分は、一体的に連続して車内側側壁と車内側シールリップが徐々に下方に延設している。このため、ドアガラスとコーナーピースの境界付近で確実に車内側シールリップがドアガラスとコーナーピースの上端に当接することができる。
【0028】
請求項5の本発明は、ドアミラーウエザストリップは、合成ゴム、熱可塑性エラストマー又は軟質合成樹脂で形成された自動車ドアのシール構造である。
【0029】
請求項5の本発明では、ドアミラーウエザストリップは、合成ゴム、熱可塑性エラストマー又は軟質合成樹脂で形成されたため、ドアミラーベースの周囲を柔軟性のある弾性材料で囲むことができ、ドアガラスウエザストリップやドアガラスに対して確実に当接することができ、シール性を確保することができる。また、ドアミラーベースや、ドアガラスの形状に応じて自由に形状を形成することができ、コーナー部のような複雑な部分を確実にシールすることができる。
【0030】
請求項6の本発明は、自動車ドアは、ドアガラスの昇降を案内するドアフレームを有しない構造、又はドアフレームがドアガラスの車内側側面に設けられた構造である自動車ドアのシール構造である。
【0031】
請求項6の本発明では、自動車ドアは、ドアガラスの昇降を案内するドアフレームを有しない構造、又はドアフレームがドアガラスの車内側側面に設けられた構造であるため、ドアフレームが車外側から直接見えることがないとともに、ドアガラスの昇降時にドアガラスの側端を保持することができないドア構造であっても、ドアガラスウエザストリップにより確実にドアのコーナーピースの部分のシールをすることができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明は上記のように、ドアガラスの上端のフロント側コーナー部にドアガラス先端凹部を設けたため、ドアガラスの上端のフロント側コーナー部は、コーナーピースの先端部を大きく変形させることがない。また、ドアガラスのコーナー部のドアガラス先端凹部の部分は、その上端がほぼ水平方向に形成されているので、ドアガラスが組み付け時等のバラツキで前後方向にずれても、コーナーピースの先端部との間で異常変形したり磨耗したりすることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明の実施の形態を図1〜図7に基づき説明する。
図1〜図4は本発明の第1の実施の形態を示すものである。
図7は自動車の側面図である。図7に示すように、自動車の側面のドア1であるフロントドア1aとリヤドア1bの両方のベルトライン部位よりも上部には、ドアフレームがなくドアガラス2がほぼ全面に設けられ、ドアガラス2はドア1から上下に昇降することができる。なお、ドアフレームは、車外側から見えないようにドアガラス2の車内側面に設けてもよい。
フロントドア1aのベルトライン部位上のフロント側先端にドアミラーを取付けるドアミラーベース40が取付けられている。
【0034】
図1は、図7のA−A線におけるルーフモール4とドアガラスウエザストリップ10のドアガラス2閉時の取付状態を示す断面図である。
図2は、ドアミラーベース40の上辺部とドアガラス2の先端との境界部分におけるドアガラスウエザストリップ10との当接状態を示す斜視図である。
図3は、ドアミラーベース40の正面図であり、ドアミラーを取付ける三角形状のドアミラーベース本体41と、その上辺と縦辺に取り付けられるドアミラーウエザストリップ45を示す。図4は図3のK−K線に沿った断面図である。
【0035】
車体のルーフは、車体ドア開口縁5の付近においては、ルーフから連続して車内側に屈曲して、ルーフの外側パネルを形成している。このルーフの外側パネルは車体ドア開口縁5の入り口部分でフロントドア1aとリヤドア1bの上端を収納する平坦部5aを形成している。この平坦部5aの下面にルーフモール4が取付けられる。ルーフモール4は、フロントピラーの部分まで延設されている。
ルーフモール4は、車体ドア開口縁5の車外側面にフロントからリヤ方向に延びるパネル部4aとパネル部4aの裏面から断面略T字形に延び車体ドア開口縁5の平坦部5aに密着してルーフモール4を取付ける取付脚部4bから形成される。取付脚部4bと車体ドア開口縁5はビス等で固着される。
【0036】
取付脚部4bの車内側部分には断面がL字形のリテーナー8が取付けられている。リテーナー8の1辺は取付脚部4bに密着して取り付けられ、他の1辺は、取付脚部4bの先端から下方に延設され、その先端は鍵型に形成されている。
車体ドア開口縁5の車内側の先端のフランジ7には、車内装飾と保護のために断面略U字形のトリム60が取付けられている。
【0037】
ルーフモール4にドアガラスウエザストリップ10が装着される。ドアガラスウエザストリップ10は、取付基部11、車外側側壁12、車内側側壁13及び中空シール部14から形成されている。
取付基部11は、車外側の部分11bが平板状であり、その裏面に両面接着テープ30が取付けられて、ルーフモール4の取付脚部4bに接着されている。取付基部11の車内側11aは湾曲しその車内側端部がリテーナー8に当接している。この取付基部11の湾曲により、ドアガラス2の先端がドアガラスウエザストリップ10に当接したときに、クッション作用をすることができる。
【0038】
取付基部11の車内側の側端から車内側側壁13が下方に延設されている。車内側側壁13は、リテーナー8を収納する車内側側壁凹溝部13aを有しており、車内側側壁凹溝部13a内にリテーナー8の先端の鍵状の部分が挿入され、係止される。このため、両面接着テープ30とリテーナー8の両方によりドアガラスウエザストリップ10をルーフモール4に保持することができる。
取付基部11と車内側側壁13はソリッドゴム、ソリッド熱可塑性エラストマー等のソリッド材で形成されている。このため、ドアウエザストリップ10の形状を保持して装着し、後述する中空シール部14を保持することができる。
【0039】
取付基部11の車外側の側端から車外側側壁12が下方に延設されている。車外側側壁12の先端の外面はルーフモール4のパネル部4aの裏面に当接して、ルーフモール4とドアガラスウエザストリップ10の間をシールする。
車外側側壁12と車内側側壁13の先端を結んで中空シール部14が形成されている。中空シール部14は、中空シール膜14aと中空ブリッジ膜14bを備えており、中空シール膜14aは、車外側側壁12の先端から車内側側壁13の先端まで膜状にかつ湾曲状に形成され、中空シール膜14aの裏面から取付基部11の表面まで中空ブリッジ膜14bが形成されている。
【0040】
ドアガラス2が閉じられた状態で、ドア1(フロントドア1a)の開閉動作が行われドア1が閉じられたとき、ドアガラス微昇降システムにより、ドアガラス2は若干上昇し、ドアガラス2の上端はルーフモール4に取り付けられたドアウエザストリップ10の内部に挿入される。そして、ドアガラスウエザストリップ10の中空シール部14の中空シール膜14aによってシールされ、保持されている。
【0041】
ドア1を開けるとき、ドアガラス2は、上記の状態からドアガラス微昇降システムによって若干下げられ、即ち、ドアガラス2の上端が、ルーフモール4のパネル部4aの先端(下端)よりも下の位置となるように降下させられ、その位置で停止し、ドア1が開けられる。このとき、ドアガラス2の上端は、ルーフモール4の側端と干渉しないので、ドア開きには影響せず、ドア1をスムースに開くことができる。
そして、ドア1が開いた状態では、ドアガラス2は、上記の若干下がった位置の状態で維持されている。
【0042】
ドア閉時には、ドアガラス2の上端は、上記の若干下がった位置の状態にあるので、ルーフモール4のパネル部4aの下を通り、ドア1が閉まる。そして、ドアが閉まった後にドアガラス2はドアガラス微昇降システムにより、自動的に若干上昇し、ドアガラスウエザストリップ10の中空シール膜14aに当接して、ドアガラス2の上端2aとドアガラスウエザストリップ10の間をシールする。このとき、中空ブリッジ14bがあるため、中空シール膜14aの異常変形を防止して、シール性を確保することができる。
車内側側壁13の先端から車内方向にカバーリップ15が設けられている。カバーリップ15の先端は、トリム60に当接してルーフモール4やリテーナー8の取り付け部分を車室内からカバーして美観を確保している。
【0043】
フロントドア1aについては、前述のようにベルトライン部位におけるフロント側の先端にドアミラーを装着するためのドアミラーベース40が取付けられている。ドアミラーベース40はフロントドア1aに固定されているため、ドアガラスウエザストリップ10との間のシールは、ドアガラス2とは異なっている。
【0044】
ドアミラーベース40は、図3に示すように、ドアミラーを取付ける略三角形状のドアミラーベース本体41と、ドアミラーベース本体41の外周に取付けられるドアミラーウエザストリップ45からなる。ドアミラーベース本体41は、ドア閉時にドアガラスウエザストリップ10に対応する本体上辺部42と、ドアガラス2のフロント側の側端に対応する本体縦辺部43と、本体上辺部42と本体縦辺部43が交差する先端の本体先端部44から形成されている。
ドアミラーベース本体41は、ドアミラーを取付けるため、剛性の大きい硬質合成樹脂、板金等で形成されている。
【0045】
ドアミラーウエザストリップ45は、本体上辺部42に取付けられるウエザストリップ上辺部46と、本体縦辺部43に取付けられるウエザストリップ縦辺部47と、本体先端部44に取付けられるウエザストリップ先端部48からなり平面的に略V字形に形成されている。
ウエザストリップ上辺部46は、ドア閉時にドアガラスウエザストリップ10の中空シール膜14aに当接して、車体ドア開口縁5とドアミラーベース40との間をシールする。ウエザストリップ縦辺部47は、ドアガラス2のフロント側の側端を収納してドアガラス2の昇降を案内するとともに、ドアガラス2とドアミラーベース40との間をシールする。
ドアミラーウエザストリップ45は、シール性を向上させるために、柔軟性のある合成ゴム、熱可塑性エラストマー、軟質合成樹脂等で形成されている。
【0046】
図2に示すように、フロントドア1aが閉まるときに、ドアミラーベース40のウエザストリップ上辺部46がドアガラスウエザストリップ10の中空シール膜14aに当接する。
ウエザストリップ上辺部46とルーフモール4のパネル部4aの先端(下端)との間には隙間Sが設けられている。ドア閉時にドアミラーベース40のウエザストリップ上辺部46とドアガラスウエザストリップ10の中空シール膜14aが確実に当接するため、中空シール膜14aが下方に幅広く延設され、それに伴って車内側側壁13も下方に幅広く延長されている。
【0047】
そして、ドアガラスウエザストリップ10のドアガラス2が当接する部分とドアミラーベース40が当接する部分の境界部分では、中空シール膜14aと車内側側壁13が徐々に変化して、その境界部分をスムースに連結している。
ドアガラス2の上辺部とフロント側の側端との間のコーナー部は、下方に向けて凹んだドアガラス先端凹部2bが形成されている。図4に示すように、ドアミラーベース40の先端では、ドアミラーウエザストリップ45のウエザストリップ先端部48がドアガラスウエザストリップ10の中空シール膜14aに当接するとともに、ドアガラス2が上昇したときには、ウエザストリップ先端部48の内部にドアガラス2のフロント側のドアガラス先端凹部2bの下方の部分が収納され、ドアガラス先端凹部2bの上方の部分は中空シール膜14aが徐々に変化していく場所に当接する。
【0048】
ドアガラス2のフロント側の側端は、ドアガラス2の昇降時に、ウエザストリップ縦辺部47の溝部47a内を昇降する。このとき、ウエザストリップ縦辺部47の溝部47aの上端は、即ち、ウエザストリップ先端部48の部分では、ウエザストリップ上辺部46部分から延設されたシール膜48aが設けられている。ドアガラス2がドアガラス微昇降システムにより最も上方に位置したときに、ドアガラス2のフロント側のドアガラス先端凹部2bの上端は、ウエザストリップ先端部48のシール膜48aに当接して、ドアミラーウエザストリップ45とドアガラス2のドアガラス先端凹部2bとの間をシールする。
【0049】
このため、ウエザストリップ先端部48のシール膜48aにドアガラス先端凹部2bの凹んだ部分が略平行又は若干斜めに当接することができる。
したがって、ドアガラス2の昇降時や組付けにバラツキが生じても、ドアガラス2のコーナー部が上方に凸状になっている場合に比べて、ドアガラス2がシール膜48aを上方に突き上げることが少なく、シール膜48aが破損したり、異常変形したりすることがない。
【0050】
また、ドアガラスウエザストリップ10におけるドアガラス2が当接する部分とドアミラーベース40が当接する部分の境界部分では、ドアガラスウエザストリップ10の中空シール膜14aと車内側側壁13が徐々に変化して、ドアガラス2とドアミラーベース40との境界部分のシールは、中空シール膜14aと車内側側壁13が徐々に変化する部分でなされる。
そのため、ドア1の組付誤差等で、ドアガラス2とドアミラーベース40との境界部分がバラついても、確実にドアガラス2とドアミラーベース40の先端は中空シール部14に当接してシールすることができる。
【0051】
ドアガラス2が当接する部分は、長手方向に略直線状であり、押出成形で形成する。ドアガラス2が当接する部分とドアミラーベース40が当接する部分の境界部分は、型成形で成形する。また、ドアミラーベース40が当接する部分も長手方向に略直線状であり、後述するように、押出成形で形成することができるが、長さが短いため、境界部分の型成形と同時に同じ金型で成形してもよい。
【0052】
次に、図5と図6に基づき本発明の第2の実施の形態を説明する。
第2の実施の形態は、第1の実施の形態とドアガラスウエザストリップ20とルーフモール4の断面形状が異なる。このため、異なる部分を説明し、第1の実施の形態と同じ部分は説明を省略する。
図5は、図7のA−A線におけるルーフモール4とドアガラスウエザストリップ20のドアガラス2閉時の取付状態を示す断面図である。
図6は、ドアミラーベース40の上端とドアガラス2の先端との境界部分におけるドアガラスウエザストリップ20との当接状態を示す斜視図である。
【0053】
車体ドア開口縁5の車外側側端に断面略U字形のルーフモール4が取付けられている。
ルーフモール4の断面略U字形の内部には、図5、6に示すように、ドアガラスウエザストリップ20が取付けられている。ドアガラスウエザストリップ20は車外側側壁22、取付基部21と車内側側壁23からなる断面略U字形をなし、車外側側壁22と車内側側壁23の先端から断面略U字形の内部に向かって、それぞれ車外側シールリップ24と車内側シールリップ25が斜めに延設されている。
ドアガラスウエザストリップ20は、ソリッドゴム、軟質合成樹脂、熱可塑性エラストマー等のソリッド材料で、押出成形により成形されている。
【0054】
ドアガラス2が閉じられた状態で、ドア1(フロントドア1a)の開閉動作が行われ、ドア1が閉じられたとき、ドアガラス2が若干上昇して、ドアガラス2の上端はルーフモール4の断面略U字形の内部に挿入される。そして、ドアガラスウエザストリップ20によって保持されている。
ドア開閉時のドアガラス2のドアガラス微昇降システムは、第1の実施の形態と同様である。
【0055】
そして、ドアガラス2が当接する部分とドアミラーベース40が当接する部分の境界部分では、車内側シールリップ25と車内側側壁23の幅が徐々に変化して、その境界部分をスムースに連結している。
ドアガラス2のフロント側の側端は、ドアミラーベース40のリヤ側の側端に沿って上昇し、ドアガラス2とドアミラーベース40の間をシールする。このため、ドアガラス2とドアミラーベース40との境界部分のシールは、車内側シールリップ25と車内側側壁23が徐々に変化する部分でなされる。
そのため、ドア1の組付誤差等で、ドアガラス2とドアミラーベース40との境界部分がバラついても、確実にドアガラス2とドアミラーベース40の先端は車内側シールリップ25に当接してシールすることができる。
【0056】
なお、ドアガラスウエザストリップ10、20とドアミラーウエザストリップ45の成形材料は、合成ゴム、熱可塑性エラストマー、軟質合成樹脂が使用され、例えば合成ゴムでは、EPDMゴム、熱可塑性エラストマーでは、オレフィン系エラストマー、軟質合成樹脂では、軟質塩化ビニル等が使用される。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施の形態における、図7のA−A線に沿ったフロントドア上部の一部断面図である。
【図2】本発明の実施の形態における、ドアミラーベースとドアガラスの先端がドアガラスウエザストリップに当接する状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態における、ドアミラーベースの平面図である。
【図4】本発明の実施の形態における、図3のK−K線に沿ったドアミラーベースの一部断面図である。
【図5】本発明の他の実施の形態における、図7のA−A線に沿ったリヤドア上部の一部断面図である。
【図6】本発明の他の実施の形態における、ドアミラーベースとドアガラスの先端がドアガラスウエザストリップに当接する状態を示す斜視図である。
【図7】自動車の側面図である。
【図8】従来の自動車ドアの側面図である。
【図9】図6のB−B線に沿った断面図である。
【図10】従来のドアミラーベースとドアガラスの先端がドアガラスウエザストリップへ当接する状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0058】
1 自動車ドア
2 ドアガラス
2b ドアガラス先端凹部
4 ルーフモール
5 車体ドア開口縁
7 フランジ
10、20 ドアガラスウエザストリップ
11 取付基部
12 車外側側壁
13 車内側側壁
14a 中空シール膜
23 車内側側壁
25 車内側シールリップ
40 ドアミラーベース
41 ドアミラーベース本体
45 ドアミラーウエザストリップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降するドアガラスを有する自動車ドアと、車体ドア開口縁との間の自動車ドアのシール構造において、
上記車体ドア開口縁の上辺部に、上記ドアガラスが閉じたときのドアガラスの上端を収納するルーフモールを設け、上記ドアガラスの上端は、ドア開時に上記ルーフモールから外れるように若干下がり、ドア開状態では、その位置を保持し、ドア閉時にともなって、再び上端が若干上昇して上記ルーフモールの内部に入り、
上記ルーフモールの内部に、上記ドアガラスの上端をシールするドアガラスウエザストリップを装着し、該ドアガラスウエザストリップは、上記ドアガラスの上端と当接してシールするシール部を有し、
上記自動車ドアのフロント側のベルトライン部位におけるコーナー部にコーナーピースを取付け、該コーナーピースは、上記シール部に当接する上辺部と、上記ドアガラスのフロント側端が昇降する縦辺部と、上記上辺部と縦辺部が交差する頂点に先端部を有し、
上記コーナーピースの上記先端部に対応する上記ドアガラスの上端のフロント側コーナー部にドアガラス先端凹部を設けたことを特徴とする自動車ドアのシール構造。
【請求項2】
上記コーナーピースは、ドアミラーを装着するドアミラーベースであり、該ドアミラーベースは、ドアミラーを取付けるドアミラーベース本体と、該ドアミラーベース本体の上辺部と縦辺部に装着される弾性体で形成されるドアミラーウエザストリップから形成され、該ドアミラーウエザストリップの上記先端部に対応する部位には、上記ドアガラスが最も上昇したときに上記ドアガラス先端凹部と当接するシール膜を有する請求項1に記載の自動車ドアのシール構造。
【請求項3】
上記ドアガラスウエザストリップは、上記ルーフモールに取付ける取付基部と、上記取付基部の車外側側端から下方に形成され上記ルーフモールの裏面に当接する車外側側壁と、上記取付基部の車内側端部から一体的に下方に形成される車内側側壁と、上記車内側側壁と車外側側壁の先端を連結する中空シール膜とを有するシール部を備え、
上記シール部は、上記車内側側壁と車外側側壁と中空シール膜とで中空状のシール部を形成し、ドア閉時に上記中空シール膜に上記ドアガラスの上端が当接してシールし、
上記コーナーピースの上辺部がドア閉時に当接する部分は、上記車内側側壁を下方に延設して形成し、ドアガラスが当接する部分よりも下方位置の中空シール膜であり、上記ドアガラスウエザストリップは、上記ドアガラスが当接する中空シール膜から上記コーナーピースが当接する上記中空シール膜にかけて連続して変化させられている請求項1又は請求項2に記載の自動車ドアのシール構造。
【請求項4】
上記ドアガラスウエザストリップは、上記ルーフモールに取付ける取付基部と、上記取付基部の車外側側端から下方に形成され上記ルーフモールの裏面に当接する車外側側壁と、上記取付基部の車内側端部から一体的に下方に形成される車内側側壁からなる断面略U字形であり、上記シール部は、上記車外側側壁と車内側側壁の先端からそれぞれ断面略U字形の内部に向けて斜めに形成された車外側シールリップと車内側シールリップであり、上記コーナーピースの上辺部がドア閉時に当接する部分は、上記車内側側壁を下方に延設して形成し、ドアガラスが当接する部分よりも下方位置の車内側シールリップであり、上記ドアウエザストリップは、上記ドアガラスが当接する上記車内側シールリップから上記コーナーピースが当接する上記車内側シールリップにかけて連続して変化させられている請求項1又は請求項2に記載の自動車ドアのシール構造。
【請求項5】
上記ドアミラーウエザストリップは、合成ゴム、熱可塑性エラストマー又は軟質合成樹脂で形成された請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の自動車ドアのシール構造。
【請求項6】
上記自動車ドアは、上記ドアガラスの昇降を案内するドアフレームを有しない構造、又はドアフレームが上記ドアガラスの車内側側面に設けられた構造である請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の自動車ドアのシール構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−15773(P2006−15773A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−192555(P2004−192555)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【Fターム(参考)】