説明

自在柱式フェンス

【課題】フェンス間の隙間を隠蔽し、ビスの不要化又は削減により、見栄えの向上とコストダウンを図り、フェンスの連結強度の増大も可能な自在柱式フェンスを提供する。
【解決手段】(a1)フェンスの長手方向両端部に一対の被係合縁を設けた縦框を取付け、(b1)フェンスの縦框と等長で、横断面形状がほぼH字形を呈し、縦框を嵌合し得る嵌合溝を有し、一方の嵌合溝の対向面には一対の係合縁を設け、他方の嵌合溝の一方の内面には一つの係合縁を設けて連結部材を構成し、(c1)前記連結部材の一対の係合縁が設けてある嵌合溝に一方のフェンスの縦框を嵌合して一対の被係合縁を連結部材の一対の係合縁に係合して連結部材を前記一方のフェンスに連結固定し、(c1’)次いで、連結部材の一つの係合縁が設けてある嵌合溝に連結される他方のフェンスの縦框を嵌合してその縦框の一対の被係合縁の一方を連結部材の一つの係合縁に係合させて連結部材に前記他方のフェンスを連結固定するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自在柱式フェンスに関する。
【背景技術】
【0002】
フェンスには、支柱に対する取付構造の違いにより間柱式フェンスと、自在柱式フェンスがある。前者は、フェンス長と等しい間隔で立設した支柱の対向面にフェンスの長手方向端部を近接してブラケットでフェンスを支柱に固定するものであり、後者は、任意の間隔で立設した支柱の正面にフェンスの長手方向中間部を近接して、ブラケットでフェンスを支柱に固定するとともに、隣接するフェンスの長手方向端部同士を連結部材により連結するものである。
【0003】
しかし、従来の自在柱式フェンスは、上框及び下框の中空部に連結部材を挿入して連結し、縦框同士を突き当てているだけであるため、隣接するフェンス端部同士の間に隙間が生じ、その隙間の一部を連結部材が横切る状態に位置する。そのため、その隙間と連結部材がフェンスの正面側及び背面側に露見されるため、フェンスの外観体裁が損なわれる。そのため、その隙間を隠蔽して美観の向上を図ったものが、例えば特許文献1に開示されている。
【0004】
しかしながら、特許文献1の自在柱式フェンスは、一方に開口する嵌合溝の底部の両端に係合溝を有する縦框を、前記係合溝が近接するように左右対称形に配置し、それらの両係合溝にジョイント部材を嵌合し、両縦框の外側からビスをねじ込んで縦框とジョイント部材を連結し、両縦框の嵌合溝にフェンスの端部を嵌合することにより、両フェンスの間に隙間が生じないようにしたものである。
【特許文献1】特開2002−81230号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記先行技術は、2つの縦框を突き合わせ、両縦框の係合溝に挿入したジョイント部材に縦框の外側からねじ込んだビスで、2つの縦框とジョイント部材とを連結しているから、縦框の突き合わせ面に縦線が現れ、また、ビスが露出している。従って、見栄えの向上には限界があるとともに、ビスを多数用いるので、コストアップの原因となった。
【0006】
本発明は、隣接して連結されるフェンスの間に生じる隙間を隠蔽し、ビスを不要又はビスの使用数量を最小限にして、見栄えの向上とコストダウンを図るとともに、左右フェンスの連結強度の増大も可能な自在柱式フェンスを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は、フェンスをその長手方向中間位置において支柱の正面に固定し、隣接するフェンスの長手方向端部同士を連結部材により連結してなる自在柱式フェンスにおいて、(a1)前記フェンスの長手方向両端部に、見込み幅の両端部から連結される相手フェンスの方向に延出し、先端に係止爪を有する一対の被係合縁を設けた縦框を取り付け、(b1)前記フェンスの縦框と等しい長さを有し、前記縦框の見込み幅と等しい長さを有するウェブ部と、そのウェブ部の両端部から互いに反対側にそのウェブ部に対して直角方向に平行に延びるフランジ部とを一体に有して横断面形状がほぼH字形を呈し、前記フランジ部の間に互いに反対方向に開口して前記縦框を緊密に嵌合し得る嵌合溝を有し、一方の嵌合溝を形成する前記フランジ部の対向する内面には先端に係止爪を有する一対の係合縁を設け、他方の嵌合溝を形成する前記フランジ部の一方の内面には先端に係止爪を有する係合縁を設けて前記連結部材を構成し、(c1)前記連結部材の一対の係合縁が設けてある嵌合溝に前記フェンスの前記縦框を嵌合して前記縦框の一対の被係合縁を前記連結部材の一対の係合縁に係合し、かつ、前記係止爪を互いに係止させて前記連結部材を連結される二つのフェンスのうちの一方のフェンスに連結固定し、(c1’)次いで、前記連結部材の一つの係合縁が設けてある嵌合溝に連結される二つのフェンスのうちの他方のフェンスの縦框を嵌合してその縦框の一対の被係合縁の一方を前記連結部材の一つの係合縁に係合し、かつ、係止爪を互いに係止させて前記連結部材に前記他方のフェンスを連結固定したことを特徴としている。
【0008】
また、上記目的を達成するため、本発明は、フェンスをその長手方向中間位置において支柱の正面に固定し、隣接するフェンスの長手方向端部同士を連結部材により連結してなる自在柱式フェンスにおいて、(a2)前記フェンスの上辺及び下辺に中空部を有する上框及び下框を取り付けるとともに、前記フェンスの長手方向両端部に、見込み幅の両端部から連結される相手フェンスの方向に延出し、先端に係止爪を有する一対の被係合縁を設けた縦框を取り付け、(b2)前記連結部材として、前記上框の断面輪郭形状と等しい形状を有する垂直板と、その垂直板から互いに反対側に延出し、前記上框の中空部に緊密に嵌合し得る挿入部とを有する上框連結部材、前記下框の断面輪郭形状と等しい形状を有する垂直板と、その垂直板から互いに反対側に延出し、前記下框の中空部に緊密に嵌合し得る挿入部とを有する下框連結部材、及び、前記フェンスの縦框と等しい長さを有し、前記縦框の見込み幅と等しい長さを有するウェブ部と、そのウェブ部の両端部から互いに反対側にそのウェブ部に対して直角方向に平行に延びるフランジ部とを一体に有して横断面形状がほぼH字形を呈し、前記フランジ部の間に互いに反対方向に開口して前記縦框を緊密に嵌合し得る嵌合溝を有し、一方の嵌合溝を形成する前記フランジ部の対向する内面には先端に係止爪を有する一対の係合縁を設け、他方の嵌合溝を形成する前記フランジ部の一方の内面には先端に係止爪を有する係合縁を設けた縦框連結部材を構成し、(c2)前記上框連結部材の一方の挿入部及び前記下框連結部材の一方の挿入部を連結される二つのフェンスのうちの一方のフェンスの上框の中空部及び下框の中空部にそれぞれ嵌合するとともに、前記縦框連結部材の一対の係合縁が設けてある嵌合溝に前記一方のフェンスの前記縦框を嵌合して前記縦框の一対の被係合縁を前記縦框連結部材の一対の係合縁に係合し、かつ、前記係止爪を互いに係止させて前記縦框連結部材を連結される二つのフェンスのうちの一方のフェンスの縦框に連結固定し、(c2’)次いで、前記上框連結部材の他方の挿入部及び前記下框連結部材の他方の挿入部を連結される二つのフェンスのうちの他方のフェンスの上框の中空部及び下框の中空部にそれぞれ嵌合するとともに、前記縦框連結部材の一つの係合縁が設けてある嵌合溝に連結される二つのフェンスのうちの他方のフェンスの縦框を嵌合してその縦框の一対の被係合縁の一方を前記縦框連結部材の一つの係合縁に係合し、かつ、係止爪を互いに係止させて前記縦框連結部材に前記他方のフェンスの縦框を連結固定したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明によれば、連結される両フェンスの縦框が長尺の連結部材の嵌合溝に嵌合されるから、連結部分に隙間や接触縦線が生じない。また、連結のためにビスを用いないので、連結部分にビスが露呈されない。従って、フェンスの美観が向上し、かつ、コスト低減効果が得られる。さらに、縦框が連結部材の嵌合溝に嵌合されるほか、縦框の一対の被係合縁が連結部材の一対の係合縁に係合し、固定されるので、両フェンスの連結強度が大きい。
【0010】
請求項2の発明によれば、連結される両フェンスの縦框同士の間の隙間が縦框連結部材により隠蔽されるばかりでなく、上框の端部同士の間及び下框の端部同士の間の隙間がそれぞれ上框連結部材と下框連結部材により塞がれるので、両フェンスの連結部分の上端から下端までの全部において隙間が露見することがないので、フェンスの美観が一層向上する。また、両フェンスは、上框連結部材と縦框連結部材と下框連結部材の3部材により連結されるので、フェンスの連結強度がさらに大きくなる。従来の自在柱式フェンスは、支柱間のフェンス連結強度が必ずしも十分でないという問題が解決される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に、本発明の実施の形態について、図面を用いながら説明する。
図1は本発明に係る自在柱式フェンス(以下、単にフェンスという。)を示す概略図であり、(a)は正面図、(b)は平面図である。図2はフェンスと連結部材との連結構造を示す断面図であり、(a)は図1のA−A線拡大断面図、(b)は図1の左右のフェンスを連結する前の断面図、図3は図1のB−B線断面図、図4は図1のC部の拡大平面図、図5はフェンスの上框連結部材の展開図、図6はフェンスの下框連結部材の展開図である。
【0012】
図1において、1は地面に作られたフェンス設置用基礎であり、その基礎1に任意の間隔で支柱2L,2Rが立設され、左側の支柱2Lに左側のフェンス3Lがその長手方向中間位置において近接され、上下の既知のブラケット4,5により固定されている。また、右側の支柱2Rに右側のフェンス3Rがその長手方向中間位置において近接され、上下の既知のブラケット4,5により固定されている。
【0013】
そして、概略を説明すると、左右のフェンス3L,3Rの隣接する端部は、各フェンスの上框3a及び下框3bを除いた他の部分、すなわち、縦框3c(図2参照)において、後述される縦框連結部材6により両フェンス3L,3Rの端部の間に隙間が現れないようにして連結されている。また、左右のフェンスの上框3aの長手方向端部同士の間は、後述される上框連結部材7により、その間に隙間が現れないようにして連結されている。さらに、左右のフェンス3L,3Rの下框3bの長手方向端部同士の間は、後述される下框連結部材8により、その間に隙間が現れないようにして連結されている。縦框連結部材6、上框連結部材7、及び下框連結部8を順次詳細に説明する。
【0014】
縦框連結部材6は、図2に示すように、縦框3cと等しい長さを有する断面ほぼH字形の形材で形成され、中央のウェブ部61と、そのウェブ部の両端部においてウェブ部と直角方向に伸びる両側のフランジ部62,63とを一体に有し、フランジ部62,63の間にウェブ部61を境として互いに反対方向に開口する嵌合溝64,65を有している。
【0015】
フランジ部62,63のウェブ部61に関して左右いずれか一方側の対向面に、外向きに突出する係止爪66’,67’を先端に有する一対のL字形の係合縁66,67がウェブ部61から等距離の位置において設けられ、フランジ部62のウェブ部61に関して他方側のフランジ部63と対向する面に、先端に爪68’を有するL字形の係合縁68がウェブ部61から係合縁66までの距離と等距離の位置において設けられている。係合縁68はフランジ部62ではなく、フランジ部63にウェブ部61から係合縁67までの距離と等距離の位置に設けられても良い。
【0016】
各フェンスの縦框3cには、図2に示すように、横断面ほぼ矩形の中空部31の両端部から連結される他のフェンス方向に延出し、先端に内向きに突出する一対の係止爪32’,33’を有する被係合縁32,33が設けられている。係止爪32’,33’の最小間隔は、縦框連結部材6の一対の係止爪66’,67’の最大間隔よりもわずかに小さく設定されている。上記構成の縦框3cは、左右のフェンス3L,3Rの隣接する端部に、左右対称形に取り付けられている。
【0017】
そして、縦框連結部材6は、隣接設置される左右のフェンス3L,3Rのいずれか一方に、次のようにして先に連結される。すなわち、縦框連結部材6の一対の係合縁66,67が設けてある側の嵌合溝64を一方のフェンス(図2の例では左側のフェンス3L)の縦框3cに対向させ、一対の係合縁66,67をその縦框の被係合縁32,33と位置あわせをした状態で、その縦框連結部材6をその縦框3c方向に強く押し付ける。各係止爪32’,33’;66’,67’はそれぞれテーパー面を有しているため、図2(a)に示されているように、縦框連結部材6の一対の係合縁66,67と被係合縁32,33とを容易にかつ緊密に係合させ、一対の係止爪66’,67’と一対の係止爪32’,33’とを互いに係止させることができる。この係合及び係止とともに、縦框3cが縦框連結部材6の両側のフランジ部62,63の間に緊密に嵌合する。そのため、縦框連結部材6は、その外面からビスを縦框3cにねじ込まなくても、一方のフェンス3Lに堅固に固定される。
【0018】
続いて、一方のフェンス3Lに固定された縦框連結部材6の1個の係合縁68が設けられている嵌合溝65に、他方のフェンス(図2の例では右側のフェンス3R)の縦框3cを、その両側の外面を縦框連結部材6の両側のフランジ部62,63の内面に位置あわせした状態を保って、その縦框3cを縦框連結部材6の嵌合溝65に向けて移動し、嵌合させる。
【0019】
この時、縦框連結部材6の嵌合溝65の両側のフランジ部62,63の内面に係合縁68が、嵌合溝64における一対の係合縁66,67と同様に一対設けてある場合は、右側のフェンス3Rの位置あわせがわずかにずれていても、フェンスは長さを有するので、フェンスの微小位置調整は困難であるため、右側の縦框3cを嵌合溝65に容易に嵌合することができない。しかし、後に縦框が嵌合される側の嵌合溝には1個の係合縁68しか設けられていないので、右側のフェンス3Rの位置あわせがわずかにずれている場合でも、右側の縦框3cを嵌合溝65に容易に嵌合することができる。
【0020】
そして、左右のフェンスが縦框連結部材6により連結された状態では、両フェンスの間に生じる隙間は、図2(a)に示されているように、縦框連結部材6の両側のフランジ部62,63により隠蔽されるから、フェンスの外観に隙間が露見することがない。また、縦框連結部材6は、ビスを用いずに縦框3cと結合されるので、ビスがフェンスの外面に現れることもない。従って、フェンスの縦框連結部材6により連結される部分の外観及び美観が向上される。
【0021】
左右のフェンス3L,3Rが縦框連結部材6により上述したように連結される前に、両フェンスの上框3aの隣接する長手方向端部の一方には、図5に示された上框連結部材7が、予め取り付けられる。
上框連結部材7は、合成樹脂成型品であり、長手方向中間位置に薄い垂直板71を有する。この垂直板の輪郭形状は、フェンスの上框3aの外形とほぼ等しく形成されている。上框連結部材7は、その垂直板71の上部から左右方向に、すなわち、互いに反対方向に等しい距離まで延出する挿入部72を有する。挿入部72は、一例として、断面ほぼ矩形の中空部72aとその中空部の下側両端部から下方に延びる脚部72bとを有し、例えば、挿入部の外周面に長手方向に連続する又は間欠的なリブを形成して、所要の弾性と摩擦係数を備えている。この弾性と摩擦係数は、挿入部72を上框3aの中空部に圧入でき、容易に抜脱しない程度の弾性と摩擦係数である。
【0022】
このような形状の上框連結部材7は、垂直板71の一方側の挿入部を、予め一方のフェンス、例えば図1の左側のフェンス3の上框3aの中空部に圧入し、他方の挿入部をその上框3aの端部から突出させた状態で取り付けられ、摩擦力により保持される。必要により、上框の裏面からビスB1で固着しても良い。
【0023】
そして、上框連結部材7を取り付けた一つのフェンス(例えば、図1の左側のフェンス3L)の端部に、もう一つのフェンス(例えば、図1の右側のフェンス3R)を連結する際に、その上框連結部材7の上框3aから突出されている残りの挿入部をそのもう一つのフェンスの上框の中空部に圧入することにより、又は必要により、上框の裏面からビスB1で固着することにより、両フェンスの上框3a同士が連結され、垂直板71の外周部分は、その隣接する左右両側の上框の長手方向端面の間に挟まれ、両端面の間に生じる隙間を塞ぐ。従って、両上框の間には、図1に示されているように、薄い垂直板71の外周部分のみが露見されるだけであるので、フェンスの上部の外観体裁が向上する。
【0024】
また、左右のフェンス3L,3Rが縦框連結部材6により上述したように連結する前に、両フェンスの下框3bの隣接する長手方向端部の一方に、図6に示された下框連結部材8が、予め取り付けられる。
下框連結部材8は、上框連結部材7と同様の合成樹脂成型品であり、長手方向中間位置に薄い垂直板81を有する。この垂直板の輪郭形状は、フェンスの下框3bの外形とほぼ等しく形成されている。そして、下框連結部材8は、その垂直板の上部及び下部から左右方向に、すなわち、互いに反対方向に等しい距離まで延出する挿入部82、83を有する。挿入部82は、一例として、断面ほぼ矩形の中空部82aとその中空部の底部分を共有して横断面下方開口コ字形の脚部82bとを有し、また、挿入部83は、挿入部82の脚部82bと近似の横断面上方開口コ字形に形成されている。これらの挿入部82,83は、例えば、それらの外周面に長手方向に連続する又は間欠的なリブを形成して、所要の弾性と摩擦係数を備えている。この弾性と摩擦係数は、挿入部72を上框3aの中空部に圧入でき、容易に抜脱しない程度の弾性と摩擦係数である。
【0025】
このような形状の下框連結部材8は、上框連結部材7と同様に、垂直板81の一方側の上下の挿入部82,83を、予め一方のフェンス、例えば図1の左側のフェンス3の下框3bの中空部に圧入し、他方の挿入部をその下框3bの端部から突出させた状態で取り付けられ、摩擦力により保持される。必要により、下框の裏面からビスB2で固着しても良い。
【0026】
そして、下框連結部材8を取り付けた一つのフェンス(例えば、図1の左側のフェンス3L)の端部に、もう一つのフェンス(例えば、図1の右側のフェンス3R)を連結する際に、その下框連結部材8の下框3bから突出されている残りの挿入部をそのもう一つのフェンスの下框の中空部に圧入することにより、又は、必要により下框の裏面からビスB2で固着することにより、両フェンスの下框3b同士が連結され、垂直板81の外周部分は、その隣接する左右両側の下框の長手方向端面の間に挟まれ、両端面の間に生じる隙間を塞ぐ。従って、両下框の間には、図1に示されているように、薄い垂直板81の外周部分のみが露見されるだけであるので、フェンスの下部の外観体裁も向上する。
【0027】
以上のようにして、隣接する二つのフェンス3L,3Rが縦框連結部材6、上框連結部材7及び下框連結部材8を介して連結されて、支柱2L,2Rに固定された状態では、隣接する二つのフェンスの長手方向端部の間に生じる隙間のうち、縦框3cの間に生じ隙間は縦框連結部材6により隠蔽され、上框3aの端部の間に生じる隙間は上框連結部材7の薄い垂直板71により塞がれ、下框3cの端部の間に生じる隙間は下框連結部材8の薄い垂直板81により塞がれるため、両フェンスの連結部分に隙間が現れない。上框及び下框については、ビスB1,B2で補助的に固着する場合でも、上框及び下框の裏面から固着されるので、また、ビス使用数量は最小限に止められる。従って、フェンス3L,3Rの外観体裁・美観が向上する。
【0028】
図1には、図面の簡略化のため、隣接する二つのフェンスして示されていないが、右側のフェンス3Rの右側にも、他のフェンスが順次同様にして連結される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の自在柱式フェンスを示す概略図であり、(a)は正面図、(b)は平面図。
【図2】連結部材(縦框連結部材)とフェンスとの連結構造を示す断面図であり、(a)は図1のA−A線拡大断面図、(b)は図1の左右のフェンスの連結前の断面図。
【図3】図1のB−B線断面図。
【図4】図1のC部の拡大平面図。
【図5】フェンスの上框連結部材の展開図。
【図6】フェンスの下框連結部材の展開図。
【符号の説明】
【0030】
2L,2R 支柱
3L,3R フェンス
3a 上框
3b 下框
3c 縦框
4、5 ブラケット
6 縦框連結部材
61 ウェブ部
62、63 フランジ部
64,65;66,67 係合縁
66’,67’係止爪
68 係合縁
68’ 係止爪
7 上框連結部材
71 垂直板
72 挿入部
8 下框連結部材
81 垂直板
82,83 挿入部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェンスをその長手方向中間位置において支柱の正面に固定し、隣接するフェンスの長手方向端部同士を連結部材により連結してなる自在柱式フェンスにおいて、
前記フェンスの長手方向両端部に、見込み幅の両端部から連結される相手フェンスの方向に延出し、先端に係止爪を有する一対の被係合縁を設けた縦框を取り付け、
前記フェンスの縦框と等しい長さを有し、前記縦框の見込み幅と等しい長さを有するウェブ部と、そのウェブ部の両端部から互いに反対側にそのウェブ部に対して直角方向に平行に延びるフランジ部とを一体に有して横断面形状がほぼH字形を呈し、前記フランジ部の間に互いに反対方向に開口して前記縦框を緊密に嵌合し得る嵌合溝を有し、一方の嵌合溝を形成する前記フランジ部の対向する内面には先端に係止爪を有する一対の係合縁を設け、他方の嵌合溝を形成する前記フランジ部の一方の内面には先端に係止爪を有する係合縁を設けて前記連結部材を構成し、
前記連結部材の一対の係合縁が設けてある嵌合溝に前記フェンスの前記縦框を嵌合して前記縦框の一対の被係合縁を前記連結部材の一対の係合縁に係合し、かつ、前記係止爪を互いに係止させて前記連結部材を連結される二つのフェンスのうちの一方のフェンスに連結固定し、
次いで、前記連結部材の一つの係合縁が設けてある嵌合溝に連結される二つのフェンスのうちの他方のフェンスの縦框を嵌合してその縦框の一対の被係合縁の一方を前記連結部材の一つの係合縁に係合し、かつ、係止爪を互いに係止させて前記連結部材に前記他方のフェンスを連結固定したことを特徴とする自在柱式フェンス。
【請求項2】
フェンスをその長手方向中間位置において支柱の正面に固定し、隣接するフェンスの長手方向端部同士を連結部材により連結してなる自在柱式フェンスにおいて、
前記フェンスの上辺及び下辺に中空部を有する上框及び下框を取り付けるとともに、前記フェンスの長手方向両端部に、見込み幅の両端部から連結される相手フェンスの方向に延出し、先端に係止爪を有する一対の被係合縁を設けた縦框を取り付け、
前記連結部材として、
前記上框の断面輪郭形状と等しい形状を有する垂直板と、その垂直板から互いに反対側に延出し、前記上框の中空部に緊密に嵌合し得る挿入部とを有する上框連結部材、前記下框の断面輪郭形状と等しい形状を有する垂直板と、その垂直板から互いに反対側に延出し、前記下框の中空部に緊密に嵌合し得る挿入部とを有する下框連結部材、及び、前記フェンスの縦框と等しい長さを有し、前記縦框の見込み幅と等しい長さを有するウェブ部と、そのウェブ部の両端部から互いに反対側にそのウェブ部に対して直角方向に平行に延びるフランジ部とを一体に有して横断面形状がほぼH字形を呈し、前記フランジ部の間に互いに反対方向に開口して前記縦框を緊密に嵌合し得る嵌合溝を有し、一方の嵌合溝を形成する前記フランジ部の対向する内面には先端に係止爪を有する一対の係合縁を設け、他方の嵌合溝を形成する前記フランジ部の一方の内面には先端に係止爪を有する係合縁を設けた縦框連結部材を構成し、
前記上框連結部材の一方の挿入部及び前記下框連結部材の一方の挿入部を連結される二つのフェンスのうちの一方のフェンスの上框の中空部及び下框の中空部にそれぞれ嵌合するとともに、前記縦框連結部材の一対の係合縁が設けてある嵌合溝に前記一方のフェンスの前記縦框を嵌合して前記縦框の一対の被係合縁を前記縦框連結部材の一対の係合縁に係合し、かつ、前記係止爪を互いに係止させて前記縦框連結部材を連結される二つのフェンスのうちの一方のフェンスの縦框に連結固定し、
次いで、前記上框連結部材の他方の挿入部及び前記下框連結部材の他方の挿入部を連結される二つのフェンスのうちの他方のフェンスの上框の中空部及び下框の中空部にそれぞれ嵌合するとともに、前記縦框連結部材の一つの係合縁が設けてある嵌合溝に連結される二つのフェンスのうちの他方のフェンスの縦框を嵌合してその縦框の一対の被係合縁の一方を前記縦框連結部材の一つの係合縁に係合し、かつ、係止爪を互いに係止させて前記縦框連結部材に前記他方のフェンスの縦框を連結固定したことを特徴とする自在柱式フェンス。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2009−191535(P2009−191535A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−34286(P2008−34286)
【出願日】平成20年2月15日(2008.2.15)
【出願人】(000191065)新日軽株式会社 (545)
【Fターム(参考)】