説明

自己加熱型容器

本発明は加熱後に消費するための製品を入れる外側が金属製の本体と、ある試薬を保持し、別の試薬を保持すると共に製品の消費の前に指からの圧力により貫通できるシールにより閉止され、ハウジングにより形成される加熱モジュールを受容する第二の容器と、を備える。本発明は一体型加熱モジュールを使用して迅速に加熱することができる包装された製品の準備に役立つ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は自己加熱型容器に関する。
【0002】
この発明の分野は、特に特定の加熱手段が利用できない場合に、室温より高い温度で、かつどこにおいても消費することができる食品、特に飲み物、スープ等を入れることを目的とした容器の準備に関する分野である。
【背景技術】
【0003】
飲み物の温度をある値まで上昇させるために、熱の局部生成のために組み込まれた手段を備える自己加熱型容器については、いくつかのタイプが知られている。上記タイプの中では、特許WO03/064283や他の類似特許に記載されるものがある。
【0004】
開示されている組み込み型加熱手段を備える容器の型は、複雑で、従って高価な製造工程を必要とするそれらの複雑な構造などの欠点を有する。更に、特許に記載されるあるタイプは、その構成部品が封止結合を維持するのに技術的に困難であることを考慮すると、適応性に疑問がある。
【0005】
他のケースでは、提案容器の機能的及び形状の設計は、意図する目的には殆ど適しない。
【0006】
従って、適切な構造を有し、使用が容易であり、かつ入れられたタイプの製品に適した温度レベルに比較的迅速に到達する、それ自身の加熱手段を備える容器を有することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】WO03/064283
【発明の概要】
【0008】
本発明は、通常は閉止されている製品を入れる本体と、興味ある飲み物を消費する前に接触する2つの化学製品の発熱反応に類似する既知の原理により作動する組み込み型加熱装置と、により基本的に形成される簡単な構造(最小の構成部品で)と、適度に簡単な構成とを有する容器に関する。この過程は容器とそれに関係する装置とを形成する部品設計の結果として安全かつ効率的に進行する。
【0009】
説明を容易にするため、この明細書には数枚の図面が添付されており、その中で特許請求の範囲の原理に従って、自己加熱型容器の一つの実施例が、説明用で、かつ限定のためではない例により図示されている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】新容器の基本的容器部品を形成する構成要素を、それらが結合された相対位置で図示された展開図である。
【図2】容器の加熱過程を開始させるように作動し、2つの関係する要素を備えるハウジングの図である。
【図3】新容器を形成する容器の1つに結合され、次に、別の容器に関係するハウジング及びそれに関係する要素を示す。
【図4】容器の1つの加熱を起こし、次にもう1つの容器に入れられた飲み物の加熱を起こす装置の動作を示す。
【図5】その内容物が加熱され、その消費の準備ができた容器の通常位置を表示する。
【図6】容器内に含まれる機能的ハウジングの部分詳細である。
【図7】容器内に含まれる機能的ハウジングの部分詳細である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
容器の構成。本体1には、任意に、組み込み手段により一旦加熱されると、その消費を目的とする飲み物、スープなどの製品が入る。
【0012】
前記本体1は、付属図面に応じて円筒形などの如何なる標準形状をも有することが可能で、適切な厚さの金属材料からできている。その上部には、通常の開放手段を備え、周辺のひだ4で固定される円盤状の蓋3を受けるためのフランジ2を有する。
【0013】
その下部で、本体1は、任意に減少する直径を有し、その端部に蓋3に類似し、封止ひだ24により最終的に固定される閉止蓋8を設置するためのフランジ7を備える、より小さい直径を有する円筒状領域6が続く領域5を有する。
【0014】
容器9は、その口部に突出するフランジ9’を有する円筒状本体から構成され、従って、前記構成要素9は第1容器1の下部フランジ7で支持される。
【0015】
ハウジング形状の構成要素10は、その円筒状側面11にかなりの抵抗を有するプラスチック材料からできたその直径と比較して低い高さの円筒状本体である一方、厚さが薄いその底面12は、その中央部が柔軟性を有し、その内面に突起13がある円天井を画定する。突起13はその表面に鋭角状カット14を備え、L型または直角断面を有する4本の指部を形成する四角い断面を有する角柱の形を有する。
【0016】
適切な場合、容易に貫通することができるアルミニウムまたは類似の材料からできた薄い円盤状シール15が周辺リム16の結果として、ハウジングを封止する。この種のハウジングはその底部外面に、フィルタとして作用する多孔質材料の円盤17が組み込まれる。
【0017】
円盤17は柔軟性を有し、多孔質で、空気透過性及び水蒸気吸収性材料からできている。
【0018】
ハウジング10とそれに関係する要素が取り付けられた後、前記二重ひだ24により固定され、蓋8、フィルタ17、容器9のフランジ9’、および本体1の下部フランジ2を完全に漏れのないように結合する下部蓋8が配置される一方、同時に、下部蓋8は、ハウジング10が完全に固定されるように保持する。
【0019】
その構成要素から記述される自己加熱型容器の組み立てについて以下に述べる:
【0020】
一定量の水がハウジング10に入れられ、シール15により封止され、その内面は中央突起13上に正確に支持され、その指部は直角断面を有する。フィルタ円盤17は、同様にそれに組み込まれる。
【0021】
別に、水と接触すると、発熱反応を起こす酸化カルシウムなどの一定量の製品20が容器9に入れられる。容器9は、図3に従い、その内容物を入れたまま、本体1の円筒状下部6の口部へ取り付けられる。
【0022】
次に、ハウジング10とその付属物が、図3に従い構成要素1と9の結合口へ取り付けられた後、蓋8が取り付けられ、容器、即ち蓋8の関係エッジ、フィルタ17、ハウジング10及び容器9のこの端部の封止を保証する既述の二重ひだ24がこれに続く。容器9は本体1に対して完全に固定される。
【0023】
図5に移って、本体1の位置を転倒すると、その消費が加熱後、任意に起こる食品(飲み物など)の所要量がこの本体の上部口を通して注入される。製品は、図5に従って、容器9の上部と側部とで受けられ、同様に、本体1とその容器9の間にある下部19を占有する。最後に、通常の周辺ひだにより固定される上部蓋3が取り付けられる。
【0024】
次に、多くの場合、入れられる製品のタイプに応じて、完成容器(その加熱モジュールが組み込まれた)の殺菌が、製品の特性に適した温度と圧力で加圧殺菌器内で行われる。
新容器の簡単な構成と金属特性を考慮して、殺菌は可能であり、容器は、好ましくは環状及び層状ラベル18が取り付けられたその最終状態にある。
【0025】
安全ひだ24により固定された下部蓋8は、容器と関係する加熱モジュールの全ての構成要素を閉止し、かつ保持することは、同様に強調することができる。
【0026】
用途。本体1に入れられた飲み物の消費は、その事前加熱に関係して、ひだ24により保持される下部蓋8を部分的に剥がし、フィルタ17、及びその後のハウジングの円天井または(柔軟な)中央部12を露出させることにより行われる。この中央部は押圧され、これにより突起13が軸方向へ前進し、ストライカのように、シール15を裂き、ハウジングに入った水が容器9へ流れる。水は前記容器に入れられた酸化カルシウム20と接触し、発熱化学反応を開始させ、容器9の温度を著しく上昇させる。
【0027】
その内容物を含む容器は、10秒間振られることで、試薬の混合が促進され、再度反転させて上を向ける(図5)。30秒以内に、発熱化学反応による加熱が認められて、これが容器9の表面の温度、その結果として製品の温度を著しく上昇させる。
【0028】
最後に、ユーザは、3分以内に上蓋3を分離させることにより容器の口部を開放することができ、加熱された飲み物にアクセスすることができる。
【0029】
容器は、内容物温度を周囲温度に対して38〜40℃上昇させるように設計されているので、本体1の金属壁は、例えば通常65〜70℃のオーダの高温で、前記動作で加熱されることも明らかである。この目的のため、及び容器の本体1を保持するユーザにとっての不便さと火傷の危険を防止するため、ラベル18はポリエチレンなどの断熱材料から作られる。
【0030】
容器9内で起こる化学反応の結果として、高温空気に含まれる湿分の凝縮が、冷たい表面(例えば、容器が設置されるテーブル表面)に触れると起こる。
【0031】
反応開始後に容器を反転させない場合は、内容物は適切に加熱されず、少量の蒸気が発生し、この一部はフィルタ円盤17に吸収される。
【0032】
ハウジング10の設計において、2つの重要な詳細を強調しなければならない。第一に、冠22に存在する開口21は、容器9の外側と内側の間の空気の通過を可能にし、反応が常に大気圧で起こることを保証する一方、リブ23は、反応の結果発生し、フィルタ円盤17上に堆積する粉末状の水酸化カルシウムの量を最小化する。
【0033】
この発明の目的の一部ではない、絶縁材料からできた組み込み可能で、かつ分離可能なリングの使用により、ユーザの唇用保護要素の使用が推奨される。
【符号の説明】
【0034】
1:本体
2:フランジ
3:円盤状蓋
4:ひだ
5:領域
6:下部円盤状領域
7:フランジ
8:閉止蓋
9:容器
9’:突出フランジ
10:ハウジング
11:円盤状側部
12:底部
13:突起
14:カット
15:円盤状シール
16:周辺リム
17:円盤状フィルタ
19:下部
20:酸化カルシウム
22:冠
23:リブ
24:ひだ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲み物等を対象としたタイプで、内容物の温度をその消費に適した温度レベルまで上昇させる装置を組み込んだ自己加熱型容器であって、その中に部分的に軸方向の導入により前記容器に関係する飲み物用の金属製容器(1)と、類似の金属製容器(9)とを備え、両容器(1、9)は分離できる蓋(3、8)形状の夫々の閉止手段を備えることを特徴とする自己加熱型容器。
【請求項2】
その側部(11)は高い抵抗を備え、かつ柔軟なドームを形成するその底部(12)の部分は抵抗の少ないプラスチック材料からできた円筒状ハウジングの形の構成要素(10)を備え、前記底部の内面からは、V型ノッチ(14)を備える直角断面を有し、直角断面を有する指部を形成する角柱型の中央突起(13)が突出することを特徴とする、請求項1に記載の自己加熱型容器。
【請求項3】
前記ハウジング(10)は、周辺フランジ(16)を有する、円盤状シール(15)に封止され、その内面が、一旦ハウジングの口部に取り付けられると、前記ハウジングの底部から突出する中央突起(13)の端部と一致する一方、前記底部の外面は円盤状フィルタ要素(17)が組み込まれることを特徴とする、請求項1または2に記載の自己加熱型容器。
【請求項4】
前記ハウジング(10)とそれに関係する要素(15、17)により形成される装置は、前記容器(9)の口部に結合され、加熱モジュールを画定し、前記加熱モジュールは二重の安全ひだ(24)により固定され、かつ封止され、加圧殺菌器での装置の殺菌を可能にする第1容器(1)の端部(6)の1つに導入されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の自己加熱型容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2010−533104(P2010−533104A)
【公表日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−515537(P2010−515537)
【出願日】平成19年7月13日(2007.7.13)
【国際出願番号】PCT/ES2007/000425
【国際公開番号】WO2009/010594
【国際公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【出願人】(509352439)ファースト ドリンクス 2005,エス.エル. (1)
【Fターム(参考)】