説明

自己抗体陽性疾患を有する患者の処置に使用するための方法および組成物

本発明は、自己抗体陽性疾患を有する患者の治療で用いられる方法および組成物に関する。特別な実施形態において、本発明は、治療有効量のニュートロカインアルファのアンタゴニストのような免疫調節剤を投与することを含む。患者の血漿または血清中において、1:80以上のANA力価、および/または30IU/ml以上の抗dsDNA抗体を有する患者を治療する方法に関する。加えて、患者へのコルチコステロイド投与の頻度および/または量を低下させる方法が提供される。好ましい実施形態において、該患者は全身エリテマトーデスを有する。狼瘡患者が医療的治療に応答しているかを決定する方法も提供される。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療有効量のニュートロカイン−アルファのアンタゴニストを投与することを含む、患者の血漿または血清において、ANA力価≧1:80または30IU/mL以上の抗dsDNA抗体を有する患者を治療する方法。
【請求項2】
前記患者が、該患者の血漿または血清において、ANA力価≧1:80および30IU/mL以上の抗dsDNA抗体を有する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記ニュートロカイン−アルファのアンタゴニストが、抗CD20抗体と組み合わされて投与される、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記ニュートロカイン−アルファのアンタゴニストの投与に先立って、前記患者が該患者の血漿または血清において、ANA力価≧1:80または30IU/mL以上の抗dsDNA抗体を有するという決定を行う、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記決定が前記患者の医療記録に基づいてなされる、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記決定が実験室テストに基づいてなされる、請求項4記載の方法。
【請求項7】
前記ニュートロカイン−アルファのアンタゴニストが抗ニュートロカイン−アルファ抗体である、請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記ニュートロカイン−アルファのアンタゴニストが、TACIのニュートロカイン−アルファ結合ドメイン(配列番号6)を含むタンパク質である、請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記ニュートロカイン−アルファのアンタゴニストが、BCMAのニュートロカイン−アルファ結合ドメイン(配列番号8)を含むタンパク質である、請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記ニュートロカイン−アルファのアンタゴニストが、BAFF−Rのニュートロカイン−アルファ結合ドメイン(配列番号10)、または配列番号26のアミノ酸残基2〜70のアミノ酸配列を有するBAFF−Rニュートロカイン−アルファ結合ドメインの変異体を含むタンパク質である、請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記ニュートロカイン−アルファのアンタゴニストがニュートロカイン−アルファ結合ペプチド、ペプチボディ、ニュートロカイン−アルファタンパク質変異体、または抗ニュートロカイン−アルファ受容体抗体である、請求項1記載の方法。
【請求項12】
前記ニュートロカイン−アルファタンパク質変異体がドミナントネガティブとして作用する、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記患者が自己免疫疾患を有する、請求項1記載の方法。
【請求項14】
前記自己免疫疾患が全身エリテマトーデス(SLE)である、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記ニュートロカイン−アルファのアンタゴニストが、抗CD20抗体と組み合わされて投与される、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記自己免疫疾患が慢性関節リウマチ、シェーグレン症候群、強皮症、多発性筋炎、皮膚筋炎、フェルティ症候群、混合性結合組織病、レイノー症候群、または若年性慢性関節炎である請求項13記載の方法。
【請求項17】
前記抗体が:
(a)配列番号13のVHドメインおよびVLドメイン;
(b)配列番号14のVHドメインおよびVLドメイン;
(c)配列番号15のVHドメインおよびVLドメイン;
(d)配列番号16のVHドメインおよびVLドメイン;
(e)配列番号17のVHドメインおよびVLドメイン;
(f)配列番号18のVHドメインおよびVLドメイン;
(g)配列番号19のVHドメインおよび配列番号20のVLドメイン;ならびに
(h)配列番号21のVHドメイン、および配列番号22のVLドメイン;
からなる群より選択されるVHおよびVLドメインの組のアミノ酸配列を含む、請求項7記載の方法。
【請求項18】
(a)患者が、該患者の血漿または血清において、ANA力価≧1:80または30IU/mL以上の抗dsDNA抗体を有するという決定を行うこと;および、
(b)該決定を行った後に、治療有効量のニュートロカイン−アルファのアンタゴニストを該患者に投与すること;
を含む、全身エリテマトーデスを有する患者を治療する方法。
【請求項19】
前記患者が、該患者の血漿または血清において、ANA力価≧1:80および30IU/mL以上の抗dsDNA抗体を有する、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記ニュートロカイン−アルファのアンタゴニストが抗CD20抗体と組み合わせて投与される、請求項18記載の方法。
【請求項21】
前記ニュートロカイン−アルファのアンタゴニストを投与するに先立って、前記患者が:
(a)SELENA SLEDAIスコア≧6;
(b)該患者の血漿または血清における低下したレベルのC3補体因子;
(c)該患者の血漿または血清における低下したレベルのC4補体因子;
(d)該患者が7.5ミリグラム/日以上のプレドニゾンを受容している;および
(e)該患者が、狼瘡関連症状の治療のために、免疫抑制療法を受容している、または以前に受容したことがある;
からなる群より選択される少なくとも1つの特徴を有するという決定を行うことをさらに含む、請求項18記載の方法。
【請求項22】
前記ニュートロカイン−アルファのアンタゴニストの投与に先立って、前記患者が6以上のSELENA SLEDAIスコアを有するという決定を行うことを含む、請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記ニュートロカイン−アルファのアンタゴニストを投与するに先立って、前記患者が、該患者の血漿または血清において90ミリグラム/デシリットル未満のC3補体因子を有するという決定を行うことを含む、請求項21記載の方法。
【請求項24】
前記ニュートロカイン−アルファのアンタゴニストを投与するに先立って、前記患者が、該患者の血漿または血清において16ミリグラム/デシリットル未満のC4補体因子を有するという決定を行うことを含む、請求項21記載の方法。
【請求項25】
前記ニュートロカイン−アルファのアンタゴニストを投与するに先立って、前記患者が7.5ミリグラム/日以上のプレドニゾンを受容しているという決定を行うことを含む、請求項21記載の方法。
【請求項26】
前記ニュートロカイン−アルファのアンタゴニストを投与するに先立って、前記患者が、狼瘡関連症状の治療のために免疫抑制療法を受容している、または以前に受容したことがあるという決定を行うことを含む、請求項21記載の方法。
【請求項27】
前記決定が前記患者の医療記録に基づいてなされる、請求項18記載の方法。
【請求項28】
前記決定が実験室テストに基づいてなされる、請求項18記載の方法。
【請求項29】
前記ニュートロカイン−アルファのアンタゴニストが抗ニュートロカイン−アルファ抗体である、請求項18記載の方法。
【請求項30】
前記ニュートロカイン−アルファのアンタゴニストが、TACIのニュートロカイン−アルファ結合ドメイン(配列番号6)を含むタンパク質である、請求項18記載の方法。
【請求項31】
前記ニュートロカイン−アルファのアンタゴニストが、BCMAのニュートロカイン−アルファ結合ドメイン(配列番号8)を含むタンパク質である、請求項18記載の方法。
【請求項32】
前記ニュートロカイン−アルファのアンタゴニストが、BAFF−Rのニュートロカイン−アルファ結合ドメイン(配列番号10)、または配列番号26のアミノ酸残基2〜70のアミノ酸配列を有するBAFF−Rニュートロカイン−アルファ結合ドメインの変異体を含むタンパク質である、請求項18記載の方法。
【請求項33】
前記ニュートロカイン−アルファのアンタゴニストがニュートロカイン−アルファ結合ペプチド、ペプチボディ、ニュートロカイン−アルファタンパク質変異体または抗ニュートロカイン−アルファ受容体抗体である、請求項18記載の方法。
【請求項34】
前記ニュートロカイン−アルファタンパク質変異体がドミナントネガティブとして作用する、請求項33記載の方法。
【請求項35】
治療有効量のニュートロカイン−アルファのアンタゴニストを患者に投与することを含む、全身エリテマトーデスを有する患者に投与されるコルチコステロイドの頻度または量を低下させる方法。
【請求項36】
前記ニュートロカイン−アルファのアンタゴニストの投与に先立って、前記患者が:
(a)ANA力価≧1:80;
(b)該患者の血漿または血清における30IU/mL以上の抗dsDNA抗体;
(c)SELENA SLEDAIスコア≧6;
(d)該患者の血漿または血清における低下したレベルのC3補体因子;
(e)該患者の血漿または血清における低下したレベルのC4補体因子;
(f)該患者が7.5ミリグラム/日以上のプレドニゾンを受容している;および
(g)該患者が、狼瘡関連症状の治療のために免疫抑制療法を受容しているか、または以前に受容したことがある;
からなる群より選択される少なくとも1つの特徴を有するという決定を行うことを含む、請求項35記載の方法。
【請求項37】
前記患者がANA力価≧1:80を有するという決定を行うことを含む、請求項36記載の方法。
【請求項38】
前記患者が該患者の血漿または血清において、30IU/mL以上の抗dsDNA抗体を有するという決定を行うことを含む、請求項36記載の方法。
【請求項39】
前記患者が該患者の血漿または血清において、ANA力価≧1:80および30IU/mL以上の抗dsDNA抗体を有するという決定を行うことを含む、請求項36記載の方法。
【請求項40】
前記ニュートロカイン−アルファのアンタゴニストを投与するに先立って、前記患者が6以上のSELENA SLEDAIスコアを有するという決定を行うことを含む、請求項36記載の方法。
【請求項41】
前記ニュートロカイン−アルファのアンタゴニストを投与するに先立って、前記患者が該患者の血漿または血清において90ミリグラム/デシリットル未満のC3補体因子を有するという決定を行うことを含む、請求項36記載の方法。
【請求項42】
前記ニュートロカイン−アルファのアンタゴニストを投与するに先立って、前記患者が該患者の血漿または血清において16ミリグラム/デシリットル未満のC4補体因子を有するという決定を行うことを含む、請求項36記載の方法。
【請求項43】
前記ニュートロカイン−アルファのアンタゴニストを投与するに先立って、前記患者が7.5ミリグラム/日以上のプレドニゾンを受容しているという決定を行うことを含む、請求項36記載の方法。
【請求項44】
前記ニュートロカイン−アルファのアンタゴニストを投与するに先立って、前記患者が狼瘡関連症状の治療のために免疫抑制療法を受容している、または以前に受容したことがあるという決定を行うことを含む、請求項36記載の方法。
【請求項45】
前記決定が前記患者の医療記録に基づいてなされる、請求項36記載の方法。
【請求項46】
前記決定が実験室テストに基づいてなされる、請求項36記載の方法。
【請求項47】
前記ニュートロカイン−アルファのアンタゴニストが抗ニュートロカイン−アルファ抗体である、請求項35記載の方法。
【請求項48】
前記ニュートロカイン−アルファのアンタゴニストが、TACIのニュートロカイン−アルファ結合ドメイン(配列番号6)を含むタンパク質である、請求項35記載の方法。
【請求項49】
前記ニュートロカイン−アルファのアンタゴニストが、BCMAのニュートロカイン−アルファ結合ドメイン(配列番号8)を含むタンパク質である、請求項35記載の方法。
【請求項50】
前記ニュートロカイン−アルファのアンタゴニストが、BAFF−Rのニュートロカイン−アルファ結合ドメイン(配列番号10)、または配列番号26のアミノ酸残基2〜70のアミノ酸配列を有するBAFF−Rニュートロカイン−アルファ結合ドメインの変異体を含むタンパク質である、請求項35記載の方法。
【請求項51】
前記ニュートロカイン−アルファのアンタゴニストがニュートロカイン−アルファ結合ペプチド、ペプチボディ、ニュートロカイン−アルファタンパク質変異体または抗−ニュートロカイン−アルファ受容体抗体である請求項35記載の方法。
【請求項52】
前記ニュートロカイン−アルファタンパク質変異体がドミナントネガティブとして作用する、請求項51記載の方法。
【請求項53】
前記コルチコステロイドがプレドニゾン、プレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロンおよびデキサメタゾンからなる群より選択される、請求項35記載の方法。
【請求項54】
前記コルチコステロイドがプレドニゾンである、請求項35記載の方法。
【請求項55】
患者に投与されるプレドニゾンの量が、少なくとも25%ないし7.5ミリグラム/日以下低下する請求項54記載の方法。
【請求項56】
狼瘡の患者が、医療処置に応答するか否かを決定する方法であって、該方法は、
(a)医療処置の実施に先立って、該患者のSELENA SLEDAI、BILAGおよびPGAスコアを決定すること;
(b)該医療処置を実施すること;ならびに、
(c)該医療処置の実施に続いて、該患者のSELENA SLEDAI、BILAGおよびPGAスコアを決定すること;
を含み、ここで、工程(c)で決定されたSELENA SLEDAIスコアが工程(a)において決定されたSELENA SLEDAIスコアより4ポイント以上低く、工程(c)において決定されたBILAG指標スコアが、工程(a)で決定されたBILAGスコアと比較して、新しいBILAG A器官ドメインスコア、または2つの新しいBILAG B器官ドメインスコアを含まず、および工程(c)で決定されたPGAスコアが工程(a)で決定されたPGAスコアから0.3ポイント以上高くはない場合、該患者は医療処置に応答したと考えられる、方法。
【請求項57】
前記医療処置がニュートロカイン−アルファのアンタゴニストを含む医薬組成物である、請求項56記載の方法。
【請求項58】
前記ニュートロカイン−アルファのアンタゴニストが抗ニュートロカイン−アルファ抗体である、請求項56記載の方法。
【請求項59】
前記ニュートロカイン−アルファのアンタゴニストが、TACIのニュートロカイン−アルファ結合ドメイン(配列番号6)を含むタンパク質である、請求項56を含む方法。
【請求項60】
前記ニュートロカイン−アルファのアンタゴニストが、BCMAのニュートロカイン−アルファ結合ドメイン(配列番号8)を含むタンパク質である、請求項56記載の方法。
【請求項61】
前記ニュートロカイン−アルファのアンタゴニストが、BAFF−Rのニュートロカイン−アルファ結合ドメイン(配列番号10)、または配列番号26のアミノ酸残基2〜70のアミノ酸配列を有するBAFF−Rニュートロカイン−アルファ結合ドメインの変異体を含むタンパク質である、請求項56記載の方法。
【請求項62】
前記ニュートロカイン−アルファのアンタゴニストがニュートロカイン−アルファ結合ペプチド、ペプチボディ、ニュートロカイン−アルファタンパク質変異体または抗−ニュートロカイン−アルファ受容体抗体である、請求項56記載の方法。
【請求項63】
前記ニュートロカイン−アルファタンパク質変異体がドミナントネガティブとして作用する、請求項62記載の方法。
【請求項64】
約5.5〜約6.5のpHを持ち、治療有効量の抗体、約5mM〜約50mMの量の緩衝液、約150mM〜約500mMの量のNaCl、約0.003%〜約0.05%の量の界面活性剤を含む水性医薬製剤。
【請求項65】
前記抗体がヒトIgG1/λ抗体であり、前記緩衝液が10mMヒスチジンであり、前記界面活性剤が0.01%w/vの量のポリソルベート80であり、前記NaClが150mMであって、6.0のpHを有する、請求項64記載の製剤。
【請求項66】
約2〜8℃の温度において少なくとも1年間安定である、請求項65記載の製剤。
【請求項67】
約2〜8℃の温度において少なくとも2年間安定である、請求項65記載の製剤。
【請求項68】
前記抗体が100mg/mlの量で存在する、請求項65記載の製剤。
【請求項69】
100mg/mlのIgG1/λ抗体、0.74mg/mlのL−ヒスチジン、1.1mg/mlのL−ヒスチジン一塩酸塩、8.8mg/mlのNaClおよび0.1mg/mlのポリソルベート80を含み、6.0のpHを有する、請求項64記載の水性医薬製剤。

【図1】
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【公表番号】特表2009−521398(P2009−521398A)
【公表日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−535568(P2008−535568)
【出願日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際出願番号】PCT/US2006/038756
【国際公開番号】WO2007/142667
【国際公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願人】(597018381)ヒューマン ジノーム サイエンシーズ, インコーポレイテッド (44)
【氏名又は名称原語表記】Human Genome Sciences, Inc.
【Fターム(参考)】