説明

自己注射装置

薬物送達装置(100)は、薬剤を容れるリザーバ(160)が内部に配置された本体(102、116)と、患者の皮膚に入り込む注射針(152)であり、リザーバ(160)と患者の間の薬剤の経路を提供する注射針(152)とを含む。薬物送達装置(100)はさらに、本体(102、116)内で移動可能なプランジャ(144)であり、薬剤をリザーバ(160)から放出させるプランジャ(144)と、プランジャ(144)をリザーバ(160)に向かってバイアスするバイアス手段(140)であり、起動前位置では入れ子式に収縮しており、起動させると、プランジャ(144)に力を加えてリザーバ(160)から薬剤を放出させるバイアス手段(140)とを含む。バイアス手段(140)は、不等ピッチを有する円錐コイルばねの形態で提供されることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、患者の便益、使い易さおよび効率に優れ、改良された加圧機構を備える物質送達装置に関する。本発明はまた一般に、さまざまな物質または薬剤(medication)を患者に送達する目的に使用することができるパッチ(patch)状で自蔵式の(self−contained)物質注入装置(substance infusion devide)または自己注射装置(self−injection device)にも関する。より具体的には、本発明は、流体を加圧する円錐コイルばね(conical spring)を備えるパッチ状の注入装置または自己注射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
糖尿病などの病気に苦しんでいる人など多くの人々が、自身のグルコース濃度の厳密な制御を維持するために、デイリーインスリン注入(daily insulin infusion)などの何らかの形式の注入療法を使用している。現在、インスリン注入治療の例には、2つの主要な方式のデイリーインスリン療法がある。第1の方式は注射器およびインスリンペン(pen)を含む。これらの装置は、使用法が単純であり、比較的に低コストであるが、一般に1日に3回ないし4回行う注射のたびに針を突き刺す必要がある。第2の方式は注入ポンプ療法を含み、この療法では、約3年間もつ高価なポンプを購入する必要がある。このポンプの高いコスト(注射器治療の1日当たりのコストのおよそ8倍ないし10倍)および限られた寿命が、このタイプの療法に対する高い障壁である。さらに、生活様式の観点から見ると、患者の腹部の送達部位とポンプとをつなぐ管(「注入セット」として知られている)は非常に不便であり、ポンプも比較的に重く、ポンプを携帯することは大きな負担である。しかしながら、患者の側から見ると、ポンプを使用したことがある患者の圧倒的多数が、残りの人生をポンプとともに過ごす方を選択する。これは、注射器やペンよりも複雑ではあるが、インスリンの連続注入、正確な投与量、プログラム可能な送達スケジュールといった利点を注入ポンプが提供するためである。その結果、グルコースの制御がより厳密になり、体調が改善する。
【0003】
ポンプ療法の広まりが認められることおよびデイリー注入の数が増えていることから、より優れた療法に対する関心が高まっている。この注入例および同様の注入例において、この関心の高まりに十分に応えるために必要なのは、デイリー注入療法の最も優れた特徴(低コストおよび使い易さ)とインスリンポンプの最も優れた特徴(連続注入および正確な投与量)とを結合し、それぞれの療法の欠点を回避した、ある形式のインスリン送達またはインスリン注入である。
【0004】
低コストで使用に便利な歩行可能な(ambulatory)または「装着可能な(wearable)」薬物(drug)注入装置を提供する試みがいくつかなされている。これらの装置のうちの一部の装置は、部分的にまたは全体的に使い捨てであることが意図されている。理論上、このタイプの装置は、付随するコストおよび不都合なしに、注入ポンプの利点の多くを提供することができる。しかしながら、残念なことに、これらの装置の多くは、(使用する注射針のゲージ(gauge)および/または長さに起因する)患者の不快感、送達する物質と注入装置の構造内で使用されている材料との間の適合性および相互作用、ならびに患者が適切に起動(activation)させなかった場合の可能な誤動作(例えば装置の起動が早過ぎたことによる「漏れた(wet)」注入)などを含む欠点を有する。製造および針の侵入深さの制御も難しく、短くかつ/または細いゲージの注射針を使用するときには特にそうであった。使用済みの装置に触れた人が針を突き刺して負傷する可能性があることも問題であった。
【0005】
したがって、インスリン注入ポンプなどの現在の注入装置に代わる装置であって、簡単に製造でき、インスリン用途および非インスリン用途に対する改良された使用法をさらに提供する装置が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,569,143号明細書
【特許文献2】国際公開第02/083214号パンフレット
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Biochem Biophys Acta, 1989,67,1007
【非特許文献2】Rubins et al., Microbial Pathogenesis, 25,337-342
【発明の概要】
【0008】
本発明の1つの態様は、皮膚に対して都合よく取り付けることができ、同時に所望の物質の注入を提供し、1本または数本の微細針を使用することにより不快感を最小限に抑える、パッチ状の注入装置または自己注射装置を提供することである。本発明の追加の態様は、流体を加圧する円錐コイルばねを有する該注入装置または自己注射装置を提供することである。
【0009】
本発明の上記の態様および/またはその他の態様は、薬剤を容れるリザーバが内部に配置された本体と、患者の皮膚に入り込む注射針であり、リザーバと患者の間の薬剤の経路を提供する注射針とを含む薬物送達装置を提供することによって達成される。この装置はさらに、本体内で移動可能なプランジャ(plunger)であり、薬剤をリザーバから放出させるプランジャと、プランジャをリザーバに向かってバイアス(付勢)するバイアス手段(biasing means)であり、起動させる前の位置(以後、起動前位置)では入れ子式に収縮しており、起動させると、プランジャに力を加えてリザーバから薬剤を放出させるバイアス手段とを含む。
【0010】
本発明の上記の態様および/またはその他の態様は、薬剤を容れるリザーバが内部に配置された本体と、患者の皮膚に入り込む注射針であり、リザーバと患者の間の薬剤の経路を提供する注射針とを含む薬物送達装置を提供することによっても達成される。この装置はさらに、本体内で移動可能なプランジャであり、薬剤をリザーバから放出させるプランジャと、起動前位置では入れ子式に収縮しており、起動すると、プランジャをリザーバの方へある力で押しやって、リザーバから薬剤を放出させるバイアス手段とを含む。
【0011】
本発明の上記の態様および/またはその他の態様は、薬物送達装置の本体内に配置された薬剤を含むリザーバに選択的に圧力を加える加圧システムを提供することによっても達成され、このシステムは、本体内で移動可能なプランジャと、起動前位置において圧縮可能な円錐コイルばねであり、プランジャをリザーバに向かってバイアスし、それによって加圧システムの起動後にリザーバに圧力を加える円錐コイルばねとを含む。
【0012】
本発明の追加の態様および利点ならびに/または他の態様および利点のうち、一部は、以下の説明に記載されており、一部は、以下の説明から明らかであるか、または本発明を実施することによって知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明の実施形態の上記の態様および利点ならびに/または他の態様および利点は、添付図面に関して書かれた以下の詳細な説明からより容易に理解される。
【0014】
【図1】起動させる前の起動前状態(pre−activated state)にあるパッチ状注入装置または自己注射装置の一実施形態の透視図である。
【図2】起動前状態にある図1の注入装置の部分分解図である。
【図3】より多くの詳細を示すために起動ボタンを回転させて引き離した、起動前状態にある図1の注入装置の部分分解図である。
【図4】起動前状態にある図1の注入装置をより完全に分解した分解図である。
【図5】起動前状態にある図1の注入装置の断面図である。
【図6】起動ボタンを回転させて引き離した、起動前状態にある図1の注入装置の断面図である。
【図7】安全機構を取り付けている最中の図1の注入装置の部分分解図である。
【図8】起動後の図1の注入装置の部分分解図である。
【図9】起動後の図1の注入装置をより完全に分解した分解図である。
【図10】起動後の図1の注入装置の断面図である。
【図11】安全機構が展開した後の図1の注入装置の部分分解図である。
【図12】安全機構が展開した後の図1の注入装置の断面図である。
【図13】安全機構の底面を示す図である。
【図14】安全機構の構造をさらに示す図である。
【図15A】図1の注入装置内の投与量終了インジケータ(end−of−dose indicator)を示す図である。
【図15B】図1の注入装置内の投与量終了インジケータを示す図である。
【図15C】図1の注入装置内の投与量終了インジケータの動作を示す図である。
【図15D】図1の注入装置内の投与量終了インジケータの動作を示す図である。
【図16】注射ポートを有する注入装置の一実施形態を示す図である。
【図17】起動前状態にある図1の注入装置の断面図である。
【図18】起動後の図1の注入装置の断面図である。
【図19】図1の装置内のばねの平面図である。
【図20】図18のばねの側面図である。
【図21】実質的に線形特性ばねである円錐コイルばねの力を撓みに対して示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明の実施形態を詳細に参照する。本発明の実施形態の例は添付図面に示されており、図面中では、全体を通じて、同様の参照符号が同様の要素を指している。記載の実施形態は、図面を参照することによって本発明を例示する。
【0016】
以下に記載する本発明の実施形態を、パッチ状の便利な注入装置または自己注射装置100として使用して、液体の薬物または薬剤など予め計量したある用量の物質を、ある期間の間に患者に送達し、または一度に全量を患者に送達することができる。この装置は、予め充填された状態で、すなわち薬物または薬剤が既に装置リザーバ(reservoir)内にある状態で、最終使用者に提供されることが好ましい。本明細書に記載のパッチ状の注入装置または自己注射装置100(例えば図1に示されている)は、患者および/または介護者が使用することができるが、便宜上、装置の使用者を以後、「患者」と呼ぶ。さらに、便宜上、水平面に配置された注入装置100に対する相対的な方向を表すために、「垂直」および「水平」、「頂部」および「底部」などの用語を使用する。しかしながら、注入装置100はこのような向きだけに限定されないこと、および注入装置100は任意の向きで使用することができることが理解される。さらに、本発明を実施する装置を記述するのに用語「注入装置」と用語「自己注射装置」のどちらか一方を使用したとき、その用語の使用が意味を限定することは意図されていない。自己注射能力を有しない注入装置も本発明の範囲に含まれ、連続注入を実施しない自己注射装置も本発明の範囲に含まれる。便宜上、以下の説明では用語「注入装置」を使用するが、本発明は注入装置だけに限定されない。
【0017】
図1のパッチ状注入装置100は自蔵式であり、注入装置100の底面に配置された接着剤によって患者の皮膚の表面(以後、皮膚表面)に取り付けられる(後により詳細に説明する)。患者が適切に配置し、起動させた後、装置内の柔軟な(flexible)リザーバに加わる解放されたばねの圧力を使用して、リザーバの内容物を全て、針マニホルド(manifold)を通して1本または数本の患者針(例えば微細針)から放出させることができる。次いで、皮膚内へ打ち込まれた微細針によって、リザーバ内の物質が、患者の皮膚を通して送達される。
【0018】
当業者には理解されることだが、本明細書に開示されたパッチ状注入装置100を構築し使用する方法は多数ある。図面および以下の説明に示す実施形態を参照するが、本明細書に開示する実施形態が、開示の発明が包含するさまざまな代替設計および代替実施形態の全てを網羅することは意図されていない。開示するそれぞれの実施形態ではこの装置を注入装置と呼ぶが、この装置が、一般的な注入装置によって一般的に達成される速度よりもはるかに速い(ボーラス(bolus))速度で物質を注射することもある。例えば、数秒という短い時間で、または数日もの長い期間で内容物を送達することができる。
【0019】
図1から12に示したこの装置の一実施形態には、装置の起動および動力供給(energizing)が1回の多機能/多ステップ工程で達成されるパッチ状注入装置100の押しボタン設計が示されている。図1は、起動前状態にある注入装置100の組み立てられた一実施形態を示す。図2〜6は、起動前状態にある注入装置100の部分分解図および断面図を示し、図7は、安全機構を取り付けている最中の注入装置100の部分分解図を示し、図8〜10は、起動後の注入装置100の分解図および断面図を示し、図11および12は、安全機構が展開した後の注入装置100の分解図および断面図を示す。注入装置100は、起動前状態(例えば図1、2および5に示されている)、起動した状態または引き金が引かれた状態(例えば図8〜10に示されている)、および引っ込んだ状態または安全な状態(例えば図11および12に示されている)の間で動作するように構成されている。
【0020】
図1に示すように、パッチ状注入装置の一実施形態100は、底部エンクロージャ(enclosure)104、安全機構108、柔軟な針カバー112、頂部エンクロージャ116、リザーバサブアセンブリ120、投与量終了インジケータ(EDI)124および起動ボタン128を含み、起動ボタン128は患者インタフェース(interface)面132を含む。さらに、図2〜6に示すように、注入装置100はさらに、回転体または起動リング136、加圧ばね140、ドーム(dome)状金属プランジャ144および打出しばね(駆動ばね;drive spring)148を含む。
【0021】
柔軟な針カバー112は、少なくとも1本の針152(後により詳細に説明する)を保護し、無菌障壁を提供することによって、患者および装置の安全を提供する。針カバー112は、装置製造中に針152を保護し、使用前に患者を保護し、取り外す前の任意の時点において無菌障壁を提供する。一実施形態によれば、針カバー112は、少なくとも1本の針152がその内部に配置された針マニホルドに、プレスばめ(press fit)によって取り付けられる。さらに、一実施形態によれば、針カバー112の周囲に密接に対応するように、安全機構108の針開口156(後により詳細に説明する)が形成されている。
【0022】
例えば図2、3、5、6、8、10および12に示すように、リザーバサブアセンブリ120は、リザーバ160、リザーバドームシール164、弁168、少なくとも1本の針152および少なくとも1つのチャネル(channel)172(例えば図8参照)を含み、少なくとも1つのチャネル172は、弁168と針152の間に配置され、弁168と針152の間の流路を形成する。リザーバ160はドーム176を含む。さらに、リザーバサブアセンブリ120は、少なくとも1本の針152を選択的に覆う取外し可能な針カバー112を含む。一実施形態によれば、リザーバサブアセンブリ120はさらに、チャネル172を覆うリザーバアームシール180を含む。針152は、針マニホルドおよび複数の微細針152を含むことが好ましい。
【0023】
例えば図5に示されたリザーバサブアセンブリ120のリザーバドームシール(柔軟なフィルム)164は、プランジャ144とドーム176の間に配置される。注入装置100のリザーバ内容物(例えば医薬物)は、リザーバドームシール164とドーム176の間の空間に配置される。リザーバドームシール164、ドーム176およびリザーバドームシール164とドーム176の間の空間の組合せが、リザーバ160を画定する。リザーバ内容物を見ることができるように、ドーム176は透過性であることが好ましい。リザーバドームシール164は、金属でコーティングされたフィルムまたは他の同種の物質など、膨張しない材料または膨張しない積層物から製作することができる。例えば、リザーバドームシール164に使用することができる可能な1つの柔軟な積層フィルムは、第1のポリエチレン層、障壁特性に基づいて選択された第3の金属層に対する付着機構を提供することが当業者に知られている第2の化学層、ならびにポリエステルおよび/またはナイロンを含む第4の層を含む。金属でコーティングされたフィルムまたは金属被覆フィルムを堅い部分(例えばドーム176)とともに利用することによって、リザーバ160の障壁特性が向上し、それによってリザーバ160に含まれる内容物の保管寿命が延びまたは改善する。例えば、リザーバ内容物がインスリンを含む場合、リザーバ160内の1次接触材料(primary material of contact)には、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、環状オレフィン共重合体(COC)およびTeflonなどが含まれる。後により詳細に説明するが、リザーバ内容物の残りの流路内の1次接触材料にも、COCおよびLLDPE、ならびに熱可塑性エラストマー(TPE)、医療用等級のアクリル樹脂、ステンレス鋼および針接着剤(例えばUV硬化型接着剤)を含めることができる。リザーバ160の内容物と長期間接触し続けるこのような材料は、ISO 10−993および適用可能な他の生体適合性試験に合格することが好ましい。
【0024】
リザーバサブアセンブリ120は、リザーバ内容物の定められた保管寿命の間、制御された適切な環境下で内容物に悪影響を与えることなく保管することができ、さまざまな環境条件で使用することができることがさらに好ましい。さらに、リザーバサブアセンブリ120の構成要素が提供する障壁は、所望の保管寿命を達成するために許容しうる速度よりも速い速度で気体、液体および/または固体物質が内容物中へまたは内容物中から輸送されることを許さない。以上に示した実施形態において、リザーバ材料は、華氏約34度(摂氏1.1度)から華氏約120度(摂氏48.9度)の温度範囲で保管され、機能する能力を有し、2年以上の保管寿命を有することができる。
【0025】
安定性要件を満たすことに加えて、30psi(207kPa)の試料を漏れることなく20分間保持するなど任意の数の漏れ試験に合格することによって、リザーバサブアセンブリ120は動作をさらに保証することができる。この構成のリザーバによる充填、保管および送達の追加の利点には、ヘッドスペース(headspace)の最小化、適応性(adaptability)などがあり、これらについては下でより詳細に説明する。
【0026】
一実施形態では、充填する前にリザーバ160を空にする。充填前にリザーバ160を空にし、ドーム176内にわずかな凹みだけがあるようにすることによって、ヘッドスペースを最小化し、リザーバ160内の過剰な廃棄物を最小限に抑えることができる。さらに、使用する動力供給機構(例えば加圧ばね140およびプランジャ144)のタイプに適合するように、リザーバの形状を構成することができる。さらに、空の柔軟なリザーバ160を充填時に使用することで、充填後のリザーバ160内の空気または気泡が最小限に抑えられる。注入装置100が外圧を受けるとき、またはリザーバの内圧の増大につながりうる温度変化を受けるときにも、柔軟なリザーバ160の使用は非常に有益である。このような場合、柔軟なリザーバ160は、リザーバ内容物とともに膨張および収縮し、それによって膨張力および収縮力に起因する可能な漏れを防ぐ。
【0027】
リザーバ160の特徴にはこのほか、充填時の自動微粒子検査または使用時の患者による微粒子検査を可能にする能力が含まれる。ドーム176などの1つまたは複数のリザーバ障壁は、リザーバ内に含まれる物質の検査を可能にする透過性で透明なプラスチック材料から成形することができる。この透過性で透明なプラスチック材料は、高い透過性および透明性、少ない被抽出物、およびリザーバ160内に含まれる物質との生体適合性を特徴とする、環状オレフィン共重合体であることが好ましい。適当な1つの材料が、米ケンタッキー州LouisvilleのZeon Chemicals,L.P.から「BD CCP Resin」の名称で販売されており、この材料は、米国食品薬品局/DMF(U.S.Food and Drug admistration and DMF)No.16368に記載されている。このような用途では、リザーバ160が、検査を妨害する可能性がある最小限のフィーチャ(feature)を含む(すなわち検査中の回転が容認される)。
【0028】
チャネルアーム172は、弁168から針マニホルドまたは微細針152まで延びる少なくとも1本の柔軟なアーチ形のアームの形態で提供される。このアーチ形のアームには溝174(例えば図2参照)が形成されている。弁168と針マニホルドまたは微細針152との間の流体経路を提供するため、リザーバアームシール180が溝174を覆っている。リザーバ160と微細針152の間の(例えば図8に示されているチャネルアーム172内に配置された)この流体経路は、リザーバ160に関して上で説明した材料と同種の材料または同一の材料から構築される。例えば、ドーム160と同じ材料からチャネルアーム172を構築し、リザーバドームシール164と同じ材料からリザーバアームシール180を構築することができる。一実施形態によれば、両方のチャネルアーム172が、弁168と針マニホルドまたは微細針152との間の流体経路として使用される。他の実施形態によれば、一方のチャネルアーム172だけが流体経路として使用され、残りのチャネルアーム172は構造上の支持を提供する。このような実施形態では、弁168から針マニホルドまたは微細針152までの溝174が、流体経路として使用するチャネルアーム174の中だけに延びる。
【0029】
チャネルアーム172は、起動力に耐える十分な柔軟性を有していなければならない。図2と図8のチャネルアーム172の位置を対比すると、チャネルアーム172(図2ではリザーバアームシール180によって覆れており、図8では、分かりやすくするためにリザーバアームシール180が取り除かれている)は、微細針152が患者の皮膚に打ち込まれたとき(後により詳細に説明する)に弾性変形する。このような変形の間、チャネルアーム172は、弁168と針マニホルドまたは微細針152との間の流体経路の完全性を維持しなければならない。さらに、チャネルアーム172用の材料は、多数の生体適合性試験および保管試験の合格用件を満たす。例えば、下表1に示すように、注入装置の内容物がインスリンを含む場合、リザーバ160の1次接触材料は、線状低密度ポリエチレン、環状オレフィン共重合体およびTeflonを含み、さらに透過性で透明なプラスチックを含むことができる。リザーバ160と針マニホルドの微細針152との間の残りの流路(チャネル62)の1次接触材料は、COCおよび/または医療用等級のアクリル樹脂、LLDPE、TPEおよびステンレス鋼、ならびに針接着剤を含む。
【0030】
【表1】

【0031】
より具体的には、微細針152はステンレス鋼から構築することができ、針マニホルドは、ポリエチレンおよび/または医療用等級のアクリル樹脂から構築することができる。リザーバの内容物と長期間接触するときには、このような材料が、ISO 10−993生体適合性試験に合格することが好ましい。
【0032】
リザーバ160とチャネル172の間に配置された弁168は、リザーバ160とチャネル172の間を流体が流れることを選択的に許し、制限する。弁168は、起動前位置(例えば図2、3および6に示されている)と起動後の位置(以後、起動後位置)(例えば図8〜10に示されている)との間を移動する。起動後位置にあるとき、弁は、リザーバ160とチャネル172の間を流体が流れることを許し、したがって針マニホルドおよび微細針152へ流体が流れることを許す。
【0033】
使用時、弁168は最終的に、起動ボタン128の移動によって押し込まれて起動後位置へ移動する。これは、図5と図10の間の弁168の移動によって最も良く示されている。図10に示すように、弁168の移動によって弁168の拡大された遠位端が前進し、それによって、薬物が、リザーバ160からチャネル172内へ、次いで流体経路を下って針マニホルドへ流れる。
【0034】
上で説明した実施形態は少なくとも1本の針152または微細針152を含むが、例示される2本の微細針152など複数の針152または微細針152を含んでもよい。それぞれの微細針152は、34ゲージなど少なくとも31ゲージかまたはそれよりも細く、リザーバ160と流体連通した状態に配置することができる患者針マニホルド内に固定されていることが好ましい。さらに、注入装置100に2本以上の微細針152が含まれるとき、微細針152は、異なる長さまたは異なるゲージ、あるいは異なる長さと異なるゲージの組合せを有することもでき、本体の長さに沿って1つまたは複数のポートを含むことができる。このポートは、微細針152の先端の近く、またはいずれかの微細針152が先端ベベル(bevel)を有する場合には先端ベベルの近くに配置することが好ましい。
【0035】
一実施形態によれば、微細針152のゲージが、注入装置100のリザーバ内容物の送達速度を決める。はるかに大きなカニューレまたは針を必要とする注射器による即時注入に一般に関連した期間よりも長い期間にわたって注入を行うときには、34ゲージの複数の微細針152を使用してリザーバ内容物を送達することが実用的である。開示の実施形態では、皮内または皮下の空間をターゲットとする任意の微細針152を使用することができるが、図示の実施形態は、長さが1mmから7mmの間(すなわち4mm)の皮内微細針152を含む。微細針152の配置は直線アレイまたは非直線アレイとすることができ、特定の用途に必要な任意の数の微細針152を含むことができる。
【0036】
前述のとおり、微細針152は針マニホルド内に配置される。針マニホルド内では、それぞれの微細針152に、少なくとも1本の流体連通経路またはチャネル172が提供される。このマニホルドは、単純に、1本もしくは数本の微細針152への単一の経路を有してもよく、またはそれぞれの微細針152にリザーバ内容物を別々に供給する複数の流体経路もしくはチャネルを提供してもよい。これらの経路またはチャネルはさらに、内容物が移動するための曲がりくねった経路を含むことができる。この曲がりくねった経路は、それによって流体の圧力および送達速度に影響を与え、流量制限装置として機能する。針マニホルド内のチャネルまたは経路の幅、深さおよび構成は用途に応じて変更することができ、チャネルの幅は一般に約0.015インチ(0.38mm)から0.04インチ(1.0mm)の間、好ましくは0.02インチ(0.51mm)であり、マニホルド内のデッドスペース(dead space)を最小化するように設計される。
【0037】
一実施形態によれば、リザーバサブアセンブリ120は、底部エンクロージャ104に対するリザーバサブアセンブリ120の位置合せを助ける一対の穴184および188を有する。底部エンクロージャ104の第1の柱(post)192および第2の柱196(後により詳細に説明する)が、対応するそれぞれの穴184および188に挿入される。
【0038】
リザーバサブアセンブリ120が取り外された分解図において、図4、7および9は、底部エンクロージャ104が実質的に円筒形のハウジング200を含み、ハウジング200内には加圧ばね140およびプランジャ144が配置されていることを示している。一実施形態によれば、円筒形ハウジング200は、ハウジング200内でプランジャ144が平行移動するときにプランジャの対応する複数のそれぞれのレッグ(leg)208およびフット(foot)212を案内する複数の凹んだチャネル(以後、凹形チャネル)204を含む。ひとまとまりで、レッグ208とフット212はプランジャタブ(tab)214を構成する。例えば図4、7および9に示されているように、凹形チャネル204は、円筒形ハウジング200の頂部から円筒形ハウジング200の途中までしか延びていない。凹形チャネル204の下方には、そこを通してプランジャ144のフット212が円筒形ハウジング200から延出することができる開口216がある。開口216は実質的にL字形であり、円筒形ハウジング200の基部のところの水平部分と凹形チャネル204と実質的に整列した垂直部分とを有する。
【0039】
注入装置100が起動前状態にあるとき、加圧ばね140は(例えば図4〜6に示すように)プランジャ144によって圧縮されており、プランジャ144のフット212は実質的に、開口216の水平部分内に配置されている。加圧ばね140の力が、プランジャ144のフット212を、開口216の水平部分の頂部(すなわち円筒形ハウジング200のレッジ(ledge))に対してバイアスしている。後により詳細に説明するが、加圧ばね140とプランジャ144とは協力して、注入装置100が起動したときにリザーバ160に圧力を加える加圧システムを形成する。
【0040】
後により詳細に説明するが、回転体136は、起動前位置(例えば図2〜4に示されている)と起動後位置(例えば図8〜10に示されている)の間を、円筒形ハウジング200の基部の周囲に沿って回転する。回転体136が起動前位置から起動後位置まで回転すると、回転体136の少なくとも1つのフット係合面220(例えば図4に示されている)が、プランジャ144のフット212うちの少なくとも1つのフット212と係合し、プランジャ144を回転させて、フット212が開口216の垂直部分および凹形チャネル204と整列するようにする。この時点で、加圧ばね140がプランジャ144を上方へ移動させ、一段高いチャネル204によってフット212が案内される。
【0041】
加圧ばね140が注入装置100に含まれているのは、リザーバ160に本質的に均一な力を加えてリザーバ160から内容物を押し出すためである。加圧ばね140は、使用時に解放されたときにリザーバ160に圧力を加えるエネルギーを蓄えるために使用される。加圧ばね140は、プランジャ144のフット212と円筒形ハウジング200の間の係合によって、圧縮された状態に維持される。この係合は、保管中に、加圧ばね140が、リザーバ160のフィルム(後述)または(底部エンクロージャ104およびプランジャ144以外の)他の装置構成要素に応力を加えることを防ぐ。プランジャ144は、ばねの張力に耐え、加圧ばね140の荷重下での変形に抵抗する十分な剛性を有し、通常の荷重下で破損すべきではない。
【0042】
前述のとおり、回転体136が起動前位置から起動後位置まで回転すると、回転体136は、プランジャ144のフット212のうちの少なくとも1つのフット212と係合し、プランジャ144を回転させて、フット212を、開口216の垂直部分および凹形チャネル204と整列させる。次いで、圧縮されていた加圧ばね140がプランジャ144を上方へ移動させ、その際にリザーバ160のフィルムに力を加える。リザーバ内容物を皮内送達するためには、リザーバ116内において好ましくは約1psi(6.90kPa)から50psi(345kPa)、より好ましくは約2psi(13.8kPa)から約25psi(172kPa)の圧力を生み出すように、加圧ばね140を構成することができる。皮下注射または皮下注入に対しては、約2psi(13.8kPa)から5psi(34.5kPa)の範囲の圧力で十分なことがある。
【0043】
一実施形態によれば、起動ボタン128は、注入装置100を起動させるために患者が押す患者インタフェース面132を含む。起動ボタン128はさらに、蝶番アーム224および起動アーム228を含む(両方ともに例えば図3に示されている)。起動ボタン128の蝶番アーム224は、開口を有する円筒形の部分を含む。起動アーム228はタブ230を含む(例えば図3参照)。一実施形態によれば、タブ230は、支持面232と、支持面232の片持ばり端に隣接して配置されたロック面234とを含む。一実施形態によれば、タブ230は、起動アーム228の主要部分と鋭角をなす。
【0044】
底部エンクロージャ104上に配置された第1の柱192は、底部エンクロージャ104から上方へ延びる。一実施形態によれば、(例えば図4および7に示すように、)第1のポスト192の基部が、平らな一対の側面236および丸くなった一対の側面240を含む。さらに、例えば図4および7に示すように、第2の柱196ならびに第1の打出しばねベース244および第2の打出しばねベース248が、底部エンクロージャ104から上方へ延びている。後により詳細に説明するが、第1の打出しばねベース244および第2の打出しばねベース248は、打出しばね148の対応するそれぞれの端部を固定する。第1の打出しばねベース244は第2の柱196に隣接して配置され、第1の打出しばねベース244と第2の柱196の間には空間がある。
【0045】
一実施形態によれば、図3および6は、起動ボタン128を組み付けるための底部エンクロージャ104に対する起動ボタン128の位置を示す。この位置では、蝶番アーム224の円筒形部分の開口が、起動ボタン128が(平らな側面236を通って)水平方向にスライドし、第1の柱192と係合することを可能にする。そのようにした場合、蝶番アーム224(したがって起動ボタン128)は第1の柱192を軸に回転することができる。起動アーム228が第2の柱196と第1の打出しばねベース244の間の空間に入ると、タブ230と起動アーム228のうちの少なくとも一方が弾性変形し、最終的に、タブ230の支持面232の片持ばり端が第2の柱196の保持面252を通過する。タブ230の支持面232の片持ばり端が第2の柱196の保持面252(例えば図4参照)を通過し、タブ230のロック面234と保持面252が係合すると、起動ボタン128が起動前位置にあることを知らせる可聴クリック音および触覚フィードバックが提供される。
【0046】
図2〜4および7〜9を再び参照すると、回転体136はさらに、起動突起256および打出しばねホルダ260を含む。患者が起動ボタン128を押し下げると、起動ボタン128の起動アーム228が起動突起256と係合し、それによって回転体136は起動前位置から起動後位置まで回転する。
【0047】
回転体136が起動前位置にあるとき、打出しばねホルダ260は打出しばね148を起動前位置に維持する。前述のとおり、第1打出しばねベース244および第2の打出しばねベース248は打出しばね148の両端を固定する。打出しばね148のほぼ中間点には、回転体136の打出しばねホルダ260と係合する例えば図2および3に示すような実質的にU字形の突起がある。したがって、回転体136が起動前位置にあり、打出しばね148が打出しばねホルダ260と係合しているとき、打出しばね148は引張り状態に維持される。打出しばねホルダ260が打出しばね148を解放する(すなわち例えば図8〜10に示すように回転体が起動前位置から起動後位置まで回転する)と、打出しばね148は、微細針152が、底部エンクロージャ104の開口300(および後により詳細に説明する安全機構108の開口)を通って注入装置100から延出するように、微細針152を打ち出す。
【0048】
したがって、後により詳細に説明するが、単一の多機能/多ステップ工程で実施される注入装置100の起動および動力供給は、患者が起動ボタン128を押し下げること、および起動ボタン128の起動アーム228と回転体136の起動突起256との係合によって回転体136が回転することを含む。前述のとおり、回転体136が回転するとプランジャ144が回転し、プランジャ144が解放されて、リザーバ160内の流体に圧力が加わる。さらに、回転体136が回転すると、打出しばねホルダ260から打出しばね148が解放され、それによって微細針152が打ち出されて注入装置100から延出する。この単一の多機能/多ステップ工程はさらに、起動ボタン128が押し下げられたときに起動ボタン128が弁168と係合し、弁168を移動させることによって、弁168が起動前位置から起動後位置へ移動し、それにより、リザーバと微細針152の間をチャネル172を通って流体が流れ始めることを含む。
【0049】
前述のとおり、パッチ状注入装置100は安全機構108をさらに含む。不注意でまたは偶然に針を突き刺して負傷することを防ぎ、装置の意図的な再使用を防止し、露出した針を遮蔽するため、ロックする針安全機構108が提供される。安全機構108は、患者の皮膚表面から注入装置100を剥がすとすぐに自動的に起動する。後により詳細に説明する一実施形態によれば、柔軟な接着剤パッド264が、底部エンクロージャ104の底部および安全機構108の底部に付着している。接着剤パッド264は患者の皮膚と接触し、注入装置100を使用している間、皮膚表面の所定の位置に注入装置100を保持する。例えば図11および12に示すように、皮膚表面から注入装置100を剥がすと、安全機構108が、微細針152を遮蔽するある位置まで延びる。完全に延びると、安全機構108はしっかりとロックし、偶発的な外傷または患者針152に対する暴露を防ぐ。
【0050】
一般に、受動的な安全システムが最も望ましい。受動安全システムは、偶然に外れた場合または安全ステップがあることを患者が忘れている場合に、この装置を自己防衛型(self−protecting)の装置にすることを可能にする。この注入装置100の1つの典型的な用途はヒト成長ホルモンの供給であり、ヒト成長ホルモンは通常、夜に与えられるため、たとえ送達にかかる時間が10分未満であると予想される場合であっても、装置を装着した(子供などの)患者が、実際には装置を一晩中装着し続けることもあることが予想される。受動システムがないと、注入装置100が脱落した場合に、微細針152が患者または介護者に再び突き刺さる可能性がある。解決策は、使用中の活動を制限するか、または受動安全システムを含めるかのいずれかである。
【0051】
安全システムに関しては一般に3つの選択肢がある。第1の選択肢は、針152を装置内へ引っ込めるシステムである。第2の選択肢は、針152を遮蔽して接近できなくするシステムであり、第3の選択肢は、針の突刺しによる外傷を防ぐような態様で針152を破壊するシステムである。能動システムなどの他のシステムは、手動による遮蔽および/もしくは手動による破壊、またはボタンを押す追加の動作もしくは同様の追加の動作による安全フィーチャの手動解放を利用する。次に、本発明の受動安全実施形態を詳細に説明する。
【0052】
本発明の1つの安全実施形態は、安全機構108などの完全に包囲される引出し設計受動実施形態である。図5、10および12はそれぞれ、起動前、起動後および安全機構108が展開した後の安全機構108を示す、注入装置100の透視切断図である。
【0053】
注入装置100を皮膚から剥がすと、柔軟な接着剤パッド264(底部エンクロージャ104の底面と安全機構108の底面の両方に取り付けられている)が皮膚表面から離れる前に、接着剤パッド264が安全機構108を引き出し、安全機構108をしっかりとロックする。言い換えると、接着剤パッドを皮膚表面から剥がすのに必要な力の方が、安全機構108を展開するのに必要な力よりも大きい。一実施形態によれば、例えば図13に示す安全機構108は、患者の皮膚と接触する平面部分268を含む。平面268は、接着剤パッド264の一部分(図13では点線で示されている)が安全機構108に貼り付けられる場所であり、この貼付けは、注入装置100が患者によって皮膚から剥がされたときに、安全機構108を注入装置100から展開させ、それによって微細針152を遮蔽する役目を接着剤パッド264が果たすような態様で実施され、この機構がなければ、注入装置100が患者から剥がされた後に微細針152が露出することになる。完全に広がると、安全機構108はしっかりとロックし、偶発的な外傷または微細針152に対する暴露を防ぐ。
【0054】
一実施形態によれば、接着剤パッド264は、実質的に2つの部分に分割されて提供され、一方の部分は、底部エンクロージャ104の底面の大部分に提供され、もう一方の部分は安全機構108の底面に提供される。注入装置100が取り外されるとき、これらの2つのパッチは独立して移動し、安全機構108は、底部エンクロージャ104に対して回転可能である。他の実施形態によれば、これらの2つの部分が柔軟な一体の接着剤パッド264として形成され、一方の部分は、底部エンクロージャ104の底面の大部分に配置され、もう一方の部分は安全機構108の底面に配置される。
【0055】
一実施形態によれば、安全機構108がプレス成形された金属部品である。他の実施形態によれば、安全機構108が、底部エンクロージャ104と実質的に同じ材料から製作される。図14に示すように、安全機構108は、前面遮蔽体272、安全機構108の後部に配置された一対の挿入タブ276、安全機構108のリム(rim)部分284の後部上端にそれぞれ配置された一対のピボットタブ280、安全機構108の実質的に平らな底部内面から上方へ延びる案内柱288、およびやはり安全機構108の底部内面から上方へ延びるロック柱292を含む。前面遮蔽体272は、安全機構108が展開されたときに患者を微細針152から保護するため、リム部分284よりも上方へ延びている。案内柱288は、回転体136が起動前位置にあるときに回転体136の安全保持突起296(例えば図7および9に示されている)と係合して、注入装置100が起動する前に安全機構108が展開することを防ぐ切欠きをその中に含む。
【0056】
さらに、前述のとおり、安全機構108は針開口156を含む。微細針152が移動する空間を提供するため、安全機構108の展開前、針開口156は、底部エンクロージャ104の開口300と少なくとも部分的に重なっている。ロック柱292はそれぞれ、針開口156の前側の縁に隣接して配置されている。底部エンクロージャ104は、案内柱開口304(例えば図7および9に示されている)、底部エンクロージャ104の両側縁に隣接して配置された一対の挿入タブ開口308(例えば図4にそのうちの1つが示されている)、および底部エンクロージャ104の両側面に配置された一対のピボットレスト(pivot rest)312(例えば図7および9に示されている)を含む。
【0057】
図14を再び参照すると、挿入タブ276はそれぞれ、接続部分316および延長部分320を含む。一実施形態によれば、接続部分316は、安全機構108の底部内面から、安全機構108の底部内面に対して直角でないある角度で注入装置100の後部に向かって延びる。延長部分320はそれぞれ、延長部分320から安全機構108の対応するそれぞれの外側面に向かって実質的に垂直に延びている。安全機構108を底部エンクロージャ104に組み付けるには、安全機構108を底部エンクロージャ104に対して約45°に保持し、挿入タブ開口308に挿入タブ276を挿入する。次いで、案内柱288が案内柱開口304に挿入され、安全機構108の底部内面が底部エンクロージャ104の底面と実質的に平行になり、安全機構108の底部内面が底部エンクロージャ104の底面と接触するような位置まで安全機構108を回転させる。
【0058】
図7および9を再び参照する。これらの図は起動後位置にある回転体136を示しているが、図7および9の分解図は、安全機構108を底部エンクロージャ104に組み付けるこの段階を説明するのに都合がよい。しかしながら、安全機構108は、起動前に底部エンクロージャに組み付けるべきであることを理解されたい。安全機構108を上方へ回転させた後、安全機構108を、図4に示すように、底部エンクロージャ104に対して後方へ平行移動させて、ピボットタブ280がピボットレスト312の対応するそれぞれの前縁を通り越し、ピボットレスト312の上方に配置され、ロック柱292が、底部エンクロージャ104の開口300の側縁に隣接して配置され、回転体136の安全保持突起296が案内柱288と係合するようにする。
【0059】
図14に戻る。ロック柱292はそれぞれ、安全機構108の平らな底部内面から実質的に垂直に延びる柱延長部分324、および柱延長部分324の一端に配置された楔部分328を含む。安全機構108の底部内面からの楔部分328の高さが増すにつれて、楔部分328の幅も大きくなる。
【0060】
安全機構108が展開し、底部エンクロージャ104に対して下方へ回転するときに、楔部分328は、底部エンクロージャ104の開口180の対応するそれぞれの側縁に対して作用して、ロック柱192を互いに向かって弾性変形させる。安全機構108が完全に展開すると、タブ280がピボットレスト312内に着座する。さらに、楔部分328の頂縁が開口300の底縁を通過し、ロック柱292が、実質的に変形していない状態に弾けるようにして戻り、安全機構108が完全に展開したこと、したがって微細針152が覆われたことを知らせる可聴クリック音および触覚フィードバックを提供する。図11および12に戻る。安全機構108が完全に展開し、ロック柱292が実質的に変形していない状態に戻ると、楔部分328の頂縁が、底部エンクロージャ104の底面の開口300に隣接した部分と係合し、それによって安全機構108が底部エンクロージャ104に対して上方へ回転し、微細針152を露出させることを防ぐ。さらに、前述のとおり、前面遮蔽体272が患者を微細針152から保護する。
【0061】
したがって、安全機構108は、単一の部品として提供される受動安全実施形態であり、人間の荷重でも壊れない優れたロックを提供する。この受動安全機構を使用すると、注射の間は皮膚に追加の力が加わらず、使用後は、微細針152が注入装置100内に安全に保持される。
【0062】
注入装置100を使用した後、全用量が送達されたことを保証するため、患者はもう一度、装置を検査することができる。この点に関して、注入装置100は、図15A〜Dに示すように投与量終了インジケータ(EDI)124を含む。EDI124は、本体332、ならびに本体332の頂部に対して実質的に水平に延びる第1のアーム336および第2のアーム340を含む。
【0063】
EDI124はさらに、本体332の頂部から上方へ湾曲したばねアーム344を含む。一実施形態によれば、例えば注入装置100の輸送および取扱いの間、EDI124が注入装置100の外へ自由に移動しないことを保証するために、ばねアーム344が、リザーバサブアセンブリ120の底面を押し、EDI124を底部エンクロージャ104の方へ弾性的にバイアスする。
【0064】
図4に戻る。本体332は、EDIチャネル348の中に配置され、EDIチャネル348の中で実質的に垂直に平行移動する。プランジャ144のレッグ208およびフット212を案内する凹形チャネル204のうちの1つの凹形チャネル204に隣接したEDIチャネル。第1のアーム336は、この凹形チャネル204の頂部を横切って延びる。
【0065】
図15Aに戻る。第2のアーム340の一端から垂直突出部352が上方へ延びている。リザーバ内容物の送達が完了すると、この垂直突出部が、頂部エンクロージャ116のEDI開口356(例えば図15C参照)から延出して、投与量の終わりに達したことを知らせる。一実施形態によれば、EDI124はワンピース(one−piece)構造物として形成される。
【0066】
図15Bに示すように、起動後に、加圧ばね140によってプランジャ144が円筒形ハウジング200内を上方へ移動すると、プランジャ144のフット212のうちの1つのフット212がEDI124の第1のアームと接触する。リザーバ内容物を送達している間に、フット212はEDI124を持ち上げ、垂直突出部352を、ばねアーム344のバイアスに打ち勝ってEDI開口356からますます延出させる。図10を再び参照すると、注入装置100から垂直突出部352が部分的に延出している。リザーバ内容物の送達が完了し、プランジャがその全行程を達成すると、垂直突出部352は図15Dに示すように完全に延出する。したがって、EDI124は、プランジャ144の直線移動を使用して、注入装置100の外部から見ることができるEDI124の直線移動を生み出し、それによってリザーバ内容物の送達を知らせる。
【0067】
図16は、注射ポート704を備える注入装置700の一実施形態を示す。物質または物質の組合せを起動前に患者がリザーバに注射することができるように、この注射ポートは、空のリザーバ708または部分的に充填されたリザーバ708へのアクセスを提供する。あるいは、製薬会社または薬剤師が注射ポート704を使用して、物質または物質の組合せを販売前に注入装置700に充填することもできる。他の実質的に全ての点に関して、注入装置700は前述の注入装置100と同様である。
【0068】
次に、注入装置100の動作を説明する。以上に説明した本発明の実施形態は、注入装置100を皮膚表面に配置し、皮膚表面に貼り付けることができ、起動ボタン128を押すことによって注入装置100に動力を供給し、かつ/または注入装置100を起動させることができる押しボタン(起動ボタン128)設計を含むことが好ましい。より具体的には、第1のステップで、患者が、無菌包装(図示せず)から装置を取り出し、接着剤パッド264のカバー(図示せず)を剥がす。患者はさらに針カバー112を取り外す。起動前状態にある注入装置100は、包装から注入装置100を取り出した後、使用する前に(例えば図1、2、4および5参照)、患者が、装置と装置内の内容物の両方を検査することを許す。この検査には、構成要素の不足または損傷、有効期限、薬物の濁りまたは変色などの検査が含まれる。
【0069】
次のステップは、患者の皮膚表面に注入装置100を配置し、貼り付けるステップである。医療用パッチと同様に、患者が、注入装置100を皮膚にしっかりと押しつける。接着剤パッド264は、片面が、底部エンクロージャ104の底面および安全機構108の底面に付着しており、反対側の面が、患者の皮膚に注入装置100を固定する。(底部エンクロージャ104および安全機構108の)これらの底面は、平面もしくは曲面または適当な任意の形状とすることができ、接着剤パッド264はそれらの底面に固定される。一実施形態によれば、出荷前に、接着剤パッド264の患者側の面にフィルムなどの接着剤パッド264のカバーを貼り付けて、輸送中、接着剤を保護する。前述のとおり、使用前に、患者はこの接着剤カバーを剥がし、それによって接着剤パッド264を、皮膚に対して配置するために露出させる。
【0070】
接着剤カバーを剥がした後、患者は、皮膚に対して注入装置100を配置することができ、適当な接着を保証するため押圧することができる。前述のとおり、適正に配置した後、起動ボタン128を押し下げることによって装置を起動させる。この起動ステップは、プランジャ144および加圧ばね140を解放し、プランジャ144が、リザーバ160の柔軟なフィルム(リザーバドームシール164)を押し、それによってリザーバに圧力を加えることを可能にする。この起動ステップはさらに、回転体136の打出しばねホルダ260から打出しばね148を解放し、それによって微細針152を打ち出して、(底部エンクロージャ104の開口300および安全機構108の針開口156を通して)注入装置100の外側に延出するようにし、微細針152を患者の体内に配置する働きをする。さらに、起動ステップは弁168を開き、チャネル172を介したリザーバ160と微細針152の間の流体連通経路を確立する(例えば図8〜10参照)。1回の押しボタン操作でこれらのそれぞれの作用を達成することができることは重大な利点である。さらに、他の重大な利点には、リザーバサブアセンブリ120内に全体が含まれる連続する流体連通経路の使用が含まれる。
【0071】
起動させた後、患者は一般に、リザーバ内容物を完全に送達するため、ある期間(10分ないし72時間)の間、注入装置100をその場に放置する、すなわち装置を装着し続ける。次いで患者は、その下の皮膚または組織を傷つけることなしに装置を取り外し、廃棄する。意図的に取り外したり、または偶発的に外れたりすると、1つまたは複数の安全フィーチャが展開して露出した微細針152を遮蔽する。より具体的には、注入装置100が患者によって皮膚から剥がされたときに、接着剤パッド264が、安全機構108を注入装置100から展開させ、それによって微細針152を遮蔽する役目を果たし、この機構がなければ、注入装置100が患者から剥がされた後に微細針152が露出することになる。完全に広がると、安全機構108はしっかりとロックし、偶発的な外傷または微細針152に対する暴露を防ぐ。しかしながら、起動ボタン128が押し下げられておらず、微細針152が延出していない場合には展開しないように安全フィーチャを構成することができ、それによって安全機構が使用前に展開することを防ぐことができる。使用後、全用量が送達されたことを保証するため、患者はもう一度、装置を検査することができる。例えば、患者は、透過性のドーム176を通してリザーバの内部を見、かつ/またはEDI124を検査することができる。
【0072】
記載の実施形態は、薬剤および製薬作用物質(pharmaceutical agent)を含むさまざまな物質を患者、特に人間の患者に投与する際に使用するのに適している。本明細書で使用するとき、製薬作用物質は、体膜および体表、特に皮膚を通して送達することができる生物活性を有する物質を含む。後により詳細なリストを示すが、例としては、抗生物質、抗ウイルス薬、鎮痛薬、麻酔薬、食欲抑制薬、抗関節炎薬、抗鬱薬、抗ヒスタミン薬、抗炎症薬、抗腫瘍薬、DNAワクチンを含むワクチンなどが挙げられる。患者に皮内または皮下送達することができる他の物質には、ヒト成長ホルモン、インスリン、タンパク質、ペプチドおよびそれらのフラグメントなどがある。これらのタンパク質およびペプチドは天然物とし、合成し、または組換え技術によって生成することができる。さらに、樹状細胞の皮内注入時のように、細胞療法においてこの装置を使用することもできる。本発明の方法に従って送達することができる他の物質は、病気の予防、診断、緩和、治療または治癒において使用される薬物、ワクチンおよび他の同様の物質などからなるグループから選択することができ、その内容の全体が参照によって本明細書に明白に組み込まれている「Method of Intradermally Injecting Substances」という名称の特許文献1に記載されているように、薬物には、α1−アンチトリプシン、抗血管形成薬、アンチセンス、ブトルファノール、カルシトニンおよび類似体、セレデース(Ceredase)、COX−II阻害薬、皮膚用薬、ジヒドロエルゴタミン、ドーパミン作用薬および拮抗薬、エンケファリンおよび他のオピオイドペプチド、上皮増殖因子、エリトロポイエチンおよび類似体、卵胞刺激ホルモン、G−CSF、グルカゴン、GM−CSF、グラニセトロン、成長ホルモンおよび類似体(成長ホルモン放出ホルモンを含む)、成長ホルモン拮抗薬、ヒルジンおよびヒルログ(hirulog)などのヒルジン類似体、IgEサプレッサ、インスリン、インスリノトロピン(insulinotropin)および類似体、インスリン様増殖因子、インターフェロン、インターロイキン、黄体形成ホルモン、黄体形成ホルモン放出ホルモンおよび類似体、低分子量ヘパリン、M−CSF、メトクロプラミド、ミダゾラム、モノクローナル抗体、麻薬性鎮痛薬、ニコチン、非ステロイド性抗炎症薬、オリゴ糖、オンダンセトロン、副甲状腺ホルモンおよび類似体、副甲状腺ホルモン拮抗薬、プロスタグランジン拮抗薬、プロスタグランジン、組換え可溶性レセプタ、スコポラミン、セロトニン作用薬および拮抗薬、シルデナフィル、テルブタリン、血栓溶解薬、組織プラスミノゲン賦活剤、TNF−−およびTNF−−拮抗薬などがあり、ワクチンには、嗜癖、関節炎、コレラ、コカイン嗜癖、ジフテリア、破傷風、HIB、ライム病、髄膜炎菌、麻疹、耳下腺炎、風疹、水痘、黄熱、RSウイルス、ダニ媒介日本脳炎、肺炎球菌、連鎖球菌、腸チフス、インフルエンザ、A型、B型、C型およびE型肝炎を含む肝炎、中耳炎、狂犬病、ポリオ、HIV、パラインフルエンザ、ロタウイルス、エプスタイン−バーウイルス、CMV、クラミジア、分類不能型ヘモフィルス、カタル球菌、ヒト乳頭腫ウイルス、BCGを含む結核ワクチン、淋病、喘息、アテローム硬化性マラリア、大腸菌、アルツハイマー、ヘリコバクターピロリ、サルモネラ菌、糖尿病、癌、単純ヘルペス、ヒト乳頭腫に関連した予防および治療抗原(限定はされないが、サブユニットタンパク質、ペプチドおよび多糖、多糖抱合体、トキソイド、遺伝子ベースのワクチン、弱毒生、リアソータント(reassortant)、不活化全細胞、ウイルスベクターならびに細菌ベクターを含む)が含まれ、ワクチンは、キャリア(carrier)/アジュバント(adjuvant)を含んでもまたは含まなくてもよく、他の同様の物質には、感冒薬、抗嗜癖薬、抗アレルギー薬、制吐薬、抗肥満症薬、抗骨粗鬆症薬、抗感染薬、鎮痛薬、麻酔薬、食欲抑制薬、抗関節炎薬、抗喘息薬、抗痙攣薬、抗鬱薬、抗糖尿病薬、抗ヒスタミン薬、抗炎症薬、抗片頭痛製剤、抗乗物酔薬、制吐薬、抗腫瘍薬、抗パーキンソン病薬、止痒薬、抗精神病薬、解熱薬、抗コリン作用薬、ベンゾジアゼピン拮抗薬、全身、冠状、末梢および脳血管拡張薬を含む血管拡張薬、骨刺激薬、中枢神経系興奮薬、ホルモン、催眠薬、免疫抑制薬、筋弛緩薬、副交感神経遮断薬、副交感神経作用薬、プロスタグランジン、タンパク質、ペプチド、ポリペプチドおよび他の高分子、精神刺激薬、鎮静薬、性機能低下薬、精神安定薬などの全ての主要治療薬およびツベルクリン、他の過敏性薬などの全ての主要診断薬が含まれる。
【0073】
本発明のシステムおよび方法に基づいて送達することができるワクチン製剤は、人間の病原体に対する免疫反応を引き出す能力を有する抗原または抗原組成物からなるグループから選択することができ、この抗原または抗原組成物は、その内容の全体が参照によって本明細書に明白に組み込まれている「Vaccine Delivery System」という名称の特許文献2に記載されているように、HIV−1(tat、nef、gp120、gp160など)、ヒトヘルペスウイルス(HSV)(gDもしくはその誘導体(derivative)、HSV1もしくはHSV2からのICP27などの最初期タンパク質など)、サイトメガロウイルス(CMV(特にヒトCMV)(gBまたはその誘導体など)、ロタウイルス(弱毒生ウイルスを含む)、エプスタイン−バーウイルス(gp350またはその誘導体など)、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV。gpI、IIおよびIE63など)に由来し、またはB型肝炎ウイルス(例えばB型肝炎表面抗原またはその誘導体)、A型肝炎ウイルス(HAV)、C型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルスなどの肝炎ウイルスに由来し、またはパラミクソウイルス;RSウイルス(RSV。FおよびGタンパク質またはその誘導体など)、パラインフルエンザウイルス、麻疹ウイルス、流行性耳下腺炎ウイルス、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV。例えばHPV6、11、16、18)、フラビウイルス(例えば黄熱病ウイルス、デング熱ウイルス、ダニ媒介脳炎ウイルス、日本脳炎ウイルス)、インフルエンザウイルス(卵もしくはMDCK細胞内で増殖させた生もしくは不活化全ウイルス、スプリット(split)インフルエンザウイルス、全インフルエンザビロソーム(virosome)、または、HA、NP、NAまたはMタンパク質などのその精製もしくは組換えタンパク質、あるいはこれらの組合せ)などの他のウイルス性病原体に由来し、またはNeisseria.gonorrhea(淋菌)およびN.meningitidis(髄膜炎菌)(例えば莢膜多糖およびその抱合体、トランスフェリン結合タンパク質、ラクトフェリン結合タンパク質、PilC、付着因子)を含むナイセリア属種;化膿性連鎖球菌(S.pyogenes)(例えばMタンパク質またはそのフラグメント、C5Aプロテアーゼ、リポテイコ酸)、S.agalactiae、S.mutans;軟性下疳菌(H.ducreyi);Branhamella catarrhalis(カタル球菌)としても知られるMoraxella.catarrhalis(例えば高分子量および低分子量の付着因子およびインベーシン)を含むモラクセラ属種;Bordetella.pertussis(百日咳菌)(例えばペルタクチン、百日咳毒素またはその誘導体、糸状血球凝集素、アデニル酸シクラーゼ、フィムブリエ(fimbriae))、B.parapertussis(パラ百日咳菌)およびB.bronchiseptica(気管支敗血症菌)を含むボルデテラ属種;Mycobacterium.tuberculosis(ヒト結核菌)(例えばESAT6、Antigen 85A、85Bまたは85C)、M.bovis(ウシ結核菌)、M.leprae(らい菌)、M.avium(トリ結核菌)、M.paratuberculosis(パラ結核菌)、M.smegmatis(スメグマ菌)を含むミコバクテリウム属種;Legionella.pneumophila(レジオネラニューモフィラ菌)を含むレジオネラ属種;腸毒性大腸菌(Escherichia coli)(例えば集落形成因子、非耐熱性毒素またはその誘導体、耐熱性毒素またはその誘導体)、腸出血性大腸菌、腸病原性大腸菌(例えば志賀毒素様毒素またはその誘導体)を含むエシェリキア属種;Vibrio.cholera(コレラ菌)(例えばコレラ毒素またはその誘導体)を含むビブリオ属種;Shigella.sonnei(ソンネ赤痢菌)、S.dysenteriae(志賀赤痢菌)、S.flexnerii(フレクスナー赤痢菌)を含む赤痢菌属種;Yersinia.enterocolitica(例えばYopタンパク質)、Y.pestis(ペスト菌)、Y.pseudotuberculosis(偽結核エルジニア菌)を含むエルジニア属種;Campylobacter.jejuni(例えば毒素、付着因子およびインベーシン)およびC.coliを含むカンピロバクター属種;Salmonella.typhi(腸チフス菌)、S.paratyphi(パラチフス菌)、S.choleraesuis(豚コレラ菌)、S.enteritidis(腸炎菌)を含むサルモネラ属種;Listeria.monocytogenes(リステリア菌)を含むリステリア属種;Helicobacter.pylori(例えばウレアーゼ、カタラーゼ、空胞形成毒素)を含むヘリコバクター属種;Pseudomonas.aeruginosa(緑膿菌)を含むシュードモナス属種;Staphylococcus.aureus(黄色ブドウ球菌)、S.Epidermidis(表皮ブドウ球菌)を含むブドウ球菌属種;Enterococcus.faecalis(糞便連鎖球菌)、E.faeciumを含むエンテロコッカス属種;Clostridium.tetani(破傷風菌)(例えば破傷風毒素およびその誘導体)、C.botulinum(ボツリヌス菌)(例えばボツリヌス毒素およびその誘導体)、C.difficile(例えばクロストリジウム毒素AまたはBおよびその誘導体)を含むクロストリジウム属種;Bacillus.anthracis(炭疽菌)(例えばボツリヌス毒素およびその誘導体)を含むバチルス属種;Corynebacterium.diphtheriae(ジフテリア菌)(例えばジフテリア毒素およびその誘導体)を含むコリネバクテリウム属種;Borrelia.Burgdorferi(例えばOspA、OspC、DbpA、DbpB)、B.garinii(例えばOspA、OspC、DbpA、DbpB)、B.afzelii(例えばOspA、OspC、DbpA、DbpB)、B.andersonii(例えばOspA、OspC、DbpA、DbpB)、B.Hermsiiを含むボレリア属種;Ehrlichia.equiおよびヒト顆粒球性エールリヒア症の外的病原因子を含むエールリヒア属種;Rickettsia.rickettsiiを含むリケッチア属種;Chlamydia.Trachomatis(トラコーマクラミジア)(例えばMOMP、ヘパリン結合タンパク質)、C.pneumoniae(クラミジア肺炎病原体)(例えばMOMP、ヘパリン結合タンパク質)、C.psittaci(オウム病クラミジア)を含むクラミジア属種;Leptospira.interrogansを含むレプトスピラ属種;Treponema.pallidum(梅毒トレポネーマ)(例えばレア外膜タンパク質(rare outer membrane protein))、T.denticola、T.hyodysenteriaeを含むトレポネーマ属種などの細菌病原体に由来し、またはPlasmodium.Falciparum(熱帯熱マラリア原虫)を含むプラスモディウム属種;Toxoplasma.gondii(トキソプラスマ)(例えばSAG2、SAG3、Tg34)を含むトキソプラスマ属種;Entamoeba.histolytica(赤痢アメーバ)を含むエントアメーバ属(Entamoeba spp.);Babesia.microtiを含むバベシア属種;Trypanosoma.cruzi(クルーズトリパノソーマ)を含むトリパノソーマ属種;Giardia.lamblia(ランブル鞭毛虫)を含むジアルジア属種;Leishmania.major(森林型熱帯リーシュマニア)を含むリーシュマニア属種;Pneumocystis.Cariniiを含むニューモシスティス属種;Trichomonas.vaginalis(膣トリコモナス)を含むトリコモナス属種;Schistosoma.mansoni(マンソン住血吸虫)を含む住血吸虫属種などの寄生生物に由来し、またはCandida.albicansを含むカンジダ属種;Cryptococcus.neoformansを含むクリプトコックス属種などの酵母に由来する。
【0074】
抗原または抗原組成物にはさらに、M.tuberculosis(ヒト結核菌)に対する他の好ましい特定の抗原、例えばTb Ra12、Tb H9、Tb Ra35、Tb38−1、Erd 14、DPV、MTI、MSL、mTTC2およびhTCC1が含まれる。M.tuberculosisに対するタンパク質にはさらに、M.tuberculosisの少なくとも2つ、好ましくは3つのポリペプチドがより大きな1つのタンパク質に融合したそれらの融合タンパク質および変異体が含まれる。好ましい融合には、Ra12−TbH9−Ra35、Erd14−DPV−MTI、DPV−MTI−MSL、Erd14−DPV−MTI−MSL−mTCC2、Erd14−DPV−MTI−MSL、DPV−MTI−MSL−mTCC2、TbH9−DPV−MTIが含まれる。クラミジア属に対する最も好ましい抗原には例えば、高分子量タンパク質(HWMP)、ORF3およびピュータティブ(putative)膜タンパク質(Pmps)が含まれる。好ましい細菌性ワクチンには、Streptococcus.pneumoniae(肺炎連鎖球菌)を含む連鎖球菌属種に由来する抗原(例えば莢膜多糖およびその抱合体、PsaA、PspA、ストレプトリジン、コリン結合タンパク質)、ならびにタンパク質抗原であるニューモリシン(Pneumolysin)(非特許文献1、非特許文献2)およびその突然変異無毒化誘導体が含まれる。他の好ましい細菌性ワクチンには、Haemophilus.influenzae type B(ヘモフィルスインフルエンザタイプB)(「Hib」。例えばPRPおよびその抱合体)、分類不能型H.influenzae(分類不能型インフルエンザ菌)を含むヘモフィルス属種に由来する抗原、例えばOMP26、高分子量付着因子、P5、P6、タンパク質Dおよびリポタンパク質D、ならびにフィンブリンおよびフィンブリンに由来するペプチドまたはそれらの多重コピー変異体もしくはそれらの融合タンパク質が含まれる。当技術分野においてB型肝炎表面抗原の誘導体はよく知られており、これにはとりわけPreS1、PreS2 S抗原が含まれる。好ましい一態様では、本発明のワクチン製剤が、特にCHO細胞で発現させたときに、HIV−1抗原であるgp120を含む。他の実施形態では、本発明のワクチン製剤が、上で定義したgD2tを含む。
【0075】
以上に挙げた物質の送達に加え、注入装置100を使用して、患者から物質を抽出し、または患者の体内の物質の濃度を監視することもできる。監視しまたは抽出することができる物質の例には血液、間質液および血漿が含まれる。次いで、分析物、グルコース、薬物などに関して、抽出した物質を分析することができる。
【0076】
加圧ばね140を再び参照する。図17は、起動前状態にある注入装置100の断面図、図18は、起動後の注入装置100の断面図を示しており、図18では、リザーバ160の内容物に圧力を加え、リザーバ160の内容物を放出させるために、加圧ばね140がプランジャ144をリザーバドームシール164の方へ押しやっている。さらに、図19および20はそれぞれ、加圧ばね140の平面図および側面図を示す。
【0077】
線形特性ばね(linear spring)について言うと、ばねにかかる荷重がばねの弾性限界を超えないとした場合、ばねの伸び(extension)はばねに加えられた荷重に正比例する。言い換えると、ばねを撓ませる力はばねが移動する距離に正比例する。すなわち、線形特性ばねでは、伸びに対する力のグラフは直線となり、その直線の傾きがばね定数(spring constant)(k)である。
【0078】
対照的に、非線形特性ばね(nolinear spring)では、ばねを撓ませる力がばねの変位に対して線形には比例しない。非線形特性ばねの伸びに対する力のグラフでは傾きが一定にはならない。円錐コイルばねとも呼ばれる円錐形のテーパを有するばねは一般に非線形特性ばねである。したがって、円錐コイルばねでは一般に、ばねの長さに沿ってスプリングレート(spring rate)(ばね定数)が異なる。例えば、円錐コイルばねの伸びに対する力のグラフでは、グラフが放物線になることがある。
【0079】
一実施形態によれば、例えば図17〜20に示すように、加圧ばね140が円錐形である。その形状のため、円錐形の加圧ばね140は、圧縮して、入れ子式に収縮させることができる。したがって、円錐形加圧ばね140の1つの利点は、例えば図17に示すように、ドーム形のプランジャ144の輪郭の下で円錐形加圧ばね140を入れ子式に収縮させることができるため、注入装置100の全高が低くなることである。
【0080】
一実施形態によれば、加圧ばね140の両端が閉じている。これは、コイルが絡まることを防ぐために、両端のコイルが、隣接するそれぞれのコイルと接触するような態様で巻かれていることを意味する。端コイルが閉じているため(例えば図19および20に示されている)、加圧ばね140は入れ子のようには完全には収縮しない。とは言うものの、図17に示すように、加圧ばね140はそれでも部分的には入れ子式に収縮し、起動前状態にあるプランジャ144の湾曲面の内側にぴったりと収まる。したがって、端が閉じた加圧ばね140は、完全に圧縮されたときに、ワイヤの直径の約1倍または2倍の厚さ(高さ)まで入れ子式に収縮することができる。
【0081】
円錐コイルばねは一般に、圧縮されたときに非常に大きな力を発揮する。起動前状態にある注入装置100(例えば図17に示されている)を保管している間の過度のクリープ(creep)を防ぐため、本体、特に底部エンクロージャ104を補強することができる。しかしながら、圧縮されているときの加圧ばね140の力を低減させるため、したがって底部エンクロージャ104の補強を減らすために、円錐形の加圧ばね140のピッチ(pitch)を変化させることができる。このようにして、加圧ばね140の長さに沿ったスプリングレート(ばね定数)を実質的に線形にすることが望ましい。
【0082】
円錐コイルばねのコイルのピッチは、例えば図20に示すように、あるコイルと隣接するコイルの間の垂直距離である。実際に、ピッチ、コイル直径(例えば図19に示されている)などの円錐コイルばねの特徴を、円錐コイルばねの長さに沿って連続的に変化させることができる。したがって、それぞれのコイルを前のコイルとは次第に異なるコイルとすることができる。しかしながら、解析の目的上、所与のコイルの平均直径を使用することができる。同様に、(ピッチの連続変化ではなく)ピッチの平均変化を使用することもできる。
【0083】
直径が変化しているため、円錐コイルばねの隣接するそれぞれのコイルは異なるスプリングレート(ばね定数k)を有する。円錐コイルばねの正味のスプリングレート(k)は下式のように計算することができる。
【0084】
【数1】

【0085】
上式で、kは、最初のコイル(またはターン(turn))のスプリングレート(ばね定数)、kは2番目のコイルのスプリングレートであり、以下同様である。それぞれのスプリングレート(ばね定数)の式は以下のとおりである。
【0086】
【数2】

【0087】
上式で、nはコイルの数(このケースでは1)、Gは剪断弾性率(shear modulus)、dはワイヤの直径、Dはコイルの平均直径である。よって
【0088】
【数3】

【0089】
または
【0090】
【数4】

【0091】
であり、したがって
【0092】
【数5】

【0093】
である。
【0094】
直径が小さいコイルは大きなばね定数を有し、したがって入れ子式コイルのスタックの中で最後に底に着くことが分かる。コイルが底に着くたびに、正味のスプリングレート(k)は下式のように大きくなる。
【0095】
【数6】

【0096】

【0097】
【数7】

【0098】
、以下同様。
【0099】
ピッチが不等であり、コイルが同時に底に着くようなばねを設計することができれば、スプリングレートは希望どおり線形になる。コイル(ターン)を底に着ける力は下式のように与えることができる。
=k
それぞれのx(それぞれのコイルが圧縮されたときのピッチPに等しい)について、
【0100】
【数8】

【0101】
となるような解を見つけることができれば、そのばねは希望どおり実質的に線形になる。
【0102】
このような解を得るためには、求根器(equation solver)を有するスプレッドシート(spreadsheet)を使用する。使用される追加の制約条件には、(例えばばねの降伏を防ぐために)容認されるばね応力、最大コイル直径、およびリザーバの所望の投与容量に応じた所望のばね強度を達成するための力ターゲット(例えば最初の圧縮された(起動前)位置で約18ポンド(8.2kg)〜50ポンド(22.7kg)、薬剤の送達が実質的に完了した起動後の伸びた位置で約5ポンド(2.3kg)〜25ポンド(11.4kg))などがある。
【0103】
図21は、実質的に線形化された円錐コイルばねの一例の力プロファイル(撓みに対する力のグラフ)を示す。この実施形態では、ばねが、0.1033インチ(2.624mm)のワイヤ直径および3.808個のコイルを有する。剛性率(modulus of rigidity)は10,000,000psi(69,000MPa)であり、1番目から4番目までの対応するそれぞれの平均コイル直径は、1.267インチ(3.218cm)、0.947インチ(2.405cm)、0.697インチ(1.770cm)および0.495インチ(1.157cm)である。これらのコイルの1番目から4番目までの対応するそれぞれのピッチは0.356インチ(0.904cm)、0.149インチ(0.378cm)、0.059インチ(0.150cm)および0.017インチ(0.043cm)であり、それぞれのコイルを底に着けるための力は約25lb(11.4kg)である。
【産業上の利用可能性】
【0104】
したがって、このような不等ピッチ円錐コイル加圧ばね140を使用すると、いくつかの利点、例えば注入装置100の全高がより低くなる、完全に圧縮されたときの加圧ばね140の力がより小さくなる、注入装置100の寿命にわたって加圧ばね140を保持するのに必要な材料が潜在的により少なくてすむ、過度のクリープを防ぐのに必要な(注入装置100の本体の)材料のコストが潜在的により低くなるといった利点を得ることができる。
【0105】
以上に、本発明のごく少数の例示的な実施形態を詳細に説明したが、それらの例示的な実施形態に、本発明の新規の教示および利点から大きく逸脱しない多くの変更を加えることが可能であることを当業者は容易に理解するであろう。したがって、そのような変更は全て、添付の特許請求項およびそれらの等価物の範囲に含まれることが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤を容れるリザーバが内部に配置された本体と、
患者の皮膚に入り込む注射針であり、前記リザーバと前記患者の間の前記薬剤の経路を提供する注射針と、
前記本体内で移動可能なプランジャであり、前記薬剤を前記リザーバから放出させるプランジャと、
前記プランジャを前記リザーバに向かってバイアスするバイアス手段であり、起動前位置では入れ子式に収縮しており、起動させると、前記プランジャに力を加えて前記リザーバから前記薬剤を放出させるバイアス手段と
を備え、
前記本体は、起動前まで前記リザーバに対する第1の位置に前記プランジャを維持する実質的に円筒形のハウジングを含み、
起動後に、前記プランジャは回転し、それによって前記第1の位置から前記プランジャを解放し、前記バイアス手段の前記力の下で前記プランジャが移動して前記リザーバに圧力を加えることを可能にする
ことを特徴とする薬物送達装置。
【請求項2】
前記バイアス手段は円錐コイルばねを備えることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記力は、前記バイアス手段の伸びに実質的に比例することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記バイアス手段は不等ピッチ円錐コイルばねを備えることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
薬剤を容れるリザーバが内部に配置された本体と、
患者の皮膚に入り込む注射針であり、前記リザーバと前記患者の間の前記薬剤の経路を提供する注射針と、
前記本体内で移動可能なプランジャであり、前記薬剤を前記リザーバから放出させるプランジャと、
起動前位置では入れ子式に収縮しており、起動させると、前記プランジャを前記リザーバの方へある力で押しやって、前記リザーバから前記薬剤を放出させるバイアスユニットと
を備え、
前記本体は、起動前まで前記リザーバに対する第1の位置に前記プランジャを維持する実質的に円筒形のハウジングを含み、
起動後に、前記プランジャは回転し、それによって前記第1の位置から前記プランジャを解放し、前記バイアスユニットの前記力の下で前記プランジャが移動して前記リザーバに圧力を加えることを可能にする
ことを特徴とする薬物送達装置。
【請求項6】
前記バイアスユニットは円錐コイルばねを備えることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記力は、前記プランジャの移動距離に対して実質的に一定の変化率を有することを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記バイアスユニットは不等ピッチ円錐コイルばねを備えることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
薬物送達装置の本体内に配置された薬剤を含むリザーバに選択的に圧力を加える加圧システムであって、
前記本体内で移動可能なプランジャと、
起動前位置において圧縮可能な円錐コイルばねであり、前記プランジャを前記リザーバに向かってバイアスし、それによって前記加圧システムの起動後に前記リザーバに圧力を加える円錐コイルばねと
を備え、
前記薬物送達装置の前記本体は、起動前まで前記リザーバに対する第1の位置に前記プランジャを維持し、
起動後に、前記プランジャは回転し、それによって前記第1の位置から前記プランジャを解放し、前記ばねの力の下で前記プランジャが移動して前記リザーバに圧力を加えることを可能にする
ことを特徴とする加圧システム。
【請求項10】
前記ばねは前記ばねの内部に圧縮可能であることを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記円錐コイルばねは不等ピッチを有することを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記円錐コイルばねは実質的に線形のスプリングレートを有することを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記円錐コイルばねは、前記プランジャの移動距離に対して実質的に一定の変化率を有する力で、前記プランジャを前記リザーバに向かってバイアスすることを特徴とする請求項9に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図15D】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公表番号】特表2013−514135(P2013−514135A)
【公表日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−544452(P2012−544452)
【出願日】平成21年12月16日(2009.12.16)
【国際出願番号】PCT/US2009/006576
【国際公開番号】WO2011/075104
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(595117091)ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー (539)
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】