説明

自然換気窓

【課題】閉状態から自然換気状態までのハンドル操作と自然換気状態から排煙状態までのハンドル操作とで異なる手ごたえを得ることができると共に、閉状態から自然換気状態及び排煙状態に至るハンドルの回動角度を小さくできる自然換気窓の提供。
【解決手段】ハンドル53は、一方向の回動操作によって、障子19を閉状態から自然換気状態と排煙状態とに切換自在であり、一方歯車57及び他方歯車59はそれぞれ、大径部57a、59aと小径部59bとを同軸にして一体に設けてあり、各小径部59bは、一部に歯がない間欠歯車であり、他方歯車59の大径部59aはラック51aに歯合して、閉状態から自然換気状態に変えるハンドル操作では一方歯車57の大径部57aと他方歯車の小径部59bとが歯合し、障子19を自然換気状態から排煙状態に変えるハンドル操作では一方歯車57の小径部と他方歯車59の大径部59aとが歯合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンドルの回動操作により障子を閉状態から、自然換気状態と排煙状態とに切り替える自然換気窓に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ハンドルを一方向に回動操作することにより、障子を閉状態から自然換気状態と、排煙状態とに切換える自然換気窓が開示されている。
この特許文献1では、ハンドルの軸に設けた歯車とラックとのかみ合いによりラックを上下動させる構造であり、ハンドルの回動角度とラックの移動距離とが一定となっており、ハンドルを所定角度回動することにより、障子を閉状態から自然換気状態にし、更にハンドル回動することにより、自然換気状態から排煙状態へ切り替えることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】2010−270587号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、障子を閉状態から自然換気状態に変えるときにハンドルを回動操作するときと、自然換気状態から排煙状態にハンドルを回動操作するときとで、ハンドルを操作する操作者の手ごたえが同じであるから、障子を閉状態から自然換気状態や排煙状態まで操作するときにどの状態までハンドルを操作したのか分かり難いという問題があった。即ち、ハンドル操作部に障子の各状態を示すハンドル位置の表示があったとしても、例えば、閉状態から自然換気状態までハンドルを回しているときに、手元をみないで障子を見ながら操作した場合には、ハンドル操作の手ごたえが同じであると排煙状態まで行き過ぎてしまうおそれがある。
更に、障子を閉状態から自然換気状態を経て排煙状態に切り替えるときには、閉状態から自然換気状態にハンドルを一方向に回動操作した後、更に自然換気状態から排煙状態へ同方向のハンドル操作が必要となり、ハンドルの回動操作に伴うハンドルの移動軌跡を確保するために所定のスペースが必要になるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、障子を閉状態から自然換気状態、自然換気状態から排煙状態へハンドルを一方向に回動操作するものであって、閉状態から自然換気状態までのハンドル操作と自然換気状態から排煙状態までのハンドル操作とで異なる手ごたえを得ることができると共に、閉状態から自然換気状態を経て排煙状態に至るハンドルの回動角度を小さくできる自然換気窓の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、ハンドルと、ハンドルの回転軸に固定した一方歯車と、一方歯車と歯合する他方歯車と、他方歯車に歯合して移動可能に設けてあり且つ障子の開閉操作部材に連結したラックとを備え、ハンドルは一方向の回動操作によって障子を閉状態から自然換気状態と排煙状態とに切換自在であり、一方歯車及び他方歯車はそれぞれ、大径部と小径部とを同軸にして一体に設けてあり、各小径部は、一部に歯がない間欠歯車であり、他方歯車の大径部はラックに歯合しており、障子を閉状態から自然換気状態に変えるハンドル操作では一方歯車の大径部と他方歯車の小径部とが歯合し、障子を自然換気状態から排煙状態に変えるハンドル操作では一方歯車の小径部と他方歯車の大径部とが歯合してラックを移動することを特徴とする自然換気窓である。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、ハンドルを一方向に回動操作する場合において、障子を閉状態から自然換気状態にハンドルを回動操作するときと、自然換気状態から排煙状態にハンドルを回動操作するときとで、それぞれかみ合う歯車の径を異ならせてハンドルにかかる負荷を変えているので、操作者に異なる手ごたえを与えることができる。
閉状態から自然換気状態にハンドルを回動操作するときよりも、自然換気状態から排煙状態にハンドルを回動操作するときの方が、ハンドル回動角度に対するラックの移動距離を大きくできるので、閉状態から自然換気状態を経て排煙換気状態に至る一方向に操作するハンドルの回動角度を小さくできる。よって、ハンドルの回動操作に伴うハンドルの移動軌跡を確保するスペースを少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1実施の形態にかかる自然換気窓を図10に示すA−A位置で切断して示す図であり、(a)は窓本体の縦断面図であり、(b)は操作部の縦断面図である。
【図2】一方歯車と他方歯車とラックとの噛み合いを示す斜視図である。
【図3】一方歯車の斜視図である。
【図4】一方歯車の正面図である。
【図5】操作部の側面図である。
【図6】図5のB−B断面図である。
【図7】図1(a)と同じ位置で窓本体を切断して示す図であり、排煙状態を示す縦断面図である。
【図8】図1(a)と同じ位置で窓本体を切断して示すと共に障子を省略して示す図であり、(a)は閉状態、(b)は自然換気状態、(c)は排煙状態を示す図である。
【図9】障子のロックを説明する図であり、図10に示すC−C断面図である。
【図10】本発明の第1実施の形態にかかる自然換気窓を室内側から見た正面図である。
【図11】本発明の第2実施の形態にかかる自然換気窓の窓本体の図であり、閉鎖状態を示す縦断面である。
【図12】本発明の第2実施の形態にかかる自然換気窓の窓本体の図であり、自然換気状態を示す縦断面である。
【図13】本発明の第2実施の形態にかかる自然換気窓の窓本体の図であり、排煙状態を示す縦断面である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明するが、まず、図1〜図10を参照して本発明の第1実施の形態について説明する。
図10に示すように、本実施の形態に係る自然換気窓1は、上枠3と、下枠5と左右の竪枠7とで枠組された枠において、竪枠7、7間には無目9が架設されており、無目9と下枠5との間で嵌め殺し窓11が構成してあり、無目13と上枠3との間に自然換気窓の窓本体15が構成されており、窓本体15の操作部17は一方の竪枠7で嵌め殺し窓11の下部に設けてある。
窓本体15は、図1(a)に示すように、竪枠7、7間に設けた障子19を備え、障子19は各竪枠7、7に回動軸21により回転自在に連結されている。障子19の上端部には、バランスウエイト28が取付けられている。
図10に示すように、障子19の左竪框19aと左竪枠7との間には一方の開閉機構23aが設けてあり、右竪框19aと右竪枠7との間には他方の開閉機構23bが設けてあるが、一方の開閉機構23aには、障子19の開閉状態を規制する開閉規制部材25と、この開閉規制部材25を上下動する連動部材27とが設けてある点が他方の開閉機構23bと異なり、その他の部分は同じ構成なので、一方の開閉機構23aについて説明し、他方の開閉機構23bの説明を省略する。
【0010】
一方の開閉機構23aは、図7に示すように、メインアーム29と、サブアーム31とを備えており、メインアーム29はその一端に設けた軸29aが障子竪框19aの下部に設けた長孔35をスライド自在に連結されている。軸29aは長孔35を摺動自在で且つ回動自在に係合してある。メインアーム29の他端は軸29bが竪枠7に回動自在に連結してある。メインアームの室外側縁には室外側に突設した突設縁29cが形成されている。
サブアーム31は、一端の軸31aをメインアーム29の中間部に回動自在に連結してあり、他端の軸31bは案内部材41のスライダー43に回動自在に連結している。案内部材41は竪枠7に固定してあり且つ上下方向の案内溝42が形成してあり、案内溝42にはスライダー43が摺動するようになっている。スライダー43には室外側に向けて突設する係合突部43aが一体に設けてある。
開閉規制部材25は連動部材27に固定されおり、連動部材27の上端部は連結部材45により障子引寄せ部材49のバー49aが連結されている。これにより、開閉規制部材25と障子引寄せ部材49が一体に上下に移動するようになっている。
図1(b)に示すように、連動部材27の下端は操作部17に設けた補助ラック51bに連結されている。補助ラック51bは、連結部材52を介してメインラック(ラック)51aに連結されている。尚、補助ラック51bは固定ラック48との間に設けた歯車50に歯合している。
【0011】
ここで、操作部17について説明する。操作部17は、ハンドル53と、ハンドル53の回転軸55(図2参照)に固定した一方歯車57と、一方歯車57と歯合する他方歯車59と、他方歯車59に歯合して上下に移動可能に設けたメインラック51aとを備えている。メインラック51aは、操作部17の他方歯車59の大径部59aに歯合しており、ハンドル53は一方歯車57に固定してあり、一方向の回動操作によってメインラック51aを上方又は下方に移動するようになっている。
【0012】
次に、図2〜図4を参照して一方歯車57及び他方歯車59について説明するが、一方歯車57及び他方歯車59は、それぞれ同じ形状であるから図3及び図4には一方歯車57のみを示す。図2に示すように、一方歯車57は、大径部57aと小径部57bと同軸にして一体に備えており、同様に他方歯車59も大径部59aと小径部59bと同軸にして一体に備えている。
各大径部57a、59aは、歯60が全周に亘って設けてあり、小径部57b、59bの歯63とのかみ合い開始位置には、歯面をなだらかにした歯61が形成してある。各小径部57b、59bは、半周に歯63が形成してあり、残りの約半周には歯がない間欠歯車としている。
一方歯車57の大径部57aは他方歯車59の小径部59bに歯合可能であり、一方歯車57の小径部57bが他方歯車59の大径部59aに歯合可能であり、他方歯車59の大径部59aは常時メインラック51aに歯合している。
【0013】
次に、障子19が閉鎖状態にあるときのロック機構について説明する。図9(a)に示すように、障子19の下框19bには左右端を室内側に向けて傾斜する傾斜面71を有する係合部材73が設けてあり、図10に示すように、無目9の上面にはスライド部材77が配置されており、スライド部材77はコーナードライブ75を介して連動部材27に連結してあり、連動部材27の上下動に連動してスライド部材77が左右に水平移動するようになっている。このスライド部材77にはロックピン79が設けてあり、図9(b)に示すように、連動部材27が下方に移動するとロックピン79がS1方向に移動して係合部材73の傾斜面71を摺動して障子19を引寄せつつ係合部材73に係合して、図9(a)に示すように障子19をロックする。一方、連動部材27が上方に移動するとロックピン79が図9(a)に示す位置からS2方向に移動して、図9(b)に示すように係合部材73から外れ、ロックが解除される。
尚、障子19が自然換気状態の開位置にあるときには、図9(c)に示すように、ロックピン79と係合部材73は離れた位置にある。
【0014】
次に、第1実施の形態に係る自然換気窓1の操作及び作用について説明する。
図1(b)に示すように、障子19は閉鎖状態にあるとき、図5に示すようにハンドル53は先端53aを下に向けて位置している。このとき、図1(a)及び図8(a)に示すように、開閉規制部材25は開閉機構23の下方に位置している。また、図9(a)に示すように、ロックピン79が障子の係合部材73に係合して障子19をロックした状態にある。
障子を図8(a)に示す閉鎖状態から図8(b)に示す自然換気状態するときには、ハンドル53を図5に示すように、反時計方向(R方向)に180度回動する。このとき、図2に示すように、一方歯車57の大径部57aが他方歯車59の小径部59bに歯合した状態で他方歯車59が回わり、メインラック51を上方に向けて移動する。これにより、連動部材27が上方に移動して開閉規制部材25は図8(b)に示すように、スライダー43から離れた下方に移動する。一方、連動部材27が上方に移動すると、図9(a)に示すように、スライド部材77が矢印S2方向に移動して、図9(b)に示すようにロックピン79が係合部材73から外れ、障子のロックが解除される。
そして、図5に符号Eで示すようにハンドル53は先端53aを上に向けたところで、図2に参照されるように、一方歯車57の大径部57aに歯合している他方歯車59の小径部59bは歯63がない間欠部になるので、一方歯車57の大径部57aと他方歯車59の小径部59bの歯合が外れ、一方歯車57の小径部57bと他方歯車59の大径部59bが歯合を開始する。これにより、ハンドル53を同方向(R方向)に更に回し過ぎると、メインラック51aの繰り出し量が突然多くなり、ハンドル操作の負荷が大きくなるから、操作の手ごたえが変わる。よって、操作者はハンドル53を回し過ぎたことに容易に気がつくことができる。この場合には、ハンドル53の回転を少し戻してハンドルの位置を修正する。
自然換気状態では、図8(b)に示すように、ウエイト28(図7参照)とのバランスにより、室外が無風又は微風のときには障子19が開き、風が強いときには、障子が閉じる。
【0015】
次に、排煙状態にするときには、図5に示すように、ハンドル53を更に反時計方向Rに停止する位置Fまで回し、メインラック51aを更に上方に移動する。ハンドル53の停止位置Fは、メインラック51aの下端と歯車が歯合する限界位置であり、これ以上は歯車が回らないようになっている。ここで図2を参照するが、自然換気状態から排煙状態にハンドルを操作するときには、一方歯車57の小径部57bと他方歯車59の大径部とが歯合するので、閉鎖状態から自然換気状態に操作する場合に比較して、ハンドル操作角度に対するメインラック51aの繰り出し量が多くなる。したがって、小さい操作角度でメインラック51aを所定量移動することができる。そして、障子は、図8(b)に示す自然換気状態から図8(c)に示す排煙状態になる。このとき、図7及び図8(c)に示すように、開閉規制部材25は連動部材27と共に上方に移動し、スライダー43の係合突部45aの下面に当接し、サブアーム31の他端31bが下方に移動するのが規制されて、障子19は開き状態が保持される。
【0016】
尚、排煙状態から自然換気状態及び閉鎖状態にするときには、ハンドル53を時計方向(Rと反対方向)に回すことにより行うことができる。この場合において、例えば、排煙状態から自然換気状態にする場合にも、開閉規制部材25が自然換気状態の位置よりも下がると、一方歯車57の小径部57bと他方歯車59の大径部59aの歯合から、一方歯車57の大径部57aと他方歯車59の小径部59bの歯合に変わり、ハンドル53にかかる負荷が急に小さくなるから、操作する手ごたえで、行き過ぎたことに容易に気がつくことができる。
【0017】
第1実施の形態によれば、障子19を閉状態から自然換気状態にハンドル53を回動操作するときと、自然換気状態から排煙状態にハンドル53を回動操作するときとで、一方歯車57と他方歯車59とでそれぞれかみ合う歯車の径を異ならせてハンドルにかかる負荷を変えているので、操作者に異なる手ごたえを与えることができる。
障子19を閉状態から自然換気状態にハンドル57を回動操作するときよりも、自然換気状態から排煙状態にハンドル57を回動操作するときの、ハンドル57の回動角度に対するメインラック51aの移動距離を大きくできるので、自然換気状態から排煙状態に回動操作するときにかみ合う歯車の径を、閉状態から自然換気状態に回動操作するときにかみ合う歯車の径と同じにする場合に比較して、閉状態から自然換気状態、排煙換気状態に至る一方向へ操作するハンドル53の回動角度を小さくできる。よって、ハンドル53の回動操作に伴うハンドル53の移動軌跡を確保するためのスペースを少なくできる。
【0018】
以下に本発明の他の実施の形態を説明するが、以下に説明する実施の形態において、上述した第1実施の形態と同一の作用効果を奏する部分には同一の符号を付することによりその部分の詳細な説明を省略し、以下の説明では第1実施の形態と主に異なる点を説明する。
図11〜図13に本発明の第2実施の形態を示す。この第2実施の形態では、窓本体15(図10参照)にすべり出し自然換気窓を用いている。このすべり出し自然換気窓では、図13に示すように、障子19は上部に設けた軸81が、竪枠7に設けた案内レール82を上下動自在且つ回動自在に連結してある。開閉機構23aは、開閉プレート83と、メインアーム85と、サブアーム87と、引寄せアーム89とを備えている。
【0019】
開閉プレート83は竪枠7に設けた案内レール91を上下動自在に連結してあり且つ連結部材86を介して連動部材27に固定されている。
メインアーム85は一端85aが障子19の重心位置に回動自在に連結してあると共に他端85bが開閉プレート83の上下方向の長孔83aを上下動自在且つ回動自在に係合している。
サブアーム87は一端87aがメインアーム85の中間部に回動自在に連結してあり且つ他端87bが竪枠7に回動自在に連結してある。
引寄せアーム89は一端部に長孔89aが形成してあり、サブアーム87の中間部に設けた軸87cが長孔89aを摺動自在に連結してあり、他端部89bに設けた軸88が開閉プレート83に係合しており、中間部89cが竪枠7に回動自在に連結してある。
開閉プレート83には、引寄せアーム89の他端部89bに設けた軸88が係合する係合孔83bが形成されている。係合孔83bは、障子19の開閉に伴う引寄せアーム89の軸88の移動を許容する移動許容部83cと、移動許容部83cの上方に連続してあり且つ見込み方向室外側に突設した湾曲突部83dとを有し、開閉プレート83が下方に移動したときに引寄せアーム89の中間部89cよりも下方位置で引寄せアーム89の軸88が湾曲突部83dを下方から乗り上げることで、引寄せアーム89の軸88が引寄せアーム89の中間部89cを中心に室外側に向けて回動することによりサブアーム87が室内側に向けて回動して、障子19を室内側に引寄せて障子19をロックする。
【0020】
開閉プレート83は連動部材27に連結してあり、第1実施の形態と同様にハンドル53の操作により所定位置に上下動し、障子19の閉鎖状態では図11に示すように、開閉プレート83が下端位置にある。そしてハンドル53を回動して、閉鎖状態から自然換気状態にすると、図12に示すように、開閉プレート83が上昇した位置にあり、引寄せアーム89の軸88は移動許容部83c内に位置するので、障子19は外の風が強風の場合には閉じ、無風や微風の場合には開く。更にハンドル53を回動して、排煙状態にすると、図13に示すように、開閉プレート83が更に上昇した位置で、メインアーム85の他端85bが長孔83a下端に位置し且つ引寄せアーム89の軸88係合孔83bの下端に位置して、障子19の最大開き状態が保持される。
この第2実施の形態においても、上述した第1実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0021】
本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
例えば、一方及び他方歯車の小径部の間欠部分は約半周にすることに限らず、周方向の1/3や1/4にしても良い。
更に、本願発明にかかるハンドル53と一方歯車57と他方歯車59とラック51aとの構成による障子の開閉操作は、自然換気窓に限らず、高い位置にあるガラスルーバの開閉や、オーニング窓や開き窓における障子の開閉を行うオペレータハンドルの操作部として用いることができる。このようなオペレータハンドルとして用いた場合には、高い位置にある窓を見上げて開き状態を確認することなく、ハンドル操作の手ごたえでルーバや障子の開き具合を感知することができ、特に、目の不自由な人が操作する場合には、ハンドル操作の手ごたえのみでルーバや障子の開き状態を感知することができるので好適である。
【符号の説明】
【0022】
1 自然換気窓
19 障子
51a メインラック(ラック)
53 ハンドル
57 一方歯車
57a 大径部
57b 小径部
59 他方歯車
59a 大径部
59b 小径部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドルと、ハンドルの回転軸に固定した一方歯車と、一方歯車と歯合する他方歯車と、他方歯車に歯合して移動可能に設けてあり且つ障子の開閉操作部材に連結したラックとを備え、ハンドルは一方向の回動操作によって障子を閉状態から自然換気状態と排煙状態とに切換自在であり、一方歯車及び他方歯車はそれぞれ、大径部と小径部とを同軸にして一体に設けてあり、各小径部は、一部に歯がない間欠歯車であり、他方歯車の大径部はラックに歯合しており、障子を閉状態から自然換気状態に変えるハンドル操作では一方歯車の大径部と他方歯車の小径部とが歯合し、障子を自然換気状態から排煙状態に変えるハンドル操作では一方歯車の小径部と他方歯車の大径部とが歯合してラックを移動することを特徴とする自然換気窓。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−87443(P2013−87443A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−226662(P2011−226662)
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【出願人】(000175560)三協立山株式会社 (529)
【出願人】(000152424)株式会社日建設計 (55)
【出願人】(591006117)株式会社ナガエ (16)
【Fターム(参考)】