説明

自給式呼吸器用ロッキングメンバー

【課題】 カプラーが圧縮空気タンクから緩むことなく、SCBAと協働するためのロッキング装置を提供するものである。
【解決手段】 自給式呼吸器のためのドッキング・アッセンブリは、シート、カプラー、爪とスプリングとを有し、この自給式呼吸器は、一般に、ヘッドとノズルとを有する圧縮空気タンクを有し、この圧縮空気タンクはユーザーに呼吸できるように空気を供給する。前記シートは、前記圧縮空気タンクのヘッドを解放可能に保持する。前記カプラーは、間に隙間をおいて外周に配置されている複数の歯と、ハンドルとを有し、前記圧縮空気タンクのノズルにねじ結合する。前記爪は、揺動して移動できるように前記シート上にマウントされ、前記ねじカプラー上に前記ノズルに対してロックするべく配置されている少なくとも前記複数の歯の一つに係合可能である。前記スプリングは、前記アームをロックポジションに付勢する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に自給式呼吸器に関し、特に、該自給式呼吸器に関連するドッキング・アッセンブリに使用されるロッキング装置(ロッキング・メカニズム)に関する。
【0002】
この出願は2006年1月5日に出願されたアメリカ合衆国の仮特許出願第60/757,160号を基礎とした優先権の利益を主張するものであって、元の出願にかかる全内容は、この出願に記載されている内容を参照することによって明らかになる。
【背景技術】
【0003】
一般に自給式呼吸器(SCBA:Self-Contained Breathing Apparatus)と呼ばれる高圧呼吸装置は、圧縮空気タンク等の呼吸用空気を蓄えたものと、ユーザが呼吸できるように空気を供給する供給システムとが必要である。一般のSCBAの供給システムは、通常、レギュレータと、1又はそれ以上の供給チューブと、マスクとを有する。さらに、典型的な使用形態として、前記圧縮空気タンクと前記供給システムとはネジ・カプラーによって流体的に接続されている。ある公知のネジ・カプラーでは、ネジを手動でねじ込むことによって前記圧縮空気タンクのノズルに着脱することができるよう設計されている。この手動による取着あるいは取り外しは、ユーザにとって、工具を使用することなく現場、例えば悪環境下の現場においても、前記圧縮空気タンクの取り替えを可能としている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述の如き手動で操作可能なカプラーは、危険で且つまたは危険な環境下での使用中に、運悪く、衝撃、外力の影響、振動などにより、緩んでしまうというような好ましくない影響を受け易い。このようにカプラーが圧縮空気タンクから緩んだ場合、緩んだところからタンク内の圧縮空気が漏れて、利用できる呼吸用の空気が減少する。
【0005】
本発明はSCBAと協働するためのロッキング装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このロッキング装置は、機械的により確実に接続するとともに、一般に手動による接続、例えばネジ止めに、協働して、取付け又は取り外しを容易にさせる。特に、前記ロッキング装置は、ラチェット・ホィールとスプリングで付勢された歯ツメを有している。
【0007】
一つの実施形態では、前記ラチェット・ホィールは付設されるか又は手動カプラーの一部として設けられている。前記歯ツメは、前記圧縮空気タンクのネジ締結部に隣接して配置されている、ロッキング・エッジを有するロッキング・メンバーと、バネにより付勢されたレバー部分即ちアームとを有する。
【発明の効果】
【0008】
使用において、前記歯ツメは、間欠的に、カプラーとしてラチェット・ホィールに係合して、前記圧縮空気タンクのネジによる締結をおこなう。一方、前記カプラーは、前記圧縮空気タンクに望ましい強さでもってネジ止めされ、前記歯ツメは前記ラチェット・ホィールの複数の歯の一つに係合する。このように構成されているため、前記歯ツメは、前記カプラーに配置されたラチェット・ホィールの前記歯に力を加えて、前記圧縮空気タンクから該カプラーが緩んで外れるのを防止するように作用する。
【0009】
ユーザが前記圧縮空気タンクを取り外すか交換したければ、該ユーザは、前記バネ力に抗して、カプラーから歯ツメの係合を解除するような力を加えればよい。その後、ユーザは、前記圧縮空気タンクとのネジ結合を解除するべく、自由に回転させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
[実施例]
図1を参照して説明すると、本発明の原理(思想)に従って構成された自給式呼吸器(SCBAともいう)10は、圧縮空気タンク12、例えば酸素タンクと、カプラー21を含むドッキング・アッセンブリ14とを有するものとして図示されている。1実施形態として、前記SCBAユニットあるいはドッキング・アッセンブリ14は、商業的に利用できるPleasant Prairie,Wisconsin (ウイスコン州のプレザント・プレリー)所在のInterspiro Inc.(インター・スピロー社)の "Spiromatic−S4 SCBA(スピロマチック−S4 SCBA)"のユニバーサル・エア・コネクション(UAC)コンポーネントあるいはRapid Intervention Connection(ラピッド インターベンション コネクション)(RIC)の改良型に基づいていてよく、あるいはそれらを含んでいてよい。前記圧縮空気タンク12は、ヘッド13と接続メンバー即ちノズル16を有する。前記ノズル16は、該ノズル16の外周面に形成される複数条のねじ18と該ノズル16の内方に形成されるニップル・オリフィス20を有する。前記カプラー21は、該カプラー21によって支持されている対応するニップル先端44(図4参照)を、前記ニップル・オリフィス20が気密式に接合して受容するように、前記ノズル16にネジ止めされる。前記ニップル先端44は、前記SCBAの流体(気体)供給システムに連通するように配置されているとともに、このSCBAの流体(気体)供給システムは、周知の如く、例えば、レギュレータ(図示せず)、又は/及びマスク(図示せず)を有する。
【0011】
図1に図示されているように、ドッキング・アッセンブリ14は圧縮空気タンク12のヘッド13を受容してその状態を維持するよう設けられている。従って、前記SCBA10の1つの実施形態では、前記ドッキング・アッセンブリ14は、初期対応員や消防士がよく身につけるアクセサリやその他の衣服、バック・パック、セフティ・スーツに固定することができる。さらに、後で詳細に述べるように、前記ドッキング・アッセンブリ14とカプラー21は、前記圧縮空気タンク12のノズル16にネジ止めされる該カプラー21をロックしその状態を協働して保持するように構成され且つ配置される。前記カプラー21の前述のようなロッキング保持力は、有利なことに、前記SCBA10の効率的な作動と前記タンク12の接続部分における漏れの可能性の低減を保証する。
【0012】
図2は、前記ドッキング・アッセンブリ14を示し、かかるドッキング・アッセンブリ14は、一般的に、フレーム15、シート17、ブレーキ19、トーション・スプリング23、圧縮バネ53、ピン43および前述のカプラー21を有する。前記フレーム15はバック・プレート25、ベース26およびフェンス27を有する。前記バック・プレート25およびベース26は、衣服やアクセサリにこのドッキング・アッセンブリ14を付けるボルト、リベットあるいはネジ等の取付手段(ファスナー)を取着するための複数の開口25aを備えた金属板により、一体に形成されている。さらに、前記フレーム15は、後でより詳細に述べる如く、前記シート17およびブレーキ19を操作し易く保持するためにピン43を取着するための開口31を備えたサイドプレート29を有する。前記フェンス27は、ロール・ガード27aを保持する、上下逆さまになったUの字形に形成された、ワイヤー・ループを有する。図1に図示するように、前記フェンス27は、前記シート17およびブレーキ19と協働して、前記ドッキング・アッセンブリ14に、圧縮空気タンク12のヘッド13を係合し保持する。
【0013】
続いて図2に図示するように、前記ドッキング・アッセンブリ14のシート17は剛体に作られ、一般に、中央部分67および1対のアーム部分77を有する。前記中央部分67は、前記フレーム15のフェンス27と前記ベース26と協働して前記圧縮空気タンク12の円筒状のヘッド13を収容するだけの大きさ(寸法)を備えた凹状の表面67aを画定する。それぞれがピボット用の開口77aを有する前記一対のアーム部77の当該開口77aは、図2ではそのうちの一方のみが図示されている。このピボット用の開口77aは、後述するように、前記フレーム15に対して前記シート17をマウントし該シート17を前記フレーム15に相対的に枢支可能にするために前記ピン43を受容する。さらに、前記一対のアーム部77のそれぞれが凹部即ちスプリングシート77bによって画定され、該スプリングシート77bは、その一方のみが図2に図示されている。後述するように、前記スプリングシート77aは、前記フレーム15と前記シート17の間に配置される前記トーション・スプリング23を受容し支持するためのもので、それによって、前記フレーム15と前記ブレーキ19に対して、相対的に、前記シート17を付勢する。
【0014】
前記ブレーキ19も剛体に作られ、一般に、ブレーキをかける部分69とレバー部分即ちアーム79を有する。前記ブレーキをかける部分69は、凹状の表面69a、ブレーキをかける表面69bと、ピボット穴69cによって画定される。前記シート17のアーム部77におけるピボット用開口77aと同じように、前記ピボット穴69cは、前記フレーム15内に組み込まれたとき前記ブレーキ19を枢支可能なように前記ピン43を受容する。前記ブレーキ19の凹状の表面69aは、例えば、図1に図示するヘッド13の直ぐ下方に配置されている前記圧縮空気タンク12の一部を収容する大きさを有する。前記ブレーキ19のブレーキをかける表面69aは実質上Uの字状をしており前記圧縮空気タンク12のヘッド13に係合する。そのように構成されているため、前記ヘッド19のブレーキをかける表面99bは、図1および図2において前記シート17に対して上方への前記ヘッド13の移動を制限することによって、前記ドッキング・アッセンブリ14に係合して、前記圧縮空気タンク12をその位置に保持する。
【0015】
前記ブレーキ19のレバー部分即ちアーム79は、ブレーキをかける部分69と一体に形成され長く延びた形態のメンバーを有する。前記レバー部分即ちアーム79は、ピボット開口部79cによって画定されるフランジ端79bとギザギザのある端79aを有する。前記ピボット開口部79cは、実質上、前記ブレーキ19のブレーキをかける部分69のピボット穴69cに並んで設けられており、同じように前記ピン43を受容するよう構成されている。
【0016】
そして、組み立時、前記シート17および前記ブレーキ19は、前記ピン43によって前記フレーム15に枢着される。さらに具体的には、前記シート17は、前記ピン43によって揺動可能にフレーム15にマウントされ、このフレーム15のバック・プレート25から離間する方向に圧縮ばね53によって付勢されている。ここに開示されている実施形態では、ストッパ45は、前記フレーム15のベース26から上方に延び、且つ、前記圧縮ばね53が前記シート17の底部を前記フレーム15のバック・プレート25から離間する方向へ移動させる距離を制限する。同様に、前記ブレーキ19が前記ピン43によって揺動可能に枢着され、前記トーション・スプリング23によって前記レバー部分即ちアーム79のギザギザの端79aが前記フレーム15のバック・プレート25から遠ざけられる方向に付勢されている。
【0017】
従って、動作中に、前記ブレーキ19は、ブレーキをかける位置(図1で示される位置)とリリース位置(示されない)の間で揺動することができる。ブレーキをかける位置では、前記ブレーキ19のブレーキをかける部分69の凹状の表面69aは、前記シート17の中央部分67の凹状の表面67aに対してある角度をもって且つ該凹状の表面67aから遠ざかった位置に位置し、それによってブレーキをかける表面69bが露出する。この実施形態では前述のように構成され、前記露出したブレーキをかける表面69bは、一般に、前記凹状の表面67a,69aの間をそれらの面に直交するように延びている。他方、リリース位置では、前記ブレーキをかける部分69の凹状の表面69aは、一般に、前記シート17の中央部分67の凹状の表面67aに並ぶように位置する。この位置では、前記凹状の表面69a、67bの間を円滑にそして連続的に移動できるような形態になり、且つ、前記ブレーキをかける表面69bは前記シート17のアーム部分77の間に隠れる。このように構成されていることから、ユーザは、図1に示すように、前記圧縮空気タンク12のヘッド13がドッキング・アッセンブリ14に係合するように自在にスライドさせられる。
【0018】
さらに、述べるように、本実施形態にかかる前記ドッキング・アッセンブリ14は、前記圧縮ばね53によって付勢され前記ピン43によって揺動自在に枢着されている前記シート17を有する。それ故、ユーザが、前記圧縮空気タンク12のヘッド13を前記ブレーキ19を通過させて前記ドッキング・アッセンブリ14内にスライドさせて挿入すると、該ヘッド13は前記シート17を前記ピン43の回りを僅かに回転させる。それによって、前記圧縮ばね53は僅かに圧縮される。このように構成されているため、前記圧縮バネ53は、前記シート17とシート17を押圧する。換言すると、前記圧縮バネ53は、前記圧縮空気タンク12のヘッド13を押圧する。前記シート17によって付与される前記押圧力は、圧縮空気タンク12のヘッド13が適切に前記フェンス27に隣接して該タンク12を前記ドッキング・アッセンブリ14内に固定することを確実にする。
【0019】
さらに述べると、図1および図2に図示されるように、前記ブレーキ19はレバー部分即ちアーム79を有する。このレバー部分即ちアーム79は、ユーザの手動操作によって、前記トーション・スプリング23のバネ力に抗して、ブレーキをかける位置(図1の中で示される)からリリース位置(示されない)へブレーキ19を揺動させることができる。この動作により、ユーザは前記圧縮空気タンク12のヘッド13を前記ドッキング・アッセンブリ14から離すことができる。例えば、前記ブレーキ19がブレーキがかかった状態(図1参照)のとき、ユーザは、一般に前記レバー部即ちアーム79のギザギザの端79aへ普通の力を加えて操作することができる。かかるブレーキ19は、前記ピン43の回りをリリース位置へと回転し、この状態において前記凹状の表面67a,69aは、一般に、互いに並んだ状態となる。これによって、ユーザは、前記ドッキング・アッセンブリ14から前記圧縮空気タンク12を離すことが可能となる。この後、ユーザは、前記レバー部即ちアーム79に作用させている力を緩めることができ、これによって、前記トーション・スプリング23が前記ブレーキ19を付勢して前記ブレーキがかかっている位置に戻す(図1参照)ことが可能となる。
【0020】
前記フェンス27上に配置されているロール・ガード27aは、ユーザが、前記圧縮空気タンク12のヘッド13を離し且つ前記ドッキング・アッセンブリ14との係合及び該係合を解除するのを、助けるようにすることが好ましい。具体的には、前記ロール・ガード27aは、前記フェンス27上を回転動作させるために配置されているカウンター・スリーブを有する。従って、前記ドッキング・アッセンブリ14に対して相対的に前記圧縮空気タンク12のヘッド13を離すとき、前述したように、前記ロール・ガード27aは前記ヘッド13に係合して回転する。このように、前記ロール・ガード27aの回転は、前記ヘッド13と前記フェンス27の間の摩擦を低減させ、且つ、ユーザが、前記圧縮空気タンク12を前記ドッキング・アッセンブリ14に対して係合させようとするのをあるいは該係合を解除させようとするのを助けるのに有利な構成となる。
【0021】
前述したように、そこで述べられている前記ドッキング・アッセンブリ14は、前記圧縮空気タンク12のノズル16にネジ止めによって係合されている前記カプラー21を、ロックする。ここに開示された実施形態では、このロッキングの状態は、前記ブレーキ19を備えたロッキング・メンバー30と前記カプラー21を備えたラチェット・ホィール37を通して達成される。
【0022】
より具体的に、図2〜4を参照して説明すると、ここに開示されている構成を備えた1つのカプラー21は、中央バレル33、ハンドル35、及び前述したラチェット・ホィール37を有する。前記バレル33は、一般に、ニップル端を受容する中空のシンリダを有し、かかるニップル端44は図4に図示されている。ある1実施形態として、前記ニップル端44は、前記カプラー21に付設され、そして導管あるいはレギュレータに連結され、例えば、吸気可能な空気を、コントロールされた状態でユーザに供給する。前記バレル33は、前記圧縮空気タンク12の前記ノズル16に形成されたおねじ18にネジ結合される、内周面に形成された複数のめねじ39(図4参照)を有する。前記ラチェット・ホィール37は、複数のラチェット歯41を有し、かかるラチット歯41については、後で図5を参照して詳しく述べる。そして、このラチェット歯41は、前記バレル33の外周面に剛性をもって結合されている。前記ハンドル35は、同じく剛性をもって前記バレルの外周面に結合され、また、ユーザがハンドル35を手操作することにより、前記カプラー21を圧縮空気タンク12のノズル16にねじ結合することができ、あるいはねじ結合を解除することができる。
【0023】
さらに、開示されている実施形態においては、前記ロッキング・メンバー30は、前記レバー部分即ちアーム79に、概ね前記ギザギザの端79aに近接するように、配置されている。このロッキング・メンバー30は、ピン47とボディ49とを有する。かかるピン47は、前記レバー部分即ちアーム79に形成された孔51(図2,3参照)に固定的に取着されている。1実施形態としては、前記ピン47は、前記孔51に接着等により固着されてもよい。他の実施形態としては、前記ピン47は、前記孔51に対して螺着されてもよい。この実施形態に代えて、前記ロッキング・メンバー30は、前記レバー部分即ちアーム79又は前記シート17の他の部分と一体的に形成されてもよく、あるいは前記レバー部分即ちアーム79に剛性をもって形成されても又は付設されてもよい。かかる全ての実施形態において、前記ロッキング・メンバー30は、前記シート17によって移動させられる。
【0024】
前記ロッキング・メンバー30のボディ49は、図3,図6Bに図示するように、一般に、側面視においてダイヤモンド形状あるいは菱形の形態を有する箱形の形状の構造を備えている。
前述のように構成されているため、前記ボディ49は、ロッキング・エッジ60を有する。図3に図示するように、前記ロッキング・エッジ60は、前記カプラー21のラチェット・ホィール37に、前記圧縮空気タンク12のノズル16に対し該カプラー21がロックするように、係合させることができる。このため、上述したように、前記トーション・スプリング23の付勢力は、ブレーキ19とそのレバー部分即ちアーム79をブレーキング位置に旋回させる。前記ブレーキング位置とは、図1,図3に図示する位置である。そのため、前記トーション・スプリング23は、前記レバー部分即ちアーム79を付勢し、前記圧縮空気タンク12のノズル16に対して、前記ロッキング・メンバー30のロッキング・エッジ60を付勢する。
【0025】
より具体的には、図3に図示するように、前記レバー部分即ちアーム79は、前記ロッキング・メンバー30のロッキング・エッジ60が前記カプラー21のラチェット・ホィール37に係合するように、付勢される。このように構成されているため、前記レバー部分即ちアーム79とロッキング・メンバー30とは、前記ラチェット・ホィール37に係合し、前記圧縮空気タンク12のノズル16上の前記カプラー21をロックする「スプリングで付勢されたツメ」として、効果的に機能する。より詳しくは、前記レバー部分即ちアーム79とロッキング・メンバー30は、前記カプラー21が前記ノズル16にねじ結合している状態から回転して外れるのを防止する。
【0026】
前述した如く、前記カプラー21のラチェット・ホィール37は、複数のラチェット歯を有する。図3,図4には、ロッキング・フェース41aとテール・フェース41bと先端41cを有する複数のラチェット歯が図示されている。したがって、前記ブレーキ19とそれ故前記レバー部分即ちアーム79がブレーキング位置に位置するとき、前記ロッキング・メンバー30のロッキング・エッジ60が、前記ラチェット・ホィール37上の複数の歯41のうちの一つの歯41のロッキング・フェース41aに力を作用させる。前記ロッキング・メンバー30によって加えられる前記力は、一般に、図3において、前記カプラー21のバレル33に対し時計回転方向における接線方向に作用する。
したがって、前記ロッキング・メンバー30は、前記カプラー21が反時計方向に回転しようとするのを妨げる。
【0027】
使用中に、ユーザが、図3に示すように、前記ノズル16の方向に対し、前記カプラー21を時計方向に回転させることによって前記圧縮空気タンク12に該カプラー21を螺着することができる。前記バレル33の内周面のめねじ39と前記ノズル16の外周面に形成されたおねじ18との間の螺合は、前記カプラー21をノズル16側へ引き込み、前記シーリング・ニップル44を前記ニップル・オリフィス20に気密的に連結する。この過程において幾つかの点は、一般的に、前記ニップル・ティップ44が前記ニップル・オリフィス20に気密的に連結すべく接合したとき、前記ロッキング・メンバー30のロッキング・エッジ60は、前記ラチェット・ホィール37の歯41に対し滑動して係合し始める。例えば、図3を参照して述べると、前記カプラー21が時計方向に回転させられている間、前記ラチェット・ホィール37の前記歯41のテール表面41bは、前記ロッキング・メンバー30のロッキング・エッジ60に、断続的に係合し、乗り越えて、回転する。このような断続的な係合は、前記ロッキング・メンバー30を断続的に移動させ、そして、それ故に、前記レバー部分即ちアーム79は、前記トーション・スプリング23の付勢力に抗して、ほんの少しだけ、前記カプラー21から離れることになる。しかしながら、前述したように、一度前記カプラー21が所定の力で緊締されると、前記ロッキング・メンバー30のロッキング・エッジ60が前記歯41の一つのロッキング・フェース41aと係合するように、該カプラー21は、反時計方向にほんの少しだけ回転することができるだけとなる。かかる係合は、カプラー21が、反時計方向すなわち解除する方向に回転するのを防止する。このような方法で、前記ロッキング・メンバー30は、前記ラチェット・ホィール37と協働して、該カプラー21が外れる方向に回転するのを妨げる如き、ロッキング状態が積極的に形成されるように作用する。これによって、前記ニップル・ティップ44が、前記ノズル16のニップル・オリフィス20との間で、漏洩を防止するべく気密的に接続された状態を保持する。
【0028】
前記カプラー21を前記ノズル16から外すためには、ユーザーは、前記トーション・スプリング23のバネ力に抗して、前記レバー部分即ちアーム79のギザギザのある端79aが該アーム79の枢支軸を中心に揺動するように、外力を加えなければならない。このことは、前記ロッキング・メンバー30と前記ラチェット・ホィール37との係合を解除させることになり、これによって、ユーザーが前記カプラー21を図3において反時計方向に回転させることを可能にする。
【0029】
一つの実施形態として、前記ロッキング・メンバー30のボディ49は、所定の厚み寸法を有し、前記カプラー21が略前記ノズル16にきつく締付けられるまでの間、前記ラチェット・ホィール37は前記ロッキング・エッジ60に係合することがないようにすることもできる。例えば、好ましい構成としては、前記ラチェット・ホィール37上の前記歯41のテール・フェース41bは、最後の10パーセンの領域で前記ロッキング・メンバー30に乗り上げ始め、例えば、回転動作における最後の10パーセントの領域の回転は、前記ノズルに取着される前記カプラー21の望ましい締付け強さを得るために必要な回転となる。
一つの実施形態として、前記ニップル・ティップ44が前記ニップル・オリフィス20に対して十分に接合し気密状になる前に、前記ラチェット・ホィール37上の歯41の限定されたあるいは所定数の歯が前記ロッキング・メンバー30を乗り越えるように設計されることができる。かかる構成は、ユーザーにとって、前記ニップル・ティップ44がニップル・オリフィス20に十分に接合する前に、間欠的に即ちちょっとの間だけ、前記ロッキング・メンバー30が干渉することなく、前記カプラー21をノズル16に対し回転させることが、有利な構成として、可能である。
さらに、この構成は、少しの回転動作の間だけ、例えば回転操作の最初の10パーセントの領域の間だけ、前記スプリング23のバネ力に抗して、前記レバー部分すなわちアーム79を移動させることが必要となる、だけである。
【0030】
前述したように、前記ノズル16に前記カプラー21を取着する作業の中で、前記バレル33の内周のねじ39に、前記ノズル16のねじ18が係合し始めるように、前記カプラー21を前記ノズル16に対して位置決めする。それから、ユーザーは、前記ニップル・ティップ44が前記ニップル・オリフィス20に気密的に接合し始めるまで、前記カプラー21を回転させることができる。前記ラチェット・ホィール37上の歯41の前記テール・フェース41bが、前記ロッキング・メンバー30のロッキング・エッジ60に係合し乗り越えると、クリッキング音を発生させる。
一つの実施形態としては、ユーザーが、前記ハンドル35を介して前記カプラー21を継続して回転させるとき、前記ロッキング・メンバー30のロッキング・エッジ60を複数の歯41が乗り越える度にクリック音が生じるようにすることである。
一つの実施形態としては、前記クリック音は、ユーザーにとって積極的なフィードバックとなり、これにより、ユーザーは、前記カプラー21が前記圧縮空気タンク12のノズル16に所定の状態で螺着されつつあるか否か知ることができる。
これに代わる実施形態としては、ユーザーは、前記カプラー21のハンドル35を、もうそれ以上回転させることができなくなるまで回転させるが、該回転が簡単にできるように、前記レバー部分即ちアーム79が前記スプリング23のバネ力に抗して揺動することができるようにすることである。
とにかく、前記カプラー21が前記圧縮空気タンク12のノズル16にしっかりと螺着された後には、前記ニップル・チップ44が完全に前記ニップル・オリフィス20に対して気密的に接合し、前記ロッキング・メンバー30のロッキング・エッジ60が前記ラチェット・ホィール37の複数の歯41のうちのいずれかの歯のロッキング・フェース41aに係合するように、該カプラー21が配置されるようにすることである。
このようにすると、前記スプリングが付勢する前記レバー部分即ちアーム79とロッキング・メンバー30とは、前記ラチェット・ホィール37に係合しているスプリング・付勢爪が、前記カプラー21と前記ノズル16との接続が解除されるように回転するのを防止するように、作用する。
【0031】
その後、前記カプラー21を前記ノズル16から取り外すためには、ユーザーは、前記スプリング23のバネ力に抗して、前記ラチェット・ホィール37との係合を解除して、前記レバー部分即ちアーム79と前記ロッキング・メンバー30とを、揺動させなければならない。そして、ユーザーは、図3において反時計方向にカプラー21を、ハンドル35を介して、回転させることができ、例えば、それによって、前記ノズル16とバレル33のねじ18,39に、該カプラー21が前記ノズル16から外れるように力を加えることが可能となる。これは、同時に、前記ニップル・ティップ44を前記ニップル・オリフィス20から取り外すことになる。
2〜3回転だけ回転させあるいは全回転に未たない回転のように、少しの回転数だけ回転した後には、前記カプラー21は、前記ロッキング・メンバー30が前記ラチェット・ホィール37にもはや係合できないように、前記ノズル16から十分に移動する。この時点で、ユーザーは、前記レバー部分即ちアーム79を解除することができ、そして、前記ノズル16に対して該カプラー21は自由に回転あるいはスピンさせることができる。
【0032】
既に述べたように、前記開示した実施形態にかかる前記ラチェット・ホィール37は、複数のラチェット・歯37を具備する。そして、各ラチェット・ホィール37の歯はそれぞれロッキング・フェース41aとテール・フェース41bを有する。図5は、前記カプラー21のバレル33に固着される前記ラチェット・ホィール37を機能的に幾何学的に表した1つの実施形態を概念的に図示したものである。具体的には、前記複数の歯41のそれぞれのロッキング・フェース41aは、前記テール・フェース41bの直線的な寸法より小さい直線的な寸法を有する。さらには、前記複数の歯41のそれぞれのロッキング・フェース41aは、前記テール・フェース41bに対して角度αを有するように構成されている。
一つの実施形態では、前記角度αは、90°より小さく、最適には60°である。さらに、前記複数の歯41のそれぞれの先端41cは、前記ラチェット・ホィール37の外周に間隔をもって配置されており、各先端41cは、それぞれ隣接する先端41cに対して角度γを有するように配置されている。好ましい実施形態において、前記角度γは約24°であって、複数の歯41としては、15個の歯41である。さらに、ウイスコン州のプレザント・プレリーに所在するインター・スピロー社から提供されている商業的に利用可能なスピロマチック−S4 SCBAに協働する、前記カプラー21として好ましい形態のものは、該カプラー21のバレル33が、外径26.2ミリメートルのものである。したがって、前記ラチェット・ホィール37の好ましい実施形態は、図5に図示するものであり、適切に組立てられるために、その内径が26.2ミリメールトルあるいはそれより少し大きいものが好ましい。加えて、前記ラチェット・ホィール37が、先端径を備え、前記複数の歯41のそれぞれの先端41cでの前記先端径は、略33.753ミリメールトルである。最後に、前記ラチェット・ホィール37は、ロッキング径を有し、前記テール・フェース41bと前記ロッキング・フェース41aとの隙間のロッキング径は、29.2ミリメールトである。前記ラチェット・ホィール37と前記カプラー21のバレルとがセパレートコンポーネントとして図示され、且つ、説明されているが、また、他の実施形態として、前記ドッキング・アッセンブリ14が、前記バレル33と一体に結合されあるいは一体に形成され、且つ、前記ラチェット・ホィール37を具備したカプラー21を有するように構成することが好ましい。
【0033】
図6A,図6Bは、本発明の原理(思想)に基づいて構成されているロッキング・メンバー30の一つの実施形態を図示しているが、これは、ウイスコン州のプレザント・プレリーに所在するインター・スピロー社から提供されている商業的に利用可能なスピロマチック−S4 SCBAに協働し、前述したように、このロッキング・メンバー30は、ピン47とボディ49とを有する。前記ピン47は、軸Aに沿って配置されている。前記ボディ49は、前述したように、一般に、ダイヤモンド形状あるいは菱形の形態を有し、ロッキング・エッジ60を備えている。
さらに、詳述すると、前記ボディ49は、前面49aと背面49bと頂面49cと底面49dとを備えている。前記前面49aと背面49bは、前記ピン47の軸Aに対して角度θを有する。好ましい実施形態では、前記角度θは、略35°である。一つの実施形態では、前記ロッキング・メンバー30は、金属のような剛性のある物質からなる単一物によって形成される。前記ロッキング・メンバー30は、長さ寸法がLで、幅寸法がWの、楕円形状のもので構成される。一つの好ましい実施形態では、前記長さ寸法Lが略23.39ミリメールトで、前記幅寸法Wが9.132ミリメートルである。さらに言えば、一つの好ましい実施形態としては、前記ピン47の外径Dが約3.175ミリメートルで、該ロッキング・メンバー30のピン側面長さLが約14ミリメールトルである。
【0034】
前述したとおり、前記ラチェット・ホィール37、バレル33、及びロッキング・メンバー30の好ましい開示された寸法は、単なる例示であって、前述した一つの特定のスピロマチック−S4 SCBAに使用した場合に好ましいものである。
したがって、前記寸法は前記実施形態において完璧な数値であって、請求項によって限定される内容を越えて本発明の範囲を限定するものではない。
【0035】
さらに、前記ロッキング・メンバー30のボディ49は、前記ロッキング・エッジ60で特定される側面形状がダイヤモンド形状あるいは菱形形状であるとしてこの明細書では記載されているが、ドッキング・アッセンブリ14の他の実施形態では、同じあるいは対応する効果が得られる、異なる構成とすることができる。例えば、前記ロッキング・メンバー30のボディ49は、前記カプラー21がノズル16から緩むのを防止するために、該カプラー21の対応する表面と係合するための前記ロッキング・エッジ60に類似した構成の表面あるいはエッジを備えた、如何なる形態のものでも可能である。
【0036】
前述したことに照らせば、本発明の有するメリニットにしたがって構成されたドッキング・アッセンブリ14は、圧縮空気タンク12を迅速に且つ簡単に、厳密に取付あるいは取り外すシステムを備えている。
特に、前記レバー部分即ちアーム79と、前記トーション・スプリング23によって付勢されたロッキング・メンバー30を備えた、この発明で開示したスプリング付勢爪は、前記カプラー21が緩むのを防止する自動ロッキングの形態を備え、そして、それ故、前記ニップル・オリフィス20から前記ニップル・ティップ44が緩むことによって生じる、前記圧縮空気タンク12からの漏洩を最小限にすることができる。
さらに、前記カプラー21のラチェット・ホィール37に関連する前記ロッキング・メンバー30の構成によると、前記ノズル16からカプラー21が簡単に且つ迅速に取り外せる。例えば、前述したように、一つの実施形態では、前記ラチェット・ホィール37は、前記カプラー21が前記ノズル16に概ね螺着完了直前に前記歯41のみが前記ロッキング・メンバー30に摺動して係合し始めるように、前記カプラー21のバレル33上に位置させるべきである。したがって、ユーザーは、前記レバー部分即ちアーム79を押し下げ、取り外し工程の最初にほんの少し回転するだけの間、前記ロッキング・メンバー30が前記ラチェット・ホィール37から外れるように押すだけでよい。このことは、ユーザーが迅速に前記カプラー21を回転させて前記ノズル16から取り外すことを可能にすることによって、効率的な取り外し工程が可能となる。
【0037】
最後に、前述したことに照らして、SCBAと特にここで述べた前記カプラー21を含むドッキング・アッセンブリ14についての実施形態は、単なるこの発明の例示にすぎない。この発明の精神(思想)と範囲は、前記実施形態の説明によって限定されるものでなく、請求項に記載の内容によって明らかにされているものである。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、一般的に自給式呼吸器に関し、特に、該自給式呼吸器に関連するドッキング・アッセンブリに使用されるロッキング装置(ロッキング・メカニズム)として使用される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】図1は、本発明の原理に従って構成されているドッキング・アッセンブリと圧縮空気タンクを有するSCBAの一部を表した斜視図である。
【図2】図2は、図1に示すドッキング・アッセンブリの分解斜視図である。
【図3】図3は、図1に示すドッキング・アッセンブリの部分拡大斜視図であって、該ドッキング・アッセンブリが前記圧縮空気タンクのヘッドを受容し、破線でカプラーの一部を示すとともに前記圧縮空気タンクのノズルと該ドッキング・アッセンブリとをネジ止めした状態を表した図である。
【図4】図4は、図1および図3に示すカプラーを詳細に示す斜視図である。
【図5】図5は、図1,図3及び図4に示すラチェット・ホィールを示す平面図である。
【図6A】図6Aは、図1〜3に示すドッキング・アッセンブリのロッキング・メンバーを示す正面図である。
【図6B】図6Bは、図6Aに示すロッキング・メンバーを側方から見た概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドおよびノズルを有する圧縮空気タンク用のドッキング・アッセンブリであって、
前記圧縮空気タンクがユーザーに呼吸用の空気を供給するためのものであり、
前記ドッキング・アッセンブリは、
前記圧縮空気タンクのヘッドを取り外し可能に保持するためのシートと、
前記圧縮空気タンクのノズルにネジにより締結するためのカプラーと、
前記シートによって移動させられ、前記ノズルにネジ結合している前記カプラーを保持するべく該カプラーに係合するためのロッキング・エッジを具備した、ロッキング・メンバー、
とを有する。
【請求項2】
請求項1記載のドッキング・アッセンブリは、さらに、前記ロッキング・メンバーを前記カプラーに係合させるように付勢する、スプリングを有する。
【請求項3】
請求項1記載のドッキング・アッセンブリであって、前記カプラーが、外表面を有するシリンダと、前記ロッキング・メンバーが少なくとも一つの歯に係合するように前記外表面に配置された少なくとも一つの歯とを有する。
【請求項4】
請求項3記載のドッキング・アッセンブリであって、前記少なくとも1つの歯は、前記ロッキング・メンバーが複数の歯のうちの少なくともいずれか1つに係合するように、前記シリンダの外表面の周囲に配置された複数の歯によって構成される。
【請求項5】
請求項3記載のドッキング・アッセンブリであって、前記カプラーは、さらに前記シリンダに固着されたハンドルを有するものであり、前記ハンドルは、ユーザーが手動で前記カプラーを前記ノズルに螺着することができるものである。
【請求項6】
請求項2記載のドッキング・アッセンブリであって、前記スプリングが、前記シートと前記ロッキング・メンバーとの間に配置されたトーション・スプリングである。
【請求項7】
請求項1記載のドッキング・アッセンブリであって、さらに、前記ロッキング・メンバーを移動させるアームを有し、このアームは、前記シートに回転可能に結合し、且つ、該アームは、前記ロッキング・メンバーが前記カプラーに係合しているロック位置に前記スプリングによって付勢されている。
【請求項8】
請求項1記載のドッキング・アッセンブリは、さらに、前記シートと前記ロッキング・メンバーを移動させるフレームを有する。
【請求項9】
ヘッドおよびノズルを有する圧縮空気タンク用のドッキング・アッセンブリであって、
前記圧縮空気タンクがユーザーに呼吸用の空気を供給するためのものであり、
前記ドッキング・アッセンブリは、
前記圧縮空気タンクのヘッドを取り外し可能に保持するためのシートと、
ハンドルと、外周に間隔を空けて複数設けられた歯とを有するとともに、前記圧縮空気タンクのノズルにネジ結合するための、ネジ・カプラーと、
ロック位置とアンロック位置との間を揺動可能に前記シートにマウントされたアームと、
前記アームによって移動させられ、前記アームがロック位置にあるときに前記ネジ・カプラー上の複数の歯のうちの少なくともいずれか1つの歯に係合する、ロッキング・メンバーと、
前記アームに係合し、且つ該アームを前記ロック位置に付勢するスプリング、
とを有する。
【請求項10】
請求項9記載のドッキング・アッセンブリであって、前記ネジ・カプラーが、前記複数の歯を移動させることができる外表面を有するシリンダを有する。
【請求項11】
請求項10記載のドッキング・アッセンブリであって、前記ネジ・カプラーが、さらに、ユーザーが手動によって前記圧縮空気タンクのノズルにネジにより締結させることが可能なハンドルを有する。
【請求項12】
請求項9記載のドッキング・アッセンブリであって、前記スプリングが、トーション・スプリングである。
【請求項13】
請求項9記載のドッキング・アッセンブリであって、前記ロッキング・メンバーが、前記ネジ・カプラー上の前記複数の歯のうちの少なくともいずれか1つの歯に係合するような、ロッキング・エッジを具備する。
【請求項14】
請求項9記載のドッキング・アッセンブリが、前記シート、前記アーム、及び前記スプリングを移動させるフレームをさらに具備している。
【請求項15】
圧縮空気タンクから自給式呼吸器のドッキング・アッセンブリを取り外し可能に締結する方法であって、
該方法が、
前記ドッキング・アッセンブリのシートとの結合をおこなうべく、圧縮空気タンクのヘッドの位置決めをし、
前記ヘッド近傍に配置されている前記圧縮空気タンクのノズルとネジにより締結するべく、第1の方向にカプラーを回転させ、
前記第1の方向と反対の方向である第2の方向に前記カプラーが回転するのを防止すべく、前記ロッキング・メンバーが前記カプラーに力を加えるように、前記ドッキング・アッセンブリによってロッキング・メンバーを、前記カプラーに係合させるように付勢する、工程を含む。
【請求項16】
請求項15記載の方法であって、前記ロッキング・メンバーが前記カプラーに係合するための付勢が、該ロッキング・メンバーが、前記カプラーに配置されている歯とロッキング係合するための付勢である。
【請求項17】
請求項15記載の方法であって、前記ロッキング・メンバーが前記カプラーと係合するための付勢が、該ロッキング・メンバーが、前記カプラーに配置されている複数の歯のうちの少なくともいずれか1つの歯とロッキング係合するための付勢である。
【請求項18】
請求項15記載の方法であって、前記ロッキング・メンバーが前記カプラーと係合するための付勢が、該ロッキング・メンバーのロッキング・エッジが、前記カプラーとロッキング結合するための付勢である。
【請求項19】
請求項15記載の方法であって、前記カプラーが前記ノズルとネジによって締結するための回転が、前記ロッキング・メンバーに対して間欠的に乗り越えることによって係合する前記カプラーの回転である。
【請求項20】
請求項15記載の方法であって、圧縮空気タンクのヘッドが前記ドッキング・アッセンブリのシートと係合するための位置決めが、スプリング力に抗して前記ドッキング・アッセンブリのブレーキ・コンポーネントへ力を加えることによっておこなわれる。
【請求項21】
請求項20記載の方法であって、前記ロッキング・メンバーが前記カプラーに結合するための付勢が、前記シートに対するアームの付勢であり、該アームは、前記ロッキング・メンバーを移動させ、該アームは前記ブレーキ・コンポーネントに連結されている。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【公表番号】特表2009−522529(P2009−522529A)
【公表日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−549635(P2008−549635)
【出願日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【国際出願番号】PCT/US2007/060085
【国際公開番号】WO2007/082130
【国際公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【出願人】(507157263)インタースピロー, インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】