説明

舗装構造体の表層を製造する方法

【課題】硬化時間の短縮とワークライフの延長とを両立させた舗装構造体(道路等)の表層の製造方法の提供。
【解決手段】常温硬化型樹脂を結合材とする弾性舗装材を敷設して、舗装構造体の表層を製造する方法であって、作業現場において、前記弾性舗装材に遮熱手段、冷却手段および除湿手段からなる群から選ばれる少なくとも一つの手段を施しながら、前記弾性舗装材を混合する前処理工程、および/または、前記弾性舗装材を敷設して得た舗装構造体の表層に遮熱手段、冷却手段および除湿手段からなる群から選ばれる少なくとも一つの手段を施す作業を含む敷設工程、を具備する、舗装構造体の表層を製造する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は舗装構造体の表層を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
弾性骨材を樹脂バインダーで結合した空隙を有する弾性舗装の施工工法としては、歩道、運動競技場、公園、校庭や車道等を対象とした舗装で、インターロッキングブロック等のブロック成型品を組み合わせて施工する工法や、現場で混合・施工を行う現場施工型工法とが挙げられる。
【0003】
また、現場施工型工法として、ウレタンプライマーを下地舗装に塗布し、その上に弾性骨材とウレタン樹脂と着色剤を混合した材料を5〜40mmの厚さで敷設して仕上げる方法が挙げられる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
このような現場施工型工法は、例えば次のように行われる。
初めに、1バッチ分の弾性舗装材をモルタルミキサー等を用いて混合する。次に、混合した弾性舗装材料をベルトコンベア、台車等を用いて敷設箇所まで搬送する。次に、下地面上の特定の敷設箇所に1バッチ分の弾性舗装材料を敷設する。そして、次バッチの弾性舗装材料についても同様の操作を繰り返して、前バッチの弾性舗装材料を敷設した箇所の隣に敷設する。
このような作業をいくつかのバッチについて繰り返し行い、道路等の舗装を行うことができる。
【0005】
【特許文献1】特開2000−319808号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような現場施工では、弾性舗装材料中の常温硬化型樹脂は硬化時間が短い方が好ましい。交通や使用規制時間の短縮に繋がるからである。また、ワークライフが長い方が好ましい。ワークライフが短いと作業中に材料が硬くなり仕上がりが好ましくなく、バッチ間の繋ぎ目部分の舗装(道路等の表層)の強度や平坦性の低下が発生し易いからである。
しかしながら、常温硬化型樹脂の硬化時間の短縮と、これに相反するワークライフの延長との両立は困難である。
【0007】
本発明の目的は、硬化時間の短縮とワークライフの延長とを両立させた舗装構造体(道路等)の表層の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような課題を解決するため本発明は鋭意検討し、以下の発明を完成させた。
本発明は以下の(1)〜(8)である。
(1)常温硬化型樹脂を結合材とする弾性舗装材を敷設して、舗装構造体の表層を製造する方法であって、作業現場において、前記弾性舗装材に遮熱手段、冷却手段および除湿手段からなる群から選ばれる少なくとも一つの手段を施しながら、前記弾性舗装材を混合する前処理工程、および/または、前記弾性舗装材を敷設して得た舗装構造体の表層に遮熱手段、冷却手段および除湿手段からなる群から選ばれる少なくとも一つの手段を施す作業を含む敷設工程、を具備する、舗装構造体の表層を製造する方法。
(2)前記遮熱手段がシートで覆う手段である、上記(1)に記載の舗装構造体の表層を製造する方法。
(3)前記冷却手段が送風手段である、上記(1)または(2)に記載の舗装構造体の表層を製造する方法。
(4)前記除湿手段が除湿剤および/または乾燥剤を用いて除湿する手段である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の舗装構造体の表層を製造する方法。
(5)前記除湿剤および/または前記乾燥剤が、シリカゲルおよび/または塩化カルシウムである、上記(4)に記載の舗装構造体の表層を製造する方法。
(6)前記常温硬化型樹脂が、湿気硬化型ウレタン樹脂、2成分系の反応型ウレタン樹脂、エポキシ樹脂およびメチルメタクリレート樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一つである、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の舗装構造体の表層を製造する方法。
(7)前記敷設工程が、1バッチの前記弾性舗装材を敷設して舗装構造体の表層の一部を得た後、当該舗装構造体の表層の一部における次バッチの前記弾性舗装材と接触する部分に、前記遮熱手段、前記冷却手段および前記除湿手段からなる群から選ばれる少なくとも一つの手段を施し、その後、次バッチの前記弾性舗装材を敷設する作業を含む工程である、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の舗装構造体の表層を製造する方法。
(8)前記舗装構造体が道路、公園、運動競技場またはテニスコートである、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の舗装構造体の表層を製造する方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、硬化時間の短縮とワークライフの延長とを両立させた舗装構造体(道路等)の表層の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明について説明する。
本発明は、常温硬化型樹脂を結合材とする弾性舗装材を敷設して、舗装構造体の表層を製造する方法であって、作業現場において、前記弾性舗装材に遮熱手段、冷却手段および除湿手段からなる群から選ばれる少なくとも一つの手段を施しながら、前記弾性舗装材を混合する前処理工程、および/または、前記弾性舗装材を敷設して得た舗装構造体の表層に、遮熱手段、冷却手段および除湿手段からなる群から選ばれる少なくとも一つの手段を施す作業を含む敷設工程、を具備する、舗装構造体の表層を製造する方法である。
このような方法を、以下では「本発明の製造方法」ともいう。
【0011】
本発明の製造方法において舗装構造体とは、路盤上に敷設された下地層の表面に弾性舗装材を敷設して得ることができる従来公知のものであり、舗装構造体に含まれるものとして道路等(歩道、車道等)、公園、運動競技場、テニスコート等が例示される。本発明の製造方法において舗装構造体の「表層」とは、舗装構造体における弾性舗装材を敷設して得られる層の部分を意味する。
【0012】
常温硬化型樹脂を結合材とする弾性舗装材について説明する。
弾性舗装材は常温硬化型樹脂を結合材とするものであれば、従来公知のものと同様のものであってよい。例えば、従来公知の弾性ゴムチップと常温硬化型樹脂とを混合したものが挙げられる。
【0013】
常温硬化型樹脂についても特に限定されず、常温において空気中の水分等の作用で硬化する樹脂であれば従来公知のものと同様であってよい。例えば空気中の水分の作用により硬化する一液湿気硬化型の樹脂が挙げられる。
また、従来公知のものよりも硬化速度が速い樹脂を用いることも可能である。従来はワークライフを確保するために硬化時間が早すぎる樹脂を用いることができなかった。例えば常温(30℃程度)における硬化時間が20分程度の樹脂を用いていた。しかし本発明の製造方法によれば、硬化時間が早い樹脂(例えば常温における硬化時間が5〜10分程度のもの)を用いることができる。
【0014】
常温硬化型樹脂は、湿気硬化型ウレタン樹脂、2成分系の反応型ウレタン樹脂、エポキシ樹脂およびメチルメタクリレート樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。温度や湿度の上昇を抑制することで、硬化時間を比較的長くすることが可能だからである。第1表に湿気硬化型ウレタン樹脂の温度と湿度の違いによる硬化時間を示す。
【0015】
【表1】

【0016】
<前処理工程>
本発明の製造方法における前処理工程について説明する。
本発明の製造方法において前処理工程は、作業現場において、前記弾性舗装材に遮熱手段、冷却手段および除湿手段からなる群から選ばれる少なくとも一つの手段を施しながら、前記弾性舗装材を混合する工程である。
このような前処理工程を具備すると、弾性舗装材の硬化時間の短縮とワークライフの延長とを両立させることができる。
【0017】
前処理工程において遮熱手段とは、敷設前の弾性舗装材に熱が加わらないようにできる手段であり、例えば混合中や混合後の弾性舗装材をシートで覆ったり、シェードで日除けしたりする方法が挙げられる。この方法は、常温硬化型樹脂、2成分系の反応型ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メチルメタクリレート樹脂、湿気硬化型ウレタン樹脂を用いる場合に、より好ましく適用することができる。
【0018】
遮熱手段が弾性舗装材をシートで覆う手段である場合、シートについては特に限定されず、例えばポリエチレン製、ポリプロピレン製またはポリカーボネート製のものが挙げられる。また、シートは断熱材を含むものであることが好ましい。また、シートは断熱構造のものであることが好ましい。
【0019】
前処理工程において冷却手段とは、敷設前の弾性舗装材を積極的に冷却する手段であり、例えば混合中や混合後の弾性舗装材に空気や冷風を吹き付けたり、混合機や搬送装置自体を部分的に冷却し伝熱により冷却するという方法で冷却する方法が挙げられる。この方法は、常温硬化型樹脂として2成分系の反応型ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メチルメタクリレート樹脂、湿気硬化型ウレタン樹脂を用いる場合に、より好ましく適用することができる。
【0020】
冷却手段が弾性舗装材に空気や冷風を吹き付ける手段である場合、送風機やヒートポンプを用いることができる。送風機は従来公知のものを用いることができる。送風条件は特に限定されないが、例えば風量を30〜50m3/min程度にすることができる。この程度の風量の場合、送風によって常温硬化型樹脂に物理的、化学的変化は生じない。
【0021】
前処理工程において除湿手段とは、敷設前の弾性舗装材が存在する雰囲気の湿度を低下させる手段であり、例えば混合中や混合後の弾性舗装材をシートで覆って内部に除湿装置、除湿剤やシリカゲル、塩化カルシウム等の乾燥剤を配備する方法が挙げられる。この方法は、常温硬化型樹脂として湿気硬化型樹脂を用いる場合に、より好ましく適用することができる。
【0022】
除湿手段が、混合中や混合後の弾性舗装材をシートで覆って内部に除湿装置やシリカゲル、塩化カルシウム等の乾燥剤を配備する手段の場合、乾燥剤がシートに付けられていることが好ましい。例えば乾燥剤がメッシュ状の袋に入れられて、メッシュ袋がシートの表面に縫い付けられていることが好ましい。
【0023】
弾性舗装材を敷設する前に、前記遮熱手段、前記冷却手段および前記除湿手段からなる群から選択される少なくとも1つの手段を施すと、敷設した直後の弾性舗装材は短時間だけ(例えば5〜15分程度)硬化し難くなり、その後、急速に硬化する。その結果、弾性舗装材の硬化時間の短縮とワークライフの延長とを両立させることができる。
【0024】
<敷設工程>
本発明の製造方法における敷設工程について説明する。
本発明の製造方法において敷設工程は、前記弾性舗装材を敷設して得た舗装構造体の表層に、遮熱手段、冷却手段および除湿手段からなる群から選ばれる少なくとも一つの手段を施す作業を含む工程である。
このような敷設工程を具備すると、弾性舗装材の硬化時間の短縮とワークライフの延長とを両立させることができる。
【0025】
敷設工程において遮熱手段とは、敷設後の弾性舗装材に熱が加わらないようにできる手段であり、例えばシートで覆ったり、シェードで日除けしたりする方法が挙げられる。この方法は、常温硬化型樹脂として2成分系の反応型ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メチルメタクリレート樹脂、湿気硬化型ウレタン樹脂を用いる場合に、より好ましく適用することができる。
【0026】
遮熱手段が弾性舗装材をシートで覆う手段である場合、シートについては特に限定されず、例えばポリエチレン製、ポリプロピレン製またはポリカーボネート製のものが挙げられる。また、シートは断熱材を含むものであることが好ましい。また、シートは断熱構造のものであることが好ましい。
【0027】
敷設工程において冷却手段とは、敷設後の弾性舗装材を積極的に冷却する手段であり、例えば弾性舗装材に空気や冷風を吹き付けたりする方法が挙げられる。この方法は、常温硬化型樹脂として2成分系の反応型ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メチルメタクリレート樹脂、湿気硬化型ウレタン樹脂を用いる場合に、より好ましく適用することができる。
【0028】
冷却手段が弾性舗装材に空気や冷風を吹き付ける手段である場合、送風機やヒートポンプを用いることができる。送風機は従来公知のものを用いることができる。送風条件は特に限定されないが、例えば風量を30〜50m3/min程度にすることができる。この程度の風量の場合、送風によって常温硬化型樹脂に物理的、化学的変化は生じない。
【0029】
敷設工程において除湿手段とは、敷設後の弾性舗装材が存在する雰囲気の湿度を低下させる手段であり、例えば敷設後の弾性舗装材をシートで覆って内部に除湿装置やシリカゲル、塩化カルシウム等の除湿剤や乾燥剤を配備する方法が挙げられる。この方法は、湿気硬化型ウレタン樹脂を用いる場合に、より好ましく適用することができる。
【0030】
除湿手段が、敷設後の弾性舗装材をシートで覆って内部に除湿装置やシリカゲル、塩化カルシウム等の乾燥剤を配備する手段の場合、乾燥剤がシートに付けられていることが好ましい。例えば乾燥剤がメッシュ状の袋に入れられて、メッシュ袋をシートの表面に縫い付けられていることが好ましい。
【0031】
敷設工程は、1バッチの前記弾性舗装材を敷設して舗装構造体の表層の一部を得た後、当該舗装構造体の表層の一部における次バッチの前記弾性舗装材と接触する部分に、前記遮熱手段、前記冷却手段および前記除湿手段からなる群から選ばれる少なくとも一つの手段を施し、その後、次バッチの前記弾性舗装材を敷設する作業を含む工程であることが好ましい。
このような工程について、図1を用いて説明する。
【0032】
図1は、上記の好ましい敷設工程について説明するフローチャートおよび敷設箇所の概略図(平面図および断面図)である。敷設構造体は道路であり、弾性舗装材を敷設して道路の表層を得るものである。理解を容易にするために、1バッチ目および2バッチ目について説明するが、第3バッチ以降についても同様に行うことができる。
【0033】
図1のフローチャートに示すように、この敷設工程では、初めに1バッチ目の材料(弾性舗装材)を混合手段(モルタルミキサー等)で混合する。次に、混合した材料を搬送手段(ベルトコンベアや台車等)で現場まで搬送し、敷設機へ投入した後敷設する。または搬送手段で現場まで搬送した後、敷設機へ投入せず、敷設箇所へ落下させながら敷設する。
そして、道路の表層の一部を得た後、当該道路の表層の一部における2バッチ目の弾性舗装材と接触する部分を、シートで覆う。このようにすることで1バッチ目の弾性舗装材からなる道路の表層におけるシートで覆った部分については温度の上昇が抑制され、弾性舗装材中の樹脂の硬化速度が抑制される。一方、シートで覆っていない部分については温度が上昇するので硬化が進行する。
【0034】
次に2バッチ目の敷設を行う。2バッチ目の弾性舗装材については、1バッチ目の弾性舗装材を混合手段(モルタルミキサー等)から取り出した後に混合を始める。そして、1バッチ目と同様の作業を行って敷設することができる。2バッチ目を敷設する直前にシートを撤去する。1バッチ目の敷設作業と2バッチ目の敷設作業との間に待機時間が生じるが、待機時間は通常5〜15分である。
【0035】
ここで1バッチ目からなる道路の表層におけるシートで覆っていた部分は硬化が進行していないので、2バッチ目の弾性舗装材とよく馴染み、一体化する。したがって、1バッチ目の道路表面と2バッチ目の道路表面との繋ぎ目は強度が低くならず、平坦性も良好になる。
これに対してシートを被覆しない場合は、1バッチ目が硬化した後2バッチ目を被覆するので、その繋ぎ目が馴染まず、強度が低下し、平坦性を保つことも困難になる傾向がある。繋ぎ目の部分から道路の表層が剥がれてしまうこともある。
【0036】
上記に説明した本発明の製造方法は、敷設方法とも考えられる。すなわち、本発明は、常温硬化型樹脂を結合材とする弾性舗装材を敷設して、舗装構造体の表層を敷設する方法であって、前記前処理工程、および/または、前記敷設工程を具備する、舗装構造体の表層を敷設する方法である。
【実施例】
【0037】
本発明の実施例および比較例を示す。
図1のフローチャートに示した方法で弾性舗装材を敷設し、シートで覆い、シートと弾性舗装材の表面との間の雰囲気温度を計測した。
具体的に示す。
初めに弾性骨材(廃タイヤチップ)、硬質骨材(硅砂)、湿気硬化型ウレタン樹脂(PPU16、横浜ゴム社製)、カーボンブラックを用意し、1バッチ目を敷設するために、全量450kgをモルタルミキサーに投入し混合した。
次に、混合した弾性舗装材をベルトコンベアで現場まで搬送し、専用の敷設機へ投入し、その後敷設した。そして、道路の表層の一部を得た後、得られた道路の表層の一部における2バッチ目の弾性舗装材と接触する部分の一部シートで覆った。そしてシートと道路表層との間およびシートで覆っていない部分における道路表層の表面に、各々温度計を設置し、温度の変化を計測した。
計測結果を図2に示す。
【0038】
次に2バッチ目の敷設を行った。2バッチ目の弾性舗装材については、1バッチ目の弾性舗装材をモルタルミキサーから取り出した後に混合を始めた。そして、1バッチ目と同様の作業を行って敷設した。2バッチ目を敷設する直前にシートを撤去した。1バッチ目の敷設作業と2バッチ目の敷設作業との間に待機時間は7分であった。
【0039】
図2に示したように、シートで覆った部分(シート養生あり)の温度は、シートで覆わなかった部分(シート養生なし)と比較して温度が低くなった。
また、1バッチ目における道路の表層のシートで覆っていた部分は硬化が進行しておらず、2バッチ目の弾性舗装材とよく馴染み一体化した。その結果、1バッチ目の道路表面と2バッチ目の道路表面との繋ぎ目は強度が低くならず、平坦性も良好になった。
これに対してシートを被覆しない部分は、1バッチ目が硬化した後2バッチ目を被覆するので、その繋ぎ目が馴染まず、強度が低下した。また平坦性を得ることが比較的困難であった。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】図1は、本発明の製造方法における好ましい敷設工程を説明するためのフローチャートおよび敷設箇所の概略図(平面図および断面図)である。
【図2】図2は、実施例および比較例の試験結果を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
常温硬化型樹脂を結合材とする弾性舗装材を敷設して、舗装構造体の表層を製造する方法であって、
作業現場において、前記弾性舗装材に遮熱手段、冷却手段および除湿手段からなる群から選ばれる少なくとも一つの手段を施しながら、前記弾性舗装材を混合する前処理工程、
および/または、
前記弾性舗装材を敷設して得た舗装構造体の表層に遮熱手段、冷却手段および除湿手段からなる群から選ばれる少なくとも一つの手段を施す作業を含む敷設工程、
を具備する、舗装構造体の表層を製造する方法。
【請求項2】
前記遮熱手段がシートで覆う手段である、請求項1に記載の舗装構造体の表層を製造する方法。
【請求項3】
前記冷却手段が送風手段である、請求項1または2に記載の舗装構造体の表層を製造する方法。
【請求項4】
前記除湿手段が除湿剤および/または乾燥剤を用いて除湿する手段である、請求項1〜3のいずれかに記載の舗装構造体の表層を製造する方法。
【請求項5】
前記除湿剤および/または前記乾燥剤が、シリカゲルおよび/または塩化カルシウムである、請求項4に記載の舗装構造体の表層を製造する方法。
【請求項6】
前記常温硬化型樹脂が、湿気硬化型ウレタン樹脂、2成分系の反応型ウレタン樹脂、エポキシ樹脂およびメチルメタクリレート樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一つである、請求項1〜5のいずれかに記載の舗装構造体の表層を製造する方法。
【請求項7】
前記敷設工程が、
1バッチの前記弾性舗装材を敷設して舗装構造体の表層の一部を得た後、当該舗装構造体の表層の一部における次バッチの前記弾性舗装材と接触する部分に、前記遮熱手段、前記冷却手段および前記除湿手段からなる群から選ばれる少なくとも一つの手段を施し、その後、次バッチの前記弾性舗装材を敷設する作業を含む工程である、
請求項1〜6のいずれかに記載の舗装構造体の表層を製造する方法。
【請求項8】
前記舗装構造体が道路、公園、運動競技場またはテニスコートである、請求項1〜7のいずれかに記載の舗装構造体の表層を製造する方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−133141(P2010−133141A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−309579(P2008−309579)
【出願日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【出願人】(000006714)横浜ゴム株式会社 (4,905)
【Fターム(参考)】