説明

航空機補助ガスタービンエンジン

【課題】航空機用の改良された推進用でない航空機補助ガスタービンエンジン、及びこの種のエンジンを操作する改良された方法の提供。
【解決手段】加圧されるのに適するキャビン(16)を有する航空機(12)に装着可能な推進用でない航空機補助ガスタービンエンジン(10)。補助ガスタービンエンジンは、吸入口(20)を有する補助ガスタービンエンジン圧縮器(18)を含んでおり、吸入口はキャビンから圧縮空気(22)を受け取るのに適する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広義にはガスタービンエンジンに関するものであり、具体的には、航空機における推進用でない航空機補助ガスタービンエンジン及びこの種のエンジンを操作する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
公知の補助ガスタービンエンジンは、機械の軸力を、例えば電力発生器や交流発電機や水圧ポンプのような電気や油圧器材へ供給するために、一部の航空機に取り付けられている。この種の補助ガスタービンエンジンの圧縮器の吸入口は、大気から空気を受け取る。空気の密度が高度の増加と共に減少するので、高度が高まると、この種の補助ガスタービンエンジンは、増加した動作温度に伴って所望の軸力を発生する為の負担が高まるか、又は動作温度制限の範囲内で動作し続けるためには出力軸力を減らさなければならない。
【0003】
しかし、科学者及び技術者は、航空機用の改良された推進用でない航空機補助ガスタービンエンジンと、この種のエンジンを操作する改良された方法を探し続けている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1実施例の第1の形態は、航空機推進用ガスタービンエンジンを有する航空機に装着可能な推進用でない航空機補助ガスタービンエンジンのためのものであり、航空機が加圧されるのに適するキャビンを有する。補助ガスタービンエンジンは、吸入口を有する補助ガスタービンエンジン圧縮器を含む。吸入口は、キャビンから圧縮空気を受け取るのに適する。
【0005】
本発明の第1実施例の第2の形態は、航空機の推進用でない航空機補助ガスタービンエンジンのためのものであり、航空機が航空機推進用ガスタービンエンジンを有し、かつ、与圧キャビンを有する。補助ガスタービンエンジンは、吸入口を有する補助ガスタービンエンジン圧縮器を含む。吸入口は、キャビンから圧縮空気を受け取る。
【0006】
本発明の方法は航空機の推進用でない航空機補助ガスタービンエンジンを操作するためのものであり、航空機が航空機推進用ガスタービンエンジンを有し、かつ、加圧されるのに適するキャビンを有する。本方法は、キャビンから補助ガスタービンエンジンの圧縮器の吸入口まで圧縮空気を提供することを含む。本方法は、圧縮器から補助ガスタービンエンジンの燃焼室まで圧縮空気を提供することを含む。本方法は燃焼室から補助ガスタービンエンジンのタービンまで燃焼ガスを提供することを含んでおり、前記タービンが圧縮器に機械的に連結されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
添付の図面は、本発明の実施例を例示する。
【0008】
図面を参照すると、図1は、本発明の第1実施例を開示する。
図1の実施例の第1の形態は、航空機12に装着可能な推進用でない航空機補助ガスタービンエンジン10であり、航空機12は航空機推進用ガスタービンエンジン14を有し、かつ、加圧されるのに適するキャビン16を有する。補助ガスタービンエンジン10は、吸入口20を有する補助ガスタービンエンジン圧縮器18を含む。吸入口20は、キャビン16から圧縮空気22を受け取るのに適する。航空機に装着された航空機推進用ガスタービンエンジンは、航空機の推進力を得ることを主目的とする航空機ガスタービンエンジンであり、航空機の非航空機推進ガスタービンエンジンは航空機の推進力を得ることを主目的としない航空機ガスタービンエンジンであることに注意されたい。
【0009】
図1の実施例に記載された第1の形態の第1の実施例において、圧縮器18の吸入口20は、航空機推進用ガスタービンエンジン14から抽気23(点線によって図示される)を受け取るのに適する。一つの実施例において、この種の抽気23は、航空機推進用ガスタービンエンジン14の圧縮器(図示せず)からの圧縮空気である。他の実施例では、この種の抽気23は、航空機推進用ガスタービンエンジン14のバイパスダクト(図示せず)から得られる圧縮空気である。他の実施例では、航空機推進用ガスタービンエンジンの中で、この種の抽気は、圧縮器からの圧縮空気と、バイパスダクトから圧縮空気の組み合わせとすることもできる。他の実施例は、技術者によって実現される。
【0010】
図1の実施例に記載された第1の形態の第1の実施例において、補助ガスタービンエンジン10は、補助ガスタービンエンジン・タービン24を含む。タービン24は、圧縮器18に機械的に連結され、発電機26に有効に接続される。変形において、補助ガスタービンエンジン10は、第2の発電機28にも有効に接続される。
【0011】
図1の実施例に記載された第1の形態の第1の実施例において、補助ガスタービンエンジン10も補助ガスタービンエンジン燃焼室30を含み、圧縮器18は流体が燃焼室30に行き来することができる放出口ダクト32を含み、かつ、放出口ダクト32は放出口ダクト32から大気38まで空気36を放出するのに適する可変的な領域ブリード弁34を含む。第2の応用において、補助ガスタービンエンジン10は補助ガスタービンエンジン燃焼室30を含み、圧縮器18は燃焼室30と通気性のある放出口ダクト32を含み、放出口ダクト32は可変的な領域放出口ダクトである。これらのいずれか又は両方の利用における実施例では、当業者が理解するように、補助ガスタービンエンジン10に対するストーリング(キャビンへの逆流による)、又は、サージング(キャビンからの圧力スパイクによる)を防ぐように、可変的な領域ブリード弁及び/又は可変的な領域放出口ダクトが操作されてよい。
【0012】
図1の実施例の第1の形態の第1の配置において、吸入口20は、音響的に処理された吸入口である。
【0013】
航空機のキャビン内にいる乗客へ到達する航空機推進用ガスタービンエンジンのノイズを減らす音響処理のような、航空機構成要素の音響処理は周知である。航空機構成要素の音響処理の実施例は、技術者によって達成される。
【0014】
図1の実施例の第1の形態の構造において、圧縮器18は燃焼室30に圧縮空気を供給する高圧圧縮器であり、タービン24は軸40によって機械的に高圧圧縮器に連結する高圧タービンであり、補助ガスタービンエンジン10は図示するように低圧のタービン42(それは、実施例において、大気38’にガスを排出する。)を含む。この種の構成要素の動作は、当分野において周知である。図1のガスの流れが矢付き線によって示されることに注意されたい。
【0015】
図1の実施例の第1の形態の配備において、補助ガスタービンエンジン10は、接続ダクト44を含む。接続ダクト44は、入口44’及び出口44”を有する。入口44’は、キャビン16から圧縮空気22を受け取るのに適する。圧縮器18の吸入口20は、接続ダクト44の出口44”に接続可能な状態でキャビン16から圧縮空気22を受け取るのに適する。
【0016】
図1の実施例の第1の形態の展開において、補助ガスタービンエンジンの圧縮器の吸入口へ供給されるキャビン内の空気の使用を強化するためのシステム(図示せず)が含まれる。このシステムは、キャビン内の空気を吸い込むのに適する吸入口を有し、かつ、補助ガスタービンエンジンの圧縮器の吸入口と通気性のある放出口を有するシステム・タービンを含む。このシステムは機械的にシステム・タービンに連結されるシステム圧縮器を含み、大気から空気を受け取るのに適する吸入口を有し、かつ、補助ガスタービンエンジンの圧縮器の吸入口と通気性のある放出口を有する。当業者が理解するように、大気中の空気は、巻き込まれて圧縮され、システム・タービン及びシステム圧縮器の放出口は実質的に同じ圧力を有しており、より大きな大量の流れを補助ガスタービンエンジンの圧縮器の吸入口に分配するために結合される。変形において、熱交換器(図示せず)は、航空機(例えば冷却装置から)から廃熱を受け取って、キャビンから出たがシステム圧縮器にはまだ入っていない圧縮空気に熱を与える。
【0017】
図1の実施例の第2の形態は、航空機12の推進用でない航空機補助ガスタービンエンジン10のためのものであり、航空機12が航空機推進用ガスタービンエンジン14と与圧キャビン16とを有する。補助ガスタービンエンジン10は、吸入口20を有する補助ガスタービンエンジン圧縮器18を含む。吸入口20は、キャビン16から圧縮空気22を受け取る。航空機に装着された航空機推進用ガスタービンエンジンは、航空機の推進力を得ることを主目的とする航空機ガスタービンエンジンであり、航空機の非航空機推進ガスタービンエンジンは航空機の推進力を得ることを主目的としない航空機ガスタービンエンジンであることに注意されたい。
【0018】
図1の実施例の第2の形態の第1の使用可能性において、圧縮器18の吸入口20は、航空機推進用ガスタービンエンジン14から、抽気23(点線に示される)を受け取る。
実施例において、この種の抽気23は、航空機推進用ガスタービンエンジン14の圧縮器(図示せず)からの圧縮空気である。他の例では、この種の抽気23は、航空機推進用ガスタービンエンジン14のバイパスダクト(図示せず)からの圧縮空気である。他の実施例では、この種の抽気は、航空機推進用ガスタービンエンジンの、圧縮器からの圧縮空気と、バイパスダクトからの圧縮空気との組み合わせである。他の実施例は、技術者によって実現される。
【0019】
図1の実施例の第2の形態の実施において、補助ガスタービンエンジン10は、補助ガスタービンエンジン・タービン24も含む。タービン24は、圧縮器18に機械的に連結され、発電機26に有効に接続される。変形において、補助ガスタービンエンジン10は、第2の発電機28にも有効に接続される。
【0020】
図1の実施例の第2の形態の第1の応用において、補助ガスタービンエンジン10は補助ガスタービンエンジン燃焼室30も含み、圧縮器18は、燃焼室30と通気性のある放出口ダクト32を含み、放出口ダクト32は放出口ダクト32から大気38まで空気36を放出するのに適する可変的な領域ブリード弁34を含む。第2の応用において、補助ガスタービンエンジン10は補助ガスタービンエンジン燃焼室30を含み、圧縮器18は、燃焼室30と通気性のある放出口ダクト32を含み、放出口ダクト32は可変的な領域放出口ダクトである。これら応用のいずれか又は両方の実施例では、当業者が理解するように、補助ガスタービンエンジン10に対するストーリング(キャビンへの逆流による)、又は、サージング(キャビンからの圧力スパイクによる)を防ぐように、可変的な領域ブリード弁及び/又は可変的な領域放出口ダクトが操作されてよい。
【0021】
図1の実施例の第2の形態の第1の配置において、吸入口20は、音響的に処理された吸入口である。航空機のキャビン内の乗客へ到達する航空機推進用ガスタービンエンジンのノイズを減らす音響処理のような、航空機構成要素の音響処理は周知である。航空機構成要素の音響処理の実施例は、技術者によって実現される。
【0022】
図1の実施例の第2の形態の構造において、圧縮器18は燃焼室30に圧縮空気を供給する高圧圧縮器であり、タービン24は軸40によって機械的に高圧圧縮器に連結する高圧タービンであり、補助ガスタービンエンジン10は図示すように低圧のタービン42(それは、実施例において、大気38’にガスを排出する)を含む。この種の構成要素の動作は、当分野において周知である。図1のガスの流れが矢付き線によって示されることに注意されたい。
【0023】
図1の実施例の第2の形態の配備において、補助ガスタービンエンジン10は、吸入口20をキャビン16に接続する接続ダクト44を含み、吸入口20は接続ダクト44を介してキャビン16から圧縮空気22を受け取る。変形において、補助ガスタービンエンジン10は、接続ダクト44に配置される一方向の弁46も含む。同じ又は異なる変形として、接続ダクト44は、圧縮器18とキャビン16との間に少なくともいくらかのノイズ隔離を提供するように、音響的に調整される。
【0024】
本発明の方法は航空機12における推進用でない航空機補助ガスタービンエンジン10を操作するためのものであり、この方法における航空機12は、航空機推進用ガスタービンエンジン14と、加圧されるのに適するキャビン16とを有する。本方法は、キャビン16から補助ガスタービンエンジン10の圧縮器18の吸入口20まで圧縮空気22を提供することを含む。本方法は、圧縮器18から補助ガスタービンエンジン10の燃焼室30まで圧縮空気48を提供することを含む。本方法は、燃焼室30から補助ガスタービンエンジン10の、圧縮器18に機械的に連結されたタービン24まで燃焼ガス50を提供することを含む。手法として、本方法は、補助ガスタービンエンジン10を有効に発電機26に接続することも含む。
【0025】
同じ又は異なる利用において、本方法は、有効に補助ガスタービンエンジン10を交流発電機(図示せず)に接続することも含む。同じ又は異なる利用において、本方法は、有効に補助ガスタービンエンジン10を水圧ポンプ(図示せず)に接続することも含む。
【0026】
設定において、本方法は、航空機推進用ガスタービンエンジン14から吸入口20まで抽気23を提供することも含む。この設定の変形において、本方法は、補助ガスタービンエンジン10を有効に発電機26に接続することも含む。
【0027】
利用形態において、圧縮器18は、放出口ダクト32を含む。圧縮器18から燃焼室30へ供給される圧縮空気48は、放出口ダクト32を介して供給される。当業者が理解するように、放出口ダクト32は、圧縮器18からキャビン16まで背圧を減らすような大きさである。
【0028】
本発明が方法及び実施例のいくつかの形態で説明されているが、このような詳細へと添付の特許請求の範囲の技術思想及び技術的範囲を限定又は制限することは、出願人の意図するところではない。当業者は、本発明の技術的範囲内で多数の他の変形、変更、及び置換をするであろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】航空機推進用ガスタービンエンジンを有し、かつ2台の発電装置に接続される推進用でない航空機補助ガスタービンエンジンを有する航空機の実施例の概略図。
【符号の説明】
【0030】
10 補助ガスタービンエンジン
12 航空機
14 航空機推進用ガスタービンエンジン
16 キャビン
18 補助ガスタービンエンジン圧縮器
20 吸入口
22 圧縮空気
23 抽気
24 タービン
26 発電機
28 第2の発電機
30 補助ガスタービンエンジン燃焼室
32 放出口ダクト
34 領域ブリート弁
36 空気
38 大気
38’ 大気
40 軸
42 低圧タービン
44 接続ダクト
44’ 入口
44’’ 出口
46 一方向の弁
48 圧縮空気
50 燃焼ガス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機(12)に装着可能な、推進用でない航空機補助ガスタービンエンジン(10)であって、
前記航空機は航空機推進用ガスタービンエンジン(14)と加圧されるよう構成されたキャビン(16)とを有しており、前記補助ガスタービンエンジンは吸入口(20)を有する補助ガスタービンエンジン圧縮器(18)を含んでおり、前記吸入口はキャビンから圧縮空気(22)を受け取るよう構成された補助ガスタービンエンジン。
【請求項2】
前記吸入口が航空機推進用ガスタービンエンジンから抽気(23)を受け取るよう構成されている請求項1記載の補助ガスタービンエンジン。
【請求項3】
前記圧縮器に機械的に連結され、かつ有効に発電機(26)に接続された補助ガスタービンエンジン・タービン(24)を更に含む請求項1記載の補助ガスタービンエンジン。
【請求項4】
補助ガスタービンエンジン燃焼室(30)を更に含んでおり、前記圧縮器が燃焼室と通気性のある放出口ダクト(32)を含んでおり、前記放出口ダクトが前記放出口ダクトから大気(38)までの抽気(36)に適する可変的な領域ブリード弁(34)を含む請求項1記載の補助ガスタービンエンジン。
【請求項5】
補助ガスタービンエンジン燃焼室を更に含んでおり、前記圧縮器が燃焼室と通気性のある放出口ダクトを含んでおり、前記放出口が可変的な領域放出口ダクトである請求項1記載の補助ガスタービンエンジン。
【請求項6】
前記吸入口が音響的に処理された吸入口である請求項1記載の補助ガスタービンエンジン。

【図1】
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【公開番号】特開2007−218253(P2007−218253A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−22796(P2007−22796)
【出願日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】