説明

色動き検出回路及びY/C分離回路

【課題】色動き検出精度を向上させた色動き検出回路及びそれを搭載したY/C分離回路を提供すること。
【解決手段】複数ラインの色信号の相関を検出し、ライン間の色相関があるか否かを検出する色相関検出回路30、40と、現フレーム及びその1フレーム前の信号それぞれについて、連続する3ラインの色信号に垂直バンドパスフィルタ処理を行い、当該垂直バンドパスフィルタ処理結果に基づき1フレーム色動き検出を行なう1フレーム色動き検出回路10と、色相関検出回路30、40のいずれかによりライン相関ありとされた場合に、1フレーム色動き検出回路10の検出結果に基づき色動き検出結果を出力する出力回路50とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビジョン信号の映像信号における色動きを検出する色動き検出回路及び当該色動き検出結果を利用してY/C分離するY/C分離回路に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビジョン信号の映像信号は、輝度信号(以下、Y信号という。)と色副搬送波により変調した色信号(以下、C信号という。)を多重したもので、一般にコンポジットビデオ信号と呼ばれる。テレビジョン受像機では入力されたコンポジットビデオ信号をY信号、C信号に分離する処理が必要不可欠で、この分離する処理は一般にY/C分離と呼ばれている。
【0003】
この分離の精度が低いと画面に色にじみや輪郭のざらつき、点(ドット)状のノイズが生じる。初期には単純に周波数成分で信号を分離する1次元Y/C分離が使われてきたが、走査線が1ラインごとに位相が反転することを利用して、上下のラインとの信号の比較によりYとCを分離する2次元Y/C分離が開発された。
【0004】
3次元Y/C分離ではこれに加えて時間軸を利用し、前後のフレームの同じ位置にあるラインの信号と比較を行なうことにより、より精度良く信号の分離を行なう。すなわち、3次元Y/C分離とは、カラー映像信号を、Y信号とC信号に分離する際に、垂直方向の相関性を用いた空間的処理に加え、時間軸方向(フレーム相関性)の信号処理を活用する方法のことである。ただし、フレーム相関性を用いた方式では前後のフレームで画像が大きく異なる動きの激しい映像やシーンの切り替わりなどで誤ったY/C分離を行なってしまうため、前後であまりに画像が異なる場合は時間軸方向の比較は行なわず2次元Y/C分離に切り替える、動き適応3次元Y/C分離として実装されている場合が多い。
【0005】
このような動き適応3次元Y/C分離においては、C信号がY信号に漏れ込むドット妨害や、Y信号がC信号に漏れ込むクロスカラー妨害を取り除くことが可能である。しかし、動画においては、上記妨害の発生を抑えることはできず、特にクロスカラー妨害については、本来と違う色が発生するため、非常に目立ちやすく著しく画質を低下させるという問題点を解決すべく特許文献1に記載の3次元Y/C分離回路が提案されている。
【0006】
この特許文献1に記載の動き適応3次元Y/C分離回路は、コンポジットビデオ信号を映像の動き量に応じて輝度信号と色信号に分離する。この動き適応3次元Y/C分離回路は、1フィールド内の処理によりコンポジットビデオ信号から第1の色信号を抽出する第1の色信号抽出手段と、1フレーム間の処理によりコンポジットビデオ信号から第2の色信号を抽出する第2の色信号抽出手段と、コンポジットビデオ信号の1フレーム間の差分成分より映像の動き量を検出し、第1の動き検出信号を抽出する第1の動き検出手段と、コンポジットビデオ信号の2フレーム間の差分成分より映像の動き量を検出し、第2の動き検出信号を抽出する第2の動き検出手段と、第1の色信号と第2の色信号を混合する混合手段と、コンポジットビデオ信号より1フレーム間の和信号を抽出する1フレーム間和抽出手段と、1フレーム間和信号から水平のエッジ成分を検出し、第1の所定値より大きいか否かのエッジ検出信号を生成するエッジ検出手段と、第2の動き検出信号と第2の所定値が入力され、エッジ検出信号が第1の所定値より大きいことを示すときは第2の所定値を選択し、それ以外を示すときは第2の動き検出信号を選択する選択手段と、選択手段の出力と第1の動き検出信号のうち大きいほうのレベルの信号を出力する第1の最大値手段とを具備し、混合手段の混合動作が、第1の最大値手段の出力により制御されることを特徴とするものである。この構成により、動き検出性能を劣化させることなく、クロスカラー妨害を低減する。
【0007】
また、動き適応型YC分離においては動画と静止画とを切り換える判定をする動き検出回路が重要な役割を果たしている。この動き検出が正確に行えず、動画を動画、静止画を静止画として処理できないと、理想的なYC分離は行えず、画像にクロスカラーやドット妨害等の弊害をもたらすことになる。そこで、2フレーム差分により検出された動き信号と1フレーム遅延された2フレーム差分動き信号と1フレーム差分により検出された動き信号とを合成して動きを検出する動き検出回路が特許文献2に開示されている。
【0008】
この特許文献2に記載の動き検出回路は、第1のフレームメモリと、第2のフレームメモリと、1フレーム差分動き検出回路と、第2フレーム差分動き検出回路と、第3のフレームメモリと、動き信号合成回路とを有する。第1のフレームメモリは、入力ディジタル映像信号を1フレーム遅延して1フレーム遅延信号を第2のフレームメモリと、1フレーム差分動き検出回路に出力する。第2のフレームメモリは、1フレーム遅延映像信号をさらに1フレーム遅延し、2フレーム遅延信号を2フレーム差分動き検出回路に出力する。1フレーム差分動き検出回路は、入力ディジタル映像信号と、1フレーム遅延映像信号から1フレーム差分動き信号を検出して動き信号合成回路に出力する。2フレーム差分動き検出回路は、入力ディジタル映像信号と、2フレーム遅延映像信号から動き信号を検出して比較信号を第3フレームメモリと動き信号合成回路に出力する。第3フレームメモリは、2フレーム差分動き検出回路の出力信号を1フレーム遅延してその1フレーム遅延した信号を動き信号合成回路に出力する。動き信号合成回路は、1フレーム差分動き検出回路の出力信号と、2フレーム差分動き検出回路の出力信号と、第3フレームメモリの出力信号を入力として演算し、動き信号を出力する。この構成により、ある物体が高速で動くような信号や斜め線の絵柄が入力されたようなときでも不必要な動きは発生しないようにする。
【0009】
更に、細かな縦線や斜め線を含む静止画であっても、正常に動き検出を行うことができるようにし、静止画において、クロスカラーやドット妨害の発生の抑制を図った動き検出回路が特許文献3に開示されている。
【0010】
図17は、特許文献3に記載の動き検出回路である。図17に示すように、特許文献3に記載の動き検出回路において、ラインメモリ541、及び542は1H(水平走査期間)だけ信号を遅延して出力する。フレームバッファ557は、523ライン分の信号を記憶し、523Hだけ経過後、出力するようになされている。バンドパスフィルタ(BPF)543、544、および545は、入力された信号から色信号を分離し、出力する。反転回路546、547は、それぞれBPF543、545より入力された信号の極性を反転し、出力する。加算器548は、反転回路546からの信号と、BPF544からの信号の差分を演算し、出力する。加算器549は、反転回路547からの信号とBPF544からの信号の差分を演算し、出力する。ABS(絶対値演算器)550、551は、それぞれ加算器548、549より入力された信号の絶対値を演算し、出力する。
【0011】
比較器552、553は、それぞれABS550、551より入力された信号と所定のしきい値cr1を比較し、比較結果に対応する所定の信号を出力する。OR回路554は、比較器552からの信号と比較器553からの信号の論理和を演算し、その結果を出力する。スイッチ555は、OR回路554からの信号に対応して内部の接続を切り換え、BPF44からの信号、または0レベルの信号を出力する。ABS556は、スイッチ555からの信号の絶対値を演算し、出力するようになされている。
【0012】
また、フレームバッファ557を経た信号に対し、ラインメモリ561、562、反転回路566、BPF563、564、565、加算器568、569、ABS570、571比較器572、573、OR回路574、スイッチ575、ABS576も同様に構成される。
【0013】
ABS581、582は、BPF544、564より供給された信号の絶対値を演算し、出力する。加算器583は、これらの信号の差分を演算し、出力する。比較器584は、加算器583より供給された信号と所定のしきい値cr2を比較し、比較結果に対応する信号を出力する。
【0014】
加算器585は、ABS556より供給された信号と、ABS576より供給された信号の差分を演算し、出力する。ABS586は、加算器585より供給された信号の絶対値を演算し、出力する。AND回路587は、ABS586より供給された信号と比較器584より供給された信号の論理積を演算し、出力する。乗算器588は、AND回路587より入力された信号のゲインを調整し、リミッタ589は、乗算器588より入力された信号のビット数を所定のビット数に削減する。
【0015】
この動き検出回路においては、水平BPF543〜545、563〜565は、現フレームおよび1フレーム前の信号それぞれについて、各ラインのC信号を抜き出す。加算器548、549、568、569は、水平BPF信号後の信号に対して、色信号が逆相となっている処理対象ラインと1ライン前、同じく色信号が逆相となっている処理対象ラインと1ライン後の相関を検出する。そして比較器552、553、572、573は、加算器の出力値と基準レベルを比較し、OR回路554及びスイッチ555は、2つの比較結果のOR論理をとり、いずれかのラインに色相関がある場合に1フレーム色動き検出回路の出力を有効とし、それ以外は"0"を出力させる。
【0016】
また、水平BPF544、564により、現フレームおよび1フレーム後の信号それぞれについて、現ラインのC信号を抜き出し、ABS581、582は、水平BPF544、564の出力結果を絶対値化する。差分回路583は、現フレームと前フレームのABS581、582の出力結果の差分をとり、比較器584は、外部設定値と差分回路583の出力を比較する。このクロマレベル差分が外部設定値以下の場合は1フレーム色動き検出回路の出力結果を"0"とする。
【特許文献1】特開平9−327038号公報
【特許文献2】特開平11−146417号公報
【特許文献3】特許第3480477号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかしながら、特許文献1に記載の動き適応3次元Y/C分離回路は、1フレーム間和信号をエッジ検出のみで使用しており、またエッジ検出についても2フレーム差分信号動きのゲイン調整のみに使用している。更に、BPF処理によるC信号の抜き出しも行っておらず、色信号についてのライン相関性も用いていない。したがって、1フレーム動き検出と2フレーム間動き検出を相補的に使用しているが、1フレーム動き検出についてはLPF処理後に行っているため色信号成分は除去されている。このため、色信号成分については1フレーム色動き検出を行っていないため、正しく動き検出ができない場合がある。
【0018】
また、特許文献2においては、1フレーム間差分動き検出回路を内蔵しているが、ライン間での色信号の抜き出し処理のみで、帯域制限用の水平BPF処理を設けていない。また、ライン間相関検出を行っていない。したがって、水平方向の帯域制限が入らない状態かつ、ライン間の和によって簡易色信号抜き出しを行うため、色信号以外の輝度成分の漏れ込みが多く、色信号の動き以外を誤検出する可能性が非常に高い。また、輝度成分が漏れ込む場合、特許文献2のようにライン間相関を検出しない方法では、フレーム間・ライン間相関のない輝度成分が誤って入ってしまう場合、フレーム間加算処理を行う1フレーム色動き検出は同一の信号を加算するために常時動きと判定し、正しい1フレーム色動き検出が困難である。
【0019】
更に特許文献3においては、BPF処理後に絶対値化してフレーム間差分処理を行うため、フレーム間で色信号が逆相になるものについては、色信号を加算処理すれば動きを抽出可能であるが、色信号を絶対値化し差分演算を行うために動きを抽出することができないという問題点がある。すなわち、特許文献3に記載の1フレーム色動き検出回路では、振幅の異なる色信号については色動き検出を正しく行えるが、色動き検出の判定を絶対値の差分で行っているため、絶対値が同じである逆相信号の動きを検出することができない。よって、振幅が同じで逆相の色信号が入った場合、正しく色動き検出を行うことができないという問題点がある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明にかかる色動き検出回路は、複数ラインの色信号の相関を検出し、ライン間の色相関があるか否かを検出する色相関検出回路と、現フレーム及びその1フレーム前の信号それぞれについて、連続する複数ラインの色信号に垂直バンドパスフィルタ処理を行い、当該垂直バンドパスフィルタ処理結果に基づき1フレーム色動き検出を行なう1フレーム色動き検出回路と、前記色相関検出回路によりライン相関ありとされた場合に、前記1フレーム色動き検出回路の検出結果に基づき色動き検出結果を出力する出力回路とを有するものである。
【0021】
本発明においては、色相関検出回路によりライン相関ありか否かを検出し、有りの場合、色信号を垂直バンドパスフィルタ処理して得られた信号から動き検出を行なった1フレーム動き検出結果に基づき色動き検出結果を出力するため、振幅が同一で逆相の色信号が入力されても正しく色動きを検出することができる。
【0022】
本発明にかかるY/C分離回路は、色動き検出結果を出力する色動き検出回路と、輝度動き検出結果及び前記色動き検出結果に基づき、同一フレーム内の信号を使用して抽出した色信号であるフレーム内色信号と、隣接フレーム間の信号を使用して抽出した色信号であるフレーム間色信号とをミックスして色信号を生成する係数ミックス回路と、コンポジット信号から当該色信号を減算して輝度信号を出力する減算器とを備え、前記色動き検出回路は、複数ラインの色信号の相関を検出し、ライン間の相関があるか否かを検出する色相関検出回路と、現フレーム及びその1フレーム前の信号それぞれについて、連続する複数ラインの色信号に垂直バンドパスフィルタ処理を行い、当該垂直バンドパスフィルタ処理結果に基づき1フレーム色動き検出を行なう1フレーム色動き検出回路と、前記色相関検出回路によりライン相関ありとされた場合に、前記1フレーム色動き検出回路の検出結果に基づき色動き検出結果を出力する出力回路とを有するものである。
【0023】
本発明にかかる他のY/C分離回路は、輝度動き検出結果及び2フレーム間動き検出結果に基づき、同一フレーム内の信号を使用して抽出した色信号であるフレーム内色信号と、隣接フレーム間の信号を使用して抽出した色信号であるフレーム間色信号とをミックスして色信号を生成する第1の係数ミックス回路と、前記第1の係数ミックス回路にて生成された色信号をコンポジット信号から減算して輝度信号を出力する減算器と、色動き検出結果を出力する色動き検出回路と、前記色動き検出結果に基づき、前記フレーム内色信号及び前記フレーム間色信号をミックスして色信号を生成する第2の係数ミックス回路とを備え、前記色動き検出回路は、複数ラインの色信号の相関を検出し、ライン間の相関があるか否かを検出する色相関検出回路と、現フレーム及びその1フレーム前の信号それぞれについて、連続する複数ラインの色信号に垂直バンドパスフィルタ処理を行い、当該垂直バンドパスフィルタ処理結果に基づき1フレーム色動き検出を行なう1フレーム色動き検出回路と、前記色相関検出回路によりライン相関ありとされた場合に、前記1フレーム色動き検出回路の検出結果に基づき色動き検出結果を出力する出力回路とを有するものである。
【0024】
本発明においては、色相関検出回路の結果に基づき、垂直バンドパスフィルタ処理して動き検出した1フレーム動き検出結果に基づき得られた、正確な色動き検出結果を利用してY/C分離を行なうため、精度よくY/C分離を行なうことができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、色動き検出精度を向上させた色動き検出回路及びそれを搭載したY/C分離回路を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
実施の形態1.
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。この実施の形態は、本発明を、3次元Y/C分離の色動き検出回路において、フレーム内の色位相が逆相の関係にあるライン間の色相関を検出する色相関検出回路を持ち、色相関を検出した場合のみ1フレーム色動き検出を有効にする色動き検出回路に適用したものである。
【0027】
本実施の形態においては、垂直方向の複数ラインに対して行なうBPF処理(垂直BPF)により、フレーム間の位相及び振幅の違いを検出する。垂直BPF処理後にフレーム間加算処理を行うことによって、フレーム間の位相差分情報も見ることが可能になり、正確な動き検出を行なうことができる。
【0028】
図1は、本実施の形態にかかる色動き検出回路を示すブロック図である。本実施の形態にかかる色動き検出回路1は、処理対象ライン及びその1ライン前、処理対象ライン及びその1ライン後のC信号の相関を検出し、当該処理対象ラインの両側のラインともに色相関がある場合を「ライン相関あり」として検出する色相関検出回路30、40と、現フレーム及びその1フレーム前の信号それぞれについて、連続3ラインのC信号の垂直BPF処理を行い、当該垂直BPF処理結果に基づき1フレーム色動き検出を行なう1フレーム色動き検出回路10と、色相関検出回路30、40により「ライン相関あり」とされた場合に、1フレーム色動き検出回路10の検出結果に基づき色動き検出結果を出力する出力回路50とを有する。
【0029】
1フレーム色動き検出回路10は、ラインメモリ11、12、17、18、BPF13〜15、19〜21、垂直BPF22、23、加算器24、ABS25、及びゲイン調整回路26を有する。色相関検出回路30は、加算器31、32、比較器33、34、及びAND回路35を有する。色相関検出回路40は、加算器41、42、比較器43、44、及びAND回路45を有する。出力回路50は、OR回路51及びAND回路52を有する。
【0030】
先ず、1フレーム色動き検出回路10について説明する。ラインメモリ11、12、17、18は、1水平走査期間だけ信号を遅延して出力する。524H遅延回路16は、524ライン分の信号を記憶し、524H経過後出力するようになされている。BPF13〜15、19〜21は、現フレームおよび1フレーム前の信号それぞれについて、連続3ラインのC信号を抜き出す水平BPFである。すなわち、各BPF13〜15、19〜21の出力はコンポジット信号からC信号を抜き出したものとなっている。
【0031】
垂直BPF22、23は、BPF処理後の3ラインの出力、BPF13〜15、BPF19〜21に対して垂直BPF処理を行う。垂直BPF処理は、垂直方向のラインで以下の処理を行なう。
{(現ラインのC信号)×2−(1つ前のラインのC信号)−(1つ後ろのラインのC信号)}/4
【0032】
この垂直BPF処理は、現在のラインの色位相と前後のラインの色位相が逆相であることを利用しており、現ライン及び前後のラインの信号が同じ色の場合は、当該垂直BPF処理後の信号は、C信号の位相・振幅を示す。本実施の形態においては、C信号の位相・振幅を色動き検出に使用し、従来では動きと判定できなかった信号を動きと判定するために、垂直BPF処理を設けている。
【0033】
加算器24は、現在のフレームと1つ前のフレームにおける垂直BPF処理後の信号を加算処理する。前後のフレームで位相が反転しているため、動きがなければ加算結果は0となる。ABS25はこれを絶対値化し、ゲイン調整回路26は、絶対値化した値のゲインを調整する。ABS25の値をゲイン調整することでどの程度動きがあるかを示す多ビットの信号となる。ゲイン調整回路26の結果が1フレーム色動き検出結果であり、後述する出力回路50によりこの結果が有効又は無効にされる。
【0034】
次に、色相関検出回路30、40について説明する。色相関検出回路30において、加算器31、32は、水平BPF処理後の信号に対して、C信号が逆相となっている処理対象ラインと1ライン前、同じくC信号が逆相となっている処理対象ラインと1ライン後の相関を検出する。すなわち、「ライン相関あり」、例えば同一色であればこの加算結果は0となる。比較器33、34は、それぞれ加算器31、32の出力値と基準レベルを比較することでライン間の相関があるか否かを検出する。つまり、比較器33、34は、加算器31、32の出力値が基準レベル以下であれば「ライン相関あり」として"1"を出力する。AND回路は、2つのレベル比較結果のAND論理をとり、両側のラインともに色相関がある場合のみ出力を有効(ライン相関あり)とする。色相関検出回路40も同様である。
【0035】
次に、出力回路50について説明する。色相関検出回路30、40は、連続2ラインの信号間の加算によって実現され、1ライン前の信号と現在のラインの信号、現在のラインと1ライン後の信号の両方について評価を行う。ここで出力回路50のOR回路51は、色相関検出回路30による現在のフレームの色相関結果及び色相関検出回路40による1フレーム前の色相関結果のいずれかの結果が「ライン相関あり」と判定したとき上記1フレーム色動き検出結果を有効とする判定結果を出力する。すなわち、AND回路52には、当該OR回路51の出力と、1フレーム色動き検出結果であるゲイン調整回路26の出力とが入力され、OR回路51からの出力が有効(ライン相関あり)である場合にのみ、1フレーム色動き検出結果が出力される。
【0036】
本実施の形態においては、垂直BPF処理により、C信号の位相・振幅を検出するため、フレーム間の色動き検出を可能にする。これにより、従来検出できなかった、ライン相関がありC信号がフレーム間逆相の場合であっても動き検出を可能とする。
【0037】
次に、本色動き検出結果を使用したY/C分離回路について説明する。図2は、本実施の形態にかかるY/C分離回路を示す図である。C動き検出結果には、図1に示す色動き検出回路にて検出された動き検出結果が入力される。
【0038】
Y動き検出結果は、例えば、1フレーム間差分に水平LPF処理を行うことによって得られる。また、フレーム内C抽出結果は、同一フレーム内でライン間及び水平方向のフィルタ処理を行って生成することができる。一般的に2次元Y/C分離回路で生成することができる。または、フレーム内コムフィルタで生成してもよい。フレーム間C抽出結果は、フレーム間差分×1/2によって得られる。
【0039】
Y/C分離回路300は、MIX部301、係数MIX部302、垂直・水平ディレイ調整部303及び減算器304を有する。MIX部301は、図1に示す本実施の形態にかかるC動き検出回路から出力されたC動き検出結果と、Y動き検出結果が入力され、それらの最大値をとる。係数MIX回路302は、MIX回路301にて選択された最大値kを、例えばフレーム内C抽出結果に乗算し、(1−k)をフレーム間C抽出結果に乗算することで、C信号を生成する。減算器304は、コンポジット信号垂直・水平ディレイ調整部303にて水平・垂直ディレイ調整を施した信号から、係数MIX部302で生成されたC信号を減算することで、Y信号を生成する。
【0040】
次に、本実施の形態にかかる色動き検出回路の動作について、特許文献3の動作と共に説明する。先ず、コンポジット信号に含まれるC信号の位相の関係について説明する。図3は、C信号の位相の関係を示す図である。C信号は色副搬送波と呼ばれる基準信号を変調して輝度信号に多重される。NTSC(National Television System Committee)方式の場合は、フレームごと、ラインごとに色副搬送波の位相が反転するように搬送波周波数が選択されている。従って、図3に示すように、現ラインと、その両隣のラインとは逆相の関係になる。また、現フレームとその1フレーム前の信号は逆相になる。一方、現フレームとその2フレーム前の信号は同相になる。
【0041】
図4乃至図7は、本実施の形態にかかる色動き検出回路の、図1に示す各ノードA〜H、A'〜F'における信号波形を示す。図8乃至図11は、特許文献3にかかる色動き検出回路の図17に示す各ノードA〜H、A'〜F'における信号波形を示す。
【0042】
図4に示すように、ノードA〜C、A'〜C'は、それぞれBPF13〜15、19〜21の出力波形を示す。図4に示す例では、取り出した波形は、現フレームと1フレーム前とで同相かつフレーム内のライン間で同相である場合を示している。このような画像は例えば輝度の縦線があるような画像である。ノードD、E、D'、E'の波形は、それぞれA+B、B+C、A'+B'、B'+C'を示し、加算器31、32、41、42の出力波形を示している。本例においては、全波形同相であるので振幅が倍になっている。これらの信号は基準レベルと比較すると基準レベル以上であると判断され、クロマ相関なしとなり、AND回路35、45からは"0"が出力される。よってAND回路52の出力が"0"、すなわち1フレーム色動き検出結果が無効となる。特許文献3にかかる色検出回路においても図8に示すように、同様に色動きなしと判断される。
【0043】
一方、図5に示すように、ライン間相関があるC信号で動きがない場合について考える。ノードA〜Cの信号はそれぞれ位相が反転しており、同色であることを示している。AとA'、BとB'、CとC'も位相が反転、すなわち同色である場合、D、E、D'、E'に示すように、ライン間は同色なのでその和信号は0となり、基準レベルより小さくなるため、「ライン相関あり」とされる。よって、ゲイン調整回路26から出力される1フレーム色動き検出結果が有効となり出力される。ここで、垂直BPF22、23の出力は同色なので互いに位相が反転した信号となり、加算器24の出力は"0"となる。よって、C動き検出結果は0となる。また、特許文献3にかかる色検出回路においても、図9に示すように、ABS581、582の差信号は0となり、色動きなしと判断される。
【0044】
また、図6に示す例は、ライン相関があるC信号で逆相、動きありの場合を示す。つまり、現フレーム及び1フレームはそれぞれ同色で、フレーム間は同位相になっているため、位相が反対の色に変化した場合を示している。この場合も、D、E、D'、E'に示すように、ライン間は同色なのでその和信号は0となり、基準レベルより小さくなるため、色相関検出回路30、40は「ライン相関あり」と判定し、1フレーム色動き検出結果を有効とする。垂直BPF22、23の出力Fは、それぞれ同相となっているので加算器24でそれらが重畳され、1フレーム色動き検出結果は色動きありの結果として出力される。
【0045】
ここで、特許文献3にかかる色動き検出回路は、C信号を抜き出した後、ABS556、576にて絶対値を求めてから減算するため、その差信号は0、すなわち動きなしと判定する。すなわち、本例のように、振幅が同じで逆相の色である場合は動きなしと誤判定してしまう。
【0046】
なお、図7、図11に示すように、ライン相関がないC信号の場合には、動きがあっても、いずれの色動き検出回路においても動きなしとして誤検出する。
【0047】
本実施の形態においては、1フレーム色動き検出回路が、コンポジット信号に対して水平BPF処理と垂直BPFを施し、C信号成分を抜き出した後にフレーム間で加算するため、1フレーム間の正確な色動きを検出することができる。また、色動き検出結果を別途算出した輝度動き検出結果とミックスすることによって、フレーム内C抽出結果とフレーム間C抽出結果のミックス比を算出し、その結果に基づいてC成分を出力し、またコンポジット信号入力に水平・垂直ディレイ調整を施した信号から前記C成分を減算することによってY成分を出力するY/C分離回路を得ることができる。
【0048】
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態においては、3次元Y/C分離の色動き検出において、フレーム内の色位相が逆相の関係にあるライン間の色相関を検出し、色相関がある場合のみ、搬送波成分の振幅・位相動きを検出する1フレーム色動き検出を有効にし、ライン間色相関がない場合は2フレーム間差分信号によって色動き検出を行う。これにより、上述のライン間相関がない場合の誤検出を低減することができる。
【0049】
上述の特許文献3は、色動き検出の判定条件が、ライン間相関がある場合に限定されるため、ライン間色相関のない映像では、色動き検出を行うことができないため、輝度動き検出で動きが判定出来ないC信号の動きについては静止判定になってしまう。
【0050】
これに対し、上述の色相関検出回路、及び1フレーム色動き検出回路に加え、コンポジット信号の差分によって算出される2フレーム間動き検出回路を設け、色相関検出回路が、「相関有り」と判定した場合に1フレーム色動き検出回路と2フレーム間動き検出結果の最大値を有効とし、「相関なし」と判定した場合は2フレーム間動き検出回路の結果を有効とする。これにより、ライン間色相関がないものについても、正しく動き検出を行うことができる。
【0051】
図12は、本実施の形態にかかる色動き検出回路を示すブロック図である。なお、図12に示す実施の形態2において、図1に示す実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。本実施の形態にかかる色動き検出回路101は、図1に示す色動き検出回路1に、2フレーム間動き検出回路60を追加したものとなっている。さらに、出力回路50には、1フレーム色動き検出回路10の出力と、2フレーム間動き検出回路60の出力のMAXを取るMAX回路が設けられている。
【0052】
すなわち、2フレーム間動き検出回路60は、入力コンポジット信号を1H遅延させた後に2フレーム分遅延させた信号と現在のフレームの入力コンポジット信号を1H遅延させた信号の差分をとる差分回路61、絶対値化回路(ABS)62、及びゲイン調整回路63を有する。2フレーム分遅延させるために、524H遅延回路16の他に、526H遅延回路27を更に有する。
【0053】
出力回路50は、色相関検出回路30、40の結果が入力されるOR回路51と、1フレーム色動き検出回路10の結果と2フレーム間動き検出回路60の最大値をとり、現フレームと1フレーム前の色相関検出結果のいずれかが「ライン相関あり」と判定した場合はその最大値を出力する最大値回路MAX53と、ライン相関なしの場合には、2フレーム間動き検出回路60の結果を選択し、「ライン相関あり」の場合は最大値回路MAX53の出力を選択するスイッチ54とを有する。このスイッチ54が、OR回路51の出力により制御され、MAX53と2フレーム間動き検出回路60の結果の出力の切替を行なう。
【0054】
このように構成されたC動き検出回路は、実施の形態1と同様に、図2に示すY/C分離回路に入力してY/C分離に使用することができる。また、図13は、Y/C分離回路の他の例を示す。Y/C分離回路400は、MIX回路401、係数MIX回路402、403、水平・垂直ディレイ調整部404及び減算器405を有する。MIX回路401には、Y動き検出結果と、2フレーム間動き検出結果が入力され、その最大値が係数k1として出力される。係数MIX回路402には、フレーム内C抽出結果及びフレーム間C抽出結果と、係数k1が入力され、例えばフレーム内C抽出結果に係数k1が乗算され、フレーム間C抽出結果に(1−k1)が乗算され、それらが加算されてY信号を生成するためのC信号を生成する。この係数MIX回路402の出力をコンポジット信号に水平・垂直ディレイ調整部404により水平・垂直ディレイ調整を施した信号から減算器405で減算するとY信号が得られる。また、図12にかかるC動き検出回路101のC動き検出結果k2と、フレーム内C抽出結果及びフレーム間C抽出結果が係数MIX回路403に入力され、例えばフレーム内C抽出結果にk2が乗算され、フレーム間C抽出結果に(1−k2)が乗算され、これらが加算されてC信号が生成される。
【0055】
本実施の形態においては、ライン相関結果に基づいて、1フレーム色動き検出と2フレーム間動き検出を適切に切り替えることが可能になるため、ライン相関がないものについても色動き検出を行うことができる。すなわち、垂直BPF処理により、フレーム間の色動き検出を可能にする。これにより、2フレーム間動き検出が静止判定で、フレーム間で色成分のみが変動した場合における、動き未検出領域の発生に起因するY/C分離誤りによるドット発生を抑制する。また、2フレーム間動き検出を併用させることにより、ライン間色相関がないものについても、正しく動き検出を行うことができる。
【0056】
また、色動き検出結果を別途算出した輝度動き検出結果とミックスすることによって、フレーム内C抽出結果とフレーム間C抽出結果のミックス比を算出し、コンポジット信号入力から当該C成分を減算しY成分を出力し、この出力とは別に、本実施の形態において生成したC動き検出結果に基づきフレーム内C抽出結果とフレーム間C抽出結果をミックスし、C成分を出力することで、Y/C分離を行なうことができる。
【0057】
次に、本実施の形態にかかる効果について説明する。図14は、実施の形態1において誤検出したライン間相関がない場合のC信号である。なお、ノードB''、B'''の波形においては、コンポジット信号であるので輝度信号が含まれている。ここでは、説明を簡単にするため、B、B'''を同じ輝度レベルの波形として示しているが、実際には、ノードBの信号は輝度レベルが0であり、ノードB'''の信号はなんらかの輝度レベルを有する。また、ノードB''についても、ある輝度レベルを有するものとする。本例では、上述したように、色相関なしのため、出力回路50におけるスイッチ54が2フレーム間動き検出回路60の出力Gを選択する。これにより、実施の形態1では検出することができなかった、ライン間相関なしの場合の動き検出が可能となる。
【0058】
実施の形態3.
次に、本発明の実施の形態3について説明する。図15は、本実施の形態にかかる色動き検出回路を示すブロック図である。なお、図1に示す実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。実施の形態2にかかる色動き検出回路に加え、フレーム内の動きを各画素について積分を行いその結果を1フレーム期間保持し、その結果を基準レベルと比較を行うことによって、フレーム全体の動きを検出し、判定結果を出力するフレーム内平均動き算出回路70を備え、フレーム全体が静止していると判定した場合は1フレーム色動き検出を禁止するものである。
【0059】
すなわち、フレーム内平均動き算出回路70は、2フレーム間動き検出回路の絶対値回路62の出力値を、フレーム内の全サンプリング点について積分処理を行い、フレーム全体の動き結果を算出するフレーム内積分回路71、前フレームのフレーム内積分回路の出力結果を1フレーム期間保持する積分結果保持回路72、及び積分結果保持回路72の出力値とフレーム全体を動きとする基準レベル2を比較する比較器73を有する。
【0060】
また、出力回路50は、現フレームと1フレーム前の色相関検出結果のいずれかが「ライン相関あり」と判定し、かつフレーム内平均動き検出回路が「動きあり」と判定した場合についてのみ、1フレーム色動き検出回路の結果を有効にし、それ以外の場合は2フレーム間動き検出回路の出力結果を有効するためのAND回路55及びスイッチ54を有する。実施の形態2と同様、1フレーム色動き検出回路10の結果を利用するときは、2フレーム間動き検出回路60との間で最大値をとり最終の色動き検出結果として出力する。
【0061】
次に、本実施の形態における効果について説明する。図16(a)及び図16(b)は、本実施の形態にかかる効果を説明する図である。図16(a)は、図12に示す実施の形態2において誤検出する絵柄の画像である。色副搬送波周波数fsc周期の連続斜め線でライン毎に白黒連続であるような場合、図16(a)に示すように、「ライン相関あり」と誤判定され、よって垂直BPF22、23の値Fが加算された結果Hが動き検出結果として出力されてしまう。すなわち、実施の形態1、2では、動きありとして出力されてしまう。一方、本実施の形態においては、フレーム内平均動き算出回路70がフレーム内動き検出を行なうため、動きなしと判定でき、F+F'の結果、すなわち1フレーム色動き検出結果を無効にするため、C動き検出結果は動きなしとされ、正しく判断することができる。
【0062】
本実施の形態においては、1フレーム色動き検出結果と2フレーム間動き検出結果を、色相関検出回路の結果に基づき切り替えるのみならず、フレーム内の動きがあるか否かを検出し、フレーム内で動きがない場合には、1フレーム色動き検出結果を無効とすることで、誤検出を更に抑制することができ、より確度の高いC動き検出結果を得ることができる。
【0063】
なお、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。例えば、実施の形態3においても、実施の形態1における図2に示すY/C分離回路や、実施の形態2における図13に示すY/C分離回路に適用することができることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる色動き検出回路を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1にかかるY/C分離回路を示す図である。
【図3】C信号の位相の関係を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態1にかかる色動き検出回路の、図1に示す各ノードA〜H、A'〜F'における信号波形を示す図である。
【図5】同じく、本発明の実施の形態1にかかる色動き検出回路の、図1に示す各ノードA〜H、A'〜F'における信号波形を示す図である。
【図6】同じく、本発明の実施の形態1にかかる色動き検出回路の、図1に示す各ノードA〜H、A'〜F'における信号波形を示す図である。
【図7】同じく、本発明の実施の形態1にかかる色動き検出回路の、図1に示す各ノードA〜H、A'〜F'における信号波形を示す図である。
【図8】特許文献3にかかる色動き検出回路の図17に示す各ノードA〜H、A'〜F'における信号波形を示す図である。
【図9】同じく、特許文献3にかかる色動き検出回路の図17に示す各ノードA〜H、A'〜F'における信号波形を示す図である。
【図10】同じく、特許文献3にかかる色動き検出回路の図17に示す各ノードA〜H、A'〜F'における信号波形を示す図である。
【図11】同じく、特許文献3にかかる色動き検出回路の図17に示す各ノードA〜H、A'〜F'における信号波形を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態2にかかる色動き検出回路を示すブロック図である。
【図13】本発明の実施の形態2にかかるY/C分離回路を示す図である。
【図14】本発明の実施の形態2における効果を説明する図である。
【図15】本発明の実施の形態3にかかる色動き検出回路を示すブロック図である。
【図16】(a)及び(b)は、本発明の実施の形態3にかかる効果を説明する図である。
【図17】特許文献3に記載の動き検出回路である。
【符号の説明】
【0065】
10 1フレーム色動き検出回路
11、12、17、18 ラインメモリ
16、27 遅延回路
24、31、32、41、42 加算器
25、62 ABS
26、63 ゲイン調整回路
30、40 色相関検出回路
33、34、43、44、73 比較器
35、35、52、55 AND回路
50 出力回路
51 OR回路
53 最大値回路
54 スイッチ
60 2フレーム間動き検出回路
61 差分回路
300、400 Y/C分離回路
301、401 MIX回路
302、402、403 係数MIX回路
303、404 水平・垂直ディレイ調整部
304、405 減算器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数ラインの色信号の相関を検出し、ライン間の色相関があるか否かを検出する色相関検出回路と、
現フレーム及びその1フレーム前の信号それぞれについて、連続する複数ラインの色信号に垂直バンドパスフィルタ処理を行い、当該垂直バンドパスフィルタ処理結果に基づき1フレーム色動き検出を行なう1フレーム色動き検出回路と、
前記色相関検出回路によりライン相関ありとされた場合に、前記1フレーム色動き検出回路の検出結果に基づき色動き検出結果を出力する出力回路とを有する色動き検出回路。
【請求項2】
2フレーム間の動き検出を行なう2フレーム間動き検出回路を更に有し、
前記出力回路は、前記色相関検出回路により相関なしとされた場合に、前記2フレーム間動き検出回路の出力を、前記色動き検出結果として出力する
ことを特徴とする請求項1記載の色動き検出回路。
【請求項3】
前記出力回路は、前記色相関検出回路により前記ライン相関ありとされた場合に、前記1フレーム色動き検出回路の出力と前記2フレーム間動き検出回路の出力の最大値を前記色動き検出結果として出力する
ことを特徴とする請求項2記載の色動き検出回路。
【請求項4】
フレーム内の各画素について積分を行いその結果を基準レベルと比較することでフレーム全体についての動きを検出するフレーム内平均動き算出回路を更に有し、
前記出力回路は、前記フレーム内平均動き検出回路によりフレーム全体が静止していると判定した場合には前記1フレーム色動き検出回路の出力を無効にする
ことを特徴とする請求項2又は3記載の色動き検出回路。
【請求項5】
前記色相関検出回路は、処理対象ライン及びその1ライン前、前記処理対象ライン及びその1ライン後の色信号の相関を検出し、当該処理対象ラインの両側のラインともにライン相関がある場合を前記ライン相関ありとして検出する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の色動き検出回路。
【請求項6】
前記1フレーム動き検出回路は、連続3ラインのそれぞれのコンポジット信号に対して水平バンドパスフィルタ処理を施し色信号を抽出する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の色動き検出回路。
【請求項7】
前記1フレーム動き検出回路は、連続3ラインの色信号に対して垂直バンドパスフィルタ処理を行い、フレーム間加算処理する
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の色動き検出回路。
【請求項8】
2フレーム間動き検出回路は、コンポジット信号の差分によって前記2フレーム間の動き検出を行なう
ことを特徴とする請求項2乃至7のいずれか1項記載の色動き検出回路。
【請求項9】
色動き検出結果を出力する色動き検出回路と、
輝度動き検出結果及び前記色動き検出結果に基づき、同一フレーム内の信号を使用して抽出した色信号であるフレーム内色信号と、隣接フレーム間の信号を使用して抽出した色信号であるフレーム間色信号とをミックスして色信号を生成する係数ミックス回路と、
コンポジット信号から当該色信号を減算して輝度信号を出力する減算器とを備え、
前記色動き検出回路は、
複数ラインの色信号の相関を検出し、ライン間の相関があるか否かを検出する色相関検出回路と、
現フレーム及びその1フレーム前の信号それぞれについて、連続する複数ラインの色信号に垂直バンドパスフィルタ処理を行い、当該垂直バンドパスフィルタ処理結果に基づき1フレーム色動き検出を行なう1フレーム色動き検出回路と、
前記色相関検出回路によりライン相関ありとされた場合に、前記1フレーム色動き検出回路の検出結果に基づき色動き検出結果を出力する出力回路とを有するY/C分離回路。
【請求項10】
前記輝度動き検出結果及び前記色動き検出結果のうち最大値を出力するミックス回路を更に有する
ことを特徴とする請求項9記載のY/C分離回路。
【請求項11】
輝度動き検出結果及び2フレーム間動き検出結果に基づき、同一フレーム内の信号を使用して抽出した色信号であるフレーム内色信号と、隣接フレーム間の信号を使用して抽出した色信号であるフレーム間色信号とをミックスして色信号を生成する第1の係数ミックス回路と、
前記第1の係数ミックス回路にて生成された色信号をコンポジット信号から減算して輝度信号を出力する減算器と、
色動き検出結果を出力する色動き検出回路と、
前記色動き検出結果に基づき、前記フレーム内色信号及び前記フレーム間色信号をミックスして色信号を生成する第2の係数ミックス回路とを備え、
前記色動き検出回路は、
複数ラインの色信号の相関を検出し、ライン間の相関があるか否かを検出する色相関検出回路と、
現フレーム及びその1フレーム前の信号それぞれについて、連続する複数ラインの色信号に垂直バンドパスフィルタ処理を行い、当該垂直バンドパスフィルタ処理結果に基づき1フレーム色動き検出を行なう1フレーム色動き検出回路と、
前記色相関検出回路によりライン相関ありとされた場合に、前記1フレーム色動き検出回路の検出結果に基づき色動き検出結果を出力する出力回路とを有するY/C分離回路。
【請求項12】
前記輝度動き検出結果及び前記2フレーム間動き検出結果のうち最大値を出力するミックス回路を更に有する
ことを特徴とする請求項11記載のY/C分離回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2008−160351(P2008−160351A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−345397(P2006−345397)
【出願日】平成18年12月22日(2006.12.22)
【出願人】(302062931)NECエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】