説明

芳香族有機前駆体からのモノリシック多孔性カーボンディスクの製造方法

【課題】
【解決手段】
ポリイミドかポリベンズイミダゾールのどちらか、又はポリイミド及びポリベンズイミダゾールの双方から成る粉末状のプレポリマ有機前駆体由来のモノリシック及び金属ドープモノリシック多孔性カーボンディスクの製造方法を開示する。この粉末を圧密(圧縮)してディスクにし、熱分解して、所望のカーボンディスクを形成する。また、カーボンをプレポリマ有機前駆体に加えて、多孔性カーボン−カーボン合成ディスクを調製する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
説明
本出願は、2004年8月16日に出願された米国出願第10/919,450号の一部継続出願である。
【0002】
技術分野
本発明は、1.0g/ccより低い、又は1.0g/ccと等しい密度を有するモノリシック多孔性カーボンを製造するための有機前駆体としてポリイミドかポリベンズイミダゾールのどちらか、又はその両方から成る前駆体の調製、及び粉末状のポリイミドかポリイミダゾールのどちらか、又はポリイミド及びポリベンズイミダゾールの双方からモノリシック多孔性カーボンを製造するプロセスに関する。本発明は、更に前駆体内に1種又はそれ以上の金属を分散させたポリイミドかポリベンズイミダゾールのどちらか、又はポリイミド及びポリベンズイミダゾールの双方の前駆体から誘導されたモノリシック多孔性カーボンの製造プロセスに関する。本発明は、更にポリイミドかポリベンズイミダゾールのどちらか、又は、ポリイミド及びポリベンズイミダゾールの双方、及び、粉末状、及び/又は繊維状の活性カーボンを具える前駆体から調製されたカーボン−カーボン合成物の製造プロセスに関する。
【0003】
背景技術
相互貫入細孔構造、高密度、高表面積、好適な孔サイズ、及び明確に画定された孔サイズ分布を有するモノリシック多孔性カーボンは、リチウムバッテリ、電気化学的キャパシタ、燃料電池、その他の電気化学的デバイス用の電極材料として非常に望ましい。その他のこのような製品は、多孔性カーボンから作ることができると理解されるであろうが、以下の記載は、ディスク製品をターゲットとしている。
【0004】
モノリシック多孔性カーボンディスクを製造する1つの方法は、ゾル−ゲル技術による方法である。ゾル−ゲル技術は、一般的に溶液からゲルを製造するステップと、このゲルの収縮を最小に抑えてゲルを乾燥させるステップと、から成る。この薄いゲル膜を熱分解することによって、多孔性モノリシックカーボンディスクを産生する。スーパーキャパシタ用の電極材料として、現在市場にあるRFカーボンエアロゲルは、レゾルシノールとホルムアルデヒドの有機前駆体から誘導される。RFカーボンエアロゲルは、高表面積及び狭い孔径分布を提供する。しかし、ウルトラキャパシタ及びスーパーキャパシタ用の電極及び材料としてのRFカーボンエアロゲルの潜在的な市場は、このキャパシタの低い操作電圧(<=5V)と、モノリシックRFカーボンエアロゾル材料の高い製造コストによって、厳しく制限されている。
【0005】
モノリシック多孔性カーボンディスクを製造する別の方法は、多孔性ポリマ前駆体をモノリスディスクに圧縮した後、熱分解をすることによる多孔性ポリマ前駆体の粉末からの方法である。この方法には、2つの障害がある。1つは、ポリマ前駆体の圧縮率であり、もう1つは、圧縮プロセス中に孔の相互貫入ネットワークを保持する困難性である。米国特許第6,544,648号は、800℃、又は800℃を越える温度と、3000psi、又は3000psiを越える圧力で、真空下で、高表面積を有するカーボンブラック粉末を圧縮することによってモノリシックカーボンディスクを製造するプロセスを開示する。この方法は、ゾル−ゲル方法によるカーボンディスクよりも2nm小さい孔径を有する望ましくないマイクロ孔を、より多く有するカーボンディスクを製造する。800℃で、真空下でのカーボン粉末の圧縮には、厳しい技術的課題があり、高い製造コストがかかる。
【0006】
しかし、モノリシック多孔性カーボンを製造する別の方法は、マトリックス状の炭化合成樹脂に固まったカーボンブラック粉末からの方法である。米国特許第5,776,633号;第5,172,307号;及び第5,973,912号には、このような多孔性カーボン−カーボン合成物を製造するプロセスが記載されている。これらの特許においては、この合成樹脂はフェノール樹脂である。この方法は、安価なカーボンブラック粉末を用いることによって、低コストであるメリットを有するが、合成樹脂の開孔を保持することが困難であり、従って、孔表面積率が低い。
【0007】
先行技術の問題及び欠陥を念頭に置くと、本発明の目的は、高表面積、高孔体積、高表面活性、明確に画定された孔構造と形態、及び良好な機械特性を有するモノリシック多孔性カーボンディスクを提供することである。また、現在市場にあるものと比較して、コストが著しく低い、このようなモノリシック多孔性カーボンディスクの製造プロセスを提供することも望ましい。
【0008】
更に、本発明のその他の目的及び利点は、明細書から一部明らかであり、一部は視覚的にはっきり分かるであろう。
【0009】
本発明の開示
本発明は、ポリイミドかポリベンズイミダゾールのどちらか、又はポリイミド及びポリベンズイミダゾールの双方を具える、芳香族有機前駆体群由来のモノリシック多孔性カーボン、例えば、ディスクの製造プロセスを提供する。このプロセスは:(1)粉末状の有機前駆体を準備するステップと;(2)この粉末を圧密してモノリスにするステップと;(3)ディスク等のモノリシック多孔性カーボン製品を熱分解で製造するステップと;を含む。
【0010】
本発明は、ポリイミドかポリベンズイミダゾールのどちらか、又はポリイミド及びポリベンズイミダゾールの双方、及び金属化合物を具える芳香族有機前駆体群から遷移金属をドープしたモノリシック多孔性カーボンディスクを製造するプロセスを更に提供する。このプロセスは:(1)金属化合物をインサイチュウでドープした粉末状の前駆体の準備をするステップと;(2)この粉末を圧密してモノリスにするステップと;(3)ディスクのようなモノリシック多孔性カーボン製品を、熱分解して製造するステップと;を含む。
【0011】
本発明は、本発明の前駆体、及び粉末状、又は繊維状、又はナノチューブ状、又は巨大なボール(C60、又はC70、又は他のもの)状、又はフラーレン状のカーボン、又はこれらの混合物から多孔性カーボン−カーボン合成物を製造するプロセスを更に提供する。好ましくは、本プロセスで使用されるカーボンは、活性化カーボン粉末と活性化カーボン繊維である。本プロセスは:(1)粉末状か、又はビスコース状の前駆体を準備するステップと;(2)カーボン及び前駆体と共に混合するステップであり、混合後に溶媒の枠を除去するステップと;(3)混合物を圧密してモノリスにするステップと;(4)多孔性カーボン−カーボン合成物を熱分解で生成するステップと;を含む。
【0012】
本発明の有機前駆体は、僅かな可撓性リンク又はヒンジを用いるモノマ単位を棒状分子鎖構造内に接続する窒素含有複素環式構造を有する。この前駆体の鎖構造は、直鎖か、3次元ネットワークか、ハイバーブランチ鎖構造のいずれかでできている。前駆体の1つの群は、分子構造内にイミド基を有するポリイミドを具える。前駆体の別の群は、分子構造内にベンズイミダゾール基を有するポリベンズイミダゾールを具える。前駆体の更なる別の群は、分子構造内にイミド基及びベンズイミダゾール基の双方を有するポリイミドとポリベンズイミダゾールの双方を具える。
【0013】
本発明から製造されるモノリシック多孔性カーボンディスクは、圧縮成形プロセス中に、繊維、無機物又は有機物粒子、繊維パッド、又はその他の添加物を組み込むことによって、繊維、又は、繊維パッド、又はその他の添加物で、更に補強することができる。
【0014】
前駆体粉末は、圧密してモノリスにする前に、カーボンに加えて、その他の添加物と更に結合させてもよい。このような添加物には、酸化遷移金属粉末、有機物粒子、無機物粒子、グラファイト繊維又はフレーク、金属繊維、膜を含む多孔性基質、金属メッシュ、カーボン布、カーボンフェルト、発泡体、及び、フェノール樹脂や市販のポリイミド樹脂等のポリマ樹脂が含まれる。
【0015】
本発明の芳香族有機モノマから調製した前駆体は、ポリベンズイミダゾール、ポリアミド、ポリエーテルイミド、シロキサン、又はシリカ等の分子鎖構造のその他の成分を具えていてもよいが、好ましくは、50重量%より大きい、又はこれに等しいポリイミド及び芳香族有機組成物を有する。
【0016】
ポリイミド及びポリベンズイミダゾールは、式:


によって、表すことができる。
【0017】
ここで、A1及びA4は、
二官能性フェニル、二官能性ビフェニル、選択的に置換された二官能性アリール、選択的に置換された二官能性アルキレン、選択的に置換された二官能性ヘテロアリール、又はこれらの組み合わせ;
を表し、
A2及びA5は、
三官能性フェニル、ビフェニル、選択的に置換された三官能性アリール基、又は選択的に置換されたヘテロアリール基;
を表し、
A3は、
2より大きい、又は2に等しい数の官能基を有する多官能性フェニル、2より大きい、又は2と等しい数の官能基を有する多官能性ビフェニル、2より大きい、又は2と等しい数の官能基を有する選択的に置換された多官能性アリール、2より大きい、又は2と等しい数の官能基を有する選択的に置換された多官能性アルキレン、2より大きい、又は2と等しい数の官能基を有する選択的に置換された多官能性ヘテロアリール、又はこれらの組み合わせ;
を表し、
n1、n2及びn3は、1より大きい、又は1に等しく;(y+2)は、2より大きい、又は2と等しい。
【0018】
本発明の1つの用途は、電気化学的キャパシタ、バッテリ、及び燃料電池用の新規なカーボン電極を提供することである。
【0019】
本発明の別の用途は、リチウムバッテリ又はハイブリッド−バッテリ/電気化学的キャパシタシステム用電極として、MnO2等のカーボンと遷移金属酸化物の新規な合成物を提供することである。
【0020】
本発明の別の用途は、燃料電池及び電気化学的水浄化システム用の触媒カーボン担体を提供することである。
【0021】
本発明は、特定の好ましい実施例と共に特に記載されているが、多くの変形例、修正、及び変更例は、前述の記載の当業者に明らかであることは確かである。従って、特許請求の範囲は、本発明の正確な範囲及び精神に含まれるあらゆる代替、修正、及び変形を包含することを意図している。
【0022】
図面の簡単な説明
新規性があると信じられる本発明の特徴、及び本発明の特徴的な要素は、特に、添付の特許請求の範囲に記載されている。図面は、例示目的のみのためであり、縮小するものではない。
【0023】
しかしながら、構成及び操作方法の双方について、本発明自体は、添付図面と共に、続く詳細な説明を参照することによって最も良く理解されるであろう。
【0024】
本発明を実施するための形態
本発明の好ましい実施例を記載するに際して、図1乃至4が参照される。ここでは、本発明の同じ特徴に同じ符号が付されている。
【0025】
4.本発明の詳細な説明
第1の態様において、本発明は、500m/グラム、又は500m/グラムより大きい表面積と、十分に高い機械的強度を有するモノリシック多孔性カーボンを製造するための有機前駆体として、ポリイミドかポリベンズイミダゾールのどちらか、又はポリイミド及びポリベンズイミダゾールの双方を具えるモノリシックディスクの製造プロセスを提供する。
【0026】
本発明のポリイミド前駆体調製用の芳香族モノマは、好ましくは次の群:芳香族二無水物、芳香族ジアミン、及び選択的に、2つより多いアミン官能基を有する芳香族ポリアミン化合物;又は芳香族テトラカルボン酸、芳香族ジアミン、及び選択的に、2つより多いアミン官能基を有する芳香族ポリアミン化合物;又は芳香族テトラカルボン酸、芳香族ジアミン、及び、選択的に、2つより多いアミン官能基を有する芳香族ポリアミン化合物のエスエル;又は芳香族二無水物、2つより多いアミン官能基を有するジイソシアナート及びポリイソシアナートを含む芳香族イソシアナート、のうちの1つから選択される。
【0027】
ポリベンズイミダゾール前駆体調製用の芳香族モノマは、好ましくは次のモノマ群:芳香族ジアルデヒド及び芳香族テトラアミン;又は芳香族ジカルボン酸と芳香族テトラアミンのジエステル;又は芳香族ジカルボン酸及び芳香族テトラアミン、のうちの1つから選択される。
【0028】
ポリイミドかポリベンズイミダゾールのどちらか、又はポリイミド及びポリベンズイミダゾールの双方を具える前駆体は、好ましくは次の手順によって溶媒の存在下か溶融状態のどちらかのモノマから合成することができる。
【0029】
・手順1
溶媒の存在下での全ての成分を混合する。この溶媒は、蒸留によって除去され、粉末形状の均一混合物を形成する必要がある場合は、真空にする。非溶融及び非融解高分子量ポリマ材料を製造するための更なる化学反応は、溶媒除去後、又はディスク等の粉末をモノリスに圧密圧縮成形後に進行する。
【0030】
・手順2
沈殿物又はゲルのどちらかの形状で沈殿物として前駆体を生成するために、溶液中において芳香族モノマの凝縮反応を実施する。この沈殿物は、沈殿粉末か、別の固相基質上へ沈殿したフィルムである。前駆体中の溶媒は、蒸留によって除去され、必要がある場合は、真空にする。前駆体は、更に粉砕して微細な粉末又は多孔性粒子とし、必要な場合は、篩を通してろ過する。
【0031】
・手順3
固体形状の前駆体を形成するために、芳香族有機前駆体を加熱して攪拌しながら融解状態にする。時に、低分子量アルコール又は水等の副生成物の蒸発が、高密度固体の代わりに気泡を作る。この前駆体は、更に粉砕して微細粉末又は多孔性粒子とし、必要がある場合は、篩を通してろ過する。
【0032】
ポリイミド前駆体は、好ましくは、芳香族ジアミン及び芳香族テトラカルボン酸二無水物、又は芳香族ジアミン及びテトラカルボン酸、又は芳香族ジアミン及びテトラカルボン酸のエステル、又は芳香族イソシアナート及び芳香族テトラカルボン酸二無水物の縮合生成物である。選択的に、2つより多いアミン官能基を有する少量のポリアミン化合物が、いくつかの芳香族ジアミンと置換して、ポリイミド前駆体に対して化学的交差結合を生ぜしめる。従って、ポリイミド前駆体は、直鎖分子構造、又は超分岐分子構造、又は3次元ネットワーク分子構造を有していてもよい。ポリイミド前駆体の合成は、一般的に、ポリ(アミド酸)の合成に進み、次いで、イミド化され、ポリイミドを形成する。
【0033】
ジアミン及びポリアミン化合物及び酸又はテトラカルボン酸のエステルを含む芳香族アミンのモノマを用いて、手順1から3のいずれかによって、ポリイミド前駆体の合成を実施することができる。手順1において、モノマ及びその他の添加剤は、溶媒に溶解し、澄明な溶液を形成する。微細粉末形態の前駆体は、モノマの均一混合物か、ポリイミドとポリ(アミド酸)の低分子量オリゴマの混合物のどちらかである。手順2において、このモノマ及びその他の添加剤を、有機溶媒に溶解させる。100℃で又は100℃より高い温度で、好ましくは150℃で又は150℃より高い温度で、通常に攪拌して反応を実施して、ポリイミド沈殿物を生成する。ポリイミド前駆体は、沈殿した粉末又はゲルのどちらかの形状をしている。必要ならば真空にして、溶媒を蒸留し生成物から除去する。手順3において、好ましくは、テトラカルボン酸と芳香族アミンのエステルが、最適なモノマである。モノマの溶融状態での縮合反応は、気体相でフェノール又はアルコール分子を放出して、硬質ポリイミドフォームを生成する。生成物を更に粉砕して、ポリイミド粉末を生成する。
【0034】
芳香族二無水物、及びジアミン及びポリアミンを含む芳香族アミンのモノマを用いて、2つの工程:即ち、ポリ(アミド酸)を合成するステップと、これをイミド化して、ポリイミドを形成するステップとの手順2によって、ポリイミド前駆体の合成を実施する。ポリ(アミド酸)の合成は、数時間から一晩、通常に攪拌して、周囲温度でモノマ及びその他の添加剤を有機溶媒に溶解させることによって実施され、沈殿粉末かビスコース状溶液かゲルのうちのいずれかの形状の生成物を産生する。ポリ(アミド酸)をイミド化してポリイミドを形成することは、周囲温度での化学的イミド化か、高温での熱イミド化のどちらかによって実施される。
【0035】
化学的イミド化は、ポリ(アミド酸)に脱水剤を添加することによって実施される。沈殿粉末の形のポリ(アミド酸)の場合、好ましくは、反応溶媒を系から除去する前に脱水剤を添加する。ビスコース状溶液の形のポリ(アミド酸)の場合は、ポリ(アミド酸)溶液への脱水剤の添加は、周囲温度での反応でポリイミド沈殿物を産生するような方法で実施される。溶媒は、蒸留によってポリイミド沈殿物から除去する。
【0036】
脱水剤は、酸無水物か酸無水物と有機塩基の混合物のどちらかから成る。好ましい酸無水物は、酢酸無水物、プロピオン酸無水物、n−ブチル酸無水物、安息香酸無水物、及びトリフルオロ酢酸無水物を含む。好ましい有機塩基は、選択的に置換された、モノ−、ジ−、トリアルキルアミン、及び選択的に置換されたピリジンを含む。
【0037】
熱イミド化を高温で実施する。
【0038】
沈殿粉末の形のポリ(アミド酸)の場合は、溶媒を蒸留によって除去し、次いで、50℃から500℃の範囲、好ましくは100℃から400℃の範囲の温度で、好ましくは窒素又はアルゴン等の不活性ガスの保護下で、ポリ(アミド酸)粉末を熱イミド化する。ビスコース状溶液又はゲルの形態のポリ(アミド酸)の場合は、50℃から400℃の範囲、好ましくは100℃から250℃の範囲での高温でイミド化を実施して、沈殿粉末の形のポリイミドを生成する。必要ならば真空にして溶媒を蒸留によって除去する。
【0039】
有機前駆体として芳香族二水和物とジイソシアナート及びポリイソシアナートを含む芳香族イソシアナートを用いて、好ましくは、手順1によってポリイミド前駆体の合成を実施する。この手順において、モノマ及び添加剤を、好ましくは双極非プロトン性有機溶媒の存在下で、周囲温度で混合する。溶媒を除去することにより、粉末形状の均一混合物を生成する。
【0040】
その他の合成手順を排除するものではないが、好ましくは、ポリイミド前駆体は、テトラカルボン酸二無水物、芳香族ジアミン、及び選択的に、熱イミド化法を用いて手順2によるポリアミン化合物の芳香族モノマから調製される。この手順において、モノマとその他の添加剤の反応は、ある時間攪拌し、周囲温度でジメチルアセトアミド(DMAc)等の有機溶媒中で実施する。次いで、反応系の温度を、130℃から200℃の範囲、好ましくは150℃から180℃の範囲に上げて、沈殿物としてポリイミドを生成する。溶媒を留去して、乾燥ポリイミド前駆体粉末を生成する。
【0041】
ポリベンズイミダゾール前駆体は、好ましくは、芳香族テトラアミンと、ジカルボン酸の芳香族エステル、又は芳香族テトラアミンと芳香族ジアルデヒドの縮合生成物である。モノマの溶融状態か溶媒の存在下かのどちらかで合成が進む。
【0042】
芳香族モノマとして芳香族テトラアミンと芳香族ジアルデジドを用いて、2つの段階:即ち、有機溶媒の存在下での中間生成物としてポリ(アゾメチン)を合成するステップと、ポリ(ベンズイミダゾール)を合成するステップと、の手順2によって、ポリベンズイミダゾールの合成を実施する。この手順において、−30℃と周囲温度の範囲の温度で有機溶媒のモノマの反応を実施して、沈殿粉末かビスコース状溶液のどちらかの形のポリ(アゾメチン)を生成する。50℃から350℃の範囲、より好ましくは100℃から250℃の範囲の高温で、更に反応させて、ポリ(アゾメチン)をポリベンズイミダゾールに変換する。高温での第2段階の反応の前、又は後に生成物を溶媒から沈殿させる時に、溶媒を系から除去する。
【0043】
溶媒の存在下での合成に限定されないが、芳香族テトラアミン、とジカルボン酸のエステルのモノマを用いたポリベンズイミダゾールの合成が、好ましくはモノマの溶融状態の手順3によって進む。強く攪拌して、モノマの溶融温度で、又は溶融温度より上で、気体相のフェノール、又は水、又はアルコールの副生成物が系から放出されてフォーム状の生成物を生成するように反応を実施する。この生成物を破砕し、更に粉砕して、多孔質粉末の形状のポリベンズイミダゾール前駆体を生成する。
【0044】
分子構造中にポリイミド及びポリベンズイミダゾールの双方のセグメントを具える前駆体を、好ましくは有機溶媒の存在下で調製することができる。その他の前駆体用のモノマを反応系に加える前に、ポリイミドかポリベンズイミダゾールのどちらか1方の前駆体を合成することによって、合成を実施することができる。又は、2つの反応を1の反応系にまとめる前に、ポリイミドとポリベンズイミダゾールの反応を別々に実施する。さもなければ、反応状態が両立できる場合、2つのモノマセットを同じ反応溶液内で同時に混合する。しかし、材料のガラス転移温度を著しく低くするために、比較的多量の柔軟なアミド結合(flexible amide links)を分子鎖構造に導入するのであれば、このような混合は通常禁止される。
【0045】
ポリイミド及びポリベンズイミダゾールの双方を具える前駆体からモノリシック多孔性カーボンディスクを調製するための代替方法は、粉末をモノリスディスクに圧密するプロセス中にポリイミド及びポリベンズイミダゾール前駆体の双方の粉末を混合することである。
【0046】
選択的に、ポリイミドかポリベンズイミダゾールのどちらか、又はポリイミド及びポリベンズイミダゾールの双方を具える前駆体粉末を、剪断応力によってより小さな粒子サイズに更に細かく砕き、必要ならば篩によってろ過する。圧縮成形の目的の前駆体の好ましい粒子サイズは、1μmから300μmの範囲であり、より好ましくは5μmから75μmの範囲であり、更により好ましくは10μmから50μmの範囲である。
【0047】
別の選択肢として、粉末状のポリイミドかポリベンズイミダゾールのどちらか、又はポリイミド及びポリベンズイミダゾールの双方を具える前駆体粉末を、圧密してディスクにする前に、高温で更に熱アニーリングする。このアニーリングは、50℃から600℃の温度範囲で、より好ましくは50℃から500℃の範囲で、20分乃至2時間、真空下で、又はアルゴン又は窒素雰囲気の保護下で実施する。
【0048】
第2の態様では、本発明は、500m/グラム、又は500m/グラムより大きい表面積、十分高い機械強度、及び遷移金属原子が、ケージ化され、又は錯形成されて、触媒活性を提供する大環状ピリジン構造を有する、遷移金属ドープモノリシック多孔性カーボンディスクを製造するための有機前駆体として、ポリイミドかポリベンズイミダゾールのどちらか、又はポリイミド及びポリベンズイミダゾールの双方を具える遷移金属ドープ前駆体のモノリシック多孔性カーボンディスクの製造プロセスを提供する。
【0049】
一般的な手順においては、溶液中の遷移金属化合物を反応系に、又は乾燥前駆体粉末に、又は乾燥ディスク前駆体に加える。遷移金属の溶解に使用される溶媒は、好ましくは前駆体を調製するための溶媒と同じ溶媒である。縮合反応及び圧密プロセスの各合成工程を含むモノリスディスクの準備中の、いずれの段階、又はいずれの工程での金属化合物の添加に限定されないが、好ましくは、遷移金属化合物を、手順の早い段階で加える。更に好ましくは、前駆体の合成を進める前に、有機溶媒の存在下で遷移金属化合物を、有機前駆体と混合する。
【0050】
ポリイミドかポリベンズイミダゾールのどちらか、又はポリイミド及びポリベンズイミダゾールの双方を具える前駆体合成における溶媒除去は、蒸留、好ましくは真空下での蒸留によって実施する。
【0051】
本発明の金属ドープモノリシック多孔性カーボンの調製に使用される好適な金属は、限定するものではないが、元素金属、有機金属化合物、配位無機化合物、金属塩、又はこれらの任意の組み合わせを含む。好ましい金属は、Ti、Zr、V、Nb、Cr、Mo、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Zn、Si、Sn、Pb、Sb、Nb、Bi、Hf、Ba、Al、B、P、As、Li及びこれらの組み合わせを含む。例示的な遷移金属化合物には、塩化コバルト(CoCl)、塩化鉄(FeCl)、塩化ニッケル(NiCl)、塩化モリブデン(MoCl)、ヘキサクロロ白金酸水和物(HPtCl*xHO)、塩化銅(CuCl)、塩化タングステン(WCl)、塩化ジルコニア(ZrCl)、硝酸セリウム(Ce(NO)、塩化ルテニウム(RuCl)及び塩化ハフニウム(HfCl)が含まれる。
【0052】
典型的に、遷移金属化合物は、0.01重量%乃至20重量%の量、又はそれ以上の量で、前駆体中に存在する。
【0053】
第3の態様では、本発明は:ポリイミドかポリベンズイミダゾールのどちらか、又はポリイミド及びポリベンズイミダゾールの双方を具える粉末の有機前駆体を製造するステップと;3000psi乃至13000psiの範囲の圧力下で、粉末を圧密してモノリスにするステップと;不活性雰囲気の保護下で熱分解するステップと;を具える、1.0グラム/ccより小さい、又は1.0グラム/ccと等しいロッド密度を有するモノリシック多孔性カーボンディスクの製造方法を提供する。
【0054】
第4の態様では、本発明は:ポリイミドかポリベンズイミダゾールのどちらか、又はポリイミド及びポリベンズイミダゾールの双方を具える遷移金属ドープ前駆体の粉末と;3000psi乃至13000psiの範囲での圧力下で、周囲温度で、多孔性前駆体粉末を圧密したモノリスと、不活性雰囲気の保護下での熱分解と;を具える1.0グラム/ccより小さい、又は等しいロッド密度を有する、モノリシック多孔性カーボンディスク内に分散した1つ又はそれ以上の金属を有するモノリシック多孔性カーボンディスクの製造方法を提供する。
【0055】
一般的な圧密手順では、十分高い圧縮圧力及び十分な保持時間を加えて、0.4g/c乃至1.0g/c、好ましくは0.6g/cc乃至0.95g/ccの範囲のロッド密度を有するモノリスディスクを製造する前に、金型又は繊維パッド等の支持基板上に、前駆体粉末を均一に配置する。
【0056】
圧縮ディスクの熱分解は、600℃乃至3000℃、より好ましくは750℃乃至1500℃の範囲の温度で、アルゴン、窒素又は二酸化炭素等の不活性ガス雰囲気の保護下で実施する。選択的に、熱分解中に、好ましくは熱分解の後のステージで、不活性ガス雰囲気を二酸化炭素に変化させて、モノリシックカーボンディスクの孔表面を更に活性化させるようにしてもよい。加熱速度は、モノリシックカーボンの特性を最適化するために、十分に遅くするべきである。
【0057】
第5の態様では、本発明は:前駆体、カーボン、及びその他の添加剤を完全に混合するステップと;溶媒が混合物に含まれている場合に、混合物中の溶媒を除去するステップと;所望のロッド密度を有する均一組成物を製造する圧力条件下で、混合物を圧密してモノリスにするステップと;不活性雰囲気下で熱分解して、モノリシック多孔性カーボンディスクを製造するステップと;を具える、ポリイミド又はポリベンズイミダゾール粉末のどちらか、又は、ポリイミド又はポリベンズイミダゾールの双方と、繊維形状の活性化したカーボンを具える、前駆体から1.0グラム/ccより小さい、又は1.0グラム/ccと等しいロッド密度を有する多孔性カーボン−カーボン合成物を製造するプロセスを提供する。
【0058】
第6の態様では、本発明は、本発明は:本発明の有機前駆体、カーボン、及びその他の添加剤を完全に混合するステップと;混合中に溶媒が含まれている場合に、混合物中の溶媒を除去するステップと;所望のロッド密度を有する均一組成物を製造する圧力条件下で混合物を圧密してモノリスにするステップと;不活性雰囲気下で熱分解してモノリシック多孔性カーボンを製造するステップと;を具える、前記カーボンに加えて、その他の添加剤を組み込んでいる多孔性カーボン合成物の製造プロセスを提供する。
【0059】
その他の添加剤は、金属化合物、シリカ、粉末状、繊維状、ナノチューブ状、巨大なボール状又はフラーレン状、グラファイト状のカーボン、酸化金属及び金属カーバイド、市販のフェノール樹脂及び市販のポリイミド樹脂、及びこれらの混合物等の液体状か粉末状のどちらかのポリマ樹脂を含む。
【0060】
添加剤は、粉末、繊維、フレーク、液体、又は1種又はそれ以上の繊維から成る多孔性基質、膜、金属メッシュ、及びフォームの形状であり得る。
【0061】
ポリイミド前駆体、カーボン、及びその他の成分を共に混合する様々な方法がある。例えば、ポリイミド前駆体の場合、1つの混合方法は、ポリイミド粉末をカーボン、及びその他の添加剤と全体的に混合することである。別の方法は、溶媒を除去する前に、カーボン及びその他の添加剤の上にポリ(アミド酸)の粘性溶液を被覆して、次いでポリ(アミド酸)をポリイミドに変化させることである。本発明は、ポリイミド前駆体粉末を、カーボン及びその他の添加剤と単純に混合する一の態様に向けられているが、前駆体をカーボンやその他の添加剤と混合する特定の方法に限定することを意図するものではない。
【0062】
本発明のモノリシック多孔性カーボンディスクを作る方法に好適に使用される、ポリイミドかポリベンズイミダゾールのどちらか、又はポリイミド及びポリベンズイミダゾールの双方を具える有機前駆体は、イミダゾピロロン、シロキサン、シリカ、エポキシ、ビスマレイミド、ポリエーテルイミド等の合成中に、その他の成分を組み込むことができるが、好ましくは、70重量%より大きい、又は70重量%に等しいポリイミド及び/又はポリベンズイミダゾールの組成物を有する。
【0063】
本発明のポリイミド前駆体を作る方法の使用に好適に使用される好ましい芳香族テトラカルボン酸二無水和物、又はテトラカルボン酸、又はテトラカルボン酸モノマのジエステルは、以下の無水和物化合物、及びそのテトラカルボン酸誘導体、及びテトラカルボン酸のジアルキルエステルを含む:ピロメリット酸二無水物;ピロメリット酸テトラカルボン酸、ピロメリット酸テトラカルボン酸のジアルキルエステルと芳香族テトラカルボン酸二無水和物又はテトラカルボン酸又は3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノン二無水物、2,3,6,7−ナフチレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン酸二無水物、及びこれらの組み合わせを含むテトラカルボン酸のエステルを含む。
【0064】
エステルがアルキルエステルである場合、アルキル基は、好ましくは1乃至5の炭素原子を含み、より好ましくはメチル基である。
【0065】
本発明のポリイミド前駆体を作る方法に好適に使用される好ましい芳香族ジアミンモノマは、1,4−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’ジアミノ−ビフェニル、4,4’及び3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’及び3,3’−ジアミノベンゾフェノン、ベンジジン、2,6−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノナフタレン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、2,4及び2,6−ジアミノトルエン、及びこれらの誘導体(即ち:置換基を有する置換されたジアミン)を含む。上記のジアミンモノマは、単体で、又は2つ又はそれ以上のこれらの混合物として使用することができる。
【0066】
本発明のポリイミド前駆体を作る方法に好適に使用される2つより多いアミン基を有する好ましいポリアミン化合物は、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラアミン(TAB)、1,2,4,5−ベンゼンテトラアミン、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルエーテル、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルメタン、3,3’,4,4’−テトラアミノベンゾフェノン、3,3’,4−トリアミノジフェニル、3,3’,4−トリアミノジフェニルメタン、3,3’,4−トリアミノベンゾフェノン、1,2,4−トリアミノベンゼン、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラアミン四塩酸塩、1,2,4,5−ベンゼンテトラアミン四塩酸塩、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルエーテル四塩酸塩、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルメタン四塩酸塩、3,3’,4,4’−テトラアミノベンゾフェノン四塩酸塩、3,3’,4,−トリアミノジフェニル三塩酸塩、3,3’,4,−トリアミノジフェニルメタン三塩酸塩、3,3’,4,−トリアミノベンゾフェノン三塩酸塩、1,2,4−トリアミノベンゼン三塩酸塩、メラミン、2,4,6−トリアミノピリミジン(TAP)等のこれらのモノ−、ジ−、トリ−、又はテトラ−酸塩を含む。上記の化合物の酸塩は、通常、水化化合物の形態で存在する。上記の化合物のいずれも、単体で、或いは2つ又はそれ以上のこれらの混合物として使用することができる。
【0067】
また、本発明の3次元分子構造から成るポリイミド前駆体を作る方法に好適に使用される2つより多いアミン基を有する好ましいポリアミン化合物は、次の式を有するポリアミンオリゴマを含む:
【0068】

【0069】
本発明のポリイミド前駆体を作る方法に好適に使用される好ましい芳香族イソシアナートモノマは、1,3−フェニレンジイソシアナート、1,4−フェニレンジイソシアナート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナートを含む。上記の化合物のいずれも、単体で、或いは2つ又はそれ以上のこれらの混合物として使用することができる。
【0070】
本発明のポリベンズイミダゾール前駆体を作る方法に好適に使用される好ましい芳香族ジアルデヒドモノマは、イソフタルアルデヒド、テトラフタルジカルボキシアルデヒド(tetoraphtaldicarboxaldehyde)、フタル酸ジカルボキシアルデヒド(phthalic dicarboxaldehyde)、及び2,6−ナフタレンジカルボキシアルデヒド(2,6−naphthalene dicarboxaldehyde)を含む。
【0071】
本発明のポリベンズイミダゾール前駆体を作る方法に好適に使用される好ましい芳香族酸のモノマ及びジカルボン酸のエステルは、イソフタル酸の酸及びエステル、フタル酸、テレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、及び2,6−ナフタレンジカルボン酸を含む。このエステルは、アルキル又はフェニルエステルであってよい。エステルがアルキルエステルである場合、アルキル基は、好ましくは1から5の炭素原子を含み、より好ましくはメチル基である。
【0072】
本発明のポリベンズイミダゾール前駆体を作る方法に好適に使用される芳香族テトラアミンの好ましいモノマは、3,3’,4,4’−テトラアミノビフェニル(3,3’−ジアミノベンジジン);1,2,4,5−テトラアミノベンゼン;1,2,5,6−テトラアミノナフタレン;2,3,6,7−テトラアミノナフタレン;3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルメタン;3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルエタン;3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニル−2,2−プロパン;及びこれらの組み合わせを含む。
【0073】
ポリイミドかポリベンズイミダゾールのどちらか、又はポリイミド及びポリベンズイミダゾールの双方を具える前駆体の合成用の好ましい反応溶媒は、N−メチル−2−ピロリジノン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジメチルホルムアルデヒド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトン、メタノール、トルエン、クロロベンゼン、エタノール、及びこれらの混合物を含む。
【0074】
本発明のモノリシックカーボンは、電気化学的キャパシタの電極材料及び関連する電気化学的デバイスとしての使用に好適である。本発明の多孔性モノリシックカーボンは、モノリシック構造、高密度、高表面積、及び狭い孔サイズ分布の利点を提供する。
【0075】

例1 3次元分子構造を有するポリイミド前駆体の合成及びこのカーボンディスク
【0076】
開始モノマ:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラアミン(TAB)、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物(PMDA)、及び1,4−フェニレンジアミン(PPD)。
【0077】
溶媒:N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)。
【0078】
1.30グラム(0.012モル)のPPDを、フラスコ内で40mlのDMAc中に溶解させた。攪拌しながら、固体状の3.270グラム(0.015モル)のPMDAを反応系に加えた。PMDAが完全に溶解した後、0.3215グラム(0.0015モル)TABを反応系に加えた。非常に粘性のある溶液、しばしばゲル塊を形成するまで、機械的に攪拌して、周囲温度で反応を実施した。強く攪拌しながら反応の温度を徐々に150℃に上げて、沈殿した粉末状のポリイミドを生成した。50℃の真空下で溶媒を留去した。粉末を更に粉砕して、50ミクロンサイズの篩を通してろ過した。
【0079】
液圧プレスを用いて、ポリイミド粉末を鋳型に詰めて周囲温度で5000psiの圧力下で圧縮し、モノリシックディスクを製造した。800℃で3時間、窒素保護の下でモノリシックディスクを熱分解してモノリシックカーボンディスクを製造した。5mV/sの走査速度でカーボンディスクのサイクリックボルタンメトリは、物質静電容量が90F/グラムであることを示した。図1参照。
【0080】
例2 1重量%モリブデンをドープした3次元分子構造を有するポリイミドプレポリマの合成及びこのカーボンディスク
【0081】
開始モノマ及び添加剤:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラアミン(TAB)、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物(PMDA)、1,4−フェニレンジアミン(PPD)、及び塩化モリブデン(V)(MoCl5)。
【0082】
溶媒:N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)。
【0083】
1.30グラム(0.012モル)のPPDと、0.135グラムのMoCl5をフラスコ内で40mlのDMAcに溶解した。攪拌しながら、固体状の3.270グラム(0.015モル)のPMDAを反応系に加えた。PMDAが完全に溶解した後、0.3215グラム(0.0015モル)のTABを反応系に加えた。非常に粘性のある溶液、しばしばゲル塊を形成するまで、機械的に攪拌して、周囲温度で反応を実施した。強く攪拌しながら反応温度を徐々に150℃に上げて、沈殿した粉末状のポリイミド/MoCl5を生成した。50℃の真空下で溶媒を留去した。この粉末を更に粉砕して、50ミクロンサイズの篩を通してろ過した。
【0084】
ポリイミド粉末を4500psiの圧力で、周囲温度で圧密し、モノリシックディスクを製造した。モノリシックディスクを800℃で3時間、窒素保護の下で熱分解し、モノリシックカーボンディスクを製造した。5mV/sの走査速度でのカーボンディスクのサイクリックボルタンメトリは、210F/グラムの物質静電容量を示した。図2参照。
【0085】
例3 1重量%モリブデンをドープしたポリイミドプレポリマの合成及びこれからのカーボンディスク
【0086】
開始モノマ及び添加剤:1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物(PMDA)、1,4−フェニレンジアミン(PPD)、及び塩化モリブデン(V)(MoCl5)。
【0087】
溶媒:N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)。
【0088】
1.622グラム(0.015モル)のPPD及び0.135グラムのMoCl5をフラスコ内で40mlのDMAcに溶解した。攪拌しながら、固体状の3.270グラム(0.015モル)のPMDAを反応系に加えた。非常に粘性のある溶液を形成するまで、攪拌しながら周囲温度で反応を実施した。強く攪拌しながら反応温度を徐々に150℃に上げて、沈殿した粉末状のポリイミド/MoCl5沈殿物を生成した。50℃の真空下で溶媒を留去した。粉末を更に粉砕して、50ミクロンサイズの篩を通してろ過した。
【0089】
ポリイミド粉末を4500psiの圧力で、周囲温度で圧密し、モノリシックディスクを製造した。モノリスを800℃の窒素雰囲気下で2時間、二酸化炭素雰囲気下で1時間熱分解した。5mV/sの走査速度でのカーボンディスクのサイクリックボルタンメトリは、物質の静電容量が200F/グラムであることを示した。これを図3に示す。
【0090】
例4 アセトンの1(重量)%モリブデンをドープしたポリイミド前駆体の合成及びこのカーボンディスク
【0091】
開始モノマ及び添加剤:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラアミン(TAB)、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物(PMDA)、1,4−フェニレンジアミン(PPD)、及び塩化モリブデン(V)(MoCl5)。
【0092】
溶媒:アセトン
【0093】
3.270グラム(0.015モル)のPMDAを20mlのアセトンに溶解した。1.30グラム(0.012モル)のPPD、0.3215グラム(0.0015モル)のTAB、及び0.135グラムのMoCl5を別のフラスコ(separate flask)中で20mlのアセトンに溶解させた。PPD/TAB/MoCl溶液にPMDA溶液を徐々に加えて、白い沈殿物を速やかに生成した。溶媒を留去して、生成物の温度を150℃に上げて、ポリ(アミド酸)を粉末状のポリイミドに変化させた。粉末を更に粉砕し、50ミクロンサイズの篩を通してろ過した。
【0094】
ポリイミド粉末を4000psiの圧力で、周囲温度で圧密し、モノリシックディスクを製造した。モノリシックディスクを800℃で3時間、窒素保護の下で熱分解し、モノリシックカーボンディスクを製造した。5mV/sの走査速度でのカーボンディスクのサイクリックボルタンメトリは、物質の静電容量が100F/グラムであることを示した。
【0095】
例5 1重量%モリブデンをドープした3次元分子構造を有するポリイミド前駆体の合成及びこのカーボンディスク
【0096】
開始モノマ及び添加剤:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラアミン(TAB)1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物(PMDA)、1,4−フェニレンジアミン(PPD)、及び塩化モリブデン(V)(MoCl5)。
【0097】
溶媒:N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)
【0098】
1.082グラム(0.01モル)のPPD、0.218グラムのジアミノピリジン(0.002モル)及び0.135グラムのMoCl5をフラスコ内で40mlのDMAcに溶解させた。攪拌しながら、固体状の3.270グラム(0.015モル)のPMDAを反応系に加えた。PMDAが完全に溶解した後、0.3215グラム(0.0015モル)のTABを反応系に加えた。粘性のある溶液が形成されるまで、通常の攪拌をしながら、反応を周囲温度で実施した。強く攪拌しながら反応の温度を150℃に上げて、沈殿した粉末状のポリイミド/MoCl5を生成した。50℃の真空下で溶媒を留去した。粉末を更に粉砕し、50ミクロンサイズの篩を通してろ過した。
【0099】
ポリイミド粉末を4000psiの圧力で、周囲温度で圧密し、モノリシックディスクを製造した。モノリシックディスクを800℃で3時間、窒素保護の下で熱分解し、モノリシックカーボンディスクを製造した。5mV/sの走査速度でのカーボンディスクのサイクリックボルタンメトリは、物質の静電容量が100F/グラムであることを示した。
【0100】
例6 ポリイミドプレポリマの合成及びこの多孔性カーボン
【0101】
開始モノマ:1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物(PMDA)、及び1,4−フェニレンジアミン(PPD)。
【0102】
溶媒:N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)。
【0103】
1.622グラム(0.015モル)のPPDをフラスコ内で40mlのDMAcに溶解した。攪拌しながら、固体状の3.270グラム(0.015モル)のPMDAを反応系に加えた。非常に粘性のある溶液を形成するまで、攪拌しながら周囲温度で反応を実施した。強く攪拌しながら反応温度を150℃に上げて、ポリイミド沈殿を生成した。50℃の真空下で溶媒を留去した。粉末を300℃で30分間、更にアニーリングした。
【0104】
ポリイミド粉末を4500psiの圧力で、周囲温度で圧密し、モノリスを製造した。このモノリスを900℃で3時間、窒素保護の下で熱分解した。5mV/sの走査速度でのカーボンディスクのサイクリックボルタンメトリは、物質の静電容量が80F/グラムであることを示した。
【0105】
例7 スーパーキャパシタ用電極
電極に例3によって調製したカーボンを用いて、スーパーキャパシタを構成した。電極の寸法は、直径0.81’’、厚さ0.012’’であった。試作品のスーパーキャパシタは、2枚の電流コレクタプレート間に挟まれた1対のカーボン電極を具える。微小孔性セパレータを、この2枚の電極間に設置した。整流板を熱可塑性エッジシーリング材によってシールする前に、38%硫酸電解質を電極及びセパレータに含浸させた。特性の結果を表1に示す。
【0106】
表1

【0107】
例8 0.5%モリブデンをドープしたポリイミド前駆体の合成及びこの多孔性カーボン
【0108】
開始モノマ及び添加剤:1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物(PMDA)、1,4−フェニレンジアミン(PPD)、及び塩化モリブデン(V)(MoCl5)。
【0109】
溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
【0110】
3.270グラム(0.015モル)のPMDAを20mlのTHFに溶解した。1.62グラム(0.015モル)のPPD、及び0.065グラムのMoCl5を別のフラスコ内で20mlのTHFに溶解させた。PPD/MoCl5溶液にPMDA溶液を徐々に加えて、速やかに白色沈殿物を生成した。溶媒を留去した。ポリ(アミド酸)粉末を300℃で30分間、熱的にアニーリングすることによって、ポリイミドに変化させた。
【0111】
ポリイミド粉末を4500psiの圧力で、周囲温度で圧密し、モノリスを製造した。モノリスを900℃で3時間、窒素保護の下で熱分解して、モノリシックカーボンを生成した。5mV/sの走査速度でのカーボンディスクのサイクリックボルタンメトリは、物質の静電容量が150F/グラムであることを示した。
【0112】
例9a カーボン−カーボン合成物の調製及びこれの電気化学的キャパシタ電池
【0113】
ポリイミド前駆体:例6で調製したもの。
【0114】
カーボンブラック粉末:天然源由来の市販のカーボンブラック。
【0115】
活性化したカーボンファイバ:カーボンファイバを基礎としたフェノール樹脂。
【0116】
1.58グラムのカーボンブラック粉末(66%)と、0.68グラムのポリイミド粉末(28%)、及び0.14グラムのカーボンファイバ(6%)を粉砕して混合し、0.5グラムの混合物を、周囲温度で、6500psiで圧縮して、厚さ約1mm、及び直径2.5cmのモノリシックディスクを生成した。800℃で3時間、窒素保護の下で、このディスクを熱分解して多孔性カーボン−カーボンディスクを製造した。
【0117】
例3の手順によって、直径2.5cm、厚さ1.20mm、及び、重さ0.78グラムの2枚のカーボン−カーボン合成ディスクを用いて、対称な単一電池を組み立てた。この特性結果を表2に記載する。Z”対Z’プロットのインピーダンスデータを図4に示す。
【0118】
例9b カーボンブラック電極を用いる比較電気化学的キャパシタ電池の比較例
【0119】
例9aで使用したものと同じカーボンブラック粉末から直径2.5cm、厚さ1.20mm、及び、重さ0.78グラムの2枚のカーボンディスクを調製した。例3の手順によって、このディスクを用いて対称な単一電池を組み立てた。この特性結果を表2に示す。Z”対Z’プロットのインピーダンスデータを図4に示す。
【0120】
表2

【0121】
例10 0.85%のモリブデンをドープしたカーボン−カーボン合成物の調製、及びこの電気化学的キャパシタ電池
【0122】
ポリイミド前駆体:例1で調製したもの。
【0123】
カーボンブラック粉末:天然源由来の市販のカーボンブラック;
【0124】
活性化カーボンファイバ:カーボンファイバを基礎としたフェノール樹脂;
【0125】
塩化モリブデン(V)(MoCl5)。
【0126】
0.06グラムの塩化モリブデンを3.0mlのメタノールに溶解した。蒸留によってメタノールを除去する前に、2.6グラムのカーボンブラック粉末を、一晩攪拌して、Mo/メタノール溶液に浸漬させた。
【0127】
Moをドープした1.24グラムのカーボンブラック粉末(61%)、0.665グラムのポリイミド粉末(33%)、及び0.12グラムの活性化カーボンファイバ(6%)を粉砕して混ぜ合わせて、混合した。0.5グラムの混合物を、周囲温度で、6500psiで圧縮して、厚さ約1mm、直径2.5cmのモノリシックディスクを生成した。800℃の窒素保護の下で1.5時間、二酸化炭素保護下で1.5時間、このディスクを熱分解して多孔性カーボン−カーボン合成ディスクを製造した。
【0128】
例3の手順によって、直径2.5cm、厚さ1.20mm、及び、重さ0.78グラムの2枚のカーボン−カーボン合成ディスクを用いて、対称な単一電池を組み立てた。
【0129】
このように、本発明を記載した。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】図1は、5mV/secの走査速度でのC(F/グラム)対電圧を示す例1のサイクリックボルタンメトリ(CV)のグラフである。
【図2】図2は、5mV/secの走査速度でのC(F/グラム)対電圧を示す例2のサイクリックボルタンメトリ(CV)のグラフである。
【図3】図3は、5mV/secの走査速度でのC(F/グラム)対電圧を示す例3のサイクリックボルタンメトリ(CV)のグラフである。
【図4】図4は、硫酸(sulfric acid)電解質を用いた0.75Vバイアスレベルでのサンプル9a及び9bのインピーダンスデータである。黒い線は、サンプル9aのキャパシタのデータ、赤い線は、サンプル9bのキャパシタのデータである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末状のポリイミドかポリベンズイミダゾールのどちらか、又はポリイミド及びポリベンズイミダゾールの双方を具える前駆体から電極材料としてのモノリシック多孔性カーボンディスクを製造するプロセスにおいて:
ポリイミドかポリベンズイミダゾールのどちらか、又はポリイミド及びポリベンズイミダゾールの双方を具える前駆体粉末を調製するステップと;
前記前駆体粉末を、圧力下で圧密してモノリスにするステップと;
不活性雰囲気又は二酸化炭素雰囲気中で前記モノリスを熱分解して、モノリシック多孔性カーボンディスクを形成するステップと;
を具えることを特徴とする製造プロセス。
【請求項2】
請求項1に記載のプロセスにおいて、前記前駆体粉末又はモノリシックディスクの調製に使用するいずれかのステップ中に、金属化合物を前記前駆体に加えることを特徴とするプロセス。
【請求項3】
請求項1に記載のプロセスにおいて、前記前駆体が、溶媒の存在下に粉末沈殿物として調製されることを特徴とするプロセス。
【請求項4】
請求項1に記載のプロセスにおいて、圧密してディスクにするための前記前駆体粉末が、1μm乃至200μmの範囲の平均粒径を有することを特徴とするプロセス。
【請求項5】
請求項1に記載のプロセスにおいて、圧密してディスクにする前の前記前駆体粉末を、150℃乃至500℃の範囲の温度でアニーリングすることを特徴とするプロセス。
【請求項6】
請求項1に記載のプロセスにおいて、プレポリマ粉末を、3000psiから13000psiの範囲の圧力下で圧密することを特徴とするプロセス。
【請求項7】
請求項1に記載のプロセスにおいて、前記モノリシックカーボンディスクが、0.4グラム/cc乃至1.2グラム/ccの範囲の密度、及び300m/グラムの、又は300m/グラムより大きい表面積を有することを特徴とするプロセス。
【請求項8】
請求項2に記載のプロセスにおいて、前記金属化合物が、Ti、Zr、V、Nb、Cr、Mo、Mn、Fe、Ru、Co、Ni、Pd、Cu、Ag、Zn、Pb、Hf、W、Ba、Al、Pt、Si、P、Rh、Sb、Sn、Bi、Li及びこれらの組み合わせから成る群より選択された金属を含むことを特徴とするプロセス。
【請求項9】
請求項2に記載のプロセスにおいて、前記プレポリマへ金属化合物を加えて、前記前駆体反応系を有する前記金属化合物の正確な分子溶液を形成することを特徴とするプロセス。
【請求項10】
請求項2に記載のプロセスにおいて、前記プレポリマへの金属化合物の付加が、粉末状か圧密したディスクのいずれかの形の乾燥プレポリマに金属化合物溶液を加え、次いで前記プレポリマから前記溶媒を除去することによって行われることを特徴とするプロセス。
【請求項11】
請求項2に記載のプロセスにおいて、前記カーボン中の金属の重量パーセントが、0.01%から20%であることを特徴とするプロセス。
【請求項12】
請求項1に記載のプロセスにおいて、芳香族ジアミンモノマを用いて、前記前駆体のポリイミドセグメントを形成し、これが1,4−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’ジアミノ−ビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ベンジジン、2,6−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノピリジン、及びこれらの誘導体、又はこれらの組み合わせから選択されることを特徴とするプロセス。
【請求項13】
請求項1に記載のプロセスにおいて、芳香族二無水物モノマを用いて、前記前駆体のポリイミドセグメントを形成し、これが、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフチレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、及びこれらの組み合わせから選択されることを特徴とするプロセス。
【請求項14】
請求項1に記載のプロセスにおいて、前記前駆体のポリイミドセグメントを形成するために使用される芳香族テトラカルボン酸のエステル及び酸のモノマが、ピロメリットテトラカルボン酸(pyrometallitic tetracarboxylic acids)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,3,6,7ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、及びこれらの組み合わせであって、1乃至5つの原子を含むアルキル基を有するアルキル又はフェニルエステルを含む芳香族テトラカルボン酸のエステル及び酸のモノマから選択されることを特徴とするプロセス。
【請求項15】
請求項1に記載のプロセスにおいて、2より多いアミン官能基を有するポリアミン化合物を用いて、前記前駆体のポリイミドセグメントを形成し、これが、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラアミン(TAB)、1,2,4,5−ベンゼンテトラアミン、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルエーテル、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルメタン、3,3’,4,4’−テトラアミノベンゾフェノン、3,3’,4−トリアミノジフェニル、3,3’,4−トリアミノジフェニルメタン、3,3’,4−トリアミノベンゾフェノン、1,2,4−トリアミノベンゼン、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラアミンテトラ塩酸塩、1,2,4,5−ベンゼンテトラアミンテトラ塩酸塩、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルエーテルテトラ塩酸塩、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルメタンテトラ塩酸塩、3,3’,4,4’−テトラアミノベンゾフェノンテトラ塩酸塩、3,3’,4−トリアミノジフェニルトリ塩酸塩、3,3’,4−トリアミノジフェニルメタントリ塩酸塩、3,3’,4−トリアミノベンゾフェノントリ塩酸塩、1,2,4−トリアミノベンゼントリ塩酸塩、メラミン、2,4,6−トリアミノピリミジン(TAP)等のモノ−、ジ−、トリ−、テトラ−酸塩、又は式:


を有するポリアミンオリゴマから選択されることを特徴とするプロセス。
【請求項16】
請求項1に記載のプロセスにおいて、芳香族イソシアナートモノマを用いて、前記前駆体のポリイミドセグメントを形成し、これが、1,3−フェニレンジイソシアナート、1,4−フェニレンジイソシアナート、及び4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナートから選択されることを特徴とするプロセス。
【請求項17】
請求項1に記載のプロセスにおいて、芳香族ジカルボン酸のエステル又は酸のモノマを用いて、前記前駆体のポリイミドセグメントを形成し、これが、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、1,4ナフタレンジカルボン酸、又は2,6−ナフタレンジカルボン酸から選択されることを特徴とするプロセス。
【請求項18】
請求項1に記載のプロセスにおいて、芳香族ジアルデヒドモノマを用いて、前記前駆体のポリベンズイミダゾールセグメントを形成し、これが、イソフタルアルデヒド、テレフタルジカルボキシアルデヒド、フタル酸ジカルボキシアルデヒド、及び2,6−ナフタレンジカルボキシアルデヒド、及びこれらの組み合わせから選択されることを特徴とするプロセス。
【請求項19】
請求項1に記載のプロセスにおいて、芳香族テトラアミンモノマを用いて、前記前駆体のポリイミダゾールセグメントを形成し、これが、3,3’,4,4’−テトラアミノビフェニル(3,3’−ジアミノベンジジン);1,2,4,5−テトラアミノベンゼン;1,2,5,6−テトラアミノナフタレン;2,3,6,7−テトラアミノナフタレン;3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルメタン;3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルエタン;3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニル−2,2−プロパン;及びこれらの組み合わせから選択されることを特徴とするプロセス。
【請求項20】
請求項3に記載のプロセスにおいて、前記有機溶媒が、N−メチル−2−ピロリジノン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジメチルホルムアルデヒド(DMF)、ジオキサン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、クロロベンゼン、アセトン、メタノール、及びテトラヒドロフラン(THF)、トルエン、ベンゼン、エタノール、2−プロパノール、及びこれらの混合物から選択されることを特徴とするプロセス。
【請求項21】
請求項1に記載のプロセスにおいて、前記ポリイミド及びポリベンズイミダゾールが、式:


ここで、A1及びA4は、
二官能性フェニル、二官能性ビフェニル、選択的に置換されたアリール、選択的に置換されたアルキレン、選択的に置換されたヘテロアリール、又はこれらの組み合わせ;を表し、
A2及びA5は、
三官能性フェニル、ビフェニル、選択的に置換された三官能性アリール基、又は選択的に置換された二官能性ヘテロアリール基;を表し、
A3は、
2より大きい又は2と等しい官能基を有する多官能性フェニル、2より大きい又は2と等しい官能基を有する多官能性ビフェニル、2より大きい又は2と等しい官能基を有する選択的に置換された多官能性アリール、2より大きい又は2と等しい官能基を有する選択的に置換された多官能性アルキレン、2より大きい又は2と等しい官能基を有する選択的に置換された多官能性ヘテロアリール、又はこれらの組み合わせ;を表し、
n1、n2、n3は、1より大きいか、又は1に等しく;(y+2)は、2より大きいか、又は2に等しい、
の構造を有することを特徴とするプロセス。
【請求項22】
請求項1に記載のプロセスにおいて、前記プロセスが、更に、前記モノリシック多孔性カーボンディスク合成物を生成するための前記圧密プロセス中に、固体状の強化材料又はその他の添加剤を、前記前駆体粉末に組み込むステップを具えることを特徴とするプロセス。
【請求項23】
請求項22に記載のプロセスにおいて、前記強化材料又はその他の添加剤が、1種又はそれ以上の種類の有機ポリマ繊維又は無機ポリマ繊維又は金属繊維、シリカ、炭素布、カーボン紙、カーボンナノチューブ、金属繊維又は粒子、ポリマミクロンビード、微結晶性無機及び有機化合物、シリカ粉末、無機充填剤、液体ポリマ樹脂、又は粒子から成る不織布状か織布状の強化繊維パッドを含むことを特徴とするプロセス。
【請求項24】
請求項1に記載のプロセスにおいて、前記プロセスが、更に、前記前駆体粉末にカーボンを加えてモノリシック多孔性カーボン−カーボン合成ディスクを形成するステップを具えることを特徴とするプロセス。
【請求項25】
請求項24に記載のプロセスにおいて、熱分解前のカーボン−カーボン合成物の組成が、5から90%の範囲であることを特徴とするプロセス。
【請求項26】
請求項25に記載のプロセスにおいて、前記カーボンが、活性カーボン粉末及び活性カーボン繊維であることを特徴とするプロセス。
【請求項27】
請求項1に記載の方法によって作成されたモノリシック多孔性カーボンディスク。
【請求項28】
請求項24に記載の方法によって作成されたモノリシック多孔性カーボン−カーボン合成物。
【請求項29】
少なくとも1つの電池を具える電気化学的デバイスであって、前記電池が:
2つの導電性電極と;
前記2つの電極間に配置された多孔性非導電性セパレータと、前記電極とセパレータの間隙を占める電解質と、を具え、
前記電極の少なくとも1つが、請求項1に記載のモノリシック多孔性カーボン又は多孔性カーボン合成物を具えることを特徴とする電気化学的デバイス。
【請求項30】
請求項29に記載のデバイスにおいて、前記電池が、キャパシタ、スーパーキャパシタ、電気化学的−電解質ハイブリッドキャパシタ、ハイブリッドバッテリ/スーパーキャパシタシステム、リチウムバッテリ、燃料電池、及びその他のタイプのバッテリを含むことを特徴とするデバイス。
【請求項31】
少なくとも1つの電池を具える電気化学的デバイスにおいて、前記電池が:
2つの導電性電極と;
2つの電極間に配置された多孔性非導電性セパレータと、前記電極とセパレータの間隙を占める電解質と、を具え、
前記電極の少なくとも1つが、請求項24に記載のモノリシック多孔性カーボン又は多孔性カーボン合成物を具えることを特徴とする電気化学的デバイス。
【請求項32】
請求項31に記載のデバイスにおいて、前記電池が、キャパシタ、スーパーキャパシタ、電気化学的−電解質ハイブリッドキャパシタ、ハイブリッドバッテリ/スーパーキャパシタシステム、リチウムバッテリ、燃料電池、及びその他のタイプのバッテリを含むことを特徴とするデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−509876(P2008−509876A)
【公表日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−527902(P2007−527902)
【出願日】平成17年8月12日(2005.8.12)
【国際出願番号】PCT/US2005/028890
【国際公開番号】WO2006/023419
【国際公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(507048776)
【Fターム(参考)】