説明

蒸気冷却直接燃焼式石炭ガスタービン

【課題】蒸気冷却を利用する産業用ガスタービンを提供すること。
【解決手段】ガスタービン14は、炭化水素燃料入力を燃焼するように構成され、約2200°Fを超えるタービン入口温度を有するタービン入口13に高温ガス出力12を供給する燃焼器10を含み、高温ガス出力がまた、炭化水素燃料入力の0.1重量%以上の灰量を含む。タービンはまた、高温ガス出力を受けるように構成され、複数の円周方向に離間したベーンと、ベーン側壁内に配置され且つ冷却剤として蒸気を循環させるように構成されたベーン冷却回路とを含む固定ノズル36を含む。タービンはまた、ノズルから出る高温ガス出力を受けるように構成された回転ロータ16を含み、該ノズルが、複数のバケット28と、バケット側壁及びシャンク内に配置され且つバケット28の冷却剤として蒸気27を循環させるように構成されたバケット冷却回路39とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体的に産業用ガスタービンに関し、より詳細には蒸気冷却を利用する産業用ガスタービンに関する。
【背景技術】
【0002】
最近の石炭発電は、外燃式の発電プラントによるその効率が限られている。熱伝導面に使用される材料の最大温度は、カルノー効率に制限を設ける。実現される効率を向上させるためには、石炭で利用可能なエネルギーの全てがガスタービンの燃焼に至る必要がある。従って、種々の石炭シンガスの生成は、ガス自体の形成に伴うエネルギー損失があるので、一般的には望ましくない。石炭発電の効率を向上させるために、ガスタービンの内燃機関において石炭を直接燃焼させることが望ましい。燃焼器内での石炭の直接燃焼は、天然ガス或いは種々の石炭ベース又は他のシンガスなどのガス燃料の燃焼に比べ、燃焼器出口の燃焼ガス出力においてかなり多くのパーティクル(燃焼灰など)を生成する。天然ガス或いは種々の石炭ベース又は他のシンガスは、一般に、ガス燃料入力の0.1重量%よりも少ない灰含有量を有する。石炭燃焼ガスタービンの燃焼出口における燃焼生成ガスの灰含有量がより多いことに起因して、これらのタービンは、タービンノズル及びタービンロータバケットを含むタービン翼形部におけるフィルム冷却孔、特に、燃焼ガスストリームに面する翼形部の前縁上又はその近傍に位置するフィルム冷却孔の過度な閉塞を示す。
【0003】
このため、産業用ガスタービンに対する石炭の直接燃焼は、これまでは極めて限定されたものであった。この限定は、石炭の直接燃焼を最大燃焼温度が約2,000°F以下、及び燃焼出口温度が約2,200°F以下のタービンでの開発上又は実験上の使用に制限している。従って、石炭を用いた産業用ガスタービンの燃焼は、燃焼温度に課せられる制限により、タービンが所望の効率レベルを達成することができず、一般には複合サイクル効率が50%未満に制限され、一般には効率が約42%に制限されるので商業的成功が収められなかった。石炭に加えて、精製残渣(例えば、タール類、アスファルト、コークス、ワックス、及び同様のもの)、バイオマス燃料源、及び上述のようなより高い灰含有量を生成するなど、他の可能性のある燃料の直接燃焼についてもまた、これらのパーティキュレートエミッションがフィルム冷却孔の閉塞を引き起こすことが予想され、よって望ましくないタービン効率形態に相当する燃焼温度にこれらの使用を限定することになる同じ理由から推進されてこなかった。
【0004】
石炭、精製残渣、及びバイオマス燃料などの炭化水素燃料を使用することが困難である理由から、ガスタービンは、現在は、燃焼器内で燃焼されてタービンセクションに配向され、燃料入力の燃焼ガス中0.1重量%未満の灰含有量を生じる出力を発生する前に、燃料を清浄化及び精製する一連のプロセスを通過した燃料によって直接駆動される。しかしながら、これらの燃料を生成するのに必要な清浄化及び精製は、これに伴う固有の望ましくないコスト及び効率上の不利益がある。
【0005】
従って、産業用ガスタービンを直接燃焼し、且つ50%を上回る効率を達成するような高い灰含有量を生成する石炭及び他の炭化水素燃料を使用することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6517312号明細書
【特許文献2】米国特許第6397604号明細書
【特許文献3】米国特許第6957949号明細書
【発明の概要】
【0007】
本発明の1つの態様によれば、直接燃焼石炭ガスタービンが提供される。ガスタービンは、炭化水素燃料入力を燃焼するように構成され、約2200°Fを超える温度を有するタービン入口に燃焼生成高温ガス出力をもたらすよう構成された燃焼器を含む。高温ガス出力は、炭化水素燃料入力の0.1重量%以上の灰量を含む。ガスタービンはまた、タービン入口を含み、高温ガス出力を受けるように構成された固定ノズルを含む。ノズルは、外側バンド、内側バンド、及びこれらの間に延びる複数の円周方向に離間したベーンを含む。ベーンが各々、前縁及び後縁を有する翼形部分と、前縁及び後縁間に延びる正圧側壁及び負圧側壁と、側壁内に配置され、ノズル冷却回路からベーンの冷却剤として蒸気を循環させるように構成されたベーン冷却回路とを含む。タービンはまた、ノズルに近接し、ノズルから出る高温ガス出力を受けるように構成された回転ロータを含む。ロータは、中央ロータディスクと、その上に配置され、外向きに延び且つ円周方向に離間した複数のバケットとを備える。バケットが各々、ディスクに取り外し可能に取り付けられたシャンク部分と、前縁及び後縁を有する翼形部分と、前縁及び後縁間に延びる正圧側壁及び負圧側壁と、側壁及びシャンク内に配置され、ロータ冷却回路からバケットの冷却剤として蒸気を循環するように構成されたバケット冷却回路とを有する。ロータは、高温ガス出力を受け取ったときに回転して、タービン出力サイクルの一部としてパワーを供給するよう構成される。
【0008】
本発明の別の態様によれば、石炭又は他の高灰含有量の炭化水素燃料を直接燃焼することによってガスタービンを運転する方法が提供される。本方法は、炭化水素燃料入力を燃焼器に供給する段階を含む。本方法はまた、燃焼器において炭化水素燃料入力を燃焼させて、炭化水素燃料入力の0.1重量%以上の灰量を含む高温ガス出力を約2200°Fを超える温度を有するタービン入口に供給する段階を含む。本方法はまた、タービン入口を含む固定ノズルに高温ガス出力を供給する段階を含み、該ノズルは、外側バンド、内側バンド、及びこれらの間に延びる複数の円周方向に離間したベーンを備える。ベーンは各々、前縁及び後縁を有する翼形部分と、前縁及び後縁間に延びる正圧側壁及び負圧側壁と、側壁内に配置されたベーン冷却回路とを含む。本方法はまた、ノズル冷却回路からベーン冷却回路を通って冷却剤として蒸気を循環させることによってベーンを冷却する段階を含む。本方法はまた、ノズルから出る高温ガス出力をノズルに近接した回転ロータに供給する段階を含む。ロータは、中央ロータディスクと、その上に配置され、外向きに延び且つ円周方向に離間した複数のバケットとを含む。バケットは各々、ディスクに取り外し可能に取り付けられたシャンク部分と、前縁及び後縁を有する翼形部分と、前縁及び後縁間に延びる正圧側壁及び負圧側壁と、側壁及びシャンク内に配置されたバケット冷却回路とを含む。ロータは、高温ガス出力を受け取ったときに回転して、タービン出力サイクルの一部としてパワーを供給するよう構成される。本方法はまた、ロータ冷却回路からバケット冷却回路を通して冷却剤として蒸気を循環することによりバケットを冷却する段階を含む。
【0009】
本発明の更に別の態様によれば、ガスタービンは、炭化水素燃料入力を燃焼するように構成され、高温ガス出力をタービン入口に供給し、約2200°Fを超えるタービン入口温度をもたらすように構成された燃焼器を含む。高温ガス出力は、炭化水素燃料入力の0.1重量%以上の灰量を含む。タービンはまた、タービン入口を含み、高温ガス出力を受けるように構成され、更にノズル冷却回路から冷却剤として蒸気を循環させるように構成された固定ノズルを含む。タービンはまた、ノズルに近接し、ノズルから出る高温ガス出力を受けるように構成された回転ロータを含む。ロータはまた、ロータ冷却回路から冷却剤として蒸気を循環するように構成される。ロータはまた、高温ガス出力を受け取ったときに回転して、タービン出力サイクルの一部としてパワーを供給するよう構成される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本明細書開示されるガスタービンのタービンセクションの断面図。
【図2】本明細書で開示される固定ノズルの拡大断面図。
【図3】固定ノズルの斜視図。
【図4】本明細書で開示されるバケットの拡大断面図。
【図5】図3の線2−2に沿った断面図。
【図6】図5の拡大詳細図。
【図7】本発明によるタービュレータプロファイルの部分断面図。
【図8】冷却剤入口及び出口を示す、図1に示したバケットの下側部分の部分側面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、本明細書と共に請求項において具体的に指摘され、明確に特許請求される。本発明の上記及び他の特徴並びに利点は、添付図面を参照しながら以下の詳細な説明から明らかである。この詳細な説明は、例証として図面を参照し、利点及び特徴と共に本発明の例示的な実施形態を説明している。
【0012】
例示的な実施形態は、好ましくは石炭、精製残渣、又は種々のバイオマス燃料などの炭化水素燃料により燃焼され、高温ガス成分の冷却に閉回路蒸気冷却路を利用する複合サイクルガスタービンを対象とする。冷却媒体としての蒸気は、熱容量が高い理由から空気よりも優れた利点を有することが認められている。閉回路において冷却媒体として蒸気を適用することは、蒸気を冷却剤として使用することに伴う種々のタービン段での燃焼ガスストリームの温度損失が、ベーン、バケット、又は他のタービン構成部品のフィルム冷却を含む冷却のために圧縮機抽気を使用する結果として生じる損失ほどは大きくない点で、蒸気の方がより効率的であるので有利となる。産業ベースのガスタービン、特に複合サイクルシステムを利用するものにおいては、ガスタービン構成部品を冷却するときに蒸気に与える熱エネルギーが、複合サイクル運転での蒸気タービンを駆動する際に有効な仕事として回収されるので、蒸気冷却は特に有利である。加えて、石炭などの炭化水素燃料の燃焼時には、炭化水素燃料入力の0.1重量%以上の灰含有量を含む燃焼生成高温ガス出力含有物は、高温ガス構成部品の前縁に位置するフィルム冷却孔を塞ぐ可能性がある。従って、高温ガス構成部品の前縁上にはフィルム冷却孔がないことが望ましい。これは、蒸気冷却を利用することで達成することができる。
【0013】
石炭の組成は広範囲にわたる。その組成は主に、水素並びに相当な量の窒素及び酸素を含む極めて複雑な層状構造で互いに結合された6つの炭素原子の環から構成される。石炭は、その発熱量に応じて、及び元素炭素の相対含量に応じて分類される。例えば、無煙炭は、石炭の全形態のうちで最も高い割合の純炭素を含み(約86%〜98%)、最も高い発熱量(13,500〜15,600Btu/lb(ポンド当たりの英国熱量単位))を有する。瀝青炭は一般に、純炭素のより低い濃度(46%から86%)で、より低い発熱量(8,300〜15,600Btu/lb)を有する。瀝青炭は、その発熱量に基づいて更に細かく分けられることが多く、すなわち低、中、及び高の揮発性瀝青及び亜瀝青に分類される。発熱量の点で純粋石炭が最も少ない亜炭(5,500〜8,300Btu/lb)は、一般に約46%〜60%の純炭素を含む。石炭の全ての形態は、硫黄及び窒素のような生体に存在する他の元素を含む。
【0014】
ボトムアッシュ(主灰)及びフライアッシュ(飛灰)を含むアッシュ(灰)は、石炭の燃焼中に生成される残渣の1つである。フライアッシュ材料は、排気ガス中に懸濁している間に凝固する。フライアッシュパーティクルは、一般に球形であり、サイズが0.5μm〜100μmの範囲である。これらは、ほとんどが、丸みがあり平滑な非晶質と鋭く尖った有害な結晶質の2つの形態で存在する二酸化ケイ素(SiO2)、アルミナ(Al23)、及び酸化鉄(Fe23)からなる。フライアッシュは、一般に、高度に異種の成分からなり、石英、ムライト、種々の酸化鉄類のような様々な特定可能な結晶層とガラス質粒子との混合物からなる。フライアッシュはまた、酸化カルシウム(CaO)又は石灰などの他の化合物を含むことができる。フライアッシュの2つの種類は、ASTMC618、クラスFフライアッシュとクラスCフライアッシュとによって定義される。これらの種類の間の重要な相違点は、灰内のカルシウム、シリカ、アルミナ、及び鉄の含有量である。フライアッシュの化学的特性は、燃焼した石炭の化学的含有物(すなわち、無煙炭、瀝青炭、及び亜炭)により大きく影響される。石炭の燃焼からの灰残渣は、入力燃料材料として燃焼された石炭の約5〜約25重量%又はそれ以上の範囲にわたることができる。灰含有量は、燃焼した石炭のタイプによって、並びに灰含有量を低減するために燃焼前に石炭が処理されたか否かに基づいて大きく変わることができる。燃焼前に石炭を「清浄」し、これにより灰含有量を低減するために、種々の既知の処理を適用することができる。何れの場合においても、利用することができる清浄化プロセスに関係なく、石炭の灰含有量は、天然ガス及び種々のシンガスのような、従来のガスタービン燃料で見られる灰含有量(灰含有量が燃料入力の0.1重量%未満である)よりも遙かに多い。同様に、コークス、タール、種々のワックス、及びアスファルト並びに種々のバイオマスを含む精製残渣のような他の炭化水素燃料の直接燃焼はまた、ガスタービンにおける直接燃焼に使用される従来の炭化水素燃料よりも有意に高い灰含有物を生成することが見込まれることになる。
【0015】
本発明の例示的な実施形態において、タービン燃焼器10は、加圧出口空気をそこから受け取るために圧縮機出口(図示せず)と流体連通して配置された入口11を有する。好適な燃料供給部、導管、及び燃料噴射器を含む従来の燃料供給手段は、石炭、精製残渣、又はバイオマスのような好適な燃料を加圧空気と混合するために設けられ、燃焼器10内で燃焼を受けて、燃焼生成高温ガス出力12を生成する。石炭の場合には、石炭は、微粉炭形態又は水性スラリー状で供給することができる。例示的な実施形態において、燃焼器10は、前述の炭化水素燃料(好ましくは石炭)の1つを燃焼させるように構成された炭化水素燃料燃焼器であり、円周方向に隣接する複数のバーナー缶を含み、その各々が燃焼器入口11(図示せず)に1以上のプレミキサを含み、燃料及び空気を予混合して燃料を予め処理した後に燃焼器10に導入するようにし、ここで燃焼器は、比較的高効率の高温で燃焼されて、比較的低い炭化水素エミッションを生成する。比較的低炭化水素のエミッションにもかかわらず、燃焼生成高温ガス出力は、本明細書で説明された理由により、燃料入力の0.1重量%又はそれ以上である灰含有物を有することが見込まれることになる。ガスタービン14の性能効率は、主に、燃焼器10燃焼温度によって決まり、この燃焼温度は、燃焼生成高温ガスが第1段タービンバケットに入る直前の第1段タービンノズルの後縁における該高温ガスの温度である。この場所での温度は、高温ガス出力からパワーが生成されるタービン内の最初の場所であることから、タービン効率を検討することに関しての基準として燃焼温度が使用されることが多い。蒸気冷却は、結果としてノズルの両端での温度低下を比較的小さくするので、本明細書ではタービン入口温度について説明されており、この入口温度は、燃焼器出口及び第1段ノズル入口での温度であり、それぞれのノズル段及び関連するベーンが生じる最高温度である。複合サイクル用途では、燃焼温度が上昇すると熱効率が高くなり、これにより限界がカルノー効率に設定されることになる。熱効率はタービン運転燃料コストに直接影響を及ぼすので、熱効率が高くなることは重要である。本発明の例示的な実施形態において、燃焼生成高温ガス出力12は、2200°Fを超えたタービン入口温度を与えるが、高温出力はまた、炭化水素燃料入力の0.1重量%又はそれ以上の灰量を含み、より詳細には、炭化水素燃料入力の5重量%よりも多くの灰含有量を含み、更に詳細には、炭化水素燃料入力の5〜25重量%の範囲の量を含む。本明細書で説明される蒸気冷却を使用すると、タービン入口での温度は、上述の灰量で2600°Fを上回り、ガスタービンに対してより高いサイクル効率を達成することができ、より好ましくは、上述の灰量で2800°Fを上回り、ガスタービンの更に高いサイクル効率を達成することができる。最高タービン入口温度、すなわち2600°Fを超える温度では、約60%の複合サイクル効率を達成できることが分かっている。
【0016】
図1を参照すると、ガスタービン14の回転ロータ組立体16は、タービン燃焼器10の下流側にあり、4つの連続する段を備えるロータRを含み、該4つの連続する段は、高温ガス出力を受けたときに回転するように構成された回転ロータ組立体16に取り付けられ、その一部を形成する第1段ロータディスク20、第2段ロータディスク22、第3段ロータディスク24、及び第4段ロータディスク26を含み、タービン出力サイクルの一部としてパワーを供給する。各ディスクは、円周方向に離間して配置され、それぞれ中央のロータディスク20、22、24及び26に沿って外向きに延びた、第1段バケット28、第2段バケット30、第3段バケット32、及び第4段バケットを含む複数のバケットを保持する。バケットは、タービン16の燃焼生成高温ガス出力12に外向きに延びる。バケットは、第1段ノズル36、第2段ノズル38、第3段ノズル40、及び第4段ノズル42を含む固定ノズルの間に交互に配列される。ノズル36、38、40、及び42の各々は、本明細書で更に詳細に説明するように、それぞれ内側バンド及び外側バンドと、これらの間に延びる複数の円周方向に離間して配置されたノズルベーンとを有し、該ノズルベーンは、第1段ベーン29、第2段ベーン31、第3段ベーン33、及び第4段ベーン35を含む。或いは、タービンディスク20、22、24、及び26の間に前方から後方までスペーサ44、46、48、及び50があり、各々、それぞれのノズル36、38、40、及び42の半径方向内向きに配置されている。その結果として、4段タービン14は、第1段がノズル36及びロータディスク20を有し、第2段がノズル38及びロータディスク22を有し、第3段がノズル40及びロータディスク24を有し、最後に第4段がノズル42及びロータディスク26を有するように図示されていることは理解されるであろう。ディスク20、22、24、及び26とスペーサ44、46、48及び50は、従来のガスタービン構成と同様に、複数の円周方向に離間して軸方向に延びるボルト51によって互いに固定されている点は理解されるであろう。本発明の限定ではない例示的な実施形態において、産業ガスタービンは、GE製Hシリーズ産業用ガスタービンである。第1段ノズル36及びロータディスク20について更に詳細に説明する。その理由として、本発明の例示的な実施形態と共に、これがタービンの最も高温の段であるためである。しかしながら、当業者には容易に理解されるように、タービンのこの段の詳細な説明は、他のタービン段にも同様に適用することができる。
【0017】
本発明の例示的な実施形態では、蒸気27を含むガスタービン冷却媒体は、中圧過熱器(図示せず)及び高圧蒸気タービン排気(図示せず)ノズル冷却回路からベーン冷却回路37及びロータ冷却回路39に供給される。図1を参照すると、ボア管組立体52は、環状蒸気冷却供給通路58と使用済み蒸気戻り通路60とを画成する、外側及び内側管体54、56をそれぞれ含む。供給及び戻り通路58、60はそれぞれ、ロータの外側リムとの間で半径方向導管供給部62及び半径方向戻り部64並びに軸方向戻り導管66のような軸方向に延びる導管を通して蒸気を連通させ、これらは、ロータディスク20及びバケット28並びにノズル36及びベーン29に冷却蒸気を供給するためにロータの周りに円周方向に離間して配置されている。戻り又は使用済み冷却蒸気は、軸方向に延びる戻り導管66及び半径方向に延びる戻り導管64を通って流れ、戻り通路60を介してロータボアから同時に流れる。
【0018】
本発明の例示的な実施形態において、図1、2、及び3を参照すると、タービン入口13を有し、燃焼生成高温ガス出力12を受けるように構成された固定ノズル36が設けられている。ノズル36は、広範囲に変化する外側バンド68、内側バンド70、及びこれらの間に延びる複数の円周方向に離間したベーン29を備え、ベーン29は各々、ベーン冷却回路37を含む。外側及び内側バンド68、70はそれぞれ、複数のベーン29に固定される。外側及び内側バンド68、70それぞれ並びにベーン31はセグメントで設けられ、該セグメントは、タービン14の軸線A(図1を参照)の周りに環状アレイで配置されることは理解されるであろう。外側及び内側バンド68、70それぞれの間にあり且つベーン29を収容するスペースは、ガスタービン14を貫通する高温ガス出力12用のガス流通路を画成する。
【0019】
外側バンド68は、高温ガス出力12を部分的に画成する外側バンド壁74と、第1の前方及び後方カバー78、80から形成される第1のカバー76とを含む。内側バンド70は、高温ガス出力12のための通路を部分的に画成する内側壁82と、第2の内側カバー84とを含む。ベーン29は、外側及び内側バンド68、70間にそれぞれ延びて、蛇行キャビティに分割され、ここでキャビティは、第1、第2、第3、第4、及び第5のキャビティ86、88、90、92、及び94をそれぞれ含む。キャビティは、内部リブ100、102、104、及び106毎にベーン29の前縁96から後縁98に順に配列される。図3に示すように、外側チャンバ108は、第1及び第2のキャビティ86、88それぞれの上から覆って閉鎖し、別のベーンカバー(図示せず)がキャビティ92を上から覆う。ベーン29は、前縁96及び後縁98間にそれぞれ延びる正圧及び負圧側壁109、111それぞれを含み、ベーン冷却回路37は、側壁109及び111内に配置されて、冷却剤として蒸気27が循環するように構成されたキャビティ86、88、90、92を備える。
【0020】
図2及び3を参照すると、冷却媒体としての蒸気27は、前方カバー78の蒸気入口ポート107を通って外側バンド68の外側チャンバ108内に流れる。蒸気は、必然的に第1の衝突プレート110の第1の衝突開口を貫流し、外側バンド68の外側壁74を衝突冷却する。使用済み衝突冷却蒸気は、第1、第2、及び第4のキャビティ86、88、及び92それぞれの横方向開口112、114、及び116を通って流れる。キャビティは、カバープレートにより上端で閉鎖されるので、蒸気は、インサート118及び120内で半径方向内向きに流れる。第1及び第2のキャビティ86、88それぞれにおいて、蒸気は、インサートの壁内の衝突冷却孔を通って外向きに流れ、ベーン29の位置合わせ側壁109及び111を衝突冷却する。第1及び第2のキャビティ86、88それぞれからの使用済み冷却蒸気は、ガイド125及び127を通って内側チャンバ122に延びた内側バンド70に半径方向内向きに流れる。横方向開口116からの蒸気は、半径方向内向き方向に第4のキャビティ92を通り、ベーン29及び正圧側壁109及び負圧側壁111を対流冷却してチャンバ122に流れる。キャビティ86、88、及び92から内側チャンバ122内の蒸気は、第2の衝突プレート123の衝突開口を通って内側バンド70の内側チャンバ124に流れる。使用済み冷却蒸気は、第3のキャビティインサート126の半径方向内側端部と連通し、インサート126に沿って半径方向外向きに流れるようになる。戻り蒸気はまた、インサート126の衝突開口を通って流れ、第3のキャビティ90に隣接するベーン72の対向する側壁を衝突冷却する。次いで、使用済み蒸気は、後方カバー80の蒸気出口ポート129を通ってセグメントから流出する。同時に、圧縮機吐出空気が、第5のキャビティ94に流れ、これに沿って半径方向内向きに流れて後縁98を冷却する。使用済み冷却空気は、内側バンド70を通ってロータのディスクスペース内に吐出される。蒸気によって冷却されないあらゆる部分には、一般には空気冷却の形態を組み込む。ノズル蒸気冷却回路及び関連するベーンの蒸気冷却回路は、閉ループ回路であるのが好ましい。ガスタービンの効率を高めるために、これら蒸気冷却回路はまた、蒸気タービンにも組み込むことができ、ここで蒸気タービン及びガスタービンは、複合サイクルシステムを含む。第2段、第3段、及び第4段ノズルの全て又は一部はまた、同様に閉ループ蒸気冷却を組み込むことができる。蒸気によって冷却されないタービン段の何れかのノズル又はベーンのあらゆる部分は、一般に空気冷却の形態を組み込むことになる。代替の実施形態において、第1段ベーンは、蒸気冷却と空気冷却の両方を組み込むことができる。
【0021】
本発明の代替の例示的な実施形態において、第2段、第3段、及び第4段ノズル38、40、及び42はそれぞれ、圧縮機吐出空気により空気冷却を組み込むことができる。第2段、第3段、及び第4段ノズルはまた、別の実施形態では、開ループ空気冷却ノズル又は開及び閉ループノズルの組み合わせを組み込むことができる。例えば、後縁キャビティは、圧縮機吐出から高圧空気を受け取り、後縁に隣接するベーンの対向する側壁に沿った空気フィルム冷却流れを含むことができる。
【0022】
図4〜8を参照すると、本発明によるノズル36に近接したバケット28は、燃焼器流路の高温ガス出力12からバケットのシャンク132をシールするプラットフォーム部分130に取り付けられた翼形部分128を含む。シャンク132は、従来型のダブテール134によりロータディスク20に取り外し可能に取り付けられる。エンジェルウィングシール136、138は、ホイールスペースキャビティのシールを可能にする。図8を再度参照すると、ダブテール134は、ダブテール134の下側に延長部140を含み、該延長部は、軸方向に配列された通路142及び144を介してバケットに対して冷却蒸気を供給及び除去する役目を果たし、軸方向に向いたロータ通路(図示せず)と連通している。翼形部分128は、前縁146及び後縁148それぞれと、正圧側壁150及び負圧側壁152それぞれとを有する。前縁146はフィルム冷却用に構成されていないが、後縁148は、任意選択的にフィルム冷却用に構成することができる。
【0023】
ここで特に図4を参照すると、バケット28の翼形部分128内に配置されたロータ冷却回路38は、合計で6つの半径方向に延びる通路154、156、158、160、162、及び164を有し、交互する半径方向内向き及び半径方向外向き通路は、バケット28の根元141の1次半径方向供給路166から先端143まで延びて、180°転回し、次いで、先端143から延びて、最終的には根元141、及び1次戻り通路168に戻る。図4はまた、翼形部分128の半径方向外側端部をシールする先端キャップ169を示している点に留意されたい。
【0024】
図示の実施形態においては、3つの半径方向外側先端の転回部と2つの半径方向内側転回部とがあり、半径方向外向き方向に3つ(154、158、及び162)と半径方向内向き方向に3つ(156、160、及び164)の6つの通路を形成している。種々の通路は、5つの半径方向に延びるリブ又は内部パーティション170、172,174、176、及び178により隔てられ、先端及び根元の展開部を形成する。これらのリブは、翼形部分128の全幅を延び、すなわち翼形部128の負圧側152から正圧側150まで延びる。図示のように、蒸気27は、最初に後縁通路154を通って上方又は半径方向外向きに流れ、最後に前縁通路164を通って半径方向下方又は内向きに流れる。バケット28の後縁148は通常最も冷却が困難な領域であるので、蒸気は、最初に通路142及び143を介して後縁冷却通路154に入力される。
【0025】
後縁148はまた、フィルム冷却用に構成することができる。後縁148は、高温ガス出力12及び関連する灰パーティクルに直接衝突しないので、後縁148でのフィルム冷却は許容され、すなわち、後縁148上のフィルム冷却孔は、炭化水素燃料入力の0.1重量%よりも多くの量が高温ガス出力12内に存在するボトム及びフライアッシュパーティクルの衝突による閉塞の影響を受けない。
【0026】
バケット壁から蒸気冷却媒体への熱伝導を強化するために、通路156〜162内にタービュレータ180が使用される。タービュレータは、冷却通路内だけに延びているが、冷却剤の流れを制限するほどは延びず、バケット壁から蒸気冷却媒体への熱伝導を強化するのに十分な程度延びる。タービュレータ180配置、サイズ、高さ幅比、ピッチ、向き、及びコーナー半径は全て、バケット壁から蒸気冷却媒体への効率的な熱伝導を可能にするように選択される。ロータ蒸気冷却回路及び関連するバケットの蒸気冷却回路は、閉ループ回路であるのが好ましい。ガスタービンの効率を高めるために、これらの蒸気冷却回路はまた、蒸気タービンにも組み込むことができ、蒸気タービン及びガスタービンは、複合サイクルシステムを含む。第2段、第3段、及び第4段バケットの全て又は一部はまた、同様に閉ループ蒸気冷却を組み込むことができる。蒸気によって冷却されないタービン段の何れかのロータ又はバケットのあらゆる部分は、一般に空気冷却の形態を組み込むことになる。代替の実施形態において、第1段バケットは、蒸気冷却と空気冷却の両方を組み込むことができる。
【0027】
本発明の代替の実施形態において、第1段、第2段、及び第3段バケット22、24、及び36はそれぞれ、開ループ空気冷却することができ、又は空気が圧縮機吐出空気により供給される閉ループ及び開ループの組み合わせであってもよい。例えば、後縁通路は、圧縮機吐出から高圧空気を受け取り、後縁に隣接するバケットの対向する側壁に沿った空気フィルム冷却流れを含むことができる。
【0028】
限られた数の実施形態のみに関して本発明を詳細に説明してきたが、本発明がそのような開示した実施形態に限定されるものではないことは、容易に理解される筈である。むしろ、本発明は、これまで説明していないが本発明の技術思想及び範囲に相応するあらゆる数の変形、変更、置換え又は均等な構成を組み込むように改良することができる。更に、本発明の様々な実施形態について説明してきたが、本発明の態様は説明した実施形態の一部のみを含むことができることを理解されたい。従って、本発明は、上記の説明によって限定されるものとみなすべきでなく、本発明は、請求項の技術的範囲によってのみ限定される。
【符号の説明】
【0029】
10 燃焼器
11 入口
12 高温ガス出力
13 タービン入口
14 ガスタービン
16 ロータ組立体
20 ロータディスク
22 ディスク
24 ロータディスク
26 ロータディスク
27 蒸気
28 バケット
29 ベーン
30 第2段バケット
31 第2段ベーン
32 第3段バケット
33 第3段ベーン
34 第4段バケット
35 第4段ベーン
36 ノズル
37 ベーン冷却回路
38 第2段ノズル
39 ロータ冷却回路
40 第3段ノズル
42 第4段ノズル
44 スペーサ
46 スペーサ
48 スペーサ
50 スペーサ
51 ボルト
52 管組立体
54 内側管体
56 内側管体
58 冷却供給通路
60 戻り通路
62 導管供給部
64 半径方向戻り導管
66 軸方向戻り導管
68 外側バンド
70 内側バンド
72 ベーン
74 外側壁
76 第1のカバー
78 前方バー
80 後方カバー
82 内側壁
84 内側カバー
86 キャビティ
88 第2のキャビティ
90 第3のキャビティ
92 第4のキャビティ
94 第5のキャビティ
96 前縁
98 後縁
100 リブ
102 リブ
104 リブ
106 リブ
107 蒸気入口ポート
108 外側チャンバ
109 負圧側壁
110 第1の衝突プレート
111 負圧側壁
112 横方向開口
114 横方向開口
116 横方向開口
118 インサート
120 インサート
122 内側チャンバ
123 第2の衝突プレート
124 外側チャンバ
125 ガイド
126 インサート
127 ガイド
128 翼形部分
129 出口ポート
130 プラットフォーム部分
132 シャンク
134 ダブテール
136 エンジェルウィングシール
138 エンジェルウィングシール
140 延長部
141 根元
142 通路
143 先端
144 通路
146 前縁
148 後縁
150 正圧側
152 負圧側
154 通路
156 通路
158 通路
160 通路
162 通路
164 通路
166 供給通路
168 戻り通路
169 先端キャップ
170 内部パーティション
172 内部パーティション
174 パーティション
176 パーティション
178 パーティション
180 タービュレータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭化水素燃料入力を燃焼するように構成され、前記炭化水素燃料入力の0.1重量%以上の灰量を含む高温ガス出力(12)をタービン入口(13)に供給し、約2200°Fを超えるタービン入口温度をもたらすように構成された燃焼器(10)と、
前記タービン入口(13)を含み、前記高温ガス出力(12)を受けるように構成された固定ノズル(36)と、
を備えるガスタービン(14)であって、
前記ノズル(36)が、外側バンド(68)、内側バンド(70)、及びこれらの間に延びる複数の円周方向に離間したベーン(29)を備え、
前記ベーン(29)が各々、前縁(96)及び後縁(98)を有する翼形部分と、前記前縁及び後縁(96、98)間に延びる正圧側壁(109)及び負圧側壁(111)と、前記側壁内に配置され、ノズル冷却回路(52)から前記ベーンの冷却剤として蒸気(27)を循環させるように構成されたベーン冷却回路(37)とを有し、
前記ガスタービンが更に、
前記ノズル(36)に近接し、前記ノズル(36)から出る前記高温ガス出力(12)を受けるように構成された回転ロータ(R)を備え、
前記ロータ(16)が、中央ロータディスク(20)と、その上に配置され、外向きに延び且つ円周方向に離間した複数のバケット(28)とを含み、
前記バケットが各々、前記ディスクに取り外し可能に取り付けられたシャンク(132)部分と、前縁(146)及び後縁(148)を有する翼形部分(128)と、前記前縁及び後縁(146、148)間に延びる正圧側壁(150)及び負圧側壁(152)と、前記側壁及び前記シャンク(132)内に配置され、ロータ冷却回路(52)から前記バケット(28)の冷却剤として蒸気(27)を循環するように構成されたバケット冷却回路(39)とを有し、
前記ロータ(R)が、前記高温ガス出力(12)を受け取ったときに回転して、タービン出力サイクルの一部としてパワーを供給するよう構成される、ガスタービン(14)。
【請求項2】
前記炭化水素燃料が、石炭、精製残渣、又はバイオマスを含む、請求項1記載のガスタービン(14)。
【請求項3】
前記炭化水素燃料が、石炭スラリー又は乾燥粉炭の形態である、請求項2記載のガスタービン(14)。
【請求項4】
前記燃焼器(10)が、炭化水素燃料入力を燃焼するよう構成され、高温ガス出力(12)をタービン入口(13)に供給し、約2600°Fを超えるタービン入口温度をもたらすように構成された、請求項1記載のガスタービン(14)。
【請求項5】
前記燃焼器が、炭化水素燃料入力を燃焼するよう構成され、高温ガス出力をタービン入口に供給し、約2800°Fを超えるタービン入口温度をもたらすように構成された、請求項1記載のガスタービン(14)。
【請求項6】
ガスタービンを運転する方法であって、
炭化水素燃料入力を燃焼器(10)に供給する段階と、
前記燃焼器(10)において前記炭化水素燃料入力を燃焼させて、前記炭化水素燃料入力の0.1重量%以上の灰量を含む高温ガス出力(12)をタービン入口(13)に供給し、約2200°Fを超えるタービン入口温度をもたらす段階と、
前記タービン入口(13)を含む固定ノズル(36)に前記高温ガス出力(12)を供給する段階と、
を含み、
前記ノズル(36)が、外側バンド(68)、内側バンド(70)、及びこれらの間に延びる複数の円周方向に離間したベーン(29)を備え、前記ベーン(29)が各々、前縁(96)及び後縁(98)を有する翼形部分と、前記前縁及び後縁(96、98)間に延びる正圧側壁(109)及び負圧側壁(111)と、前記側壁内に配置されたベーン冷却回路(37)とを有し、
当該方法が更に、
ノズル冷却回路(52)から前記ベーン冷却回路(37)を通って冷却剤として蒸気を循環させることによって前記ベーン(29)を冷却する段階と、
前記ノズル(36)から出る前記高温ガス出力(12)を前記ノズル(36)に近接した回転ロータ(16)に供給する段階と、
を含み、
前記ロータ(16)が、中央ロータディスク(20)と、その上に配置され、外向きに延び且つ円周方向に離間した複数のバケット(28)とを含み、
前記バケットが各々、前記ディスクに取り外し可能に取り付けられたシャンク(132)部分と、前縁(146)及び後縁(148)を有する翼形部分(128)と、前記前縁及び後縁(146、148)間に延びる正圧側壁(150)及び負圧側壁(152)と、前記側壁及び前記シャンク(132)内に配置されたバケット冷却回路(39)とを有し、前記ロータ(R)が、前記高温ガス出力(12)を受け取ったときに回転して、タービン出力サイクルの一部としてパワーを供給するよう構成され、
前記方法が更に、
ロータ冷却回路(52)から前記バケット冷却回路(39)を通して冷却剤として蒸気(27)を循環することにより前記バケット(28)を冷却する段階と、
を含む方法。
【請求項7】
前記炭化水素燃料を供給する段階が、石炭、精製残渣、又はバイオマスを供給する段階を含む、請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記炭化水素燃料が、石炭スラリー又は乾燥粉炭として供給される石炭である、請求項7記載の方法。
【請求項9】
炭化水素燃料入力を燃焼するように構成され、前記炭化水素燃料入力の0.1重量%以上の灰量を含む高温ガス出力(12)をタービン入口(13)に供給し、約2200°Fを超えるタービン入口温度をもたらすように構成された燃焼器(10)と、
前記タービン入口(13)を含み、前記高温ガス出力(12)を受けるように構成され、更にノズル冷却回路(52)から冷却剤として蒸気(27)を循環させるように構成された固定ノズル(36)と、
前記ノズル(36)に近接し、前記ノズル(36)から出る前記高温ガス出力(12)を受けるように構成された回転ロータ(R)と、
を備え、
前記ロータ(R)が、ロータ冷却回路(52)から冷却剤として蒸気(27)を循環するように構成され、前記ロータ(16)が、前記高温ガス出力(12)を受け取ったときに回転して、タービン出力サイクルの一部としてパワーを供給するよう構成される、ガスタービン(14)。
【請求項10】
前記燃焼器(10)が、炭化水素燃料入力を燃焼するよう構成され、高温ガス出力(12)をタービン入口(13)に供給し、約2600°Fを超えるタービン入口温度をもたらし、前記高温ガス出力(12)が、前記炭化水素燃料入力の1重量%よりも多い灰量を含む、請求項9記載のガスタービン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−96178(P2010−96178A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−234698(P2009−234698)
【出願日】平成21年10月9日(2009.10.9)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】