説明

蒸発器用加熱装置

蒸気加熱装置は電磁反応材料および非導電材料で構成される。過酸化水素などの蒸発させるべき抗菌流体を加熱装置に供給して抗菌流体を蒸気に変換する。本発明の一実施形態では電磁反応材料の粒子が非導電材料内に埋め込まれる。本発明の別の実施形態では、熱を発生するためマイクロ波が使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に蒸気発生器に関する。特に、医療器具に関連する消毒および殺菌に、部屋、建物、大型囲いの衛生、消毒および殺菌に、ビン詰め、包装およびその他の生産ラインに使用される蒸気および過酸化水素蒸気システムに関連して適用され、特にこれに言及して述べる。しかし、発明は他の過酸化物、過酸などを使用する他の化学蒸発システムにも適用できる。
【背景技術】
【0002】
多くの微生物汚染除去プロセスは水蒸気または別の抗菌物質(過酸化水素蒸気)と水蒸気との混合物などの殺菌蒸気を比較的大量に使用する。例えば水蒸気殺菌装置は殺菌蒸気として加圧した高温乾燥水蒸気を使用する。蒸発していない水滴があると微生物またはプリオンが水蒸気から遮蔽されるので乾燥水蒸気の方が好ましい。過酸化水素蒸気システムは一般に大気圧付近またはそれ以下の圧力で過酸化水素蒸気の流れを使用する。再度説明するが、水滴の存在は微生物およびプリオンを過酸化水素蒸気から遮蔽するので、好ましくない。
【0003】
医療、薬学、歯科および食品包装用の物品はこのようなシステムにおいて使用または再使用の前にしばしば殺菌される。蒸気は、病院および研究所で使用される殺菌囲いおよび他のクリーン室の汚染除去にも使用される。また、薬剤および食品、冷凍乾燥剤の処理設備および食肉処理設備は蒸気を使用して有効に消毒または殺菌される。
【0004】
水蒸気の場合は、例えば、微生物汚染除去システムではボイラなどの水蒸気発生器の貯蔵容器内に沸騰水によって水蒸気が作られる。沸騰水の供給を維持するため貯蔵容器の底面上には大型の加熱要素が通常配設される。
【0005】
過酸化水素蒸気などの他の水に基づく抗菌蒸気の場合はチャンバ外部の蒸発器で蒸気流を発生する。一般的には、水に対し約35%の過酸化水素溶液が注入ノズルを通して微細な水滴またはミストとして蒸発器内に注入される。水滴は水滴を加熱する加熱面に接触し、過酸化水素を水と酸素に分解することなく蒸気をつくる。キャリアガスが熱伝達面上を循環して過酸化水素蒸気を吸収する。
【0006】
このような蒸気発生方法は、大量の蒸気が要求されるとき、または蒸気が少量で必要なときは不利となる。ボイラは、大面積の加熱要素面に出力が広がったときに最も効率がよくなる比較的大きな設備となり勝ちである。このことは出力密度を低くして加熱要素の寿命を長くすることになる。しかし、大面積の加熱要素面は相当の場所を占める。加えて、加熱要素の損傷を避けるために、加熱要素は完全に水中に浸漬される。このため、水蒸気を発生し始めるために大量の水を水蒸気温度に加熱するにはかなりの時間がかかる。需要に応じるため100℃を超える水を供給準備しておくのは費用がかかる。使用されない加熱水は、都市廃棄物水システムに廃棄する前に一般に熱交換器で冷却しなければならない

【0007】
蒸発した過酸化水素は真空殺菌システムおよび室やその他の大型囲いに使用する特に有効な蒸気殺菌剤である。これは室温または室温近辺で有効であり、このため殺菌装置の囲い内で殺菌または消毒される関連設備および物品の熱分解の可能性が少なくなる。さらに、過酸化水素は容易に水と酸素に分解するので、廃棄が簡単になる。
【0008】
殺菌装置または囲いの寸法が増加するか過酸化水素の需要が増加すると、蒸発システムの効率は一層重要となる。蒸発器の容量は多くの点で制限を受ける。第1に、蒸発プロセスは圧力増加を生じ、蒸発器を通るキャリアガス流が減少する。第2に、殺菌効率を維持するために、蒸気が発生する圧力は過酸化水素が蒸気状態で安定する圧力に制限される。第3に、過酸化水素を発生する時間は表面を過酸化水素の蒸発温度に加熱する時間に依存する。
【0009】
1つの解決策として蒸発器の寸法、蒸発器内への過酸化水素の注入流量およびキャリアガスの流量を増加する策がとられた。しかし、キャリアガスは加熱面を冷却して蒸発プロセスを妨害する傾向がある。加熱面を高温に加熱すると過酸化水素が破壊される。
【0010】
また別の解決策として多数の蒸発器を使用して1つの囲いに供給する策がとられた。蒸発器はそれぞれ別個に制御され、チャンバ特性にバリエーションが可能になった。しかし、多数の蒸発器を使用することはシステムのコストが上がり、各蒸発器がバランスのとれた効率で実施されていることを確認するため注意深い監視が要求される。これらの解決策はいずれも蒸発器の温度を蒸発温度にまで上げるために必要な最初の加熱について取り上げていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は前述の問題などを解消する新しい改良された蒸発システムおよび方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によると、抗菌蒸気を作るため流体を蒸発させる蒸発器が設けられ、この蒸発器は(1)電磁放射源と、(2)(a)非導電材料および(b)電磁反応材料とが含まれ、通過する抗菌流体を蒸発させるため熱を生成する加熱装置とで構成される。
【発明の効果】
【0013】
本発明の1つの利点は殺菌蒸気の高生産量が達成されることである。
本発明の別の利点は殺菌蒸気が短い通知で「要求に応じて」発生可能になることである。
【0014】
本発明の別の利点は抵抗する電力負荷の減少にある。
本発明の別の利点は特に小さい囲いに使用すると蒸気濃度レベルが急速に上昇でき、そのため条件の調節時間が減少することである。
【0015】
本発明のさらに別の利点は抗菌流体を分解しない材料で構成した蒸発器が設けられることである。
本発明のさらに別の利点は重量の軽い蒸発器が設けられることである。
【0016】
本発明のさらに別の利点は安いコストで製造できる蒸発器が設けられることである。
これらの利点などは附帯する図面および特許請求の範囲とともに下記の好ましい実施形態から明白になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図面を参照するに際し、図示は発明の好ましい実施形態を示すだけの目的のためであり、それに限定する目的のためではない。図1は殺菌チャンバに抗菌蒸気を供給するシステム、または室または他の規定された領域を抗菌蒸気で微生物汚染除去システムを示す。システムは特に水蒸気および蒸気形態の過酸化水素を参照して述べるが、他の抗菌蒸気、例えば、過酢酸または他の過酸化合物、アルデヒドを含む蒸気など、フォルムアルデヒド蒸気など、過酸化水素と過酢酸などの組み合わせ蒸気なども考えられる。
【0018】
有害の有無にかかわらず、すべての微生物を破壊させる殺菌に特に言及するが、それに代わって抗菌蒸気は消毒または衛生など低レベルの微生物汚染除去に使用することができる。ここで使用する「微生物汚染除去」および類似の用語はバクテリアおよび菌類などの微生物の破壊を含む。また本用語は、他の有害な微生物サイズの生物種および組織変化が行える特にプリオンなどの小さい複製種の分解または不活性化を包含する。
【0019】
図1は水蒸気殺菌装置10用に圧力下で水蒸気を発生するのに特に適したシステムを示す。システムには殺菌装置10のチャンバ14の近辺にフラッシュ蒸発器12などの蒸気発生器が含まれる。微生物汚染除去される物品は扉18で閉鎖可能な開口16からチャンバ14内に入れる。発生器12からの水蒸気はチャンバ14とチャンバを囲む加熱ジャケット20の両方に供給する。システムには断熱した管または通路22および24などの配管を介してそれぞれ水蒸気を供給する。
【0020】
発生器12には磁界内に配置された誘導容器28が含まれ、この容器は誘導容器内で磁界によって誘導で発生した電流で加熱される。誘導容器28は、液体を蒸気に変換させる伝導、輻射または対流のいずれかによって蒸発させるべき液体に熱を伝える。
【0021】
図1に示す第1の実施形態では誘導容器28に加熱管30が含まれる。加熱管30は内部通路または穴34を規定する、好ましくは円筒形状の中空管壁32を有する。管30は、鉄、炭素鋼、ステンレス鋼、アルミニウム、黄銅、青銅、導電性セラミックおよびポリマー複合体、または誘導加熱できる他の材料などの導電材料および熱伝導材料で形成される。さらに以下に記載するように、穴34は水蒸気などの蒸気に変換される水を受けるチャンバを備える。穴34は、フラッシュ蒸発過程で入ってきた水が穴壁に接すると、急速に蒸発させるのに十分小さい量の水を受け入れる寸法である。穴34は図1では軸に沿って垂直に整合されるが、以下にさらに詳細に記載するようにそれに代わって水平に整合または異なる方向に配置された穴部分を有することも考えられる。誘導コイル36は管30の外面38の回りに管の全長または一部に沿って螺旋状に巻かれる。コイル36は断熱材料の層40で管から間隔を保つのが好ましい。電気絶縁ハウジング40がコイルと断熱材料を取り囲む。
【0022】
加熱管30の上端または出口44は管22,24に流体的に接続される。管22、24の弁46、48でそれぞれチャンバ14および加熱ジャケット20に通じる蒸気量を可変調節する。管22、24または配管と加熱管30を接続する(図示しない)接続具は銅、黄銅またはポリマー管などの材料で形成される。
【0023】
AC電源50がコイル36に交流を供給する。印加した電流に応じて、コイル36は加熱管30を通過する交番磁界を発生し、管を加熱する渦電流を生じさせる。熱が管30の内面52に達し、穴34を通過する水滴に接触する。電流、したがって加熱管30の加熱率は、例えば、AC電源50と誘導コイル36を接続する電気回路56にパルス幅変調器、可変抵抗器などの調節手段54を設けることによって調節可能となる。これに代わって、または追加して、調節手段には回路56内の単なるオン/オフスイッチ58が含まれる。
【0024】
電流調節手段54,58は殺菌システムの他の局面も制御する制御システム60で制御するのが好ましい。例えば、制御システム60は、加熱管の出口に隣接して配置されるか、通路22,24などのシステムのいずれかに配置された熱電対などの温度モニタ62から水蒸気温度を受け取る。制御装置60は測定した温度に応じて電流調節手段54,58を制御し、予め選択した水蒸気温度を維持する。制御装置60は、チャンバ14内、加熱ジャケット20内またはシステムのいずれかに配置された1つ以上の温度モニタ64および圧力モニタ66,68にも接続するのが好ましい。以下に詳述するように、制御装置で発生器12が制御され、所望の殺菌温度および圧力が維持される。
【0025】
容器槽からの本管水または浄化水などの水源70から蒸発させるべき新鮮水または他の液体が液体入口管またはライン72を介して発生器に供給されるが、好ましくは制御装置60の制御下にあるソレノイド弁などの調節可能な入口弁74によって調節される。入口管72は加熱管30の第2の端または入口端76に接続する。出口管22,24と同様に、入口管72または入口管72を加熱管30に接続する(図示しない)接続具は銅、黄銅またはポリマー管で形成するのが好ましい。水蒸気発生器12から水の逆流を防止するため入口ライン72にチェック弁78を設けるのが好ましい。
【0026】
誘導で発生した熱は穴34内にある水をフラッシュ蒸発させて水蒸気を生成する。水は圧力下で液体水の連続蒸気として穴に導入するのが好ましい。水が飽和液体から飽和気体まで2相領域を通過するとき水は水蒸気に変わる。水蒸気が生じると、穴34内の圧力は増加する。水蒸気は穴から圧力で押出され、発生器12とチャンバ14を接続する流体通路24を通過する。このプロセスはこの方法で続けられ、一連の水注入から多くの水蒸気を生成する。
【0027】
これに代わる実施形態では、蒸発させるべき水または他の液体が連続水蒸気として導入される。
本管水を使用する場合は、水は(図示しない)濾過システムを通過させて、粒子材料、溶解鉱物、および/または有機物を除去するのが好ましい。純度は被試験サンプル水内で1cm離した2つの電極間の抵抗として1メガオームである1×10オームの抵抗値で表される。濾過または他の方法で純化された水の純度は1メガオーム以上であるのが好ましく、イオン交換床による逆浸透(RO)で達成される。選択的にポンプ80で入口ライン72の水を加圧する。
【0028】
使用済み水蒸気または液体水はライン90を通って殺菌チャンバ14から出て行く。ライン90の水蒸気トラップ92は凝縮水が溜まると凝縮水を放出するため開放する。ジャケット20からの使用済み水蒸気または液体水は接続されたドレンラインによって、または別の第2のドレンライン94とトラップ96によって放出される。適切な箇所を(図示しない)加熱テープまたは他の加熱手段によって選択的に補足された断熱98で通路22,24、加熱ジャケットを囲むのが好ましく、扉18を覆うこともできる。
【0029】
殺菌サイクルの前に、サイクル中に、または使用済み蒸気を除去するため殺菌サイクル後に、真空ライン102を介してチャンバ14から空気または水蒸気を引き抜くために、選択的に真空ポンプまたは水エゼクタなどの引き抜き手段100が使用される。
【0030】
一般的な殺菌プロセスは次のように進行する。医療、歯科または薬学器具などの微生物汚染除去されるべき物品をチャンバ14内に入れて扉18を閉める。水蒸気をチャンバ14に入れて空気を排出する。空気はドレンライン90を介してチャンバから下方に通過する。選択的に制御装置60で真空ポンプまたは水エゼクタ100を制御してチャンバ14から空気を引き抜く。次に制御装置60で真空ライン102の弁104を閉じる。選択的に、真空パルスの前または後に、いくつかの水蒸気パルスをチャンバ14に加える。例えば、予め選択した圧力が達成されるまで水蒸気を注入する。次に、予め選択した真空が達成されるまでポンプまたは水エゼクタ100を作動する。加圧および減圧ステップを数回繰返して(通常、4回)、水蒸気加圧ステップを終了するのが好ましい。
【0031】
また制御装置で発生器および弁48の操作を制御してチャンバ内部の加熱を制御する。特に、制御装置は温度モニタ64,68から温度測定値を受け取って、水入口弁74および/または可変抵抗器54を制御して、ライン24に沿ってジャケットに通じる水蒸気を発生させる。チャンバ14が適当な温度、好ましくは水蒸気の凝縮温度を超える温度になると、制御装置60で弁46を開き、チャンバに水蒸気を入れる。制御装置60はモニタ62,64、66、68から受け取った温度および圧力測定値に応じて種々の弁46,48,74、96、104および抵抗器54の操作を制御して、抗菌物質による汚染除去の所望のレベルに十分効果があると考えられる期間、予め選択した殺菌条件(例えば、温度および圧力)を維持する。期間が経過すると、弁46を閉じて真空ポンプ100を使用してチャンバ14から水蒸気を引き抜く。次に、新鮮な空気または濾過した空気をチャンバ14に入れる。
【0032】
図2に示す別の実施形態では、過酸化水素または他の多成分蒸気を使用して微生物汚染除去するのに適合した殺菌システム10が示される。この実施形態は図1のものに類似するが、過酸化水素蒸気と水蒸気の混合物などの多成分蒸気の生成に使用される。水と過酸化水素の水性混合物などの蒸発させるべき液体がポンプで貯蔵容器または貯蔵槽70から入口ライン72を介して発生器に運ばれる。より詳しく説明すると、注入ポンプ80、加圧容器、重力供給システムなどの液体過酸化水素を導入する手段によって、過酸化水素が、好ましくは液体流体または噴霧形態で、貯蔵容器70から注入ノズル108を介して発生器12に入れられる。
【0033】
液体過酸化水素には水などで希釈した過酸化水素の混合物が含まれるが、水中の過酸化水素重量が約30−40%からなる水性混合物が好ましい。
液体が加熱管30の加熱壁32に接触するときに発生する過酸化水素蒸気はキャリアガスと混合するのが好ましい。1つの実施形態として、空気、窒素、二酸化炭素、ヘリウム、アルゴンなどのキャリアガスまたは組み合わせたキャリアガスが過酸化水素液と同時にフラッシュ蒸発器12内に供給され、蒸発器からの過酸化水素の蒸気化の推進を支援する。空気はキャリアガスライン110を介して加熱管30に入るが、このライン110は図2に示すように液体入口ライン72に接続するか、または直接穴34に接続することもできる。これに代わって、または追加的に、キャリアガスライン112を出口ライン22に接続し、それによってキャリアガスを既に形成された蒸気と混合する。すべてまたは大部分のキャリアガスと蒸気形成後の蒸気との混合物は蒸発器の処理能力を増加させる。キャリアガスライン110,112の弁114,116はそれぞれライン110、112を通過するキャリアガスの流量を規制するのに使用される。
【0034】
キャリアガスは大気圧力の空気とすることができ、または貯蔵槽または他の貯蔵器(図示しない)から供給することもできる。入ってくるキャリアガスはHEPAなどのフィルタ120を通して空気に含まれる粒子を除去し、ドライヤ122を通して過剰の水分を除去し、かつヒータ124で加熱してキャリアガスの温度を上げるのが好ましい。
【0035】
ライン110、112に供給されるキャリアガスの好ましい圧力は過酸化水素の生成率およびフラッシュ蒸発器12の通路の長さと制限によって変化するが、一般的には絶対圧で1.0−2.0(1.013×10−2.026×10パスカル、絶対)、すなわち約0−1ゲイジ圧(0−1.013×10パスカル、ゲイジ)、好ましくは約6−14×10パスカル以上が好ましい。
【0036】
フラッシュ蒸発と一掃するキャリアガスによって過酸化水素/水混合物は蒸発器内で凝縮したり水たまりを生じることはない。液体過酸化水素は蒸発器12の同一点に連続して当たり易いので、液体と蒸気を発生器12に通すこのようなキャリアガスを使用することは別の利点となる。蒸発器内で液体過酸化水素が分散すればするほど、過酸化水素はより蒸発し易くなる。さらに、良く分散した過酸化水素を注入すると、蒸発器の特定の領域が冷却のため蒸発プロセスを妨げることが生じにくくなる。
【0037】
キャリアガスは蒸発器を冷却する傾向があり、水性過酸化水素溶液の蒸発率を減少する。したがって、過酸化水素蒸気を大きく分解することなく蒸気化した過酸化水素を蒸気発生器12に通すため、キャリアガスは最少流量ないしそれを若干上回る流量であるが、キャリアガスによって蒸発器の冷却がそれほど起こらない程度に小さい流量に維持するのが望ましい。したがって、蒸気発生器12を通過するキャリアガスの流量は蒸気発生器12を通過しないキャリアガスの流量よりも少なくするのが好ましい。このようにキャリアガスの大半は通路112を通過し、蒸発器12の下流の混合領域126において第2のキャリアガス流内に注入され、そこでキャリアガス流および蒸気はチャンバ14に入る前に組み合わされることになる。
【0038】
キャリアガスと蒸気過酸化水素の混合物はライン22を通過してチャンバ14内に入る。過酸化水素センサなどのセンサ128はチャンバ14内の過酸化水素および/または水蒸気の濃度を選択的に検出する。制御装置は検出された濃度測定値またはそれを表す信号、およびモニタ64、66から温度と圧力を受け取り、新鮮な過酸化水素蒸気のチャンバへの供給または他の操作条件を調節する。または、過酸化水素の期待濃度または他のデータで制御装置をプログラム化させ、チャンバ温度と圧力、過酸化水素とキャリアガスの流量などのシステムの種々のパラメータを制御および/または測定することによって選択されたチャンバ条件を制御装置に維持させる。
【0039】
使用済みの蒸気は出口ライン102を介してチャンバ14を出て、好ましくは触媒変換器などの破壊器130を通り、大気に放出される前に残余の過酸化水素が酸素と水に変換
される。
【0040】
または、出口ライン102は再循環環流システムとしてキャリアガス入口ライン110,112に結合される。使用済み蒸気は、好ましくは触媒変換器を通過した後、入口ライン110に戻されてフィルタ120およびドライヤ122を介するか、またはフィルタの前方に戻されるので、使用済み蒸気は過酸化水素液体または蒸気ともう一度混合する前に乾燥および加熱される。
【0041】
この実施形態において、好ましい実施形態では過酸化水素と水との殺菌蒸気は室温または室温以上で、大気圧、大気圧以下、または大気圧以上で有効となる。水蒸気加熱ジャケット20およびライン24は取り除くのが好ましが、チャンバ14を加熱することが所望される場合は、抵抗ヒータなどのヒータ131をすべてまたは一部のチャンバを取り囲んで設ける。ヒータ131は制御装置60で制御するのが好ましい。
【0042】
殺菌されるべき物品上への凝縮を避けるため過酸化水素は飽和点未満に維持するのが一般に望ましい。このように、過酸化水素濃度を飽和レベル付近であるがわずかに低い濃度に維持するため、制御装置60で温度、圧力、蒸気導入率などのチャンバ条件を制御するのが好ましい。例えば、制御システム60には、モニタ128、64、66からモニタされた条件信号と、基準信号で示される予め選択された理想的な過酸化水素蒸気濃度および他の条件とを比較する比較器132(図2参照)が含まれる。比較器で、各モニタされた条件信号の、対応する基準信号または基準値からの偏差を決定するのが好ましい。複数の条件が検出され、多数の比較器が設けられるのが好ましい。プロセッサ134は、各偏差信号(または異なる条件の偏差の組み合わせ)を使用して、アルゴリズムを実行するプログラムまたは予めプログラムされた調査表136にアドレスし、フラッシュ蒸発器12の対応する調節を検索する。大きい偏差を大きい調節に変換し、小さい偏差を小さい調節に変換する別の回路も考慮される。または、モニタされた条件が基準点を上下するとき、非常に短い間隔で一定の増加量または減少量を使用して誤差演算を行うことができる。
【0043】
調節値は、過酸化水素計量ポンプ80およびキャリアガス調節器114,116を調節してモニタされた条件を基準値に合わせるために制御装置60で使用される。例えば、所望のものよりも低い蒸気濃度、より高い温度、より高い圧力などが検出されると、蒸気注入率は増加される。蒸気生成率は、より高い検出蒸気濃度、より低い検出温度、より低い圧力などに応じて減少される。
【0044】
蒸気過酸化水素システムは大気圧または大気圧以上でシステムとして操作でき、チャンバ内のキャリアガスおよび過酸化水素蒸気は連続的または間欠的に補充される。またはシステムは低真空システムとして操作でき、チャンバ14は過酸化水素の導入の前に、例えば約10トール以下(約1300パスカル以下)の圧力に排出される。水蒸気システムの場合には1以上の蒸気パルスがその間の真空パルスとともにチャンバ14に導入される。その他の点では、図2のシステムは図1のシステムに類似し、類似の方法で操作される。室などの大型囲いを殺菌するために、追加の蒸発器12が使用され、それぞれの蒸発器は制御装置60で別々に制御される。
【0045】
理解されるように、多成分蒸気は特に過酸化水素に言及して述べるが、他の単一成分および多成分蒸気も考慮される。他の適切な殺菌蒸気には過酸と水、過酸化水素と過酸との混合物などの過酸が含まれる。
【0046】
次に図3に蒸気発生器12の別の実施形態を示す。類似の部品には同一の符号を付し、新しい部品には新しい符号を付す。この実施形態では、加熱管の代わりに導入容器28には穴34が含まれ、この穴は、黒鉛、アルミニウム、銅、黄銅、青銅、鋼などの導電材料のブロック140に通路を孔あけまたは他の方法で形成することで形成される。AC電流がコイルに通されると、コイル36はブロック140を誘電加熱する。または、穴34はブロック140内に取り付けられてそれに熱接触する管142内に規定される。管142は銅、黄銅、ポリマーまたは充填ポリマーなどの熱伝導材料から形成される。または、管の代わりに、ブロック140で規定された穴34の壁は、穴を通過する液体および蒸気に耐えるがコイル36で誘電加熱される必要のないステンレス鋼、テフロン(商標)ガラスなどの熱伝導の保護材料層(図示しない)で被覆することができる。これらの実施形態では、熱が管142または熱伝導層を通して伝わることによって熱はブロックから液体に流れ込む。
【0047】
誘導コイル36はブロック140またはその一部を取り囲み、図1の加熱管30と同じ方法でブロックを誘電加熱する。熱はブロック140から、存在する場合は管142を通して流れる。図1および2の実施形態の場合のように、蒸発させるべき液体、すなわち、水性過酸化水素または水は、単独でまたはキャリアガスとともに、発生器穴34を通り、穴の加熱された壁54に接触すると蒸発する。前の実施形態にあるように、断熱材料40がコイル36とブロック140の間および、コイル36とハウジング42の間に詰められる。過酸化水素の場合は、ブロック140は、誘導コイル36を操作して、過酸化水素に相当の解離が起こる温度より低い温度に維持される。選択的に温度超過装置144がブロック140上またはブロック140内に取り付けられ、蒸発可能な液体がブロック140内に十分にない状態でコイルに電圧が印加された場合、この装置によってコイル36への電力が遮断される。さらに圧力逃がし弁146がブロック140と殺菌チャンバ14の間に設けられ、ブロックおよびチャンバ14を過圧条件から保護するため余分の圧力を放出する。
【0048】
図3の実施形態では、穴34には一般縦方向にブロック140を前後して通過する一連の長穴部分150,152,154,156および158が含まれる。穴部分は結合または端部分160,162、164によって連結されるが、結合または端部分は簡便に製造するためブロック140の外に配置することもできる。端部分160,162、164の端壁168は穴部分の液体の流れ方向に一般に直角に配置される。より大きい慣性力のある流れる液体または水滴が各曲がりで端壁168に当たると、蒸発率が増加し、蒸発しない水滴が蒸発器から排出される機会が減少する。
【0049】
選択的に、図4および5に示すように、穴34はその長さに沿って連続する穴部分152,154、156(図4)で段階状に、またはその長さに沿って(図5)漸進的に直径が増加するので、単位長さ当たりの接触面積および内部容積は増加する。穴34を通過する蒸気/液体混合物の増加する容積は穴部分150、152,154,156などの増加する直径によって調節される。
【0050】
各実施形態では、穴34はブロック140内で数回ターンする。例えば、穴入口76から始まって、穴34はブロックの一端170に隣接してUターンを行ない、ブロックの入口端172に戻り、そして出口44に達するまでに選択的に1または2以上このようなターンを行う。1つの実施形態では、ターンは円形ターンではなく鋭敏な「L形」で形成される。例えば、図3に示すように、各ターンには、端壁168に隣接して約180度で穴を曲げる約90度の2つのコーナが含まれる。円形のコーナでなく一般に鋭敏なコーナを有しているので、流れる液体/蒸気混合物は壁に衝突し、それによって蒸発率が改善される。
【0051】
図6に示すように、螺旋穴34などの他の実施形態も考慮される。各ターンにおいて慣性のため微細な浮遊水滴が壁に押し付けられる傾向になり、その結果水滴が蒸発する。この方法で微細な霧状水滴はいずれも蒸気になる。ほぼ180度のターンを少なくとも2回流路に設け、増加したこの接触を確保するのが好ましい。
【0052】
穴径を漸進的に増加させる他の配置も考えられる。図7の実施形態において、穴部分の数量がブロックを通過する度に増加する。例えば単独の縦穴部分150が第1のパスを規定し、2つ以上の穴部分152A,152Bが第2のパスを規定する。第2の穴部分152A,152Bのそれぞれは第3のパスの2つ以上の穴部分154A,154Bまたは154C,154Dに接続され、等々が好ましい。この方法で、前の実施形態に関して、穴部分によって形成された流体通路34の断面積は過酸化水素が入口76から出口44(この場合は複数の出口)まで流れるにつれて増加する。
【0053】
加熱表面積を増加するための、および/または加熱面に液体を接触させてキャリアガスと混合させる乱れを作るための他の方法も考慮される。図8の実施形態では、螺旋または掘削きり形状のゆがんだ部材または挿入要素180が穴34内で軸方向に取り付けられる。挿入要素180、または管30の箇所(または存在する場合はブロック140)も誘導加熱されるのが好ましい。例えば、螺旋180は、穴を通過する液体または蒸気によって分解しにくいステンレスまたは他の導電材料で形成される。図8の実施形態では、コルク抜きのターン181は流れる方向で直径が増加する。例えば、最後のターンは管30に接近または接触する。
【0054】
図9に示す別の実施形態では、挿入要素180は穴34内で軸方向に取り付けられ、中心軸184に取り付けられた軸方向に間隔のあるディスクまたはプレート182が含まれる。さらに別の実施形態では、利用できる流れスペースを減らして加熱表面積を増加するためバッフルまたはフィンが設けられる。バッフルは伝導で熱を伝え、および/または管32と同一の方法で誘電加熱されることもできる。
【0055】
図8および9の実施形態で挿入要素180への熱流を増加するために、挿入要素は金属雄ねじなどの熱伝導部材188(図8)でによって管30に取り付けるのが好ましい。例えば、雌ねじは管30および挿入要素180の隣接端に切られる。次に熱伝導性の雄ねじは対応する切られた雌ねじに挿入されるので、挿入要素に熱を伝える通路を形成する。雄ねじの頭を皿穴に埋めて、および/または雄ねじに対して半だ付けまたはろう付けすることで表面を平滑にし、誘導コイル36を管30に接近配置することを可能にする。
【0056】
水、液体過酸化水素、または他の蒸発可能な液体は穴34の壁面52に接触すると蒸発して、液体、スプレイ、またはミストから蒸気に漸進的に変換される。この変換の結果として通常起こるであろう圧力の増加は、穴の寸法の増加および/または穴内の流れが維持される流速の増加によってほぼ排除される。穴34を通る一連の通路の端において、水および/または過酸化水素が、蒸気の凝縮が起こらないような露点より低い蒸気が維持される温度および圧力において完全に蒸気となるのが好ましい。
【0057】
蒸発器12は、抵抗型ヒータで加熱される従来の滴下型蒸発器よりも高い蒸気生産量が達成できる。誘導コイル36を使用して達成できる加熱率は抵抗ヒータで達成できるものよりも相当に高い。明らかに、供給される熱が増加すると、それにしたがって高い生産量が達成できる。
【0058】
理解されるように、いずれかの前記実施形態の蒸気発生器は室または微生物汚染除去されるべき大型物品を囲む一時的な囲いなどの大型囲いに選択的に結合される。このことは、室温付近(すなわち約15−30℃)、大気圧付近で有効な過酸化水素などの殺菌蒸気を使用するときに特に当てはまる。
【0059】
殺菌可能な囲いには、微生物の存在しないまたは微生物がほぼ存在しない作業領域、冷凍乾燥装置、および薬品または食品処理設備が含まれる。囲いの高殺菌温度および/または真空排気が殺菌中に適しているか否かは囲いの構造および囲い内の内容の種類による。例えば、殺菌可能な作業領域は、ある場合には、高い温度勾配および高い圧力勾配に耐えられない剛性のないプラスチック材料で作られる。それとは反対に、食品処理設備は処理操作中に高温高圧に耐えることが頻繁に要求され、真空排気および加熱によって最適な殺菌条件がより簡単に達成できるように構成される。1つ以上のこの蒸発器12を使用して、高速のビン詰めライン(例えば、約1000ビン/分)の汚染除去ができる。
【0060】
例えば、チャンバ14は1000−4000m程度の容積を有する室にすることができる。この実施形態では、組み合わされたキャリアガス流の流量は約20000リットル/分であり、一方、蒸発器12を流れるキャリアガス流は100リットル/分以下、さらに好ましくは約20リットル/分以下、最も好ましくは約1−10リットル/分である。
【0061】
選択的に、通路22,24,102には先在するHVACシステムのすべてまたは一部のダクト作業が含まれる。汚染除去プロセスを開始するに際して、室内の相対湿度が許容レベル、好ましくは20%未満の相対湿度にまで下げるのに十分な持続時間、室内からの空気をドライヤ122を通して循環させる。密封した囲いでは、囲い内の圧力は適切にする。汚染の可能性のある空気を室内に引き込むことは避けなければならないクリーン室などの汚染除去には、室内圧力は大気圧より高く維持するのが好ましい。有害物質が処理されるべき室内で使用または露出する場合には、汚染除去の前に有害物質が漏れ出さないように室14は大気圧より低い圧力に維持するのが好ましい。
【0062】
室14の相対湿度が十分に低くなると、抗菌蒸気を空気に注入する。抗菌蒸気には1つの実施形態として過酸化水素蒸気が含まれるが、他の抗菌蒸気または抗菌蒸気の混合物も考慮される。
【0063】
制御装置60は室内の1つ以上の過酸化水素濃度センサ128に接続される。過酸化水素蒸気の分布を均等に調節するため、制御装置は室内10のファン(図示しない)または他の装置を選択的に制御する。
【0064】
空気循環ダクトの径がより大きくて空気移動容量がより高いときは、第2のフラッシュ蒸発器12および第2の注入ポンプ80は液体過酸化水素源70および空気源に接続される。
【0065】
特に過酸化水素を取り上げて述べてきたが、本発明のシステムは過酢酸、他の過酸化合物のような他の溶液および純粋な液体の蒸発にも適用できる。
本発明のさらに考えられる複数の実施形態を特に図10−24を参照して以下に述べる。本発明のさらに考慮される実施形態によると、蒸発器加熱装置は、以下に詳述するように、非導電材料および電磁的に反応する材料を含む加熱管および/または挿入要素で構成される。さらに考慮される各実施形態においては、挿入要素は選択的に設けられるものと理解される。ここで使用する用語「電磁反応材料」は、電界、磁界またはその両方の存在に反応して少なくとも1つの前記電界、磁界に露出すると熱エネルギーを発生する材料を指す。電磁界は静的であるかまたは振動性がある。
【0066】
本発明のさらに考慮される実施形態は、以下に詳述するものを含むが、これには限定されない、種々の形態をとる。さらに考慮される実施形態の1つによると、管30および/または挿入要素180は非導電材料および電磁反応材料で構成され、電磁反応材料は非導電材料に埋め込まれる。さらに考慮される別の実施形態では、電磁反応材料の層が管30および/または挿入要素180の外面に設けられるか、非導電材料の内側に配置される。さらに考慮される別の実施形態では、抗菌流体によって非導電材料の層と電磁反応材料とが分離される。この点に関し、非導電材料は保護被覆層として使用される。
【0067】
前記の考慮される実施形態の要素は選択的に組み合して使用することもできる。実施形態の説明は以下に述べる。
非導電材料は多くの適切な形態をとり、ポリマー材料、セラミック材料またはガラスが含まれるが、これに限定はされない。さらに、ポリマー、セラミックおよび/またはガラスは組み合わせて使用して管30および/または挿入要素180を作ることもできる。
【0068】
適切なポリマーには熱可塑性ポリマーまたは熱硬化性ポリマーが含まれるが、これに限定はされない。
限定はされないが、例えば、非導電材料を形成する熱可塑性ポリマーは、ナイロン、Amodel(登録商標)(PPI,ポリフタルアミド)、Aurum(登録商標)(ポリイミド)、Ryton(登録商標)/Forton(登録商標)(PPS,ポリフェニレンスルファイド)、フルオロポリマー(PFA,FEP,Tefzel(登録商標)ETFE,Halar(登録商標)ECTFE、Kynar(登録商標)PVDF),Teflon(登録商標)PTFE,Stanyl(登録商標)(4.6ポリアミド、4.6ナイロン)、Torlon(登録商標)(ポリアミド−イミド)、Ultem(登録商標)(ポリエーテルイミド、PEI),Victrex(登録商標)PEEK(ポリアリルエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン)、または抗菌蒸気を生成するのに必要な最高温度を超える「使用温度」を有する他の熱可塑性ポリマーからなる群から選択することができる。前述したように、抗菌蒸気は水のみから、または水と過酸化水素などの流体混合物から生成することができる。ほとんどの場合、使用温度が約150℃を超える熱可塑性ポリマーは適切であると期待される。例えば、約199℃の短期間の使用温度を有する。一定の殺菌物質には、連続使用温度が121℃の熱安定化されたナイロン6/6で十分である。テフロンの連続使用温度は260℃である。
【0069】
非導電材料を形成する熱硬化性ポリマーは、限定はされないがエポキシまたはウレタンを含む群から選択される。
限定はされないが、例えば、非導電材料を形成する適切なセラミック材料は、シリカ、アルミナ、マグネシアまたは他の金属酸化物系材料からなる群から選択することができる。
【0070】
電磁反応材料は、限定はされないが、金属または金属合金、金属被覆材料、炭素、黒鉛、ステンレス鋼、金属合金半だ(例えば、すずおよび亜鉛)、強磁性材料(例えば、鉄)、フェリ磁性材料(すなわち、磁鉄鉱(Fe)またはFeO・Feなどのフェライト)、強誘電材料(ペロブスカイトなど、例えばチタン酸鉛(PbTiO)),フェリ誘電材料、およびそれらの組み合わせを含む適切な形態をとる。
【0071】
限定はされないが、例えば、金属はニッケル、銅、亜鉛、銀、ステンレス鋼、タングステン、ニクロム(ニッケル−クロム合金)およびそれらの組み合わせからなる群から選択することができる。
【0072】
上記のように、金属合金半だは電磁反応材料として使用できる。半だは非導電材料(例えば、ポリマー、セラミックまたはガラス)の処理中に溶融して、非導電材料内で相互に連結する金属網構造を形成する。ポリマーの場合、低融点半だはポリマー樹脂と組み合わせて処理される。例えば、ポリマーと低融点半だは押出してストランドにすることができる。ストランドは冷却し切り刻んでペレットにする。次いでペレットは加熱管および/または挿入要素に注入成形する。低融点半だはポリマー内で互に貫通する金属網構造を形成する。
【0073】
セラミックの場合、セラミックを焼成すると、セラミックの孔により半だがセラミック内に流れ、そのため金属網構造のある焼成セラミックが作られる。セラミックの焼成前の孔のため焼成中に半だがセラミック内に流れ込む。理解されるように、半だの溶融温度は抗菌流体を蒸発させるのに必要な最高温度を超える温度にする必要がある。
【0074】
半だ以外の金属も金属網構造を生成するのに使用できる。この点に関し、セラミックを焼成するときに溶融するいかなる金属も適切である。ほとんどのセラミックの焼成温度は一般に2500°F(1370℃)から3000°F(1650℃)であるので、ほとんどの金属は焼成中に溶融する。冷却を行うと、金属は再結晶してセラミック内で互いに貫通する金属網構造を形成する。
【0075】
炭素も、ポリマー、セラミックまたはガラスの基盤とともに使用すると適切な電磁反応材料となる。この点については、導電炭素粒子の網構造を生成するため、炭素をポリマー、セラミック、またはガラスに加えることができる。炭素も溶融しにくい物質であるので、炭素粒子はセラミックの高い焼成温度に耐える。炭素も熱を伝えるので、(誘電加熱で発生した)熱の拡散に役立つ。炭素は電磁波の良好な受信「アンテナ」ともなる。
【0076】
前述したように、本発明のさらに考慮される1つの実施形態には非導電材料および電磁反応材料から構成された管30および/または挿入要素180が含まれ、電磁反応材料が非導電材料(例えば、ポリマー、セラミックまたはガラスの基盤)内に埋め込まれて複合材料を形成する。電磁反応材料は粒子の形をとり、限定はされないが、ファイバ、フレーク、球、ウィスカ、グレンまたはそれらの組み合わせが含まれ、粒子は金属または金属合金、金属被覆粒子、炭素、または黒鉛である。粒子は、限定はされないが、球、扁球および扁長体を含む種々の形をとる。さらに、電磁反応材料には粒子(すなわち、金属または金属合金、炭素または黒鉛被覆粒子)を被覆することもできる。
【0077】
適切な特定の粒子の例には、限定はされないが、炭素粒子(ファイバ、フレーク、ウィスカまたはグレン);ニッケル粒子(ファイバ、フレーク、ウィスカまたはグレン)、タングステン粒子(ファイバ、フレーク、ウィスカまたはグレン);ニクロム(ワイヤ、ファイバ、フレーク、ウィスカまたはグレン);ニッケル、銅または銀を(自己触媒的にまたは電着で)被覆したガラス球;ニッケル、銅または銀を(自己触媒的にまたは電着で)被覆した熱可塑性ポリマー粒子;鋼フレーク;およびステンレス鋼ファイバが含まれる。
【0078】
1つの実施形態では、電磁反応粒子は加熱装置に所望の加熱特性を与えるのに適切な濃度で非導電材料に埋め込まれる。理解されるように、加熱装置の熱発生および熱伝達特性は非導電材料内の電磁反応粒子の濃度(すなわち、充填)に基づく。加熱装置の熱伝達(すなわち、熱伝導)特性は加熱装置の導電特性に関係する。したがって、加熱装置内の電磁反応粒子の濃度はパーコレーション理論によって決定される。
【0079】
パーコレーション理論によると、電磁反応粒子の濃度がパーコレーション閾値に達すると、複合体の導電率は急激に上昇する。したがって、急速加熱が必要な場合は、電磁反応粒子の濃度はパーコレーション閾値以上にするのが好ましい。同様に、長い加熱時間が所望されるか許容される場合は、電磁反応粒子の濃度はパーコレーション閾値未満にすることができる。
【0080】
粒子を詰めた複合体の場合は、複合体の電気的挙動を記載する数学モデルはパーコレーション理論として知られている。例えば、金属の粒子がL×L配列孔の基板に堆積すると、2つの隣接する孔が金属粒子で充填され、互いにかろうじて接触するので、金属粒子間に電気伝導が生じることがあり、そのため金属粒子間に電気伝導が許される。接触する金属粒子の群は「クラスター」と呼ばれる。配列の一端から他端に達するクラスターは「スパニングクラスター」と呼ばれる。
【0081】
金属粒子がL×L配列孔に最初に堆積しても電気伝導は生じない。この点については、少なくともL個の粒子が堆積するまで電気伝導は起こらない。しかし、スパニングクラスターを形成するためL個の金属粒子を整列させる統計的確率の観点からは、スパニングクラスターの確率が大きくなるまでにはL個よりも多い金属粒子の堆積が必要となる。ある点において電気伝導は指数的に大きくなる。「パーコレーション閾値」は導電複合体に結果として生じた電磁反応粒子の濃度である。
【0082】
パーコレーション閾値は粒子のアスペクト比(すなわち、最少寸法に対する最大寸法の比)で左右される。この点については、導電球(アスペクト比は1)のパーコレーション閾値はファイバのパーコレーション閾値よりも大きい。したがって、導電複合体の導電球
濃度は導電ファイバの濃度よりも高くする必要がある。
【0083】
粒子を充填した基盤の電気伝導に対する尺度関係(すなわち、出力法則)はσ∝(X−Xで表され、ここで、σは導電率、Xは電磁反応粒子の濃度(容積パーセント)、Xはパーコレーション閾値(Xは粒子の形状に依存する)、tは対応する臨界指数である。一般的にtは約2.0である。
【0084】
従来のパーコレーション理論によれば、電磁反応粒子の濃度がパーコレーション閾値に達すると、複合体の導電率は急速に上昇する。この尺度法則は直流(DC)および交流(AC)の両方に適用される。
【0085】
大半の複合体はパーコレーション閾値より低い電磁反応粒子の濃度においてゼロでない導電率を有するものと理解される。これは完全トンネル網構造の近傍の準網構造からなるパーコレーションクラスターの結果であると考えられる。電磁反応粒子の濃度はパーコレーション閾値以上に選択するのが好ましいが、ゼロでない導電率が得られる限り、濃度はパーコレーション閾値よりも低く選択することもできる。
【0086】
複合体の導電機構は粒子と粒子の実際の接触によるものではないと考えられる。この点については、いくつかの電磁反応粒子の間には非導電材料の薄い層が存在する。したがって、電子量(複合体内の電荷キャリア)は1つの粒子から別の粒子まで電磁反応材料間にある層を機械的にトンネルを掘って進まなければならない。したがって、複合体の導電率は電磁反応材料単独(すなわち、粒子から作られた材料)の導電率ほど良くはならない。
【0087】
電磁反応網構造の次元は「フラクタル」(すなわち、2と3の間の次元)の値である。換言すると、非導電材料内の電磁反応粒子の網構造は2と3の間にあるいずれかの次元を有し、2の次元は面の次元であり、3の次元は立体の次元である。
【0088】
電磁反応粒子を埋め込んだポリマーは電流制限ポリマーとして自己制約の熱蓄積に作用し、それによってポリマーの溶融が防止される。この点については、十分な量の電磁反応粒子がポリマー基盤内で混ぜ合わされるので、所望の作動パラメータが得られると、蒸発器は電流制限ポリマーとして作動する。換言すると、蒸発器の温度が作動温度を超えて上昇すると、電磁反応粒子が十分な「接触」を失って複合体材料の導電率が減少する点までポリマー基盤は熱くなって膨張するので、複合体材料を流れる電流が制限され、これによって生成されるジュール熱が制限される。この場合、ポリマー基盤がもとの粒子対粒子状態で十分に接触するまでポリマー基盤は冷却を開始し、蒸発器は再度作動状態になる。
【0089】
前述のように、AC電源50はコイル36に交流を供給する。電磁放射によって電子は電磁反応材料内で移動するので、その結果、熱が発生する。電磁反応材料は電界または振動磁界に結合して熱を発生する。電界と結合する場合は、発生する熱はジュール熱またはIR熱である。振動磁界と結合する場合は、熱は電磁反応材料内の渦電流の発生によって生成される。使用する電磁反応粒子によって、電磁反応材料の方向に放射するマイクロ波またはRF発生器はコイル36の代わりとなることが理解される。
【0090】
交流の周波数は変化できるので、印加した電磁放射は「スキン効果」の結果として種々の深さで加熱管30および/または挿入要素180に貫通することは理解される。次に、スキン効果を、蒸発器が加熱管30と挿入要素180で構成される次の実施例によって説明する。加熱管30および/または挿入要素180には電磁反応材料を含めることができる。
実施例1
加熱管:形状:円筒
壁厚=5mm
材料:樹脂結合の黒鉛
(スキン深さ)(周波数の1/2乗)=δf1/2
ただし、δはスキン深さであり、fは実施例1の加熱管に印加された電磁放射の周波数である。f=101.4kHzの周波数において印加された電磁放射は管30の壁厚(すなわち、5mm)内で初期値の1/eに減少する。挿入要素内の電磁反応材料を活性化するには、101.4kHzより小さい周波数(f)の電磁放射を使用するべきである。この点について、101.4kHzより小さい周波数(f)を使用すると、その結果は管30の壁厚の5mmより大きいスキン深さとなる。したがって、発した放射は管30を通して伝播する波長となり、挿入要素180内の電磁反応材料に直接突き当たる。このように、挿入要素180は伝導でなく誘導によって直接加熱される。理解されるように、電磁放射の周波数は可変可能であるので、第1の周波数の電磁放射は管30のみに露出させ、第2の周波数の電磁放射は管30と挿入要素180に露出させる。したがって、電磁放射の周波数は(1)管30および、(2)管30と挿入要素180を交互に加熱するため
変更することができる。
【0091】
次に図10に、電磁反応粒子240を埋め込んだ非導電材料231で管230が構成された蒸発管12を示す。ここに示す実施形態では、非導電材料231はポリマーであり、電磁反応粒子240は金属ファイバである。管230には内面232と外面234が含まれる。内面232は穴236を形成する。
【0092】
図11−14は管230を示すが、電磁反応粒子240には別の種類の粒子が使用される。この点について、図11は非導電材料231に埋め込まれた粒状金属粒子の形の電磁反応粒子240を示す。
【0093】
図12は非導電材料231に埋め込まれた金属フレークの形の電磁反応粒子240で構成された加熱管230を示す。
図13は非導電材料231に埋め込まれた金属被覆球の形の電磁反応粒子240で構成された加熱管230を示す。図14でよく分かるように、金属被覆球は一般に金属被覆254で被覆したガラス球で構成される。前述したように、ガラス球252は自己触媒的にまたは電着で電磁反応材料が被覆される。
【0094】
図15には電磁反応粒子240を埋め込んだ非導電材料231と、電磁反応材料の層260とで構成された加熱管230が示される。電磁反応材料の層260は管230の内面232に形成される。層260は公知の堆積技術(以下に述べる)によって形成するか、または予め成形された構成要素とすることができる。
【0095】
図16には電磁反応粒子240を埋め込んだ非導電材料231と、管230の内面232上の非導電材料の層270とで構成された加熱管230が示される。本発明のこの実施形態では、非導電材料(例えば、ポリマー)の層270は抗菌流体を電磁反応粒子240から分離する。この点について、非導電材料の層270のみが抗菌流体に露出される。例えば、限定はされないが、非導電材料の層270は公知の堆積技術によって内面232に適用される。または、非導電材料の層270は予め成形される(例えば、型成形で)。
【0096】
図17は、管30に関して前述したように、鉄、亜鉛、炭素鋼、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、黄銅、または青銅などの電磁反応材料で構成された管壁32を含む管309を示す。非導電材料の層270は管壁32の内面52を裏張りする。この方法で非導電材料の層270は電磁反応材料を抗菌流体から分離する。したがって、非導電材料の層270のみが抗菌流体に露出される。例えば、限定はしないが、非導電材料の層270は公知の堆積技術によって内面232上に被覆される。または、非導電材料の層270は予め成形される(例えば、型成形で)。
【0097】
図18は本発明の実施形態を示し、マイクロ波エネルギーが発生して熱が生成される。管230は電磁反応粒子240が埋め込まれた非導電材料231で構成されるのが好ましい。電磁反応材料231は材料が電気または磁気ヒステリシスループを通して駆動されるとき熱を生じる材料にするのが好ましい。
【0098】
マイクロ波発生器250は電磁エネルギー源となる。マイクロ波発生器250は電磁エネルギーを発生するマグネトロンの形をとる。マイクロ波発生器250はマイクロ波、すなわち、約1GHzから約300GHzの周波数の電磁放射線を発生する。1つの実施形態では、フェライト粒子を含むガラスがマイクロ波に露出される。マイクロ波の変化する磁界はフェライト粒子をその磁気ヒステリシスループを通して駆動し、粒子に磁気的に作用する。この磁気作用の結果、フェライト粒子を加熱する。この熱はガラス(例えば、Pyrex(登録商標))基盤に伝達される。類似の方法で、強磁気粒子はポリマー、セラミック、またはガラスの基盤内で混合できる。この場合、入射する電磁波の振動する電界は電気ヒステリシスループによって粒子を駆動し熱を発生する。
【0099】
電磁反応材料231は、限定はされないが、強磁性材料(鉄)および/またはフェリ磁性材料(フェライト、例えば、磁鉄鉱(Fe)またはFeO・Fe)、または強誘電材料(ペロブスカイト、例えば、チタン酸鉛(PbTiO)など)および/またはフェリ誘電材料を含む群から選択することができる。特定の典型的な材料は料理プロセスを短縮するマイクロ波食品包装に通常使用する金属化ポリエチレンテレフタレイト(PET)である。
【0100】
図18に示す実施状態に代わるものとして、管230は電磁反応粒子を埋め込んでいない非導電材料で構成することができる。電磁反応材料(例えば、金属化PETなどの金属化ポリメリックフィルム)の層240で管230の内面232を被覆する。
【0101】
前述のように、電磁反応材料は加熱管30および/または挿入要素180の表面に材料の層の形にすることができる(例えば、図15参照)。または、非導電材料は加熱管30および/または挿入要素180の表面に保護被覆層の形にすることができる(例えば、図16および17を参照)。電磁反応材料および非導電材料の層は、限定はされないが、電着、自己触媒堆積、アークスプレイ、および熱スプレイを含む公知の堆積技術で形成することができる。
【0102】
本発明のさらに典型的な実施形態によると、加熱管および/または挿入要素は、限定はされないが、従来の成形、射出成形、または押出し成形を含む種々の技術で製造できる。押出しまたは射出成形は熱可塑性ポリマーには好ましい。従来の成形は熱硬化性ポリマーに好ましい。押出された管または挿入要素の場合、複合材料の円筒を作るため電磁反応粒子はポリマーとともに押出し装置に加えることができる。
【0103】
図19および20は複数の通路を備えるため複数の穴336を備えた加熱管330を示す。管330は非導電材料231に埋め込まれた電磁反応粒子240で構成される。加熱管330は、限定はされないが、成形、射出成形、押出し成形およびスピン鋳造を含む公知の手段によって作ることができる。穴336はそこにドリルで形成する。
【0104】
図21および22は加熱管のさらに別の実施形態を示す。管430は非導電材料231に埋め込まれた電磁反応粒子240で構成される。管430は機械加工された溝432を有する2つの半円柱部分430a,430bで作られる。溝432には単一の溝部分432aと複数の溝部分432b部分とが含まれる。加熱管430は成形、射出成形または押出し成形で作られる。2つの半円柱部分430a,430bは超音波または他の方法(図22)で結合し、流路として作用する血管状管を有する円柱を形成する。噴霧化された抗菌流体は血管状管内に分散できる。理解されるように、追加の流路は機械加工で作られる。
【0105】
図23および24は非導電材料231に埋め込まれた電磁反応粒子240で構成される。ねじ型挿入要素280が、非導電材料231に埋め込まれた電磁反応粒子240で構成される。螺旋通路282がねじ型挿入要素280で形成される。噴霧化された抗菌流体は螺旋通路282に分散できる。図24に示すように、挿入要素280は管230内に配置される。
【0106】
加熱管および/または挿入要素はここに示した以外の幾何形状にすることができる。ざらに、成形または押出し成形できる非導電材料(例えば、ポリマー)を使用すると、種々の変化に富む幾何形状の加熱管および挿入要素の製造が容易になる。またこのことで、加熱管および挿入要素が統合された部品として簡単に形成される。理解されるように、円筒状加熱管および/または挿入要素に1つ以上のエルボーを取り付けることができ、エルボーは噴霧化された抗菌流体が突き当たって蒸発できる「壁」となる。
【0107】
理解されるように、本発明には、非導電材料が溶融または破壊する結果となる蒸発器の過熱を防止する温度検出装置が含まれる。典型的な温度検出装置は、温度で変化する電圧を生成する非類似金属でできた一対の結合ワイヤを使用して温度変化を検出する熱電対である。
【0108】
前述の非導電材料を使用すると数多くの有利な効果が得られる。この点については、蒸発器の重量および製造コストが低減できる。さらに、非導電材料は電磁反応材料を抗菌流体から分離するのに使用できる。したがって、水、過酸化水素、過酸などの抗菌流体は電磁反応材料(例えば、銅)による抗菌流体の分解を心配することなく使用できる。
【0109】
発明は好ましい実施形態を参照して述べてきた。明らかに、以上の詳細な記載を読み取りかつ理解するに際して、修正変更が起こり得る。修正変更が特許請求の範囲またはそれと均等なものの範囲である限り、このような修正変更はすべて発明に含まれるものとして解釈される。明細書を読み取り理解するに際して他の修正変更が起こり得る。このようなすべての修正変更は特許請求の範囲またはそれと均等なものの範囲内である限り含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0110】
本発明は一定の部分および部分の配置において具体的な形態をとり、その好ましい実施形態は明細書で詳細に記述し、かつ一部を形成する付帯する図面で説明する。
発明は種々の部品および部品の配置において、種々のステップおよびステップの配置において形態をとる。図面は好ましい実施形態を示すためだけであり、発明を限定するように構成したものではない。
【図1】本発明による蒸発システムの第1の実施形態の概略図である。
【図2】本発明による蒸発システムの第2の実施形態の概略図である。
【図3】蒸発器の第2の実施形態の側断面部である。
【図4】蒸発器の第3の実施形態の斜視図である。
【図5】蒸発器の第4の実施形態の側断面図である。
【図6】蒸発器の第5の実施形態の側断面図である。
【図7】蒸発器の第6の実施形態の側断面図である。
【図8】蒸発器の第7の実施形態の側断面図である。
【図9】蒸発器の第8の実施形態の斜視図である。
【図10】本発明の別の実施形態を示す微生物汚染除去プロセスに使用する蒸発器の断面図である。
【図11】非導電材料内に埋め込まれた粒状金属粒子で構成される蒸発器加熱管の部分の拡大断面図である。
【図12】非導電材料内に埋め込まれた金属片で構成される蒸発器加熱管の部分の拡大断面図である。
【図13】非導電材料内に埋め込まれた金属被覆ガラス球で構成される蒸発器加熱管の部分の拡大断面図である。
【図14】図14として示した部分の拡大図である。
【図15】本発明のさらに別の実施形態による微生物汚染除去プロセスに使用する蒸発器の拡大断面図である。
【図16】本発明のさらに別の実施形態による微生物汚染除去プロセスに使用する蒸発器の拡大断面図である。
【図17】本発明のさらに別の実施形態による微生物汚染除去プロセスに使用する蒸発器の拡大断面図である。
【図18】本発明のさらに別の実施形態によるマイクロ波発生器を含む蒸発器の断面図である。
【図19】本発明のさらに別の実施形態による微生物汚染除去プロセスに使用する蒸発器の断面図である。
【図20】図19の線20−20に沿った断面図である。
【図21】本発明のさらなる実施形態による電気非伝導材料内に埋め込まれた電磁反応材料で構成された蒸発器加熱管部の斜視図である。
【図22】図21に示すタイプの2つの加熱管部から形成した蒸発器加熱装置の斜視図である。
【図23】本発明のさらなる実施形態による蒸発器加熱装置アセンブリの一部の断面図である。
【図24】図23に示した蒸発器加熱装置の分解斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗菌蒸気を形成するため噴霧化された抗菌流体を蒸発させる蒸発器であって、
電磁放射源と、
貫通する通路を備え、噴霧化された液体を通路に受け入れる入口と通路から抗菌蒸気を放出して抗菌蒸気を規定された領域に供給する出口とを備え、第1の非導電材料と第1の電磁反応材料とで構成された加熱チャンバと、
(1)金属および(2)第2の非導電材料と第2の電磁反応材料の少なくとも1つで構成され、加熱チャンバの通路内に配置された挿入要素と
で構成された蒸発器において、
前記加熱チャンバおよび前記挿入要素は両方とも抗菌蒸気を形成するため噴霧化された抗菌流体の蒸発に寄与する
蒸発器。
【請求項2】
前記第1および第2の非導電材料はポリマー、セラミックおよびガラスからなる群から選択される、請求項1に記載の蒸発器。
【請求項3】
前記ポリマーは熱可塑性ポリマーおよび熱硬化性ポリマーからなる群から選択される、請求項2に記載の蒸発器。
【請求項4】
前記熱可塑性ポリマーはポリフタルアミド、ポリイミド、フルオロポリマー、PTFE,4.6ポリアミド、4.6ナイロン、ポリアミド−イミド、ポリアリルエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトンからなる群から選択される、請求項3に記載の蒸発器。
【請求項5】
前記熱硬化ポリマーはエポキシおよびウレタンからなる群から選択される請求項3に記載の蒸発器。
【請求項6】
前記セラミックは金属酸化物材料である、請求項2に記載の蒸発器。
【請求項7】
前記セラミックはシリカ、アルミナおよびマグネシアからなる群から選択される、請求項6に記載の蒸発器。
【請求項8】
前記第1および第2の電磁反応材料は金属、金属合金、金属被覆材料、炭素、黒鉛、ステンレス鋼、金属合金半だ、強磁性材料、フェリ磁性材料、強誘電材料、フェリ誘電材料、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の蒸発器。
【請求項9】
前記金属はニッケル、銅、亜鉛、銀、ステンレス鋼、タングステン、ニクロム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項8に記載の蒸発器。
【請求項10】
前記第1および第2の電磁反応材料の少なくとも1つは強磁性材料である、請求項1に記載の蒸発器。
【請求項11】
前記第1および第2の電磁反応材料の少なくとも1つはフェリ磁性材料である、請求項1に記載の蒸発器。
【請求項12】
前記第1および第2の電磁反応材料の少なくとも1つは強誘電材料である、請求項1に記載の蒸発器。
【請求項13】
前記第1および第2の非導電材料の少なくとも1つは非導電基盤を形成し、前記第1および第2の電磁反応材料の少なくとも1つは非導電基盤内に埋め込まれる、請求項1に記載の蒸発器。
【請求項14】
前記第1および第2の電磁反応材料の少なくとも1つはファイバ、フレーク、球、ウィスカ、グレン、被覆粒子およびそれらの組み合わせからなる群から選択された形状である、請求項13に記載の蒸発器。
【請求項15】
前記第1の電磁反応材料は前記第1の非導電材料の表面に層を形成し、かつ
前記第2の電磁反応材料は前記第2の非導電材料の表面に層を形成する
請求項1に記載の蒸発器。
【請求項16】
前記第1の電磁反応材料は前記第1の非導電材料に埋め込まれ、かつ
前記第2の電磁反応材料は前記第2の非導電材料に埋め込まれる
請求項15に記載の蒸発器。
【請求項17】
前記第1の電磁反応材料は熱スプレイ、電着、自己触媒堆積、およびアークスプレイの少なくとも1つによって前記第1の非導電材料上に堆積し、かつ
前記第2の電磁反応材料は熱スプレイ、電着、自己触媒堆積、およびアークスプレイの少なくとも1つによって前記第2の非導電材料上に堆積する
ことの少なくとも1つが行われる
請求項15に記載の蒸発器。
【請求項18】
前記第1の非導電材料は第1の保護被覆となる第1の層を形成し、前記第1の保護被覆は前記第1の電磁反応材料を抗菌流体から分離し、かつ
前記第2の非導電材料は第2の保護被覆となる第2の層を形成し、前記第2の保護被覆は前記第2の電磁反応材料を抗菌流体から分離する
ことの少なくとも1つが行われる
請求項1に記載の蒸発器。
【請求項19】
前記第1の電磁反応材料は前記第1の非導電材料に埋め込まれ、かつ
前記第2の電磁反応材料は前記第2の非導電材料に埋め込まれる
ことの少なくとも1つが行われる
請求項18に記載の蒸発器。
【請求項20】
前記第1の電磁反応材料は熱スプレイ、電着、自己触媒堆積、およびアーク堆積の少なくとも1つによって前記第1の層を形成するため堆積し、かつ
前記第2の電磁反応材料は熱スプレイ、電着、自己触媒堆積、およびアーク堆積の少なくとも1つによって前記第2の層を形成するため堆積する
ことの少なくとも1つが行われる
請求項18に記載の蒸発器。
【請求項21】
前記電磁放射源はマイクロ波発生器であり、前記マイクロ波発生器は前記第1の電磁反応材料および前記第2の電磁反応材料の少なくとも1つを加熱するマイクロ波を発生する、請求項1に記載の蒸発器。
【請求項22】
前記第1の電磁反応材料および前記第2の電磁反応材料の少なくとも1つは、強磁性材料、フェリ磁性材料、強誘電材料およびフェロ誘電材料からなる群から選択される、請求項21に記載の蒸発器。
【請求項23】
前記電磁放射源は交流を生成する、請求項1に記載の蒸発器。
【請求項24】
前記交流は少なくとも第1の周波数と第2の周波数を有し、前記電磁放射はそれぞれ第1および第2の深さで前記加熱チャンバを貫通する、請求項23に記載の蒸発器。
【請求項25】
前記加熱チャンバには一般的な円筒管が含まれる、請求項1に記載の蒸発器。
【請求項26】
前記挿入要素はねじ型挿入要素であり、前記通路は前記ねじ型挿入要素を通る螺旋経路に従う、請求項1に記載の蒸発器。
【請求項27】
規定された領域および規定された領域内物品の少なくとも1つを微生物汚染除去を行う方法であって、
非導電材料および電磁反応材料からなり内部通路を形成するブロックを誘電加熱し、
噴霧化された液体を内部通路に通して、誘電加熱されたブロックで通路の壁に接触する噴霧化された液体を蒸発させて抗菌蒸気を形成し、
ブロックから規定された領域に蒸気を流して規定された領域および物品の少なくとも1つを汚染除去する
方法。
【請求項28】
蒸気をキャリアガスで混合し、かつ
蒸気およびキャリアガスの混合物を規定された領域に流す
ことがさらに含まれる、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
蒸発させる前に噴霧化された液体をキャリアガスの一部で混合する
ことがさらに含まれる、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
噴霧化された液体には水が含まれ、蒸気は水蒸気である、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
噴霧化された液体には過酸化合物が含まれる、請求項27に記載の方法。
【請求項32】
規定された領域の抗菌蒸気の濃度を検出し、かつ
検出された濃度に応じて容器の誘導加熱率を調節する
ことがさらに含まれる請求項27に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate


【公表番号】特表2007−534132(P2007−534132A)
【公表日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−509460(P2007−509460)
【出願日】平成17年2月4日(2005.2.4)
【国際出願番号】PCT/US2005/003751
【国際公開番号】WO2006/101467
【国際公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(505214191)ステリス インク (25)
【Fターム(参考)】