説明

蓄熱機能を備える熱交換器

【課題】互いに熱交換を行う伝熱流体と蓄熱材をそれぞれ流通させるチューブおよびリザーバを効率的に配置し、生産コストを低廉にすることができる熱交換器を提供する。
【解決手段】本発明は、たとえば自動車のエアコンディションの回路のような熱交換器に関する。このエアコンディションは、冷却流体(伝熱流体)が循環する複数のチューブ12と、このチューブの端が入るマニフォールド、及びチューブ12に接する蓄熱材のリザーバ11から成り、蓄熱材と冷却流体は、相互に熱を交換することができる。この熱交換器は、複数の熱交換エレメントから成り、それぞれのエレメントには、最低1個の蓄熱リザーバ11と1本のチューブ12が組み込まれている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば自動車の分野で用いられる熱交換器に関する。より詳細には、管端がマニフォールド内に開口して、伝熱流体を循環させるようになっている複数のチューブ、及び蓄熱材のリザーバを備える熱交換器に関する。このリザーバとチューブが接触して、蓄熱材と伝熱流体間で、熱交換が行われるようになっている。
【背景技術】
【0002】
熱交換器の目的は、複数のチューブの中を循環する伝熱流体と、熱交換器を通り抜ける外部流体の間で熱を交換させることにある。自動車における空調装置の場合、この外部流体は、車内へ送り込まれる空気である。
【0003】
チューブは通常、マニフォールド内に開口している。マニフォールドの機能の一つは、すべての、または何本かのチューブを、流体工学的に繋ぐ事である。
【0004】
熱交換器は、伝達流体の循環回路の他の部分、たとえば自動車の空調装置の回路と接続されている。伝達流体は、この回路を、自動車のエンジンにより直接駆動されるコンプレッサーによって循環させられる。
【0005】
従って、自動車のエンジンが停止している時、回路内の伝達流体の循環は止まり、空気と伝達流体との熱の交換も行われない。従って、車内へ吹き込まれる空気が、冷却されることはない。この状況は、ますます、問題となりつつある。その理由は、最近の燃料節約のシステムでは、車両が停止状態になると、自動的にエンジンを切ってしまうようになっており、往々にして、車内の冷気が失われてしまうからである。
【0006】
熱交換器に蓄熱材のリザーバを設け、伝熱流体が循環するチューブをその中に通した熱交換器は、公知である。たとえば、特許文献1は、循環する伝熱流体を通す複数のチューブと、このチューブの軸線に沿って、複数の凹部を設けた特別なチューブを備える熱交換器について記述している。チューブは冷却流体を循環させ、凹部には蓄熱材が納められる。このチューブと凹部との接触により、蓄熱材と伝熱流体は、相互に熱交換を行う。
【0007】
こうして、自動車のエンジンが動いている時には、冷却流体は、熱交換器を通過する空気と蓄熱材の両方を冷却し、エンジンが切られた時には、蓄熱材は、熱交換器を通過する空気に、冷気(より正確には冷エネルギー)を発散する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】フランス国特許出願FR2847973
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このような特別なチューブは、満足するべきものであるが、相当に複雑で、生産費が高くつく。
【0010】
本発明の目的の一つは、上に述べた不利な点を克服することである。そのために、それぞれに少なくとも1個のリザーバと、少なくとも1個のチューブが収められた複数の熱交換エレメントとによって構成された新しいタイプの熱交換器を提供することである。これにより、蓄熱材は、少なくとも部分的にでも、伝熱流体のチューブを取り巻くこととなり、この蓄熱材と流体との間の熱交換は改善される。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のある実施例においては、マニフォールドは、チューブのエンドピースの集合で構成されている。各エンドピースは、他のエンドピースと結合される結合体を有し、伝熱流体が、チューブの1個のエンドピースから、他のエンドピースに流れることができるように接続されている。このようにして、スペースを大きく占めることのないマニフォールドが得られる。
【0012】
この場合、各チューブエンドピースは、隣接するチューブエンドピースの接続面と当接する接続面を有し、各接続面は、隣接するチューブエンドピースの接続面の伝達流体通路の開口部と一致する伝熱流体用の開口部を有することが望ましい。このような構成により、必要なスペースが小さくなる。
【0013】
各流体循環のチューブエンドピースは、それぞれ、接続面と当接面を有する2枚の対称的なラグから成り、当接面は、他の当接面と接していると有利である。この場合、チューブは、チューブエンドピースの2枚の対称的なラグの間に、くさびのように挟み込むこともがきる。
【0014】
本発明のある実施例においては、前記の熱交換エレメントは、全体としては、管状のリザーバの外観を有し、内部にチューブを収容してある。このような熱交換器の製造は、相当に簡単で安価である。事実、必要とされるのは、チューブと、製造の容易な管状のリザーバを造ることだけである。リザーバとチューブを別体に作ることもある。
【0015】
チューブをリザーバの中央部に置き、その両側2箇所に蓄熱材を収容すると有利である。こうすることにより、伝熱流体と蓄熱材との間の熱交換が良くなる。
【0016】
一つの選択肢として、熱交換器に、そのチューブとリザーバの間のスペースに一つの以上の波形の挿入物を加えることもできる。このようにすると、挿入物は、それを収める貯蔵空間に区画を形成する。
【0017】
ある有利な実施例では、伝熱流体が循環する各チューブは、互いに平行な2側面を有し、また各リザーバも、互いに平行な2側面を有している。チューブの側面とリザーバの側面が、それぞれ接触するように配置される。このように、「フラットチューブ」という名で知られるチューブが、本発明による熱交換器には用いられる。リザーバは、より大きなフラットチューブの形をとることもある。表面同士の接触は、チューブとリザーバとの間の熱伝導を良好にする。このことは、後述する通り、エンジンが動いている時の熱交換器の正しい運転のためには重要な事である。
【0018】
ある有利な構成によると、チューブの末端はリザーバの外部に突き出し、各リザーバは、チューブが突き出る通路を備え、かつ流体の通過を許容する閉鎖手段を備えている。この閉鎖手段とは、リザーバのエンドピースであり、これに、流体循環チューブの通路が設けられている。
【0019】
この場合、各リザーバのエンドピースは、それぞれ対称的な2つのラグを有し、各ラグは、それぞれ当接面を有し、各当接面は、他のラグの当接面と接していると有利である。各面は、少なくとも部分的にでも、流体循環のチューブを収容できるようにした凹部を備えている。これにより、各リザーバのエンドピースは、リザーバの上に折りたたまれ、リザーバの端を閉鎖する。
【0020】
リザーバのエンドピースの各当接面には、前記の凹部が開口している開口部を有していることが望ましい。
【0021】
ある有利な実施例では、チューブエンドピースの各ラグは、リザーバのエンドピースのラグの一つと一体として作られる。このことは、チューブとリザーバのエンドピースが、一体として製作され得ることを意味している。
【0022】
本発明の他の実施例では、前記の熱交換エレメントは、リザーバからなり、このリザーバは、2枚のほぼ対称的なエンドプレートを備え、各エンドプレートは、それぞれ当接面を有し、この当接面は、他のエンドプレートの当接面と接している。各当接面には、伝熱流体を循環させるチューブの少なくとも一部分を収めることができる凹部が設けられている。この実施例では、リザーバは、2つの部分から作られ、間にチューブを保持するように組み立てられる。
【0023】
この実施例では、リザーバは、閉鎖手段として、対称的な2個のシェルを備えている。シェルは、それぞれ当接面を有し、両方の当接面が互いに接するようにされる。
【0024】
シェルの各当接面に、それぞれ一つの凹部を設け、その凹部に、伝熱流体循環チューブの少なくとも一部分でも収まるようにするのが望ましい。この場合、各シェルは、少なくとも1個の開口部がチューブエンドピースの開口部と一致すると有利である。
【0025】
各エンドプレートは、シェルと一体をなしているのが望ましい。
【0026】
ある実施例では、各流体循環チューブは、2枚のプレス加工のプレートの組み合わせからなっている。
【0027】
一選択肢として、プレス加工されたプレートの組み合わせ体の外面に、蓄熱材を保持するための凹み(112)を設けることもある。
【0028】
シェルには、リザーバと連通するための孔があけられている。
【0029】
本発明の他の実施例では、前記熱交換エレメントは、2枚の閉鎖プレートと、少なくとも1枚の挿入中間プレートとによって構成されている。この中間プレートには、少なくとも1個のチューブと1個のリザーバが設けられている。このようにして、熱交換エレメントは、金属板を切断加工することにより、容易に形成される。
【0030】
チューブは、全体としてU形の外観を呈しているのが有利である。この場合、ただ1個のマニフォールドのみが必要となり、熱交換器の構造が単純化される。
【0031】
有利な一つの形体は、U形のブランチを波状とし、このブランチの波形を、相互に対応させることである。このようにして、非常に長く、かつ中間プレートの大きさによって定められるスペース内に収まるようなチューブを作ることができる。
【0032】
ある特定の実施例では、各リザーバが、チューブの少なくとも一部を補うので、チューブとリザーバを分けている材料の量を減らすことができる。それゆえ、蓄熱材と伝熱流体間の熱交換性能が改善される。
【0033】
中間プレートから提供される容積を最適化することができるように、リザーバは、U形の両ブランチの間から、また両ブランチの外側からも切り離されている。
【0034】
ある望ましい実施例では、前記熱交換エレメントは、さらに第2の挿入中間プレートによって構成されている。この中間プレートには、少なくとも1個のチューブと、1個のリザーバが設けられる。こうして、1個の熱交換エレメントは、数個のリザーバと、数個の伝熱流体循環チューブよって構成される。
【0035】
この場合、第1中間プレートと第2中間プレートの間に、中間閉鎖プレートを挿入することもある。
【0036】
中間閉鎖プレートは、連結している第1、第2の中間プレートの、少なくともそれぞれ一連のチューブまたは一連のリザーバ、あるいはその両方を収める一連の孔を備えていることが望ましい。このようにすると、リザーバとチューブ間の連通が確実となる。
【0037】
閉鎖プレートは、チューブと連通する少なくとも1つの孔を備え、かつリザーバと連通するための、もう1つの孔を備えているのが有利な構成である。これにより、熱交換エレメントに蓄熱材および伝熱流体も供給されることとなる。
【0038】
本発明の他の態様においては、前記熱交換エレメントは、互いに支え合うチューブモジュールと、中間プレートとを備え、かつチューブモジュールは、中間プレートに覆われることによって、流体循環チューブを形成するようになっている第1の空隙を有する。この場合、2つの部品から熱交換エレメントを構成することができる。
【0039】
この態様においては、チューブモジュールは、中間プレートに覆われることによって、リザーバを形成するようになっている中央空隙および第2の空隙をも有する。
【0040】
この態様の変形例においては、熱交換エレメントは、互いに支え合う第1および第2のチューブモジュールと、これらのチューブモジュールに挟まれた中間プレートとを備え、かつ第1および第2のチューブモジュールは、中間プレートに覆われることによって、流体循環チューブを形成するようになっている第1の空隙を有する。この場合には、3つの部品から、2本の伝熱流体循環用のチューブを形成することができる。
【0041】
この変形例においても、第1および第2のチューブモジュールは、中間プレートに覆われることによって、リザーバを形成するようになっている中央空隙および第2の空隙をも有する。
【0042】
前記中間プレートは、第1および第2のチューブモジュールの各第1の空隙と一致する孔を有するのが好ましい。このような孔を設ければ、各チューブモジュールに形成される2本のチューブの間で、伝熱流体の分布を調整することができる。
【0043】
前記中間プレートは、第1のチューブモジュールおよび第2のチューブモジュールの各中央空隙および第2の空隙と一致する孔を有するのが好ましい。このような孔を設けると、各熱交換エレメントに形成される複数のリザーバ同士を連通することができ、蓄熱材の充填が容易になる。
【0044】
前記第1および第2のチューブモジュールの各第1の空隙は、概ねU字形であるのが好ましい。
【0045】
前記第1および第2のチューブモジュールの各中央空隙は、前記U字形の各第1の空隙に囲まれるようにして形成されているのが好ましい。すなわち、熱交換エレメントは、中央部に蓄熱材のリザーバ、かつその周りに伝熱流体循環用のチューブを有するのが好ましい。
【0046】
前記中間プレートは、同一の熱交換エレメントにおける第1および第2のチューブモジュールの一方の中央空隙、および他方の第2の空隙と一致する孔を有するのが好ましい。リザーバへの蓄熱材の充填が容易になるからである。
【0047】
前記第1および第2のチューブモジュールは、リザーバを形成する中央空隙を有し、前記中間プレートは、リザーバへの蓄熱材の充填を容易にするため、この中央空隙と一致する孔を有するのが好ましい。
【0048】
前記第1の空隙は、大きさが定まっているチューブモジュールに対して、チューブを長くしうるよう、曲がりくねって延びているのが好ましい。第1の空隙は、熱交換用の面積を最適にしうるよう、中央空隙および第2の空隙によって挟まれているのが好ましい。
【0049】
前記第1および第2のチューブモジュールは、前記第1の空隙への伝熱流体の流入を確保するため、第1の空隙と連通するオリフィスを有するのが好ましい。
【0050】
また、前記第1および第2のチューブモジュールは、前記中央空隙への蓄熱材の流入を確保するため、前記中央空隙と連通するオリフィスを有するのが好ましい。
【0051】
本発明に係る熱交換器は、隣合う第1のチューブモジュールと第2のチューブモジュールとの間に、コネクタを備え、このコネクタは、これら第1および第2のチューブモジュールのオリフィスの形状と一致し、かつ前記第1の空隙を介して、複数の熱交換エレメントに跨る伝熱流体の循環を可能にするオリフィスを有するのが好ましい。
【0052】
さらに、前記コネクタは、前記第1および第2のチューブモジュールのオリフィスの形状と一致する流路を有するのが好ましい。
【0053】
前記各熱交換エレメントは、伝熱流体を循環させるための複数のチューブ、およびこのチューブの間に、蓄熱材を貯留させるための複数のリザーバを備えているのが好ましい。また、これら複数のチューブは、複数のリザーバと、交互に配置されているのが好ましい。
【0054】
望ましい実施例では、伝熱流体は冷却タイプの流体であり、その場合、蓄熱材は低温のエネルギーを蓄える物質である。このようにすることにより、本発明の熱交換器を、自動車の空調回路に用いることができる。
【発明の効果】
【0055】
本発明によれば、互いに熱交換を行う伝熱流体と蓄熱材をそれぞれ流通させるチューブおよびリザーバを効率的に配置し、生産コストを低廉にすることができる熱交換器が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】熱交換エレメントを備える本発明の熱交換器の第1実施例の略正面図である。
【図2】図1の熱交換器における熱交換エレメントの一部を示す斜視図である。
【図3】図2の示す熱交換エレメントの断面図である。
【図4A】図1に示す熱交換器の熱交換エレメントの第2の実施例の一部を示す斜視図である。
【図4B】図2に示す熱交換エレメントの異なる例の断面図である。
【図4C】図2に示す熱交換エレメントのさらに異なる例の断面図である。
【図4D】図2に示す熱交換エレメントのさらに異なる例を示す一部断面図である。
【図5】本発明における蓄熱材リザーバエンドピースの第1実施例の斜視図である。
【図6】本発明におけるチューブエンドピースの第1実施例の斜視図である。
【図7】図6に示すチューブエンドピースとチューブの斜視図である。
【図8】図7に示すチューブエンドピースとリザーバのエンドピースの第2実施例の正面図である。
【図9】図8の熱交換エレメントの異なる実施例を展開して示す斜視図である。
【図10】図9に示す熱交換エレメントの側面図である。
【図11A】図10に示す熱交換エレメントの部分側面図である。
【図11B】図11Aの一部のみを示す斜視図である。
【図12】チューブエンドピースとリザーバエンドピースの組み合わせ体を分解して示す部分斜視図である。
【図13】異なる実施例におけるチューブエンドピースとリザーバエンドピースの組み合わせ体を展開して示す部分斜視図である。
【図14】さらに異なる実施例におけるチューブエンドピースとリザーバエンドピースの組み合わせ体の部分斜視図である。
【図15】図14に示すエンドピース複数を組み合わせたものの斜視図である。
【図16】本発明の異なる実施例における熱交換エレメントを分解して示す斜視図である。
【図17】図16に示す熱交換エレメントの部分側面図である。
【図18】本発明の異なる実施例における熱交換エレメントを展開して示す斜視図である。
【図19】図18に示す熱交換エレメントで形成さられた熱交換器の斜視図である。
【図20】本発明のさらに他の実施例に係る熱交換エレメントの分解斜視図である。
【図21】図20に示す熱交換エレメントにおける中間プレートの斜視図である。
【図22】図20に示す熱交換エレメントにおけるチューブモジュールの斜視図である。
【図23】図20に示す熱交換エレメントからなる熱交換器の分解斜視図である。
【図24】図23に示す熱交換器において熱交換エレメント同士を接続する接続部材の斜視図である。
【図25】本発明のさらに他の実施例に係る熱交換器の一部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
本発明の上記した以外の特徴と有利な点は、以下の詳しい説明と添付図を吟味することにより、明らかになると思う。
【0058】
添付の図は、本発明を理解するのに役立つばかりでなく、必要に応じて、本発明を定義付けるのにも役立つものである。
【0059】
図1は、本発明の熱交換器の第1実施例の略正面図である。
【0060】
この熱交換器1は、互いに向き合う2個の平行横長のヘッダボックス2を備えている。ヘッダボックス2の間に、一群の熱交換エレメント4がある。熱交換エレメント4は、蓄熱材と伝熱流体を容れるためのもので、横1列に並べられている。熱交換エレメント4は、図2に示すように、全体としての外観は管状である。
【0061】
隣接する2個の熱交換エレメント4の間に、熱交換挿入体6が設けられている。熱交換挿入体6の目的は、熱交換エレメント4の中にある蓄熱材及び伝熱流体と、熱交換器の中を通り過ぎる空気との間の熱交換を行わせるための表面積を増すことである。
【0062】
図2は、図1の熱交換器1における熱交換エレメント4の一部を示す斜視図である。熱交換エレメント4は、1個のリザーバ11から成っている。リザーバ11は扁平の断面を有し、その両側面8は、平行で、やや広い長方形である。両側面は、カーブした接続部10でつながっている。
【0063】
リザーバ11は、大きな平らなフラットチューブと考えてもよい。「フラットチューブ」とは、チューブの両側面の寸法と比べると、その両側面の間の隙間が小さいチューブという意味である。同様に、リザーバ11は、プレートチューブ、曲がったチューブ、巻いたチューブ、その他、どのような公知の形にもすることができる。
【0064】
熱交換エレメント4は、リザーバ11の内の中央部に位置する流体循環用フラットチューブ12を備えている。流体循環フラットチューブ12は、管状のリザーバ11のように、対称的で平らで大きな、ほぼ長方形の2つの側面14を持っている。その側面14同士は、カーブした接続部16でつながっている。
【0065】
ここに示すリザーバ11と流体循環用フラットチューブ12は、同じフラット型であるが、他の型も考えられる。サークル型の断面の流体循環チューブを、丸い断面のリザーバの中に置くことも可能であり、また、丸い断面の流体循環チューブを、フラット型断面のリザーバの中に置くことも可能である。
【0066】
さらに、いろいろなタイプのフラットチューブを、リザーバ4の中に入れることも可能である。フラットチューブとしては、プレートチューブ、曲げたチューブ、押出ししたチューブ、巻いたチューブ、その他、公知のあらゆる形のチューブが使用される。
【0067】
図3は、熱交換エレメント4の横面図である。流体循環用フラットチューブ12には、伝熱流体の循環のための複数の長手方向の路17がある。ここでの伝熱流体は冷却流体である。この流体循環用フラットチューブ12は、時には、「多通路フラットチューブ」と呼ばれる。他のタイプのチューブ、特に単一の通路を持つチューブを用いることもある。
【0068】
流体循環用フラットチューブ12は、リザーバ11の中央部に位置している。このフラットチューブ12の幅は、リザーバ11よりも小さいので、リザーバ11の中のフラットチューブ12の両側に、物質を蓄えるための2つの長い貯蔵空間18が形成られる。この貯蔵空間18は、たとえば冷エネルギーを蓄えることができる蓄熱材で満たされている。この長い通路17を循環するのが冷却流体である場合、冷却流体は、貯蔵空間18に収容されている冷エネルギー貯蔵材を冷却する。
【0069】
流体循環用フラットチューブ12の側面14全体は、リザーバ11の長方形の側面8と接している。このようにして、流体循環用フラットチューブ12の長い通路17の中を循環する伝熱流体と、リザーバ11の側面8を通過する空気との熱交換は最適化される。この熱交換をさらに良好にするために、熱交換用挿入体6(図3には現れない)が、リザーバ11の長方形の側面8と接するようにして設けられている。
【0070】
図4Aは、フラットチューブ12の異なる例を示す。この変形では、フラットチューブ12は、カーブした接続部16と、全体として長方形の複数の区画エレメント20を備えている。区画エレメント20の長軸は、フラットチューブ12の長軸と同方向を向き、その高さ方向は、フラットチューブ12の断面の中心軸と直交している。その高さは、リザーバ11の厚さとほぼ同じである。
【0071】
図4Bは、図2のリザーバ11の内部に位置する、図4Aのフラットチューブ12の断面図である。フラットチューブ12のリザーバ11に区画エレメント20を挿入すると、貯蔵空間18は区分されて、蓄熱材を収容する複数の細長い区画が形成される。
【0072】
図4Cは、図4Aにおける区画エレメント20の変形実施例の断面図である。この変形においては、区画エレメント20は、全体として管状のリザーバ11のカーブした接続部10に似た形状をしている。
【0073】
図4Dは、貯蔵空間18の1つの選択肢として、全体として波形の外形を有する挿入体24を挿入することによって区画を形成することもあることを示している。
【0074】
熱交換エレメント4の中で、リザーバ11とフラットチューブ12は、互いに当接し、熱交換エレメント4の中央に、リザーバ11の大きな側面8と平行に、伝熱流体循環のためのフラットチューブ12が位置し、その側面に、蓄熱材貯蔵のリザーバ11が形成されることに注目されたい。このような構成により、蓄熱材と伝熱流体との間で良好な熱交換が行われる。
【0075】
図5は、リザーバエンドピース26の斜視図である。リザーバエンドピース26は、それぞれが、ベアリング面30を備える2個の対称的なラグ28からなっている。対称的なラグ28は、金属のストラップ31をもって互いに接続され、このストラップ31をもって折り曲げることにより、ラグ28のベアリング面30同士を互いに接触させることができる。各ベアリング面30には、フラットチューブ12の厚さ方向の約半分を収容しうる形状の第1の凹部32が設けられている。
【0076】
各ベアリング面30には、流体循環用フラットチューブ11の厚さの約半分を収めることができるように設計された第2の凹部34を有し、第1の凹部32と第2の凹部34は互いに対向している。対称的な両ラグ28を、折りたたんで合わせると、ベアリング面30の第2の凹部34は、リザーバ11の一端を収容し、フラットチューブ12が通り抜けられるような形となる。
【0077】
こうして、リザーバエンドピース26をリザーバ11の端に差し込むと、それと同時に、フラットチューブ12はリザーバエンドピース26を通り抜け、その端がエンドピースから突き出る。さらに詳細にいえば、フラットチューブ12がリザーバエンドピース26から突き出て、ヘッダボックス2に収められるようになる。
【0078】
図6に示す本発明による熱交換器の他の実施例として、ここに斜視図で描かれているようなチューブエンドピース36を用いることもある。このチューブエンドピース36は、対称的な2個のラグ38から成り立っている。各ラグは、当接面40と接続面42を有し、当接面40は、互いに合わせて支持し合うように設計され、チューブエンドピース36を包み込むようになっている。ここに描かれてはいないが、各当接面40は凹部を有し、フラットチューブ12の一部を収めることができるようになっている。
【0079】
こうして、チューブエンドピース36を閉じると、フラットチューブ12の端を受け入れることができる。1個の同じ対照的なラグの当接面40と接続面42には、それぞれ、同じ循環流体の通孔41が設けられている。冷却流体は、この通孔41を通って、フラットチューブ12からエンドピース36を通って、外へ出ることができる。
【0080】
各接続面42には、環状のフランジ44が設けられている。このフランジ44は、接続面42から張り出し、流体の通路を取り巻いている。環状のフランジ44は、隣接するリザーバエンドピース26の環状フランジ44に押し付けられるように設計されている。
【0081】
この実施例においては、マニフォールドは、チューブエンドピース36と、その環状のフランジ44が、隣接するチューブエンドピース36の環状のフランジ44に当接するように、順次積み重ねるようにして製作されている。
【0082】
図7は、図6に示すチューブエンドピース36を有し、かつ内部に、リザーバ11を備えて、熱交換エレメント4を形成している流体循環用フラットチューブ12の斜視図である。
【0083】
ある特定の実施例(ここには描かれていない)では、図5に示すリザーバエンドピース26をリザーバ11に差込み、循環流体マニフォールドを形成するための図6に示すチューブエンドピース36をジョイントして用いることにより、熱交換器が製作されている。
【0084】
図8に示す、ある異なる実施例では、リザーバエンドピース26の第1の凹部32の形は、フラットチューブ12を納めるようにではなく、チューブエンドピース36における対称的なラグの一つを、部分的に収容しうるように定められている。そのため、図8に示すように、チューブエンドピース36の底の部分が、リザーバエンドピース26の中にはめ込まれている。
【0085】
一つの選択肢として、蓄熱材の通路のための孔を、リザーバエンドピース26の対称的なラグ28の一つに設けることもあり、この孔を通して、第2の凹部34の一つと連通する。この孔は、貯蔵空間18を満たすのに用いることができる。
【0086】
図9は、異なる実施例を示し、図8で示してあるタイプのリザーバエンドピース26と、前に述べたチューブエンドピース36と、図4Aで示すタイプのチューブ12から成っている。
【0087】
図10は、図9に示した本発明の実施例を変形したものの側面図である。一選択肢として、管状の接続部材46は、リザーバエンドピース26の対称的なラグ28から突き出し、端にフランジ48を有し、蓄熱材の通路としての孔を取り巻いている。
【0088】
接続部材46のフランジ48は、隣接するリザーバエンドピース11の接続部材46のフランジ48に押し付けられるように設計されている。接続部材46を連続して積み重ねることにより、蓄熱流体の通路となるダクトが形成される。蓄熱流体は、熱交換器の各リザーバ11に供給される。このようにして、リザーバ11すなわち貯蔵室18を満たすのが容易になる。
【0089】
図11Aおよび図11Bは、変形実施例を示す。蓄熱材の通過のための通孔50は、リザーバ11の側面8に設けられている。1個のリザーバ11において、孔の一つは、1個の貯蔵空間18と連通し、他の孔は、他の貯蔵空間18と連通している。そのため、接続部材52が設けられている。
【0090】
図11Bに詳細に示すように、接続部材52は、円形断面の短いチューブ54の両端に、張り出しフランジ56を設けたものである。接続部材52のフランジ56の一つは、リザーバ11の側面8に当接し、蓄熱材の通孔50を取り囲んでいる。他の張り出しフランジ56は、同じような態様で、他の管状のリザーバ11を支えている。前記のように、接続部材52は、リザーバ11に流体を供給するダクトを形成している。
【0091】
図12は、エンドピース58の斜視図である。このエンドピース58は、チューブエンドピース36とリザーバエンドピース26の両方の機能を果たす。この組み合わせエンドピース58は、それぞれが、ベアリング面と接続面を備える2枚の対称的なラグ60の形である。
【0092】
対称的なラグ60のそれぞれは、リザーバエンドピースの部分を持ち、その当接面62は第1窪み66を備えている。この窪み66は、端のほうに、リザーバ11の断面の約半分を容れることができる。各第1窪み66は延長されて、第2窪み68となり、これにフラットチューブ12の断面のほぼ半分を容れることができる。
【0093】
各第2窪み68は、通孔41の中に放射状に広がり、伝熱流体の通路に向けて開いている。この通孔41は、前記のような環状のフランジ44で取り巻かれている。この実施例では、リザーバ11は、上記したようなタイプの蓄熱材の通孔50のための円形の開口部と、接続部材46を備えている。
【0094】
図13は、図12の組み合わせエンドピース58を別の角度から見た図である。
【0095】
図14は、異なる実施例における組み合わせエンドピース70の斜視図であって、図12の組み合わせエンドピース58の変化形である。組み合わせエンドピース70は、接続ループ74によって繋がれた2個の対称的リング状のブランチ72の形である。接続ループ74を折り曲げることによって、ブランチ72は互いに当接する。
【0096】
対称的なブランチ72のそれぞれは、全体としては円筒状で、断面は環型である。内壁76も外壁78も円筒形である。内壁76は、中心のスペース80の内側を定めている。内壁76と外壁78は、組み合わさって、環状の断面の内部スペースを定めている。
【0097】
外壁78の両端は広がり、それぞれ、環状の鍔84Aと鍔84Bを形成している。接続ループ74を折りたたむと、一方の対称的ブランチ72の環状鍔84の一つ(環状ベアリング鍔Aと呼ばれる)は、もう一方の対称的ブランチ72の環状鍔84、すなわち環状ベアリング鍔84Aに密着して支え合う。外側の環状鍔84は、環状結合鍔84Bと呼ばれる。内壁76の両端はそれぞれで広がって、環状の鍔を形成し、それぞれ同じ組み合わせエンドピース70の鍔と接するか否かにより、環状ベアリング鍔86Aと呼ばれるか、環状結合鍔86Bと呼ばれる。
【0098】
ループ74を折りたたむと、内壁76と外壁78の環状支持鍔84Aとベアリング鍔86Aは、もう一方の対称的ブランチ82のベアリング鍔86Aと84Aに接して支持し合う。
【0099】
各対称的ブランチは、環状ベアリング鍔84Aと、環状ベアリング鍔86Aと同じ面に、第1窪み88と第2窪み90を有している。第1窪み88は、リザーバ11の一部を収容できるような形であり、第2窪み90は、フラットチューブ12の断面の一部を収容できるような形である。第1窪み88と第2窪み90は、互いに連通している。第1窪み88は、対称的ブランチの内部スペースに開口しているが、第2窪み90は、中央部80に開口している。
【0100】
図15に示すタイプの組み合わせエンドピース70を、連続的に積み重ねることにより、次のことが達成される。
・冷却流体の循環のための通路92は、マニフォールドとしても働く。これは、中央の開口部80の組み合わせによって形成される。
・蓄熱材の供給のための通路94は、互いに連絡し合う内部スペース82の組み合わせによって形成される。
【0101】
組み合わされたエンドピース70の構成は、占めるスペースが小さく、同時に、リザーバ11の各貯蔵室を満たす簡単な方法を提供するという利点を有している。
【0102】
図16は、本発明の異なる実施例における熱交換エレメント95を、展開して示す斜視図である。この熱交換エレメント95は、リザーバ96と流体循環チューブ98によって構成されている。
【0103】
図16におけるリザーバ96は、2枚のプレス加工したプレート96A、すなわちエンドプレートを備えている。各プレートは、金属板からなり、それぞれ、内面であるベアリング面98と外面100を備えている。ベアリング面98は、次のように設計されている。
【0104】
1枚のプレス加工したプレート96Aのベアリング面98は、もう1枚のプレス加工したプレート96Aと当接しうるようになっており、各ベアリング面98には、凹部102が形成されている。この凹部102の形状は、循環流体のチューブの断面のほぼ半分と、その長さの大部分を収めることができるように定められている。
【0105】
図16に示す特定の実施例では、伝熱流体循環用のチューブ104は、それぞれプレス加工され、外面106とベアリング面108を備える2枚のプレート104Aからなっている。各プレス加工されたプレート104Aのベアリング面108は、他のプレス加工されたプレート104Aのベアリング面108と当接されている。ベアリング面108には、U型の窪み110が設けられ、2枚のプレス加工のプレート104Aを組み合わせた時、全体としてU型のチューブとなる。
【0106】
プレス加工されたプレート104Aの外面106には、凹み112があり、チューブ104を2枚のプレス加工されたプレート102の間に納めた時、蓄熱材を保持させることができる。
【0107】
プレス加工された各プレート104AのU型片の先端には、ハーフエンドピース114が設けられている。これは、プレス加工されたプレート104Aと同じ金属板に形作られている。ハーフエンドピース114の外面106には、2個の環状カラー116が設けられている。
【0108】
図16に示す熱交換エレメント95の変形例においては、図示はしていないが、プレス加工された各プレート96Aのベアリング面98は、プレス加工されたプレート104Aの外面106に当接し、プレス加工されたプレート104Aにおけるベアリング面108は、当接し合っている。
【0109】
プレス加工された各のプレート96Aの一端には、全体として横長方形のシェル118が、プレス加工されたプレート96Aのベアリング面102の窪みの形で設けられている。2個の殻118を組み合わせることにより、リザーバエンドピース96が作られる。各シェル118には、2個の丸穴120が開けられ、プレス加工のプレート104Aの環状の鍔116によって規定された開口部に対応する。
【0110】
プレス加工された2枚のプレート104Aを組み合わせて、2枚のプレス加工されたプレート96Aの間に収めて、組み合わせると、リザーバ96が形成され、その中に、流体循環チューブ104が収められる。各シェル118は、プレス加工されたプレート96Aの外面100と同じ側にベアリング面122を有し、それは、熱交換器内の隣接のシェル118のベアリング面122に当接している。
【0111】
このように、ベアリング面122の連続的な積み重ねと、環状の鍔との組み合わせによって、シェル118は2本の管状の流体循環の通路が形成される。この通路の軸は、U型チューブの軸と直角を成している。冷却流体は、この通路の中を循環することができる。
【0112】
図17に示すように、プレス加工されたプレート96Aのベアリング面98の窪みのところに、窪み124が追加されている。この窪みは、各プレス加工されたプレート96Aの高さ全体にわたって、また幅全体にわたって、画一的に配置されている。この窪み124によって、U型の流体循環チューブを保持する窪み112は、互いに連通させられる。
【0113】
シェル118のベアリング面122に、通路126を作るのも一つの選択肢である。この実施例においては、リザーバ96の中に蓄熱材が供給されるように、ここに円形の通路が設けられた。
【0114】
熱交換エレメント95の中で、プレス加工されたプレート96Aと平行な平面上に、流体循環チューブの部分が熱貯蔵材サーバの2つの部分と側面で挾まれるように、チューブ94とリザーバ96は重なり合い、一つにくっつけて収められている。
【0115】
図18は、本発明の異なる実施例における熱交換エレメント127を、展開して示す斜視図である。この熱交換エレメントは、2枚のほぼ長方形の閉鎖プレート128から成り、その間に、第1中間プレート130、第2中間プレート132が配置されている。中間プレートはどちらも全体としての外観は長方形であり、基本的には閉鎖プレート128と実質的に同形である。
【0116】
第1中間プレート130と第2中間プレート132の間には、中間閉鎖プレート134が設けられている。中間閉鎖プレート134も、全体としての外形は長方形で、基本的に、閉鎖プレート128、第1中間プレート130と第2中間プレート132と同型である。
【0117】
第1中間プレート130と第2中間プレート132の中には、それぞれ、第1循環チューブ136と、第2循環チューブ138の伝熱流体循環チューブが差し込まれている。
【0118】
第1チューブ136と第2チューブ138は同じ形で、全体としてはU形をなしている。U形の両ブランチは、一連の波形をなしている。この波形は、片方のブランチの波形が、他方のブランチの波形と対応するような形である。
【0119】
第1チューブ136と第2チューブ138のU型の2つのブランチの間は、それぞれ、第1中央リザーバ140と第2中央リザーバ142となっている。第1中央リザーバ140と第2中央リザーバ142の形状は、U型の各ブランチの形状と対応している。
【0120】
各中間プレート130,132のU形のブランチの外側には、第1側面リザーバ144と第2側面リザーバ146が、それぞれ形成されている。第1と第2の側面リザーバ144,146の形は、U形ブランチと部分的に対応し、残りの部分は、中間プレート130,132の角の部分と対応している。U形のブランチの自由端では、第1循環チューブ136と第2循環チューブ138は、それぞれ先端が、ほぼ卵形広がり148となっている。
【0121】
中間閉鎖プレート134には、U形に配置された多数の第1の孔150が開けられている。このU形は、第1と第2の循環チューブ136,138の形状と対応している。
【0122】
第1中間プレート130と第2中間プレート132を、中間閉鎖プレート134の両側に一旦設置すると、第1循環チューブ136と第2循環チューブ138は、第1の孔150の列を経て互いに連通する。このようにして、規則正しく配置された第1の孔150の例は、第1と第2の循環チューブ136,138の間の流体の流通を確実にする。ある特別の実施例においては、この第1の孔150を、ダイヤモンド型とすることもある。
【0123】
さらに、中間閉鎖プレート134は、第2の孔152の例をも備えている。それは、中間閉鎖プレート134の高さに沿って中央に1列に並んでいる。この孔の列により、第1と第2の中央リザーバ140,142は互いに流通されている。
【0124】
最後に、中間閉鎖プレート134は、側方に第3の孔154の例を備えている。第3の孔154の例は、中間閉鎖プレート134の高さに沿って並び、第1と第2の側面リザーバ144、146を連通させている。
【0125】
閉鎖プレート128と中間閉鎖プレート134には、それぞれ、上部に2個の卵形の孔156があけられている。これらの孔は、U形の流体循環チューブの先端の卵形広がり148と対応している。
【0126】
さらに、閉鎖プレート128と134には、もう一つの孔158があけられている。この孔158は、ほぼ三角形で、第1と第2の中央リザーバ140,142と、第1と第2の側面リザーバ144,146の一部に重なるようになっている。この追加の孔158により、リザーバに蓄熱材を充たすことができる。
【0127】
閉鎖プレート128、中間閉鎖プレート134、第1中間プレート130と第2中間プレート132を組み合わせると、熱交換エレメント127が形成され、その外見はほぼU形で、互いに連通する第1循環チューブ136と第2循環チューブ138からなっている。さらに、熱交換エレメント127は、互いに連通しあっている6個の蓄熱材リザーバを備えている。
【0128】
熱交換エレメント127には、チューブ136,138とリザーバが重なり合い、くっつけて配置されている。その結果、たとえば閉鎖プレートと平行な面で、対になった両側のリザーバの間に、流体循環通路が形成されている。
【0129】
図19は、図18の熱交換エレメントで組立てられた熱交換器の斜視図である。この熱交換器では、複数の熱交換エレメント127があり、これらは、まとめて1列に並べられ、スペーサー160を介して互いに連通されている。スペーサー160は、図18の中にも示されているが、横長平行な形状の部品で、2個の孔162がそれぞれあけられているこれらの孔は、閉鎖プレート128の孔156と、中間閉鎖プレート134の上部にある2個の卵形の孔158と対応し、かつ流体循環チューブのU形の先端の卵形のプロファイルとも対応している。これらのスペーサーピース160を一緒に積み重ねることにより、マニフォールド166が形成される。
【0130】
図18は、熱交換エレメント127を示している。熱交換エレメントの中には、第1、第2の流体循環チューブプロファイル136,138の波形チューブの相が対称的に設けられている。(すなわち、第1循環チューブ136の波は、第1中間プレート130の最も近い角に向かい、第2循環チューブ138の波と向き会っている。すなわち、第2循環チューブ138の波は、第2中間プレート132の角から最も遠くに向かっている。
【0131】
第1と第2の循環チューブ136,138が、位相を有して並んでいるとも考えられる。この場合、中間閉鎖プレート134は省略され、図1と図2の中間プレート130、132は、ともに、たとえば一緒にろう付けして、組み合わされる。
【0132】
図18では、第1と第2中間プレート130、132は、同一形で対照的な位置に示されている。2枚は同一で、対称的に配置されている。そのため、前に述べたように、中間閉鎖プレート134を省略することもある。
【0133】
第1チューブ136と第2チューブ138の形状は、互いに違っていることもある。その場合、重ねられる部分には、少なくとも1つの中間閉鎖プレート134が、少なくとも一つの孔を経て連通するようにするのが有利である
【0134】
中間閉鎖プレート134に開けられた穴は、第1の穴150についてはダイヤモンド形、第2の穴152と第3の穴154については丸、と描かれたが、違った形の穴とすることがある。
【0135】
ここに示さなかったが、熱交換エレメント127の実施例では、第1中間閉鎖プレート130と第2中間閉鎖プレート132を、プレスによって製作することもある。この場合、第1と第2のチューブプロファイル136,138は、1枚の金属板をプレスして形作られる。これらは当然底を持っている。結果として、閉鎖プレート128を省くこともある。
【0136】
図20〜図24は、本発明のさらに他の実施例を示す。熱交換エレメント168(図20参照)は、第1および第2のチューブモジュール170,172、およびこれら2つのチューブモジュールの間に位置する中間プレート174を備えている。
【0137】
第1のチューブモジュール170は、概ね方形の金属板から形成されている。この金属板には、打抜き加工によって、第1の空隙176が形成されている。第1の空隙176は、流体循環チューブ176Bを区画するため、中間プレート174によって閉塞される。第1の空隙176は、熱交換用の大きな表面を提供するために、第1のチューブモジュール170のほぼ全領域にわたって拡がっている。
【0138】
第1の空隙176は、概ねU字形をなしつつ、チューブモジュール170のほぼ全領域にわたって拡がっている。
【0139】
概ねU字形の第1の空隙176は、互いに対向するように、曲がりくねっている。この曲がりくった第1の空隙の頂部は、第1のチューブモジュール170の上端の近傍に位置している。第1の空隙176の総延長は、伝熱流体の循環路の長さを、第1のチューブモジュール170の大きさとの関係において、最適にしている。
【0140】
第2のチューブモジュール172も、第1のチューブモジュール170と類似の形状をしており、打抜き加工によって形成される第1の空隙178を有している。第1の空隙178は、流体循環チューブ178Bを区画するため、中間プレート174によって閉塞される。
【0141】
曲がりくねっている第1の空隙176と178は、第1および第2のチューブモジュール170,172が組み合わされたときに、互いに対向するように形成されている。
【0142】
第1の空隙176,178が上述のような構成を有するため、第1および第2のチューブモジュール170と172は、同一の部品として形成することができ、熱交換エレメント168の製造と装着に係るコストが節減される。
【0143】
チューブモジュール170は、そのほぼ全領域にわたって、第1の空隙176とは別個の空隙を有している。
【0144】
図22に示すように、第1のチューブモジュール170は、U字形の第1の空隙176に囲まれた中央空隙180を有している。中央空隙180の形状は、U字形の第1の空隙176の内側の輪郭によって決まり、第1の空隙176と同じように、曲がりくねったものとなる。
【0145】
第2の空隙182は、第1のチューブモジュール170の周縁、およびU字形の第1の空隙176によって区画されている。第2の空隙182の輪郭は、第1のチューブモジュール170の周縁、および第1の空隙176の輪郭によって定まる。
【0146】
中央空隙180と第2の空隙182は、中間プレート174によって閉塞され、蓄熱材を収容するのに適したスペースを確保することにより、リザーバを形成する。
【0147】
第1の空隙176の端部には、伝熱流体が出入りする2つのオリフィス184が設けられている。これらのオリフィス184は、第1のチューブモジュール170の上端の両隅に位置している。
【0148】
第2のチューブモジュール172も、第1のチューブモジュール170における中央空隙180および第2の182と同様の空隙を有することは理解しうると思う。
【0149】
中間プレート174は、第1および第2のチューブモジュール170,172と同様に、概ね方形の金属板から形成される。
【0150】
中間プレート174には、第1および第2のチューブモジュール170,172の中央空隙180と一致する複数の第1の孔186が1列に設けられている。
【0151】
中間プレート174の第1の孔186と連通する、第1および第2のチューブモジュール170,172の中央空隙180は、第1の孔186が、中間プレート174の長手方向において1列に並ぶように、曲がりくねっている。第1の孔186は、中間プレート174の中央において縦方向に並ぶように設けられている。
【0152】
中間プレート174には、さらに、第1および第2のチューブモジュール170の各第1の空隙176,178と連通しうる複数の第2の孔188が設けられている。第1および第2のチューブモジュール170,172の各第1の空隙176,178は、第2の孔188が、中間プレート174の長手方向に沿って、2列に並びうるように、曲がりくねっている。
【0153】
また、第1のチューブモジュール170の第1の空隙176は、第2のチューブモジュール172の第1の空隙178と対向するように曲がりくねっている。
【0154】
第2の孔188は、伝熱流体が、第1の空隙176,178によって形成される2つの流路の間を行き来しうるようにするためのものである。ただし、第2の孔188を設けるか否かは任意である。第2の孔188は、伝熱流体の2つの流路間の分布を制御するために用いることもできる。
【0155】
中間プレート174には、さらに、第1のチューブモジュール170の第2の空隙182、および第2のチューブモジュール172の中央空隙180の両方と一致する複数の第3の孔190が設けられている。この第3の孔190は、同様に、第2のチューブモジュール172の第2の空隙182、および第1のチューブモジュール170の中央空隙180とも一致する。
【0156】
第3の孔190は、中間プレート174の長手方向に、2列に並んでいる。また、第3の孔190は、第2の孔188の配列方向に並んでおり、上下両端にあるものを除いて、それぞれ、2列に並ぶ第2の孔188,188の間に位置している。
【0157】
第3の孔190は、第1および第2のチューブモジュール170,172の中央間隙180によって形成されるリザーバと、第2の間隙182によって形成されるリザーバとの間で蓄熱材の流通を可能にする。両リザーバの間で蓄熱材が流通すれば、第2の空隙182の役割を、中央空隙180に担わせることができる。
【0158】
最後に、中間プレート174には、第1および第2のチューブモジュール170,172の第2の空隙182と一致する複数の第4の孔192が設けられている。第4の孔192は、中間プレート174の両側縁部の近傍において、長手方向に2列に並んでいる。
【0159】
第3の孔190は、長孔であるが、他の第1、第2、および第4の孔は円形である。しかし、列をなしている各孔の形状は、他の列の孔の形状のようにすることもできる。また、同一の列に属する各孔の形状を、互いに異なるようにすることもできる。
【0160】
図22に示すように、第1および第2のチューブモジュール170,172は、各チューブモジュールの中心線上にあって、中央空隙180の近傍に位置する小孔194を有する。第1のチューブモジュール170の小孔194と、第2のチューブモジュール172の小孔194は、互いに同じ位置にある。小孔194は、中央空隙180によって形成されるリザーバに蓄熱材を充填させる役割を果たす。一方、第2の空隙182によって形成されるリザーバは、中間プレート174の第3の孔190を介して、蓄熱材が充填される。
【0161】
中間プレート174には、小孔194と同じ位置に、小孔196が設けられている。一方、中間プレート174の2つのオリフィス197は、中央空隙180と第2の空隙182に充填される蓄熱材の入口および出口となる。
【0162】
中間プレート174における2つのオリフィス197は、チューブモジュール170,172において伝熱流体が出入りするためのオリフィス184と一致しており、かつこのオリフィス184と同じような形状を有している。オリフィス197は、流体循環チューブ176B,178Bへ、伝熱流体を流通させるためのものである。
【0163】
図23は、熱交換エレメント168を連続的に集合させて得られる熱交換器を示す。隣合う2つの熱交換エレメント168の間には、各熱交換エレメントのオリフィス184同士、および小孔194同士を連通させるためのコネクタ198が位置している。
【0164】
図24に示すように、コネクタ198は、熱交換エレメントのオリフィス184と概ね同じ形状の2つのオリフィス200,200が対称に設けられている厚手の単一片からなる。また、コネクタ198は、小孔194と概ね同じ断面形状の流路202を有している。さらに、コネクタ198は、3つの連結部D,E,Fを介して互いに連結された3つのブッシュA,B,Cを含んでいる。
【0165】
コネクタ198は、押出し成形によって形成するのが好ましい。しかし、金型成形や機械加工によって形成することもできる。
【0166】
コネクタ198は、厚みを有するため、隣合う熱交換エレメント168,168の間のスペーサの役割も果たす。熱交換器を循環する伝熱流体は、隣合う熱交換エレメント168,168の間にコネクタ198が確保するスペースを通る。また、このスペースには、隣合う熱交換エレメント168,168の各チューブモジュール170,172と接しつつ、熱交換用インサート204が位置している。このインサート204は、熱交換器の内部と外部を循環する伝熱流体について、熱交換用の表面積を増大させる役割を果たす。
【0167】
熱交換エレメントを集合して得られる熱交換器の両端に位置する熱交換エレメントは、それぞれ、方形の金属板からなるエンドカバー260によって封止されている。各エンドカバー206は、伝熱流体の入口208と出口210を有している。伝熱流体の入口208は、伝熱流体の循環回路の他の部分と接続しうる管状の接続部を有している。挿入チューブ214は、エンドカバー206の入口208に嵌挿され、熱交換エレメント168とコネクタ198からなる集合体の各熱交換エレメントと連通している。挿入チューブ214は、伝熱流体の循環回路の他の部分と接続し、熱交換器に伝熱流体を供給する。
【0168】
図25は、本発明の他の実施例に係る熱交換器の横断面図である。この図は、模式的なものであり、この実施例に係る熱交換器の特徴を、他の実施例に係る熱交換器と比較しうるようにしたものである。
【0169】
この実施例に係る、熱交換エレメントの集合体である熱交換器は、伝熱流体が流通するチューブが列をなしている複数のチューブプレート216を備えている。インサート220の第1の当接面218は、この複数のチューブプレート216と当接している。同様に、インサート220の第2の当接面222も、複数のチューブプレート216と当接している。
【0170】
各チューブプレート216は、2つの広い側面224を有する。インサート220の第1の当接面218においては、チューブプレート216と、蓄熱材のリザーバ226とが、交互に配置されている。
【0171】
蓄熱材のリザーバ226は、2つの広い側面228と、2つの狭い側面230を有している。インサート220の第1の当接面218と当接しているリザーバ226においては、2つの広い側面228の一方が、この第1の当接面218と当接し、もう一方は、チューブプレート216の広い側面224と当接している。他方、このチューブプレート216の広い側面224は、隣接するインサート220(図示せず)の第2の当接面222と当接している。
【0172】
インサート220の第1の当接面218と当接する各チューブプレート216においては、2つの広い側面224の一方が、この第1の当接面218と当接し、もう一方は、リザーバ226の広い側面228と当接している。他方、このリザーバ226の広い側面228は、隣接するインサート220(図示せず)の第2の当接面222と当接している。
【0173】
この実施例においては、互いに概ね全面が当接するチューブプレート216とリザーバ226との間で、熱交換が最適に行われる。
【0174】
図25は、図18と図20にそれぞれ示す熱交換エレメント127,168の原理を模式的に表していると考えると、図19と図23に示す熱交換器の模式的断面図として捉えることもできる。
【0175】
例えば、図25を、図23に示す熱交換エレメント168の断面図とすれば、熱交換エレメント168は、U字形の4つのチューブプレート216と複数のリザーバ226を備えると考えることができる。伝熱流体と蓄熱材は、それぞれ、交互に配置されたチューブプレートとリザーバを通って行き来する。
【0176】
他の変形例も、上述の実施例から想起しうると思う。
【0177】
チューブの目的は、流体循環の通路を作り出すことである。従って、チューブは、平たい、曲がった、突き出し、フラットチューブなど、知られているどのようなタイプとされることもある。
【0178】
リザーバの目的は、蓄熱材を収容する通路を作り出すことである。リザーバは、平たい、曲がったチューブ、突き出しリザーバ、カプセル型リザーバなど、知られているどのようなタイプのものであってもよい。
【0179】
いろいろなタイプのリザーバに、いろいろなタイプのチューブが組み合わされる。
【0180】
伝熱流体は、熱エネルギーや冷エネルギーを蓄えることのできる流体である。すなわち、冷却流体であって、たとえば、CO2である。
【0181】
蓄熱材は、冷温または高温を蓄える物質である。さらにいえば、固体(たとえば、ある形の塩)、液体、あるいは、さまざまに相を変える物質、あるいは、冷却液のような物質など、さまざまなものであってもよい。
【0182】
リザーバは、受動的貯蔵装置というべきタイプ、すなわち、貯蔵リザーバ自身には蓄熱材の循環がないもの、あるいは、能動的貯蔵タイプと呼ぶべき装置、すなわち、装置の中で、蓄熱材ループや、蓄熱材が、ポンプで駆動される循環されるサーキットなどによって循環するタイプとがある。
【0183】
最後に、特に図1は、2個のヘッダボックスを備える熱交換器を示しているが、いわゆるU型流体循環チューブを備える1個のヘッダボックスのみを有する熱交換器に本発明を適用することも可能である。
【0184】
図16、図17に示す実施例でも、図18、図19で示す実施例でも、さらに図20〜24に示す実施例でも、伝熱流体は、U形の通路を循環する。しかし、I型の通路を循環させることも可能である。たとえば、U形チューブにおける2本のブランチを切り離し、2本の直線状の伝熱流体循環チューブにすること、あるいはそれらを組み合わせて、1本のI形チューブとすることも可能である。
【0185】
本発明は、上に、単なる例として示した実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲内において、技術に秀でた人が想到しうるあらゆる変形変化を包含するものである。
【符号の説明】
【0186】
1 熱交換器
2 ヘッダボックス
4 熱交換エレメント
6 熱交換用挿入体
8 側面
10 接続部
11 リザーバ
12 フラットチューブ
14 側面
16 接続部
17 通路
18 貯蔵空間
20 区画エレメント
22 区画
24 波形挿入体
26 リザーバエンドピース
28 ラグ
30 ベアリング面
31 ストラップ
32 第1の凹部
34 第2の凹部
36 チューブエンドピース
38 ラグ
40 当接面
41 開口部
42 接続面
44 フランジ
45 ラグの開口部
46 接続部品材
48 フランジ
50 通孔
52 接続部材
54 チューブ
56 張り出しフランジ
58 エンドピース
60 ラグ
62 当接面
64 接続面
66 第1窪み
68 第2窪み
70 エンドピース
72 ブランチ
74 接続ループ
76 内壁
78 外壁
80 開口部
82 内部のスペース
84 環状鍔
84A,B 環状支持鍔
86A 環状ベアリング鍔
86B 環状結合鍔
88 第1窪み
90 第2窪み
92 通路
94 通路
95 熱交換エレメント
96 リザーバ
96A プレート
98 ベアリング面
100 プレートの外面
102 プレス加工のプレート
104 チューブ
106 外面
108 ベアリング面
110 窪み
112 凹み
114 ハーブエンドピース
116 環状カラー
118 シェル
120 開口部
122 ベアリング面
124 窪み
126 孔
127 熱交換エレメント
128 閉鎖プレート
130 第1中間プレート
132 第2中間プレート
134 中間閉鎖プレート
136 第1循環チューブ
138 第2循環チューブ
140 第1中央リザーバ
142 第2中央リザーバ
144 第1側面リザーバ
146 第2側面リザーバ
148 卵形広がり
150 第1の孔
152 第2の孔
154 第3の孔
156 孔
158 孔
160 スペーサー
162 孔
166 マニフォールド
168 熱交換エレメント
170 第1のチューブモジュール
172 第2のチューブモジュール
174 中間プレート
176 第1の空隙
176B 流体循環チューブ
178 第1の空隙
178B 流体循環チューブ
180 中央空隙
182 第2の空隙
184 オリフィス
186 第1の孔
188 第2の孔
190 第3の孔
192 第4の孔
194 小孔
196 小孔
197 オリフィス
198 コネクタ
200 オリフィス
202 流路202
204 熱交換用インサート
206 エンドカバー
208 伝熱流体の入口
210 伝熱流体の出口
214 挿入チューブ214
216 チューブプレート
218 第1の当接面
220 インサート
222 第2の当接面
224 広い側面
226 リザーバ
228 広い側面
230 狭い側面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
伝熱流体を循環させるための複数のチューブ(12)(104)(136)(138)であって、端末がマニフォールド(2)(36)(58)(70)(104)(160)に開口している複数のチューブと、チューブ(12)(104)(136)(138)に接触している蓄熱材のリザーバ(11)(96) (142)(144)(146)とを備え、それにより、前記蓄熱材と伝熱流体とは、互いに熱を交換しうるようになっており、かつ、それぞれが、少なくとも1つのリザーバ(11)(96) (142)(144)(146)と、それに挿入された少なくとも1本のチューブ(12)(104)(136)(138)とからなる複数の熱交換エレメント(4)(95)(127)を備え、前記熱交換エレメント(168)は、互いに支え合う第1および第2のチューブモジュール(170)(172)と、これらのチューブモジュール(170)(172)に挟まれた中間プレート(174)とを備え、かつ第1および第2のチューブモジュール(170)(172)は、中間プレート(174)に覆われることによって、流体循環チューブ(176B)(178B)を形成するようになっている第1の空隙(176)(178)を有することを特徴とする熱交換器。
【請求項2】
前記第1および第2のチューブモジュール(170)(172)は、中間プレート(174)に覆われることによって、リザーバを形成するようになっている中央空隙(180)および第2の空隙(182)を有することを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
前記中間プレート(174)は、第1および第2のチューブモジュール(170)(172)の各第1の空隙(178)(178)と一致する孔を有することを特徴とする請求項2記載の熱交換器。
【請求項4】
前記中間プレート(174)は、第1のチューブモジュール(170)および第2のチューブモジュール(172)の各中央空隙(180)および第2の空隙(182)と一致する孔を少なくとも1つ有することを特徴とする請求項2または3に記載の熱交換器。
【請求項5】
前記中間プレート(174)は、同一の熱交換エレメントにおける第1および第2のチューブモジュール(170)(172)の一方の中央空隙(180)と一致する少なくとも1つの孔、および他方の第2の側方空隙(182)と一致する少なくとも1つの孔を有することを特徴とする請求項2記載の熱交換器。
【請求項6】
前記第1および第2のチューブモジュール(170)(172)のそれぞれは、中央空隙(180)を有し、前記中間プレート(174)は、熱交換エレメントのチューブモジュール(170)(172)のそれぞれの中央空隙(180)と一致する孔を有することを特徴とする請求項5記載の熱交換器。
【請求項7】
前記第1および第2のチューブモジュール(170)(172)のそれぞれは、少なくとも1つの第2の側方空隙(182)を有し、前記中間プレート(174)は、熱交換エレメントのチューブモジュール(170)(172)のそれぞれの第2の側方空隙(182)と一致する孔を有することを特徴とする請求項5または6記載の熱交換器。
【請求項8】
前記第1の空隙(176)(178)は、曲がりくねって延びていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱交換器。
【請求項9】
前記第1および第2のチューブモジュール(170)(172)の第1の空隙(176)は、中央空隙(180)および第2の空隙(182)によって挟まれていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の熱交換器。
【請求項10】
前記第1および第2のチューブモジュール(170)(172)は、前記第1の空隙(176)(178)と連通するオリフィス(184)を有していることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の熱交換器。
【請求項11】
前記第1および第2のチューブモジュール(170)(172)は、前記中央空隙(180)と連通するオリフィス(194)を有していることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の熱交換器。
【請求項12】
前記各熱交換エレメントは、伝熱流体を循環させるための複数のチューブ(216)、およびこのチューブ(216)の間に、蓄熱材を貯留させるための複数のリザーバ(226)を備えていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項記載の熱交換器。
【請求項13】
前記伝熱流体を循環させるための複数のチューブ(216)と、蓄熱材を貯留させるための複数のリザーバとが、交互に配置されていることを特徴とする請求項12に記載の熱交換器。
【請求項14】
前記伝熱流体は、冷媒であり、前記蓄熱材は、冷エネルギーを保存する材料であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の熱交換器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2012−145329(P2012−145329A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−108851(P2012−108851)
【出願日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【分割の表示】特願2007−543881(P2007−543881)の分割
【原出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【出願人】(506280029)
【Fターム(参考)】