蓄電装置の温度調節構造
【課題】 シートの下方に形成された、限られたスペースに、吸気ダクトやブロワを配置する。
【解決手段】 蓄電装置(100)に車室内の空気を供給して、蓄電装置の温度を調節するための温度調節構造であり、ブロワ(70)と、吸気ダクト(11)と、ブラケット(60)とを有する。ブロワは、車両のフロアパネル(103)と、フロアパネルよりも上方に位置するシート(101)との間に形成されるスペースに配置され、蓄電装置に向けて空気を移動させる。吸気ダクトは、上記スペースに配置され、ブロワの駆動に応じて空気を取り込む。ブラケットは、シートと対向する面(60a)で吸気ダクトを支持し、フロアパネルと対向する面(60c)でブロワを支持する。
【解決手段】 蓄電装置(100)に車室内の空気を供給して、蓄電装置の温度を調節するための温度調節構造であり、ブロワ(70)と、吸気ダクト(11)と、ブラケット(60)とを有する。ブロワは、車両のフロアパネル(103)と、フロアパネルよりも上方に位置するシート(101)との間に形成されるスペースに配置され、蓄電装置に向けて空気を移動させる。吸気ダクトは、上記スペースに配置され、ブロワの駆動に応じて空気を取り込む。ブラケットは、シートと対向する面(60a)で吸気ダクトを支持し、フロアパネルと対向する面(60c)でブロワを支持する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電装置の温度を調節する構造に関する。
【背景技術】
【0002】
電池パックが搭載された車両では、電池パックに冷却空気を供給することにより、電池パックを冷却している。特許文献1,2では、ファンを駆動することにより、電池パックに冷却空気を供給している。また、特許文献1では、シートの下方に形成されたスペースに、ファンや電池を配置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−237803号公報
【特許文献2】特開2009−087773号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
シートの下方に形成されたスペースは、限られたスペース(デッドスペース)であるため、ファンなどを効率良く配置する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、蓄電装置に車室内の空気を供給して、蓄電装置の温度を調節するための温度調節構造であり、ブロワと、吸気ダクトと、ブラケットとを有する。ブロワは、車両のフロアパネルと、フロアパネルよりも上方に位置するシートとの間に形成されるスペースに配置され、蓄電装置に向けて空気を移動させる。吸気ダクトは、上記スペースに配置され、ブロワの駆動に応じて空気を取り込む。ブラケットは、シートと対向する面で吸気ダクトを支持し、フロアパネルと対向する面でブロワを支持する。
【0006】
ブロワは、フロアパネルから離れた位置に配置することができる。これにより、フロアパネルに、水などの液体が浸入しても、液体がブロワに到達するのを抑制することができる。
【0007】
ブラケットには、フロアパネルに向かって延びる脚部を設けることができる。脚部の先端には、フロアパネルと接触するクッションを設けることができる。脚部を用いることにより、フロアパネルから離れた位置において、ブロワを支持することができる。また、脚部の先端にクッションを設けることにより、脚部は、フロアパネル上に配置するだけでよく、車両の振動に伴う脚部の振動をクッションによって吸収することができる。脚部をフロアパネル上に配置するだけであれば、吸気ダクトおよびブロアの取り付けが容易になる。
【0008】
脚部は、ブロワに対して車両の後方に配置することができる。シートの下方に形成されたスペースは、シートに対して車両の後方からアクセスされることがある。例えば、乗員の足がシートの下方に形成されたスペースに進入することがある。そこで、ブロワに対して車両の後方に、脚部を配置することにより、ブロワに外力が作用するのを阻止することができる。
【0009】
ブラケットの一部を車両の前方に延ばし、この一部を、フロアパネルよりも車両の上方に突出するクロスメンバに固定することができる。また、吸気ダクトの吸気口は、車両の前方に向かって開口させることができる。
【0010】
ブロワに設けられた羽根は、車両の上下方向に延びる回転軸の周りで回転させることができる。ブロワの寸法は、回転軸の延びる方向において、最も小さくなることが多い。そこで、回転軸の延びる方向を車両の上下方向とすることにより、シートの下方に形成されたスペースに対して、ブロワを効率良く配置することができる。
【0011】
蓄電装置は、車両の左右方向で隣り合う2つのシートの間に配置することができる。ここで、ブロワおよび吸気ダクトは、2つのシートのうち、一方のシートに対応したスペースに配置することができる。この場合において、ブロワからの空気を、他のダクトを用いて、蓄電装置に導くことができる。他のダクトの一部は、一方のシートに対応したスペースに配置することができる。これにより、吸気ダクトから取り込まれた空気を、蓄電装置まで導くことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ブラケットの2つの面を用いて、吸気ダクトおよびブロワを支持でき、シートの下方に形成されたスペースに対して、ブラケットを用いて、吸気ダクトおよびブロワを配置することができる。吸気ダクトは、シートと対向する面に沿って配置され、ブロワは、フロアパネルと対向する面に沿って配置されるため、シートの下方に形成されたスペースに対して、吸気ダクトおよびブロワを効率良く配置し易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】車室内の一部の構造を示す外観図である。
【図2】電池パックの内部構造を示す概略図である。
【図3】第1吸気ダクトの周辺構造の斜視図である。
【図4】第1吸気ダクトの周辺構造の斜視図である。
【図5】第1吸気ダクトの周辺構造の斜視図である。
【図6】第1吸気ダクトの周辺構造の上面図である。
【図7】第1吸気ダクトの周辺構造の断面図である。
【図8】第1吸気ダクトの斜視図である。
【図9】第1吸気ダクトの斜視図である。
【図10】ブラケットの側面図である。
【図11】ブラケットの上面図である。
【図12】ブロワの底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0015】
本発明の実施例1である温度調節構造について説明する。本実施例の温度調節構造は、車両に搭載された電池パック(蓄電装置に相当する)の温度を調節するために用いられる。
【0016】
図1は、車室内の一部の構造を示す外観図である。ここで、車室とは、乗員の乗車するスペースである。図1において、矢印FRは、車両が前進する方向を示し、矢印UPは、車両の上方向を示し、矢印RHは、車両の前進方向を向いたときの右側の方向を示している。矢印LHは、車両の前進方向を向いたときの左側の方向を示している。矢印FR,UP,RH,LHの関係は、他の図面においても同様である。
【0017】
図1に示すように、車室内には、運転席101および助手席102が設けられており、運転席101および助手席102は、シートスライドを介して、フロアパネル103に固定されている。シートスライドは、運転席101や助手席102を車両の前後方向にスライドさせるために用いられる。
【0018】
運転席101(具体的には、シートクッション)およびフロアパネル103の間に形成されたスペースには、第1吸気ダクト11が配置されている。第1吸気ダクト11は、車室内の空気を取り込むために用いられる。後述するように、第1吸気ダクト11の下方には、ブロワ(図1では省略)が配置されており、ブロワを駆動することにより、車室内の空気が、第1吸気ダクト11に取り込まれる。
【0019】
第1吸気ダクト11から取り込まれ、ブロワを通過した空気は、第2吸気ダクト12に導かれる。第2吸気ダクト12は、運転席101およびフロアパネル103の間に形成されたスペースに配置されており、第2吸気ダクト12の一部は、車両の左右方向に延びている。第2吸気ダクト12の一端は、ブロワに接続されており、第2吸気ダクト12の他端は、第3吸気ダクト20に接続されている。第2吸気ダクト12に進入した空気は、第3吸気ダクト20に導かれる。
【0020】
本実施例では、運転席101の下方に形成されたスペースに、第1吸気ダクト11、ブロワおよび第2吸気ダクト12を配置しているが、これに限るものではない。第1吸気ダクト11、ブロワおよび第2吸気ダクト12は、車室内に配置される座席の下方に形成されたスペースに配置されていればよい。例えば、第1吸気ダクト11、ブロワおよび第2吸気ダクト12は、助手席102(具体的には、シートクッション)およびフロアパネル103の間に形成されたスペースに配置することができる。
【0021】
運転席101および助手席102の間には、電池パック100が配置されている。第2吸気ダクト12の一部は、電池パック100の底面に沿って配置されており、車両の前後方向に延びている。電池パック100は、車両を走行させるためのエネルギを出力する。具体的には、電池パック100から出力された電気エネルギは、モータ・ジェネレータによって、車両を走行させるための運動エネルギに変換される。
【0022】
一方、車両を減速させたり、停止させたりするときには、モータ・ジェネレータは、車両の制動時に発生する運動エネルギを電気エネルギに変換することができる。そして、電池パック100は、モータ・ジェネレータによって生成された電気エネルギを蓄えることができる。電池パック100およびモータ・ジェネレータの間には、DC/DCコンバータやインバータを配置することができる。
【0023】
DC/DCコンバータを用いれば、電池パック100の出力電圧を昇圧してモータ・ジェネレータに供給したり、モータ・ジェネレータからの出力電圧を降圧して電池パック100に供給したりすることができる。インバータを用いれば、モータ・ジェネレータとして、交流モータを用いることができる。
【0024】
本実施例では、電池パック100が車室内に配置されているが、これに限るものではない。具体的には、車室外に電池パック100を配置することができる。
【0025】
図2に示すように、電池パック100は、電池パック100の外装を構成するケース200を有する。
【0026】
ケース200には、下段電池スタック210および上段電池スタック220が収容されており、電池スタック210,220は、車両の上下方向に並んでいる。下段電池スタック210は、車両の前後方向に並んで配置された複数の単電池211を有する。複数の単電池211は、バスバー(図示せず)によって電気的に直列に接続されている。車両の前後方向で隣り合う2つの単電池211の間には、スペースが形成されており、このスペースは、単電池211の温度調節に用いられる空気(車室内の空気)が移動するスペースとなる。
【0027】
上段電池スタック220および下段電池スタック210は、車両の上下方向に並んでおり、下段電池スタック210および上段電池スタック220の間には、上段電池スタック220を支持する台座(図示せず)が配置されている。
【0028】
上段電池スタック220は、車両の前後方向に並んで配置された複数の単電池221を有する。複数の単電池221は、バスバー(図示せず)によって電気的に直列に接続されている。車両の前後方向で隣り合う2つの単電池221の間には、スペースが形成されており、このスペースは、単電池221の温度調節に用いられる空気(車室内の空気)が移動するスペースとなる。
【0029】
下段電池スタック210および上段電池スタック220は、電気ケーブルを介して、電気的に直列に接続されている。本実施例では、下段電池スタック210および上段電池スタック220が電気的に直列に接続されているが、下段電池スタック210および上段電池スタック220を電気的に並列に接続することもできる。
【0030】
本実施例では、下段電池スタック210および上段電池スタック220は、同一の構造を有している。すなわち、下段電池スタック210を構成する単電池211の数は、上段電池スタック220を構成する単電池221の数と等しい。電池スタック210,220を構成する単電池211,221の数は、電池パック100の要求出力等に基づいて、適宜設定することができる。
【0031】
なお、電池スタック210,220を構成する単電池211,221の数は、互いに異ならせることもできる。また、本実施例では、2つの電池スタック210,220を車両の上下方向に並べているが、3つ以上の電池スタックを車両の上下方向に並べることもできる。また、1つの電池スタックを配置するだけでもよい。
【0032】
単電池211,221としては、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池といった二次電池を用いることができる。また、二次電池の代わりに、電気二重層キャパシタ(コンデンサ)を用いることができる。本実施例では、複数の単電池211(221)を一方向に並べているが、これに限るものではない。具体的には、複数の単電池211(221)によって1つの電池モジュールを構成し、複数の電池モジュールを一方向に並べることができる。
【0033】
ケース200は、図1に示すように、第1吸気チャンバ31および第2吸気チャンバ32を収容している。第1吸気チャンバ31および第2吸気チャンバ32は、車両の前後方向に延びており、ケース200に固定されている。第1吸気チャンバ31および第2吸気チャンバ32は、車両の上下方向に並んでいる。
【0034】
第1吸気チャンバ31および第2吸気チャンバ32は、第3吸気ダクト20と接続されており、第1吸気チャンバ31および第2吸気チャンバ32には、第3吸気ダクト20からの空気が導かれる。第3吸気ダクト20は、車両の上下方向に延びており、ケース200に収容されている。
【0035】
第1吸気チャンバ31を移動した空気は、下段電池スタック210に導かれる。第1吸気チャンバ31からの空気は、車両の前後方向で隣り合う2つの単電池211の間に形成されたスペースを移動しながら、単電池211との間で熱交換を行う。第2吸気チャンバ32を移動した空気は、上段電池スタック220に導かれる。第2吸気チャンバ32からの空気は、車両の前後方向で隣り合う2つの単電池221の間に形成されたスペースを移動しながら、単電池221との間で熱交換を行う。
【0036】
空気および単電池211,221の間で熱交換を行わせることにより、単電池211,221の温度を調節することができる。例えば、単電池211,221が充放電によって発熱しているときには、冷却用の空気を単電池211,221に接触させることにより、単電池211,221の温度上昇を抑制することができる。
【0037】
また、単電池211,221が過度に冷えているときには、加温用の空気を単電池211,221に接触させることにより、単電池211,221を温めることができる。車室内の空気の温度は、車両に搭載された空調装置によって調節されていることがあり、車室内の空気は、単電池211,221の温度調節に適している。
【0038】
下段電池スタック210において、車両の前後方向で隣り合う2つの単電池211の間を通過した空気、言い換えれば、熱交換後の空気は、第1排気チャンバ41に移動する。上段電池スタック220において、車両の前後方向で隣り合う2つの単電池221の間を通過した空気、言い換えれば、熱交換後の空気は、第2排気チャンバ42に移動する。第1排気チャンバ41および第2排気チャンバ42は、車両の前後方向に延びているとともに、車両の上下方向に並んでいる。
【0039】
第1排気チャンバ41および第2排気チャンバ42は、ケース200に収容されている。第1吸気チャンバ31および第1排気チャンバ41は、車両の左右方向において、下段電池スタック210を挟む位置に配置されている。第2吸気チャンバ32および第2排気チャンバ42は、車両の左右方向において、上段電池スタック220を挟む位置に配置されている。
【0040】
第1排気チャンバ41および第2排気チャンバ42を移動する空気は、排気ダクト50に導かれる。排気ダクト50は、第1排気チャンバ41および第2排気チャンバ42に対して分岐しており、第1排気チャンバ41および第2排気チャンバ42からの空気を取り込む。排気ダクト50は、ケース200に収容されている。また、排気ダクト50の一部は、車両の上下方向に延びており、排気ダクト50は、車両の左右方向において、第3吸気ダクト20と並んでいる。
【0041】
排気ダクト50に導かれた空気は、排気ダクト50に沿って移動しながら、フロアパネル103に向かう。排気ダクト50から排出された空気は、フロアパネル103の上面に沿って拡散される。フロアパネル103の上面は、カーペットで覆われており、排気ダクト50から排出された空気は、フロアパネル103およびカーペットの間を移動しながら拡散する。
【0042】
本実施例では、電池スタック210,220に対して車両の後方側に、第3吸気ダクト20および排気ダクト50を配置しているが、これに限るものではない。例えば、電池スタック210,220に対して車両の前方側に、第3吸気ダクト20および排気ダクト50を配置することができる。
【0043】
また、第3吸気ダクト20および排気ダクト50の一方を、電池スタック210,220に対して車両の後方側に配置するとともに、第3吸気ダクト20および排気ダクト50の他方を、電池スタック210,220に対して車両の前方側に配置することもできる。ケース200の内部における空気の移動経路は、第3吸気ダクト20および排気ダクト50の位置に応じて変更すればよい。
【0044】
次に、第1吸気ダクト11の周辺構造について説明する。
【0045】
図3から図6は、第1吸気ダクト11の周辺構造を、互いに異なる方向から見たときの図である。具体的には、図3および図4は、電池パック100の側から、第1吸気ダクト11の周辺構造を見たときの図であり、図5は、車両の後方から、第1吸気ダクト11の周辺構造を見たときの図である。図6は、車両の上方から、第1吸気ダクト11の周辺構造を見たときの図である。図7は、図6のA−A断面図である。
【0046】
図8および図9は、第1吸気ダクト11の外観図である。具体的には、図8は、第1吸気ダクト11を上方から見たときの図であり、図9は、第1吸気ダクト11を下方から見たときの図である。
【0047】
第1吸気ダクト11は、ダクト部111およびフランジ部112を有する。ダクト部111は、吸気口111aを有しており、吸気口111aは、ルーバ111bで覆われている。吸気口111aをルーバ111bで覆うことにより、異物がダクト部111に進入するのを阻止することができる。
【0048】
ダクト部111の上面は、車両の上下方向において、運転席101のシートクッションと向かい合っている。言い換えれば、ダクト部111の上面は、シートクッションの底面に沿って形成されている。また、吸気口111aは、車両の前方に向かって開口しており、車両の前後方向に対して傾いている。本実施例では、図1に示す向きで吸気口111aを配置しているが、これに限るものではない。吸気口111aは、車室内の空気を取り込むことができればよく、吸気口111aの向きは、適宜設定することができる。
【0049】
第1吸気ダクト11は、ブラケット60に固定されている。図10および図11は、ブラケット60の外観図である。具体的には、図10は、ブラケット60の側面図であり、図11は、ブラケット60の上面図である。
【0050】
第1吸気ダクト11のフランジ部112は、3つのクランプ113によって、ブラケット60に固定されている。フランジ部112は、ブラケット60の上面60a(図10参照)と接触している。ブラケット60の上面60aは、車両の上下方向において、運転席101(シートクッション)と向かい合っている。
【0051】
図8および図9に示すように、フランジ部112は、クランプ113が固定される3つの固定部112aを有する。図9に示すように、ダクト部111は、フランジ部112を貫通しており、ダクト部111の一部は、フランジ部112よりも下方に突出している。
【0052】
図11に示すように、ブラケット60は、クランプ113が固定される3つの固定部60bを有する。本実施例では、3つの位置において、第1吸気ダクト11(フランジ部112)およびブラケット60を固定しているが、これに限るものではない。第1吸気ダクト11およびブラケット60が互いに固定されていればよく、第1吸気ダクト11およびブラケット60を固定する位置は、適宜設定することができる。
【0053】
ブラケット60は、第1吸気ダクト11よりも車両の前方に延びる第1脚部61を有する。第1脚部61の先端には、2つの締結部61aが設けられている。締結部61aは、ブラケット60を車両ボディに固定するために用いられる。本実施例において、締結部61aは、ボルトによって、車両の左右方向に延びるクロスメンバ(図示せず)に固定されている。クロスメンバは、フロアパネル103よりも車両の上方に突出している。
【0054】
図11に示すように、ブラケット60は、開口部62を有する。開口部62には、フランジ部112よりも下方に突出したダクト部111(図9参照)が挿入される。また、ブラケット60は、フロアパネル103に向かって延びる2つの第2脚部63を有する。第2脚部63の先端には、クッション64が設けられている。クッション64は、外力を受けることにより、弾性変形する。クッション64の材質や形状は、適宜選択することができる。
【0055】
本実施例では、ブラケット60に、2つの第2脚部63を設けているが、これに限るものではない。第2脚部63の数は、適宜設定することができる。また、第2脚部63の幅も適宜設定することができる。
【0056】
クッション64は、フロアパネル103に接触している。ブラケット60が固定されるクロスメンバは、フロアパネル103よりも車両の上方に突出しているため、ブラケット60の締結部61aは、クッション64よりも車両の上方に位置している。
【0057】
ブラケット60の下面60c(図10参照)には、ブロワ70が固定される。ブラケット60の下面60cは、車両の上下方向において、フロアパネル103と向かい合っている。図12は、フロアパネル103の側からブロワ70を見たときの図である。ブロワ70の上面は、吸気ダクト11と接続されている。具体的には、フランジ112から下方に突出したダクト部111(図9参照)は、ブロワ70の上面に形成された開口部71(図7参照)と接続されている。
【0058】
ブロワ70を駆動することにより、車室内の空気を第1吸気ダクト11から取り込むことができる。図7には、ブロワ70の駆動に伴う空気の主な移動方向を矢印で示している。車室内の空気は、吸気口111aからダクト部111に進入し、ダクト部111を移動した空気は、ブロワ70に進入する。ブロワ70を通過した空気は、接続口72から排出される。ブロワ70の接続口72は、第2吸気ダクト12(図1参照)と接続されており、ブロワ70の空気は、第2吸気ダクト12に導かれる。
【0059】
図7に示すように、ブロワ70は、ケーシング73と、ケーシング73に収容された複数の羽根74とを有する。複数の羽根74は、ロータ75の回転軸75aに接続されており、ロータ75の回転力を受けて回転する。回転軸75aは、車両の上下方向に延びている。本実施例によれば、回転軸75aが車両の上下方向に延びるように、ブロワ70を配置している。
【0060】
これにより、運転席101およびフロアパネル103の間に形成されたスペース(限られたスペース)に対して、ブロワ70を効率良く配置することができる。ブロワ70は、回転軸75aの延びる方向における寸法が最も小さくなっており、車両の上下方向におけるブロワ70の寸法が最も小さくなるように、ブロワ70を配置している。したがって、限られたスペースに対して、ブロワ70を効率良く配置することができる。
【0061】
ロータ75には、ロータ75に電力を供給するためのケーブル76が接続されており、ケーブル76の先端には、コネクタ76aが設けられている。コネクタ76aは、他のケーブルのコネクタと接続され、他のケーブルは、電源に接続されている。
【0062】
図12に示すように、ブロワ70は、3つの締結部77を有しており、締結部77は、ブロワ70をブラケット60に固定するために用いられる。図11に示すように、ブラケット60は、ブロワ70を固定するための締結部60dを有している。ブロワ70の締結部77と、ブラケット60の締結部60dは、ボルト78(図7参照)によって接続される。
【0063】
第1吸気ダクト11およびブロワ70は、車両の上下方向において、ブラケット60を挟む位置に配置される。ブロワ70をブラケット60に固定すると、図7に示すように、フロアパネル103から距離Lの分だけ離れた位置に、ブロワ70が配置される。すなわち、ブロワ70およびフロアパネル103の間には、スペースが形成される。
【0064】
フロアパネル103から離れた位置にブロワ70を配置することにより、フロアパネル103の上面に水などの液体が浸入しても、この液体がブロワ70に到達するのを抑制することができる。
【0065】
ブラケット60の第2脚部63は、ブロワ70の自重を受けることにより、クッション64をフロアパネル103に押し付ける。これにより、クッション64は、弾性変形する。第2脚部63は、フロアパネル103の上面に配置されているだけであり、フロアパネル103に固定されていない。これにより、ブラケット60の締結部61aをクロスメンバに固定するだけで、運転席101およびフロアパネル103の間に形成されたスペースに、第1吸気ダクト11やブロワ70を配置させることができる。
【0066】
ここで、ブラケット60が車両の振動等を受けると、第2脚部63は、車両の上下方向に変位することがある。そこで、本実施例では、第2脚部63の先端にクッション64を設けることにより、第2脚部63の振動を吸収するようにしている。これにより、第2脚部63がフロアパネル103と接触して、異音などが発生するのを抑制することができる。
【0067】
本実施例では、図7に示すように、第1吸気ダクト11やブラケット60の上面は、カーペット300で覆われている。ここで、第1吸気ダクト11の吸気口111aだけは、カーペット300で覆われていない。
【0068】
ブラケット60の第2脚部63は、ブロワ70に対して車両の後方に位置している。ここで、運転席101の下方に形成されたスペースは、運転席101の後方からアクセスすることができる。例えば、運転席101に対して車両の後方に座席(いわゆる後席)が配置されているとき、後席に乗車した乗員の足が、運転席101の下方に形成されたスペースに進入することがある。また、後席に配置された物の一部が、運転席101の下方に形成されたスペースに進入することがある。
【0069】
本実施例では、ブロワ70に対して車両の後方側に、ブラケット60の第2脚部63が位置しているため、乗員の足や物の一部がブロワ70に衝突するのを阻止することができる。これにより、外力によって、ブロワ70に負荷がかかるのを防止することができる。
【0070】
本実施例では、図6に示すように、第1吸気ダクト11およびブラケット60が、ブロワ70の上面を覆っている。言い換えれば、図6に示す状態において、第1吸気ダクト11およびブラケット60の範囲内に、ブロワ70が位置している。これにより、ブロワ70の上方からブロワ70に向かって、水などの液体が直接、到達するのを阻止することができる。
【0071】
第1吸気ダクト11やブラケット60に液体が到達しても、第1吸気ダクト11(特に、フランジ部112)の外縁やブラケット60の外縁に液体が移動して、この外縁から液体が落下するだけである。したがって、第1吸気ダクト11やブラケット60から落下した液体が、ブロワ70に到達するのを防止できる。また、ブロワ70は、フロアパネル103から離れた位置にあるため、落下した液体がフロアパネル103に溜まっても、液体がブロワ70に到達することはない。
【0072】
本実施例では、フロアパネル103から離れた位置に、ブロワ70を配置しているが、ブロワ70をフロアパネル103に接触させることもできる。この場合には、ブラケット60を用いることにより、運転席101の下方に形成された、限られたスペースにおいて、第1吸気ダクト11およびブロワ70を効率良く配置することができる。また、ブラケット60は、第2脚部63を有しているため、ブロワ70に外力が作用するのを阻止することができる。
【符号の説明】
【0073】
11:第1吸気ダクト 12:第2吸気ダクト
20:第3吸気ダクト 101:運転席
102:助手席 103:フロアパネル、
100:電池パック(蓄電装置) 111:ダクト部
111a:吸気口 112:フランジ部
60:ブラケット 61:第1脚部
63:第2脚部 64:クッション
70:ブロワ 74:羽根
75:ロータ 75a:回転軸
72:接続口
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電装置の温度を調節する構造に関する。
【背景技術】
【0002】
電池パックが搭載された車両では、電池パックに冷却空気を供給することにより、電池パックを冷却している。特許文献1,2では、ファンを駆動することにより、電池パックに冷却空気を供給している。また、特許文献1では、シートの下方に形成されたスペースに、ファンや電池を配置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−237803号公報
【特許文献2】特開2009−087773号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
シートの下方に形成されたスペースは、限られたスペース(デッドスペース)であるため、ファンなどを効率良く配置する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、蓄電装置に車室内の空気を供給して、蓄電装置の温度を調節するための温度調節構造であり、ブロワと、吸気ダクトと、ブラケットとを有する。ブロワは、車両のフロアパネルと、フロアパネルよりも上方に位置するシートとの間に形成されるスペースに配置され、蓄電装置に向けて空気を移動させる。吸気ダクトは、上記スペースに配置され、ブロワの駆動に応じて空気を取り込む。ブラケットは、シートと対向する面で吸気ダクトを支持し、フロアパネルと対向する面でブロワを支持する。
【0006】
ブロワは、フロアパネルから離れた位置に配置することができる。これにより、フロアパネルに、水などの液体が浸入しても、液体がブロワに到達するのを抑制することができる。
【0007】
ブラケットには、フロアパネルに向かって延びる脚部を設けることができる。脚部の先端には、フロアパネルと接触するクッションを設けることができる。脚部を用いることにより、フロアパネルから離れた位置において、ブロワを支持することができる。また、脚部の先端にクッションを設けることにより、脚部は、フロアパネル上に配置するだけでよく、車両の振動に伴う脚部の振動をクッションによって吸収することができる。脚部をフロアパネル上に配置するだけであれば、吸気ダクトおよびブロアの取り付けが容易になる。
【0008】
脚部は、ブロワに対して車両の後方に配置することができる。シートの下方に形成されたスペースは、シートに対して車両の後方からアクセスされることがある。例えば、乗員の足がシートの下方に形成されたスペースに進入することがある。そこで、ブロワに対して車両の後方に、脚部を配置することにより、ブロワに外力が作用するのを阻止することができる。
【0009】
ブラケットの一部を車両の前方に延ばし、この一部を、フロアパネルよりも車両の上方に突出するクロスメンバに固定することができる。また、吸気ダクトの吸気口は、車両の前方に向かって開口させることができる。
【0010】
ブロワに設けられた羽根は、車両の上下方向に延びる回転軸の周りで回転させることができる。ブロワの寸法は、回転軸の延びる方向において、最も小さくなることが多い。そこで、回転軸の延びる方向を車両の上下方向とすることにより、シートの下方に形成されたスペースに対して、ブロワを効率良く配置することができる。
【0011】
蓄電装置は、車両の左右方向で隣り合う2つのシートの間に配置することができる。ここで、ブロワおよび吸気ダクトは、2つのシートのうち、一方のシートに対応したスペースに配置することができる。この場合において、ブロワからの空気を、他のダクトを用いて、蓄電装置に導くことができる。他のダクトの一部は、一方のシートに対応したスペースに配置することができる。これにより、吸気ダクトから取り込まれた空気を、蓄電装置まで導くことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ブラケットの2つの面を用いて、吸気ダクトおよびブロワを支持でき、シートの下方に形成されたスペースに対して、ブラケットを用いて、吸気ダクトおよびブロワを配置することができる。吸気ダクトは、シートと対向する面に沿って配置され、ブロワは、フロアパネルと対向する面に沿って配置されるため、シートの下方に形成されたスペースに対して、吸気ダクトおよびブロワを効率良く配置し易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】車室内の一部の構造を示す外観図である。
【図2】電池パックの内部構造を示す概略図である。
【図3】第1吸気ダクトの周辺構造の斜視図である。
【図4】第1吸気ダクトの周辺構造の斜視図である。
【図5】第1吸気ダクトの周辺構造の斜視図である。
【図6】第1吸気ダクトの周辺構造の上面図である。
【図7】第1吸気ダクトの周辺構造の断面図である。
【図8】第1吸気ダクトの斜視図である。
【図9】第1吸気ダクトの斜視図である。
【図10】ブラケットの側面図である。
【図11】ブラケットの上面図である。
【図12】ブロワの底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0015】
本発明の実施例1である温度調節構造について説明する。本実施例の温度調節構造は、車両に搭載された電池パック(蓄電装置に相当する)の温度を調節するために用いられる。
【0016】
図1は、車室内の一部の構造を示す外観図である。ここで、車室とは、乗員の乗車するスペースである。図1において、矢印FRは、車両が前進する方向を示し、矢印UPは、車両の上方向を示し、矢印RHは、車両の前進方向を向いたときの右側の方向を示している。矢印LHは、車両の前進方向を向いたときの左側の方向を示している。矢印FR,UP,RH,LHの関係は、他の図面においても同様である。
【0017】
図1に示すように、車室内には、運転席101および助手席102が設けられており、運転席101および助手席102は、シートスライドを介して、フロアパネル103に固定されている。シートスライドは、運転席101や助手席102を車両の前後方向にスライドさせるために用いられる。
【0018】
運転席101(具体的には、シートクッション)およびフロアパネル103の間に形成されたスペースには、第1吸気ダクト11が配置されている。第1吸気ダクト11は、車室内の空気を取り込むために用いられる。後述するように、第1吸気ダクト11の下方には、ブロワ(図1では省略)が配置されており、ブロワを駆動することにより、車室内の空気が、第1吸気ダクト11に取り込まれる。
【0019】
第1吸気ダクト11から取り込まれ、ブロワを通過した空気は、第2吸気ダクト12に導かれる。第2吸気ダクト12は、運転席101およびフロアパネル103の間に形成されたスペースに配置されており、第2吸気ダクト12の一部は、車両の左右方向に延びている。第2吸気ダクト12の一端は、ブロワに接続されており、第2吸気ダクト12の他端は、第3吸気ダクト20に接続されている。第2吸気ダクト12に進入した空気は、第3吸気ダクト20に導かれる。
【0020】
本実施例では、運転席101の下方に形成されたスペースに、第1吸気ダクト11、ブロワおよび第2吸気ダクト12を配置しているが、これに限るものではない。第1吸気ダクト11、ブロワおよび第2吸気ダクト12は、車室内に配置される座席の下方に形成されたスペースに配置されていればよい。例えば、第1吸気ダクト11、ブロワおよび第2吸気ダクト12は、助手席102(具体的には、シートクッション)およびフロアパネル103の間に形成されたスペースに配置することができる。
【0021】
運転席101および助手席102の間には、電池パック100が配置されている。第2吸気ダクト12の一部は、電池パック100の底面に沿って配置されており、車両の前後方向に延びている。電池パック100は、車両を走行させるためのエネルギを出力する。具体的には、電池パック100から出力された電気エネルギは、モータ・ジェネレータによって、車両を走行させるための運動エネルギに変換される。
【0022】
一方、車両を減速させたり、停止させたりするときには、モータ・ジェネレータは、車両の制動時に発生する運動エネルギを電気エネルギに変換することができる。そして、電池パック100は、モータ・ジェネレータによって生成された電気エネルギを蓄えることができる。電池パック100およびモータ・ジェネレータの間には、DC/DCコンバータやインバータを配置することができる。
【0023】
DC/DCコンバータを用いれば、電池パック100の出力電圧を昇圧してモータ・ジェネレータに供給したり、モータ・ジェネレータからの出力電圧を降圧して電池パック100に供給したりすることができる。インバータを用いれば、モータ・ジェネレータとして、交流モータを用いることができる。
【0024】
本実施例では、電池パック100が車室内に配置されているが、これに限るものではない。具体的には、車室外に電池パック100を配置することができる。
【0025】
図2に示すように、電池パック100は、電池パック100の外装を構成するケース200を有する。
【0026】
ケース200には、下段電池スタック210および上段電池スタック220が収容されており、電池スタック210,220は、車両の上下方向に並んでいる。下段電池スタック210は、車両の前後方向に並んで配置された複数の単電池211を有する。複数の単電池211は、バスバー(図示せず)によって電気的に直列に接続されている。車両の前後方向で隣り合う2つの単電池211の間には、スペースが形成されており、このスペースは、単電池211の温度調節に用いられる空気(車室内の空気)が移動するスペースとなる。
【0027】
上段電池スタック220および下段電池スタック210は、車両の上下方向に並んでおり、下段電池スタック210および上段電池スタック220の間には、上段電池スタック220を支持する台座(図示せず)が配置されている。
【0028】
上段電池スタック220は、車両の前後方向に並んで配置された複数の単電池221を有する。複数の単電池221は、バスバー(図示せず)によって電気的に直列に接続されている。車両の前後方向で隣り合う2つの単電池221の間には、スペースが形成されており、このスペースは、単電池221の温度調節に用いられる空気(車室内の空気)が移動するスペースとなる。
【0029】
下段電池スタック210および上段電池スタック220は、電気ケーブルを介して、電気的に直列に接続されている。本実施例では、下段電池スタック210および上段電池スタック220が電気的に直列に接続されているが、下段電池スタック210および上段電池スタック220を電気的に並列に接続することもできる。
【0030】
本実施例では、下段電池スタック210および上段電池スタック220は、同一の構造を有している。すなわち、下段電池スタック210を構成する単電池211の数は、上段電池スタック220を構成する単電池221の数と等しい。電池スタック210,220を構成する単電池211,221の数は、電池パック100の要求出力等に基づいて、適宜設定することができる。
【0031】
なお、電池スタック210,220を構成する単電池211,221の数は、互いに異ならせることもできる。また、本実施例では、2つの電池スタック210,220を車両の上下方向に並べているが、3つ以上の電池スタックを車両の上下方向に並べることもできる。また、1つの電池スタックを配置するだけでもよい。
【0032】
単電池211,221としては、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池といった二次電池を用いることができる。また、二次電池の代わりに、電気二重層キャパシタ(コンデンサ)を用いることができる。本実施例では、複数の単電池211(221)を一方向に並べているが、これに限るものではない。具体的には、複数の単電池211(221)によって1つの電池モジュールを構成し、複数の電池モジュールを一方向に並べることができる。
【0033】
ケース200は、図1に示すように、第1吸気チャンバ31および第2吸気チャンバ32を収容している。第1吸気チャンバ31および第2吸気チャンバ32は、車両の前後方向に延びており、ケース200に固定されている。第1吸気チャンバ31および第2吸気チャンバ32は、車両の上下方向に並んでいる。
【0034】
第1吸気チャンバ31および第2吸気チャンバ32は、第3吸気ダクト20と接続されており、第1吸気チャンバ31および第2吸気チャンバ32には、第3吸気ダクト20からの空気が導かれる。第3吸気ダクト20は、車両の上下方向に延びており、ケース200に収容されている。
【0035】
第1吸気チャンバ31を移動した空気は、下段電池スタック210に導かれる。第1吸気チャンバ31からの空気は、車両の前後方向で隣り合う2つの単電池211の間に形成されたスペースを移動しながら、単電池211との間で熱交換を行う。第2吸気チャンバ32を移動した空気は、上段電池スタック220に導かれる。第2吸気チャンバ32からの空気は、車両の前後方向で隣り合う2つの単電池221の間に形成されたスペースを移動しながら、単電池221との間で熱交換を行う。
【0036】
空気および単電池211,221の間で熱交換を行わせることにより、単電池211,221の温度を調節することができる。例えば、単電池211,221が充放電によって発熱しているときには、冷却用の空気を単電池211,221に接触させることにより、単電池211,221の温度上昇を抑制することができる。
【0037】
また、単電池211,221が過度に冷えているときには、加温用の空気を単電池211,221に接触させることにより、単電池211,221を温めることができる。車室内の空気の温度は、車両に搭載された空調装置によって調節されていることがあり、車室内の空気は、単電池211,221の温度調節に適している。
【0038】
下段電池スタック210において、車両の前後方向で隣り合う2つの単電池211の間を通過した空気、言い換えれば、熱交換後の空気は、第1排気チャンバ41に移動する。上段電池スタック220において、車両の前後方向で隣り合う2つの単電池221の間を通過した空気、言い換えれば、熱交換後の空気は、第2排気チャンバ42に移動する。第1排気チャンバ41および第2排気チャンバ42は、車両の前後方向に延びているとともに、車両の上下方向に並んでいる。
【0039】
第1排気チャンバ41および第2排気チャンバ42は、ケース200に収容されている。第1吸気チャンバ31および第1排気チャンバ41は、車両の左右方向において、下段電池スタック210を挟む位置に配置されている。第2吸気チャンバ32および第2排気チャンバ42は、車両の左右方向において、上段電池スタック220を挟む位置に配置されている。
【0040】
第1排気チャンバ41および第2排気チャンバ42を移動する空気は、排気ダクト50に導かれる。排気ダクト50は、第1排気チャンバ41および第2排気チャンバ42に対して分岐しており、第1排気チャンバ41および第2排気チャンバ42からの空気を取り込む。排気ダクト50は、ケース200に収容されている。また、排気ダクト50の一部は、車両の上下方向に延びており、排気ダクト50は、車両の左右方向において、第3吸気ダクト20と並んでいる。
【0041】
排気ダクト50に導かれた空気は、排気ダクト50に沿って移動しながら、フロアパネル103に向かう。排気ダクト50から排出された空気は、フロアパネル103の上面に沿って拡散される。フロアパネル103の上面は、カーペットで覆われており、排気ダクト50から排出された空気は、フロアパネル103およびカーペットの間を移動しながら拡散する。
【0042】
本実施例では、電池スタック210,220に対して車両の後方側に、第3吸気ダクト20および排気ダクト50を配置しているが、これに限るものではない。例えば、電池スタック210,220に対して車両の前方側に、第3吸気ダクト20および排気ダクト50を配置することができる。
【0043】
また、第3吸気ダクト20および排気ダクト50の一方を、電池スタック210,220に対して車両の後方側に配置するとともに、第3吸気ダクト20および排気ダクト50の他方を、電池スタック210,220に対して車両の前方側に配置することもできる。ケース200の内部における空気の移動経路は、第3吸気ダクト20および排気ダクト50の位置に応じて変更すればよい。
【0044】
次に、第1吸気ダクト11の周辺構造について説明する。
【0045】
図3から図6は、第1吸気ダクト11の周辺構造を、互いに異なる方向から見たときの図である。具体的には、図3および図4は、電池パック100の側から、第1吸気ダクト11の周辺構造を見たときの図であり、図5は、車両の後方から、第1吸気ダクト11の周辺構造を見たときの図である。図6は、車両の上方から、第1吸気ダクト11の周辺構造を見たときの図である。図7は、図6のA−A断面図である。
【0046】
図8および図9は、第1吸気ダクト11の外観図である。具体的には、図8は、第1吸気ダクト11を上方から見たときの図であり、図9は、第1吸気ダクト11を下方から見たときの図である。
【0047】
第1吸気ダクト11は、ダクト部111およびフランジ部112を有する。ダクト部111は、吸気口111aを有しており、吸気口111aは、ルーバ111bで覆われている。吸気口111aをルーバ111bで覆うことにより、異物がダクト部111に進入するのを阻止することができる。
【0048】
ダクト部111の上面は、車両の上下方向において、運転席101のシートクッションと向かい合っている。言い換えれば、ダクト部111の上面は、シートクッションの底面に沿って形成されている。また、吸気口111aは、車両の前方に向かって開口しており、車両の前後方向に対して傾いている。本実施例では、図1に示す向きで吸気口111aを配置しているが、これに限るものではない。吸気口111aは、車室内の空気を取り込むことができればよく、吸気口111aの向きは、適宜設定することができる。
【0049】
第1吸気ダクト11は、ブラケット60に固定されている。図10および図11は、ブラケット60の外観図である。具体的には、図10は、ブラケット60の側面図であり、図11は、ブラケット60の上面図である。
【0050】
第1吸気ダクト11のフランジ部112は、3つのクランプ113によって、ブラケット60に固定されている。フランジ部112は、ブラケット60の上面60a(図10参照)と接触している。ブラケット60の上面60aは、車両の上下方向において、運転席101(シートクッション)と向かい合っている。
【0051】
図8および図9に示すように、フランジ部112は、クランプ113が固定される3つの固定部112aを有する。図9に示すように、ダクト部111は、フランジ部112を貫通しており、ダクト部111の一部は、フランジ部112よりも下方に突出している。
【0052】
図11に示すように、ブラケット60は、クランプ113が固定される3つの固定部60bを有する。本実施例では、3つの位置において、第1吸気ダクト11(フランジ部112)およびブラケット60を固定しているが、これに限るものではない。第1吸気ダクト11およびブラケット60が互いに固定されていればよく、第1吸気ダクト11およびブラケット60を固定する位置は、適宜設定することができる。
【0053】
ブラケット60は、第1吸気ダクト11よりも車両の前方に延びる第1脚部61を有する。第1脚部61の先端には、2つの締結部61aが設けられている。締結部61aは、ブラケット60を車両ボディに固定するために用いられる。本実施例において、締結部61aは、ボルトによって、車両の左右方向に延びるクロスメンバ(図示せず)に固定されている。クロスメンバは、フロアパネル103よりも車両の上方に突出している。
【0054】
図11に示すように、ブラケット60は、開口部62を有する。開口部62には、フランジ部112よりも下方に突出したダクト部111(図9参照)が挿入される。また、ブラケット60は、フロアパネル103に向かって延びる2つの第2脚部63を有する。第2脚部63の先端には、クッション64が設けられている。クッション64は、外力を受けることにより、弾性変形する。クッション64の材質や形状は、適宜選択することができる。
【0055】
本実施例では、ブラケット60に、2つの第2脚部63を設けているが、これに限るものではない。第2脚部63の数は、適宜設定することができる。また、第2脚部63の幅も適宜設定することができる。
【0056】
クッション64は、フロアパネル103に接触している。ブラケット60が固定されるクロスメンバは、フロアパネル103よりも車両の上方に突出しているため、ブラケット60の締結部61aは、クッション64よりも車両の上方に位置している。
【0057】
ブラケット60の下面60c(図10参照)には、ブロワ70が固定される。ブラケット60の下面60cは、車両の上下方向において、フロアパネル103と向かい合っている。図12は、フロアパネル103の側からブロワ70を見たときの図である。ブロワ70の上面は、吸気ダクト11と接続されている。具体的には、フランジ112から下方に突出したダクト部111(図9参照)は、ブロワ70の上面に形成された開口部71(図7参照)と接続されている。
【0058】
ブロワ70を駆動することにより、車室内の空気を第1吸気ダクト11から取り込むことができる。図7には、ブロワ70の駆動に伴う空気の主な移動方向を矢印で示している。車室内の空気は、吸気口111aからダクト部111に進入し、ダクト部111を移動した空気は、ブロワ70に進入する。ブロワ70を通過した空気は、接続口72から排出される。ブロワ70の接続口72は、第2吸気ダクト12(図1参照)と接続されており、ブロワ70の空気は、第2吸気ダクト12に導かれる。
【0059】
図7に示すように、ブロワ70は、ケーシング73と、ケーシング73に収容された複数の羽根74とを有する。複数の羽根74は、ロータ75の回転軸75aに接続されており、ロータ75の回転力を受けて回転する。回転軸75aは、車両の上下方向に延びている。本実施例によれば、回転軸75aが車両の上下方向に延びるように、ブロワ70を配置している。
【0060】
これにより、運転席101およびフロアパネル103の間に形成されたスペース(限られたスペース)に対して、ブロワ70を効率良く配置することができる。ブロワ70は、回転軸75aの延びる方向における寸法が最も小さくなっており、車両の上下方向におけるブロワ70の寸法が最も小さくなるように、ブロワ70を配置している。したがって、限られたスペースに対して、ブロワ70を効率良く配置することができる。
【0061】
ロータ75には、ロータ75に電力を供給するためのケーブル76が接続されており、ケーブル76の先端には、コネクタ76aが設けられている。コネクタ76aは、他のケーブルのコネクタと接続され、他のケーブルは、電源に接続されている。
【0062】
図12に示すように、ブロワ70は、3つの締結部77を有しており、締結部77は、ブロワ70をブラケット60に固定するために用いられる。図11に示すように、ブラケット60は、ブロワ70を固定するための締結部60dを有している。ブロワ70の締結部77と、ブラケット60の締結部60dは、ボルト78(図7参照)によって接続される。
【0063】
第1吸気ダクト11およびブロワ70は、車両の上下方向において、ブラケット60を挟む位置に配置される。ブロワ70をブラケット60に固定すると、図7に示すように、フロアパネル103から距離Lの分だけ離れた位置に、ブロワ70が配置される。すなわち、ブロワ70およびフロアパネル103の間には、スペースが形成される。
【0064】
フロアパネル103から離れた位置にブロワ70を配置することにより、フロアパネル103の上面に水などの液体が浸入しても、この液体がブロワ70に到達するのを抑制することができる。
【0065】
ブラケット60の第2脚部63は、ブロワ70の自重を受けることにより、クッション64をフロアパネル103に押し付ける。これにより、クッション64は、弾性変形する。第2脚部63は、フロアパネル103の上面に配置されているだけであり、フロアパネル103に固定されていない。これにより、ブラケット60の締結部61aをクロスメンバに固定するだけで、運転席101およびフロアパネル103の間に形成されたスペースに、第1吸気ダクト11やブロワ70を配置させることができる。
【0066】
ここで、ブラケット60が車両の振動等を受けると、第2脚部63は、車両の上下方向に変位することがある。そこで、本実施例では、第2脚部63の先端にクッション64を設けることにより、第2脚部63の振動を吸収するようにしている。これにより、第2脚部63がフロアパネル103と接触して、異音などが発生するのを抑制することができる。
【0067】
本実施例では、図7に示すように、第1吸気ダクト11やブラケット60の上面は、カーペット300で覆われている。ここで、第1吸気ダクト11の吸気口111aだけは、カーペット300で覆われていない。
【0068】
ブラケット60の第2脚部63は、ブロワ70に対して車両の後方に位置している。ここで、運転席101の下方に形成されたスペースは、運転席101の後方からアクセスすることができる。例えば、運転席101に対して車両の後方に座席(いわゆる後席)が配置されているとき、後席に乗車した乗員の足が、運転席101の下方に形成されたスペースに進入することがある。また、後席に配置された物の一部が、運転席101の下方に形成されたスペースに進入することがある。
【0069】
本実施例では、ブロワ70に対して車両の後方側に、ブラケット60の第2脚部63が位置しているため、乗員の足や物の一部がブロワ70に衝突するのを阻止することができる。これにより、外力によって、ブロワ70に負荷がかかるのを防止することができる。
【0070】
本実施例では、図6に示すように、第1吸気ダクト11およびブラケット60が、ブロワ70の上面を覆っている。言い換えれば、図6に示す状態において、第1吸気ダクト11およびブラケット60の範囲内に、ブロワ70が位置している。これにより、ブロワ70の上方からブロワ70に向かって、水などの液体が直接、到達するのを阻止することができる。
【0071】
第1吸気ダクト11やブラケット60に液体が到達しても、第1吸気ダクト11(特に、フランジ部112)の外縁やブラケット60の外縁に液体が移動して、この外縁から液体が落下するだけである。したがって、第1吸気ダクト11やブラケット60から落下した液体が、ブロワ70に到達するのを防止できる。また、ブロワ70は、フロアパネル103から離れた位置にあるため、落下した液体がフロアパネル103に溜まっても、液体がブロワ70に到達することはない。
【0072】
本実施例では、フロアパネル103から離れた位置に、ブロワ70を配置しているが、ブロワ70をフロアパネル103に接触させることもできる。この場合には、ブラケット60を用いることにより、運転席101の下方に形成された、限られたスペースにおいて、第1吸気ダクト11およびブロワ70を効率良く配置することができる。また、ブラケット60は、第2脚部63を有しているため、ブロワ70に外力が作用するのを阻止することができる。
【符号の説明】
【0073】
11:第1吸気ダクト 12:第2吸気ダクト
20:第3吸気ダクト 101:運転席
102:助手席 103:フロアパネル、
100:電池パック(蓄電装置) 111:ダクト部
111a:吸気口 112:フランジ部
60:ブラケット 61:第1脚部
63:第2脚部 64:クッション
70:ブロワ 74:羽根
75:ロータ 75a:回転軸
72:接続口
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電装置に車室内の空気を供給して、前記蓄電装置の温度を調節するための温度調節構造であって、
車両のフロアパネルと、前記フロアパネルよりも上方に位置するシートとの間に形成されるスペースに配置され、前記蓄電装置に向けて前記空気を移動させるブロワと、
前記スペースに配置され、前記ブロワの駆動に応じて前記空気を取り込む吸気ダクトと、
前記シートと対向する面で前記吸気ダクトを支持し、前記フロアパネルと対向する面で前記ブロワを支持するブラケットと、
を有することを特徴とする温度調節構造。
【請求項2】
前記ブロワは、前記フロアパネルから離れていることを特徴とする請求項1に記載の温度調節構造。
【請求項3】
前記ブラケットは、前記フロアパネルに向かって延びる脚部を有しており、
前記脚部の先端は、前記フロアパネルと接触するクッションを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の温度調節構造。
【請求項4】
前記脚部は、前記ブロワに対して車両の後方に位置していることを特徴とする請求項3に記載の温度調節構造。
【請求項5】
前記ブラケットは、車両の前方に延びる領域を有しており、
前記領域は、前記フロアパネルよりも車両の上方に突出するクロスメンバに固定されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の温度調節構造。
【請求項6】
前記吸気ダクトは、車両の前方に向かって開口する吸気口を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の温度調節構造。
【請求項7】
前記ブロワは、前記車両の上下方向に延びる回転軸の周りで回転する羽根を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載の温度調節構造。
【請求項8】
前記蓄電装置は、車両の左右方向で隣り合う2つのシートの間に配置されており、
前記ブロワおよび前記吸気ダクトは、前記2つのシートのうち、一方のシートに対応した前記スペースに配置されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1つに記載の温度調節構造。
【請求項9】
前記一方のシートに対応した前記スペースに一部が配置され、前記ブロワからの空気を前記蓄電装置に導くダクトを有することを特徴とする請求項8に記載の温度調節構造。
【請求項1】
蓄電装置に車室内の空気を供給して、前記蓄電装置の温度を調節するための温度調節構造であって、
車両のフロアパネルと、前記フロアパネルよりも上方に位置するシートとの間に形成されるスペースに配置され、前記蓄電装置に向けて前記空気を移動させるブロワと、
前記スペースに配置され、前記ブロワの駆動に応じて前記空気を取り込む吸気ダクトと、
前記シートと対向する面で前記吸気ダクトを支持し、前記フロアパネルと対向する面で前記ブロワを支持するブラケットと、
を有することを特徴とする温度調節構造。
【請求項2】
前記ブロワは、前記フロアパネルから離れていることを特徴とする請求項1に記載の温度調節構造。
【請求項3】
前記ブラケットは、前記フロアパネルに向かって延びる脚部を有しており、
前記脚部の先端は、前記フロアパネルと接触するクッションを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の温度調節構造。
【請求項4】
前記脚部は、前記ブロワに対して車両の後方に位置していることを特徴とする請求項3に記載の温度調節構造。
【請求項5】
前記ブラケットは、車両の前方に延びる領域を有しており、
前記領域は、前記フロアパネルよりも車両の上方に突出するクロスメンバに固定されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の温度調節構造。
【請求項6】
前記吸気ダクトは、車両の前方に向かって開口する吸気口を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の温度調節構造。
【請求項7】
前記ブロワは、前記車両の上下方向に延びる回転軸の周りで回転する羽根を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載の温度調節構造。
【請求項8】
前記蓄電装置は、車両の左右方向で隣り合う2つのシートの間に配置されており、
前記ブロワおよび前記吸気ダクトは、前記2つのシートのうち、一方のシートに対応した前記スペースに配置されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1つに記載の温度調節構造。
【請求項9】
前記一方のシートに対応した前記スペースに一部が配置され、前記ブロワからの空気を前記蓄電装置に導くダクトを有することを特徴とする請求項8に記載の温度調節構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−201269(P2012−201269A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−68919(P2011−68919)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
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