説明

蓋付き管状袋

【課題】開封容易で開口形状を保持する管状袋の提供
【解決手段】管状の袋(10)の口部にアングル状のフランジ(40)を一体に設け、このアングル(40)の上面に蓋部材(30)を剥離容易にまたは切り裂き容易に接着する。管状の袋は、任意にベース部、特にスタンディングベース部またはスタンドアップベース部をも有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特許請求の範囲第1項に記載の前提部に基づく管状袋に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の管状袋は、通常知られており、注入可能な液状、ペースト状、粉末状及び固体状の内容物を保存・貯蔵・運搬し、商業上の入手を可能にするために用いられている。このような管状袋及びこれを用いた包装は、非常に効果的であり、とりわけ軽量で形状加工しやすいこと及び印刷しやすいことが注目されている。上述した管状袋における更なる利点は、取り扱いやすいことである。
【0003】
一方、上述の管状袋及びこれを用いた包装は、開ける際に生じる問題点を抱えている。
即ち、この種の包装は、通常、破ることによって開けられるので、横方向の封止用シームに切り込みが形成されている。これにより、管状袋を形成する通常の両側壁ホイルは、破ることができる。
【0004】
管状袋包装を開けるもう一つ方法は、封止区域における管状袋を形成する両側面を分離させて封止を破ることである。
【0005】
一方、上述した二つの開け方は、次に述べる問題がある。即ち、包装が開けられる際に、管状袋を形成するホイルは、非直接及び非コントロールの状態で破られるので、内容物が溢して損失を招いてしまう。
【0006】
更に、破って開けられた後、管状袋内面へのアクセスは、難しくなる。つまり、包装の破った部分或いは残留部分によって、管状袋の内面に対して、手またはスプーンでアクセスすることが困難となる。そして、包装の内容物を意図的に出す作業も、包装の残留部分によって妨げられるので、包装の内容物が包装の外面に接触してしまう。結局、管状袋の内容物が出されると、汚染されてしまい、内容物の取り出し作業は、非コントロールの状態で実施されてしまう。
【0007】
最後に、開ける作業におけるもう一つの方法は、ハサミを使うことである。ハサミの使用により、閉じた状態の管状袋の上部は、取り除かれるので、管状袋の内部は、自由にアクセスすることができる。確かに、この方法によって、管状袋を閉じる管状袋の一部は、きれいに分離されるが、いつもハサミを手元に用意することが必要となり、ハサミが汚れた場合、管状袋の縁部及び内容物も汚れて内容物が使用できなくなる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したことに鑑み、本発明は、手助けを求めることなく衛生的に且つ簡単に開けられて、管状袋の内面を容易にアクセスすることができる管状袋を提供しょうとしている。
【0009】
上述した課題は、特許請求の範囲第1項に記載の管状袋によって解決されている。
即ち、本発明の管状袋は、管状袋本体と蓋部材とを有して構成され、任意にベース部、特に、スタンディングベース部又はスタンドアップベース部をも有しており、管状袋本体は、蓋部材区域において、蓋部材を装着するために適切な傾斜状及び/又はアングル状外縁を有する。
【0010】
上記外縁は、好ましくは実質上の直角を形成する環状のアングル部材である。
上述したアングル部材は、管状袋本体に装着され、好ましくは粘着性接続及び/又は封止性接続によって管状袋本体に装着されることで、アングル部材の縁部は、少し延びており、例えば、管状袋の開口部を跨って管状袋本体の外縁から1〜10mm延びている。このため、アングル部材は、管状袋本体の内部へ封止され或いは接着されることが可能となる。或いは、管状袋本体の開口部を跨っていないアングル部材の外縁は、外側において管状袋本体へ封止され或いは接着される。
【0011】
本発明における一つ重要な概念として、管状袋本体は、実質上、管状袋本体の開口部を跨る方向に沿って延びる部分を有する。この部分を用いることで、少なくとも部分的に離脱可能な接着性接続及び/又は封止性接続により、蓋部材はアングル部材へ結合して更に管状袋本体へ結合することが可能となっている。
【0012】
アングル部材が管状袋本体の内側に装着されるとき、蓋部材がアングル部材の縁部の内側に装着される。本発明におけるアングル部材の内側は、小さい方の角度、特に90°の内角を含むアングル部材の一側を意味している。アングル部材の外側は、上述したアングル部材の内側に対向する反対側である。この外側は、上述した内側が90°を有する際、270°の外角を有する。
【0013】
本発明の更なる実施例によれば、蓋部材は、上述した外側に装着されており、より正確的には、アングル部材の縁部の外側に装着されている。この場合のこの外側は、管状袋本体の反対側に面している。
【0014】
好ましくは、本発明に係わる管状袋の蓋部材は、平面構造を有すると共に、管状袋を開けるための引張デバイスとしてのラベル又はリングを有する。
このように、一方の手で管状袋本体を握り、或いは他の手法で管状袋本体を固定すると共に、他方の手で蓋部材のラベル又は蓋部材に装着されたリングを握ることによって、管状袋を開けることができる。そして、上記リングまたはラベルを引っ張ることによって、蓋部材は、アングル部材から離脱することができる。このアングル部材は、管状袋を閉じる際に、少なくとも部分的に離脱可能な接着剤または封止性接続によって蓋部材に結合されたものである。
【0015】
また、使用される接着剤によって、管状袋は、蓋部材をアングル部材の粘着性表面に繰り返して押圧することで再び閉じることも可能である。
【0016】
更に、好ましい実施例によれば、蓋部材は、少なくとも部分的に開けられる少なくとも一つの所定破断箇所、特に所定の破断線を有する。このような所定の破断線により、蓋部材の一部のみを取り除くことができる。これは、特に、液状内容物の溢しを防止するために効果的である。更に、このような所定の破断線により、管状袋を開ける作業を最適化することが可能となる。従って、最初の破断縁部は、管状袋が開けられるときに所定の破断線に沿って形成される。
【0017】
ここで強調すべきなのは、本発明の範疇は、マルチ−チャンバー袋をも含んでおり、各々コンパートメントは、蓋部材における所定の破断線によって個別的に開けることができる。
【0018】
或いは、管状袋本体自身、可能であれば、蓋部材及び/又は管状袋のベース部は、比較的に剛性な構造を有する。これは、特に、管状袋が液状又はペースト状内容物を収容する
ときに効果的である。一方、内容物が固体であった場合、管状袋本体に対して、ある程度の安定性を与えることができる。
【0019】
なお、本発明に係わる管状袋の利点としては、管状袋本体の開口部断面全体は、実質上開けることができるので、管状袋の内容物に対して、スプーン、フォーク又は他の器具での最適なアクセスが可能となる。
【0020】
更に、内容物が液体であった場合、管状袋本体の縁部への溢しは、管状袋本体の開口部を跨って少し延びる環状アングル部材の縁部を形状加工することによって回避できる。従って、液体は、前記縁部の下側を包むものの、管状袋本体の縁部への溢しが避けられる。
また、前記縁部の長さは、必要に応じて調整可能である。
【0021】
一つの実施例によれば、管状袋本体は、フィン−シール及び/又はラップ−シールによって形成され、或いはチューブ状の押出成型によって形成されている。
【0022】
更に、管状袋本体は、積層、特にアルミニウム積層から構成され、この積層は、少なくとも一つの封止層を有し、任意に少なくとも一つのバリヤ層をも有する。このバリヤ層は、好ましくはSiO2、AlOx、エチルビニルアルコール、又は金属ホイルで構成されている。
【0023】
そして、蓋部材及び/又はベース部は、実質上、管状袋本体と同様な材料で作られている。従って、蓋部材及び/又はベース部は、管状袋本体と同様なホイル又は積層で作られることで、管状袋本体の製作コストが低く抑えられる。このように、管状袋本体の形成に先行して、管状袋本体を形成するホイルを用いることができ、或いは、蓋部材及びベース部を形成するために離脱する一段の押出成型チューブを用いることも可能となる。
【0024】
例えば、このような短いチューブの一端を封止することでベース部を形成させ、その後、このベース部を管状袋本体に結合させる。そして、管状袋本体を伸張させた後、封止状態で結合させ、つまり封止させて、或いは接着させる。
【0025】
ここで、蓋部材、ベース部、及び/又は管状袋本体の厚さは、50μm〜1000μmであり、好ましくは80μm〜500μmであり、特に好ましくは100μm〜350μmである。このようなサイズによって、管状袋は、軽量となり、炭酸含有の袋内容物に対しても充分な耐久性及び安定性が得られる。更に、蓋部材、ベース部、及び管状袋本体は、消毒可能であるので、飲料や刺激性のものも、管状袋に導入して衛生状態で包装することが可能である。
【0026】
本発明の更なる実施例は、従属項に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、蓋部材がアングル部材の外側に装着されている本発明の管状袋を示す図である。
【図2】図2は、蓋部材がアングル部材の内側に装着されている本発明の管状袋を示す図である。
【図3】図3は、蓋部材が少し開けられた場合の図2の管状袋を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
次に、図面を参照して詳細に説明される実施例によって、本発明を説明する。
【0029】
次の説明において、同様な部材或いは同様な作用を有する部材は、同一の参照符号にて示される。
【0030】
図1に示すように、管状袋10は、管状袋本体20と蓋部材30とを有して構成されている。蓋部材30は、アングル部材45に係止されている。そして、このアングル部材45は、その短い方の縁部によって係止され、上記の縁部は、管状袋10のベース部に向かう方向に沿って管状袋本体20の外側へ延びている。アングル部材45の長い方の縁部は、管状袋本体20の開口部を跨って延びており、蓋部材30を装着するために用いられている。アングル部材45の内面47は、管状袋の内部に対向しており、蓋部材30自身は、アングル部材45の外面49に配置されている。また、蓋部材30はラベル50を有する。図1の中の破線は、管状袋本体20の外縁に沿って延びているアングル部材を示している。
【0031】
図2は、本発明に係わる管状袋の更なる実施例を示しており、アングル部材45が管状袋本体の内部に装着されている。この実施例において、アングル部材45の外面が管状袋の内部へ向かう方向に面しており、蓋部材30は、アングル部材の内面47に装着されている。ここで、アングル部材45自身は、図2に示す短い方の縁部によって、蓋部材区域35自身の管状袋本体の縁部へ溶接または装着されている。
【0032】
図3は、本発明に係わる管状袋10の他の実施例を示している。図3は、図2の管状袋を示しているが、異なるのは、ラベル50を引っ張ることで、蓋部材30は少し開けられてアングル部材45の内面47から外されている。
【0033】
ここで指摘しておくべきなのは、上述した部材は、単独的に或いは組み合わせて見ても、特に図面にて詳細に示された部分は、本発明における重要な特徴として特許請求の範囲に記載されている。本発明に対するあらゆる修正は、当業者にとって自明である。
【符号の説明】
【0034】
10 管状袋
20 管状袋本体
25 管状袋本体の内面
30 蓋部材
35 蓋部材区域
40 外縁
45 アングル部材
47 内面
49 外面
50 引張デバイス、ラベル/リング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状袋本体(20)と蓋部材(30)とを有し、任意にベース部、特にスタンディングベース部またはスタンドアップベース部をも有する管状袋(10)において、
管状袋本体(20)は、蓋部材区域(35)において、蓋部材(30)を装着するために適切な傾斜状及び/又はアングル状の外縁部(40)を有し、前記蓋部材(30)は、前記外縁部(40)の外側(49)に搭載されていることを特徴とする管状袋。
【請求項2】
前記外縁部(40)は、アングル部材(45)として形成され、好ましくは、事実上、直角に形成されており、前記蓋部材(30)は、少なくとも部分的に離脱可能な接着性接続及び/又は封止性接続によってアングル部材(45)に結合されていることを特徴とする請求項1に記載の管状袋。
【請求項3】
前記蓋部材(30)は、平面構造を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の管状袋。
【請求項4】
前記蓋部材(30)は、少なくとも一つの、タブ又はリング状の引っ張りデバイス(50)を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の管状袋。
【請求項5】
前記蓋部材(30)は、管状袋(10)が少なくとも部分的に開けられる少なくとも一つの所定破断箇所、特に所定の破断線を有することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の管状袋。
【請求項6】
前記アングル部材(45)は、管状袋本体(20)に搭載されており、好ましくは、接着性接続及び/又は封止性接続によって管状袋本体の内面(25)に装着されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の管状袋。
【請求項7】
管状袋本体(20)及び/又は蓋部材(30)及び/又はベース部は、比較的に剛性な構造を有することを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の管状袋。
【請求項8】
管状袋本体(20)は、フィンシール封止及び/又はラップシール封止によって形成され、或いはチューブ状の押出成型によって形成されていることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の管状袋。
【請求項9】
管状袋本体(20)は、積層、特にアルミニウム積層を有して構成され、この積層は、少なくとも一つの封止層を有し、任意に少なくとも一つのバリヤ層をも有し、このバリヤ層は、好ましくはSiO、AlO、エチルビニルアルコール、又は金属ホイルで構成されていることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の管状袋。
【請求項10】
蓋部材(30)及び/又はベース部は、実質上、管状袋本体(20)と同様な材料で作られていることを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の管状袋。
【請求項11】
蓋部材(30)、ベース部、及び/又は管状袋本体(20)の厚さは、50μm〜1000μm、好ましくは80μm〜500μm、特に好ましくは100μm〜350μmであることを特徴とする請求項1乃至10の何れかに記載の管状袋。
【請求項12】
蓋部材(30)、ベース部、及び管状袋本体(20)は、消毒可能であることを特徴とする請求項1乃至11の何れかに記載の管状袋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−215294(P2010−215294A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−87063(P2010−87063)
【出願日】平成22年4月5日(2010.4.5)
【分割の表示】特願2007−557401(P2007−557401)の分割
【原出願日】平成18年2月27日(2006.2.27)
【出願人】(505176811)
【氏名又は名称原語表記】HUHTAMAKI RONSBERG, ZWEIGNIEDERLASSUNG DER HUHTAMAKI DEUTSCHLAND GMBH & CO.KG
【住所又は居所原語表記】HEINRICH−NICOLAUS−STRASSE 6 D−87671 RONSBERG−DEUTSCHLAND
【Fターム(参考)】