説明

薄型半導体装置

【課題】従来の方法とシステムに付随する欠点や問題の少なくとも一部を実質的に除去または低減する、薄型半導体装置を提供する。
【解決手段】第1の表面を有する基板を含む半導体装置を提供する。チップをその基板に結合する。チップは、基板の第1の面と向き合う第2の面を有する。チップは基板と離れていて、ギャップを形成している。基板の少なくとも一部ははんだバンプでチップと結合している。はんだバンプは変形可能な材料を含み、チップと基板との間のギャップが大きくなると、はんだバンプは変形して伸張状態になる。アンダーフィル材を基板とチップの間に入れる。アンダーフィル材は、チップと基板との間のギャップを実質的に満たして、伸張状態ではんだバンプを囲む。基板の第1の面とチップの第2の面との間に、非導電性の突起部を含むバリケードを配置する。バリケードは圧縮状態のはんだバンプを閉じこめる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体装置に関し、特に薄型半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
薄型半導体装置には大きな需要がある。この需要に応じて、薄型相互接続(low-profile interconnections)を用いてチップを基板に結合した半導体装置が開発されている。薄型相互接続とは、例えば、チップと基板との間に電子的な経路を設けるはんだバンプ(solder bumps)である。
【0003】
しかし、チップと基板とが相対的に動くと、はんだバンプにはストレス(stress)がかかる。結果として、はんだバンプ及び半導体装置の信頼性が問題となる。例えば、基板とチップ(chip)の熱膨張率(coefficient of thermal expansion)は異なる。熱望勝率が異なるためストレスがかかり、はんだバンプにクラック(crack)が生じる場合がある。アンダーフィル(underfill)と呼ばれる物質をチップと基板の間に入れ、装置の機械的な強さを補強する場合もある。しかし、装置が薄くなればなるほど、チップと基板の間にアンダーフィル材を入れるのは困難になる。さらに、アンダーフィル材を入れることは可能であっても、アンダーフィル材が少しでもはんだバンプと基板との間に入ると、重大な信頼性問題が発生する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来の方法とシステムに付随する欠点や問題の少なくとも一部を実質的に除去または低減する、薄型半導体装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態によると、半導体装置は第1の面を有する基板を含む。チップをその基板に結合する。チップは、基板の第1の面と向き合う第2の面を有する。チップは基板と離れていて、ギャップを形成している。基板の少なくとも一部ははんだバンプでチップと結合している。はんだバンプは変形可能な材料を含み、チップと基板との間のギャップが大きくなると、はんだバンプは変形して伸張状態(stretched state)になる。アンダーフィル材を基板とチップの間に入れる(applied)。アンダーフィル材は、チップと基板との間のギャップを実質的に満たして、伸張状態ではんだバンプを囲む。基板の第1の面とチップの第2の面との間に、非導電性の突起部を含むバリケードを配置する。バリケードは圧縮状態のはんだバンプを閉じこめる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の実施形態により以下の技術的有利性がもたらされる。一実施形態の技術的優位性には、変形可能はんだバンプを有する半導体装置が含まれる。はんだバンプは、半導体装置のギャップが大きくなったとき、変形して伸張状態になる。アンダーフィル材を入れて半導体装置を補強することもできる。ギャップが小さくなると、変形可能はんだバンプは変形して圧縮状態になり、半導体装置はより薄くなる。このように、信頼性が高く性能がよい薄型半導体装置を製造できる。
【0007】
一実施形態のもう1つの技術的優位性は、圧縮状態の変形可能はんだバンプを閉じこめるバリケードを含む。バリケードは、はんだバンプが変形して互いに接触することを防止する。また、はんだバンプが変形することにより、はんだバンプと基板との間にアンダーフィル材が入る(flow)ことを防止する。
【0008】
本発明の実施形態には、上記の技術的な有利性を含まないもの、一部を含むもの、すべてを含むものがある。図面、詳細な説明、及び特許請求の範囲に基づき、当業者には容易に1つ以上の技術的な有利性が明らかとなるであろう。
【0009】
本発明の実施形態とその有利性は、図1乃至図4を参照すればよく分かるであろう。図面において、同じ参照符号は同一または対応する要素を示している。
【0010】
図1Aは、半導体装置10を示す図である。半導体装置(例えば、半導体装置10)は、少なくとも1つの半導体チップ(例えば、集積回路)をベース基板(base substrate)と結合した装置である。ベース基板は、チップを、そのベース基板上の他のコンポーネントやそのベース基板上にない他のコンポーネントと結合するために使用できる。一般的には、チップを基板に結合するため、はんだバンプをチップの表面に配置(apply)する。チップと、配置されたはんだバンプは、ベース基板に合わせて調整されており(align)、各はんだバンプがベース基板上のバンプパッド(bump pad)を少なくとも部分的に満たし、チップがベース基板と離れてギャップができるようになっている。アンダーフィル材をチップとベース基板との間のギャップに入れて、半導体装置の機械的な強さを補強してもよい。しかし、チップと基板との間のギャップが小さいと、チップと基板との間にアンダーフィル材を入れる(apply)ことは困難である。さらに、アンダーフィル材を入れることは可能であっても、アンダーフィル材が少しでもはんだバンプと基板との間に入ると、重大な信頼性問題が発生する。
【0011】
後で詳しく説明するように、変形可能はんだバンプは一時的に変形して伸張状態になり、装置のギャップを大きくすることができる。アンダーフィル材を入れて半導体装置を補強することもできる。ギャップが小さくなると、変形可能はんだバンプは変形して圧縮状態になり、半導体装置はより薄くなる。バリケード(barricades)をベース基板及び/またはチップに配置し、変形して圧縮状態のはんだバンプを閉じこめる(confine)。このように、バリケードは、はんだバンプが変形して互いに接触することを防止する。また、はんだバンプが変形することにより、はんだバンプとベース基板との間にアンダーフィル材が入る(flow)ことを防止する。
【0012】
図1Aに示したように、半導体装置10はベース基板20とチップ30とを含む。ベース基板20は1つまたは複数のはんだバンプ40によりチップ30と結合されている。図1A乃至図1Cにはハイレベルで装置(assembly)10の特定のコンポーネントを示したが、その他の材料や結合方法を利用してもよい。さらに、装置10はその他の周知のコンポーネントを含んでいてもよく、ここで説明する方法を例えばチップ・オン・チップ(chip on chip)、チップ・オン・サブストレート(chip on substrate)、エレクトロオプティックコンポーネント・オン・チップ(electro-optic component on chip)、MEMS・オン・チップ(micro-electro-mechanical systems on chip)等の様々な半導体装置に利用してもよい。
【0013】
ベース基板20は好適な表面を有し、好適なセラミックや有機材料を含んでいてもよい。例えば、ベース基板20はチップ30用のプラスチック製の表面実装部(surface mount)を有していてもよい。その他の例として、ベース基板20はチップ30のベース基板としても機能する第2の半導体チップを有していてもよい。図示した実施形態では、ベース基板20はバンプパッド24の開口を画成するはんだマスク22を含む。バンプパッド24は、ベース基板20内の回路に接続されている。この回路により、ベース基板20はチップ30を外部の装置またはベース基板20と結合されたその他の1つまたは複数のコンポーネントと電気的に結合している。はんだマスク22はポリマー等の好適な非導電性材料を含んでいてもよい。はんだパッド24は銅等の好適な導電性材料を含んでいてもよい。
【0014】
チップ30はデータ伝送をできる好適な装置を有していてもよい。例えば、チップ30は電気信号を用いてデータ伝送を行うことができる。チップ30は、シリコンチップ、マイクロエレクトロニクスチップ、オプトエレクトロニクスチップ、MEMSチップ、マイクロチップ・ダイ、集積回路、その他の好適なデータ伝送装置であってもよい。チップ30は例えばフリップチップ結合等の好適な方法でベース基板20と結合している。
【0015】
チップ30は入出力用のコンタクトパッド32を含む。コンタクトパッド32は例えば銅などの好適な導電性材料を含んでいてもよい。チップ30は、よごれ防止レイヤとなるパッシベーション(passivation)レイヤ34も含む。パッシベーションレイヤ34は、例えば誘電体材料などの好適な材料でできたレイヤを含む。チップ30は、チップ30とはんだバンプ40との結合を支援するバンプ下地金属(UBM:under bump metallurgy)レイヤ36をさらに含んでもよい。バンプ下地金属レイヤ36は、例えば銅などの好適な導電性材料を含んでいる。
【0016】
はんだバンプ40はチップ30と基板20とを相互接続する好適な材料を含む。一実施形態では、はんだバンプ40は変形可能な材料(例えば、溶融状態の材料)を含み、装置10のギャップの高さが大きくなるように、一時的に変形して伸張状態になる。これについては以下に詳しく説明する。実施形態によると、はんだバンプ40は金、スズ、鉛、銅等の好適な導電性材料を含む。他の実施形態では、はんだバンプ40はマイクロエレクトロニクス相互接続や光相互接続その他の好適な相互接続を含む。以下に詳しく説明するように、はんだバンプ40に作用するストレス(stress)により、はんだバンプ40や装置10の信頼性が損なわれることがある。
【0017】
図1Bは、図1Aの半導体装置10にストレスがかかった結果の一例を示す図である。装置10にはチップ30とベース基板20との間の相対的な動きによるストレスがかかるおそれがある。結果としてはんだバンプ40には図1Bに示したようにクラックが生じる可能性がある。例えば、チップ30は、図1Bの参照番号44で示したように収縮し、ベース基板20に対して動くことがあり、図1Bの参照番号42で示したようにはんだバンプ40にストレスがかかる。
【0018】
図1Cは、図1Aの半導体装置10にアンダーフィル材50を入れた場合を示す図である。アンダーフィル50ははんだバンプ40の機械的な強さを補強するために、チップ30とベース基板20との間に入れられる。アンダーフィル50は、例えばエポキシなどの好適な有機材料を混合されたフラックス材(flux material)を含む。
【0019】
しかし、チップ30とベース基板20との間のギャップは小さく、アンダーフィル50の組成は粘性が高いため、ギャップにアンダーフィル50を入れることは困難な場合がある。さらに、アンダーフィル材を入れることはできても、アンダーフィル材が少しでもはんだバンプと基板との間に入ると、重大な信頼性問題が発生する。しかし、装置10内の配線を短くし相互接続の密度を高くするためには、チップ30とベース基板20との間のギャップは小さい方がよい。
【0020】
本発明の実施形態では、チップ30とベース基板20とが離れて装置10のギャップが大きくなっても伸張状態に変形する、(例えば溶融状態のはんだである)変形可能はんだバンプ40を設ける。アンダーフィル材50を入れて半導体装置10を補強することもできる。ギャップの高さが低くなると、変形可能はんだバンプは変形して圧縮状態になり、半導体装置10はより薄くなる。一実施形態では、バリケード(barricades)をベース基板及び/またはチップの表面に配置し、変形して圧縮状態のはんだバンプ40を閉じこめる(confine)。このように、バリケードは、はんだバンプが変形して互いに接触することを防止する。また、はんだバンプが変形することにより、はんだバンプとベース基板との間にアンダーフィル材が入る(flow)ことを防止する。
【0021】
図2Aは、本発明の一実施形態による、チップ30の表面に導電体ベース46を配置した、図1Aのチップ30を示す図である。以下に詳しく説明するように、導電体ベース46は例えば銅スタッド等の好適な材料を含み、変形可能はんだバンプ40の支持材(support)として機能する導電体の突出部を設ける。本発明の一実施形態では、導電体ベース46はチップ30の表面上に配置され、少なくとも部分的にパッシベーションレイヤ34とコンタクトパッド32を覆う。このように、図示した実施形態では、導電体ベース46がバンプ下地金属レイヤ36に置き換わり、導電体ベース46がチップ30をはんだバンプ40に結合する導電性構造(conductive structure)を提供する。しかし、言うまでもなく、導電体ベース46はバンプ下地金属レイヤ36を置き換えるものとして説明したが、他の実施形態では、導電体ベース46を使用しなくてもよいし、バンプ下地金属レイヤ36の上に配置してもよい。
【0022】
図2Bは、本発明の一実施形態による、ベース基板20の表面に導電体ベース46とバリケード60とを配置した、図1Aのベース基板20を示す図である。本発明の一実施形態では、導電体ベース46はベース基板20の表面上に配置され、少なくとも部分的にはんだマスク22の開口部を満たして(fill)いる。このように、図示した実施形態では、導電体ベース46がバンプパッド24に置き換わり、導電体ベース46はベース基板20内の回路と接続して、ベース基板20にチップ30を外部装置と、またはベース基板20に結合された他のコンポーネントと電気的に結合させる。しかし、言うまでもなく、導電体ベース46はバンプパッド24を置き換えるものとして説明したが、他の実施形態では、導電体ベース46を使用しなくてもよいし、バンプパッド24の上に配置してもよい。
【0023】
さらに、他の実施形態のその他の側面は図2Bから明らかである。例えば、図2Bでは、導電体ベース46ははんだマスク22より上まであるものとして説明したが、導電体ベース46の高さは任意である。他の例として、導電体ベース46は、ベース基板20とチップ30の両方ではなく、装置10の片側(例えば、ベース基板20側)に配置されてもよい。本発明では、導電体ベース46の構成には多くの異なったものが想定できる。実施形態によって、上記の構成の一部や全部を含んでも、含まなくてもよい。
例示した実施形態では、ベース基板20にもほぼ垂直に配置したバリケード60が含まれている。一実施形態では、バリケード60はベース基板20に垂直に配置される必要はなく、適切に配置されればよい。他の実施形態では、バリケード60はチップ30上に配置されてもよい。
【0024】
一実施形態では、チップ30とベース基板20との間のギャップ(gap height)が小さくなると、はんだバンプ40は変形して圧縮状態となり、横方向にふくらむ。以下に詳細に説明するように、バリケード60は変形して圧縮状態のはんだバンプ40を閉じこめる(confine)働きをする。
【0025】
バリケード60はポリマー、フォトエポキシ、ポリシロキサンなどをベースとした材料等であり、適切な非導電性材料であれば何でもよい。さらに、例示した実施形態に示したバリケード60は長方形であるが、バリケード60は適切な形状であればよく、例えば円形、正方形、三角形、その他の多角形などでもよい。本発明では、バリケード60の構成には多くの異なったものが想定できる。実施形態によっては、上記の形状や組成の一部や全部を含んでもよいし、含まなくてもよい。
【0026】
本発明の一実施形態では、バリケード60はフォトリソグラフィで形成される。例えば、レジスト材料をはんだマスク22の上に堆積してはんだマスク22を完全に覆う。次に、レジスト材料をエッチングして、ベース基板20の表面上に形成された突起部を残す。
【0027】
他の実施形態では、エポキシ、はんだ、その他同様の材料で各バリケード60をベース基板20の表面にボンディングすることにより、バリケード60をその表面に設置する。さらに別の実施形態では、2つ以上のバリケード60を互いに補強するために接触させて配置し、バリケード60の構造的強さ(structural integrity)を改善する。本発明で使用できる、ベース基板20上にバリケード60を配置する方法には多くの種類がある。実施形態によって、上記の構成の一部や全部を含んでも、含まなくてもよい。以下、図3A乃至図3Dを参照して、本発明の実施形態をより詳しく説明する。図3A乃至図3Dはそれぞれ組立工程の各段階を示している。
【0028】
図3Aは、一実施形態による、図2Aのチップ30を図2Bのベース基板20と結合したものを示す図である。図示した実施形態では、はんだバンプ40は、チップ30につけられ(applied)、ベース基板20上に配置される。このとき、各はんだバンプ40はベース基板20の表面上の対応する導電体ベース46(または同様の表面)と位置合わせされ、チップ30は参照番号72で示したギャップだけベース基板20と離間している。チップ30とビットパッド24との間に、接触して、変形可能なはんだバンプ40が配置されており、ギャップ72がチップ30の表面と、それと対向するベース基板20の表面との間に形成される。
【0029】
図3Bは、一実施形態による、図3Aの半導体装置10においてギャップが大きくなった場合を示す図である。図示した実施形態では、参照番号74で示したように、チップ30とベース基板20との間のギャップ(gap height)76が大きくなっており、変形可能なはんだバンプ40がそれだけ伸びている。チップ30とベース基板20との間のギャップが大きくなった分、図3Cを参照して以下に説明するように、アンダーフィル50を入れる(application)ことが容易になる。
【0030】
図3Cは、一実施形態による、図3Bに示した半導体装置10にアンダーフィル50を入れた場合を示す図である。上記の通り、CTEミスマッチ(CTE mismatch)によりベース基板20とチップ30との間の伸張と圧縮に違いが生じ、はんだバンプ40を弱くしてストレスを生じさせる。図3Dを参照して以下に説明するように、アンダーフィル50を入れて装置10の機械的強度を補強し、その後ベース基板20とチップ30との間のギャップを小さくして装置10を薄型化する(form a lower profile assembly)。
【0031】
図3Dは、一実施形態による、図3Cの半導体装置10においてギャップが小さくなった場合を示す図である。図示した実施形態に示したように、参照番号90で示したように、アンダーフィル50を入れ、チップ30とベース基板20との間のギャップ94を小さくすると、はんだバンプ40は変形して圧縮状態になり、参照番号92で示したように横にふくらむ。このように、はんだバンプ40は変形してアンダーフィル50がはんだバンプ40とベース基板20との間に入る(flow)のを防止し、バリケード60は、変形して圧縮状態のはんだバンプ40を閉じこめて、変形したはんだバンプ40が互いに接触するのを防止する。
【0032】
このように、本発明の実施形態により装置を薄型化できる。チップとベース基板との間のギャップを大きくする。次に、アンダーフィル材を入れて半導体装置を補強することもできる。次に、チップとベース基板との間のギャップを小さくして、装置を薄型化(lower profile)する。ベース基板及び/またはチップの表面にバリケード(barricades)を配置し、変形したはんだバンプが横にふくらみ過ぎないように閉じこめる(confine)。これによりはんだバンプ間の短絡を防止し、はんだバンプの信頼性を高くし、薄型化し、高密度化できる。さらに、変形したはんだバンプによりアンダーフィルがはんだバンプとベース基板との間に入る(flow)のを防止する。
【0033】
図4は、一実施形態による、半導体装置の製造方法100の一例を示すフロー図である。この方法例では、最初にステップ102において、第1の表面を有するベース基板を設ける。例えば、ベース基板はチップ用のプラスチック製の表面実装部(surface mount)(パッケージとも呼ぶ)を有していてもよい。他の例として、ベース基板は第2の半導体チップを有していてもよい。
【0034】
ステップ104において、チップをベース基板に結合する。一実施形態では、チップはベース基板の第1の表面に対向する第2の表面を有する。この実施形態では、チップはベース基板から離間しギャップを形成し、ベース基板の少なくとも一部がはんだバンプによりチップと結合している。一実施形態では、はんだバンプは変形可能な材料を含み、チップと基板との間のギャップが大きくなると、はんだバンプは変形して伸張状態(stretched state)になる。
【0035】
ステップ106において、複数の非導電性の突起部を含むバリケードをチップとベース基板との間に配置する。一実施形態では、バリケードはベース基板の第1の表面に配置される。他の一実施形態では、バリケードはチップの第2の表面に配置される。これらの実施形態では、複数のバリケードにより圧縮状態のはんだバンプを閉じこめる。
ステップ108において、アンダーフィル材を基板とチップの間に入れる(applied)。一実施形態では、アンダーフィル材は、チップと基板との間のギャップを実質的に満たして、伸張状態の複数のはんだバンプを囲む。
【0036】
言うまでもなく、図4に示したステップは適宜組み合わせても修正しても削除してもよく、フロー図に別のステップを追加してもよい。また、上記の通り、本発明の範囲から逸脱することなく、適切な順序でステップを実行することができる。
【0037】
具体的な実施形態を参照して本発明を詳しく説明したが、言うまでもなく、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、これらの実施形態に様々な変更、追加、置換をすることができる。例えば、装置10に含まれるコンポーネントを参照して本発明を説明したが、必要に応じて他の異なるコンポーネントを利用してもよい。本発明では、これらの要素やその内部コンポーネントの構成は非常に柔軟である。
【0038】
当業者はこの他の変更、追加、変形、置換、修正を考えることができるであろう。本発明は、添付した特許請求の範囲の精神と範囲に入るこうした変更、追加、変形、置換、修正はすべて本発明に含まれる。さらに、本発明は、特許請求の範囲に反映されていない限り、明細書に記載したどの文言にもどのようにも限定されない。
【0039】
上記の実施形態について付記を記載する。
(付記1) 第1の表面を有する基板と、
前記基板から離間してギャップを形成し、前記基板の前記第1の表面に対向する第2の表面を有する、前記基板に結合したチップであって、前記基板の少なくとも一部は複数のはんだバンプにより前記チップと結合し、前記複数のはんだバンプは変形可能な材料を含み、前記チップと前記基板との間のギャップが大きくなると、前記複数のはんだバンプは変形して伸張状態になるチップと、
前記ギャップと前記チップとの間を実質的に満たし、前記伸張状態において前記複数のはんだバンプを取り囲む、前記基板と前記チップとの間に入れられたアンダーフィル材と、
圧縮状態において前記複数のはんだバンプを閉じこめる、前記基板の前記第1の表面と前記チップの前記第2の表面との間に配置された複数の非導電性突起部を含む複数のバリケードとを有する半導体装置。
(付記2) 前記複数のバリケードは前記基板の前記第1の表面に配置される、付記1に記載の半導体装置。
(付記3) 前記複数のバリケードは前記チップの前記第2の表面に配置される、付記1に記載の半導体装置。
(付記4) 前記複数のバリケードは前記基板に実質的に垂直である、付記1に記載の半導体装置。
(付記5) 前記複数のバリケードは各々が長方形状である、付記1に記載の半導体装置。
(付記6) 前記複数のバリケードはフォトリソグラフィを用いて形成される、付記1に記載の半導体装置。
(付記7) 前記複数のバリケードは各々がポリマーを含む、付記1に記載の半導体装置。
(付記8) 前記アンダーフィル材はエポキシを含む、付記1に記載の半導体装置。
(付記9) 前記基板は第1の熱膨張係数を有し、
前記チップは第2の熱膨張係数を有し、
前記第1の熱膨張係数は前記第2の熱膨張係数と相違する、付記1に記載の半導体装置。
(付記10) 前記複数のバリケードは互いに接触して配置された少なくとも2つのバリケードを含む、付記1に記載の半導体装置。
(付記11) 前記複数のはんだバンプは各々が銅を含む、付記1に記載の半導体装置。
(付記12) 前記基板に結合した第2のチップをさらに有する、付記1に記載の半導体装置。
(付記13) 第1の表面を有する基板を設ける段階と、
前記基板から離間してギャップを形成し、前記基板の前記第1の表面に対向する第2の表面を有するチップを前記基板に結合する段階であって、複数のはんだバンプにより前記基板の少なくとも一部が前記チップに結合され、前記複数のはんだバンプは変形可能な材料を含み、前記チップと前記基板との間のギャップが大きくなると、前記複数のはんだバンプは変形して伸張状態になる段階と、
前記ギャップと前記チップとの間を実質的に満たし、前記伸張状態において前記複数のはんだバンプを取り囲むアンダーフィル材を前記基板と前記チップとの間に入れる段階とを含む半導体装置の生産方法。
(付記14) 圧縮状態において前記複数のはんだバンプを閉じこめる、前記基板の前記第1の表面と前記チップの前記第2の表面との間に配置された複数の非導電性突起部を含む複数のバリケードを配置する段階をさらに含む、付記13に記載の方法。
(付記15) 前記基板の前記第1の表面と前記チップの前記第2の表面との間に複数の非導電性突起部を含む複数のバリケードを配置する段階は、前記複数のバリケードを前記基板の前記第1の表面上に配置する段階を含む、付記14に記載の方法。
(付記16) 前記基板の前記第1の表面と前記チップの前記第2の表面との間に複数の非導電性突起部を含む複数のバリケードを配置する段階は、前記複数のバリケードを前記チップの前記第2の表面上に配置する段階を含む、付記14に記載の方法。
(付記17) 前記複数のバリケードは前記基板に実質的に垂直である、付記14に記載の方法。
(付記18) 前記複数のバリケードは各々が長方形状である、付記14に記載の方法。
(付記19) 前記複数のバリケードはフォトリソグラフィを用いて形成される、付記14に記載の方法。
(付記20) 前記複数のバリケードは各々がポリマーを含む、付記14に記載の方法。
(付記21) 前記複数のバリケードは互いに接触して配置された少なくとも2つのバリケードを含む、付記14に記載の方法。
(付記22) 前記アンダーフィル材はエポキシを含む、付記13に記載の方法。
(付記23) 前記基板は第1の熱膨張係数を有し、
前記チップは第2の熱膨張係数を有し、
前記第1の熱膨張係数は前記第2の熱膨張係数と相違する、付記13に記載の方法。
(付記24) 前記複数のはんだバンプは各々が銅を含む、付記13に記載の方法。
(付記25) 前記基板に結合した第2のチップをさらに有する、付記13に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1A】一例としての半導体装置を示す図である。
【図1B】図1Aの半導体装置にストレスがかかった結果の一例を示す図である。
【図1C】図1Aの半導体装置にアンダーフィル材を入れた場合を示す図である。
【図2A】一実施形態による、チップの表面に導電体ベースを配置したチップを示す図である。
【図2B】一実施形態による、ベース基板の表面に導電体ベースとバリケードとを配置したベース基板を示す図である。
【図3A】一実施形態による、図2Aのチップを図2Bのベース基板と結合したものを示す図である。
【図3B】一実施形態による、図3Aの半導体装置においてギャップが大きくなった場合を示す図である。
【図3C】一実施形態による、図3Bに示した半導体装置にアンダーフィル材を入れた場合を示す図である。
【図3D】一実施形態による、図3Cの半導体装置においてギャップが小さくなった場合を示す図である。
【図4】一実施形態による、半導体装置の製造方法の一例を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0041】
10 半導体装置
20 ベース基板
22 はんだマスク
24 バンプパッド
30 チップ
32 コンタクトパッド
34 パッシベーションレイヤ
36 バンプ下地金属レイヤ
40 はんだバンプ
46 導電体ベース
50 アンダーフィル
60 バリケード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の表面を有する基板と、
前記基板から離間してギャップを形成し、前記基板の前記第1の表面に対向する第2の表面を有する、前記基板に結合したチップであって、前記基板の少なくとも一部は複数のはんだバンプにより前記チップと結合し、前記複数のはんだバンプは変形可能な材料を含み、前記チップと前記基板との間のギャップが大きくなると、前記複数のはんだバンプは変形して伸張状態になるチップと、
前記ギャップと前記チップとの間を実質的に満たし、前記伸張状態において前記複数のはんだバンプを取り囲む、前記基板と前記チップとの間に入れられたアンダーフィル材と、
圧縮状態において前記複数のはんだバンプを閉じこめる、前記基板の前記第1の表面と前記チップの前記第2の表面との間に配置された複数の非導電性突起部を含む複数のバリケードとを有する半導体装置。
【請求項2】
前記複数のバリケードは前記基板の前記第1の表面に配置される、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記複数のバリケードは前記チップの前記第2の表面に配置される、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記複数のバリケードは互いに接触して配置された少なくとも2つのバリケードを含む、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
第1の表面を有する基板を設ける段階と、
前記基板から離間してギャップを形成し、前記基板の前記第1の表面に対向する第2の表面を有するチップを前記基板に結合する段階であって、複数のはんだバンプにより前記基板の少なくとも一部が前記チップに結合され、前記複数のはんだバンプは変形可能な材料を含み、前記チップと前記基板との間のギャップが大きくなると、前記複数のはんだバンプは変形して伸張状態になる段階と、
前記ギャップと前記チップとの間を実質的に満たし、前記伸張状態において前記複数のはんだバンプを取り囲むアンダーフィル材を前記基板と前記チップとの間に入れる段階とを含む半導体装置の生産方法。
【請求項6】
圧縮状態において前記複数のはんだバンプを閉じこめる、前記基板の前記第1の表面と前記チップの前記第2の表面との間に配置された複数の非導電性突起部を含む複数のバリケードを配置する段階をさらに含む、請求項5に記載の生産方法。
【請求項7】
前記基板の前記第1の表面と前記チップの前記第2の表面との間に複数の非導電性突起部を含む複数のバリケードを配置する段階は、前記複数のバリケードを前記基板の前記第1の表面上に配置する段階を含む、請求項6に記載の生産方法。
【請求項8】
前記基板の前記第1の表面と前記チップの前記第2の表面との間に複数の非導電性突起部を含む複数のバリケードを配置する段階は、前記複数のバリケードを前記チップの前記第2の表面上に配置する段階を含む、請求項6に記載の生産方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−130362(P2009−130362A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−296094(P2008−296094)
【出願日】平成20年11月19日(2008.11.19)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】