説明

薄型表示装置及び前面ガラスの損傷検出方法

【課題】 前面ガラスの裏面に配置された異種の物質の影響を受けずに、前面ガラスの損傷を低コストで検知すること。
【解決手段】 薄型表示装置は、表示部の前面ガラスの損傷を光学的に検出する機能をもつ。光源11乃至17は前面ガラス30に対して光を発し、光は前面ガラス30の端面31から入射して内部を進行し、前面ガラス30の端面32から出射して受光素子21乃至29に到達する。前面ガラス30にヒビ8が生じた場合、受光素子21乃至29が検出する受光量が変化し、損傷の発生が検出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は薄型ディスプレイを用いた薄型表示装置、及びその前面ガラスの損傷検出方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、LCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)やPDP(Plasma Display Panel:プラズマディスプレイパネル)等の薄型表示デバイスを用いた各種の装置が普及している。更にはSED(Surface-conduction Electron-emitter Display:表面伝導型電子放出素子ディスプレイ)、FED(Field Emission Display:電界放出ディスプレイ)が開発されている。また有機EL(ElectroLuminescence)等の開発が進んでおり、何れの表示デバイスもデジタル放送の高品位化に伴い画面の大型化が求められている。画面が大きくなるにつれ、表示デバイスの前面ガラスの破損が問題となる。前面ガラスが破損した場合には、直ちに内部回路の電源を遮断する等の対策を講じる事が望ましい。その為には、前面ガラスにヒビが生じた時点で直ちにこれを検知する必要がある。
【0003】
板ガラスの破損の検知方法は、例えば特許文献1に開示されており、車の窓ガラスが割れた事を検知する防犯装置に用いられている。ガラスに圧電素子等のトランスデューサを2つ密着させておき、一方のトランスデューサは電気信号を超音波振動に変化させる発信部とし、もう一方は発信部から発した超音波振動を電気信号に戻す受信部の役割を担う。発信部から発した超音波振動はガラス内を直線的に伝播し、端面では反射を繰り返して、ガラス全体をくまなく駆け巡った後、受信部に到達して電気信号に戻される。発信部に供給された電気信号に対し、受信部で復元される電気信号は、超音波振動の伝播経路に応じた時間だけ遅延するが、ヒビのために伝播経路に変化が生じると、遅延時間も変化する。この遅延時間の変化を捉えることで、ヒビの発生を検知できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−102826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら薄型表示装置の前面ガラスの場合、その裏面に様々なものが配置されている事が問題となる。例えばPDPの場合、表示電極や誘電体層があり、SEDの場合には蛍光体が塗布されている。ガラスの裏面に異種の物質が存在していると、物質ごとに音の伝播速度に差異が生じるため、超音波振動の伝播が乱されてしまい、前記方法はガラス割れの検知に使用できない。
そこで本発明では、光の伝播を用いれば、ガラスの裏面に配置された異種の物質による影響を無視し得る事、また自発光型表示装置にて自から発する光をガラス割れ検知の光源に利用できる事に着目し、コスト上昇の抑制を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するために本発明に係る装置は、表示部の前面ガラスの損傷を光学的に検出する機能を有する薄型表示装置であって、前記前面ガラスに対して光を発する光源と、前記光源から前記前面ガラスに入射して内部を進行し、前記前面ガラスから出射した光を検出する受光素子と、前記受光素子が検出した受光量の変化により前記前面ガラスの損傷を検出する検出回路と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、前面ガラス内を進行する光の変化を検知する事により、前面ガラスの損傷を検知でき、前面ガラスの裏面に配置された異種の物質による影響を受けず、また構成の複雑化を伴わない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図2乃至4と併せて本発明の第1実施形態を説明するために、前面ガラス及び検出部を例示した模式図である。
【図2】前面ガラスのヒビ発生時の状況を例示した模式図である。
【図3】前面ガラスの端面部の拡大図である。
【図4】検出回路の一例を示す回路ブロック図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る前面ガラス及び検出部を例示した模式図である。
【図6】図7と併せて本発明の第3実施形態を説明するために、前面ガラス及び検出部を例示した模式図である。
【図7】前面ガラスの端面部の形状例を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の薄型表示装置と、その表示部の前面ガラスの損傷検出方法を、以下の各実施形態に従って説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態として、薄型表示装置の表示部の前面ガラス(以下、単にガラスという)とその損傷を光学的に検出する検出部を模式的に描いたものであり、(A)図に正面図、(B)図に断面図を示す。また図2は、図1のガラスに符号8で示すヒビ等の損傷が生じた状況を模式的に示す図である。
【0010】
厚みの小さい矩形板状のガラス30には、その一方の短辺に相当する第1の端面31に対向した複数の光源11乃至17が配置されている。これらの光源には、例えばLED(発光ダイオード)等が使用される。また、ガラス30の長手方向(長辺に平行な方向であり、以下、長辺方向という)において、端面31と反対側の第2の端面32には、これに対向した複数の受光素子21乃至29が配置されている。
【0011】
ガラス30の長辺における各端面33及び34には、蒸着処理が施されて鏡面が形成されている。また、ガラス30における端面31寄りの部分及び光源11乃至17を側方から覆う遮光板41と、ガラス30における端面32寄りの部分及び受光素子21乃至29を側方から覆う遮光板42が設けられている。
【0012】
図1(A)の正面図を用いて説明すると、同図に矢印を付して示す各光線は、光源12から発した光の光路を表している。なお、他の光源から発した光線は、説明を判り易くするために省略しており、また光源12から発する光線については、主要なものだけを示しており、更に拡がった方向に発した光線については同様の理由で省略している。
【0013】
ガラス30の端面31に対向して配置された光源12は、端面31に向けて検出用の光を発する。この光はガラス30に入射されてその中を進み、ガラス30の端面32から出射し、端面32に対向して配置された受光素子21乃至29の何れかに到達する。光の一部はガラス中を直進して各受光素子21乃至29に到達し、また他の光の一部は端面33,34に形成された鏡面にて反射した後、各受光素子21乃至29に到達する。図示は省略するが、更に拡がった方向に発した光も同様に、端面33,34にて複数回の反射を繰り返した後、やはり各受光素子21乃至29に到達する。
【0014】
この光の伝播を断面で見ると、図1(B)に示すように、光源12から発してからガラス30の長辺方向に沿って進行する光は、端面31から入射してガラス中を直進し、受光素子21乃至29に到達する。また、ガラス30の長辺方向に対して特定の角度をもって光源12から発した光は、入射後に、前面ガラスの表面又は裏面で全反射した後、受光素子21乃至29に到達する。なお、図1には示していないが、ガラス表面又は裏面にて複数回の反射を繰り返してから受光素子21乃至29に到達する光も存在する。
【0015】
ここで光源11乃至17が発する光については、ガラス表面及び裏面に垂直な方向(厚み方向に対して平行な方向)に拡がらない様に、指向性を持たせておく必要がある。その理由は、ガラス表面又は裏面を界面として小さい入射角(垂直により近い角度)で入射した光が全反射せず、ガラスから好ましくない方向に出射されてしまうからである。例えば、ディスプレイ装置の視聴方向に光が漏れる可能性や、ガラス裏面に配置された様々な内部構造物、例えば蛍光体や電極、電子源等を照らす虞がある。また、受光素子21乃至29についても指向性を持たせる事が望ましい。その理由は、室内光等の外部からの光の影響を受けないように防止するためである。光源や受光素子に指向性を与える手段としては、光源及び受光素子自体が指向性を持つように設計し、例えば、光源の出射面にレンズを形成してその屈折作用を利用すればよい。また図3に示すように、ガラス30の端面31を外向きに突出した曲面状に形成し、レンズの屈折作用を利用する事もできる。また、遮光板41,42をフードとする遮蔽効果によって光の進行方向を制限する手段が挙げられ、複数の手段を適宜に組み合わせてもよい。
【0016】
各受光素子21乃至29は常に受光しており、各素子は常に一定光量を受光し続ける。ガラス30にヒビ8が生じた場合について、図2を用いて説明する。ガラス中を進行する光がヒビ8の箇所に遭遇すると、その光の入射角が小さい場合には影響は少ない。しかし、入射角が大きい場合には全反射が起こり、図1の状況とは異なる光路で光が伝播する事になる。例えば図1で受光素子22に到達していた光は、ヒビ8によってその光路が変わり、別の受光素子、例えば受光素子28に到達する。つまり受光素子22の受光量が減少する一方で、受光素子28の受光量が増加する。定常状態では各受光素子21乃至29の受光量が一定であったのに対し、ガラス30にヒビ8が生じた瞬間に、各受光素子21乃至29の受光量が変化する事になる。
【0017】
図4は検出回路の構成例を示すブロック図である。受光素子81は、図1に示す受光素子21乃至29のいずれかであり、その検出信号は可変利得増幅器(GCA)82に送られる。可変利得増幅器82の出力信号は、サンプル・ホールド(S/H)回路及び比較器84に出力される。
【0018】
受光素子81で受光された光は、ここで電気信号に変換された後、検出信号は可変利得増幅器82に送出される。可変利得増幅器82は受光素子81の感度調節によって、受光素子81の出力信号レベルの飽和を防止する。可変利得増幅器82の出力は、サンプル・ホールド回路83にてサンプリングクロック(CLK)のタイミングに従って保持される。比較器84は可変利得増幅器82から直接送られてくる信号と、サンプル・ホールド回路83を経由して僅かに遅れて送出されてくる信号とを比較する。この遅れは、例えば1μSec(マイクロ秒)程度の僅かな時間差である。受光素子81の受光量について時間的変化がない場合、比較器84は2つの入力信号にレベルの違いがないと判定するが、受光量に変化が生じた場合にはその瞬間、損傷の検知信号を発する。この検知信号は図示しないシステム制御部に送られ、回路電源の遮断等の保護対策が講じられる。なお本例に示す回路ブロックは、各受光素子21乃至29のそれぞれに対して設けられ、何れか1つの受光素子にて生じた受光量の変化を示す検出信号が、図示しないシステム制御部に伝えられる。
【0019】
本実施形態では、7つの光源及び9つの受光素子を用いているが、その数量の如何は問わないので、ヒビ割れ等の損傷を充分な精度で検知できる数及び間隔でこれらを配置すればよい。またガラス30の短辺側(図1の左右方向の端面31,32の各側)に光源及び受光素子をそれぞれ配置しているが、長辺側(図1の上下方向の端面33,34の各側)に光源及び受光素子をそれぞれ配置し、短辺側の端面に鏡面を形成しても構わない。
【0020】
図4に示した回路についてはアナログ回路であってもよく、あるいはアナログ信号からデジタル信号へのコンバータを用いてデジタル信号化して前記と同様の処理を行ってもよい。またサンプル・ホールド回路83には、アナログ方式での回路構成にて、ディレイライン等の遅延素子を用いる事ができる。そして単に信号を遅延させるだけでなく、過去の信号を所定の回数に亘って平均した値を基準値として用い、比較器84にてこの基準値と可変利得増幅器82から直接送られてくる信号のレベル値とを比較するといった、各種形態での実施が可能である。
【0021】
更に、光源が発する光の波長域は可視光に限定されない。先述した漏れ対策、つまり不要な光がディスプレイ画面に現われないように防ぐには、赤外光や紫外光の使用が望ましい。また外光の影響による誤動作の発生を防ぐために、例えば2つの単波長光源を用いる等の工夫が挙げられる。つまり、2つの単波長のうち、一方についてのみ受光量の変化が検出された場合、検出部はこれを外光の影響に拠るものと判断し、2つの単波長共に同様の受光量の変化が検出された場合、検出部はこれをヒビの発生に拠るものと判断する事ができる。
以上のように、本実施形態によれば、ガラス30の一端面に対向した複数個の光源を配置し、他端面に対向する複数個の受光素子を配置し、光源から発した光の変化を監視する事により、ガラスの損傷を直ちに検知できる。
【0022】
[第2実施形態]
図5は、本発明の第2実施形態として、薄型表示装置の表示部の前面ガラス及びその損傷を光学的に検出する検出部を模式的に示しており、(A)図が正面図であり、(B)図が光源の取り付け姿勢を示す説明図である。第2実施形態では光源と受光素子が1つずつ使用され、光源10はガラス30の端面31における端寄りの位置(本例では上端部)に対向して配置されている。受光素子20は、ガラス30の端面31における端寄りの位置(本例では下端部)に対向して配置されている。これら以外の構成要素については、第1実施形態の場合と同等の機能を有するものに同一の符号を付与する事で、それらの説明を省略する。
【0023】
ガラス30の端面31と32には、光源10や受光素子20と対向する範囲を除いて、蒸着処理による鏡面が形成されている。光源10は図5(B)に示すように、ガラス30の長辺方向に平行に延びるh軸に対して、傾いた状態で設置されている。つまり、s軸に示すように、光源10の光軸はh軸に対して、やや内側(ガラス30の中央部に近づく側)に所定の角度(オフセット角θ参照)で傾いている。
【0024】
端面31上にて光源10からの光が入射する部分には蒸着処理が施されていない。光源10から発した光は端面31の非蒸着部からガラス30に入射してガラス中を伝わり、端面32に到達する。ガラス30の長辺方向の長さをHと記すと、オフセット角θの傾きをもって光が進むため、端面32上での到達位置の変位をVと記すとき、「V=H×tanθ」(tanは正接関数を表す)だけ図の下方にずれた位置に光が到達する。この位置で、光はその入射角及び反射角ともにθで反射する。すると今度は、端面31上にて更に変位Vだけ図の下方にずれた位置に光が到達し、やはりこの位置でも光は入射角と反射角ともにθで反射する。これが繰り返された後(図5の例では25回)、最終的に光は図の左下隅の端面31に対向して配置された受光素子20に到達する。なお、ガラス30から受光素子20に向けて光が出射する部分に蒸着処理は施されていない。
【0025】
上記のように、光源10から発した光は端面31と端面32での反射を繰り返し、ガラス30の内部にて図5の上から下へとジグザクに光路が変更されてから受光素子20に到達する。ガラス30のどこかにヒビが生じると、この光路が遮られるか、又は光の進行方向が変えられるために、光が受光素子20に到達しなくなる。つまり、検出部は受光素子20の検出信号のレベル変化を検出する事によりヒビの発生の有無を判断できる。
【0026】
本実施形態でも、光源の使用波長域や、複数の単波長光源の使用等は第1実施形態の場合と同様であり、光源10及び受光素子20の配置についてガラス30の短辺側に制限されない。光源10と受光素子20は必ずしも同一の端面に対向した配置にする必要はない。例えば、端面32の一部を非蒸着部とし、これに対向するように受光素子20を配置させる等、各種の配置で同様の機能を実現できる。
以上のように、第2実施形態では、ガラス30の周囲に光源と受光素子を1つずつ配置し、光源から発した光の変化を監視する事により、ガラスの損傷を直ちに検知できる。
【0027】
[第3実施形態]
図6は、本発明の第3実施形態として、自発光型表示装置であるSEDに適用した薄型表示装置におけるガラス及び検出部を模式的に示しており、(A)図に正面図、(B)図に断面図を示す。光源を構成する発光体としての蛍光体51乃至57は、ガラス30の長辺方向の一端部の裏面に形成されている。発光素子の電子源511は蛍光体51乃至57とともに光源を構成する。矢印512は電子源511から発する電子線を表しており、蛍光体51乃至57への電子線照射によって光が発生し、この光源は通常の表示用画素とは別の手段としてSED表示パネルに付設されている。これら以外の構成要素については、第1実施形態の場合と同等の機能を有するものに同一の符号を付与する事で、それらの説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0028】
本実施形態にて、ガラス30の長辺に相当する各端面33,34には蒸着処理によって鏡面が形成されている。また、ガラス30の長辺方向における一端部の端面35は、蛍光体51乃至57への電子線照射によって生じる光を反射する作用を有する。図7(A)はガラス30に形成した蛍光体52付近の断面、つまり図6(B)の左端部の拡大図である。端面35の断面形状は、例えば蛍光体52の中央部を焦点とする放物線とされており、蒸着処理によって鏡面が形成されている。つまり、端面35は放物線をガラス30の短辺に沿って移動させた放物面状の反射面である。
【0029】
電子源511の電子線512は蛍光体52に衝突し、光を発する。この光は、ガラス30の端面35で反射し、図7(A)に光線で示すように、ガラス30の長辺方向に沿って平行光線としてガラス内を進む。そして光はガラス30の端面32から出射して受光素子21乃至29に到達して検出される。
【0030】
ガラス30の端面35の断面形状が厳密な放物線ではなく、例えば単純な円弧状である場合には、蛍光体52からの光が端面35での反射後に正確な平行光線とならない。しかし、光線方向に関して、ある程度の指向性を確保できれば、第1実施形態の場合と同様に、ガラス表面又は裏面を境界面として光が反射するので、所期の目的を達成する事ができる。例えば、図7(B)に示すように、端面35を曲面でなく、ガラス30の厚み方向に対して45°の角度をもって傾斜した平面とした場合でも必要十分の指向性が得られ、前記に準ずる効果を奏する。
【0031】
本実施形態ではSEDへの適用について説明してきたが、薄型ディスプレイとしてSEDに限らず、FEDやPDP等の他の自発光型表示装置にも応用可能である。またLCD等の透過型表示装置にも適用可能であり、その場合には電子源に代えて、光源としてのバックライトを用いる事になる。バックライト用光源から光を導きつつ表示画面全体に均等に光を拡散させる導光板の一部を突出させ、前面ガラスの端面に光を導く等の方法が挙げられる。
以上のように第3実施形態では、画素とは別に専用に設けた電子源511から蛍光体51乃至57への電子線照射によって生じる光を、ガラス30の表面に平行な方向に導くとともにガラス30の周囲に受光素子を配置する。そして、受光素子に到達する光の変化を監視する事により、ガラスの損傷を直ちに検知する事ができる。
【符号の説明】
【0032】
10乃至17 光源
20乃至29 受光素子
30 前面ガラス
31 第1の端面
32 第2の端面
41,42 遮光板
51乃至57 発光体(自発光画素の蛍光体)
511 電子源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部の前面ガラスの損傷を光学的に検出する機能を有する薄型表示装置であって、
前記前面ガラスに対して光を発する光源と、
前記光源から前記前面ガラスに入射して内部を進行し、前記前面ガラスから出射した光を検出する受光素子と、
前記受光素子が検出した受光量の変化により前記前面ガラスの損傷を検出する検出回路と、を備えたことを特徴とする薄型表示装置。
【請求項2】
前記前面ガラスの第1の端面に対して複数の光源を配置し、第1の端面に対向する第2の端面に対して複数の受光素子を配置したことを特徴とする、請求項1記載の薄型表示装置。
【請求項3】
前記前面ガラスの周囲に配置した1つの光源から発した光が、前記前面ガラスの端面にて反射を繰り返した後、前記前面ガラスから出射して1つの受光素子に到達するように、前記光源及び受光素子を配置したことを特徴とする、請求項1記載の薄型表示装置。
【請求項4】
前記光源から発した光が、前記前面ガラスの表面と垂直な方向へ拡がらないように防止する手段を具備したことを特徴とする、請求項1記載の薄型表示装置。
【請求項5】
前記手段は、前記光源の出射面に形成したレンズ、又は前記前面ガラスに前記光源からの光が入射する端面を曲面として形成したレンズであることを特徴とする、請求項4記載の薄型表示装置。
【請求項6】
前記表示部に自発光型表示装置を用い、前記光源を電子源及び発光体で構成したことを特徴とする、請求項1記載の薄型表示装置。
【請求項7】
前記表示部に透過型表示装置を用い、前記光源に前記透過型表示装置のバックライトを用いることを特徴とする、請求項1記載の薄型表示装置。
【請求項8】
前記前面ガラスの端部に鏡面を形成し、その反射によって光の進行方向を前記前面ガラスの表面に対して平行な方向に変更することを特徴とする、請求項6又は7に記載の薄型表示装置。
【請求項9】
前記前面ガラスの端部並びに前記光源又は前記受光素子の周囲に遮光板を設けたことを特徴とする、請求項1記載の薄型表示装置。
【請求項10】
薄型表示装置を構成する表示部の前面ガラスの損傷を光学的に検出する、前面ガラスの損傷検出方法であって、
前記前面ガラスに対して光源からの光を照射するステップと、
前記光源から前記前面ガラスに入射して内部を進行し、前記前面ガラスから出射した光を受光素子によって検出するステップと、
前記受光素子が検出した受光量の変化により前記前面ガラスの損傷を検出するステップと、を有することを特徴とする前面ガラスの損傷検出方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−75296(P2011−75296A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−224196(P2009−224196)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】