説明

薬剤分包機のホッパーへの蓋取付構造

【課題】蓋を固定している螺子部材が外れてしまうことを確実に阻止することができる薬剤分包機のホッパーへの蓋取付構造を提供する。
【解決手段】薬剤供給部からの薬剤を受け取るホッパー4と、該ホッパー4にて受止めた薬剤を該ホッパー4の下端の開口部4Aから分包紙に投入するべく、該開口部4Aに備えている開閉自在な蓋30とを備え、前記蓋30を開閉自在に支持する取付部材37を螺子部材Nを介して前記ホッパー4に固定してなる薬剤分包機のホッパーへの蓋取付構造であって、前記螺子部材Nが緩んだときに、該螺子部材Nに当接して該螺子部材Nの外れ止めを行う抜止部材50を該螺子部材Nの前方に備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤供給部からの薬剤を受け取るホッパーと、該ホッパーにて受止めた薬剤を該ホッパーの下端の開口部から分包紙に投入するべく、該開口部に備えている開閉自在な蓋とを備え、前記蓋を開閉自在に支持する取付部材を螺子部材を介して前記ホッパーに固定してなる薬剤分包機のホッパーへの蓋取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
薬剤分包機では、処方箋からの薬剤情報に基づいて散薬や錠剤等の薬剤を自動的に分配しながらホッパー内に投入し、ホッパー下端の開口部の蓋を開放することにより分包紙に薬剤を投入してシールするように構成されている。
【0003】
前記薬剤分包機の蓋は、水平軸芯回りで開閉自在にホッパーの下端に、閉じる方向にスプリングにて付勢された状態で螺子部材にて取り付け固定され、前記蓋に、蓋開放操作用の突出片を備えさせることによって、蓋を開放操作することができるように構成されている。そして、前記ホッパー内面に付着した薬剤をソレノイドを駆動することによりホッパーを振動させて振り落としながらエアを吹き付けて、吸引装置により薬剤を回収するようにしている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2004−196403号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1では、蓋を螺子部材にて固定しているだけの構成であるから、螺子部材の締め付けトルクが設定トルク未満になっていると、前記のようにソレノイドを駆動してホッパーを振動させている状況では、螺子部材が徐々に緩んでしまい、螺子部材が外れてしまうことがあり、改善の余地があった。
因みに、螺子部材に緩み止め剤を塗ることが考えられるが、緩み止め剤の塗り忘れや塗りムラがあると、外れ止め効果を発揮させることができないため、採用し難いものであった。
【0006】
そこで本発明は、上記課題に鑑み、蓋を固定している螺子部材が外れてしまうことを確実に阻止することができる薬剤分包機のホッパーへの蓋取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、薬剤供給部からの薬剤を受け取るホッパーと、該ホッパーにて受止めた薬剤を該ホッパーの下端の開口部から分包紙に投入するべく、該開口部に備えている開閉自在な蓋とを備え、前記蓋を開閉自在に支持する取付部材を、螺子部材を介して前記ホッパーに固定してなる薬剤分包機のホッパーへの蓋取付構造であって、前記螺子部材が緩んだときに、該螺子部材に当接して該螺子部材の外れ止めを行う抜止部材を該螺子部材の前方に備えたことを特徴としている。
上記のように、抜止部材を該螺子部材の前方に備えることによって、螺子部材が緩んでいくと、抜止部材に螺子部材がそれ以上、緩むことを抜止部材が接当阻止することができる。
【0008】
前記取付部材を平面視ほぼコの字状の部材から構成し、該取付部材の左右両側壁の遊端部側に、前記抜止板を上方から差し込むための上下方向の溝を形成してもよい。
【0009】
前記抜止部材は、螺子部材の頭部に対面する長方形状の第1板部と、この第1板部の左右両端から表面側に90度曲がるとともに縦長状に連なる第2板部とを備え、これら第2板部と左右両側壁を棒状部材にて貫通するとともに、貫通した棒状部材の突出端のそれぞれに抜止ピンを貫通して、前記抜止部材を前記取付部材に固定してもよい。
【0010】
前記第1板部に、螺子部材を締め付けることができるように工具挿入用孔を備えてもよい。
【0011】
前記棒状部材が、前記蓋を閉じ側へ付勢するバネの一端を支持するための支持部材を兼用し、前記バネの他端を前記蓋側に支持してもよい。
【発明の効果】
【0012】
抜止部材を該螺子部材の前方に備えることによって、螺子部材が緩んでいくと、抜止部材に螺子部材がそれ以上、緩むことを抜止部材が接当阻止することができ、蓋を固定している螺子部材が外れてしまうことを確実に阻止することができる薬剤分包機のホッパーへの蓋取付構造を提供することができる。
【0013】
前記取付部材を平面視ほぼコの字状の部材から構成し、該取付部材の左右両側壁の遊端部側に、前記抜止板を上方から差し込むための上下方向の溝を形成している場合には、左右の溝に抜止板を上方から差し込むだけで、抜止板を取付部材に位置決めした状態でセットすることができ、取付部材の組付け作業を迅速に行うことができる。
【0014】
前記抜止部材は、螺子部材の頭部に対面する長方形状の第1板部と、この第1板部の左右両端から表面側に90度曲がるとともに縦長状に連なる第2板部とを備え、これら第2板部と左右両側壁を棒状部材にて貫通するとともに、貫通した棒状部材の突出端のそれぞれに抜止ピンを貫通して、前記抜止部材を前記取付部材に固定することによって、抜止部材を取付部材に螺子により固定する場合の緩みによる螺子の外れが発生することがなく、信頼性の高いものにすることができる。
【0015】
前記第1板部に、螺子部材を締め付けることができるように工具挿入用孔を備えている場合には、螺子部材が緩んだ場合には、抜止部材を取り外すことなく、工具挿入用孔を通して工具にて螺子部材を締め付けることができる。
【0016】
前記棒状部材が、前記蓋を閉じ側へ付勢するバネの一端を支持するための支持部材を兼用し、前記バネの他端を前記蓋側に支持する構成とすることによって、部品点数の削減化を図ることができる。また、前記棒状部材にバネの一端を巻き付け支持しておくことによって、バネが折れた場合でも、棒状部材にバネが支持されていることから、分包紙内に折れたバネが入り込んで分包されることを確実に回避することができる利点もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態に係る薬剤分包機を、図面に基づいて説明する。図6及び図8は、上カバー1を下台2に対して水平軸芯回りに揺動して開放状態にした薬剤分包機の正面図及び斜視図を示している。
前記薬剤分包機本体が、上側開放の左右方向に長い直方体からなる下台2と、下台2に水平軸芯回りに開閉回動自在に設けられた上カバー1とを有している。前記下台2には、縦軸回りに間欠的に回動する回転テーブル3と、この回転テーブル3の径方向外方に向けて切出部(図示していない)にて切り出された所定量の散薬が投入される下側ほど窄まった漏斗状に形成されたホッパー4と、このホッパー4の下端の開口部4Aから熱溶着性シートからなる分包紙5(図2〜図4参照)に投入して該分包紙5をシールして密封するためのヒートシール装置6と、前記ホッパー4内に付着している散薬を吹き飛ばして回収するホッパー4の清掃装置7などを備えている。尚、前記回転テーブル3及び切出部等から薬剤供給部を構成している。前記開口部4Aは、分包紙5移動方向ほど下方に位置するように斜めに傾斜した開口にすることによって、蓋30を開けて投入される薬剤を一箇所、つまり分包紙5移動方向終端側に集めて分包紙5に供給することができるようにしているが、水平方向に形成された開口であってもよい。
【0018】
前記分包紙5は、図示していないがロール状に巻かれた分包紙ロールからなり、その分包ロールから分包紙を繰出し装置にて繰り出され、該繰出された分包紙に印刷装置にて患者の情報等が印字されてから、前記分包紙5に薬剤を投入するべく、薬剤投入装置を構成する前記ホッパー4から薬剤が投入された分包紙を一包毎に前記ヒートシール装置6にてヒートシールされるように構成している。
【0019】
前記清掃装置7は、図1〜図4に示すように、前記ホッパー4内にそれの上方から第1の駆動機構8を介して投入してエアを吹き付けるノズル9を備え、前記第1駆動機構8が、前記ノズル9を前記ホッパー4内に移動案内する3つの回転ローラ10,11,12と、該3つの回転ローラ10,11,12のうちの少なくとも1つを回転させる駆動手段としての電動モータ13とを備えている。前記ノズル9は、円弧状に湾曲形成されているが、真っ直ぐの形状であってもよい。又、前記ノズル9は、ステンレス製の金属材料でなっているが、場合によっては硬質プラスチックなどから構成することもできる。図示していないが、前記ノズル9の基端部には、エア供給用のホースを介して後述するバルブ20に接続されることになる。
【0020】
前記回転ローラ10,11,12が、図1〜図4に示すように、前記ノズル9を移動方向2箇所で該ノズルの下面を支持する一対の下側回転ローラ10,11と、該2つの下側回転ローラ10,11の中間部に位置して前記ノズル9の上面を支持する1つの上側回転ローラ12とからなり、前記電動モータ13にてノズル移動方向後方側に位置する下側回転ローラ11を回転させることにより、ノズル9を移動させるように構成している。
【0021】
前記回転ローラ10,11,12は、後述する可動体14の左右幅方向ほぼ中央位置に上方に突出し、該可動体14の前後寸法とほぼ同一寸法を有する前後方向に長いプレート板15に取り付けられている。詳述すれば、移動方向前側に位置する一方の下側回転ローラ10の支軸10aの一端を、前記プレート板15にそれの一方の面側(ノズル9設置側)から軸支し、前記プレート板15にそれの他方の面側(ノズル9非設置側)から固定されている電動モータ13の駆動軸を該プレート板15に形成の孔15aを通してノズル9側へ突出させ、その突出させた駆動軸に他方の下側回転ローラ11を外嵌着している。又、上側回転ローラ12を、前記プレート板15にピンPを介して水平軸芯Y回りに揺動自在に取り付けられた揺動部材16の先端部(前端部)に、軸支するとともに、図5に示すように、揺動部材16を前下がり方向へ移動付勢するための弾性体としてのコイルスプリング17をプレート板15の前端部下部と揺動部材16の前端部とに渡って取り付けて、前記上側回転ローラ12をコイルスプリング17にて下方へ移動付勢することにより、ノズル9を下側回転ローラ11へ押し付けることで、駆動される下側回転ローラ11の回転力をノズル9に確実に伝達することができるようにしている。前記揺動部材16は、天板部16Aとこの天板部16Aの左右両端から垂下した左右一対の側板部16B,16Bとからなり、左右一対の側板16B,16B間に、前記回転ローラ1とピンPの両端をそれぞれ軸支している。
【0022】
前記各回転ローラ10又は11又は12は、合成ゴム又は合成樹脂からなり、軸部10A又は11A又は12Aの左右両端に大径部10B,10B又は11B,11B又は12B,12Bを備えさせるとともに、大径部10B,10B又は11B,11B又は12B,12Bの互いに内側となる部分に軸部側ほど下方に位置するテーパー面10C又は11C又は12Cを備えさせ、軸部10A又は11A又は12Aと左右のテーパー面10C又は11C又は12Cとで形成される凹部10D又は11D又は12D内に、ノズル9の一部を入り込ませることによって、ノズル9の移動方向と直交する左右方向での位置決めを行うことができるとともに各回転ローラ10又は11又は12に対するノズル9の接触面積が増大するように構成している。
【0023】
図1にも示すように、前記ノズル9を、前記ホッパー4に対して接近離間させるべく、第2駆動機構18により移動自在な板状で平面視ほぼ矩形状(図では長方形状であるが、正方形であってもよい)の可動体14上に位置させた状態で取り付け、前記ノズル9を前記ホッパー4に対して接近移動させてから、該ノズル9を前記回転ローラ用の電動モータ(駆動手段)13にて前記ホッパー4内に投入するように構成している。このようにノズル9をホッパー4に接近させることによって、ノズル9の移動距離を短くすることができ、その分、第2駆動機構18の小型化を図ることができる利点がある。
【0024】
前記ホッパー4に前記ノズル9が前記回転ローラ用の第1駆動機構8にて投入される前に、該ホッパー4の上端を閉じるためのほぼ正方形状で板状のプレート19を備えている。そして、このプレート19の後端の上下板部19Aの上端折れ曲がり部19Bを、前記可動体14の前端に位置して下方に垂下する縦向きの前板部14Aの下端に形成の差込口に差し込んで溶接(ビス止めでもよい)等により一体化(連結)している。従って、可動体14を移動させるだけで、プレート19も一緒に移動させることができるようになっている。前記プレート19には、前記ノズル9が通過するための孔19Aを備えてあり、その孔19Aを通してノズル9をホッパー4内に投入することができるようになっている。
【0025】
第2駆動機構18は、図1〜図4に示すように、前記可動体14の左右幅方向一側端に前後方向に沿って固定されたラック21と、このラック21の上面に形成のギヤ部21aに上方から噛み合うギヤ22と、このギヤ22を回転させるべく、出力軸23Aが該ギヤ22に貫通固着され、下台2の固定部材53にブラケット54を介して固定された電動モータ23とからなり、電動モータ23を正逆回転駆動制御することにより、可動体14とプレート19とを一体的に前後方向へ移動させることができるようになっている。
【0026】
前記ノズル9へ噴き付け用のエアを供給する供給状態と供給しない非供給状態とに切り替えるバルブ20を前記ブラケット54に取り付け、前記第2駆動機構18により可動体14を前記ホッパー4に接近する側へ移動させることにより前記バルブ20を供給状態に切り替えるように構成している。つまり、前記バルブ20の回転操作部24と一体回転する大径ギヤ25を前記ギヤ22に噛み合わせており、電動モータ23を正逆回転駆動制御することにより、大径ギヤ25を回動させることで、大径ギヤ25と一体回転する当接部材25Aを介して回転操作部24を回動操作して、バルブ20を供給状態と非供給状態とに切り替えることができるようになっている。
【0027】
図15に示すように、前記ノズル9が前記ホッパー4の上下方向複数箇所に所定時間位置してエアを吹き付けるように前記駆動機構8を制御するノズル位置制御手段26を備えており、ホッパー4内の全領域において付着している薬剤を確実かつ効率よく吹き飛ばすことができるようにしている。前記ノズル9が前記ホッパー4に投入されてエアを吹き付けている間の所定時間のみ、該ホッパー4の下端開口部4Aを閉じている蓋30を開放状態にして該ホッパー4外にエアを排出するようにしている。つまり、後述するようにノズルを上下2位置のうちの下方の第1位置に所定時間位置させている間に、蓋30を開放状態にして、蓋とホッパーの下端の開口部4Aとの間に付着している薬剤、蓋の裏面側(ホッパー外に位置している外面)に付着している薬剤、あるいはホッパーの下端側の外面に付着している薬剤等を吹き飛ばすことができるように構成している。
【0028】
前記ノズル位置制御手段26が、前記ノズル9を前記ホッパー4の上下方向下端側の第1位置に所定時間位置させてから、該第1位置よりも高い上側の第2位置に所定時間位置させ、次に前記第2位置から前記第1位置に所定時間位置させた後、ホッパー4外に退避させる手段で構成しているが、ノズル9をホッパー4内で複数回上下動させながらホッパー4内の薬剤を吹き飛ばす構成であってもよい。又、3位置以上に所定時間位置させることによって、薬剤を吹き飛ばす構成であってもよい。
【0029】
詳述すれば、図2および図15に示すように、前記2つの位置に位置したことを検出する検出手段としての第1センサ27及び第2センサ28及びノズル9がホッパー4外に退避させた待機位置に位置したことを検出する検出手段としての第3センサ29を備えている。
前記センサ27,28,29は、ノズル9の基端部に設けているエアを供給するためのホースを連結するジョイント部9Bがセンサ27,28,29を遮ることによって、ノズル9が第1位置又は第2位置又は待機位置に位置したことを検出する構成となっている。これらセンサ27,28,29は、発光部と受光部とを備えた光電センサの他、磁気センサや超音波センサ等の非接触センサの他、リミットセンサ等の接触式センサであってもよい。尚、図示していないが、前記ジョイント部9Bと前記バルブ20と図示していない後述の吹き付けポンプとをそれぞれエアホースを介して接続されている。
【0030】
従って、第1センサ27が検出信号を出力することにより、前記第1位置にノズル9の先端が位置したと判断して、電動モータ13を逆転させてノズル9を上昇させる。このノズル9の上昇により第2センサ28が検出信号を出力することにより、前記第2位置にノズル9の先端が位置したと判断して、今度は電動モータ13を正転させてノズル9を下降させる。この下降により第1センサ27が検出信号を出力することにより、前記第1位置にノズル9の先端が再度位置したと判断し、電動モータ13を所定時間駆動停止させるとともに、前記蓋30を所定時間開放状態にする開放駆動手段31を備えている。
【0031】
前記蓋30について説明すれば、図10〜図14に示すように、前記ホッパー4の側面に水平軸芯X回りで揺動自在に取り付けられ、前記蓋30を前記ホッパー4の側面側から開閉操作するように前記開閉装置32を備えている。
【0032】
前記開閉装置32が、前記蓋30の水平軸芯Xに対して該蓋30とは反対側に位置し、該ホッパー4の側面の幅W(図14参照)から突出しないように構成された操作片33と、該操作片33を該ホッパー4の側面と直交する方向から揺動操作して前記蓋30をほぼ垂直となる開放姿勢とホッパー4の開口部4Aを閉じた閉じ姿勢とに切り替えることができるように開閉操作し、かつ、該ホッパー4の側面の幅から突出しないように構成された板状でしの字状の操作部材34とを備えている。
【0033】
前記蓋30を閉じ側へ閉じ付勢するための付勢部材としてのバネ35を備え、前記バネ35による付勢力に抗して前記操作片33を前記操作部材34にて開放操作するように構成している。
【0034】
前記操作片33に前記操作部材34が当接して該操作片33を押圧することにより前記蓋30をX軸芯回りで開放操作する構成であり、前記操作部材34の前記操作片33との当接部を弾性材からなるローラ36にて構成している。前記操作部材34の上端を、固定部材側に回転自在に片持ち状に支持された断面形状円形で段付きの支軸55に一体回転状態で取り付け、前記支軸55を回動させるモータ(図示せず)からの動力を変速するギヤボックス56を固定部材57に取り付けている。前記支軸55は、ギヤボックス56側(図では奥側)に貫通支持された大径軸部55Aとこの大径軸部55Aの他端側(図では手前側)に一体形成されている小径軸部55Bとからなり、この小径軸部55Bに、前記操作部材34の上端に一体化された円筒状部34Aを外嵌してから、両者をネジを用いて一体回転自在に連結しており、支軸55が回転することにより、円筒状部34Aを介して操作部材34を揺動操作することができるように構成している。
【0035】
前記ホッパー4の側面に、該側面から離間する側に開口する平面視コの字状の取付部材37を固定し、該取付部材37の両側の側面に前記蓋30を揺動自在に支持する軸38を貫通支持させ、前記蓋30を前記軸38に貫通させる部分に一側面側に開口する箱状の補強部39を備え、該補強部39の上端を上方斜めに曲がった曲がり部を前記操作片33として構成している。前記軸38の両端には、抜け止め用のピン61が貫通している。
【0036】
前記取付部材37は、ホッパー4の側面に固着した固定部材48に左右一対の螺子部材であるネジN,Nをねじ込んで固定されている。前記取付部材37の左右両側壁49A,49Aの遊端部側には、上下方向の溝49Mが形成されており、この左右の溝49M,49MにネジN,Nが緩んで外れることを防止するための抜止部材としての抜止板50を差し込むだけで抜止板50を取付部材37に対して位置決めした状態でセットすることができるようにしている。前記抜止板50は、ネジN,Nの頭部に対面する長方形状の第1板部50Aと、この第1板部50Aの左右両端から49A,49Aの表面側に90度曲がって左右両側壁49A,49Aに板厚方向で重なるとともに縦長状に第1板部50Aの左右両端に連なる第2板部50B,50Bと、この第2板部50B,50Bの下側前端から左右両側壁49A,49Aの板厚方向に延びて左右両側壁49A,49Aの下側前面を覆う第3板部50C,50Cとを備え、これら第2板部50B,50Bと左右両側壁49A,49Aを棒状部材(ピン)51にて貫通するとともに、貫通したピン51の突出端のそれぞれに抜止ピン52にて抜止め処理を行うことで、抜止板50を取付部材37に固定するようにしている。前記第1板部50Aには、緩んだネジN,Nを再度締め付けることができるように工具挿入用孔50a,50aを備えている。尚、工具挿入用孔50aの直径は、ネジNの外径寸法よりも小さくなっている。又、前記ピン51が前記バネ35の一端を巻き付け支持するための支持部材を兼用し、バネ35の他端は蓋30側に巻き付け支持されている。詳述すれば、前記蓋30の外面(閉じている状態の底面)に左右一対のブラケット58,58を固定し、それらブラケット58,58間に支軸59を貫通支持させ、その支軸59に前記ばね35の他端を支持している。図に示す60が、前記支軸59の両端にそれぞれ差し込んで抜け止め処理するための抜止用のピンである。
【0037】
前記取付部材37及び抜止板50を、図17に示すように構成してもよい。つまり、取付部材37の左右両側壁49A,49Aが、前記上下方向の溝49Mを形成していない構成であり、これら左右両側壁49A,49Aの前端に当接するように配置され、前記ネジN,Nの頭部に対面する長方形状の第1板部50Aと、この第1板部50Aの左右両端から49A,49Aの表面側に90度曲がって左右両側壁49A,49Aに板厚方向で重なるとともに縦長状で下部に幅広となる逆Tの字状に構成され、第1板部50Aの左右両端に連なる第2板部50B,50Bとを備え、これら第2板部50B,50Bと左右両側壁49A,49Aを棒状部材(ピン)51にて貫通するとともに、貫通したピン51の突出端のそれぞれに抜止ピン52にて抜止め処理を行うことで、抜止板50を取付部材37に固定するようにしている。図17の他の部分は、図10〜図14と同一構成であるため、同一の符号を付すとともに説明を省略している。
【0038】
図15に示すように、前記清掃装置7には、さらにホッパー4の側面を叩いて内面に付着している残薬を振動にて落とすためのソレノイド40と、分包紙5の送り方向始端側を挟み込んでシール面に薬剤が噛み込むことがないようにするための左右一対の紙つかみ41,41(図7参照)を閉じる紙つかみ閉じ手段42とを備えている。又、前記ホッパー4の上端には、上下2段にエアの吸込口43,44を備えており、それら吸込口43,44の前側には、多数の貫通孔43A,44Aを備えており、上側の吸込口43は図示していないホッパー集塵用ファンにホースを介して接続され、下側の吸込口44は、薬剤分包機に備えている掃除機(図示せず)の吸引口に切替バルブ45を介して接続されている。前記掃除機には、掃除機用ノズルを備えてあり、そのノズルにて薬剤分包機や薬剤分包機周辺を掃除することができるようになっている。又、前記切替バルブ45が吸込口44から掃除機46への吸引経路に切り替わったことを検出するためのセンサ(ホールICセンサであるが、他のセンサであってもよい)を備えている。
【0039】
前記清掃装置7により清掃する手順を図15のブロック図及び図16のフローチャートに基づいて説明する。
【0040】
まず、分包が終了して、ホッパー4の集塵作業が優先であるかどうかを確認する(ステップ1)。ホッパー4の集塵作業が優先でない場合には、カキトリ円盤である前記回転テーブル3の清掃処理を行う作業モードに入り(ステップS2)、ホッパー4の集塵作業が優先である場合には、ホッパー4のプレート板(シャッター)15を閉動し(ステップS3)、ホッパー4の集塵タイマーを時間セットして前記上側の吸込口43からエアの吸引を開始する(ステップS4)。その後、前記センサ47がONする(切替バルブ45が吸込口44から吸込むことができるように切替バルブ45が切り替わる)と、掃除機46をONし、紙つかみ41,41を閉じ動作させるとともに、ホッパー4の内面に付着している残薬を振動にて振るい落とすべく、ソレノイド40を駆動する(ステップS6)。前記ホッパー4の集塵タイマーが時間経過するまで待って(ステップS7)から、電動モータ13を正転方向に駆動することにより、吹き付けノズル9をホッパー4内へ投入し始める(ステップS8)とともに吹き付けポンプ(図示せず)をONする(ステップS9)。前記第1センサ27がONすると、ノズル9の先端が第1位置に位置したと判断し、電動モータ13を逆転方向に駆動することにより、ノズル9を上昇させ、第2センサ28がONすることにより、ノズル9の先端が上方位置である第2位置に位置したと判断し、ノズル動作回数が終了したと判断する(ステップ10)。この後、電動モータ13を正転方向へ再度駆動することにより、第1センサ27がONすることにより、ノズル9の先端がバルブ位置、つまり第1位置に位置したと判断して、電動モータ13を停止させる(ステップS11)。続いて、掃除機46をOFFしてから(ステップS12)、ホッパーバルブ、つまり前記蓋30を半開きに動作させて、ノズル9の吹き付けタイマー(図示せず)を時間セットして吹き付けを続行して、蓋30とホッパー4の下端の開口部4Aとの間に付着している薬剤、蓋30の裏面側(ホッパー外に位置している外面)に付着している薬剤、あるいはホッパー4の下端側の外面に付着している薬剤等を吹き飛ばすことができる(ステップS14)。前記吹き飛ばされた薬剤は、ホッパー4の下端付近に設置している吸引ファンF(図2〜図4参照)にて吸引して集塵部(図示せず)へ回収するように構成している。前記吹き付け時間が経過すると(ステップS15)、吹き付けポンプをOFFした後、紙つかみ41,41を開き動作し、ソレノイド40の叩き動作を停止するとともに、第3センサ29がONするまで電動モータ13を逆転方向へ駆動することにより、吹き付けノズル9を待機位置まで復帰動作させる(ステップS17)。この後、前記電動モータ23を駆動してホッパー4のプレート板(シャッター)15を開き動作し(ステップS17)、ホッパー4の集塵作業が優先であるかどうかを確認し(ステップS19)、優先である場合には、前記カキトリ円盤である前記回転テーブル3の清掃処理を行う作業モードに入り(ステップS2)、ホッパー4の集塵作業が優先でない場合には、集塵作業を終了する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】ノズルの取付部構造を示す斜視図である。
【図2】待機位置にノズルが位置している要部の縦断面図である。
【図3】第1位置にノズルが位置している要部の縦断面図である。
【図4】第2位置にノズルが位置している要部の縦断面図である。
【図5】ノズルの取付部構造を示す背面図である。
【図6】上カバーを開いた薬剤分包機の概略正面図である。
【図7】図6におけるC−C線断面図である。
【図8】上カバーを開いた薬剤分包機の概略斜視図である。
【図9】ホッパー上部の吸引口を示す斜視図である。
【図10】ホッパー下部の蓋の開閉装置を示す斜視図である。
【図11】ホッパー下部の蓋が開いた状態を示す蓋の開閉装置を示す斜視図である。
【図12】ホッパー下部の蓋の開閉装置を示す正面図である。
【図13】ホッパー下部の蓋の開閉装置を示す断面図である。
【図14】ホッパー下部の蓋の開閉装置を示す側面図である。
【図15】清掃装置の制御ブロック図である。
【図16】清掃装置の動作を示すフローチャートである。
【図17】ホッパー下部の蓋の開閉装置の別の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0042】
1…上カバー、2…下台、3…回転テーブル、4…ホッパー、4A…開口部、5…分包紙、6…ヒートシール装置、7…清掃装置、8…駆動機構、9…ノズル、9B…ジョイント部、10,11,12…回転ローラ、10A…軸部、10B,10B…大径部、10C…テーパー面、10D…凹部、10a…支軸、13…電動モータ(駆動手段)、14…可動体、15…プレート板、16…揺動部材、17…コイルスプリング、18…駆動機構、19…プレート、19A…孔、20…バルブ、21…ラック、22…ギヤ、23…電動モータ、23A…出力軸、24…回転操作部、25…大径ギヤ、26…ノズル位置制御手段、27,28,29…センサ、30…蓋、31…開放駆動手段、32…開閉装置、33…操作片、34…操作部材、35…バネ、36…ローラ、37…取付部材、38…軸、39…補強部、40…ソレノイド、42…紙つかみ閉じ手段、43,44…吸込口、45…切替バルブ、46…掃除機、47…センサ、48…固定部材、49A,49A…左右両側壁、49M…溝、50…抜止板、50A…第1板部、50B…第2板部、50C…第3板部、50a…工具挿入用孔、51…ピン、52…抜止ピン、53…固定部材、54…ブラケット、55…支軸、55A…円筒状部材、56…モータ、57…固定部材、58…ブラケット、59…支軸、60,61…ピン、F…ファン、N…ネジ(螺子部材)、P…ピン、W…幅、X,Y…水平軸芯

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤供給部からの薬剤を受け取るホッパーと、該ホッパーにて受止めた薬剤を該ホッパーの下端の開口部から分包紙に投入するべく、該開口部に備えている開閉自在な蓋とを備え、前記蓋を開閉自在に支持する取付部材を、螺子部材を介して前記ホッパーに固定してなる薬剤分包機のホッパーへの蓋取付構造であって、
前記螺子部材が緩んだときに、該螺子部材に当接して該螺子部材の外れ止めを行う抜止部材を該螺子部材の前方に備えたことを特徴とする薬剤分包機のホッパーへの蓋取付構造。
【請求項2】
前記取付部材を平面視ほぼコの字状の部材から構成し、該取付部材の左右両側壁の遊端部側に、前記抜止板を上方から差し込むための上下方向の溝を形成したことを特徴とする請求項1に記載の薬剤分包機のホッパーへの蓋取付構造。
【請求項3】
前記抜止部材は、螺子部材の頭部に対面する長方形状の第1板部と、この第1板部の左右両端から表面側に90度曲がるとともに縦長状に連なる第2板部とを備え、これら第2板部と左右両側壁を棒状部材にて貫通するとともに、貫通した棒状部材の突出端のそれぞれに抜止ピンを貫通して、前記抜止部材を前記取付部材に固定したことを特徴とする請求項2に記載の薬剤分包機のホッパーへの蓋取付構造。
【請求項4】
前記第1板部に、螺子部材を締め付けることができるように工具挿入用孔を備えたことを特徴とする請求項3に記載の薬剤分包機のホッパーへの蓋取付構造。
【請求項5】
前記棒状部材が、前記蓋を閉じ側へ付勢するバネの一端を支持するための支持部材を兼用し、前記バネの他端を前記蓋側に支持したことを特徴とする請求項3又は4に記載の薬剤分包機のホッパーへの蓋取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−67436(P2009−67436A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−236762(P2007−236762)
【出願日】平成19年9月12日(2007.9.12)
【出願人】(593129342)高園産業株式会社 (232)
【Fターム(参考)】