説明

薬剤揮散装置

【課題】優れた薬剤揮散性能を奏することはもちろん、薬剤揮散装置自体の仕様を変更することなく、薬剤保持体を取替えるだけで複数の使用持続時間に対応できうる薬剤揮散装置の提供。
【課題の解決手段】薬剤を有する薬剤保持体と、駆動モーターと、該駆動モーターに電力を供給するための電池を備え、該駆動モーターのモーター軸に前記薬剤保持体の軸孔を嵌合して前記薬剤保持体を回転させ、前記薬剤を大気中に揮散させるように構成した薬剤揮散装置において、前記電池が単4又は単5電池であり、かつ負荷量が異なる前記薬剤保持体を2個以上複数設けるとともに、それぞれの薬剤保持体を複数の使用持続時間に対応させた薬剤揮散装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤揮散装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
害虫、例えば蚊や蚋などを駆除するために、薬剤を閉鎖空間(建築物や自動車の室内、アウトドアスポーツにおけるテント内など)全体に揮散、放出させる薬剤揮散方法として、熱エネルギーを利用した蚊取線香や電気蚊取マット、液体式電気蚊取(リキッド)が一般的である。一方、電源として電池を用い、常温で薬剤含浸体にファン等の風をあてて薬剤を揮散、放出させる送風式薬剤揮散装置も、室内用や携帯用として実用化されている。しかしながら、後者の送風式薬剤揮散装置のうち、薬剤含浸体を装置に固定しファンの風力のみで薬剤を揮散させるものは、たとえ、特開平11−92303号公報に記載されているように、複雑なハニカム構造を有する薬剤含浸体を採用したとしても揮散が十分効率的とはいえない。
【0003】
そこで、本発明者らは、特開2001−247406号公報において、薬剤含浸体を収納するカートリッジをモーターで回転させ、遠心力とファンによる風力を利用して薬剤を一層効率的に揮散、放出させる薬剤揮散方法を開示した。またその後、粒状もしくは略粒状の吸液性担体の替わりに、三次元の繊維立体構造体の吸液性担体を用いる薬剤揮散装置についても明らかにした(特許第3911506号公報)。
これらの方式は、薬剤含浸体が静置型のものと比べると薬剤揮散効率を飛躍的に向上させたが、例えば、120時間用と240時間用を区別するためには、薬剤含浸体を収納するカートリッジを取替えることはもちろん、使用する電池の数を変える等、薬剤揮散装置自体の仕様も変更せざるを得なかった。
【0004】
ところで、特開2004−141115号公報には、装置本体に設ける薬剤保持体を取り付ける取り付け部を2個以上の複数設けて、大きさの異なる複数の薬剤保持体をそれぞれ取り付け可能にした薬剤揮散装置が開示されている。この装置は、薬剤保持体が静置型であり、また、大きさの異なる複数の薬剤保持体を、同じ使用持続時間に設定してそれぞれ異なる広さの空間に適用しようとしたものに過ぎない。すなわち、異なる複数の薬剤保持体を、それぞれ異なる使用持続時間に対応させ得るように設計された薬剤揮散装置は未だ知られていない。
【特許文献1】特開平11−92303号公報
【特許文献2】特開2001−247406号公報
【特許文献3】特許第3911506号公報
【特許文献4】特開2004−141115号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、優れた薬剤揮散性能を奏することはもちろん、薬剤揮散装置自体の仕様を変更することなく、薬剤保持体を取替えるだけで複数の使用持続時間に対応できうる薬剤揮散装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明者らは、電池の容量と薬剤保持体の回転に伴い生起する遠心力との関係について詳しく調べ、特定の容量範囲の電池を用いた場合、薬剤保持体の負荷量と電池の使用持続時間を対応させ得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち本発明では、以下の構成が採用される。
(1)薬剤を有する薬剤保持体と、駆動モーターと、該駆動モーターに電力を供給するための電池を備え、該駆動モーターのモーター軸に前記薬剤保持体の軸孔を嵌合して前記薬剤保持体を回転させ、前記薬剤を大気中に揮散させるように構成した薬剤揮散装置において、前記電池が単4又は単5電池であり、かつ負荷量が異なる前記薬剤保持体を2個以上複数設けるとともに、それぞれの薬剤保持体を複数の使用持続時間に対応させた薬剤揮散装置。
(2)複数の使用持続時間が、120時間及び240時間、又は100時間及び200時間である(1)に記載の薬剤揮散装置。
(3)薬剤保持体が、通気性担体に薬剤を担持させた薬剤担持体と、これを収納する保護ケースとから構成され、その負荷量が10g以下であるとともに、前記保護ケースに軸孔が設けられている(1)又は(2)に記載の薬剤揮散装置。
(4)薬剤が、一般式(I)
【化1】


(式中、Xは水素原子又はメチル基を表す。Xが水素原子の時、Yはビニル基、1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2,2−ジクロロビニル基、2,2−ジフルオロビニル基又は2−クロロ−2−トリフルオロメチルビニル基を表し、Xがメチル基の時、Yはメチル基を表す。また、Zは水素原子、フッ素原子、メチル基、メトキシメチル基又はプロパルギル基を表す)で表されるフッ素置換ベンジルアルコールエステル化合物から選ばれた1種又は2種以上である(1)ないし(3)のいずれかに記載の薬剤揮散装置。
【発明の効果】
【0008】
本発明の薬剤揮散装置は、優れた薬剤揮散性能を奏することはもちろん、薬剤揮散装置自体の仕様を変更することなく、薬剤保持体を取替えるだけで複数の使用持続時間に対応できるので極めて実用的である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の薬剤揮散装置は、薬剤を有する薬剤保持体と、駆動モーターと、該駆動モーターに電力を供給するための電池を備えている。
薬剤としては、揮散性の殺虫剤、殺ダニ剤、忌避剤(例えば、ディート、ヒノキチオール、カルボン、サフロール、シトロネロール、ケイ皮アルデヒドなどの防虫香料など)、芳香剤、消臭剤などがあげられる。殺虫剤のなかでは、常温揮散性ピレスロイド系薬剤が好適で、このような薬剤としては、
一般式(I)
【化2】


(式中、Xは水素原子又はメチル基を表す。Xが水素原子の時、Yはビニル基、1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2,2−ジクロロビニル基、2,2−ジフルオロビニル基又は2−クロロ−2−トリフルオロメチルビニル基を表し、Xがメチル基の時、Yはメチル基を表す。また、Zは水素原子、フッ素原子、メチル基、メトキシメチル基又はプロパルギル基を表す)で表されるフッ素置換ベンジルアルコールエステル化合物を例示することができる。
【0010】
一般式(I)で表される化合物の具体例としては、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロビニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Aと称す)、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Bと称す)、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2,2−ジフルオロビニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Cと称す)、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Dと称す)、2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2−クロロ−2−トリフルオロメチルビニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Eと称す)、4−プロパルギル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Fと称す)、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Gと称す)、又は4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Hと称す)をあげることができる。これらの化合物は一種類を使用してもよいし、又は二種類以上の化合物を組み合わせて使用してもよい。なお、一般式(I)で表される化合物には、その不斉炭素や二重結合に基づく光学異性体や幾何異性体が存在するが、これらの各々やそれらの任意の混合物の使用も本発明に含まれるのは勿論である。
【0011】
本発明では、通気性担体に薬剤を担持させた薬剤担持体と、これを収納する保護ケースとから通常薬剤保持体を構成する。
通気性担体としては、三次元の繊維立体構造体、セルロース製ビーズ、段ボール紙、多孔性フォーム等があげられるが、三次元の繊維立体構造体を採用するのが好ましい。繊維立体構造体は、好ましくは薬剤保持層と通気層から構成され、通気層は回転に伴い攪拌気流を生起して薬剤の揮散に寄与する。
繊維の素材としては、木綿、麻等の天然繊維、レーヨン、ビスコースなどのセルロース系繊維、ポリエステル、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ビニロン、ABS、アクリル等の合成繊維、ガラス繊維、セラミック繊維等が使用可能である。特に薬剤の取り込みの恐れのない、薬剤非吸着性のポリエステル及び/又はナイロンが好適である。
【0012】
通気性担体に担持させる薬剤量は、薬剤の種類、使用期間、使用目的等に応じて適宜決定すればよいが、例えば殺虫用途の場合、一般式(I)で表される化合物を120時間用であれば20〜100mg程度、240時間用であれば40〜180mg程度が適当である。薬剤の担持量が少なすぎると殺虫効力の持続性に不足を生じる場合があり、一方、所定量を超えると薬剤保持能に支障をきたす恐れがあるので好ましくない。
薬剤を担持させるに際しては、必要に応じ溶剤、希釈剤、界面活性剤、分散剤、徐放化剤などを用い、また従来から知られている各種手段を採用することができる。更に、前記薬剤組成物に、安定剤、香料、着色剤、帯電防止剤などを適宜配合しても構わない。
【0013】
本発明で使用する保護ケースは、通常薬剤担持体の上下両面をそれぞれ上側部分及び下側部分によって囲み、外側周囲を複数個の保持枠によって囲み、且つ中心位置において駆動モーターのモーター軸と嵌合しえる軸孔を有している。
保護ケースを採用することは、薬剤担持体が変形し易い形状であって、単独では駆動モーターのモーター軸の支持によって安定した回転が得られない場合に好都合であるとともに、薬剤に手指が触れるのを防止するという機能を発揮することができる。
【0014】
保護ケースの保持枠の形状や数は特に限定されているわけではないが、通気層による攪拌効果や設計上の便宜をも考慮し、例えば上下両側には板状、また周囲には断面が三角形、四角形あるいは円形状のものを複数個設けるのが適当である。
また、保護ケースは、断面矩形のドーナツ状に形成しその内周側にファンを具備して一層揮散効率を高めえる構成を採用することもできる。
【0015】
本発明の薬剤揮散装置は、モーター駆動用の電池として、単4又は単5電池を用いることを特徴とする。
この種の薬剤揮散装置には、汎用的で容量が比較的大きい単3電池や単2電池を用いるのが一般的であるが、本発明者らは、電池の容量を変えて、薬剤保持体の負荷量と電池の使用持続時間との関係について詳しく検証した。その結果、単3電池や単2電池では、薬剤保持体の負荷量を変化させても電池の使用持続時間に大きく影響を及ぼさないのに対し、単4又は単5電池を用いた場合には、薬剤保持体の負荷量の変化が電池の使用持続時間と明瞭に相関し、従って負荷量の異なる薬剤保持体を2個以上複数設けることによって、それぞれの薬剤保持体を複数の使用持続時間に対応させ得ることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
かかる使用持続時間の表示システムは、薬剤保持体を回転させる薬剤揮散装置においてのみ採用可能であって新規な知見である。すなわち、薬剤保持体を載置するタイプにあっては、特開2004−141115号公報に示すように、大きさの異なる複数の薬剤保持体をせいぜい異なる広さの空間に適用できるに過ぎず、使用持続時間は同一に設定される。ここで異なる使用持続時間にまで対応させようとすれば、例えばモーターの回転数を変えるなど、薬剤揮散装置自体の仕様変更を余儀なくされるのである。
【0016】
本発明で用いる駆動モーターの仕様は、単4又は単5電池(DC1.5V〜3.0V)駆動で、500〜2000rpmの回転数を与えるものが適当である。また、駆動モーターの負荷を低減させるために、薬剤保持体の負荷量を10g以下に設定するのが好ましく、例えば負荷量が5〜10gの範囲で2種類の薬剤保持体を用意し、これに対応して80〜240時間の範囲で2〜3種類の使用持続時間を設定するように設計可能である。このような複数の使用持続時間の組み合わせとしては、例えば、120時間と240時間、100時間と200時間、又は80時間と160時間、あるいは80時間と160時間と240時間など例示できるが、これらに限定されない。なお、設計にあたっては、それぞれ薬剤保持体の負荷量だけでなく通気性担体の形状や素材も変更し、薬剤の揮散性能を調整するようにしてもよいことはもちろんである。
【0017】
本発明の薬剤揮散装置には、吸気口や排気口ともなる開口部を備えた蓋部材を装着し、指などが回転する薬剤保持体に触れないようにすることができる。また、電池の終点を表示するパイロットランプ等を適宜設けてもよい。なお、使用前に薬剤担持体から薬剤が揮散することを防止するため、あらかじめ薬剤保持体をフィルムで密封しておき、使用直前に開封してセットするような構成が一般的である。
【0018】
こうして得られた本発明の薬剤揮散装置は、薬剤保持体を回転させ、遠心力で薬剤を効率的に揮散させるので優れた薬剤揮散性能を奏し、しかも、薬剤揮散装置自体の仕様を変更することなく、薬剤保持体を取替えるだけで複数の使用持続時間に対応可能である。
そして、薬剤として殺虫剤を用いた場合には、屋内の蚊や蚋、ハエ、ユスリカなど、また洋服タンスやクローゼットなどのイガ、カツオブシムシなどの各種害虫に対してすぐれた殺虫、防虫効果を示すので極めて実用的である。
【0019】
次に、具体的実施例ならびに試験例に基づいて、本発明の薬剤揮散装置を更に詳細に説明する。
【実施例1】
【0020】
図1は本発明の薬剤揮散装置の一例の断面図を示す。
薬剤揮散装置1は、薬剤保持体2とこれを回転させる駆動モーター3と電源としての電池4を備え、薬剤保持体2は薬剤を担持させた薬剤担持体5とこれを収納する保護ケース6とから構成される。薬剤保持体2を回転させると遠心力と攪拌気流が生じ、主に上面開口部7から流入した空気は全周囲に設けた排気口8を経て流出するが、この空気の流れにのって薬剤は空中に放散される。
【0021】
本発明の実施にあたり、上下両側に、撚糸状態のポリエステル繊維を用いて二次元のメッシュ状薬剤保持層を編成し、当該両側間にポリエステル繊維からなる支持連結用通気層を柱構造に基づいて配置し、全体として上下方向の厚みが4.0mmで、外径が4.5cmの円盤状の通気性担体を作製した。この通気性担体に、化合物D[4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート]40mgをケロシンに溶解した薬液を担持させ、ポリカーボネート製保護ケース6(外径5.0cm、厚さ8mm、周囲の保持枠において略丸型の断面を採用)に収納し、第1薬剤保持体21(負荷量:8.0g、120時間用)を調製した。
同様に、全体として上下方向の厚みが3.8mmで、外径が4.0cmの円盤状の通気性担体を作製し、この通気性担体に、化合物D80mgをケロシンに溶解した薬液を担持させ、ポリカーボネート製保護ケース6(外径4.7cm、厚さ8mm、周囲の保持枠において略丸型の断面を採用)に収納し、第2薬剤保持体22(負荷量:6.0g、240時間用)を調製した。
【0022】
薬剤揮散装置本体に単4電池4(1.5V)を2個装填し、第1薬剤保持体21を取り付け駆動モーター3を約1600rpmの回転速度にて作動させた。屋外で使用したところ、約140時間にわたり蚊の防除に有効で、使用終点はパイロットランプ(図示せず)の消灯によって認知できた。次に、単4電池(4)1.5Vを2個を新しく交換し、第2薬剤保持体22に入れ替えて同様に使用したところ、約250時間有効であった。
このように、本発明の薬剤揮散装置1は、負荷量の異なる薬剤保持体2を2個設け、同一の装置に装着するだけで、それぞれの薬剤保持体2を2種類の使用持続時間に対応させることができ、極めて便利であった。
【実施例2】
【0023】
実施例1に準じて表1に示す各種の薬剤揮散装置を作製し、下記項目につき性能を評価した。
(1)殺虫効力
6畳の部屋で使用し、開始直後に、蚊成虫に対する殺虫効力を調べた。結果は市販の蚊取りリキッドと比べて、○、△、×で評価し、併せて表1に示した。
○;市販の蚊取りリキッドと比べて優れる、 △;ほぼ同等、 ×;劣る
(2)薬剤保持体と使用持続時間の関連性
第1薬剤保持体21と第2薬剤保持体22を用いた場合に、2種類の使用持続時間に対応させ得るかどうかを調べ、適合性の高いものから順に、○、△、×で評価した。
【0024】
【表1】




【0025】
本発明の薬剤揮散装置は、優れた殺虫効力を示すことはもちろん、装置自体の仕様を変更することなく、薬剤保持体を取替えるだけで複数の使用持続時間に対応可能で、極めて実用的である。なお、薬剤保持体の負荷量を10g以下に設定することによって、使用持続時間への対応がより明瞭となり好ましかった。
これに対し、比較例1のように単3電池を用いると、薬剤保持体の負荷量を変えても使用持続時間は大きく変化せず、本発明の目的に合致しなかった。また、比較例2の如く薬剤保持体を回転させない静置タイプでは、当然のことながら殺虫効力が劣り、しかも本発明のシステムに適用できないことが確認された。

【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の薬剤揮散装置の一例の断面図を示す。
【符号の説明】
【0027】
1:薬剤揮散装置、
2:薬剤保持体、
3:駆動モーター、
4:電池、
5:薬剤担持体、
6:保護ケース、
7:開口部、
8:排気口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤を有する薬剤保持体と、駆動モーターと、該駆動モーターに電力を供給するための電池を備え、該駆動モーターのモーター軸に前記薬剤保持体の軸孔を嵌合して前記薬剤保持体を回転させ、前記薬剤を大気中に揮散させるように構成した薬剤揮散装置において、
前記電池が単4又は単5電池であり、かつ負荷量が異なる前記薬剤保持体を2個以上複数設けるとともに、それぞれの薬剤保持体を複数の使用持続時間に対応させたことを特徴とする薬剤揮散装置。
【請求項2】
複数の使用持続時間が、120時間及び240時間、又は100時間及び200時間であることを特徴とする請求項1に記載の薬剤揮散装置。
【請求項3】
薬剤保持体が、通気性担体に薬剤を担持させた薬剤担持体と、これを収納する保護ケースとから構成され、その負荷量が10g以下であるとともに、前記保護ケースに軸孔が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の薬剤揮散装置。
【請求項4】
薬剤が、一般式(I)
【化1】


(式中、Xは水素原子又はメチル基を表す。Xが水素原子の時、Yはビニル基、1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2,2−ジクロロビニル基、2,2−ジフルオロビニル基又は2−クロロ−2−トリフルオロメチルビニル基を表し、Xがメチル基の時、Yはメチル基を表す。また、Zは水素原子、フッ素原子、メチル基、メトキシメチル基又はプロパルギル基を表す)で表されるフッ素置換ベンジルアルコールエステル化合物から選ばれた1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の薬剤揮散装置。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2009−11175(P2009−11175A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−173443(P2007−173443)
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【出願人】(000207584)大日本除蟲菊株式会社 (184)
【Fターム(参考)】