説明

薬液注入装置

薬液シリンジのシリンダ部材の外周面の所定位置に波動出射素子が所定角度でビーム光を出射し、シリンダ部材の外周面の所定位置で波動検出素子がビーム光を検出し、ビーム光が検出されると異常発生が判定される。シリンダ部材に薬液が充填されている状態に対して空気が混入したり充填されている状態では、屈折率の変化によりシリンダ部材からビーム光が放射される位置が変位するので、シリンダ部材の内部に空気が混入したり充填されていると異常発生が判定されて確認警告が報知出力される。従って、薬液シリンジから被験者まで延長チューブで薬液が注入されるときに空気が注入されることを検知して報知することができる薬液注入装置を提供できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被験者に薬液を注入する薬液注入装置に関し、特に、CT(Computed
Tomography)スキャナやMRI(Magnetic
Resonance Imaging)装置やPET(Positron Emission Tomography)装置などの透視撮像装置で透視画像が撮像される被験者に造影剤を注入する薬液注入装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、被験者の透視画像を撮像する透視撮像装置としては、CTスキャナ、MRI装置、PET装置、超音波診断装置、CTアンギオ装置、MRアンギオ装置、等がある。上述のような装置を使用するとき、被験者に造影剤や生理食塩水などの薬液を注入することがあり、この注入を自動的に実行する薬液注入装置も実用化されている。
【0003】
このような薬液注入装置は、例えば、駆動モータやスライダ機構を有しており、薬液シリンジが着脱自在に装着される。その薬液シリンジはシリンダ部材にピストン部材がスライド自在に挿入された構造からなり、そのシリンダ部材に造影剤や生理食塩水が充填される。
【0004】
このような薬液シリンジを延長チューブで被験者に連結してピストン駆動機構に装着すると、薬液注入装置は、ピストン駆動機構でピストン部材とシリンダ部材とを個別に保持して相対移動させるので、薬液シリンジから被験者に造影剤が注入される。
【0005】
その場合、作業者が各種条件を考慮して造影剤の注入速度や注入容量などを決定し、それを薬液注入装置に数値入力すると、この薬液注入装置は入力数値に対応した速度や容量で造影剤を被験者に注入する。この造影剤の注入により被験者の造影度が変化するので、透視撮像装置により良好な透視画像が撮像されることになる。
【0006】
なお、薬液注入装置には造影剤とともに生理食塩水も被験者に注入できる製品があり、このような薬液注入装置には、造影剤が充填されている造影シリンジと生理食塩水が充填されている生食シリンジとが薬液シリンジとして並列に装着され、その造影シリンジと生食シリンジとは、通常は二股の1個の延長チューブで被験者に連結される。
【0007】
そして、上述のような作業者が所望により造影剤の注入完了に連動して生理食塩水を注入することを注入速度や注入容量などとともに薬液注入装置にデータ入力すると、この薬液注入装置は、入力データに対応して被験者に造影剤を注入してから、自動的に生理食塩水も注入する。このため、造影剤を生理食塩水で後押しして造影剤の消費量を削減することや、生理食塩水によりアーチファクトを軽減することができる。
【0008】
なお、上述のような薬液注入装置は、本出願人などにより過去に発明されて出願されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【特許文献1】特開2002−11096号
【特許文献2】特開2002−102343号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述のような薬液注入装置では、薬液シリンジから延長チューブにより被験者に薬液を注入することができるので、例えば、透視撮像装置で透視画像が撮像される被験者に造影剤を注入するようなことができる。
【0010】
しかし、このように薬液注入装置が薬液シリンジから被験者までチューブ部材で薬液を注入するとき、この薬液に空気が混入すると重大な問題となる。また、誤操作により薬液が充填されていない薬液シリンジから被験者に空気を注入しても、同様に重大な問題となる。
【0011】
本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものであり、薬液シリンジから被験者まで延長チューブで薬液が注入されるときに空気が注入されることを検知して報知することができる薬液注入装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の薬液注入装置は、シリンダ部材にピストン部材がスライド自在に挿入されている薬液シリンジから被験者まで延長チューブで薬液を注入する薬液注入装置であって、本発明の第1,2の薬液注入装置は、シリンダ保持機構、ピストン駆動機構、波動出射素子、波動検出素子、異常判定手段、警告報知手段、を有している。
【0013】
本発明の第1の薬液注入装置では、シリンダ保持機構は、薬液シリンジのシリンダ部材を着脱自在に保持し、ピストン駆動機構は、保持されたシリンダ部材に対してピストン部材を相対移動させる。波動出射素子は、保持されたシリンダ部材の外周面の所定位置に所定角度で波動を出射し、波動検出素子は、保持されたシリンダ部材の外周面の所定位置で波動の強度を検出する。異常判定手段は、検出される波動の強度が所定の許容範囲を満足しないと異常発生を判定し、警告報知手段は、異常発生が判定されると確認警告を報知出力する。
【0014】
従って、本発明の第1の薬液注入装置では、薬液シリンジのシリンダ部材の外周面の所定位置に所定角度で波動が出射され、そのシリンダ部材の外周面の所定位置で波動の強度が検出される。しかし、シリンダ部材に薬液が充填されている状態に対して空気が混入したり充填されている状態では検出される波動の強度が相違するので、シリンダ部材の内部に空気が混入したり充填されていると異常発生が判定されて確認警告が報知出力される。
【0015】
本発明の第2の薬液注入装置では、波動出射素子は、延長チューブの外周面の所定位置に所定角度で波動を出射し、波動検出素子は、延長チューブの外周面の所定位置で波動の強度を検出する。
【0016】
従って、本発明の第2の薬液注入装置では、延長チューブの外周面の所定位置に所定角度で波動が出射され、その延長チューブの外周面の所定位置で波動の強度が検出される。しかし、延長チューブに薬液が充填されている状態に対して空気が混入したり充填されている状態では検出される波動の強度が相違するので、延長チューブの内部に空気が混入したり充填されていると異常発生が判定されて確認警告が報知出力される。
【0017】
本発明の第3,4の薬液注入装置は、シリンダ保持機構、ピストン駆動機構、波動出射素子、波動検出素子、時間測定手段、異常判定手段、警告報知手段、を有しており、本発明の第3の薬液注入装置では、波動出射素子は、保持されたシリンダ部材の外周面の所定位置に所定角度で波動を出射し、波動検出素子は、保持されたシリンダ部材の外周面の所定位置で波動を検出する。時間測定手段は、波動が出射されてから検出されるまでの時間を測定し、異常判定手段は、測定される時間が所定の許容範囲を満足しないと異常発生を判定する。
【0018】
従って、本発明の第3の薬液注入装置では、薬液シリンジのシリンダ部材の外周面の所定位置に所定角度で波動が出射され、そのシリンダ部材の外周面の所定位置で波動が検出され、その出射から検出までの時間を測定される。しかし、シリンダ部材に薬液が充填されている状態に対して空気が混入したり充填されている状態では測定される時間が相違するので、シリンダ部材の内部に空気が混入したり充填されていると異常発生が判定されて確認警告が報知出力される。
【0019】
本発明の第4の薬液注入装置では、波動出射素子は、延長チューブの外周面の所定位置に所定角度で波動を出射し、波動検出素子は、延長チューブの外周面の所定位置で波動を検出する。
【0020】
従って、本発明の第4の薬液注入装置では、延長チューブの外周面の所定位置に所定角度で波動が出射され、その延長チューブの外周面の所定位置で波動が検出され、その出射から検出までの時間が測定される。しかし、延長チューブに薬液が充填されている状態に対して空気が混入したり充填されている状態では測定される時間が相違するので、延長チューブの内部に空気が混入したり充填されていると異常発生が判定されて確認警告が報知出力される。
【0021】
本発明の第5,6の薬液注入装置は、シリンダ保持機構、ピストン駆動機構、波動出射素子、波動検出素子、異常判定手段、警告報知手段、を有しており、本発明の第5の薬液注入装置では、波動出射素子は、保持されたシリンダ部材の外周面の所定位置に所定角度でビーム光を出射する。波動検出素子は、保持されたシリンダ部材の外周面の所定位置でビーム光を検出し、異常判定手段は、ビーム光が検出されると異常発生を判定する。
【0022】
従って、本発明の第5の薬液注入装置では、薬液シリンジのシリンダ部材の外周面の所定位置に所定角度でビーム光が出射され、そのシリンダ部材の外周面の所定位置でビーム光が検出される。しかし、シリンダ部材に薬液が充填されている状態に対して空気が混入したり充填されている状態では、屈折率の変化によりシリンダ部材からビーム光が放射される位置が変位するので、シリンダ部材の内部に空気が混入したり充填されていると異常発生が判定されて確認警告が報知出力される。
【0023】
本発明の第6の薬液注入装置では、波動出射素子は、延長チューブの外周面の所定位置に所定角度でビーム光を出射し、波動検出素子は、延長チューブの外周面の所定位置でビーム光を検出する。
【0024】
従って、本発明の第6の薬液注入装置では、延長チューブの外周面の所定位置に所定角度でビーム光が出射され、その延長チューブの外周面の所定位置でビーム光が検出される。しかし、延長チューブに薬液が充填されている状態に対して空気が混入したり充填されている状態では、屈折率の変化により延長チューブからビーム光が放射される位置が変位するので、延長チューブの内部に空気が混入したり充填されていると異常発生が判定されて確認警告が報知出力される。
【0025】
本発明の第7,8の薬液注入装置は、シリンダ保持機構、ピストン駆動機構、波動出射素子、波動検出素子、特性解析手段、異常判定手段、警告報知手段、を有しており、本発明の第7の薬液注入装置では、波動出射素子は、保持されたシリンダ部材の外周面の所定位置に所定角度で超音波を出射し、波動検出素子は、保持されたシリンダ部材の外周面の所定位置で超音波を検出する。特性解析手段は、検出される超音波の共振特性を解析し、異常判定手段は、解析された共振特性から異常発生を判定する。
【0026】
従って、本発明の第7の薬液注入装置では、薬液シリンジのシリンダ部材の外周面の所定位置に所定角度で超音波が出射され、そのシリンダ部材の外周面の所定位置で超音波が検出され、検出される超音波の共振特性が解析される。しかし、シリンダ部材に薬液が充填されている状態に対して空気が混入したり充填されている状態では共振特性のが変化するので、シリンダ部材の内部に空気が混入したり充填されていると異常発生が判定されて確認警告が報知出力される。
【0027】
本発明の第8の薬液注入装置では、波動出射素子は、延長チューブの外周面の所定位置に所定角度で超音波を出射し、波動検出素子は、延長チューブの外周面の所定位置で超音波を検出する。
【0028】
従って、本発明の第8の薬液注入装置では、延長チューブの外周面の所定位置に所定角度で超音波が出射され、その延長チューブの外周面の所定位置で超音波が検出され、検出される超音波の共振特性が解析される。しかし、延長チューブに薬液が充填されている状態に対して空気が混入したり充填されている状態では共振特性が変化するので、延長チューブの内部に空気が混入したり充填されていると異常発生が判定されて確認警告が報知出力される。
【0029】
本発明の第9,10の薬液注入装置は、シリンダ保持機構、ピストン駆動機構、容量検出センサ、異常判定手段、警告報知手段、を有しており、本発明の第9の薬液注入装置では、容量検出センサは、保持されたシリンダ部材の外周面で静電容量を検出し、異常判定手段は、検出される静電容量が所定の許容範囲を満足しないと異常発生を判定する。
【0030】
従って、本発明の第9の薬液注入装置では、薬液シリンジのシリンダ部材の外周面で静電容量が検出されるが、シリンダ部材に薬液が充填されている状態に対して空気が混入したり充填されている状態では静電容量が変化するので、シリンダ部材の内部に空気が混入したり充填されていると異常発生が判定されて確認警告が報知出力される。
【0031】
本発明の第10の薬液注入装置では、波動出射素子は、延長チューブの外周面の所定位置に所定角度でビーム光を出射し、波動検出素子は、延長チューブの外周面の所定位置でビーム光を検出する。
【0032】
従って、本発明の第10の薬液注入装置では、容量検出センサは、延長チューブの外周面で静電容量を検出するが、延長チューブに薬液が充填されている状態に対して空気が混入したり充填されている状態では静電容量が変化するので、延長チューブの内部に空気が混入したり充填されていると異常発生が判定されて確認警告が報知出力される。
【0033】
なお、本発明で云う各種手段は、その機能を実現するように形成されていれば良く、例えば、所定の機能を発揮する専用のハードウェア、所定の機能がコンピュータプログラムにより付与されたデータ処理装置、コンピュータプログラムによりデータ処理装置に実現された所定の機能、これらの組み合わせ、等として実現することができる。
【0034】
また、本発明で云う各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はなく、例えば、複数の構成要素が1個の部材として形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等も可能である。
【発明の効果】
【0035】
本発明の薬液注入装置では、シリンダ部材や延長チューブの内部に空気が混入したり充填されていると、異常発生が判定されて確認警告が報知出力されるので、薬液シリンジから延長チューブで被験者に薬液を注入するときに空気が注入されることを迅速に作業者に認識させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施の第1の形態の薬液注入システムの論理構造を示す模式図である。
【図2】薬液注入システムの物理構造を示すブロック図である。
【図3】薬液注入システムの全体の外観を示す斜視図である。
【図4】薬液注入システムの薬液注入装置の外観を示す斜視図である。
【図5】薬液注入装置の注入ヘッドに薬液シリンジを装着する状態を示す斜視図である。
【図6】空気検出ユニットと薬液シリンジとの関係を示す縦断正面図である。
【図7】薬液注入装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図8】透視撮像装置であるMRI装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図9】第2の形態の空気検出ユニットと薬液シリンジとの関係を示す縦断正面図である。
【図10】一変形例の空気検出ユニットと薬液シリンジとの関係を示す縦断正面図である。
【図11】第3の形態の空気検出ユニットと薬液シリンジとの関係を示す縦断正面図である。
【図12】第4の形態の空気検出ユニットと薬液シリンジとの関係を示す縦断正面図である。
【符号の説明】
【0037】
100 薬液注入装置
115 シリンダ保持機構
116 ピストン駆動機構
121 素子配置機構である可動アーム
123 波動出射素子である発光素子
124 波動検出素子である受光素子
130 コンピュータユニット
141 異常判定手段
142 警告報知手段
143 駆動停止手段
144 停止出力手段
200 薬液シリンジ
210 シリンダ部材
220 ピストン部材
230 延長チューブ
300 透視撮像装置であるMRI装置
301 透視撮像ユニット
311 停止入力手段
312 警告出力手段
313 撮像停止手段
431 波動出射素子である超音波振動子
432 波動検出素子である超音波検出子
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
[第1の形態の構成]
本発明の実施の第1の形態を図1ないし図8を参照して以下に説明する。本発明の実施の形態の薬液注入システム1000は、図1ないし図3に示すように、薬液注入装置100、薬液シリンジ200、透視撮像装置であるMRI装置300、を有しており、詳細には後述するが、被験者(図示せず)に薬液として造影剤などを注入する。
【0039】
MRI装置300は、図3に示すように、撮像実行機構である透視撮像ユニット301と撮像制御ユニット302とを有しており、その透視撮像ユニット301と撮像制御ユニット302とは通信ネットワーク307で有線接続されている。透視撮像ユニット301は被験者から透視画像を撮像し、撮像制御ユニット302は透視撮像ユニット301を動作制御する。
【0040】
撮像制御ユニット302は、いわゆるパーソナルコンピュータと同様なハードウェアを有しており、各種のデータ処理を実行する制御ユニット本体304、各種データが入力操作されるキーボード305、各種データを表示出力するディスプレイ306、各種データを音声出力するスピーカユニット(図示せず)、等を有している。
【0041】
薬液シリンジ200は、図5に示すように、シリンダ部材210とピストン部材220からなり、シリンダ部材210にピストン部材220がスライド自在に挿入されている。シリンダ部材210は、円筒形の中空の本体部211を有しており、この本体部211の閉塞した先端面に導管部212が形成されている。
【0042】
シリンダ部材210の本体部211の末端面は開口されており、この開口から本体部211の内部にピストン部材220が挿入されている。シリンダ部材210の末端外周にはシリンダフランジ213が形成されており、ピストン部材220の末端外周にはピストンフランジ221が形成されている。
【0043】
本形態の薬液注入装置100は、図4に示すように、注入制御ユニット101と注入ヘッド110とが別体に形成されており、その注入制御ユニット101と注入ヘッド110とは通信ケーブル102で有線接続されている。注入ヘッド110は、装着される薬液シリンジ200を駆動して被験者に薬液を注入し、注入制御ユニット101は、注入ヘッド110を動作制御する。
【0044】
このため、図2に示すように、注入制御ユニット101はコンピュータユニット130が内蔵されており、MRI装置300の撮像制御ユニット302とも通信ネットワーク308で有線接続されている。注入制御ユニット101は、操作パネル103、タッチパネル104、スピーカユニット105、等が本体ハウジング106の前面に配置されており、別体のコントローラユニット107が接続コネクタ108で有線接続されている。
【0045】
注入ヘッド110は、キャスタスタンド111の上端に可動アーム112で装着されており、図4に示すように、そのヘッド本体113の上面には、薬液シリンジ200が着脱自在に装着される半円筒形の溝状の凹部114が形成されている。
【0046】
この凹部114の前部には、薬液シリンジ200のシリンダフランジ211を着脱自在に保持するシリンダ保持機構115が形成されており、凹部114の後方には、ピストンフランジ221を保持してスライド移動させるピストン駆動機構116が配置されている。
【0047】
シリンダ保持機構115は、凹部114に異形の凹溝として形成されており、シリンダフランジ211が係脱自在に係合する。なお、本形態の薬液注入システム1000では、各種の薬液シリンジ200が薬液注入装置100に装着されるので、この薬液注入装置100の凹部114およびシリンダ保持機構115は、最大サイズの薬液シリンジ200に対応している。
【0048】
このため、本形態の薬液注入システム1000では、図5に示すように、最大以外のサイズの薬液シリンジ200ごとにシリンダアダプタ117が用意されており、最大以外のサイズの薬液シリンジ200はシリンダアダプタ117により薬液注入装置100に装着される。
【0049】
ピストン駆動機構116は、作動時にも磁界を発生しない超音波モータ118を駆動源として有しており、ネジ機構(図示せず)などによりピストン部材220をスライド移動させる。また、ピストン駆動機構116にはロードセル118も内蔵されており、そのロードセル118は、ピストン部材220を押圧する圧力を検出する。
【0050】
なお、本形態の薬液注入装置100では、少なくとも注入ヘッド110の各部が非磁性体で形成されており、非磁性体で形成できない部分は防磁されている。例えば、超音波モータ118やロードセル119などは、燐青銅合金(Cu+Sn+P)、チタン合金(Ti-6Al-4V)、マグネシウム合金(Mg+Al+Zn)、などの非磁性体の金属で形成されており、ヘッド本体113などは非磁性体の樹脂で形成されている。
【0051】
本形態の薬液注入装置100では、注入ヘッド110の先端近傍に空気検出ユニット120が配置されており、この空気検出ユニット120で薬液シリンジ200のシリンダ部材210の内部の空気を検出する。
【0052】
より詳細には、空気検出ユニット120は、素子配置機構である可動アーム121の先端に装着されており、この可動アーム121の末端は注入ヘッド110の先端側部に上下方向に回動自在に軸支されている。前述のように薬液注入装置100には各種サイズの薬液シリンジ200が装着されるが、可動アーム121は伸縮自在に形成されているので空気検出ユニット120は薬液シリンジ200の先端近傍の上方の外周面に接離自在に配置される。
【0053】
空気検出ユニット120はボックス状のユニット本体122を有しており、図6に示すように、このユニット本体122の内部には、波動出射素子である発光素子123と波動検出素子である受光素子124とが配置されている。
【0054】
発光素子123は、レーザダイオードなどからなり、薬液シリンジ200のシリンダ部材210の外周面の所定位置に所定角度で波動としてビーム光Bを出射する。受光素子124は、フォトセンサなどからなり、シリンダ部材210の外周面の所定位置でビーム光Bを検出する。
【0055】
薬液シリンジ200のシリンダ部材210は、ガラスや透明樹脂からなり、その屈折率は空気Aとは大幅に相違しているが薬液Lとは近接している。このため、図6(a)に示すように、シリンダ部材210に薬液Lが充填されている状態では、発光素子123が出射するビーム光Bはシリンダ部材210の内面などで反射されることなく略直進する。しかし、図6(b)(c)に示すように、発光素子123が出射するビーム光Bの進路に空気Aが存在している状態では、そのビーム光Bはシリンダ部材210の内面で反射される。
【0056】
そして、発光素子123と受光素子124とは、薬液シリンジ200のシリンダ部材210の外周面に密着する状態に配置されており、発光素子123が出射するビーム光Bがシリンダ部材210の内面で反射されると受光素子124に入射するように配置されている。
【0057】
このため、図6(a)に示すように、シリンダ部材210に薬液Lが充填されている状態では、発光素子123が出射するビーム光Bは受光素子124で検出されないが、図6(b)(c)に示すように、シリンダ部材210の内部に空気Aが存在する状態では、発光素子123が出射するビーム光Bは受光素子124で検出される。
【0058】
本形態の薬液注入装置100は、図2に示すように、上述した各種デバイスがコンピュータユニット130に接続されており、このコンピュータユニット130が各種デバイスを統合制御する。コンピュータユニット130は、いわゆるワンチップマイコンからなり、CPU(Central
Processing Unit)131、ROM(Read Only Memory)132、RAM(Random Access Memory)133、I/F(Interface)134、等のハードウェアを有している。
【0059】
コンピュータユニット130は、そのROM132などの情報記憶媒体に適切なコンピュータプログラムがファームウェアなどで実装されており、そのコンピュータプログラムに対応してCPU131が各種の処理動作を実行する。
【0060】
本形態の薬液注入装置100は、上述のように実装されているコンピュータプログラムに対応してCPU131が動作することにより、異常判定手段141、警告報知手段142、駆動停止手段143、停止出力手段144、等の各種手段を各種機能として論理的に有している。
【0061】
同様に、MRI装置300も、制御ユニット本体304が実装されているコンピュータプログラムに対応して各種動作を実行することにより、停止入力手段311、警告出力手段312、撮像停止手段313、等の各種手段を各種機能として論理的に有している。
【0062】
薬液注入装置100の異常判定手段141は、ROM132などに実装されているコンピュータプログラムに対応してCPU131が空気検出ユニット120の受光素子124の検出信号をデータ認識する機能などに相当し、受光素子124がビーム光Bを検出すると異常発生を判定する。
【0063】
より具体的には、薬液注入装置100は、注入ヘッド110に装填された薬液シリンジ200を駆動して薬液Lを被験者に注入するとき、コンピュータユニット130で空気検出ユニット120の発光素子123を駆動してビーム光Bを出射させ、これで受光素子124がビーム光Bを検出するとコンピュータユニット130で異常発生を判定する。
【0064】
警告報知手段142は、CPU131がコンピュータプログラムに対応してROM132の記憶データをタッチパネル104やスピーカユニット105に出力させる機能などに相当し、異常判定手段141で異常発生が判定されると確認警告を報知出力する。
【0065】
より具体的には、ROM132には“シリンジから空気が検出されました。シリンジを確認して下さい”などのガイダンスメッセージがテキストデータで格納されており、空気検出ユニット120の受光素子124でビーム光Bが検出されると、その検出信号をデータ受信したCPU131により上述のガイダンスメッセージがROM132からデータ読出されてタッチパネル104で表示出力されるとともにスピーカユニット105で音声出力される。
【0066】
駆動停止手段143は、CPU131がピストン駆動機構116の超音波モータ118を動作制御する機能などに相当し、異常判定手段141で異常発生が判定されるとピストン駆動機構116を強制停止させる。停止出力手段144は、CPU131がROM132の記憶データをI/F134から通信ネットワーク308で外部出力する機能などに相当し、異常判定手段141で異常発生が判定されると停止信号を外部出力する。
【0067】
MRI装置300の停止入力手段311は、撮像制御ユニット302の制御ユニット本体304が実装されているコンピュータプログラムに対応して通信ネットワーク308からの入力信号をデータ認識する機能などに相当し、薬液注入装置100から停止信号を外部入力する。
【0068】
警告出力手段312は、制御ユニット本体304が記憶データをディスプレイ306やスピーカユニットに外部出力させる機能などに相当し、薬液注入装置100から停止信号が外部入力されると“シリンジから空気が検出されました。シリンジを確認して下さい”などのガイダンスメッセージを確認警告として報知出力する。
【0069】
撮像停止手段313は、撮像制御ユニット302が透視撮像ユニット301を動作制御する機能などに相当し、停止信号が外部入力されると透視撮像ユニット301の撮像動作を強制停止させる。
【0070】
上述のような薬液注入装置100の各種手段は、必要によりタッチパネル104などのハードウェアを利用して実現されるが、その主体はROM132等の情報記憶媒体に格納されたリソースおよびコンピュータプログラムに対応してハードウェアであるCPU131が機能することにより実現されている。
【0071】
このようなコンピュータプログラムは、例えば、空気検出ユニット120の発光素子123を駆動したときに受光素子124でビーム光Bが検出されると異常発生を判定すること、異常発生が判定されるとタッチパネル104の表示出力とスピーカユニット105の音声出力とで確認警告を報知出力すること、異常発生が判定されるとピストン駆動機構116を強制停止させること、異常発生が判定されるとI/F134から通信ネットワーク308で停止信号を外部出力すること、等の処理動作をCPU131等に実行させるためのソフトウェアとしてRAM133等の情報記憶媒体に格納されている。
【0072】
同様に、MRI装置300の制御ユニット本体304に実装されているコンピュータプログラムは、例えば、薬液注入装置100から通信ネットワーク308で停止信号を外部入力すること、停止信号が外部入力されると確認警告をディスプレイ306やスピーカユニットに報知出力させること、停止信号が外部入力されると透視撮像ユニット301の撮像動作を強制停止させること、等の処理動作を制御ユニット本体304に実行させるためのソフトウェアからなる。
【0073】
[第1の形態の動作]
上述のような構成において、本形態の薬液注入装置100を使用する場合、図2に示すように、作業者(図示せず)はMRI装置300の撮像ユニット301の近傍に薬液注入装置100を配置し、使用する薬液シリンジ200や延長チューブ230などを用意する。
【0074】
そこで、作業者は撮像ユニット301に位置する被験者(図示せず)に延長チューブ230で薬液シリンジ200を連結し、これらの薬液シリンジ200を薬液注入装置100の注入ヘッド110に装填する。その場合、薬液シリンジ200が最大サイズならば、注入ヘッド110の凹部114にシリンダ部材210を上方から挿入し、そのシリンダフランジ211をシリンダ保持機構115に保持させるとともにピストンフランジ221をピストン駆動機構116に保持させる。
【0075】
なお、薬液シリンジ200が最大サイズでない場合、その薬液シリンジ200は、前述のようにシリンダアダプタ117を介して注入ヘッド110に装着される。上述のように薬液シリンジ200が注入ヘッド110の凹部114に装着されるとき、図5(a)に示すように、空気検出ユニット120は可動アーム121により凹部114の上方に配置されているので、薬液シリンジ200は空気検出ユニット120と可動アーム121とを回避した方向から凹部114に装着される。
【0076】
そして、作業者は注入ヘッド110の凹部114に薬液シリンジ200を装着すると、可動アーム121を前方に回動させるとともに伸縮させ、図5(b)に示すように、薬液シリンジ200のシリンダ部材210の先端近傍の外周面に上方から空気検出ユニット120を密着させる。
【0077】
このような状態で、作業者が薬液注入装置100のタッチパネル104や操作パネル103に作業開始を入力操作すると、図7に示すように、これを検知した薬液注入装置100は(ステップS1)、作業開始をMRI装置300にデータ送信する(ステップS4)。
【0078】
図8に示すように、このように薬液注入装置100から作業開始をデータ受信したMRI装置300は(ステップT2)、作業開始を薬液注入装置100にデータ返信して撮像動作を実行する(ステップT8)。このため、本形態の薬液注入システム1000では、薬液注入装置100の薬液注入にMRI装置300の画像撮像が追従することになる。
【0079】
なお、本形態の薬液注入システム1000では、図7および図8に示すように、前述のように薬液注入装置100が準備完了の状態で(ステップS1〜S3)、MRI装置300に撮像開始が入力操作された場合も(ステップT1)、MRI装置300の画像撮像に薬液注入装置100の薬液注入が追従する(ステップT4,T6〜,S2,S5,S8〜)。
【0080】
ただし、本形態の薬液注入装置100は、図7に示すように、薬液注入を実行するときに最初に空気検出ユニット120の発光素子123の駆動が開始されるので(ステップS8)、図6(a)に示すように、薬液シリンジ200のシリンダ部材210の内部が薬液Lのみで充填されていると、この発光素子123が出射するビーム光Bが受光素子124で検出されないが、シリンダ部材210の内部に空気Aが混入していたり充填されていると、受光素子124でビーム光Bが検出される。
【0081】
そこで、受光素子124でビーム光Bが検出されなければ(ステップS9)、シリンダ部材210の内部に空気Aが存在する異常は発生していないとコンピュータユニット130で判定され、ピストン駆動機構116が駆動されて薬液シリンジ200から被験者に薬液Lが注入される(ステップS10)。
【0082】
一方、受光素子124でビーム光Bが検出されると(ステップS9)、シリンダ部材210の内部に空気Aが存在する異常が発生しているとコンピュータユニット130で判定される。この場合、ピストン駆動機構116が強制停止されるので(ステップS20)、薬液シリンジ200から被験者に空気Aが注入されることはない。
【0083】
また、“シリンジから空気が検出されました。シリンジを確認して下さい”などのガイダンスメッセージが確認警告としてタッチパネル104に表示出力されるとともにスピーカユニット105で音声出力されるので(ステップS18)、作業者は薬液シリンジ200の内部に空気Aが存在する異常を迅速に認識して対処することになる。
【0084】
さらに、薬液注入装置200からMRI装置300に停止信号がデータ送信されるので(ステップS17)、この停止信号をデータ受信したMRI装置300も(ステップT10)、透視撮像ユニット301による撮像動作を強制停止させる(ステップT18)。さらに、MRI装置300でも確認警告が報知出力されるので(ステップT16)、作業者は薬液注入装置100から離反してMRI装置300の近傍に位置していても、薬液シリンジ200の内部に空気Aが存在する異常を迅速に認識して対処することになる。
【0085】
なお、本形態の薬液注入装置100およびMRI装置300は、前述の準備完了の状態で異常発生が検出されたときや(ステップS3,T3)、MRI装置300が撮像動作の最中に異常発生を検出したときも(ステップT9)、その異常発生が報知出力されるとともに(ステップS18,T16)、各々の動作中止が実行される(ステップS20,T18)。
【0086】
また、一方に動作中止が入力操作されたときも(ステップS13,T11)、その動作中止が実行されるとともに(ステップS20,T18)、他方にも送信されるので(ステップS19,T17)、これをデータ受信した他方でも(ステップT13,S15)、その動作中止が実行される(ステップT18,S20)。
【0087】
また、一方で動作完了が検出されたときも(ステップS16,T14)、その動作終了が実行されるとともに(ステップS21,T19)、その動作終了が他方にデータ送信されるので(ステップS23,T20)、これをデータ受信した他方でも(ステップT12,S14)、その動作中止が実行される(ステップT18,S20)。
【0088】
[第1の形態の効果]
本形態の薬液注入システム1000では、上述のようにMRI装置300で透視画像が撮像される被験者に薬液注入装置100で薬液シリンジ200から造影剤や生理食塩水などの薬液Lを注入するとき、その薬液シリンジ200に空気Aが混入したり充填されていると薬液注入装置100で異常発生が判定される。
【0089】
そして、このように異常発生が判定されると、ピストン駆動機構116が強制停止されるので、薬液シリンジ200から被験者に空気Aが注入される誤操作を自動的に防止することができる。しかも、タッチパネル104の表示出力やスピーカユニット105の音声出力で確認警告が報知出力されるので、作業者は薬液シリンジ200の内部に空気Aが存在する異常を迅速に認識して対処することができる。
【0090】
さらに、薬液注入装置200からMRI装置300に停止信号がデータ送信されるので、MRI装置300も透視撮像ユニット301による撮像動作を強制停止させることになり、無用な撮像動作を防止することができるとともに、作業者による薬液シリンジ200の確認を容易とすることができる。
【0091】
しかも、停止信号をデータ受信したMRI装置300も確認警告を報知出力するので、作業者は薬液注入装置100から離反してMRI装置300の近傍に位置していても、薬液シリンジ200の内部に空気Aが存在する異常を迅速に認識して対処することができる。
【0092】
また、本形態の薬液注入システム1000では、図6に示すように、発光素子123により薬液シリンジ200のシリンダ部材210の外周面の所定位置に所定角度でビーム光Bが出射され、そのシリンダ部材210の外周面の所定位置で受光素子124がビーム光Bを検出することにより、シリンダ部材210に空気Aが混入したり充填されている状態を検出するので、簡単な構造で良好に空気Aの混入を検出することができる。
【0093】
特に、発光素子123と受光素子124とはユニット本体122に一体に装着されているので、発光素子123と受光素子124とをシリンダ部材210の外周面に適切な角度および位置で配置することができる。
【0094】
さらに、本形態の薬液注入システム1000では、薬液シリンジ200としてシリンダ部材210の外径が相違する複数種類があるが、空気検出ユニット120が可動アーム121により上下方向に移動自在に支持されていてシリンダ部材210の外周面上に配置されるので、外径が相違する複数種類のシリンダ部材210の外周面に空気検出ユニット120を適切に配置することができる。
【0095】
しかも、図6(b)に示すように、薬液シリンジ200の内部の薬液Lに少量の空気Aが混入しているときは、その空気Aはシリンダ部材210の内部上方に位置することになる。しかし、本形態の薬液注入システム1000では、空気検出ユニット120はシリンダ部材210の外周面に上方から配置されるので、少量の空気Aでも良好に検出することができる。
【0096】
また、シリンダ部材210に圧入されるピストン部材220が空気検出ユニット120の検出位置まで移動すると、そのピストン部材220が空気として誤検出される可能性はある。しかし、本形態の薬液注入システム1000では、可動アーム121が伸縮自在に形成されているので、空気検出ユニット120をシリンダ部材210の先端近傍に配置することができ、無用なピストン部材220の誤検出を防止することができる。
【0097】
[第1の形態の変形例]
本発明は上記形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形を許容する。例えば、上記形態では可動アーム121で移動自在に支持されている空気検出ユニット120を薬液シリンジ200のシリンダ部材210の外周面上に配置することを例示したが、延長チューブ230の外周面上に配置することも可能である(図示せず)。
【0098】
この場合、空気検出ユニットを延長チューブ230に対応した小型に形成しておき、注入ヘッド110に有線で接続しておく。そして、空気検出ユニットに、いわゆる洗濯バサミのような金具を一体に形成しておき、それで延長チューブ230の外周面に空気検出ユニットを装着することなどが好適である。
【0099】
また、上記形態では薬液注入装置100が薬液シリンジ200の種類などを考慮することなく異常発生を判定することを例示したが、例えば、薬液シリンジ200としてシリンダ部材210や薬液Lの物理特性が相違する複数種類がある場合、その薬液シリンジ200の種類が操作パネル103やタッチパネル104にデータ入力されると、その種類に対応してコンピュータユニット130が異常発生を判定することも可能である。この場合、複数種類の薬液シリンジ200でシリンダ部材210や薬液Lの物理特性が相違しても、その物理特性に対応して異常発生を良好に判定することができる。
【0100】
さらに、上記形態では1個のピストン駆動機構116で造影剤などの1種類の薬液Lを注入する薬液注入装置100を例示したが、例えば、2個のピストン駆動機構116で造影剤と生理食塩水とを自在に注入する薬液注入装置や、3個以上のピストン駆動機構116で3種類以上の薬液Lを注入する薬液注入装置なども実施可能である(図示せず)。
【0101】
また、上記形態では透視撮像装置としてMRI装置300を使用し、薬液注入装置100がMR用の造影剤を注入することを例示したが、例えば、透視撮像装置としてCTスキャナやPET装置を使用し、それ用の造影剤を薬液注入装置が注入することも可能である。
【0102】
また、上記形態ではRAM133等に格納されているコンピュータプログラムに対応してCPU131が動作することにより、薬液注入装置100の各種機能として各種手段が論理的に実現されることを例示した。しかし、このような各種手段の各々を固有のハードウェアとして形成することも可能であり、一部をソフトウェアとしてRAM133等に格納するとともに一部をハードウェアとして形成することも可能である。
【0103】
[第2の形態の構成]
つぎに、本発明の実施の第2の形態を図9を参照して以下に説明する。なお、これより以下に説明する実施の形態では、上述した第1の形態と同一の部分は、同一の名称および符号を使用して詳細な説明は省略する。
【0104】
本形態の薬液注入装置(図示せず)では、やはり空気検出ユニット400が発光素子123と受光素子124からなるが、その空気検出ユニット400は、可動アーム121により薬液シリンジ200のシリンダ部材210の先端近傍の外周面に下方から接離自在に配置される。
【0105】
空気検出ユニット400の発光素子123は、シリンダ部材210の下方の外周面の所定位置に所定角度で上方に波動としてビーム光Bを出射し、受光素子124は、シリンダ部材210の下方の外周面の所定位置で上方から入射するビーム光Bを検出する。ただし、発光素子123は、上方に出射したビーム光Bがシリンダ部材210の上部下面で反射される位置および角度に配置されており、受光素子124は、シリンダ部材210の上部下面で反射されたビーム光Bを受光する位置および角度に配置されている。
【0106】
また、発光素子124は、薬液Lにより吸収および散乱されやすく空気Aにより吸収および散乱されにくい波長でビーム光Bを出射し、受光素子124は、受光するビーム光Bの強度をアナログ検出する。そして、本形態の薬液注入装置のコンピュータユニット130は、受光素子124により検出されたビーム光Bの強度を所定の上限と比較し、ビーム光Bの強度が上限を超過していると異常発生を判定する。
【0107】
[第2の形態の動作]
上述のような構成において、本形態の空気検出ユニット400では、発光素子123が出射したビーム光Bがシリンダ部材210の上部下面で反射され、この反射されたビーム光Bの強度が受光素子124で検出される。ただし、そのビーム光Bは薬液Lにより吸収および散乱されやすく空気Aにより吸収および散乱されにくいので、図9(a)に示すように、シリンダ部材210の内部が薬液Lで充填されていると、受光素子124で検出されるビーム光Bの強度は所定の上限より低下する。
【0108】
しかし、図9(b)(c)に示すように、シリンダ部材210の内部に空気Aが混入していたり充填されていると、ビーム光Bが吸収および散乱される割合が低下する。このため、受光素子124で検出されるビーム光Bの強度は所定の上限より上昇することになり、コンピュータユニット130が異常発生を判定することができる。
【0109】
[第2の形態の変形例]
本発明は上記形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形を許容する。例えば、上記形態と同様な構造の空気検出ユニット400を小型に形成し、延長チューブ230の外周面上に配置することも可能である(図示せず)。
【0110】
また、上記形態では波動出射素子が波動としてビーム光Bを出射する発光素子123からなり、波動検出素子が波動としてビーム光Bを検出する受光素子124からなることを例示したが、例えば、波動出射素子が波動として超音波を出射する超音波振動子からなり、波動検出素子が波動として超音波を検出する超音波検出子からなることも可能である(図示せず)。
【0111】
さらに、上記形態では発光素子123と受光素子124との両方がシリンダ部材210の下方に配置され、発光素子123が出射してシリンダ部材210の内面で反射されたビーム光Bを受光素子124が検出することを例示した。しかし、図10に示すように、発光素子123と受光素子124との一方がシリンダ部材210の下方に配置されているとともに他方が上方に配置されており、発光素子123が出射してシリンダ部材210を透過したビーム光Bを受光素子124が検出することも可能である。
【0112】
[第3の形態の構成]
つぎに、本発明の実施の第3の形態を図11を参照して以下に説明する。本形態の薬液注入装置(図示せず)では、やはり空気検出ユニット420が発光素子123と受光素子124からなり、その空気検出ユニット420の発光素子123は、シリンダ部材210の上方の外周面の所定位置に所定角度で下方に波動としてビーム光Bを出射し、受光素子124は、シリンダ部材210の上方の外周面の所定位置で下方から入射するビーム光Bを検出する。
【0113】
ただし、発光素子123はビーム光Bをパルス状に出射し、受光素子124は、薬液Lの表面で反射されたパルス状のビーム光Bを検出する。そして、コンピュータユニット130は、ビーム光Bが発光素子123で出射されてから受光素子124で検出されるまでの時間を測定し、測定される時間が所定の許容範囲を満足しないと異常発生を判定する。
【0114】
[第3の形態の動作]
上述のような構成において、本形態の空気検出ユニット420では、発光素子123がパルス状に出射したビーム光Bが薬液Lの表面で反射されて受光素子124で検出され、その出射から検出までの時間がコンピュータユニット130により測定される。このようにビーム光Bの出射から検出までの時間は、図11(a)に示すように、シリンダ部材210の内部が薬液Lで充填されている場合に比較して、図11(b)(c)に示すように、シリンダ部材210の内部に空気Aが混入していたり充填されていると増加する。このため、ビーム光Bの出射から検出までの時間が所定の許容範囲を満足しないと、コンピュータユニット130が異常発生を判定することができる。
【0115】
[第3の形態の変形例]
本発明は上記形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形を許容する。例えば、上記形態と同様な構造の空気検出ユニット420を小型に形成し、延長チューブ230の外周面上に配置することも可能である(図示せず)。
【0116】
また、上記形態では波動出射素子が波動としてビーム光Bを出射する発光素子123からなり、波動検出素子が波動としてビーム光Bを検出する受光素子124からなることを例示したが、例えば、波動出射素子が波動として超音波を出射する超音波振動子からなり、波動検出素子が波動として超音波を検出する超音波検出子からなることも可能である(図示せず)。
【0117】
[第4の形態の構成]
つぎに、本発明の実施の第4の形態を図12を参照して以下に説明する。本形態の薬液注入装置(図示せず)では、空気検出ユニット430が超音波振動子431と超音波検出子432からなり、その超音波振動子431は、シリンダ部材210の上方の外周面の所定位置に所定角度で下方に波動として超音波Sを出射し、超音波検出子432は、シリンダ部材210の上方の外周面で下方から入射する超音波Sを検出する。そして、コンピュータユニット130は、超音波検出子432で検出された超音波Sの共振特性を解析し、その解析された共振特性から異常発生を判定する。
【0118】
[第4の形態の動作]
上述のような構成において、本形態の薬液注入装置では、空気検出ユニット430の超音波振動子431が出射した超音波Sによりシリンダ部材210と薬液Lと空気Aとが個別の周波数で共振するので、超音波検出子432で検出された超音波Sの共振特性をコンピュータユニット130が解析することにより、図12(a)に示すように、シリンダ部材210の内部が薬液Lで充填されているか、図12(b)に示すように、シリンダ部材210の内部に空気Aが混入しているか、図12(c)に示すように、シリンダ部材210の内部が空気Aで充填されているか、が判定される。
【0119】
[第4の形態の変形例]
本発明は上記形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形を許容する。例えば、上記形態と同様な構造の空気検出ユニット430を小型に形成し、延長チューブ230の外周面上に配置することも可能である(図示せず)。
【0120】
さらに、上記形態では超音波振動子431と超音波検出子432との両方がシリンダ部材210の下方に配置され、超音波振動子431が出射してシリンダ部材210の内面で反射された超音波Sを超音波検出子432が検出することを例示した。
【0121】
しかし、超音波振動子431と超音波検出子432との両方がシリンダ部材210の下方に配置されていることも可能であり(図示せず)、超音波振動子431と超音波検出子432との一方がシリンダ部材210の下方に配置されているとともに他方が上方に配置されており、超音波振動子431が出射してシリンダ部材210を透過した超音波Sを超音波検出子432が検出することも可能である(図示せず)。
【0122】
また、上記形態では超音波Sの共振特性の解析結果から空気Aの有無を判定することのみ例示したが、例えば、解析された共振特性から薬液Lの種別を判定することも可能である。この場合、判定された薬液Lの種別をタッチパネル104のデータ表示により報知出力することも可能であり、判定された薬液Lの種別に対応してピストン駆動機構116を動作制御することも可能である。
【0123】
さらに、超音波Sの共振特性の解析結果から薬液Lに混入している異物を検出することも不可能ではなく、この場合は、異物が検出されると異常発生を判定して専用の確認警告を報知出力するとともにピストン駆動機構116を強制停止させることが可能である。
【0124】
[第5の形態の構成]
つぎに、本発明の実施の第5の形態を以下に簡単に説明する。本形態の薬液注入装置(図示せず)では、空気検出ユニット(図示せず)が容量検出センサからなり、シリンダ部材210の外周面上で静電容量を検出する。コンピュータユニット130は、空気検出ユニットで検出された静電容量を所定の許容範囲と比較し、この許容範囲を静電容量が満足していないと異常発生を判定する。
【0125】
[第5の形態の動作]
上述のような構成において、本形態の薬液注入装置では、空気検出ユニットが薬液シリンジ200のシリンダ部材210の静電容量を検出するので、この静電容量によりシリンダ部材210の内部が薬液Lで充填されているか、シリンダ部材210の内部に空気Aが混入したり空気Aで充填されたりしているか、が判定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダ部材にピストン部材がスライド自在に挿入されている薬液シリンジから被験者まで延長チューブで薬液を注入する薬液注入装置であって、
前記薬液シリンジのシリンダ部材を着脱自在に保持するシリンダ保持機構と、
保持された前記シリンダ部材に対して前記ピストン部材を相対移動させるピストン駆動機構と、
保持された前記シリンダ部材の外周面の所定位置に所定角度で波動を出射する波動出射素子と、
保持された前記シリンダ部材の外周面の所定位置で前記波動の強度を検出する波動検出素子と、
検出される前記波動の強度が所定の許容範囲を満足しないと異常発生を判定する異常判定手段と、
前記異常発生が判定されると確認警告を報知出力する警告報知手段と、
を有している薬液注入装置。
【請求項2】
シリンダ部材にピストン部材がスライド自在に挿入されている薬液シリンジから被験者まで延長チューブで薬液を注入する薬液注入装置であって、
前記薬液シリンジのシリンダ部材を着脱自在に保持するシリンダ保持機構と、
保持された前記シリンダ部材に対して前記ピストン部材を相対移動させるピストン駆動機構と、
前記延長チューブの外周面の所定位置に所定角度で波動を出射する波動出射素子と、
前記延長チューブの外周面の所定位置で前記波動の強度を検出する波動検出素子と、
検出される前記波動の強度が所定の許容範囲を満足しないと異常発生を判定する異常判定手段と、
前記異常発生が判定されると確認警告を報知出力する警告報知手段と、
を有している薬液注入装置。
【請求項3】
シリンダ部材にピストン部材がスライド自在に挿入されている薬液シリンジから被験者まで延長チューブで薬液を注入する薬液注入装置であって、
前記薬液シリンジのシリンダ部材を着脱自在に保持するシリンダ保持機構と、
保持された前記シリンダ部材に対して前記ピストン部材を相対移動させるピストン駆動機構と、
保持された前記シリンダ部材の外周面の所定位置に所定角度で波動を出射する波動出射素子と、
保持された前記シリンダ部材の外周面の所定位置で前記波動を検出する波動検出素子と、
前記波動が出射されてから検出されるまでの時間を測定する時間測定手段と、
測定される前記時間が所定の許容範囲を満足しないと異常発生を判定する異常判定手段と、
前記異常発生が判定されると確認警告を報知出力する警告報知手段と、
を有している薬液注入装置。
【請求項4】
シリンダ部材にピストン部材がスライド自在に挿入されている薬液シリンジから被験者まで延長チューブで薬液を注入する薬液注入装置であって、
前記薬液シリンジのシリンダ部材を着脱自在に保持するシリンダ保持機構と、
保持された前記シリンダ部材に対して前記ピストン部材を相対移動させるピストン駆動機構と、
前記延長チューブの外周面の所定位置に所定角度で波動を出射する波動出射素子と、
前記延長チューブの外周面の所定位置で前記波動を検出する波動検出素子と、
前記波動が出射されてから検出されるまでの時間を測定する時間測定手段と、
測定される前記時間が所定の許容範囲を満足しないと異常発生を判定する異常判定手段と、
前記異常発生が判定されると確認警告を報知出力する警告報知手段と、
を有している薬液注入装置。
【請求項5】
前記波動出射素子が、前記波動としてビーム光を出射し、
前記波動検出素子が、前記波動としてビーム光を検出する請求項1ないし4の何れか一項に記載の薬液注入装置。
【請求項6】
前記波動出射素子が、前記波動として超音波を出射し、
前記波動検出素子が、前記波動として超音波を検出する請求項1ないし4の何れか一項に記載の薬液注入装置。
【請求項7】
シリンダ部材にピストン部材がスライド自在に挿入されている薬液シリンジから被験者まで延長チューブで薬液を注入する薬液注入装置であって、
前記薬液シリンジのシリンダ部材を着脱自在に保持するシリンダ保持機構と、
保持された前記シリンダ部材に対して前記ピストン部材を相対移動させるピストン駆動機構と、
保持された前記シリンダ部材の外周面の所定位置に所定角度でビーム光を出射する波動出射素子と、
保持された前記シリンダ部材の外周面の所定位置で前記ビーム光を検出する波動検出素子と、
前記ビーム光が検出されると異常発生を判定する異常判定手段と、
前記異常発生が判定されると確認警告を報知出力する警告報知手段と、
を有している薬液注入装置。
【請求項8】
シリンダ部材にピストン部材がスライド自在に挿入されている薬液シリンジから被験者まで延長チューブで薬液を注入する薬液注入装置であって、
前記薬液シリンジのシリンダ部材を着脱自在に保持するシリンダ保持機構と、
保持された前記シリンダ部材に対して前記ピストン部材を相対移動させるピストン駆動機構と、
前記延長チューブの外周面の所定位置に所定角度でビーム光を出射する波動出射素子と、
前記延長チューブの外周面の所定位置で前記ビーム光を検出する波動検出素子と、
前記ビーム光が検出されると異常発生を判定する異常判定手段と、
前記異常発生が判定されると確認警告を報知出力する警告報知手段と、
を有している薬液注入装置。
【請求項9】
シリンダ部材にピストン部材がスライド自在に挿入されている薬液シリンジから被験者まで延長チューブで薬液を注入する薬液注入装置であって、
前記薬液シリンジのシリンダ部材を着脱自在に保持するシリンダ保持機構と、
保持された前記シリンダ部材に対して前記ピストン部材を相対移動させるピストン駆動機構と、
保持された前記シリンダ部材の外周面の所定位置に所定角度で超音波を出射する波動出射素子と、
保持された前記シリンダ部材の外周面の所定位置で前記超音波を検出する波動検出素子と、
検出される前記超音波の共振特性を解析する特性解析手段と、
解析された前記共振特性から異常発生を判定する異常判定手段と、
前記異常発生が判定されると確認警告を報知出力する警告報知手段と、
を有している薬液注入装置。
【請求項10】
シリンダ部材にピストン部材がスライド自在に挿入されている薬液シリンジから被験者まで延長チューブで薬液を注入する薬液注入装置であって、
前記薬液シリンジのシリンダ部材を着脱自在に保持するシリンダ保持機構と、
保持された前記シリンダ部材に対して前記ピストン部材を相対移動させるピストン駆動機構と、
前記延長チューブの外周面の所定位置に所定角度で超音波を出射する波動出射素子と、
前記延長チューブの外周面の所定位置で前記超音波を検出する波動検出素子と、
検出される前記超音波の共振特性を解析する特性解析手段と、
解析された前記共振特性から異常発生を判定する異常判定手段と、
前記異常発生が判定されると確認警告を報知出力する警告報知手段と、
を有している薬液注入装置。
【請求項11】
解析された前記共振特性から前記薬液の種別を判定する薬液判定手段と、
判定された前記薬液の種別を報知出力する薬液出力手段と、
も有している請求項9または10に記載の薬液注入装置。
【請求項12】
解析された前記共振特性から前記薬液の種別を判定する薬液判定手段と、
判定された前記薬液の種別に対応して前記ピストン駆動機構を動作制御する注入制御手段と、
も有している請求項9ないし11の何れか一項に記載の薬液注入装置。
【請求項13】
シリンダ部材にピストン部材がスライド自在に挿入されている薬液シリンジから被験者まで延長チューブで薬液を注入する薬液注入装置であって、
前記薬液シリンジのシリンダ部材を着脱自在に保持するシリンダ保持機構と、
保持された前記シリンダ部材に対して前記ピストン部材を相対移動させるピストン駆動機構と、
保持された前記シリンダ部材の外周面で静電容量を検出する容量検出センサと、
検出される前記静電容量が所定の許容範囲を満足しないと異常発生を判定する異常判定手段と、
前記異常発生が判定されると確認警告を報知出力する警告報知手段と、
を有している薬液注入装置。
【請求項14】
シリンダ部材にピストン部材がスライド自在に挿入されている薬液シリンジから被験者まで延長チューブで薬液を注入する薬液注入装置であって、
前記薬液シリンジのシリンダ部材を着脱自在に保持するシリンダ保持機構と、
保持された前記シリンダ部材に対して前記ピストン部材を相対移動させるピストン駆動機構と、
前記延長チューブの外周面で静電容量を検出する容量検出センサと、
検出される前記静電容量が所定の許容範囲を満足しないと異常発生を判定する異常判定手段と、
前記異常発生が判定されると確認警告を報知出力する警告報知手段と、
を有している薬液注入装置。
【請求項15】
前記薬液シリンジは、前記シリンダ部材と前記薬液との少なくとも一つの物理特性が相違する複数種類があり、
前記薬液シリンジの少なくとも種類がデータ入力される種類入力手段も有しており、
前記異常判定手段は、前記種類に対応して前記異常発生を判定する請求項1,3,7,9,13の何れか一項に記載の薬液注入装置。
【請求項16】
前記薬液シリンジは、前記シリンダ部材の外径が相違する複数種類があり、
前記波動出射素子と前記波動検出素子とを移動自在に支持して前記シリンダ部材の外周面上に配置する素子配置機構も有している請求項1,3,7,9の何れか一項に記載の薬液注入装置。
【請求項17】
前記素子配置機構は、前記波動出射素子と前記波動検出素子との少なくとも一方を前記シリンダ部材の上方の外周面上に配置する請求項16に記載の薬液注入装置。
【請求項18】
前記素子配置機構は、前記波動出射素子と前記波動検出素子との少なくとも一方を前記シリンダ部材の下方の外周面上に配置する請求項16に記載の薬液注入装置。
【請求項19】
前記素子配置機構は、前記波動出射素子と前記波動検出素子とを前記シリンダ部材の先端近傍に配置する請求項16ないし18の何れか一項に記載の薬液注入装置。
【請求項20】
前記前記薬液シリンジは、前記シリンダ部材の外径が相違する複数種類があり、
前記容量検出センサを移動自在に支持して前記シリンダ部材の外周面に配置する素子配置機構も有している請求項13に記載の薬液注入装置。
【請求項21】
前記異常発生が判定されると前記ピストン駆動機構を強制停止させる駆動停止手段も有している請求項1ないし20の何れか一項に記載の薬液注入装置。
【請求項22】
前記異常発生が判定されると停止信号を外部出力する停止出力手段も有している請求項1ないし21の何れか一項に記載の薬液注入装置。
【請求項23】
薬液注入装置で少なくとも造影剤が注入される被験者から透視撮像装置で透視画像を撮像する薬液注入システムであって、
請求項22に記載の薬液注入装置を有しており、
前記透視撮像装置は、前記透視画像を撮像する撮像実行手段と、前記薬液注入装置から前記停止信号を外部入力する停止入力手段と、前記停止信号が外部入力されると確認警告を報知出力する警告出力手段と、を有している薬液注入システム。
【請求項24】
前記透視撮像装置は、前記停止信号が外部入力されると前記撮像実行手段の撮像動作を強制停止させる撮像停止手段も有している請求項23に記載の薬液注入システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【国際公開番号】WO2005/051463
【国際公開日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【発行日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−515765(P2005−515765)
【国際出願番号】PCT/JP2004/017190
【国際出願日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(391039313)株式会社根本杏林堂 (80)
【Fターム(参考)】