説明

螺旋階段

【課題】 現場での施工が容易で、かつ種々の設置条件や間取りの建物に対応可能であると共に、大量生産が可能で製造コストも安価となる螺旋階段とする。
【解決手段】 支柱2と、支柱2の周りに螺旋状に配置される複数の踏板支持板3を有する螺旋部4と、手摺り5を備えた螺旋階段1である。螺旋階段1は螺旋部4と下階側又は螺旋部4と上階側に連結する直階段状に連続して形成された踏板支持枠23、24を有する直階段部22を有する。支柱2に踏板支持板3を保持するホルダー6を固着する。支柱2に踏板支持枠23、24を固定する取り付け金具7を固着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅、店舗等の建物に設置される螺旋階段に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に螺旋階段は工場内で製造され、その場合、二階用、三階用と階数が高くなるに連れて天井の高い屋根の工場を必要とし、これに踏板を溶接する時は工場内にホイスト、クレーン、チェーンブロック等の設備を必要としている。
又、製造段階で溶接箇所が多いと、溶接による素材の歪みを生じ、正確な製品が得られなくなる。そして、運搬には大型の運搬車や搬入用のクレーン車及びユニック車等の重機車輌が必要とされていた。
【0003】
又、螺旋階段は踏板を所定の角度をずらして支柱の周りに取り付けるため、位置決めが困難であると共に、高さの調節、更には設置条件によっては高さとは別に螺旋階段が床の端部に接近して設置される場合は問題がないが、床から踏板が離れて床の端部に届かない距離にある場合もあり、設置条件に合わせて製造しなければならなく、設置条件や間取りによって対応が困難で大量生産もできず、それ故、製造コストも高価となっている問題点がある。
【0004】
そこで、従来、踏板を取り付ける際にクレーン等を用いた大掛かりな工事が不要であり、はしごや脚立を用いることなく製造することができる螺旋階段が特開2003ー138715として提案されている。
この螺旋階段は支柱にホルダ部材を設けた筒体を挿入し、ホルダ部材の係止片に踏板部材の係止用突部が係止されて踏板部材が保持されている。
【0005】
又、軽構造で生産・施工効率のよい螺旋階段が特開2004ー76281として提案されてる。この螺旋階段は踏板を取り付ける支持部材は中心支柱に嵌挿されている。
【0006】
従来のこれ等の螺旋階段は、踏板部材又は踏板を取り付ける支持部材を現場で支柱に取り付けるものであるが、各段毎に支柱に挿入していくもので、部品点数も多く、施工性に未だ問題点を残している。
【0007】
又、設置条件や間取りによって対応するため、螺旋階段に直線状部を設けた螺旋階段が特開2004ー76280として提案されている。
この螺旋階段は直線状部の踏板は段毎に数段取り付け、かつ直線状部の踏板は中心支柱とは別の外側支柱で支持されている。
又、螺旋階段は夜間暗くなると上がり降りがし難く、踏み外し等の危険性が伴う問題点も有している。この点に関して、踏板に照明具を設けた螺旋階段が実開平5ー71326として提案されている。
【特許文献1】特開2003ー138715
【特許文献2】特開2004ー76281
【特許文献3】特開2004ー76280
【特許文献4】実開平5ー71326
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記点より本発明は、現場での施工が容易で、かつ種々の設置条件や間取りの建物に対応可能であると共に、大量生産が可能で製造コストも安価となる螺旋階段を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため請求項1記載の本発明螺旋階段は、支柱と支柱の周りに螺旋状に配置される複数の踏板支持板を有する螺旋部と、手摺りを備えた螺旋階段において、この螺旋階段は螺旋部と下階側又は螺旋部と上階側に連結する直階段状に連続して形成された踏板支持枠を有する直階段部を有し、支柱に前記踏板支持板を保持するホルダーが固着されると共に、支柱に前記踏板支持枠を固定する取り付け金具が固着されていることを特徴とするものである。
【0010】
このような構成とすることにより、螺旋階段に直階段部を設けたため、種々の設置条件や間取りに応じて対応が可能となると共に、直階段部の製造時に設置条件が間取りに対応して高さ調節や支柱から上階側の取り付け部までの水平距離の調節を行えるので、螺旋部は大量生産が可能となる。
支柱には工場で予め踏板支持板を保持するホルダーと、踏板支持枠を固定する取り付け金具が固着されているので、現場で踏板支持板及び踏板支持枠を取り付けるだけで良く、施工が容易である。直階段部は数段が連続して一体形成されているので、作業が簡単で迅速に行える。
【0011】
次に、請求項2記載の本発明螺旋階段は、請求項1記載の螺旋階段において、踏板支持板は、水平板部の支柱当接部を除いて縁部に下方へ屈曲したリブを有する略扇形に形成され、前記ホルダーは踏板支持板の支柱側の端部付近の内側が嵌合する外側部を有する嵌合体と、嵌合体から先端部が踏板支持板の半径方向に延長し、踏板支持板を下面より支持する支持プレートを備えることを特徴とするものである。
【0012】
このような構成とすることにより、踏板支持板のホルダーへの取り付けは、踏板支持板の支柱側の端部付近をホルダーの嵌合体の外側部に嵌合すれば、踏板支持板の水平板部の支柱当接側の両側のリブがホルダーを挾むように嵌合するため外側面も接合面も大きく、結合も強固となると共に振動もこの部分で吸収される。そして、踏板支持板は下面より支持プレートで支持されるため、この状態で作業者が乗っても垂れたり脱落することがない。
又、踏板支持板は水平板部の支柱当接部を除いて縁部が下方へ屈曲したリブが形成されているので丈夫なものとなる。
【0013】
次に、請求項3記載の本発明螺旋階段は、請求項1又は2記載の螺旋階段において、下階側に連結する下部の踏板支持枠は、支柱側の上部が前記取り付け金具に取り付けられると共に、上階側に連結する上部の段板支持枠は、支柱側の下部が前記取り付け金具に取り付けられることを特徴とするものである。
【0014】
このような構成とすることにより、踏板支持枠は支柱に支持可能となる。
【0015】
次に、請求項4記載の本発明螺旋階段は、請求項1から3のいずれかに記載の螺旋階段において、螺旋部の手摺りは、手摺り本体が受け挿し接続されると共に、直階段部の手摺りは手摺り本体が踏板支持枠の両側に設けられ、螺旋部の手摺り本体と接続する側の直階段部の手摺り本体は、螺旋部の手摺り本体と受け挿し接続することを特徴とするものである。
【0016】
このような構成とすることにより、現場で螺旋部の手摺り本体同士の接続、及び螺旋部と直階段部の手摺り本体の接続が簡単に行え、施工が容易となる。
【0017】
次に、請求項5記載の本発明螺旋階段は、請求項4記載の螺旋階段において、螺旋部の手摺り本体の下面に手摺り支柱の上端部が受け挿し連結する接続部が設けられていることを特徴とするものである。
【0018】
このような構成とすることにより、現場で螺旋部の手摺り本体と手摺り支柱の連結が簡単に行え、施工が容易となる。
【0019】
次に、請求項6記載の本発明螺旋階段は、請求項4又は5記載の螺旋階段において、直階段部の踏板支持枠に直階段部の手摺り本体の手摺り支柱の下端部が受け挿し連結する接続部が設けられていることを特徴とするものである。
【0020】
このような構成とすることにより、現場で直階段部の踏板支持枠に直階段部の手摺り本体の手摺り支柱の連結が簡単に行え、施工が容易となる。
【0021】
次に、請求項7記載の本発明螺旋階段は、請求項1から6のいずれかに記載の螺旋階段において、支柱が各階毎に受け挿し接続されることを特徴とするものである。
【0022】
このような構成とすることにより、階数が増えても分割して工場で製造ができ、天井の高い屋根の工場を必要としないと共に、現場での接続も簡単に行える。又接続が受け挿しのため、大きな地震等の横揺れを吸収できる。
【0023】
次に、請求項8記載の本発明螺旋階段は、請求項1から7のいずれかに記載の螺旋階段において、支柱又は手摺り、或いは支柱と手摺りに照明器具が設けられていることを特徴とするものである。
【0024】
このような構成とすることにより、特に螺旋に沿っての上り降りは直階段より困難であるが、夜間暗くても階段の上り降りが安全となると共に、螺旋階段の装飾性を高めることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、工場での製造は天井の高い屋根は不要で、ホイスト、クレーン、チェーンブロック等の設備も不要であると共に、製造段階で熔接箇所が少ないので経費の節減はもとより、熔接による素材の歪みを極力押さえることができる。
運搬時は組み立て式のため、現場まで大型のトラックは必要とせず、軽トラックで運搬でき、現場への搬入時においても、クレーン車及びユニック車等の重機車輌が不要で、作業者が人力で運べるため大幅な経費節減が可能であるという効果を有する。
【0026】
又、現場では踏板支持板はホルダーに、踏板支持枠は取り付け金具に固定するだけで良く、簡単に取り付けができる。螺旋部の手摺り本体同士の接続、及び螺旋部の手摺り本体と直階段部の手摺り本体の接続が受け挿しによるため簡単に行え、施工が容易となる効果を有する。
又、螺旋部の手摺り本体と手摺り支柱の連結、及び直階段部の手摺り支柱と踏板支持枠の連結が受け挿しによるため簡単に行え、施工が容易となる効果を有する。更に、直階段部は数段が直階段状に連続して一体形成されているので、取り付けが迅速に行える効果を有する。
【0027】
又、螺旋階段に直階段部を設けたため、種々の設置条件や間取りに応じて対応が可能となると共に、直階段部の製造時に設置条件や間取りに対応して高さ調節や支柱から上階側や下階側の取り付け部までの水平距離の調節を行えるので、螺旋部は大量生産が可能となり、製造コストも安価となる効果を有する。
【0028】
支柱や手摺りに照明器具を設けることにより、夜間暗くても階段の上り降りが安全となり、特に螺旋階段は直階段に比べて上り降りがし難いため、高価的であると共に装飾性を高める効果も有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の一実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1は本発明螺旋階段の一実施の形態を示す正面図、図2は同上の螺旋部の分解斜視図、図3は上階側に連結する直階段部の取り付け状態を示す分解斜視図、図4は下階側に連結する直階段部の取り付け状態を示す分解斜視図、図5は最下部の支柱の基部側の断面図である。
【0030】
本発明螺旋部1は、支柱2と支柱2の周りに螺旋状に配置される踏板支持板3を有する螺旋部4と手摺り5を備えている。
図2に示すように、支柱2は円筒状の鋼管から成り、外周面に踏板支持板3が螺旋状に配置されるよう、踏板支持板3を保持するホルダー6が工場で溶接により複数個固着されている。
【0031】
踏板支持板3は平面視で略扇形に形成された鋼板であり、水平板部3aの支柱当接部3bを除いて縁部に下方へ90°屈曲したリブ3cが形成されている。長辺側の両リブ3c、3cは支柱側は高く、反対側が低いテーパー状に形成され、支柱側に二段にネジ挿通孔7が穿設されている。
又、水平板部3aの外側弧面側で上り方向前側に、後に説明する手摺り支柱17の挿通孔8か穿設されている。
又、水平板部3aの外側弧面側で上り方向後側に、後に説明する隣接する上段の手摺り支柱17の下端部に固着したボルト20が挿通するボルト挿通孔9が穿設されている。
更に、水平板部3aの外側弧面側のリブ3cに挿通孔8に挿通された手摺り支柱17を固定するネジ10のネジ孔11が設けられている。
【0032】
ホルダー6は、踏板支持板3の支柱側の端部付近の内側が嵌合する外側部を有する略門形の嵌合体12と、この嵌合体12の中央部で基端部が支柱2に熔着され、先端部が踏板支持板3の半径方向に延長し、踏板支持板3の下面に上縁部が直交して当接する支持プレート13から構成されている。支持プレート13は同一形状のものを二枚合わせて使用することにより、強度を増大させている。
【0033】
門形の嵌合体12の両側の片に踏板支持板3が嵌合した時に、踏板支持板3のリブ3cに設けたネジ挿通孔7と合致する箇所に二段にネジ孔14が設けられ、ネジ15で踏板支持板3は嵌合体12に固定される。
【0034】
螺旋部4の手摺り5は、鉄、ステンレス、アルミ等のパイプ状の手摺り本体16とパイプ状の手摺り支柱17から構成されている。
手摺り本体16は複数に分割され、接続部は一方の手摺り本体16の接続端部の管口内に棒状又は管状の挿し部材18が管口から突出するように固着され、この突出した挿し部材18が他方の手摺り本体16の接続端部の管口に挿入し、受け挿し接続されるようになっている。
【0035】
手摺り本体16と手摺り支柱17の連結は、手摺り本体16の下面に手摺り支柱17と受け挿し連結するように接続部19が設けられている。
接続部19は、手摺り本体16の下面に上端部が溶着された短管19aと、短管19a内に棒状又は管状の挿し部材19bが短管19aの下端部の管口から突出するように固着され、この突出した挿し部材19bが手摺り支柱17の上端部の管口に挿入し、受け挿し接続されるようになっている。短管19aは手摺り支柱17と同一パイプを使用する。
接続部19は所定の間隔で、工場で手摺り本体16に正確に位置決めして取り付けられる。
【0036】
手摺り支柱17の下端部の管内にボルト20が管口から突出するように固着されている。そして、手摺り支柱17の踏板支持板3への取り付けは、手摺り支柱17の下部を踏板支持板3の上り方向前側に設けた挿通孔8に挿通して、隣接する下段の踏板支持板3のボルト挿通孔9にボルト20の螺子部を挿通し、下面よりナット21で締着する。
【0037】
又、本発明螺旋階段1は、螺旋部4と下階側又は螺旋部4と上階側に連結する直階段部22を有している(図3及び図4)。
直階段部22は上階側と連結する上部の踏板支持枠23と、下階側と連結する下部の踏板支持枠24と、上部の踏板支持枠23の両側の手摺り25、25及び下部の踏板支持枠24の両側の手摺り26、26を備えている。
【0038】
上部及び下部の踏板支持枠23、24は、角形鋼管で長方形の水平な枠状の踏板支持部23a、24aと、垂直な長方形の枠状の蹴込み板取り付け部23b、24bが階段状に連続して一体に形成され、踏板支持部23a、24aは中央部に補強用に桟23c、24cが長辺間に熔着されている。この上部及び下部の踏板支持枠23、24は工場で予め製造される。
製造時は、現場の設置条件に応じて段数や蹴込み板取り付け部23b、24bの高さで上下の高さ調整をし、又踏板支持部23a、24aの奥行きの長さにより支柱2と梁35間の水平距離の調整を行う。
【0039】
図3に示すように、上階側と連絡する踏板支持枠23は、支柱2に工場で熔着により固着された鋼板の上下二枚の取り付け金具27に最下段の踏板支持部23aの上り方向前角部が挾持されるもので、上下の取り付け金具27にネジ挿通孔27aが設けられると共に、挾持される踏板支持部23aに挾持された時に、ネジ挿通孔27aと合致する箇所にネジ孔(図示せず)が予め設けられ、ネジ28で段板支持枠23の支柱側の下部が取り付け金具27に固定される。踏板支持部23aの支柱2に当接する角部は切除されて長辺側と短辺側の端部が挾持されるようになっている。
【0040】
又、最下段の踏板支持部23aの支柱側と反対側の上り方向前角部の下面に工場で所定の長さの支持管29が上端部が溶接で固着され、この支持管29の下端部の管内にボルト30が管口より突出するように固着されている。
この支持管29とボルト30は螺旋部4の手摺り支柱17とボルト20と同径ものもを使用し、これにより支持管29のボルト30を隣接する下段の踏板支持板3のボルト挿通孔9に挿通し、ナット31で固定する。
【0041】
最上段の踏板支持部23aは、その下面に固着したL字形の取り付けブラケット33にネジ挿通孔33aが設けられており、ネジ34で上階の梁35に固定される。
又、各段の踏板支持部23aの上面の前角部に工場で予め棒状又は管状の挿し部材36が上向きに固着されている。
【0042】
上部の踏板支持枠23の手摺り25は踏板支持枠23の両側に取り付けられる(図3)。この手摺り25は螺旋部4の手摺り本体16と同径の手摺り本体37と、手摺り本体と連結する手摺り支柱38から形成され、螺旋部4の手摺り本体16と接続する側の手摺り本体37aは、螺旋部4の手摺り本体16の接続部に固着されている挿し部材18が手摺り本体37aの接続端部の管口に挿入し、受け挿し接続されるようになっている。
【0043】
又、手摺り本体37aの下面に手摺り支柱38aの上端部が固着され、この手摺り支柱38aの下端部の管口が上部の踏板支持枠23に設けた挿し部材36に挿入し、受け挿し接続されるようになっている。
尚、手摺り支柱38aと手摺り本体37aの連結は、螺旋部4のように手摺り本体37aの下面に接続部を設けて受け挿し接続としても良い。
最上部の手摺り支柱38aの下部は上階の床面に当接するフランジ部39aが形成され、ネジ40aで床面に固定される。
【0044】
手摺り本体37aと反対側の手摺り本体37bは下方側の端部が支柱2の手前まで延長し、手摺り支柱38bは前同様に上端部が手摺り本体37bの下面に固着し、下端部は段板支持枠23の挿し部材36と受け挿し連結し、最上部の手摺り支柱38bの下部はフランジ部39bが上階の床面に当接し、ネジ40bで床面に固定される。
【0045】
図4に示すように、下階側と連結する踏板支持枠24は、支柱2に固着された前同様の構成を有する上下二枚の取り付け金具41に最上段の踏板支持部24aの上り方向の後角部が挾持されるもので、前同様にネジ42をネジ挿通孔41aより踏板支持部24aのネジ孔(図示せず)に螺入し、ネジ42で踏板支持枠24の支柱側の上部が取り付け金具41に固定される。
【0046】
又、各段の踏板支持部24aの上面の角部に前同様の棒状又は管状の挿し部材43が上向きに固着されている。そして、最上段の踏板支持部24aの支柱側と反対側の上り方向後角部の挿し部材43が、上段に降接する螺旋部4の手摺り本体16の手摺り支柱17の下端部の管口に挿入し受け挿し接続する。この手摺り支柱17の下端部はボルト20が取り除かれている。
【0047】
最下段の踏板支持部24aの下部に蹴込み板取り付け部24bが連接し、この蹴込み板取り付け部24bの下面に固着したL字形の取り付けブラケット44にネジ挿通孔44aが設けられており、ネジ45で下階の梁35に固定される。
【0048】
下部の踏板支持枠24の手摺り26は踏板支持枠24の両側に取り付けられる(図4)。この手摺り本体26は、螺旋部4の手摺り本体16と同径の手摺り本体46と、手摺り本体46と連結する手摺り支柱47から形成され、螺旋部4の手摺り本体16と接続する側の手摺り本体46aは、接続部に棒状又は管状の挿し部材48が管口から突出するように固着され、この挿し部材48が螺旋部の手摺り本体16の接続部の管口内に挿入し、受け挿し接続するようになっている。
【0049】
又、踏板支持枠24と手摺り支柱47aの連結は上部の踏板支持枠23と同様で、手摺り支柱47aの下端部の管口と挿し部材43が受け挿し接続するようになっている。
手摺り本体46aと反対側の手摺り本体46bは上方側の端部が支柱2の手前まで延長し、手摺り支柱47bは上端部が手摺り本体46bの下面に固着し、下端部は踏板支持枠24の挿し部材43と受け挿し連結する。
【0050】
又、本発明螺旋階段1は、鉛直方向に立設される支柱2が各階毎に受け挿し接続される(図3)。
接続は、接続する下階の支柱2の上端部の管口に筒部2aが上端部から突出するように工場で熔接により固着され、これに挿入される上階の支柱2の接続部の周囲にネジ孔2bが穿設され、筒部2aに上階の支柱2の下部を挿入した後にネジ2cで固定する。最上階の支柱2の上端部は蓋(図示せず)が設けられる。
【0051】
又、本発明螺旋階段1は、支柱2、螺旋部4の手摺り5、直階段部22の上下手摺り25、26の適宜箇所に照明器具50が設けられている。勿論、踏板支持板3及び踏板支持枠23、24にも設けることができる。
照明器具50は、支柱2、手摺り5、25、26の内部又は外部の何れに設けても良い。内部に設ける場合は、取り付ける箇所に切り欠いた窓51を形成して取り付け、窓51から踏板を照射するように形成する。
【0052】
次に、このような構成を有する本発明螺旋階段の施工方法を図面に基づき説明する。
先ず、一階の支柱2を図5に示すように、土間コンクリート60上に台板61を固定し、この台板61上に約50cm程度の長さのインローパイプ62を一体に取り付けたフランジ63を固定する。
インローパイプ62に、先ず高さ調整用の環状のスペーサー64を挿入し、次に支柱2の下部をインローパイプ62に挿入する。
【0053】
支柱2にはホルダー6が複数個固着されているので、下方のホルダー6から上方のホルダー6へ順に踏板支持板3を上部から嵌合し、両側のリブ3cからネジ15で踏板支持板3をホルダー6に固定し、螺旋部4の踏板支持板3を順次取り付ける(図2)。
【0054】
次に、二階と連絡する上り口には、図3のように直階段部22を設ける。支柱2には二枚の取り付け金具27が固着されているので、この両取り付け金具27の間に踏板支持枠23の下部の角部側を挾持させ、両取り付け金具27に踏板支持枠23をネジ28で固定すると共に、支柱2と反対側の角部は下面に設けた支持管29のボルト30を下段の踏板支持板3のボルト挿通孔9に挿通し、ナット31で固定し、踏板支持枠23の上部を踏板支持枠23の下面に設けた取り付けブラケット33にネジ34で二階の床の梁35に固定する。
【0055】
次に、螺旋部4の手摺り5を取り付けるが、図2に示すように手摺り5は手摺り支柱17の下部を踏板支持板3の挿通孔8から隣接する下段の踏板支持板3側に挿通し、手摺り支柱17の下部に設けたボルト20の螺子部を下段の踏板支持板3のボルト挿通孔9に挿通し、下面よりナット31で固定すると共に、この手摺り支柱17を挿通した側の踏板支持板3のリブ3cのネジ孔11からネジ10で固定することにより、二枚の踏板支持板3と手摺り支柱17は固定する。
このようにして、順次手摺り支柱17を取り付けた後、手摺り支柱17の上方から手摺り本体16の接続部19の挿し部材19aを手摺り支柱17の上端部の管口に挿し込み接続する。
【0056】
又、手摺り本体16同士は、一方の手摺り本体16側に設けた挿し部材18を他方の手摺り本体16の接続端部の管口に挿し込むことにより接続する。
尚、最下段の踏板支持板3の挿通孔8に挿通した手摺り支柱17の下端部は、フランジ(図示せず)を設け一階の床面に固定する。
【0057】
次に、一階の直階段部22の手摺り25を取り付けるが、図3に示すように手摺り本体37a、37bと一体の手摺り支柱38a、38bの下端部の管口を段板支持枠23の挿し部材36に挿し込み接続する。
螺旋部4側の手摺り本体16と連結する側の手摺り本体37aは、螺旋部4側の手摺り本体16に設けた挿し部材18に接続端部の管口を挿し込み接続する。
そして、最上部の両側の手摺り支柱38a、38bは二階の床にフランジ部39a、39bを当接し、ネジ40a、40bで固定する。
【0058】
次に、図3に示すように二階から三階への階段の取り付けは、一階の支柱2の上端部の筒部2aに二階の支柱2の下部を挿入して接続し、ネジ2cで両支柱2を固定する。
そして、図4に示すように二階の支柱2の下方側に二枚の取り付け金具41が固着されているので、この両取り付け金具41の間に下部の踏板支持枠24の上部の角部側を挾持させ、両取り付け金具41に踏板支持枠24をネジ42で固定すると共に、この踏板支持枠24の下部を踏板支持枠24の取り付けブラケット44にネジ45で二階の床の梁35に固定する。
【0059】
又、支柱2の取り付け金具41の上方にはホルダー6が複数個固着されているので、この各ホルダー6に一階と同様にして踏板支持板3を夫々固定する。
又、二階から三階への上り口は、一階と二階の上り口と同様にして直階段部22を構成する。
次に、二階の下部の踏板支持枠24の両側に手摺り本体46a、46bと一体の手摺り支柱47a、47bの下端部の管口を踏板支持枠24の挿し部材43に挿し込み接続する(図4)。
【0060】
二階の螺旋部4側の手摺り本体16と連結する側の手摺り本体46aは、接続端部の挿し部材48を二階の螺旋部4側の手摺り本体16の接続端部の管口に挿し込み接続する(図4)。
そして、二階の螺旋部4側の手摺り15及びこの螺旋部4の上方の直階段部22の手摺り25は、一階の螺旋部4の手摺り5及び直階段部22の手摺り25と同様にして取り付ける。以下、同様に三階以上を取り付ける。
尚、踏板支持板3及び踏板支持枠23、24に手摺り支柱部を切り欠いた踏板49が固定される。
【0061】
以上、本発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形・改良が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明螺旋階段の一実施の形態を示す正面図である。
【図2】本発明螺旋階段の螺旋部の分解斜視図である。
【図3】本発明螺旋階段の上階側に連結する直階段部の取り付け状態を示す分解斜視図である。
【図4】本発明螺旋階段の下階側に連結する直階段部の取り付け状態を示す分解斜視図である。
【図5】最下部の支柱の基部側の断面図である。
【符号の説明】
【0063】
1 螺旋階段
2 支柱
3 踏板支持板
4 螺旋部
5 螺旋部の手摺り
6 ホルダー
12 嵌合体
13 支持プレート
16 螺旋部の手摺り本体
17 螺旋部の手摺り支柱
19 接続部
22 直階段部
23 上部の踏板支持枠
24 下部の踏板支持枠
25、26 手摺り
27 取り付け金具
37 上部の直階段部の手摺り本体
38 上部の直階段部の手摺り支柱
41 取り付け金具
46 下部の直階段部の手摺り本体
47 下部の直階段部の手摺り支柱
50 照明器具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支柱と支柱の周りに螺旋状に配置される複数の踏板支持板を有する螺旋部と、手摺りを備えた螺旋階段において、この螺旋階段は螺旋部と下階側又は螺旋部と上階側に連結する直階段状に連続して形成された踏板支持枠を有する直階段部を有し、支柱に前記踏板支持板を保持するホルダーが固着されると共に、支柱に前記踏板支持枠を固定する取り付け金具が固着されていることを特徴とする螺旋階段。
【請求項2】
踏板支持板は、水平板部の支柱当接部を除いて縁部に下方へ屈曲したリブを有する略扇形に形成され、前記ホルダーは踏板支持板の支柱側の端部付近の内側が嵌合する外側部を有する嵌合体と、嵌合体から先端部が踏板支持板の半径方向に延長し、踏板支持板を下面より支持する支持プレートを備えることを特徴とする請求項1記載の螺旋階段。
【請求項3】
下階側に連結する下部の踏板支持枠は、支柱側の上部が前記取り付け金具に取り付けられると共に、上階側に連結する上部の段板支持枠は、支柱側の下部が前記取り付け金具に取り付けられることを特徴とする請求項1又は2記載の螺旋階段。
【請求項4】
螺旋部の手摺りは、手摺り本体が受け挿し接続されると共に、直階段部の手摺りは手摺り本体が踏板支持枠の両側に設けられ、螺旋部の手摺り本体と接続する側の直階段部の手摺り本体は、螺旋部の手摺り本体と受け挿し接続することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の螺旋階段。
【請求項5】
螺旋部の手摺り本体の下面に手摺り支柱の上端部が受け挿し連結する接続部が設けられていることを特徴とする請求項4記載の螺旋階段。
【請求項6】
直階段部の踏板支持枠に直階段部の手摺り本体の手摺り支柱の下端部が受け挿し連結する接続部が設けられていることを特徴とする請求項4又は5記載の螺旋階段。
【請求項7】
支柱が各階毎に受け挿し接続されることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の螺旋階段。
【請求項8】
支柱又は手摺り、或いは支柱と手摺りに照明器具が設けられていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の螺旋階段。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−37453(P2006−37453A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−217250(P2004−217250)
【出願日】平成16年7月26日(2004.7.26)
【出願人】(597083127)小倉商事株式会社 (1)
【Fターム(参考)】