説明

血液成分採取装置

【課題】遠心分離器内で生じる微小溶血(溶血)等を抑制(または防止)することにより、品質の高い血液成分を得ることができる血液成分採取装置を提供すること。
【解決手段】血液成分採取装置1は、血液成分採取回路2と第1の送液ポンプ11とを有している。血液成分採取回路2は、遠心分離器20、採血針29を有する第1のライン21、第2のライン22、分岐コネクター21fと血漿採取バッグ25とを接続する第3のライン37および血漿採取バッグ25を備えている。また、この血液成分採取装置1は、ドナーから血液を採取する際に、血漿採取バッグ25内に採取された血漿を第3のライン37を介して送液ポンプ11の上流側に供給することにより、ドナーから採取された血液と血漿採取バッグ25内に採取された血漿とを混合して、遠心分離器20に導入し得るように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液成分採取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
採血を行う場合、現在では、血液の有効利用および供血者の負担軽減などの理由から、供血者(ドナー)から採血した血液を遠心分離などにより各血液成分に分離し、受血者に必要な成分だけを採取し、その他の成分は供血者に返還する成分採血が行われている。
【0003】
このような成分採血において、供血者から採血した血液を血液成分採取回路に導入し、該血液成分採取回路に設置された遠心ボウルと呼ばれる遠心分離器により、血漿、バフィーコートおよび赤血球に分離し、その内のバフィーコートから血小板を取り出して、容器に回収して血小板製剤とし、所定量の血漿も別の容器に回収して血漿製剤もしくは血漿分画製剤の原料とし、残りの血漿、白血球および赤血球は、供血者に返血することが行われる。
【0004】
成分採血を行う装置(血液成分採取装置)には、供血者から採血した血液(全血)を遠心ボウルに導入する際に、容器に回収した血漿をポンプを用いて遠心ボウルに戻し、再び容器に回収することによって容器と遠心ボウルとの間で血漿を循環することにより、遠心ボウルに導入する全血を血漿で希釈する操作を行うものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
この操作は、全血処理量を制御し、目標とする血液成分を効率的に採取するために、供血者から採血した全血に含まれる血漿の流速と、全血を希釈する血漿の速度との合計が50〜120mL/minになるように全血を希釈する血漿の流量をポンプによって調整するものである。
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の装置は、供血者の個体差(ヘマトクリット値)により、採血時に遠心ボウルに導入される血液の速度が異なるため、供血者によっては十分な流速が得られず、赤血球が損傷し、その結果得られた血液成分がわずかに赤みをおびることがあり、血液成分(血液製剤)の品質が低下するという問題があった。
【0007】
【特許文献1】特開2000−84066号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、微小溶血(溶血)等を抑制(または防止)することにより、品質の高い血液成分を得ることができる血液成分採取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような目的は、下記(1)〜(13)の本発明により達成される。また、下記(14)〜(18)であるのが好ましい。
【0010】
(1) 供血者から血液を採取する採血手段と、
流入口および排出口とを有し、前記採血手段により採取され、前記流入口より導入された血液を遠心分離する遠心分離器と、
前記流入口と前記採血手段とを接続し、途中に分岐部を有する第1のラインと、
前記排出口に接続された第2のラインと、
前記第2のラインに接続され、前記遠心分離器により分離された血漿を採取する血漿採取バッグと、
前記第2のラインに接続され、前記遠心分離器により分離された所定の血液成分を採取する少なくとも1つの血液成分採取バッグと、
前記分岐部と前記血漿採取バッグとを接続する第3のラインとを備える血液成分採取回路と、
前記第1のラインの、前記遠心分離器と前記分岐部との間に設けられた送液ポンプとを有し、
採取した血液を遠心分離し、前記所定の血液成分を採取して、残りの血液成分を前記供血者に返還する血液成分採取装置であって、
前記供血者から血液を採取する際に、前記血漿採取バッグ内に採取された血漿を前記第3のラインを介して前記送液ポンプの上流側に供給することにより、前記供血者から採取された血液と前記血漿採取バッグ内に採取された血漿とを混合して前記遠心分離器に導入し得るように構成されていることを特徴とする血液成分採取装置。
【0011】
(2) 前記供血者から採取された血液と前記血漿採取バッグ内に採取された血漿とを混合して、前記供血者の血液性状によらず、所定速度で前記遠心分離器に導入する上記(1)に記載の血液成分採取装置。
【0012】
(3) 前記血液成分採取バッグには、血小板を採取するバッグが含まれる上記(1)または(2)に記載の血液成分採取装置。
【0013】
(4) 前記供血者から血液を採取する際に、前記送液ポンプより上流側の前記第1のラインの内圧を検出する圧力検出手段を有し、
前記圧力検出手段によって検出された前記送液ポンプより上流側の前記第1のラインの内圧が所定値になるように前記送液ポンプを作動させる上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の血液成分採取装置。
【0014】
(5) 前記送液ポンプより上流側の前記第1のラインの内圧が前記所定値より大きいときは、前記送液ポンプの速度を増大させ、前記第1のラインの内圧が前記所定値より小さいときは、前記送液ポンプの速度を減少させる上記(4)に記載の血液成分採取装置。
【0015】
(6) 当該血液成分採取装置を使用する際は、前記血漿採取バッグは、前記分岐部より鉛直方向上方に位置するように設けられる上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の血液成分採取装置。
【0016】
(7) 当該血液成分採取装置を使用する際は、前記血漿採取バッグの血漿の出口側が鉛直方向下方になるように設けられる上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の血液成分採取装置。
【0017】
(8) 前記血漿採取バッグ内に採取された血漿の量を検出する採取量検出手段を有する上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の血液成分採取装置。
【0018】
(9) 前記第3のラインの内部の流路を開閉し得る流路開閉手段を有し、
前記供血者から血液を採取する前は、前記流路開閉手段により前記第3のラインの内部の流路が閉塞されており、前記採取量検出手段により前記血漿採取バッグ内に採取された血漿の量が所定量を超えたことが検出されると、前記流路開閉手段により、前記流路を開通させる上記(8)に記載の血液成分採取装置。
【0019】
(10) 前記供血者から血液を採取する際に、前記第3のラインを流れる血漿が前記分岐部から前記供血者側に流れないように、前記第3のラインを流れる血漿の流量を規制する規制手段を有する上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の血液成分採取装置。
【0020】
(11) 前記第3のラインを流れる血漿の流量を調整する流量調整手段を有する上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の血液成分採取装置。
【0021】
(12) 前記流量調整手段は、前記採取量検出手段の検出結果に基づいて、前記第3のラインを流れる血漿の流量を調整する上記(11)に記載の血液成分採取装置。
【0022】
(13) 前記採取量検出手段により前記血漿採取バッグ内に採取された血漿の量が所定量を超えたことが検出されると、前記流量調整手段により前記第3のラインを流れる血漿の流量を増大させる上記(12)に記載の血液成分採取装置。
【0023】
(14) 前記流量調整手段は、前記供血者から血液を採取する際に、前記第3のラインを流れる血漿が前記分岐部から前記供血者側に流れないように、前記第3のラインを流れる血漿の流量を調整する上記(11)に記載の血液成分採取装置。
【0024】
(15) 前記流量調整手段は、外部から圧力を加えることにより前記第3のラインの内部の流路の横断面積を可変し得るものである上記(11)ないし(14)のいずれかに記載の血液成分採取装置。
【0025】
(16) 前記規制手段は、前記第3のラインの内部の流路を狭窄するものである上記(10)に記載の血液成分採取装置。
【0026】
(17) 当該血液成分採取装置は、主に、血小板および/または血漿を採取し得る装置である上記(1)ないし(16)のいずれかに記載の血液成分採取装置。
【0027】
(18) 当該血液成分採取装置は、採取した血液を遠心分離し、前記所定の血液成分を採取する血液成分採取工程と、残りの血液成分を返還する血液成分返還工程とを有する血液成分採取操作を少なくとも1サイクル行なうものである上記(1)ないし(17)のいずれかに記載の血液成分採取装置。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、採取した血液と血漿採取バッグ内に採取された血漿とを混合して、第1のラインの流量を増加させることにより比較的早い速度で、血液を遠心分離器に導入することができるため、遠心分離器内で生じる微小溶血(溶血)等を抑制(または防止)することができ、品質の高い血液成分を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の血液成分採取装置を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0030】
図1は、本発明の血液成分採取装置の実施形態を示す平面図であり、図2は、図1に示す血液成分採取装置が備える遠心分離器駆動装置に遠心分離器が装着された状態の部分破断断面図であり、図3〜図6は、それぞれ、図1に示す血液成分採取装置の作用を説明するためのフローチャートである。
【0031】
図1に示す血液成分採取装置1は、血液を複数の血液成分に分離するとともに分離された血小板を含む血液成分(特に、血小板を含む血漿)を採取するための装置である。この血液成分採取装置1は、内部に貯血空間146を有するローター142と、貯血空間146に連通する流入口143および排出口(流出口)144とを有し、ローター142の回転により流入口143より導入された血液を貯血空間146内で遠心分離する遠心分離器20と、採血針(採血手段)29と遠心分離器20の流入口143とを接続する第1のライン21と、遠心分離器20の排出口144に接続された第2のライン22と、分岐コネクター(分岐部)21fと血漿採取バッグ25とを接続する第3のライン37と、第1のライン21に接続された第4のライン23と、チューブ49および50を介して第1のライン21に接続され、かつチューブ43および44を介して第2のライン22に接続された血漿採取バッグ25と、チューブ42を介して第2のライン22に接続されたエアーバッグ27bと、チューブ43および45を介して第2のライン22に接続された中間バッグ(一時貯留バッグ)27aと、チューブ46、47および48を介して中間バッグ27aに接続された血小板採取バッグ(血液成分採取バッグ)26と、チューブ51を介して血小板採取バッグ26に接続されたバッグ28とを有する血液成分採取回路(血小板採取回路)2を備えている。
【0032】
さらに、血液成分採取装置1は、遠心分離器20のローター142を回転させるための遠心分離器駆動装置10と、第1のライン21のための第1の送液ポンプ11と、第4のライン23のための第2の送液ポンプ12と、血液成分採取回路2の流路の途中を開閉し得る複数(本実施形態では、第1〜第7の7個)の流路開閉手段81、82、83、84、85、86、87と、遠心分離器駆動装置10、第1の送液ポンプ(送液ポンプ)11、第2の送液ポンプ12および複数の流路開閉手段81〜87を制御するための制御部(制御手段)13と、濁度センサ(血小板濃度センサ)14と、光学式センサ15と、重量センサ(採取量検出手段)16と、複数(本実施形態では、6個)の気泡センサ31、32、33、34、35、36とを備えている。
【0033】
そこで、最初に、血液成分採取回路2について説明する。
この血液成分採取回路2は、ドナー(供血者)から血液を採取する採血針(採血手段)29と遠心分離器20の流入口143とを接続し、第1のポンプチューブ21gを備える第1のライン(採血および返血ライン)21と、一端側が遠心分離器20の排出口(流出口)144に接続された第2のライン22と、分岐コネクター21fと、血漿採取バッグ25とを接続する第3のライン37と、第1のライン21の採血針29の近くに接続され、第2のポンプチューブ23aを備える第4のライン(抗凝固剤注入ライン)23と、第2のライン22に接続されたチューブ43と、チューブ43に接続されたチューブ44と、チューブ44および49に接続された血漿採取バッグ25と、第2のライン22に接続されたチューブ42と、チューブ42に接続されたエアーバッグ27bと、チューブ43に接続されたチューブ45と、チューブ45に接続された中間バッグ27aと、中間バッグ27aに接続されたチューブ46と、チューブ46に接続されたチューブ47と、チューブ48と、チューブ48に接続された血小板採取バッグ26と、血小板採取バッグ26に接続されたチューブ51と、チューブ51に接続されたバッグ28とを備えている。エアーバッグ27bと中間バッグ27aとは、一体的に形成(一体化)されている。
【0034】
第1のライン21は、採血針29が接続された採血針側第1ライン21aと、一端側が採血針側第1ライン21aに接続され、他端側が遠心分離器20の流入口143に接続された遠心分離器側第1ライン21bとを有している。採血針29としては、例えば、公知の金属針が使用される。
【0035】
この採血針側第1ライン21a、遠心分離器側第1ライン21b、後述する第2のライン22、第3のライン37、第4のライン23は、それぞれ、軟質樹脂製チューブ、または、その軟質樹脂製チューブが複数接続されて形成されている。
【0036】
採血針側第1ライン21aは、採血針29側より、第4のライン23との接続用分岐コネクター21cと、気泡およびマイクロアグリゲート除去のためのチャンバー21dと、チューブ50との接続用分岐コネクター21fとを備えている。
【0037】
また、採血針側第1ライン21aに沿って、採血針29側より、気泡センサ35、36および32が設置されている。この場合、気泡センサ35および36は、分岐コネクター21cとチャンバー21dとの間に配置され、気泡センサ32は、チャンバー21dと分岐コネクター21fとの間に配置されている。
【0038】
また、チャンバー21dには、チューブ21hを介して通気性かつ菌不透過性のフィルター21iが接続されている。このラインは、例えば、採血針側第1ライン21aの内圧の検出等に用いることができる。
【0039】
一方、遠心分離器側第1ライン21bは、チューブ50との接続用分岐コネクター21fに接続されており、その途中に形成された第1のポンプチューブ21gを有している。
【0040】
第2のライン22は、その一端側が遠心分離器20の排出口144に接続されている。
この第2のライン22は、チューブ41、42および43の接続用分岐コネクター22bを備えている。
【0041】
また、第2のライン22に沿って、遠心分離器20側より、濁度センサ14および気泡センサ34が設置されている。この場合、濁度センサ14および気泡センサ34は、遠心分離器20と分岐コネクター22bとの間に配置されている。
【0042】
また、分岐コネクター22bには、チューブ41を介して通気性かつ菌不透過性のフィルター22fが接続されている。このラインは、例えば、第2のライン22の内圧の検出等に用いることができる。
【0043】
第3のライン37は、その一端側が分岐コネクター21fに接続され、他端側が血漿採取バッグ25に接続されている。この第3のライン37は、チューブ49および50と接続用分岐コネクター22dとを備えている。
【0044】
チューブ50は、第1のライン21のポンプチューブ21gより採血針29側に接続され、チューブ49は、チューブ50に接続されている。
【0045】
このチューブ49と、チューブ50と、接続用分岐コネクター22dとで第3のライン37の主要部が構成される。
【0046】
第4のライン23は、その一端が第1のライン21に設けられた接続用分岐コネクター21cに接続されている。すなわち、第4のライン(流路)23は、分岐コネクター21cを介して第1のライン(流路)21から分岐している。また、分岐コネクター21cは、採血針29の近傍に位置している(設けられている)。
【0047】
この第4のライン23は、分岐コネクター21c側より、第2のポンプチューブ23aと、除菌フィルター(異物除去用フィルター)23bと、気泡除去用チャンバー23cと、抗凝固剤容器接続用針23dとを備えている。
【0048】
また、第4のライン23に沿って、気泡センサ31が設置されている。この気泡センサ31は、分岐コネクター21cと第2のポンプチューブ23aとの間に配置されている。
【0049】
この第4のライン23の抗凝固剤容器接続用針23dは、抗凝固剤(抗凝固剤液)が収納(収容)された図示しない容器に接続され、これにより、容器内の抗凝固剤は、後述するように、抗凝固剤容器接続用針23dから分岐コネクター21cに向かって第4のライン23を流れ、採血針側第1ライン21aに供給(注入)される。これにより、例えば、第4のライン23を介して、採血針29により採取された血液に抗凝固剤を添加(混合)することができる。
【0050】
なお、抗凝固剤としては、特に限定されないが、例えば、ACD−A液等を用いることができる。
【0051】
血漿採取バッグ25は、血漿を採取(貯留)するための容器である。チューブ49の一端は、この血漿採取バッグ25に接続され、その途中に接続用分岐コネクター22dが設けられている。そして、チューブ50の一端は、この分岐コネクター22dに接続され、他端は、分岐コネクター21fに接続されている。
【0052】
また、フィルター21iには、採血針側第1ライン21a(チャンバー21d)の内圧を検出する圧力センサ(圧力検出手段)38が接続されている。
【0053】
また、チューブ43の一端は、分岐コネクター22bに接続され、その他端には、接続用分岐コネクター22cが設けられている。そして、チューブ44の一端は、この分岐コネクター22cに接続され、他端は、血漿採取バッグ25に接続されている。
【0054】
また、チューブ46の途中には、そのチューブ46に沿って、気泡センサ33が設置されている。
【0055】
なお、血漿採取バッグ25は、チューブ43および44を介して第2のラインに接続されている。この血漿採取バッグ25、チューブ43および44により、血漿を採取する血漿採取用分岐ラインが構成されている。
【0056】
血液成分採取バッグである血小板(血小板製剤)採取バッグ26は、後述する白血球除去フィルター261を通過した後の血小板を含む血漿を採取(貯留)するための容器である。なお、以下の説明では、血小板を含む血漿を、「濃厚血小板」と言い、血小板採取バッグ26内に採取(貯留)された濃厚血小板を、「血小板製剤」と言う。
【0057】
チューブ51の一端は、この血小板採取バッグ26に接続され、その他端にはバッグ28が接続されている。
【0058】
エアーバッグ27bは、空気(エアー)を一時的に収納(貯留)するための容器である。
【0059】
後述する採血の際は、遠心分離器20の貯血空間146内等の血液成分採取回路2内の空気(滅菌空気)は、このエアーバッグ27b内に移送され、収納される。そして、返血工程(血液成分返還工程)の際、エアーバッグ27b内に収納されている空気は、遠心分離器20の貯血空間146内に移送され、戻される。これにより、所定の血液成分が、ドナーへ返還される。
【0060】
チューブ42の一端は、分岐コネクター22bに接続され、他端は、このエアーバッグ27bに接続されている。
【0061】
中間バッグ(一時貯留バッグ)27aは、濃厚血小板を一時的に貯留するための容器(貯留部)である。チューブ45の一端は、分岐コネクター22cに接続され、他端は、この中間バッグ27aに接続されている。
【0062】
また、チューブ46の一端は、この中間バッグ27aに接続され、その他端には、接続用分岐コネクター22eが設けられている。前記チューブ49の他端は、この分岐コネクター22eに接続されている。
【0063】
また、接続用分岐コネクター22eには、チューブ47の一端が接続され、このチューブ47の途中には、濃厚血小板中から白血球(所定の細胞)を分離除去する白血球除去フィルター(細胞分離フィルター)(濾過器)261が設置されている。
【0064】
また、チューブ47の他端には、接続用分岐コネクター22gが設けられており、一端が前記血小板採取バッグ26に接続されたチューブ48の他端が、この分岐コネクター22gに接続されている。
【0065】
また、分岐コネクター22gのポートには、ベントフィルターが設けられたフィルター本体およびキャップを備えたフィルター22hが設置されている。
【0066】
また、血小板採取バッグ26は、チューブ48、白血球除去フィルター261、チューブ47、46、中間バッグ27a、チューブ45、43を介して第2のラインに接続されている。
【0067】
ここで、チューブ46および47は、中間バッグ27aから白血球除去フィルター261に濃厚血小板を供給する供給用チューブを構成し、また、チューブ48は、白血球除去フィルター261から白血球を分離除去した後の濃厚血小板を排出する(血小板採取バッグ26に供給する)排出用チューブを構成する。
【0068】
すなわち、チューブ46、47、48、中間バッグ27a、白血球除去フィルター261および血小板採取バッグ26により、濃厚血小板から白血球を分離除去する濾過ラインが構成されている。
【0069】
血液成分採取装置1を組み立てた状態で(血液成分採取装置1を使用する際)、これらの中間バッグ27a、白血球除去フィルター261、血小板採取バッグ26および血漿採取バッグ25は、それぞれ、中間バッグ27aが血漿採取バッグ25より低い位置に、白血球除去フィルター261が中間バッグ27aより低い位置に、さらに、血小板採取バッグ26が白血球除去フィルター261より低い位置にセットされる(位置する)。そして、中間バッグ27aおよび血漿採取バッグ25は、それぞれ、分岐コネクター21f(分岐部)より高い位置(鉛直方向上方)に位置する。また、血漿採取バッグ25は、使用する際に、血漿採取バッグ25の血漿の出口側が鉛直方向下方になるようにセットされているのが好ましい。これによって、血漿採取バッグ25内の血漿を落差(自重)により容易かつ確実に、分岐コネクター21fを介して第1のライン21に供給することができる。
【0070】
また、白血球除去フィルター261としては、例えば、両端に流入口および排出口を有するケーシング内に、例えば、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド等の合成樹脂よりなる織布、不織布、メッシュ、発泡体等の多孔質体を1層または2層以上積層した濾過部材を挿入して構成したもの等を用いることができる。
【0071】
上述した第1〜第4のライン21、22、37、23の形成に使用される各チューブ、各ポンプチューブ21g、23a、さらに、その他の各チューブ41〜51、21hの構成材料としては、それぞれ、ポリ塩化ビニルが好ましい。
【0072】
これらのチューブがポリ塩化ビニル製であれば、十分な可撓性、柔軟性が得られるので取り扱いがし易く、また、クレンメ等による閉塞にも適するからである。
【0073】
また、上述した各分岐コネクター21c、21f、22b、22c、22d、22e、22gの構成材料についても、それぞれ、前記チューブで挙げた構成材料と同様のものを用いることができる。
【0074】
なお、各ポンプチューブ21g、23aとしては、それぞれ、後述する各送液ポンプ(例えば、ローラーポンプ等)11、12により押圧されても損傷を受けない程度の強度を備えるものが使用されている。
【0075】
血漿採取バッグ25、血小板採取バッグ26、中間バッグ27a、エアーバッグ27b、バッグ28は、それぞれ、樹脂製の可撓性を有するシート材を重ね、その周縁部を融着(熱融着、高周波融着、超音波融着等)または接着剤により接着等して袋状にしたものが使用される。なお、前述したように、エアーバッグ27bと中間バッグ27aとは、一体的に形成(一体化)されている。
【0076】
各バッグ25、26、27a、27b、28に使用される材料としては、それぞれ、例えば、軟質ポリ塩化ビニルが好適に使用される。
【0077】
なお、血小板採取バッグ26に使用されるシート材としては、血小板保存性を向上するためにガス透過性に優れるものを用いることがより好ましい。
【0078】
このようなシート材としては、例えば、ポリオレフィンやDnDP可塑化ポリ塩化ビニル等を用いること、また、このような素材を用いることなく、上述したような材料のシート材を用い、厚さを比較的薄く(例えば、0.1〜0.5mm程度、特に、0.1〜0.3mm程度)したものが好適である。
【0079】
このような血液成分採取回路2の主要部分は、図示しないが、例えば、カセット式となっている。すなわち、血液成分採取回路2は、各ライン(第1のライン21、第2のライン22、第3のライン37、第4のライン23)および所定の各チューブを部分的に収納し、かつ部分的にそれらを保持し、言い換えれば、部分的にそれらが固定されたカセットハウジングを備えている。
【0080】
血液成分採取回路2に設けられている遠心分離器20は、通常、遠心ボウルと呼ばれており、遠心力により血液を複数の血液成分に分離する。
【0081】
遠心分離器20は、図2に示すように、上端に流入口143が形成された鉛直方向に伸びる管体141と、管体141の回りで回転し、上部145に対し液密にシールされた中空のローター142とを有している。
【0082】
ローター142には、その周壁内面に沿って環状の貯血空間146が形成されている。この貯血空間146は、図2中下部から上部に向けてその内外径が漸減するような形状(テーパ状)をなしており、その下部は、ローター142の底部に沿って形成されたほぼ円盤状の流路を介して管体141の下端開口に連通し、その上部は、排出口(流出口)144に連通している。また、ローター142において、貯血空間146の容積は、例えば、100〜350mL程度とされ、ローター142の回転軸からの最大内径(最大半径)は、例えば、55〜65mm程度とされる。
【0083】
このようなローター142は、血液成分採取装置1が備える遠心分離器駆動装置10によりあらかじめ設定された所定の遠心条件(回転速度および回転時間)で回転する。この遠心条件により、ローター142内の血液の分離パターン(例えば、分離する血液成分数)を設定することができる。
【0084】
本実施形態では、図2に示すように、血液がローター142の貯血空間146内で内層より血漿層131、バフィーコート層132および赤血球層133に分離されるように遠心条件が設定される。
【0085】
次に、図1に示す血液成分採取装置1の全体構成について説明する。
血液成分採取装置1は、遠心分離器20のローター142を回転させるための遠心分離器駆動装置10と、第1のライン21の途中に設置された第1の送液ポンプ11と、第4のライン23の途中に設置された第2の送液ポンプ12と、血液成分採取回路2(第1のライン21、チューブ42、チューブ44、チューブ45、チューブ47、チューブ49、チューブ50)の流路の途中を開閉し得る複数の流路開閉手段81、82、83、84、85、86、87と、各種の情報を表示(報知)する表示部(報知手段)17と、遠心分離器駆動装置10、第1の送液ポンプ11、第2の送液ポンプ12、複数の流路開閉手段81〜87および表示部17を制御するための制御部(制御手段)13とを備えている。
【0086】
さらに、血液成分採取装置1は、第2のライン22に装着(設置)された濁度センサ14と、遠心分離器20の近傍に設置された光学式センサ15と、複数の気泡センサ31〜36と、血漿の重量を血漿採取バッグ25ごと重量測定するための重量センサ16と、圧力センサ38とを備えている。
【0087】
制御部13は、第1の送液ポンプ11および第2の送液ポンプ12のための2つのポンプコントローラ(図示せず)を備え、制御部13と第1の送液ポンプ11および第2の送液ポンプ12とはポンプコントローラを介して電気的に接続されている。
【0088】
遠心分離器駆動装置10が備える駆動コントローラ(図示せず)は、制御部13と電気的に接続されている。
各流路開閉手段81〜87は、それぞれ、制御部13に電気的に接続されている。
【0089】
また、濁度センサ14、光学式センサ15、重量センサ16、気泡センサ31〜36、圧力センサ38、表示部17は、それぞれ、制御部13と電気的に接続されている。
【0090】
制御部13は、例えばマイクロコンピュータで構成されており、制御部13には、上述した濁度センサ14、光学式センサ15、重量センサ16、気泡センサ31〜36、圧力センサ38からの検出信号が、それぞれ、随時入力される。
【0091】
制御部13は、濁度センサ14、光学式センサ15、重量センサ16、気泡センサ31〜36、圧力センサ38からの検出信号に基づき、予め設定されたプログラムに従って、血液成分採取装置1の各部の作動、すなわち、各送液ポンプ11、12の回転、停止、回転方向(正転/逆転)を制御するとともに、必要に応じ、各流路開閉手段81〜87の開閉、遠心分離器駆動装置10の作動および表示部17の駆動をそれぞれ制御する。
【0092】
第1の流路開閉手段81は、第1のポンプチューブ21gより採血針29側、すなわち、分岐コネクター21fとチャンバー21dとの間において第1のライン21を開閉するために設けられている。
【0093】
第2の流路開閉手段82は、チューブ50を開閉するために設けられている。第3の流路開閉手段83は、チューブ44を開閉するために設けられている。第4の流路開閉手段84は、チューブ45を開閉するために設けられている。第5の流路開閉手段85は、チューブ42を開閉するために設けられている。第6の流路開閉手段86は、チューブ49を開閉するために設けられている。第7の流路開閉手段87は、チューブ47を開閉するために設けられている。
【0094】
各流路開閉手段81〜87は、それぞれ、第1のライン21、チューブ50、44、45、42、49、47を挿入可能な挿入部を備え、該挿入部には、例えば、ソレノイド、電動モータ、シリンダ(油圧または空気圧)等の駆動源で作動するクランプを有している。具体的には、ソレノイドで作動する電磁クランプが好適である。
【0095】
これらの流路開閉手段(クランプ)81〜87は、それぞれ、制御部13からの信号に基づいて作動する。
【0096】
表示部17は、例えば、液晶表示パネル、EL表示パネル等で構成される。この表示部17は、表示および操作を行う表示・操作部であってもよく、この場合は、例えば、液晶表示パネル、EL表示パネル等を備えたタッチパネル等で構成される。
【0097】
遠心分離器駆動装置10は、図2に示すように、遠心分離器20を収納するハウジング201と、脚部202と、駆動源であるモータ203と、遠心分離器20を保持する円盤状の固定台205とを有している。
【0098】
ハウジング201は、脚部202の上部に載置、固定されている。また、ハウジング201の下面には、ボルト206によりスペーサー207を介してモータ203が固定されている。
【0099】
モータ203の回転軸204の先端部には、固定台205が回転軸204と同軸でかつ一体的に回転するように嵌入されており、固定台205の上部には、ローター142の底部が嵌合する凹部が形成されている。
【0100】
また、遠心分離器20の上部145は、図示しない固定部材によりハウジング201に固定されている。
【0101】
このような遠心分離器駆動装置10では、モータ203を駆動すると、固定台205およびそれに固定されたローター142が、例えば、回転数3000〜6000rpm程度で回転する。
【0102】
ハウジング201には、その側部(図2中、左側)に光学式センサ15が設置されている。
【0103】
この光学式センサ15は、貯血空間146に向かって投光するとともにその反射光を受光するように構成されている。
【0104】
光学式センサ15は、投光部151から光(例えばレーザー光)を照射(投光)し、ローター142の反射面147で反射された反射光を受光部152で受光する。そして、受光部152においてその受光光量に応じた電気信号に変換される。
【0105】
ここで、光学式センサ15は、片面に反射面を有し、光路を変更する反射板153を有しており、投光部151から照射された光は、反射板153を介して反射面147に照射され、反射面147で反射した光は、反射板153を介して受光部152で受光されるように構成されている。
【0106】
このとき、投光光および反射光は、それぞれ、貯血空間146内の血液成分を透過するが、血液成分の界面(本実施形態では、血漿層131とバフィーコート層132との界面B)の位置に応じて、投光光および反射光が透過する位置における各血液成分の存在比が異なるため、それらの透過率が変化する。これにより、受光部152での受光光量が変動(変化)し、この変動を受光部152からの出力電圧の変化として検出することができる。
【0107】
すなわち、光学式センサ15は、受光部152での受光光量の変化に基づき、血液成分の界面の位置を検出することができる。
【0108】
なお、光学式センサ15が検出する血液成分の界面としては、界面Bに限られず、例えば、バフィーコート層132と赤血球層133との界面であってもよい。
【0109】
ここで、貯血空間146内の各層131〜133は、それぞれ、血液成分により色が異なっており、特に、赤血球層133は、赤血球の色に伴い赤色を呈している。このため、光学式センサ15の精度向上の観点からは、投光光の波長に好適な範囲が存在し、この波長範囲としては、特に限定されないが、例えば、600〜900nm程度であるのが好ましく、750〜800nm程度であるのがより好ましい。
【0110】
濁度センサ14は、第2のライン22中を流れる流体の濁度(血小板の濃度)を検知するためのものであり、濁度に応じた電圧値を出力する。具体的には、濁度センサ14は、濁度が高い時には低電圧値、濁度が低い時には高電圧値を出力する。
【0111】
この濁度センサ14により、例えば、第2のライン22中を流れる血漿中の血小板濃度、血漿中の血小板濃度の変化、血漿中への赤血球の混入等を検出することができる。
【0112】
また、気泡センサ34により、例えば、第2のライン22中を流れる流体の空気から血漿への置換等を検出することができる。
【0113】
濁度センサ14および各気泡センサ31〜36としては、それぞれ、例えば、超音波センサ、光学式センサ、赤外線センサ等を用いることがきる。
【0114】
第1のポンプチューブ21gが装着される第1の送液ポンプ11、および、第2のポンプチューブ23aが装着される第2の送液ポンプ12としては、それぞれ、例えば、ローラーポンプなどの非血液接触型ポンプが好適に用いられる。
【0115】
また、第1の送液ポンプ(血液ポンプ)11としては、いずれの方向にも血液を送ることができるものが使用される。具体的には、正回転と逆回転が可能なローラーポンプが用いられている。
【0116】
この血液成分採取装置1は、ドナーから血液を採取する際に、血漿採取バッグ25に採取された血漿を第3のライン37を介して第1のライン21の第1の送液ポンプ11の上流側に落差(自重で)供給することによりドナーからの血液と血漿採取バッグ25内の血漿とを混合する血漿送液工程(血漿送液操作)を行う。
【0117】
この血漿送液工程は、血漿採取バッグ25内に、所定量の血漿が採取されているときに行われる。
【0118】
この血漿送液工程を行うことにより、血液の流速を上げて遠心分離器20に導入することができる。
【0119】
これにより、遠心分離器内で生じる微小溶血(溶血)等を抑制(または防止)することができ、品質の高い血液成分を得ることができる。
【0120】
また、前記血漿送液工程の際、制御部13は、重量センサ16を用いてドナーから採取される血液の単位時間当たりの流量をモニターし、採血速度が、所定速度範囲を下回ったら、第2の流路開閉手段82を閉塞して血漿の添加を中止するように制御し、ドナーからの採血のみを行う。
【0121】
これにより、ドナーからの採血を確実にする。ドナーからの採血が確実であれば、第1の送液ポンプ11の速度を所定値で維持することにより安定に血漿を添加できるため、確実に高速度で遠心分離器20に血液を供給することができる。
【0122】
具体的には、制御部13は、重量センサ16の検出値の変化率をモニターし、所定速度範囲(設定速度の50〜100%、好ましくは60mL/分程度)を維持できない場合は、血漿採取バッグ25からの血漿のみが遠心分離器20に流入しないように第2の流路開閉手段を閉塞し、第1の送液ポンプ11の回転速度(速度)を下げてドナーからの血流の回復を待つように制御する。所定速度範囲を維持できる場合は、そのまま継続する。以上の制御により、採血に必要なドナーからの血流が確実に確保され(ドナーからの血流が確実に得られ)、血漿採取バッグ25からの血漿のみが回路内で循環することを防止することができる。
【0123】
このとき、ドナーからの血流をより確実に確保するために、第3のライン37の流路に抵抗を設けるのが好ましい。具体的には、第3のライン37のチューブ49、50の少なくとも一部が、他のチューブ内径よりも小さいことが好ましく、具体的には1.5〜2.8mm程度であることが好ましい。このための手段として第3のライン37は、ドナーから血液を採取する際に、血漿採取バッグ25からの血漿が添加される速度を抑えるように、第3のライン37を流れる血漿の流量を規制する図示しない狭窄部(狭窄手段)を設けてもよい。例えば、この狭窄部では、第3のライン37のチューブ49またはチューブ50の所定部位の流路の途中で横断面積を、第3のライン37の他の部位の流路の横断面積よりも小さくすることにより、ドナーからの血流を優先的に吸引しつつ血漿を添加することを容易かつ確実にする。
【0124】
また、供血者からの採血速度が所定範囲で安定している場合は、制御部13は、圧力センサ38の検出結果に基づいて、採血針側第1ライン21a(第1の送液ポンプ11より上流側(ドナー側)の第1のライン21)の内圧が所定値(略一定)になるように第1の送液ポンプ11の駆動を制御する。これにより、ドナーから採取される血液の単位時間当たりの流量の変動に関係なく、略一定の速度で血漿を添加できるため、確実に高速度で遠心分離器20に血液を供給することができる。
【0125】
具体的には、制御部13は、圧力センサ38の検出値が所定値(好ましくは−8kPa程度)よりも大きい場合は、第1の送液ポンプ11の回転速度(速度)を増大させ、より多量の血液および血漿を遠心分離器20に導入する。これによって、採血針側第1ライン21aの内圧が下がる。また、圧力センサ38の検出値が所定値(好ましくは−8kPa程度)よりも小さい場合は、第1の送液ポンプ11の回転速度を減少させ、血液および血漿の量を減らして遠心分離器20に導入する。これによって採血針側第1ライン21aの内圧が上がる。以上の制御により、採血針側第1ライン21aの内圧が所定値に保たれる。
【0126】
なお、採血針側第1ライン21aの内圧の所定値は、−1kPa〜−8kPaの範囲のいずれかに設定されるのが好ましい。
【0127】
次に、血液成分採取装置1を用いた血小板採取操作(血液成分採取操作)を、図1、図3〜図6に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
【0128】
血液成分採取装置1は、制御部13の制御により、第1の血漿採取工程と、第2の血漿採取工程と、第3の血漿採取工程と、血小板採取工程と、遠心分離器20を停止する工程と、返血工程(血液成分返還工程)とを有する血小板採取操作(血液成分採取操作)を行うよう作動する。この血小板採取操作は、少なくとも1回行われる。
【0129】
本実施形態では、血小板採取操作を繰り返して複数回(第1サイクル〜第nサイクル、nは2以上の整数)行うようになっている。
【0130】
第1サイクルでは、第1の血漿採取工程終了後、第2の血漿採取工程および第3の血漿採取工程と並行して血漿送液工程を行うよう構成されている。
【0131】
また、第2サイクル以降では、第1の血漿採取工程〜第3の血漿採取工程と並行して血漿送液工程を行うよう構成されている。但し、第2のサイクル以降の第1の血漿採取工程では、血漿採取バッグ25内に所定量存在する場合(所定量の血漿が採取されている場合)にのみ行う。
【0132】
また、最終サイクルの血小板採取操作を行うのに並行して、血液成分採取装置1は、制御部13の制御により、中間バッグ27a内に一時的に採取(貯留)した濃厚血小板を、白血球除去フィルター261に供給して、濃厚血小板中の白血球を分離除去する濾過操作(濾過工程)を行うよう構成されている。
【0133】
この濾過操作を開始するタイミングは、特に限定されないが、ドナーの拘束時間を短縮する観点からは、この濾過操作を、最終サイクルの血小板採取操作と同時に(特に、血小板採取操作の早い段階の工程において)開始するのが好ましい。なお、本実施形態の血液成分採取装置1では、濾過操作を最終サイクルの血小板採取操作における第2の血漿採取工程の開始と略同時に開始するように構成されているが、フローチャートには、その濾過操作(濾過工程開始)のステップの記載を省略する。
【0134】
[0] まず、最初に、第4のライン23と第1のライン21の採血針29からチャンバー21dまでを、抗凝固剤でプライミングし、その後、ドナー(供血者)の血管に採血針29を穿刺する。
【0135】
[1] 第1サイクルの血小板採取操作(図3および図4参照)
[11] まず、血液成分採取装置1は、第1の血漿採取工程を行う。第1の血漿採取工程では、ローター142の貯血空間146内に血液を導入し、血液を遠心分離することにより分離された血漿(PPP)を血漿採取バッグ25内に採取する。
【0136】
第1の血漿採取工程では、まず、制御部13は、血漿の採取を行う(図3のステップS101)。
【0137】
具体的には、制御部13の制御により、第1の流路開閉手段81および第5の流路開閉手段85を開放し、他の流路開閉手段を閉塞した状態で、第1の送液ポンプ11を所定の回転速度(好ましくは250mL/min以下程度、より好ましくは40〜150mL/min程度、例えば60mL/min)で作動(正転)して、ドナーから採血を開始する。
【0138】
また、この採血と同時に、制御部13の制御により、第2の送液ポンプ12を作動して、第4のライン23を介して、例えばACD−A液のような抗凝固剤を供給し、この抗凝固剤を採血血液中に混入させる。
【0139】
このとき、第2の送液ポンプ12の回転速度は、制御部13により、採血血液に対して抗凝固剤が所定比率(好ましくは1/20〜1/6程度、例えば1/10)で混合されるように制御される。
【0140】
これにより、血液(抗凝固剤添加血液)は、第1のライン21を介して移送され、遠心分離器20の流入口143より管体141を経てローター142の貯血空間146内に導入される。
【0141】
このとき、遠心分離器20内の空気(滅菌空気)は、第2のライン22およびチューブ42を介してエアーバッグ27b内に送り込まれる。
【0142】
また、前記採血と同時にまたはこれと前後して、制御部13は、遠心分離器駆動装置10を作動し、ローター142を所定の回転数で回転するよう制御する。
【0143】
このローター142の回転により、貯血空間146内に導入された血液は、内側から血漿層(PPP層)131、バフィーコート層(BC層)132、赤血球層(CRC層)133の3層に分離される。
【0144】
なお、ローター142の回転数としては、好ましくは3000〜6000rpm程度、より好ましくは4200〜5800rpm程度とされる。また、以下の工程において、特に記載しない限り、制御部13は、ローター142の回転数を変更させない。
【0145】
さらに、前記採血および前記抗凝固剤の供給を継続し、貯血空間146の容量を越える血液(約270mL)が貯血空間146内に導入されると、貯血空間146内は血液により満たされ、遠心分離器20の排出口144から血漿(PPP)が流出する。
【0146】
このとき、第2のライン22に設置された気泡センサ34は、第2のライン22中を流れる流体が、空気から血漿に変わったことを検出し、制御部13は、この気泡センサ34の検出信号に基づき、第5の流路開閉手段85を閉塞し、かつ、第3の流路開閉手段83を開放するよう制御する。
【0147】
これにより、第2のライン22、チューブ43および44を介して血漿を血漿採取バッグ(第3の容器)25内に導入、採取する。
【0148】
なお、血漿採取バッグ25は、その重量が重量センサ16により計測されており、計測された重量信号は制御部13に入力される。
【0149】
次いで、制御部13は、重量センサ16からの情報(重量信号)に基づき、血漿採取バッグ25内に所定量の血漿が採取されたか否かを判断する(図3のステップS102)。
【0150】
なお、この血漿の採取量(所定量)としては、好ましくは10〜150g程度、より好ましくは20〜40g程度とされる。
【0151】
ステップS102において、血漿採取バッグ25内に所定量の血漿が採取されていない場合には、制御部13は、ステップS101に戻り、再度、ステップS101以降を繰り返す。
【0152】
また、ステップS102において、血漿採取バッグ25内に所定量の(所定量以上の)血漿が採取された場合には、制御部13は、本工程[11](第1の血漿採取工程)を終了して、血漿送液工程を開始する(ステップS103)。
【0153】
[12] 次に、血液成分採取装置1は、血漿送液工程を行う。血漿送液工程では、血漿採取バッグ25内に採取された血漿を第3のライン37を介して分岐コネクター21f(第1の送液ポンプ11の上流側(ドナー側))に送液(供給)してドナーから採取した血液と混合する。
【0154】
具体的には、まず、制御部13の制御により、第2の流路開閉手段82を開放する。次に、制御部13は、重量センサ16の検出結果に基づいて、第1の送液ポンプ11の回転速度を、採血速度が一定になるように制御する。この採血速度としては、好ましくは、90〜200mL/min程度、より好ましくは100〜150mL/min程度とされる。
【0155】
なお、ドナーからの採血速度は、50〜90mL/minとなるのが好ましい。
この血漿送液工程により、血漿採取バッグ25内に採取された血漿と、ドナーから採取した血液とが混合されるによって、第1のラインの流量を増加させることにより、ドナーのヘマトクリット値によらず、所定の比較的早い速度で、血液を貯血空間146内(遠心分離器20)に導入することができる。
【0156】
このとき、前述したように、重量センサ16により単位時間あたりの血漿採取バッグ25の重量の変化が計測(モニター)されており、制御部13は、この重量センサ16からの情報に基づき、ドナーからの採血速度を判断し、ドナーからの採血速度がゼロに近づいた場合には、第2の流路開閉手段82を閉塞し、第1の送液ポンプ11の作動を止めて、血流の回復を待つ。そして、制御部13は、圧力センサ38からの検出信号を確認し、圧力が回復してきたら採血を再開する。また、ドナーからの採血速度が所定値未満の場合は、血漿を添加せずに、しばらく採血を行って様子をみて、ドナーからの採血速度が所定値以上となった場合は、ドナーからの採血速度が安定してきたと判断し、第2の流路開閉手段82を開放し、第1の送液ポンプ11の作動を開始して血漿採取バッグ25内に採取された血漿の添加を再開する。
【0157】
[13] 次に、血液成分採取装置1は、第2の血漿採取工程を行う。第2の血漿採取工程では、ローター142の貯血空間146内に混合された血液および血漿を導入し、混合された血液および血漿を遠心分離することにより分離された血漿を血漿採取バッグ25内に採取する。
【0158】
なお、この第2の血漿採取工程では、血漿層131とバフィーコート層132との界面Bの位置を検出する以外、前記工程[11](第1の血漿採取工程)と同様の工程を行う。
【0159】
第2の血漿採取工程では、まず、制御部13は、血漿の採取を行う(図3のステップS104)。
【0160】
これにより、貯血空間146内の赤血球量が増加、すなわち、赤血球層133の層厚が増大するのに伴い、界面Bも徐々にローター142の回転軸方向へ移動する。
【0161】
次いで、制御部13は、光学式センサ15からの検出信号(界面位置検出情報)に基づき、界面Bが所定レベル(第1の位置)に到達したか否かを判断する(図3のステップS105)。
【0162】
なお、この界面Bの第1の位置としては、第1の光学式センサ15からの検出信号(受光部152からの出力電圧)が、好ましくは1〜2V程度となった時点の位置とされる。
【0163】
ステップS105において、界面Bが第1の位置に到達していない場合には、制御部13は、ステップS104に戻り、再度、ステップS104以降を繰り返す。
【0164】
また、ステップS105において、界面Bが第1の位置に到達した場合には、制御部13は、本工程[13](第2の血漿採取工程)を終了して、第3の血漿採取工程に移行する。
【0165】
[14] 次に、血液成分採取装置1は、第3の血漿採取工程を行う。第3の血漿採取工程では、ローター142の貯血空間146内に混合された血液および血漿を導入し、混合された血液および血漿を遠心分離することにより分離された血漿を血漿採取バッグ25内に採取する。
【0166】
第3の血漿採取工程では、まず、制御部13は、血漿の採取を行う(図3のステップS106)。
【0167】
次いで、制御部13は、第1の送液ポンプ11の1回転当たりの送液量および回転回数に基づき、血漿採取バッグ25内に所定量の血漿が採取されたか否かを判断する(図3のステップS107)。
【0168】
なお、この血漿の採取量(所定量)としては、好ましくは2〜30g程度、より好ましくは5〜15g程度とされる。
【0169】
また、ステップS107において、血漿採取バッグ25内に所定量の血漿が採取された場合には、血漿送液工程を終了するとともに採血を中断する。
【0170】
具体的には、制御部13の制御により、第1の流路開閉手段81および第2の流路開閉手段82を閉塞する(ステップS108)。
【0171】
そして、制御部13は、本工程[14](第3の血漿採取工程)を終了して、血小板採取工程に移行する(図4の1に移行する)。
【0172】
[15] 次に、血液成分採取装置1は、血小板採取工程を行う。血小板採取工程では、血漿採取バッグ25内の血漿を、貯血空間146内に第1の加速度にて加速させながら循環させ、次いで、第1の加速度より大きい第2の加速度に変更して、この第2の加速度にて加速させながら循環させて、貯血空間146内より血小板を流出させ、濃厚血小板を中間バッグ27a内に採取(貯留)する。
【0173】
血小板採取工程では、まず、制御部13は、第1の加速度による血漿循環を行う(図4のステップS109)。
【0174】
具体的には、制御部13の制御により、第1の流路開閉手段81を閉塞し、第2の流路開閉手段82を開放するとともに、第2の送液ポンプ12を停止し、かつ、第1の送液ポンプ11の回転速度を第1の加速度にて増加(増大)するよう作動(正転)する。
【0175】
これにより、採血を中断するとともに、血漿採取バッグ25内の血漿をチューブ49、50および第1のライン21を介して貯血空間146内に第1の加速度にて加速させながら導入し、遠心分離器20の排出口144から流出してきた血漿を第2のライン22、チューブ43および44を介して血漿採取バッグ25内に回収する。すなわち、血漿採取バッグ25内の血漿を貯血空間146内に第1の加速度にて加速させながら循環させる。
【0176】
このとき、貯血空間146内に血漿を第1の加速度にて加速させながら循環すると、赤血球層133の拡散(層厚の増大)が生じて、界面Bも徐々にローター142の回転軸方向へ移動する。
【0177】
この第1の加速度としては、好ましくは0.5〜10mL/min/sec程度、より好ましくは1.5〜2.5mL/min/sec程度とされる。なお、第1の加速度は、一定でなくてもよく、例えば、前記範囲内で段階的または連続的に変化するものであってもよい。
【0178】
また、第1の加速度による血漿循環での第1の送液ポンプ11の初速としては、好ましくは40〜150mL/min程度、より好ましくは50〜80mL/min程度とされる。
【0179】
次いで、制御部13は、血漿の貯血空間146内への循環速度が所定速度に到達するまで、ステップS109を継続する(図4のステップS110)。
【0180】
なお、この所定の速度、すなわち、第1の加速度による血漿循環が終了するときの第1の送液ポンプ11の回転速度としては、好ましくは100〜180mL/min程度、より好ましくは140〜160mL/min程度とされる。
【0181】
また、ステップS110において、血漿の貯血空間146内への循環速度が所定速度に到達した場合には、制御部13は、第2の加速度による血漿循環を行う(図4のステップS111)。
【0182】
具体的には、制御部13の制御により、第1の送液ポンプ11の加速度を、第1の加速度から第2の加速度に変更して、第1の送液ポンプ11の回転速度を第2の加速度にて増加(増大)するよう作動(正転)する。これにより、血漿採取バッグ25内の血漿を貯血空間146内に第2の加速度にて加速させながら循環させる。
【0183】
このとき、貯血空間146内に血漿を第2の加速度にて加速させながら循環すると、赤血球層133の拡散(層厚の増大)が生じて、界面Bも徐々にローター142の回転軸方向へ移動するとともに、バフィーコート層132中の血小板(PC)が遠心力に抗して浮上し(舞い上がり)、ローター142の排出口144へ向かって移動する。
【0184】
この第2の加速度としては、第1の加速度より大きくなるよう設定され、好ましくは3〜20mL/min/sec程度、より好ましくは5〜10mL/min/sec程度とされる。なお、第2の加速度は、一定でなくてもよく、例えば、前記範囲内で段階的または連続的に変化するものであってもよい。
【0185】
次いで、制御部13は、血漿の貯血空間146内への循環速度が所定速度に到達したか否か、すなわち、第1の送液ポンプ11の回転速度が所定速度(好ましくは120〜300mL/min程度、例えば200mL/min)に到達したか否かを判断する(図4のステップS112)。
【0186】
ステップS112において、血漿の貯血空間146内への循環速度が所定速度に到達していない場合には、制御部13は、ステップS111に戻り、再度、ステップS111以降を繰り返す。
【0187】
また、ステップS112において、血漿の貯血空間146内への循環速度が所定速度に到達した場合には、制御部13は、血漿循環を継続する(図4のステップS113)。
【0188】
具体的には、制御部13は、第1の送液ポンプ11の回転速度を、前記ステップS112における所定速度で維持(保持)するよう制御する。これにより、血漿の貯血空間146内への循環速度を、好ましくは120〜300mL/min程度、例えば200mL/minとする。
【0189】
次いで、制御部13は、ステップS113を開始してから所定時間(好ましくは5〜15秒程度、例えば10秒)が経過したか否かを判断する(図4のステップS114)。
【0190】
ステップS114において、ステップS113を開始してから所定時間が経過していない場合には、次いで、制御部13は、濁度センサ14からの出力電圧(PC濃度電圧)が所定値(好ましくは2.5〜3.5V程度、例えば、3.0V)以下に低下したか否かを判断する(図4のステップS115)。
【0191】
ステップS115において、濁度センサ14からの出力電圧が所定値以下に低下していない場合には、制御部13は、ステップS113に戻り、再度、ステップS113以降を繰り返す。
【0192】
ステップS113〜S115を繰り返している間に、ステップS114において、ステップS113を開始してから所定時間が経過した場合には、制御部13は、本工程[15](血小板採取工程)を終了して、後述するステップS120に移行する。
【0193】
また、ステップS115において、濁度センサ14からの出力電圧が所定値以下に低下した場合には、すなわち、ローター142の排出口144から血小板が流出するのに伴い、第2のライン22中を流れる血漿中の血小板濃度が所定値以上に到達した場合には、制御部13は、血小板(PC)の採取を行う(図4のステップS116)。
【0194】
具体的には、制御部13は、濁度センサ14の検出信号に基づき、第3の流路開閉手段83を閉塞し、かつ、第4の流路開閉手段84を開放するよう制御する。
【0195】
これにより、第2のライン22、チューブ43および45を介して濃厚血小板を中間バッグ27a内へ導入し、採取(貯留)する。なお、このとき、第7の流路開閉手段87は、閉塞しているため、濃厚血小板は、中間バッグ27a内から流出しない。
【0196】
また、制御部13は、濁度センサ14からの出力電圧(検出信号)に基づき、中間バッグ27a内の血小板濃度(累積PC濃度)を算出する。なお、この血小板濃度は、PC採取を開始してから上昇を続け、一旦、最高濃度に到達した後、下降に転じる。
【0197】
次いで、制御部13は、PC採取を開始してから所定時間(好ましくは10〜25秒程度、例えば15秒)が経過したか否かを判断する(図4のステップS117)。
【0198】
ステップS117において、PC採取を開始してから所定時間が経過していない場合には、次いで、制御部13は、濁度センサ14の出力電圧(PC濃度電圧)が所定値以下に到達したか否かを判断する(図4のステップS118)。
【0199】
この濁度センサ14の出力電圧の所定値としては、第2のライン22中を流れる血漿中に赤血球の混入が生じる時点付近の値とされ、好ましくは0.5V以下程度とされる。
【0200】
ステップS118において、濁度センサ14の出力電圧が所定値以下に到達していない場合には、次いで、制御部13は、中間バッグ27a内の濃厚血小板が所定量に到達したか否かを判断する(図4のステップS119)。
【0201】
なお、この濃厚血小板の採取量(所定量)としては、好ましくは20〜100mL程度、より好ましくは40〜80mL程度とされる。
【0202】
ステップS119において、中間バッグ27a内の濃厚血小板が所定量に到達しない場合には、制御部13は、ステップS116に戻り、再度、ステップS116以降を繰り返す。
【0203】
ステップS116〜S119を繰り返している間に、ステップS117において、PC採取を開始してから所定時間が経過した場合、または、ステップS118において、濁度センサ14の出力電圧が所定値以下に到達した場合には、制御部13は、本工程[15](血小板採取工程)を終了して、後述するステップS120に移行する。
【0204】
また、ステップS119において、中間バッグ27a内の濃厚血小板が所定量に到達した場合には、制御部13は、第5の流路開閉手段85を開放し、この他の全ての流路開閉手段81〜84、86、87を閉塞した状態とし、第1の送液ポンプ11を停止して、本工程[15](血小板採取工程)を終了する。
【0205】
[16] 次に、血液成分採取装置1は、遠心分離器20を停止する工程を行う。
この工程では、まず、制御部13は、遠心分離器20の減速を行う(図4のステップS120)。
【0206】
具体的には、制御部13の制御により、遠心分離器駆動装置10の回転数を減少して、ローター142を減速する。
【0207】
さらに、制御部13は、遠心分離器20の停止を行う(図4のステップS121)。
【0208】
具体的には、制御部13の制御により、遠心分離器駆動装置10の回転を停止して、ローター142を停止する。
【0209】
[17] 次に、血液成分採取装置1は、返血工程を行う。返血工程では、ローター142の貯血空間146内の血液成分(残りの血液成分)を返血する。
返血工程では、制御部13は、返血を行う(図4のステップS122)。
【0210】
具体的には、制御部13の制御により、第1の流路開閉手段81および第5の流路開閉手段85を開放するとともに、第1の送液ポンプ11を所定の回転速度(好ましくは20〜120mL/min程度、例えば90mL/min)で作動(逆転)する。
【0211】
これにより、ローター142の貯血空間146内に残存する血液成分(主に、赤血球、白血球)は、遠心分離器20の流入口143から排出され、第1のライン21(採血針29)を介してドナーに返血(返還)される。
【0212】
そして、気泡センサ32によって遠心分離器20から排出される空気を検出して、所定の回数だけ第1の送液ポンプ11を回転した後、第1の流路開閉手段81および第5の流路開閉手段85を閉塞するとともに、第1の送液ポンプ11を停止して、本工程[17](返血工程)を終了する。
これにより、第1サイクルの血小板採取操作を終了する。
【0213】
[2] 最終サイクルではない第2サイクルの血小板採取操作(図3および図4参照)
続いて、第2サイクルの血小板採取操作を行う。
【0214】
第2サイクルの血小板採取操作以降では、採血開始時点から血漿採取バッグ25内に血漿が所定量存在する場合(所定量の血漿が採取されている場合)には、最初から、血漿送液工程を行うことが可能である。
第2サイクルの血小板採取操作では、下記の操作を行う。
【0215】
[21] まず、制御部13は、第1の血漿採取工程を行う(ステップS301、S302)。なお、この第1の血漿採取工程では、前記工程[11](第1の血漿採取工程)と同様の工程を行う。
【0216】
また、ステップS302において、血漿採取バッグ25内に所定量の(所定量以上の)血漿が採取された場合には、制御部13は、本工程[21](第1の血漿採取工程)を終了して、血漿送液工程に移行する。
【0217】
[22] 次に、血液成分採取装置1は、血漿送液工程を行う(ステップS303)。 なお、この血漿送液工程では、最初に前記工程[12](血漿送液工程)と同様の工程を行う。
【0218】
次に、制御部13は、遠心分離器20の排出口144から血漿が流出しているか否かを判断する(ステップS304)。
【0219】
具体的には、第2のライン22に設置された気泡センサ34が、第2のライン22中を流れる流体が、空気から血漿に変わったことを検出したか否かを判断する。
【0220】
ステップS304において、第2のライン22中を流れる流体が、空気から血漿に変わったことを検出した場合には、制御部13は、第5の流路開閉手段85を閉塞し、かつ、第3の流路開閉手段83を開放するよう制御する。
【0221】
これにより、第2のライン22、チューブ43および44を介して血漿を血漿採取バッグ25内に導入、採取して工程[23](第2の血漿採取工程)に移行する。
【0222】
一方、ステップS304において、第2のライン22中を流れる流体が、空気から血漿に変わっていないこと(第2のライン22中を流れる流体が気体であること)を検出した場合には、制御部13は、重量センサ16からの情報(重量信号)に基づき、血漿採取バッグ25内に所定量の血漿が採取されたか否かを判断する(ステップS305)。
【0223】
ステップS305において、血漿採取バッグ25内に所定量の血漿が採取されている場合には、制御部13は、ステップS302に戻り、再度、ステップS302以降を繰り返す。
【0224】
一方、ステップS305において、血漿採取バッグ25内に所定量の血漿が採取されていない場合には、制御部13は、血漿送液工程を停止し(ステップS306)、ステップS301に戻り、再度、ステップS301以降を繰り返す。
【0225】
[23]〜[27] 前記工程[13]〜[17]と同様の工程をそれぞれ行う。
これにより、第2サイクルの血小板採取操作を終了する。
なお、最終サイクルではない第3サイクル以降の血小板採取操作も同様である。
【0226】
[3] 最終サイクルの血小板採取操作(図5および図6参照)
続いて、最終サイクルの血小板採取操作を行う。
【0227】
最終サイクルの血小板採取操作では、濃厚血小板から白血球を分離除去する濾過工程を行うこと以外は、前記第2サイクル以降の血小板採取操作と同様の工程を行う。なお、濾過工程については、後に詳述する。
【0228】
[31]〜[36] 前記濾過工程を行うこと以外は、前記工程[21]〜[26]と同様の工程をそれぞれ行う。
【0229】
[37] 気泡センサ35または36によって遠心分離器20から排出される空気を検出して、第1の流路開閉手段81および第5の流路開閉手段85を閉塞するとともに、第1の送液ポンプ11を停止して、本工程[37](返血工程)を終了すること以外は、前記工程[17]と同様の工程を行う。
これにより、最終サイクルの血小板採取操作を終了する。
【0230】
次に、濾過工程について説明する。
本実施形態では、第2の血漿採取工程を行うのとほぼ同時に、制御部13は、中間バッグ27a内に一時的に採取(貯留)した濃厚血小板を、白血球除去フィルター261に供給して、濃厚血小板の濾過、すなわち、濃厚血小板中の白血球の分離除去を行う。
【0231】
具体的には、ステップS104の前に、制御部13の制御により、第7の流路開閉手段87を開放して濾過工程を開始する(図示せず)。なお、濾過工程を開始するタイミングは、これに限定されないことは、言うまでもない。
【0232】
これにより、中間バッグ27a内の濃厚血小板を、落差(自重)により、チューブ46、47、白血球除去フィルター261およびチューブ48を経て、血小板採取バッグ26内に移送する。このとき、濃厚血小板は、そのほとんどが、白血球除去フィルター261の濾過部材を通過するが、白血球は濾過部材に捕捉される。このため、血小板製剤中の白血球の除去率を極めて高いものとすることができる。
【0233】
なお、濃厚血小板の中間バッグ27a内から血小板採取バッグ26への移送は、ポンプを用いて行うようにしてもよい。
【0234】
また、第7の流路開閉手段87は、制御部13の制御により作動するものに代わり、手動によりチューブ47の流路の途中を開閉し得るクレンメ等であってもよい。
【0235】
また、濾過工程終了後に、フィルター22hのキャップを開くことにより、チューブ48内に残存する血小板をより確実に血小板採取バッグ26に採取することもできる。
【0236】
なお、血小板採取操作は、複数回行う場合に限定されず、例えば、1回のみ行なってもよい。
【0237】
また、血液成分採取回路2の構成も、適宜設定可能であり、図示の構成に限定されない。
【0238】
以上説明したように、この血液成分採取装置1によれば、供血者から採取した血液と血漿採取バッグ25内に採取された血漿とを混合して、第1のライン21の血液の流量を増加させることにより、供血者の血液性状(ヘマトクリット値)によらず所定の比較的早い速度で、血液を遠心分離器20に導入することができるため、遠心分離器内で生じる微小溶血(溶血)等を抑制することができ、品質の高い血液成分を得ることができる。また、第1のライン21の流量を増加させることにより、十分な流速が得られた血液を遠心分離器20に導入することができるため、バフィーコート層での血小板の過剰な濃縮を防止することができ、血小板の回収率の低下を防止することができる。
【0239】
そして、この血液成分採取装置1では、血液より分離、採取された濃厚血小板中から、白血球除去フィルター261により白血球を分離除去するため、白血球の混入が極めて低い血小板製剤を得ることができる。
【0240】
次に、本発明の血液成分採取装置の第2実施形態について説明する。
以下、第2実施形態の血液成分採取装置1について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0241】
第2実施形態の血液成分採取装置1は、第3のライン37が、第1実施形態と異なっている。
【0242】
本実施形態の第3のライン37は、ドナーから血液を採取する際に、血漿採取バッグ25からの血漿が、分岐コネクター21fより上流側(ドナー側)に流れないように、第3のライン37を流れる血漿の流量を調節する図示しない流量調整部(流量調整手段)を有している。
【0243】
この流量調整部はチューブ49またはチューブ50に設けられており、外部から圧力を加えることにより、第3のライン37の所定部位の流路の途中の横断面積を縮小(変化)させて、流量を減少させる(調整する)ものである。
これにより、ドナーからの血液の採取を確実に維持することができる。
【0244】
この流量調整手段は、制御部13に電気的に接続されている。制御部13は、重量センサ16からの検出信号に基づき、予め設定されたプログラムに従って、流量調整手段の作動を制御する。
【0245】
また、流量調整手段としては、特に限定されないが、例えば、流量調節弁等が挙げられる。
【0246】
第1実施形態で述べたように、第2サイクルの血小板採取操作以降では、採血開始時点から血漿採取バッグ25内に血漿が所定量存在する場合(所定量の血漿が採取されている場合)には、最初から、血漿送液工程を行うことが可能であるが、遠心分離器20から血漿が流出してくる前に、血漿採取バッグ25内に存在する血漿が無くなってしまう恐れがある。本実施形態では、血漿を比較的少量ずつ(ゆっくりと)送液することで、常時血漿を添加しながら高速度で遠心分離器20に血液を供給することができる。本実施形態では、血漿送液工程を行う際に、流量調整手段により、第3のライン37の内部を流れる血漿の流量を少なくすることによって血漿を比較的少量ずつ(ゆっくりと)送液することができる。
【0247】
また、血漿を血液に添加する量に応じて1サイクルあたりの遠心分離器20の処理血液量(体外循環量)が変化するため、ドナーの血液性状や採血速度に応じて流量調整手段により血漿を血液に添加する量を調整することが好ましい。
【0248】
また、遠心分離器20から血漿が流出し、血漿採取バッグ25内に所定量の血漿が採取された場合には、流量調整手段により、第3のライン37の内部を流れる血漿の流量を増大させることによって、血漿を比較的多量に(早く)送液することができる。
【0249】
これにより、第1のライン21の血液の流量を増加させることによって、さらに早い速度で、血液を遠心分離器20に導入することができるため、より品質の高い血液成分を得ることができる。
【0250】
なお、血小板を採取する際や、前記血漿循環(第1の加速度による血漿循環や第2の加速度による血漿循環)の際には、各ラインおよび各チューブを流れる流体の受ける抵抗は小さいのが好ましいため、血小板を採取する際や、血漿循環の際には、流量調整手段により第3のライン37を流れる血漿の流量を規制しないように調整するのが好ましい。
【0251】
次に、本実施形態の流量調整手段を備える血小板採取装置1を用いた血小板採取操作を説明する。
【0252】
[1] 第1サイクルの血小板採取操作
[41]〜[46] 前記工程[11]〜[16]と同様の工程をそれぞれ行う。
これにより第1サイクルの血小板採取操作を終了する。
【0253】
[2]最終サイクルではない第2サイクルの血小板採取操作
続いて、第2サイクルの血小板採取操作を行う。
【0254】
[51] ステップS301において、血漿採取バッグ25内に所定量の血漿が採取された場合には、制御部13は、第3のライン37を流れる血漿の速度を低下させるように流量調整手段を調整した後に、血漿送液工程を開始し(ステップS302)、第1の血漿採取工程に移行する以外は、前記工程[21]と同様の工程を行う。
【0255】
[52] 血漿採取バッグ25内に所定量の(所定量以上の)血漿が採取された場合には、制御部13は、流量調整手段を調整して、第3のライン37を流れる血漿の量を増大させること以外は、前記工程[22]と同様の工程を行う。
【0256】
[53]〜[57] 前記工程[23]〜[27]と同様の工程をそれぞれ行う。
これにより、第2サイクルの血小板採取操作を終了する。
【0257】
なお、最終サイクルではない第3サイクル以降の血小板採取操作も同様である。
[3] 最終サイクルの血小板採取操作(図5および図6参照)
続いて、最終サイクルの血小板採取操作を行う。
【0258】
[61]〜[66] 前記工程[51]〜[56]と同様の工程をそれぞれ行う。
[67] 前記工程[37]と同様の工程を行う。
これにより、最終サイクルの血小板採取操作を終了する。
【0259】
この血液成分採取装置1によれば、前述した第1実施形態の血液成分採取装置1と同様の効果が得られる。
【0260】
以上、本発明の血液成分採取装置を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物や、工程が付加されていてもよい。
【0261】
また、本発明では、光学式センサは、図示のものに限定されず、例えば、ラインセンサ等であってもよい。
【0262】
また、本発明では、細胞分離フィルター(濾過器)により分離除去する細胞も、白血球に限定されない。
【0263】
本実施形態の血液成分採取装置1は、血小板製剤および血漿製剤を得ることができる装置であるが、本発明では血小板製剤のみを得ることができる装置または、血漿製剤のみを得る装置に適用してもよい。
【0264】
また、本発明の血液成分採取装置は、血小板製剤や血漿製剤を得るのに適用する場合に限られず、例えば、血液中から白血球製剤、赤血球製剤等を得る場合に適用してもよい。
【0265】
また、本発明の血液成分採取装置の方式は、間歇式(単針式)に限らず、例えば、連続式(二針式)であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0266】
【図1】本発明の血液成分採取装置の第1実施形態を示す平面図である。
【図2】図1に示す血液成分採取装置が備える遠心分離器駆動装置に遠心分離器が装着された状態の部分破断断面図である。
【図3】図1に示す血液成分採取装置の作用を説明するためのフローチャートである。
【図4】図1に示す血液成分採取装置の作用を説明するためのフローチャートである。
【図5】図1に示す血液成分採取装置の作用を説明するためのフローチャートである。
【図6】図1に示す血液成分採取装置の作用を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0267】
1 血液成分採取装置
2 血液成分採取回路
10 遠心分離器駆動装置
11 第1の送液ポンプ
12 第2の送液ポンプ
13 制御部
14 濁度センサ
15 光学式センサ
151 投光部
152 受光部
153 反射板
16 重量センサ
17 表示部
20 遠心分離器
21 第1のライン
21a 採血針側第1ライン
21b 遠心分離器側第1ライン
21c 分岐コネクター
21d チャンバー
21f 分岐コネクター
21g ポンプチューブ
21h チューブ
21i フィルター
22 第2のライン
22b 分岐コネクター
22c 分岐コネクター
22d 分岐コネクター
22e 分岐コネクター
22f フィルター
22g 分岐コネクター
22h フィルター
23 第4のライン
23a ポンプチューブ
23b 除菌フィルター
23c 気泡除去用チャンバー
23d 抗凝固剤容器接続用針
25 血漿採取バッグ
26 血小板採取バッグ
261 白血球除去フィルター
27a 中間バッグ
27b エアーバッグ
28 バッグ
29 採血針
31〜36 気泡センサ
37 第3のライン
38 圧力センサ
41〜51 チューブ
81〜87 第1〜第7の流路開閉手段
131 血漿層
132 バフィーコート層
133 赤血球層
141 管体
142 ローター
143 流入口
144 排出口
145 上部
146 貯血空間
147 反射面
201 ハウジング
202 脚部
203 モータ
204 回転軸
205 固定台
206 ボルト
207 スペーサー
S101〜S122 ステップ
S301〜S325 ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供血者から血液を採取する採血手段と、
流入口および排出口とを有し、前記採血手段により採取され、前記流入口より導入された血液を遠心分離する遠心分離器と、
前記流入口と前記採血手段とを接続し、途中に分岐部を有する第1のラインと、
前記排出口に接続された第2のラインと、
前記第2のラインに接続され、前記遠心分離器により分離された血漿を採取する血漿採取バッグと、
前記第2のラインに接続され、前記遠心分離器により分離された所定の血液成分を採取する少なくとも1つの血液成分採取バッグと、
前記分岐部と前記血漿採取バッグとを接続する第3のラインとを備える血液成分採取回路と、
前記第1のラインの、前記遠心分離器と前記分岐部との間に設けられた送液ポンプとを有し、
採取した血液を遠心分離し、前記所定の血液成分を採取して、残りの血液成分を前記供血者に返還する血液成分採取装置であって、
前記供血者から血液を採取する際に、前記血漿採取バッグ内に採取された血漿を前記第3のラインを介して前記送液ポンプの上流側に供給することにより、前記供血者から採取された血液と前記血漿採取バッグ内に採取された血漿とを混合して前記遠心分離器に導入し得るように構成されていることを特徴とする血液成分採取装置。
【請求項2】
前記供血者から採取された血液と前記血漿採取バッグ内に採取された血漿とを混合して、前記供血者の血液性状によらず、所定速度で前記遠心分離器に導入する請求項1に記載の血液成分採取装置。
【請求項3】
前記血液成分採取バッグには、血小板を採取するバッグが含まれる請求項1または2に記載の血液成分採取装置。
【請求項4】
前記供血者から血液を採取する際に、前記送液ポンプより上流側の前記第1のラインの内圧を検出する圧力検出手段を有し、
前記圧力検出手段によって検出された前記送液ポンプより上流側の前記第1のラインの内圧が所定値になるように前記送液ポンプを作動させる請求項1ないし3のいずれかに記載の血液成分採取装置。
【請求項5】
前記送液ポンプより上流側の前記第1のラインの内圧が前記所定値より大きいときは、前記送液ポンプの速度を増大させ、前記第1のラインの内圧が前記所定値より小さいときは、前記送液ポンプの速度を減少させる請求項4に記載の血液成分採取装置。
【請求項6】
当該血液成分採取装置を使用する際は、前記血漿採取バッグは、前記分岐部より鉛直方向上方に位置するように設けられる請求項1ないし5のいずれかに記載の血液成分採取装置。
【請求項7】
当該血液成分採取装置を使用する際は、前記血漿採取バッグの血漿の出口側が鉛直方向下方になるように設けられる請求項1ないし6のいずれかに記載の血液成分採取装置。
【請求項8】
前記血漿採取バッグ内に採取された血漿の量を検出する採取量検出手段を有する請求項1ないし7のいずれかに記載の血液成分採取装置。
【請求項9】
前記第3のラインの内部の流路を開閉し得る流路開閉手段を有し、
前記供血者から血液を採取する前は、前記流路開閉手段により前記第3のラインの内部の流路が閉塞されており、前記採取量検出手段により前記血漿採取バッグ内に採取された血漿の量が所定量を超えたことが検出されると、前記流路開閉手段により、前記流路を開通させる請求項8に記載の血液成分採取装置。
【請求項10】
前記供血者から血液を採取する際に、前記第3のラインを流れる血漿が前記分岐部から前記供血者側に流れないように、前記第3のラインを流れる血漿の流量を規制する規制手段を有する請求項1ないし9のいずれかに記載の血液成分採取装置。
【請求項11】
前記第3のラインを流れる血漿の流量を調整する流量調整手段を有する請求項1ないし10のいずれかに記載の血液成分採取装置。
【請求項12】
前記流量調整手段は、前記採取量検出手段の検出結果に基づいて、前記第3のラインを流れる血漿の流量を調整する請求項11に記載の血液成分採取装置。
【請求項13】
前記採取量検出手段により前記血漿採取バッグ内に採取された血漿の量が所定量を超えたことが検出されると、前記流量調整手段により前記第3のラインを流れる血漿の流量を増大させる請求項12に記載の血液成分採取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−51252(P2006−51252A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−236140(P2004−236140)
【出願日】平成16年8月13日(2004.8.13)
【出願人】(000109543)テルモ株式会社 (2,232)
【Fターム(参考)】