説明

血液漏洩検出装置

【課題】
【解決手段】静脈あるいは動脈へのカニューレの挿入によって引き起こされる傷口のような患者の傷口の皮膚に取り付けるための血液漏洩検出装置は、上面側およびその反対側の底面側を有する可撓性材料の支持体、支持体の周縁に沿って約5oから約150o延びる扇状部を除いた支持体の底面側の皮膚に取り付けるための接着剤ゾーン、支持体上に配設され接着剤ゾーンの内側にかつ、オプションではあるが、その扇状部中に延びている血液吸収性パッチ、および支持体の中央部近傍でその吸収性パッチ中にあるいはその底面側で接して配設されている血液検出プローブ頭部を有している。血液移送素子はその支持体とパッチの間に配設されても良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学的あるいは電気的手段によって、傷口から,特に、カニューレを静脈あるいは動脈に、あるいはカニューレあるいはフィステル カテーテルを動静脈のフィステルあるいは移植組織に挿入した際に引き起こされる傷口からの血液漏洩を検出する際に使用される装置に関する。
【背景技術】
【0002】
これらの傷口は、血液透析の際、透析のため血液を移動するため、カニューレによって動脈あるいは静脈に、あるいはカニューレあるいはフィステル カテーテルによって動静脈(AV)のフィステルあるいは移植組織に穴をあけることによって引き起こされる。浄化された血液は第2のカニューレあるいはフィステル カテーテルを通して静脈に注入されて患者に戻される。この種のカニューレあるいはフィステル カテーテルは通常粘着テープで患者の皮膚に固定される。透析中にこのカニューレあるいはフィステル カテーテルが偶発的に抜けることがある。これは即座の出血を引き起こし、それが気付かれず直ぐに止められないと,多量の血液の損失を導くことがある。また、例えば、睡眠中に、手術あるいは単に凝固によって閉じられていたその他の傷口が再び出血を始めることがあり,そしてもしその出血が短時間に気付かれず止められないと、患者はそれによって危険にさらされることになる。
【0003】
傷口からの血液漏洩を検出するための装置は、WO 2006/001759 A1に開示されている。この公知の装置は、パッチ、そのパッチを傷口に一時的に固定する手段、電子的放射手段からその装置の電子的検出手段へ光を導く光ファイバーを有している一回で使い捨てる血液漏洩検出装置を備えており、このファイバーはパッチを通るその通路に所定のゾーンを有し、そのゾーンではファイバーによって導かれる光に関してそのファイバー壁の反射率が、そのゾーン中の壁に血液が接すると影響され,その傷口からの血液の漏洩を示す戻りの光に差を生じる。このファイバーの自由端は、先の放射および検出手段と無線通信を可能とするコネクターを有している。
【発明の目的】
【0004】
本発明の目的は、傷口、特に、カニューレあるいは針あるいはAVフィステルあるいは移植組織への穴あけを含む動脈あるいは静脈への穴あけのためのフィステル カテーテルによって引き起こされた傷口からの血液漏洩を光学的あるいは電気的に検出するための装置と共に使用される改良された血液漏洩検出装置を提供することである。
【0005】
本発明のもう1つの目的は、ただ1回の使用後捨てることが出来かつ経済的に製造出来るこの種の装置を提供することである。
【0006】
本発明のその他の目的は、以下の発明の開示、図面に図示したその望ましい実施例の説明および添付した特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【発明の開示】
【0007】
本発明は、安全性の見地から、血液検出プローブは患者の傷口の横よりもむしろその上に配設するほうが有利であると言う洞察に基づいている。本発明の血液検出プローブでは、血液とプローブの接触を通して光学的あるいは電気的な信号が変化あるいは生成するものである。このプローブの頭部は、そこで信号が変化あるいは生成するプローブの部分である。
【0008】
本願で、用語“カニューレ”はAV カテーテルを含んでいる;動脈あるいは静脈へのカニューレの挿入は、AVフィステルあるいは移植組織へのその挿入を含んでいる。
【0009】
本発明によるこの課題は、患者の傷口の皮膚、特に、静脈あるいは動脈へのカニューレの挿入によって引き起こされる傷口の皮膚に取り付けるための血液漏洩検出装置によって解決される。この装置は、可撓性材料の支持体、約5oから約150oの扇状部を除いた支持体の周縁に沿って延びる接着剤ゾーン、上面側および支持体上に配設される底面側を有し接着剤ゾーンの内側にかつ、オプションではあるが、その扇状部中に延びている血液吸収性パッチ、支持体の中央部あるいはその近傍でその吸収性パッチ中にあるいは望ましくはその底面側でその吸収性パッチに接して配設された頭部を有する血液検出プローブを有し、この血液検出プローブは,1対の電極,無線アンテナ手段,光ファイバーの湾曲部あるいは不連続部、特に、鋭い湾曲部を有する光ファイバー,および圧電素子からなるグループから選択される。最も望ましいのは、鋭い湾曲部、特に、直線状態から約180oの湾曲部を有するあるいはから構成されるプローブ頭部を有する光ファイバープローブである。この光ファイバーはその自由端に、例えば、WO 2006/001759 A1に開示されている装置のような公知の種類の血液漏洩検出装置中の電子的な光放射および検出手段と無線通信を可能とするコネクターを有している。以上述べたことから、プローブ頭部は、それが傷口上に配設出来かつ傷口からの血液は傷口を包囲する皮膚に垂直な方向にプローブに向かって流れることができるように装置中に配設されることが分かるであろう。また、以上述べたことから、皮膚に取り付けるための接着剤を欠くゾーンはプローブから装置の周縁にまで延びていることも分かるであろう。この接着剤を欠くゾーンは、装置を患者の皮膚の傷口の周りに適用した時、カニューレの上方に配設されるように意図されている。このような配設構造は,装置がカニューレに接着しそしてそのためカニューレが偶発的に傷口から引き抜かれた時、カニューレと共に移動するのを防ぐであろう。装置のこの偶発的な移動は、重大な血液漏洩が検出されない結果ともなりかねないので,どうしても避けなくてはならない。プローブ頭部から延びているファイバーアームは接着剤を欠く扇状部のそれの反対の半径方向に配置されることが望ましい。望ましい変形例によると、血液検出プローブは、プローブ頭部が、この部分に血液が接触すると,ファイバーによって導かれた光を減衰するような狭められたあるいは幅を広げられた区分のような不連続部を有する光ファイバーを有する。
【0010】
別様に定義しない限り、本願においては、装置が適用される皮膚に平行な平面中の方向の指示は、光ファイバーのあるいはファイバーの全体として平行なアームの方向に基づいている。その湾曲部に向かうファイバーに沿った方向は前方と呼ぶ。その方向に向いている領域は前面である。反対の方向は後方である。後面はその方向に向いている。“内側”は光ファイバー湾曲部の内側に関連している。このような面に対する直角方向で”上部“は皮膚からの距離あるいは皮膚に接するよう意図された装置のエレメントからの距離が”底部”より大きいことを示している。
【0011】
本発明の第1の望ましい観点によれば、支持体はU字型であり、基部と基部から延びる2つの脚部を有している。支持体の1面上の皮膚への取り付けのための接着剤はその外側の周縁に沿ってしかしその内側の周縁には沿わずに延びることが望ましい。
【0012】
この支持体は、2つの部分から構成されても良い、即ち、一方は装置と一体に構成されかつ接着剤を欠き、他方は装置から分離してかつその装置が配設されるべき傷口の上の皮膚の回りにその装置を取り付けることが可能となるようにその底面側に接着剤が設けられておりそしてその周縁で装置と一体の部分に取り付けることが出来よう構成されている;この分離部分は、それが適用されたときそれが重なることになるその装置の形に適合された適切な形,例えば、馬蹄形のような形の医療用接着テープでも良い。この支持体は実質的に血液を通さないことが望ましい。
【0013】
本発明の第2の望ましい観点によれば、この装置は、支持体と吸着性パッチの間に配設された血液移送素子あるいは層を有する。この移送素子あるいは層は血液を吸収しない材料であることが望ましい。更に、この移送素子あるいは層はネット状の構造を有していることが望ましい。更にまた,この移送素子は血液を通さない合成ポリマー材料から構成されるかあるいはそのような材料によって全体がカバーされていることが望ましい。血液は移送素子に付着することはあるが、そのような付着血液は、吸収性パッチが吸収出来る血液量の5%以上であってはならず,より望ましくは2%以上であってはならない。
【0014】
本発明の第3の望ましい観点によれば、プローブ頭部は血液移送素子上部側と接している。
【0015】
本発明の第4の望ましい観点によれば、支持体および移送素子は一体に構成されている。
【0016】
本発明の第5の望ましい観点によれば、この装置は、支持体の上部側に,即ち、皮膚に取り付けるための接着剤を担持している側と反対の支持体の側に、取り付けられたカバーを有しており、このカバーは可撓性のポリマー材料を有するあるいはから構成されている。このカバーの周縁は,望ましくは少なくとも210oの角度に亘って支持体の周縁と一致していることが望ましい。このカバーは吸収性パッチから液体が逃げ出るのを許す材料あるいは開口を有していることが望ましい。
【0017】
以下で、本発明を、図面に図形で図示した多くの望ましい実施例を参照して非常に詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明による使い捨て血液漏洩検出装置の第1の実施例で、分解組み立て図で示されている。
【0019】
【図2】吸収性パッチおよびカバーを取り除いて、静脈に挿入されたカニューレの上から患者の皮膚に適用された状態で示された図1の装置の上部から見た図。
【0020】
【図3】使用する前の状態の図1の実施例のA-Aに沿って取った断面図。
【0021】
【図4】図3と同様な図で、図2の状態における図1の実施例。
【0022】
【図5】図2のそれと同様な図で、本発明による使い捨て血液漏洩検出装置の第2の実施例。
【0023】
【図5a−5b】図5の実施例の光ファイバーホルダーのB−BおよびC−Cに沿って取った拡大断面図。
【0024】
【図6】カニューレは示されていないが、図2のそれと同様な図で、本発明による使い捨て血液漏洩検出装置の第3の実施例。
【0025】
【図7】本発明の使い捨て血液漏洩検出装置の第4の実施例で、接着剤保護ライナーを欠いた底部から見た図。
【0026】
【図8】図7の実施例のD−Dに沿って取った断面図で、シリコーン処理した接着剤保護ライナーも示されている。
【0027】
【図9】本発明による使い捨て血液漏洩検出装置の第5の実施例で、図6のそれに対応する図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図1−4の本発明による使い捨て血液漏洩検出装置の第1の実施例は、基部1aおよび2つの脚部1b,1cからなるU字型ポリエステル支持体1を有している。この支持体1は本質的に血液を通さない。この支持体1には、患者の皮膚に適用することを意図した第1の接着剤層2および反対側の面に第2の接着剤層3を形成するよう、その両側にアクリレート接着剤が塗布されている。皮膚20に対向するこの接着剤層2はシリコーンが塗布された剥ぎ取り可能な紙ライナー13で保護されている。このように塗布されかつ保護された支持体1に適切な材料は米国3M社から商品名3MTM Double Coated Spunlace Nonwoven Tape 9917として販売されている。血液通過素子4は支持体1の第2の接着剤層3上に配設されている。この血液通過素子4は基部1aから延びている支持体1の脚部1b、1c間の間隙部分を橋渡ししまた同時に脚部1b、1cおよび基部1aの内側部分に延びている。この血液通過素子4は薄い円形の網の形をしている。この血液通過素子4に適切な材料はDelnet X530で、これは高密度ポリエチレン(HDPE)ホモポリマー(Delstar Inc.,Bristol, UK)の網である。血液検出光ファイバー5a,5b,5cの鋭い180o湾曲部5cは血液通過素子4上の中央に配設されておりかつそこに矩形の不織ポリエステルテープ6の1片で保持されており、その端部は血液通過素子4の周縁の外側を越えて支持体1上を延びている。この光ファイバー5a,5b,5cとしては直径約0.25mmのポリ(メチールメタクリレート)(PMMA)のようなポリマー材料の1つが適している。この実施例では、この湾曲部5cはそのポリマー材料が軟化を始める温度にまで真直ぐなファイバーの1部を暖め、そのファイバーを希望するように湾曲しそしてそれを湾曲状態に保持しながらそれをその軟化温度以下に冷却することによって永久的に仕上げられている。不織テープ6の光ファイバーアーム5a,5bおよび支持体1に接するその面上にはホットメルト接着剤7が設けられており、これは40o以上の温度で硬化出来従って光ファイバーアーム5a,5b,通過素子4および支持体1を固定される。湾曲部5cから延びている光ファイバー5a,5b,5cのアーム5a,5bは支持体1の基部1aのほぼ中央を横切る方向に伸びている。湾曲部5cに繋がっている短い部分を除いてアーム5a,5bはそれぞれ収縮ポリマーチューブ9a,9bによってカバーされている。アーム5a,5bの自由端には接点12,13が設けられており、これらによってこれらは、例えば、WO 2006/001759 A1に開示されているようなアラーム手段を備えた制御ユニットの放射源および放射検出器のそれぞれとの光学的接続を可能とされる。不織の円形吸収性パッチ10はそれと血液通過素子4の間に光ファイバー5a,5b,5cの湾曲部5cを封じ込めるように血液通過素子4の上にそれと合わさるように配設される。この吸収性パッチ10に適切な材料はその1側に非接着性のポリエチレン裏打ち8を有するレイヨンベースの3MTM Medical Absorbent Nonvwoven 1603である;この裏打ちのある側は支持体1から遠ざかる面側に設けられている。この吸収性パッチ10はその1面に接着剤12が設けられているポリマー膜のカバー11によって所定の位置に保持される。この適切な材料は3M Single Coated Polyethylene Medical Tape 1521である。このカバー11はその形が支持体1に対応しておりかつその接着剤塗布層12が支持体1の接着剤層2と接するようまたそれと積層構造となるようその上面に合うよう配設されている。この装置を患者の皮膚に適用する前に保護ライナー13が剥ぎ取られる。本発明のこの装置は、カニューレ14の内腔15を介して静脈22の内腔23へあるいはから血液を付加するあるいは取り出すため皮膚20および組織21を通して皮膚20下の静脈22へのカニューレ14の挿入点26に隣接する皮膚20の領域に接着剤層2によって取り付けられる。この実施例の実使用での性能が静脈への差込テストで調査された、そこではカニューレ14が意図的に引き抜かれ引き抜きとアラ−ム間の時間が記録された。その反応時間(引き抜きからアラームまでの時間間隔)は1から3秒であることが分かった、一方、非吸収性網状血液通過素子4が吸収性パッチ10と同じ材料のパッチと入れ替えられた対応する実施例の反応時間は全体として3秒あるいはそれ以上であった。本発明のこの実施例とWO 2006/001759 A1の使い捨て血液漏洩検出装置との同様な比較は、前者が反応時間の長さおよび再現性の点で優れた性能を示すことを明らかにした。
【0029】
図5,5a,5bの本発明の使い捨て血液漏洩検出装置の第2の実施例は、光ファイバー105a,105b,105cの湾曲部105cがポリスチレンのようなポリマー材料からなるファイバー保持体130によって仕上げられている点で第1の実施例と異なっている。この対称形のファイバー保持体130は中央部137からそれぞれ反対側に延びる全体として平坦な2つの翼部135,136を有し、これはファイバー挿入制限フランジ133a,133b、ファイバー引き抜き制限フィンガー134および湾曲部形成クランプフランジ131a,131bを有している。この光ファイバー105a,105b,105cは、一時的な湾曲部を形成し、かつそのファイバーの一時的湾曲部の最先端を中央ガイド素子132中のチャンネル138中にそれぞれのファイバーアーム105a,105b上のポリビニールクロライドのシールドチューブ109a,109bの前方端面に接するフランジ133a,133bの後方面によって止められるまで挿入されてファイバー保持体上に装着される。湾曲部105cに隣接するアーム105a,105bの前方部は少し可撓性のクランプフランジ131a,131bと引き抜き制限フランジ134との間に形成されたスリット中に押し込まれる。そして引き抜き制限フランジ134の先の尖っていない前方端は湾曲部105cの内側に接する。湾曲部105cとシールドチューブ109a,109bの前方端面との距離は引き抜き制限フランジ134の前方端とクランプフランジ131a,131bの後方面との距離とはマッチしなくてはならないことが理解されるであろう。これはシールドチューブ109a,109bの適切な部分を除去することによって達成される。このファイバー105a,105b,105cが装着されたファイバー保持体は第1の実施例の素子4に対応する血液通過素子104と第1の実施例のパッチ10に対応する吸収性パッチ(図示せず)との間に装着されており、そして第1の実施例のカバー11に対応するカバー(図示せず)によってこの位置に保持されている。患者の皮膚に装着されたこの装置の状態でこの湾曲部105cは静脈カニューレ114の挿入点の皮膚上に配設される。
【0030】
図6の本発明の使い捨て血液漏洩検出装置の第3の実施例は、支持体201の形状およびそれに対応するカバー(図示せず)の形状の点で第1の実施例と異なっている。光ファイバーのアーム205a,205bはシールドチューブ209a,209bに取り付けられたグリッドによって並列な関係に保持されており、その内の1つのグリッド216が示されている。永久的なファイバー湾曲部205cが維持されそれぞれ第1および第2の実施例の通過素子4および114に対応する通過素子204に取り付けられている。第1および第2の実施例のパッチ10および110にそれぞれ対応する吸収性パッチ(図示せず)はそれぞれ第1および第2の実施例のカバー11および111に対応するカバー(図示せず)によってこの位置に保持される。
【0031】
図7および8の本発明の使い捨て血液漏洩検出装置の第4の実施例では、その支持体および通過素子は1つの素子301,301‘に一体化されており、これはアクリレート接着剤302でカバーされている周縁のU字型ゾーンを除いて血液通過能力を保持している。光ファイバー305a,305b,305cの前方端部は吸収性パッチ310中に配設されており、これは、その支持体および通過素子301,301‘の中央の非積層部分301’とその支持体および通過素子301,301‘と形の上で一致しているカバー311,311’の中央の非積層部分311’との間に保持されている。支持体および通過素子311,311‘の積層部分311のU字型周縁ゾーンは患者の皮膚に取り付けるためのアクリレート接着剤312でカバーされている。これは輸送および保管のため薄いシリコーン処理された紙ライナー313によって保護されており、これは容易に剥ぎ取ることが出来る。この支持体および通過素子301,301‘は熱あるいは接着剤(図示せず)によってカバー311,311‘に積層することが出来る。これに替えてあるいはこれに加えて、これを通して容易に空気が通過することを可能とするため、このカバーは中央開口、特に、円形の開口を有していても良い。
【0032】
図9の本発明の使い捨て血液漏洩検出装置の第5の実施例では、血液漏洩の検出は、スリット405cによって分離された2つの金属線405a,405bを有する回路中の電気的伝導度の変化によって行はれる。これらの線405a,405bは、その他方の自由端で低電圧バッテリーの電極に、その1つは電流検出手段を介して接続されている。このバッテリーおよび電流計は監視ユニット(図示せず)中に配設されている。この監視ユニットは、そこにこの装置が皮下注射針によって引き起こされるような傷口上に配設されている患者の腕に、例えば、取り付けることが出来る。このスリット405cからの短い距離から始まって、この線は絶縁されている(409a,409b).スリット405cの幅は、裸の線405a,405bを離して保持するポリプロピレンのスペーサー417によって制御される。線405a,405bの絶縁された部分409a,409bを保持する第2のスペーサー416は装置の外側に配設されている。図9の装置は、導電度プローブ頭部、即ち、光ファイバープローブ頭部と置き換えられた、スリット405cおよび線405a,405bの前方端部分を除いて、図6のそれに対応している。血液の漏洩は、スリット405に血液が入ってきて、それによって線405a,405b間に電気的接続が達成されることによって検出される。回路中にその結果生じた電流は電流計のような電流検出手段によって検出され、そしてこれはアラーム手段と係合出来る。良好な湿らしを与えるため、線405a,405bの対向端はあぶらおよび汚れを除去して清潔にされねばならない。狭いスリットは毛細管効果によって湿らしを向上する。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の傷口の皮膚、特に、静脈あるいは動脈へのカニューレの挿入によって引き起こされる傷口の皮膚に取り付けるための血液漏洩検出装置であって、この装置は、上面側および底面側を有する可撓性材料の支持体、上記支持体の底面側で皮膚に取り付けるためのものであって、約5oから約150oの扇状部を除いた支持体の周縁に沿って延びる接着剤ゾーン、上面側および支持体上に配設される底面側を有し接着剤ゾーンの内側にかつ、オプションではあるが、その扇状部中に延びている血液吸収性パッチ、および傷口上に配設される血液検出プローブを有し、このプローブは傷口上に配設されるプローブ頭部を有し、このプローブ頭部は支持体の中央部あるいはその近傍でその吸収性パッチ中にあるいはその吸収性パッチの底面側にで接して配設されている。
【請求項2】
請求項1記載の装置において、この血液検出プローブは,1対の電極,無線アンテナ手段,光ファイバーの湾曲部あるいは不連続部、特に、鋭い湾曲部を有する光ファイバー,および圧電素子からなるグループから選択される。
【請求項3】
請求項2記載の装置において、この血液検出プローブは,光ファイバーを有する。
【請求項4】
請求項3記載の装置において、この光ファイバーは、鋭い湾曲部、特に、ファイバーの直線形状に関して約180oの湾曲部を有するあるいはから構成されるプローブ頭部を備えている。
【請求項5】
請求項2記載の装置において、このプローブ頭部は不連続部を有し、この部分に血液が接触すると,ファイバーによって導かれた光を減衰する。
【請求項6】
請求項1−5のいずれかに記載の装置において、上記支持体はU字型である。
【請求項7】
請求項6記載の装置において、上記支持体の1面上の皮膚への取り付けのための接着剤はその外側の周縁に沿ってしかしその内側の周縁には沿わずに延びる。
【請求項8】
請求項1−7のいずれかに記載の装置において、この支持体は実質的に血液を通さない。
【請求項9】
請求項1−8のいずれかに記載の装置はさらに、支持体と吸着性パッチとの間に配設された血液を吸収しない材料からなる血液移送素子あるいは層を有する。
【請求項10】
請求項9記載の装置において、この移送素子あるいは層はネット状の構造を有している。
【請求項11】
請求項9あるいは10記載の装置において、この移送素子の血液付着能は、吸収性パッチの血液吸収能の5%あるいはそれ以下である。
【請求項12】
請求項1−11のいずれかに記載の装置において、この移送素子はプローブ頭部と接している。
【請求項13】
請求項9−12のいずれかに記載の装置において、上記支持体と移送素子は一体に構成されている。
【請求項14】
請求項1−13のいずれかに記載の装置は、支持体の上部側に取り付けられたカバーを有しており、このカバーは可撓性のポリマー材料を有するあるいはから構成されている。
【請求項15】
請求項14記載の装置において、
このカバーの周縁は,少なくとも210oの角度に亘って支持体の周縁と一致している。
【請求項16】
請求項14あるいは15記載の装置において、このカバーは吸収性パッチから液体が逃げ出るのを許す材料あるいは/または開口を有している。
【請求項17】
請求項1−16のいずれかに記載の装置において、
この支持体は、2つの部分から構成され、一方は装置と一体に構成されかつ接着剤を欠き、他方は装置から分離してかつ皮膚にその装置を取り付けることが可能となるようにその底面側に接着剤が設けられておりそしてその周縁で装置と一体の部分に取り付けることが出来よう構成されている。
【請求項18】
請求項17記載の装置において、上記装置から分離された支持体部分は医療用接着テープから構成されている。
【請求項19】
請求項1−18のいずれかに記載の装置において、この支持体は実質的に血液を通さない。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図5a−5b】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2010−523197(P2010−523197A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−502055(P2010−502055)
【出願日】平成20年3月25日(2008.3.25)
【国際出願番号】PCT/SE2008/000214
【国際公開番号】WO2008/123814
【国際公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願人】(508294295)レッドセンス メディカル マルタ リミテッド (1)
【Fターム(参考)】