説明

衛星測位データおよび車両センサデータに基づく車両ナビゲーション

【課題】車両ナビゲーションの方法の提供。
【解決手段】車両ナビゲーションの方法であって、車両の衛星測位装置から衛星測位データを取得することと、車両センサから車両センサデータを取得することと、カルマンフィルタによって衛星測位データおよび車両センサデータを結合し、車両の結合された状態ベクトル推定値を取得することとを含み、カルマンフィルタが、衛星測位データを受信し車両の第1の状態ベクトル推定値および対応する第1の状態誤差共分散行列を生成する第1のフィルタと、車両センサデータを受信し車両の第2の状態ベクトル推定値および対応する第2の状態誤差共分散行列を生成する第2のフィルタと、第1の状態ベクトル推定値と第1の状態誤差共分散行列と第2の状態ベクトル推定値と第2の状態誤差共分散行列とを受信し、結合された状態ベクトル推定値および対応する結合された状態誤差共分散行列を生成する第3のフィルタとを備える、方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、車両ナビゲーションのための方法、および対応するナビゲーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両ナビゲーションでは、衛星測位データから車両の位置を決定することが既知である。例えば、かかる衛星測位データは、グローバルポジショニングシステム(GPS)または他の衛星ベースの測位システムの衛星測位信号から引き出されてもよい。さらに、車両位置を決定するための慣性航法システムを使用することも既知である。例えば、慣性航法システムの使用は、例えばトンネルまたは他の建物内等の衛星測位信号を受信できない場合に有用である場合がある。
【0003】
さらに、衛星測位データを慣性航法システムの測定値と結合し、それによって位置推定の精度を改善するという可能性もある。例えば、衛星測位データおよび慣性航法システムの測定値は、相応して設計されるカルマンフィルタを使用して結合されてもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、衛星測位データと慣性航法システムの測定値の両方を使用して車両位置推定を実施するには、やや複雑なカルマンフィルタを使用して衛星測位データおよび慣性航法システムの測定値を結合することが必要になる場合がある。
【0005】
したがって、衛星測位データを使用して位置推定の精度を効率よく改善することを可能にする技術に対するニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のいくつかの実施形態に従って、上記ニーズは、独立請求項に定められる方法およびナビゲーションシステムによって対処される。従属請求項は、追加の実施形態を画定する。
【0007】
ある実施形態によると、車両ナビゲーションのための方法が提供される。方法は、例えばGPS受信機から等、車両の衛星測位装置から衛星測位データを取得することを含む。さらに、方法は、車両の多くのセンサから車両センサデータを取得することを含む。例えば、かかるセンサは、車両の速度を測定する走行距離計および/または車両のヨーレートを測定するジャイロセンサであってもよい。さらに、車両センサデータは、例えば車両のパワーステアリングコントローラによって測定される車両のステアリング角度を含んでもよい。方法は、さらにカルマンフィルタによって衛星測位データおよび車両センサデータを結合し、車両の結合された状態ベクトル推定値を取得することを含む。通常、結合された状態ベクトル推定値は、例えば地理座標によって定められる車両の位置、及び車両の速度をも含む。
【0008】
この方法によると、カルマンフィルタは第1のフィルタ、第2のフィルタ、および第3のフィルタを備える。第1のフィルタは衛星測位データを受信し、車両の第1の状態ベクトル推定値および対応する第1の状態誤差共分散行列を生成する。第2のフィルタは車両センサデータを受信し、車両の第2の状態ベクトル推定値および対応する第2の状態誤差共分散行列を生成する。第3のフィルタは第1の状態ベクトル推定値、第1の状態誤差共分散行列、第2の状態ベクトル推定値、および第2の状態誤差共分散行列を受信し、結合された状態ベクトル推定値および対応する結合された状態誤差共分散行列を生成する。第3のフィルタは、結合された状態ベクトル推定値に基づき予測状態ベクトル推定値を生成し、結合された状態誤差共分散行列に基づき予測状態誤差共分散行列を生成する予測プロセッサを備える。予測状態ベクトル推定値および予測状態誤差共分散行列は、カルマンフィルタの次の反復について予期される車両の将来の状態に適用してもよい。予測状態ベクトル推定値および予測状態誤差共分散行列は第1のフィルタ、第2のフィルタ、および第3のフィルタにフィードバックされる。
【0009】
第1のフィルタでは、第1の状態ベクトル推定値はこのようにして、フィードバックされる予測状態ベクトル推定値を、受信された衛星測位データで更新することによって決定することができる。さらに、第1のサテー誤差共分散行列は、フィードバックされた予測誤差共分散行列および衛星測位データの測定誤差共分散行列に基づいて決定できる。
【0010】
第2のフィルタでは、第2の状態ベクトル推定値は、フィードバックされた予測状態ベクトル推定値を、受信された衛星測位データで更新することによって決定することができる。さらに、第2の状態誤差共分散行列は、フィードバックされた予測状態誤差共分散行列および車両センサデータの測定誤差共分散行列に基づいて決定することができる。
【0011】
第3のフィルタでは、結合された状態誤差共分散行列は、フィードバックされた予測状態誤差共分散行列に基づいて決定することができる。さらに、結合された状態ベクトル推定値は、フィードバックされた予測状態ベクトル推定値およびフィードバックされた予測状態誤差共分散行列に基づいて決定できる。
【0012】
第3のフィルタの予測プロセッサは、線形状態遷移行列をともなう状態遷移モデルに基づいてもよい。
【0013】
さらなる実施形態に従って、車両用のナビゲーションシステムが提供される。ナビゲーションシステムは、例えばGPS受信機等の衛星測位データを取得するように構成される衛星測位装置を備える。さらに、ナビゲーションシステムはカルマンフィルタを含む。カルマンフィルタは、衛星測位データおよび車両の多くの車両センサから受信される車両センサデータを結合することによって車両の結合された状態ベクトル推定値を取得するように構成される。カルマンフィルタは、第1のフィルタ、第2のフィルタ、第3のフィルタ、およびフィードバック装置を備える。第1のフィルタは衛星測位データを受信し、車両の第1の状態ベクトル推定値および対応する第1の状態誤差共分散行列を生成するように構成される。第2のフィルタは車両センサデータを受信し、車両の第2の状態ベクトル推定値および対応する第2の状態誤差共分散行列を生成するように構成される。第3のフィルタは第1の状態ベクトル推定値、第1の状態誤差共分散行列、第2の状態ベクトル推定値、および第2の状態誤差共分散行列を受信し、結合された状態ベクトル推定値および対応する結合された状態誤差共分散行列を生成するように構成される。第3のフィルタは、結合された状態ベクトル推定値に基づき予測状態ベクトル推定値を生成し、結合された状態誤差共分散行列に基づき予測状態誤差共分散行列を生成するように構成される予測プロセッサを備える。予測状態ベクトル推定値および予測状態誤差共分散行列は、カルマンフィルタの次の反復について予期される車両の将来の状態に適用してもよい。カルマンフィルタのフィードバック構成は、予測状態ベクトル推定値および予測状態誤差共分散行列を、第1のフィルタ、第2のフィルタおよび第3のフィルタにフィードバックするように構成される。
【0014】
ナビゲーションシステムは、上述された方法に従って機能するように構成されてもよい。
【0015】
さらなる実施形態によると、車両が提供される。車両は上述されたナビゲーションシステム、および、例えば、車両の速度を測定するように構成される走行距離計、車両のヨーレートを測定するように構成されるジャイロセンサ、および/または車両のステアリング角を測定するように構成される車両のパワーステアリングコントローラ等の車両センサデータを提供するように構成される多くの車両センサを備える。
【0016】
上記の実施形態では、衛星測位データに基づいた測位精度は、衛星測位データを車両センサデータと結合することによって効率的に改善することができる。例えば、走行距離計またはパワーステアリングコントローラ内に設けられるステアリングホイール角度を測定するためのセンサ等の既存の車両センサによって提供される車両センサデータを再利用することが可能である。さらに、ヨーレートを測定するためのジャイロセンサ等の単純なジャイロセンサが使用されてもよい。カルマンフィルタの構造は、衛星測位データおよび車両センサデータを効率的に結合することを可能にする。特に、第1のフィルタおよび第2のフィルタは、将来の状態ベクトルおよび対応する状態誤差共分散行列の予測を行う完全なカルマンフィルタとして実装される必要はない。加えて、予測状態ベクトル推定値および予測状態誤差共分散行列の第3フィルタから第1フィルタ、第2フィルタおよび第3フィルタへのフィードバックによって、結合された状態ベクトル推定値の大局的な最適の取得が可能になる。
【0017】
添付の優位点だけではなくそのさらなる実施形態および特長も、図面に関連した以下の発明を実施するための形態から明らかになるであろう。
【0018】
例えば、本願発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
車両ナビゲーションのための方法であって、
車両(10)の衛星測位装置(30)から衛星測位データを取得することと、
前記車両(10)の多くのセンサ(60)から車両センサデータを取得することと、
カルマンフィルタ(40)によって前記衛星測位データおよび前記車両センサデータを結合し、前記車両の結合された状態ベクトル推定値を取得することと、
を含み、
前記カルマンフィルタ(40)が、
−前記衛星測位データを受信し、前記車両の第1の状態ベクトル推定値および対応する第1の状態誤差共分散行列を生成する第1のフィルタ(42)と、
−前記車両センサデータを受信し、前記車両の第2の状態ベクトル推定値および対応する第2の状態誤差共分散行列を生成する第2のフィルタ(44)と、
−前記第1の状態ベクトル推定値と、前記第1の状態誤差共分散行列と、前記第2の状態ベクトル推定値と、前記第2の状態誤差共分散行列とを受信し、前記結合された状態ベクトル推定値および対応する結合された状態誤差共分散行列を生成する第3のフィルタ(46)と、
を備え、
前記第3のフィルタ(46)が、前記結合された状態ベクトル推定値に基づく予測状態ベクトル推定値、および前記結合された状態誤差共分散行列に基づき予測状態誤差共分散行列を生成する予測プロセッサ(48)を備え、
前記予測状態ベクトル推定値および前記予測状態誤差共分散行列が、前記第1のフィルタ(42)、前記第2のフィルタ(44)、および前記第3のフィルタ(46)にフィードバックされる、方法。
(項目2)
前記車両センサデータが、前記車両(10)の走行距離計(62)によって測定される速度を含む、
上記項目に記載の方法。
(項目3)
前記車両センサデータが、前記車両(10)のジャイロセンサ(64)によって測定されるヨーレートを含む、
上記項目のうちのいずれか一項に記載の方法。
(項目4)
前記車両センサデータが、前記車両(10)のステアリング角を含む、
上記項目のうちのいずれか一項に記載の方法。
(項目5)
前記ステアリング角が、前記車両(10)のパワーステアリングコントローラ(66)によって測定される、
上記項目のうちのいずれか一項に記載の方法。
(項目6)
前記第1のフィルタ(42)が、前記フィードバックされた予測状態ベクトル推定値を、前記受信された衛星測位データで更新することによって前記第1の状態ベクトル推定値を決定する、
上記項目のうちのいずれか一項に記載の方法。
(項目7)
前記第1のフィルタ(42)が、前記フィードバックされた予測誤差共分散行列および前記衛星測位データの測定誤差共分散行列に基づいて前記第1の状態誤差共分散行列を決定する、
上記項目のうちのいずれか一項に記載の方法。
(項目8)
前記第2のフィルタ(44)が、前記フィードバックされた予測状態ベクトル推定値を、前記受信された車両センサデータで更新することによって前記第2の状態ベクトル推定値を決定する、
上記項目のうちのいずれか一項に記載の方法。
(項目9)
前記第2のフィルタ(46)が、前記フィードバックされた予測状態誤差共分散行列および前記車両センサデータの測定誤差共分散行列に基づいて、前記第2の状態誤差共分散行列を決定する、
上記項目のうちのいずれか一項に記載の方法。
(項目10)
前記第3のフィルタ(46)が、前記フィードバックされた予測状態誤差共分散行列に基づいて前記結合された状態誤差共分散行列を決定する、
上記項目のうちのいずれか一項に記載の方法。
(項目11)
前記第3のフィルタ(46)が、前記フィードバックされた予測状態ベクトル推定値および前記フィードバックされた予測状態誤差共分散行列に基づいて、前記結合された状態ベクトル推定値を決定する、
上記項目のうちのいずれか一項に記載の方法。
(項目12)
前記第3のフィルタ(46)の前記予測プロセッサ(48)が、線形状態遷移行列付きの状態遷移モデルに基づく、
上記項目のうちのいずれか一項に記載の方法。
(項目13)
車両(10)用のナビゲーションシステム(20)であって、
衛星測位データを取得するように構成される衛星測位装置(30)と、
衛星測位データおよび前記車両(10)の多くの車両センサ(60)から受信される車両センサデータを結合することによって前記車両の結合された状態ベクトル推定値を取得するように構成されるカルマンフィルタ(40)と、
を備え、
前記カルマンフィルタ(40)が、
−衛星測位データを受信し、前記車両の第1の状態ベクトル推定値および対応する第1の状態誤差共分散行列を生成するように構成される第1のフィルタ(42)と、
−前記車両センサデータを受信し、前記車両の第2の状態ベクトル推定値および対応する第2の状態誤差共分散行列を生成するように構成される第2のフィルタ(44)と、
−前記第1の状態ベクトル推定値と、前記第1の状態誤差共分散行列と、前記第2の状態ベクトル推定値と、前記第2の状態誤差共分散行列とを受信し、前記結合された状態ベクトル推定値および対応する結合された状態誤差共分散行列を生成するように構成される第3のフィルタ(46)と、
を備え、
前記第3のフィルタ(46)が、前記結合された状態ベクトル推定値に基づく予測状態ベクトル推定値、および前記結合された状態誤差共分散行列に基づく予測状態誤差共分散行列を生成するように構成される予測プロセッサ(48)を備え、
前記カルマンフィルタ(40)が、前記予測状態ベクトル推定値および前記予測状態誤差共分散行列を、前記第1のフィルタ(42)、前記第2のフィルタ(44)、および前記第3のフィルタ(46)にフィードバックするように構成されるフィードバック装置を備える、ナビゲーションシステム(20)。
(項目14)
前記ナビゲーションシステム(20)が、上記項目のうちのいずれか一項に記載の前記方法を実行するように構成される、
上記項目に記載のナビゲーションシステム(20)。
(項目15)
上記項目のうちのいずれか一項に記載のナビゲーションシステム(20)と、前記車両センサデータを提供するために多くの車両センサ(60)とを備える車両。
【0019】
(摘要)
衛星測位データに基づいて車両ナビゲーションの性能を改善するため、衛星測位データは車両センサデータと結合される。これは、カルマンフィルタ(40)を使用することによって達成される。カルマンフィルタ(40)は、衛星測位データを受信する第1のフィルタ(42)、車両センサデータを受信するためのフィルタ(44)を備える。第1のフィルタ(42)は、車両の第1の状態ベクトル推定値および対応する第1の状態誤差共分散行列を生成する。第2のフィルタ(44)は、車両の第2の状態ベクトル推定値および対応する第2の状態誤差共分散行列を生成する。第3のフィルタ(46)は、第1のフィルタおよび第2のフィルタ(42、44)から第1の状態ベクトル推定値、第1の状態誤差共分散行列、第2の状態ベクトル推定値、および第2の状態誤差共分散行列を受信し、そこから結合された状態ベクトル推定値および対応する結合された状態誤差共分散行列を生成する。さらに、第3のフィルタ(46)は、結合された状態ベクトル推定値および結合された状態誤差共分散行列から予測状態ベクトル推定値および予測状態誤差共分散行列を生成する予測プロセッサ(48)を備える。予測状態ベクトル推定値および予測状態誤差共分散行列は、第1のフィルタ(42)、第2のフィルタ(44)、および第3のフィルタ(46)にフィードバックされる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態に係るナビゲーションシステム付き車両を示す概略ブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る方法を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態に係るカルマンフィルタを概略で示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係るナビゲーションシステムの例示的な実装を概略で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下では、本発明の実施形態は、図面を参照して説明される。本明細書に説明される異なる実施形態の特徴が適宜に互いと結合されてもよいことが留意されるべきである。
【0022】
図1は、本発明の実施形態に係るナビゲーションシステム20付きの車両10を概略で示す。示されているように、ナビゲーションシステム20は、例えばGPS受信機、カルマンフィルタ40、およびナビゲーションエンジン50等の衛星測位装置30を含む。車両10は、多くの車両センサ60、つまり示されている例では走行距離計62、ジャイロセンサ64およびパワーステアリングコントローラ66のステアリング角センサをさらに含む。
【0023】
衛星測位装置30は、衛星測位データを取得するように構成される。例えば、衛星測位装置30は、車両の座標、車両の速度、および/または車両の向首角を測定するように衛星測位信号を評価してもよい。これらの測定値は、位置ベクトルおよび速度ベクトルの形の衛星測位データで表されてもよい。
【0024】
車両センサは、車両10の運動の状態に関して多様な測定値を取得するように構成される。例えば、走行距離計62は、車両の速度を測定するように構成されてもよい。ジャイロセンサ64は、車両10のヨーレートを測定するように構成されてもよい。さらに、パワーステアリングコントローラ66のステアリング角センサは、車両10の向首角に関連する車両10のステアリング角を測定するように構成されてもよい。
【0025】
図1でさらに示されるように、カルマンフィルタ40は衛星測位装置30から衛星測位データを受信し、車両センサ60から車両センサデータをさらに受信する。カルマンフィルタ40は、衛星測位データおよび車両センサデータを結合し、車両10の結合された状態ベクトル推定値を取得する目的を有する。図1に示されるように、カルマンフィルタ40によって取得される結合された状態ベクトル推定値は、ナビゲーションシステム20のナビゲーションエンジン50に供給されてもよい。ナビゲーションエンジン50は、例えば、運転者に車両10の位置を表示するため、所望される目的地への車両10の現在位置からのルートを計算するため、または他のナビゲーション関連目的のために結合された状態ベクトル推定値に使用されてもよい。結合された状態ベクトル推定値は衛星測位データと車両センサデータの両方に基づいているので、衛星測位データ単独に基づいた状態ベクトル推定値に比較して改善された精度を有する。
【0026】
図2は、本発明の実施形態に係る車両ナビゲーションの方法を概略で示す図である。例えば、方法は、図1に示されるナビゲーションシステム20に実装されてもよい。代替的に、方法はそれとは無関係にまたはいずれかの他のシステムでも実装されてもよい。
【0027】
ステップ210で、衛星測位データは、例えば図1の衛星測位装置30等の衛星測位装置によって取得される。衛星測位データは、通常、地理座標の形で車両の位置を表し、例えば速度ベクトルの形で車両の速度およびヘディング方向も含んでもよい。
【0028】
ステップ220で、車両センサデータが取得される。例えば、車両センサデータは、例えば走行距離計から、ジャイロセンサから、またはパワーステアリングコントローラのステアリング角センサから等、図1に示されるように車両センサから取得されてもよい。走行距離計は、車両の速度を提供するために使用されてもよい。ジャイロセンサは、車両のヨーレートを提供するために使用されてもよい。パワーステアリングコントローラのステアリング角センサは、車両のステアリング角を提供するために使用されてもよい。
【0029】
ステップ230で、衛星測位データおよび車両センサデータがカルマンフィルタによって結合される。
【0030】
図1のナビゲーションシステム20および図2の方法で使用されるカルマンフィルタは、第1のフィルタ、第2のフィルタ、および第3のフィルタを含む。第1のフィルタは衛星測位データを受信し、車両の第1の状態ベクトル推定値および対応する第1の状態誤差共分散行列を生成する。第2のフィルタは車両センサデータを受信し、車両の第2の状態ベクトル推定値、および対応する第2の状態誤差共分散行列を生成する。第3のフィルタは第1のサテーベクトル推定値、第1の状態誤差共分散行列、第2の状態ベクトル推定値、および第2の状態誤差共分散行列を受信し、そこから結合された状態ベクトル推定値および対応する結合された状態誤差共分散行列を生成する。第3のフィルタは、状態遷移モデルに基づいて実装される予測プロセッサを含む。予測プロセッサは、結合された状態ベクトル推定値に基づいて予測状態ベクトル推定値を生成する。さらに、予測プロセッサは、結合された状態誤差共分散行列に基づいて予測状態誤差共分散行列を生成する。予測状態ベクトル推定値および予測状態誤差共分散行列は第1のフィルタ、第2のフィルタ、および第3のフィルタにフィードバックされる。
【0031】
したがって、このカルマンフィルタでは、第1のフィルタは、フィードバックされた予測状態ベクトル推定値を受信された衛星測位データで更新することによって第1の状態ベクトル推定値を決定してもよい。さらに、第1のフィルタは、フィードバックされた予測状態誤差共分散行列および衛星測位データの測定誤差共分散行列に基づいて第1の状態誤差共分散行列を決定してもよい。同様に、第2のフィルタが、フィードバックされた予測状態ベクトル推定値を受信された車両センサデータで更新することによって第2の状態ベクトル推定値を決定してもよい。さらに、第2のフィルタは、フィードバックされた予測状態誤差共分散行列および車両センサデータの測定誤差共分散行列に基づいて第2の状態誤差共分散行列を決定してもよい。第3のフィルタは、フィードバックされた予測状態誤差共分散行列に基づいて、結合された状態誤差共分散行列を決定してもよい。さらに、第3のフィルタは、フィードバックされた予測状態ベクトル推定値およびフィードバックされた予測状態誤差共分散行列に基づいて結合された状態ベクトル推定値を決定してもよい。予測プロセッサによって使用される状態遷移モデルは、線形状態遷移行列に基づいてもよい。
【0032】
図1のナビゲーションシステム20に使用されるカルマンフィルタおよび図2の車両ナビゲーション方法のさらなる詳細は、以下に説明される。
【0033】
これらの説明のために、状態ベクトルが以下によって与えられる状態空間モデルが仮定される。
【0034】
【数1】

したがって、状態ベクトルは
【0035】
【化1】

で示されるx方向の位置、
【0036】
【化2】

で示3されるx方向の速度、yで示されるy方向の位置、および
【0037】
【化3】

で示されるy方向の速度を含む。
【0038】
状態空間モデルは以下によって連続形式で表されてもよい。
【0039】
【数2】

または
【0040】
【数3】

方程式(2)では、行列
【0041】
【化4】

は、車両の運動の物理モデルに基づいて状態ベクトルの遷移を説明する。行列
【0042】
【化5】

は、ベクトル
【0043】
【化6】

によって表される外乱の影響を説明し、ベクトル
【0044】
【化7】

はノイズ成分を説明する。
【0045】
方程式(3)からわかるように、離散形式の状態遷移行列は以下のように書くことができ、
【0046】
【数4】

上式では、
【0047】
【化8】

は、2つの離散状態間の時間間隔を示す。
【0048】
状態遷移行列
【0049】
【化9】

に対応する誤差共分散行列は、以下として表すことができる。
【0050】
【数5】

上述されたように、2つの異なるタイプの測定データがカルマンフィルタによって受信される。
【0051】
第1のタイプの測定データは、ベクトルによって表すことができる衛星測位データであり、
【0052】
【数6】

であり、ここで、x は、x方向に沿った位置を示し、
【0053】
【化10】

はy方向に沿った位置を示し、v は速度の絶対値を示し、
【0054】
【化11】

は車両の向首角を示す。
【0055】
第2のタイプの測定データは、ベクトルによって表すことができる車両センサデータであり、
【0056】
【数7】

であり、ここで、v は速度の絶対値であり、
【0057】
【化12】

は車両のヨーレートである。
【0058】
ここで、方程式(7)のベクトル
【0059】
【化13】

が単に本発明の実施形態で使用できる車両センサデータの例に過ぎないことが留意されるべきである。例えば、ステアリング角は追加の測定値として、または例えばヨーレート
【0060】
【化14】

の置換として等、ベクトル
【0061】
【化15】

の測定値の内の1つの代替として使用できる可能性がある。
【0062】
方程式(6)および(7)の測定値と、方程式(1)の状態ベクトルとの間には以下の関係が存在することが分かる。
【0063】
【数8】

【0064】
【数9】

これらの関係は非線形である。したがって、測定ベクトル
【0065】
【化16】

および
【0066】
【化17】

を状態ベクトル空間にマッピングする測定行列は、以下のようにヤコビ行列で表すことができる。
【0067】
【数10】

および
【0068】
【数11】

カルマンフィルタの動作が、ここでカルマンフィルタ40が第1のフィルタ42、第2のフィルタ44、および第3のフィルタ46とともに示されている図3のブロック図を参照することによってさらに説明される。加えて、第3のフィルタの予測プロセッサ48も説明される。以下にさらに説明されるように、カルマンフィルタ40は繰り返し動作し、反復ステップの指数はkで示される。
【0069】
図3に示されるように、第1のフィルタ42は、測定ベクトル
【0070】
【化18】

によって表されるk番目の反復に対応する衛星測位データを受信する。第1のフィルタは、以下に従って第1の状態誤差共分散行列
【0071】
【数12】

および以下に従って第1の状態ベクトル推定値を決定する。
【0072】
【数13】

ここで、
【0073】
【化19】

は、反復kで方程式(10)に従って計算される第1の測定行列を示す。さらに、
【0074】
【化20】

は転置された第1の測定行列を示す。
【0075】
【化21】

は、衛星測位データを取得する際の測定誤差を表す第1の測定誤差行列を示す。
【0076】
【化22】

は、予測状態誤差共分散行列を表し、
【0077】
【化23】

は予測状態ベクトル推定値を表す。第1のフィルタ42は、第3のフィルタ46からのフィードバックを介して予測状態誤差共分散行列
【0078】
【化24】

および予測状態ベクトル推定値
【0079】
【化25】

を取得する。
【0080】
代わりに、第1のフィルタ42の動作は、以下に従って最初に第1のカルマン利得を計算し、
【0081】
【数14】

以下に従って第1の状態ベクトル推定値を計算することによっても表すことができる。
【0082】
【数15】

方程式(13)および(15)の計算は、受信された衛星測位データによる予測状態ベクトル推定値
【0083】
【化26】

の更新に対応する。
【0084】
図3によって示されるように、第2のフィルタ44は測定ベクトル
【0085】
【化27】

によって表されるk番目の反復に対応する車両センサデータを受信する。第2のフィルタは、以下に従って第2の状態誤差共分散行列
【0086】
【数16】

および以下に従って第2の状態ベクトル推定値を決定する。
【0087】
【数17】

ここで、
【0088】
【化28】

は、反復kで方程式(11)に従って計算される第2の測定行列を示す。さらに、
【0089】
【化29】

は、転置された第2の測定行列を示す。
【0090】
【化30】

は、衛星測位データを取得する際の測定誤差を表す第2の測定誤差行列を示す。
【0091】
【化31】

は、予測状態誤差共分散行列を表し、
【0092】
【化32】

は予測状態ベクトル推定値を表す。第2のフィルタ44は、第3のフィルタ46からのフィードバックを介して予測状態誤差共分散行列
【0093】
【化33】

および予測状態ベクトル推定値
【0094】
【化34】

を取得する。
【0095】
代わりに、第2のフィルタ44の動作は、以下に従って最初に第2のカルマン利得を計算し、
【0096】
【数18】

以下に従って第2の状態ベクトル推定値を計算することによって表すこともできる。
【0097】
【数19】

方程式(17)および(19)の計算は、受信された車両センサデータによる予測状態ベクトル推定値
【0098】
【化35】

の更新に対応する。
【0099】
さらに図3に示されるように、第3のフィルタ46は、第1のフィルタ42から第1の状態ベクトル推定値
【0100】
【化36】

および対応する第1の状態誤差共分散行列
【0101】
【化37】

を受信する。さらに、第3のフィルタ46は、第2のフィルタ44から第2の状態ベクトル推定値
【0102】
【化38】

および対応する第2の状態誤差共分散行列
【0103】
【化39】

を受信する。
【0104】
第3のフィルタ46は、以下に従って結合された状態誤差共分散行列
【0105】
【数20】

および以下に従って結合された状態ベクトル推定値を決定する。
【0106】
【数21】

方程式(20)および(21)は、第1の状態誤差共分散行列
【0107】
【化40】

の逆数、および第2の状態誤差共分散行列
【0108】
【化41】

の逆数に基づいているので、これらは図3の注釈に示されるように、反転形で第1のフィルタおよび第2のフィルタ42、44から供給されてもよい。このようにして、複数の反転を回避することができる。
【0109】
分かるように、方程式(20)および(21)も予測状態ベクトル推定値
【0110】
【化42】

および対応する予測状態誤差共分散行列
【0111】
【化43】

に基づいている。第3のフィルタ46は予測プロセッサ48からのローカルフィードバックパラメータとしてこれらを受信する。
【0112】
予測プロセッサ48は、上述されたように状態遷移モデルに基づき動作し、以下に従って次の反復の予測状態ベクトル推定値を計算し、
【0113】
【数22】

以下に従って、次の反復の予測状態誤差共分散マトリックスを計算する。
【0114】
【数23】

さらに、第3のフィルタ46は、次の反復のために予測状態ベクトル推定値
【0115】
【化44】

を、および第1のフィルタ42および第2のフィルタ44に予測状態誤差共分散行列
【0116】
【化45】

を供給する。したがって、予測状態ベクトル推定値
【0117】
【化46】

および予測状態誤差共分散行列
【0118】
【化47】

は、次の反復ステップの、つまり、反復 k+1の動作でフィルタ42、44、46のそれぞれで使用することができる。
【0119】
上記計算では、測定行列
【0120】
【化48】

および
【0121】
【化49】

が、予測状態ベクトル推定値
【0122】
【化50】

だけでなく、方程式(10)および(11)の式を使用してより推定されたものにも基づいて計算されるべきであることが留意されるべきである。さらに、測定誤差共分散行列
【0123】
【化51】

および
【0124】
【化52】

は、静的に、つまり測定誤差が互いとは関係なく発生すると仮定して決定することができ、その結果対角線要素が測定ベクトルのそれぞれの成分に対応する測定誤差の分散であるこれらの行列の対角構造が生じることになる。さらに、反復カルマンフィルタリングプロセスの開始点で、初期値が適切に設定される必要があることが理解されるべきである。特に、予測状態ベクトル推定値の初期値および予測状態誤差共分散行列の初期値が設定されてもよい。かかる初期値は、例えば初期衛星測位データ、および衛星測位データの測定誤差の適切な仮定に基づく可能性がある。
【0125】
上述された実施形態で使用されるカルマンフィルタは、プロセッサによって実行される相応して構成されるコンピュータプログラムコードを使用することによって実装されてもよい。図4は、ナビゲーションシステム20の対応するプロセッサをベースにした実装を概略で示す。
【0126】
この実装では、ナビゲーションシステム20は、例えばGPS受信機等の衛星測位受信機、例えばCAN(コントローラエリアネットワーク)バス等の車両バスシステムによって実装される車両センサインタフェースを備える。さらに、ナビゲーションシステム20は、プロセッサ150によって使用されるソフトウェアコードモジュールおよび/またはデータを記憶するメモリ160を備える。さらに、示されている実装のナビゲーションシステム20は、ユーザインタフェース170を含む。
【0127】
衛星測位受信機130は、衛星測位信号を受信し、そこから例えば車両の疑似距離、地理座標、速度および/または向首角の形で信号処理データを生成する目的を有する。衛星測位受信機は、プロセッサ150に衛星測位データを供給する。ここで、プロセッサ150は、例えば疑似距離の地理座標、速度、および/または向首角への変換等の衛星測位データのさらなる調整を実行してもよいことが理解されるべきである。
【0128】
車両センサインタフェース140は、走行距離計、ジャイロセンサ、および/またはパワーステアリングコントローラのステアリング角センサ等の多様なタイプの車両センサから車両センサデータを受信するように構成される。したがって、車両データは、走行距離計によって測定される速度、ジャイロセンサによって測定されるヨーレート、および/または車両のパワーステアリングコントローラによって測定されるステアリング角を含んでもよい。
【0129】
ユーザインタフェース170は、ユーザとの多様なタイプの対話を実現するように構成されてもよい。この目的のため、ユーザインタフェース170は、例えば車両ユーザにナビゲーション情報を表示するためのグラフィックディスプレイまたはテキストディスプレイ、例えば車両ユーザに音響ナビゲーション指示を出力するための、ラウドスピーカ等の音響出力装置、および/または車両ユーザからの入力を受け取るための入力装置を含んでもよい。
【0130】
メモリ160は、例えばフラッシュROM等の読み取り専用メモリ(ROM)、例えばダイナミックRAM(DRAM)またはスタティックRAM(SRAM)等のランダムアクセスメモリ(RAM)、例えばハードディスクまたはソリッドステートディスク等の大量記憶装置を含んでもよい。上述されたように、メモリ160は、プロセッサ150によって実行される適切に構成されたプログラムコード、およびプロセッサ150によって使用されるデータを含んでもよい。このようにして、ナビゲーションシステム20は、図1から図3に関連して説明されるように動作するように構成されてもよい。特に、図4に示されるように、メモリ160はカルマンフィルタ40の上述された機能性を実装するためにフィルタモジュール162を含んでもよい。さらに、メモリ160は、所望される目的地までのルートを計算する、マップ表現で車両の現在位置を表示する等の多様なタイプのナビゲーション機能を実装するためにナビゲーションモジュール164を含んでもよい。さらに、メモリ160はナビゲーション機能を実装するためにプロセッサ150によって使用されてもよいマップデータ166を含んでもよい。
【0131】
図4に示されるナビゲーションシステム20の実装は単に概要であること、およびナビゲーションシステム20が、実際には、さらなるインタフェース等の、明確にするために示されていないさらなる構成要素を含んでもよいことが理解されるべきである。例えば、かかるさらなるインタフェースは、オンライントラフィック情報または更新されたマップデータ等の、外部ソースからのデータを受信するために使用される可能性がある。また、メモリ160は、例えば既知のタイプのナビゲーション機能を実装するためのプログラムコードモジュール等の、示されていないさらなるタイプのプログラムコードモジュールを含んでもよいことが理解されるべきである。いくつかの実施形態に従って、コンピュータプログラム製品は、上記に説明された実施形態に従って、つまりメモリ160に記憶されるプログラムコードを提供することによって提供されてもよい、または概念を実施してもよい。例えば、かかるプログラムコードは記憶媒体で提供される可能性がある。
【0132】
上記に説明された例および実施形態は、本発明のいくつかの実施形態に係る概念を示す目的を有し、多様な変型の影響を受けやすいことが留意されるべきである。例えば、上述された概念は、衛星測位データを、上記に言及された車両センサデータの例を含んでもよい、またはそれとは異なってもよい、任意の数の車両センサからの車両センサデータと結合するために使用されてもよい。また、カルマンフィルタの異なる構成要素での計算の詳細は、例えば精密測定誤差モデルを考慮に入れるために、適宜に修正されてもよいことも理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両ナビゲーションのための方法であって、
車両(10)の衛星測位装置(30)から衛星測位データを取得することと、
前記車両(10)の多くのセンサ(60)から車両センサデータを取得することと、
カルマンフィルタ(40)によって前記衛星測位データおよび前記車両センサデータを結合し、前記車両の結合された状態ベクトル推定値を取得することと、
を含み、
前記カルマンフィルタ(40)が、
−前記衛星測位データを受信し、前記車両の第1の状態ベクトル推定値および対応する第1の状態誤差共分散行列を生成する第1のフィルタ(42)と、
−前記車両センサデータを受信し、前記車両の第2の状態ベクトル推定値および対応する第2の状態誤差共分散行列を生成する第2のフィルタ(44)と、
−前記第1の状態ベクトル推定値と、前記第1の状態誤差共分散行列と、前記第2の状態ベクトル推定値と、前記第2の状態誤差共分散行列とを受信し、前記結合された状態ベクトル推定値および対応する結合された状態誤差共分散行列を生成する第3のフィルタ(46)と、
を備え、
前記第3のフィルタ(46)が、前記結合された状態ベクトル推定値に基づく予測状態ベクトル推定値、および前記結合された状態誤差共分散行列に基づき予測状態誤差共分散行列を生成する予測プロセッサ(48)を備え、
前記予測状態ベクトル推定値および前記予測状態誤差共分散行列が、前記第1のフィルタ(42)、前記第2のフィルタ(44)、および前記第3のフィルタ(46)にフィードバックされる、方法。
【請求項2】
前記車両センサデータが、前記車両(10)の走行距離計(62)によって測定される速度を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記車両センサデータが、前記車両(10)のジャイロセンサ(64)によって測定されるヨーレートを含む、
請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記車両センサデータが、前記車両(10)のステアリング角を含む、
前記請求項のいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
前記ステアリング角が、前記車両(10)のパワーステアリングコントローラ(66)によって測定される、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のフィルタ(42)が、前記フィードバックされた予測状態ベクトル推定値を、前記受信された衛星測位データで更新することによって前記第1の状態ベクトル推定値を決定する、
前記請求項のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
前記第1のフィルタ(42)が、前記フィードバックされた予測誤差共分散行列および前記衛星測位データの測定誤差共分散行列に基づいて前記第1の状態誤差共分散行列を決定する、
前記請求項のいずれか1つに記載の方法。

【請求項8】
前記第2のフィルタ(44)が、前記フィードバックされた予測状態ベクトル推定値を、前記受信された車両センサデータで更新することによって前記第2の状態ベクトル推定値を決定する、
前記請求項のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
前記第2のフィルタ(46)が、前記フィードバックされた予測状態誤差共分散行列および前記車両センサデータの測定誤差共分散行列に基づいて、前記第2の状態誤差共分散行列を決定する、
前記請求項のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
前記第3のフィルタ(46)が、前記フィードバックされた予測状態誤差共分散行列に基づいて前記結合された状態誤差共分散行列を決定する、
前記請求項のいずれか1つに記載の方法。
【請求項11】
前記第3のフィルタ(46)が、前記フィードバックされた予測状態ベクトル推定値および前記フィードバックされた予測状態誤差共分散行列に基づいて、前記結合された状態ベクトル推定値を決定する、
前記請求項のいずれか1つに記載の方法。
【請求項12】
前記第3のフィルタ(46)の前記予測プロセッサ(48)が、線形状態遷移行列付きの状態遷移モデルに基づく、
前記請求項のいずれか1つに記載の方法。
【請求項13】
車両(10)用のナビゲーションシステム(20)であって、
衛星測位データを取得するように構成される衛星測位装置(30)と、
衛星測位データおよび前記車両(10)の多くの車両センサ(60)から受信される車両センサデータを結合することによって前記車両の結合された状態ベクトル推定値を取得するように構成されるカルマンフィルタ(40)と、
を備え、
前記カルマンフィルタ(40)が、
−衛星測位データを受信し、前記車両の第1の状態ベクトル推定値および対応する第1の状態誤差共分散行列を生成するように構成される第1のフィルタ(42)と、
−前記車両センサデータを受信し、前記車両の第2の状態ベクトル推定値および対応する第2の状態誤差共分散行列を生成するように構成される第2のフィルタ(44)と、
−前記第1の状態ベクトル推定値と、前記第1の状態誤差共分散行列と、前記第2の状態ベクトル推定値と、前記第2の状態誤差共分散行列とを受信し、前記結合された状態ベクトル推定値および対応する結合された状態誤差共分散行列を生成するように構成される第3のフィルタ(46)と、
を備え、
前記第3のフィルタ(46)が、前記結合された状態ベクトル推定値に基づく予測状態ベクトル推定値、および前記結合された状態誤差共分散行列に基づく予測状態誤差共分散行列を生成するように構成される予測プロセッサ(48)を備え、
前記カルマンフィルタ(40)が、前記予測状態ベクトル推定値および前記予測状態誤差共分散行列を、前記第1のフィルタ(42)、前記第2のフィルタ(44)、および前記第3のフィルタ(46)にフィードバックするように構成されるフィードバック装置を備える、ナビゲーションシステム(20)。
【請求項14】
前記ナビゲーションシステム(20)が、請求項1から12のいずれか1つに記載の前記方法を実行するように構成される、
請求項13に記載のナビゲーションシステム(20)。
【請求項15】
請求項13または14に記載のナビゲーションシステム(20)と、前記車両センサデータを提供するために多くの車両センサ(60)とを備える車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−36994(P2013−36994A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−171837(P2012−171837)
【出願日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【出願人】(504147933)ハーマン ベッカー オートモーティブ システムズ ゲーエムベーハー (165)
【Fターム(参考)】