説明

衣類乾燥機および洗濯乾燥機

【課題】衣類の乾燥運転を行う場合に、消費電力量を必要最小限の量にほぼ等しくして、省費電力の無駄を極力少なくする。
【解決手段】乾燥庫4と、加熱手段14と、送風手段13と、加熱手段14及び送風手段13を駆動制御する制御手段21と、加熱手段に流れる電流値を検知する電流検知手段21と、加熱手段14が動作している時間を計時する計時手段21と、乾燥庫4内に収容された衣類の重量を検知する重量検知手段21と、衣類が保有する水分を蒸発させるために必要な最小限の最小消費電力量を記憶する記憶手段21とを備え、検知された検知電流値と計時された動作時間とに基づいて加熱手段14の消費電力量を算出し、この算出した消費電力量が、衣類重量に対応する最小消費電力量を超えたことに基づき、加熱手段14を停止させるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類の乾燥運転中に衣類の乾燥進行状態を検知する機能を備えた衣類乾燥機および洗濯乾燥機に関する。
【背景技術】
【0002】
衣類乾燥機において、衣類の乾燥進行状態を検知する方法として、従来より、電極により衣類の電気抵抗を測定し、この測定した電気抵抗に基づいて衣類の乾燥状態を判断する方法が使用されている(特許文献1、2参照)。また、水冷除湿を行う衣類乾燥機の場合には、除湿水の温度を測定し、この測定した水温に基づいて衣類の乾燥状態を判断する方法が使用されている。更に、衣類の温度および乾燥庫(ドラム)内に供給する温風の温度を測定し、これら測定した温度に基づいて衣類の乾燥状態を判断する方法も使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3159599号公報
【特許文献2】特公昭61−37118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した各検知方法によって検知した衣類の乾燥状態と、実際の衣類の乾燥状態との間にかなりズレが発生することがあった。このようなズレが発生する原因としては、衣類のほぐれむらや、冷却水(水道水)の温度の変化や、温風温度検知センサの検知誤差などが影響していると考えられている。上記各検知方法で衣類の乾燥終了を検知する構成の場合、上述したように検知のばらつきが大きいことから、未乾燥で乾燥運転が終了することを避けるために、乾燥終了の検知時点からある程度長い時間乾燥運転(即ち、加熱装置の通電)を続けるように制御している。しかしながら、このような制御を行う構成では、加熱装置を無駄に通電し続けるため、消費電力量が多くなるという問題があった。
【0005】
本発明は上記問題を解消するため、衣類の乾燥運転を行う場合に、消費電力量を必要最小限の量にほぼ等しくすることができ、省費電力の無駄を極力少なくする衣類乾燥機および洗濯乾燥機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の衣類乾燥機は、衣類を乾燥させる乾燥庫と、前記乾燥庫内に送り込む温風を生成するための加熱手段と、前記加熱手段によって加熱された温風を前記乾燥庫内に送り込むための送風手段と、前記加熱手段及び前記送風手段を駆動制御する制御手段と、前記加熱手段に流れる電流値を検知する電流検知手段と、前記加熱手段が動作している時間を計時する計時手段と、前記乾燥庫内に収容された衣類の重量を検知する重量検知手段と、前記衣類の重量に対応して設定されるものであって前記衣類が保有する水分を蒸発させるために必要な最小限の最小消費電力量を記憶する記憶手段とを備え、前記制御手段は、前記電流検知手段により検知された検知電流値と前記計時手段により計時された動作時間とに基づいて前記加熱手段の消費電力量を算出し、この算出した消費電力量が、前記重量検知手段により検知された前記衣類重量に対応する前記最小消費電力量を超えたことに基づき、前記加熱手段を停止させるように制御するところに特徴を有する(請求項1の発明)。
【0007】
本発明の洗濯乾燥機は、衣類の洗濯、脱水、乾燥を実行可能なように構成された洗濯乾燥機において、前記衣類を洗浄し且つ乾燥させる乾燥庫と、前記乾燥庫内に送り込む温風を生成するための加熱手段と、前記加熱手段によって加熱された温風を前記乾燥庫内に送り込むための送風手段と、前記加熱手段及び前記送風手段を駆動制御する制御装置と、前記加熱手段に流れる電流値を検知する電流検知手段と、前記加熱手段が動作している時間を計時する計時手段と、前記乾燥庫内に収容された衣類の重量を検知する重量検知手段と、前記衣類の重量に対応して設定されるものであって前記衣類が保有する水分を蒸発させるために必要な最小限の最小消費電力量を記憶する記憶手段とを備え、前記制御手段は、前記電流検知手段により検知された検知電流値と前記計時手段により計時された動作時間とに基づいて前記加熱手段の消費電力量を算出し、この算出した消費電力量が、前記重量検知手段により検知された前記衣類重量に対応する前記最小消費電力量を超えたことに基づき、前記加熱手段を停止させるように制御するところに特徴を有する(請求項8の発明)。
【発明の効果】
【0008】
上記手段によれば、加熱手段の消費電力量を算出し、この算出した消費電力量が、重量検知手段により検知された衣類重量に対応する最小消費電力量を超えたことに基づき、本実施例の場合は超えた時点で、加熱手段を停止させるように制御したので、消費電力量を必要最小限の量にほぼ等しくすることができ、省費電力の無駄を極力少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施例を示すドラム式洗濯乾燥機の外箱を取り除いた状態の主要部を示す斜視図
【図2】ドラム式洗濯乾燥機の一部を破断して全体構成の概要を示す斜視図
【図3】乾燥用ユニットを拡大して示す斜視図
【図4】ドラム式洗濯乾燥機の電気的構成を示すブロック図
【図5】フローチャート
【図6】衣類重量と水温とに対応するように設定された最小消費電力量の表を示す図
【図7】衣類重量と水温とに対応するように設定された乾燥効率の表を示す図
【図8】本発明の第2の実施例を示す図5相当図
【図9】衣類重量と室温とに対応するように設定された補正係数の表を示す図
【図10】本発明の第3の実施例を示す図5相当図
【図11】衣類重量と乾燥庫温度とに対応するように設定された補正係数の表を示す図
【図12】本発明の第4の実施例を示す図5相当図
【図13】衣類重量と布質とに対応するように設定された補正係数の表を示す図
【図14】本発明の第5の実施例を示す図5相当図
【図15】衣類重量と水温とに対応するように設定された加熱運転最長時間の表を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明をドラム式洗濯乾燥機に適用した第1の実施例について、図1ないし図7を参照して説明する。そのうち、図1は同洗濯乾燥機の外郭を形成する外箱を取り除いた状態の主要部を示す斜視図、図2は一部破断して全体構成の概要を示す斜視図で、これら図1、2に基づき全体構成につき説明する。まず、図2に示すようにドラム式洗濯乾燥機の外殻を形成する本体としての外箱1は、前面側(同洗濯乾燥機の正面側)に若干傾斜面を形成するが略矩形箱状をなすとともに、平坦状の天面1aを有し下面を開放した構成としている。その下面開放部を閉鎖するように、本体の底部を形成する台板2が結合されている。なお、外箱1の前面側には図示しない洗濯物出入口を開閉するドアや、操作パネル等を備えている。
【0011】
上記本体内には、実質的に無孔状で円筒状をなす水槽3および周壁に多数の透孔4aやバッフル4bを有し横軸周りに回転可能なドラム(乾燥庫)4が同心状に配設されている。これら、水槽3およびドラム4は、共に前面側(図示左側)を大きく開口して、前記ドアと対向配置しており、且つ水槽3の開口部と前記洗濯物出入口との間には、やはり図示しない可撓性のベローズが水密に装着されている。従って、ドアが閉鎖された状態では水槽3は閉空間を形成する。またドラム4は、詳細には若干前上がりの傾斜状態に支持されるように、水槽3がサスペンション5を介して台板2上に弾性支持されている。
【0012】
そして、ドラム4を回転駆動するモータ6は、水槽3の背面に設けられている(図1参照)。該モータ6は、例えばアウタロータ形のDCブラシレスモータからなり、そのロータに連結された回転軸を介してドラム4をダイレクトに回転駆動する構成としている。なお、図2に示すように水槽3の最低部位には内部排水管7aが接続され、台板2に固定された排水弁8を経て外部排水管7bが機外に連通しており、また排水弁8の前段(上流側)には排水中から糸屑などのリントを捕獲するためのフィルタ装置9を設けている。このフィルタ装置9は、詳細な説明は省略するが外箱1の前面下部から着脱可能とし、点検清掃が容易に行える構成としている。
【0013】
次いで、特に図1、図3を参照して述べる。図3は、特には後述する乾燥用ユニットを拡大して示す斜視図で、水槽3には前後に離間した位置に空気の出入口(図示せず)が設けられ、この出入口に循環ダクト10が連通接続されている。この循環ダクト10は、例えば、空気の出口が水槽3の前面側の上面に形成され、他方の入口が背面側に開口していて、これらに接続した循環ダクト10は、水槽3の上方を経由した構成としている。
【0014】
しかるに、この循環ダクト10の途中部位には、詳細は後述するフィルタ装置11、水冷式の熱交換器12、送風手段としての送風機13、および加熱手段としてのヒータ装置14(外観のみ示す)を備え、且つ送風機13の駆動に伴う送風方向(図中、破線矢印A方向)に沿って順次配置されている。これらは、乾燥行程時に通電駆動されて乾燥用の温風を水槽3およびドラム4に対して循環供給するものであり、つまり乾燥用ユニットとして機能するものである。この乾燥用ユニットの終始端は伸縮部分(或は可撓性部分)を有する継手部15a、15bにて接続され、水槽3側との振動伝達を防止可能な構成としている。
【0015】
しかして、上記乾燥用ユニットは、外箱1の内壁側に固定支持され(図示せず)、弾性支持された水槽3側とは前記継手部15a、15bを介して防振的に連結された形態に保持される。この乾燥用ユニットとして機能する個々の具体的構成につき、矢印Aで示す空気の流れに沿って順に述べると、まず水槽3の出口側には前記継手部15aを有する循環ダクト10が連結され、その継手部15aの直後に位置してフィルタ装置11が、上下方向に着脱可能に設けられ、図3では白抜き矢印で示す上方に取り出された状態を示している。
【0016】
このように、フィルタ装置11を直後に設けるのは、ドラム4内で発生したリントが付着する箇所極力減らすためである。そして、このフィルタ装置11を経た循環ダクト10は、水槽3上方を後方に延び同背面側に至り下方に略垂直方向に垂下した経路を構成していて、その下端部には、連通接続され折り返すように上方に延びた水冷式の熱交換器(水冷除湿手段)12を備えている。
【0017】
この熱交換器12は、中空の縦長容器状をなし中段に注水器16を備え、図示しない給水手段からの冷水を下方に向けて散水可能としている。従って、乾燥行程において矢印Aで示す下方から上方に流れる排気風(温風)を水で冷却することで、該排気中に含まれる水分が結露し除湿水として滴下して、下端部の排出管17から排出されるとともに、熱交換器12内はこの除湿水が前記送風機13に吸い込まれるのを防ぐため、第1のリブ12a、第2のリブ12bでラビリンスを構成している。
【0018】
前記排出管17は、図2に示すように例えば外部排水管7bに直接接続され、除湿水は直ちに機外に排出可能としている。このように、熱交換器12は除湿機能を有し除湿して乾いた空気を下流側である上方に送る作用をなし、水槽3の背面側に縦長に配置されて循環ダクト10の略中間部位を形成している。なお、除湿水の排出管17は、例えば排水弁8の開閉制御のもとに排出することも可能で、この場合には該排水弁8の上流側に接続する構成でも実施可能である。
【0019】
上記熱交換器12を経て再び水槽3の上方位置に達した循環ダクト10は、送風機13およびヒータ装置14を順次設けており、ここで循環空気を加熱温風化する。そして、前記継手部15bを介して水槽3の後方上部の入口側に連通接続され、水槽3の背面側に被着されたカバー部材18を介して該水槽3の背面側から温風が導入されるダクト構成としている。尚、循環ダクト10の一部を構成するほぼL字状のケースダクト部19の継手部15a側の端部にはフィルタ収容部20が形成されており、このフィルタ収容部20内にフィルタ装置11が着脱可能に収容される構成となっている(図3参照)。
【0020】
次に、上記構成のドラム式洗濯乾燥機の作用について説明する。
ドラム式洗濯乾燥機の運転作用については、周知のように標準的な運転コースでは、モータ6に直結されたドラム4の回転速度の制御を中心に、洗い、すすぎ、脱水の各行程が自動的に実行され、最後に乾燥行程に移行する。この乾燥行程につき詳細に説明すると、ドラム4(モータ6)が回転駆動され、図1、3に示す乾燥用ユニットを構成するうちの送風機13およびヒータ装置14が通電駆動されて温風が生成され、更には水冷式の熱交換器12では注水器16から散水が開始される。
【0021】
この結果、本実施例では、水槽3の前方に温風の出口、後方に入口を配した循環ダクト10を形成しているので、生成された温風は図1などに示す矢印A方向に流れ、水槽3およびドラム4を介して循環する。ドラム4内の衣類などは撹拌され、且つ温風が循環供給されて衣類と接触し乾燥作用が進む。しかして、ドラム4内で乾燥作用に寄与した後の温風(排気風)は、水槽3の前方から上方に排出され、循環ダクト10を構成する継手部15aを経てフィルタ装置11を備えたケースダクト部19に至る。
【0022】
ここでは、排気風に伴い流れてきた糸屑などのリントがフィルタ装置11に捕獲され、リントを除去したきれいな排気風を下流側に流す。上記ケースダクト部19を経過した排気風は、略垂直なダクト部を流下して、水冷式の熱交換器12に到達する。ここでは、排気風は上方向に転じて流れ上部の注水器16からの冷水と対向状態に接触し、熱交換が効率よく実行され、冷却作用を受けた排気中の水分は凝縮され除湿作用が行われる。この除湿水は、滴下して下端部の排出管17を経て機外に排出される。
【0023】
除湿された排気風は、水槽3の上方に配置された送風機13およびヒータ装置14を介した通気経路を流れ、温風化される。この温風は、継手部15bを経て水槽3側に流入し、カバー部材18を経て水槽3およびドラム4の後部(背面)から供給され、ドラム4内の衣類と接触して水分を奪う乾燥作用が行われる。この場合、温風(排気風)の出入口は水槽3の前後の離間した位置にあるので、ドラム4内を前後方向(軸方向)の空間を温風が流れる間に衣類と接触し、乾燥作用が効率よく実行される。
【0024】
図4は、上記ドラム式洗濯乾燥機の電気的構成を示すブロック図である。この図4に示すように、制御装置21は、例えばマイクロコンピュータから成るもので、ドラム式洗濯乾燥機の運転全般を制御する制御手段として機能するようになっている。この制御装置21には、外箱1の前面上部に配設された操作パネル22(図2参照)に設けられた各種の操作スイッチから成る操作入力部23より各種操作信号が入力されるようになっている。なお、操作入力部23は、操作パネル22の各種のスイッチに対する使用者の操作に応じた各種操作信号を出力するようになっている。
【0025】
また、制御装置21には、前記水槽3内の水位を検知するように設けられた水位センサ24から水位検知信号が入力されると共に、前記モータ6の回転を検知するように設けられた回転センサ25から回転検知信号が入力されるようになっている。なお、制御装置21は、回転センサ25からの回転検知信号に基づき、モータ6の回転数ひいてはドラム4の回転数を検知所要時間で除する演算をすることにより、ドラム4の回転速度を検知する回転速度検知手段としても機能するようになっている。
【0026】
また、制御装置21には、注水器16から散水される冷却水の温度を検知するように注水器16に設けられた第1の温度センサ(水温検知手段)26から出力された検知信号が入力されるようになっている。制御装置21には、ドラム4(乾燥庫)内の温度を検知する第2の温度センサ(庫内温度検知手段)27から出力された検知信号が入力されるようになっている。上記第2の温度センサ27は、図1に示すように、循環ダクト10のケースダクト部19内に配設されている。制御装置21には、ドラム式洗濯乾燥機の周囲の雰囲気温度(ドラム式洗濯乾燥機が設置された室内の温度)を検知する第3の温度センサ(雰囲気温度検知手段)28から出力された検知信号が入力されるようになっている。上記第3の温度センサ28は、図2に示すように、台板2上に配設されている。
【0027】
更に、制御装置21には、モータ6に流れる電流を検知する第1の電流センサ29から出力された検知信号が入力されるようになっている。また、制御装置21には、ドラム式洗濯乾燥機全体に流れる電流を検知する第2の電流センサ30から出力された検知信号が入力されるようになっている。
【0028】
そして、制御装置21は、上記各種のセンサから出力された各種の検知信号の入力並びにあらかじめ記憶された制御プログラムに基づいて、前記操作パネル22に存する各種表示器から成る表示部31に表示制御信号を与えて駆動すると共に、給水弁32と、モータ6、送風機13、ヒータ装置14、及び排水弁8を駆動する駆動回路32に駆動制御信号を与えるようになっている。
【0029】
次に、上記構成のドラム式洗濯乾燥機の乾燥運転について、図5〜図7を参照して説明する。図5は、制御装置21の制御機能のうちの乾燥運転の制御機能を示すフローチャートである。この図5に示すように、乾燥運転が開始されると、まず、ステップS10において、第1の温度センサ26により注水器16から散水される冷却水の温度(水温)を検知する。続いて、ステップS20へ進み、ドラム4内に投入された衣類の重量を検知する。この場合、制御装置21は、ドラム4を急速回転させ(例えば170rpmまで回転させ)、その急速回転の際にモータ6に流れる電流値を第1の電流センサ29により検知し、この検知した電流値に基づいて衣類の重量を判定(検知)する。即ち、制御装置21は、重量検知手段としての機能を有している。
【0030】
次に、ステップS30へ進み、上記検知した冷却水の温度(水温)と衣類の重量と図6の表とに基づいてヒータ停止消費電力量Whs(最小消費電力量)を設定する。このヒータ停止消費電力量Whsは、ヒータ装置14を通電開始してから通電停止するまでに消費する電力量であり、ドラム4内の衣類の乾燥に必要な最小限のヒータ装置14の電力(発熱)量である。図6の表に示す各ヒータ停止消費電力量Whsは、乾燥効率と、衣類が保有する水分量とから算出する。衣類が保有する水分量は、洗濯、脱水後の衣類の脱水率が例えば57%であるとして、例えば乾燥重量で2kgの衣類の場合、次のようにして求める。
【0031】
(乾燥重量2kg)/(脱水後重量)*100%=57%
上記式から衣類の脱水後重量が求まる。従って、衣類が保有する水分量は、次の式で計算される。
【0032】
衣類が保有する水分量=(脱水後重量)−(乾燥重量2kg)=1.509kg
乾燥効率は、次の式で定義される。
乾燥効率=(衣類が保有する水分量の蒸発潜熱)/(ヒータ発熱量)*100%
上記式と、乾燥効率と、衣類が保有する水分量とから、衣類の乾燥に必要な最小限のヒータ発熱量、即ち、ヒータ停止消費電力量Whsを計算することができる。
【0033】
ここで、乾燥効率は、ヒータ装置14で発生した熱量がどれだけ衣類の乾燥に使用されたかを示す効率である。例えば衣類重量が2kgで水温が17℃の場合、乾燥効率は50%となり、残りの50%はドラム式洗濯乾燥機本体の温度上昇顕熱や、ドラム式洗濯乾燥機本体から雰囲気(周囲)に放熱する熱量等である。本実施例のドラム式洗濯乾燥機の場合、乾燥効率は、水温と衣類重量とに応じて図7の表に示される値となることが実験的にわかっている。
【0034】
図7に示す乾燥効率と、衣類が保有する水分量と、上記乾燥効率の式とから、乾燥に必要なヒータ発熱量、即ち、ヒータ停止消費電力量Whsを計算することができ、図6の表に示す値が得られる。そして、この図6の表に示す各値が制御装置21内のメモリ(記憶手段)に記憶されている。
【0035】
次に、上記ヒータ停止消費電力量Whsが設定されたら、ステップS40へ進み、ヒータ装置14の消費電力量を積算するためのデータである積算消費電力量Whcをゼロクリアする。そして、ステップS50へ進み、ヒータ装置14および送風機13をオンし、乾燥運転を開始する。同時に、ステップS60へ進み、ヒータ装置14の動作時間Tの計時動作を開始する。この場合、制御装置21は、計時手段としての機能を有している。
【0036】
この後、ステップS70へ進み、所定時間毎に例えば1分毎にヒータ装置14に流れる電流値Iを検知する。この場合、第2の温度センサ27により検知したドラム式洗濯乾燥機全体に流れる電流値から、モータ6に流れる電流値(第1の電流センサ29の検出値)や、送風機13に流れる電流値(予め実験等で検出して記憶しておいた値)などを差し引いて求められた電流値を上記電流値Iとして使用する。この場合、制御装置21は、ヒータ装置14に流れる電流値Iを検知する電流検知手段としての機能を有している。
【0037】
続いて、ステップS80へ進み、ヒータ装置14の1分間の消費電力量Whmを次式で算出し、算出した1分間の消費電力量Whmを積算消費電力量Whcに加算する。
Whm=100(V)*I(A)*PF/60(min)
Whc=Whc+Whm
ここで、PFは力率であり、ヒータ装置14の場合は「1」である。
【0038】
次に、ステップS90へ進み、設定されているヒータ停止消費電力量Whsと上記計算した積算消費電力量Whcとを比較する。ここで、積算消費電力量Whcがヒータ停止消費電力量Whsよりも小さいときは、ステップS90にて「NO」へ進み、ステップS70へ進み、再び、1分毎に電流値Iを検知する処理へ戻る。
【0039】
一方、積算消費電力量Whcがヒータ停止消費電力量Whs以上になったときは、ステップS90にて「YES」へ進み、ステップS100へ進み、ヒータ装置14をオフする。この場合、送風機13(およびドラム4)については所定時間オンし続ける行程を実行し、その後、送風機13およびドラム4(モータ6)を停止(オフ)する。
【0040】
上記した構成の本実施例によれば、衣類の乾燥運転を行う場合に、ヒータ装置14をオンした後、衣類が保有する水分を蒸発させるために必要な最小限の熱量(ヒータ停止消費電力量Whs)をヒータ装置14からドラム4内(衣類)へ与えたところで、ヒータ装置14をオフするように構成したので、ドラム式洗濯乾燥機の消費電力量を必要最小限の量にほほ等しくすることができて、消費電力を節約でき、省費電力の無駄を極力少なくすることができる。
【0041】
尚、上記実施例では、ヒータ停止消費電力量Whsを衣類重量と水温とに対応するように設定(算出)したが、ヒータ装置14の停止精度をそれほど必要としない場合には、ヒータ停止消費電力量Whsを衣類重量に対応するように設定(算出)するだけでもよく、この場合には、水温を必ずしも検知しなくても良い。
【0042】
また、上記実施例では、ドラム式洗濯乾燥機に供給される電源の電圧を100Vと設定したが、これに代えて、電源電圧を検知する手段(電源電圧検知手段)を備え、この検知した電源電圧Vdを用いて、次の式で、ステップS80のヒータ装置14の1分間の消費電力量Whmを算出するように構成しても良い。
【0043】
Whm=Vd(V)*I(A)*PF/60(min)
このように構成すると、実際に検知した電源電圧値を用いて消費電力量Whmを算出するので、消費電力量Whmの算出精度を高くすることができ、消費電力をより一層節約できる。
【0044】
図8および図9は、本発明の第2の実施例を示すものである。尚、第1の実施例と同一構成には、同一符号を付している。この第2の実施例では、ドラム式洗濯乾燥機の周囲の雰囲気温度(ドラム式洗濯乾燥機が設置された室内の温度)を検知する第3の温度センサ28から出力された検知信号に基づいて、ヒータ停止消費電力量Whsを補正している。補正する理由は、ドラム式洗濯乾燥機の周囲の雰囲気温度が上昇すると、ドラム式洗濯乾燥機の本体の温度と上記雰囲気温度との温度差が小さくなるため、雰囲気温度が上昇すると、放熱ロスが減り、乾燥効率が高くなるためである。ここで、衣類重量と雰囲気温度とに対応するように設定されたヒータ停止消費電力量Whsの補正係数の表を、図9に示す。この図9の表に示す各値が制御装置21内のメモリ(記憶手段)に記憶されている。
【0045】
第2の実施例においては、図8に示すように、ステップS20の後、ステップS110へ進み、ここで、第3の温度センサ28によりドラム式洗濯乾燥機の周囲の雰囲気温度(室温)を検知する。続いて、ステップS30へ進み、このステップを実行した後、ステップS120へ進み、第3の温度センサ28から出力された検知信号(検知温度)に基づいてヒータ停止消費電力量Whsを、次式で補正する。
【0046】
Whs=Whs*補正係数
ここで、補正係数としては、図9の表の中の補正係数のうち、雰囲気温度(室温)と衣類重量に対応する補正係数を用いる。この後は、ステップS40以降の処理を、第1の実施例と同様に実行する。
【0047】
上述した以外の第2の実施例の構成は、第1の実施例の構成と同じ構成となっている。従って、第2の実施例においても、第1の実施例とほぼ同じ作用効果を得ることができる。特に、第2の実施例によれば、第3の温度センサ28により検知した雰囲気温度(室温)に基づいてヒータ停止消費電力量Whsを補正したので、ヒータ装置14の停止(オフ)時点の精度をより一層向上させることができる。
【0048】
図10および図11は、本発明の第3の実施例を示すものである。尚、第1の実施例と同一構成には、同一符号を付している。この第3の実施例では、ドラム式洗濯乾燥機の乾燥庫(ドラム4)内の温度を検知する第2の温度センサ27から出力された検知信号に基づいて、ヒータ停止消費電力量Whsを補正している。補正する理由は、ドラム式洗濯乾燥機の乾燥庫の初期温度が高いと、ドラム式洗濯乾燥機の本体の加熱に用いられる熱量が減少するため、乾燥庫の温度上昇分の顕熱ロスが減り、乾燥効率が高くなるためである。ここで、衣類重量と乾燥庫温度とに対応するように設定されたヒータ停止消費電力量Whsの補正係数の表を、図11に示す。この図11の表に示す各値が制御装置21内のメモリ(記憶手段)に記憶されている。
【0049】
第3の実施例においては、図10に示すように、ステップS20の後、ステップS210へ進み、ここで、第2の温度センサ27によりドラム式洗濯乾燥機のドラム4(乾燥庫)の温度を検知する。続いて、ステップS30へ進み、このステップを実行した後、ステップS220へ進み、第2の温度センサ27から出力された検知信号(検知温度)に基づいてヒータ停止消費電力量Whsを、次式で補正する。
【0050】
Whs=Whs*補正係数
ここで、補正係数としては、図11の表の中の補正係数のうち、乾燥庫の温度と衣類の重量に対応する補正係数を用いる。この後は、ステップS40以降の処理を、第1の実施例と同様に実行する。
【0051】
上述した以外の第3の実施例の構成は、第1の実施例の構成と同じ構成となっている。従って、第3の実施例においても、第1の実施例とほぼ同じ作用効果を得ることができる。特に、第3の実施例によれば、第2の温度センサ27により検知した乾燥庫温度に基づいてヒータ停止消費電力量Whsを補正したので、ヒータ装置14のオフ時点の精度をより一層向上させることができる。
【0052】
図12および図13は、本発明の第4の実施例を示すものである。尚、第1の実施例と同一構成には、同一符号を付している。この第4の実施例では、衣類の布質を検知する布質検知手段を備え、この布質検知手段からの検知結果に基づいて、ヒータ停止消費電力量Whsを補正している。補正する理由は、布質の違いにより脱水運転を実行したときの衣類の脱水率が異なるためである。例えば、綿系衣類の脱水率は57%程度であり、化繊系衣類の脱水率は68%程度である。そのため、布質に応じてヒータ停止消費電力量Whsを補正すると、消費電力の無駄をより一層なくすことができる。ここで、衣類重量と布質とに対応するように設定されたヒータ停止消費電力量Whsの補正係数の表を、図13に示す。この図13の表に示す各値が制御装置21内のメモリ(記憶手段)に記憶されている。
【0053】
第4の実施例においては、図12に示すように、ステップS20の後、ステップS310へ進み、ここで、布質検知手段によりドラム4内の衣類の布質を検知する。この場合、ドラム式洗濯乾燥機により洗濯行程を実行するときに検知した布質検知結果を用いるようにしても良い。洗濯行程を実行するときに布質を検知する方法(布質検知手段の機能)は、例えば特開2007−185357号公報に記載されており、この記載されている検知方法を適宜用いれば良い。この検知方法は、簡単に説明すると、洗い運転前における洗濯物の重量を検知した重量検知結果と、洗い運転時におけるモータ6のトルク変動の大きさを検知したトルク変動検知結果とから洗濯物(衣類)の布質を判定する方法である。この場合、制御装置21が布質検知手段としての機能を有している。尚、洗い運転で布質を検知する方法に代えて、乾燥運転(即ち、ステップS310)で同様の方法で布質を検知するように構成しても良い。このように構成すると、ドラム式乾燥機単体の構成であっても、布質を検知することができる。
【0054】
この後、ステップS30へ進み、このステップを実行した後、ステップS320へ進み、布質検知手段(制御装置21)からから出力された検知信号(布質検知結果)に基づいてヒータ停止消費電力量Whsを、次式で補正する。
【0055】
Whs=Whs*補正係数
ここで、補正係数としては、図13の表の中の補正係数のうち、衣類の布質検知結果と衣類の重量とに対応する補正係数を用いる。この後は、ステップS40以降の処理を、第1の実施例と同様に実行する。
【0056】
尚、上述した以外の第4の実施例の構成は、第1の実施例の構成と同じ構成となっている。従って、第4の実施例においても、第1の実施例とほぼ同じ作用効果を得ることができる。特に、第4の実施例によれば、検知した衣類の布質検知結果に基づいてヒータ停止消費電力量Whsを補正したので、ヒータ装置14のオフ時点の精度をより一層向上させることができる。
【0057】
図14および図15は、本発明の第5の実施例を示すものである。尚、第1の実施例と同一構成には、同一符号を付している。この第5の実施例では、ヒータ装置14の加熱運転最長時間Tmを設定し、ヒータ装置14の通電開始からの計時時間Tが上記加熱運転最長時間Tmを越えた時点で、ヒータ装置14をオフするように構成した。ここで、加熱運転最長時間Tmは、衣類重量と水温とに応じて実験等に基づいて例えば図15の表に示すような値に設定した。この図15の表に示す各値が制御装置21内のメモリ(記憶手段)に記憶されている。
【0058】
次に、第5の実施例の乾燥運転について、第1の実施例と異なる部分を図14のフローチャートを参照して説明する。図14に示すように、ステップS40の後、ステップS410へ進み、ここで、検知した水温及び衣類重量に対応する加熱運転最長時間Tmを、図15の表の中から取得して設定する。続いて、ステップS50へ進み、ヒータ装置14および送風機13をオンした後、ステップS60へ進み、ヒータ装置14の通電開始からの動作時間Tの計時を開始する。
【0059】
この後、ステップS420へ進み、ヒータ装置14の通電開始からの計時時間Tと上記設定した加熱運転最長時間Tmとを比較する。ここで、計時時間Tが加熱運転最長時間Tmを越えていなければ、ステップS420にて「NO」へ進み、ステップS70以降の処理を、第1の実施例と同様に実行する。一方、ステップS420において、計時時間Tが加熱運転最長時間Tmを越えたら、「YES」へ進み、ステップS100へ進み、ヒータ装置14をオフするようになっている。
【0060】
上述した以外の第5の実施例の構成は、第1の実施例の構成と同じ構成となっている。従って、第5の実施例においても、第1の実施例とほぼ同じ作用効果を得ることができる。特に、第5の実施例によれば、何らかの原因で(例えば重量検知が大幅にずれたために)ヒータ停止消費電力量Whsが大きくずれてしまったような場合でも、加熱運転最長時間Tmを越えた時点で、ヒータ装置14をオフさせるので、消費電力の無駄を極力少なくすることができる。
【0061】
尚、第2〜第5の実施例の中の2つ以上の実施例を適宜組み合わせて、第1の実施例に組み込むように構成しても良い。この組み込んだ構成においては、例えば、ヒータ停止消費電力量Whsの補正係数の増減分を加算して(または差をとって)補正係数を算出し、この算出した補正係数に基づいてヒータ停止消費電力量Whsを補正すれば良い。
【0062】
また、上記各実施例においては、本発明をドラム式洗濯乾燥機に適用したが、これに限られるものではなく、本発明を洗濯機能を有していないドラム式衣類乾燥機に適用しても良い。
【0063】
更にまた、上記各実施例においては、本発明をヒータ装置14と水冷除湿手段を備えたドラム式洗濯乾燥機に適用したが、これに代えて、加熱手段としてヒートポンプ方式の除湿乾燥手段(冷凍サイクル等で構成された手段)を備えたドラム式洗濯乾燥機に適用しても良い。
【0064】
また、上記各実施例では、積算消費電力量Whcがヒータ停止消費電力量Whsを越えることでヒータ装置14をオフしているが、これに限らず、積算消費電力量Whcがヒータ停止消費電力量Whsを越えた後、例えば終了に必要な各種処理を行ってからヒータ装置14を停止するなど、実質的に影響の少ない処理を挿入するようにしても良い。
【符号の説明】
【0065】
図面中、4はドラム(乾燥庫)、6はモータ、8は排水弁、10は循環ダクト、12は熱交換器(水冷除湿手段)、13は送風機(送風手段)、14はヒータ装置(加熱手段)、16は注水器、17は排出管、21は制御装置(制御手段、重量検知手段、電流検知手段、計時手段、記憶手段)、22は操作パネル、23は操作入力部、24は水位センサ、25は回転センサ、26は第1の温度センサ(水温検知手段)、27は第2の温度センサ(庫内温度検知手段)、28は第3の温度センサ(雰囲気温度検知手段)、29は第1の電流センサ、30は第2の電流センサ、31は表示部、32は駆動回路を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣類を乾燥させる乾燥庫と、
前記乾燥庫内に送り込む温風を生成するための加熱手段と、
前記加熱手段によって加熱された温風を前記乾燥庫内に送り込むための送風手段と、
前記加熱手段及び前記送風手段を駆動制御する制御手段と、
前記加熱手段に流れる電流値を検知する電流検知手段と、
前記加熱手段が動作している時間を計時する計時手段と、
前記乾燥庫内に収容された衣類の重量を検知する重量検知手段と、
前記衣類の重量に対応して設定されるものであって前記衣類が保有する水分を蒸発させるために必要な最小限の最小消費電力量を記憶する記憶手段とを備え、
前記制御手段は、前記電流検知手段により検知された検知電流値と前記計時手段により計時された動作時間とに基づいて前記加熱手段の消費電力量を算出し、この算出した消費電力量が、前記重量検知手段により検知された前記衣類重量に対応する前記最小消費電力量を超えたことに基づき、前記加熱手段を停止させるように制御することを特徴とする衣類乾燥機。
【請求項2】
電源電圧を検知する電源電圧検知手段を備え、
前記制御手段は、前記電源電圧検知手段により検知された電源電圧を加味して前記加熱手段の消費電力量を算出するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の衣類乾燥機。
【請求項3】
前記衣類乾燥機の周辺の雰囲気温度を検知する雰囲気温度検知手段を備え、
前記制御手段は、前記雰囲気温度検知手段により検知された雰囲気温度に基づいて前記最小消費電力量を補正するように構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の衣類乾燥機。
【請求項4】
前記乾燥庫内に送り込まれる温風を除湿する水冷除湿手段と、
前記水冷除湿手段に供給される冷却水の温度を検知する水温検知手段を備え、
前記制御手段は、前記水温検知手段により検知された水温に基づいて前記最小消費電力量を変更するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の衣類乾燥機。
【請求項5】
前記乾燥庫内の温度を検知する庫内温度検知手段を備え、
前記制御手段は、前記庫内温度検知手段により検知された庫内温度に基づいて前記最小消費電力量を補正するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の衣類乾燥機。
【請求項6】
前記衣類の布質を検知する布質検知手段を備え、
前記制御手段は、前記布質検知手段により検知された布質に基づいて前記最小消費電力量を補正するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の衣類乾燥機。
【請求項7】
前記衣類の重量に対応して設定された前記加熱手段の加熱運転最長時間を記憶する記憶手段を備え、
前記制御手段は、前記加熱手段の運転開始からの計時時間が前記加熱運転最長時間を越えた時点で、前記加熱手段を停止するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の衣類乾燥機。
【請求項8】
衣類の洗濯、脱水、乾燥を実行可能なように構成された洗濯乾燥機において、
前記衣類を洗浄し且つ乾燥させる乾燥庫と、
前記乾燥庫内に送り込む温風を生成するための加熱手段と、
前記加熱手段によって加熱された温風を前記乾燥庫内に送り込むための送風手段と、
前記加熱手段及び前記送風手段を駆動制御する制御装置と、
前記加熱手段に流れる電流値を検知する電流検知手段と、
前記加熱手段が動作している時間を計時する計時手段と、
前記乾燥庫内に収容された衣類の重量を検知する重量検知手段と、
前記衣類の重量に対応して設定されるものであって前記衣類が保有する水分を蒸発させるために必要な最小限の最小消費電力量を記憶する記憶手段とを備え、
前記制御手段は、前記電流検知手段により検知された検知電流値と前記計時手段により計時された動作時間とに基づいて前記加熱手段の消費電力量を算出し、この算出した消費電力量が、前記重量検知手段により検知された前記衣類重量に対応する前記最小消費電力量を超えたことに基づき、前記加熱手段を停止させるように制御することを特徴とする洗濯乾燥機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2011−10710(P2011−10710A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−155239(P2009−155239)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(502285664)東芝コンシューマエレクトロニクス・ホールディングス株式会社 (2,480)
【出願人】(503376518)東芝ホームアプライアンス株式会社 (2,436)
【Fターム(参考)】