説明

表示パネル用基板、その製造方法、これを用いた表示パネル及びその製造方法

【課題】表面の平滑性を維持しつつ、剥離や劣化を抑制し長寿命で、信頼性の高い表示パネルを形成するための表示パネル用基板を提供する。また、明瞭な表示画像を提供することができ、長寿命で信頼性の高い表示パネルを提供する。
【解決手段】透光性のガラス基板表面に、散乱物質を含み、所望のパターンを構成する散乱領域と、前記散乱領域とは光散乱特性が異なり前記散乱領域を囲む背景領域とを形成してなり、前記散乱領域がガラス層で構成され、前記散乱特性の差により、表示パターンを構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示パネルおよびその製造方法に係り、特に、有機LED(Organic Light Emitting Diode)などの面発光モジュールを用いた表示パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
有機LED素子は、有機層を電極間に挟み、電極間に電圧を印加して、ホール、電子を注入し、有機層内で再結合させて、発光分子が励起状態から基底状態に至る過程で発生する光を取り出すもので、ディスプレイやバックライト、照明用途に用いられている。
【0003】
例えば、有機LED素子のような面発光モジュールを用いた表示装置が提案されている。これは光透過性の絶縁基板の一方の面に補助電極層が形成されると共に補助電極層上に発光層が形成され、この発光層上に電極が積層されて、面状発光体を構成するもので、この前記絶縁層上に、任意の文字やカラー印刷層のパターンが形成されたものである(特許文献1の図1および段落0021参照)。
【0004】
また、回転表示体または静止表示体の外周面に、文字、図形、記号またはこれらの結合からなる図柄を表示するフレキシブル有機LED表示体も提案されている(特許文献2)
この例では、可撓性基材で構成されたフィルム基材に印刷部、粘着層を形成しておき、この粘着層を用いて有機LED素子を形成したディスプレイ用基材に貼着している(特許文献2の段落0022、0023)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−209429号公報
【特許文献2】特開2004−105379号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
また、特許文献1の表示装置の場合は、文字やカラー印刷のパターンなどは素子形成面の外側に形成されており、発光層から遠いため、発光層から出射した光が減衰し、効率が低下する上、光の拡散により、パターンエッジがぼやけたり、パターンに忠実な模様を再現することができなかった。また、パターンが露出しているため、破損や劣化を生じ易いという問題もあった。
【0007】
また、特許文献2のフレキシブル有機LED表示体の場合は、前記特許文献1と同様、有機LED表示体よりも基板の外側に印刷部が形成されている上、印刷部が粘着層を介して有機LED素子を形成したフレキシブル基材に貼着されているため、平坦性が十分ではなく、この場合も、光の拡散により、パターンに忠実な模様を再現することができなかった。また、粘着層を用いて貼着された構造であるため、剥離が生じ易いだけでなく、機械的強度も低く、破損や劣化を生じ易いという問題があった。
【0008】
また、特許文献1,2いずれも、樹脂フィルム基材上に形成された有機LED素子を用いており、表面に凹凸を有する基材上に有機LED素子が形成されることになり、透光性電極を形成する下地基板の表面に凹凸があると、この上層に形成される透光性の第1の電極表面に凹凸が形成され易く、この上層に蒸着法などによって発光機能を有する層などを形成すると、これらの有機層の凸凹に対する被覆性が悪くなり、有機層の膜厚にばらつきが生じることがある。
【0009】
また、塗布法によって発光機能を有する層を形成すると、これらの有機層の凸凹に対する被覆性は良好であるものの、結果的には有機層の膜厚にばらつきが生じることになる。その結果、上記第1の電極と有機層上に形成される第2の電極表面との間の電極間距離にばらつきが生じることが多い。
【0010】
このように電極間距離にばらつきが生じると、電極間距離の小さい領域においては、有機層に局所的に大電流が流れることになり、電極間短絡を生じ不灯の原因となることがわかった。
【0011】
以上のように、特に、樹脂層を用いた積層体の場合、膜の剥離や、水分の浸透に起因する配線の劣化もデバイス特性の劣化の原因となる。
【0012】
本発明は、表面の平滑性を維持しつつ、剥離や劣化を抑制し長寿命で、信頼性の高い表示パネルを形成するための表示パネル用基板を提供することを目的とする。
また、明瞭な表示画像を提供することができ、長寿命で信頼性の高い表示パネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
そこで本発明は、透光性のガラス基板表面に表示パターンを有している表示パネル基板において、透光性のガラス基板表面上に散乱物質を含むガラス層が設けられており、表示パターンが前記ガラス層中の散乱物質により形成されていることを特徴とする。
【0014】
また本発明は、上記表示パネル用基板であって、前記表示パターンが、互いに散乱特性の異なるガラス層で構成されたものを含む。
【0015】
また本発明は、上記表示パネル用基板であって、前記表示パターンを構成する散乱性の高い部分のガラス層の厚みが、散乱性の低い部分のガラス層の厚みよりも厚いものを含む。
【0016】
また本発明は、上記表示パネル用基板であって、前記表示パターンがガラス層中の散乱物質の密度の差により構成されているものを含む。
【0017】
また本発明は、上記表示パネル用基板において、前記ガラス層は、色素を含み、前記色素が、面内分布を有し、所望のパターンを構成するものを含む。
【0018】
また本発明は、上記表示パネル用基板において、前記散乱物質は気泡であるものを含む。
【0019】
また本発明は、上記表示パネル用基板において、前記散乱物質は前記ベース層とは異なる組成をもつ材料粒子であるものを含む。
【0020】
また本発明は、上記表示パネル用基板において、前記散乱物質は前記ベース層を構成するガラスの析出結晶であるものを含む。
【0021】
また本発明は、透光性のガラス基板上に、表示パターンを形成する表示パネル用基板の製造方法において、透光性のガラス基板上に、散乱物質を含むガラス層を積層することにより、前記ガラス層中の散乱物質により散乱特性を部分的に変化させて所望の表示パターンを形成することを特徴とする。
【0022】
また本発明は、上記表示パネル用基板の製造方法であって、前記透光性のガラス基板上にガラス粉末を付与し、加熱することにより前記ガラス粉末を溶融固化させることにより、気泡を含むガラス層を形成し、前記気泡により散乱特性を部分的に変化させて所望の表示パターンを形成する製造方法を含む。
また本発明は、上記表示パネル用基板の製造方法であって、前記表示パターンを構成する散乱性の高い部分のガラス層の厚みを、散乱性の低い部分のガラス層の厚みよりも厚くすることにより散乱特性を部分的に変化させて所望の表示パターンを形成する製造方法を含む。
【0023】
また本発明は、上記表示パネル用基板の製造方法であって、前記ガラス基板上に、ガラス材料層を塗布し、前記ガラス材料層内に選択的に散乱物質をドープし、前記ガラス材料層を焼成することにより散乱特性を部分的に変化させて所望の表示パターンを形成する製造方法を含む。
【0024】
また本発明は、上記表示パネル用基板の製造方法であって、前記ガラス基板上に、ガラス材料層を塗布し、前記ガラス材料層上に散乱物質を含む散乱性のガラス層パターンを形成し、前記ガラス材料層と前記ガラス層パターンを焼成することにより散乱特性を部分的に変化させて所望の表示パターンを形成する製造方法を含む。
【0025】
また本発明は、上記表示パネル用基板の製造方法であって、前記ガラス基板上に、選択的に散乱物質を含む散乱性のガラス層パターンを形成し、前記ガラス層パターンを焼成することにより散乱特性を部分的に変化させて所望の表示パターンを形成する製造方法を含む。
【0026】
また本発明は、上記の表示パネル用基板のガラス層上に積層された面状発光体を有することを特徴とする。
【0027】
また本発明は、上記表示パネルにおいて、散乱性の高い部分のガラス層と散乱性の低い部分のガラス層とが、互いに散乱特性の異なるガラス層で構成されたものを含む。
【0028】
また本発明は、上記表示パネルにおいて、散乱性の高い部分のガラス層の厚みが、散乱性の低い部分のガラス層の厚みよりも厚いものを含む。
【0029】
また本発明は、上記表示パネルにおいて、前記面状発光体は、前記ガラス基板上に形成されたガラス層と、前記ガラス層上の少なくとも一部に一体的に形成された透光性の第1の電極と、前記第1の電極を覆うように前記第1の電極上に形成された発光機能を有する層と、前記発光機能を有する層上に形成された第2の電極とを具備し、前記ガラス層が、前記第1の電極と前記第2の電極とで挟まれた領域の範囲内で、光散乱特性が異なる所望のパターンを構成し、前記散乱特性の差により、表示パターンを構成するものを含む。
【0030】
また本発明は、上記表示パネルにおいて、前記ガラス層は、色素を含み、前記色素が、面内分布を有し、所望のパターンを構成するものを含む。
【0031】
また本発明は、上記表示パネルにおいて、前記散乱物質は気泡であるものを含む。
【0032】
また本発明は、上記表示パネルにおいて、前記散乱物質は前記ベース層とは異なる組成をもつ材料粒子であるものを含む。
【0033】
また本発明は、上記表示パネルにおいて、前記散乱物質は前記ベース層を構成するガラスの析出結晶であるものを含む。
【0034】
また本発明は、透光性のガラス基板上に、散乱物質を含み、前記散乱物質の散乱特性の差により、表示パターンを構成するガラス層を形成し、前記ガラス層上に発光体を形成する製造方法を含む。
【0035】
また本発明は、上記表示パネルの製造方法において、前記ガラス基板上に、ガラス材料層を塗布し、前記ガラス材料層内に選択的に散乱物質をドープし、前記ガラス材料層を焼成することにより散乱特性を部分的に変化させて所望の表示パターンを形成する製造方法を含む。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、ガラス基板上に形成されたガラス層が散乱特性の違いにより所望のパターンを構成することができこの表示パターンを形成するガラス層上に直接発光体を形成することができ、薄型でかつ長寿命で信頼性の高い表示パネルの形成が可能となる。
【0037】
またガラス層を用いて表示パターンを形成しているため、表面の平滑性を良好に維持することができ、この表示パターン形成面側に素子領域を形成した場合にも長寿命で信頼性の高い表示発光を実現することができる。
【0038】
また、表示パターン形成面側に、例えば表示パターンと当接して発光領域を形成することができるため、発光領域で得られた光を極めて効率よく取り出すことができ、かつ表示パターンの周囲における拡散を防止し、パターンエッジのシャープな表示パネルを提供することが可能となる。
【0039】
また、ガラス化によって得られたガラス層の表面は平滑であり、この上層に形成される電極をはじめとする機能層の膜厚を安定して均一なものとすることができ、その結果信頼性の高い表示パネルを提供することが可能となる。
【0040】
一方、散乱特性の異なる領域でガラス層の膜厚が異なる場合、あるいは散乱しない領域にはガラス層が形成されない場合にも、ガラス層は焼成構成により溶融状態を経て形成されるため、パターンエッジがなだらかであり、段差を生じにくくなり、段差による電極の断線等の問題が少なくなり、当接する面状発光モジュールの信頼性が向上し、長寿命となる。
【0041】
さらにまた、安定性と高強度性を実現することができ、本来のガラスからなる透光性基板に比べて厚みをほとんど増大することなく、表示精度の高い表示パネル用基板を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施の形態1の表示パネル用基板を示す平面図
【図2】本発明の実施の形態1の表示パネル用基板を用いて形成した表示パネルの断面図
【図3】本発明の実施の形態1の表示パネル用基板の製造工程図
【図4】本発明の実施の形態1の表示パネル用基板を用いた表示パネルの製造工程図
【図5】本発明の実施の形態2の表示パネル用基板を用いて形成した表示パネルの断面図
【図6】本発明の実施の形態2の表示パネル用基板の製造工程図
【図7】本発明の実施の形態3の表示パネル用基板を用いて形成した表示パネルの断面図
【図8】本発明の実施の形態3の表示パネル用基板の製造工程図
【図9】本発明の実施の形態4の表示パネル用基板を用いて形成した表示パネルの断面図
【図10】本発明の実施の形態4の表示パネル用基板の製造工程図
【発明を実施するための形態】
【0043】
(実施の形態1)
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態1の表示パネル用基板およびこれを用いた有機LED素子について説明する。図1は、本発明の実施の形態の表示パネル用基板を示す平面図であり、図2はこの表示パネル用基板上に形成された有機LED素子を光源として用いた表示パネルのA−A断面図である。
【0044】
本発明の表示パネルを形成するための表示パネル用基板100は、図1及び図2に示すように、透光性のガラス基板101表面に形成されたガラス層102とで構成されている。このガラス層102は、ベース材105中に散乱物質104を含み、所望のパターンを構成する散乱性の高い部分(以下散乱領域という)102Sと、前記散乱領域よりも散乱性の低い領域(以下背景領域という)102Bとを具備しており、この散乱領域102Sと背景領域102Bとの散乱特性の差により、表示パターンを構成することを特徴とする。ここでは、分かりやすくするために、散乱領域と背景領域とに2分したが、本発明では、3以上の散乱性に違いのある領域を形成してもよいし、連続的に散乱性が変化するようにしてもよい。また、背景領域として、全く散乱性のない領域を設けてもよい。
【0045】
この例においては、ガラス層は、散乱物質104を含む散乱領域102Sと、散乱物質を含まない背景領域102Bとで構成したが、前記散乱物質の密度が、面内分布を有し、所望のパターンを構成して、散乱領域と背景領域とを構成するようにしてもよい。また、中間調を表示するために、散乱物質の量が徐々に変化をするようにしてもよい。
【0046】
そしてこのガラス層102上には図2に示すように、透光性電極103としてのITO層が全面に一体的に設けられて、表示パネルを構成している。そして、透光性電極103上に有機層からなる発光機能を有する層110と、さらにこの上層に反射性電極120が形成されて、発光領域を構成し、ガラス基板101側に光を取り出す、ボトムエミッション型の有機LED素子である。この発光領域は透光性電極103とこの上層に形成される有機層からなる発光機能を有する層110と、さらにこの上層に形成される反射性電極120との重なり合った領域である。
このように、発光領域は全面に形成されるが、散乱領域102Sを構成する「ABC」パターンの部分が効率よく散乱して光を外方に取り出すことで、表示パネルを構成している。この構成により、散乱領域102Sから光の取出しが効率が高くなり、一方、背景領域102Bでは光の取出し効率が低くなることにより、所望の表示パターンを形成することができる。
また、有機層110は、必要に応じて複数の層、たとえば、正孔注入層111と、正孔輸送層112と、発光層113と、電子輸送層114と、電子注入層115とにより構成される。
【0047】
なお、散乱領域を構成するガラス層が、透過する光の1波長に対して第1の屈折率を有するベース材105と、このベース材105中に分散され、ベース材と異なる第2の屈折率を有する複数の散乱物質104とを具備し、この散乱物質のガラス層内分布が、ガラス層内部から透光性電極103にむかって、小さくなっていることが、ガラス層の表面の粗さが少なくなり、好ましい。そしてこの散乱領域を構成するガラス層は、透光性電極103よりも高屈折率となるようにすることにより、この部分での光の取り出し効率を向上させることができ、背景領域を構成するガラス層は透光性電極103よりも低屈折率となるようにすることにより、光の取り出し効率を低下させることができる。この構成により、散乱領域102Sから光の取出しが効率よくなされる一方、背景領域102Bでは光の取出し効率がより低くなる。従って散乱領域102Sに相当する領域の表示パターンが浮き上がって表示されることになる。
【0048】
次に、この表示パネル用基板の製造方法およびこれを用いた表示パネルの製造方法について説明する。
まず、図3(a)に示すように、ガラス基板101を用意し、必要に応じて表面研磨を行ったのち、フリットガラスペーストを用いて塗布を行なうことにより、ガラス材料層102Mを形成する。
この後、図3(b)に示すように、ガラス材料層102M内に選択的に散乱物質104をドープすることでベース材105中に散乱物質104のドープされたガラス層102が形成される。
そして、図3(c)に示すように、580℃30分の焼成工程を経て散乱領域102Sと背景領域102Bとで構成された表示パターンをもつ表示パネル用基板100を形成する。
【0049】
この後、図4(a)に示すように、この上層に透光性電極103として酸化インジウム錫(ITO)膜を全面に形成する。
そして、正孔注入層、発光層、電子注入層などの発光機能を有する層110を形成する。ここでは発光機能を有する層としては、塗布法等により有機層を形成する(図4(b))。
【0050】
そして最後に、スパッタリング法によりアルミニウム層を形成し、発光機能を有する層110上に反射性電極120としてアルミニウム電極を形成する(図2参照)。
【0051】
本実施の形態の表示パネルによれば、ガラス基板上に形成されたガラス層における散乱特性の差により、表示パターンを構成するため、この表示パターンを形成するガラス層上に直接発光体を形成することができ、薄型でかつ長寿命で信頼性の高い表示パネルの形成が可能となる。
【0052】
またガラス層を用いて表示パターンを形成しているため、表面の平滑性を良好に維持することができ、この表示パターン形成面側に素子領域を形成した場合にも、表面の凹凸の段差による電極の断線や短絡を生じにくく、長寿命で信頼性の高い表示発光を実現することができる。
【0053】
また、表示パターン形成面側に、例えば表示パターンと当接して発光領域を形成することができるため、発光領域で得られた光を極めて効率よく取り出すことができ、かつ表示パターンの周囲における拡散を防止し、パターンエッジのシャープな表示パネルを提供することが可能となる。
【0054】
また、ガラス化によって得られたガラス層102の表面は平滑であり、この上層に形成される電極をはじめとする機能層の膜厚を安定して均一なものとすることができ、その結果信頼性の高い表示パネルを提供することが可能となる。
【0055】
一方、散乱領域と背景領域とで膜厚が異なる場合、あるいは散乱領域にのみガラス層が存在する場合にもガラス層は焼成工程により溶融状態を経て形成されるため、パターンエッジがなだらかであり、段差による影響が少なく、当接する面状発光モジュールは長寿命となる。
【0056】
さらにまた、安定性と高強度性を実現することができ、本来のガラスからなる透光性基板に比べて厚みをほとんど増大することなく、表示精度の高い表示パネル用基板を提供することが可能となる。
【0057】
なお前記実施の形態では、散乱領域にのみ散乱物質をドープし、背景領域には散乱物質をドープしないようにして表示パターンを形成したが、散乱物質の密度に分布を持たせるようにして表示パターンを形成するようにしてもよい。
【0058】
さらに、またガラス層中に、色素を含むようにし、色素が、面内分布を有し、所望のパターンを構成して、散乱領域と背景領域とを構成するものを用いてもよい。
【0059】
また、ガラス層中に含有させる散乱物質は気泡であってもよいし、ベース層となるガラス材料層とは異なる組成をもつ材料粒子であってもよい。この場合には、最初に均一な散乱性能を有するガラス層を形成しておくか、均一な原料の層を設けておき、部分的に加熱することにより前記ガラス粉末を場所によって加熱温度を変えて溶融固化させてもよい。この場合、加熱温度が高い部分では気泡が多く抜け、加熱温度が低い部分では気泡が多く残ることにより、前記気泡により散乱特性を部分的に変化させて所望の表示パターンを形成することができる。
【0060】
さらにまた、上記表示パネルにおいて、前記散乱物質はベース層を構成するガラスの析出結晶であってもよい。この場合にも、加熱温度により、場所によって析出する結晶の量を変化させることができる。
【0061】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2の表示パネル用基板およびこれを用いた表示パネルについて説明する。図5は、本発明の実施の形態の表示パネルの断面図である。なお平面図は図1に示した前記実施の形態1と同様であるものとする。
本実施の形態の表示パネル用基板は、図5に示すように、散乱物質を含むガラス層からなる散乱領域102Sと、その散乱領域を囲む、ガラス層のない領域からなる背景領域102Bとで構成し、散乱層の有無により表示パターンを形成するようにしたことを特徴とするものである。他は前記実施の形態1と同様である。
【0062】
なお、前記実施の形態1では散乱領域の形成に際し、ガラス材料層を塗布した後に選択的に散乱物質をドーピングするようにしたが、本実施の形態では、スクリーン印刷法などにより、散乱物質を含有するガラス材料層のパターンからなる散乱領域102Sを形成したのち、ガラス化処理(570℃30分)を行い、実質的に図5に示すように、散乱領域102Sを構成するガラス層のみとし、背景領域はガラス層がないように構成している。有機LED素子の部分は前記実施の形態1と同様であり、ここでは説明を省略する。なお、図5では横方向に比して高さ方向の長さが極端に誇張されているため、ガラス層の段差が極めて急峻に表現されているが、実際にはガラス層や有機層の高さは数十μm程度であり、段差は数十倍なだらかになる。
【0063】
次に、この表示パネル用基板の製造工程について説明する。
まず、図6(a)に示すように、ガラス基板101を用意し、必要に応じて表面研磨を行ったのち、図6(b)に示すように、散乱物質104を含有するフリットガラスペーストを用いてスクリーン印刷を行なうことにより、所望の散乱層パターンを構成するガラス材料層102Mを形成する。
そして、図6(c)に示すように、580℃30分の焼成工程を経て散乱領域102Sを形成する。この散乱領域を囲む背景領域102Bにはガラス層は形成されておらず、この散乱領域と背景領域との間の散乱特性の差で構成された表示パターンをもつ表示パネル用基板100を形成する。
【0064】
この後、この上層に透光性電極103として酸化インジウム錫(ITO)膜を全面に形成し、正孔注入層、発光層、電子注入層などの発光機能を有する層110を形成する。そして最後に反射性電極などの電極を形成する。
この場合、散乱領域と背景領域との間で段差は形成されるが、ガラス化のための熱処
理工程を経て形成されるため、パターンエッジがなだらかになっており、この上層に形成される透光性電極に膜厚が薄い部分が形成されたりするなど、素子部の物性にバラつきを生じたりするのを抑制することができる。
【0065】
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3の表示パネル用基板およびこれを用いた表示パネルについて説明する。図7は、本発明の実施の形態の表示パネルの断面図である。なお平面図は図1に示した前記実施の形態1と同様であるものとする。
本実施の形態の表示パネル用基板は、図7に示すように、散乱物質を含むガラス層の膜厚に分布を持たせることにより、散乱特性の差を形成するようにしたことを特徴とするものである。つまり膜厚の厚い散乱物質を含むガラス層からなる散乱領域102Sとこの周りの膜厚の薄いガラス層からなる背景領域102Bとで構成されている。105はベース材である。
【0066】
前記実施の形態1では散乱領域の形成に際し、ガラス材料層を塗布した後に選択的に散乱物質をドーピングするようにしたが、本実施の形態では、スクリーン印刷法などにより、散乱物質を含有するガラス材料層のパターンからなる散乱領域102Sを形成したのち、再度散乱物質を含有する同じガラス層で全面を覆い、再度ガラス化処理(570℃30分)を行い、実質的に図7に示すように、散乱物質を含有するガラス層102の膜厚に分布を持たせるようにしたものである。
【0067】
このようにして形成された表示パネル用基板上に形成され表示パネルを構成する有機LED素子の部分は前記実施の形態1と同様であり、ここでは説明を省略する。
【0068】
次に本実施の形態3のこの表示パネル用基板の製造工程について説明する。
まず、図8(a)に示すように、ガラス基板101を用意し、必要に応じて表面研磨を行ったのち、図8(b)に示すように、散乱物質104を含有するフリットガラスペーストを用いてスクリーン印刷を行なうことにより、所望の散乱層パターンを構成するガラス材料層102Mを形成する。
この後、図8(c)に示すように、ガラス材料層102M上に、再度散乱物質を含有する同じガラス層で全面を覆い、散乱物質104を含有するガラス材料層102Mの膜厚に分布を持たせる。
そして、図8(d)に示すように、580℃30分の焼成工程を経て散乱領域102Sを形成する。この散乱領域を囲む背景領域102Bは薄い散乱物質を含むガラス層となっており、膜厚分布によって、この散乱領域と背景領域との間で散乱特性の差が形成される。これにより表示パターンをもつ表示パネル用基板100を得る。ここでは背景領域も表示パターンも,ベース材105中に散乱物質104を含む領域となっている。
【0069】
この後、この上層に透光性電極103として酸化インジウム錫(ITO)膜を全面に形成し、正孔注入層、発光層、電子注入層などの発光機能を有する層110を形成する。そして最後に反射性電極などの電極を形成する。
この場合も、散乱領域と背景領域との間で段差は形成されるが、ガラス化のための熱処理工程を経て形成されるため、パターンエッジがなだらかになっており、この上層に形成される透光性電極に膜厚が薄い部分が形成されたりするなど、素子部の物性にバラつきを生じたりするのを抑制することができる。
【0070】
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4の表示パネル用基板およびこれを用いた表示パネルについて説明する。図9は、本発明の実施の形態の表示パネルの断面図である。なお平面図は図1に示した前記実施の形態1と同様であるものとする。
本実施の形態の表示パネル用基板は、図9に示すように、前記実施の形態2の散乱物質を含むガラス層からなる散乱領域102Sのパターン上を透光性のガラス層102Tで被覆したことを特徴とするものである。つまり散乱物質を含むガラス層のパターンを透光性のガラス層で被覆したものによって、散乱領域102Sとこの周りの透光性のガラス層からなる背景領域102Bとで構成されている。
本実施の形態では、スクリーン印刷法などにより、散乱物質を含有するガラス材料層102Mのパターン形成したのち、全面に透光性のガラス材料層102Tを塗布し、ガラス化処理(570℃30分)を行い、図9に示すように、表示パターンを形成したものである。ここでも表示パターン(散乱領域102S)で構成される表示領域はベース材105中に散乱物質104が形成された構造となっている。
【0071】
このようにして形成された表示パネル用基板上に形成され表示パネルを構成する有機LED素子の部分は前記実施の形態1と同様であり、ここでは説明を省略する。
【0072】
次に本実施の形態4の表示パネル用基板の製造工程について説明する。
まず、図10(a)に示すように、ガラス基板101を用意し、必要に応じて表面研磨を行ったのち、図10(b)に示すように、散乱物質104を含有するフリットガラスペーストを用いてスクリーン印刷を行なうことにより、所望の散乱層パターンを構成するガラス材料層102Mを形成する。
この後、図10(c)に示すように、散乱物質104を含有しないフリットガラスペーストを用いて全面にガラス材料層102M0を形成する。
そして、図10(d)に示すように、580℃30分の焼成工程を経て散乱領域102Sを形成する。この散乱領域を囲む背景領域102Bにも散乱物質を含まない薄いガラス層102Tが形成されており、この散乱領域と背景領域との間の散乱特性の差で構成された表示パターンをもつ表示パネル用基板100を形成する。ここでも表示パターンで構成される散乱領域102Sはベース材105中に散乱物質104が形成された構造となっている。
【0073】
この後、この上層に透光性電極103として酸化インジウム錫(ITO)膜を全面に形成し、正孔注入層、発光層、電子注入層などの発光機能を有する層110を形成する。そして最後に反射性電極などの電極を形成する。
この場合、散乱領域と背景領域との間で段差は形成されるが、ガラス化のための熱処理工程を経て形成されるため、パターンエッジがなだらかになっており、この上層に形成される透光性電極に膜厚が薄い部分が形成されたりするなど、素子部の物性にバラつきを生じたりするのを抑制することができる。
以上の説明では、散乱性が高い散乱領域と散乱性の低い背景領域の2種類の領域があるとして説明してきたが、前にも説明したように、3以上の散乱性に違いのある領域を形成してもよいし、連続的に散乱性が変化する、すなわち中間調の表示ができるようにしてもよい。
【0074】
以下、以上説明してきた本発明の実施の形態1乃至4で用いられるガラス層および他の構成部材について詳述する。
なお、透光性電極103の下地となる表示パターンを有するガラス層表面の表面粗さRaは30nm以下であるのが望ましい。
【0075】
この範囲にとることで、透光性電極103の膜厚を均一にすることができ、電極間距離を均一にすることができる。したがって、電界集中を抑制することができ、素子の長寿命化をはかることができる。
【0076】
また、この構成によれば、気泡や析出結晶あるいはベース材と異なる組成の材料からなる散乱物質がガラス層表層及び直下に存在する確率が、ガラス層内部より低く構成されており、平滑な表面を得ることができる。このため、例えば有機LED素子を形成する場合、透光性基板の表面すなわちガラス層表面が平滑であるため、この上層に形成される透光性電極(第1電極)表面が平滑であり、この上層に塗布法などによって発光機能を有する層などを形成する場合にも、発光機能を有する層を均一に形成することができ、透光性電極と、発光機能を有する層上に形成される反射性電極(第2電極)表面との間の電極間距離も均一となる。その結果、発光機能を有する層に局所的に大電圧が印加されることもないため、長寿命化をはかることができる。
【0077】
なお、ガラス層はガラス基板上に直接形成されているが、例えばガラス基板上にスパッタ法によってシリカ薄膜を形成した後、ガラス層を形成するなど、バリア層を介して形成してもよい。しかし、ガラス基板上に接着剤や有機層を介する事無くガラス層を形成することで、極めて安定でかつ平坦な表面を得ることができる上、無機物質のみで構成することで、熱的に安定で長寿命の光デバイスを形成することが可能となる。
【0078】
なお、ガラス層を形成するための材料組成および焼成温度を調整することにより、ガラス層中には散乱物質として作用する気泡を残しつつ、かつガラス層最表面には、気泡や、凹みの発生を抑制することが可能である。つまり、散乱物質の上昇を防ぎ、ガラス層に残留させて表面まで上昇しないように、焼成温度プロファイルを調整すると共に焼成時間を調整することで、散乱特性に優れ、表面平滑性の高い、表示パネル用基板を提供することが可能となる。
【0079】
また、前記ガラス層表面の表面粗さRaは30nm以下であるのが望ましい。さらに望ましくは、前記ガラス層の表面粗さが10nm以下であるのが望ましい。
例えば、このような透光性基板上に有機LED素子を形成する場合、例えば透光性電極は薄く形成する必要があるが、この透光性電極が下地の影響を受ける事無く形成できるのは表面粗さが30nm以下、望ましくは10nm以下である。表面粗さが30nmを越えると、その上に形成される有機層の被覆性が悪くなる場合があり、ガラス層上に形成される透明電極ともう一方の電極との間で短絡が発生する場合がある。電極間短絡により、素子は不灯となるが、過電流を印加することにより、修復することが可能な場合がある。修復を可能とするうえで、ガラス層の粗さは望ましくは10nm以下であり、さらに望ましくは、3nm以下である。
なお、ある材料系では焼成温度を570℃以上としたときに表面粗さ10nm以下とすることができる。材料系によって最適な焼成条件は異なるが、散乱物質の種類や大きさをコントロールすることで散乱物質が最表面に存在するのを抑制し、表面平滑性に優れたガラス層を得ることができる。
【0080】
また、散乱物質の大きさは、ガラス層中に気泡がある場合、気泡が大きくなると、焼成などのガラス層形成プロセスで浮力が大きくなり、浮上し易くなり、最表面に到達すると気泡が破裂し、表面平滑性を著しく低下させることになる可能性がある。また相対的にその部分の散乱物質の数が少なくなるためその部分のみ散乱性が低下することにもなる。このように大きな気泡が凝集すれば、むらとなって視認されることにもなる。さらにまた直径が5μm以上の気泡の割合が15vol%以下であるのが望ましく、さらに望ましくは、10vol%以下であり、さらに望ましくは7vol%以下である。また、散乱物質が気泡以外の場合でも、相対的にその部分の散乱物質の数が少なくなるため、その部分のみ散乱性が低下することになる。従って散乱物質の最大長さが5μm以上のものの割合が15vol%以下であるのが望ましく、望ましくは10vol%以下であり、さらに望ましくは7vol%以下である。
【0081】
また、結晶化しやすいガラスを用いることで、ガラス層内部に結晶を析出させることが可能である。この時結晶の大きさが0.1μm以上であれば、光散乱物質として機能する。この時、焼成温度を適切に選ぶことで、このようにガラス層最表面での結晶析出を抑制しつつかつ、ガラス層内部に結晶を析出させることが可能となる。具体的には、ガラス転移温度から60℃から100℃程度温度が高くするのが望ましい。この程度の温度上昇であれば、ガラスの粘性が高く、気泡が浮上することはない。
【0082】
温度が高すぎる場合には、ガラス層最表面でも結晶が析出してしまい、最表面の平滑性が失われる為、好ましくない。従って、焼成温度はガラス転移温度から60℃から80℃度程度高くすることがより望ましく、さらには60℃から70℃高くすることが最も望ましい。このような手法によりガラス層中に、気泡や析出結晶を散乱物質として存在させ、ガラス最表面ではそれらの発生を抑制することが可能である。これらが可能であるのは、ガラスがある温度範囲で自らが平坦化し、かつ気泡は浮上しない高粘性を実現できる、或いは結晶を析出できるためである。樹脂では上述のような高粘性でプロセスを制御するのは困難であり、また結晶を析出させることもできない。
【0083】
このように、材料組成や焼成条件を調整することで、前記ガラス層最表面の散乱物質の密度が、前記ガラス層内部の散乱物質の密度より小さい透光性基板を得ることができる。
【0084】
また、散乱物質としては、気泡である場合と、ベース層とは異なる組成をもつ材料粒子である場合と、ベース層の析出結晶である場合とがあり、これら単体でもよいし、混合でもよい。
散乱物質が気泡である場合には、焼成温度などの焼成条件を調整することで、気泡の大きさや気泡分布や密度を調整可能である。
散乱物質がベース層とは異なる組成をもつ材料粒子である場合には、材料組成物の調整、焼成温度などの焼成条件を調整することで、散乱物質の大きさや分布や密度を調整可能である。
前記散乱物質が前記ベース層を構成するガラスの析出結晶である場合には、焼成温度などの焼成条件を調整することで、気泡の大きさや気泡分布や密度を調整可能である。
【0085】
また、波長λ(430nm<λ<650nm)のうち少なくとも一つの波長におけるベース層の第1の屈折率は1.8以上であるのが望ましい。高屈折率材料層を形成するのは困難であるが、ガラス材料の材料組成を調整することで、屈折率の調整が容易となる。
【0086】
以下各部材について詳細に説明する。
<基板>
透光性基板の形成に用いられる透光性の基板101としては、主としてガラス基板など、散乱性のガラス層を形成する温度に耐えて、かつ可視光に対する透過率が高い材料が用いられる。ガラス基板の材料としては、アルカリガラス、無アルカリガラスまたは石英ガラスなどの無機ガラスがある。な透光性の基板101の厚さは、0.1mm〜2.0mmのものが用いられればよいが、大面積になった場合にはより厚くてもよい。
【0087】
なお、ガラス層をガラスフリットで作製するには、歪の問題等が生じるので、熱膨張係数は50×10−7/℃以上、好ましくは70×10−7/℃以上、より好ましくは80×10−7/℃以上が好ましい。
【0088】
また、さらにはガラス層の100℃から400℃における平均熱膨張係数が、70×10−7(℃−1)から95×10−7(℃−1)であり、且つガラス転移温度が、450℃から550℃であるのが望ましい。
【0089】
<ガラス層>
ガラス層の構成、作製方法、特性及び屈折率の測定方法について、詳細に説明する。なお、詳細は後述するが、散乱領域すなわち表示パターン領域では光取り出し効率の向上を実現するためには、ガラス層の屈折率は、透光性電極材料の屈折率よりも同等若しくは高くし、背景領域ではその逆とすることが好ましい。
【0090】
(構成)
本実施の形態では、ガラス層102は、前述したように、塗布などの方法でガラス基板上にガラス粉末を形成し、所望の温度で焼成することで形成され、第1の屈折率を有するベース材105と、前記ベース材105中に分散された、前記ベース材と異なる第2の屈折率を有する複数の散乱物質104とを具備し、前記ガラス層内部から最表面にむかって、前記ガラス層中の前記散乱物質の層内分布が、小さくなっており、ガラス層を用いることで前述したように、優れた散乱特性を有しつつも表面の平滑性を維持することができ、発光デバイスなどの光出射面側に用いることで極めて高効率の光取り出しを実現することができる。
また、ガラス層としては、コーティングされた主表面を有する光透過率の高い材料(ベース材)が用いられる。ベース材としては、ガラス、結晶化ガラス、透光性樹脂、透光性セラミックスが用いられる。ガラスの材料としては、ソーダライムガラス、ホウケイ酸塩ガラス、無アルカリガラス、石英ガラスなどの無機ガラスがある。なお、ベース材105の内部には、複数の散乱物質104(例えば、気泡、析出結晶、ベース材とは異なる材料粒子、分相ガラスがある。)が形成されている。ここで、粒子とは固体の小さな物質をいい、例えば、フィラーやセラミックスがある。また、気泡とは、空気若しくはガスの物体をいう。また、分相ガラスとは、2種類以上のガラス相により構成されるガラスをいう。なお、散乱物質が気泡の場合、散乱物質の径とは空隙の長さをいう。
【0091】
また、本発明の表示パネル用基板の散乱領域における光取り出し効率の向上を実現するためには、ベース材の屈折率は、透光性電極材料の屈折率と同等若しくは高くなくてはならない。屈折率が低い場合、ベース材と透光性電極材料との界面において、全反射による損失が生じてしまうためである。ベース材の屈折率は、少なくとも発光層の発光スペクトル範囲における一部分(例えば、赤、青、緑など)において上回っていればよいが、発光スペクトル範囲全域(430nm〜650nm)に亘って上回っていることが好ましく、可視光の波長範囲全域(360nm〜830nm)に亘って上回っていることがより好ましい。
【0092】
また、有機LEDの電極間の短絡を防ぐ為にガラス層主表面は平滑である必要がある。その為にはガラス層の主表面から散乱物質が突出していることは好ましくない。散乱物質がガラス層の主表面から突出しないためにも、散乱物質がガラス層の主表面から0.2μm以内に存在していないことが好ましい。ガラス層の主表面のJIS B0601−1994に規定される算術平均粗さ(Ra)は30nm以下が好ましく、10nm以下であることがより好ましく(表1参照)、1nm以下が特に望ましい。散乱物質とベース材の屈折率はいずれも高くても構わないが、屈折率の差(Δn)は、少なくとも発光層の発光スペクトル範囲における一部分において0.2以上であることが好ましい。十分な散乱特性を得るために、屈折率の差(Δn)は、発光スペクトル範囲全域(430nm〜650nm)若しくは可視光の波長範囲全域(360nm〜830nm)に亘って0.2以上であることがより好ましい。
【0093】
最大の屈折率差を得るためには、上記高光透過率材料としては高屈折率ガラス、散乱物質としては気体の物体すなわち気泡を用いることが望ましい。この場合、ベース材の屈折率はできるだけ高いことが望ましいため、ベース材を高屈折率のガラスとすることが好ましい。高屈折率のガラスの成分として、ネットワークフォーマとしてはP、SiO、B、GeO、TeOから選ばれる一種類または二種類以上の成分を、高屈折率成分として、TiO、Nb、WO、Bi、La、Gd、Y、ZrO、ZnO、BaO、PbO、Sbから選ばれる一種類または二種類以上の成分を含有する高屈折率ガラスを使用することが出来る。その他に、ガラスの特性を調整する意味で、アルカリ酸化物、アルカリ土類酸化物、フッ化物などを屈折率に対して要求される物性を損なわない範囲で使用してもよい。具体的なガラス系としてはB−ZnO−La系、P−B−R’O−R”O−TiO−Nb−WO−Bi系、TeO−ZnO系、B−Bi系、SiO−Bi系、SiO−ZnO系、B−ZnO系、P−ZnO系、などが挙げられる。ここで、R’はアルカリ金属元素、R”はアルカリ土類金属元素を示す。なお、以上は例であり、上記の条件を満たすような構成であれば、この例に限定されるものではない。
【0094】
ベース材に特定の透過率スペクトルを持たせることにより、発光の色味を変化させることもできる。着色剤としては、遷移金属酸化物、希土類金属酸化物、金属コロイドなどの公知のものを、単独であるいは組み合わせて使うことができる。
【0095】
(ガラス層の作製方法)
ガラス層の作製方法は、塗布および焼成により行うが、特に、10〜100μmの厚膜を、均一かつ迅速に形成するという観点から、ガラスをフリットペースト化して作製する方法が好ましい。フリットペースト法を活用するために、基板ガラスの熱変形を抑制するために、ガラス層のガラスの軟化点(Ts)が基板ガラスの歪点(SP)よりも低く、かつ熱膨張係数αの差が小さいことが望ましい。軟化点と歪点の差は30℃以上であることが好ましく、50℃以上であることがより好ましい。また、ガラス層と基板ガラスの膨張率差は、±10×10−7(1/K)以下であることが好ましく、±5×10−7(1/K)以下であることがより好ましい。ここで、フリットペーストとは、ガラス粉末が樹脂、溶剤、フィラーなどに分散したものを指す。フリットペーストをスクリーン印刷などのパターン形成技術を用いてパターニング、焼成することで、ガラス層被覆が可能となる。以下技術概要を示す。
【0096】
(フリットペースト材料)
1.ガラス粉末
ガラス粉末粒径は1μm〜10μmである。焼成された膜の熱膨張を制御するため、フィラーを入れることがある。フィラーは、具体的には、ジルコン、シリカ、アルミナなどが用いられ、粒径は0.1μm〜20μmである。
【0097】
以下にガラス材料について説明する。
本発明では、前記ガラス層として、たとえば、Pが20〜30mol%、Bが、3〜14mol%、LiOとNaOとKOの総量が10〜20mol%、Biが10〜20mol%、TiOが3〜15mol%、Nbが10〜20mol%、WOが5〜15mol%を含み、以上成分の合量が、90mol%以上であるものを用いる。
【0098】
ガラス層を形成するガラス組成としては、所望の散乱特性が得られ、フリットペースト化して焼成可能であれば特に限定はされないが、取り出し効率を最大化するためには、例えば、Pを必須成分として含有し、さらにNb、Bi、TiO、WO、の一成分以上を含有する系、B、ZnOおよびLaを必須成分として含み、Nb、ZrO、Ta、WOの一成分以上を含有する系、SiOを必須成分として含み、Nb、TiOの一成分以上を含有する系、Biを主成分として含有し、ネットワーク形成成分としてSiO、Bなどを含有する系などが挙げられる。
【0099】
なお、本発明においてガラス層として使用する全てのガラス系において、環境に対して悪影響を及ぼす成分である、As、PbO、CdO、ThO、HgOについては、原料由来の不純物としてやむを得ず混入する場合を除いて含まない。
【0100】
2.樹脂
樹脂は、スクリーン印刷後、塗膜中のガラス粉末、フィラーを支持する。具体例としては、エチルセルロース、ニトロセルロース、アクリル樹脂、酢酸ビニル、ブチラール樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、ロジン樹脂などが用いられる。主剤として用いられるのは、エチルセルロースとニトロセルロースがある。なお、ブチラール樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、ロジン樹脂は塗膜強度向上の為の添加として用いられる。焼成時の脱バインダ温度は、エチルセルロースで350℃から400℃、ニトロセルロースで200℃から300℃である。
【0101】
3.溶剤
樹脂を溶解しかつ印刷に必要な粘度を調整する。また印刷中には乾燥せず、乾燥工程では、すばやく乾燥する。沸点200℃から230℃のものが望ましい。粘度、固形分比、乾燥速度調整のためブレンドして用いる。具体例としては、スクリーン印刷時のペーストの乾燥適合性からエーテル系溶剤(ブチルカルビトール(BC)、ブチルカルビトールアセテート(BCA)、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル、トリプロピレングリコールブチルエーテル、酢酸ブチルセロソルブ)、アルコール系溶剤(α−テルピネオール、パインオイル、ダワノール)、エステル系溶剤(2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート)、フタル酸エステル系溶剤(DBP(ジブチルフタレート)、DMP(ジメチルフタレート)、DOP(ジオクチルフタレート))がある。主に用いられているのは、α−テルピネオールや2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート)である。なお、DBP(ジブチルフタレート)、DMP(ジメチルフタレート)、DOP(ジオクチルフタレート)は、可塑剤としても機能する。
【0102】
4.その他
粘度調整、フリット分散促進の為、界面活性剤を使用してもよい。フリット表面改質の為、シランカップリング剤を使用してもよい。
【0103】
(フリットペースト膜の作製方法)
次に実際にフリットペースト膜を形成する方法について説明する。
(1)フリットペースト
ガラス粉末とビヒクルを準備する。ここで、ビヒクルとは、樹脂、溶剤、界面活性剤を混合したものをいう。具体的には、50℃〜80℃に加熱した溶剤中に樹脂、界面活性剤などを投入し、その後4時間から12時間程度静置したのち、ろ過し、得られる。
次に、ガラス粉末とビヒクルとを、プラネタリーミキサーで混合した後、3本ロールで均一分散させる。その後粘度調整のため、混練機で混練する。通常ガラス材料70〜80wt%に対してビヒクル20〜30wt%とする。
【0104】
(2)印刷
(1)で作製したフリットペーストをスクリーン印刷機を用いて印刷する。スクリーン版のメッッシュ荒さ、乳剤の厚み、印刷時の押し圧、スキージ押し込み量などで形成される、フリットペースト膜の膜厚を制御できる。印刷後焼成炉で乾燥させる。
【0105】
(3)焼成
焼成炉で印刷、乾燥した基板を焼成する。焼成は、フリットペースト中の樹脂を分解・消失させる脱バインダ処理とガラス粉末を焼結、軟化させる焼成処理からなる。脱バインダ温度は、エチルセルロースで350℃〜400℃、ニトロセルロースで200℃〜300℃であり、30分から1時間大気雰囲気で加熱する。その後温度を上げて、ガラスを焼結、軟化させる。焼成温度は軟化温度から軟化温度+20℃であり、処理温度により内部に残存する気泡の形状、大きさが異なる。その後、冷却して基板上にガラス層が形成される。得られる膜の厚さは、5μm〜30μmであるが、印刷時に積層することでさらに厚いガラス層が形成可能である。
【0106】
なお、上記で印刷工程をドクターブレード印刷法、ダイコート印刷法を用いると、より厚い膜形成が可能となる(グリーンシート印刷)。PETフィルム等の上に膜を形成した後、乾燥するとグリーンシートが得られる。次いでローラー等によりグリーンシートを基板上に熱圧着し、フリットペーストと同様の焼成行程を経て焼成膜を得る。得られる膜の厚さは、50μm〜400μmであるが、グリーンシートを積層して用いることにより、さらに厚いガラス膜が形成可能である。
【0107】
<透光性電極>
透光性電極(陽極)103は、有機層110で発生した光を外部に取り出すために、80%以上の透光性が要求される。また、多くの正孔を注入するため、仕事関数が高いものが要求される。具体的には、ITO(Indium Tin Oxide)、SnO、ZnO、IZO(Indium Zinc Oxide)、AZO(ZnO−Al:アルミニウムがドーピングされた亜鉛酸化物)、GZO(ZnO−Ga:ガリウムがドーピングされた亜鉛酸化物)、NbドープTiO、TaドープTiOなどの材料が用いられる。陽極103の厚さは、100nm以上が好ましい。なお、陽極103の屈折率は、1.9〜2.2である。ここで、キャリア濃度を増加させると、ITOの屈折率を低下させることができる。市販されているITOは、SnOが10wt%が標準となっているが、これより、Sn濃度を増やすことで、ITOの屈折率を下げることができる。但し、Sn濃度増加により、キャリア濃度は増加するが、移動度及び透過率の低下がある為、これらのバランスをとって、Sn量を決める必要がある。
なお、透光性電極を陰極としてもよいことは言うまでもない。
【0108】
<有機層(発光機能を有する層)>
有機層110は、発光機能を有する層であり、正孔注入層111と、正孔輸送層112と、発光層113と、電子輸送層114と、電子注入層115とにより構成される。有機層110の屈折率は、1.7〜1.8程度である。
【0109】
<正孔注入層>
正孔注入層111は、陽極である透光性電極103からの正孔注入障壁を低くするために、イオン化ポテンシャルの差が小さいものが要求される。正孔注入層111における電極界面からの電荷の注入効率の向上は、素子の駆動電圧を下げるとともに、電荷の注入効率を高める。高分子では、ポリスチレンスルフォン酸(PSS)がドープされたポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT:PSS)、低分子ではフタロシアニン系の銅フタロシアニン(CuPc)が広く用いられる。
【0110】
<正孔輸送層>
正孔輸送層112は、正孔注入層111から注入された正孔を発光層113に輸送する役割をする。適切なイオン化ポテンシャルと正孔移動度を有することが必要である。正孔輸送層112は、具体的には、トリフェニルアミン誘導体、N,N’−ビス(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(NPD)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス[N−フェニル−N−(2−ナフチル)−4’−アミノビフェニル−4−イル]−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(NPTE)、1,1−ビス[(ジ−4−トリルアミノ)フェニル]シクロヘキサン(HTM2)およびN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ジフェニル−4,4’−ジアミン(TPD)などが用いられる。正孔輸送層112の厚さは、10nm〜150nmが好ましい。厚さは薄ければ薄いほど低電圧化できるが、電極間短絡の問題から10nm〜150nmであることが特に好ましい。
【0111】
<発光層>
発光層113は、注入された電子と正孔が再結合する場を提供し、かつ、発光効率の高い材料を用いる。詳細に説明すると、発光層113に用いられる発光ホスト材料および発光色素のドーピング材料は、陽極及び陰極から注入された正孔及び電子の再結合中心として機能する、また、発光層におけるホスト材料への発光色素のドーピングは、高い発光効率を得ると共に、発光波長を変換させる。これらは電荷注入のための適切なエネルギーレベルを有すること、化学的安定性や耐熱性に優れ、均質はアモルファス薄膜を形成することなどが求められる。また、発光色の種類や色純度が優れていることや発光効率の高いことが求められる。有機材料である発光材料には、低分子系と高分子系の材料がある。さらに、発光機構によって、蛍光材料、りん光材料に分類される。発光層113は、具体的には、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム錯体(Alq)、ビス(8−ヒドロキシ)キナルジンアルミニウムフェノキサイド(Alq′OPh)、ビス(8−ヒドロキシ)キナルジンアルミニウム−2,5−ジメチルフェノキサイド(BAlq)、モノ(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナート)リチウム錯体(Liq)、モノ(8−キノリノラート)ナトリウム錯体(Naq)、モノ(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナート)リチウム錯体、モノ(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナート)ナトリウム錯体およびビス(8−キノリノラート)カルシウム錯体(Caq)などのキノリン誘導体の金属錯体、テトラフェニルブタジエン、フェニルキナクドリン(QD)、アントラセン、ペリレン並びにコロネンなどの蛍光性物質が挙げられる。ホスト材料としては、キノリノラート錯体が好ましく、特に、8−キノリノールおよびその誘導体を配位子としたアルミニウム錯体が好ましい。
【0112】
<電子輸送層>
電子輸送層114は、電極から注入された電子を輸送するという役割をする。電子輸送層114は、具体的には、キノリノールアルミニウム錯体(Alq3)、オキサジアゾール誘導体(例えば、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール(BND)および2−(4−t−ブチルフェニル)−5−(4−ビフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)など)、トリアゾール誘導体、バソフェナントロリン誘導体、シロール誘導体などが用いられる。
【0113】
<電子注入層>
電子注入層115は、電子の注入効率を高めるものが要求される。電子注入層115は、具体的には、陰極界面にリチウム(Li)、セシウム(Cs)等のアルカリ金属をドープした層を設ける。
【0114】
<反射性電極>
反射性電極(陰極)120は、仕事関数の小さな金属またはその合金が用いられる。陰極120は、具体的には、アルカリ金属、アルカリ土類金属および周期表第3属の金属などが挙げられる。このうち、安価で化学的安定性の良い材料であることから、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)またはこれらの合金などが好ましく用いられる。また、Al、MgAgの共蒸着膜、LiFまたはLi20の薄膜蒸着膜の上にAlを蒸着した積層電極等が用いられる。また、高分子系では、カルシウム(Ca)またはバリウム(Ba)とアルミニウム(Al)の積層等が用いられる。
なお、反射性電極を陽極としてもよいことは言うまでもない。
焼成品では、ガラス層中の気泡が球形となっていて、表面も平滑になっている。
【0115】
なお、前記実施の形態では、光源として有機LED素子を用いたが、無機LED素子などの面状光源を一体的に形成した表示パネルのほか、蛍光灯や発光ダイオードなど点光源を導光板を用いて面状に発光体を構成したものなど、種々の光源に適用可能であることはいうまでもない。
【0116】
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0117】
以上説明してきたように、本発明の表示パネル用基板および表示パネルは、極めて長寿命であるため、非常灯などの長時間連続して、信頼性の高い表示パネルを提供することが可能である。
【符号の説明】
【0118】
100 表示パネル用基板
101 ガラス基板
102 ガラス層
102S 散乱領域(表示パターン)
102B 背景領域
103 透光性電極
104 散乱物質
105 ベース材
110 有機層
111 正孔注入層
112 正孔輸送層
113 発光層
114 電子輸送層
115 電子注入層
120 反射性電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性のガラス基板表面に表示パターンを有する表示パネル基板において、透光性のガラス基板表面上に散乱物質を含むガラス層が設けられており、表示パターンが前記ガラス層中の散乱物質により形成されている表示パネル用基板。
【請求項2】
請求項1に記載の表示パネル用基板であって、
前記表示パターンが、互いに散乱特性の異なるガラス層で構成された表示パネル用基板。
【請求項3】
請求項1または2に記載の表示パネル用基板であって、
前記表示パターンを構成する散乱性の高い部分のガラス層の厚みが、散乱性の低い部分のガラス層の厚みよりも厚い表示パネル用基板。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の表示パネル用基板であって、
前記表示パターンがガラス層中の散乱物質の密度の差により構成されている表示パネル用基板。
【請求項5】
透光性のガラス基板上に、表示パターンを形成する表示パネル用基板の製造方法において、
前記透光性のガラス基板上に散乱物質を含むガラス層を積層することにより、前記ガラス層中の散乱物質により散乱特性を部分的に変化させて所望の表示パターンを形成する表示パネル用基板の製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載の表示パネル用基板の製造方法であって、
前記透光性のガラス基板上にガラス粉末を付与し、加熱することにより前記ガラス粉末を溶融固化させることにより、気泡を含むガラス層を形成し、前記気泡により散乱特性を部分的に変化させて所望の表示パターンを形成する表示パネル用基板の製造方法。
【請求項7】
請求項1〜4のいずれかに記載の表示パネル基板のガラス層上に積層された面状発光体を有する表示パネル。
【請求項8】
請求項5または6に記載の表示パネル用基板の製造方法で製造された表示パネル用基板のガラス層上に面状発光体を積層する表示パネルの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−171349(P2010−171349A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−14793(P2009−14793)
【出願日】平成21年1月26日(2009.1.26)
【出願人】(000000044)旭硝子株式会社 (2,665)
【Fターム(参考)】