説明

表示モジュールおよび表示装置

【課題】表示パネルに複数のFPCを備えつつ表示モジュールの小型化を図る。
【解決手段】本発明に係る表示モジュールは、表示パネル、および複数のフレキシブルプリント基板を備えている表示モジュールであって、上記各フレキシブルプリント基板が、いずれも表示パネルに異方性導電膜によって圧着されており上記表示パネルには、上記各フレキシブルプリント基板間を電気的に接続する配線が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のフレキシブルプリント基板が接続された表示モジュール、および当該表示モジュールを備えた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、小型の液晶表示パネルには、バックライト用光源としてLED(Light Emission Diode)が搭載されるケースが増えている。LEDを搭載することで、消費電力の低減を図れることが主な理由である。
【0003】
また、従来、LEDが搭載された液晶表示パネルに、それぞれ異なる機能を有する複数のFPC(フレキシブルプリント基板)を搭載して、一つの液晶表示モジュールとする手法が良く取られている。具体的には、たとえば、液晶を駆動するための信号を液晶表示パネル内の駆動回路に供給する機能を有するFPC(液晶駆動用FPC)、および、LEDの点灯を制御する機能を有するFPC(LED−FPC)を、一つの液晶表示パネルに接続して、一つの液晶表示モジュールとする。
【0004】
従来技術に係る液晶表示モジュールの構成について、図4〜図6を参照して以下に説明する。
【0005】
図4は、従来技術に係る液晶表示モジュール101の構成を示す図である。この図に示す液晶表示モジュール101は、液晶表示パネル102に液晶駆動用FPC104が接続されている構成である。液晶表示パネル102にはバックライト用光源としてLEDが搭載されており、このLEDの点灯を制御する機能を有するLED−FPC106が、液晶駆動用FPC104に直接搭載されている。
【0006】
図5は、従来技術に係る液晶表示モジュール201の構成を示す図である。この図に示す液晶表示モジュール201は、液晶表示パネル202に液晶駆動用FPC202が接続されている構成である。液晶表示パネル202にはバックライトとしてLEDが搭載されており、このLEDの点灯を制御する機能を有するLED−FPC206が、コネクタ208を介して液晶駆動用FPC204に別途接続されている。
【0007】
特許文献1には、図6に示す構成の表示モジュールが開示されている。図6は、従来技術に係る液晶表示モジュール301の構成を示す図である。液晶表示モジュール301は、液晶表示パネル302にパネル用FPC304が接続されている構成である。さらに、パネル用FPC304の側部から延設された、一端に温度センサが設けられたセンサ用FPC306を備え、センサ用FPC21はその一端が液晶表示パネル302の端子部に向かうように、当該側部において折り曲げられている。
【特許文献1】特開2006−235252号公報(2006年9月7日)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、図4〜図6に示す従来構成の各液晶表示モジュールは、小型化に不向きである問題を有している。
【0009】
図4の液晶表示モジュール101では、バックライトユニットに組み込むために、LED−FPC106を液晶駆動用FPC104からある程度離れた位置に実装する必要が生ずる。その分、液晶表示モジュール101の小型化を図る余地が低減してしまう。
【0010】
図5の液晶表示モジュール201では、LED−FPC206と液晶駆動用FPC204との接続のために、コネクタ208が必要になる。したがって、コネクタ208の存在が液晶表示モジュール201全体のサイズアップをもたらしてしまう。
【0011】
図6の液晶表示モジュール301では、パネル用FPC304とセンサ用FPC306とを電気的に接続するための回路が、各FPC内に必要になる。したがって、当該回路を設けるための余分な領域が各FPCに必要となり、この余分な領域の存在によって、液晶表示モジュール301のサイズアップをもたらしてしまう。
【0012】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数のFPCを備えつつ小型化を図った表示モジュール、および当該表示モジュールを備えた表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る液晶表示モジュールは、上記の課題を解決するために、
表示パネル、および複数のフレキシブルプリント基板を備えている表示モジュールであって、
上記各フレキシブルプリント基板が、いずれも表示パネルに異方性導電膜によって圧着されており、
上記表示パネルには、上記各フレキシブルプリント基板間を電気的に接続する配線が設けられていることを特徴としている。
【0014】
上記の構成によれば、複数のフレキシブルプリント基板(FPC)が、いずれも表示パネルに異方性導電膜によって圧着されている。FPCはたとえば表示パネルを駆動する機能を有するものであったり、あるいは、バックライトの点灯を制御するものであったりする。本表示モジュールでは各FPCの接続に半田やコネクタを必要としないので、その分、表示モジュールを小型化できる。
【0015】
また、表示パネルには、各FPCを互いに電気的に接続する配線が設けられている。したがって、各FPCでは、このような配線を設けるための余分な領域が不要となる。これにより、FPCの外形をより小さくできるため、表示モジュール全体のサイズをより小さくできる。
【0016】
以上のように、本表示モジュールは、複数のFPCを備えつつ小型化を図ることができる効果を奏する。
【0017】
本発明に係る液晶表示装置は、上記の課題を解決するために、上述した液晶表示モジュールを備えていることを特徴としている。
【0018】
上記の構成によれば、複数のFPCを備えかつ小型化を図った液晶表示装置を提供できる効果を奏する。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明に係る液晶表示モジュールは、複数のFPCを備えつつ小型化を図ることができる効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明に係る一実施形態について、図1〜図3を参照して以下に説明する。
【0021】
まず、本実施形態に係る液晶表示モジュール1の概略構成について、図2を参照して説明する。図2は、本発明の一実施形態に係る液晶表示モジュール1の概略構成を示す図である。この図に示すように、液晶表示モジュール1は、液晶表示パネル2、バックライトユニット4、液晶駆動用FPC6、およびLED−FPC8を備えている。
【0022】
液晶表示パネル2は、2枚のガラス基板によって液晶を挟んだ構成を取り、各ガラス基板にはそれぞれ偏光板が貼り付けられている。後述するように、液晶表示パネル2には、液晶表示パネル2を駆動させるための液晶駆動用IC14が設けられている。バックライトユニット4は1個以上のLEDを有しており、液晶表示パネル2の背面に向けてバックライト光を照射する。液晶駆動用FPC6は、液晶表示パネル2を駆動させるための信号を液晶駆動用IC14に供給する機能を有している。LED−FPC8は、バックライトユニット4内のLEDの点灯を制御する機能を有している。
【0023】
液晶表示モジュール1の詳細構成について、図1を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る液晶表示モジュール1の詳細構成を示す図である。この図に示すように、液晶表示パネル2には、透明電極(ITOなど)からなる液晶駆動用配線12、および液晶駆動用IC14が形成されている。液晶駆動用FPC6と液晶駆動用IC14とは液晶駆動用配線12によって互いに電気的に接続されている。液晶駆動用FPC6は、液晶表示パネル2を駆動させる信号を、液晶駆動用配線12を通じて液晶駆動用IC14に供給する。この信号の供給を受けて、液晶駆動用IC14は、液晶表示パネル2を駆動する。
【0024】
液晶表示パネル2には、さらに、透明電極(ITOなど)からなるバックライト配線16が形成されている。液晶駆動用FPC6およびLED−FPC8は、このバックライト配線16を通じて互いに電気的に接続されている。液晶駆動用FPC6は、LEDを点灯させるための電源電圧を、バックライト配線16を通じてLED−FPC8に供給する。LED−FPC8は、供給された電源電圧に基づき動作し、LEDの点灯を制御する信号を生成してバックライトユニット4に出力する。バックライト配線16が液晶表示パネル2に設けられているため、液晶駆動用FPC6およびLED−FPC8には、バックライト配線16を設けるための余分な領域が不要となる。これにより、液晶駆動用FPC6およびLED−FPC8の外形をより小さくできるため、液晶表示モジュール1全体のサイズをより小さくできる。
【0025】
液晶表示モジュール1では、液晶駆動用FPC6およびLED−FPC8は、いずれも、異方性導電膜(ACF)によって液晶表示パネル2に圧着されている。圧着の手順は次の通りである。まず、液晶表示パネル2上の端部(非表示領域)における所定のACF塗布領域に、ACF10を塗布する。次に、液晶駆動用FPC6およびLED−FPC8の圧着位置を、ACF塗布領域上に合わせる。最後に、高圧にした圧着ツールを液晶駆動用FPC6およびLED−FPC8の上から当てて、両者を同時に液晶表示パネル2に圧着させる。
【0026】
本発明では、液晶表示モジュール1を製造するとき複数のFPCをACF10によって同時に圧着するため、製造工程を減らすことができ、製造コストを削減することができる。また、FPCの接続にコネクタや半田を必要としないため、その分、液晶表示モジュール1を小型化できる。
【0027】
図3は、液晶表示パネル2の断面を示す断面図である。この図に示す上ガラス18および下ガラス20は、液晶表示パネル2を構成する2枚のガラス基板のことである。下ガラス20の一部にACF塗布領域を設定し、この領域上にACF10を塗布して、液晶駆動用FPC6およびLED−FPC8を圧着する。図3に示す領域22は、FPCが圧着されない場所であるため、ここにはACF10は塗布されていてもよいし、されていなくてもよい。
【0028】
なお、液晶駆動用IC14がバックライトコントロール機能を有している場合、液晶駆動用IC14とLED−FPC8とを電気的に接続する配線を、さらに液晶表示パネル2上に設ければよい。これにより、液晶駆動用FPC6からバックライト光の強度を制御するための信号をLED−FPC8に出力できるようになる。この信号の入力を受けて、LED−FPC8がバックライトユニット4を制御することによって、バックライト光の強度を調節する。
【0029】
また、本実施形態に係る液晶表示モジュール1を備えた液晶表示装置を製造することもできる。このような液晶表示装置では、複数のFPCを備えつつ小型化を図ることができる。
【0030】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。当業者は、請求項に示した範囲内おいて、本発明をいろいろと変更できる。すなわち、請求項に示した範囲内において、適宜変更された技術的手段を組み合わせれば、新たな実施形態が得られる。
【0031】
たとえば、液晶表示パネル2に接続されるFPCは、上述した液晶駆動用FPC6およびLED−FPC8の二枚に限られない。すなわち、それぞれ異なる機能を有する複数のFPCであれば、三枚以上を液晶表示パネル2にACF圧着することもできる。たとえば、液晶表示パネル2にタッチパネルがさらに搭載されている場合、液晶駆動用FPC6およびLED−FPC8に加えて、当該タッチパネルとの間で信号をやり取りするためのタッチパネル用FPCを、液晶表示パネル2にACF10によって圧着させればよい。このとき、液晶表示パネル2には、液晶駆動用FPC6とLED−FPC8とを電気的に接続するバックライト配線16に加え、さらに、液晶駆動用FPC6とタッチパネル用FPCとを電気的に接続するための配線を、設ければよい。
【0032】
また、本発明は液晶表示モジュール1に限らず、プラズマ表示モジュールおよび有機LED表示モジュールなどの各種の表示モジュールに適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、各種の表示モジュール、および当該表示モジュールを備えた表示装置として、幅広く利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施形態に係る液晶表示モジュールの詳細構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る液晶表示モジュールの概略構成を示す図である。
【図3】液晶表示パネルの断面を示す断面図である。
【図4】従来技術に係る液晶表示モジュールの構成を示す図である。
【図5】従来技術に係る他の液晶表示モジュールの構成を示す図である。
【図6】従来技術に係るさらに別の液晶表示モジュールの構成を示す図である。
【符号の説明】
【0035】
1 液晶表示モジュール(表示モジュール)
2 液晶表示パネル(表示パネル)
4 バックライトユニット
6 液晶駆動用FPC(フレキシブルプリント基板)
8 LED−FPC8(フレキシブルプリント基板)
10 ACF(異方性導電膜)
12 液晶駆動用配線
14 液晶駆動用IC
16 バックライト配線(配線)
18 上ガラス
20 下ガラス
22 領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネル、および複数のフレキシブルプリント基板を備えている表示モジュールであって、
上記各フレキシブルプリント基板が、いずれも表示パネルに異方性導電膜によって圧着されており、
上記表示パネルには、上記各フレキシブルプリント基板間を電気的に接続する配線が設けられていることを特徴とする表示モジュール。
【請求項2】
バックライトユニットをさらに備え、
上記複数のフレキシブルプリント基板のうち1つは、上記表示パネルを駆動させる機能を有しており、
上記複数のフレキシブルプリント基板のうち他の1つは、上記バックライトユニットの点灯を制御する機能を有していることを特徴とする請求項1に記載の表示モジュール。
【請求項3】
請求項1または2に記載の表示モジュールを備えていることを特徴とする液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−128322(P2010−128322A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−304730(P2008−304730)
【出願日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】