説明

表示装置、および、その製造方法

【課題】表示パネルの面の側において、照明光が被検知体によって反射された反射光を、受光素子が受光することによって、表示領域における被検知体の位置を検出し、その赤外線を受光する受光素子によって得られるデータのS/N比をさらに改善する。
【解決手段】シリコン半導体よりもバンドギャップが狭い半導体層47を、位置センサ素子32aが含み、その半導体層47において反射光Hを位置センサ素子32aが受光するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、および、その製造方法に関する。特に、本発明は、画素が複数配置された表示領域に、受光素子が複数形成されている表示パネルと、その表示パネルの一方の面の側から照明光を出射する照明部とを具備しており、その照明光によって表示領域にて画像を表示すると共に、表示パネルの他方の面の側において、その照明光が被検知体によって反射された反射光を、受光素子が受光することによって、表示領域における被検知体の位置を検出する表示装置、および、その製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置,有機EL表示装置などの表示装置は、薄型、軽量、低消費電力といった利点を有する。
【0003】
このような表示装置において、液晶表示装置は、一対の基板の間に液晶層が封入された液晶パネルを、表示パネルとして有している。液晶パネルは、たとえば、透過型であって、液晶パネルの背面に設けられたバックライトなどの照明装置が出射した照明光を、その液晶パネルが変調して透過させる。そして、その変調した照明光によって画像の表示が、液晶パネルの正面にて実施される。
【0004】
この液晶パネルは、たとえば、アクティブマトリクス方式であり、画素スイッチング素子として機能する薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)が複数形成されているTFTアレイ基板と、そのTFTアレイ基板に対面するように対向する対向基板と、TFTアレイ基板および対向基板の間に設けられた液晶層とを有する。このアクティブマトリクス方式の液晶パネルにおいては、画素スイッチング素子が画素電極に電位を入力することによって、液晶層に印加する電圧を可変し、その画素を透過する光の透過率を制御して、その光を変調させる。
【0005】
上記のような液晶パネルにおいては、上記の画素スイッチング素子として機能するTFTの他に、位置センサ素子として機能する受光素子を内蔵したものが提案されている。
【0006】
上記のように位置センサ素子として受光素子が内蔵された液晶パネルは、ユーザーインターフェイスとしての機能が実現できるため、I/Oタッチパネル(Integrated−Optical touch panel)と呼ばれている。このタイプの液晶パネルにおいては、液晶パネルの前面に、別途、抵抗膜方式や静電容量方式のタッチパネルを設置する必要がなくなる。このため、装置の小型化を、容易に実現できる。また、さらに、抵抗膜方式や静電容量方式のタッチパネルを設置した場合には、そのタッチパネルによって表示領域において透過する光が減少する場合や、その光が干渉される場合があるため、表示画像の品質が低下する場合があるが、上記のように液晶パネルに位置センサ素子として受光素子を内蔵することによって、この不具合の発生を防止できる。
【0007】
このような液晶パネルにおいては、たとえば、液晶パネルの前面に触れられたユーザーの指やタッチペンなどの被検知体からの可視光線を、その位置センサ素子として内蔵された受光素子が受光して光電変換することで、受光データを生成する。その後、その位置センサ素子である受光素子によって得られた受光データに基づいて、その被検知体が接触した位置を特定し、その特定された位置に対応する操作が、液晶表示装置自身や、その液晶表示装置に接続された他の電子機器において実施される。
【0008】
上記のように受光素子を用いて被検知体の位置を検出する場合には、受光素子によって得られる受光データは、外光に含まれる可視光線の影響によって、多くのノイズを含む場合がある。また、表示領域において黒表示を実施する場合には、TFTアレイ基板に設けられた受光素子は、被検知体から出射される可視光線を受光することが困難である。このため、正確に、位置を検出をすることが困難な場合がある。
【0009】
このような不具合を改善するために、赤外線を用いる技術が提案されている。ここでは、被検知体から反射される赤外線を、受光素子が受光することによって受光データを取得し、その取得したデータに基づいて、被検知体の位置を特定している(たとえば、特許文献1,特許文献2,特許文献3参照)。
【0010】
【特許文献1】特開2005−275644号公報
【特許文献2】特開2004−318819号公報
【特許文献3】特開2006−301864号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記においては、受光素子が赤外線を受光する感度が低いことに起因して、受光素子によって得られたデータにノイズが含まれ、十分なS/N比のデータを得ることが困難な場合がある。このため、赤外線の光強度を強くする必要が生じ、消費電力の増加が生ずる場合がある。特に、モバイル用途においては、この不具合が顕在化する場合がある。
【0012】
したがって、本発明は、位置センサ素子として設けられた受光素子によって得られるデータのS/N比を改善することが可能な表示装置、および、その製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、画素が複数配置された表示領域に受光素子が複数形成されている表示パネルと、前記表示パネルの一方の面の側から照明光を出射する照明部とを具備し、前記表示パネルの他方の面の側において前記照明光が被検知体によって反射された反射光を前記受光素子が受光することにより、前記表示領域における被検知体の位置を検出する表示装置であって、前記照明部は、可視光線と赤外線とを前記照明光として出射するように構成されており、前記受光素子は、シリコン半導体よりもバンドギャップが狭い半導体層を含み、当該半導体層において前記反射光を受光するように構成されている。
【0014】
本発明においては、シリコン半導体よりもバンドギャップが狭い半導体層を受光素子が含み、当該半導体層において反射光を受光素子が受光する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、受光素子によって得られたデータのS/N比を改善することが可能な表示装置、および、その製造方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明にかかる実施形態の一例について説明する。
【0017】
<実施形態1>
(液晶表示装置の全体構成)
図1は、本発明にかかる実施形態1において、液晶表示装置100の構成を示す断面図である。
【0018】
本実施形態の液晶表示装置100は、図1に示すように、液晶パネル200と、バックライト300と、データ処理部400とを有する。各部について順次説明する。
【0019】
液晶パネル200は、アクティブマトリクス方式であり、図1に示すように、TFTアレイ基板201と対向基板202と液晶層203とを有する。
【0020】
この液晶パネル200においては、TFTアレイ基板201と対向基板202とが間隔を隔てるよう対面している。そして、そのTFTアレイ基板201と対向基板202との間に挟まれるように、液晶層203が設けられている。
【0021】
そして、液晶パネル200は、透過型であって、図1に示すように、TFTアレイ基板201の側に位置するようにバックライト300が配置されており、TFTアレイ基板201において対向基板202に対面している面とは反対側の面に、バックライト300から出射された照明光が照射される。そして、液晶パネル200は、複数の画素(図示無し)が配置され、画像を表示する表示領域PAを含み、その液晶パネル200の背面側に設置されたバックライト300が出射した照明光を、第1の偏光板206を介して背面から受け、その背面から受けた光を表示領域PAにおいて変調する。ここでは、TFTアレイ基板201において画素に対応するように、複数のTFTが画素スイッチング素子(図示無し)として設けられており、その画素スイッチング素子であるTFTがスイッチング制御されることによって、背面から受けた照明光を変調する。そして、その変調された照明光が、第2の偏光板207を介して、正面側に出射し、表示領域PAにおいて画像が表示される。
【0022】
また、本実施形態においては、この液晶パネル200は、いわゆるI/Oタッチパネルであり、詳細については後述するが、液晶パネル200においてバックライト300が設置された背面に対して反対側となる正面に、ユーザーの指やタッチペンなどの被検知体が接触または近接した際に、その被検知体によって反射される反射光を受光する受光素子が、位置センサ素子(図示無し)として形成されている。たとえば、フォトダイオードが、この位置センサ素子として形成されている。この受光素子である位置センサ素子は、液晶パネル200の正面側において、被検知体が反射する反射光を受光する。すなわち、対向基板202の側からTFTアレイ基板201の側へ向かう反射光を受光する。そして、受光素子である位置センサ素子は、光電変換することによって、受光データを生成する。
【0023】
バックライト300は、図1に示すように、液晶パネル200の背面に対面しており、その液晶パネル200の表示領域PAに照明光を出射する。ここでは、バックライト300は、図1に示すように、光源301と、その光源301から照射された光を拡散することよって面状の光に変換する導光板302とを有しており、液晶パネル200の表示領域PAの全面に平面光を照射する。
【0024】
具体的には、バックライト300は、液晶パネル200を構成するTFTアレイ基板201と対向基板202とにおいて、TFTアレイ基板201の側に位置するように配置されている。そして、TFTアレイ基板201において対向基板202に対面している面とは反対側の面に、その平面光を照射する。つまり、バックライト300は、TFTアレイ基板201の側から対向基板202の側へ向かうように平面光を照明する。
【0025】
本実施形態においては、バックライト300の光源301は、図1に示すように、たとえば、可視光源301aと、赤外光源301bとを有する。可視光源301aと赤外光源301bとのそれぞれは、導光板302の端部に設けられ、可視光線と非可視光線とを照明光として出射する。具体的には、可視光源301aは、白色LEDであり、白色の可視光線を照射面から照射する。また、赤外光源301bは、赤外LEDであり、赤外線を照射面から照射する。たとえば、中心波長が850nmである赤外線を照射する。そして、可視光源301aから照射された白色の可視光線と、赤外光源301bから照射された赤外線とが、導光板302において拡散され、平面光として、液晶パネル200の背面に照射される。
【0026】
データ処理部400は、図1に示すように、制御部401と、位置検出部402とを有する。データ処理部400は、コンピュータを含み、プログラムによってコンピュータが各部として動作するように構成されている。
【0027】
データ処理部400の制御部401は、液晶パネル200とバックライト300との動作を制御するように構成されている。制御部401は、液晶パネル200に制御信号を供給することによって、液晶パネル200に複数設けられた画素スイッチング素子(図示無し)の動作を制御する。たとえば、線順次駆動を実行させる。また、制御部401は、バックライト300に制御信号を供給することによって、バックライト300の動作を制御し、バックライト300から照明光を照射する。このように、制御部401は、液晶パネル200とバックライト300との動作を制御することによって、液晶パネル200の表示領域PRに画像を表示する。
【0028】
このほかに、制御部401は、液晶パネル200に制御信号を供給することによって、液晶パネル200に位置センサ素子として複数設けられた受光素子(図示無し)の動作を制御し、その位置センサ素子から受光データを収集する。たとえば、線順次駆動を実行させて、受光データを収集する。
【0029】
データ処理部400の位置検出部402は、液晶パネル200に複数設けられた受光素子(図示無し)である位置センサ素子から収集した受光データに基づいて、液晶パネル200の表示領域において、ユーザーの指やタッチペンなどの被検知体が接触または近接した位置を検出する。
【0030】
(液晶パネルの全体構成)
液晶パネル200について詳細に説明する。
【0031】
図2は、本発明にかかる実施形態1において、液晶パネル200を示す平面図である。
【0032】
図2に示すように、液晶パネル200は、表示領域PAと、周辺領域CAとを有する。
【0033】
液晶パネル200において表示領域PAには、図2に示すように、複数の画素Pが水平方向xと垂直方向yとのそれぞれにマトリクス状に並ぶように配置されており、画像を表示する。詳細については後述するが、画素Pは、画素スイッチング素子として機能するTFT(図示無し)を含む。そして、この複数の画素Pに対応するように、位置センサ素子として機能する受光素子(図示無し)が、複数、形成されている。
【0034】
液晶パネル200において周辺領域CAは、図2に示すように、表示領域PAの周辺を囲うように設けられている。この周辺領域CAにおいては、図2に示すように、表示用垂直駆動回路11と、表示用水平駆動回路12と、センサ用垂直駆動回路13と、センサ用水平駆動回路14とが形成されている。たとえば、上記の画素スイッチング素子として機能するTFT(図示無し)と、位置センサ素子として機能する受光素子(図示無し)と同様にして形成された半導体素子によって、この各回路が構成されている。そして、表示領域PAにおいて画素Pに対応するように画素スイッチング素子として設けられたTFTを、表示用垂直駆動回路11および表示用水平駆動回路12が駆動し、画像表示を実行する。そして、これと共に、表示領域PAにおいて画素Pに対応するように位置センサ素子として設けられた受光素子(図示無し)を、センサ用垂直駆動回路13とセンサ用水平駆動回路14とが駆動し、受光データを収集する。
【0035】
具体的には、表示用垂直駆動回路11は、図2に示すように、垂直方向yに延在している。表示用垂直駆動回路11は、垂直方向yにおいて複数の画素Pに対応するように画素スイッチング素子として形成された各TFT(図示無し)のゲート電極に接続されている。そして、表示用垂直駆動回路11は、供給される駆動信号に基づいて、その垂直方向yに並ぶ複数のTFTに、走査信号を、順次、供給する。ここでは、水平方向xに並ぶ複数の画素Pに対応して形成された複数のTFTのそれぞれにゲート線(図示無し)が接続され、そのゲート線が垂直方向yに並ぶ複数の画素Pに対応するように複数形成されており、表示用垂直駆動回路11は、その複数をゲート線に、順次、走査信号を供給する。
【0036】
表示用水平駆動回路12は、図2に示すように、水平方向xに延在している。表示用水平駆動回路12は、水平方向xにおいて複数の画素Pに対応するように画素スイッチング素子として形成された各TFT(図示無し)のソース電極に接続されている。そして、表示用水平駆動回路12は、供給される駆動信号に基づいて、その垂直方向yに並ぶ複数のTFTに、データ信号を、順次、供給する。ここでは、垂直方向yに並ぶ複数の画素Pに対応して形成された複数のTFTのそれぞれに信号線(図示無し)が接続され、その信号線が水平方向xに並ぶ複数の画素Pに対応するように複数形成されており、表示用水平駆動回路12は、その複数の信号線に、順次、映像データ信号を供給する。
【0037】
センサ用垂直駆動回路13は、図2に示すように、垂直方向yに延在している。センサ用垂直駆動回路13は、垂直方向yにおいて複数の画素Pに対応するように位置センサ素子として形成された各受光素子(図示無し)に接続されている。そして、センサ用垂直駆動回路13は、供給される駆動信号に基づいて、その垂直方向yに並ぶ複数の受光素子において、受光データを読み出す受光素子を選択する。ここでは、水平方向xに並ぶ複数の画素Pに対応して形成された複数の受光素子のそれぞれにゲート線(図示無し)が接続され、そのゲート線が垂直方向yに並ぶ複数の画素Pに対応するように複数形成されており、センサ用垂直駆動回路13は、その複数のゲート線を順次選択するように走査信号を供給する。
【0038】
センサ用水平駆動回路14は、水平方向xに延在している。センサ用水平駆動回路14は、水平方向xにおいて複数の画素Pに対応するように位置センサ素子として形成された各受光素子(図示無し)に接続されている。そして、センサ用水平駆動回路14は、供給される駆動信号に基づいて、その垂直方向yに並ぶ複数の受光素子から受光データを、順次、読み出す。ここでは、垂直方向yに並ぶ複数の画素Pに対応して形成された複数の受光素子のそれぞれに、信号読み出し線(図示無し)が接続され、その信号読み出し線が水平方向xに並ぶ複数の画素Pに対応するように複数形成されており、センサ用水平駆動回路14は、その複数の信号読み出し線を介して受光素子から、順次、受光データを読み出した後、位置検出部402へ出力する。そして、液晶パネル200の表示領域PAにユーザーの指やタッチペンなどの被検知体が接触または近接した位置を、その受光素子から出力される受光データに基づいて、位置検出部402が検出する。
【0039】
(液晶パネルの表示領域の構成)
図3は、本発明の実施形態1において、液晶パネル200における表示領域PAに設けられた画素Pの概略を模式的に示す断面図である。図4は、本発明の実施形態1において、液晶パネル200の表示領域PAに設けられた画素Pの概略を模式的に示す平面図である。図3は、図4においてX1−X2部分に対応する部分を示している。
【0040】
図3に示すように、液晶パネル200は、TFTアレイ基板201と、対向基板202と、液晶層203とを有している。液晶パネル200は、TFTアレイ基板201と対向基板202とがスペーサ(図示無し)によって間隔を隔てられ、シール材(図示無し)で貼り合わされており、そのTFTアレイ基板201と対向基板202との間の間隔に液晶層203が設けられている。
【0041】
また、図3と図4とに示すように、液晶パネル200は、画素Pにおいて、光透過領域TAと遮光領域RAとを含む。
【0042】
光透過領域TAにおいては、バックライト300から出射された照明光が、TFTアレイ基板201の側から対向基板202の側へ透過する。ここでは、光透過領域TAには、図3と図4とに示すように、カラーフィルタ層21が形成されており、バックライト300から出射された照明光が着色されて、TFTアレイ基板201の側から対向基板202の側へ透過する。
【0043】
一方で、遮光領域RAにおいては、図3と図4とに示すように、ブラックマトリクス層21Kが形成されており、バックライト300から出射された照明光を、ブラックマトリクス層21Kが、カラーフィルタ層21の周囲において遮光する。
【0044】
そして、この遮光領域RAにおいては、図3と図4とに示すように、受光領域SAが形成されている。
【0045】
この受光領域SAにおいては、TFTアレイ基板201と対向基板202とが対面する面において、対向基板202の側からTFTアレイ基板201の側へ向かう光を受光する受光素子が、位置センサ素子32aとして形成されている。具体的には、図3に示すように、液晶パネル200は、対向基板202の側からTFTアレイ基板201の側へ向かう光において、ブラックマトリクス層21Kに形成された開口21aを透過する光を、その位置センサ素子32aが受光するように形成されている。この位置センサ素子32aは、図3に示すように、液晶パネル200の正面側において、ユーザーの指などの被検知体によってバックライト300から照射された照明光が反射された反射光を、対向基板202の側から受けて受光する。
【0046】
液晶パネル200の各部について説明する。
【0047】
TFTアレイ基板201について下記に示す。
【0048】
TFTアレイ基板201は、光を透過する絶縁体の基板であり、たとえば、ガラスにより形成されている。このTFTアレイ基板201においては、図3に示すように、対向基板202に対面する側の面に、画素スイッチング素子31と、位置センサ素子32aと、画素電極62とが形成されている。
【0049】
なお、図3においては、画素Pのカラーフィルタ層21において赤フィルタ層21Rに対応するドット領域について示しているが、その他の緑フィルタ層21Gと青フィルタ層21Bとに対応するドット領域においては、位置センサ素子32aを除いた他の部材が、赤フィルタ層21Rに対応するドット領域の場合と同様に形成されている。
【0050】
TFTアレイ基板201の各部について示す。
【0051】
画素スイッチング素子31は、図3に示すように、TFTアレイ基板201において対向基板202に対面する側の面に形成されている。画素スイッチング素子31は、ゲート電極45と、ゲート絶縁膜46gと、半導体層48とを含み、たとえば、LDD構造のボトムゲート型TFTとして形成されている。
【0052】
具体的には、画素スイッチング素子31において、ゲート電極45は、たとえば、モリブデンなどの金属材料を用いて形成されている。
【0053】
また、画素スイッチング素子31において、ゲート絶縁膜46gは、シリコン酸化膜などの絶縁材料を用いて形成されている。
【0054】
また、画素スイッチング素子31において、半導体層48は、ゲート電極45に対応するようにチャネル形成領域が形成されると共に、そのチャネル領域を挟むように一対のソース・ドレイン領域48A,48Bが形成されている。ここでは、LDD構造になるように、この一対のソース・ドレイン領域48A,48Bは、チャネル領域48Cを挟むように一対の低濃度不純物領域48Ab,48Bbが形成され、さらに、その一対の低濃度不純物領域48Ab,48Bbを挟むように、一対の高濃度不純物領域48Aa,48Baが形成されている。具体的には、n型不純物をドープすることで、低濃度不純物領域48Ab,48Bbを形成し、その低濃度不純物領域48Ab,48Bbよりも多くn型不純物をドープすることで、一対の高濃度不純物領域48Aab,48Baを形成する。
【0055】
本実施形態においては、半導体層48は、シリコン半導体よりもバンドギャップが狭くなるように形成されている。具体的には、半導体層48は、シリコン(Si)とゲルマニウム(Ge)とを含むように形成されている。たとえば、SiGe(1−x)の組成式において、0.6<x<1の関係になるように、半導体層48を形成することが好適である。特に、x=0.8にすることが好適であるので、たとえば、Si0.8Ge0.2の組成式に対応するように、半導体層48を形成している。
【0056】
そして、画素スイッチング素子31においては、ソース電極53とドレイン電極54ととが、半導体層48を被覆する層間絶縁層49に設けられた開口に、アルミニウムなどの導電材料を埋め込み、パターン加工することによって形成されている。
【0057】
位置センサ素子32aは、受光素子であって、図3に示すように、TFTアレイ基板201において対向基板202に対面する側の面に形成されている。ここでは、位置センサ素子32aは、図3に示すように、液晶パネル200の正面側において、指などの被検知体によって反射され、対向基板202の側からTFTアレイ基板201の側へ向う反射光を、液晶層203を介して受光するように、TFTアレイ基板201に設けられている。この位置センサ素子32aは、たとえば、PIN構造のフォトダイオードを含むPINセンサであって、コントロール電極43と、コントロール電極43上に設けられた絶縁膜46sと、絶縁膜46sを介してコントロール電極43に対面する半導体層47とを含む。そして、位置センサ素子32aは、受光領域SAから入射する光を受光し、光電変換することによって、受光データを生成し、読み出される。
【0058】
具体的には、位置センサ素子32aにおいて、コントロール電極43は、たとえば、モリブデンなどの金属材料を用いて形成されている。金属材料などのように光を遮光するザ遮光材料によってコントロール電極43を形成することによって、背面側から入射する照明光が半導体層47に入射しないように、その照明光を遮光することができる。つまり、本実施形態においては、コントロール電極43は、遮光膜として機能するように形成されている。
【0059】
また、位置センサ素子32aにおいて、絶縁膜46sは、シリコン酸化膜などの絶縁材料を用いて形成されている。
【0060】
また、位置センサ素子32aにおいて、半導体層47は、p層47pとn層47nとi層47iとを含み、PIN構造になるように構成されており、光電変換を行う。具体的には、p層47pは、p型不純物がドープされることによって形成され、n層47nは、n型不純物がドープされることによって形成され、i層47iは、高抵抗であって、p層47pとn層47nとの間に介在している。
【0061】
本実施形態においては、位置センサ素子32aの半導体層47は、シリコン半導体よりもバンドギャップが狭くなるように形成されている。ここでは、位置センサ素子32aの半導体層47は、画素スイッチング素子31の半導体層48とバンドギャップが互いに同じになるように形成されている。具体的には、半導体層47は、画素スイッチング素子31の半導体層48と同様に、シリコン(Si)とゲルマニウム(Ge)とを含むように形成されている。たとえば、SiGe(1−x)の組成式において、0.6<x<1の関係になるように、半導体層47が形成されている。特に、x=0.8にすることが好適であるので、画素スイッチング素子31の半導体層48と同様に、たとえば、Si0.8Ge0.2の組成式に対応するように、位置センサ素子32aの半導体層47は、形成されている。
【0062】
そして、位置センサ素子32aにおいて、アノード電極51とカソード電極52とが、層間絶縁層49に設けられた開口にアルミニウムを埋め込むことによって形成されている。
【0063】
画素電極62は、図3に示すように、TFTアレイ基板201において対向基板202に対面する面を被覆するように、絶縁材料で形成された平坦化膜60上に設けられている。ここでは、図3に示すように、画素電極62は、平坦化膜60上において、光透過領域TAに対応するように形成されており、液晶層203に接続されている。画素電極62は、いわゆる透明電極であって、たとえば、ITOを用いて形成されている。そして、画素電極62は、バックライト300によって照明された光を変調するために、対向電極23と共に、液晶層203に電圧を印加する。なお、この画素電極62は、表示領域PAにおいて、複数の画素Pのそれぞれに対応するように複数がマトリクス状になるように配置されており、特に図示をしていないが、画素スイッチング素子31のドレイン電極54に接続されている。
【0064】
対向基板202について示す。
【0065】
対向基板202は、TFTアレイ基板201の場合と同様に、光を透過する絶縁体の基板であり、ガラスにより形成されている。そして、対向基板202は、図3に示すように、TFTアレイ基板201に対して間隔を隔てるよう対面している。そして、対向基板202には、図3に示すように、カラーフィルタ層21と、ブラックマトリクス層21Kと、平坦化膜22と、対向電極23とが形成されている。
【0066】
対向基板202の各部について示す。
【0067】
カラーフィルタ層21は、図3に示すように、対向基板202にてTFTアレイ基板201に対面する側の面に形成されている。カラーフィルタ層21は、図4に示すように、光透過領域TAに対応するように、赤フィルタ層21Rと緑フィルタ層21Gと青フィルタ層21Bとが形成されている。ここでは、赤フィルタ層21Rと緑フィルタ層21Gと青フィルタ層21Bとのそれぞれは、矩形形状であり、水平方向xに並ぶように形成されている。カラーフィルタ層21は、たとえば、顔料や染料などの着色剤を含有するポリイミド樹脂を用いて形成される。ここでは、赤と緑と青との3原色を1組として構成されている。そして、カラーフィルタ層21は、バックライト300から出射された照明光を着色する。
【0068】
ブラックマトリクス層21Kは、図3に示すように、表示領域PAにおいて複数の画素Pを区画するように、遮光領域RAに形成され、光を遮光する。ここでは、ブラックマトリクス層21Kは、対向基板202にてTFTアレイ基板201に対面する側の面に形成されている。また、ブラックマトリクス層21Kは、光が透過する開口21aが、受光領域SAに対応するように形成されている。つまり、ブラックマトリクス層21Kは、図3と図4に示すように、遮光領域RAにおいて受光領域SA以外の領域に対応するように形成されている。たとえば、ブラックマトリクス層21Kは、黒色の金属酸化膜を用いて形成される。
【0069】
平坦化膜22は、図3に示すように、光透過領域TAと、遮光領域RAとのそれぞれに対応するように、対向基板202にてTFTアレイ基板201に対面する側の面に形成されている。ここでは、平坦化膜22は、光透過性の絶縁材料によって形成されている。そして、カラーフィルタ層21とブラックマトリクス層21Kとのそれぞれを被覆し、対向基板202にてTFTアレイ基板201に対面する面側を平坦化している。
【0070】
対向電極23は、図3に示すように、対向基板202にてTFTアレイ基板201に対面する側の面に形成されている。ここで、対向電極23は、平坦化膜22を被覆するように形成されている。対向電極23は、いわゆる透明電極であって、たとえば、ITOを用いて形成されている。
【0071】
液晶層203について示す。
【0072】
液晶層203は、図3に示すように、TFTアレイ基板201と対向基板202との間にて挟持されており、配向処理されている。たとえば、液晶層203は、TFTアレイ基板201と対向基板202との間において、スペーサ(図示なし)により所定の距離が保持された間隔に、封入されている。そして、液晶層203は、TFTアレイ基板201および対向基板202に形成された液晶配向膜(図示なし)によって配向されている。たとえば、液晶層203は、液晶分子が垂直配向するように形成される。
【0073】
(製造方法)
以下より、本実施形態の液晶表示装置100の製造方法において、画素スイッチング素子31と位置センサ素子32aとを形成する工程について説明する。
【0074】
図5は、本発明にかかる実施形態1において、画素スイッチング素子31と位置センサ素子32aとを形成する工程を示す断面図である。
【0075】
図5においては、(a),(b),(c)の順にて、画素スイッチング素子31と位置センサ素子32aとを製造する際の各製造工程を示しており、この製造工程を実施することによって、図3に示すように、画素スイッチング素子31と位置センサ素子32aと形成する。
【0076】
各工程について順次説明する。
【0077】
まず、図5(a)に示すように、画素スイッチング素子31のゲート電極45と、位置センサ素子32aのコントロール電極43とを形成する。
【0078】
ここでは、TFTアレイ基板201の表面に、たとえば、モリブデンなどの導電材料を、スパッタリング法によってスパッタし、導電体膜(図示無し)を成膜後、リソグラフィ技術を用いて、その導電体膜をパターン加工することによって、画素スイッチング素子31のゲート電極45と、位置センサ素子32aのコントロール電極43とを形成する。たとえば、65nm厚になるように、このゲート電極45とコントロール電極43とのそれぞれを形成する。
【0079】
つぎに、図5(b)に示すように、画素スイッチング素子31のゲート絶縁膜46gと、位置センサ素子32aの絶縁膜46sとを形成する。
【0080】
ここでは、画素スイッチング素子31のゲート電極45と、位置センサ素子32aのコントロール電極43とを被覆するように、絶縁層46をTFTアレイ基板201の表面に形成することによって、画素スイッチング素子31のゲート電極45上にゲート絶縁膜46gを設けると共に、位置センサ素子32aのコントロール電極43上に絶縁膜46sを設ける。たとえば、PECVD(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)法により、70nm厚のシリコン酸化膜(SiO)を絶縁層46として成膜することによって、画素スイッチング素子31のゲート絶縁膜46gと、位置センサ素子32aの絶縁膜46sとを形成する。
【0081】
つぎに、図5(c)に示すように、画素スイッチング素子31の半導体層48と、位置センサ素子32aの半導体層47とを形成する。
【0082】
ここでは、絶縁層46を被覆するように、TFTアレイ基板201の表面に半導体層(図示無し)を形成後、リソグラフィ技術を用いて、その半導体層をパターン加工することによって、画素スイッチング素子31の半導体層48と、この位置センサ素子32aの半導体層47とを形成する。
【0083】
本実施形態においては、SiGe(1−x)(0.6<x<1)の組成式に対応する多結晶の半導体になるように、この画素スイッチング素子31の半導体層48と位置センサ素子32aの半導体層47とを形成する。
【0084】
具体的には、まず、シラン(SiH),ジシラン(Si),トリシラン(Si)などのようにシリコン元素を含有した分子からなるガスに、GeHのようにゲルマニウム元素を含有した分子からなるガスを混合した混合ガスを用いて、PECVD法にて、アモルファスなSiGe(1−x)膜(図示無し)を成膜する。たとえば、40nm厚になるように、成膜する。
【0085】
ここでは、シリコン元素を含有した分子からなるガスと、ゲルマニウム元素を含有した分子からなるガスとの混合比を調整することで、任意な組成のSiGe(1−x)膜が成膜できる。そして、そのアモルファスなSiGe(1−x)膜を多結晶化する。たとえば、エキシマレーザーを用いて多結晶化する。その後、そのSiGe(1−x)膜をパターン加工することによって、図5(c)に示すように、画素スイッチング素子31の半導体層48と、位置センサ素子32aの半導体層47とを形成する。
【0086】
つぎに、図3に示すように、画素スイッチング素子31と位置センサ素子32aとを完成させる。
【0087】
ここでは、画素スイッチング素子31の半導体層48において、ゲート電極45に対応する部分をチャネル領域48Cにすると共に、そのチャネル領域48Cを挟むように一対のソース・ドレイン領域48A,48Bを形成する。本実施形態においては、LDD構造になるように、チャネル領域48Cを挟むように一対の低濃度不純物領域48Ab,48Bbを形成し、さらに、その一対の低濃度不純物領域48Ab,48Bbを挟むように、一対の高濃度不純物領域48Aa,48Baを形成することで、一対のソース・ドレイン領域48A,48Bを設ける。具体的には、イオン注入法によって、n型不純物を半導体層48にドープすることで、低濃度不純物領域48Ab,48Bbを形成する。そして、イオン注入法によって、その低濃度不純物領域48Ab,48Bbよりも多くn型不純物を半導体層48にドープすることで、一対の高濃度不純物領域48Aa,48Baを形成する。
【0088】
また、位置センサ素子32aの半導体層47において、コントロール電極43に対応する部分には、i層47iが設けられており、さらに、そのi層47iを挟むように、p層47pとn層47nとが形成されている。つまり、位置センサ素子32aがPIN構造になるように形成されている。具体的には、イオン注入法によって、p型不純物を半導体層47にドープすることで、p層47pを形成する。また、イオン注入法によって、n型不純物を半導体層47にドープすることで、n層47nを形成する。
【0089】
そして、図3に示すように、層間絶縁膜49をTFTアレイ基板201に被覆後、画素スイッチング素子31のソース電極53およびドレイン電極54と、位置センサ素子32aのアノード電極51およびカソード電極52とを形成する。ここでは、層間絶縁層49に開口に設けた後に、アルミニウムを埋め込みパターン加工することによって、画素スイッチング素子31のソース電極53およびドレイン電極54と、位置センサ素子32aのアノード電極51およびカソード電極52とを形成する。
【0090】
その後、TFTアレイ基板201の面を被覆するように絶縁材料で平坦化膜60を形成後、その平坦化膜60上に画素電極62を形成する。ここでは、たとえば、ITOのような透明な導電材料を用いて、画素電極62を形成する。
【0091】
そして、画素電極62などの各部が形成されたTFTアレイ基板201と、対向電極23などの各部が形成された対向基板202とを、画素電極62と対向電極23とが対向するように貼り合わせる。ここでは、貼り合わせるに当たり、TFTアレイ基板201と対向基板202とのそれぞれに、たとえば、ポリイミドで配向膜を形成した後に、その配向膜をラビング処理する。そして、TFTアレイ基板201と対向基板202とを、間隔を隔てて対面するように貼り合わせる。その後、そのTFTアレイ基板201と対向基板202との間の間隔に液晶を注入し、液晶層203を配向させて液晶パネル200を形成する。
【0092】
その後、偏光板、バックライトなどの周辺機器を実装して液晶表示装置100を完成する。
【0093】
(動作)
以下より、上記の液晶表示装置100において、ユーザーの指などの被検知体が液晶パネル200の表示領域PAに接触もしくは移動された位置を検出する際の動作について説明する。
【0094】
図6は、本発明に係る実施形態1において、被検知体が液晶パネル200の表示領域PAに接触もしくは移動された位置を検出する際の様子を模式的に示す断面図である。図6においては、要部を記載し、その他の部分については、記載を省略している。
【0095】
ユーザーの指などの被検知体Fが表示領域PAに接触もしくは移動された場合には、図6に示すように、バックライト300から照明された照明光Rが、その被検知体Fによって反射された反射光Hを、液晶パネル200に形成された位置センサ素子32aが受光する。
【0096】
ここでは、バックライト300が可視光線VRと赤外線IRとを含む照明光Rを、平面光として、液晶パネル200の背面に照射する。そして、その照明光Rは、液晶パネル200を介して、被検知体Fに照射され、被検知体Fによって反射される。そして、その被検知体Fによって反射された反射光Hを、位置センサ素子32aが受光する。
【0097】
このとき、照明光Rにおいて可視光線VRは、液晶パネル200の各部において吸収され、その強度が低下した状態で、位置センサ素子32aによって受光される。これに対して、照明光Rにおいて赤外線IRは、液晶パネル200の各部において吸収される割合が可視光線VRよりも小さいため、可視光線VRよりも大きな強度で、位置センサ素子32aによって受光される。
【0098】
そして、その受光した光の強度に応じた信号強度の受光データを位置センサ素子32aが生成する。その後、周辺回路によって受光データが読み出され、その受光データが読み出された位置センサ素子32aの位置と、その位置センサ素子32aから読み出された受光データの信号強度とのそれぞれに基づいて、被検知体Fが表示領域PAにおいて接触した位置が、位置検出部402によって検出される。
【0099】
以上のように、本実施形態においては、可視光線VRと赤外線IRとをバックライト300が液晶パネル200の背面側から照明光Rとして出射し、その液晶パネル200の正面側において、その照明光Rが被検知体Fによって反射された反射光Hを位置センサ素子32aが受光する。ここでは、位置センサ素子32aは、シリコン半導体よりもバンドギャップが狭い半導体層47を含み、その半導体層47において反射光Hを受光し、光電変換することで受光データを生成する。本実施形態においては、シリコンとゲルマニウムとを含むように、この半導体層47を形成している。このため、被検知体Fによって反射された反射光Hにおいては、可視光線VRが各部材によって吸収され、赤外線IRが多く含まれるが、本実施形態は、高感度に、その赤外線IRを受光し、受光データを生成することができる。
【0100】
図7は、本発明にかかる実施形態1において、半導体層の組成と、その半導体層の吸収係数とを示す図である。図7において、横軸は、光の波長(Wavelength)λ(nm)であり、縦軸は、その光の吸収係数(adsorption coefficient)α(cm−1)である。図7においては、結晶シリコン(Si)と、アモルファスシリコン(a−Si)と、ゲルマニウム(Ge)とのそれぞれについて、示している。
【0101】
図7に示すように、ゲルマニウム(Ge)は、赤外線IRの吸収係数が大きい。たとえば、波長が850nmである場合においては、ゲルマニウム(Ge)は、アモルファスシリコン(a−Si)と比較して、約1000倍の吸収係数を示し、結晶シリコン(Si)と比較して、約100倍の吸収係数を示す。このため、ゲルマニウム(Ge)を含有させることで、赤外線IRの吸収係数を向上できるので、高感度に、赤外線IRによる受光データを生成することができる。
【0102】
したがって、本実施形態は、位置センサ素子32aによって得られた受光データのS/N比を改善することができる。
【0103】
また、本実施形態においては、位置センサ素子32aの半導体層47と、画素スイッチング素子31の半導体層48とのそれぞれを、バンドギャップが互いに同じになるように形成している。つまり、位置センサ素子32aの半導体層47と、画素スイッチング素子31の半導体層48とのそれぞれを、互いに同じ組成になるように形成している。そして、さらに、本実施形態においては、画素スイッチング素子31と位置センサ素子32aとを、TFTアレイ基板201の同一面に形成している。したがって、本実施形態は、効率的に製造を実施することができる。
【0104】
また、本実施形態においては、位置センサ素子32aの半導体層47と、画素スイッチング素子31の半導体層48とのそれぞれを、SiGe(1−x)の組成式において、0.6<x<1の関係になるように形成している。
【0105】
図8は、本発明にかかる実施形態1において、シリコン半導体層中におけるゲルマニウム(Ge)の含有率(mol%)と、エネルギーギャップ(eV)との関係を示す図である。図8において、横軸は、ゲルマニウム(Ge)の含有率(mol%)であり、縦軸は、エネルギーギャップ(eV)である。ここでは、引っ張り歪み、または、圧縮歪みによってチャネル領域に歪みを与えた場合(COHERENTRY STRAINED)と、歪みを与えていない場合(UNSTRAINED)とを示している。なお、この図は、「R. People,「Indirect band gap of coherently strained GexSi1−x bulk alloys on {001} silicon substrate」,Physical Review B,The American Physical Society,1985年7月15日、32巻数、2号数、1405ページ」から引用した図である。
【0106】
図8に示すように、ゲルマニウム(Ge)の含有率が増加すると、エネルギーギャップ(バンドギャップ)が減少し、一方で、ゲルマニウム(Ge)の含有率が減少すると、エネルギーギャップ(バンドギャップ)が増加する。このため、ゲルマニウム(Ge)の含有率が40%以下の場合(x≦0.6)には、画素スイッチング素子31において光リークが生ずる場合がある。一方で、ゲルマニウム(Ge)の0%の場合(x=1)には、バンドギャップが広くなり、位置センサ素子32aの感度がダウンする。よって、SiGe(1−x)の組成式において、0.6<x<1の関係になるように、位置センサ素子32aの半導体層47と、画素スイッチング素子31の半導体層48とのそれぞれを形成することで、両特性を両立することができる。また、図8に示すように、チャネル領域に歪みを与えることによって、キャリア移動度を向上できる。このため、チャネル領域に歪みを与えることも可能である。
【0107】
<実施形態2>
以下より、本発明にかかる実施形態2について説明する。
【0108】
(液晶パネルの表示領域の構成)
図9は、本発明にかかる実施形態2において、液晶パネル200における表示領域PAに設けられた画素Pの概略を模式的に示す断面図である。図9は、前述の図3と同様に、図4においてX1−X2部分に対応する部分を示している。
【0109】
本実施形態においては、図9に示すように、位置センサ素子32aの半導体層47の構成が、実施形態1と異なる。また、画素スイッチング素子31については、図9に示すように、その構成が同じであるが、その半導体層48の組成が実施形態1と異なる。この点を除き、本実施形態は、実施形態1と同様である。このため、重複する個所については、説明を省略する。
【0110】
本実施形態において、画素スイッチング素子31の半導体層48は、実施形態1の場合のように、シリコン(Si)とゲルマニウム(Ge)とを含む半導体ではなく、ゲルマニウム(Ge)を含まないシリコン半導体である。たとえば、多結晶シリコンによって形成されている。
【0111】
そして、画素スイッチング素子31の半導体層48においては、実施形態1と同様に、ゲート電極45に対応するようにチャネル形成領域が形成されると共に、そのチャネル領域を挟むように一対のソース・ドレイン領域48A,48Bが形成されている。
【0112】
また、位置センサ素子32aの半導体層47は、実施形態1と同様に、コントロール電極43に対応する部分がi層47iとして形成され、さらに、そのi層47iを挟むように、p層47pとn層47nとが形成されている。
【0113】
しかしながら、本実施形態における位置センサ素子32aの半導体層47は、図9に示すように、実施形態1と異なる構成であって、第1半導体層47Xと、第2半導体層47Yとを含んでいる。
【0114】
この位置センサ素子32aの半導体層47において、第1半導体層47Xは、絶縁膜46上に形成されており、コントロール電極43に対応する部分にi層47iが設けられ、そのi層47iを挟むように、p層47pとn層47nとが形成されている。
【0115】
本実施形態においては、第1半導体層47Xは、画素スイッチング素子31の半導体層48と同様に、ゲルマニウム(Ge)を含まない、シリコン半導体として形成されている。つまり、第1半導体層47Xは、画素スイッチング素子31の半導体層48とバンドギャップが互いに同じになるように形成されている。
【0116】
一方で、位置センサ素子32aの半導体層47において、第2半導体層47Yは、図9に示すように、第1半導体層47X上に形成されている。つまり、第2半導体層47Yは、図9に示すように、第1半導体層47Xよりも対向基板202の側に位置するように、第1半導体層47X上に積層されている。
【0117】
本実施形態においては、第2半導体層47Yは、図9に示すように、第1半導体層47Xと異なる形状であって、第1半導体層47Xの中央部分に対応するようにパターン加工されている。
【0118】
また、第2半導体層47Yは、図9に示すように、画素スイッチング素子31の半導体層48よりも、対向基板202の側に位置するように形成されている。そして、図9に示すように、第2半導体層47Yは、コントロール電極43に対応する部分にi層47iが設けられ、そのi層47iを挟むように、p層47pとn層47nとが形成されている。
【0119】
本実施形態においては、第2半導体層47Yは、シリコン半導体よりもバンドギャップが狭くなるように形成されている。つまり、第2半導体層47Yは、画素スイッチング素子31の半導体層48、および、上記の第1半導体層47Xよりもバンドギャップが狭くなるように形成されている。
【0120】
ここでは、第2半導体層47Yは、シリコン(Si)とゲルマニウム(Ge)とを含むように形成されている。たとえば、SiGe(1−x)の組成式において、0.6<x<1の関係になるように、第2半導体層47Yが形成されている。特に、x=0.8にすることが好適であるので、本実施形態においては、Si0.8Ge0.2の組成式に対応するように、第2半導体層47Yが形成されている。
【0121】
(製造方法)
以下より、本実施形態の液晶表示装置100の製造方法において、画素スイッチング素子31と位置センサ素子32aとを形成する工程について説明する。
【0122】
図10と図11は、本発明にかかる実施形態2において、画素スイッチング素子31と位置センサ素子32aとを形成する工程を示す断面図である。
【0123】
図10と図11とにおいては、(a),(b),(c),(d),(e),(f),(g)の順にて、画素スイッチング素子31と位置センサ素子32aとを製造する際の各製造工程を示しており、この製造工程を実施することによって、図9に示すように、画素スイッチング素子31と位置センサ素子32aと形成する。
【0124】
各工程について順次説明する。
【0125】
まず、図10(a)に示すように、実施形態1の場合と同様にして、画素スイッチング素子31のゲート電極45と、位置センサ素子32aのコントロール電極43とを形成する。
【0126】
つぎに、図10(b)に示すように、実施形態1の場合と同様にして、画素スイッチング素子31のゲート絶縁膜46gと、位置センサ素子32aの絶縁膜46sとを形成する。
【0127】
つぎに、図10(c)に示すように、多結晶シリコン膜Spを形成する。
【0128】
ここでは、絶縁膜46を被覆するように、TFTアレイ基板201の表面に多結晶シリコン膜Spを形成する。
【0129】
具体的には、シラン(SiH),ジシラン(Si),トリシラン(Si)などのようにシリコン元素を含有した分子からなるガスを用いて、PECVD法にて、アモルファスシリコン膜(図示無し)を、たとえば、40nm厚になるように成膜する。そして、その後、エキシマレーザーを用いて、そのアモルファスシリコン膜を多結晶化し、多結晶シリコン膜Spを形成する。
【0130】
つぎに、図10(d)に示すように、ストッパー酸化膜Soxを形成する。
【0131】
ここでは、多結晶シリコン膜Spを被覆するように、TFTアレイ基板201の表面に、ストッパー酸化膜Soxを形成する。たとえば、CVD法によって、20nm厚のシリコン酸化膜(SiO)を多結晶シリコン膜Sp上に成膜することによって、ストッパー酸化膜Soxを形成する。
【0132】
つぎに、図11(e)に示すように、ストッパー酸化膜Soxをパターン加工する。
【0133】
ここでは、上述した第2半導体層47Yを形成する領域に開口APを形成するように、リソグラフィ技術によって、ストッパー酸化膜Soxをパターン加工する。
【0134】
つぎに、図11(f)に示すように、第2半導体層47Yを形成する。
【0135】
ここでは、ストッパー酸化膜Soxに形成した開口AP内を埋めるように、シリコン・ゲルマニウム半導体を選択成長させることで、第2半導体層47Yを形成する。
【0136】
具体的には、まず、シラン(SiH),ジシラン(Si),トリシラン(Si)などのようにシリコン元素を含有した分子からなるガスに、GeHのようにゲルマニウム元素を含有した分子からなるガスを混合した混合ガスを用いて、PECVD法にて、アモルファスなSiGe(1−x)膜(図示無し)を成膜する。たとえば、30nm厚になるように成膜する。
【0137】
つぎに、図11(g)に示すように、画素スイッチング素子31の半導体層48と、位置センサ素子32aの第1半導体層47Xとを形成する。
【0138】
ここでは、上述した画素スイッチング素子31の半導体層48と、位置センサ素子32aの第1半導体層47Xとの形状に対応するように、多結晶シリコン膜Spをパターン加工することによって、画素スイッチング素子31の半導体層48と、位置センサ素子32aの第1半導体層47Xとを形成する
【0139】
つぎに、図9に示すように、画素スイッチング素子31と位置センサ素子32aとを完成させる。
【0140】
ここでは、実施形態1と同様にして、不純物を各半導体層にドープすることによって、画素スイッチング素子31と位置センサ素子32aとを完成させる。
【0141】
その後、図9に示すように、実施形態1と同様にして、液晶パネル200を形成する。なお、図9においては、上記のストッパー酸化膜Soxは層間絶縁膜49として機能するので図示を省略している。
【0142】
以上のように、本実施形態においては、位置センサ素子32aは、光を受光して受光データを生成する半導体層47が、第1半導体層47Xと第2半導体層47Yとを含む。ここでは、第1半導体層47Xは、画素スイッチング素子31の半導体層48とバンドギャップが互いに同じになるように形成されている。このため、同一工程にて形成可能であるので、効率的に製造することができる。この他に、他の周辺回路についても、同一工程にて形成できるので、製造の効率化を実現できる。また、第2半導体層47Yは、画素スイッチング素子31の半導体層48よりもバンドギャップが狭くなるように形成されている。そして、さらに、第2半導体層47Yは、第1半導体層47Xよりも液晶パネル200の正面側に位置するように、第1半導体層47Xの上に積層されている。この場合には、第2半導体層47Yにおいて歪みが与えられるので、キャリア移動度を向上できる。このため、本実施形態は、位置センサ素子32aにおいて高感度に受光データを生成することができると共に、画素スイッチング素子31においてリーク電流が生ずることを防止することができる。
【0143】
したがって、本実施形態は、位置センサ素子32によって得られた受光データのS/N比を改善することができる。
【0144】
<実施形態3>
以下より、本発明にかかる実施形態3について説明する。
【0145】
本実施形態は、画素スイッチング素子31と位置センサ素子32aとを形成する工程における動作が、実施形態2と異なる。この点を除き、本実施形態は、実施形態2と同様である。このため、重複する個所については、説明を省略する。
【0146】
図12は、本発明にかかる実施形態3において、画素スイッチング素子31と位置センサ素子32aとを形成する工程を示す断面図である。
【0147】
図12においては、図10に示した工程に続いて実施される工程を示しており、図10(a),(b),(c),(d)の実施後に、図12(e),(f),(g)の順にて、画素スイッチング素子31と位置センサ素子32aとを製造する際の各製造工程を示している。本実施形態においては、この製造工程を実施することによって、実施形態2と同様に、図9に示すように、画素スイッチング素子31と位置センサ素子32aと形成する。
【0148】
各工程について順次説明する。
【0149】
まず、図10(a),(b)に示すように、実施形態2の場合と同様にして、画素スイッチング素子31のゲート電極45と、位置センサ素子32aのコントロール電極43とを形成後、画素スイッチング素子31のゲート絶縁膜46gと、位置センサ素子32aの絶縁膜46sとを形成する。
【0150】
つぎに、図10(c),(d)に示すように、実施形態2の場合と同様にして、多結晶シリコン膜Spを形成後、ストッパー酸化膜Soxを形成する。
【0151】
つぎに、図12(e)に示すように、実施形態2と同様にして、ストッパー酸化膜Soxをパターン加工し、第2半導体層47Yを形成する領域に、開口APを形成する。
【0152】
つぎに、図12(f)に示すように、シリコン・ゲルマニウム半導体層Sgを形成する。
【0153】
ここでは、TFTアレイ基板201の表面にシリコン・ゲルマニウム半導体層Sgを形成することによって、開口AP内にシリコン・ゲルマニウム半導体層Sgを埋め込むと共に、ストッパー酸化膜Soxの表面を被覆させる。
【0154】
具体的には、まず、シラン(SiH),ジシラン(Si),トリシラン(Si)などのようにシリコン元素を含有した分子からなるガスに、GeHのようにゲルマニウム元素を含有した分子からなるガスを混合した混合ガスを用いて、PECVD法にて、アモルファスなSiGe(1−x)膜(図示無し)を成膜する。
【0155】
そして、たとえば、エキシマレーザーを用いて、そのアモルファスなSiGe(1−x)膜を多結晶化し、シリコン・ゲルマニウム半導体層Sgを形成する。なお、高速アニール処理(RTA:Rapid Thermal anneal))によって、多結晶化を行ってもよい。
【0156】
つぎに、図12(g)に示すように、画素スイッチング素子31の半導体層48と、位置センサ素子32aの第1半導体層47Xおよび第2半導体層47Yとを形成する。
【0157】
ここでは、シリコン・ゲルマニウム半導体層Sgをエッチバックし、ストッパー酸化膜Soxに形成した開口AP内に、そのシリコン・ゲルマニウム半導体47gが埋め込まれた状態にすることによって、位置センサ素子32aの第2半導体層47Yを形成する。
【0158】
そして、上述した画素スイッチング素子31の半導体層48と、位置センサ素子32aの第1半導体層47Xとの形状に対応するように、多結晶シリコン膜Spをパターン加工することによって、画素スイッチング素子31の半導体層48と、位置センサ素子32aの第1半導体層47Xとを形成する。具体的には、ストッパー酸化膜Soxと多結晶シリコン膜Spとを、順次、リソグラフィ技術を用いてパターン加工する。これにより、上述した画素スイッチング素子31の半導体層48と、位置センサ素子32aの第1半導体層47Xとの形状に、多結晶シリコン膜Spがパターン加工される。
【0159】
つぎに、図9に示すように、画素スイッチング素子31と位置センサ素子32aとを完成させる。
【0160】
ここでは、実施形態1と同様にして、不純物を各半導体層にドープすることによって、画素スイッチング素子31と位置センサ素子32aとを完成させる。
【0161】
その後、図9に示すように、実施形態1と同様にして、液晶パネル200を形成する。
【0162】
以上のように、本実施形態においては、液晶パネル200は、実施形態2と同様な構成にて形成されているので、実施形態2と同様に、位置センサ素子32によって得られた受光データのS/N比を改善することができる。
【0163】
<実施形態4>
以下より、本発明にかかる実施形態4について説明する。
【0164】
(液晶パネルの表示領域の構成)
【0165】
本実施形態は、実施形態1と同様な構造であるが(つまり、図3に示した構成と同様)、画素スイッチング素子31の半導体層48の組成と、位置センサ素子32aの半導体層47の組成とが実施形態1と異なる。この点を除き、本実施形態は、実施形態1と同様である。このため、重複する個所については、説明を省略する。
【0166】
本実施形態においては、画素スイッチング素子31の半導体層48は、実施形態1と異なり、シリコン(Si)とゲルマニウム(Ge)とを含む半導体層ではなく、ゲルマニウム(Ge)を含まない、シリコン半導体層として形成されている。
【0167】
そして、画素スイッチング素子31の半導体層48は、実施形態1と同様に、ゲート電極45に対応するようにチャネル形成領域が形成されると共に、そのチャネル領域を挟むように一対のソース・ドレイン領域48A,48Bが形成されている。
【0168】
一方で、位置センサ素子32aの半導体層47は、画素スイッチング素子31の半導体層48と同様に、シリコン半導体層として形成されているが、i層47iに対応する部分が、シリコン半導体よりもバンドギャップが狭くなるように形成されている。詳細については後述するが、本実施形態においては、この半導体層47においてi層47iに対応する部分が、ゲルマニウム(Ge)を含むように形成されている。
【0169】
(製造方法)
以下より、本実施形態の液晶表示装置100の製造方法において、画素スイッチング素子31と位置センサ素子32aとを形成する工程について説明する。
【0170】
図13と図14は、本発明にかかる実施形態4において、画素スイッチング素子31と位置センサ素子32aとを形成する工程を示す断面図である。
【0171】
図13と図14とにおいては、(a),(b),(c),(d),(e),(f),(g),(h)の順にて、画素スイッチング素子31と位置センサ素子32aとを製造する際の各製造工程を示しており、この製造工程を実施することによって、図3に示すように、画素スイッチング素子31と位置センサ素子32aと形成する。
【0172】
各工程について順次説明する。
【0173】
まず、図13(a)に示すように、実施形態2の場合と同様にして、画素スイッチング素子31のゲート電極45と、位置センサ素子32aのコントロール電極43とを形成後、図13(b)に示すように、画素スイッチング素子31のゲート絶縁膜46gと、位置センサ素子32aの絶縁膜46sとを形成するように、絶縁層46を設ける。
【0174】
つぎに、図13(c)に示すように、アモルファスシリコン膜Saを形成する。
【0175】
ここでは、絶縁層46を被覆するように、TFTアレイ基板201の表面にアモルファスシリコン膜Saを形成する。
【0176】
具体的には、シラン(SiH),ジシラン(Si),トリシラン(Si)などのようにシリコン元素を含有した分子からなるガスを用いて、PECVD法にて、アモルファスシリコン膜Saを成膜する。
【0177】
つぎに、図13(d)に示すように、フォトレジスト膜R1を形成する。
【0178】
ここでは、アモルファスシリコン膜Saを被覆するように、TFTアレイ基板201の表面に、フォトレジスト膜R1を形成する。
【0179】
つぎに、図14(e)に示すように、フォトレジスト膜R1をパターン加工する。
【0180】
ここでは、フォトレジスト膜R1において、上述したi層47iに対応する領域に、開口APを形成するように、リソグラフィ技術によって、フォトレジスト膜R1をパターン加工する。
【0181】
つぎに、図14(f)に示すように、アモルファスシリコン膜Saに対してイオン注入を実施する。
【0182】
ここでは、イオン注入法によって、ゲルマニウム(Ge)イオンをアモルファスシリコン膜Saに注入する。
【0183】
つぎに、図14(g)に示すように、アモルファスシリコン膜Saを多結晶化し、多結晶シリコン膜Spを形成する。
【0184】
ここでは、フォトレジスト膜R1を除去した後に、エキシマレーザーを用いて、アモルファスシリコン膜Saを多結晶化することによって、多結晶シリコン膜Spを形成する。
【0185】
つぎに、図14(h)に示すように、画素スイッチング素子31の半導体層48と、位置センサ素子32aの半導体層47とを形成する。
【0186】
ここでは、上述した画素スイッチング素子31の半導体層48と、位置センサ素子32aの半導体層47との形状に対応するように、多結晶シリコン膜Spをフォトリソグラフィ技術でパターン加工することによって、画素スイッチング素子31の半導体層48と、位置センサ素子32aの半導体層47とを形成する。
【0187】
つぎに、図3に示すように、画素スイッチング素子31と位置センサ素子32aとを完成させる。
【0188】
ここでは、実施形態1と同様にして、不純物を各半導体層にドープすることによって、画素スイッチング素子31と位置センサ素子32aとを完成させる。
【0189】
その後、図3に示すように、実施形態1と同様にして、液晶パネル200を形成する。
【0190】
以上のように、本実施形態においては、位置センサ素子32aは、光を受光して受光データを生成する半導体層47が、ゲルマニウムを含み、画素スイッチング素子31の半導体層48よりもバンドギャップが狭くなるように形成されている。このため、本実施形態は、高感度に受光データを生成することができると共に、画素スイッチング素子31においてリーク電流が生ずることを防止することができる。
【0191】
<実施形態5>
以下より、本発明にかかる実施形態5について説明する。
【0192】
本実施形態は、画素スイッチング素子31と位置センサ素子32aとを形成する工程における動作が、実施形態4と異なる。この点を除き、本実施形態は、実施形態4と同様である。このため、重複する個所については、説明を省略する。
【0193】
図15と図16は、本発明にかかる実施形態5において、画素スイッチング素子31と位置センサ素子32aとを形成する工程を示す断面図である。
【0194】
図15と図16とにおいては、(a),(b),(c),(d),(e),(f),(g),(h)の順にて、画素スイッチング素子31と位置センサ素子32aとを製造する際の各製造工程を示しており、この製造工程を実施することによって、図3に示すように、画素スイッチング素子31と位置センサ素子32aと形成する。
【0195】
各工程について順次説明する。
【0196】
まず、図15(a)に示すように、実施形態4の場合と同様にして、画素スイッチング素子31のゲート電極45と、位置センサ素子32aのコントロール電極43とを形成後、図15(b)に示すように、画素スイッチング素子31のゲート絶縁膜46gと、位置センサ素子32aの絶縁膜46sとを形成するように、絶縁層46を設ける。
【0197】
つぎに、図15(c)に示すように、多結晶シリコン膜Spを形成する。
【0198】
ここでは、絶縁層46を被覆するように、TFTアレイ基板201の表面に多結晶シリコン膜Spを形成する。
【0199】
具体的には、シラン(SiH),ジシラン(Si),トリシラン(Si)などのようにシリコン元素を含有した分子からなるガスを用いて、PECVD法にて、アモルファスシリコン膜(図示無し)を成膜する。そして、その後、エキシマレーザーを用いて、そのアモルファスシリコン膜を多結晶化し、多結晶シリコン膜Spを形成する。
【0200】
つぎに、図15(d)に示すように、ストッパー酸化膜Soxを形成する。
【0201】
ここでは、多結晶シリコン膜Spを被覆するように、TFTアレイ基板201の表面に、ストッパー酸化膜Soxを形成する。たとえば、CVD法によってシリコン酸化膜(SiO)を多結晶シリコン膜Sp上に成膜することによって、ストッパー酸化膜Soxを形成する。
【0202】
つぎに、図15(e)に示すように、フォトレジスト膜R1を形成する。
【0203】
ここでは、ストッパー酸化膜Soxを被覆するように、TFTアレイ基板201の表面に、フォトレジスト膜R1を形成する。
【0204】
つぎに、図16(f)に示すように、フォトレジスト膜R1をパターン加工する。
【0205】
ここでは、フォトレジスト膜R1においてi層47iに対応する領域に開口APを形成するように、リソグラフィ技術によって、フォトレジスト膜R1をパターン加工する。
【0206】
つぎに、図16(g)に示すように、多結晶シリコン膜Spに対してイオン注入を実施する。
【0207】
ここでは、イオン注入法によって、ゲルマニウム(Ge)イオンを多結晶シリコン膜Spに注入する。
【0208】
そして、たとえば、高速アニール処理によって、ゲルマニウム(Ge)イオンが注入された多結晶シリコン膜Spを熱処理する。これにより、多結晶シリコン膜Spにおいてゲルマニウム(Ge)イオンが注入された部分を、多結晶のシリコン・ゲルマニウム半導体のi層47iとして形成する。シリコン・ゲルマニウム半導体は、シリコン半導体に比べて、低温で結晶化されるため、高速アニール処理で高い結晶性の半導体膜にすることができる。ただし、エキシマレーザーを用いて、結晶化を実施してもよい。
【0209】
つぎに、図16(h)に示すように、画素スイッチング素子31の半導体層48と、位置センサ素子32aの半導体層47とを形成する。
【0210】
ここでは、上述した画素スイッチング素子31の半導体層48と、位置センサ素子32aの半導体層47との形状に対応するように、多結晶シリコン膜Spとストッパー酸化膜Soxとをフォトリソグラフィ技術でパターン加工する。これにより、画素スイッチング素子31の半導体層48と、位置センサ素子32aの半導体層47とを形成する。
【0211】
つぎに、図3に示すように、画素スイッチング素子31と位置センサ素子32aとを完成させる。
【0212】
ここでは、実施形態4と同様にして、不純物を各半導体層にドープすることによって、画素スイッチング素子31と位置センサ素子32aとを完成させる。
【0213】
その後、図3に示すように、実施形態4と同様にして、液晶パネル200を形成する。なお、図3においては、上記のストッパー酸化膜Soxは層間絶縁膜49として機能するので図示を省略している。
【0214】
以上のように、本実施形態においては、実施形態4と同様に、位置センサ素子32aは、光を受光して受光データを生成する半導体層47が、ゲルマニウムを含み、画素スイッチング素子31の半導体層48よりもバンドギャップが狭くなるように形成されている。このため、本実施形態は、高感度に受光データを生成することができると共に、画素スイッチング素子31においてリーク電流が生ずることを防止することができる。
【0215】
<実施形態6>
以下より、本発明にかかる実施形態6について説明する。
【0216】
(液晶パネルの表示領域の構成)
図17は、本発明にかかる実施形態6において、液晶パネル200における表示領域PAに設けられた画素Pの概略を模式的に示す断面図である。図17は、前述の図3と同様に、図4においてX1−X2部分に対応する部分を示している。
【0217】
本実施形態においては、図17に示すように、位置センサ素子32aの半導体層47の構成が、実施形態2と異なる。この点を除き、本実施形態は、実施形態1と同様である。このため、重複する個所については、説明を省略する。
【0218】
位置センサ素子32aの半導体層47は、実施形態2と同様に、コントロール電極43に対応する部分がi層47iとして形成され、さらに、そのi層47iを挟むように、p層47pとn層47nとが形成されている。
【0219】
また、本実施形態における位置センサ素子32aの半導体層47は、図17に示すように、実施形態2と同様に、第1半導体層47Xと、第2半導体層47Yとを含んでいる。
【0220】
この位置センサ素子32aの半導体層47において、第1半導体層47Xは、実施形態2と同様に、絶縁膜46上に形成されており、コントロール電極43に対応する部分にi層47iが設けられ、そのi層47iを挟むように、p層47pとn層47nとが形成されている。そして、第1半導体層47Xは、画素スイッチング素子31の半導体層48と同様に、ゲルマニウム(Ge)を含まない、シリコン半導体として形成されている。つまり、第1半導体層47Xは、画素スイッチング素子31の半導体層48とバンドギャップが互いに同じになるように形成されている。
【0221】
位置センサ素子32aの半導体層47において、第2半導体層47Yは、図17に示すように、実施形態2と同様に、第1半導体層47X上に形成されている。つまり、第2半導体層47Yは、図17に示すように、第1半導体層47Xよりも対向基板202の側に位置するように、第1半導体層47X上に積層されており、画素スイッチング素子31の半導体層48よりも、対向基板202の側に位置するように形成されている。
【0222】
本実施形態においては、第2半導体層47Yは、図17に示すように、実施形態2と異なり、第1半導体層47Xと同じ形状になるようにパターン加工されている。
【0223】
そして、図9に示すように、第2半導体層47Yは、コントロール電極43に対応する部分にi層47iが設けられ、そのi層47iを挟むように、p層47pとn層47nとが形成されている。また、第2半導体層47Yは、画素スイッチング素子31の半導体層48、および、上記の第1半導体層47Xよりもバンドギャップが狭くなるように形成されている。具体的には、第2半導体層47Yは、シリコン(Si)とゲルマニウム(Ge)とを含むように形成されている。たとえば、SiGe(1−x)の組成式において、0.6<x<1の関係になるように、第2半導体層47Yが形成されている。
【0224】
(製造方法)
以下より、本実施形態の液晶表示装置100の製造方法において、画素スイッチング素子31と位置センサ素子32aとを形成する工程について説明する。
【0225】
図18と図19は、本発明にかかる実施形態6において、画素スイッチング素子31と位置センサ素子32aとを形成する工程を示す断面図である。
【0226】
図18と図19とにおいては、(a),(b),(c),(d),(e),(f),の順にて、画素スイッチング素子31と位置センサ素子32aとを製造する際の各製造工程を示しており、この製造工程を実施することによって、図17に示すように、画素スイッチング素子31と位置センサ素子32aと形成する。
【0227】
各工程について順次説明する。
【0228】
まず、図18(a)に示すように、実施形態2の場合と同様にして、画素スイッチング素子31のゲート電極45と、位置センサ素子32aのコントロール電極43とを形成する。つぎに、図18(b)に示すように、実施形態2の場合と同様にして、画素スイッチング素子31のゲート絶縁膜46gと、位置センサ素子32aの絶縁膜46sとを形成する。
【0229】
つぎに、図18(c)に示すように、アモルファスシリコン膜Saを形成する。
【0230】
ここでは、絶縁層46を被覆するように、TFTアレイ基板201の表面にアモルファスシリコン膜Saを形成する。
【0231】
具体的には、シラン(SiH),ジシラン(Si),トリシラン(Si)などのようにシリコン元素を含有した分子からなるガスを用いて、PECVD法にて、アモルファスシリコン膜Saを成膜する。
【0232】
つぎに、図19(d)に示すように、シリコン・ゲルマニウム半導体層Sgを形成する。
【0233】
ここでは、アモルファスシリコン膜Saを被覆するように、TFTアレイ基板201にシリコン・ゲルマニウム半導体層Sgを形成する。
【0234】
具体的には、シラン(SiH),ジシラン(Si),トリシラン(Si)などのようにシリコン元素を含有した分子からなるガスに、GeHのようにゲルマニウム元素を含有した分子からなるガスを混合した混合ガスを用いて、PECVD法にて、アモルファスなシリコン・ゲルマニウム半導体層Sg(SiGe(1−x)膜)を形成する。
【0235】
つぎに、図19(e)に示すように、シリコン・ゲルマニウム半導体層Sgをパターン加工する。
【0236】
ここでは、位置センサ素子32aの第2半導体層47Yを形成する領域以外の領域に形成されたシリコン・ゲルマニウム半導体層Sgを除去し、位置センサ素子32aの第2半導体層47Yを形成する領域のみに残るように、フォトリソグラフィ技術によって、シリコン・ゲルマニウム半導体層Sgをパターン加工する。
【0237】
つぎに、図19(f)に示すように、画素スイッチング素子31の半導体層48と、位置センサ素子32aの半導体層47とを形成する。
【0238】
ここでは、エキシマレーザを用いて、アモルファスのシリコン・ゲルマニウム半導体層Sgと、アモルファスシリコン膜Saとを結晶化した後に、パターン加工を実施することによって、画素スイッチング素子31の半導体層48と、位置センサ素子32aの半導体層47とを形成する。
【0239】
具体的には、上述した画素スイッチング素子31の半導体層48と、位置センサ素子32aの第1半導体層47Xとの形状に対応するように、多結晶シリコン膜Spをパターン加工する。これにより、画素スイッチング素子31の半導体層48と、位置センサ素子32aの半導体層47とを形成する
【0240】
つぎに、図9に示すように、画素スイッチング素子31と位置センサ素子32aとを完成させる。
【0241】
ここでは、実施形態2と同様にして、不純物を各半導体層にドープすることによって、画素スイッチング素子31と位置センサ素子32aとを完成させる。
【0242】
その後、図9に示すように、実施形態2と同様にして、液晶パネル200を形成する。
【0243】
以上のように、本実施形態においては、実施形態2と同様に、位置センサ素子32aは、光を受光して受光データを生成する半導体層47が、第1半導体層47Xと第2半導体層47Yとを含む。そして、第1半導体層47Xは、画素スイッチング素子31の半導体層48とバンドギャップが互いに同じになるように形成されている。このため、同一工程にて形成可能であるので、効率的に製造することができる。また、第2半導体層47Yは、画素スイッチング素子31の半導体層48よりもバンドギャップが狭くなるように形成されている。そして、さらに、第2半導体層47Yは、第1半導体層47Xよりも液晶パネル200の正面側に位置するように、第1半導体層47Xの上に積層されている。このため、高感度に受光データを生成することができると共に、画素スイッチング素子31においてリーク電流が生ずることを防止することができる。
【0244】
したがって、本実施形態は、実施形態2と同様に、位置センサ素子32によって得られた受光データのS/N比を改善することができる。
【0245】
なお、本発明の実施に際しては、上記した実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形形態を採用することができる。
【0246】
たとえば、本実施形態においては、画素スイッチング素子31を、ボトムゲート型の薄膜トランジスタとして構成する場合について説明したが、これに限定されない。
【0247】
図20は、本発明にかかる実施形態において、画素スイッチング素子31の構成の変形形態を示す断面図である。
【0248】
図20に示すように、たとえば、トップゲート型のTFTを、画素スイッチング素子31として形成してもよい。また、この他に、デュアルゲート構造になるように、この位置センサ素子32aを形成してもよい。
【0249】
また、本実施形態においては、複数の画素Pに対応するように複数の位置センサ素子32aを設ける場合について示したが、これに限定されない。たとえば、複数の画素Pに対して1つの位置センサ素子32aを設けてもよく、逆に、1つの画素Pに対して複数の位置センサ素子32aを設けてもよい。
【0250】
また、本実施形態の液晶表示装置100は、さまざまな電子機器の部品として適用することができる。
【0251】
図21から図25は、本発明にかかる実施形態の液晶表示装置100を適用した電子機器を示す図である。
【0252】
図21に示すように、テレビジョン放送を受信し表示するテレビにおいて、その受信した画像を表示画面に表示すると共に、オペレータの操作指令が入力される表示装置として液晶表示装置100を適用することができる。
【0253】
また、図22に示すように、デジタルスチルカメラにおいて、その撮像画像などの画像を表示画面に表示すると共に、オペレータの操作指令が入力される表示装置として液晶表示装置100を適用することができる。
【0254】
また、図23に示すように、ノート型パーソナルコンピュータにおいて、操作画像などを表示画面に表示すると共に、オペレータの操作指令が入力される表示装置として液晶表示装置100を適用することができる。
【0255】
また、図24に示すように、携帯電話端末において、操作画像などを表示画面に表示すると共に、オペレータの操作指令が入力される表示装置として液晶表示装置100を適用することができる。
【0256】
また、図25に示すように、ビデオカメラにおいて、操作画像などを表示画面に表示すると共に、オペレータの操作指令が入力される表示装置として液晶表示装置100を適用することができる。
【0257】
この他に、本実施形態においては、位置センサ素子32aについて、受光素子であるPINセンサを設けた場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、PDN構造のフォトダイオードを含む、PDNセンサを、位置センサ素子32aとして形成しても同様な効果を奏することができる。また、この他に、たとえば、位置センサ素子32aとしてフォトトランジスタを形成してもよい。
【0258】
また、本実施形態においては、位置センサ素子32aをボトムゲート構造になるように形成した場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、トップゲート構造になるように、この位置センサ素子32aを形成してもよい。また、デュアルゲート構造になるように、この位置センサ素子32aを形成してもよい。
【0259】
また、本実施形態においては、赤フィルタ層21Rと緑フィルタ層21Gと青フィルタ層21Bとのそれぞれをストライプ形状とし、それぞれを水平方向xに並ぶように形成すると共に、赤フィルタ層21Rと緑フィルタ層21Gと青フィルタ層21Bとに並ぶように、受光領域SAを赤フィルタ層21Rの隣に形成しているが(図4参照)、これに限定されない。たとえば、赤フィルタ層21Rと緑フィルタ層21Gと青フィルタ層21Bと受光領域SAとを一組とし、その赤フィルタ層21Rと緑フィルタ層21Gと青フィルタ層21Bと受光領域SAとを、2×2のマトリクス状に配置しても良い。
【0260】
また、IPS(In−Plane−Swiching)、FFS(Field Fringe Switching)方式など、さまざまな方式の液晶パネルに適用可能である。さらに、有機EL表示素子、電子ペーパーなどの他の表示装置においても、適用可能である。
【0261】
なお、上記の実施形態において、液晶表示装置100は、本発明の表示装置に相当する。また、上記の実施形態において、液晶パネル200は、本発明の表示パネルに相当する。また、上記の実施形態において、TFTアレイ基板201は、本発明の第1基板に相当する。また、上記の実施形態において、対向基板202は、本発明の第2基板に相当する。また、上記の実施形態において、液晶層203は、本発明の液晶層に相当する。また、上記の実施形態において、バックライト300は、本発明の照明部に相当する。また、上記の実施形態において、表示領域PAは、本発明の表示領域に相当する。また、上記の実施形態において、画素スイッチング素子31は、本発明の画素スイッチング素子に相当する。また、上記の実施形態において、位置センサ素子32aは、本発明の受光素子に相当する。また、上記の実施形態において、半導体層47は、本発明の半導体層に相当する。また、上記の実施形態において、第1半導体層47Xは、本発明の第1の半導体層に相当する。また、上記の実施形態において、第2半導体層47Yは、本発明の第2の半導体層に相当する。また、上記の実施形態において、半導体層48は、本発明の半導体層に相当する。
【図面の簡単な説明】
【0262】
【図1】図1は、本発明にかかる実施形態1において、液晶表示装置100の構成を示す断面図である。
【図2】図2は、本発明にかかる実施形態1において、液晶パネル200を示す平面図である。
【図3】図3は、本発明の実施形態1において、液晶パネル200における表示領域PAに設けられた画素Pの概略を模式的に示す断面図である。
【図4】図4は、本発明の実施形態1において、液晶パネル200の表示領域PAに設けられた画素Pの概略を模式的に示す平面図である。
【図5】図5は、本発明にかかる実施形態1において、画素スイッチング素子31と位置センサ素子32aとを形成する工程を示す断面図である。
【図6】図6は、本発明に係る実施形態1において、被検知体が液晶パネル200の表示領域PAに接触もしくは移動された位置を検出する際の様子を模式的に示す断面図である。
【図7】図7は、本発明にかかる実施形態1において、半導体層の組成と、その半導体層の吸収係数とを示す図である。
【図8】図8は、本発明にかかる実施形態1において、シリコン半導体層中におけるゲルマニウム(Ge)の含有率(mol%)と、エネルギーギャップ(eV)との関係を示す図である。
【図9】図9は、本発明にかかる実施形態2において、液晶パネル200における表示領域PAに設けられた画素Pの概略を模式的に示す断面図である。
【図10】図10は、本発明にかかる実施形態2において、画素スイッチング素子31と位置センサ素子32aとを形成する工程を示す断面図である。
【図11】図11は、本発明にかかる実施形態2において、画素スイッチング素子31と位置センサ素子32aとを形成する工程を示す断面図である。
【図12】図12は、本発明にかかる実施形態3において、画素スイッチング素子31と位置センサ素子32aとを形成する工程を示す断面図である。
【図13】図13は、本発明にかかる実施形態4において、画素スイッチング素子31と位置センサ素子32aとを形成する工程を示す断面図である。
【図14】図14は、本発明にかかる実施形態4において、画素スイッチング素子31と位置センサ素子32aとを形成する工程を示す断面図である。
【図15】図15は、本発明にかかる実施形態5において、画素スイッチング素子31と位置センサ素子32aとを形成する工程を示す断面図である。
【図16】図16は、本発明にかかる実施形態5において、画素スイッチング素子31と位置センサ素子32aとを形成する工程を示す断面図である。
【図17】図17は、本発明にかかる実施形態6において、液晶パネル200における表示領域PAに設けられた画素Pの概略を模式的に示す断面図である。
【図18】図18は、本発明にかかる実施形態6において、画素スイッチング素子31と位置センサ素子32aとを形成する工程を示す断面図である。
【図19】図19は、本発明にかかる実施形態6において、画素スイッチング素子31と位置センサ素子32aとを形成する工程を示す断面図である。
【図20】図20は、本発明にかかる実施形態において、画素スイッチング素子31の構成の変形形態を示す断面図である。
【図21】図21は、本発明にかかる実施形態の液晶表示装置100を適用した電子機器を示す図である。
【図22】図22は、本発明にかかる実施形態の液晶表示装置100を適用した電子機器を示す図である。
【図23】図23は、本発明にかかる実施形態の液晶表示装置100を適用した電子機器を示す図である。
【図24】図24は、本発明にかかる実施形態の液晶表示装置100を適用した電子機器を示す図である。
【図25】図25は、本発明にかかる実施形態の液晶表示装置100を適用した電子機器を示す図である。
【符号の説明】
【0263】
100:液晶表示装置(表示装置)、200:液晶パネル(表示パネル)、201:TFTアレイ基板(第1基板)、202:対向基板(第2基板)、203:液晶層(液晶層)、300:バックライト(照明部)、400:データ処理部、PA:表示領域(表示領域)、CA:周辺領域、21:カラーフィルタ層、21K:ブラックマトリクス層、22:平坦化膜、23:対向電極、31:画素スイッチング素子(画素スイッチング素子)、32a:位置センサ素子(受光素子)、43:コントロール電極、45:ゲート電極、46s:絶縁膜、46g:ゲート絶縁膜、47:半導体層(半導体層)、第47X:1半導体層(第1の半導体層)、47Y:第2半導体層(第2の半導体層)、48:半導体層(半導体層)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素が複数配置された表示領域に受光素子が複数形成されている表示パネルと、前記表示パネルの一方の面の側から照明光を出射する照明部とを具備し、前記表示パネルの他方の面の側において前記照明光が被検知体によって反射された反射光を前記受光素子が受光することにより、前記表示領域における被検知体の位置を検出する表示装置であって、
前記照明部は、
可視光線と赤外線とを前記照明光として出射するように構成されており、
前記受光素子は、
シリコン半導体よりもバンドギャップが狭い半導体層
を含み、当該半導体層において前記反射光を受光するように構成されている
表示装置。
【請求項2】
前記表示パネルは、
前記画素をスイッチングする画素スイッチング素子
を有し、
前記画素スイッチング素子は、
チャネル領域が設けられた半導体層
を有する薄膜トランジスタであり、
前記受光素子の半導体層と、前記画素スイッチング素子の半導体層とのそれぞれは、バンドギャップが互いに同じになるように形成されている、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記受光素子の半導体層は、シリコンとゲルマニウムとを含む、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示パネルは、
第1基板と、
前記第1基板から間隔を隔てて対面している第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間にて挟持されている液晶層と
を含む液晶パネルであり、
前記照明部は、前記第1基板の側から前記第2基板の側へ前記照明光を出射するように配置されており、
前記受光素子と前記画素スイッチング素子とのそれぞれは、前記第1基板に形成されている、
請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示パネルは、
前記画素をスイッチングする画素スイッチング素子
を有し、
前記画素スイッチング素子は、
チャネル領域が設けられた半導体層
を有する薄膜トランジスタであり、
前記受光素子の半導体層は、前記画素スイッチング素子の半導体層よりもバンドギャップが狭くなるように形成されている、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記受光素子の半導体層は、少なくとも、シリコンとゲルマニウムとを含む、
請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記表示パネルは、
第1基板と、
前記第1基板から間隔を隔てて対面している第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間にて挟持されている液晶層と
を含む液晶パネルであり、
前記照明部は、前記第1基板の側から前記第2基板の側へ前記照明光を出射するように配置されており、
前記受光素子と前記画素スイッチング素子とのそれぞれは、前記第1基板に形成されている、
請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記表示パネルは、
前記画素をスイッチングする画素スイッチング素子
を有し、
前記画素スイッチング素子は、
チャネル領域が設けられた半導体層
を有する薄膜トランジスタであり、
前記受光素子は、
前記画素スイッチング素子の半導体層とバンドギャップが互いに同じ第1の半導体層と、
前記画素スイッチング素子の半導体層よりもバンドギャップが狭い第2の半導体層と
を含み、前記第2の半導体層が前記第1の半導体層よりも前記表示パネルの一方の面の側に位置するように、前記第1の半導体層上に積層されている、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第2の半導体層は、前記画素スイッチング素子の半導体層よりも前記表示パネルの一方の面の側に位置するように形成されている、
請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記受光素子の半導体層は、少なくとも、シリコンとゲルマニウムとを含む、
請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記表示パネルは、
第1基板と、
前記第1基板から間隔を隔てて対面している第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間にて挟持されている液晶層と
を含む液晶パネルであり、
前記照明部は、前記第1基板の側から前記第2基板の側へ前記照明光を出射するように配置されており、
前記受光素子と前記画素スイッチング素子とのそれぞれは、前記第1基板に形成されている、
請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
画素が複数配置される表示領域に、受光素子が複数形成される表示パネルを含み、一方の面の側から前記表示領域へ、可視光線と赤外線とを含む照明光が出射され、当該表示パネルの他方の面の側において前記照明光が被検知体によって反射された反射光を、前記受光素子が受光する表示装置の製造方法において、
前記受光素子において前記反射光を受光する半導体層を、シリコン半導体よりもバンドギャップが狭くなるように形成する、
表示装置の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate


【公開番号】特開2009−139565(P2009−139565A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−314912(P2007−314912)
【出願日】平成19年12月5日(2007.12.5)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】