表示装置、表示方法、および、プログラム
【課題】観視者が存在する位置に応じて適切にズレ量が制御された画像を観視者に提供すること。
【解決手段】表示装置であって、観視者の右眼で視認されるべき右眼用画像、および観視者の左眼で視認されるべき左眼用画像を表示する表示部と、表示部に対して予め定められた観視位置に観視者が存在するか否かを判断する観視者判断部と、観視位置に観視者が存在するか否かによって、同一の右眼用画像と左眼用画像とを表示部に表示させるか、異なる右眼用画像と左眼用画像とを表示部に表示させるかを切り替える表示制御部とを備える。
【解決手段】表示装置であって、観視者の右眼で視認されるべき右眼用画像、および観視者の左眼で視認されるべき左眼用画像を表示する表示部と、表示部に対して予め定められた観視位置に観視者が存在するか否かを判断する観視者判断部と、観視位置に観視者が存在するか否かによって、同一の右眼用画像と左眼用画像とを表示部に表示させるか、異なる右眼用画像と左眼用画像とを表示部に表示させるかを切り替える表示制御部とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、表示方法、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特殊なメガネを用いずに裸眼で立体(3D)画像を視認させる技術の一つとして、表示面の前面にパララックスバリアまたはレンチキュラレンズを用いる技術が知られている。例えば、表示面に表示した右眼用画像および左眼用画像を、パララックスバリアまたはレンチキュラレンズによりそれぞれ右眼および左眼に指向して射出する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−287195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
表示面に対する観視者の位置によっては、観視者の左眼に右眼用画像が見えてしまったり、観視者の右眼に左眼用画像が見えてしまったりする場合がある。このような位置に観視者がいる場合には、観視者は立体視することはできない。このような位置に観視者がいる場合においても、適切な画像を観視者に提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の一態様においては、表示装置であって、観視者の右眼で視認されるべき右眼用画像、および観視者の左眼で視認されるべき左眼用画像を表示する表示部と、表示部に対して予め定められた観視位置に観視者が存在するか否かを判断する観視者判断部と、観視位置に観視者が存在するか否かによって、同一の右眼用画像と左眼用画像とを表示部に表示させるか、異なる右眼用画像と左眼用画像とを表示部に表示させるかを切り替える表示制御部とを備える。
【0006】
表示制御部は、観視位置に観視者が存在する場合、対応するオブジェクトの対応点が表示画面上の異なる位置に表示される右眼用画像と左眼用画像とを表示部に表示させてよい。
【0007】
観視者判断部は、予め定められた複数の観視位置のいずれに観視者が存在するかをさらに判断し、表示制御部は、観視者が複数の観視位置のいずれの観視位置に存在するかに応じて、右眼用画像と左眼用画像とにおいて対応するオブジェクトの対応点の表示画面上における位置のズレ量を異ならせて、右眼用画像と左眼用画像とを表示部に表示させてよい。
【0008】
表示制御部は、表示画面の中央から表示画面に平行な方向によりずれた位置の観視位置に観視者が存在している場合に、対応するオブジェクトの対応点の表示画面上における位置のズレ量がより小さい右眼用画像と左眼用画像とを表示部に表示させてよい。
【0009】
観視者の視線方向を検出する視線方向検出部をさらに備え、表示制御部は、表示画面の法線方向と視線方向とのなす角度がより大きい場合に、対応するオブジェクトの対応点の表示画面上における位置のズレ量がより小さい右眼用画像と左眼用画像とを表示部に表示させてよい。
【0010】
表示部の観視者側に設けられ、右眼用画像と左眼用画像とを異なる方向へ案内する画像案内部をさらに備えてよい。
【0011】
画像案内部は、複数のシャッタ素子が配置されたバリア部と、複数のシャッタ素子に光を透過させるか否かを制御することにより、光を遮光する遮光部と光を透過する透過部とをストライプ状に交互に形成させるバリア制御部とを有し、表示制御部は、観視位置に観視者が存在しない場合、同一の右眼用画像および左眼用画像を提供する2次元画像を表示部に表示させ、観視位置に観視者が存在する場合、異なる右眼用画像および左眼用画像を遮光部および透過部の位置に対応させて表示部に表示させ、バリア制御部は、観視位置に観視者が存在しない場合、ストライプ状の遮光部を形成させずにバリア部に2次元画像を透過させ、観視位置に観視者が存在する場合、ストライプ状の遮光部を形成させて異なる右眼用画像および左眼用画像をそれぞれ所定の方向に案内してよい。
【0012】
表示制御部は、右眼用画像がストライプ状に分割された複数の右眼用ストライプ画像と左眼用画像がストライプ状に分割された複数の左眼用ストライプ画像とを交互に配列して表示部に表示させ、画像案内部は、複数の右眼用ストライプ画像と複数の左眼用ストライプ画像とを異なる方向へ案内するレンズアレイ部を有してよい。
【0013】
2次元画像を表示画面上において左右にずらした右眼用画像および左眼用画像を生成する画像生成部をさらに備えてよい。
【0014】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】一実施形態に係る表示装置10の構成例を示す図である。
【図2】画像処理部120の動作例を説明する図である。
【図3】画像案内部150を説明する図である。
【図4】画像生成部110の動作例を説明する図である。
【図5】観視者判断部180により判断される観視位置の一例を示す図である。
【図6】表示画面の法線方向と視線方向とのなす角度の一例を示す図である。
【図7】表示装置10の動作例を示すフローチャートである図である。
【図8】左眼用画像および右眼用画像の画像端部に対する処理例を示す図である。
【図9】画像端部に対する他の処理例を示す図である。
【図10】画像端部に対する更なる他の処理例を示す図である。
【図11】画像端部に対する更なる他の処理例を示す図である。
【図12】画像端部に対する更なる他の処理例を示す図である。
【図13】他の実施形態に係るコンピュータ800のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0017】
図1は、一実施形態に係る表示装置10の構成例を示す図である。表示装置10は、観視者に立体的画像を提示する。具体的には、観視者の右眼で視認されるべき右眼用画像と観視者の左眼で視認されるべき左眼用画像とを生成して、生成した右眼用画像および左眼用画像を、それぞれ観視者の右眼および観視者の左眼に提示することにより、立体的画像を観視者に提示する。ここで、表示装置10は、デジタルフォトフレーム、テレビ受像機およびパーソナルコンピュータ用のモニタ等の表示装置であってよい。表示装置10は、画像取得部100、画像生成部110、画像処理部120、表示部140、画像案内部150、制御部160、視線方向検出部170、および、観視者判断部180を備える。
【0018】
画像取得部100は、表示部140に表示されるべき表示画像の元となる入力画像を取得する。画像取得部100は、記憶媒体が記憶している1以上の画像を、入力画像として記憶媒体から取得してよい。画像取得部100は、外部インターフェイスを通じて外部から供給される画像を、入力画像として取得してもよい。また、画像取得部100が入力画像として取得する画像は、静止画であってよく、静止画が連続した動画であってもよい。画像取得部100は複数の入力画像を取得して、画像生成部110に供給する。
【0019】
入力画像としては、1視点からの画像である1つの2次元画像を例示することができる。例えば、入力画像は、いわゆる2次元カメラにより1視点から撮像されて得られた1つの2次元画像であってよい。他にも、入力画像は、右眼および左眼にそれぞれ対応する2視点からの画像である2つの2次元画像であってよい。例えば、入力画像は、いわゆる3次元カメラにより2視点から撮像されて得られた2つの2次元画像であってよい。
【0020】
画像生成部110は、表示部140に表示されるべき表示画像に含まれる右眼用画像および左眼用画像を、画像取得部100から取得した入力画像を用いて生成する。画像生成部110は、生成した右眼用画像および左眼用画像を画像処理部120に供給する。
【0021】
画像処理部120は、画像生成部110が生成した右眼用画像および左眼用画像に所定の画像処理を施して表示画像を生成して、表示部140に供給する。例えば、画像処理部120は、右眼用画像および左眼用画像の少なくとも一方にぼかし処理を施してよい。画像処理部120は、例えば画像の部分領域毎に複数の画素値を平均化することにより、右眼用画像および左眼用画像の少なくとも一方にぼかし処理を施してよい。これは、鮮明な右眼用画像および左眼用画像を提示すると、観視者が観ている位置、観ている角度などによっては、観視者が右眼用画像および左眼用画像を融合して立体的に認識することが難かしくなる場合があるからである。右眼用画像および左眼用画像の少なくとも一方をぼかすことで、観視者にとって小さい負担で立体的に認識させることができる場合がある。
【0022】
具体的には、2次元の表示面に表示された擬似的な立体画像である表示画像は、表示面の周辺領域を観ていたり、表示面を正面からではなく斜めから観ている場合などに、実際の3次元空間を見ている場合に比べて矛盾が生じる場合がある。観視者の脳は、擬似的な表示画像を融合することで立体的に認識しようとしているが、右眼用画像および左眼用画像がどちらも鮮明であると矛盾が際立ってしまい、脳は表示画像をきちんと融合できなくなってしまう場合がある。しかしながら、左眼用画像または右眼用画像の少なくとも一方がぼかされている場合には、観視者の脳は、ぼかされた像を都合良く認識することができる。このため、観視者は、矛盾が生じていても比較的容易に表示画像を立体的に認識することができる。また、観視者の脳は、ぼけた像を比較的容易に鮮明な像として都合良く認識することができるので、観視者が認識する像の画質が劣化することもない。
【0023】
なお、画像処理部120は、右眼用画像および左眼用画像の少なくとも一方の鮮明度が予め定められた値より高いことを条件として、右眼用画像および左眼用画像の少なくとも一方にぼかし処理を施してよい。例えば、画像処理部120は、右眼用画像および左眼用画像の少なくとも一方が有する空間周波数成分に基づいて、鮮明度を決定してよい。例えば、画像処理部120は、予め定められた空間周波数より高い空間周波数領域においてより高い空間周波数成分を有する場合に、より大きい値の鮮明度を決定してよい。
【0024】
そして、画像処理部120は、右眼用画像および左眼用画像のそれぞれを、所定の方向において所定の幅を有する複数のストライプ画像に分割する。そして、画像処理部120は、右眼用画像のストライプ画像および左眼用画像のストライプ画像を、所定の画像配列方向に交互に配列された表示画像を生成する。
【0025】
画像処理部120が生成した表示画像は、表示部140に供給される。表示部140は、観視者の右眼で視認されるべき右眼用画像、および観視者の左眼で視認されるべき左眼用画像を表示する。具体的には、表示部140は、右眼用画像のストライプ画像および左眼用画像のストライプ画像が交互に配列された表示画像を表示する。以下に説明するように、表示部140に表示された右眼用画像からの各ストライプ画像(R)は、画像案内部150により観視者の右眼に指向され、表示部140に表示された左眼用画像からの各ストライプ画像(L)は、画像案内部150により観視者の左眼に指向される。
【0026】
画像案内部150は、透過部および遮光部が交互に配置された、いわゆるパララックスバリアであってよい。例えば、画像案内部150は、交互に配置された透過部および遮光部を有する。透過部および遮光部は、当該延伸方向と直交するバリア配列方向に交互に配置され、表示部140が表示した右眼用画像および左眼用画像の対応するストライプ画像を異なる方向に射出させ、観視者の右眼および左眼にそれぞれ提示する。このような構成により、裸眼の観視者に立体的画像を提示することができる。
【0027】
表示画像に含まれる右眼用画像と左眼用画像とにおける対応するオブジェクトの対応点の表示部140の表示画面上の位置の差異が存在する場合に、観視者は立体感を持って表示画像を認識することができる。例えば、右眼用画像と左眼用画像とにおける対応するオブジェクトの対応点が観視者の瞳孔間距離だけずれていると、観視者の左眼および右眼の視線は平行状態となる。これにより、無限遠を見ているような像を観視者に認識させることができる。
【0028】
本明細書において、右眼用画像と左眼用画像とにおける対応するオブジェクトの対応点の表示画面上の位置の差異を、ズレ量と呼ぶ。表示装置10は、表示画像におけるズレ量を、観視者の観視位置に基づいて制御することにより、観視者の位置に応じた適切な表示画像を提示する。
【0029】
具体的には、観視者判断部180は、表示部140に対して予め定められた観視位置に観視者が存在するか否かを判断する。例えば、観視者判断部180は、予め定められた観視位置が撮像された画像に基づいて、予め定められた観視位置に観視者が存在するか否かを判断してよい。観視者判断部180は、予め定められた観視位置を撮像するカメラを有しており、当該カメラにより撮像された画像に基づいて、予め定められた観視位置に観視者が存在するか否かを判断してよい。他にも、レーザ、赤外線、超音波などを用いた人感センサのセンサ出力に基づいて、予め定められた観視位置に観視者が存在するか否かを判断してもよい。
【0030】
なお、ここでいう予め定められた観視位置とは、表示部140により立体的画像を観視者に提示することができる1以上の観視位置であってよく、表示部140により立体的画像を観視者に提示することができない1以上の観視位置であってもよい。また、予め定められた観視位置とは、表示部140により立体的画像を観視者に提示することができる1以上の観視位置と、表示部140により立体的画像を観視者に提示することができない1以上の観視位置とを含んでよい。
【0031】
制御部160は、観視位置に観視者が存在するか否かによって、同一の右眼用画像と左眼用画像とを表示部140に表示させるか、異なる右眼用画像と左眼用画像とを表示部140に表示させるかを切り替える。ここで、「異なる右眼用画像と左眼用画像」とは、いわゆる観視者が立体的に認識できる3次元画像であり、画像案内部150により各眼に案内されるズレ量のある右眼用画像と左眼用画像とを意味してよい。一方、「同一の右眼用画像と左眼用画像」とは、観視者の右眼および左眼に同じ表示位置の画像が認識される、いわゆる2次元画像を意味してよい。また、「同一の右眼用画像と左眼用画像」とは、画像案内部150により各眼に案内される、ズレ量が0の右眼用画像と左眼用画像を意味してよい。
【0032】
制御部160は、予め定められた観視位置に観視者が存在する場合、対応するオブジェクトの対応点が表示画面上の異なる位置に表示される右眼用画像と左眼用画像とを表示部140に表示させてよい。ここでの予め定められた観視位置とは、表示部140により立体的画像を観視者に提示することができる1以上の観視位置であってよい。なお、入力画像が2次元画像である場合には、対応するオブジェクトの対応点が表示画面上の異なる位置に表示される右眼用画像および左眼用画像とは、当該2次元画像をずらすことにより得られた右眼用画像および左眼用画像であってよい。一方、入力画像が2視点からの2次元画像である場合には、対応するオブジェクトの対応点が表示画面上の異なる位置に表示される右眼用画像および左眼用画像とは、それぞれ右方の視点からの2次元画像および左方の視点からの2次元画像であってよい。
【0033】
視線方向検出部170は、観視者の視線方向を検出する。例えば、視線方向検出部170は、表示部140の表示面に対して固定された方向で観視者を撮像して得られた観視者画像を取得する。観視者画像は、上記カメラにより撮像された画像であってよい。視線方向検出部170は、取得した観視者画像に含まれる観視者の顔の画像から、観視者画像の撮像方向に対する視線方向を検出してよい。
【0034】
例えば、視線方向検出部170は、観視者画像から、観視者画像の撮像方向に対する顔の向きを特定してよい。そして、視線方向検出部170は、特定した顔の向きに基づいて、観視者画像の撮像方向に対する視線方向を特定してよい。例えば、視線方向検出部170は、観視者画像を撮像する撮像方向と、観視者画像の撮像方向に対する視線方向とに基づき、表示部140の表示面に対する観視者の視線方向を特定してよい。
【0035】
なお、視線方向検出部170は、観視者の顔画像中における目、口、鼻の相対的な位置に基づいて、顔の向きを特定してよい。他にも、視線方向検出部170は、顔の向き毎に予め定められた顔パターンと観視者の顔画像とのパターンマッチングに基づき、顔の向きを特定してもよい。また、視線方向検出部170は、眼の画像から白目領域と眼球領域とを特定して、白目領域と眼球領域とを含む目全体の領域中における眼球領域の位置に基づいて、観視者の顔の向きに対する観視者の視方向を検出してよい。そして、視線方向検出部170は、特定した顔の向きと、観視者の視方向とに基づいて、観視者画像の撮像方向に対する視線方向を特定してよい。
【0036】
制御部160は、表示画面の法線方向と視線方向とのなす角度がより大きい場合に、ズレ量がより小さい右眼用画像と左眼用画像とを表示部140に表示させる。例えば、画像生成部110に、表示画面の法線方向と視線方向とのなす角度に基づいて決定したズレ量を画像生成部110に供給して、画像生成部110に当該ズレ量の右眼用画像および左眼用画像を生成させてよい。このように、制御部160は、表示制御部として機能することができる。
【0037】
図2は、画像処理部120の動作例を説明する図である。上述したように画像処理部120は、左眼用画像および右眼用画像を、複数のストライプ画像(L1、L2、L3、・・・、および、R1、R2、R3、・・・)に分割する。本例の画像処理部120は、水平方向の配列方向に沿って、所定の間隔で左眼用画像および右眼用画像を分割する。
【0038】
画像処理部120は、生成したストライプ画像を、右眼用画像および左眼用画像で交互に配列方向に配置して表示画像を生成する。なお、表示部140は、表示画像に含まれる右眼用画像および左眼用画像を同時に表示するので、画像処理部120は、左眼用画像および右眼用画像のそれぞれについて、ストライプ画像の配列方向における表示画素数を略半分にする。より具体的には、画像処理部120は、左眼用画像および右眼用画像のそれぞれのストライプ画像を、配列方向に1つおきに用いる。
【0039】
図3は、画像案内部150を説明する図である。画像案内部150は、表示部140の観視者側に設けられたバリア部310およびバリア制御部320を有する。バリア部310は、右眼用画像と左眼用画像とを異なる方向へ案内する。
【0040】
具体的には、バリア部310は、表示部140の観視者側に、所定の配列方向に沿って交互に設けられた透過部312および遮光部314を含む。透過部312は、左眼用画像の1つのストライプ画像、および、右眼用画像の1つのストライプ画像の組み合わせに対して1つずつ形成される。それぞれの透過部312は、対応する左眼用画像のストライプ画像を、観視者の左眼の方向に射出し、対応する右眼用画像のストライプ画像を、観視者の右眼の方向に射出する。
【0041】
バリア部310は、複数のシャッタ素子が配置されることにより形成されてよい。具体的には、バリア部310は、水平方向および垂直方向に沿ってマトリクス状に配置された複数のシャッタ素子を含んでよい。バリア制御部320は、これらのシャッタ素子のオン/オフを個別に設定することで、透過部および遮光部の延伸方向および配列方向を制御する。つまり、バリア制御部320は、透過部を形成すべき領域のシャッタ素子をオン状態とし、遮光部を形成すべき領域のシャッタ素子をオフ状態とすることで、任意の方向に透過部および遮光部を形成する。このように、バリア制御部320は、複数のシャッタ素子に光を透過させるか否かを制御することにより、光を遮光する遮光部314と光を透過する透過部312とをストライプ状に交互に形成させる。
【0042】
ここで、上述したように2次元画像を観視者に提示する場合には、バリア制御部320は、制御部160による制御に基づき、表示部140上の2次元画像の表示領域に対応する実質的に全シャッタ素子をオン状態にする。これにより、表示部140に表示された2次元画像は透過部により透過され、観視者の右眼および左眼により視認される。
【0043】
このように、制御部160は、観視位置に観視者が存在しない場合、同一の右眼用画像および左眼用画像を提供する2次元画像を表示部140に表示させ、観視位置に観視者が存在する場合、異なる右眼用画像および左眼用画像を遮光部および透過部の位置に対応させて表示部140に表示させる。バリア制御部320は、観視位置に観視者が存在しない場合、ストライプ状の遮光部を形成させずにバリア部に2次元画像を透過させ、観視位置に観視者が存在する場合、ストライプ状の遮光部を形成させて異なる右眼用画像および左眼用画像をそれぞれ所定の方向に案内する。
【0044】
なお、本図で例示したパララックスバリア方式の画像案内部150の他に、レンチキュラレンズ方式の画像案内部150を例示することができる。例えば、バリア部310による画像の案内方向を制御することに替えて、レンチキュラレンズにより、画像の案内方向を異ならせることができる。具体的には、複数の右眼用ストライプ画像と複数の左眼用ストライプ画像とを異なる方向へ案内するレンズアレイにより、対応する左眼用画像のストライプ画像を観視者の左眼の方向に指向させ、対応する右眼用画像のストライプ画像を観視者の右眼の方向に指向させることができる。これにより、画像案内部150は、複数の右眼用ストライプ画像と複数の左眼用ストライプ画像とを異なる方向へ案内することができる。
【0045】
図4は、画像生成部110の動作例を説明する図である。図4は、表示部140の画素配列の水平方向xおよび垂直方向yに対して座標が規定される画像データを示す。画像生成部110は、観視者の瞳孔間距離以下の距離であるズレ量Lの左眼用画像および右眼用画像を生成する。具体的には、画像生成部110は、与えられる2次元画像を所定の軸における左にL/2シフトした画像を左眼用画像として生成するとともに、当該軸における右にL/2シフトした画像を右眼用画像として生成する。このように、画像生成部110は、2次元画像を表示画面上において左右にずらした右眼用画像および左眼用画像を生成する。
【0046】
図5は、観視者判断部180により判断される観視位置の一例を示す。観視位置500、観視位置510、および、観視位置520は、観視者が表示部140により立体的画像を認識できる位置範囲であるとする。観視位置500は、表示部140における表示面の中央部の前方に位置する領域であってよい。観視位置510および観視位置520は、観視位置500から表示部140の表示面の水平方向にずれた位置に存在する領域であってよい。観視者判断部180は、観視位置500、観視位置510、および、観視位置520のそれぞれの範囲内に、観視者が存在するか否かを判断する。
【0047】
制御部160は、観視位置500、観視位置510、および、観視位置520のそれぞれを識別する情報に対応づけて、ズレ量を記憶している。例えば、制御部160は、観視位置500を識別する情報に対応づけて、Δ1のズレ量を記憶している。そして、制御部160は、観視者判断部180により観視位置500内に観視者が存在すると判断された場合に、観視位置500を識別する情報に対応づけて記憶しているΔ1を、表示画像におけるズレ量として決定する。ここで、Δ1は、観視者の瞳孔間距離であってよい。なお、観視者の瞳孔間距離は、観視者の入力操作により表示装置10に取得され、制御部160に記憶されていてよい。他にも、観視者の瞳孔間距離は、上述した観視者画像に基づいて決定され、制御部160に記憶されてよい。
【0048】
また、制御部160は、観視位置510を識別する情報、および、観視位置520を識別する情報に対応づけて、Δ1より小さいΔ2のズレ量を記憶している。制御部160は、観視者判断部180により観視位置510または観視位置520の少なくとも一方に観視者が存在すると判断された場合に、観視位置510および観視位置520を識別する情報に対応づけて記憶しているΔ2を、表示画像におけるズレ量として決定する。なお、観視位置500、観視位置510、および、観視位置520のいずれにも観視者が存在しないと判断された場合には、制御部160は表示画像におけるズレ量を0としてよい。また、観視位置500、観視位置510、および、観視位置520以外の位置に観視者が存在していることが判断された場合には、制御部160は表示画像におけるズレ量を0としてよい。
【0049】
観視位置500に存在する観視者が表示画像を立体的に認識できる場合であっても、観視位置510または観視位置520に位置する観視者には立体的に認識できない場合がある。例えば、観視位置500に存在する観視者には右眼用画像および左眼用画像をそれぞれ右眼および左眼に適切に提示できたとしても、観視位置510または観視位置520に位置する観視者には右眼用画像の一部が左眼に見えたり、左眼用画像の一部が右眼に見えたりする場合がある。このような場合、観視位置510または観視位置520に位置する観視者には最適な立体的画像を提示することができないが、ズレ量が小さければ当該観視者も表示画像をうまく認識して立体的に見える場合がある。制御部160の制御によれば、観視位置510または観視位置520に観視者が存在する場合には表示画像におけるズレ量を小さくするので、当該観視者にも立体感が感じられる表示画像を提供することができる。
【0050】
このように、観視者判断部180は、予め定められた複数の観視位置のいずれに観視者が存在するかを判断する。制御部160は、観視者が複数の観視位置のいずれの観視位置に存在するかに応じて、ズレ量を異ならせて、右眼用画像と左眼用画像とを表示部140に表示させる。具体的には、制御部160は、表示画面の中央から表示画面に平行な方向によりずれた位置の観視位置に観視者が存在している場合に、ズレ量がより小さい右眼用画像と左眼用画像とを表示部140に表示させる。
【0051】
なお、制御部160は、観視位置500の他に、観視位置510および観視位置520の少なくとも一方に観視者が存在すると観視者判断部180により判断された場合には、表示画像のズレ量としてΔ2を決定してよい。例えば、制御部160は、複数の観視位置を識別する情報にそれぞれ対応づけてズレ量を記憶してよい。そして、複数の観視位置に観視者が存在する旨が観視者判断部180により判断された場合に、制御部160は、観視者が存在する旨が判断された複数の観視位置を識別する情報に対応づけて記憶しているズレ量のうち最小のズレ量を、右眼用画像および左眼用画像のズレ量として決定してよい。これにより、複数の観視者が異なる観視位置から表示装置10を観視している場合に、いずれの観視者にも立体的に認識できる立体的画像を提示することができる。
【0052】
図6は、表示画面の法線方向と視線方向とのなす角度の一例を示す。観視者判断部180は、観視位置500内の位置600に、観視者が存在していると判断したとする。視線方向検出部170は、位置600に存在する観視者の顔画像から、観視者の視線方向を特定する。
【0053】
そして、制御部160は、表示部140の表示面の法線方向と特定された視線方向とがなす角度αを算出する。表示画面の法線方向と視線方向とのなす角度αがより大きい場合に、より小さいズレ量を決定する。具体的には、制御部160は、複数の角度範囲に対応づけて異なるズレ量を予め記憶している。より具体的には、制御部160は、より大きい角度を含む角度範囲に対応づけて、より小さいズレ量を予め記憶している。そして、制御部160は、検出された角度αを含む角度範囲に対応づけて予め記憶しているズレ量を、表示画像におけるズレ量として決定する。なお、視線方向検出部170は、複数の観視者のそれぞれの視線方向を検出してよい。そして、制御部160は、表示部140の表示面の法線方向と各観視者の視線方向とがなす角度を観視者毎に算出してよい。制御部160は、表示部140の表示面の法線方向と各視線方向とがなす角度にそれぞれ対応する異なるズレ量が存在する場合に、それらのズレ量のうちの最小のズレ量を、表示画像のズレ量として決定してよい。
【0054】
また、制御部160は、複数の観視位置を識別する情報と、複数の角度範囲とに対応づけて、ズレ量を予め記憶していてもよい。そして、制御部160は、観視者が存在する旨が判断された観視位置を識別する情報と、表示部140の表示面の法線方向と当該観視者の視線方向とがなす角度を含む角度範囲とに対応づけて予め記憶しているズレ量を、表示画像におけるズレ量として決定してもよい。また、制御部160は、複数の観視者のそれぞれの観視位置と各視線方向のそれぞれに基づく角度範囲とに対応する異なるズレ量が存在する場合に、それらのズレ量のうちの最小のズレ量を、表示画像のズレ量として決定してもよい。
【0055】
図7は、表示装置10の動作例を示すフローチャートである。観視者判断部180は、観視者を検出して(S702)、観視者が所定の観視位置に存在するか否かを判断する(S704)。例えば、S704において、観視者判断部180は、図5に例示した観視位置500、観視位置510、および、観視位置520の少なくともいずれかの位置に、観視者が検出されたか否かを判断する。
【0056】
S704において、所定の観視位置に監視者が存在する旨が観視者判断部180により判断された場合に(YES)、視線方向検出部170は、観視者の視線方向を検出する(S706)。そして、制御部160は、表示部140の表示面の法線方向と観視者の視線方向とがなす角度に基づいて、右眼用画像と左眼用画像とのズレ量を決定する(S708)。そして、制御部160は、S708において決定したズレ量だけ2次元画像をずらした右眼用画像および左眼用画像を、画像生成部110に生成させる。そして、制御部160は、画像処理部120に、右眼用画像および左眼用画像から表示画像を生成させ、生成された表示画像を表示部140に表示させる(S710)。
【0057】
そして、制御部160は、画像表示を終了するか否かを判断する(S714)。例えば、制御部160は、全ての画像の提示が終了した場合に、画像表示を終了する旨を判断してよい。制御部160は、全ての画像の提示が終了していない場合に、次の画像の表示方法を決定すべく、S702の処理に移行する。
【0058】
S704において、所定の観視位置に監視者が存在しない旨が観視者判断部180により判断された場合に(NO)、制御部160は表示部140に2次元画像を表示させ(S712)、S714の処理に移行する。
【0059】
図8は、左眼用画像および右眼用画像における画像端部の処理例を示す。本図の処理例では、単一色の右端画像が付加された左眼用画像の一例、および、単一色の左端画像が付加された右眼用画像の一例を示す。画像処理部120は、一例として、左眼用画像の右側に、表示領域の右端から所定の範囲内に表示される単一色の右端画像を付加する。画像処理部120は、一例として、左眼用画像の右側に、表示領域の右端から所定の範囲内に表示される黒等の暗色または白等の明色の右端画像を付加する。画像処理部120は、一例として、元の2次元画像を左方向にずらした結果できる、表示領域内における左眼用画像の右側の空白部分に、黒等の暗色または白等の明色の右端画像を付加する。
【0060】
また、画像処理部120は、一例として、右眼用画像の左側に、表示領域の左端から所定の範囲内に表示される、黒等の暗色または白等の明色の左端画像を付加する。画像処理部120は、一例として、元の2次元画像を右方向にずらした結果できる、表示領域内における右眼用画像の左側の空白部分に、黒等の暗色または白等の明色の左端画像を付加する。
【0061】
画像処理部120は、このような右端画像および左端画像を付加することにより、表示領域における右端部および左端部において、枠を意識させるような表示をすることができる。これにより、画像処理部120は、窓枠から外の風景を見ているような自然な立体画像を観視者に提供することができる。
【0062】
また、画像処理部120は、一例として、右端画像が付加された左眼用画像における、左側および右側のそれぞれに、瞳孔間距離以上の幅の黒等の暗色または白等の明色の枠画像を更に付加する。同様に、画像処理部120は、一例として、左端画像が付加された右眼用画像における、右側および左側のそれぞれに、瞳孔間距離以上の幅の黒等の暗色または白等の明色の枠画像を更に付加する。これにより、画像処理部120は、表示画面内に明確な枠を表示することができる。
【0063】
図9は、画像端部の他の処理例として、右眼用画像の一部分をコピーした右端画像が付加された左眼用画像の一例、および、左眼用画像の一部分をコピーした左端画像が付加された右眼用画像の一例を示す。画像処理部120は、一例として、左眼用画像の右側に、右眼用画像における表示領域の右端から所定の範囲内に表示される部分を右端画像として付加する。画像処理部120は、一例として、右眼用画像における表示領域の右端から、左眼用画像の右端に対応する位置までの範囲内に表示される部分をコピーして、右端画像として左眼用画像の右側に付加する。
【0064】
また、画像処理部120は、一例として、右眼用画像の左側に、左眼用画像における表示領域の左端から所定の範囲内に表示される部分を左端画像として付加する。画像処理部120は、一例として、左眼用画像における表示領域の左端から、右眼用画像の左端に対応する位置までの範囲内に表示される部分をコピーして、左端画像として右眼用画像の左側に付加する。
【0065】
表示領域の右端部または左端部に注目している場合において輻輳が生起されると、右眼と左眼との間で見ているものが異なる視野闘争の問題が生じる。この場合、右眼に与えられる画像と左眼に与えられる画像とがかけ離れているほど、人間に与える不自然感は大きい。しかし、本例に係る画像処理部120は、表示領域の右端部または左端部において右眼および左眼に同一の画像を与える。従って、本例に係る画像処理部120は、表示領域の右端部または左端部において輻輳が生起された場合であっても、視野闘争を軽減して、不自然に感じない画像を提供することができる。なお、表示領域の中央部においては、両目融合の条件が保たれているので、端部と比較して輻輳が生起される可能性は低い。
【0066】
また、画像処理部120は、一例として、左眼用画像の右側に、右眼用画像における表示領域の右端から所定の範囲内に表示される部分をぼかした画像を右端画像として付加してもよい。また、画像処理部120は、一例として、右眼用画像の左側に、左眼用画像における表示領域の左端から所定の範囲内に表示される部分をぼかした画像を左端画像として付加してもよい。
【0067】
右眼および左眼にフォーカスレベルが異なる画像が与えられた場合、人間は、与えられる画像を立体的に感じる。従って、このような画像処理部120は、表示領域の右端部または左端部において輻輳が生起された場合、視野闘争を軽減するとともに、観視者に立体感を感じさせることができる。
【0068】
また、画像処理部120は、一例として、右端画像の色を、右眼用画像における、表示領域の右端から所定の範囲内に表示される部分の平均色としてもよい。さらに、これに加えてまたはこれに代えて、画像処理部120は、右端画像の輝度を、右眼用画像における、表示領域の右端から所定の範囲内に表示される部分の平均輝度としてもよい。また、画像処理部120は、一例として、左端画像の色を、左眼用画像における、表示領域の左端から所定の範囲内に表示される部分の平均色としてもよい。さらに、これに加えてまたはこれに代えて、画像処理部120は、左端画像の輝度を、左眼用画像における、表示領域の左端から所定の範囲内に表示される部分の平均輝度としてもよい。このような画像処理部120は、表示領域の右端部または左端部において輻輳が生起された場合、色合いまたは輝度の同じ画像を左眼と右眼に与えることができるので、視野闘争を軽減することができる。
【0069】
図10は、画像端部の更なる他の処理例として、右方向に拡大した左眼用画像の一例、および、左方向に拡大した右眼用画像の一例を示す。画像処理部120は、一例として、左眼用画像を右に拡大して左眼用画像および右端画像を含む画像を生成する。この場合において、画像処理部120は、左眼用画像を左右の端部に近いほど大きい拡大率で右へと拡大して左眼用画像および右端画像を含む画像を生成する。更に、この場合において、画像処理部120は、左眼用画像の所定位置(例えば中央位置)から左側の画像を拡大しなくてもよい。
【0070】
また、画像処理部120は、一例として、右眼用画像を左に拡大して右眼用画像および左端画像を含む画像を生成する。この場合において、画像処理部120は、右眼用画像を左右の端部に近いほど大きい拡大率で左へと拡大して右眼用画像および左端画像を含む画像を生成する。更に、この場合において、画像処理部120は、右眼用画像の所定位置(例えば中央位置)から右側の画像を拡大しなくてもよい。このような本例に係る画像処理部120は、端部において画像が連続した自然な画像を提供することができる。
【0071】
また、画像処理部120および画像処理部120は、右方向および左方向への拡大率に合わせて、左眼用画像および右眼用画像を上下に拡大してもよい。この場合、画像処理部120および画像処理部120は、上下に拡大した結果、左眼用画像および右眼用画像における表示領域外となった部分を削除する。
【0072】
また、画像処理部120は、一例として、左眼用画像の右側に、当該左眼用画像における表示領域の右端から所定の範囲内に表示される部分(例えば、右端から1列分または数列分の画素列)を、右方向に繰り返す画像を右端画像として付加してもよい。また、画像処理部120は、一例として、右眼用画像の左側に、当該右眼用画像における表示領域の左端から所定の範囲内に表示される部分(例えば、左端から1列分または数列分の画素列)を、左方向に繰り返す画像を左端画像として付加してもよい。このような画像処理部120は、端部において画像が連続した自然な画像を提供することができる。
【0073】
図11は、画像端部の更なる他の処理例として、左端部分を削除した左眼用画像の一例、および、右端部分を削除した右眼用画像の一例を示す。画像処理部120は、一例として、左眼用画像の右側に右端画像を付加することに代えて、右眼用画像の右側の所定の範囲を削除する。また、画像処理部120は、一例として、右眼用画像の左側に左端画像を付加することに代えて、左眼用画像の左側の所定の範囲を削除する。
【0074】
このような画像処理部120は、立体画像を提供することができない画像領域を無くした画像を表示することができる。ここで、表示部140は、表示領域中における画像が削除された部分から、暗色(例えば黒画像)等を出力する。従って、このような画像処理部120は、外枠を設けた場合と同様に、自然な立体画像を提供することができる。
【0075】
図12は、画像端部の更なる他の処理例として、2次元画像を拡大した後に、左眼用画像および右眼用画像を生成した場合の一例を示す。画像処理部120は、一例として、次のような処理を行ってもよい。
【0076】
まず、画像生成部110は、2次元画像を所定の距離分左右に拡大する。例えば、画像生成部110は、横幅が、表示領域の横幅と瞳孔間距離とを加算した距離となるように左右方向に拡大する。この場合において、画像生成部110は、2次元画像の上下方向についても、左右方向と同じ拡大率で拡大してもよい。
【0077】
続いて、画像生成部110は、拡大した2次元画像を表示領域内において所定の距離分左右にずらした左眼用画像および右眼用画像を生成する。画像生成部110は、一例として、左眼用画像を左側に瞳孔間距離の1/2の距離分ずらし、右眼用画像を右側に瞳孔間距離の1/2の距離分ずらす。
【0078】
続いて、画像処理部120は、左眼用画像の右側に右端画像を付加することに代えて、右眼用画像の右側の所定の距離の範囲を削除する。画像処理部120は、一例として、右眼用画像の右端から、瞳孔間距離分の範囲を削除する。
【0079】
また、画像処理部120は、右眼用画像の左側に左端画像を付加することに代えて、左眼用画像の左側の所定の距離の範囲を削除する。画像処理部120は、一例として、左眼用画像の左端から、瞳孔間距離分の範囲を削除する。
【0080】
このような画像処理部120は、立体画像を提供することができない画像領域を無くした画像を表示することができる。従って、このような画像処理部120は、自然な立体画像を提供することができる。なお、2次元画像を上下方向にも拡大した場合、画像処理部120は、左眼用画像および右眼用画像における、表示範囲の上下の境界を超える部分について削除してよい。
【0081】
図13は、他の実施形態に係るコンピュータ800のハードウェア構成の一例を示す。コンピュータ800は、与えられるプログラムに応じて、図1から図12に関連して説明した画像取得部100、画像生成部110、画像処理部120、表示部140、制御部160、視線方向検出部170、および、観視者判断部180として機能する。また、コンピュータ800は、バリア制御部320として更に機能してもよい。
【0082】
本実施形態に係るコンピュータ800は、ホスト・コントローラ2082により相互に接続されるCPU2000、RAM2020、グラフィック・コントローラ2075、及び表示装置2080を有するCPU周辺部と、入出力コントローラ2084によりホスト・コントローラ2082に接続される通信インターフェイス2030、ハードディスクドライブ2040、及びCD−ROMドライブ2060を有する入出力部と、入出力コントローラ2084に接続されるROM2010、フレキシブルディスク・ドライブ2050、及び入出力チップ2070を有するレガシー入出力部とを備える。
【0083】
ホスト・コントローラ2082は、RAM2020と、高い転送レートでRAM2020をアクセスするCPU2000及びグラフィック・コントローラ2075とを接続する。CPU2000は、ROM2010及びRAM2020に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。グラフィック・コントローラ2075は、CPU2000等がRAM2020内に設けたフレーム・バッファ上に生成する画像データを取得し、表示装置2080上に表示させる。これに代えて、グラフィック・コントローラ2075は、CPU2000等が生成する画像データを格納するフレーム・バッファを、内部に含んでもよい。
【0084】
入出力コントローラ2084は、ホスト・コントローラ2082と、比較的高速な入出力装置である通信インターフェイス2030、ハードディスクドライブ2040、CD−ROMドライブ2060を接続する。通信インターフェイス2030は、ネットワークを介して他の装置と通信する。ハードディスクドライブ2040は、コンピュータ800内のCPU2000が使用するプログラム及びデータを格納する。CD−ROMドライブ2060は、CD−ROM2095からプログラム又はデータを読み取り、RAM2020を介してハードディスクドライブ2040に提供する。
【0085】
また、入出力コントローラ2084には、ROM2010と、フレキシブルディスク・ドライブ2050、及び入出力チップ2070の比較的低速な入出力装置とが接続される。ROM2010は、コンピュータ800が起動時に実行するブート・プログラム、及び/又は、コンピュータ800のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。フレキシブルディスク・ドライブ2050は、フレキシブルディスク2090からプログラム又はデータを読み取り、RAM2020を介してハードディスクドライブ2040に提供する。入出力チップ2070は、フレキシブルディスク・ドライブ2050を入出力コントローラ2084へと接続すると共に、例えばパラレル・ポート、シリアル・ポート、キーボード・ポート、マウス・ポート等を介して各種の入出力装置を入出力コントローラ2084へと接続する。
【0086】
RAM2020を介してハードディスクドライブ2040に提供されるプログラムは、フレキシブルディスク2090、CD−ROM2095、又はICカード等の記録媒体に格納されて利用者によって提供される。プログラムは、記録媒体から読み出され、RAM2020を介してコンピュータ800内のハードディスクドライブ2040にインストールされ、CPU2000において実行される。
【0087】
コンピュータ800にインストールされ、コンピュータ800により実行されるプログラムは、CPU2000等に働きかけて、コンピュータ800を、画像取得部100、画像生成部110、画像処理部120、表示部140、制御部160、視線方向検出部170、および、観視者判断部180などとして機能させる。これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータ800に読込まれることにより、ソフトウェアと上述した各種のハードウェア資源とが協働した具体的手段である画像取得部100、画像生成部110、画像処理部120、表示部140、制御部160、視線方向検出部170、および、観視者判断部180などとして機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータ800の使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有の画像取得部100、画像生成部110、画像処理部120、表示部140、制御部160、視線方向検出部170、および、観視者判断部180などが構築される。
【0088】
一例として、コンピュータ800と外部の装置等との間で通信を行う場合には、CPU2000は、RAM2020上にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理内容に基づいて、通信インターフェイス2030に対して通信処理を指示する。通信インターフェイス2030は、CPU2000の制御を受けて、RAM2020、ハードディスクドライブ2040、フレキシブルディスク2090、又はCD−ROM2095等の記憶装置上に設けた送信バッファ領域等に記憶された送信データを読み出してネットワークへと送信し、もしくは、ネットワークから受信した受信データを記憶装置上に設けた受信バッファ領域等へと書き込む。このように、通信インターフェイス2030は、DMA(ダイレクト・メモリ・アクセス)方式により記憶装置との間で送受信データを転送してもよく、これに代えて、CPU2000が転送元の記憶装置又は通信インターフェイス2030からデータを読み出し、転送先の通信インターフェイス2030又は記憶装置へとデータを書き込むことにより送受信データを転送してもよい。
【0089】
また、CPU2000は、ハードディスクドライブ2040、CD−ROMドライブ2060(CD−ROM2095)、フレキシブルディスク・ドライブ2050(フレキシブルディスク2090)等の外部記憶装置に格納されたファイルまたはデータベース等の中から、全部または必要な部分をDMA転送等によりRAM2020へと読み込ませ、RAM2020上のデータに対して各種の処理を行う。そして、CPU2000は、処理を終えたデータを、DMA転送等により外部記憶装置へと書き戻す。このような処理において、RAM2020は、外部記憶装置の内容を一時的に保持するものとみなせるから、本実施形態においてはRAM2020および外部記憶装置等をメモリ、記憶部、または記憶装置等と総称する。本実施形態における各種のプログラム、データ、テーブル、データベース等の各種の情報は、このような記憶装置上に格納されて、情報処理の対象となる。なお、CPU2000は、RAM2020の一部をキャッシュメモリに保持し、キャッシュメモリ上で読み書きを行うこともできる。このような形態においても、キャッシュメモリはRAM2020の機能の一部を担うから、本実施形態においては、区別して示す場合を除き、キャッシュメモリもRAM2020、メモリ、及び/又は記憶装置に含まれるものとする。
【0090】
また、CPU2000は、RAM2020から読み出したデータに対して、プログラムの命令列により指定された、本実施形態中に記載した各種の演算、情報の加工、条件判断、情報の検索・置換等を含む各種の処理を行い、RAM2020へと書き戻す。例えば、CPU2000は、条件判断を行う場合においては、本実施形態において示した各種の変数が、他の変数または定数と比較して、大きい、小さい、以上、以下、等しい等の条件を満たすかどうかを判断し、条件が成立した場合(又は不成立であった場合)に、異なる命令列へと分岐し、またはサブルーチンを呼び出す。
【0091】
また、CPU2000は、記憶装置内のファイルまたはデータベース等に格納された情報を検索することができる。例えば、第1属性の属性値に対し第2属性の属性値がそれぞれ対応付けられた複数のエントリが記憶装置に格納されている場合において、CPU2000は、記憶装置に格納されている複数のエントリの中から第1属性の属性値が指定された条件と一致するエントリを検索し、そのエントリに格納されている第2属性の属性値を読み出すことにより、所定の条件を満たす第1属性に対応付けられた第2属性の属性値を得ることができる。
【0092】
以上に示したプログラム又はモジュールは、外部の記録媒体に格納されてもよい。記録媒体としては、フレキシブルディスク2090、CD−ROM2095の他に、DVD又はCD等の光学記録媒体、MO等の光磁気記録媒体、テープ媒体、ICカード等の半導体メモリ等を用いることができる。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステムに設けたハードディスク又はRAM等の記憶装置を記録媒体として使用し、ネットワークを介してプログラムをコンピュータ800に提供してもよい。
【0093】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0094】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0095】
10 表示装置、100 画像取得部、110 画像生成部、120 画像処理部、140 表示部、150 画像案内部、160 制御部、170 視線方向検出部、180 観視者判断部、310 バリア部、312 透過部、314 遮光部、320 バリア制御部、500 観視位置、510 観視位置、520 観視位置、600 位置、800 コンピュータ、2000 CPU、2010 ROM、2020 RAM、2030 通信インターフェイス、2040 ハードディスクドライブ、2050 フレキシブルディスク・ドライブ、2060 CD−ROMドライブ、2070 入出力チップ、2075 グラフィック・コントローラ、2080 表示装置、2082 ホスト・コントローラ、2084 入出力コントローラ、2090 フレキシブルディスク、2095 CD−ROM
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、表示方法、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特殊なメガネを用いずに裸眼で立体(3D)画像を視認させる技術の一つとして、表示面の前面にパララックスバリアまたはレンチキュラレンズを用いる技術が知られている。例えば、表示面に表示した右眼用画像および左眼用画像を、パララックスバリアまたはレンチキュラレンズによりそれぞれ右眼および左眼に指向して射出する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−287195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
表示面に対する観視者の位置によっては、観視者の左眼に右眼用画像が見えてしまったり、観視者の右眼に左眼用画像が見えてしまったりする場合がある。このような位置に観視者がいる場合には、観視者は立体視することはできない。このような位置に観視者がいる場合においても、適切な画像を観視者に提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の一態様においては、表示装置であって、観視者の右眼で視認されるべき右眼用画像、および観視者の左眼で視認されるべき左眼用画像を表示する表示部と、表示部に対して予め定められた観視位置に観視者が存在するか否かを判断する観視者判断部と、観視位置に観視者が存在するか否かによって、同一の右眼用画像と左眼用画像とを表示部に表示させるか、異なる右眼用画像と左眼用画像とを表示部に表示させるかを切り替える表示制御部とを備える。
【0006】
表示制御部は、観視位置に観視者が存在する場合、対応するオブジェクトの対応点が表示画面上の異なる位置に表示される右眼用画像と左眼用画像とを表示部に表示させてよい。
【0007】
観視者判断部は、予め定められた複数の観視位置のいずれに観視者が存在するかをさらに判断し、表示制御部は、観視者が複数の観視位置のいずれの観視位置に存在するかに応じて、右眼用画像と左眼用画像とにおいて対応するオブジェクトの対応点の表示画面上における位置のズレ量を異ならせて、右眼用画像と左眼用画像とを表示部に表示させてよい。
【0008】
表示制御部は、表示画面の中央から表示画面に平行な方向によりずれた位置の観視位置に観視者が存在している場合に、対応するオブジェクトの対応点の表示画面上における位置のズレ量がより小さい右眼用画像と左眼用画像とを表示部に表示させてよい。
【0009】
観視者の視線方向を検出する視線方向検出部をさらに備え、表示制御部は、表示画面の法線方向と視線方向とのなす角度がより大きい場合に、対応するオブジェクトの対応点の表示画面上における位置のズレ量がより小さい右眼用画像と左眼用画像とを表示部に表示させてよい。
【0010】
表示部の観視者側に設けられ、右眼用画像と左眼用画像とを異なる方向へ案内する画像案内部をさらに備えてよい。
【0011】
画像案内部は、複数のシャッタ素子が配置されたバリア部と、複数のシャッタ素子に光を透過させるか否かを制御することにより、光を遮光する遮光部と光を透過する透過部とをストライプ状に交互に形成させるバリア制御部とを有し、表示制御部は、観視位置に観視者が存在しない場合、同一の右眼用画像および左眼用画像を提供する2次元画像を表示部に表示させ、観視位置に観視者が存在する場合、異なる右眼用画像および左眼用画像を遮光部および透過部の位置に対応させて表示部に表示させ、バリア制御部は、観視位置に観視者が存在しない場合、ストライプ状の遮光部を形成させずにバリア部に2次元画像を透過させ、観視位置に観視者が存在する場合、ストライプ状の遮光部を形成させて異なる右眼用画像および左眼用画像をそれぞれ所定の方向に案内してよい。
【0012】
表示制御部は、右眼用画像がストライプ状に分割された複数の右眼用ストライプ画像と左眼用画像がストライプ状に分割された複数の左眼用ストライプ画像とを交互に配列して表示部に表示させ、画像案内部は、複数の右眼用ストライプ画像と複数の左眼用ストライプ画像とを異なる方向へ案内するレンズアレイ部を有してよい。
【0013】
2次元画像を表示画面上において左右にずらした右眼用画像および左眼用画像を生成する画像生成部をさらに備えてよい。
【0014】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】一実施形態に係る表示装置10の構成例を示す図である。
【図2】画像処理部120の動作例を説明する図である。
【図3】画像案内部150を説明する図である。
【図4】画像生成部110の動作例を説明する図である。
【図5】観視者判断部180により判断される観視位置の一例を示す図である。
【図6】表示画面の法線方向と視線方向とのなす角度の一例を示す図である。
【図7】表示装置10の動作例を示すフローチャートである図である。
【図8】左眼用画像および右眼用画像の画像端部に対する処理例を示す図である。
【図9】画像端部に対する他の処理例を示す図である。
【図10】画像端部に対する更なる他の処理例を示す図である。
【図11】画像端部に対する更なる他の処理例を示す図である。
【図12】画像端部に対する更なる他の処理例を示す図である。
【図13】他の実施形態に係るコンピュータ800のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0017】
図1は、一実施形態に係る表示装置10の構成例を示す図である。表示装置10は、観視者に立体的画像を提示する。具体的には、観視者の右眼で視認されるべき右眼用画像と観視者の左眼で視認されるべき左眼用画像とを生成して、生成した右眼用画像および左眼用画像を、それぞれ観視者の右眼および観視者の左眼に提示することにより、立体的画像を観視者に提示する。ここで、表示装置10は、デジタルフォトフレーム、テレビ受像機およびパーソナルコンピュータ用のモニタ等の表示装置であってよい。表示装置10は、画像取得部100、画像生成部110、画像処理部120、表示部140、画像案内部150、制御部160、視線方向検出部170、および、観視者判断部180を備える。
【0018】
画像取得部100は、表示部140に表示されるべき表示画像の元となる入力画像を取得する。画像取得部100は、記憶媒体が記憶している1以上の画像を、入力画像として記憶媒体から取得してよい。画像取得部100は、外部インターフェイスを通じて外部から供給される画像を、入力画像として取得してもよい。また、画像取得部100が入力画像として取得する画像は、静止画であってよく、静止画が連続した動画であってもよい。画像取得部100は複数の入力画像を取得して、画像生成部110に供給する。
【0019】
入力画像としては、1視点からの画像である1つの2次元画像を例示することができる。例えば、入力画像は、いわゆる2次元カメラにより1視点から撮像されて得られた1つの2次元画像であってよい。他にも、入力画像は、右眼および左眼にそれぞれ対応する2視点からの画像である2つの2次元画像であってよい。例えば、入力画像は、いわゆる3次元カメラにより2視点から撮像されて得られた2つの2次元画像であってよい。
【0020】
画像生成部110は、表示部140に表示されるべき表示画像に含まれる右眼用画像および左眼用画像を、画像取得部100から取得した入力画像を用いて生成する。画像生成部110は、生成した右眼用画像および左眼用画像を画像処理部120に供給する。
【0021】
画像処理部120は、画像生成部110が生成した右眼用画像および左眼用画像に所定の画像処理を施して表示画像を生成して、表示部140に供給する。例えば、画像処理部120は、右眼用画像および左眼用画像の少なくとも一方にぼかし処理を施してよい。画像処理部120は、例えば画像の部分領域毎に複数の画素値を平均化することにより、右眼用画像および左眼用画像の少なくとも一方にぼかし処理を施してよい。これは、鮮明な右眼用画像および左眼用画像を提示すると、観視者が観ている位置、観ている角度などによっては、観視者が右眼用画像および左眼用画像を融合して立体的に認識することが難かしくなる場合があるからである。右眼用画像および左眼用画像の少なくとも一方をぼかすことで、観視者にとって小さい負担で立体的に認識させることができる場合がある。
【0022】
具体的には、2次元の表示面に表示された擬似的な立体画像である表示画像は、表示面の周辺領域を観ていたり、表示面を正面からではなく斜めから観ている場合などに、実際の3次元空間を見ている場合に比べて矛盾が生じる場合がある。観視者の脳は、擬似的な表示画像を融合することで立体的に認識しようとしているが、右眼用画像および左眼用画像がどちらも鮮明であると矛盾が際立ってしまい、脳は表示画像をきちんと融合できなくなってしまう場合がある。しかしながら、左眼用画像または右眼用画像の少なくとも一方がぼかされている場合には、観視者の脳は、ぼかされた像を都合良く認識することができる。このため、観視者は、矛盾が生じていても比較的容易に表示画像を立体的に認識することができる。また、観視者の脳は、ぼけた像を比較的容易に鮮明な像として都合良く認識することができるので、観視者が認識する像の画質が劣化することもない。
【0023】
なお、画像処理部120は、右眼用画像および左眼用画像の少なくとも一方の鮮明度が予め定められた値より高いことを条件として、右眼用画像および左眼用画像の少なくとも一方にぼかし処理を施してよい。例えば、画像処理部120は、右眼用画像および左眼用画像の少なくとも一方が有する空間周波数成分に基づいて、鮮明度を決定してよい。例えば、画像処理部120は、予め定められた空間周波数より高い空間周波数領域においてより高い空間周波数成分を有する場合に、より大きい値の鮮明度を決定してよい。
【0024】
そして、画像処理部120は、右眼用画像および左眼用画像のそれぞれを、所定の方向において所定の幅を有する複数のストライプ画像に分割する。そして、画像処理部120は、右眼用画像のストライプ画像および左眼用画像のストライプ画像を、所定の画像配列方向に交互に配列された表示画像を生成する。
【0025】
画像処理部120が生成した表示画像は、表示部140に供給される。表示部140は、観視者の右眼で視認されるべき右眼用画像、および観視者の左眼で視認されるべき左眼用画像を表示する。具体的には、表示部140は、右眼用画像のストライプ画像および左眼用画像のストライプ画像が交互に配列された表示画像を表示する。以下に説明するように、表示部140に表示された右眼用画像からの各ストライプ画像(R)は、画像案内部150により観視者の右眼に指向され、表示部140に表示された左眼用画像からの各ストライプ画像(L)は、画像案内部150により観視者の左眼に指向される。
【0026】
画像案内部150は、透過部および遮光部が交互に配置された、いわゆるパララックスバリアであってよい。例えば、画像案内部150は、交互に配置された透過部および遮光部を有する。透過部および遮光部は、当該延伸方向と直交するバリア配列方向に交互に配置され、表示部140が表示した右眼用画像および左眼用画像の対応するストライプ画像を異なる方向に射出させ、観視者の右眼および左眼にそれぞれ提示する。このような構成により、裸眼の観視者に立体的画像を提示することができる。
【0027】
表示画像に含まれる右眼用画像と左眼用画像とにおける対応するオブジェクトの対応点の表示部140の表示画面上の位置の差異が存在する場合に、観視者は立体感を持って表示画像を認識することができる。例えば、右眼用画像と左眼用画像とにおける対応するオブジェクトの対応点が観視者の瞳孔間距離だけずれていると、観視者の左眼および右眼の視線は平行状態となる。これにより、無限遠を見ているような像を観視者に認識させることができる。
【0028】
本明細書において、右眼用画像と左眼用画像とにおける対応するオブジェクトの対応点の表示画面上の位置の差異を、ズレ量と呼ぶ。表示装置10は、表示画像におけるズレ量を、観視者の観視位置に基づいて制御することにより、観視者の位置に応じた適切な表示画像を提示する。
【0029】
具体的には、観視者判断部180は、表示部140に対して予め定められた観視位置に観視者が存在するか否かを判断する。例えば、観視者判断部180は、予め定められた観視位置が撮像された画像に基づいて、予め定められた観視位置に観視者が存在するか否かを判断してよい。観視者判断部180は、予め定められた観視位置を撮像するカメラを有しており、当該カメラにより撮像された画像に基づいて、予め定められた観視位置に観視者が存在するか否かを判断してよい。他にも、レーザ、赤外線、超音波などを用いた人感センサのセンサ出力に基づいて、予め定められた観視位置に観視者が存在するか否かを判断してもよい。
【0030】
なお、ここでいう予め定められた観視位置とは、表示部140により立体的画像を観視者に提示することができる1以上の観視位置であってよく、表示部140により立体的画像を観視者に提示することができない1以上の観視位置であってもよい。また、予め定められた観視位置とは、表示部140により立体的画像を観視者に提示することができる1以上の観視位置と、表示部140により立体的画像を観視者に提示することができない1以上の観視位置とを含んでよい。
【0031】
制御部160は、観視位置に観視者が存在するか否かによって、同一の右眼用画像と左眼用画像とを表示部140に表示させるか、異なる右眼用画像と左眼用画像とを表示部140に表示させるかを切り替える。ここで、「異なる右眼用画像と左眼用画像」とは、いわゆる観視者が立体的に認識できる3次元画像であり、画像案内部150により各眼に案内されるズレ量のある右眼用画像と左眼用画像とを意味してよい。一方、「同一の右眼用画像と左眼用画像」とは、観視者の右眼および左眼に同じ表示位置の画像が認識される、いわゆる2次元画像を意味してよい。また、「同一の右眼用画像と左眼用画像」とは、画像案内部150により各眼に案内される、ズレ量が0の右眼用画像と左眼用画像を意味してよい。
【0032】
制御部160は、予め定められた観視位置に観視者が存在する場合、対応するオブジェクトの対応点が表示画面上の異なる位置に表示される右眼用画像と左眼用画像とを表示部140に表示させてよい。ここでの予め定められた観視位置とは、表示部140により立体的画像を観視者に提示することができる1以上の観視位置であってよい。なお、入力画像が2次元画像である場合には、対応するオブジェクトの対応点が表示画面上の異なる位置に表示される右眼用画像および左眼用画像とは、当該2次元画像をずらすことにより得られた右眼用画像および左眼用画像であってよい。一方、入力画像が2視点からの2次元画像である場合には、対応するオブジェクトの対応点が表示画面上の異なる位置に表示される右眼用画像および左眼用画像とは、それぞれ右方の視点からの2次元画像および左方の視点からの2次元画像であってよい。
【0033】
視線方向検出部170は、観視者の視線方向を検出する。例えば、視線方向検出部170は、表示部140の表示面に対して固定された方向で観視者を撮像して得られた観視者画像を取得する。観視者画像は、上記カメラにより撮像された画像であってよい。視線方向検出部170は、取得した観視者画像に含まれる観視者の顔の画像から、観視者画像の撮像方向に対する視線方向を検出してよい。
【0034】
例えば、視線方向検出部170は、観視者画像から、観視者画像の撮像方向に対する顔の向きを特定してよい。そして、視線方向検出部170は、特定した顔の向きに基づいて、観視者画像の撮像方向に対する視線方向を特定してよい。例えば、視線方向検出部170は、観視者画像を撮像する撮像方向と、観視者画像の撮像方向に対する視線方向とに基づき、表示部140の表示面に対する観視者の視線方向を特定してよい。
【0035】
なお、視線方向検出部170は、観視者の顔画像中における目、口、鼻の相対的な位置に基づいて、顔の向きを特定してよい。他にも、視線方向検出部170は、顔の向き毎に予め定められた顔パターンと観視者の顔画像とのパターンマッチングに基づき、顔の向きを特定してもよい。また、視線方向検出部170は、眼の画像から白目領域と眼球領域とを特定して、白目領域と眼球領域とを含む目全体の領域中における眼球領域の位置に基づいて、観視者の顔の向きに対する観視者の視方向を検出してよい。そして、視線方向検出部170は、特定した顔の向きと、観視者の視方向とに基づいて、観視者画像の撮像方向に対する視線方向を特定してよい。
【0036】
制御部160は、表示画面の法線方向と視線方向とのなす角度がより大きい場合に、ズレ量がより小さい右眼用画像と左眼用画像とを表示部140に表示させる。例えば、画像生成部110に、表示画面の法線方向と視線方向とのなす角度に基づいて決定したズレ量を画像生成部110に供給して、画像生成部110に当該ズレ量の右眼用画像および左眼用画像を生成させてよい。このように、制御部160は、表示制御部として機能することができる。
【0037】
図2は、画像処理部120の動作例を説明する図である。上述したように画像処理部120は、左眼用画像および右眼用画像を、複数のストライプ画像(L1、L2、L3、・・・、および、R1、R2、R3、・・・)に分割する。本例の画像処理部120は、水平方向の配列方向に沿って、所定の間隔で左眼用画像および右眼用画像を分割する。
【0038】
画像処理部120は、生成したストライプ画像を、右眼用画像および左眼用画像で交互に配列方向に配置して表示画像を生成する。なお、表示部140は、表示画像に含まれる右眼用画像および左眼用画像を同時に表示するので、画像処理部120は、左眼用画像および右眼用画像のそれぞれについて、ストライプ画像の配列方向における表示画素数を略半分にする。より具体的には、画像処理部120は、左眼用画像および右眼用画像のそれぞれのストライプ画像を、配列方向に1つおきに用いる。
【0039】
図3は、画像案内部150を説明する図である。画像案内部150は、表示部140の観視者側に設けられたバリア部310およびバリア制御部320を有する。バリア部310は、右眼用画像と左眼用画像とを異なる方向へ案内する。
【0040】
具体的には、バリア部310は、表示部140の観視者側に、所定の配列方向に沿って交互に設けられた透過部312および遮光部314を含む。透過部312は、左眼用画像の1つのストライプ画像、および、右眼用画像の1つのストライプ画像の組み合わせに対して1つずつ形成される。それぞれの透過部312は、対応する左眼用画像のストライプ画像を、観視者の左眼の方向に射出し、対応する右眼用画像のストライプ画像を、観視者の右眼の方向に射出する。
【0041】
バリア部310は、複数のシャッタ素子が配置されることにより形成されてよい。具体的には、バリア部310は、水平方向および垂直方向に沿ってマトリクス状に配置された複数のシャッタ素子を含んでよい。バリア制御部320は、これらのシャッタ素子のオン/オフを個別に設定することで、透過部および遮光部の延伸方向および配列方向を制御する。つまり、バリア制御部320は、透過部を形成すべき領域のシャッタ素子をオン状態とし、遮光部を形成すべき領域のシャッタ素子をオフ状態とすることで、任意の方向に透過部および遮光部を形成する。このように、バリア制御部320は、複数のシャッタ素子に光を透過させるか否かを制御することにより、光を遮光する遮光部314と光を透過する透過部312とをストライプ状に交互に形成させる。
【0042】
ここで、上述したように2次元画像を観視者に提示する場合には、バリア制御部320は、制御部160による制御に基づき、表示部140上の2次元画像の表示領域に対応する実質的に全シャッタ素子をオン状態にする。これにより、表示部140に表示された2次元画像は透過部により透過され、観視者の右眼および左眼により視認される。
【0043】
このように、制御部160は、観視位置に観視者が存在しない場合、同一の右眼用画像および左眼用画像を提供する2次元画像を表示部140に表示させ、観視位置に観視者が存在する場合、異なる右眼用画像および左眼用画像を遮光部および透過部の位置に対応させて表示部140に表示させる。バリア制御部320は、観視位置に観視者が存在しない場合、ストライプ状の遮光部を形成させずにバリア部に2次元画像を透過させ、観視位置に観視者が存在する場合、ストライプ状の遮光部を形成させて異なる右眼用画像および左眼用画像をそれぞれ所定の方向に案内する。
【0044】
なお、本図で例示したパララックスバリア方式の画像案内部150の他に、レンチキュラレンズ方式の画像案内部150を例示することができる。例えば、バリア部310による画像の案内方向を制御することに替えて、レンチキュラレンズにより、画像の案内方向を異ならせることができる。具体的には、複数の右眼用ストライプ画像と複数の左眼用ストライプ画像とを異なる方向へ案内するレンズアレイにより、対応する左眼用画像のストライプ画像を観視者の左眼の方向に指向させ、対応する右眼用画像のストライプ画像を観視者の右眼の方向に指向させることができる。これにより、画像案内部150は、複数の右眼用ストライプ画像と複数の左眼用ストライプ画像とを異なる方向へ案内することができる。
【0045】
図4は、画像生成部110の動作例を説明する図である。図4は、表示部140の画素配列の水平方向xおよび垂直方向yに対して座標が規定される画像データを示す。画像生成部110は、観視者の瞳孔間距離以下の距離であるズレ量Lの左眼用画像および右眼用画像を生成する。具体的には、画像生成部110は、与えられる2次元画像を所定の軸における左にL/2シフトした画像を左眼用画像として生成するとともに、当該軸における右にL/2シフトした画像を右眼用画像として生成する。このように、画像生成部110は、2次元画像を表示画面上において左右にずらした右眼用画像および左眼用画像を生成する。
【0046】
図5は、観視者判断部180により判断される観視位置の一例を示す。観視位置500、観視位置510、および、観視位置520は、観視者が表示部140により立体的画像を認識できる位置範囲であるとする。観視位置500は、表示部140における表示面の中央部の前方に位置する領域であってよい。観視位置510および観視位置520は、観視位置500から表示部140の表示面の水平方向にずれた位置に存在する領域であってよい。観視者判断部180は、観視位置500、観視位置510、および、観視位置520のそれぞれの範囲内に、観視者が存在するか否かを判断する。
【0047】
制御部160は、観視位置500、観視位置510、および、観視位置520のそれぞれを識別する情報に対応づけて、ズレ量を記憶している。例えば、制御部160は、観視位置500を識別する情報に対応づけて、Δ1のズレ量を記憶している。そして、制御部160は、観視者判断部180により観視位置500内に観視者が存在すると判断された場合に、観視位置500を識別する情報に対応づけて記憶しているΔ1を、表示画像におけるズレ量として決定する。ここで、Δ1は、観視者の瞳孔間距離であってよい。なお、観視者の瞳孔間距離は、観視者の入力操作により表示装置10に取得され、制御部160に記憶されていてよい。他にも、観視者の瞳孔間距離は、上述した観視者画像に基づいて決定され、制御部160に記憶されてよい。
【0048】
また、制御部160は、観視位置510を識別する情報、および、観視位置520を識別する情報に対応づけて、Δ1より小さいΔ2のズレ量を記憶している。制御部160は、観視者判断部180により観視位置510または観視位置520の少なくとも一方に観視者が存在すると判断された場合に、観視位置510および観視位置520を識別する情報に対応づけて記憶しているΔ2を、表示画像におけるズレ量として決定する。なお、観視位置500、観視位置510、および、観視位置520のいずれにも観視者が存在しないと判断された場合には、制御部160は表示画像におけるズレ量を0としてよい。また、観視位置500、観視位置510、および、観視位置520以外の位置に観視者が存在していることが判断された場合には、制御部160は表示画像におけるズレ量を0としてよい。
【0049】
観視位置500に存在する観視者が表示画像を立体的に認識できる場合であっても、観視位置510または観視位置520に位置する観視者には立体的に認識できない場合がある。例えば、観視位置500に存在する観視者には右眼用画像および左眼用画像をそれぞれ右眼および左眼に適切に提示できたとしても、観視位置510または観視位置520に位置する観視者には右眼用画像の一部が左眼に見えたり、左眼用画像の一部が右眼に見えたりする場合がある。このような場合、観視位置510または観視位置520に位置する観視者には最適な立体的画像を提示することができないが、ズレ量が小さければ当該観視者も表示画像をうまく認識して立体的に見える場合がある。制御部160の制御によれば、観視位置510または観視位置520に観視者が存在する場合には表示画像におけるズレ量を小さくするので、当該観視者にも立体感が感じられる表示画像を提供することができる。
【0050】
このように、観視者判断部180は、予め定められた複数の観視位置のいずれに観視者が存在するかを判断する。制御部160は、観視者が複数の観視位置のいずれの観視位置に存在するかに応じて、ズレ量を異ならせて、右眼用画像と左眼用画像とを表示部140に表示させる。具体的には、制御部160は、表示画面の中央から表示画面に平行な方向によりずれた位置の観視位置に観視者が存在している場合に、ズレ量がより小さい右眼用画像と左眼用画像とを表示部140に表示させる。
【0051】
なお、制御部160は、観視位置500の他に、観視位置510および観視位置520の少なくとも一方に観視者が存在すると観視者判断部180により判断された場合には、表示画像のズレ量としてΔ2を決定してよい。例えば、制御部160は、複数の観視位置を識別する情報にそれぞれ対応づけてズレ量を記憶してよい。そして、複数の観視位置に観視者が存在する旨が観視者判断部180により判断された場合に、制御部160は、観視者が存在する旨が判断された複数の観視位置を識別する情報に対応づけて記憶しているズレ量のうち最小のズレ量を、右眼用画像および左眼用画像のズレ量として決定してよい。これにより、複数の観視者が異なる観視位置から表示装置10を観視している場合に、いずれの観視者にも立体的に認識できる立体的画像を提示することができる。
【0052】
図6は、表示画面の法線方向と視線方向とのなす角度の一例を示す。観視者判断部180は、観視位置500内の位置600に、観視者が存在していると判断したとする。視線方向検出部170は、位置600に存在する観視者の顔画像から、観視者の視線方向を特定する。
【0053】
そして、制御部160は、表示部140の表示面の法線方向と特定された視線方向とがなす角度αを算出する。表示画面の法線方向と視線方向とのなす角度αがより大きい場合に、より小さいズレ量を決定する。具体的には、制御部160は、複数の角度範囲に対応づけて異なるズレ量を予め記憶している。より具体的には、制御部160は、より大きい角度を含む角度範囲に対応づけて、より小さいズレ量を予め記憶している。そして、制御部160は、検出された角度αを含む角度範囲に対応づけて予め記憶しているズレ量を、表示画像におけるズレ量として決定する。なお、視線方向検出部170は、複数の観視者のそれぞれの視線方向を検出してよい。そして、制御部160は、表示部140の表示面の法線方向と各観視者の視線方向とがなす角度を観視者毎に算出してよい。制御部160は、表示部140の表示面の法線方向と各視線方向とがなす角度にそれぞれ対応する異なるズレ量が存在する場合に、それらのズレ量のうちの最小のズレ量を、表示画像のズレ量として決定してよい。
【0054】
また、制御部160は、複数の観視位置を識別する情報と、複数の角度範囲とに対応づけて、ズレ量を予め記憶していてもよい。そして、制御部160は、観視者が存在する旨が判断された観視位置を識別する情報と、表示部140の表示面の法線方向と当該観視者の視線方向とがなす角度を含む角度範囲とに対応づけて予め記憶しているズレ量を、表示画像におけるズレ量として決定してもよい。また、制御部160は、複数の観視者のそれぞれの観視位置と各視線方向のそれぞれに基づく角度範囲とに対応する異なるズレ量が存在する場合に、それらのズレ量のうちの最小のズレ量を、表示画像のズレ量として決定してもよい。
【0055】
図7は、表示装置10の動作例を示すフローチャートである。観視者判断部180は、観視者を検出して(S702)、観視者が所定の観視位置に存在するか否かを判断する(S704)。例えば、S704において、観視者判断部180は、図5に例示した観視位置500、観視位置510、および、観視位置520の少なくともいずれかの位置に、観視者が検出されたか否かを判断する。
【0056】
S704において、所定の観視位置に監視者が存在する旨が観視者判断部180により判断された場合に(YES)、視線方向検出部170は、観視者の視線方向を検出する(S706)。そして、制御部160は、表示部140の表示面の法線方向と観視者の視線方向とがなす角度に基づいて、右眼用画像と左眼用画像とのズレ量を決定する(S708)。そして、制御部160は、S708において決定したズレ量だけ2次元画像をずらした右眼用画像および左眼用画像を、画像生成部110に生成させる。そして、制御部160は、画像処理部120に、右眼用画像および左眼用画像から表示画像を生成させ、生成された表示画像を表示部140に表示させる(S710)。
【0057】
そして、制御部160は、画像表示を終了するか否かを判断する(S714)。例えば、制御部160は、全ての画像の提示が終了した場合に、画像表示を終了する旨を判断してよい。制御部160は、全ての画像の提示が終了していない場合に、次の画像の表示方法を決定すべく、S702の処理に移行する。
【0058】
S704において、所定の観視位置に監視者が存在しない旨が観視者判断部180により判断された場合に(NO)、制御部160は表示部140に2次元画像を表示させ(S712)、S714の処理に移行する。
【0059】
図8は、左眼用画像および右眼用画像における画像端部の処理例を示す。本図の処理例では、単一色の右端画像が付加された左眼用画像の一例、および、単一色の左端画像が付加された右眼用画像の一例を示す。画像処理部120は、一例として、左眼用画像の右側に、表示領域の右端から所定の範囲内に表示される単一色の右端画像を付加する。画像処理部120は、一例として、左眼用画像の右側に、表示領域の右端から所定の範囲内に表示される黒等の暗色または白等の明色の右端画像を付加する。画像処理部120は、一例として、元の2次元画像を左方向にずらした結果できる、表示領域内における左眼用画像の右側の空白部分に、黒等の暗色または白等の明色の右端画像を付加する。
【0060】
また、画像処理部120は、一例として、右眼用画像の左側に、表示領域の左端から所定の範囲内に表示される、黒等の暗色または白等の明色の左端画像を付加する。画像処理部120は、一例として、元の2次元画像を右方向にずらした結果できる、表示領域内における右眼用画像の左側の空白部分に、黒等の暗色または白等の明色の左端画像を付加する。
【0061】
画像処理部120は、このような右端画像および左端画像を付加することにより、表示領域における右端部および左端部において、枠を意識させるような表示をすることができる。これにより、画像処理部120は、窓枠から外の風景を見ているような自然な立体画像を観視者に提供することができる。
【0062】
また、画像処理部120は、一例として、右端画像が付加された左眼用画像における、左側および右側のそれぞれに、瞳孔間距離以上の幅の黒等の暗色または白等の明色の枠画像を更に付加する。同様に、画像処理部120は、一例として、左端画像が付加された右眼用画像における、右側および左側のそれぞれに、瞳孔間距離以上の幅の黒等の暗色または白等の明色の枠画像を更に付加する。これにより、画像処理部120は、表示画面内に明確な枠を表示することができる。
【0063】
図9は、画像端部の他の処理例として、右眼用画像の一部分をコピーした右端画像が付加された左眼用画像の一例、および、左眼用画像の一部分をコピーした左端画像が付加された右眼用画像の一例を示す。画像処理部120は、一例として、左眼用画像の右側に、右眼用画像における表示領域の右端から所定の範囲内に表示される部分を右端画像として付加する。画像処理部120は、一例として、右眼用画像における表示領域の右端から、左眼用画像の右端に対応する位置までの範囲内に表示される部分をコピーして、右端画像として左眼用画像の右側に付加する。
【0064】
また、画像処理部120は、一例として、右眼用画像の左側に、左眼用画像における表示領域の左端から所定の範囲内に表示される部分を左端画像として付加する。画像処理部120は、一例として、左眼用画像における表示領域の左端から、右眼用画像の左端に対応する位置までの範囲内に表示される部分をコピーして、左端画像として右眼用画像の左側に付加する。
【0065】
表示領域の右端部または左端部に注目している場合において輻輳が生起されると、右眼と左眼との間で見ているものが異なる視野闘争の問題が生じる。この場合、右眼に与えられる画像と左眼に与えられる画像とがかけ離れているほど、人間に与える不自然感は大きい。しかし、本例に係る画像処理部120は、表示領域の右端部または左端部において右眼および左眼に同一の画像を与える。従って、本例に係る画像処理部120は、表示領域の右端部または左端部において輻輳が生起された場合であっても、視野闘争を軽減して、不自然に感じない画像を提供することができる。なお、表示領域の中央部においては、両目融合の条件が保たれているので、端部と比較して輻輳が生起される可能性は低い。
【0066】
また、画像処理部120は、一例として、左眼用画像の右側に、右眼用画像における表示領域の右端から所定の範囲内に表示される部分をぼかした画像を右端画像として付加してもよい。また、画像処理部120は、一例として、右眼用画像の左側に、左眼用画像における表示領域の左端から所定の範囲内に表示される部分をぼかした画像を左端画像として付加してもよい。
【0067】
右眼および左眼にフォーカスレベルが異なる画像が与えられた場合、人間は、与えられる画像を立体的に感じる。従って、このような画像処理部120は、表示領域の右端部または左端部において輻輳が生起された場合、視野闘争を軽減するとともに、観視者に立体感を感じさせることができる。
【0068】
また、画像処理部120は、一例として、右端画像の色を、右眼用画像における、表示領域の右端から所定の範囲内に表示される部分の平均色としてもよい。さらに、これに加えてまたはこれに代えて、画像処理部120は、右端画像の輝度を、右眼用画像における、表示領域の右端から所定の範囲内に表示される部分の平均輝度としてもよい。また、画像処理部120は、一例として、左端画像の色を、左眼用画像における、表示領域の左端から所定の範囲内に表示される部分の平均色としてもよい。さらに、これに加えてまたはこれに代えて、画像処理部120は、左端画像の輝度を、左眼用画像における、表示領域の左端から所定の範囲内に表示される部分の平均輝度としてもよい。このような画像処理部120は、表示領域の右端部または左端部において輻輳が生起された場合、色合いまたは輝度の同じ画像を左眼と右眼に与えることができるので、視野闘争を軽減することができる。
【0069】
図10は、画像端部の更なる他の処理例として、右方向に拡大した左眼用画像の一例、および、左方向に拡大した右眼用画像の一例を示す。画像処理部120は、一例として、左眼用画像を右に拡大して左眼用画像および右端画像を含む画像を生成する。この場合において、画像処理部120は、左眼用画像を左右の端部に近いほど大きい拡大率で右へと拡大して左眼用画像および右端画像を含む画像を生成する。更に、この場合において、画像処理部120は、左眼用画像の所定位置(例えば中央位置)から左側の画像を拡大しなくてもよい。
【0070】
また、画像処理部120は、一例として、右眼用画像を左に拡大して右眼用画像および左端画像を含む画像を生成する。この場合において、画像処理部120は、右眼用画像を左右の端部に近いほど大きい拡大率で左へと拡大して右眼用画像および左端画像を含む画像を生成する。更に、この場合において、画像処理部120は、右眼用画像の所定位置(例えば中央位置)から右側の画像を拡大しなくてもよい。このような本例に係る画像処理部120は、端部において画像が連続した自然な画像を提供することができる。
【0071】
また、画像処理部120および画像処理部120は、右方向および左方向への拡大率に合わせて、左眼用画像および右眼用画像を上下に拡大してもよい。この場合、画像処理部120および画像処理部120は、上下に拡大した結果、左眼用画像および右眼用画像における表示領域外となった部分を削除する。
【0072】
また、画像処理部120は、一例として、左眼用画像の右側に、当該左眼用画像における表示領域の右端から所定の範囲内に表示される部分(例えば、右端から1列分または数列分の画素列)を、右方向に繰り返す画像を右端画像として付加してもよい。また、画像処理部120は、一例として、右眼用画像の左側に、当該右眼用画像における表示領域の左端から所定の範囲内に表示される部分(例えば、左端から1列分または数列分の画素列)を、左方向に繰り返す画像を左端画像として付加してもよい。このような画像処理部120は、端部において画像が連続した自然な画像を提供することができる。
【0073】
図11は、画像端部の更なる他の処理例として、左端部分を削除した左眼用画像の一例、および、右端部分を削除した右眼用画像の一例を示す。画像処理部120は、一例として、左眼用画像の右側に右端画像を付加することに代えて、右眼用画像の右側の所定の範囲を削除する。また、画像処理部120は、一例として、右眼用画像の左側に左端画像を付加することに代えて、左眼用画像の左側の所定の範囲を削除する。
【0074】
このような画像処理部120は、立体画像を提供することができない画像領域を無くした画像を表示することができる。ここで、表示部140は、表示領域中における画像が削除された部分から、暗色(例えば黒画像)等を出力する。従って、このような画像処理部120は、外枠を設けた場合と同様に、自然な立体画像を提供することができる。
【0075】
図12は、画像端部の更なる他の処理例として、2次元画像を拡大した後に、左眼用画像および右眼用画像を生成した場合の一例を示す。画像処理部120は、一例として、次のような処理を行ってもよい。
【0076】
まず、画像生成部110は、2次元画像を所定の距離分左右に拡大する。例えば、画像生成部110は、横幅が、表示領域の横幅と瞳孔間距離とを加算した距離となるように左右方向に拡大する。この場合において、画像生成部110は、2次元画像の上下方向についても、左右方向と同じ拡大率で拡大してもよい。
【0077】
続いて、画像生成部110は、拡大した2次元画像を表示領域内において所定の距離分左右にずらした左眼用画像および右眼用画像を生成する。画像生成部110は、一例として、左眼用画像を左側に瞳孔間距離の1/2の距離分ずらし、右眼用画像を右側に瞳孔間距離の1/2の距離分ずらす。
【0078】
続いて、画像処理部120は、左眼用画像の右側に右端画像を付加することに代えて、右眼用画像の右側の所定の距離の範囲を削除する。画像処理部120は、一例として、右眼用画像の右端から、瞳孔間距離分の範囲を削除する。
【0079】
また、画像処理部120は、右眼用画像の左側に左端画像を付加することに代えて、左眼用画像の左側の所定の距離の範囲を削除する。画像処理部120は、一例として、左眼用画像の左端から、瞳孔間距離分の範囲を削除する。
【0080】
このような画像処理部120は、立体画像を提供することができない画像領域を無くした画像を表示することができる。従って、このような画像処理部120は、自然な立体画像を提供することができる。なお、2次元画像を上下方向にも拡大した場合、画像処理部120は、左眼用画像および右眼用画像における、表示範囲の上下の境界を超える部分について削除してよい。
【0081】
図13は、他の実施形態に係るコンピュータ800のハードウェア構成の一例を示す。コンピュータ800は、与えられるプログラムに応じて、図1から図12に関連して説明した画像取得部100、画像生成部110、画像処理部120、表示部140、制御部160、視線方向検出部170、および、観視者判断部180として機能する。また、コンピュータ800は、バリア制御部320として更に機能してもよい。
【0082】
本実施形態に係るコンピュータ800は、ホスト・コントローラ2082により相互に接続されるCPU2000、RAM2020、グラフィック・コントローラ2075、及び表示装置2080を有するCPU周辺部と、入出力コントローラ2084によりホスト・コントローラ2082に接続される通信インターフェイス2030、ハードディスクドライブ2040、及びCD−ROMドライブ2060を有する入出力部と、入出力コントローラ2084に接続されるROM2010、フレキシブルディスク・ドライブ2050、及び入出力チップ2070を有するレガシー入出力部とを備える。
【0083】
ホスト・コントローラ2082は、RAM2020と、高い転送レートでRAM2020をアクセスするCPU2000及びグラフィック・コントローラ2075とを接続する。CPU2000は、ROM2010及びRAM2020に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。グラフィック・コントローラ2075は、CPU2000等がRAM2020内に設けたフレーム・バッファ上に生成する画像データを取得し、表示装置2080上に表示させる。これに代えて、グラフィック・コントローラ2075は、CPU2000等が生成する画像データを格納するフレーム・バッファを、内部に含んでもよい。
【0084】
入出力コントローラ2084は、ホスト・コントローラ2082と、比較的高速な入出力装置である通信インターフェイス2030、ハードディスクドライブ2040、CD−ROMドライブ2060を接続する。通信インターフェイス2030は、ネットワークを介して他の装置と通信する。ハードディスクドライブ2040は、コンピュータ800内のCPU2000が使用するプログラム及びデータを格納する。CD−ROMドライブ2060は、CD−ROM2095からプログラム又はデータを読み取り、RAM2020を介してハードディスクドライブ2040に提供する。
【0085】
また、入出力コントローラ2084には、ROM2010と、フレキシブルディスク・ドライブ2050、及び入出力チップ2070の比較的低速な入出力装置とが接続される。ROM2010は、コンピュータ800が起動時に実行するブート・プログラム、及び/又は、コンピュータ800のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。フレキシブルディスク・ドライブ2050は、フレキシブルディスク2090からプログラム又はデータを読み取り、RAM2020を介してハードディスクドライブ2040に提供する。入出力チップ2070は、フレキシブルディスク・ドライブ2050を入出力コントローラ2084へと接続すると共に、例えばパラレル・ポート、シリアル・ポート、キーボード・ポート、マウス・ポート等を介して各種の入出力装置を入出力コントローラ2084へと接続する。
【0086】
RAM2020を介してハードディスクドライブ2040に提供されるプログラムは、フレキシブルディスク2090、CD−ROM2095、又はICカード等の記録媒体に格納されて利用者によって提供される。プログラムは、記録媒体から読み出され、RAM2020を介してコンピュータ800内のハードディスクドライブ2040にインストールされ、CPU2000において実行される。
【0087】
コンピュータ800にインストールされ、コンピュータ800により実行されるプログラムは、CPU2000等に働きかけて、コンピュータ800を、画像取得部100、画像生成部110、画像処理部120、表示部140、制御部160、視線方向検出部170、および、観視者判断部180などとして機能させる。これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータ800に読込まれることにより、ソフトウェアと上述した各種のハードウェア資源とが協働した具体的手段である画像取得部100、画像生成部110、画像処理部120、表示部140、制御部160、視線方向検出部170、および、観視者判断部180などとして機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータ800の使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有の画像取得部100、画像生成部110、画像処理部120、表示部140、制御部160、視線方向検出部170、および、観視者判断部180などが構築される。
【0088】
一例として、コンピュータ800と外部の装置等との間で通信を行う場合には、CPU2000は、RAM2020上にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理内容に基づいて、通信インターフェイス2030に対して通信処理を指示する。通信インターフェイス2030は、CPU2000の制御を受けて、RAM2020、ハードディスクドライブ2040、フレキシブルディスク2090、又はCD−ROM2095等の記憶装置上に設けた送信バッファ領域等に記憶された送信データを読み出してネットワークへと送信し、もしくは、ネットワークから受信した受信データを記憶装置上に設けた受信バッファ領域等へと書き込む。このように、通信インターフェイス2030は、DMA(ダイレクト・メモリ・アクセス)方式により記憶装置との間で送受信データを転送してもよく、これに代えて、CPU2000が転送元の記憶装置又は通信インターフェイス2030からデータを読み出し、転送先の通信インターフェイス2030又は記憶装置へとデータを書き込むことにより送受信データを転送してもよい。
【0089】
また、CPU2000は、ハードディスクドライブ2040、CD−ROMドライブ2060(CD−ROM2095)、フレキシブルディスク・ドライブ2050(フレキシブルディスク2090)等の外部記憶装置に格納されたファイルまたはデータベース等の中から、全部または必要な部分をDMA転送等によりRAM2020へと読み込ませ、RAM2020上のデータに対して各種の処理を行う。そして、CPU2000は、処理を終えたデータを、DMA転送等により外部記憶装置へと書き戻す。このような処理において、RAM2020は、外部記憶装置の内容を一時的に保持するものとみなせるから、本実施形態においてはRAM2020および外部記憶装置等をメモリ、記憶部、または記憶装置等と総称する。本実施形態における各種のプログラム、データ、テーブル、データベース等の各種の情報は、このような記憶装置上に格納されて、情報処理の対象となる。なお、CPU2000は、RAM2020の一部をキャッシュメモリに保持し、キャッシュメモリ上で読み書きを行うこともできる。このような形態においても、キャッシュメモリはRAM2020の機能の一部を担うから、本実施形態においては、区別して示す場合を除き、キャッシュメモリもRAM2020、メモリ、及び/又は記憶装置に含まれるものとする。
【0090】
また、CPU2000は、RAM2020から読み出したデータに対して、プログラムの命令列により指定された、本実施形態中に記載した各種の演算、情報の加工、条件判断、情報の検索・置換等を含む各種の処理を行い、RAM2020へと書き戻す。例えば、CPU2000は、条件判断を行う場合においては、本実施形態において示した各種の変数が、他の変数または定数と比較して、大きい、小さい、以上、以下、等しい等の条件を満たすかどうかを判断し、条件が成立した場合(又は不成立であった場合)に、異なる命令列へと分岐し、またはサブルーチンを呼び出す。
【0091】
また、CPU2000は、記憶装置内のファイルまたはデータベース等に格納された情報を検索することができる。例えば、第1属性の属性値に対し第2属性の属性値がそれぞれ対応付けられた複数のエントリが記憶装置に格納されている場合において、CPU2000は、記憶装置に格納されている複数のエントリの中から第1属性の属性値が指定された条件と一致するエントリを検索し、そのエントリに格納されている第2属性の属性値を読み出すことにより、所定の条件を満たす第1属性に対応付けられた第2属性の属性値を得ることができる。
【0092】
以上に示したプログラム又はモジュールは、外部の記録媒体に格納されてもよい。記録媒体としては、フレキシブルディスク2090、CD−ROM2095の他に、DVD又はCD等の光学記録媒体、MO等の光磁気記録媒体、テープ媒体、ICカード等の半導体メモリ等を用いることができる。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステムに設けたハードディスク又はRAM等の記憶装置を記録媒体として使用し、ネットワークを介してプログラムをコンピュータ800に提供してもよい。
【0093】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0094】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0095】
10 表示装置、100 画像取得部、110 画像生成部、120 画像処理部、140 表示部、150 画像案内部、160 制御部、170 視線方向検出部、180 観視者判断部、310 バリア部、312 透過部、314 遮光部、320 バリア制御部、500 観視位置、510 観視位置、520 観視位置、600 位置、800 コンピュータ、2000 CPU、2010 ROM、2020 RAM、2030 通信インターフェイス、2040 ハードディスクドライブ、2050 フレキシブルディスク・ドライブ、2060 CD−ROMドライブ、2070 入出力チップ、2075 グラフィック・コントローラ、2080 表示装置、2082 ホスト・コントローラ、2084 入出力コントローラ、2090 フレキシブルディスク、2095 CD−ROM
【特許請求の範囲】
【請求項1】
観視者の右眼で視認されるべき右眼用画像、および観視者の左眼で視認されるべき左眼用画像を表示する表示部と、
前記表示部に対して予め定められた観視位置に観視者が存在するか否かを判断する観視者判断部と、
前記観視位置に観視者が存在するか否かによって、同一の前記右眼用画像と前記左眼用画像とを前記表示部に表示させるか、異なる前記右眼用画像と前記左眼用画像とを前記表示部に表示させるかを切り替える表示制御部と
を備える表示装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記観視位置に観視者が存在する場合、対応するオブジェクトの対応点が表示画面上の異なる位置に表示される前記右眼用画像と前記左眼用画像とを前記表示部に表示させる請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記観視者判断部は、予め定められた複数の前記観視位置のいずれに観視者が存在するかをさらに判断し、
前記表示制御部は、観視者が前記複数の観視位置のいずれの観視位置に存在するかに応じて、前記右眼用画像と前記左眼用画像とにおいて対応するオブジェクトの対応点の表示画面上における位置のズレ量を異ならせて、前記右眼用画像と前記左眼用画像とを前記表示部に表示させる請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記表示画面の中央から前記表示画面に平行な方向によりずれた位置の前記観視位置に観視者が存在している場合に、対応するオブジェクトの対応点の表示画面上における位置のズレ量がより小さい前記右眼用画像と前記左眼用画像とを前記表示部に表示させる請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
観視者の視線方向を検出する視線方向検出部
をさらに備え、
前記表示制御部は、表示画面の法線方向と前記視線方向とのなす角度がより大きい場合に、対応するオブジェクトの対応点の表示画面上における位置のズレ量がより小さい前記右眼用画像と前記左眼用画像とを前記表示部に表示させる請求項1から4のいずれかに記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示部の観視者側に設けられ、前記右眼用画像と前記左眼用画像とを異なる方向へ案内する画像案内部
をさらに備える請求項1から5のいずれかに記載の表示装置。
【請求項7】
前記画像案内部は、
複数のシャッタ素子が配置されたバリア部と、
前記複数のシャッタ素子に光を透過させるか否かを制御することにより、光を遮光する遮光部と光を透過する透過部とをストライプ状に交互に形成させるバリア制御部と
を有し、
前記表示制御部は、前記観視位置に観視者が存在しない場合、同一の前記右眼用画像および前記左眼用画像を提供する2次元画像を前記表示部に表示させ、前記観視位置に観視者が存在する場合、異なる前記右眼用画像および前記左眼用画像を前記遮光部および前記透過部の位置に対応させて前記表示部に表示させ、
前記バリア制御部は、前記観視位置に観視者が存在しない場合、ストライプ状の前記遮光部を形成させずに前記バリア部に前記2次元画像を透過させ、前記観視位置に観視者が存在する場合、ストライプ状の前記遮光部を形成させて異なる前記右眼用画像および前記左眼用画像をそれぞれ所定の方向に案内する請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記表示制御部は、前記右眼用画像がストライプ状に分割された複数の右眼用ストライプ画像と前記左眼用画像がストライプ状に分割された複数の左眼用ストライプ画像とを交互に配列して前記表示部に表示させ、
前記画像案内部は、
前記複数の右眼用ストライプ画像と前記複数の左眼用ストライプ画像とを異なる方向へ案内するレンズアレイ部
を有する請求項6に記載の表示装置。
【請求項9】
2次元画像を表示画面上において左右にずらした前記右眼用画像および前記左眼用画像を生成する画像生成部
をさらに備える請求項1から8のいずれかに記載の表示装置。
【請求項10】
観視者の右眼で視認されるべき右眼用画像、および観視者の左眼で視認されるべき左眼用画像を表示部に対して予め定められた観視位置に観視者が存在するか否かを判断する観視者判断段階と、
前記観視位置に観視者が存在するか否かによって、同一の前記右眼用画像と前記左眼用画像とを前記表示部に表示させるか、異なる前記右眼用画像と前記左眼用画像とを前記表示部に表示させるかを切り替える表示制御段階と
を備える表示方法。
【請求項11】
表示装置用のプログラムであって、コンピュータに、
観視者の右眼で視認されるべき右眼用画像、および観視者の左眼で視認されるべき左眼用画像を表示する表示部、
前記表示部に対して予め定められた観視位置に観視者が存在するか否かを判断する観視者判断部、
前記観視位置に観視者が存在するか否かによって、同一の前記右眼用画像と前記左眼用画像とを前記表示部に表示させるか、異なる前記右眼用画像と前記左眼用画像とを前記表示部に表示させるかを切り替える表示制御部
として機能させるプログラム。
【請求項1】
観視者の右眼で視認されるべき右眼用画像、および観視者の左眼で視認されるべき左眼用画像を表示する表示部と、
前記表示部に対して予め定められた観視位置に観視者が存在するか否かを判断する観視者判断部と、
前記観視位置に観視者が存在するか否かによって、同一の前記右眼用画像と前記左眼用画像とを前記表示部に表示させるか、異なる前記右眼用画像と前記左眼用画像とを前記表示部に表示させるかを切り替える表示制御部と
を備える表示装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記観視位置に観視者が存在する場合、対応するオブジェクトの対応点が表示画面上の異なる位置に表示される前記右眼用画像と前記左眼用画像とを前記表示部に表示させる請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記観視者判断部は、予め定められた複数の前記観視位置のいずれに観視者が存在するかをさらに判断し、
前記表示制御部は、観視者が前記複数の観視位置のいずれの観視位置に存在するかに応じて、前記右眼用画像と前記左眼用画像とにおいて対応するオブジェクトの対応点の表示画面上における位置のズレ量を異ならせて、前記右眼用画像と前記左眼用画像とを前記表示部に表示させる請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記表示画面の中央から前記表示画面に平行な方向によりずれた位置の前記観視位置に観視者が存在している場合に、対応するオブジェクトの対応点の表示画面上における位置のズレ量がより小さい前記右眼用画像と前記左眼用画像とを前記表示部に表示させる請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
観視者の視線方向を検出する視線方向検出部
をさらに備え、
前記表示制御部は、表示画面の法線方向と前記視線方向とのなす角度がより大きい場合に、対応するオブジェクトの対応点の表示画面上における位置のズレ量がより小さい前記右眼用画像と前記左眼用画像とを前記表示部に表示させる請求項1から4のいずれかに記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示部の観視者側に設けられ、前記右眼用画像と前記左眼用画像とを異なる方向へ案内する画像案内部
をさらに備える請求項1から5のいずれかに記載の表示装置。
【請求項7】
前記画像案内部は、
複数のシャッタ素子が配置されたバリア部と、
前記複数のシャッタ素子に光を透過させるか否かを制御することにより、光を遮光する遮光部と光を透過する透過部とをストライプ状に交互に形成させるバリア制御部と
を有し、
前記表示制御部は、前記観視位置に観視者が存在しない場合、同一の前記右眼用画像および前記左眼用画像を提供する2次元画像を前記表示部に表示させ、前記観視位置に観視者が存在する場合、異なる前記右眼用画像および前記左眼用画像を前記遮光部および前記透過部の位置に対応させて前記表示部に表示させ、
前記バリア制御部は、前記観視位置に観視者が存在しない場合、ストライプ状の前記遮光部を形成させずに前記バリア部に前記2次元画像を透過させ、前記観視位置に観視者が存在する場合、ストライプ状の前記遮光部を形成させて異なる前記右眼用画像および前記左眼用画像をそれぞれ所定の方向に案内する請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記表示制御部は、前記右眼用画像がストライプ状に分割された複数の右眼用ストライプ画像と前記左眼用画像がストライプ状に分割された複数の左眼用ストライプ画像とを交互に配列して前記表示部に表示させ、
前記画像案内部は、
前記複数の右眼用ストライプ画像と前記複数の左眼用ストライプ画像とを異なる方向へ案内するレンズアレイ部
を有する請求項6に記載の表示装置。
【請求項9】
2次元画像を表示画面上において左右にずらした前記右眼用画像および前記左眼用画像を生成する画像生成部
をさらに備える請求項1から8のいずれかに記載の表示装置。
【請求項10】
観視者の右眼で視認されるべき右眼用画像、および観視者の左眼で視認されるべき左眼用画像を表示部に対して予め定められた観視位置に観視者が存在するか否かを判断する観視者判断段階と、
前記観視位置に観視者が存在するか否かによって、同一の前記右眼用画像と前記左眼用画像とを前記表示部に表示させるか、異なる前記右眼用画像と前記左眼用画像とを前記表示部に表示させるかを切り替える表示制御段階と
を備える表示方法。
【請求項11】
表示装置用のプログラムであって、コンピュータに、
観視者の右眼で視認されるべき右眼用画像、および観視者の左眼で視認されるべき左眼用画像を表示する表示部、
前記表示部に対して予め定められた観視位置に観視者が存在するか否かを判断する観視者判断部、
前記観視位置に観視者が存在するか否かによって、同一の前記右眼用画像と前記左眼用画像とを前記表示部に表示させるか、異なる前記右眼用画像と前記左眼用画像とを前記表示部に表示させるかを切り替える表示制御部
として機能させるプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−64814(P2011−64814A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−213730(P2009−213730)
【出願日】平成21年9月15日(2009.9.15)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月15日(2009.9.15)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
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