表示装置および表示方法
【課題】 節電しながら最大限の広告効果を発揮することができる表示装置および表示方法を提供する。
【解決手段】 制御用PC10は、代表ディスプレイ20Aに表示画像を表示させ、実測された印加状態から画像ディスプレイ上画素点灯マップを生成させる。制御用PC10は、生成された画像ディスプレイ上画素点灯マップに基づいて、総点灯率によって表される予想消費電力を算出し、算出した予想消費電力に基づいて、画像を表示するディスプレイ20の数を決定する。画像を表示するディスプレイ20の数は、ディスプレイ20の総数に総点灯率を乗算した値の小数点以下を切り捨てた値で、その値が常時点灯ディスプレイ20Jの数未満となるときは、常時点灯ディスプレイ20Jの数である。制御用PC10は、決定した数のディスプレイ20に画像を表示して表示させる。
【解決手段】 制御用PC10は、代表ディスプレイ20Aに表示画像を表示させ、実測された印加状態から画像ディスプレイ上画素点灯マップを生成させる。制御用PC10は、生成された画像ディスプレイ上画素点灯マップに基づいて、総点灯率によって表される予想消費電力を算出し、算出した予想消費電力に基づいて、画像を表示するディスプレイ20の数を決定する。画像を表示するディスプレイ20の数は、ディスプレイ20の総数に総点灯率を乗算した値の小数点以下を切り捨てた値で、その値が常時点灯ディスプレイ20Jの数未満となるときは、常時点灯ディスプレイ20Jの数である。制御用PC10は、決定した数のディスプレイ20に画像を表示して表示させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、節電を行うことができる表示装置および表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術として、特許文献1に記載される表示制御装置がある。この表示制御装置は、節電モードで、表示オートオフ機能が無効指定されていると、ディスプレイユニットの複数の光源のうちの一部を消灯する。このように、ディスプレイ個別に節電技術が盛り込まれ、節電モードの設定状況に合わせて、光源、たとえばバックライトの一部消灯を行う技術が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−149173号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、バックライトの一部を消灯すると、消灯された部分のディスプレイの輝度やコントラスト比は低下する。ディスプレイの中には、たとえば、デジタルサイネージ等のように、外光下でも表示を視認することができることが必要条件であるディスプレイがある。上述した従来技術は、必ずしも、このようなディスプレイに適用することができるものではない。
【0005】
発光ダイオード(Light Emitting Diode:以下「LED」という)をバックライト光源に使用した液晶ディスプレイの中には、局所的に調光するローカルディミングの手法によって、表示するコンテンツの色調に応じてバックライトを一部消灯し、節電を行うディスプレイが存在する。しかし、LEDをバックライト光源に利用している場合であっても、全体的に明るい色調のコンテンツが継続する場合には、LEDを長時間に亘って点灯することになり、その節電効果は必ずしも大きくない。
【0006】
また、そもそも熱陰極管(Hot Cathode Fluorescent Tube:略称「HCFT」)あるいは冷陰極管(Cold Cathode Fluorescent Tube:略称「CCFT」)をバックライト光源とするディスプレイの場合には、本手法は用いることができない。
【0007】
本発明の目的は、節電しながら最大限の広告効果を発揮することができる表示装置および表示方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、画像を画面に表示する複数のディスプレイ装置と、
すべてのディスプレイ装置に同一の画像を表示させたときにすべてのディスプレイ装置で消費されると予想される予想消費電力を算出し、算出した予想消費電力に応じて、前記同一の画像を表示させるディスプレイ装置の数を決定し、決定した数のディスプレイ装置に前記同一の画像を送信して表示させる表示制御装置とを含むことを特徴とする表示装置である。
【0009】
また本発明は、前記複数のディスプレイ装置は、前記予想消費電力とは関係なく前記同一の画像を送信して表示させる予め定める数のディスプレイ装置を含み、前記表示制御装置は、前記予め定める数のディスプレイ装置を前記同一の画像を表示させるディスプレイ装置の決定した数に含めることを特徴とする。
【0010】
また本発明は、前記複数のディスプレイ装置は、それぞれの画面がすべて同一の方向に向けられ、画面に対して垂直方向に予め定める範囲内に設置され、
前記予め定める数のディスプレイ装置は、最も前に設置されているすべてのディスプレイ装置を含むことを特徴とする。
【0011】
また本発明は、前記予め定める数のディスプレイ装置は、前記複数のディスプレイ装置のうち、前記複数のディスプレイ装置を外囲する周辺上に設置されているすべてのディスプレイ装置を含むことを特徴とする。
【0012】
また本発明は、前記表示制御装置は、前記決定された数のディスプレイ装置を、前記複数のディスプレイ装置から、乱数を用いて選択すること特徴とする。
【0013】
また本発明は、前記表示制御装置は、前記複数のディスプレイ装置のうちの予め定める1台の代表ディスプレイ装置に、前記同一の画像を送信して表示させ、該代表ディスプレイ装置が前記同一の画像を表示しているときに消費している消費電力を表す消費電力情報を該代表ディスプレイ装置から受信し、受信した消費電力情報に基づいて、前記予想消費電力を算出することを特徴とする。
【0014】
また本発明は、各ディスプレイ装置の画面は、複数の画素を含み、
前記消費電力情報は、前記同一の画像を前記代表ディスプレイ装置に表示させているときに、該代表ディスプレイ装置の画面に含まれる複数の画素のうち駆動されている画素を表す情報であることを特徴とする。
【0015】
また本発明は、画像を画面に表示する複数のディスプレイ装置と、該複数のディスプレイ装置に同一の画像を送信して表示させる表示制御装置とを含む表示装置で実行される表示方法であって、
すべてのディスプレイ装置に同一の画像を表示させたときにすべてのディスプレイ装置で消費されると予想される予想消費電力を算出する算出ステップと、
算出ステップで算出された予想消費電力に応じて、前記同一の画像を表示させるディスプレイ装置の数を決定する決定ステップと、
決定ステップで決定された数のディスプレイ装置に前記同一の画像を送信して表示させる表示ステップとを含むことを特徴とする表示方法である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、複数のディスプレイ装置は、画像を画面に表示する。そして、表示制御装置は、すべてのディスプレイ装置に同一の画像を表示させたときにすべてのディスプレイ装置で消費されると予想される予想消費電力を算出し、算出した予想消費電力に応じて、前記同一の画像を表示させるディスプレイ装置の数を決定し、決定した数のディスプレイ装置に前記同一の画像を送信して表示させる。したがって、表示装置は、予想消費電力に応じて、画像を表示するディスプレイ装置の数を減少させて節電することができる。したがって、表示装置は、広告などの画像を表示する場合、節電しながら最大限の広告効果を発揮することができる。
【0017】
また本発明によれば、前記複数のディスプレイ装置は、前記予想消費電力とは関係なく前記同一の画像を送信して表示させる予め定める数のディスプレイ装置を含む。そして、前記表示制御装置は、前記予め定める数のディスプレイ装置を前記同一の画像を表示させるディスプレイ装置の決定した数に含める。したがって、表示装置は、予想消費電力が増加しても、少なくとも予め定める数のディスプレイ装置に画像を表示するので、画像が表示されなくなることを回避することができる。
【0018】
また本発明によれば、前記複数のディスプレイ装置は、それぞれの画面がすべて同一の方向に向けられ、画面に対して垂直方向に予め定める範囲内に設置され、前記予め定める数のディスプレイ装置は、最も前に設置されているすべてのディスプレイ装置を含む。したがって、表示装置は、視聴者の注意を引きやすい前側のディスプレイ装置に画像を表示する状態を維持ことができ、広告などの画像を表示する場合、広告効果の減少を最小限に抑えることができる。
【0019】
また本発明によれば、前記予め定める数のディスプレイ装置は、前記複数のディスプレイ装置のうち、前記複数のディスプレイ装置を外囲する周辺上に設置されているすべてのディスプレイ装置を含む。したがって、表示装置は、視聴者の注意を引きやすい周縁のディスプレイ装置に画像を表示する状態を維持ことができ、広告などの画像を表示する場合、広告効果の減少を最小限に抑えることができる。
【0020】
また本発明によれば、前記表示制御装置は、前記決定された数のディスプレイ装置を、前記複数のディスプレイ装置から、乱数を用いて選択する。したがって、表示装置は、画像を表示するディスプレイ装置が特定のディスプレイ装置に偏ることをなくし、各ディスプレイ装置の製品寿命を平均化することができる。
【0021】
また本発明によれば、前記表示制御装置は、前記複数のディスプレイ装置のうちの予め定める1台の代表ディスプレイ装置に、前記同一の画像を送信して表示させ、該代表ディスプレイ装置が前記同一の画像を表示しているときに消費している消費電力を表す消費電力情報を該代表ディスプレイ装置から受信し、受信した消費電力情報に基づいて、前記予想消費電力を算出する。したがって、表示装置は、1台の代表ディスプレイ装置での実測に基づいて予想消費電力を算出することができ、予想消費電力が大きいか否かを正確に判断することができる。
【0022】
また本発明によれば、各ディスプレイ装置の画面は、複数の画素を含む。そして、前記消費電力情報は、前記同一の画像を前記代表ディスプレイ装置に表示させているときに、該代表ディスプレイ装置の画面に含まれる複数の画素のうち駆動されている画素を表す情報である。したがって、表示装置は、駆動されている画素の数を集計するだけで、予想消費電力を算出することができ、予想消費電力の算出を簡単に行うことができる。
【0023】
また本発明によれば、画像を画面に表示する複数のディスプレイ装置と、該複数のディスプレイ装置に同一の画像を送信して表示させる表示制御装置とを含む表示装置で画像を表示するにあたって、算出ステップでは、すべてのディスプレイ装置に同一の画像を表示させたときにすべてのディスプレイ装置で消費されると予想される予想消費電力を算出する。決定ステップでは、算出ステップで算出された予想消費電力に応じて、前記同一の画像を表示させるディスプレイ装置の数を決定する。そして、表示ステップでは、決定ステップで決定された数のディスプレイ装置に前記同一の画像を送信して表示させる。したがって、表示装置は、予想消費電力に応じて、画像を表示するディスプレイ装置の数を減少させて節電することができる。したがって、表示装置は、広告などの画像を表示する場合、節電しながら最大限の広告効果を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施形態である表示システム1の構成を模式的に示す図である。
【図2】制御用PC10の構成を示すブロック図である。
【図3】代表ディスプレイ20Aの構成を示す図である。
【図4】一般ディスプレイ20Bの構成を示す図である。
【図5】画面を分割した領域を説明するための図である。
【図6】画面点灯率を説明するための図である。
【図7】画像の表示例を示す図である。
【図8】制御用PC10が実行する節電制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】代表ディスプレイ20Aが実行する初期処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】常時点灯ディスプレイ20Jが実行する常時点灯表示処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】随時点灯ディスプレイ20Kが実行する随時点灯表示処理の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、本発明の一実施形態である表示システム1の構成を模式的に示す図である。表示システム1は、たとえば、デジタルサイネージなどの電子看板に用いられる表示装置である。表示システム1は、1台の制御用パーソナルコンピュータ(Personal Computer:以下「PC」という)10、複数のディスプレイ20、およびネットワーク2を含んで構成される。制御用PC10と複数のディスプレイ20とは、ネットワーク2によって接続される。
【0026】
表示制御装置である制御用PC10は、すべてのディスプレイ20に同一の画像を表示させたときにすべてのディスプレイ20で消費されると予想される予想消費電力を算出し、算出した予想消費電力に基づいて、前記同一の画像を送信して表示させるディスプレイ20の数を決定し、決定した数のディスプレイ20に、ネットワーク2を介して、前記同一の画像を送信して表示させる。ディスプレイ20は、ディスプレイ装置である。
【0027】
また、制御用PC10は、ネットワーク2を介して、点灯リクエストをディスプレイ20に送信することによって、ディスプレイ20のバックライトあるいは画面を点灯させ、ネットワーク2を介して、消灯リクエストをディスプレイ20に送信することによって、ディスプレイ20のバックライトあるいは画面を消灯させる。ネットワーク2は、たとえばローカルエリアネットワーク(Local Area Network:以下「LAN」という)、あるいはワイドエリアネットワーク(Wide Area Network:以下「WAN」という)などのネットワークによって構成される。
【0028】
図2は、制御用PC10の構成を示すブロック図である。制御用PC10は、PC表示部11、PC入力部12、PC制御部13、PC通信制御部14、PC通信I/F部15およびPC記憶部16を含んで構成される。
【0029】
PC表示部11は、たとえば液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:以下「LCD」という)、プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel:以下「PDP」という)、あるいはエレクトロルミネセンス(Electro-Luminescence:以下「EL」という)などによって構成される。PC表示部11は、PC制御部13から受け取る情報を表示する。以下、PC表示部11がLCDによって構成される場合を中心に説明する。
【0030】
PC入力部12は、たとえばタッチパネル、キーボード(Keyboard:以下「KBD」という)、あるいはマウスなどの入力装置によって構成される。PC入力部12は、入力された情報をPC制御部13に送る。
【0031】
PC制御部13は、たとえば中央処理装置(Central Processing Unit:以下「CPU」という)によって構成され、PC記憶部16に記憶されるプログラムを実行することによって、PC表示部11、PC入力部12、およびPC通信制御部14を制御する。
【0032】
PC通信制御部14は、PC通信I/F部15およびネットワーク2を介して、ディスプレイ20と情報の送受信を行う通信装置である。PC通信制御部14は、PC制御部13から受け取る情報をディスプレイ20に送信し、ディスプレイ20から受信する情報をPC制御部13に送る。PC通信I/F部15は、有線通信であれば、ネットワーク2を形成するケーブルを接続するコネクタによって構成され、無線通信であれば、電波を送受信するアンテナ、もしくは光を送受信する光発光部および光受信部によって構成される。
【0033】
PC記憶部16は、たとえば半導体メモリあるいはハードディスク装置などの記憶装置によって構成される。PC記憶部16は、PC制御部13によって実行されるプログラム、およびPC制御部13がプログラムを実行するために必要な情報を記憶する。PC記憶部16に記憶される情報は、PC制御部13によって書き込みおよび読み出しが行われる。
【0034】
PC記憶部16は、設置枚数記憶部161、画面内領域数記憶部162、領域内構成画素数記憶部163、例外点灯枚数記憶部164、例外点灯ディスプレイ番号記憶部165、表示画像PC記憶部166および画像ディスプレイ上画素点灯マップPC記憶部167を含む。設置枚数記憶部161、画面内領域数記憶部162、領域内構成画素数記憶部163、例外点灯枚数記憶部164、例外点灯ディスプレイ番号記憶部165、表示画像PC記憶部166および画像ディスプレイ上画素点灯マップPC記憶部167は、それぞれPC記憶部16の記憶領域の一部である。
【0035】
設置枚数記憶部161は、設置枚数を記憶する。設置枚数は、表示システム1に含まれるディスプレイ20の数、すなわち、表示システム1として設置されているディスプレイ20の数を表す情報である。換言すると、設置枚数は、表示システム1に含まれるディスプレイ20の画面の枚数を表す情報である。
【0036】
画面内領域数記憶部162は、画面内領域数を記憶する。画面内領域数は、1つの画面を複数の領域に分割したときの領域の数を表す情報である。領域内構成画素数記憶部163は、領域内構成画素数を記憶する。領域内構成画素数は、1つの領域を構成する画素の数を表す情報である。
【0037】
例外点灯枚数記憶部164は、例外点灯枚数を記憶する。予め定める数である例外点灯枚数は、予想消費電力とは独立に、つまり、予想消費電力とは関係なく、必ず画像を表示するディスプレイ20の数を表す情報である。換言すると、例外的に必ず画像を表示して、点灯する画面の枚数を表す情報である。例外点灯ディスプレイ番号記憶部165は、例外点灯ディスプレイ番号を記憶する。例外点灯ディスプレイ番号は、予想消費電力とは独立に、つまり、予想消費電力とは関係なく、必ず画像を表示するディスプレイ20のディスプレイ番号である。ディスプレイ番号は、各ディスプレイ20を識別するための識別情報を表す情報であり、たとえば各ディスプレイ20に予め付与される番号によって表される。
【0038】
表示画像PC記憶部166は、表示画像を記憶する。表示画像は、ディスプレイ20に表示させる画像を表す情報である。画像ディスプレイ上画素点灯マップPC記憶部167は、画像ディスプレイ上画素点灯マップを記憶する。消費電力情報である画像ディスプレイ上画素点灯マップは、表示画像を後述する代表ディスプレイ20Aに表示させているときに、代表ディスプレイ20Aの画面に含まれる複数の画素の印加状態をマップにして表す情報である。換言すると、画像ディスプレイ上画素点灯マップは、代表ディスプレイ20Aが画像を表示しているときに消費している消費電力を表す情報である。印加状態は、複数の画素のそれぞれに電圧が印加されている状態であるのか、印加されていない状態であるのかを表す。以下、電圧が印加されていることを駆動されている、電圧が印加されていないことを駆動されていないともいう。
【0039】
図3は、代表ディスプレイ20Aの構成を示す図である。複数のディスプレイ20は、1台の代表ディスプレイ20Aと、代表ディスプレイ20Aを除く残余の一般ディスプレイ20Bとによって構成される。代表ディスプレイ装置である代表ディスプレイ20Aは、予想消費電力を算出するために、画像を表示したときの消費電力を実測するためのディスプレイ20である。
【0040】
制御用PC10は、画像を代表ディスプレイ20Aに送信して表示させる。代表ディスプレイ20Aは、その画像を表示しているときに消費している消費電力を実測し、実測した消費電力を表す消費電力情報を制御用PC10に送信する。制御用PC10は、消費電力情報に基づいて予想消費電力を算出する。
【0041】
代表ディスプレイ20Aは、ディスプレイ表示部21、ディスプレイ表示制御部22、ディスプレイ入力部23、ディスプレイ制御部24、ディスプレイ通信制御部25、ディスプレイ通信I/F部26およびディスプレイ記憶部27を含んで構成される。
【0042】
ディスプレイ表示部21は、たとえばLCD、PDP、あるいはELなどによって構成され、画像を表示する画面を有する。画面は、複数の画素によって構成される。ディスプレイ表示部21は、ディスプレイ表示制御部22から受け取る情報を表示する。
【0043】
ディスプレイ表示制御部22は、ディスプレイ表示部21を制御する。ディスプレイ表示制御部22は、ディスプレイ制御部24から受け取る情報をディスプレイ表示部21に送って表示させ、また、ディスプレイ制御部24からの指示によって、ディスプレイ表示部21のバックライトあるいは画面の点灯および消灯を制御する。さらに、ディスプレイ表示制御部22は、ディスプレイ表示部21から印加状態を表す印加状態情報を取得し、取得した印加状態情報をディスプレイ制御部24に送る。具体的には、たとえば、各画素が薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:以下「TFT」という)によって構成されている場合、各画素を駆動するLCDドライバは、どのTFTに電圧を印加するのか、どのTFTに電圧を印加しないのかという制御を行っている。ディスプレイ表示制御部22は、ディスプレイ表示部21に含まれるLCDドライバから印加状態情報を取得することができる。
【0044】
ディスプレイ入力部23は、たとえばタッチパネル、KBD、あるいはマウスなどの入力装置によって構成される。ディスプレイ入力部23は、入力された情報をディスプレイ制御部24に送る。ディスプレイ制御部24は、たとえばCPUによって構成され、ディスプレイ記憶部27に記憶されるプログラムを実行することによって、ディスプレイ表示制御部22、ディスプレイ入力部23、およびディスプレイ通信制御部25を制御する。
【0045】
ディスプレイ通信制御部25は、ディスプレイ通信I/F部26およびネットワーク2を介して、制御用PC10と情報の送受信を行う通信装置である。ディスプレイ通信制御部25は、ディスプレイ制御部24から受け取る情報を制御用PC10に送信し、制御用PC10から受信する情報をディスプレイ制御部24に送る。ディスプレイ通信I/F部26は、有線通信であれば、ネットワーク2を形成するケーブルを接続するコネクタによって構成され、無線通信であれば、電波を送受信するアンテナ、もしくは光を送受信する光発光部および光受信部によって構成される。
【0046】
ディスプレイ記憶部27は、たとえば半導体メモリあるいはハードディスク装置などの記憶装置によって構成される。ディスプレイ記憶部27は、ディスプレイ制御部24によって実行されるプログラム、およびディスプレイ制御部24がプログラムを実行するために必要な情報を記憶する。ディスプレイ記憶部27に記憶される情報は、ディスプレイ制御部24によって書き込みおよび読み出しが行われる。ディスプレイ記憶部27は、画像ディスプレイ上画素点灯マップディスプレイ記憶部171、TFT印加状態記憶部172、表示画像ディスプレイ記憶部173およびスケーラ174を含む。画像ディスプレイ上画素点灯マップディスプレイ記憶部171、TFT印加状態記憶部172、および表示画像ディスプレイ記憶部173は、それぞれディスプレイ記憶部27の記憶領域の一部である。
【0047】
画像ディスプレイ上画素点灯マップディスプレイ記憶部171は、画像ディスプレイ上画素点灯マップを記憶する。画像ディスプレイ上画素点灯マップは、画像ディスプレイ上画素点灯マップPC記憶部167に記憶される画像ディスプレイ上画素点灯マップと同じ情報である。
【0048】
TFT印加状態記憶部172は、TFT印加状態を記憶する。TFT印加状態は、TFTを制御するLCDドライバから取得した印加状態情報である。ディスプレイ制御部24は、TFT印加状態記憶部172に記憶されるTFT印加状態に基づいて、画像ディスプレイ上画素点灯マップを生成し、生成した画像ディスプレイ上画素点灯マップを画像ディスプレイ上画素点灯マップディスプレイ記憶部171に記憶する。表示画像ディスプレイ記憶部173は、表示画像を記憶する。表示画像は、ネットワーク2を介して、制御用PC10から、ディスプレイ通信制御部25によって受信した表示画像の情報である。
【0049】
スケーラ174は、制御用PC10から受信した表示画像を、代表ディスプレイ20Aの画面のサイズ(以下「画面サイズ」ともいう)に合わせて、拡大または縮小するためのプログラムである。たとえば、制御用PC10から受信した表示画像が、縦横16×9画素の画像であり、代表ディスプレイ20Aの画面サイズが縦横1920×1080画素であるとき、スケーラ174は、制御用PC10から受信した表示画像を、縦横とも120倍に拡大する。本実施形態では、スケーラ174をディスプレイ記憶部27に記憶されるプログラムによって実現しているが、制御用PC10から受信した表示画像を、代表ディスプレイ20Aの画面サイズに合わせて、拡大または縮小する機能を実装したハードウエアによって実現してもよい。
【0050】
図4は、一般ディスプレイ20Bの構成を示す図である。一般ディスプレイ20Bは、ディスプレイ表示部21、ディスプレイ表示制御部22、ディスプレイ入力部23、ディスプレイ制御部24、ディスプレイ通信制御部25、ディスプレイ通信I/F部26およびディスプレイ記憶部27を含んで構成される。
【0051】
ディスプレイ表示部21、ディスプレイ表示制御部22、ディスプレイ入力部23、ディスプレイ制御部24、ディスプレイ通信制御部25、ディスプレイ通信I/F部26およびディスプレイ記憶部27は、図3に示した代表ディスプレイ20Aのディスプレイ表示部21、ディスプレイ表示制御部22、ディスプレイ入力部23、ディスプレイ制御部24、ディスプレイ通信制御部25、ディスプレイ通信I/F部26およびディスプレイ記憶部27と同じ参照符を付して、以下相違する部分を中心に説明する。
【0052】
ディスプレイ表示制御部22は、ディスプレイ制御部24から受け取る情報をディスプレイ表示部21に送って表示させ、また、ディスプレイ制御部24からの指示によって、ディスプレイ表示部21のバックライトあるいは画面の点灯および消灯を制御する。
【0053】
ディスプレイ記憶部27は、たとえば半導体メモリあるいはハードディスク装置などの記憶装置によって構成される。ディスプレイ記憶部27は、ディスプレイ制御部24によって実行されるプログラム、およびディスプレイ制御部24がプログラムを実行するために必要な情報を記憶する。ディスプレイ記憶部27に記憶される情報は、ディスプレイ制御部24によって書き込みおよび読み出しが行われる。ディスプレイ記憶部27は、表示画像ディスプレイ記憶部173を含む。表示画像ディスプレイ記憶部173は、図3に示した代表ディスプレイ20Aの表示画像ディスプレイ記憶部173と同じであり、同じ参照符を付して説明は省略する。
【0054】
図5は、画面を分割した領域を説明するための図である。制御用PC10は、予想消費電力を算出するために、ディスプレイ表示部21の画面を複数の領域、たとえば10個の領域A〜Jに等分に分割する。領域の数(以下「領域数」という)は、構築する表示システム1のシステム構成に応じて決定される。領域数は、画面内領域数記憶部162に画面内領域数として記憶されている。
【0055】
図6は、画面点灯率を説明するための図である。図6(a)は、領域Aの画素を示している。ディスプレイ20の画面は、複数の画素から構成される。複数の画素は、複数の赤色(以下「R」という)の画素211、複数の緑色(以下「G」という)の画素212、および複数の青色(以下「B」という)の画素213を含んで構成される。隣接する1個のRの画素211、1個のGの画素212、および1個のBの画素213によって、1組の画素が形成される。1組の画素に含まれる各R,G,Bの画素211〜213にそれぞれ電圧を印加するか否かによって、1組のR,G,Bの画素211〜213によって表される色が変化する。
【0056】
ディスプレイ20の画面が、たとえば縦横1920×1080画素であるという場合、1920×1080組の画素からなるということである。したがって、R,G,Bの画素211〜213それぞれを1個とすると、ディスプレイ20の画面は、1920×1080×3個の画素から構成されることになる。各領域は、1920×1080×3÷10個の画素から構成される。以下、各領域を構成する画素の数を、領域内構成画素数という。この場合、領域内構成画素数は、622,080個である。領域内構成画素数は、領域内構成画素数記憶部163に記憶されている。
【0057】
制御用PC10は、表示画像PC記憶部166に記憶されている表示画像(以下「画像」ともいう)を読み出し、読み出した画像を代表ディスプレイ20Aに送信するとともに、画像ディスプレイ上画素点灯マップの作成リクエストを送信する。代表ディスプレイ20Aは、受信した画像を表示し、実測した印加状態に基づいて、画像ディスプレイ上画素点灯マップを生成し、生成した画像ディスプレイ上画素点灯マップを制御用PC10に送信する。制御用PC10は、受信した画像ディスプレイ上画素点灯マップを画像ディスプレイ上画素点灯マップPC記憶部167に記憶する。
【0058】
画像ディスプレイ上画素点灯マップは、各画素に電圧が印加されているか否かを各画素の座標ごとに表す情報である。画像ディスプレイ上画素点灯マップでは、各画素の座標を、ディスプレイ20の画面に向かって、画面の左上を原点とし、右方向をX軸の正方向、下方向をY軸の正方向とするXY座標で表し、Rの画素211の座標をR(X,Y)、Gの画素212の座標をG(X,Y)、Bの画素213の座標をB(X,Y)で表わし、画素に電圧を印加している状態を「1」、画素に電圧を印加していない状態を「0」とする。
【0059】
たとえば、代表ディスプレイ20Aが、座標(0,0)のRの画素211に電圧を印加している状態であり、Gの画素212に電圧を印加していない状態であり、Bの画素213に電圧を印加していない状態であり、座標(1,0)のRの画素211に電圧を印加している状態であり、Gの画素212に電圧を印加している状態であり、Bの画素213に電圧を印加している状態・・・、であるとき、画像ディスプレイ上画素点灯マップでは、R(0,0)=1、G(0,0)=0、B(0,0)=0、R(1,0)=1、G(1,0)=1、B(1,0)=1、・・・と表わされる。
【0060】
デジタルサイネージ用のディスプレイ20は、通常ノーマリブラックである。すなわち、すべての画素に電圧が印加されているとき、白表示であり、すべての画素に電圧が印加されていないとき、黒表示である。ディスプレイ20がLCDによって構成される場合を例にして説明しているが、RGBの画素を持つPDPや、アクティブマトリクス駆動の有機ELでも同様の方式を使用することが可能である。
【0061】
次に、制御用PC10は受信した画像ディスプレイ上画素点灯マップに基づいて、領域A〜Jごとに、領域内点灯比率を算出する。領域内点灯比率は、領域A〜J内でどの程度の画素が点灯しているかを示す比率であり、領域内点灯画素数を領域内構成画素数で除算した値で表される。領域内点灯画素数は、各領域A〜Jで電圧が印加されている画素の数である。制御用PC10は、受信した画像ディスプレイ上画素点灯マップから、領域A〜Jごとに、電圧が印加されている画素の数を集計し、集計した数を領域内点灯画素数とする。たとえば、真っ白な画像を表示する場合、R,G,Bのすべての画素211〜213を点灯するので、領域内点灯比率は「1.0」となる。続いて、制御用PC10は、各領域A〜Jの領域内点灯比率に基づいて、画面点灯率を算出する。
【0062】
図6(b)は、各領域A〜Jの領域内点灯比率(図では、「点灯比率」という)を示す図である。画面点灯率は、画面全体の画素がどの程度点灯しているかを示す比率であり、各領域A〜Jの領域内点灯比率の合計を、画面内領域数で除算した値である。画面内領域数は、画面を分割した領域の数であり、画面内領域数記憶部162に記憶されている。真っ白な画像を表示する場合、図6(b)に示すように、領域A〜Jのいずれの領域の領域内点灯比率も「1.0」である。したがって、この場合、画面点灯率は、「1.0」となる。
【0063】
次に、制御用PC10は、総点灯率を算出する。総点灯率は、各ディスプレイ20の画面点灯率をそれぞれ「1」から減算した値の総和を、設置枚数で除算した値である。本実施形態では、各ディスプレイ20の画面点灯率は、代表ディスプレイ20Aの画面点灯率と同じであるので、総点灯率は、「1」から代表ディスプレイ20Aの画面点灯率を減算した値である。
【0064】
さらに、制御用PC10は、予想消費電力に基づいて、画像を送信して表示させるディスプレイ20の数を決定する。本実施形態では、総点灯率によって予想消費電力を表す。換言すると、制御用PC10は、総点灯率に基づいて、画像を送信して表示させるディスプレイ20の数を決定する。
【0065】
表示システム1では、常時、画像を表示するディスプレイ20を、常時点灯ディスプレイ20Jとして、予め定めている。具体的には、常時点灯ディスプレイ20Jは、例外点灯ディスプレイ番号記憶部165に記憶される例外点灯ディスプレイ番号で識別されるディスプレイ20である。随時点灯ディスプレイ20Kは、常時点灯ディスプレイ20Jを除く残余のディスプレイ20である。また、常時点灯ディスプレイ20Jの数は、例外点灯枚数記憶部164に、例外点灯枚数として記憶されている。
【0066】
常時点灯ディスプレイ20Jは、たとえばそれぞれの画面がすべて同一の方向に向けられ、画面に向かって前後方向に予め定める範囲内に設置される場合、最も前に設置されているディスプレイ20とされる。予め定める範囲は、システム構成に応じて決定される範囲である。また、常時点灯ディスプレイ20Jは、たとえばすべてのディスプレイ20のうち、すべてのディスプレイ20を外囲する周辺上に設置されているディスプレイ20とされる。
【0067】
常時点灯ディスプレイ20Jを除いて、画像を送信して表示させるディスプレイ20の数は、ディスプレイ20の総数に総点灯率を乗算した値から、常時点灯ディスプレイ20Jの数を減算した値が0以上の場合は、前記減算した値の小数点以下の値を切捨てた値であり、前記減算した値が0未満のときは、「0」である。本実施形態では、小数点以下の値を切捨てているが、四捨五入してもよいし、切り上げてもよい。
【0068】
たとえば、ディスプレイ20の総数が「20」であり、常時点灯ディスプレイ20Jの数が「2」であるとき、総点灯率が「1」の場合は、常時点灯ディスプレイ20Jを除いて、画像を表示させるディスプレイ20の数は、20×1−2=18台である。また、総点灯率が「0」の場合は、20×0−2=−2となるので、常時点灯ディスプレイ20Jを除いて、画像を表示させるディスプレイ20の数は、0台である。
【0069】
制御用PC10は、常時点灯ディスプレイ20J以外に画像を送信して表示させるディスプレイ20が1台以上ある場合、その1台以上のディスプレイ20を、常時点灯ディスプレイ20J以外のどのディスプレイ20にするかを、予め定めるアルゴリズムに基づいて選択する。予め定めるアルゴリズムは、たとえば乱数を用いて、ランダムに選択するというアルゴリズムである。
【0070】
図7は、画像の表示例を示す図である。図7に示した例では、ディスプレイ総数が6台で、常時点灯ディスプレイ20Jの数が「1」の場合を示している。図7(a)は、負荷が軽い場合、つまり消費電力が少ない場合の例であり、6台のディスプレイ20a〜20fに画像が表示されている。
【0071】
図7(b)は、負荷が中ぐらいの場合、つまり消費電力の大きさが中ぐらい場合の例であり、3台のディスプレイ20a,20c,20eに画像が表示され、残りの3台のディスプレイ20b,20d,20fには画像が表示されていない。図7(c)は、負荷が重い場合、つまり消費電力が大きい場合の例であり、1台のディスプレイ20にのみ画像が表示され、残りの5台のディスプレイ20b〜20fには画像が表示されていない。
【0072】
図8は、制御用PC10が実行する節電制御処理の処理手順を示すフローチャートである。PC制御部13は、ディスプレイ20に新たな画像を表示させるときに、ステップA1に移る。
【0073】
ステップA1では、PC制御部13は、ディスプレイ基本情報をPC記憶部16から読み込む。ディスプレイ基本情報は、ディスプレイ設置枚数、つまり設置枚数、画面内領域数、領域内構成画素数、常時点灯枚数、つまり例外点灯枚数、および常時点灯ディスプレイ番号、つまり例外点灯ディスプレイ番号を含む。PC制御部13は、設置枚数を設置枚数記憶部161から読み込む。PC制御部13は、画面内領域数を画面内領域数記憶部162から読み込む。PC制御部13は、領域内構成画素数を領域内構成画素数記憶部163から読み込む。PC制御部13は、例外点灯枚数を例外点灯枚数記憶部164から読み込む。PC制御部13は、例外点灯ディスプレイ番号を例外点灯ディスプレイ番号記憶部165から読み込む。
【0074】
ステップA2では、PC制御部13は、表示画像を表示画像PC記憶部166から読み込む。ステップA3では、PC制御部13は、代表ディスプレイ20Aに画像ディスプレイ上画素点灯マップ(以下「マップ」ともいう)の作成リクエストを、PC通信制御部14によって代表ディスプレイ20Aに送信する。ステップA4では、PC制御部13は、マップ作成用に、表示用画像を、PC通信制御部14によって代表ディスプレイ20Aに送信する。具体的には、PC制御部13は、表示画像PC記憶部166から読み込んだ表示画像を、表示用画像として、PC通信制御部14によって代表ディスプレイ20Aに送信する。
【0075】
ステップA5では、PC制御部13は、マップを受信したが否かを判定する。PC制御部13は、PC通信制御部14が代表ディスプレイ20Aからマップを受信すると、マップを受信したと判定し、ステップA6に進み、PC通信制御部14が代表ディスプレイ20Aからマップを受信しないと、マップを受信しなかったと判定し、ステップA5に戻る。
【0076】
ステップA6では、PC制御部13は、1つの領域について領域内点灯比率を計算する。ステップA7では、PC制御部13は、全領域について領域内点灯比率の計算が完了したか否かを判定する。PC制御部13は、全領域について領域内点灯比率の計算が完了したとき、ステップA8に進み、全領域について領域内点灯比率の計算が完了しなかったとき、ステップA17に進む。
【0077】
ステップA8では、PC制御部13は、画面点灯率を計算する。ステップA9では、PC制御部13は、総点灯率を計算する。ステップA10では、PC制御部13は、表示画像を常時点灯ディスプレイ20Jに送信する。具体的には、PC制御部13は、表示画像PC記憶部166から読み込んだ表示画像を、PC通信制御部14によって常時点灯ディスプレイ20Jに送信する。
【0078】
ステップA11では、PC制御部13は、「設置ディスプレイ枚数×総点灯率−常時点灯設定」が「1」以上であるか否かを判定する。設置ディスプレイ枚数は、設置枚数記憶部161から読み込んだ設置枚数のことである。常時点灯設定は、例外点灯枚数記憶部164から読み込んだ例外点灯枚数のことである。PC制御部13は、「設置ディスプレイ枚数×総点灯率−常時点灯設定」が「1」以上であるとき、ステップA12に進み、「設置ディスプレイ枚数×総点灯率−常時点灯設定」が「1」未満であるとき、節電制御処理を終了する。
【0079】
ステップA12では、PC制御部13は、点灯ディスプレイ番号を選択する。具体的には、PC制御部13は、「設置ディスプレイ枚数×総点灯率−常時点灯設定」の値の小数点以下を切り捨てた値を選択ディスプレイ数とする。そして、PC制御部13は、随時点灯ディスプレイ20Kのディスプレイ番号の中から、選択ディスプレイ数のディスプレイ番号を、乱数を用いて、ランダムに選択する。
【0080】
ステップA13では、PC制御部13は、選択したディスプレイ番号のディスプレイ20に、表示画像PC記憶部166から読み込んだ表示画像を、PC通信制御部14によって送信する。ステップA14では、PC制御部13は、選択したディスプレイ番号の全ディスプレイ20に、表示画像を送信完了したか否かを判定する。PC制御部13は、選択したディスプレイ番号の全ディスプレイ20への表示画像の送信を完了したとき、ステップA15に進み、選択したディスプレイ番号の全ディスプレイ20への表示画像の送信を完了しなかったとき、ステップA12に戻る。
【0081】
ステップA15では、PC制御部13は、対象の1台のディスプレイ20に点灯リクエストまたは消灯リクエストを送信する。送信対象のディスプレイ装置が、常時点灯ディスプレイ20JまたはステップA12で選択されたディスプレイ20の場合は、点灯リクエストを送信し、送信対象のディスプレイ装置が、常時点灯ディスプレイ20JまたはステップA12で選択されたディスプレイ20を除く残余のディスプレイ20の場合は、消灯リクエストを送信する。
【0082】
ステップA16では、PC制御部13は、全ディスプレイ20に点灯リクエストまたは消灯リクエストを送信完了したか否かを判定する。PC制御部13は、設置枚数記憶部161に記憶される設置枚数の全ディスプレイ20に点灯リクエストまたは消灯リクエストを送信完了したとき、節電制御処理を終了し、設置枚数記憶部161に記憶される設置枚数の全ディスプレイ20に点灯リクエストまたは消灯リクエストを送信完了しなかったとき、たとえば次のディスプレイ番号のディスプレイ20を対象のディスプレイ20として、ステップA15に戻る。
【0083】
ステップA17では、PC制御部13は、領域内点灯比率を計算する領域を、次の領域に進めて、ステップA6に戻る。たとえば、ステップA6で、最初に領域内点灯比率を計算した領域が領域Aである場合、領域内点灯比率を計算する領域を、次の領域Bとして、ステップA6に戻り、以後、ステップA17にくるごとに、順次領域C、領域D、・・・と進める。
【0084】
ステップA3〜A9,A17は、算出ステップである。ステップA11は、決定ステップである。ステップA10,A12〜A16は、表示ステップである。
【0085】
図9は、代表ディスプレイ20Aが実行する初期処理の処理手順を示すフローチャートである。図9に示した初期処理の処理手順を示すフローチャートは、代表ディスプレイ20Aのディスプレイ制御部24によって実行される。代表ディスプレイ20Aのディスプレイ制御部24は、代表ディスプレイ20Aの電源が投入され、動作可能状態になるとステップB1に移る。
【0086】
ステップB1では、ディスプレイ制御部24は、画像ディスプレイ上画素点灯マップの作成リクエストを受信したか否かを判定する。ディスプレイ制御部24は、制御用PC10から、画像ディスプレイ上画素点灯マップの作成リクエストを、ディスプレイ通信制御部25によって受信したとき、ステップB2に進み、制御用PC10から、画像ディスプレイ上画素点灯マップの作成リクエストを、ディスプレイ通信制御部25によって受信しなかったとき、ステップB1に戻る。
【0087】
ステップB2では、ディスプレイ制御部24は、マップ作成用画像、つまり図8に示したフローチャートのステップA4で送信された表示画像を受信したか否かを判定する。ディスプレイ制御部24は、マップ作成用画像を、ディスプレイ通信制御部25によって受信したとき、ステップB3に進み、マップ作成用画像を、ディスプレイ通信制御部25によって受信しなかったとき、ステップB2に戻る。
【0088】
ステップB3では、ディスプレイ制御部24は、受信したマップ作成用画像(図では「画像」という)を、スケーラ174で、画面サイズに合わせる。すなわち、ディスプレイ制御部24は、受信したマップ作成用画像を、スケーラ174によって、画面サイズに合わせて、拡大または縮小する。
【0089】
ステップB4では、ディスプレイ制御部24は、画面サイズに合わせたマップ作成用画像を、ディスプレイ20上に表示し、TFTへの印加状態をマップとして記録する。具体的には、ディスプレイ制御部24は、画面サイズに合わせたマップ作成用画像を、ディスプレイ表示制御部22によってディスプレイ表示部21の画面上に表示し、ディスプレイ表示制御部22によってディスプレイ表示部21から印加状態情報を取得し、取得した印加状態情報が示す印加状態に基づいて、画像ディスプレイ上画素点灯マップを生成し、生成した画像ディスプレイ上画素点灯マップを、画像ディスプレイ上画素点灯マップPC記憶部167に記憶する。ディスプレイ20がPDPによって構成される場合は、印加状態の代わりに、各セルの放電状態を用いる。
【0090】
ステップB5では、ディスプレイ制御部24は、画像ディスプレイ上画素点灯マップを、ディスプレイ通信制御部25によって制御用PC10に送信して、初期処理を終了する。ディスプレイ制御部24は、初期処理を終了した後、代表ディスプレイ20Aが常時点灯ディスプレイ20Jの場合、図10に示すステップC1に移り、代表ディスプレイ20Aが図9に示した節電制御処理の処理手順のフローチャートのステップA12で選択された随時点灯ディスプレイ20Kの場合、図11に示すステップD1に移る。
【0091】
図10は、常時点灯ディスプレイ20Jが実行する常時点灯表示処理の処理手順を示すフローチャートである。図11示したフローチャートは、常時点灯ディスプレイ20Jのディスプレイ制御部24によって実行される。代表ディスプレイ20Aでない常時点灯ディスプレイ20Jのディスプレイ制御部24は、該常時点灯ディスプレイ20Jの電源が投入され、動作可能状態になるとステップC1に移る。
【0092】
ステップC1では、ディスプレイ制御部24は、表示画像を受信したか否かを判定する。ディスプレイ制御部24は、図8のステップA13で制御用PC10が送信した表示画像を、ディスプレイ通信制御部25が受信したとき、ステップC2に進み、図8のステップA13で制御用PC10が送信した表示画像を、ディスプレイ通信制御部25が受信しなかったとき、ステップC1に戻る。
【0093】
ステップC2では、ディスプレイ制御部24は、画面表示をクリアする。すなわち、ディスプレイ制御部24は、現在表示している表示画像の表示を停止する。表示画像の表示の停止は、たとえば、それまで表示していた画像の表示を止めて、代わりに、予め定める無表示を表す画像、たとえば白色、灰色、もしくは黒色などのモノトーンの画像を表示することである。ステップC3では、ディスプレイ制御部24は、ステップC1で受信した表示画像を、ディスプレイ表示制御部22によってディスプレイ表示部21に表示して、ステップC1に戻る。
【0094】
図11は、随時点灯ディスプレイ20Kが実行する随時点灯表示処理の処理手順を示すフローチャートである。図11示したフローチャートは、図9に示した節電制御処理の処理手順のフローチャートのステップA12で選択された随時点灯ディスプレイ20Kのディスプレイ制御部24によって実行される。代表ディスプレイ20Aでない、選択された随時点灯ディスプレイ20Kは、該随時点灯ディスプレイ20Kの電源が投入され、動作可能状態になるとステップD1に移る。
【0095】
ステップD1では、ディスプレイ制御部24は、表示画像を受信したか否かを判定する。ディスプレイ制御部24は、図8のステップA13で制御用PC10が送信した表示画像を、ディスプレイ通信制御部25が受信したとき、ステップD2に進み、図8のステップA13で制御用PC10が送信した表示画像を、ディスプレイ通信制御部25が受信しなかったとき、ステップD1に戻る。
【0096】
ステップD2では、ディスプレイ制御部24は、点灯リクエストまたは消灯リクエストを受信したか否かを判定する。ディスプレイ制御部24は、制御用PC10から、ディスプレイ通信制御部25が、点灯リクエストまたは消灯リクエストを受信したとき、ステップC3に進み、点灯リクエストまたは消灯リクエストを受信しなかったとき、ステップC2に戻る。
【0097】
ステップD3では、ディスプレイ制御部24は、点灯リクエストであるか否かを判定する。ディスプレイ制御部24は、ステップD2で点灯リクエストを受信したとき、ステップD4に進み、ステップD2で消灯リクエストを受信したとき、ステップD7に進む。
【0098】
ステップD4では、ディスプレイ制御部24は、ディスプレイ表示制御部22によって、ディスプレイ表示部21のバックライトを点灯する。ディスプレイ制御部24は、ディスプレイ20がLCDの代わりに、PDPによって構成される場合は、セル内での放電を実施することによって画面の点灯を行い、また、ディスプレイ20がLCDの代わりに、アクティブマトリクス駆動の有機Elの場合は、画面上のTFTへの通電を実施することによって画面の点灯を行う。
【0099】
ステップD5では、ディスプレイ制御部24は、画面表示をクリアする。ステップD6では、ディスプレイ制御部24は、ステップD1で受信した表示画像を、ディスプレイ表示制御部22によってディスプレイ表示部21に表示して、ステップD1に戻る。
【0100】
ステップD7では、ディスプレイ制御部24は、ディスプレイ表示制御部22によって、ディスプレイ表示部21のバックライトを消灯して、ステップD1に戻る。ディスプレイ制御部24は、ディスプレイ20がLCDの代わりに、PDPによって構成される場合は、セル内での放電を停止することによって画面の消灯を行い、また、ディスプレイ20がLCDの代わりに、アクティブマトリクス駆動の有機ELの場合は、画面上のTFTへの通電を停止することによって画面の消灯を行う。
【0101】
上述した本実施形態では、制御用PC10は、マップの作成を代表ディスプレイ20Aに行わせているが、代表ディスプレイ20Aに限定されるものではなく、代表ディスプレイ20Aを定めることなく、すべてのディスプレイ20の中からランダムに選択したディスプレイにマップの作成を行わせてもよい。
【0102】
また、上述した本実施形態では、制御用PC10は、画素を駆動する消費電力に応じて、画像を表示するディスプレイ20の台数を制御しているが、画素を駆動する消費電力に限定されるものではなく、画素を駆動する消費電力を、LEDバックライトを駆動する消費電力に置き換えることも可能であり、また、画素の駆動とLEDバックライトの駆動との両方の消費電力の加算であってもよい。
【0103】
このように、複数のディスプレイ20は、画像を画面に表示する。そして、制御用PC10は、すべてのディスプレイ20に同一の画像を表示させたときにすべてのディスプレイ20で消費されると予想される予想消費電力を算出し、算出した予想消費電力に応じて、前記同一の画像を表示させるディスプレイ20の数を決定し、決定した数のディスプレイ20に前記同一の画像を送信して表示させる。したがって、表示システム1は、予想消費電力に応じて、画像を表示するディスプレイ20の数を減少させて節電することができる。したがって、表示システム1は、広告などの画像を表示する場合、節電しながら最大限の広告効果を発揮することができる。
【0104】
さらに、複数のディスプレイ20は、前記予想消費電力とは関係なく前記同一の画像を送信して表示させる予め定める数のディスプレイ20を含む。そして、制御用PC10は、前記予め定める数のディスプレイ20を前記同一の画像を表示させるディスプレイ20の決定した数に含める。したがって、表示システム1は、予想消費電力が増加しても、少なくとも予め定める数のディスプレイ20に画像を表示するので、画像が表示されなくなることを回避することができる。
【0105】
さらに、複数のディスプレイ20は、それぞれの画面がすべて同一の方向に向けられ、画面に対して垂直方向に予め定める範囲内に設置され、前記予め定める数のディスプレイ20は、最も前に設置されているすべてのディスプレイ20を含む。したがって、表示システム1は、視聴者の注意を引きやすい前側のディスプレイ20に画像を表示する状態を維持ことができ、広告などの画像を表示する場合、広告効果の減少を最小限に抑えることができる。
【0106】
さらに、前記予め定める数のディスプレイ20は、複数のディスプレイ20のうち、複数のディスプレイ20を外囲する周辺上に設置されているすべてのディスプレイ20を含む。したがって、表示システム1は、視聴者の注意を引きやすい周縁のディスプレイ20に画像を表示する状態を維持ことができ、広告などの画像を表示する場合、広告効果の減少を最小限に抑えることができる。
【0107】
さらに、制御用PC10は、前記決定された数のディスプレイ20を、複数のディスプレイ20から、乱数を用いて選択する。したがって、表示システム1は、画像を表示するディスプレイ20が特定のディスプレイ20に偏ることをなくし、各ディスプレイ20の製品寿命を平均化することができる。
【0108】
さらに、制御用PC10は、複数のディスプレイ20のうちの予め定める1台の代表ディスプレイ20Aに、前記同一の画像を送信して表示させ、代表ディスプレイ20Aが前記同一の画像を表示しているときに消費している消費電力を表す画像ディスプレイ上画素点灯マップを代表ディスプレイ20Aから受信し、受信した画像ディスプレイ上画素点灯マップに基づいて、前記予想消費電力を算出する。したがって、表示システム1は、1台の代表ディスプレイ20Aでの実測に基づいて予想消費電力を算出することができ、予想消費電力が大きいか否かを正確に判断することができる。
【0109】
さらに、各ディスプレイ20の画面は、複数の画素を含む。そして、画像ディスプレイ上画素点灯マップは、前記同一の画像を代表ディスプレイ20Aに表示させているときに、代表ディスプレイ20Aの画面に含まれる複数の画素のうち駆動されている画素を表す情報である。したがって、表示システム1は、駆動されている画素の数を集計するだけで、予想消費電力を算出することができ、予想消費電力の算出を簡単に行うことができる。
【0110】
さらに、画像を画面に表示する複数のディスプレイ20と、該複数のディスプレイ20に同一の画像を送信して表示させる制御用PC10とを含む表示システム1で画像を表示するにあたって、図8に示したフローチャートにおいて、ステップA3〜A9,A17では、すべてのディスプレイ20に同一の画像を表示させたときにすべてのディスプレイ20で消費されると予想される予想消費電力を算出する。ステップA11では、ステップA3〜A9,A17で算出された予想消費電力に応じて、前記同一の画像を表示させるディスプレイ20の数を決定する。そして、ステップA10,A12〜A16では、ステップA11で決定された数のディスプレイ20に前記同一の画像を送信して表示させる。したがって、表示システム1は、予想消費電力に応じて、画像を表示するディスプレイ20の数を減少させて節電することができる。したがって、表示システム1は、広告などの画像を表示する場合、節電しながら最大限の広告効果を発揮することができる。
【符号の説明】
【0111】
1 表示システム
2 ネットワーク
10 制御用PC
11 PC表示部
12 PC入力部
13 PC制御部
14 PC通信制御部
15 PC通信I/F部
16 PC記憶部
20 ディスプレイ
20A 代表ディスプレイ
20J 常時点灯ディスプレイ
20K 随時点灯ディスプレイ
21 ディスプレイ表示部
22 ディスプレイ表示制御部
23 ディスプレイ入力部
24 ディスプレイ制御部
25 ディスプレイ通信制御部
26 ディスプレイ通信I/F部
27 ディスプレイ記憶部
161 設置枚数記憶部
162 画面内領域数記憶部
163 領域内構成画素数記憶部
164 例外点灯枚数記憶部
165 例外点灯ディスプレイ番号記憶部
166 表示画像PC記憶部
167 画像ディスプレイ上画素点灯マップPC記憶部
171 画像ディスプレイ上画素点灯マップディスプレイ記憶部
172 TFT印加状態記憶部
173 表示画像ディスプレイ記憶部
174 スケーラ
【技術分野】
【0001】
本発明は、節電を行うことができる表示装置および表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術として、特許文献1に記載される表示制御装置がある。この表示制御装置は、節電モードで、表示オートオフ機能が無効指定されていると、ディスプレイユニットの複数の光源のうちの一部を消灯する。このように、ディスプレイ個別に節電技術が盛り込まれ、節電モードの設定状況に合わせて、光源、たとえばバックライトの一部消灯を行う技術が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−149173号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、バックライトの一部を消灯すると、消灯された部分のディスプレイの輝度やコントラスト比は低下する。ディスプレイの中には、たとえば、デジタルサイネージ等のように、外光下でも表示を視認することができることが必要条件であるディスプレイがある。上述した従来技術は、必ずしも、このようなディスプレイに適用することができるものではない。
【0005】
発光ダイオード(Light Emitting Diode:以下「LED」という)をバックライト光源に使用した液晶ディスプレイの中には、局所的に調光するローカルディミングの手法によって、表示するコンテンツの色調に応じてバックライトを一部消灯し、節電を行うディスプレイが存在する。しかし、LEDをバックライト光源に利用している場合であっても、全体的に明るい色調のコンテンツが継続する場合には、LEDを長時間に亘って点灯することになり、その節電効果は必ずしも大きくない。
【0006】
また、そもそも熱陰極管(Hot Cathode Fluorescent Tube:略称「HCFT」)あるいは冷陰極管(Cold Cathode Fluorescent Tube:略称「CCFT」)をバックライト光源とするディスプレイの場合には、本手法は用いることができない。
【0007】
本発明の目的は、節電しながら最大限の広告効果を発揮することができる表示装置および表示方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、画像を画面に表示する複数のディスプレイ装置と、
すべてのディスプレイ装置に同一の画像を表示させたときにすべてのディスプレイ装置で消費されると予想される予想消費電力を算出し、算出した予想消費電力に応じて、前記同一の画像を表示させるディスプレイ装置の数を決定し、決定した数のディスプレイ装置に前記同一の画像を送信して表示させる表示制御装置とを含むことを特徴とする表示装置である。
【0009】
また本発明は、前記複数のディスプレイ装置は、前記予想消費電力とは関係なく前記同一の画像を送信して表示させる予め定める数のディスプレイ装置を含み、前記表示制御装置は、前記予め定める数のディスプレイ装置を前記同一の画像を表示させるディスプレイ装置の決定した数に含めることを特徴とする。
【0010】
また本発明は、前記複数のディスプレイ装置は、それぞれの画面がすべて同一の方向に向けられ、画面に対して垂直方向に予め定める範囲内に設置され、
前記予め定める数のディスプレイ装置は、最も前に設置されているすべてのディスプレイ装置を含むことを特徴とする。
【0011】
また本発明は、前記予め定める数のディスプレイ装置は、前記複数のディスプレイ装置のうち、前記複数のディスプレイ装置を外囲する周辺上に設置されているすべてのディスプレイ装置を含むことを特徴とする。
【0012】
また本発明は、前記表示制御装置は、前記決定された数のディスプレイ装置を、前記複数のディスプレイ装置から、乱数を用いて選択すること特徴とする。
【0013】
また本発明は、前記表示制御装置は、前記複数のディスプレイ装置のうちの予め定める1台の代表ディスプレイ装置に、前記同一の画像を送信して表示させ、該代表ディスプレイ装置が前記同一の画像を表示しているときに消費している消費電力を表す消費電力情報を該代表ディスプレイ装置から受信し、受信した消費電力情報に基づいて、前記予想消費電力を算出することを特徴とする。
【0014】
また本発明は、各ディスプレイ装置の画面は、複数の画素を含み、
前記消費電力情報は、前記同一の画像を前記代表ディスプレイ装置に表示させているときに、該代表ディスプレイ装置の画面に含まれる複数の画素のうち駆動されている画素を表す情報であることを特徴とする。
【0015】
また本発明は、画像を画面に表示する複数のディスプレイ装置と、該複数のディスプレイ装置に同一の画像を送信して表示させる表示制御装置とを含む表示装置で実行される表示方法であって、
すべてのディスプレイ装置に同一の画像を表示させたときにすべてのディスプレイ装置で消費されると予想される予想消費電力を算出する算出ステップと、
算出ステップで算出された予想消費電力に応じて、前記同一の画像を表示させるディスプレイ装置の数を決定する決定ステップと、
決定ステップで決定された数のディスプレイ装置に前記同一の画像を送信して表示させる表示ステップとを含むことを特徴とする表示方法である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、複数のディスプレイ装置は、画像を画面に表示する。そして、表示制御装置は、すべてのディスプレイ装置に同一の画像を表示させたときにすべてのディスプレイ装置で消費されると予想される予想消費電力を算出し、算出した予想消費電力に応じて、前記同一の画像を表示させるディスプレイ装置の数を決定し、決定した数のディスプレイ装置に前記同一の画像を送信して表示させる。したがって、表示装置は、予想消費電力に応じて、画像を表示するディスプレイ装置の数を減少させて節電することができる。したがって、表示装置は、広告などの画像を表示する場合、節電しながら最大限の広告効果を発揮することができる。
【0017】
また本発明によれば、前記複数のディスプレイ装置は、前記予想消費電力とは関係なく前記同一の画像を送信して表示させる予め定める数のディスプレイ装置を含む。そして、前記表示制御装置は、前記予め定める数のディスプレイ装置を前記同一の画像を表示させるディスプレイ装置の決定した数に含める。したがって、表示装置は、予想消費電力が増加しても、少なくとも予め定める数のディスプレイ装置に画像を表示するので、画像が表示されなくなることを回避することができる。
【0018】
また本発明によれば、前記複数のディスプレイ装置は、それぞれの画面がすべて同一の方向に向けられ、画面に対して垂直方向に予め定める範囲内に設置され、前記予め定める数のディスプレイ装置は、最も前に設置されているすべてのディスプレイ装置を含む。したがって、表示装置は、視聴者の注意を引きやすい前側のディスプレイ装置に画像を表示する状態を維持ことができ、広告などの画像を表示する場合、広告効果の減少を最小限に抑えることができる。
【0019】
また本発明によれば、前記予め定める数のディスプレイ装置は、前記複数のディスプレイ装置のうち、前記複数のディスプレイ装置を外囲する周辺上に設置されているすべてのディスプレイ装置を含む。したがって、表示装置は、視聴者の注意を引きやすい周縁のディスプレイ装置に画像を表示する状態を維持ことができ、広告などの画像を表示する場合、広告効果の減少を最小限に抑えることができる。
【0020】
また本発明によれば、前記表示制御装置は、前記決定された数のディスプレイ装置を、前記複数のディスプレイ装置から、乱数を用いて選択する。したがって、表示装置は、画像を表示するディスプレイ装置が特定のディスプレイ装置に偏ることをなくし、各ディスプレイ装置の製品寿命を平均化することができる。
【0021】
また本発明によれば、前記表示制御装置は、前記複数のディスプレイ装置のうちの予め定める1台の代表ディスプレイ装置に、前記同一の画像を送信して表示させ、該代表ディスプレイ装置が前記同一の画像を表示しているときに消費している消費電力を表す消費電力情報を該代表ディスプレイ装置から受信し、受信した消費電力情報に基づいて、前記予想消費電力を算出する。したがって、表示装置は、1台の代表ディスプレイ装置での実測に基づいて予想消費電力を算出することができ、予想消費電力が大きいか否かを正確に判断することができる。
【0022】
また本発明によれば、各ディスプレイ装置の画面は、複数の画素を含む。そして、前記消費電力情報は、前記同一の画像を前記代表ディスプレイ装置に表示させているときに、該代表ディスプレイ装置の画面に含まれる複数の画素のうち駆動されている画素を表す情報である。したがって、表示装置は、駆動されている画素の数を集計するだけで、予想消費電力を算出することができ、予想消費電力の算出を簡単に行うことができる。
【0023】
また本発明によれば、画像を画面に表示する複数のディスプレイ装置と、該複数のディスプレイ装置に同一の画像を送信して表示させる表示制御装置とを含む表示装置で画像を表示するにあたって、算出ステップでは、すべてのディスプレイ装置に同一の画像を表示させたときにすべてのディスプレイ装置で消費されると予想される予想消費電力を算出する。決定ステップでは、算出ステップで算出された予想消費電力に応じて、前記同一の画像を表示させるディスプレイ装置の数を決定する。そして、表示ステップでは、決定ステップで決定された数のディスプレイ装置に前記同一の画像を送信して表示させる。したがって、表示装置は、予想消費電力に応じて、画像を表示するディスプレイ装置の数を減少させて節電することができる。したがって、表示装置は、広告などの画像を表示する場合、節電しながら最大限の広告効果を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施形態である表示システム1の構成を模式的に示す図である。
【図2】制御用PC10の構成を示すブロック図である。
【図3】代表ディスプレイ20Aの構成を示す図である。
【図4】一般ディスプレイ20Bの構成を示す図である。
【図5】画面を分割した領域を説明するための図である。
【図6】画面点灯率を説明するための図である。
【図7】画像の表示例を示す図である。
【図8】制御用PC10が実行する節電制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】代表ディスプレイ20Aが実行する初期処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】常時点灯ディスプレイ20Jが実行する常時点灯表示処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】随時点灯ディスプレイ20Kが実行する随時点灯表示処理の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、本発明の一実施形態である表示システム1の構成を模式的に示す図である。表示システム1は、たとえば、デジタルサイネージなどの電子看板に用いられる表示装置である。表示システム1は、1台の制御用パーソナルコンピュータ(Personal Computer:以下「PC」という)10、複数のディスプレイ20、およびネットワーク2を含んで構成される。制御用PC10と複数のディスプレイ20とは、ネットワーク2によって接続される。
【0026】
表示制御装置である制御用PC10は、すべてのディスプレイ20に同一の画像を表示させたときにすべてのディスプレイ20で消費されると予想される予想消費電力を算出し、算出した予想消費電力に基づいて、前記同一の画像を送信して表示させるディスプレイ20の数を決定し、決定した数のディスプレイ20に、ネットワーク2を介して、前記同一の画像を送信して表示させる。ディスプレイ20は、ディスプレイ装置である。
【0027】
また、制御用PC10は、ネットワーク2を介して、点灯リクエストをディスプレイ20に送信することによって、ディスプレイ20のバックライトあるいは画面を点灯させ、ネットワーク2を介して、消灯リクエストをディスプレイ20に送信することによって、ディスプレイ20のバックライトあるいは画面を消灯させる。ネットワーク2は、たとえばローカルエリアネットワーク(Local Area Network:以下「LAN」という)、あるいはワイドエリアネットワーク(Wide Area Network:以下「WAN」という)などのネットワークによって構成される。
【0028】
図2は、制御用PC10の構成を示すブロック図である。制御用PC10は、PC表示部11、PC入力部12、PC制御部13、PC通信制御部14、PC通信I/F部15およびPC記憶部16を含んで構成される。
【0029】
PC表示部11は、たとえば液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:以下「LCD」という)、プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel:以下「PDP」という)、あるいはエレクトロルミネセンス(Electro-Luminescence:以下「EL」という)などによって構成される。PC表示部11は、PC制御部13から受け取る情報を表示する。以下、PC表示部11がLCDによって構成される場合を中心に説明する。
【0030】
PC入力部12は、たとえばタッチパネル、キーボード(Keyboard:以下「KBD」という)、あるいはマウスなどの入力装置によって構成される。PC入力部12は、入力された情報をPC制御部13に送る。
【0031】
PC制御部13は、たとえば中央処理装置(Central Processing Unit:以下「CPU」という)によって構成され、PC記憶部16に記憶されるプログラムを実行することによって、PC表示部11、PC入力部12、およびPC通信制御部14を制御する。
【0032】
PC通信制御部14は、PC通信I/F部15およびネットワーク2を介して、ディスプレイ20と情報の送受信を行う通信装置である。PC通信制御部14は、PC制御部13から受け取る情報をディスプレイ20に送信し、ディスプレイ20から受信する情報をPC制御部13に送る。PC通信I/F部15は、有線通信であれば、ネットワーク2を形成するケーブルを接続するコネクタによって構成され、無線通信であれば、電波を送受信するアンテナ、もしくは光を送受信する光発光部および光受信部によって構成される。
【0033】
PC記憶部16は、たとえば半導体メモリあるいはハードディスク装置などの記憶装置によって構成される。PC記憶部16は、PC制御部13によって実行されるプログラム、およびPC制御部13がプログラムを実行するために必要な情報を記憶する。PC記憶部16に記憶される情報は、PC制御部13によって書き込みおよび読み出しが行われる。
【0034】
PC記憶部16は、設置枚数記憶部161、画面内領域数記憶部162、領域内構成画素数記憶部163、例外点灯枚数記憶部164、例外点灯ディスプレイ番号記憶部165、表示画像PC記憶部166および画像ディスプレイ上画素点灯マップPC記憶部167を含む。設置枚数記憶部161、画面内領域数記憶部162、領域内構成画素数記憶部163、例外点灯枚数記憶部164、例外点灯ディスプレイ番号記憶部165、表示画像PC記憶部166および画像ディスプレイ上画素点灯マップPC記憶部167は、それぞれPC記憶部16の記憶領域の一部である。
【0035】
設置枚数記憶部161は、設置枚数を記憶する。設置枚数は、表示システム1に含まれるディスプレイ20の数、すなわち、表示システム1として設置されているディスプレイ20の数を表す情報である。換言すると、設置枚数は、表示システム1に含まれるディスプレイ20の画面の枚数を表す情報である。
【0036】
画面内領域数記憶部162は、画面内領域数を記憶する。画面内領域数は、1つの画面を複数の領域に分割したときの領域の数を表す情報である。領域内構成画素数記憶部163は、領域内構成画素数を記憶する。領域内構成画素数は、1つの領域を構成する画素の数を表す情報である。
【0037】
例外点灯枚数記憶部164は、例外点灯枚数を記憶する。予め定める数である例外点灯枚数は、予想消費電力とは独立に、つまり、予想消費電力とは関係なく、必ず画像を表示するディスプレイ20の数を表す情報である。換言すると、例外的に必ず画像を表示して、点灯する画面の枚数を表す情報である。例外点灯ディスプレイ番号記憶部165は、例外点灯ディスプレイ番号を記憶する。例外点灯ディスプレイ番号は、予想消費電力とは独立に、つまり、予想消費電力とは関係なく、必ず画像を表示するディスプレイ20のディスプレイ番号である。ディスプレイ番号は、各ディスプレイ20を識別するための識別情報を表す情報であり、たとえば各ディスプレイ20に予め付与される番号によって表される。
【0038】
表示画像PC記憶部166は、表示画像を記憶する。表示画像は、ディスプレイ20に表示させる画像を表す情報である。画像ディスプレイ上画素点灯マップPC記憶部167は、画像ディスプレイ上画素点灯マップを記憶する。消費電力情報である画像ディスプレイ上画素点灯マップは、表示画像を後述する代表ディスプレイ20Aに表示させているときに、代表ディスプレイ20Aの画面に含まれる複数の画素の印加状態をマップにして表す情報である。換言すると、画像ディスプレイ上画素点灯マップは、代表ディスプレイ20Aが画像を表示しているときに消費している消費電力を表す情報である。印加状態は、複数の画素のそれぞれに電圧が印加されている状態であるのか、印加されていない状態であるのかを表す。以下、電圧が印加されていることを駆動されている、電圧が印加されていないことを駆動されていないともいう。
【0039】
図3は、代表ディスプレイ20Aの構成を示す図である。複数のディスプレイ20は、1台の代表ディスプレイ20Aと、代表ディスプレイ20Aを除く残余の一般ディスプレイ20Bとによって構成される。代表ディスプレイ装置である代表ディスプレイ20Aは、予想消費電力を算出するために、画像を表示したときの消費電力を実測するためのディスプレイ20である。
【0040】
制御用PC10は、画像を代表ディスプレイ20Aに送信して表示させる。代表ディスプレイ20Aは、その画像を表示しているときに消費している消費電力を実測し、実測した消費電力を表す消費電力情報を制御用PC10に送信する。制御用PC10は、消費電力情報に基づいて予想消費電力を算出する。
【0041】
代表ディスプレイ20Aは、ディスプレイ表示部21、ディスプレイ表示制御部22、ディスプレイ入力部23、ディスプレイ制御部24、ディスプレイ通信制御部25、ディスプレイ通信I/F部26およびディスプレイ記憶部27を含んで構成される。
【0042】
ディスプレイ表示部21は、たとえばLCD、PDP、あるいはELなどによって構成され、画像を表示する画面を有する。画面は、複数の画素によって構成される。ディスプレイ表示部21は、ディスプレイ表示制御部22から受け取る情報を表示する。
【0043】
ディスプレイ表示制御部22は、ディスプレイ表示部21を制御する。ディスプレイ表示制御部22は、ディスプレイ制御部24から受け取る情報をディスプレイ表示部21に送って表示させ、また、ディスプレイ制御部24からの指示によって、ディスプレイ表示部21のバックライトあるいは画面の点灯および消灯を制御する。さらに、ディスプレイ表示制御部22は、ディスプレイ表示部21から印加状態を表す印加状態情報を取得し、取得した印加状態情報をディスプレイ制御部24に送る。具体的には、たとえば、各画素が薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:以下「TFT」という)によって構成されている場合、各画素を駆動するLCDドライバは、どのTFTに電圧を印加するのか、どのTFTに電圧を印加しないのかという制御を行っている。ディスプレイ表示制御部22は、ディスプレイ表示部21に含まれるLCDドライバから印加状態情報を取得することができる。
【0044】
ディスプレイ入力部23は、たとえばタッチパネル、KBD、あるいはマウスなどの入力装置によって構成される。ディスプレイ入力部23は、入力された情報をディスプレイ制御部24に送る。ディスプレイ制御部24は、たとえばCPUによって構成され、ディスプレイ記憶部27に記憶されるプログラムを実行することによって、ディスプレイ表示制御部22、ディスプレイ入力部23、およびディスプレイ通信制御部25を制御する。
【0045】
ディスプレイ通信制御部25は、ディスプレイ通信I/F部26およびネットワーク2を介して、制御用PC10と情報の送受信を行う通信装置である。ディスプレイ通信制御部25は、ディスプレイ制御部24から受け取る情報を制御用PC10に送信し、制御用PC10から受信する情報をディスプレイ制御部24に送る。ディスプレイ通信I/F部26は、有線通信であれば、ネットワーク2を形成するケーブルを接続するコネクタによって構成され、無線通信であれば、電波を送受信するアンテナ、もしくは光を送受信する光発光部および光受信部によって構成される。
【0046】
ディスプレイ記憶部27は、たとえば半導体メモリあるいはハードディスク装置などの記憶装置によって構成される。ディスプレイ記憶部27は、ディスプレイ制御部24によって実行されるプログラム、およびディスプレイ制御部24がプログラムを実行するために必要な情報を記憶する。ディスプレイ記憶部27に記憶される情報は、ディスプレイ制御部24によって書き込みおよび読み出しが行われる。ディスプレイ記憶部27は、画像ディスプレイ上画素点灯マップディスプレイ記憶部171、TFT印加状態記憶部172、表示画像ディスプレイ記憶部173およびスケーラ174を含む。画像ディスプレイ上画素点灯マップディスプレイ記憶部171、TFT印加状態記憶部172、および表示画像ディスプレイ記憶部173は、それぞれディスプレイ記憶部27の記憶領域の一部である。
【0047】
画像ディスプレイ上画素点灯マップディスプレイ記憶部171は、画像ディスプレイ上画素点灯マップを記憶する。画像ディスプレイ上画素点灯マップは、画像ディスプレイ上画素点灯マップPC記憶部167に記憶される画像ディスプレイ上画素点灯マップと同じ情報である。
【0048】
TFT印加状態記憶部172は、TFT印加状態を記憶する。TFT印加状態は、TFTを制御するLCDドライバから取得した印加状態情報である。ディスプレイ制御部24は、TFT印加状態記憶部172に記憶されるTFT印加状態に基づいて、画像ディスプレイ上画素点灯マップを生成し、生成した画像ディスプレイ上画素点灯マップを画像ディスプレイ上画素点灯マップディスプレイ記憶部171に記憶する。表示画像ディスプレイ記憶部173は、表示画像を記憶する。表示画像は、ネットワーク2を介して、制御用PC10から、ディスプレイ通信制御部25によって受信した表示画像の情報である。
【0049】
スケーラ174は、制御用PC10から受信した表示画像を、代表ディスプレイ20Aの画面のサイズ(以下「画面サイズ」ともいう)に合わせて、拡大または縮小するためのプログラムである。たとえば、制御用PC10から受信した表示画像が、縦横16×9画素の画像であり、代表ディスプレイ20Aの画面サイズが縦横1920×1080画素であるとき、スケーラ174は、制御用PC10から受信した表示画像を、縦横とも120倍に拡大する。本実施形態では、スケーラ174をディスプレイ記憶部27に記憶されるプログラムによって実現しているが、制御用PC10から受信した表示画像を、代表ディスプレイ20Aの画面サイズに合わせて、拡大または縮小する機能を実装したハードウエアによって実現してもよい。
【0050】
図4は、一般ディスプレイ20Bの構成を示す図である。一般ディスプレイ20Bは、ディスプレイ表示部21、ディスプレイ表示制御部22、ディスプレイ入力部23、ディスプレイ制御部24、ディスプレイ通信制御部25、ディスプレイ通信I/F部26およびディスプレイ記憶部27を含んで構成される。
【0051】
ディスプレイ表示部21、ディスプレイ表示制御部22、ディスプレイ入力部23、ディスプレイ制御部24、ディスプレイ通信制御部25、ディスプレイ通信I/F部26およびディスプレイ記憶部27は、図3に示した代表ディスプレイ20Aのディスプレイ表示部21、ディスプレイ表示制御部22、ディスプレイ入力部23、ディスプレイ制御部24、ディスプレイ通信制御部25、ディスプレイ通信I/F部26およびディスプレイ記憶部27と同じ参照符を付して、以下相違する部分を中心に説明する。
【0052】
ディスプレイ表示制御部22は、ディスプレイ制御部24から受け取る情報をディスプレイ表示部21に送って表示させ、また、ディスプレイ制御部24からの指示によって、ディスプレイ表示部21のバックライトあるいは画面の点灯および消灯を制御する。
【0053】
ディスプレイ記憶部27は、たとえば半導体メモリあるいはハードディスク装置などの記憶装置によって構成される。ディスプレイ記憶部27は、ディスプレイ制御部24によって実行されるプログラム、およびディスプレイ制御部24がプログラムを実行するために必要な情報を記憶する。ディスプレイ記憶部27に記憶される情報は、ディスプレイ制御部24によって書き込みおよび読み出しが行われる。ディスプレイ記憶部27は、表示画像ディスプレイ記憶部173を含む。表示画像ディスプレイ記憶部173は、図3に示した代表ディスプレイ20Aの表示画像ディスプレイ記憶部173と同じであり、同じ参照符を付して説明は省略する。
【0054】
図5は、画面を分割した領域を説明するための図である。制御用PC10は、予想消費電力を算出するために、ディスプレイ表示部21の画面を複数の領域、たとえば10個の領域A〜Jに等分に分割する。領域の数(以下「領域数」という)は、構築する表示システム1のシステム構成に応じて決定される。領域数は、画面内領域数記憶部162に画面内領域数として記憶されている。
【0055】
図6は、画面点灯率を説明するための図である。図6(a)は、領域Aの画素を示している。ディスプレイ20の画面は、複数の画素から構成される。複数の画素は、複数の赤色(以下「R」という)の画素211、複数の緑色(以下「G」という)の画素212、および複数の青色(以下「B」という)の画素213を含んで構成される。隣接する1個のRの画素211、1個のGの画素212、および1個のBの画素213によって、1組の画素が形成される。1組の画素に含まれる各R,G,Bの画素211〜213にそれぞれ電圧を印加するか否かによって、1組のR,G,Bの画素211〜213によって表される色が変化する。
【0056】
ディスプレイ20の画面が、たとえば縦横1920×1080画素であるという場合、1920×1080組の画素からなるということである。したがって、R,G,Bの画素211〜213それぞれを1個とすると、ディスプレイ20の画面は、1920×1080×3個の画素から構成されることになる。各領域は、1920×1080×3÷10個の画素から構成される。以下、各領域を構成する画素の数を、領域内構成画素数という。この場合、領域内構成画素数は、622,080個である。領域内構成画素数は、領域内構成画素数記憶部163に記憶されている。
【0057】
制御用PC10は、表示画像PC記憶部166に記憶されている表示画像(以下「画像」ともいう)を読み出し、読み出した画像を代表ディスプレイ20Aに送信するとともに、画像ディスプレイ上画素点灯マップの作成リクエストを送信する。代表ディスプレイ20Aは、受信した画像を表示し、実測した印加状態に基づいて、画像ディスプレイ上画素点灯マップを生成し、生成した画像ディスプレイ上画素点灯マップを制御用PC10に送信する。制御用PC10は、受信した画像ディスプレイ上画素点灯マップを画像ディスプレイ上画素点灯マップPC記憶部167に記憶する。
【0058】
画像ディスプレイ上画素点灯マップは、各画素に電圧が印加されているか否かを各画素の座標ごとに表す情報である。画像ディスプレイ上画素点灯マップでは、各画素の座標を、ディスプレイ20の画面に向かって、画面の左上を原点とし、右方向をX軸の正方向、下方向をY軸の正方向とするXY座標で表し、Rの画素211の座標をR(X,Y)、Gの画素212の座標をG(X,Y)、Bの画素213の座標をB(X,Y)で表わし、画素に電圧を印加している状態を「1」、画素に電圧を印加していない状態を「0」とする。
【0059】
たとえば、代表ディスプレイ20Aが、座標(0,0)のRの画素211に電圧を印加している状態であり、Gの画素212に電圧を印加していない状態であり、Bの画素213に電圧を印加していない状態であり、座標(1,0)のRの画素211に電圧を印加している状態であり、Gの画素212に電圧を印加している状態であり、Bの画素213に電圧を印加している状態・・・、であるとき、画像ディスプレイ上画素点灯マップでは、R(0,0)=1、G(0,0)=0、B(0,0)=0、R(1,0)=1、G(1,0)=1、B(1,0)=1、・・・と表わされる。
【0060】
デジタルサイネージ用のディスプレイ20は、通常ノーマリブラックである。すなわち、すべての画素に電圧が印加されているとき、白表示であり、すべての画素に電圧が印加されていないとき、黒表示である。ディスプレイ20がLCDによって構成される場合を例にして説明しているが、RGBの画素を持つPDPや、アクティブマトリクス駆動の有機ELでも同様の方式を使用することが可能である。
【0061】
次に、制御用PC10は受信した画像ディスプレイ上画素点灯マップに基づいて、領域A〜Jごとに、領域内点灯比率を算出する。領域内点灯比率は、領域A〜J内でどの程度の画素が点灯しているかを示す比率であり、領域内点灯画素数を領域内構成画素数で除算した値で表される。領域内点灯画素数は、各領域A〜Jで電圧が印加されている画素の数である。制御用PC10は、受信した画像ディスプレイ上画素点灯マップから、領域A〜Jごとに、電圧が印加されている画素の数を集計し、集計した数を領域内点灯画素数とする。たとえば、真っ白な画像を表示する場合、R,G,Bのすべての画素211〜213を点灯するので、領域内点灯比率は「1.0」となる。続いて、制御用PC10は、各領域A〜Jの領域内点灯比率に基づいて、画面点灯率を算出する。
【0062】
図6(b)は、各領域A〜Jの領域内点灯比率(図では、「点灯比率」という)を示す図である。画面点灯率は、画面全体の画素がどの程度点灯しているかを示す比率であり、各領域A〜Jの領域内点灯比率の合計を、画面内領域数で除算した値である。画面内領域数は、画面を分割した領域の数であり、画面内領域数記憶部162に記憶されている。真っ白な画像を表示する場合、図6(b)に示すように、領域A〜Jのいずれの領域の領域内点灯比率も「1.0」である。したがって、この場合、画面点灯率は、「1.0」となる。
【0063】
次に、制御用PC10は、総点灯率を算出する。総点灯率は、各ディスプレイ20の画面点灯率をそれぞれ「1」から減算した値の総和を、設置枚数で除算した値である。本実施形態では、各ディスプレイ20の画面点灯率は、代表ディスプレイ20Aの画面点灯率と同じであるので、総点灯率は、「1」から代表ディスプレイ20Aの画面点灯率を減算した値である。
【0064】
さらに、制御用PC10は、予想消費電力に基づいて、画像を送信して表示させるディスプレイ20の数を決定する。本実施形態では、総点灯率によって予想消費電力を表す。換言すると、制御用PC10は、総点灯率に基づいて、画像を送信して表示させるディスプレイ20の数を決定する。
【0065】
表示システム1では、常時、画像を表示するディスプレイ20を、常時点灯ディスプレイ20Jとして、予め定めている。具体的には、常時点灯ディスプレイ20Jは、例外点灯ディスプレイ番号記憶部165に記憶される例外点灯ディスプレイ番号で識別されるディスプレイ20である。随時点灯ディスプレイ20Kは、常時点灯ディスプレイ20Jを除く残余のディスプレイ20である。また、常時点灯ディスプレイ20Jの数は、例外点灯枚数記憶部164に、例外点灯枚数として記憶されている。
【0066】
常時点灯ディスプレイ20Jは、たとえばそれぞれの画面がすべて同一の方向に向けられ、画面に向かって前後方向に予め定める範囲内に設置される場合、最も前に設置されているディスプレイ20とされる。予め定める範囲は、システム構成に応じて決定される範囲である。また、常時点灯ディスプレイ20Jは、たとえばすべてのディスプレイ20のうち、すべてのディスプレイ20を外囲する周辺上に設置されているディスプレイ20とされる。
【0067】
常時点灯ディスプレイ20Jを除いて、画像を送信して表示させるディスプレイ20の数は、ディスプレイ20の総数に総点灯率を乗算した値から、常時点灯ディスプレイ20Jの数を減算した値が0以上の場合は、前記減算した値の小数点以下の値を切捨てた値であり、前記減算した値が0未満のときは、「0」である。本実施形態では、小数点以下の値を切捨てているが、四捨五入してもよいし、切り上げてもよい。
【0068】
たとえば、ディスプレイ20の総数が「20」であり、常時点灯ディスプレイ20Jの数が「2」であるとき、総点灯率が「1」の場合は、常時点灯ディスプレイ20Jを除いて、画像を表示させるディスプレイ20の数は、20×1−2=18台である。また、総点灯率が「0」の場合は、20×0−2=−2となるので、常時点灯ディスプレイ20Jを除いて、画像を表示させるディスプレイ20の数は、0台である。
【0069】
制御用PC10は、常時点灯ディスプレイ20J以外に画像を送信して表示させるディスプレイ20が1台以上ある場合、その1台以上のディスプレイ20を、常時点灯ディスプレイ20J以外のどのディスプレイ20にするかを、予め定めるアルゴリズムに基づいて選択する。予め定めるアルゴリズムは、たとえば乱数を用いて、ランダムに選択するというアルゴリズムである。
【0070】
図7は、画像の表示例を示す図である。図7に示した例では、ディスプレイ総数が6台で、常時点灯ディスプレイ20Jの数が「1」の場合を示している。図7(a)は、負荷が軽い場合、つまり消費電力が少ない場合の例であり、6台のディスプレイ20a〜20fに画像が表示されている。
【0071】
図7(b)は、負荷が中ぐらいの場合、つまり消費電力の大きさが中ぐらい場合の例であり、3台のディスプレイ20a,20c,20eに画像が表示され、残りの3台のディスプレイ20b,20d,20fには画像が表示されていない。図7(c)は、負荷が重い場合、つまり消費電力が大きい場合の例であり、1台のディスプレイ20にのみ画像が表示され、残りの5台のディスプレイ20b〜20fには画像が表示されていない。
【0072】
図8は、制御用PC10が実行する節電制御処理の処理手順を示すフローチャートである。PC制御部13は、ディスプレイ20に新たな画像を表示させるときに、ステップA1に移る。
【0073】
ステップA1では、PC制御部13は、ディスプレイ基本情報をPC記憶部16から読み込む。ディスプレイ基本情報は、ディスプレイ設置枚数、つまり設置枚数、画面内領域数、領域内構成画素数、常時点灯枚数、つまり例外点灯枚数、および常時点灯ディスプレイ番号、つまり例外点灯ディスプレイ番号を含む。PC制御部13は、設置枚数を設置枚数記憶部161から読み込む。PC制御部13は、画面内領域数を画面内領域数記憶部162から読み込む。PC制御部13は、領域内構成画素数を領域内構成画素数記憶部163から読み込む。PC制御部13は、例外点灯枚数を例外点灯枚数記憶部164から読み込む。PC制御部13は、例外点灯ディスプレイ番号を例外点灯ディスプレイ番号記憶部165から読み込む。
【0074】
ステップA2では、PC制御部13は、表示画像を表示画像PC記憶部166から読み込む。ステップA3では、PC制御部13は、代表ディスプレイ20Aに画像ディスプレイ上画素点灯マップ(以下「マップ」ともいう)の作成リクエストを、PC通信制御部14によって代表ディスプレイ20Aに送信する。ステップA4では、PC制御部13は、マップ作成用に、表示用画像を、PC通信制御部14によって代表ディスプレイ20Aに送信する。具体的には、PC制御部13は、表示画像PC記憶部166から読み込んだ表示画像を、表示用画像として、PC通信制御部14によって代表ディスプレイ20Aに送信する。
【0075】
ステップA5では、PC制御部13は、マップを受信したが否かを判定する。PC制御部13は、PC通信制御部14が代表ディスプレイ20Aからマップを受信すると、マップを受信したと判定し、ステップA6に進み、PC通信制御部14が代表ディスプレイ20Aからマップを受信しないと、マップを受信しなかったと判定し、ステップA5に戻る。
【0076】
ステップA6では、PC制御部13は、1つの領域について領域内点灯比率を計算する。ステップA7では、PC制御部13は、全領域について領域内点灯比率の計算が完了したか否かを判定する。PC制御部13は、全領域について領域内点灯比率の計算が完了したとき、ステップA8に進み、全領域について領域内点灯比率の計算が完了しなかったとき、ステップA17に進む。
【0077】
ステップA8では、PC制御部13は、画面点灯率を計算する。ステップA9では、PC制御部13は、総点灯率を計算する。ステップA10では、PC制御部13は、表示画像を常時点灯ディスプレイ20Jに送信する。具体的には、PC制御部13は、表示画像PC記憶部166から読み込んだ表示画像を、PC通信制御部14によって常時点灯ディスプレイ20Jに送信する。
【0078】
ステップA11では、PC制御部13は、「設置ディスプレイ枚数×総点灯率−常時点灯設定」が「1」以上であるか否かを判定する。設置ディスプレイ枚数は、設置枚数記憶部161から読み込んだ設置枚数のことである。常時点灯設定は、例外点灯枚数記憶部164から読み込んだ例外点灯枚数のことである。PC制御部13は、「設置ディスプレイ枚数×総点灯率−常時点灯設定」が「1」以上であるとき、ステップA12に進み、「設置ディスプレイ枚数×総点灯率−常時点灯設定」が「1」未満であるとき、節電制御処理を終了する。
【0079】
ステップA12では、PC制御部13は、点灯ディスプレイ番号を選択する。具体的には、PC制御部13は、「設置ディスプレイ枚数×総点灯率−常時点灯設定」の値の小数点以下を切り捨てた値を選択ディスプレイ数とする。そして、PC制御部13は、随時点灯ディスプレイ20Kのディスプレイ番号の中から、選択ディスプレイ数のディスプレイ番号を、乱数を用いて、ランダムに選択する。
【0080】
ステップA13では、PC制御部13は、選択したディスプレイ番号のディスプレイ20に、表示画像PC記憶部166から読み込んだ表示画像を、PC通信制御部14によって送信する。ステップA14では、PC制御部13は、選択したディスプレイ番号の全ディスプレイ20に、表示画像を送信完了したか否かを判定する。PC制御部13は、選択したディスプレイ番号の全ディスプレイ20への表示画像の送信を完了したとき、ステップA15に進み、選択したディスプレイ番号の全ディスプレイ20への表示画像の送信を完了しなかったとき、ステップA12に戻る。
【0081】
ステップA15では、PC制御部13は、対象の1台のディスプレイ20に点灯リクエストまたは消灯リクエストを送信する。送信対象のディスプレイ装置が、常時点灯ディスプレイ20JまたはステップA12で選択されたディスプレイ20の場合は、点灯リクエストを送信し、送信対象のディスプレイ装置が、常時点灯ディスプレイ20JまたはステップA12で選択されたディスプレイ20を除く残余のディスプレイ20の場合は、消灯リクエストを送信する。
【0082】
ステップA16では、PC制御部13は、全ディスプレイ20に点灯リクエストまたは消灯リクエストを送信完了したか否かを判定する。PC制御部13は、設置枚数記憶部161に記憶される設置枚数の全ディスプレイ20に点灯リクエストまたは消灯リクエストを送信完了したとき、節電制御処理を終了し、設置枚数記憶部161に記憶される設置枚数の全ディスプレイ20に点灯リクエストまたは消灯リクエストを送信完了しなかったとき、たとえば次のディスプレイ番号のディスプレイ20を対象のディスプレイ20として、ステップA15に戻る。
【0083】
ステップA17では、PC制御部13は、領域内点灯比率を計算する領域を、次の領域に進めて、ステップA6に戻る。たとえば、ステップA6で、最初に領域内点灯比率を計算した領域が領域Aである場合、領域内点灯比率を計算する領域を、次の領域Bとして、ステップA6に戻り、以後、ステップA17にくるごとに、順次領域C、領域D、・・・と進める。
【0084】
ステップA3〜A9,A17は、算出ステップである。ステップA11は、決定ステップである。ステップA10,A12〜A16は、表示ステップである。
【0085】
図9は、代表ディスプレイ20Aが実行する初期処理の処理手順を示すフローチャートである。図9に示した初期処理の処理手順を示すフローチャートは、代表ディスプレイ20Aのディスプレイ制御部24によって実行される。代表ディスプレイ20Aのディスプレイ制御部24は、代表ディスプレイ20Aの電源が投入され、動作可能状態になるとステップB1に移る。
【0086】
ステップB1では、ディスプレイ制御部24は、画像ディスプレイ上画素点灯マップの作成リクエストを受信したか否かを判定する。ディスプレイ制御部24は、制御用PC10から、画像ディスプレイ上画素点灯マップの作成リクエストを、ディスプレイ通信制御部25によって受信したとき、ステップB2に進み、制御用PC10から、画像ディスプレイ上画素点灯マップの作成リクエストを、ディスプレイ通信制御部25によって受信しなかったとき、ステップB1に戻る。
【0087】
ステップB2では、ディスプレイ制御部24は、マップ作成用画像、つまり図8に示したフローチャートのステップA4で送信された表示画像を受信したか否かを判定する。ディスプレイ制御部24は、マップ作成用画像を、ディスプレイ通信制御部25によって受信したとき、ステップB3に進み、マップ作成用画像を、ディスプレイ通信制御部25によって受信しなかったとき、ステップB2に戻る。
【0088】
ステップB3では、ディスプレイ制御部24は、受信したマップ作成用画像(図では「画像」という)を、スケーラ174で、画面サイズに合わせる。すなわち、ディスプレイ制御部24は、受信したマップ作成用画像を、スケーラ174によって、画面サイズに合わせて、拡大または縮小する。
【0089】
ステップB4では、ディスプレイ制御部24は、画面サイズに合わせたマップ作成用画像を、ディスプレイ20上に表示し、TFTへの印加状態をマップとして記録する。具体的には、ディスプレイ制御部24は、画面サイズに合わせたマップ作成用画像を、ディスプレイ表示制御部22によってディスプレイ表示部21の画面上に表示し、ディスプレイ表示制御部22によってディスプレイ表示部21から印加状態情報を取得し、取得した印加状態情報が示す印加状態に基づいて、画像ディスプレイ上画素点灯マップを生成し、生成した画像ディスプレイ上画素点灯マップを、画像ディスプレイ上画素点灯マップPC記憶部167に記憶する。ディスプレイ20がPDPによって構成される場合は、印加状態の代わりに、各セルの放電状態を用いる。
【0090】
ステップB5では、ディスプレイ制御部24は、画像ディスプレイ上画素点灯マップを、ディスプレイ通信制御部25によって制御用PC10に送信して、初期処理を終了する。ディスプレイ制御部24は、初期処理を終了した後、代表ディスプレイ20Aが常時点灯ディスプレイ20Jの場合、図10に示すステップC1に移り、代表ディスプレイ20Aが図9に示した節電制御処理の処理手順のフローチャートのステップA12で選択された随時点灯ディスプレイ20Kの場合、図11に示すステップD1に移る。
【0091】
図10は、常時点灯ディスプレイ20Jが実行する常時点灯表示処理の処理手順を示すフローチャートである。図11示したフローチャートは、常時点灯ディスプレイ20Jのディスプレイ制御部24によって実行される。代表ディスプレイ20Aでない常時点灯ディスプレイ20Jのディスプレイ制御部24は、該常時点灯ディスプレイ20Jの電源が投入され、動作可能状態になるとステップC1に移る。
【0092】
ステップC1では、ディスプレイ制御部24は、表示画像を受信したか否かを判定する。ディスプレイ制御部24は、図8のステップA13で制御用PC10が送信した表示画像を、ディスプレイ通信制御部25が受信したとき、ステップC2に進み、図8のステップA13で制御用PC10が送信した表示画像を、ディスプレイ通信制御部25が受信しなかったとき、ステップC1に戻る。
【0093】
ステップC2では、ディスプレイ制御部24は、画面表示をクリアする。すなわち、ディスプレイ制御部24は、現在表示している表示画像の表示を停止する。表示画像の表示の停止は、たとえば、それまで表示していた画像の表示を止めて、代わりに、予め定める無表示を表す画像、たとえば白色、灰色、もしくは黒色などのモノトーンの画像を表示することである。ステップC3では、ディスプレイ制御部24は、ステップC1で受信した表示画像を、ディスプレイ表示制御部22によってディスプレイ表示部21に表示して、ステップC1に戻る。
【0094】
図11は、随時点灯ディスプレイ20Kが実行する随時点灯表示処理の処理手順を示すフローチャートである。図11示したフローチャートは、図9に示した節電制御処理の処理手順のフローチャートのステップA12で選択された随時点灯ディスプレイ20Kのディスプレイ制御部24によって実行される。代表ディスプレイ20Aでない、選択された随時点灯ディスプレイ20Kは、該随時点灯ディスプレイ20Kの電源が投入され、動作可能状態になるとステップD1に移る。
【0095】
ステップD1では、ディスプレイ制御部24は、表示画像を受信したか否かを判定する。ディスプレイ制御部24は、図8のステップA13で制御用PC10が送信した表示画像を、ディスプレイ通信制御部25が受信したとき、ステップD2に進み、図8のステップA13で制御用PC10が送信した表示画像を、ディスプレイ通信制御部25が受信しなかったとき、ステップD1に戻る。
【0096】
ステップD2では、ディスプレイ制御部24は、点灯リクエストまたは消灯リクエストを受信したか否かを判定する。ディスプレイ制御部24は、制御用PC10から、ディスプレイ通信制御部25が、点灯リクエストまたは消灯リクエストを受信したとき、ステップC3に進み、点灯リクエストまたは消灯リクエストを受信しなかったとき、ステップC2に戻る。
【0097】
ステップD3では、ディスプレイ制御部24は、点灯リクエストであるか否かを判定する。ディスプレイ制御部24は、ステップD2で点灯リクエストを受信したとき、ステップD4に進み、ステップD2で消灯リクエストを受信したとき、ステップD7に進む。
【0098】
ステップD4では、ディスプレイ制御部24は、ディスプレイ表示制御部22によって、ディスプレイ表示部21のバックライトを点灯する。ディスプレイ制御部24は、ディスプレイ20がLCDの代わりに、PDPによって構成される場合は、セル内での放電を実施することによって画面の点灯を行い、また、ディスプレイ20がLCDの代わりに、アクティブマトリクス駆動の有機Elの場合は、画面上のTFTへの通電を実施することによって画面の点灯を行う。
【0099】
ステップD5では、ディスプレイ制御部24は、画面表示をクリアする。ステップD6では、ディスプレイ制御部24は、ステップD1で受信した表示画像を、ディスプレイ表示制御部22によってディスプレイ表示部21に表示して、ステップD1に戻る。
【0100】
ステップD7では、ディスプレイ制御部24は、ディスプレイ表示制御部22によって、ディスプレイ表示部21のバックライトを消灯して、ステップD1に戻る。ディスプレイ制御部24は、ディスプレイ20がLCDの代わりに、PDPによって構成される場合は、セル内での放電を停止することによって画面の消灯を行い、また、ディスプレイ20がLCDの代わりに、アクティブマトリクス駆動の有機ELの場合は、画面上のTFTへの通電を停止することによって画面の消灯を行う。
【0101】
上述した本実施形態では、制御用PC10は、マップの作成を代表ディスプレイ20Aに行わせているが、代表ディスプレイ20Aに限定されるものではなく、代表ディスプレイ20Aを定めることなく、すべてのディスプレイ20の中からランダムに選択したディスプレイにマップの作成を行わせてもよい。
【0102】
また、上述した本実施形態では、制御用PC10は、画素を駆動する消費電力に応じて、画像を表示するディスプレイ20の台数を制御しているが、画素を駆動する消費電力に限定されるものではなく、画素を駆動する消費電力を、LEDバックライトを駆動する消費電力に置き換えることも可能であり、また、画素の駆動とLEDバックライトの駆動との両方の消費電力の加算であってもよい。
【0103】
このように、複数のディスプレイ20は、画像を画面に表示する。そして、制御用PC10は、すべてのディスプレイ20に同一の画像を表示させたときにすべてのディスプレイ20で消費されると予想される予想消費電力を算出し、算出した予想消費電力に応じて、前記同一の画像を表示させるディスプレイ20の数を決定し、決定した数のディスプレイ20に前記同一の画像を送信して表示させる。したがって、表示システム1は、予想消費電力に応じて、画像を表示するディスプレイ20の数を減少させて節電することができる。したがって、表示システム1は、広告などの画像を表示する場合、節電しながら最大限の広告効果を発揮することができる。
【0104】
さらに、複数のディスプレイ20は、前記予想消費電力とは関係なく前記同一の画像を送信して表示させる予め定める数のディスプレイ20を含む。そして、制御用PC10は、前記予め定める数のディスプレイ20を前記同一の画像を表示させるディスプレイ20の決定した数に含める。したがって、表示システム1は、予想消費電力が増加しても、少なくとも予め定める数のディスプレイ20に画像を表示するので、画像が表示されなくなることを回避することができる。
【0105】
さらに、複数のディスプレイ20は、それぞれの画面がすべて同一の方向に向けられ、画面に対して垂直方向に予め定める範囲内に設置され、前記予め定める数のディスプレイ20は、最も前に設置されているすべてのディスプレイ20を含む。したがって、表示システム1は、視聴者の注意を引きやすい前側のディスプレイ20に画像を表示する状態を維持ことができ、広告などの画像を表示する場合、広告効果の減少を最小限に抑えることができる。
【0106】
さらに、前記予め定める数のディスプレイ20は、複数のディスプレイ20のうち、複数のディスプレイ20を外囲する周辺上に設置されているすべてのディスプレイ20を含む。したがって、表示システム1は、視聴者の注意を引きやすい周縁のディスプレイ20に画像を表示する状態を維持ことができ、広告などの画像を表示する場合、広告効果の減少を最小限に抑えることができる。
【0107】
さらに、制御用PC10は、前記決定された数のディスプレイ20を、複数のディスプレイ20から、乱数を用いて選択する。したがって、表示システム1は、画像を表示するディスプレイ20が特定のディスプレイ20に偏ることをなくし、各ディスプレイ20の製品寿命を平均化することができる。
【0108】
さらに、制御用PC10は、複数のディスプレイ20のうちの予め定める1台の代表ディスプレイ20Aに、前記同一の画像を送信して表示させ、代表ディスプレイ20Aが前記同一の画像を表示しているときに消費している消費電力を表す画像ディスプレイ上画素点灯マップを代表ディスプレイ20Aから受信し、受信した画像ディスプレイ上画素点灯マップに基づいて、前記予想消費電力を算出する。したがって、表示システム1は、1台の代表ディスプレイ20Aでの実測に基づいて予想消費電力を算出することができ、予想消費電力が大きいか否かを正確に判断することができる。
【0109】
さらに、各ディスプレイ20の画面は、複数の画素を含む。そして、画像ディスプレイ上画素点灯マップは、前記同一の画像を代表ディスプレイ20Aに表示させているときに、代表ディスプレイ20Aの画面に含まれる複数の画素のうち駆動されている画素を表す情報である。したがって、表示システム1は、駆動されている画素の数を集計するだけで、予想消費電力を算出することができ、予想消費電力の算出を簡単に行うことができる。
【0110】
さらに、画像を画面に表示する複数のディスプレイ20と、該複数のディスプレイ20に同一の画像を送信して表示させる制御用PC10とを含む表示システム1で画像を表示するにあたって、図8に示したフローチャートにおいて、ステップA3〜A9,A17では、すべてのディスプレイ20に同一の画像を表示させたときにすべてのディスプレイ20で消費されると予想される予想消費電力を算出する。ステップA11では、ステップA3〜A9,A17で算出された予想消費電力に応じて、前記同一の画像を表示させるディスプレイ20の数を決定する。そして、ステップA10,A12〜A16では、ステップA11で決定された数のディスプレイ20に前記同一の画像を送信して表示させる。したがって、表示システム1は、予想消費電力に応じて、画像を表示するディスプレイ20の数を減少させて節電することができる。したがって、表示システム1は、広告などの画像を表示する場合、節電しながら最大限の広告効果を発揮することができる。
【符号の説明】
【0111】
1 表示システム
2 ネットワーク
10 制御用PC
11 PC表示部
12 PC入力部
13 PC制御部
14 PC通信制御部
15 PC通信I/F部
16 PC記憶部
20 ディスプレイ
20A 代表ディスプレイ
20J 常時点灯ディスプレイ
20K 随時点灯ディスプレイ
21 ディスプレイ表示部
22 ディスプレイ表示制御部
23 ディスプレイ入力部
24 ディスプレイ制御部
25 ディスプレイ通信制御部
26 ディスプレイ通信I/F部
27 ディスプレイ記憶部
161 設置枚数記憶部
162 画面内領域数記憶部
163 領域内構成画素数記憶部
164 例外点灯枚数記憶部
165 例外点灯ディスプレイ番号記憶部
166 表示画像PC記憶部
167 画像ディスプレイ上画素点灯マップPC記憶部
171 画像ディスプレイ上画素点灯マップディスプレイ記憶部
172 TFT印加状態記憶部
173 表示画像ディスプレイ記憶部
174 スケーラ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を画面に表示する複数のディスプレイ装置と、
すべてのディスプレイ装置に同一の画像を表示させたときにすべてのディスプレイ装置で消費されると予想される予想消費電力を算出し、算出した予想消費電力に応じて、前記同一の画像を表示させるディスプレイ装置の数を決定し、決定した数のディスプレイ装置に前記同一の画像を送信して表示させる表示制御装置とを含むことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記複数のディスプレイ装置は、前記予想消費電力とは関係なく前記同一の画像を送信して表示させる予め定める数のディスプレイ装置を含み、
前記表示制御装置は、前記予め定める数のディスプレイ装置を前記同一の画像を表示させるディスプレイ装置の決定した数に含めることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記複数のディスプレイ装置は、それぞれの画面がすべて同一の方向に向けられ、画面に対して垂直方向に予め定める範囲内に設置され、
前記予め定める数のディスプレイ装置は、最も前に設置されているすべてのディスプレイ装置を含むことを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記予め定める数のディスプレイ装置は、前記複数のディスプレイ装置のうち、前記複数のディスプレイ装置を外囲する周辺上に設置されているすべてのディスプレイ装置を含むことを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示制御装置は、前記決定された数のディスプレイ装置を、前記複数のディスプレイ装置から、乱数を用いて選択すること特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示制御装置は、前記複数のディスプレイ装置のうちの予め定める1台の代表ディスプレイ装置に、前記同一の画像を送信して表示させ、該代表ディスプレイ装置が前記同一の画像を表示しているときに消費している消費電力を表す消費電力情報を該代表ディスプレイ装置から受信し、受信した消費電力情報に基づいて、前記予想消費電力を算出することを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項7】
各ディスプレイ装置の画面は、複数の画素を含み、
前記消費電力情報は、前記同一の画像を前記代表ディスプレイ装置に表示させているときに、該代表ディスプレイ装置の画面に含まれる複数の画素のうち駆動されている画素を表す情報であることを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
画像を画面に表示する複数のディスプレイ装置と、該複数のディスプレイ装置に同一の画像を送信して表示させる表示制御装置とを含む表示装置で実行される表示方法であって、
すべてのディスプレイ装置に同一の画像を表示させたときにすべてのディスプレイ装置で消費されると予想される予想消費電力を算出する算出ステップと、
算出ステップで算出された予想消費電力に応じて、前記同一の画像を表示させるディスプレイ装置の数を決定する決定ステップと、
決定ステップで決定された数のディスプレイ装置に前記同一の画像を送信して表示させる表示ステップとを含むことを特徴とする表示方法。
【請求項1】
画像を画面に表示する複数のディスプレイ装置と、
すべてのディスプレイ装置に同一の画像を表示させたときにすべてのディスプレイ装置で消費されると予想される予想消費電力を算出し、算出した予想消費電力に応じて、前記同一の画像を表示させるディスプレイ装置の数を決定し、決定した数のディスプレイ装置に前記同一の画像を送信して表示させる表示制御装置とを含むことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記複数のディスプレイ装置は、前記予想消費電力とは関係なく前記同一の画像を送信して表示させる予め定める数のディスプレイ装置を含み、
前記表示制御装置は、前記予め定める数のディスプレイ装置を前記同一の画像を表示させるディスプレイ装置の決定した数に含めることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記複数のディスプレイ装置は、それぞれの画面がすべて同一の方向に向けられ、画面に対して垂直方向に予め定める範囲内に設置され、
前記予め定める数のディスプレイ装置は、最も前に設置されているすべてのディスプレイ装置を含むことを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記予め定める数のディスプレイ装置は、前記複数のディスプレイ装置のうち、前記複数のディスプレイ装置を外囲する周辺上に設置されているすべてのディスプレイ装置を含むことを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示制御装置は、前記決定された数のディスプレイ装置を、前記複数のディスプレイ装置から、乱数を用いて選択すること特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示制御装置は、前記複数のディスプレイ装置のうちの予め定める1台の代表ディスプレイ装置に、前記同一の画像を送信して表示させ、該代表ディスプレイ装置が前記同一の画像を表示しているときに消費している消費電力を表す消費電力情報を該代表ディスプレイ装置から受信し、受信した消費電力情報に基づいて、前記予想消費電力を算出することを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項7】
各ディスプレイ装置の画面は、複数の画素を含み、
前記消費電力情報は、前記同一の画像を前記代表ディスプレイ装置に表示させているときに、該代表ディスプレイ装置の画面に含まれる複数の画素のうち駆動されている画素を表す情報であることを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
画像を画面に表示する複数のディスプレイ装置と、該複数のディスプレイ装置に同一の画像を送信して表示させる表示制御装置とを含む表示装置で実行される表示方法であって、
すべてのディスプレイ装置に同一の画像を表示させたときにすべてのディスプレイ装置で消費されると予想される予想消費電力を算出する算出ステップと、
算出ステップで算出された予想消費電力に応じて、前記同一の画像を表示させるディスプレイ装置の数を決定する決定ステップと、
決定ステップで決定された数のディスプレイ装置に前記同一の画像を送信して表示させる表示ステップとを含むことを特徴とする表示方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−44816(P2013−44816A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−180980(P2011−180980)
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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