説明

表示装置および電子機器

【課題】受光部を有する表示装置において、発光効率の低下および部品点数を増加することなく表示画質を向上させることが可能な表示装置および電子機器を提供する。
【解決手段】表示パネル10は、赤色発光素子111R,緑色発光素子111G,青色発光素子111Bを含む発光部111と、受光素子としての受光用トランジスタTr21を含む受光部112とからなる複数の画素11を有している。画素11はR,G,Bに対応するサブ画素11R,11G,11Bを含む。受光部112はカラーフィルタ836を有し、カラーフィルタ836を透過した光を受光用トランジスタTr21で受光し、得られた受光信号に基づいて発光素子111R,110G,110Bの発光制御を行う。これにより各色の輝度が調整され、表示画質が向上される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機EL(Electro Luminescence)素子等の発光素子を用いて構成された表示装置、およびそのような表示装置を備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像表示を行う表示装置の分野では、発光素子として、流れる電流値に応じて発光輝度が変化する電流駆動型の光学素子、例えば有機EL素子を用いた表示装置(有機EL表示装置)が開発され、商品化が進められている。
【0003】
有機EL素子は、液晶素子などと異なり自発光素子である。そのため、有機EL表示装置では光源(バックライト)が必要ないことから、光源を必要とする液晶表示装置と比べ、画像の視認性が高く、消費電力が低く、かつ素子の応答速度が速い。
【0004】
一方、この自発光素子である有機EL素子には、外光の表面反射によって景色の映りこみが発生し、これにより視認性が低下する、あるいは外光と有機EL素子の発光光との混色によって表示画質が低下するなどの問題があった。これに対して、表示画面に反射防止フィルムを設け、これにより外光の反射を防止し、視認性を向上させるという提案がなされている。具体的には、反射防止フィルムの表面に錐形状の複数の凸部を設け、表示画面の表面側より外側(空気側)へ向かって形成された物理的な錐形状によって屈折率を変化させることにより光の反射を防止するものである(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−165213号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような表示装置では、上記表示画質の低下を改善するには十分ではなく、また、反射防止フィルムを設けるためその分、発光効率が低下するという問題があった。更に、上記のように加工した反射防止フィルムを設けることにより部品点数が増加すると共に、コストが高くなるという問題もあった。
【0007】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、発光効率を低下することなく、かつ部品点数を増加することなく、表示画質を向上させることの可能な表示装置および電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の表示装置は、画素毎に発光素子を含む発光部を有すると共に、少なくとも1つの画素に受光素子を含む受光部を有する表示パネルと、発光素子に対する表示駆動および前記受光素子に対する受光駆動をそれぞれ行う駆動部とを備えている。また、受光部を有する画素は受光素子の前面にカラーフィルタを有し、受光素子はカラーフィルタの透過光を受けて受光信号を出力し、駆動部では、この受光素子の出力信号に基づいて発光素子の発光制御を行う。
【0009】
本発明の電子機器は、上記本発明の表示装置を備えたものである。
【0010】
本発明の表示装置および電子機器では、受光部の前面に設けられたカラーフィルタにより外光が選別され、このカラーフィルタにより選別された光が受光部の受光素子において検出される。この検出信号に基づいて発光素子の駆動制御がなされる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の表示装置および電子機器によれば、受光部にカラーフィルタを設け、このカラーフィルタによって選別された光に基づいて発光素子の発光制御を行うようにしたので、外光の映り込みによる色度点の変化を軽減することができる。これにより発光効率を低下することなく、かつ部品点数を増加することなく、表示画質を向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施の形態に係る表示装置の一例を表すブロック図である。
【図2】図1に示した画素内の発光部および受光部の配置例を表す模式図である。
【図3】図2に示した発光部の構成例を表す回路図である。
【図4】図2に示した受光部の構成例を表す回路図である。
【図5】図1に示した表示パネルの一部構成を表す断面図である。
【図6】表示装置における受光部の動作の一例を表すタイミング波形図である。
【図7】外光検出による補正係数演算処理を表す流れ図である。
【図8】表示装置を含むモジュールの概略構成を表す平面図である。
【図9】表示装置の適用例1の外観を表す斜視図である。
【図10】(A)は適用例2の表側から見た外観を表す斜視図であり、(B)は裏側から見た外観を表す斜視図である。
【図11】適用例3の外観を表す斜視図である。
【図12】適用例4の外観を表す斜視図である。
【図13】(A)は適用例5の開いた状態の正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態の正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態(画素ごとに受光部を有する例)
2.モジュールおよび適用例(電子機器への適用例)
3.変形例
【0014】
<実施の形態>
[表示装置の構成]
図1は、本発明の一実施の形態に係る表示装置1の概略構成をブロック図で表したものである。この表示装置1は、表示パネル10(表示部)およびこの表示パネル10を駆動するための駆動回路20を備えている。
【0015】
(表示パネル10)
表示パネル10は、複数の画素11がマトリクス状に配置された画素アレイ部13を有しており、外部から入力される映像信号20Aおよび同期信号20Bに基づいて、アクティブマトリクス駆動により画像表示を行うものである。各画素11には、例えばそれぞれ赤(R),青(B),緑(G)の3原色の発光を行うサブ画素11R,11G,11Bが含まれている。
【0016】
画素アレイ部13は、行状に配置された複数の走査線WSL1(第1の走査線),WSL2(第2の走査線)と、列状に配置された複数の信号線DTL1(第1の信号線),DTL2(第2の信号線)とを有している。この画素アレイ部13はまた、走査線WSL1,WSL2に沿って行状に配置された複数の電源線DSL1(第1の電源線),DSL2(第2の電源線)および複数のゲート線GDLを有している。これらのうち、走査線WSL1と、映像信号線としての信号線DTL1と、電源線DSL1とはそれぞれ、後述する発光部(発光部111)における発光動作の際に用いられるものである。一方、走査線WSL2と、受光信号線としての信号線DTL2と、電源線DSL2と、ゲート線GDLとはそれぞれ、後述する受光部(受光部112)における受光動作(光検出動作)の際に用いられるものである。これらの走査線WSL1,WSL2、信号線DTL1,WSL2、電源線DSL1,WSL2およびゲート線GDLの一端側はそれぞれ、後述する駆動回路20に接続されている。上記した各画素11R,11G,11Bは、各走査線WSL1,WSL2、各電源線DSL1,DSL2および各ゲート線GDLと、各信号線DTL1,DTL2との交差部に対応して、行列状に配置 (マトリクス配置)されている。
【0017】
図2は、画素11の構成を模式的に表したものである。画素11は発光部111(赤色発光素子111R,緑色発光素子111G,青色発光素子111B)および受光部112(赤色センサ112R,緑色センサ112G,青色センサ112B)を有している。具体的には、サブ画素11Rは、赤色の発光動作を行う赤色発光素子111Rおよび外光を検出するための赤色センサ112Rにより構成されている。同様に、サブ画素11Gは、緑色の発光動作を行う緑色発光素子111Gおよび外光を検出するための緑色センサ112G、サブ画素11Bは、青色の発光動作を行う青色発光素子111Bおよび外光を検出するための青色センサ112Bによりそれぞれ構成されている。本実施の形態では、これら発光部111および受光部112には各サブ画素の色に対応するようにR,G,Bに色分けされたカラーフィルタ836(836R,836G,836B)が設けられている。なお、サブ画素11R,11G,11Bにおける発光動作および外光検出方法は共通している。
【0018】
(発光部111)
図3は、発光部111の内部構成(回路構成)の一例を表したものである。発光部111内には、赤色発光素子111R,緑色発光素子111G,青色発光素子111Bおよび各発光素子11R,111G,111Bに対応する画素回路14が設けられている。
【0019】
画素回路14は、書き込み(サンプリング用)トランジスタTr11(第4のトランジスタ)、駆動トランジスタTr12(第5のトランジスタ)および保持容量素子Cs(第2の保持容量素子)を用いて構成されている。すなわち、この画素回路14は、いわゆる「2Tr1C」の回路構成となっている。書き込みトランジスタTr11および駆動トランジスタTr12はそれぞれ、例えば、nチャネルMOS型のTFTにより構成されている。なお、TFTの種類は特に限定されるものではなく、例えば、逆スタガー構造(いわゆるボトムゲート型)であってもよいし、スタガー構造(いわゆるトップゲート型)であってもよい。
【0020】
画素回路14では、書き込みトランジスタTr11のゲートが走査線WSL1に接続され、ドレインが信号線DTL1に接続され、ソースが、駆動トランジスタTr12のゲートおよび保持容量素子Csの一端に接続されている。駆動トランジスタTr12のドレインは電源線DSL1に接続され、ソースは、保持容量素子Csの他端および対応する赤色発光素子111R,緑色発光素子111G,青色発光素子111Bのアノードに接続されている。なお、赤色発光素子111R,緑色発光素子111G,青色発光素子111Bのカソードは固定電位に設定されており、ここではグランド(接地電位)に設定されている。
【0021】
(受光部112)
図4は、受光部112における各センサ(赤色センサ112R,緑色センサ112G,青色センサ112B)の回路構成の一例を表したものである。赤色センサ112Rは、受光素子として機能する受光用トランジスタTr21、トランジスタTr22、出力用トランジスタTr23、保持容量素子C1および抵抗素子R1を有する。緑色センサ112Gおよび青色センサ112Bも赤色センサ112Rと同様の構成を有する。受光用トランジスタTr21およびトランジスタTr22はそれぞれ、例えばnチャネルMOS型のTFTである。
【0022】
受光部112では、受光用トランジスタTr21のゲートがゲート線GDLに接続され、ドレインが電源線DSL2に接続され、ソースが、保持容量素子C1の一端およびトランジスタTr22のゲートに接続されている。トランジスタTr22のドレインは電源線DSL2に接続され、ソースは出力用トランジスタTr23のドレインに接続されている。出力用トランジスタTr23のゲートは走査線WSL2に接続され、ソースは、信号線DTL2および抵抗素子R1の一端に接続されている。保持容量素子C1の他端および抵抗素子R1の他端はそれぞれ、固定電位に設定されており、ここではグランドに設定されている。
【0023】
図5は、表示パネル10の画素11における上部パターン層83等の断面構造を模式的に表したものである。図に示したように、この上部パターン層83は、基板80側から順に、平坦化膜831、アノード電極832、赤色発光素子111R,緑色発光素子111G,青色発光素子111Bのそれぞれに対応する赤色発光層833R、緑色発光層833Gおよび青色発光層833B、ウィンドウ層834ならびにカソード電極835が積層されている。赤色発光素子111R,緑色発光素子111G,青色発光素子111Bの下方に赤色センサ112R,緑色センサ112G,青色センサ112Bが配設されている。
【0024】
なお、カソード電極835上には、図示しないが赤色発光素子111R,緑色発光素子111G,青色発光素子111Bを保護するための保護層、接着層および封止用の基板等が設けられている。この封止基板には、各色発光層に対応するR,G,Bに色分けされたカラーフィルタ836が設けられている。このカラーフィルタ836は、上述のように、赤色発光素子111R,緑色発光素子111G,青色発光素子111Bに加えて、赤色センサ112R,緑色センサ112G,青色センサ112Bを覆うように形成されている。また、ここではアノード電極832およびカソード電極835間に発光層のみを設けた構造を示したが、必要に応じて他の層、例えば正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層等が積層されていてもよい。
【0025】
赤色発光素子111R,緑色発光素子111G,青色発光素子111Bでは、アノード電極832上に、開口部を有するウィンドウ層(画素間絶縁膜)834が設けられ、その開口部に、各色の発光層(赤色発光層833R,緑色発光層833G,青色発光層833B)が形成されている。これらの赤色発光層833R,緑色発光層833G,青色発光層833Bとウィンドウ層834とを覆うように、カソード電極835が設けられている。
【0026】
赤色発光層833R,緑色発光層833G,青色発光層833Bはそれぞれ、電界をかけることにより、アノード電極832側から注入された正孔の一部と、カソード電極835側から注入された電子の一部とが再結合して、赤色光,緑色光,青色光を発生するものである。赤色発光層833Rは、例えば4,4−ビス(2,2−ジフェニルビニン)ビフェニル(DPVBi)に2,6−ビス[(4’−メトキシジフェニルアミノ)スチリル]−1,5−ジシアノナフタレン(BSN)を30重量%混合したものである。緑色発光層833Gは、例えばDPVBiにクマリン6を5重量%混合したものである。青色発光層833Bは、例えばDPVBiに4,4’−ビス[2−{4−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニル}ビニル]ビフェニル(DPAVBi)を2.5重量%混合したものである。
【0027】
このような赤色発光素子111R,緑色発光素子111G,青色発光素子111Bは、基板80上に、平坦化膜831Aを介して設けられ、基板80上に形成された駆動トランジスタTr12(図5には図示せず)と、電気的に接続されている。この基板80上の駆動トランジスタTr12と同層には、複数(ここでは3つ)の受光用トランジスタTr21が配設されている。
【0028】
これらの受光用トランジスタTr21は絶縁膜831Cにより覆われている。受光用トランジスタTr21それぞれの上部の平坦化膜831A、アノード電極、ウィンドウ層834およびカソード電極835は選択的に除去されており、開口830(830R,830G,830B)となっている。
【0029】
平坦化膜831Aおよびウィンドウ層834はそれぞれ、例えばSiOやSiN等の絶縁材料からなり、アノード電極はAlNd等、カソード電極835はMgAg等の金属材料からなる。
【0030】
(駆動回路20)
図1に示した駆動回路20は、画素アレイ部13(表示パネル10)に対して発光駆動(表示駆動)および受光駆動(光検出駆動)を行うものである。具体的には、画素アレイ部13における複数の画素11内の対応するサブ画素11R,11G,11Bを順次選択しつつ、選択されたサブ画素11R,11B,11Gに対して映像信号20Aに基づく映像信号電圧を書き込むことにより、各サブ画素11R,11G,11Bの表示駆動を行っている。また、詳細は後述するが、サブ画素11R,11B,11G内の受光部112(赤色センサ112R,緑色センサ112G,青色センサ112B)に対して、受光信号(光検出信号)を取得するため所定の受光駆動を行っている。
【0031】
この駆動回路20は、映像信号処理回路21、タイミング生成回路22、走査線・電源線駆動回路23、信号線駆動回路24、受光駆動回路25および受光信号読み出し回路26を有している。これらのうち、映像信号処理回路21、走査線・電源線駆動回路23および信号線駆動回路24はそれぞれ、上記表示駆動を行うための回路である。一方、受光駆動回路25および受光信号読み出し回路26はそれぞれ、上記受光駆動を行うための回路である。
【0032】
映像信号処理回路21は、外部から入力されるデジタルの映像信号20Aに対して、受光信号に基づく輝度補正を行うと共に、輝度補正後の映像信号21Aを信号線駆動回路24に出力するものである。映像信号処理回路21は、受光信号読み出し回路26から供給される受光信号に基づいて、輝度情報や補正係数を算出するための演算回路210を有している。なお、この映像信号処理回路21では、そのような輝度補正の他にも、例えばガンマ補正やオーバードライブ補正等を行うようにしてもよい。
【0033】
タイミング生成回路22は、外部から入力される同期信号20Bに基づいて制御信号22Aを生成し出力することにより、表示動作および受光動作がそれぞれ連動して動作するように制御するものである。具体的には、走査線・電源線駆動回路23および信号線駆動回路24がそれぞれ連動して表示動作を行うと共に、受光駆動回路25および受光信号読み出し回路26がそれぞれ連動して受光駆動を行うように、制御している。
【0034】
走査線・電源線駆動回路23は、図示しない走査線駆動回路および電源線駆動回路を有している。
【0035】
走査線駆動回路は、制御信号22Aに従って(同期して)複数の走査線WSL1に対して選択パルスを順次印加することにより、複数の画素11のうちの対応するサブ画素11R,11G,11Bを順次選択するものである。具体的には、書き込みトランジスタTr11をオン状態に設定するときに印加する電圧Von1と、書き込みトランジスタTr11をオフ状態に設定するときに印加する電圧Voff 1とを選択的に出力することにより、上記した選択パルスを生成するようになっている。ここで、電圧Von1は、書き込みトランジスタTr11のオン電圧以上の値(一定値)となっており、電圧Voff 1は、書き込みトランジスタTr11のオン電圧よりも低い値(一定値)となっている。
【0036】
電源線駆動回路は、制御信号22Aに従って(同期して)、複数の電源線DSL1に対して制御パルスを順次印加することにより、赤色発光素子111R,緑色発光素子111G,青色発光素子111Bの発光動作および消光動作の制御を行うものである。具体的には、駆動トランジスタTr12に電流Idsを流すときに印加する電圧VH1と、駆動トランジスタTr12に電流Idsを流さないときに印加する電圧VL1とを選択的に出力することにより、上記した制御パルスを生成するようになっている。ここで、電圧VL1は、赤色発光素子111R,緑色発光素子111G,青色発光素子111Bにおける閾値電圧Vthelおよびカソード電圧Vcat を足し合わせた電圧値(Vthel+Vcat )よりも低い電圧値(一定値)となるように設定されている。一方、電圧VH1は、この電圧値(Vthel+Vcat )以上の電圧値(一定値)となるように設定されている。
【0037】
信号線駆動回路24は、制御信号22Aに従って(同期して)、映像信号処理回路21から入力される映像信号21Aに対応するアナログの映像信号を生成し、各信号線DTL1に印加するものである。具体的には、この映像信号21Aに基づく各色用のアナログの映像信号電圧を、各信号線DTL1に対して個別に印加する。これにより、上記走査線駆動回路により選択されたサブ画素11R,11B,11Gに対して、映像信号の書き込みを行うようになっている。
【0038】
受光駆動回路25は、制御信号22Aに従って(同期して)、複数の走査線WSL2、複数の電源線DSL2および複数のゲート線GDLに対してそれぞれ、後述する受光制御用のパルスを順次印加するものである。これにより、各受光部112の受光動作(光検出動作)の制御を行うようになっている。具体的には、各走査線WSL2に対しては、出力用トランジスタTr23をオン状態に設定するときに印加する電圧Von2と、出力用トランジスタTr23をオフ状態に設定するときに印加する電圧Voff 2とを選択的に出力することにより、上記パルスを生成している。各電源線DSL2に対しては、受光用トランジスタTr21に後述するリーク電流IL(図4参照)を流すときに印加する電圧VH2と、受光用トランジスタTr21にリーク電流ILを流さないときに印加する電圧VL2とを選択的に出力することにより、上記パルスを生成している。各ゲート線GDLに対しては、受光用トランジスタTr21をオン状態に設定するときに印加する電圧Von3と、受光用トランジスタTr21をオフ状態に設定するときに印加する電圧Voff 3とを選択的に出力することにより、上記パルスを生成している。
【0039】
受光信号読み出し回路26は、制御信号22Aに従って(同期して)、受光信号線としての複数の信号線DTL2から出力される各受光信号を読み出すための回路である。
【0040】
[表示装置の作用・効果]
(表示動作)
この表示装置1では、図1〜図3に示したように、駆動回路20が、表示パネル10(画素アレイ部13)内の画素11に対し、映像信号20Aおよび同期信号20Bに基づく表示駆動を行う。これにより画素11における発光部111内の赤色発光素子111R,緑色発光素子111G,青色発光素子111Bへ駆動電流が注入され、正孔と電子とが再結合して発光が起こる。その結果、表示パネル10において、映像信号20Aに基づく画像表示がなされる。
【0041】
具体的には、図3を参照すると、発光部111では、以下のようにして映像信号の書き込み動作(表示動作)が行われる。まず、信号線DTL1の電圧が映像信号電圧となっており、かつ電源線DSL1の電圧が電圧VH1となっている期間中に、走査線・電源線駆動回路23が、走査線WSL1の電圧を電圧Voff 1から電圧Von1に上げる。これにより、書き込みトランジスタTr11がオン状態となるため、駆動トランジスタTr12のゲート電位Vg12が、このときの信号線DTL1の電圧に対応する映像信号電圧へと上昇する。その結果、補助容量素子Csに対して映像信号電圧が書き込まれ、保持される。
【0042】
このとき、赤色発光素子111R,緑色発光素子111G,青色発光素子111Bのアノード電圧は、この段階ではまだ、各発光素子111R,111G,111Bにおける閾値電圧Velとカソード電圧Vca(=接地電位)とを足し合わせた電圧値(Vel+Vca)よりも小さく、各発光素子111R,111G,111Bはカットオフ状態となっている。すなわち、この段階では、各発光素子111R,111G,111Bのアノード−カソード間には電流が流れない(対応する赤色発光素子111R,緑色発光素子111G,青色発光素子111Bが発光しない)。したがって、駆動トランジスタTr12から供給される電流Idsは、各発光素子111R,111G,111Bのアノード−カソード間に並列に存在する素子容量(図示せず)へと流れ、この素子容量が充電される。
【0043】
次に、信号線DTL1および電源線DSL1の電圧がそれぞれ、映像信号電圧および電圧VH1のまま保持されている期間中に、走査線・電源線駆動回路23が、走査線WSL1の電圧を電圧Von1から電圧Voff 1へと下げる。これにより、書き込みトランジスタTr11がオフ状態となるため、駆動トランジスタTr12のゲートがフローティング状態となる。すると、この駆動トランジスタTr12のゲート−ソース間電圧Vgs12が一定に保持された状態で、駆動トランジスタTr12のドレイン−ソース間に電流Idsが流れる。その結果、この駆動トランジスタTr12のソース電位Vs12が上昇すると共に、駆動トランジスタTr12のゲート電位Vg12もまた、保持容量素子Csを介した容量カップリングにより、連動して上昇する。そして、これにより、各発光素子111R,111G,111Bのアノード電圧が、この各発光素子111R,111G,111Bにおける閾値電圧Velとカソード電圧Vcaとを足し合わせた電圧値(Vel+Vca)よりも大きくなる。よって、各発光素子111R,111G,111Bのアノード−カソード間には、補助容量素子Csに保持された映像信号電圧、すなわち駆動トランジスタTr12におけるゲート−ソース間電圧Vgs12に応じた電流Idsが流れ、対応する赤色発光素子111R,緑色発光素子111G,青色発光素子111Bが所望の輝度で発光する。
【0044】
次いで、駆動回路20は、所定の期間が経過したのち、対応する赤色発光素子111R,緑色発光素子111G,青色発光素子111Bの発光期間を終了させる。具体的には、走査線・電源線駆動回路23が、電源線DSL1の電圧を電圧VH1から電圧VL1へと下げる。すると、駆動トランジスタTr12のソース電位Vs12が下降していく。これにより、各発光素子111R,111G,111Bのアノード電圧が、この各発光素子111R,111G,111Bにおける閾値電圧Velとカソード電圧Vcaとを足し合わせた電圧値(Vel+Vca)よりも小さくなり、アノード−カソード間に電流Idsが流れなくなる。その結果、これ以降は各発光素子111R,111G,111Bが消光する(消光期間へと移行する)。
【0045】
なお、その後は、駆動回路20は、これまで説明した発光動作および消光動作がフレーム期間(1垂直期間、1V期間)ごとに周期的に繰り返されるように、表示駆動を行う。また、それと共に、駆動回路20は、例えば1水平期間(1H期間)ごとに、電源線DSL1に印加する制御パルスおよび走査線WSL1に印加する選択パルスをそれぞれ、行方向に走査させる。以上のようにして、表示装置1における表示動作(駆動回路20による表示駆動)が行われる。
【0046】
(受光動作)
続いて、図1,図3,図6を参照して、各受光部112における受光動作について説明する。図6は、この受光動作の一例をタイミング波形図で表したものであり、(A)〜(E)はそれぞれ、電源線DSL2、ゲート線GDL、走査線WSL2、トランジスタTr22のゲート電位Vg22および信号線DTL2の電圧波形(受光出力電圧Vout の波形)を示している。
【0047】
駆動回路20は、表示パネル10内の各受光部112に対し、電源線DSL2、走査線WSL2およびゲート線GDLに受光制御用のパルスを順次供給することにより、以下のような受光駆動を行う。即ち、まず、タイミングt1において、受光駆動回路25が、電源線DSL2の電圧を電圧VH2から電圧VL2へと下げる。これにより、受光用トランジスタTr21にリーク電流ILが流れなくなり、トランジスタTr22のゲート電位Vg22および受光出力電圧Vout が初期化される。
【0048】
次いで、タイミングt2において、受光駆動回路25は、ゲート線GDLの電圧をオフ電圧Voff 3からオン電圧Von3へと上げる。これにより、受光用トランジスタTr21がオン状態となるため、保持容量素子C1の一端側に対して、このときの電源線DSL2の電圧(電圧VL2)が書き込まれ、ゲート電位Vg22が初期化される。
【0049】
続いて、タイミングt3において、受光駆動回路25は、走査線WSL2の電圧をオフ電圧Voff 2からオン電圧Von2へと上げる。これにより、出力用トランジスタTr23がオン状態となり、トランジスタTr22およびこの出力用トランジスタTr23を介して、このときの電源線DSL2の電圧(電圧VL2)が信号線DTL2へ書き込まれる(受光出力電圧Vout が電圧VL2となる)。その結果、受光出力電圧Vout が初期化される。
【0050】
次いで、タイミングt4において、受光駆動回路25は、ゲート線GDLの電圧を再びオン電圧Von3からオフ電圧Voff 3へと下げる。これにより、受光用トランジスタTr21が再びオフ状態となり、その結果、この受光用トランジスタTr21のゲート−ソース間の寄生容量による容量カップリングによりゲート電位Vg22が下降し、これに伴って信号線DTL2の電圧(Vout )も下降する。
【0051】
この後、タイミングt5において、受光駆動回路25は、電源線DSL2の電圧を再び電圧VL2から電圧VH2へと上げる。これにより、受光用トランジスタTr21にリーク電流ILが流れるようになり、ゲート電位Vg22および受光出力電圧Vout がそれぞれ上昇する。このとき、リーク電流ILの大きさは、受光用トランジスタTr21への入射光Lの光量(輝度)に応じたものとなり、この受光用トランジスタTr21が受光素子(光検出素子)として機能する。例えば、図6(D)に示したように、光検出ありの場合には、光検出なしの場合に比べ、ゲート電位Vg22が上昇する。また、これに伴って、白出力時(光検出ありの場合)には、黒出力時(光検出なしの場合)に比べ、受光出力電圧Vout が上昇する(図6(E))。
【0052】
そして、受光駆動回路25が、タイミングt6において、走査線WSL2の電圧をオフ電圧Voff 2へと下げる。上記タイミングt5からタイミングt6までの期間が受光期間Tsとなる。尚、このようなタイミングt1〜t5の非受光期間(初期化期間)およびタイミングt5〜t6の受光期間Tsにおける受光動作は、周期的に繰り返されてもよいし、任意のタイミングから開始されてもよい。以上のようにして、表示装置1における受光動作(駆動回路20による受光駆動)が行われる。
【0053】
(輝度補正動作)
(1.外光検出時の画素および受光部の駆動動作)
本実施の形態では、上記のような表示動作および受光動作がなされる表示装置1において、外光に応じて映像信号20Aの補正動作(輝度補正動作)が行われる。具体的には、まず、受光部112の受光用トランジスタTr21に外光が照射されると、光励起によりリーク電流が増加する。このリーク電流の増加によってVout 電圧が変化し、外光検出のための受光信号として取得される。
【0054】
本実施の形態では、発光部111(赤色発光素子111R,緑色発光素子111G,青色発光素子111B)に、R、G,Bに色分けされたカラーフィルタ836(赤色フィルタ836R,緑色フィルタ836G,青色フィルタ836B)が設けられている。本実施の形態では、このカラーフィルタ836は、各色ごとに赤色センサ112R,緑色センサ112G,青色センサ112Bまで延在しており、受光用トランジスタTr21も覆っている。
【0055】
ここで、受光部112にカラーフィルタ836が設けられていない場合について考える。外光が照射された受光用トランジスタTr21は、上述のように光励起によってリーク電流が増加し、Vout 電圧が変化する。ところが、このVout 電圧の変化は、赤色,緑色,青色等の各色が混在した外光をそのまま検出しているため、サブ画素11R,11G,11Bごとに輝度補正を行うための補正係数を得ることはできない。
【0056】
これに対して、本実施の形態では、受光部112にR,G,Bに色分けされたカラーフィルタ836を設けることにより、受光用トランジスタTr21に照射される外光は、赤色フィルタ836R,緑色フィルタ836G,青色フィルタ836Bを透過する際に選別される。これにより、赤色センサ112R,緑色センサ112G,青色センサ112Bのそれぞれの受光用トランジスタTr21は各フィルタに対応する色のみを受光し、検出することができる。即ち、サブ画素11R,11G,11Bごとに輝度補正を行うための補正係数を得ることができる。
【0057】
(2.補正係数の演算)
次に、駆動回路20は、上記のようして取得した受光信号に基づいて、映像信号20Aを補正するための補正係数(輝度補正係数)を演算する。なお、以下に説明する各処理は全て画素11および画素11内のサブ画素11R,11G,11Bごとに行われる。図7に、その処理フローを示す。即ち、まず、受光部112の受光用トランジスタTr21においてカラーフィルタ836を介して外光を受光することによって受光信号(受光出力電圧Vout )を取得する(ステップS11)。具体的には受光信号読み出し回路26が信号線DTL2から受光信号の読み出しを順次行い、読みだした受光信号を、対応する画素11(およびサブ画素11R,11G,11B)の位置に関する情報(発光画素の位置情報)と共に、受光信号26Aとして映像信号処理回路21へ供給する。
【0058】
続いて、映像信号処理回路21は入力された受光信号26Aに基づいて、受光画素の輝度情報を算出する(ステップS12)。具体的には、演算回路210が上記のような発光画素の位置情報と受光信号に基づいて、外光の色度情報を算出する。
【0059】
このようにして得られた外光の色度情報から、発光画素の輝度を変更する補正係数を算出し、この補正係数に基づいて、映像信号20Aを補正し、補正後の映像信号21Aを信号線駆動回路24へ出力する(ステップS13)。このようにしてサブ画素11R,11G,11Bに対して外光に基づく輝度補正がなされる。
【0060】
以上のように、本実施の形態では、発光部111(発光素子111R,110G,110B)に対応するように色分けされたカラーフィルタ836(赤色フィルタ836R,緑色フィルタ836G,青色フィルタ836B)によって、対応する受光部112(赤色センサ112R,緑色センサ112G,青色センサ112B)を覆うようにした。これにより、カラーフィルタ836によって選別された外光が受光部112に受光される。即ち、赤色センサ112R,緑色センサ112G,青色センサ112Bは外光のうち対応する色光(R,G,Bのいずれか)を検出することができる。よって、サブ画素11R,11G,11B単位で赤色発光素子111R,緑色発光素子111G,青色発光素子111Bそれぞれの駆動制御を行い、表示画面の輝度補正を行うことができる。具体的には、例えば外光に赤色光が多く含まれている場合には、赤色発光素子111Rの輝度を抑えて表示画面の色度を調整する。これにより、発光効率の低下あるいは部品点数を増加することなく表示画質を向上させることが可能となる。
【0061】
<モジュールおよび適用例>
次に、図8〜図13を参照して、上記実施の形態で説明した表示装置1の適用例について説明する。上記実施の形態の表示装置1は、テレビジョン装置,デジタルカメラ,ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置あるいはビデオカメラなどのあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。言い換えると、この表示装置1は、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、画像あるいは映像として表示するあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。
【0062】
(モジュール)
表示装置1は、例えば、図8に示したようなモジュールとして、後述する適用例1〜5などの種々の電子機器に組み込まれる。このモジュールは、例えば、基板31の一辺に、封止用基板32から露出した領域210を設け、この露出した領域210に、駆動回路20の配線を延長して外部接続端子(図示せず)を形成したものである。この外部接続端子には、信号の入出力のためのフレキシブルプリント配線基板(FPC;Flexible Printed Circuit)220が設けられていてもよい。
【0063】
(適用例1)
図9は、表示装置1が適用されるテレビジョン装置の外観を表したものである。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル310およびフィルターガラス320を含む映像表示画面部300を有しており、この映像表示画面部300が表示装置1により構成されている。
【0064】
(適用例2)
図10は、表示装置1が適用されるデジタルカメラの外観を表したものである。このデジタルカメラは、例えば、フラッシュ用の発光部410、表示部420、メニュースイッチ430およびシャッターボタン440を有しており、この表示部420が表示装置1により構成されている。
【0065】
(適用例3)
図11は、表示装置1が適用されるノート型パーソナルコンピュータの外観を表したものである。このノート型パーソナルコンピュータは、例えば、本体510,文字等の入力操作のためのキーボード520および画像を表示する表示部530を有しており、この表示部530が表示装置1により構成されている。
【0066】
(適用例4)
図12は、表示装置1が適用されるビデオカメラの外観を表したものである。このビデオカメラは、例えば、本体部610,この本体部610の前方側面に設けられた被写体撮影用のレンズ620,撮影時のスタート/ストップスイッチ630および表示部640を有している。そして、この表示部640が表示装置1により構成されている。
【0067】
(適用例5)
図13は、表示装置1が適用される携帯電話機の外観を表したものである。この携帯電話機は、例えば、上側筐体710と下側筐体720とを連結部(ヒンジ部)730で連結したものであり、ディスプレイ740,サブディスプレイ750,ピクチャーライト760およびカメラ770を有している。そして、これらのうちのディスプレイ740またはサブディスプレイ750が、表示装置1により構成されている。
【0068】
以上、実施の形態および適用例を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態等に限定されず、種々の変形が可能である。
【0069】
例えば、上記実施の形態では、表示パネル内において受光部112が画素11ごとに設けられている場合について説明したが、受光部112は表示パネル内に少なくとも1つ以上設けられていればよく、必ずしも画素11ごとに設けられていなくてもよい。また、ここでは受光部112(受光用トランジスタTr21)から得られた受光信号は、同一画素11内の発光部111を制御する場合について説明したが、上述のように受光部112が画素11ごとに設けられていない場合には、得られた受光信号は他の画素11の発光部111を制御して表示画面の色度を調整する。
【0070】
また、上記実施の形態では、各発光素子111R,111B,111Gに対応するように色分けされたカラーフィルタ836を延長して受光部112を覆うようにしたが、これに限らず、受光部112はサブ画素11R,11G,11B内の対応する発光素子111R,111B,111Gとは異なる色のカラーフィルタ836で覆ってもよい。例えば、サブ画素11Rの赤色発光素子11R上を赤色フィルタ、サブ画素11Rに設けられたセンサ112Rを青色フィルタで覆ってもよい。この場合、赤色センサ112Rは外光のうち青色光を受光し、検出する。
【0071】
更に、上記実施の形態では、表示装置がアクティブマトリクス型である場合について説明したが、アクティブマトリクス駆動のための画素回路の構成は、上記実施の形態等で説明したものに限られない。すなわち、画素回路の構成は、上記実施の形態等で説明した「2Tr1C」の回路構成には限られず、例えば必要に応じて、容量素子やトランジスタ等を追加したり置き換えたりするようにしてもよい。その場合、画素回路の変更に応じて、上述した走査線・電源線駆動回路および信号線駆動回路の他に、必要な駆動回路を追加するようにしてもよい。また、同様に受光部の回路構成についても、上記実施の形態等で説明した「3Tr1C」の回路構成には限られず、例えば必要に応じて、容量素子やトランジスタ等を追加したり置き換えたりするようにしてもよい。
【0072】
更にまた、上記実施の形態では、走査線・電源線駆動回路、信号線駆動回路、受光駆動回路および受光信号読み出し回路における駆動動作をそれぞれ、タイミング生成回路が制御する場合について説明したが、他の回路がこれらの駆動動作を制御するようにしてもよい。また、このような走査線・電源線駆動回路、信号線駆動回路、受光駆動回路および受光信号読み出し回路に対する制御は、ハードウェア(回路)で行われるようにしてもよいし、ソフトウェア(プログラム)で行われるようにしてもよい。
【0073】
加えて、上記実施の形態では、画素回路内および受光部内のトランジスタがそれぞれ、nチャネルトランジスタ(nチャネルMOS型のTFT)により形成されている場合について説明したが、この場合には限られない。すなわち、これらのトランジスタがそれぞれ、pチャネルトランジスタ(pチャネルMOS型のTFT)により形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0074】
1…表示装置、10…表示パネル、11…画素、11R,11G,11B…サブ画素、111…発光部、111R…赤色発光素子、111G…緑色発光素子、111B…青色発光素子、112…受光部、112R…赤色センサ、112G…緑色センサ、112B…青色センサ、13…画素アレイ部、14…画素回路、20…駆動回路、20A,21A…映像信号、20B…同期信号、21…映像信号処理回路、22…タイミング生成回路、22A…制御信号、23…走査線・電源線駆動回路、24…信号線駆動回路、25…受光駆動回路、26…受光信号読み出し回路、26A…制御信号、80…基板、811…ゲート電極、812…ゲート絶縁膜、813…Si膜、814…絶縁膜、815S…ソース電極、815D…ドレイン電極、816…チャネル層、821…電極、822…絶縁膜、823…Si膜、824…絶縁膜、825…電極、826…チャネル層、83…上部パターン層、830…開口、831…平坦化膜、832…アノード電極、833R…赤色発光層、833G…緑色発光層、833B…青色発光層、834…ウィンドウ層、835…カソード電極、836…カラーフィルタ、836R…赤色フィルタ、836G…緑色フィルタ、836B…青色フィルタ、WSL1,WSL2…走査線、DTL1,DTL2…信号線、DSL1,DSL2…電源線、GDL…ゲート線、Tr11…書き込みトランジスタ、Tr12…駆動トランジスタ、Tr21,Tr121,Tr221…受光用トランジスタ、Tr22…トランジスタ、Tr23…出力用トランジスタ、Cs,C1…保持容量素子、R1…抵抗素子、Ids…電流(発光電流)、Von1,Von2,Von3,Voff 1,Voff 2,Voff 3,VH1,VH2,VL1,VL2…電圧、Vg12,Vg22…ゲート電位、Vs12…ソース電位、Vgs12…ゲート−ソース間電圧、Vout …受光出力電圧、Cgs,Cgs1〜Cgs3…寄生容量、Lr,Lg,Lb…発光光(表示光)、LO…外光、L…入射光、t1〜t6…タイミング、Ts…受光(光検出)期間S1,S2,S3,S4,S5…重複領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素毎に発光素子を含む発光部を有すると共に、少なくとも1つの画素に受光素子を含む受光部を有する表示パネルと、
前記発光素子に対する表示駆動および前記受光素子に対する受光駆動をそれぞれ行う駆動部とを備え、
前記受光部を有する画素は前記受光素子の前面にカラーフィルタを有し、前記受光素子は前記カラーフィルタの透過光を受けて受光信号を出力し、
前記駆動部では、前記受光素子の出力信号に基づいて前記発光素子の発光制御を行う
表示装置。
【請求項2】
前記表示パネルは、前記画素毎に前記受光部を有する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示パネルは、前記受光素子を基板上に有すると共に、前記受光素子上に開口を有する上部パターン層を有し、
前記カラーフィルタは、前記開口を覆うように前記上部パターン層上に形成されている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記発光部は互いに異なる色の発光を行う複数の発光素子を含むと共に、各発光素子毎に当該色のカラーフィルタを有し、前記受光部は前記発光素子のカラーフィルタを共有する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示パネルは、各受光部に接続された第1の走査線、受光信号線としての第1の信号線、第1の電源線およびゲート線を有し、
各受光部は、前記受光素子として機能する第1のトランジスタと、第2および第3のトランジスタと、前記第1の保持容量素子と、抵抗素子とを含み、
前記第1のトランジスタのゲートが前記ゲート線に接続されると共に、ドレインが前記第1の電源線に接続され、
前記第1のトランジスタのソースが、前記第1の保持容量素子の一端および前記第2のトランジスタのゲートに接続され、
前記第2のトランジスタのドレインが前記第1の電源線に接続されると共に、ソースが前記第3のトランジスタのドレインに接続され、
前記第3のトランジスタのゲートが前記第1の走査線に接続されると共に、ソースが前記第1の信号線および前記抵抗素子の一端に接続され、
前記第1の保持容量素子の他端および前記抵抗素子の他端がそれぞれ、接地電位に設定されている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示パネルは、各画素に接続された第2の走査線、映像信号線としての第2の信号線および第2の電源線を有し、
各画素は、前記発光素子としての有機電界発光素子と、第4および第5のトランジスタと、第2の保持容量素子とを含み、
前記第4のトランジスタのゲートが前記第2の走査線に接続され、
前記第4のトランジスタにおけるドレインおよびソースのうち、一方が前記第2の信号線に接続されると共に、他方が前記第5のトランジスタのゲートおよび前記第2の保持容量素子の一端に接続され、
前記第5のトランジスタにおけるドレインおよびソースのうち、一方が前記第2の電源線に接続されると共に、他方が前記第2の保持容量素子の他端および前記有機電界発光素子のアノードに接続され、
前記有機電界発光素子のカソードが固定電位に設定されている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
表示装置を備え、
前記表示装置は、
画素毎に発光素子を含む発光部を有すると共に、少なくとも1つの画素に受光素子を含む受光部を有する表示パネルと、
前記発光素子に対する表示駆動および前記受光素子に対する受光駆動をそれぞれ行う駆動部とを備え、
前記受光部を有する画素は前記受光素子の前面にカラーフィルタを有し、前記受光素子は前記カラーフィルタの透過光を受けて受光信号を出力し、
前記駆動部では、前記受光素子の出力信号に基づいて前記発光素子の発光制御を行う
電子機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2011−215353(P2011−215353A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−83097(P2010−83097)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】