説明

表示装置及びこれを搭載した画像形成装置

【課題】機器の製品名等の情報表示を行うに際し、コストアップの抑制が図られるとともに、リサイクル及び省資源化対策が施され、環境問題に対応した表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置10は、ベース部材である前面カバー8に設けた凹部11、機器情報を記載した表示シート12、透明部材13、及び表示カバー部材14を備える。表示装置10は、凹部11に載置した表示シート12をカバーするように、透明部材13を凹部11に設けて、表示カバー部材14によってこれらを保持する。これにより、機器情報を変更する必要がある場合、表示シート12を交換するだけで済む。したがって、合成樹脂製の表示板を使用する場合と比較して、表示シート12の作成や表示の印刷等に必要な材料や装置、金型、加工等に関して、省資源化を図ることができるとともに、リサイクル性、コストアップの抑制についてもその性能を向上させることが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器の製品名や機種名、性能、機能、仕様、操作方法、誤動作対処方法等の情報表示のために用いられる表示装置に関する。また、この表示装置を搭載した画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機やプリンタに代表される画像形成装置等の機器には、その外装カバーに、機器の製品名や機種名、性能、機能、仕様、操作方法、誤動作対処方法等の情報表示を行うのが一般的である。このような機器情報の表示には、機器の外装カバーに直接印刷や凹凸のある成形を施したり、表示を印刷したシート部材を接着剤や両面テープ等の粘着部材を用いて貼付したりするといった方法が用いられている。
【0003】
しかしながら、上記のような機器情報の表示手法では、次のような問題が生じる。機器の外装カバーに直接印刷や凹凸のある成形を施す場合には、異なる機種で外装カバーを共用する際や、様々な国に輸出する際に、機種や使用言語毎に印刷や成形を変更する必要がある。これにより、印刷や成形に係る装置や治具、加工が必要となり、大幅なコストアップが生じる恐れがある。また、表示を印刷したシート部材を接着剤や両面テープ等の粘着部材を用いて貼付する場合には、機器をリサイクルする際にシート部材を剥がす必要があり、その作業性が悪いことが懸念されている。そこで、これらの問題に対して、コストアップやリサイクル時の作業性の悪化を防止して、機器の外装カバーに製品名や機種名等の情報表示を行う手法が提案され、その例を特許文献1に見ることができる。
【0004】
特許文献1に記載の機器における表示板取付方法は、機器情報を印刷した合成樹脂製のプレート状の表示板が、着脱自在に機器の外装カバーに設けられ、表示板を外装カバーに取り付け後に機器の輸出先が変更になった際には、表示板のみを交換して対処できるようにしている。
【特許文献1】特開平9−218550号公報(第2−3頁、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の機器における表示板取付方法は、機器情報を変更する必要がある場合、合成樹脂製の表示板を交換するだけで済むので、外装カバーに表示を直接印刷したり、接着剤等を使用して表示シートを貼付したりすることと比較すると、コストアップやリサイクル時の作業性悪化の防止に対しては効果があると考えられる。しかしながら、合成樹脂製の表示板を交換するだけであるとしても、その表示板の成形や表示の印刷等に多くの材料や装置、金型、加工等が必要になるので、昨今様々な分野で推し進められている省資源化という観点から好ましくない。さらに、リサイクル性の向上、コストアップの防止についても、効果を上げるための改善の余地があると考えられる。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、機器の製品名や機種名、性能、操作方法等の情報表示を行うに際し、コストアップの抑制が図られるとともに、リサイクル、及び省資源化対策が施され、環境問題に対応した表示装置を提供することを目的とする。また、このような表示装置を搭載した画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明は、ベース部材に設けた凹部と、機器情報を記載した表示シートと、透明部材とを備え、前記凹部に載置した前記表示シートをカバーするように、前記透明部材を前記凹部に設けることとした。
【0008】
また、上記構成の表示装置において、前記凹部に、前記表示シートに向かって突出する突起を設けるとともに、この突起が貫通する貫通孔を表示シートに設けることとした。
【0009】
また、本発明は、ベース部材に設けた凹部と、機器情報を記載した表示シートと、透明部材とを備え、前記透明部材に前記表示シートを収容する表示シート収容部を形成して、透明部材を前記凹部に設けることとした。
【0010】
また、上記構成の表示装置において、前記透明部材は、着脱自在に前記凹部に設けることとした。
【0011】
また、上記構成の表示装置において、前記透明部材は、前記凹部に回動自在に設けられ、凹部に対して閉鎖、開放両様の姿勢をとり得るものであることとした。
【0012】
また、上記構成の表示装置において、前記表示シートは、紙で構成されることとした。
【0013】
また本発明では、上記表示装置を画像形成装置に搭載することとした。
【発明の効果】
【0014】
本発明の構成によれば、ベース部材に設けた凹部と、機器情報を記載した表示シートと、透明部材とを備え、前記凹部に載置した表示シートをカバーするように、透明部材を凹部に設けることとしたので、機器情報を変更する必要がある場合、表示シートを交換するだけで済む。これにより、合成樹脂製の表示板を使用する場合と比較して、表示シートの作成や表示の印刷等に必要な材料や装置、金型、加工等に関して、省資源化を図ることができるとともに、リサイクル性、コストアップの抑制についてもその性能を向上させることが可能となる。このようにして、コストアップの抑制が図られるとともに、リサイクル、省資源化対策が施され、環境問題に対応した表示装置を得ることができる。
【0015】
また、凹部に、表示シートに向かって突出する突起を設けるとともに、この突起が貫通する貫通孔を表示シートに設けることとしたので、容易に表示シートの位置決めを行うことが可能となる。したがって、上記のように省資源化、リサイクル性が考慮された表示装置に対して、表示の視認性も向上させることが可能となる。
【0016】
また、ベース部材に設けた凹部と、機器情報を記載した表示シートと、透明部材とを備え、透明部材に表示シートを収容する表示シート収容部を形成して、透明部材を前記凹部に設けることとしたので、機器情報を変更する必要がある場合、表示シートを交換するだけで済む。さらに、表示シートの位置決めも容易に行うことができ、表示の視認性を向上させることが可能となる。したがって、表示シートの作成や表示の印刷等に必要な材料や装置、金型、加工等に関して、省資源化を図ることができるとともに、リサイクル性、コストアップの抑制、及び表示の視認性についてもその性能を向上させることができる。
【0017】
また、透明部材は、着脱自在に凹部に設けることとしたので、簡単に表示シートを交換することができる。また、通常、透明な材料でその全体が構成されることのない外装カバーに対して、透明部材を別部品として、容易に外装カバーから取り外すことができる。これにより、表示装置のリサイクル性、及びリサイクル時の作業性をさらに向上させることが可能となる。
【0018】
また、透明部材は、凹部に回動自在に設けられ、凹部に対して閉鎖、開放両様の姿勢をとり得るものであることとしたので、透明部材を凹部から脱落しないようにすることができる。これにより、透明部材の紛失を抑制することができ、表示装置の省資源化をさらに向上させることが可能となる。また、リサイクル時の作業性も高められる。
【0019】
また、表示シートは、紙で構成されることとしたので、表示シートの作成や表示の印刷等に必要な装置や加工に関して、従来の汎用のものを利用することができる。さらに、合成樹脂の表示板と比較して、表示シート自身は、安価で、リサイクル性が好適である。したがって、表示装置のリサイクル性、省資源化をより一層向上させ、コストアップの抑制も強化することが可能となる。
【0020】
また本発明では、上記表示装置を画像形成装置に搭載することとしたので、機器の製品名や機種名、性能、操作方法等の情報表示を行うに際し、コストアップの抑制が図られるとともに、リサイクル、及び省資源化対策が施され、環境問題に対応した画像形成装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図1〜図8に基づき説明する。ここでは、本発明の表示装置を搭載した機器の一例として画像形成装置(プリンタ)を挙げて説明するものとする。
【0022】
最初に、本発明の第1の実施形態に係る表示装置について、図1、及び図2を用いてその構造を説明する。図1は表示装置を搭載したプリンタの模型的斜視図、図2はプリンタの前面カバーの拡大斜視図である。
【0023】
図1に示すように、プリンタ1の本体2は、外装カバー3で覆われている。そして、プリンタ1は、本体2の下部に給紙カセット4を備えている。給紙カセット4は、本体2に対して、その前面側から水平に引き出すことができ、ここに印刷前の用紙が積まれて収容されている。本体2前面であって、給紙カセット4の上方には、手差し給紙トレイ5が設けられている。この手差し給紙トレイ5は、本体2の前面側に回動して開放可能であり、ここに給紙カセット4に入っていないサイズの用紙や、OHPシートのように1枚ずつ送り込みたいものが載置される。そして、本体2の上部には、用紙排出トレイ6が設けられている。給紙カセット4や手差し給紙トレイ5から送り出された用紙は、本体2内部の図示しない画像形成部や定着部等を通過して、その表面に画像が形成された後、用紙排出口7から用紙排出トレイ6に排出される。
【0024】
本体2の前面には、その上部に、表示装置10が設けられている。表示装置10は、プリンタ1のメーカー名や機種名を表示するためのものである。
【0025】
図2に示すように、表示装置10は、ベース部材である前面カバー8に設けられている。前面カバー8は、外装カバー3の、本体2前面側の一部分を構成している。そして、表示装置10は、ベース部材であるこの前面カバー8に凹部11を備えている。凹部11は、本体2内部側に向かって窪んだ形で形成されている。凹部11の内部には、横方向に並べて配置され、前方に向かって突出する2本の突起11aと、2箇所の係合孔11bとが設けられている。
【0026】
また、表示装置10は、表示シート12と、透明部材13と、表示カバー部材14とを備えている。
【0027】
表示シート12は、紙で構成され、凹部11の内部に収容できる大きさである。表示シート12には、メーカー名や機種名といった機器情報が記載されている。表示シート12の横方向両側には、貫通孔12aが各1箇所ずつ設けられている。この貫通孔12aは、凹部11の突起11aを受け入れる大きさであり、突起11aに対応する箇所に設けられている。表示シート12を凹部11に収容する際、表示シート12に向かって突出する突起11aが貫通孔12aを貫通するようにして収容する。
【0028】
透明部材13は、透明の合成樹脂で構成され、凹部11の内部に収容できる大きさである。透明部材13は、表示シート12の前方に、表示シート12をカバーするように凹部11に設けられる。透明部材13の横方向両側には、貫通孔13aが各1箇所ずつ設けられている。この貫通孔13aは、凹部11の突起11aを受け入れる大きさであり、突起11aに対応する箇所に設けられている。透明部材13を凹部11に収容する際、突起11aが貫通孔13aを貫通するようにして収容する。なお、突起11aは、次の表示カバー部材14にまでは到達しない程度の長さを有している。
【0029】
表示カバー部材14は、前面カバー8と同色或いは異なる色の合成樹脂で構成され、凹部11の内部に収容できる大きさである。表示カバー部材14は、透明部材13の前方に、透明部材13をカバーするように凹部11に設けられる。表示カバー部材14の横方向両側には、前面カバー8に向かって延びるフック14aが各1本ずつ設けられている。表示カバー部材14は、このフック14aを、凹部11に設けられた係合孔11bに挿入して引っ掛けることにより、表示シート12、及び透明部材13を保持しつつ、凹部11から脱落しないように取り付けることができる。フック14aを係合孔11bに引っ掛けたり、それを解除したりすることにより、表示カバー部材14、透明部材13、及び表示シート12は、着脱自在に凹部11に設けられる。また、表示カバー部材14を凹部11に取り付けると、前面カバー8の表面と、表示カバー部材14の表面とがほぼ面一の状態になる。
【0030】
このようにして、ベース部材である前面カバー8に設けた凹部11と、機器情報を記載した表示シート12と、透明部材13とを備え、凹部11に載置した表示シート12をカバーするように、透明部材13を凹部11に設けたので、機器情報を変更する必要がある場合、表示シート12を交換するだけで済む。これにより、合成樹脂製の表示板を使用する場合と比較して、表示シート12の作成や表示の印刷等に必要な材料や装置、金型、加工等に関して、省資源化を図ることができるとともに、リサイクル性、コストアップの抑制についてもその性能を向上させることが可能となる。このようにして、コストアップの抑制が図られるとともに、リサイクル、省資源化対策が施され、環境問題に対応した表示装置10を得ることができる。
【0031】
また、凹部11に、表示シート12に向かって突出する突起11aを設けるとともに、この突起11aが貫通する貫通孔12aを表示シート12に設けたので、容易に表示シート12の位置決めを行うことが可能となる。したがって、上記のように省資源化、リサイクル性が考慮された表示装置10に対して、表示の視認性も向上させることが可能となる。
【0032】
そして、透明部材13は、着脱自在に凹部11に設けたので、簡単に表示シート12を交換することができる。また、通常、透明な材料でその全体が構成されることのない前面カバー8に対して、透明部材13を別部品として、容易に前面カバー8から取り外すことができる。これにより、表示装置10のリサイクル性、及びリサイクル時の作業性をさらに向上させることが可能となる。
【0033】
さらに、表示シート12は、紙で構成されているので、表示シート12の作成や表示の印刷等に必要な装置や加工に関して、従来の汎用のものを利用することができる。さらに、合成樹脂の表示板と比較して、表示シート12自身は、安価で、リサイクル性が好適である。したがって、表示装置10のリサイクル性、省資源化をより一層向上させ、コストアップの抑制も強化することが可能となる。
【0034】
また本発明では、上記表示装置10を画像形成装置であるプリンタ1に搭載したので、機器の製品名や機種名、性能、操作方法等の情報表示を行うに際し、コストアップの抑制が図られるとともに、リサイクル、及び省資源化対策が施され、環境問題に対応したプリンタ1を得ることができる。
【0035】
次に、本発明の第2の実施形態に係る表示装置について、図3、及び図4を用いてその構造を説明する。図3は表示装置の部分斜視図、図4は表示装置の模型的垂直断面右側面図である。なお、この実施形態の基本的な構成は、図1、及び図2を用いて説明した前記第1の実施形態と同じであるので、第1の実施形態と共通する構成については図面の記載、及びその説明を省略するものとする。
【0036】
図3、及び図4に示す第2の実施形態に係る表示装置10では、透明部材13に、表示シート12を収容する表示シート収容部13bが形成されている。表示シート収容部13bは、透明部材13の上面が開口し、下方に延びる薄くほぼ平らな凹部で構成され、表示シート12を受け入れる大きさをなしている。なお、表示シート12、及び透明部材13には、第1の実施形態で見られたような貫通孔12a、13aは設けられていない。
【0037】
表示シート12を凹部11に収容するには、まず表示シート12を透明部材13の表示シート収容部13bに収容する。そして、この透明部材13を凹部11に収容して、表示カバー部材14によって保持する。第1の実施形態同様、表示カバー部材14のフック14aを凹部11の係合孔11bに引っ掛けたり、それを解除したりすることにより、表示カバー部材14、透明部材13、及び表示シート12は、着脱自在に凹部11に設けられる。
【0038】
このようにして、ベース部材である前面カバー8に設けた凹部11と、機器情報を記載した表示シート12と、透明部材13とを備え、透明部材13に表示シートを収容する表示シート収容部13bを形成して、透明部材13を凹部11に設けたので、機器情報を変更する必要がある場合、表示シート12を交換するだけで済む。さらに、表示シート12の位置決めも容易に行うことができ、表示の視認性を向上させることが可能となる。したがって、表示シート12の作成や表示の印刷等に必要な材料や装置、金型、加工等に関して、省資源化を図ることができるとともに、リサイクル性、コストアップの抑制、及び表示の視認性についてもその性能を向上させることができる。
【0039】
次に、本発明の第3の実施形態に係る表示装置について、図5、及び図6を用いてその構造を説明する。図5は表示装置の模型的垂直断面右側面図にして、透明部材が開放姿勢にある状態を示すもの、図6は同じく表示装置の模型的垂直断面右側面図にして、透明部材が閉鎖姿勢にある状態を示すものである。なお、この実施形態の基本的な構成は、図1、及び図2を用いて説明した前記第1の実施形態と同じであるので、第1の実施形態と共通する構成については図面の記載、及びその説明を省略するものとする。
【0040】
図5、及び図6に示す第3の実施形態に係る表示装置10において、透明部材13は、その下部に、横方向両側に延びる支軸13cを備えている。透明部材13は、この支軸13cを中心として垂直面内で回動自在に凹部11に支持され設けられている。そして、透明部材13は、凹部11に対して、図6に示す閉鎖、図5に示す開放両様の姿勢をとり得る。なお、図6に示す閉鎖姿勢にある時、透明部材13は、図示しないストッパの作用により容易に姿勢変更できないようになっている。
【0041】
表示シート12を凹部11に収容するには、まず透明部材13を図5に示す開放姿勢に姿勢変更して、表示シート12を凹部11と透明部材13との間の隙間に収容する。そして、透明部材13を図6に示す閉鎖姿勢に姿勢変更して、表示シート12を凹部11内に保持する。透明部材13の図示しないストッパを係合させたり、それを解除したりすることにより、透明部材13を姿勢変更して、表示シート12は着脱自在に凹部11に設けられる。
【0042】
このようにして、透明部材13は、凹部11に回動自在に設けられ、凹部11に対して閉鎖、開放両様の姿勢をとり得るものであるので、透明部材13を凹部11から脱落しないようにすることができる。これにより、透明部材13の紛失を抑制することができ、表示装置10の省資源化をさらに向上させることが可能となる。また、リサイクル時の作業性も高められる。
【0043】
次に、本発明の第4の実施形態に係る表示装置について、図7、及び図8を用いてその構造を説明する。図7は表示装置の模型的垂直断面右側面図にして、透明部材が開放姿勢にある状態を示すもの、図8は同じく表示装置の模型的垂直断面右側面図にして、透明部材が閉鎖姿勢にある状態を示すものである。なお、この実施形態の基本的な構成は、図3〜図6を用いて説明した前記第2、及び第3の実施形態と同じであるので、これらの実施形態と共通する構成については図面の記載、及びその説明を省略するものとする。
【0044】
図7、及び図8に示す第4の実施形態に係る表示装置10では、透明部材13に、表示シート12を収容する表示シート収容部13bが形成されている。表示シート収容部13bは、透明部材13の上面が開口し、下方に延びる薄くほぼ平らな凹部で構成され、表示シート12を受け入れる大きさをなしている。さらに、透明部材13は、その下部に、横方向両側に延びる支軸13cを備えている。透明部材13は、この支軸13cを中心として垂直面内で回動自在に凹部11に支持され設けられている。そして、透明部材13は、凹部11に対して、図8に示す閉鎖、図7に示す開放両様の姿勢をとり得る。なお、図8に示す閉鎖姿勢にある時、透明部材13は、図示しないストッパの作用により容易に姿勢変更できないようになっている。
【0045】
表示シート12を凹部11に収容するには、まず透明部材13を図7に示す開放姿勢に姿勢変更して、表示シート12を透明部材13の表示シート収容部13bに収容する。そして、透明部材13を図8に示す閉鎖姿勢に姿勢変更して、表示シート12を凹部11内に保持する。透明部材13の図示しないストッパを係合させたり、それを解除したりすることにより、透明部材13を姿勢変更して、表示シート12は着脱自在に凹部11に設けられる。
【0046】
このようにして、前記第2の実施形態と同様に、表示シート12の作成や表示の印刷等に関して、省資源化を図ることができるとともに、リサイクル性、コストアップの抑制、及び表示の視認性についてもその性能を向上させることができる。さらに、前記第3の実施形態と同様に、透明部材13の紛失を抑制することができ、表示装置10の省資源化をさらに向上させることが可能となる。また、リサイクル時の作業性も高められる。
【0047】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【0048】
例えば、第1、及び第2の実施形態においては、表示カバー部材14を用いて、表示シート12、及び透明部材13を凹部11に保持することとしたが、表示カバー部材14を用いることなく、透明部材13自身にフックを形成して凹部11に引っ掛けるようにして、表示シート12を凹部11に保持することとしても構わない。また、表示シート12は、紙であることに限定されるわけではなく、薄いシート状、またはフィルム状であれば、他の材料で構成されていても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、機器の情報表示全般において利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る表示装置を搭載したプリンタの模型的斜視図である。
【図2】図1に示すプリンタの前面カバーの拡大斜視図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る表示装置の部分斜視図である。
【図4】図3に示す表示装置の模型的垂直断面右側面図である。
【図5】本発明の第3の実施形態に係る表示装置の模型的垂直断面右側面図にして、透明部材が開放姿勢にある状態を示すものである。
【図6】図5と同様の表示装置の模型的垂直断面右側面図にして、透明部材が閉鎖姿勢にある状態を示すものである。
【図7】本発明の第4の実施形態に係る表示装置の模型的垂直断面右側面図にして、透明部材が開放姿勢にある状態を示すものである。
【図8】図7と同様の表示装置の模型的垂直断面右側面図にして、透明部材が閉鎖姿勢にある状態を示すものである。
【符号の説明】
【0051】
1 プリンタ(機器)
2 本体
3 外装カバー
8 前面カバー(ベース部材)
10 表示装置
11 凹部
11a 突起
11b 係合孔
12 表示シート
12a 貫通孔
13 透明部材
13a 貫通孔
13b 表示シート収容部
13c 支軸
14 表示カバー部材
14a フック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部材に設けた凹部と、機器情報を記載した表示シートと、透明部材とを備え、前記凹部に載置した前記表示シートをカバーするように、前記透明部材を前記凹部に設けたことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記凹部に、前記表示シートに向かって突出する突起を設けるとともに、この突起が貫通する貫通孔を表示シートに設けたことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
ベース部材に設けた凹部と、機器情報を記載した表示シートと、透明部材とを備え、前記透明部材に前記表示シートを収容する表示シート収容部を形成して、透明部材を前記凹部に設けたことを特徴とする表示装置。
【請求項4】
前記透明部材は、着脱自在に前記凹部に設けたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記透明部材は、前記凹部に回動自在に設けられ、凹部に対して閉鎖、開放両様の姿勢をとり得るものであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示シートは、紙で構成されることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の表示装置を搭載したことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−140258(P2007−140258A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−335608(P2005−335608)
【出願日】平成17年11月21日(2005.11.21)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】