表示装置及びプロジェクタ装置
【課題】 効果的なプレゼンテーションの実行を可能とする画像表示を行なう。
【解決手段】 パソコン101の画面に画像を表示するとともに、その画像情報とこの表示画面でのスクリーン103に表示させるべき領域(特定領域)を指示する指示情報を液晶プロジェクタ102に送る。液晶プロジェクタ102では、この画像情報を内蔵の記憶手段に記憶し、指示情報で指示される特定領域を読み出してスクリーン103に表示させる。パソコン101側では、例えば、マースにより、この特定領域を変更させることができ、これにより、所定の画像での希望する領域を選んでスクリーン103に表示させることができる。他の例としては、パソコン101の画面に複数の画像を表示し、そのいずれかを選択してスクリーン103に表示させたり、液晶プロジェクタ102に色変換手段を設け、スクリーン103の種類によらずに、きれいな色で画像表示させるようにする。
【解決手段】 パソコン101の画面に画像を表示するとともに、その画像情報とこの表示画面でのスクリーン103に表示させるべき領域(特定領域)を指示する指示情報を液晶プロジェクタ102に送る。液晶プロジェクタ102では、この画像情報を内蔵の記憶手段に記憶し、指示情報で指示される特定領域を読み出してスクリーン103に表示させる。パソコン101側では、例えば、マースにより、この特定領域を変更させることができ、これにより、所定の画像での希望する領域を選んでスクリーン103に表示させることができる。他の例としては、パソコン101の画面に複数の画像を表示し、そのいずれかを選択してスクリーン103に表示させたり、液晶プロジェクタ102に色変換手段を設け、スクリーン103の種類によらずに、きれいな色で画像表示させるようにする。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶プロジェクタなどの表示装置及び表示方法に係り、特に、パーソナルコンピュータの画面表示方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、「Windows(登録商標)」などのグラフィカルインタフェースの発展とともに、パーソナルコンピュータ(以下、パソコンという)が普及してきており、その画面を液晶プロジェクタなどで拡大投写したプレゼンテーションが盛んに行なわれている。
【0003】かかるプレゼンテーションでは、専用ソフトウェアを用いてパソコン画面の画像をそのまま液晶プロジェクタなどの表示装置で投写表示している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のプレゼンテーション専用ソフトウェアを用いれば、見栄えの良いプレゼンテーションが実行できるものの、資料作成には手間がかかり、インフォーマルな打ち合わせを行なう場合など、普段使い慣れているワープロソフトや表計算ソフトのデータを利用して、手間をかけずに、簡単に表示したいところである。
【0005】また、発表者としては、ストーリ展開に合わせて提示する画面を臨機応変に変えたい場合があるが、聴衆に見せているパソコン画面の画像をそのまま表示していると、他の画像などを確認することができず、手元の画像内容を予め充分記憶しておくほかない。これは、不可能ではないにしても、誤った画像を提示してプレゼンテーション全体の説得力などを削いでしまう危険性がある。
【0006】さらに、画質もプレゼンテーションの重要なポイントになっており、内容もさることながら、きれいな画像表示が必須である。特に、洋服などの商品説明では、正確な色再現が重要視されており、表示装置が変わる毎に色が異なるようなことがあってはならない。
【0007】上記のような問題に対して、エプソン社製の液晶プロジェクタ(ELP−3300)では、その装置内のメモリ機能を利用して入力画像の静止機能を設けているが、静止機能を積極的に活用したプレゼンテーションのやり方は提案されていない。
【0008】本発明の目的は、かかる問題を解消し、所望とする画像を誤りなくかつ簡単に表示することができ、色再現性に優れた表示装置及び表示方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、情報処理装置からの制御信号に基づいて、表示装置内のメモリ機能や色変換機能と該表示処理装置からの画像信号とを連動して制御し、画面からの特定領域の切出し表示やスライドショー表示を行なう。
【0010】また、本発明は、画像内容に応じてきれいな表示ができるように、画像の色変換処理を施す。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面により説明する。
【0012】図1は本発明による表示装置及び表示方法の第1の実施形態を示すブロック図であって、1は情報処理装置、2は表示装置、3はAD変換手段、4は記憶手段、5はDA変換手段、6は制御手段、7はマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)、8は表示手段である。
【0013】この実施形態の特徴は、情報処理装置の画面に表示される画像のうちの特定部分だけを切り出して表示することにより、見せたい部分だけを聴衆に見せることができるようにした点である。
【0014】図1において、表示装置2はAD変換手段3,記憶手段4,DA変換手段5,これらAD変換手段3と記憶手段4とDA変換手段5とを制御する制御手段6,情報処理装置1と制御情報を交換してこの制御手段6に制御情報を送るマイコン7及び表示手段8とから構成されている。表示手段8は、例えば、液晶ディスプレイ装置やプラズマディスプレイ装置あるいはCRT装置などの表示デバイスである。
【0015】情報処理装置1は、例えば、パソコンであって、映像信号と制御信号とを出力する。この制御信号は、情報処理装置1から出力される映像信号のうちの特定の領域を表示するように指示する特定領域指示信号である。
【0016】図3はこの表示装置2として液晶プロジェクタを用いた場合の構成を示す図であって、101が情報処理装置1であるパソコン、102が液晶プロジェクタ、103がスクリーンである。
【0017】同図において、パソコン101からのカラー映像信号により、液晶プロジェクタ102がスクリーン103上にカラー画像を表示する。この場合、パソコン101の画面上に表示された画像のうち、黒枠で囲まれた部分が液晶プロジェクタ102によってスクリーン103に投写されるカラー画像である。
【0018】図4は図3でのパソコン101の画面に表示される画像例を示す図であって、パソコンの基本ソフトとしての「Windows(登録商標)」の画面を例に示すものである。
【0019】同図において、例えば、コントロールウィンドには、黒枠で示す領域指定ワイヤフレームの始点(左上角部)のx,y座標と終点(右下角部)のx,y座標とを表示し、アドレス出力の方法として、連続出力か単発出力かを示す情報を表示している。連続出力は、そのボタンを押下すると(パソコンでは、マウス操作などでクリック)、始点及び終点のアドレスが連続的に出力され、また、単発出力のボタンを押下すると、始点及び終点のアドレスが押したときだけ出力されものである。このようにして、パソコン101の画面のうち、領域指定ワイヤフレームのアドレスが液晶プロジェクタ102に送られる。
【0020】次に、液晶プロジェクタ内での処理動作を図1により説明する。
【0021】情報処理装置1からの映像出力がAD変換手段3に供給され、ディジタルの映像データとされた後、記憶手段4に書き込まれる。なお、この記憶手段4は、例えば、フレームメモリであってもよい。記憶手段4に書き込まれた映像データは制御手段6の制御のもとに読み出され、DA変換手段5でアナログの映像信号に変換された後、表示手段8に供給されて画像表示が行なわれる。
【0022】記憶手段4の出力データは、表示手段8の仕様に合わせて多相出力になる場合もあれば、DA変換手段5を省き、ディジタル映像データとして表示手段8を駆動するようにしてもよく、様々の方法がある。また、AD変換手段3,記憶手段4及びDA変換手段5は、映像信号がR,G,Bの3原色信号である場合には、夫々に対応して3系統設けられることはいうまでもない。
【0023】領域指定ワイヤフレームの始点アドレスと終点アドレスは、マイコン7で受け取られた後、制御手段6を介して、例えば、記憶手段4の読出し範囲を上記の始点と終点で決まる範囲とする。このようにして、図3R>3に示すように、パソコン101の画面の領域指定ワイヤフレームで囲まれた特定領域の画像だけがスクリーン103に投写されて表示されることになる。
【0024】なお、上記の連続出力を指定し、指定領域ワイヤフレームをマウスで移動させると、実時間でスクリーン103に投写表示される画像領域が変化することはいうまでもない。これにより、パソコン101の画面中の見せたい領域を、思いのままに、スクリーン103で表示することができる。
【0025】また、図1において、もともと表示装置2に記憶手段4のある場合、制御手段6の制御方法をこれに合わせて変えるだけでよいので、追加部品がほとんどいらず、低コストで実現できる。
【0026】図2は図1での特定領域指示信号の転送データのフォーマットの一具体例を示す図である。
【0027】同図において、特定領域指示信号は指定領域表示命令と始点,終点アドレスとから構成されている。なお、転送するデータは、指定領域ワイヤフレームの始点,終点のアドレスだけでなく、始点アドレスと指定領域ワイヤフレームの幅などを示すデータであってもよいことは勿論である。また、情報処理装置1と表示装置2との間の制御信号の伝送方法としては、例えば、VESAで規格化されているDDC(Display Data Chanel)やRS−232Cなどを使用してもよいし、あるいはその他のシリアル通信あるいはパラレル通信などの方法を使用することもできる。
【0028】図5は本発明による表示装置及び表示方法の第2の実施形態を示す図であり、201はパソコン、202は表示装置、203はスクリーンである。
【0029】この実施形態の特徴は、オペレータが、表示しようとする複数の画像を一覧表示して全体を把握しつつ、聴取には、そのうちの1つの画像だけを選択して見せるようにすることにある。全体の基本構成は図1に示したものと同様であり、図5では、記憶手段4(図1R>1)のデータ保持機能を活用して、静止画表示を行なうものである。
【0030】まず、図5(a)において、パソコン201の画面に複数のインデックス画像(表示したい画像を小さくしたもの)を一覧表示する。これらインデックス画像のうち、所望する画像をマウスでクリックすると、図5(b)に示すように、パソコン201の画面いっぱいにその画像が拡大表示される。勿論、この画像のデータが表示装置202にも供給され、記憶手段4で書き込まれて読み出され、スクリーン203に投写表示される。ここで、パソコン201から表示装置202にフレーズ命令を与えると、その瞬間、記憶手段4でのデータ更新が禁止され、そのとき記憶されている画像データがそのまま残り、その画像がスクリーン203に表示されている。そして、図5(c)に示すように、パソコン201の画面はもとのインデックス画像を表示する状態に戻る。表示装置202は、先のフリーズ命令により、記憶手段4に図5(b)に示した画像のデータがそのまま残っており、スクリーン203上にこの画像がそのまま表示され続ける。即ち、所望の画像だけがスクリーン203上に表示されることになる。
【0031】これにより、聴衆に所望の画面だけを見せて、発表者は一覧画面を見ることができるので、聴衆の反応に応じて話しの展開を臨機応変に変えることができ、説得力あるプレゼンテーションが円滑に実現できる。
【0032】なお、パソコン201には、予め、上記動作のためのソフトウェアが必要であり、また、画像データを登録しておく必要があることはいうまでもない。
【0033】図6は図5におけるパソコン201と表示装置202の処理動作を示すフローチャートであって、左側がパソコン201の処理動作を、右側が表示装置202の処理動作を夫々示している。
【0034】同図において、まず、パソコン201は、画面にインデックス画像を表示して複数の画像を一覧表示する(ステップ1001)。そして、かかる一覧画面のうちの所望画像をマウスのクリック操作で選択すると(ステップ1002)、この選択された画像がパソコン201の画面全体に表示され(ステップ1003)、また、記憶手段4で画像データを記憶保持するためのフリーズ命令を表示装置202に送る(ステップ1004)。
【0035】一方、表示装置202では、パソコン201からこのフリーズ命令を受けると(ステップ2001)、これがフリーズ命令であるかどうかを確認し(ステップ2002)、フリーズ命令であれば、フリーズ命令を一旦解除し(ステップ2003)、前回記憶手段4に記憶した画像情報を新しい画像情報、即ち、現在選択して表示しようとする画像情報に変更する。この変更に要する時間、例えば、1垂直周期以上の時間待機し(ステップ2004)、しかる後、フリーズを実行する(ステップ2005)。そして、フリーズが完了すると、その完了の応答情報をパソコン201に送る(ステップ2006)。
【0036】これにより、パソコン201側では、上記のフリーズ完了応答を取り込み(ステップ1005)、これでフリーズ完了を確認した後(ステップ1006)、再びインデックス画像表示を行ない(ステップ1007)、画面で複数画像の一覧表示をに行なう。以上のフローチャートを繰り返す。
【0037】ここで、ステップ1003〜1007の処理は一瞬であり、発表者には、一瞬画面の切替わりはわかるものの、聴衆は見えることがなく、プレゼンテーション実行上何の影響もない。
【0038】このようにして、オペレータは、表示する複数の画像を一覧表示して全体を把握しつつ、聴取には、その1つの画像だけを見せることができるので、発表者の意図に沿った説得力あるプレゼンテーションが実行できる。
【0039】なお、図7はパソコン201の画面での一覧画像表示の一具体例を示す図であって、No1,No2,……の枠内にインデックス画像が表示される。
【0040】また、以上では、単純な切替えを説明したが、画像と画像との切替え間にフェードやディゾルブといった切替え効果用の画像を連続的に挿入することにより、いわゆる切替えエフェクトを実現することも勿論できる。
【0041】図8は本発明による表示装置及び表示方法の第3の実施形態を示すブロック図であって、10は色変換手段であり、図1に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明は省略する。
【0042】同図において、この実施形態の特徴は、記憶手段4とDA変換手段5との間に色変換手段10を設け、この色変換手段10により、画像内容に合わせて最適な色調整を行なって、聴取に良い印象の映像を提供することができるようにしたものである。
【0043】なお、AD変換手段3及び記憶手段4,DA変換手段5はR,G,Bの原色信号毎に設けられており、色変換手段10もR,G,Bの各原色信号毎に変換処理し、色相や彩度,明度が所望の値になるようにする。また、色変換手段10はLUT(ルックアップテーブル)機能を有しており、表示手段8のガンマ特性を補正してリニアな階調特性を実現する。なお、色変換手段10は、記憶手段4の前段に設けてもよいことは勿論である。
【0044】色変換手段10での表示画像に対する変換主旨の一具体例を図9に示し、その変換特性を図10に示す。図10は、特に、階調特性についての例を示すものである。
【0045】図9及び図10において、表示画像が文字やグラフィック主体である場合には、画像信号自体が最大値か最小値といった飽和レベルにある信号が多いため、飽和表示を重視して、LUT入出力特性を図10に示す特性aのようにし、はっきりとした映像表示が行なえるようにする。一方、表示画像が自然画主体であるときには、中間調レベルにある信号が多いため、階調表示を重視して、LUT入出力特性を図10に示す特性bのようにし、きれいな自然画表示が行なえるようにする。また、文字,グラフィックと自然画が入り交じった画像に対しては、上記2つの場合の平均的な表示ができるように、LUT入出力特性を図10に示す特性cとする。
【0046】また、自然画でも、特に、人の肌が多いときなどでは、色相や彩度などを変えてきれいな肌色表現が行なえるようにする。
【0047】上記の設定値は、例えば、図11に示すようにすればよい。図11は図7における画像 No.1をクローズアップしたものである。例えば、図11に示す画像が自然画とすると、インデックス画像の上にLUT設定用のコントロールウィンドウを設けて、その中に“文字・グラフィック”,“自然画”及び“文字・グラフィック+自然画”という3個の選択肢を設定し、表示する画像内容に応じてユーザがいずれかを設定できるようにしておく。図11は、自然画を選択した状態を示す。
【0048】このようにして、自然画を選んでおき、例えば、先に図5で示した第2の実施形態と同様にして、全面表示する際、表示装置2に対してフリーズ命令とともに色変換用のデータを送ればよい。勿論、色変換用のデータが多ければ、予め色変換手段10などにそのデータを登録しておき、情報処理装置1から送るのは、自然画用の色変換実行命令だけとしてもよい。
【0049】また、この第3の実施形態は、図3,図4で説明した第1の実施形態の特定領域表示でも同様にして実現できる。
【0050】以上のようにして、色変換手段10により、画像内容に合わせて最適な色調整を行ない、聴取に良い印象の映像を提供することができる。
【0051】図12は本発明による表示装置及び表示方法の第4の実施形態を示すブロック図であって、11はモニタ、12はROM、301はパソコンであり、図8に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
【0052】同図において、この実施形態の特徴は、表示装置2で表示する画像表示状態を事前確認できるようにしたことにある。
【0053】この第4の実施形態の構成は、図8に示した第3の実施形態と基本的には同じであるが、表示装置2の表示特性を内蔵したROM12を備えていることが異なる。このROM12には、表示手段8の階調特性や色再現範囲などのデータが格納されている。このデータをパソコン301に送っておき、モニタ11で事前表示する際に、このデータの値を反映した表示を行なうようにする。勿論、モニタ11の表示特性も加味したデータ変換演算をパソコン301で行なう。
【0054】この事前表示の際のモニタ11上の表示画像の一具体例を図13に示す。これは図11に示したものとほぼ同じであるが、「カスタム」の項目が設けられている点が異なり、この項目を選択すると、例えば、図1414に示すような色相,彩度及び明度の調整用バーが表示されるようにしている。かかる調整用バーの値、即ち、レベル表示をマウスのクリック操作で変更し、その変更した値によって事前に表示された画像データを変換し、再表示する。これにより、表示装置2で表示される画像の状態を事前に確認することができ、さらに、ユーザが所望の状態に調整することができる。
【0055】また、図15では、コントロールウィンドウに、LUT設定のほかに、スクリーン設定も含ませている。液晶プロジェクタなどの投写型の表示装置の場合、スクリーンが、専用品以外に、OHPスクリーンやホワイトボードあるいは紙などユーザの都合でさまざまな場合がある。投写型の表示装置では、スクリーンのタイプによって色再現性が異なるため、このような機能が有効である。
【0056】以上のようにして、画像表示状態を事前確認することができ、当初想定していた色と本番で表示した色とのずれをなくすことができ、色のずれを修正しては本番用のスクリーンで確認するといった繰り返し作業を大幅に簡略化して、プレゼンテーション実行に先立つリハーサルを強力に支援できる。
【0057】図16は本発明による表示装置及び表示方法の第5の実施形態を示すブロック図であって、21はデータ読取手段、22は描画処理手段、23は情報保存媒体、24は切換器であり、前出図面に対応する部分には同一符号を付けている。
【0058】同図において、この実施形態は、表示装置2にデータ読取手段21及び描画処理手段22を設け、情報保存媒体23を接続することにより、この情報保存媒体23からの画像情報も表示することができるようにしたものである。従って、情報処理装置1がなくても、情報保存媒体23により画像表示ができるため、情報処理装置1の搬送のための労力が不要である。
【0059】特に、この第5の実施形態の特徴は、描画処理手段22用の記憶手段として、記憶手段4を用いることにあり、これをAD変換手段3の出力と共用する。これにより、低コスト化が実現できる。
【0060】従来では、図17に示すように、描画処理手段22には、専用の記憶手段4’を設け、これから読み出される画像情報を専用のDA変換手段26でアナログ映像信号に変換した後、切換器25で切り換えて記憶手段4に入力しており、表示手段8に表示するのに必要な容量を備えた記憶手段が2系統必要であった。
【0061】これに対し、この第5の実施形態では、記憶手段4を情報処理装置1からの映像信号と情報保存媒体からの映像信号とに共用するものであり、記憶手段を低減できる分だけでも、コストダウンができるメリットがある。
【0062】次に、この第5の実施形態の動作について説明する。
【0063】まず、画像情報などのデータを記憶保存した情報保存媒体23をデータ読取手段21に挿入する。このとき、切換器24が自動的に描画処理手段22側に切り換わるようにするとよい。挿入された情報保存媒体23のデータを、例えば、マイコン7の指令に基づいて読み取り、その読み取ったデータを描画処理手段22及び切換器24を介して記憶手段4に書き込む。記憶手段4の書込み制御は制御手段6によって行なわれる。制御手段6は、描画処理手段22からのタイミング信号などにより、動作する。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、情報処理装置からの制御信号に基づいて、表示装置内のメモリ機能や色変換機能を該情報処理装置からの画像信号と連動制御し、画像の特定領域の切出し表示やスライドショーのような静止画表示を画像内容に応じたきれいな画質で行なうことができ、比較的簡単な構成で説得力あるプレゼンテーションが実現できる。
【0065】また、本発明によれば、表示装置の表示特性に基づいた事前表示機能により、本番での画像表示状態を事前確認することができ、プレゼンテーション実行に先立つリハーサルを強力に支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による表示装置及び表示方法の第1の実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1に示す第1の実施形態での制御情報のデータフォーマットの一具体例を示す図である。
【図3】表示装置として液晶プロジェクタを用いた本発明の第1の実施形態を示す構成図である。
【図4】図3でのパソコン画面に表示される画像例を示す図である。
【図5】本発明による表示装置及び表示方法の第2の実施形態を示す図である。
【図6】図5におけるパソコンと表示装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】図5におけるパソコン画面での表示の一具体例を示す図である。
【図8】本発明による表示装置及び表示方法の第3の実施形態を示すブロック図である。
【図9】図8に示した第3の実施形態での表示画像の種類毎のデータ変換の主旨を示す図である。
【図10】図9に示した表示画像の種類に対する変換特性を示す特性図である。
【図11】図8における情報処理装置での表示画像の一具体例を示す図である。
【図12】本発明による表示装置及び表示方法の第4の実施形態を示すブロック図である。
【図13】図8におけるモニタで表示されるコントロールウインドウ内での表示内容の一具体例を示す図である。
【図14】図8におけるモニタで表示される色情報の一具体例を示す図である。
【図15】図8におけるモニタで表示されるコントロールウインドウ内での表示内容の他の具体例を示す図である。
【図16】本発明による表示装置及び表示方法の第5の実施形態を示すブロック図である。
【図17】従来の表示装置及び表示方法の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 情報処理装置
2 表示装置
3 AD変換手段
4 記憶手段
5 DA変換手段
6 記憶手段
7 マイコン
8 表示手段
10 色変換手段
11 モニタ
12 ROM
21 データ読取手段
22 描画処理手段
23 情報保存媒体
101,201,301 パソコン
102,202 液晶プロジェクタ
103,203 スクリーン
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶プロジェクタなどの表示装置及び表示方法に係り、特に、パーソナルコンピュータの画面表示方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、「Windows(登録商標)」などのグラフィカルインタフェースの発展とともに、パーソナルコンピュータ(以下、パソコンという)が普及してきており、その画面を液晶プロジェクタなどで拡大投写したプレゼンテーションが盛んに行なわれている。
【0003】かかるプレゼンテーションでは、専用ソフトウェアを用いてパソコン画面の画像をそのまま液晶プロジェクタなどの表示装置で投写表示している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のプレゼンテーション専用ソフトウェアを用いれば、見栄えの良いプレゼンテーションが実行できるものの、資料作成には手間がかかり、インフォーマルな打ち合わせを行なう場合など、普段使い慣れているワープロソフトや表計算ソフトのデータを利用して、手間をかけずに、簡単に表示したいところである。
【0005】また、発表者としては、ストーリ展開に合わせて提示する画面を臨機応変に変えたい場合があるが、聴衆に見せているパソコン画面の画像をそのまま表示していると、他の画像などを確認することができず、手元の画像内容を予め充分記憶しておくほかない。これは、不可能ではないにしても、誤った画像を提示してプレゼンテーション全体の説得力などを削いでしまう危険性がある。
【0006】さらに、画質もプレゼンテーションの重要なポイントになっており、内容もさることながら、きれいな画像表示が必須である。特に、洋服などの商品説明では、正確な色再現が重要視されており、表示装置が変わる毎に色が異なるようなことがあってはならない。
【0007】上記のような問題に対して、エプソン社製の液晶プロジェクタ(ELP−3300)では、その装置内のメモリ機能を利用して入力画像の静止機能を設けているが、静止機能を積極的に活用したプレゼンテーションのやり方は提案されていない。
【0008】本発明の目的は、かかる問題を解消し、所望とする画像を誤りなくかつ簡単に表示することができ、色再現性に優れた表示装置及び表示方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、情報処理装置からの制御信号に基づいて、表示装置内のメモリ機能や色変換機能と該表示処理装置からの画像信号とを連動して制御し、画面からの特定領域の切出し表示やスライドショー表示を行なう。
【0010】また、本発明は、画像内容に応じてきれいな表示ができるように、画像の色変換処理を施す。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面により説明する。
【0012】図1は本発明による表示装置及び表示方法の第1の実施形態を示すブロック図であって、1は情報処理装置、2は表示装置、3はAD変換手段、4は記憶手段、5はDA変換手段、6は制御手段、7はマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)、8は表示手段である。
【0013】この実施形態の特徴は、情報処理装置の画面に表示される画像のうちの特定部分だけを切り出して表示することにより、見せたい部分だけを聴衆に見せることができるようにした点である。
【0014】図1において、表示装置2はAD変換手段3,記憶手段4,DA変換手段5,これらAD変換手段3と記憶手段4とDA変換手段5とを制御する制御手段6,情報処理装置1と制御情報を交換してこの制御手段6に制御情報を送るマイコン7及び表示手段8とから構成されている。表示手段8は、例えば、液晶ディスプレイ装置やプラズマディスプレイ装置あるいはCRT装置などの表示デバイスである。
【0015】情報処理装置1は、例えば、パソコンであって、映像信号と制御信号とを出力する。この制御信号は、情報処理装置1から出力される映像信号のうちの特定の領域を表示するように指示する特定領域指示信号である。
【0016】図3はこの表示装置2として液晶プロジェクタを用いた場合の構成を示す図であって、101が情報処理装置1であるパソコン、102が液晶プロジェクタ、103がスクリーンである。
【0017】同図において、パソコン101からのカラー映像信号により、液晶プロジェクタ102がスクリーン103上にカラー画像を表示する。この場合、パソコン101の画面上に表示された画像のうち、黒枠で囲まれた部分が液晶プロジェクタ102によってスクリーン103に投写されるカラー画像である。
【0018】図4は図3でのパソコン101の画面に表示される画像例を示す図であって、パソコンの基本ソフトとしての「Windows(登録商標)」の画面を例に示すものである。
【0019】同図において、例えば、コントロールウィンドには、黒枠で示す領域指定ワイヤフレームの始点(左上角部)のx,y座標と終点(右下角部)のx,y座標とを表示し、アドレス出力の方法として、連続出力か単発出力かを示す情報を表示している。連続出力は、そのボタンを押下すると(パソコンでは、マウス操作などでクリック)、始点及び終点のアドレスが連続的に出力され、また、単発出力のボタンを押下すると、始点及び終点のアドレスが押したときだけ出力されものである。このようにして、パソコン101の画面のうち、領域指定ワイヤフレームのアドレスが液晶プロジェクタ102に送られる。
【0020】次に、液晶プロジェクタ内での処理動作を図1により説明する。
【0021】情報処理装置1からの映像出力がAD変換手段3に供給され、ディジタルの映像データとされた後、記憶手段4に書き込まれる。なお、この記憶手段4は、例えば、フレームメモリであってもよい。記憶手段4に書き込まれた映像データは制御手段6の制御のもとに読み出され、DA変換手段5でアナログの映像信号に変換された後、表示手段8に供給されて画像表示が行なわれる。
【0022】記憶手段4の出力データは、表示手段8の仕様に合わせて多相出力になる場合もあれば、DA変換手段5を省き、ディジタル映像データとして表示手段8を駆動するようにしてもよく、様々の方法がある。また、AD変換手段3,記憶手段4及びDA変換手段5は、映像信号がR,G,Bの3原色信号である場合には、夫々に対応して3系統設けられることはいうまでもない。
【0023】領域指定ワイヤフレームの始点アドレスと終点アドレスは、マイコン7で受け取られた後、制御手段6を介して、例えば、記憶手段4の読出し範囲を上記の始点と終点で決まる範囲とする。このようにして、図3R>3に示すように、パソコン101の画面の領域指定ワイヤフレームで囲まれた特定領域の画像だけがスクリーン103に投写されて表示されることになる。
【0024】なお、上記の連続出力を指定し、指定領域ワイヤフレームをマウスで移動させると、実時間でスクリーン103に投写表示される画像領域が変化することはいうまでもない。これにより、パソコン101の画面中の見せたい領域を、思いのままに、スクリーン103で表示することができる。
【0025】また、図1において、もともと表示装置2に記憶手段4のある場合、制御手段6の制御方法をこれに合わせて変えるだけでよいので、追加部品がほとんどいらず、低コストで実現できる。
【0026】図2は図1での特定領域指示信号の転送データのフォーマットの一具体例を示す図である。
【0027】同図において、特定領域指示信号は指定領域表示命令と始点,終点アドレスとから構成されている。なお、転送するデータは、指定領域ワイヤフレームの始点,終点のアドレスだけでなく、始点アドレスと指定領域ワイヤフレームの幅などを示すデータであってもよいことは勿論である。また、情報処理装置1と表示装置2との間の制御信号の伝送方法としては、例えば、VESAで規格化されているDDC(Display Data Chanel)やRS−232Cなどを使用してもよいし、あるいはその他のシリアル通信あるいはパラレル通信などの方法を使用することもできる。
【0028】図5は本発明による表示装置及び表示方法の第2の実施形態を示す図であり、201はパソコン、202は表示装置、203はスクリーンである。
【0029】この実施形態の特徴は、オペレータが、表示しようとする複数の画像を一覧表示して全体を把握しつつ、聴取には、そのうちの1つの画像だけを選択して見せるようにすることにある。全体の基本構成は図1に示したものと同様であり、図5では、記憶手段4(図1R>1)のデータ保持機能を活用して、静止画表示を行なうものである。
【0030】まず、図5(a)において、パソコン201の画面に複数のインデックス画像(表示したい画像を小さくしたもの)を一覧表示する。これらインデックス画像のうち、所望する画像をマウスでクリックすると、図5(b)に示すように、パソコン201の画面いっぱいにその画像が拡大表示される。勿論、この画像のデータが表示装置202にも供給され、記憶手段4で書き込まれて読み出され、スクリーン203に投写表示される。ここで、パソコン201から表示装置202にフレーズ命令を与えると、その瞬間、記憶手段4でのデータ更新が禁止され、そのとき記憶されている画像データがそのまま残り、その画像がスクリーン203に表示されている。そして、図5(c)に示すように、パソコン201の画面はもとのインデックス画像を表示する状態に戻る。表示装置202は、先のフリーズ命令により、記憶手段4に図5(b)に示した画像のデータがそのまま残っており、スクリーン203上にこの画像がそのまま表示され続ける。即ち、所望の画像だけがスクリーン203上に表示されることになる。
【0031】これにより、聴衆に所望の画面だけを見せて、発表者は一覧画面を見ることができるので、聴衆の反応に応じて話しの展開を臨機応変に変えることができ、説得力あるプレゼンテーションが円滑に実現できる。
【0032】なお、パソコン201には、予め、上記動作のためのソフトウェアが必要であり、また、画像データを登録しておく必要があることはいうまでもない。
【0033】図6は図5におけるパソコン201と表示装置202の処理動作を示すフローチャートであって、左側がパソコン201の処理動作を、右側が表示装置202の処理動作を夫々示している。
【0034】同図において、まず、パソコン201は、画面にインデックス画像を表示して複数の画像を一覧表示する(ステップ1001)。そして、かかる一覧画面のうちの所望画像をマウスのクリック操作で選択すると(ステップ1002)、この選択された画像がパソコン201の画面全体に表示され(ステップ1003)、また、記憶手段4で画像データを記憶保持するためのフリーズ命令を表示装置202に送る(ステップ1004)。
【0035】一方、表示装置202では、パソコン201からこのフリーズ命令を受けると(ステップ2001)、これがフリーズ命令であるかどうかを確認し(ステップ2002)、フリーズ命令であれば、フリーズ命令を一旦解除し(ステップ2003)、前回記憶手段4に記憶した画像情報を新しい画像情報、即ち、現在選択して表示しようとする画像情報に変更する。この変更に要する時間、例えば、1垂直周期以上の時間待機し(ステップ2004)、しかる後、フリーズを実行する(ステップ2005)。そして、フリーズが完了すると、その完了の応答情報をパソコン201に送る(ステップ2006)。
【0036】これにより、パソコン201側では、上記のフリーズ完了応答を取り込み(ステップ1005)、これでフリーズ完了を確認した後(ステップ1006)、再びインデックス画像表示を行ない(ステップ1007)、画面で複数画像の一覧表示をに行なう。以上のフローチャートを繰り返す。
【0037】ここで、ステップ1003〜1007の処理は一瞬であり、発表者には、一瞬画面の切替わりはわかるものの、聴衆は見えることがなく、プレゼンテーション実行上何の影響もない。
【0038】このようにして、オペレータは、表示する複数の画像を一覧表示して全体を把握しつつ、聴取には、その1つの画像だけを見せることができるので、発表者の意図に沿った説得力あるプレゼンテーションが実行できる。
【0039】なお、図7はパソコン201の画面での一覧画像表示の一具体例を示す図であって、No1,No2,……の枠内にインデックス画像が表示される。
【0040】また、以上では、単純な切替えを説明したが、画像と画像との切替え間にフェードやディゾルブといった切替え効果用の画像を連続的に挿入することにより、いわゆる切替えエフェクトを実現することも勿論できる。
【0041】図8は本発明による表示装置及び表示方法の第3の実施形態を示すブロック図であって、10は色変換手段であり、図1に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明は省略する。
【0042】同図において、この実施形態の特徴は、記憶手段4とDA変換手段5との間に色変換手段10を設け、この色変換手段10により、画像内容に合わせて最適な色調整を行なって、聴取に良い印象の映像を提供することができるようにしたものである。
【0043】なお、AD変換手段3及び記憶手段4,DA変換手段5はR,G,Bの原色信号毎に設けられており、色変換手段10もR,G,Bの各原色信号毎に変換処理し、色相や彩度,明度が所望の値になるようにする。また、色変換手段10はLUT(ルックアップテーブル)機能を有しており、表示手段8のガンマ特性を補正してリニアな階調特性を実現する。なお、色変換手段10は、記憶手段4の前段に設けてもよいことは勿論である。
【0044】色変換手段10での表示画像に対する変換主旨の一具体例を図9に示し、その変換特性を図10に示す。図10は、特に、階調特性についての例を示すものである。
【0045】図9及び図10において、表示画像が文字やグラフィック主体である場合には、画像信号自体が最大値か最小値といった飽和レベルにある信号が多いため、飽和表示を重視して、LUT入出力特性を図10に示す特性aのようにし、はっきりとした映像表示が行なえるようにする。一方、表示画像が自然画主体であるときには、中間調レベルにある信号が多いため、階調表示を重視して、LUT入出力特性を図10に示す特性bのようにし、きれいな自然画表示が行なえるようにする。また、文字,グラフィックと自然画が入り交じった画像に対しては、上記2つの場合の平均的な表示ができるように、LUT入出力特性を図10に示す特性cとする。
【0046】また、自然画でも、特に、人の肌が多いときなどでは、色相や彩度などを変えてきれいな肌色表現が行なえるようにする。
【0047】上記の設定値は、例えば、図11に示すようにすればよい。図11は図7における画像 No.1をクローズアップしたものである。例えば、図11に示す画像が自然画とすると、インデックス画像の上にLUT設定用のコントロールウィンドウを設けて、その中に“文字・グラフィック”,“自然画”及び“文字・グラフィック+自然画”という3個の選択肢を設定し、表示する画像内容に応じてユーザがいずれかを設定できるようにしておく。図11は、自然画を選択した状態を示す。
【0048】このようにして、自然画を選んでおき、例えば、先に図5で示した第2の実施形態と同様にして、全面表示する際、表示装置2に対してフリーズ命令とともに色変換用のデータを送ればよい。勿論、色変換用のデータが多ければ、予め色変換手段10などにそのデータを登録しておき、情報処理装置1から送るのは、自然画用の色変換実行命令だけとしてもよい。
【0049】また、この第3の実施形態は、図3,図4で説明した第1の実施形態の特定領域表示でも同様にして実現できる。
【0050】以上のようにして、色変換手段10により、画像内容に合わせて最適な色調整を行ない、聴取に良い印象の映像を提供することができる。
【0051】図12は本発明による表示装置及び表示方法の第4の実施形態を示すブロック図であって、11はモニタ、12はROM、301はパソコンであり、図8に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
【0052】同図において、この実施形態の特徴は、表示装置2で表示する画像表示状態を事前確認できるようにしたことにある。
【0053】この第4の実施形態の構成は、図8に示した第3の実施形態と基本的には同じであるが、表示装置2の表示特性を内蔵したROM12を備えていることが異なる。このROM12には、表示手段8の階調特性や色再現範囲などのデータが格納されている。このデータをパソコン301に送っておき、モニタ11で事前表示する際に、このデータの値を反映した表示を行なうようにする。勿論、モニタ11の表示特性も加味したデータ変換演算をパソコン301で行なう。
【0054】この事前表示の際のモニタ11上の表示画像の一具体例を図13に示す。これは図11に示したものとほぼ同じであるが、「カスタム」の項目が設けられている点が異なり、この項目を選択すると、例えば、図1414に示すような色相,彩度及び明度の調整用バーが表示されるようにしている。かかる調整用バーの値、即ち、レベル表示をマウスのクリック操作で変更し、その変更した値によって事前に表示された画像データを変換し、再表示する。これにより、表示装置2で表示される画像の状態を事前に確認することができ、さらに、ユーザが所望の状態に調整することができる。
【0055】また、図15では、コントロールウィンドウに、LUT設定のほかに、スクリーン設定も含ませている。液晶プロジェクタなどの投写型の表示装置の場合、スクリーンが、専用品以外に、OHPスクリーンやホワイトボードあるいは紙などユーザの都合でさまざまな場合がある。投写型の表示装置では、スクリーンのタイプによって色再現性が異なるため、このような機能が有効である。
【0056】以上のようにして、画像表示状態を事前確認することができ、当初想定していた色と本番で表示した色とのずれをなくすことができ、色のずれを修正しては本番用のスクリーンで確認するといった繰り返し作業を大幅に簡略化して、プレゼンテーション実行に先立つリハーサルを強力に支援できる。
【0057】図16は本発明による表示装置及び表示方法の第5の実施形態を示すブロック図であって、21はデータ読取手段、22は描画処理手段、23は情報保存媒体、24は切換器であり、前出図面に対応する部分には同一符号を付けている。
【0058】同図において、この実施形態は、表示装置2にデータ読取手段21及び描画処理手段22を設け、情報保存媒体23を接続することにより、この情報保存媒体23からの画像情報も表示することができるようにしたものである。従って、情報処理装置1がなくても、情報保存媒体23により画像表示ができるため、情報処理装置1の搬送のための労力が不要である。
【0059】特に、この第5の実施形態の特徴は、描画処理手段22用の記憶手段として、記憶手段4を用いることにあり、これをAD変換手段3の出力と共用する。これにより、低コスト化が実現できる。
【0060】従来では、図17に示すように、描画処理手段22には、専用の記憶手段4’を設け、これから読み出される画像情報を専用のDA変換手段26でアナログ映像信号に変換した後、切換器25で切り換えて記憶手段4に入力しており、表示手段8に表示するのに必要な容量を備えた記憶手段が2系統必要であった。
【0061】これに対し、この第5の実施形態では、記憶手段4を情報処理装置1からの映像信号と情報保存媒体からの映像信号とに共用するものであり、記憶手段を低減できる分だけでも、コストダウンができるメリットがある。
【0062】次に、この第5の実施形態の動作について説明する。
【0063】まず、画像情報などのデータを記憶保存した情報保存媒体23をデータ読取手段21に挿入する。このとき、切換器24が自動的に描画処理手段22側に切り換わるようにするとよい。挿入された情報保存媒体23のデータを、例えば、マイコン7の指令に基づいて読み取り、その読み取ったデータを描画処理手段22及び切換器24を介して記憶手段4に書き込む。記憶手段4の書込み制御は制御手段6によって行なわれる。制御手段6は、描画処理手段22からのタイミング信号などにより、動作する。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、情報処理装置からの制御信号に基づいて、表示装置内のメモリ機能や色変換機能を該情報処理装置からの画像信号と連動制御し、画像の特定領域の切出し表示やスライドショーのような静止画表示を画像内容に応じたきれいな画質で行なうことができ、比較的簡単な構成で説得力あるプレゼンテーションが実現できる。
【0065】また、本発明によれば、表示装置の表示特性に基づいた事前表示機能により、本番での画像表示状態を事前確認することができ、プレゼンテーション実行に先立つリハーサルを強力に支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による表示装置及び表示方法の第1の実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1に示す第1の実施形態での制御情報のデータフォーマットの一具体例を示す図である。
【図3】表示装置として液晶プロジェクタを用いた本発明の第1の実施形態を示す構成図である。
【図4】図3でのパソコン画面に表示される画像例を示す図である。
【図5】本発明による表示装置及び表示方法の第2の実施形態を示す図である。
【図6】図5におけるパソコンと表示装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】図5におけるパソコン画面での表示の一具体例を示す図である。
【図8】本発明による表示装置及び表示方法の第3の実施形態を示すブロック図である。
【図9】図8に示した第3の実施形態での表示画像の種類毎のデータ変換の主旨を示す図である。
【図10】図9に示した表示画像の種類に対する変換特性を示す特性図である。
【図11】図8における情報処理装置での表示画像の一具体例を示す図である。
【図12】本発明による表示装置及び表示方法の第4の実施形態を示すブロック図である。
【図13】図8におけるモニタで表示されるコントロールウインドウ内での表示内容の一具体例を示す図である。
【図14】図8におけるモニタで表示される色情報の一具体例を示す図である。
【図15】図8におけるモニタで表示されるコントロールウインドウ内での表示内容の他の具体例を示す図である。
【図16】本発明による表示装置及び表示方法の第5の実施形態を示すブロック図である。
【図17】従来の表示装置及び表示方法の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 情報処理装置
2 表示装置
3 AD変換手段
4 記憶手段
5 DA変換手段
6 記憶手段
7 マイコン
8 表示手段
10 色変換手段
11 モニタ
12 ROM
21 データ読取手段
22 描画処理手段
23 情報保存媒体
101,201,301 パソコン
102,202 液晶プロジェクタ
103,203 スクリーン
【特許請求の範囲】
【請求項1】 情報処理装置からの画像情報を入力情報とする表示装置において、該情報処理装置から特定領域指示信号を受け取り、該特定領域指示信号に基づいて該画像情報の特定領域を表示することを特徴とする表示装置。
【請求項2】 情報処理装置からの画像情報を入力情報とする表示装置において、該情報処理装置から表示凍結信号を受け取り、該表示凍結信号に基づいて表示凍結処理を行なうことを特徴とする表示装置。
【請求項3】 情報処理装置からの画像情報を入力情報とする表示装置において、該情報処理装置から色変換情報を受け取り、該色変換情報に基づいて該画像情報に色変換処理を施して表示することを特徴とする表示装置。
【請求項4】 請求項3において、前記色変換情報は、前記画像情報の内容に依存した情報であることを特徴とする表示装置。
【請求項5】 情報処理装置の画像情報を入力情報とする第1,第2の表示装置を有し、該情報処理装置に該第1の表示装置の第1の表示特性情報を供給し、該第2の表示装置上に該第1の表示特性情報に基づいて第1の表示装置の表示を模擬表示することを特徴とする表示方法。
【請求項6】情報処理装置からの画像情報を入力情報とする投写型の表示装置において、該投写型表示装置の画像が投影される表示スクリーンのタイプに応じた色変換処理を施すことを特徴とする投写型表示装置。
【請求項7】 実時間映像信号と情報保存媒体を入力とし、該実時間映像信号をAD変換するAD変換手段と、該AD変換手段の出力を入力とする記憶手段と、該記憶手段の出力を必要に応じて信号形式変換する信号形式変換手段と、該信号形式変換手段の出力を表示する表示手段と、該情報保存手段の情報を読み取る情報読み取り手段と、該情報読み取り手段の出力情報に基づき描画処理する描画処理手段とからなる表示装置において、該描画処理手段の描画結果を保存して表示に供するための記憶機能として、該記憶手段を用いることを特徴とする表示装置。
【請求項1】 情報処理装置からの画像情報を入力情報とする表示装置において、該情報処理装置から特定領域指示信号を受け取り、該特定領域指示信号に基づいて該画像情報の特定領域を表示することを特徴とする表示装置。
【請求項2】 情報処理装置からの画像情報を入力情報とする表示装置において、該情報処理装置から表示凍結信号を受け取り、該表示凍結信号に基づいて表示凍結処理を行なうことを特徴とする表示装置。
【請求項3】 情報処理装置からの画像情報を入力情報とする表示装置において、該情報処理装置から色変換情報を受け取り、該色変換情報に基づいて該画像情報に色変換処理を施して表示することを特徴とする表示装置。
【請求項4】 請求項3において、前記色変換情報は、前記画像情報の内容に依存した情報であることを特徴とする表示装置。
【請求項5】 情報処理装置の画像情報を入力情報とする第1,第2の表示装置を有し、該情報処理装置に該第1の表示装置の第1の表示特性情報を供給し、該第2の表示装置上に該第1の表示特性情報に基づいて第1の表示装置の表示を模擬表示することを特徴とする表示方法。
【請求項6】情報処理装置からの画像情報を入力情報とする投写型の表示装置において、該投写型表示装置の画像が投影される表示スクリーンのタイプに応じた色変換処理を施すことを特徴とする投写型表示装置。
【請求項7】 実時間映像信号と情報保存媒体を入力とし、該実時間映像信号をAD変換するAD変換手段と、該AD変換手段の出力を入力とする記憶手段と、該記憶手段の出力を必要に応じて信号形式変換する信号形式変換手段と、該信号形式変換手段の出力を表示する表示手段と、該情報保存手段の情報を読み取る情報読み取り手段と、該情報読み取り手段の出力情報に基づき描画処理する描画処理手段とからなる表示装置において、該描画処理手段の描画結果を保存して表示に供するための記憶機能として、該記憶手段を用いることを特徴とする表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図14】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
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【図14】
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【図16】
【図17】
【公開番号】特開2002−333875(P2002−333875A)
【公開日】平成14年11月22日(2002.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−48458(P2002−48458)
【分割の表示】特願平8−218539の分割
【出願日】平成8年8月20日(1996.8.20)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成14年11月22日(2002.11.22)
【国際特許分類】
【分割の表示】特願平8−218539の分割
【出願日】平成8年8月20日(1996.8.20)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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