説明

表示装置及び表示方法

【課題】複数の画面に異なる地図を表示している場合に、同一の地図が表示されることを防止しつつ、ユーザが意図せず画面が切り替わらないようにする。
【解決手段】表示部に複数の画面に異なる地図が表示されている場合に、操作部を介して、何れかの地図の縮尺又は表示形式を変更するための操作がなされた場合、前記表示部に各縮尺に対応したアイコン又は各表示形式に対応したアイコンを表示させる制御部を備えた表示装置において、前記制御部は、選択されることにより他の地図と同一の地図となるアイコンが該他の地図と同一の地図とを分割しない画面となることを示すように表示し、前記操作部を介して該アイコンが選択されると他の地図と同一の地図とを分割しない画面で前記表示部に表示させることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の画面に地図を表示する表示装置及び表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般のナビゲーション装置では、GPS受信機などを用いて現在位置を検出し、検出した現在位置を示す現在位置マークとともに、現在位置周辺の地図をディスプレイなどに表示させている。これにより、現在どこを走行しているのかが一目で分かるようにしている。
【0003】
また、一般のナビゲーション装置では、この地図上に、ナビゲーション装置が探索した経路を重畳させるなどして、目的地までの経路の案内を行なっている。
【0004】
ところで、近年のナビゲーション装置では、地図を1つ(1画面)表示するだけでなく、画面を分割し、互いに縮尺や表示形式(ノースアップ表示やヘディングアップ表示など)の異なる地図を2つ(2画面)表示することがなされている。これにより、1つのディスプレイで、広域の地図を確認しつつ、他方で詳細な地図を確認することが可能である。
【0005】
しかしながら、地図を2画面表示した場合に、両画面とも同一の地図が表示されてしまう場合がある。このような場合、両画面ともに同一の地図を表示しても無意味である。
【0006】
そのため、地図の2画面表示を行なうナビゲーション装置において、一方の地図の縮尺を変更することにより、他方の地図の縮尺と同一になるときには、同一の地図画面を表示しないようにすることが下記の特許文献1(特開2005−308661号公報)に記載されている。
【0007】
特許文献1では、一方の地図の縮尺を変更することにより、他方の地図の縮尺と同一になる場合に、他方の地図と同一の地図が表示されてから所定時間が経過すると、地図を1画面表示にする、又は、一方の地図画面に他方とは異なる内容の地図(例えば、他方と縮尺や表示形式の異なる地図)を表示させることで、同一の地図画面を表示しないようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−308661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記特許文献1に開示されたナビゲーション装置では、一方の地図の縮尺を変更することにより、他方の地図の縮尺と同一になった場合、所定時間が経過すると、突然、地図が1画面(全画面)で表示されたり、ユーザが指定した縮尺とは異なる縮尺で地図が表示されたりするため、ユーザが混乱してしまう恐れがある。
【0010】
そのため、本願発明では、地図を複数の画面(例えば2画面)で表示している場合に、何れかの地図の縮尺や表示形式などの表示態様を変更する場合、各表示態様に対応したアイコンのうち、他の地図と同一の地図となるアイコンが他の地図と表示態様を変更する地図とを分割しない画面(例えば1画面)とすることを示し、当該アイコンが選択された場合、他の地図と同一の地図を分割しない画面(例えば1画面)で表示する表示装置及び表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、表示部に複数の画面で異なる地図が表示されている場合に、操作部を介して何れかの地図(以下、変更地図)の表示態様を変更するための操作がなされた場合、前記表示部に各表示態様に対応したアイコンを表示させる制御部を備えた表示装置において、前記制御部は、前記アイコンのうち、選択されることにより前記変更地図と他の地図とが同一の地図となるアイコンを特定し、該アイコンが前記変更地図と前記他の地図とを分割しない画面となることを示すように表示し、前記操作部を介して該アイコンが選択されると前記他の地図と同一の地図を前記分割しない画面で前記表示部に表示させることを特徴とする。
【0012】
また、上記の表示装置において、前記複数の画面は2画面であり、前記制御部は、前記アイコンのうち、選択されることにより前記変更地図と他の地図とが同一の地図となるアイコンを特定し、該アイコンが全画面となることを示すように表示し、前記操作部を介して該アイコンが選択されると前記他の地図と同一の地図を全画面で前記表示部に表示させることを特徴とする。
【0013】
また、上記の表示装置において、前記制御部は、選択されることにより前記変更地図と他の地図とが同一の地図となるアイコンが選択され、前記他の地図と同一の地図を分割しない画面で前記表示部に表示させている場合に、前記操作部を介して該画面の地図の表示態様を変更するための操作がなされた場合、前記表示部に分割した画面毎に各表示態様に対応したアイコンを表示させることを特徴とする。
【0014】
上記課題を解決するために、表示部に複数の画面で異なる地図が表示されている場合に、操作部を介して何れかの地図(以下、変更地図)の表示態様を変更するための操作がなされた場合、前記表示部に各表示態様に対応したアイコンを表示させる制御部を備えた表示装置の表示方法において、前記制御部が、前記アイコンのうち、選択されることにより前記変更地図と他の地図とが同一の地図となるアイコンを特定するステップと、前記制御部が、該アイコンが前記変更地図と前記他の地図とを分割しない画面となることを示すように表示させるステップと、前記操作部を介して該アイコンが選択されると前記制御部が前記他の地図と同一の地図を前記分割しない画面で前記表示部に表示させるステップと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、複数の画面で異なる地図を表示している場合に、何れかの地図(変更地図)の表示態様(縮尺又は表示形式など)を変更するためのアイコンのうち、選択することにより他の地図と同一の地図となるアイコンが、当該他の地図が表示されている画面と統合されて地図が表示されることを示すため、当該アイコンを選択する前に、当該アイコンを選択すると他の地図と分割しない画面(例えば全画面)となることが認識できるため、不要な混乱を招くことがない。加えて、複数の画面に同一の地図が表示されることがない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施例のナビゲーション装置1のブロック図である。
【図2】従来における地図の2画面表示において一方の地図の縮尺を変更する際の模式図である。
【図3】本実施例における地図の2画面表示において一方の地図の縮尺を変更する際の模式図である。
【図4】一方の地図の縮尺を変更する際の制御部10が行なう制御動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】本実施例における地図の2画面表示において一方の地図の表示形式を変更する際の模式図である。
【図6】全画面表示のあとに2画面表示に戻す際の模式図である。
【図7】全画面表示のあとに2画面表示に戻す際の制御部10が行なう制御動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本願発明を実施するための最良の形態を実施例と共に図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための表示装置としてナビゲーション装置を例示して説明するものであって、本発明をこのナビゲーション装置に特定することを意図するものではなく特許請求の範囲に示した技術思想を逸脱することなくその他の表示装置にも等しく適用し得るものである。
【実施例】
【0018】
まず、図1を参照して本実施例のナビゲーション装置1について説明する。
【0019】
ナビゲーション装置1は、制御部10、現在位置検出部11、表示部12、操作部13、地図情報記憶部14、音声出力部15を備えて構成される。
【0020】
制御部10は、CPU、RAM、ROMなど(何れも不図示)を備えて構成されており、RAM又は/及びROMに記憶された制御プログラムをCPUにおいて実行することにより、各部の動作を制御・統括する。
【0021】
現在位置検出部11は、GPS受信手段、自律航法手段など(何れも不図示)を備えて構成される。
【0022】
GPS受信手段は、地球上空を周回している複数のGPS衛星から、GPS衛星の位置情報及び時刻情報を含むGPS信号を受信する受信機で構成される。
【0023】
自律航法手段は、ナビゲーション装置1が搭載される車両に設置された車速センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ等に接続され、センサからの検出信号を適切な出力信号に変換して出力する。なお、加速度センサやジャイロセンサはナビゲーション装置1が備えていてもよい。
【0024】
現在位置検出部11は、GPS受信手段において受信したGPS信号に基づき、緯度情報及び経度情報からなる車両の現在位置(GPS信号に基づく現在位置)を算出する。また、自律航法手段において変換出力された加速度センサ、ジャイロセンサの出力値に基づいて、現在位置(自律航法手段に基づく現在位置)を算出する。特に、GPS信号と自律航法のセンサ出力の両方を使用できる場合には、GPS信号に基づく現在位置に対し、自律航法手段に基づく現在位置を参照して現在位置を補完する。
【0025】
表示部12は、液晶表示ユニットなどで構成される。表示部12には、現在位置周辺などの地図が表示される。特に、本実施例においては、地図が2画面で表示される。
【0026】
操作部13は、例えば、液晶表示ユニットの液晶画面上に取り付けられたタッチパネルやリモコンなどで構成され、経由地や目的地等の経路探索条件の入力を行うのに用いられる。
【0027】
制御部10は、現在位置検出部11により算出された現在位置から、操作部13を介して入力された目的地までの経路を、地図情報記憶部16に記憶された地図情報を参照して探索する。
【0028】
ここで、表示部12に表示された地図(2画面)のうち、何れかの縮尺や表示形式を変更する場合の操作について図2の模式図を用いて説明を行なう。
【0029】
図2は、表示部12に2画面表示された地図を示している。図2において、200は表示画面であり、201及び202は表示形式アイコン、203及び204は縮尺アイコンである。
【0030】
図2(a)に示す表示画面200には、進行方向を上部にしたヘディングアップ表示で縮尺が100mの地図が左側に表示され、他方、進行方向を上部にしたヘディングアップ表示で縮尺が50mの地図が右側に表示されている。
【0031】
ここで、右側の地図の縮尺を変更したい場合、右側の地図の縮尺アイコン204を選択する。縮尺アイコン204を選択すると、図2(b)に示すように、異なる縮尺(各縮尺)を示す複数の縮尺アイコン204(各表示態様に対応したアイコン)が表示され、複数の縮尺アイコン204のうち、例えば、「25m」を示す縮尺アイコン204を選択すると、図2(c)に示すように縮尺が25mとなった地図が右側に表示される。なお、図2(b)では、現在(図2(a)において)表示している地図の縮尺である「50m」はグレーアウト表示されている。また、この場合、右側の地図が縮尺又は表示形式を変更する地図に該当する。
【0032】
なお、表示形式についても同様の手順で何れかの画面の表示形式を変更することが可能である。
【0033】
このように、本実施例のナビゲーション装置1では、操作部13を介して、表示部12に表示された地図(2画面)のうち、何れかの地図の縮尺や表示形式を変更することが可能である。
【0034】
地図情報記憶部14は、道路データ、建物データ、背景データ、テキストデータから構成される地図情報を保持している。制御部10は、地図情報を用いて表示部12に地図を表示させる。
【0035】
道路データは、道路をその屈曲点、分岐点等の結節点をノードとするノードデータと、それぞれのノード間を結ぶ経路をリンクとしたリンクデータから構成される。
【0036】
建物データは、建物(施設)毎に、建物の少なくとも3点からなる(描画のための)位置座標(緯度・経度)、駅やビル等の建物の種別、表示色のデータ、建物の(現在位置との比較に用いられる)位置座標(緯度・経度)、建物(施設)の名称を示す音声データなどを含んで構成される。
【0037】
また背景データは、海岸線、湖沼、河川形状、山林等の背景画像データとなる少なくとも3点からなる位置座標(緯度・経度)、表示色のデータを含んで構成される。
【0038】
テキストデータは、それぞれの地名や河川名等の文字(名称)、及びその座標(緯度・経度)のデータを含んで構成される。
【0039】
音声出力部15は、スピーカなどで構成され、制御部10が探索した目的地までの経路を音声案内したり、ナビゲーション装置1の操作に必要な音声を出力したりするためのものである。
【0040】
なお、音声出力部15は、スピーカを備えず、車両に設置されたスピーカを介して音声を出力するものであってもよい。
【0041】
なお、ナビゲーション装置1は、地図情報記憶部14などを内蔵したスタンドアロン型のものとして説明したが、本発明はこれに限定されることはない。
【0042】
例えば、外部の情報提供サーバと通信するための通信部(不図示)を設け、外部の情報提供サーバへ現在位置や目的地などを送信し、情報提供サーバから目的地までの経路や地図を受信するナビゲーション装置1であってもよい。
【0043】
ここで本願発明では、地図を複数の画面(例えば2画面)で表示している場合に、何れかの地図の縮尺や表示形式などの表示態様を変更する場合、各表示態様に対応したアイコンのうち、他の地図と同一の地図となるアイコンが他の地図と表示態様を変更する地図とを分割しない画面(例えば1画面)とすることを示し、当該アイコンが選択された場合、他の地図と同一の地図を分割しない画面(例えば1画面)で表示する。
【0044】
以下、フローチャートを用いて、本発明の詳細な説明を行なう。
【0045】
なお、以下のフローチャートでは、地図が2画面表示されるように設定され、表示部12には地図が2画面表示されているものとして説明を行なう。
【0046】
図3の模式図及び図4のフローチャートを用いて、本願発明におけるナビゲーション装置1の制御部10の動作について説明を行なう。
【0047】
まず、表示部12には、図3(a)に示すように、進行方向を上部にしたヘディングアップ表示で縮尺が100mの地図が左側に表示され、他方、進行方向を上部にしたヘディングアップ表示で縮尺が50mの地図が右側に表示されている。
【0048】
図3において、300は表示画面であり、301及び302は表示形式アイコン、303及び304は縮尺アイコンである。
【0049】
まず、制御部10は、操作部13を介して、縮尺アイコン303又は縮尺アイコン304が選択されたか否かを判定する(ステップS401)。
【0050】
すなわち、ステップS401では、何れかの地図の縮尺を変更するための操作がなされた否かを判断する。なお、縮尺アイコン303又は縮尺アイコン304の選択に限らず、リモコンの縮尺変更のボタンが押下されたか否かで判定しても良い。
【0051】
縮尺アイコン303又は縮尺アイコン304が選択された場合(ステップS401のY)(図3では、縮尺アイコン304が選択される)、制御部10は、右側の地図と左側の地図が同一の表示形式であるか否か判定する(ステップS402)。
【0052】
なお、制御部10のRAMなどに、地図の2画面表示が設定されていることを示す情報、現在の右側の地図の表示形式や縮尺や表示位置、現在の左側の地図の表示形式や縮尺や表示位置などが記憶され、これらの情報を参照することで、制御部10は、右側の地図と左側の地図が同一の表示形式であるか否か判定することが可能である。
【0053】
右側の地図と左側の地図が同一の表示形式である場合(ステップS402のY)、制御部10は、右側の地図と左側の地図が同一の表示位置であるか否か判定する(ステップS403)。
【0054】
ここで、表示位置とは、例えば、現在位置周辺の地図、目的地周辺の地図、又は、経由地周辺の地図などが考えられる。
【0055】
すなわち、ステップS402及びステップS403では、縮尺以外同一の地図が2画面表示されているか否かを確認する処理であればよい。
【0056】
右側の地図と左側の地図が同一の表示位置である場合(ステップS403のY)、制御部10は、図3(b)に示すように、各縮尺に対応する縮尺アイコン304(各表示態様に対応したアイコン)を表示部12に表示させるが、この場合、左側の地図と同一の縮尺(100m)となる縮尺アイコン304は、縮尺(100m)ではなく、他の地図と同一の地図とを分割しない画面(全画面)となることを示して表示させる(ステップS404)。
【0057】
すなわち、本発明においては、縮尺以外同一の地図が2画面表示されている場合に、何れかの地図の縮尺を変更する場合、表示された各縮尺に対応する縮尺アイコンのうち、他方の地図の縮尺と同一の縮尺に該当するアイコンは、全画面となることを示している。
【0058】
なお、上述の通り、制御部10は、現在の左右の地図の縮尺を夫々特定可能なため、他方の地図の縮尺と同一の縮尺に該当するアイコンを特定することが可能である。例えば、左側の地図が250mの縮尺であれば、各縮尺に対応した縮尺アイコン304のうち、250mに対応した縮尺アイコン304が全画面となることを示す。
【0059】
そして、表示された縮尺アイコン304のうち、全画面とすることを示しているアイコン(以下、全画面アイコン)を選択すると(ステップS405のY)、図3(c)に示すように左側の地図と同一の縮尺(100m)で、地図が全画面表示される(ステップS406)。
【0060】
一方、全画面以外の縮尺アイコン304(例えば、25mを示す縮尺アイコン304)を選択すると(ステップS405のN)、図2(c)に示すように、選択された縮尺アイコン304に該当する縮尺に右側の地図を変更して表示部12に表示される(ステップS407)。
【0061】
なお、ステップS402及びステップS403の処理で、何れかがNの場合、すなわち、縮尺以外にも異なる地図が2画面表示されている場合、縮尺を同一にしたとしても左右で同一の地図とならないため、通常通り縮尺アイコン304を表示し(図2(b)参照)(ステップS408)、選択された縮尺に右側の地図を変更して表示部12に表示される(ステップS407)。
【0062】
以上の通り、本願発明によれば、他の地図と同一の地図となる縮尺アイコンが他の地図と縮尺を変更する地図とを分割しない画面(例えば全画面)となることを示し、当該アイコンが選択された場合、他の地図と同一の地図を分割しない画面(例えば全画面)で表示する。
【0063】
これにより、ユーザは、同一の地図となる縮尺アイコンを選択する前に、当該アイコンを選択すると全画面に変更されることが認識できるため、左右で同一の地図が表示されるのを防止しつつ、突然地図が全画面で表示されることによる違和感がなくなる。
【0064】
なお、上記実施例では、縮尺アイコンを例にして記載したが、表示形式アイコンであっても同様である。図5を用いて説明を行なう。
【0065】
図5は、表示部12に2画面表示された地図を示している。図5において、500は表示画面であり、501及び502は表示形式アイコン、503及び504は縮尺アイコンである。
【0066】
図5(a)に示す表示画面200には、進行方向を上部にしたヘディングアップ表示で縮尺が100mの地図が左側に表示され、他方、真北方向を上部にしたノースアップ表示で縮尺が100mの地図が右側に表示されている。すなわち、図5(a)に示す表示画面200には、表示形式以外同一の地図が左右に表示されている。
【0067】
この場合、右側の表示形式アイコン502を選択すると、図5(b)に示すように表示形式を変更するための各表示形式に対応した複数の表示形式アイコン502(各表示態様に対応したアイコン)が表示される。そのうち、選択されることにより左側の地図と同一の地図となる表示形式アイコン502は、表示形式(ヘディングアップ)ではなく、全画面となることを示している。
【0068】
そして、ユーザが操作部13を介して全画面アイコン(ヘディングアップに対応する表示形式アイコン)を選択すると、図3(c)に示すように、地図が全画面表示される。
【0069】
以上の通り、表示形式アイコンであっても、縮尺アイコンと同様に、同一の地図となる表示形式アイコンを選択する前に、当該アイコンを選択すると全画面に変更されることが認識できるため、左右で同一の地図が表示されるのを防止しつつ、突然地図が全画面で表示されることによる違和感がなくなる。
【0070】
次に、ユーザが操作部13を介して全画面アイコンを選択し、図3(c)に示すように、地図が全画面表示された場合に、2画面表示に戻す場合について図6の模式図および図7のフローチャートを用いて説明を行なう。
【0071】
まず、ユーザが操作部13を介して全画面アイコンを選択すると、図3(c)に示すように、地図が全画面表示される。
【0072】
この場合(すなわち、地図の2画面表示が設定されており、全画面表示されている場合)に、縮尺アイコン303(304)(図3(c)参照)を選択すると(ステップS701のY)、制御部10は、図6に示すように左右の画面毎(分割した画面毎)に各縮尺に対応した複数の縮尺アイコン603及び604(各表示態様に対応したアイコン)を表示部12に表示させる(ステップS702)。
【0073】
そして、何れかの縮尺アイコンが選択されると(ステップS703のY)、制御部10は、選択されたアイコンに基づいて縮尺を変更して地図を2画面表示させる(ステップS704)。
【0074】
具体的には、例えば、複数の縮尺アイコン604のうち、25mを示すアイコンが選択されると(ステップS703のY)、選択されたアイコンに基づいて、右側の地図の縮尺を25mとして縮尺を変更して地図が2画面表示される(ステップS704)。なお、左側の画面は、元の縮尺(図3(c)参照)である100mの縮尺で地図が表示される。
【0075】
これにより、ユーザが操作部13を介して全画面アイコンを選択し、地図が全画面表示された場合に、容易に2画面表示に戻すことが可能となる。なお、この場合、左右何れかの縮尺を変更するため、同一の地図が2画面表示されることもない。
【0076】
なお、縮尺を変更する場合について例示したが、表示形式についても同様に、地図の2画面表示が設定されており、全画面表示されている場合に、表示形式アイコン301(302)(図3(c)参照)を選択すると、左右夫々に対応した表示形式アイコン301及び302が表示され、何れかを選択すると、選択したアイコンに対応する画面の表示形式が変更されて、地図が2画面表示される。
[その他の実施形態]
本願発明は上記実施例に限らず種々の変更が可能である。
【0077】
例えば、上記実施例では、縮尺、表示位置及び表示形式が左右で全て同一である場合に、同一の地図として説明を行なったが、これに限らず、縮尺及び表示位置が同一であれば表示形式が異なっても同一の地図として扱うものとしてもよい。すなわち、図4のフローチャートからステップS402の処理を省いてもよい。
【0078】
また、上記実施例では、2画面表示を例示して説明したが、3画面表示や4画面表示あっても本願発明を適用することが可能である。
【0079】
すなわち、何れかの地図の表示形式や縮尺を変更することにより、他の地図と同一の地図になる場合、選択することにより他の地図と同一の地図になるアイコンが、当該他の地図と縮尺又は表示形式を変更する地図(変更地図)とを分割しない画面になる旨を示すように表示され、当該アイコンを選択すると、当該他の地図と表示形式や縮尺を変更した地図(変更地図)とが統合されて表示される。
【0080】
例えば、3画面表示(左、中央、右で3分割)において、左の地図の縮尺を変更することにより、中央の地図と同一の地図となる場合、当該左の地図の各縮尺に対応した縮尺アイコンのうち、中央の地図と同一の地図となる縮尺アイコンは「左+中央」などを示して表示され、当該アイコンを選択すると、右側画面を除く画面に、中央の地図と同一の地図が表示される。すなわち、左画面と中央画面が統合されて中央の地図と同一の地図が表示される。その結果、地図の表示は2画面表示となる。
【0081】
また、上記実施例では、選択することにより他の地図と同一の地図となる縮尺又は表示形式アイコンが他の地図と縮尺又は表示形式を変更する地図とを分割しない画面(例えば1画面)とすることを示したが、これに限らず、当該アイコンに対応する縮尺や表示形式を表しても良い。すなわち、図3(b)において、全画面アイコンに「全画面」に加え「100m」を示して表示されてもよい。
【0082】
また、上記実施例では、ナビゲーション装置1が現在位置検出部11や地図情報記憶部14を備える構成としたが、例えば、通信部(図示せず)を備え、現在位置検出部11を備える他の装置から近距離無線通信で現在位置を取得しても良いし、地図情報記憶部14を備える他の装置から無線通信などで地図情報を取得しても良い。
【0083】
また、上記の実施例では、縮尺又は表示形式の何れかを変更する場合について説明を行なったが、表示位置を変更する場合などにも同様に本発明を適用することが可能である。
【0084】
すなわち、表示態様(縮尺、表示形式、表示位置など)を変更するための操作がなされた場合に、各表示態様に対応したアイコン(縮尺を変更する場合であれば、少なくとも各縮尺に対応したアイコン)を表示させ(図3(b)など参照)、そのうち、他の地図と同一の地図となるアイコンが、分割しない画面(例えば、全画面)となることを示すように表示されればよい。
【符号の説明】
【0085】
1 ナビゲーション装置
10 制御部
11 現在位置検出部
12 表示部
13 操作部
14 地図情報記憶部
15 音声出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部に複数の画面で異なる地図が表示されている場合に、操作部を介して何れかの地図(以下、変更地図)の表示態様を変更するための操作がなされた場合、前記表示部に各表示態様に対応したアイコンを表示させる制御部を備えた表示装置において、
前記制御部は、前記アイコンのうち、選択されることにより前記変更地図と他の地図とが同一の地図となるアイコンを特定し、該アイコンが前記変更地図と前記他の地図とを分割しない画面となることを示すように表示し、前記操作部を介して該アイコンが選択されると前記他の地図と同一の地図を前記分割しない画面で前記表示部に表示させることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記複数の画面は2画面であり、
前記制御部は、前記アイコンのうち、選択されることにより前記変更地図と他の地図とが同一の地図となるアイコンを特定し、該アイコンが全画面となることを示すように表示し、前記操作部を介して該アイコンが選択されると前記他の地図と同一の地図を全画面で前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記制御部は、選択されることにより前記変更地図と他の地図とが同一の地図となるアイコンが選択され、前記他の地図と同一の地図を分割しない画面で前記表示部に表示させている場合に、前記操作部を介して該画面の地図の表示態様を変更するための操作がなされた場合、前記表示部に分割した画面毎に各表示態様に対応したアイコンを表示させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
表示部に複数の画面で異なる地図が表示されている場合に、操作部を介して何れかの地図(以下、変更地図)の表示態様を変更するための操作がなされた場合、前記表示部に各表示態様に対応したアイコンを表示させる制御部を備えた表示装置の表示方法において、
前記制御部が、前記アイコンのうち、選択されることにより前記変更地図と他の地図とが同一の地図となるアイコンを特定するステップと、
前記制御部が、該アイコンが前記変更地図と前記他の地図とを分割しない画面となることを示すように表示させるステップと、
前記操作部を介して該アイコンが選択されると前記制御部が前記他の地図と同一の地図を前記分割しない画面で前記表示部に表示させるステップと、
を有することを特徴とする表示方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−76636(P2013−76636A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−216616(P2011−216616)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】