説明

表示装置

【課題】FEDパネルを表示装置に組み込んだ場合のドライバICの発熱を迅速に抑制して一定温度以下に保ち、ICを熱破壊から守るために、安易な手法で放熱効果を高められるドライバICの周辺構造を提供する。また衝撃に強いメカニズムを提供する。
【解決手段】パネル補強部材の外周部をL字型に折り返し、そこにドライバICを密着させ、その熱伝導により放熱する。本発明はまたFEDパネルの全面にガラス基板破壊時の飛散防止フィルムと一体となりうる第1の衝撃吸収構造を配し、前記第1の衝撃吸収構造にセット全体の過半の衝撃吸収能力を持たせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平面型表示パネル(フラットパネル;FPD)を使用してテレビジョン画像などを表示する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テレビジョン受像機などの表示装置においては、液晶パネル(Liquid Crystal Display;以下LCDと略す)、プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Pane1;以下PDPと略す)、及び電界又は電子放出型ディスプレイ(Field Emission Display; 以下FEDと略す)等の表示デバイスの進歩に伴い、フラット,薄型化が急速に進展しつつある。
【0003】
これらLCD,PDPやFED等のフラットパネル型表示装置においては、点灯用の走査電極やそれと直交するデータ電極を設けた2枚のガラス基板を貼り合せたパネルの外周に沿って、走査電極、データ電極各々の端子部を複数の束にまとめて配設している。この端子部に、異方性導電フィルムを介して、パネル駆動用のドライバICが搭載されているフレキシブルケーブルの接続端子部を対向させて熱圧着する構造を採っている。
【0004】
上記フラットパネル型表示装置のうち、FEDは、従来の陰極線管(Cathode Ray Tube; 以下CRTと略す)と同様の発光原理を用いて発光効率を高めたデバイスである。
【0005】
このFEDは、PDPと同様に2枚の機能の異なるガラス基板から成り、多数の電子放出素子(カソード)を配置したカソード板と、上記多数の電子放出素子に対応して赤、緑、青の3原色光を独立して発光する蛍光体を配置したアノード板と、これら2枚のガラス基板を所定の距離を保持して対面させるスペーサと、前記2枚のガラス基板とスペーサで形成された空間を所定の真空度で保持、封止する枠ガラスとで構成される。
【0006】
前記カソード基板とアノード基板には、PDPと同様に板厚0.5mm〜3mm程度のガラス基板が使用されるため、FEDパネルをテレビジョン受像機などの表示装置に適用する場合、表示面となるアノード基板を直接筐体表面に露出させると、表示面を子供が叩いたり、表示面に物がぶつかったりする等の衝撃力が外から加わった場合に、基板が破壊されて飛散したり、破断面で怪我をする等の恐れがある。
【0007】
この事情はPDPも同じであり、表示装置を構成する際に、パネルの前に強化ガラスやアクリルを基材とした透明保護板を配置したり(例えば、特許文献1、特許文献2など)、衝撃吸収層を有するフィルムをパネルの前面に直接貼付けたり(例えば、特許文献3、特許文献4、特許文献5など)、パネルを裏側で保持する構造板基板を柔構造にする(例えば、特許文献6など)等の工夫が提案開示されている。
【0008】
さらに、電子放出素子を用いた平面型表示装置において、軽量化を図るため基板を薄くした際、大気圧で基板の変形が生じて表示面に映る観視者側の背景がゆがむのを防止する為、表示パネルの画像の観察者側に位置する基板の面に透光性を有する層を設けることも提案されている(例えば、特許文献7など)。
【0009】
【特許文献1】特開平09-149346号公報
【特許文献2】特開2003-084677号公報
【特許文献3】特開2004-181975号公報
【特許文献4】特開2003-248429号公報
【特許文献5】特開2003-140559号公報
【特許文献6】特開2001-345586号公報
【特許文献7】特開2004-335268号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
最近のフラットパネル型表示装置用駆動用ドライバICは、表示セルの微細化、高密度化に伴って、ICチップ一個でより多くの電極に出力する要求が高まってきているため、結果としてIC 1チップ当たりの負荷が増大し、ドライバICの発熱が増大する傾向が強まってきている。そのため、ドライバICの発熱を迅速に抑制して一定温度以下に保ち、ICを熱破壊から守るために、簡易な手法で放熱効率を高められるドライバICの周辺構造の開発が要求されてきている。
【0011】
従来、部品数を増やさずに効率良く放熱する一つの手段として、特開平10―260641号公報に記載のように、表示パネルを裏面から支持するアルミの補強板の一部を該表示パネルの外縁部より延設し、この部分にICチップを固定し、さらに表示パネルを熱伝導性接着剤転写テープを介して前記アルミ補強板に貼り付ける方法が提案されている。更には、特開2000―268735号公報に記載のように、互いに貼り合わせた一対のガラス基板のうちの、一方を他方よりも外方に延出させ、この延出された部分に放熱用導体パターン部を設け、その導体パタ-ン上にドライバICを当接させ、ICチップで発生した熱を直ちにガラス基板やアルミニウム補強板に伝達し放熱性を高める構成が提案されている。
【0012】
こうした方式はそれぞれ放熱効果を有するが、
(1)ガラス基板上の電極接続端子の外側にドライバICチップを当接固定する場合には、パネル表示領域とパネルの最外周部の距離が大きくなり、装置全体の外枠(ベゼル)を太い幅で大きく採らねばならず、装置全体のデザイン上の自由度が失われる。
【0013】
(2)フレキシブルケーブルを180度折り曲げてパネル裏側のアルミニウム補強板に密着当接させる場合には、ドライバICの入力部が補強板に余りにも近接するため、上流に位置する回路基板との接続組立性が低下したり、アルミニウム補強板の端部までセット内の空気の対流が及び難いため、期待ほど放熱効果が得られない、等の問題が残る。
【0014】
本発明は、上記した従来の表示装置の課題を解決するパネルモジュール構造を提供することを目的としている。
【0015】
また、FEDを表示装置に実装する際には、前記PDPについて開示されているような衝撃吸収手段をとり、パネルの実用上の破壊耐性を高める必要がある。衝撃吸収用素材の耐衝撃性は、前記特許文献3に詳述されているように針入度とヤング率により、かなりの程度評価が可能であるが、一般には、セット内のパネルの耐衝撃性に関しては、この特許文献3に記載されている様に、実際の装置に組込んだパネル表示面の鉛直方向から、所定の質量の鋼球を、種々高さを変えて落下させて破壊の有無を見る鋼球落下試験により比較評価する方法が採られている。
【0016】
本発明者らがこの試験法により調査したところによると、FEDとPDPとでは、ガラス基板の特性、厚さ等はほぼ同等のものが使用可能であり、パネル単体の衝撃強度としては大差無くても、パネル構造の相違によってセット全体の衝撃強度に差が発生することがわかった。後述の実施例の中で詳述するが、PDPは2枚のガラス基板を密着させた厚板構造であるので、外からの衝撃力に対して前面及び背面ガラス基板が一体となって変形するが、FEDの場合は、2枚のガラス基板の間にガラス基板と同程度の厚さのスペーサを介在させる箱型構造であるので、外からの衝撃力に対して前面及び背面ガラス基板がそれぞれ独立して変形する傾向を持っている。
【0017】
このため、純粋なパネル単体を鋼鉄定盤上に置いて前記した鋼球落下試験を行なった場合には、FED、PDP共にガラス基板自体の強度が支配するため破壊強度に差は生じにくいが、装置に組み込んだ場合にはそれぞれのパネル構造の根違によって、衝撃力の伝播状況とそれに伴う前面及び背面ガラス基板の変形状態及び衝撃吸収メカニズムに相違が生じる。
【0018】
従って、FEDパネルを表示装置に組み込んで使用する場合、前記したPDPの衝撃吸収手法をやみくもに導入してもPDPと同様の効果が得られるとは一概には言えず、衝撃吸収の構造的工夫を効果が出るように組合せないと、不要な構造の付加により、装置のコストアップの要因ともなりうる。
【0019】
本発明の他の目的は、FEDパネルを用いた表示装置の上記課題を解決し、高信頼で安価な装置を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は、上記第一の課題を解決するための手段として、ドライバICの発熱を迅速に抑制して一定温度以下に保ち、ICを熱破壊から守るために、簡易な手法で放熱効率を高められるドライバICの周辺構造を提供するものであり、パネル補強部材の外周部をL字型に折り返し、そこにドライバICを密着させ、その熱伝導により放熱するものである。
【0021】
本発明は又、上記第二の課題を解決するための手段として、FEDパネルの前面にガラス基板破壊時の飛散防止用フィルムと一体となりうる第1の衝撃吸収構造を配し、パネルの背面には、FEDパネルを保持しうる剛性を持った保持板の表面あるいは内部に第2の衝撃吸収構造を配し、前記第1の衝撃吸収構造にセット全体の過半の衝撃吸収能力を持たせるものである。
【0022】
本書において開示される発明のうち、代表的なものの概要を説明すれば、下記のとおりである。
(1) 内面に所定の電極が配設されている一対のガラス基板を所定の間隙を介して対向させてなる外囲器を備えた表示パネルと、該表示パネルの裏面に貼着けられて該表示パネルの機械的強度を補強する板材からなる補強部材と、フレキシブルプリント配線板と該フレキシブルプリント配線板に搭載された、前記電極を駆動するためのドライバICとを備えた表示装置において、前記補強部材の周辺端部の少なくとも一部を折り返して、この折り返された部分に前記ドライバICの少なくとも一部が当接されていることを特徴とする表示装置。
(2) (1)に記載の表示装置において、前記ドライバICの少なくとも一部が、熱伝導率の高い材料を介して、前記補強部材の折り返された部分に当接されていることを特徴とする表示装置。
(3) (2)に記載の表示装置において、前記熱伝導率の高い材料がシリコーン樹脂であることを特徴とする表示装置。
(4) (2)に記載の表示装置において、前記熱伝導率の高い材料がグラファイトシートであることを特徴とする記載の表示装置。
(5) (1)〜(4)のうちの何れかに記載の表示装置において、前記補強部材のすくなくとも折り返された部分がアルミニウム板からなることを特徴とする表示装置。
(6) (1)〜(4)のうちの何れかに記載の表示装置において、前記補強部材のすくなくとも折り返された部分が鋼板からなり、かつその表面にメッキが施されていることを特徴とする表示装置。
(7) (1)〜(6)のうちの何れかに記載の表示装置において、前記ドライバICを前記補強部材の折り返された部分に押圧するための金属板を備えたことを特徴とする表示装置。
(8) (7)に記載の表示装置において、前記ドライバICを前記補強部材の折り返された部分に押圧するための金属板が、前記補強部材の材料とは異なる材料からなることを特徴とする表示装置。
(9) (7)または(8)に記載の表示装置において、前記ドライバICを前記補強部材の折り返された部分に押圧するための金属板の少なくとも一部に、放熱用のフィン構造を設けられていることを特徴とする表示装置。
(10) 内面に所定の電極が配設されている一対のガラス基板を所定の間隙を介して対向させてなる外囲器を備えた表示パネルと、該表示パネルの裏面に貼着けられて該表示パネルの機械的強度を補強する板材からなる補強部材とを備えた表示装置において、前記補強部材が、鋼板からなり、表面が鉄以外の材料でコートされていることを特徴とする表示装置。
(11) 多数の電子放出素子を同一平面内に格子状に並べて配置したカソード基板と、前記多数の電子放出素子に対応したピクセル内に赤、緑、青の3原色光を独立して発光する蛍光体を配置したアノード基板と、これら2枚のガラス基板を所定の距離を保持して対面させ、前記カソードから放出された電子を加速する空間を形成するスペーサと、前記2枚のガラス基板とスペーサで形成された空間を所定の真空度で保持、封止する枠ガラスとで構成された電子放出型表示パネルを用いる表示装置において、前記アノード基板表面に第1の衝撃吸収構造を配し、前記表示パネルの背面に貼着けられた保持板の表面あるいは内部に第2の衝撃吸収構造を配し、前記第1の衝撃吸収構造に表示装置全体の過半以上の衝撃吸収能力を持たせたことを特徴とする表示装置。
(12) (11)に記載の表示装置において、前記第1の衝撃吸収構造は、前記アノード基板破壊時の飛散防止手段を備えていることを特徴とする表示装置。
(13) (11)または(12)に記載の表示装置において、前記第1の衝撃吸収構造が、シリコーン系ゲルを含むことを特徴とする表示装置。
(14) (11)〜(13)のうちの何れかに記載の表示装置において、前記第2の衝撃吸収構造は、前記表示パネルと前記保持板とを接着する機能を有する樹脂材料により形成されたことを特徴とする表示装置。
(15) (14)に記載の表示装置において、前記第2の衝撃吸収構造における前記樹脂材料は、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、またはシリコーン樹脂を含むことを特徴とする表示装置。
(16) (12)に記載の表示装置において、前記第1の衝撃吸収構造の前記カソード基板破壊時の飛散防止手段が反射防止、調光、または傷つき防止機能を有することを特徴とする表示装置。
(17) (13)または(14)に記載の表示装置において、前記第1の衝撃吸収構造が、前記アノード基板破壊時の飛散防止手段を備え、該飛散防止手段が反射防止、調光、または傷つき防止機能を有することを特徴とする表示装置。
(18) (11)または(12)に記載の表示装置において、前記保持板が金属平板からなる2重構造をなしていることを特徴とする表示装置。
【発明の効果】
【0023】
本発明の一実施の形態によれば、パネル平面上のスペースをとらずにドライバICを配置できるので、前記したFPDを用いた表示装置の課題が解決可能である。また、装置デザイン上の自由度を制約せずにドライバICを効率よく放熱できるパネルモジュール構造を提供できる。
【0024】
本発明の他の一実施の形態によれば、FEDパネルの前面及び背面に衝撃吸収構造を設け、更に前面及び背面の衝撃吸収能力の配分比を所定量に規定することにより、装置として必要な衝撃破壊耐性を効率良く実現し、高信頼の表示装置を安価に提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面を参照しながら、本発明の最良の形態について説明する。なお、全図において、共通な機能を有する構成要素には同一符号を付して示し、また、煩雑さを避けるために、一度述べたものについてはその説明の繰り返しを省略する。
【実施例1】
【0026】
図1から図7を用いて、本発明による実施例1を説明する。図1から順に説明する。図1は、本発明による実施例1である表示装置の概観を示す斜視図である。図1において、表示装置1は、表示装置用支持台2に支持された状態で置かれている。表示装置1の表示パネル101にテレビジョンなどの映像を表示して使用する。表示装置1の表示パネル101は、内蔵された電子放出型ディスプレイ(FED)を用いている。表示装置1での映像の表示は、表示装置用支持台2内部に設けられたチューナ手段やビデオ再生手段などからの信号をもとに行う。また、表示装置1の左右にはスピーカ11が設けてあり、映像表示と同時に音も出力することができる。
【0027】
図2は、図1に示した実施例1の表示装置1の内部構成概略を示す分解斜視図である。筐体外枠4の内側には画像を表示するFEDパネルモジュールが配置される。
パネルモジュールは、表示パネル101の前面側にはフィルタシート9、背面側には粘着テープ10を介して、アルミ等の金属薄板を加工したパネル補強部材1003を貼着けた一体構造となっており、パネルの外周4辺中2辺には電極端子部(図示せず)が引き出され、データ電極駆動用ドライバICを搭載したフレキシブルプリント配線板(以下FPCと略す)5、スキャン電極駆動用ドライバICを搭載したFPC 6が熱圧着され、補強部材1003の背面に配置したインターフェイス回路(図示せず)と接続される。
【0028】
ここで、補強部材1003について簡単に説明する。FEDの一般的な基本構造は、電界放射型電子源が形成されたカソード基板と、この電界放射型電子源に対向する面に蛍光体が塗布されたアノード基板とを備え、これらを所定の間隙を介して対向配置させて気密封着し、その間の空間を真空に排気し真空に保持するための真空外囲器を形成している。この真空外囲器は、その内部が真空に保持されるため、大気圧の荷重に耐える必要がある。その目的で、カソード基板、アノード基板に厚いガラス板を用いると真空外囲器の重量が過大になってしまう。しかも、平面型表示パネルのスクリーンサイズが大きくなるとともに、ガラス基板の厚みもスクリーンサイズの増大に合わせて増大させねばならず、平面型表示パネルの重量及び外形寸法が過大になってしまう。これを避けるために、薄いカソード基板とアノード基板を用いるとともに、機械的強度及び剛性がガラスより大きい材料からなる板材で形成された補強部材を、平面型表示パネルのカソード基板に貼着けることにより、表示装置の機械的強度を損なわずに、その薄形化、軽量化を図っている。
【0029】
このパネルモジュールにおいては、パネル補強部材1003は、表示パネル101の外形とほぼ同程度の縦横寸法を有し、図2に示されているように、その周辺端部が所定の長さで折返された形状に形成されており、パネル補強部材1003が表示パネル101の裏面に貼り付けられた状態においては、この折り返された部分がフレキシブルプリント配線板(FPC)5, 6と対向する関係になっている。
【0030】
図3は、このパネルモジュールを、図2に矢印で示したYY方向から見た断面図である。表示パネル101は、多数の電子放出素子(カソード)111−aを同一平面内に格子状に並べて形成配置したカソード基板111と、これら多数の電子放出素子111−aに対応して平面的に区画割されたピクセル内に赤、緑、青の3原色光を独立して発光する蛍光体を規則的に配置形成した蛍光面112−aを備えるアノード基板112と、これら2枚のガラス基板111,112を所定の距離を保持して対面させ、前記カソード111−aから放出された電子をアノード基板112に向かって加速する空間を形成するスペーサ113と、前記2枚のガラス基板とスペーサ113で形成された空間を所定の真空度で保持しFEDパネルとして密封封止する枠ガラス114とで構成される。なお、カソード111−aとアノード基板112上のアノード(図示せず)との間には、通常2kV〜15kVの範囲内の電圧が印加される。
【0031】
前述した様にカソード板111の背面側には粘着テープ10を介してパネル補強部材1003が貼着けられて表示パネル101全体を保持し、アノード板112の表面側にはフィルタシート9が貼着けられて表示面を保護する。
【0032】
カソード板111の電極端子部に熱圧着された、データ電極駆動用FPC 5は、補強部材1003の背面に多数配設されたボス3−a上に固定されたIF(インターフェイス)基板7にコネクタ7−bを介して接続され、ケーブル7−aを介して制御回路基板8に接続されている。この時、データ電極駆動用FPC 5上のドライバIC5−aは、前記した補強部材1003の周辺部の折り返された外壁に、粘着性のあるシリコーンシート12を介して当接、固定させる。こうした基本構成をとるために、表示パネル101の表示領域と端子引出し領域の外に無駄なスペースを設けずに、ドライバICの組付け領域を確保することが可能である。
【0033】
本実施例においては、ドライバIC5−aの固定法として、粘着性のあるシリコーンシート12を介して当接させているが、更に放熱のムラを抑えるためにはドライバIC5−aと補強部材1003の密着度を機械的に高める方策も考えられる。
【0034】
なお、図3において、参照番号1011は、保護,剥離防止用の被覆層を示す。
【実施例2】
【0035】
図4に本発明の実施例2を示す。ドライバIC5−aを補強部材1003の周辺端部の折り返された外壁に粘着する代わりに、補強部材1003の外壁の外側から別の金属板13によりドライバIC5−aを挟み込み、ネジ14で固定する方法を示す。補強部材1003の、ドライバIC 5−aの表面が接触する側には熱伝導率の高いシリコーンシート12を介在させ、密着性が上がり、より均等に放熱可能な構造としている。また、データ電極駆動用FPC 5の、パネルと反対側の入力端も、表示パネル101側への接続の場合と同様に、IF基板7に熱圧着することにより、コネクタ7−bの使用を省略することにより、接続の信頼性を上げることも可能である。
【0036】
なお、上記シリコーンシート12の代わりに、黒鉛をシート状に加工したグラファイトシートを使用しても良い。
【0037】
補強部材1003の材料としては、軽量、熱伝導率の高い金属板であるアルミ板が、PDP等のパネル温度を下げねばならないデバイスには適しているが、パネル温度がさほど上昇しないFEDのようなデバイスでは、熱膨張率がよりドライバIC5−aに近い鋼板にメッキを施した素材でも使用可能であるし、ドライバIC 5−aやガラス基板111との熱歪の差が少ない点ではより適している。
【実施例3】
【0038】
図5に、前記実施例2の発展形態である実施例3を示す。この実施例3においては前記したドライバIC 5−aを挟み込んで固定する金属板13に放熱面積を拡大するフィンを一体化している。これによって前記実施例1,2よりも放熱効率を高めることが可能である。また、表示パネル101及び補強部材1003の裏面にある程度のスペースを設け、回路基板をその温度上昇を考慮して配置することによって、補強部材1003の裏面側を上昇する対流を作ることが可能であり。この場合、空気の対流が直接フィンを形成する金属板13に当接するほうがより効果的であるので、補強部材1003の外周折返し部には、対流の通風孔15を、データ電極駆動用FPC 5相互間相当位置に設けてこれを助長している。
【0039】
データ電極駆動用FPC 5上のIC5−aは、接続端子と同一面側でも、裏面側でもフレキシブルケーブル内にスルーホールを設ければ自由に配置出来る。
【実施例4】
【0040】
図6は、上記データ電極駆動用FPC 5上のIC5−aの上表面を、シリコーンシート12を介してパネル補強部材1003の側壁に密着させ、金属板13の放熱フィンをパネル補強部材1003の側壁に垂直に突き出るよう構成した実施例4を示す。図6において、参照番号5−bはカバーフィルム、5−cは導体層、5−dはベースフィルムを示す。
【実施例5】
【0041】
図7は、上記データ電極駆動用FPC 5上のIC 5−aの上表面を、シリコーンシート12を介して金属板13に密着させ、データ電極駆動用FPC 5の下表面をパネル補強部材1003に押し付け、金属板13の放熱フィンをパネル補強部材1003の側壁に平行に突き出るよう構成した実施例5を示す。図5、図6の金属板13上の放熱フィンはパネル外周部外側に伸び、パネル外形に対してセット筐体外形が多少大きくなるので、図7のようにセットの奥行き方向に放熱フィンを伸ばして、それを回避するものである。
【実施例6】
【0042】
図1及び図8〜図12−bは、本発明による実施例6の説明図である。図1から順に説明する。
【0043】
図1は、本発明による実施例6である表示装置の概観を示す斜視図である。図1において、表示装置1は、表示装置用支持台2に支持された状態で置かれている。表示装置1の表示パネル101にテレビジョンなどの映像を表示して使用する。表示装置1の表示パネル101は、内蔵された電子放出型ディスプレイ(FED)を用いている。
【0044】
表示装置1での映像の表示は、表示装置用支持台2内部に設けられたチューナ手段やビデオ再生手段などからの信号をもとに行う。また、表示装置1の左右にはスピーカ11が設けてあり、映像表示と同時に音も出力することができる。
【0045】
図8は、図1に示した実施例6による表示装置1の内部構成の概略を示す分解斜視図である。筐体外枠4の内側には画像を表示するFEDのパネルモジュールが配置される。
【0046】
パネルモジュールは、パネル101の前面側にはフィルタシート9、背面側には粘着テープ10を介してアルミ等の金属薄板による保持板3を貼着けた一体構造となっており、パネルの外周四辺に引き出された電極端子部(図示せず)には、データ電極駆動用ドライバICを搭載したフレキシブルプリント配線板(FPC) 5、 スキャン電極駆動用ドライバICを搭載したFPC 6が熱圧着され、保持板3の背面に配置した制御回路(図示せず)と接続される。
【0047】
図9は、このパネルモジュールを、図8に矢印で示したYY方向から見た断面図である。
【0048】
パネル101は、多数の電子放出素子(カソード)111-aを同一平面内に格子状に並べて形成配置したカソード基板111と、これら多数の電子放出素子111-aに対応して平面的に区画割されたピクセル内に赤、緑、青の3原色光を独立して発光する蛍光体を規則的に配置形成したアノード基板112と、これら2枚のガラス基板111, 112を所定の距離を保持して対面させ、前記カソード111-aから放出された電子をアノード基板112に向かって加速する空間を形成するスペーサ113と、前記2枚のガラス基板111, 112とスペーサ113で形成された空間を所定の真空度で保持しFEDパネルとして密封封止する枠ガラス114とで構成される。
【0049】
前記した様にカソード板111の背面側には粘着テープ10を介してパネル保持板3が貼着けられてパネル101全体を保持し、アノード板112の表面側にはフィルタシート9が貼着けられて表示面を保護する。
【0050】
カソード板111の電極端子部に熱圧着されたデータ電極駆動用FPC 5は、保持板3の背面に多数配設されたボス3-a上に固定された中継基板7、フラットケーブル7-aを介して制御回路基板8に接続されている。
【0051】
こうした構造を有するパネルモジュールの表示面に鋼球落下等による衝撃力が加わった場含、この衝撃力を分散吸収し緩和できる構成要素は、パネル101表面のフィルタシート9と裏面の粘着テープ10であり、パネル101全体の曲げ変形を分配できるのは保持板3であるので、これらを組合わせて衝撃緩和、破壊耐性向上を行なう。
【0052】
フィルタシート9は、装置の最表面に露出しパネルが破壊されてもガラス基板の飛散を防止し、更にパネル101からの発光スペクトルを調整する透明高分子フィルム9-aと、パネル101に密着する粘着性を持ったシリコーンゲル等の可視光透過率特性に優れた衝撃吸収層9-bとを一体にして構成する。衝撃吸収層9-bの衝撃吸収能力は、層の厚さ、縦横の弾性係数、振動吸収係数、針入度を変化することによって制御可能である。
【0053】
粘着テープ10は、アクリル樹脂、或いはウレタン樹脂、或いはシリコーン樹脂に粘着性を持たせた粘弾性を有する材料を、高温及び低温下でのパネル保持能力と衝撃吸収能力とで適宜選択して使用する。その衝撃吸収能力は樹脂材料により決まる振動吸収係数、針入度の他に、層の厚さ、パネルとの貼付面穫により調整できる。
【0054】
パネル101の背面を樹脂製の両面粘着テープ10で保持板3に固着する方法は従来のPDPでも広く採用されている。但し、PDPの揚合には表示動作中のパネルの温度上昇が大きいので、パネル背面全体を粘着テープに密着させ、保持板への熱伝導を良好かつ均一にする必要があり、熱伝導特性を最優先で材料選択が行なわれる。一方、FEDの場合には動作中のパネル温度上昇が少ないので、テープの貼付には、装置周囲の温度,湿度等の環境条件の変化に耐えるに必要なパネル保持力を維持する最小面積を確保し、パネル裏面の部分部分に局所的に貼着けるだけで良い。熱伝導の制約が無い分、粘着テープ材料選択、パネルとの貼付面積には自由度が増し、粘着テープ層の衝撃吸収力の微調整が可能となる。
【0055】
また、粘着シート10の裏側の保持板3も厚さを調整して曲げ剛性を制御することにより、パネル全体が反るような衝撃を分散吸収する効果を有する。
【0056】
これらの衝撃吸収手段による装置内パネルの実用上の破壊強度の評価は、前記鋼球落下試験により、パネルが破壊する高さから位置エネルギーを算出し、衝突時のエネルギーとして比較して行なう。
【0057】
具体的な調査方法としては、パネル101を単体のまま鋼鉄定盤上に載置してパネルが破壊される鋼球高さ(衝撃エネルギー)をまず求める。次に同じ構造強度を有するパネルの前面及び背面に衝撃吸収構造を施したモジュールを同様に定盤上に載せてパネルが破壊される衝撃エネルギーを求めて、パネル単体の破壊エネルギーとの差分を全体の衝撃吸収能力として定義し、その値を比較する。
【0058】
例えば、パネルの前面側には衝撃吸収構造を施し、パネルの背面側の衝撃吸収構造をはずしてパネル破壊時の衝撃エネルギーを求め、単体の破壊エネルギーとの差分をとれば、パネル前面側の衝撃吸収能力が見出せる。この方法により、個々の衝撃吸収要素の、装置全体における効果が定量的に把握できる。
【0059】
図10は、パネル前面側の衝撃吸収能力と、パネルの前面及び背面を含めた全体の衝撃吸収能力の関係を示す一実験結果である。
【0060】
図10において、縦軸に示したパネル全体衝撃吸収能力、及び横軸に示したパネル前面の衝撃吸収能力は、便宜上、装置設計で必要と考える衝撃吸収能力で正規化した相対値を示す。図10中の一点鎖線Fは、パネル前面側の吸収能力が全体の吸収能力に対して占める値を示し、図10中の破線Nは、パネル全体の吸収能力に対してパネル前面側とパネル背面側の吸収能力が均衡する中立線となる。
【0061】
図10の中にプロットした黒点は、FEDパネルモジュールの実験結果、白点がPDPモジュールの実験結果である。通常、パネル前面側とパネル背面側とで独自に衝撃吸収構造を施しても効果は加算される方向に向かうので、パネル前面側の吸収能力が全体の吸収能力を上回ることは無く、実験結果は一点鎖線Fよりも左に分布する。
【0062】
図10の中で特徴的なのは、PDPモジュールの実験結果は一点鎖線Fの左側に広く分布するが、FEDモジュールの実験結果は、一点鎖線Fと破線Nの間に分布する。即ち、PDPモジュールの場合、パネル前面側の吸収能力を下げてもパネル背面側の吸収能力を上げることでパネル全体の衝撃吸収能力で必要な基準値を確保できるが、FEDモジュールではパネル前面側の吸収能力を下げるとパネル全体の吸収能力が下がり、パネル背面側の吸収能力を上げてもパネル全体の衝撃吸収能力を補えなくなる。
【0063】
同じFPDモジュールでもこうした差が発生する原因を図11-a、11-b及び図12-a、12-bを用いて以下に説明する。
【0064】
図11-a, 11-bは、PDPの鋼球落下試験時の衝撃力付加前後における、両端を単純支持されたパネルの変形状態を模式的に示す断面図である。PDPは各発光セル毎に設けた高さ0.1mm〜0.2mm程度の均一な高さのリブ202-aがガラス基板のほぼ全域に密集配置された背面板202に、厚さ1〜数十μm程度で、ガラス基板に対しては十分薄い電極、誘電体層、MgOの膜が積層された前面板201を密着させる一体構造であるため、表示面に鋼球が落下した際には、図11-bに示すように、前面板201と背面板202が同様にほぼ一体となって弾性変形し衝撃を吸収しようとする。このため、前記した特許文献記載のように、パネルの前面あるいは背面の双方に所定の衝撃吸収構造を配し、ガラス基板の破壊耐性を所定の水準まで引き上げる構造設計が可能となる。なお、図11−a及び図11−bにおいて、参照番号203は封着剤を示す。
【0065】
一方、FEDのパネル構造は図12-a, 12-bの断面摸式図に示すように、0.5mm〜3mm程度の厚さの、前記アノード基板112とカソード基板111とをスペーサ113により、0.5mm〜5mmオーダーの表面間距離(なお、PDPの場合の基板間間隙は0.1mm〜0.3mm程度である)を持って対面させ、カソード基板111上の電子放出素子111-aから放出された電子を加速する空間を形成する必要がある。このスペーサ113は真空封着されたパネルが外の大気圧により破壊されるのを防止するために必要最小限の数だけパネル内の所定の位置に電子源111-aを避けて数十〜数百セルに1個の割合で局所的に配置される。
【0066】
こうした構造を有するため、図12-bの様にパネル前面に鋼球の落下衝撃が加わった際には、アノード板112がまず変形した後に、衝撃力がスペーサ113を介して背面のカソード板111に伝わるので、アノード板112とカソード板111の変形状態は互いに異なってくる。
【0067】
FEDパネルは、PDPの様に外部衝撃に対して、前面板及び背面板からなるパネル全体が一体となって変形する構造ではないので、特に剛体定盤上とは異なる実際の装置に組み込んだ場合には、それぞれのパネル構造の相違によって、衝撃力の伝播状況とそれに伴う前面,背面ガラス基板の変形状態、衝撃吸収メカニズムの相違が生じ、パネルの破壊強度に差が生じる。
【0068】
以上述べたパネル構造の相違による耐衝撃強度の相違と、図10に示した実験結果に基き、本実施例においては、前記したパラメータを制御し、パネル前面側の衝撃吸収能力を全体の少なくとも0.5以上、実用的には0.70以上に高めることで、前面パネル、背面パネルでの衝撃吸収構造の最適化が図られている。
【実施例7】
【0069】
図13は本発明による実施例7を示す。実施例6においては、必要最小限の機能を開示説明したが、パネル前面側のフィルタシート9には透明高分子フィルム9-aと、シリコーンゲルの衝撃吸収層9-bだけでなく、画像の視認性を高める反射防止層や、画面の傷つきを防止するハードコート層等の他の機能を付加し、例えば表面の9-cに設けた構造にても、前記の手法は適用可能である。また、シリコーンゲル9-b内に電解質を含有させ、イオン伝導性を付与することでアノード基板表面の帯電防止機能を付加することも可能である。更に、パネル前面側に比べて衝撃吸収効果は少なくなるが、保持板3をアルミ等の2重構造とし、曲げ剛性を確保しながら局部的な柔軟性を持たせることも、全体の吸収能力向上のためには有効である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明に係る表示装置の外観を示す斜視図。
【図2】本発明の実施例1に係る表示装置の内部構成概略を示す分解斜視図。
【図3】図2の本発明の実施例1に係る表示装置のYY線に沿った断面図。
【図4】本発明の実施例2に係る表示装置の断面図。
【図5】本発明の実施例3に係る表示装置の分解斜視図。
【図6】本発明の実施例4に係る表示装置の要部断面図。
【図7】本発明の実施例5に係る表示装置の要部断面図。
【図8】本発明の実施例6に係る表示装置の内部構成概略を示す分解斜視図。
【図9】図8の本発明の実施例6に係る表示装置のYY線に沿った断面図。
【図10】本発明の実施例6における、衝撃吸収性能に関する実験結果を示すグラフ。
【図11−a】PDPパネルの鋼球落下試験時における、衝撃力付加前のPDPパネルの断面模式図。
【図11−b】PDPパネルの鋼球落下試験時における、衝撃力付加後のPDPパネルの断面模式図。
【図12−a】FEDパネルの鋼球落下試験時における、衝撃力付加前のFEDパネルの断面模式図。
【図12−b】FEDパネルの鋼球落下試験時における、衝撃力付加後のFEDパネルの断面模式図。
【図13】本発明の実施例7に係る表示装置の模式断面図。
【符号の説明】
【0071】
1…表示装置、2…表示装置用支持台、3…パネル保持板、4…筐体外枠、5…データ電極駆動用ドライバIC搭載FPC、6…スキャン電極駆動用ドライバIC搭載FPC、7…中継(インターフェイス)基板、8…制御回路基板、9…フィルタシート、9-a…透明高分子フィルム、9-b…衝撃吸収層、10…粘着テープ、11…スピーカ、12…シリコーンシート、13…金属板、14…固定ネジ、15…通風孔、101…表示パネル、111…カソード基板、112…アノード基板、113…スペーサ、114…枠ガラス、1003…パネル補強部材、1011…被覆層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内面に所定の電極が配設されている一対のガラス基板を所定の間隙を介して対向させてなる外囲器を備えた表示パネルと、
該表示パネルの裏面に貼着けられて該表示パネルの機械的強度を補強する板材からなる補強部材と、
フレキシブルプリント配線板と
該フレキシブルプリント配線板に搭載された、前記電極を駆動するためのドライバICとを備えた表示装置において、
前記補強部材の周辺端部の少なくとも一部を折り返して、この折り返された部分に前記ドライバICの少なくとも一部が当接されていることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記ドライバICの少なくとも一部が、熱伝導率の高い材料を介して、前記補強部材の折り返された部分に当接されていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記熱伝導率の高い材料がシリコーン樹脂であることを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記熱伝導率の高い材料がグラファイトシートであることを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記補強部材のすくなくとも折り返された部分がアルミニウム板からなることを特徴とする請求項1〜4のうちの何れかに記載の表示装置。
【請求項6】
前記補強部材のすくなくとも折り返された部分が鋼板からなり、かつその表面にメッキが施されていることを特徴とする請求項1〜4のうちの何れかに記載の表示装置。
【請求項7】
前記ドライバICを前記補強部材の折り返された部分に押圧するための金属板を備えたことを特徴とする請求項1〜6のうちの何れかに記載の表示装置。
【請求項8】
前記ドライバICを前記補強部材の折り返された部分に押圧するための金属板が、前記補強部材の材料とは異なる材料からなることを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記ドライバICを前記補強部材の折り返された部分に押圧するための金属板の少なくとも一部に、放熱用のフィン構造を設けられていることを特徴とする請求項7又は8に記載の表示装置。
【請求項10】
内面に所定の電極が配設されている一対のガラス基板を所定の間隙を介して対向させてなる外囲器を備えた表示パネルと、
該表示パネルの裏面に貼着けられて該表示パネルの機械的強度を補強する板材からなる補強部材とを備えた表示装置において、
前記補強部材が、鋼板からなり、表面が鉄以外の材料でコートされていることを特徴とする表示装置。
【請求項11】
多数の電子放出素子を同一平面内に格子状に並べて配置したカソード基板と、
前記多数の電子放出素子に対応したピクセル内に赤、緑、青の3原色光を独立して発光する蛍光体を配置したアノード基板と、
これら2枚のガラス基板を所定の距離を保持して対面させ、前記カソードから放出された電子を加速する空間を形成するスペーサと、
前記2枚のガラス基板とスペーサで形成された空間を所定の真空度で保持、封止する枠ガラスと
で構成された電子放出型表示パネルを用いる表示装置において、
前記アノード基板表面に第1の衝撃吸収構造を配し、
前記表示パネルの背面に貼着けられた保持板の表面あるいは内部に第2の衝撃吸収構造を配し、前記第1の衝撃吸収構造に表示装置全体の過半以上の衝撃吸収能力を持たせたことを特徴とする表示装置。
【請求項12】
前記第1の衝撃吸収構造は、前記アノード基板破壊時の飛散防止手段を備えていることを特徴とする請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
前記第1の衝撃吸収構造が、シリコーン系ゲルを含むことを特徴とする請求項11または12に記載の表示装置。
【請求項14】
前記第2の衝撃吸収構造は、前記表示パネルと前記保持板とを接着する機能を有する樹脂材料により形成されたことを特徴とする請求項11〜13のうちの何れかに記載の表示装置。
【請求項15】
前記第2の衝撃吸収構造における前記樹脂材料は、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、またはシリコーン樹脂を含むことを特徴とする請求項14に記載の表示装置。
【請求項16】
前記第1の衝撃吸収構造の前記カソード基板破壊時の飛散防止手段が反射防止、調光、または傷つき防止機能を有することを特徴とする請求項12に記載の表示装置。
【請求項17】
前記第1の衝撃吸収構造が、前記アノード基板破壊時の飛散防止手段を備え、該飛散防止手段が反射防止、調光、または傷つき防止機能を有することを特徴とする請求項13または14に記載の表示装置。
【請求項18】
前記保持板が金属平板からなる2重構造をなしていることを特徴とする請求項11また12に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11−a】
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【図11−b】
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【図12−a】
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【図12−b】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−248689(P2007−248689A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−70545(P2006−70545)
【出願日】平成18年3月15日(2006.3.15)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】