説明

表示装置

【課題】タッチパネルの上面にカバーを設けることで、タッチパネルの長寿命化を図る表示装置を提供する。
【解決手段】ソフトキーSを表示させる表示部101と、前記表示部101の表面に前記ソフトキーSを押圧操作するタッチパネル102を備えた表示装置100であって、前記ソフトキーSの表面領域に対応する操作領域A1の表面高さが非操作領域A2の表面高さより高くなるように構成された保護カバー103を前記タッチパネル102の表面に備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保護カバーを前記タッチパネルの表面に備えた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プリンタ機能、ファクシミリ機能、スキャナ機能やコピー機能等を備えた多機能複合機、プリンタやファックス等において操作部としてタッチパネルに操作キーを配置する構成が増えている。
【0003】
例えば、多機能複合機であれば機能ごとに操作キーを配置する必要がありタッチパネルには多数の操作キーが配置される。しかし、操作者は、タッチパネルに表示された多数の操作キーから必要なキーを選び操作を行わなくてはいけないため、このとき操作者は何れの操作キーを選択すればいいのか戸惑ってしまうという問題もあった。
【0004】
そこで、特許文献1では、使用者の戸惑いを緩和することができるとともに、外観上において事務機器的要素を極力排除するために、装置を操作する操作キーを本体ケース表面に複数個設け、同本体ケース上にはカバーを開閉可能に設けて、前記カバーの閉鎖時に前記操作キーの全部若くは大半を隠蔽するように構成し、前記カバーにはその閉鎖時にスタートキー及び、ストップキーを露出させるための挿通孔を形成したことを特徴とするファクシミリ装置が提案されている。
【0005】
【特許文献1】実開平05−50860号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上述した特許文献1に記載のファクシミリ装置では、タッチパネルなどの表示装置に操作キーが設けられている場合、当該操作キーを露出させるために設けられた挿通孔をよりキー操作を行うため、挿通孔に指を挿入しキーを押圧しなくてはいけない。ボタンキーのように表面が突出したキーであれば、容易に操作キーを押下することができるが、平面であるタッチパネルの場合、操作キーを押下しづらくなるという問題があった。
【0007】
また、表示装置として、タッチパネルを備えている場合、前記タッチパネルを押下するとき、ボールペンやシャープペンシルのような先の尖ったものを用いて操作すると、前記タッチパネルは破損し導通不良や接触不良を起こすという問題があった。
【0008】
本発明は、上述した従来の問題点に鑑み、タッチパネルの上面にカバーを設けることで、タッチパネルの長寿命化を図る表示装置を提供する点にある。また、タッチパネルの上面にカバーを設けることで、最小限の操作キーのみ露出させることで操作性を向上させ、さらに、前記カバーを外装の色とあわせることでインテリアとしても調和がとれる表示装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の目的を達成するため、本発明による表示装置の第一の特徴構成は、特許請求の範囲の書類の請求項1に記載した通り、ソフトキーを表示させる表示部と、前記表示部の表面に前記ソフトキーを押圧操作するタッチパネルを備えた表示装置であって、前記ソフトキーの表面領域に対応する操作領域の表面高さが非操作領域の表面高さより高くなるように構成された保護カバーを前記タッチパネルの表面に備えた点にある。
【0010】
上述の構成によれば、前記保護カバーはソフトキーが表示されている操作領域の表面高さが非操作領域の表面高さより高く構成されているため、ボールペンやシャープペンシル等の先端の尖ったものでソフトキーを押下しても、前記保護カバーにより直接タッチパネルに触れることなくソフトキーを押下することができるため、前記タッチパネルを破損させることがないため導通不良や接触不良などの発生を防ぐことができる。さらに、操作領域の表面高さが非操作領域の表面高さより高く構成されているため、ソフトキーの位置を容易に認識することができる。
【0011】
同第二の特徴構成は、同請求項2に記載した通り、上述の第一の特徴構成に加えて、前記保護カバーは、前記操作領域に空洞部が形成されている点にある。
【0012】
上述の構成によれば、前記操作領域に空洞部が形成されることで、操作者は、選択したいソフトキーが押下されているか否かの操作感を得ることができる。
【0013】
同第三の特徴構成は、同請求項3に記載した通り、上述の第一の特徴構成に加えて、前記保護カバーは、前記操作領域が前記非操作領域よりも厚肉に形成されている点にある。
【0014】
上述の構成によれば、前記操作領域が前記非操作領域よりも厚肉に形成されることで、前記操作領域は前記非操作領域よりも耐久性が高く、先端の尖ったボールペンやシャープペンシル等で選択したいソフトキーを押下した場合であっても、前記タッチパネルを破損させることがないため導通不良や接触不良などの発生を防ぐことができる。
【0015】
同第四の特徴構成は、同請求項4に記載した通り、上述の第一の特徴構成に加えて、前記保護カバーは、前記操作領域の前記タッチパネルと対向する面に前記タッチパネルを押圧する突起が形成されている点にある。
【0016】
上述の構成によれば、前記操作領域となる場所の前記保護カバーの前記タッチパネルと対向する面に突起を形成することにより、前記操作領域の何れの箇所を押圧した場合であっても、前記突起により確実にタッチパネルを押圧することができる。
【0017】
同第五の特徴構成は、同請求項5に記載した通り、上述の第一から第四の何れかの特徴構成に加えて、前記保護カバーが前記タッチパネルに対して着脱可能に取り付けられている点にある。
【0018】
上述の構成によれば、前記保護カバーが必要ない場合、前記保護カバーを前記タッチパネルより自在に取り外しが行えるため、操作者の必要に応じて取り付けや取り外しを行うことができる。
【0019】
同第六の特徴構成は、同請求項6に記載した通り、上述の第一から第五の何れかの特徴構成に加えて、前記保護カバーのうち、前記非操作領域が不透明で構成されている点にある。
【0020】
上述の構成によれば、前記保護カバーの前記非操作領域が不透明で構成されているため、表示部に表示されたソフトキーのうち操作者に必要なソフトキーのみを表示することができ、操作性を向上させることができる。さらに、例えば、前記非操作領域を表示装置の外装と同色にすることにより、前記表示装置とタッチパネルが一体となるように見えるため、外観上においてインテリア性を向上させることができる。
【0021】
本発明による画像形成装置の第一の特徴構成は、特許請求の範囲の書類の請求項7に記載した通り、請求項1から請求項6の何れかに記載の表示装置を備えた点にある。
【発明の効果】
【0022】
以上説明した通り、本発明によれば、タッチパネルの上面にカバーを設けることで、タッチパネルの長寿命化を図る表示装置を提供する点にある。また、タッチパネルの上面にカバーを設けることで、最小限の操作キーのみ露出させることで操作性を向上させ、さらに、前記カバーを外装の色とあわせることでインテリアとしても調和がとれる表示装置を提供することができるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に本発明による表示装置について説明する。表示装置100は、図1に示すように、画像形成装置の一例であるデジタル複合機1に組み込まれている。当該複合機1は、ソフトキーを表示させる表示装置100やハードウェアキー等が配置された操作部10と、原稿載置部にセットされた一連の原稿を順次読込んで電子データに変換する画像読取部11と、変換された原稿の画像データを出力画像データに変換生成する画像処理部12と、画像処理部12により生成された出力画像データに基づいて感光体上にトナー像を形成する電子写真方式の画像形成部13と、画像形成部13に供給する用紙が収容された給紙カセット14等を備えて構成され、上述した各機能ブロックを統括制御するシステム制御部15を備えている。
【0024】
前記操作部10は、前記画像読取部11の手前側に配置され、図2に示すように、左側に前記表示装置100を備え、また右側に種々の操作入力キー群20を備えている。前記操作入力キー群20は、例えば、コピー枚数などを設定する数値入力キー21、スタートキー22、クリア/ストップキー23、カーソルキー24、リセットキー25等の複写動作の基本制御キー群と、特殊モード設定キー26等により構成されている。
【0025】
前記表示装置100は、長方形のソフトキーSを表示するタッチパネル式の表示装置であって、図3(図2におけるA−A断面図)に示すように、前記ソフトキーSを表示させる前記表示部101と、前記表示部101の表面を押圧操作するタッチパネル102と、前記タッチパネル102の表面に前記タッチパネル102を保護するためのポリエステルフィルムで構成された保護カバー103とを備えて構成されている。前記保護カバー103は、前記タッチパネル102に対して着脱可能に取り付けられている。
【0026】
前記保護カバー103には、図2及び図3に示すように、前記ソフトキーSの表面領域に対応する長方形の操作領域A1に空洞部104が形成されている。前記保護カバー103を前記タッチパネル102に装着するとき前記空洞部104には空気が入り空気の層ができるため、前記保護カバー103は、前記ソフトキーSの表面領域に対応する操作領域A1の表面高さが非操作領域A2の表面高さより高くなる。
【0027】
前記表示装置100は、図2及び図3に示すように、表示されているソフトキーSの表示領域に対する操作領域A1以外の非操作領域A2において、前記複合機1の化粧パネル色と同じ不透明色となるように構成されている。
【0028】
前記非操作領域A2は、化粧パネルと同じ不透明色で構成されているため、前記表示部101に操作者にとって不要なソフトキーが表示されている場合であっても、当該操作者は必要最低限のソフトキーのみを認識することができる。また、前記保護カバー103は着脱可能であるので、操作者が必要最低限のソフトキー以外のソフトキーを利用したい場合は、前記保護カバー103を取り外すことができる。
【0029】
以下、別実施形態について説明する。
【0030】
上述の実施形態では、前記保護カバー103はポリエステルフィルムで構成されたものを説明したが、例えば、ポリウレタンフィルム等の公知の樹脂フィルムで構成されてもよい。
【0031】
上述の実施形態では、前記ソフトキーSの表面領域に対応する操作領域A1に空洞部104を形成し、前記ソフトキーSの表面領域に対応する操作領域A1の表面高さが非操作領域A2の表面高さより高くなるように構成された前記保護カバー103について説明したが、図4(a)に示すように、前記操作領域A1が前記非操作領域A2よりも厚肉に形成されていてもよい。
【0032】
前記操作領域が前記非操作領域よりも厚肉に形成されることで、前記操作領域は前記非操作領域よりも耐久性が高く、先端の尖ったボールペンやシャープペンシル等で選択したいソフトキーを押下した場合であっても、前記タッチパネルを破損させることがないため導通不良や接触不良などの発生を防ぐことができる。
【0033】
上述の実施形態では、前記ソフトキーSの表面領域に対応する操作領域A1に空洞部104を形成し、前記ソフトキーSの表面領域に対応する操作領域A1の表面高さが非操作領域A2の表面高さより高くなるように構成された前記保護カバー103について説明したが、図4(b)に示すように、前記操作領域A1の前記タッチパネルと対向する面に前記タッチパネル102を押圧する突起105が形成されてもよい。
【0034】
前記操作領域となる場所の前記保護カバーの前記タッチパネルと対向する面に突起を形成することにより、図4(b)に示すように、前記操作領域の何れの箇所を指やボールペン等で押圧した場合であっても、前記突起により確実にタッチパネルを押圧することができる。
【0035】
上述の実施形態では、前記操作領域A1が長方形のものを説明したが、前記操作領域は楕円形や円形等であってもよい。
【0036】
上述の実施形態は何れも本発明の一実施例に過ぎず、当該記載により本発明の範囲が限定されるものではなく、各部の具体的構成は本発明による作用効果を奏する範囲において適宜変更することができることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】複合機の説明図
【図2】本実施例における表示装置の説明図
【図3】本実施例における表示装置の要部説明図
【図4】(a)は別実施例における表示装置の要部説明図,(b)は別実施例における表示装置の要部説明図
【符号の説明】
【0038】
100:表示装置
101:液晶表示部
102:タッチパネル
103:保護カバー
104:空洞部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソフトキーを表示させる表示部と、前記表示部の表面に前記ソフトキーを押圧操作するタッチパネルを備えた表示装置であって、
前記ソフトキーの表面領域に対応する操作領域の表面高さが非操作領域の表面高さより高くなるように構成された保護カバーを前記タッチパネルの表面に備えた表示装置。
【請求項2】
前記保護カバーは、前記操作領域に空洞部が形成されている請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記保護カバーは、前記操作領域が前記非操作領域よりも厚肉に形成されている請求項1記載の表示装置。
【請求項4】
前記保護カバーは、前記操作領域の前記タッチパネルと対向する面に前記タッチパネルを押圧する突起が形成されている請求項1記載の表示装置。
【請求項5】
前記保護カバーが前記タッチパネルに対して着脱可能に取り付けられている請求項1から請求項4の何れかに記載の表示装置。
【請求項6】
前記保護カバーのうち、前記非操作領域が不透明で構成されている請求項1から請求項5の何れかに記載の表示装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6の何れかに記載の表示装置を備えた画像形成装置。


【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−242578(P2008−242578A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−78974(P2007−78974)
【出願日】平成19年3月26日(2007.3.26)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】