表示装置
【課題】低消費電力で多色表示を実現できる表示装置を得る。
【解決手段】表示用の補正演算処理を施して補正後のビデオデータを生成し、表示に必要な駆動信号と補正後のビデオデータとを出力する駆動IC部10と、複数のサブ画素に接続されたそれぞれのデータラインに対して補正後のビデオデータを供給することで、所望のカラー表示を行うパネル部20とを備え、カラー表示から所望の単一色表示に切り替える場合に単一色表示モード信号を出力する表示切り替え制御部をさらに備え、単一色表示モード信号を受信した場合には、駆動IC部10は、補正演算処理および補正後のビデオデータの出力処理を停止あるいはスタンバイ状態とし、パネル部20は、補正後のビデオデータの代わりに、単一色表示を行うために必要な特定電圧をデータラインに対して供給することで所望の単一色を表示する。
【解決手段】表示用の補正演算処理を施して補正後のビデオデータを生成し、表示に必要な駆動信号と補正後のビデオデータとを出力する駆動IC部10と、複数のサブ画素に接続されたそれぞれのデータラインに対して補正後のビデオデータを供給することで、所望のカラー表示を行うパネル部20とを備え、カラー表示から所望の単一色表示に切り替える場合に単一色表示モード信号を出力する表示切り替え制御部をさらに備え、単一色表示モード信号を受信した場合には、駆動IC部10は、補正演算処理および補正後のビデオデータの出力処理を停止あるいはスタンバイ状態とし、パネル部20は、補正後のビデオデータの代わりに、単一色表示を行うために必要な特定電圧をデータラインに対して供給することで所望の単一色を表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通常のカラー表示と所望の単一色表示を併用した多色表示を実現する表示装置に関し、特に、所望の単一色表示を行う際に、パネル内にビデオデータを送信することなく、低消費電力化を実現できる表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、カメラなどの携帯機器の電池駆動時間の長寿命化は、使用期間の長大化やエネルギーの有効活用の面で、非常に重要である。そして、このような携帯機器には、一般的に、表示パネル(表示装置)が用いられており、必然的に表示パネルの低消費電力化が要求される。特に、薄さ、コントラスト、動画特性など、携帯機器に必要な種々のよい特長を備えた表示装置として、OLED表示装置に対する要求が強くなりつつある。
【0003】
図14は、従来のOLED表示装置の表示方法に関する説明図であり、(a)はデータラインの駆動回路、(b)は通常のカラー表示を行う場合の駆動波形をそれぞれ示している。図14において、各画素は、R、G、Bの3つのサブ画素で構成されている。そして、R、G、Bに対応したMux信号によりデータラインドライバが制御され、R、G、Bに対応したビデオデータが各データラインに取り込まれる。さらに、ゲートライン信号による適切なタイミングで、各データラインの信号に基づいて、R、G、Bそれぞれのサブ画素に表示がなされることとなる。
【0004】
このような構成を備えたOLED表示装置における低消費電力化を実現するための制御方法(電池の長寿命化)としては、一般的に、以下のものが知られている。
1)一定時間表示後に、発光輝度を低下させる。
2)一定時間表示後に、表示を停止させる。
3)周囲光を検知して、最適な発光輝度を設定する。
4)最大消費電流を設定しておき、それを超える場合は、自動的に輝度を低下させ、輝度の再設定を行う。
5)光色毎に電源電圧を変え、最適なマージンを確保しながら電源値(VDDやCV)を設定する。
6)テキスト画面では、表示データを白黒反転させる。
7)すべての表示を黒バックにする。
8)制御信号の振幅を小さくする(レベルシフタ(L/S)をパネル内に内蔵し、L/Sの直前まで低振幅駆動するなど)。
9)駆動回路を間欠動作させる。
10)サブピクセルを4色(RGBW)用意し、W成分による駆動を多くする。
11)OLED材料の高効率化を図る。
12)OLEDデバイス構造の最適化、あるいは光学材料・構造の最適化による光取り出し効率の向上を図る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術には次のような課題がある。
近年、携帯機器用を始めとした表示装置には、低消費電力化とともに、動画特性の改善など種々の要求がある。
【0006】
従来の表示装置は、通常、ビデオ信号が外部駆動ICから入力されて、その信号に応じた輝度となるように制御されている。従って、駆動ICの消費電力を増加させている要因としては、駆動ICとパネルとの間の負荷増加、あるいは、駆動周波数の増加が挙げられる。
【0007】
一方、動画特性の向上を図るためには、黒画像などといった単一ビデオデータを挿入する技術がある。しかしながら、従来の表示装置では、黒画像など単一色表示の場合にも、その色の信号が外部駆動ICからビデオ信号として入力されて表示されている。従って、通常のカラー表示と所望の単一色表示を併用した表示を行うことを考慮した上で、低消費電力化を図ることが急務である。
【0008】
本発明は上述のような課題を解決するためになされたもので、通常のカラー表示と所望の単一色表示を併用した多色表示の低消費電力化を実現できる表示装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る表示装置は、ビデオデータに対して表示用の補正演算処理を施して補正後のビデオデータを生成し、表示に必要な駆動信号と補正後のビデオデータとを出力する駆動IC部と、駆動IC部により生成された駆動信号および補正後のビデオデータを読み込み、複数のサブ画素に接続されたそれぞれのデータラインに対して、データラインに対応する補正後のビデオデータを供給することで、所望のカラー表示を行うパネル部とを備えた表示装置であって、カラー表示から所望の単一色表示に切り替える場合に単一色表示モード信号を出力する表示切り替え制御部をさらに備え、駆動IC部は、単一色表示モード信号を受信した場合には、補正演算処理および補正後のビデオデータの出力処理を停止あるいはスタンバイ状態とし、パネル部は、単一色表示モード信号を受信した場合には、補正後のビデオデータの代わりに、単一色表示を行うために必要な特定電圧をデータラインに対して供給することで所望の単一色を表示するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る表示装置によれば、所望の単一色表示を行うためのモードに切り替えた際には、パネル内にビデオデータを送信する必要のない構成を備えることで駆動IC部での消費電力を低減することにより、通常のカラー表示と所望の単一色表示を併用した多色表示の低消費電力化を実現できる表示装置を得るができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】一般的な表示装置に適用される黒画像表示の一例を示す図である。
【図2】一般的な表示装置に適用される黒画像表示の一例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1におけるOLED表示装置の全体構成図である。
【図4】本発明の実施の形態1におけるOLED表示装置の全体構成図である。
【図5】本発明の実施の形態1におけるOLED表示装置のモードが切り替わる際の表示方法に関する説明図である。
【図6】本発明の実施の形態1におけるOLED表示装置の1画面全てを黒データ表示する際の表示方法に関する説明図である。
【図7】本発明の実施の形態2におけるOLED表示装置の表示方法に関する説明図である。
【図8】本実施の形態2におけるOLED表示装置に適用可能な発光停止回路の別の構成例を示した図である。
【図9】本発明の実施の形態3におけるOLED表示装置の表示方法に関する説明図である。
【図10】本発明の実施の形態3におけるOLED表示装置の全体構成図である。
【図11】本発明の実施の形態4におけるOLED表示装置の表示方法に関する説明図である。
【図12】本発明の実施の形態4における表示装置で表示可能な色の一例を示した図である。
【図13】本発明の実施の形態4におけるOLED表示装置の全体構成図である。
【図14】従来のOLED表示装置の表示方法に関する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の表示装置の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
本発明における表示装置は、単一ビデオ信号を外部駆動ICから転送することなく所望の単一色を表示させることができ、動画特性に優れた表示性能を得た上で、低消費電力化を実現することを技術的特徴としている。
【0013】
詳細な実施の形態を説明する前に、まず、本発明における表示装置の機能および効果の概要について説明する。
図1、図2は、一般的な表示装置に適用される黒画像表示の一例を示す図である。図1(a)は、画面の縦横比を変更するために、上部と下部に黒ラインが挿入された状態を示している。また、図1(b)は、背景色を白から黒に切り換えて表示した状態を示している。さらに、図2は、動画特性の改善の1つとして、1フレーム毎に黒画像が挿入されている状態を示している。
【0014】
本発明は、書き込む単一色データが、最小1垂直ライン単位以上である場合に有効であり、これら図1、図2のような表示に対して、低消費電力化を図ることができる技術である。例えば、先の図2に示したように、黒画像を挿入することで動画特性の改善を図ろうとすると、必然的に、動作周波数が増加し、消費電力が増加する結果となる。これに対して、本発明における表示装置を適用することで、低消費電力化が可能となる。
【0015】
本発明における表示装置は、以下に示す4機能のうち、機能1、2、4の組合せ、あるいは機能1、3、4の組合せのいずれかを実施することで、低消費電力化を可能としている。なお、以降の説明では、通常のカラー表示ではなく、本発明の特徴である低消費電力化を実現するための所望の単一色表示を行わせるモードのことを、「マルチカラーモード」と称す。
[機能1]同一データ転送(1ライン、1画面など)か否かを意味する信号、すなわち、マルチカラーモードの選択信号に相当するMCM信号(Multi Color Mode)の新規追加
[機能2]パネル内にあるデータ線へのマルチカラーデータ転送回路の追加
[機能3]画素回路と垂直駆動回路に対して発光停止機能を追加
[機能4]ビデオ信号を転送する必要がないことに伴い、これに関わる駆動IC内部回路の動作停止機能を追加
【0016】
上述の機能を備えることで、本発明における表示装置は、1ライン以上の単一色表示時に、駆動ICの動作電力を抑えることが可能な駆動が実現できる。さらに、入力ビデオ信号の数や電位を変えることで、駆動ICの動作を抑制しつつ、黒、白、グレー、単色、等の多色表示も実現できる。
【0017】
特に、動画特性向上のための黒画像挿入駆動時のLCD及びOLEDといった表示装置の低消費電力化に有効となる。そこで、以下の実施の形態1〜4により、本発明における表示装置を具体的に説明する。なお、以下の具体例の説明に当たっては、表示装置の一例としてOLED表示装置を用いた場合を中心に説明する。しかしながら、本発明は、OLED以外の表示装置に対しても適用可能である。
【0018】
実施の形態1.
本実施の形態1では、上述した機能1、2、4の組合せにより低消費電力化を実現する表示装置について、具体的に説明する。
【0019】
図3は、本発明の実施の形態1におけるOLED表示装置の全体構成図であり、駆動IC10とパネル20とで構成されている。駆動IC10は、ガンマ補正回路11、メモリ12、論理回路13、ドライバ14、およびDAC15を備えている。また、パネル20の内部構成については、図4〜図6を用いて後述する。なお、マルチカラーモードの選択信号に相当するMCM信号は、図示していないが、表示切り替え制御部から出力される。
【0020】
OLED表示装置の消費電力は、駆動IC10の部分での消費電力と、パネル20の部分での消費電力とに大別され、両方の電力を下げることが有効である。そして、OLED表示を行うパネル部20は、通常、ビデオ信号が駆動IC10から入力され、その信号に応じた輝度を発光している。従って、発光に寄与する画素数の低減と、駆動IC10から入力されるビデオ信号数の低減とが、低消費電力化に効果的である。
【0021】
そこで、本実施の形態1に係る発明は、表示モードとして、例えば、黒画像を挿入するような場合に、マルチカラーモードに切り換える機能を追加し、低消費電力化を実現するOLED表示装置を提案するものである。より具体的には、本実施の形態1では、マルチカラー表示による低消費電力化を図る意味で、次の2点がポイントとなる。
[ポイント1]マルチカラー表示を意図するMCM信号によって、各サブ画素のデータラインに黒データ(すなわち、OLEDが発光しないデータ)を書き込むこと
[ポイント2]マルチカラー表示を意図するMCM信号によって、黒データを表示する全てのサブ画素に対する駆動IC内の回路動作(演算処理、ビデオデータの出力処理など)を停止させること
【0022】
このようにして黒画像の挿入を行うことで、動画特性を改善しつつ、低消費電力化を図ることが可能となる。なお、後述するが、パネル20に供給される電位を適切な値とすることで、単一色ではあるが、黒以外の単一色の表示も可能であり(実施の形態3参照)、また、フルカラー表示も可能である(実施の形態4参照)。
【0023】
駆動IC10は、黒データ転送を意味するMCM信号が発生すると、論理回路13とメモリ12との間で行われる演算を停止する。さらに、駆動IC10は、ドライバ14やDAC15から、MCMに必要な駆動信号(CLK、X、Y駆動信号、Mux信号、MCM信号)やビデオ信号(ビデオデータ)をパネル20に送信する。
【0024】
論理回路13では、通常、ビデオデータR、G、Bに対して、各種補正のための演算処理が行われる。一方、MCMにおいては、入力されたRGBデータの演算が停止され、演算量は殆どなくなる。また、メモリ12との間のデータのやり取りも殆どなくなる。
【0025】
また、ドライバ14では、通常、3色のビデオデータを書き込むための信号が出力される。しかし、MCMにおいては、パネルの画素に対して、黒データを書き込むのに必要な信号のみが出力される。
【0026】
また、DAC15では、通常、3色のビデオデータが出力される。しかし、MCMにおいては、消費電力を極力抑える状態(例えば、スタンバイ状態)にセットされる。パネル側の画素が、RGBではなく、RGBWの場合にも、同様に、停止あるいはスタンバイ状態にセットすることで、低消費電力化が行われる。
【0027】
図4は、本発明の実施の形態1におけるOLED表示装置の表示方法に関する説明図であり、(a)はデータラインの駆動回路、(b)はMCM時の各波形をそれぞれ示している。基本的な構成は、先の図14における従来のOLED表示装置と同じである。この図4は、黒データを表示する場合を例示している。すなわち、上述した[機能2]において、パネル内にあるデータ線へ黒データを転送する回路(黒データ転送回路)を例示している。
【0028】
図4中の、MCM信号、MSW(Multi color−SW)であるトランジスタ、そして各サブ画素R、G、Bに接続された電位供給線で構成される回路が、黒データ転送回路に相当する。画素におけるOLED駆動TFTの伝導型がpチャネルトランジスタなので、黒データは、「H」であるVDD電位となる。
【0029】
この黒データは、画素回路構成によって、「H」か「L」のいずれかに決まる。MCM信号は、1垂直ライン全ての画素データが黒(発光しない)である場合、活性化する。図4の場合、論理動作の点から「L」で活性化するが、回路構成上、「H」で活性化する場合もある。
【0030】
次に、図4に示した回路の具体的な動作について説明する。MCM時(すなわち、MCM信号が「L」のとき)には、次のように動作する。
[動作1]Mux信号が「H」固定になり、RGBのデータ線駆動トランジスタ(図4中のデータラインドライバに相当)の動作を停止する。
[動作2]一方、MSWがONし、RGBのデータ線には、VDDラインから「H」データが入力される。
[動作3]ゲート線が活性化すると、各サブ画素R、G、Bに「H」データが転送され、その結果、画素の駆動TrがOFFし、発光が停止され、黒データが表示されることとなる。
【0031】
なお、上述したMCM時の動作中におけるRGBのビデオデータは、「Don’t care」であり、駆動ICで駆動する必要はない。この結果、駆動ICの消費電力を抑えることができ、低消費電力化を実現できる。
【0032】
次に、通常のカラー表示と、本発明の「マルチカラーモード」による表示が混在する場合について、図面に基づいて説明する。図5は、本発明の実施の形態1におけるOLED表示装置のモードが切り替わる際の表示方法に関する説明図である。より具体的には、ゲートラインnのみの全画素データが黒データを表示する「マルチカラーモード」で、前後のゲートライン(n−1、n+1)は、通常のビデオデータを表示するモードである場合の各信号の波形を示している。MCM信号が活性化(「L」)することで、Mux信号や各データラインR、G、Bが「H」になる。
【0033】
なお、MCM信号の発生は、1垂直ラインに限定されるものではない。複数垂直ラインや1画面全てが黒データである場合にも、図5と同様の切り替え動作を適用することができる。
【0034】
図6は、本発明の実施の形態1におけるOLED表示装置の1画面全てを黒データ表示する際の表示方法に関する説明図である。この場合には、1画面分のデータに対応して、MCM信号が出るようにセットされる。なお、1垂直ライン毎にMCM信号を発生させると、垂直ライン数だけMCM信号が動作する結果となってしまう。そこで、低消費電力化の観点から、MCM信号は、1画面分のデータに対して1回だけ発生させるほうがよい。
【0035】
MCM信号の発生タイミングは、1ライン毎の場合には、垂直走査系(V系)の基本クロック(CKV)に同期したタイミングにすることができ、1画面毎の場合には、垂直走査系駆動回路のスタート信号(VST)に同期したタイミングにする。
【0036】
以上のように、実施の形態1によれば、単色表示を行わせたいタイミングで発生するMCM信号に基づいて、通常のカラー表示から「マルチカラーモード」による表示に切り替える機能を有している。この機能により、「マルチカラーモード」の表示を行う場合には、駆動IC部からパネル部にビデオデータを送信する必要がない。この結果、駆動IC部での処理動作を少なくする、あるいはスタンバイ状態にすることができ、駆動ICの低消費電力化が可能となり、特定の単色を混在させた表示を行う際の低消費電力化を実現できる。
【0037】
近年、TV用に動画特性の向上を目的として、1画面毎、あるいは帯状に“黒データ”を挿入する駆動法が開発されている。これに対して、本発明における「マルチカラーモード」への切換は、1ライン毎に制御できるので、きめ細かい消費電力管理が可能となる。このような目的で、黒データを多用する場合に、本実施の形態に係る発明は、特に有効であり、動画特性を向上させた上で、低消費電力化を図ることができる。高精細化、大型化の傾向にある表示装置においては、DAC回路の出力負荷は大きくなるが、この負荷が大きくなればなるほど、本発明の効果は大きいといえる。
【0038】
実施の形態2.
本実施の形態2では、上述した機能1、3、4の組合せにより低消費電力化を実現する表示装置について、具体的に説明する。
【0039】
図7は、本発明の実施の形態2におけるOLED表示装置の表示方法に関する説明図である。本実施の形態2における表示装置は、画素回路と垂直駆動回路に発光停止回路を備えていることを技術的特徴としている。
【0040】
この「発光停止回路」を実現するためには、回路設計上、次の2点の構成を備えることが必須となる。
[必須構成1]画素回路が、ある信号(発光停止信号)を受信して、発光が停止するように設計されていること。
[必須構成2]垂直系走査駆動回路に、発光停止信号を駆動する機能があること。
【0041】
まず始めに、必須構成1について説明する。図7中の画素回路は、選択トランジスタTr1、駆動トランジスタTr2、および発光停止用トランジスタTr3を備えている。発光停止用トランジスタ(Emission OFF Tr)Tr3は、発光停止信号を受信することで、発光を停止させる役目を果たす。図7においては、この発光停止用トランジスタTr3が、発光電流idが流れる経路に直列に配置された場合を例示している。このような構成において、外部からの発光停止信号に応じて発光停止用トランジスタTr3がオフすることで、発光が停止し、黒データを表示できる。
【0042】
図8は、本実施の形態2におけるOLED表示装置に適用可能な発光停止回路の別の構成例を示した図である。図8においては、発光停止用トランジスタTr3が、駆動トランジスタTr2のゲート電位を「H」にすることで駆動トランジスタTr2をオフさせる位置に配置された場合を例示している。その他、TFTの閾値補償用の画素回路等に、このような制御方法を適用してもよい。
【0043】
次に、必須構成2について説明する。先の図7の構成において、黒データを書き込むためのMCM信号が活性化した場合には、ゲート駆動回路(図7中のゲートドライバに相当)の動作を止め、発光停止信号駆動回路(図7中のエミッションOFFドライバに相当)を活性化させる。発光停止信号駆動回路が、「H」信号を送信することで、発光停止用トランジスタTr3がオフする。
【0044】
なお、発光停止信号駆動回路は、少なくとも、シフトレジスタからの信号と、黒データを書き込むためのMCM信号によって、起動される。
【0045】
以上のように、実施の形態2によれば、単色表示を行わせたいタイミングで発生するMCM信号に基づいて、通常のカラー表示から「マルチカラーモード」による表示に切り替えるために、「発光停止回路」を備えた構成となっている。このような構成を備えることで、発光を停止させて黒データを表示させることができ、先の実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0046】
実施の形態3.
先の実施の形態1、2では、単一色表示として黒データを表示する場合について説明した。これに対して、本実施の形態3では、「マルチカラーモード」時に印加する電圧値を適切な値にすることで、白から黒までの所望の階調により濃淡表示を可能とする場合について説明する。
【0047】
図9は、本発明の実施の形態3におけるOLED表示装置の表示方法に関する説明図である。本実施の形態3における表示装置は、MSWのソース電位を、VDDとは別の電位(Vmcm)に接続したことを技術的特徴としている。
【0048】
先の実施の形態1では、MSWのソース電位がVDD電位に接続されており、「マルチカラーモード」時における表示が黒データのみに限られていた。これに対して、本実施の形態3では、VDDとは別に設けられた電位(Vmcm)を用いることで、「マルチカラーモード」時において、白データから灰色を経た黒データまでの各階調の表示が可能となる。白から黒までの各階調で、1ライン全て同じデータを表示させたい場合、本発明を適用することで、低消費電力化が可能となる。
【0049】
図10は、本発明の実施の形態3におけるOLED表示装置の全体構成図である。先の実施の形態1で説明した図3の構成と比較すると、本実施の形態3における図10の構成は、駆動IC10内に電位発生器16をさらに備えている点が異なっている。
【0050】
この電位発生器16は、論理回路13およびDAC15と同様に、MCM信号に接続されている。さらに、電位発生器16は、所望の単一表示色の電位に対応するVMCM信号にも接続されている。これにより、電位発生器16は、MCM信号およびVMCM信号を受信することで、「マルチカラーモード」時に、所望の濃淡表示色に対応する電位(Vmcm)をパネル20に対して供給することが可能となる。
【0051】
以上のように、実施の形態3によれば、「マルチカラーモード」による表示を行わせる際に、所望の濃淡表示色に対応する電位を発生する電位発生器をさらに備えた構成となっている。これにより、先の実施の形態1、2と同様の効果を得ることができるとともに、さらに、「マルチカラーモード」における単一色を、白から黒までの所望の階調色のいずれかに設定することが可能となる。
【0052】
実施の形態4.
先の実施の形態3では、「マルチカラーモード」時に、白から黒までの所望の階調による濃淡表示を行わせる場合について説明した。これに対して、本実施の形態4では、「マルチカラーモード」時に印加する電圧値を適切な値に設定する際に、R、G、Bで個別設定することで、所望のフルカラー表示を可能とする場合について説明する。
【0053】
図11は、本発明の実施の形態4におけるOLED表示装置の表示方法に関する説明図である。本実施の形態4における表示装置は、R、G、Bに対応するそれぞれのMSWのソース電位を、VDDとは別の3種類の電位(Vmcmr、Vmcmg、Vmcmb)に個別に接続したことを技術的特徴としている。
【0054】
先の実施の形態3では、R、G、Bの各サブ画素に対して共通に設けられた電位(Vmcm)を用いることで、「マルチカラーモード」時において、白データから灰色を経た黒データまでの各階調表示を可能としていた。これに対して、本実施の形態4では、VDDとは別に設けられ、かつ、R、G、Bの各サブ画素に対して個別に設けられた電位(Vmcmr、Vmcmg、Vmcmb)を用いることで、「マルチカラーモード」時において、所望のフルカラー単純色(ラスター)での表示を可能としている。
【0055】
これにより、同一色の表示がある場合、外部ICの消費電力を抑制しながら、白から黒、純色(赤、緑、青)、混色フルカラーの単純色(ラスター)の表示が、外部ICからの表示データ転送なしに可能となる。
【0056】
図12は、本発明の実施の形態4における表示装置で表示可能な色の一例を示した図である。すなわち、Vmcmr、Vmcmg、Vmcmbに対して適当な電位の組合せを与えることで、フルカラーのうちの所望の色を表示させることができることを示している。このように、単一色ではあるが、フルカラーの表示が可能となる。
【0057】
図13は、本発明の実施の形態4におけるOLED表示装置の全体構成図である。先の実施の形態3で説明した図10の構成と比較すると、本実施の形態4における図13の構成は、R、G、Bの各サブ画素に対応した個別の電位を発生できる電位発生器16aを電位発生器16の代わりに備えている点が異なっている。
【0058】
この電位発生器16aは、論理回路13およびDAC15と同様に、MCM信号に接続されている。さらに、電位発生器16aは、各サブ画素の所望の表示色の電位に対応する3種類のVMCM信号(VMCMR信号、VMCMG信号、VMCMB信号)にも接続されている。これにより、電位発生器16aは、MCM信号および3種類のVMCM信号を受信することで、「マルチカラーモード」時に、所望のラスター表示色に対応する電位(Vmcmr、Vmcmg、Vmcmb)をパネル20に対して供給することが可能となる。
【0059】
以上のように、実施の形態4によれば、「マルチカラーモード」による表示を行わせる際に、所望のラスター表示色に対応する電位を発生する電位発生器をさらに備えた構成となっている。これにより、先の実施の形態3と同様の効果を得ることができるとともに、さらに、「マルチカラーモード」における表示色を、フルカラー表示色のいずれかに設定することが可能となる。例えば、額縁やテキストモードにおいて、低消費電力で、背景色をユーザの好みに可変できるオプションを提供できる。
【符号の説明】
【0060】
10 駆動IC(駆動IC部)、11 ガンマ補正回路、12 メモリ、13 論理回路、14 ドライバ、15 DAC、16、16a 電位発生器、20 パネル(パネル部)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、通常のカラー表示と所望の単一色表示を併用した多色表示を実現する表示装置に関し、特に、所望の単一色表示を行う際に、パネル内にビデオデータを送信することなく、低消費電力化を実現できる表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、カメラなどの携帯機器の電池駆動時間の長寿命化は、使用期間の長大化やエネルギーの有効活用の面で、非常に重要である。そして、このような携帯機器には、一般的に、表示パネル(表示装置)が用いられており、必然的に表示パネルの低消費電力化が要求される。特に、薄さ、コントラスト、動画特性など、携帯機器に必要な種々のよい特長を備えた表示装置として、OLED表示装置に対する要求が強くなりつつある。
【0003】
図14は、従来のOLED表示装置の表示方法に関する説明図であり、(a)はデータラインの駆動回路、(b)は通常のカラー表示を行う場合の駆動波形をそれぞれ示している。図14において、各画素は、R、G、Bの3つのサブ画素で構成されている。そして、R、G、Bに対応したMux信号によりデータラインドライバが制御され、R、G、Bに対応したビデオデータが各データラインに取り込まれる。さらに、ゲートライン信号による適切なタイミングで、各データラインの信号に基づいて、R、G、Bそれぞれのサブ画素に表示がなされることとなる。
【0004】
このような構成を備えたOLED表示装置における低消費電力化を実現するための制御方法(電池の長寿命化)としては、一般的に、以下のものが知られている。
1)一定時間表示後に、発光輝度を低下させる。
2)一定時間表示後に、表示を停止させる。
3)周囲光を検知して、最適な発光輝度を設定する。
4)最大消費電流を設定しておき、それを超える場合は、自動的に輝度を低下させ、輝度の再設定を行う。
5)光色毎に電源電圧を変え、最適なマージンを確保しながら電源値(VDDやCV)を設定する。
6)テキスト画面では、表示データを白黒反転させる。
7)すべての表示を黒バックにする。
8)制御信号の振幅を小さくする(レベルシフタ(L/S)をパネル内に内蔵し、L/Sの直前まで低振幅駆動するなど)。
9)駆動回路を間欠動作させる。
10)サブピクセルを4色(RGBW)用意し、W成分による駆動を多くする。
11)OLED材料の高効率化を図る。
12)OLEDデバイス構造の最適化、あるいは光学材料・構造の最適化による光取り出し効率の向上を図る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術には次のような課題がある。
近年、携帯機器用を始めとした表示装置には、低消費電力化とともに、動画特性の改善など種々の要求がある。
【0006】
従来の表示装置は、通常、ビデオ信号が外部駆動ICから入力されて、その信号に応じた輝度となるように制御されている。従って、駆動ICの消費電力を増加させている要因としては、駆動ICとパネルとの間の負荷増加、あるいは、駆動周波数の増加が挙げられる。
【0007】
一方、動画特性の向上を図るためには、黒画像などといった単一ビデオデータを挿入する技術がある。しかしながら、従来の表示装置では、黒画像など単一色表示の場合にも、その色の信号が外部駆動ICからビデオ信号として入力されて表示されている。従って、通常のカラー表示と所望の単一色表示を併用した表示を行うことを考慮した上で、低消費電力化を図ることが急務である。
【0008】
本発明は上述のような課題を解決するためになされたもので、通常のカラー表示と所望の単一色表示を併用した多色表示の低消費電力化を実現できる表示装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る表示装置は、ビデオデータに対して表示用の補正演算処理を施して補正後のビデオデータを生成し、表示に必要な駆動信号と補正後のビデオデータとを出力する駆動IC部と、駆動IC部により生成された駆動信号および補正後のビデオデータを読み込み、複数のサブ画素に接続されたそれぞれのデータラインに対して、データラインに対応する補正後のビデオデータを供給することで、所望のカラー表示を行うパネル部とを備えた表示装置であって、カラー表示から所望の単一色表示に切り替える場合に単一色表示モード信号を出力する表示切り替え制御部をさらに備え、駆動IC部は、単一色表示モード信号を受信した場合には、補正演算処理および補正後のビデオデータの出力処理を停止あるいはスタンバイ状態とし、パネル部は、単一色表示モード信号を受信した場合には、補正後のビデオデータの代わりに、単一色表示を行うために必要な特定電圧をデータラインに対して供給することで所望の単一色を表示するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る表示装置によれば、所望の単一色表示を行うためのモードに切り替えた際には、パネル内にビデオデータを送信する必要のない構成を備えることで駆動IC部での消費電力を低減することにより、通常のカラー表示と所望の単一色表示を併用した多色表示の低消費電力化を実現できる表示装置を得るができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】一般的な表示装置に適用される黒画像表示の一例を示す図である。
【図2】一般的な表示装置に適用される黒画像表示の一例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1におけるOLED表示装置の全体構成図である。
【図4】本発明の実施の形態1におけるOLED表示装置の全体構成図である。
【図5】本発明の実施の形態1におけるOLED表示装置のモードが切り替わる際の表示方法に関する説明図である。
【図6】本発明の実施の形態1におけるOLED表示装置の1画面全てを黒データ表示する際の表示方法に関する説明図である。
【図7】本発明の実施の形態2におけるOLED表示装置の表示方法に関する説明図である。
【図8】本実施の形態2におけるOLED表示装置に適用可能な発光停止回路の別の構成例を示した図である。
【図9】本発明の実施の形態3におけるOLED表示装置の表示方法に関する説明図である。
【図10】本発明の実施の形態3におけるOLED表示装置の全体構成図である。
【図11】本発明の実施の形態4におけるOLED表示装置の表示方法に関する説明図である。
【図12】本発明の実施の形態4における表示装置で表示可能な色の一例を示した図である。
【図13】本発明の実施の形態4におけるOLED表示装置の全体構成図である。
【図14】従来のOLED表示装置の表示方法に関する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の表示装置の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
本発明における表示装置は、単一ビデオ信号を外部駆動ICから転送することなく所望の単一色を表示させることができ、動画特性に優れた表示性能を得た上で、低消費電力化を実現することを技術的特徴としている。
【0013】
詳細な実施の形態を説明する前に、まず、本発明における表示装置の機能および効果の概要について説明する。
図1、図2は、一般的な表示装置に適用される黒画像表示の一例を示す図である。図1(a)は、画面の縦横比を変更するために、上部と下部に黒ラインが挿入された状態を示している。また、図1(b)は、背景色を白から黒に切り換えて表示した状態を示している。さらに、図2は、動画特性の改善の1つとして、1フレーム毎に黒画像が挿入されている状態を示している。
【0014】
本発明は、書き込む単一色データが、最小1垂直ライン単位以上である場合に有効であり、これら図1、図2のような表示に対して、低消費電力化を図ることができる技術である。例えば、先の図2に示したように、黒画像を挿入することで動画特性の改善を図ろうとすると、必然的に、動作周波数が増加し、消費電力が増加する結果となる。これに対して、本発明における表示装置を適用することで、低消費電力化が可能となる。
【0015】
本発明における表示装置は、以下に示す4機能のうち、機能1、2、4の組合せ、あるいは機能1、3、4の組合せのいずれかを実施することで、低消費電力化を可能としている。なお、以降の説明では、通常のカラー表示ではなく、本発明の特徴である低消費電力化を実現するための所望の単一色表示を行わせるモードのことを、「マルチカラーモード」と称す。
[機能1]同一データ転送(1ライン、1画面など)か否かを意味する信号、すなわち、マルチカラーモードの選択信号に相当するMCM信号(Multi Color Mode)の新規追加
[機能2]パネル内にあるデータ線へのマルチカラーデータ転送回路の追加
[機能3]画素回路と垂直駆動回路に対して発光停止機能を追加
[機能4]ビデオ信号を転送する必要がないことに伴い、これに関わる駆動IC内部回路の動作停止機能を追加
【0016】
上述の機能を備えることで、本発明における表示装置は、1ライン以上の単一色表示時に、駆動ICの動作電力を抑えることが可能な駆動が実現できる。さらに、入力ビデオ信号の数や電位を変えることで、駆動ICの動作を抑制しつつ、黒、白、グレー、単色、等の多色表示も実現できる。
【0017】
特に、動画特性向上のための黒画像挿入駆動時のLCD及びOLEDといった表示装置の低消費電力化に有効となる。そこで、以下の実施の形態1〜4により、本発明における表示装置を具体的に説明する。なお、以下の具体例の説明に当たっては、表示装置の一例としてOLED表示装置を用いた場合を中心に説明する。しかしながら、本発明は、OLED以外の表示装置に対しても適用可能である。
【0018】
実施の形態1.
本実施の形態1では、上述した機能1、2、4の組合せにより低消費電力化を実現する表示装置について、具体的に説明する。
【0019】
図3は、本発明の実施の形態1におけるOLED表示装置の全体構成図であり、駆動IC10とパネル20とで構成されている。駆動IC10は、ガンマ補正回路11、メモリ12、論理回路13、ドライバ14、およびDAC15を備えている。また、パネル20の内部構成については、図4〜図6を用いて後述する。なお、マルチカラーモードの選択信号に相当するMCM信号は、図示していないが、表示切り替え制御部から出力される。
【0020】
OLED表示装置の消費電力は、駆動IC10の部分での消費電力と、パネル20の部分での消費電力とに大別され、両方の電力を下げることが有効である。そして、OLED表示を行うパネル部20は、通常、ビデオ信号が駆動IC10から入力され、その信号に応じた輝度を発光している。従って、発光に寄与する画素数の低減と、駆動IC10から入力されるビデオ信号数の低減とが、低消費電力化に効果的である。
【0021】
そこで、本実施の形態1に係る発明は、表示モードとして、例えば、黒画像を挿入するような場合に、マルチカラーモードに切り換える機能を追加し、低消費電力化を実現するOLED表示装置を提案するものである。より具体的には、本実施の形態1では、マルチカラー表示による低消費電力化を図る意味で、次の2点がポイントとなる。
[ポイント1]マルチカラー表示を意図するMCM信号によって、各サブ画素のデータラインに黒データ(すなわち、OLEDが発光しないデータ)を書き込むこと
[ポイント2]マルチカラー表示を意図するMCM信号によって、黒データを表示する全てのサブ画素に対する駆動IC内の回路動作(演算処理、ビデオデータの出力処理など)を停止させること
【0022】
このようにして黒画像の挿入を行うことで、動画特性を改善しつつ、低消費電力化を図ることが可能となる。なお、後述するが、パネル20に供給される電位を適切な値とすることで、単一色ではあるが、黒以外の単一色の表示も可能であり(実施の形態3参照)、また、フルカラー表示も可能である(実施の形態4参照)。
【0023】
駆動IC10は、黒データ転送を意味するMCM信号が発生すると、論理回路13とメモリ12との間で行われる演算を停止する。さらに、駆動IC10は、ドライバ14やDAC15から、MCMに必要な駆動信号(CLK、X、Y駆動信号、Mux信号、MCM信号)やビデオ信号(ビデオデータ)をパネル20に送信する。
【0024】
論理回路13では、通常、ビデオデータR、G、Bに対して、各種補正のための演算処理が行われる。一方、MCMにおいては、入力されたRGBデータの演算が停止され、演算量は殆どなくなる。また、メモリ12との間のデータのやり取りも殆どなくなる。
【0025】
また、ドライバ14では、通常、3色のビデオデータを書き込むための信号が出力される。しかし、MCMにおいては、パネルの画素に対して、黒データを書き込むのに必要な信号のみが出力される。
【0026】
また、DAC15では、通常、3色のビデオデータが出力される。しかし、MCMにおいては、消費電力を極力抑える状態(例えば、スタンバイ状態)にセットされる。パネル側の画素が、RGBではなく、RGBWの場合にも、同様に、停止あるいはスタンバイ状態にセットすることで、低消費電力化が行われる。
【0027】
図4は、本発明の実施の形態1におけるOLED表示装置の表示方法に関する説明図であり、(a)はデータラインの駆動回路、(b)はMCM時の各波形をそれぞれ示している。基本的な構成は、先の図14における従来のOLED表示装置と同じである。この図4は、黒データを表示する場合を例示している。すなわち、上述した[機能2]において、パネル内にあるデータ線へ黒データを転送する回路(黒データ転送回路)を例示している。
【0028】
図4中の、MCM信号、MSW(Multi color−SW)であるトランジスタ、そして各サブ画素R、G、Bに接続された電位供給線で構成される回路が、黒データ転送回路に相当する。画素におけるOLED駆動TFTの伝導型がpチャネルトランジスタなので、黒データは、「H」であるVDD電位となる。
【0029】
この黒データは、画素回路構成によって、「H」か「L」のいずれかに決まる。MCM信号は、1垂直ライン全ての画素データが黒(発光しない)である場合、活性化する。図4の場合、論理動作の点から「L」で活性化するが、回路構成上、「H」で活性化する場合もある。
【0030】
次に、図4に示した回路の具体的な動作について説明する。MCM時(すなわち、MCM信号が「L」のとき)には、次のように動作する。
[動作1]Mux信号が「H」固定になり、RGBのデータ線駆動トランジスタ(図4中のデータラインドライバに相当)の動作を停止する。
[動作2]一方、MSWがONし、RGBのデータ線には、VDDラインから「H」データが入力される。
[動作3]ゲート線が活性化すると、各サブ画素R、G、Bに「H」データが転送され、その結果、画素の駆動TrがOFFし、発光が停止され、黒データが表示されることとなる。
【0031】
なお、上述したMCM時の動作中におけるRGBのビデオデータは、「Don’t care」であり、駆動ICで駆動する必要はない。この結果、駆動ICの消費電力を抑えることができ、低消費電力化を実現できる。
【0032】
次に、通常のカラー表示と、本発明の「マルチカラーモード」による表示が混在する場合について、図面に基づいて説明する。図5は、本発明の実施の形態1におけるOLED表示装置のモードが切り替わる際の表示方法に関する説明図である。より具体的には、ゲートラインnのみの全画素データが黒データを表示する「マルチカラーモード」で、前後のゲートライン(n−1、n+1)は、通常のビデオデータを表示するモードである場合の各信号の波形を示している。MCM信号が活性化(「L」)することで、Mux信号や各データラインR、G、Bが「H」になる。
【0033】
なお、MCM信号の発生は、1垂直ラインに限定されるものではない。複数垂直ラインや1画面全てが黒データである場合にも、図5と同様の切り替え動作を適用することができる。
【0034】
図6は、本発明の実施の形態1におけるOLED表示装置の1画面全てを黒データ表示する際の表示方法に関する説明図である。この場合には、1画面分のデータに対応して、MCM信号が出るようにセットされる。なお、1垂直ライン毎にMCM信号を発生させると、垂直ライン数だけMCM信号が動作する結果となってしまう。そこで、低消費電力化の観点から、MCM信号は、1画面分のデータに対して1回だけ発生させるほうがよい。
【0035】
MCM信号の発生タイミングは、1ライン毎の場合には、垂直走査系(V系)の基本クロック(CKV)に同期したタイミングにすることができ、1画面毎の場合には、垂直走査系駆動回路のスタート信号(VST)に同期したタイミングにする。
【0036】
以上のように、実施の形態1によれば、単色表示を行わせたいタイミングで発生するMCM信号に基づいて、通常のカラー表示から「マルチカラーモード」による表示に切り替える機能を有している。この機能により、「マルチカラーモード」の表示を行う場合には、駆動IC部からパネル部にビデオデータを送信する必要がない。この結果、駆動IC部での処理動作を少なくする、あるいはスタンバイ状態にすることができ、駆動ICの低消費電力化が可能となり、特定の単色を混在させた表示を行う際の低消費電力化を実現できる。
【0037】
近年、TV用に動画特性の向上を目的として、1画面毎、あるいは帯状に“黒データ”を挿入する駆動法が開発されている。これに対して、本発明における「マルチカラーモード」への切換は、1ライン毎に制御できるので、きめ細かい消費電力管理が可能となる。このような目的で、黒データを多用する場合に、本実施の形態に係る発明は、特に有効であり、動画特性を向上させた上で、低消費電力化を図ることができる。高精細化、大型化の傾向にある表示装置においては、DAC回路の出力負荷は大きくなるが、この負荷が大きくなればなるほど、本発明の効果は大きいといえる。
【0038】
実施の形態2.
本実施の形態2では、上述した機能1、3、4の組合せにより低消費電力化を実現する表示装置について、具体的に説明する。
【0039】
図7は、本発明の実施の形態2におけるOLED表示装置の表示方法に関する説明図である。本実施の形態2における表示装置は、画素回路と垂直駆動回路に発光停止回路を備えていることを技術的特徴としている。
【0040】
この「発光停止回路」を実現するためには、回路設計上、次の2点の構成を備えることが必須となる。
[必須構成1]画素回路が、ある信号(発光停止信号)を受信して、発光が停止するように設計されていること。
[必須構成2]垂直系走査駆動回路に、発光停止信号を駆動する機能があること。
【0041】
まず始めに、必須構成1について説明する。図7中の画素回路は、選択トランジスタTr1、駆動トランジスタTr2、および発光停止用トランジスタTr3を備えている。発光停止用トランジスタ(Emission OFF Tr)Tr3は、発光停止信号を受信することで、発光を停止させる役目を果たす。図7においては、この発光停止用トランジスタTr3が、発光電流idが流れる経路に直列に配置された場合を例示している。このような構成において、外部からの発光停止信号に応じて発光停止用トランジスタTr3がオフすることで、発光が停止し、黒データを表示できる。
【0042】
図8は、本実施の形態2におけるOLED表示装置に適用可能な発光停止回路の別の構成例を示した図である。図8においては、発光停止用トランジスタTr3が、駆動トランジスタTr2のゲート電位を「H」にすることで駆動トランジスタTr2をオフさせる位置に配置された場合を例示している。その他、TFTの閾値補償用の画素回路等に、このような制御方法を適用してもよい。
【0043】
次に、必須構成2について説明する。先の図7の構成において、黒データを書き込むためのMCM信号が活性化した場合には、ゲート駆動回路(図7中のゲートドライバに相当)の動作を止め、発光停止信号駆動回路(図7中のエミッションOFFドライバに相当)を活性化させる。発光停止信号駆動回路が、「H」信号を送信することで、発光停止用トランジスタTr3がオフする。
【0044】
なお、発光停止信号駆動回路は、少なくとも、シフトレジスタからの信号と、黒データを書き込むためのMCM信号によって、起動される。
【0045】
以上のように、実施の形態2によれば、単色表示を行わせたいタイミングで発生するMCM信号に基づいて、通常のカラー表示から「マルチカラーモード」による表示に切り替えるために、「発光停止回路」を備えた構成となっている。このような構成を備えることで、発光を停止させて黒データを表示させることができ、先の実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0046】
実施の形態3.
先の実施の形態1、2では、単一色表示として黒データを表示する場合について説明した。これに対して、本実施の形態3では、「マルチカラーモード」時に印加する電圧値を適切な値にすることで、白から黒までの所望の階調により濃淡表示を可能とする場合について説明する。
【0047】
図9は、本発明の実施の形態3におけるOLED表示装置の表示方法に関する説明図である。本実施の形態3における表示装置は、MSWのソース電位を、VDDとは別の電位(Vmcm)に接続したことを技術的特徴としている。
【0048】
先の実施の形態1では、MSWのソース電位がVDD電位に接続されており、「マルチカラーモード」時における表示が黒データのみに限られていた。これに対して、本実施の形態3では、VDDとは別に設けられた電位(Vmcm)を用いることで、「マルチカラーモード」時において、白データから灰色を経た黒データまでの各階調の表示が可能となる。白から黒までの各階調で、1ライン全て同じデータを表示させたい場合、本発明を適用することで、低消費電力化が可能となる。
【0049】
図10は、本発明の実施の形態3におけるOLED表示装置の全体構成図である。先の実施の形態1で説明した図3の構成と比較すると、本実施の形態3における図10の構成は、駆動IC10内に電位発生器16をさらに備えている点が異なっている。
【0050】
この電位発生器16は、論理回路13およびDAC15と同様に、MCM信号に接続されている。さらに、電位発生器16は、所望の単一表示色の電位に対応するVMCM信号にも接続されている。これにより、電位発生器16は、MCM信号およびVMCM信号を受信することで、「マルチカラーモード」時に、所望の濃淡表示色に対応する電位(Vmcm)をパネル20に対して供給することが可能となる。
【0051】
以上のように、実施の形態3によれば、「マルチカラーモード」による表示を行わせる際に、所望の濃淡表示色に対応する電位を発生する電位発生器をさらに備えた構成となっている。これにより、先の実施の形態1、2と同様の効果を得ることができるとともに、さらに、「マルチカラーモード」における単一色を、白から黒までの所望の階調色のいずれかに設定することが可能となる。
【0052】
実施の形態4.
先の実施の形態3では、「マルチカラーモード」時に、白から黒までの所望の階調による濃淡表示を行わせる場合について説明した。これに対して、本実施の形態4では、「マルチカラーモード」時に印加する電圧値を適切な値に設定する際に、R、G、Bで個別設定することで、所望のフルカラー表示を可能とする場合について説明する。
【0053】
図11は、本発明の実施の形態4におけるOLED表示装置の表示方法に関する説明図である。本実施の形態4における表示装置は、R、G、Bに対応するそれぞれのMSWのソース電位を、VDDとは別の3種類の電位(Vmcmr、Vmcmg、Vmcmb)に個別に接続したことを技術的特徴としている。
【0054】
先の実施の形態3では、R、G、Bの各サブ画素に対して共通に設けられた電位(Vmcm)を用いることで、「マルチカラーモード」時において、白データから灰色を経た黒データまでの各階調表示を可能としていた。これに対して、本実施の形態4では、VDDとは別に設けられ、かつ、R、G、Bの各サブ画素に対して個別に設けられた電位(Vmcmr、Vmcmg、Vmcmb)を用いることで、「マルチカラーモード」時において、所望のフルカラー単純色(ラスター)での表示を可能としている。
【0055】
これにより、同一色の表示がある場合、外部ICの消費電力を抑制しながら、白から黒、純色(赤、緑、青)、混色フルカラーの単純色(ラスター)の表示が、外部ICからの表示データ転送なしに可能となる。
【0056】
図12は、本発明の実施の形態4における表示装置で表示可能な色の一例を示した図である。すなわち、Vmcmr、Vmcmg、Vmcmbに対して適当な電位の組合せを与えることで、フルカラーのうちの所望の色を表示させることができることを示している。このように、単一色ではあるが、フルカラーの表示が可能となる。
【0057】
図13は、本発明の実施の形態4におけるOLED表示装置の全体構成図である。先の実施の形態3で説明した図10の構成と比較すると、本実施の形態4における図13の構成は、R、G、Bの各サブ画素に対応した個別の電位を発生できる電位発生器16aを電位発生器16の代わりに備えている点が異なっている。
【0058】
この電位発生器16aは、論理回路13およびDAC15と同様に、MCM信号に接続されている。さらに、電位発生器16aは、各サブ画素の所望の表示色の電位に対応する3種類のVMCM信号(VMCMR信号、VMCMG信号、VMCMB信号)にも接続されている。これにより、電位発生器16aは、MCM信号および3種類のVMCM信号を受信することで、「マルチカラーモード」時に、所望のラスター表示色に対応する電位(Vmcmr、Vmcmg、Vmcmb)をパネル20に対して供給することが可能となる。
【0059】
以上のように、実施の形態4によれば、「マルチカラーモード」による表示を行わせる際に、所望のラスター表示色に対応する電位を発生する電位発生器をさらに備えた構成となっている。これにより、先の実施の形態3と同様の効果を得ることができるとともに、さらに、「マルチカラーモード」における表示色を、フルカラー表示色のいずれかに設定することが可能となる。例えば、額縁やテキストモードにおいて、低消費電力で、背景色をユーザの好みに可変できるオプションを提供できる。
【符号の説明】
【0060】
10 駆動IC(駆動IC部)、11 ガンマ補正回路、12 メモリ、13 論理回路、14 ドライバ、15 DAC、16、16a 電位発生器、20 パネル(パネル部)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオデータに対して表示用の補正演算処理を施して補正後のビデオデータを生成し、表示に必要な駆動信号と前記補正後のビデオデータとを出力する駆動IC部と、
前記駆動IC部により生成された前記駆動信号および前記補正後のビデオデータを読み込み、複数のサブ画素に接続されたそれぞれのデータラインに対して、前記データラインに対応する前記補正後のビデオデータを供給することで、所望のカラー表示を行うパネル部と
を備えた表示装置であって、
カラー表示から所望の単一色表示に切り替える場合に単一色表示モード信号を出力する表示切り替え制御部をさらに備え、
前記駆動IC部は、前記単一色表示モード信号を受信した場合には、前記補正演算処理および前記補正後のビデオデータの出力処理を停止あるいはスタンバイ状態とし、
前記パネル部は、前記単一色表示モード信号を受信した場合には、前記補正後のビデオデータの代わりに、前記単一色表示を行うために必要な特定電圧を前記データラインに対して供給することで前記所望の単一色を表示する
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置において、
前記パネル部は、前記単一色表示モード信号を受信した場合には、直流電源供給ラインから供給される電位を前記特定電圧として前記データラインに対して供給することで黒色を表示することを特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項1に記載の表示装置において、
前記パネル部は、前記単一色表示モード信号を受信した場合には、前記データラインに対して前記特定電圧を供給する代わりに、前記複数のサブ画素を構成するそれぞれの表示素子に対して供給する電圧をオフすることで前記表示素子の発光を停止させて黒色を表示させる発光停止回路をさらに備えることを特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項1に記載の表示装置において、
前記駆動IC部は、所望の単一色表示に対応した特定電位を発生する電位発生器をさらに備え、前記単一色表示モード信号を受信した場合には、前記パネル部に対して前記所望のカラー表示を行わせるために必要なビデオデータの代わりに前記電位発生器で発生した前記特定電圧を供給し、
前記パネル部は、前記単一色表示モード信号を受信した場合には、前記駆動IC部から読み込んだ前記特定電圧を前記データラインに対して供給することで前記所望の単一色を表示する
ことを特徴とする表示装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の表示装置において、
前記表示切り替え制御部は、1垂直ライン単位あるいは1画面単位で前記単一色表示モード信号を出力することを特徴とする表示装置。
【請求項6】
請求項5に記載の表示装置において、
前記表示切り替え制御部は、1画面単位で前記単一色表示モード信号を出力し、
前記パネル部は、前記単一色表示モード信号の状態に応じて、通常のカラー表示と、前記所望の単一色表示とを画面単位で交互に繰り返す
ことを特徴とする表示装置。
【請求項7】
請求項1に記載の表示装置において、
前記駆動IC部は、前記パネル部内で各サブ画素に対応するデータラインに接続されたデータラインドライバを駆動制御するためのMux信号を前記駆動信号の1つとして生成する際に、前記単一色表示モード信号に応じて、データラインドライバをOFFさせるMux信号を生成して出力し、
前記パネル部は、各サブ画素に接続されているデータラインのそれぞれと前記特定電圧を供給するための電位供給ラインとの間に単一色表示切り換え用スイッチをさらに有し、前記単一色表示モード信号に応じて前記単一色表示切り換え用スイッチをONさせることで前記データラインに対して前記電位供給ラインから前記特定電圧を供給することで前記所望の単一色を表示する
ことを特徴とする表示装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項に記載の表示装置は、LCD表示装置あるいはOLED表示装置であることを特徴とする表示装置。
【請求項1】
ビデオデータに対して表示用の補正演算処理を施して補正後のビデオデータを生成し、表示に必要な駆動信号と前記補正後のビデオデータとを出力する駆動IC部と、
前記駆動IC部により生成された前記駆動信号および前記補正後のビデオデータを読み込み、複数のサブ画素に接続されたそれぞれのデータラインに対して、前記データラインに対応する前記補正後のビデオデータを供給することで、所望のカラー表示を行うパネル部と
を備えた表示装置であって、
カラー表示から所望の単一色表示に切り替える場合に単一色表示モード信号を出力する表示切り替え制御部をさらに備え、
前記駆動IC部は、前記単一色表示モード信号を受信した場合には、前記補正演算処理および前記補正後のビデオデータの出力処理を停止あるいはスタンバイ状態とし、
前記パネル部は、前記単一色表示モード信号を受信した場合には、前記補正後のビデオデータの代わりに、前記単一色表示を行うために必要な特定電圧を前記データラインに対して供給することで前記所望の単一色を表示する
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置において、
前記パネル部は、前記単一色表示モード信号を受信した場合には、直流電源供給ラインから供給される電位を前記特定電圧として前記データラインに対して供給することで黒色を表示することを特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項1に記載の表示装置において、
前記パネル部は、前記単一色表示モード信号を受信した場合には、前記データラインに対して前記特定電圧を供給する代わりに、前記複数のサブ画素を構成するそれぞれの表示素子に対して供給する電圧をオフすることで前記表示素子の発光を停止させて黒色を表示させる発光停止回路をさらに備えることを特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項1に記載の表示装置において、
前記駆動IC部は、所望の単一色表示に対応した特定電位を発生する電位発生器をさらに備え、前記単一色表示モード信号を受信した場合には、前記パネル部に対して前記所望のカラー表示を行わせるために必要なビデオデータの代わりに前記電位発生器で発生した前記特定電圧を供給し、
前記パネル部は、前記単一色表示モード信号を受信した場合には、前記駆動IC部から読み込んだ前記特定電圧を前記データラインに対して供給することで前記所望の単一色を表示する
ことを特徴とする表示装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の表示装置において、
前記表示切り替え制御部は、1垂直ライン単位あるいは1画面単位で前記単一色表示モード信号を出力することを特徴とする表示装置。
【請求項6】
請求項5に記載の表示装置において、
前記表示切り替え制御部は、1画面単位で前記単一色表示モード信号を出力し、
前記パネル部は、前記単一色表示モード信号の状態に応じて、通常のカラー表示と、前記所望の単一色表示とを画面単位で交互に繰り返す
ことを特徴とする表示装置。
【請求項7】
請求項1に記載の表示装置において、
前記駆動IC部は、前記パネル部内で各サブ画素に対応するデータラインに接続されたデータラインドライバを駆動制御するためのMux信号を前記駆動信号の1つとして生成する際に、前記単一色表示モード信号に応じて、データラインドライバをOFFさせるMux信号を生成して出力し、
前記パネル部は、各サブ画素に接続されているデータラインのそれぞれと前記特定電圧を供給するための電位供給ラインとの間に単一色表示切り換え用スイッチをさらに有し、前記単一色表示モード信号に応じて前記単一色表示切り換え用スイッチをONさせることで前記データラインに対して前記電位供給ラインから前記特定電圧を供給することで前記所望の単一色を表示する
ことを特徴とする表示装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項に記載の表示装置は、LCD表示装置あるいはOLED表示装置であることを特徴とする表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−13275(P2011−13275A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−155024(P2009−155024)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(501426046)エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド (732)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(501426046)エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド (732)
【Fターム(参考)】
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