説明

表示装置

【課題】多画面表示を全て全画面で提供すること。
【解決手段】複数の入力信号を受信することが可能なチューナ部111と、受信したコンテンツを設定に応じて描画する組合せを変更する処理を行う制御部112と、前記制御部112に対して受信するコンテンツの増減を行う制御受信部114と、前記制御部112から送られる映像信号を表示する表示部113と、前記表示部113に同期して液晶シャッター131に対して同期信号を送信する赤外線送信部115を有する多画面表示装置を用いることにより、113で表示される映像が121,122、123から送られてくる信号源を時分割で描画し、115により任意の映像のみを透過することによって全画面での映像コンテンツを視聴することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全画面で複数のコンテンツを同時に視聴可能とする、表示装置及び液晶シャッターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の3D映像は、液晶シャッター眼鏡を用いて両目視差を作り、左右で異なる映像を視聴させ、立体感を生み出すことで提供される。
【0003】
また、両目共に同じ映像を視聴させ、液晶シャッターの同期を映像毎に分離させることにより、1つの表示装置で全画面映像のコンテンツを同時に複数描画可能となり、上記は領域分割ではなく時分割による表示を行っている(例えば特許文献1等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−243420号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、時分割表示による複数のコンテンツの描画では3D方式を有する場合、映像の分割方法は平面映像のみの描画とは異なり、1つの3D方式による映像コンテンツで2つの映像源、1つの平面映像コンテンツで1つの映像源と数えられる。
【0006】
上述した特許文献1では、消費者の必要とする映像源のみを任意に選択し、シャッター眼鏡を用いて1つの映像源を取得する方法となっている。この方法では、3D方式の両眼視差を用いたコンテンツの視聴を含む時分割による表示を満足できないという課題を有している。
【0007】
本発明は、前記課題を解決するもので、第一に多画面表示を時分割表示することにより、各コンテンツを全画面表示で視聴可能であること、第二に、任意の映像を、液晶シャッターを用いて選択的に取得可能であり、3D方式の映像コンテンツと平面映像コンテンツを混在した上で第一の目的を満足すること、第三に、各コンテンツの描画タイミングを第二の目的を満足する上で自動的に調整し、視聴時のフリッカ発生を低減させ、コンテンツ毎の輝度差を無くすため、映像源の数に応じて描画時間を調節することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目標を達成するために、本発明の表示装置は、現在描画中のコンテンツの映像源数を確認する手段を有し、同一画面上に分割表示する機能と時分割表示により全画面での複数コンテンツの描画を行う機能を有し、複数の映像コンテンツの描画方法を選択する場合、最終的に描画するコンテンツの組み合わせに応じて最適な描画方法を提供する制御を行う。
【0009】
本構成により、複数の映像源を持つコンテンツの多画面表示を可能とし、コンテンツの種類に応じて領域分割・時分割を組み合わせることを可能とすることが最重要特徴となる。
【0010】
また、本発明の受信装置は、領域分割と時分割を適切に選択し、描画時における3Dコンテンツの描画領域の差異による画面破綻を無くし、多画面表示を全画面で視聴可能とする制御を行う。
【発明の効果】
【0011】
本発明の受信装置によれば、第一に時分割表示を行うことにより、1つの表示装置による全画面での複数コンテンツの描画が可能となる。第二に、3Dコンテンツと平面映像の組み合わせによる多画面表示でも、液晶シャッター眼鏡が3Dコンテンツの2画面を選択し、他の映像源と誤ることなく描画することが可能となる。第三に、時分割数が一定数以上に増加した場合、描画優先度の低い映像源、たとえば後々追加で描画するよう設定された映像源同士を従来の多画面表示方法である領域分割により括ることにより、時分割数を抑えたまま優先度の高い映像源は全画面描画を維持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態における表示装置のブロック図
【図2】本発明の実施の形態におけるコンテンツ増加時の処理を示すフローチャート
【図3】本発明の実施の形態における表示例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施の形態1)
以下に本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。 図1は、本発明の実施の形態1におけるシステムの構成を示すブロック図である。図1における表示装置110は、チューナ部111への入力源として、地上波を受信するアンテナ121や入力機器Aである122、入力機器であるB123を考えるものとする。このうち、122,123は3D映像を時分割方式で入力することの可能な入力機器とする。
【0014】
図1において、映像コンテンツを描画する場合、時分割の上限は定められており、それ以上のコンテンツを描画する場合は領域分割により多画面表示をおこなう機器である。領域分割を行う場合、3D映像同士を領域分割することにより、消費者の求める映像を視聴できなくなることから、3Dコンテンツのグループ化を行うことにより時分割で2領域を用いる。3Dコンテンツのうちどちらかが領域分割されることになる場合、異なるタイミングで同じ領域に描画される関係を保ったまま両コンテンツを領域分割することにより、描画に破綻が起こらない制御を行う。
【0015】
表示するコンテンツの追加・削除・選択は制御受信部114から制御信号を受信し、制御部112で行う。前記制御部112での処理は、現在表示するリクエストを受けているコンテンツ数に応じ、図2の内容で描画領域の選択を行う。描画するコンテンツを増加する信号を受信した場合、対象となるコンテンツを確認して描画に必要な映像源の数を確認する。その後、コンテンツを追加した順番に応じて描画時の組み合わせを決定し、表示部113に映像を出力する。
【0016】
組み合わせを決定する制御部112の処理S242について、以下に記す。時分割可能な数Vに対し、合計の映像源数Nが等しい場合、各映像源を時分割で1枚ずつ描画する。Vに対しNが小さい場合、最優先のコンテンツからコンテンツ毎の映像源数を確認し、映像源数が少ない場合、同じ映像もしくは補間された映像を再度描画し、元の映像と同じグループで液晶シャッター眼鏡を透過させ視聴させることを可能とする。
【0017】
Vに対しNが大きくなる場合、優先度の低いコンテンツからコンテンツ毎の映像源数を確認し、映像減数が1であるコンテンツ同士を領域分割で2画面表示を行い、時分割数の増加を抑える。
【0018】
全てのコンテンツを確認した後にVとNの関係が変わらずNが大きい場合、3D映像源数が2つあるコンテンツ同士の2画面表示を行い、上記と同じく時分割数の増加を抑える。上記の処理を行いVとNの関係が変わらずNが大きい場合、映像源数が2つあるコンテンツと映像減数が1つのコンテンツ同士を領域分割で描画する。この際、映像減数が2つあるコンテンツと同じタイミングで描写させるときに描画する映像は、映像源数が1つのコンテンツの領域は同じ映像もしくは補間された映像を描画する。
前記処理を任意回数行った上で組み合わせが確定できない場合、エラーとして描画コンテンツの追加処理を中止する。
この結果、図1に示す表示装置により複数のコンテンツを時分割領域で表示させることにより、表示装置の描画部の無駄を極力無くした上でコンテンツの提供を可能とする。
【0019】
なお、本実施例において、入力信号減として地上波放送121、入力機器A122、入力機器B123を例として設けたが、表示装置に対して映像の表示を行わせる機器として、DVD/BDプレーヤーの他に、カメラ、ゲーム機器としても良い。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明に係る表示装置は、多画面表示された状態において全画面、コンテンツ数の増加により一部領域分割となるが、ひとつの表示装置を用いて従来にないサイズでのコンテンツの提供を可能とする。また、液晶シャッター眼鏡を用いて他のコンテンツを遮断するため、複数の消費者に対して各々必要とするコンテンツを提供することが可能となる。更に、ファミリーイヤホン機能などの音声の個別送信技術と組み合わせることにより、映像のみではなく音声も含めた消費者への映像提供が可能となる。
【符号の説明】
【0021】
110 表示装置
111 チューナ部
112 制御部
113 表示部
114 制御受信部
115 赤外線送信部
121 地上波受信部
122 入力機器A
123 入力機器B
124 コントローラ
131 液晶シャッター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像、音声を複数同時に受信する受信手段と、液晶シャッター眼鏡を制御する赤外線送信部と、任意に定められた時分割数で別映像を表示することが可能なチューナ制御部を有する表示装置。
【請求項2】
前記時分割表示を行う場合、同じコンテンツかどうかを判別する機能を持ち、同グループのコンテンツの視聴情報に応じて液晶シャッターの開閉を制御することが可能な請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記受信手段により受信したコンテンツを複数表示する場合、時分割可能な数に増えるまで全画面で分割して描画を行う請求項1記載の表示装置。
【請求項4】
前記請求項3に記載のコンテンツに対し、表示設定を行った順番に優先度を設定する請求項1記載の表示装置。
【請求項5】
表示コンテンツ数が請求項3記載の時分割可能な数を超えた場合、請求項4記載の優先度の低い順番に領域分割を行うことで、時分割数可能な数の描画で要求に応じたコンテンツを描画可能な請求項1記載の表示装置。
【請求項6】
表示コンテンツ数が請求項3記載の時分割可能な数よりも少ない場合、請求項4記載の優先度の高いコンテンツを表示する時間を追加する機能を有する請求項1記載の表示装置
【請求項7】
請求項5、6に記載の描画組合せを変更する際、請求項2に記載の同グループのコンテンツの描画領域を変化させることのない請求項1の表示装置

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2011−234181(P2011−234181A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−103316(P2010−103316)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】