説明

表示装置

【課題】発光素子を有し、且つシースルー機能を有する表示装置において、用途や状況に応じた多様な表示モードを可能とする表示装置を提供することを課題の一とする。
【解決手段】シースルー機能を有する表示装置において、両面発光型の発光素子を含む画素を有する第1の表示部と、光散乱性の液晶層を有する第2表示部との間に、シャッター状の遮光手段を設けることにより、第1の表示部、第2の表示部およびシャッター状の遮光手段を切り替えるだけで容易に用途や状況に応じた多様な表示モードを可能とする表示装置を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発光素子を利用した表示装置に関する。特にシースルー機能を備え、発光素子を利用した表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ディスプレイの向こう側が透けて見える機能、いわゆるシースルー機能を備えたディスプレイが脚光を浴びている。シースルー機能を備えたディスプレイの応用分野としては、車両のフロントガラス、家屋やビルなどの建築物の窓ガラス、デパートなどのショーウインドウのケースなどが考えられている。
【0003】
このようにシースルー機能を備えたディスプレイを用いることにより、ディスプレイの向こう側の対象に関する情報をディスプレイ上に表示しながら対象を見る、またはディスプレイに装飾用の映像を表示してディスプレイの向こう側の対象に装飾を施すことができる。さらに、ガラスのようにディスプレイの向こう側が見えるモードと、ディスプレイに映像が表示されるモードを適宜切り替えて用いることも考えられる(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−25975号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、一方でシースルー機能を有する表示装置には、ディスプレイの向こう側からディスプレイの映像を覗かれてしまうという問題や、ディスプレイの向こう側の景色が映像に写り込んでディスプレイの映像が見にくくなってしまうという問題があった。
【0006】
特許文献1では、くし歯形電極により液晶分子を攪乱状態とする調光板をディスプレイの裏側に設け、ディスプレイに映像を表示する際に調光板を白濁状態にすることで、このような問題の解決を図っている。
【0007】
しかし、このようにシースルー機能を有する表示装置の裏側に、くし歯形電極により液晶分子を攪乱状態とする調光板を設けただけでは、有機EL素子に代表される発光素子を用いてシースルー機能を有する表示装置を作製すると、コントラストの良好な黒色を表示することが困難になるという問題が生じる。
【0008】
また、シースルー機能を有する表示装置において、ガラスのようにディスプレイを透過させられるモードや、従来のディスプレイのように映像表示のみを行うモードや、映像の向こう側が透けて見えるシースルーモードを、用途や状況に応じて適宜切り替えられるようにしたいという要請もある。
【0009】
上述のような問題に鑑み、発光素子を有し、且つシースルー機能を有する表示装置において、用途や状況に応じた多様な表示モードを可能とする表示装置を提供することを課題の一とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
シースルー機能を有する表示装置において、両面発光型の発光素子を含む画素を有する第1の表示部と、光散乱性の液晶層を有する第2表示部との間に、シャッター状の遮光手段を有し、第1の表示部は、少なくとも両面発光型の発光素子が非発光状態の場合に透光性を有し、第2の表示部は、少なくとも光散乱性の液晶層が透過状態の場合に透光性を有する。
【0011】
開示する発明の一態様は、透光性を有する第1の支持体と、第1の支持体に設けられた、両面発光型の発光素子を含む画素を有する第1の表示部と、第1の支持体に対向して設けられた、透光性を有する第2の支持体と、第2の支持体に第1の表示部と対向して設けられた、光散乱性の液晶層を有する第2の表示部と、第1の表示部と第2の表示部の間に、画素の少なくとも一部と重畳するように開口部が設けられた遮光層と当該開口部を遮光することができる可動遮光層を含む複数のシャッターと、を有し、第1の表示部は、少なくとも両面発光型の発光素子が非発光状態の場合に透光性を有し、第2の表示部は、少なくとも光散乱性の液晶層が透過状態の場合に透光性を有する表示装置である。
【0012】
開示する発明の他の一態様は、透光性を有する第1の支持体と、第1の支持体に設けられた、両面発光型の発光素子を含む画素を有する第1の表示部と、第1の支持体に対向して設けられた、透光性を有する第2の支持体と、第2の支持体の第1の表示部とは反対側に設けられた、光散乱性の液晶層を有する第2の表示部と、第1の表示部と第2の支持体の間に、画素の少なくとも一部と重畳するように開口部が設けられた遮光層と当該開口部を遮光することができる可動遮光層を含む複数のシャッターと、を有し、第1の表示部は、少なくとも両面発光型の発光素子が非発光状態の場合に透光性を有し、第2の表示部は、少なくとも光散乱性の液晶層が透過状態の場合に透光性を有する表示装置である。
【0013】
上記において、開口部に可動遮光層を重畳させることにより、第1の表示部の背景を黒表示とすることができることが好ましい。また、開口部に可動遮光層を重畳させず、且つ第2の表示部を散乱状態とすることにより、第1の表示部の背景を白表示とすることができることが好ましい。また、開口部に可動遮光層を重畳させず、且つ第2の表示部を透過状態とすることで、第2の支持体の裏側からの入射光を第1の表示部の背景に照射させることにより、第2の支持体の向こう側の対象に関する情報を第1の表示部の背景に表示させられることが好ましい。
【0014】
また、複数の画素に一つずつ可動遮光層が設けられることが好ましい。また、複数の画素および複数のシャッターがマトリクス状に設けられ、一つの可動遮光層で列方向に並んだ複数の画素を遮光することができるようにしてもよい。また、複数の画素および複数のシャッターがマトリクス状に設けられ、一つの可動遮光層で行方向に並んだ複数の画素を遮光することができるようにしてもよい。
【0015】
また、開示する発明の他の一態様は、透光性を有する第1の支持体と、第1の支持体に設けられた、両面発光型の発光素子を含む第1の画素を有する第1の表示部と、第1の支持体に対向して設けられた、透光性を有する第2の支持体と、第2の支持体に第1の表示部と対向して設けられた、光散乱性の液晶層を含む第2の画素を有する第2の表示部と、第1の表示部と第2の表示部の間に、第1の画素および第2の画素の少なくとも一部と重畳するように開口部が設けられた遮光層と当該開口部を遮光することができる可動遮光層を含む複数のシャッターと、を有し、第1の表示部は、少なくとも両面発光型の発光素子が非発光状態の場合に透光性を有し、第2の表示部は、少なくとも光散乱性の液晶層が透過状態の場合に透光性を有する表示装置である。
【0016】
また、複数の第1の画素および複数の第2の画素に一つずつ可動遮光層が設けられることが好ましい。また、複数の第1の画素、複数の第2の画素および複数のシャッターがマトリクス状に設けられ、一つの可動遮光層で列方向に並んだ複数の第1の画素および複数の第2の画素を遮光することができるようにしてもよい。また、複数の第1の画素、複数の第2の画素および複数のシャッターがマトリクス状に設けられ、一つの可動遮光層で行方向に並んだ複数の第1の画素および複数の第2の画素を遮光することができるようにしてもよい。
【0017】
上記において、開口部に可動遮光層を重畳させることにより、第1の表示部と第2の表示部で異なる映像を表示することができることが好ましい。また、開口部に可動遮光層を重畳させず、第1の表示部を第2の表示部のバックライトとして用いることにより、第2の表示部をカラー表示させることができることが好ましい。
【0018】
また、両面発光型の発光素子は有機EL素子であることが好ましい。また、光散乱性の液晶層は高分子分散型液晶材料を含むことが好ましい。また、複数のシャッターはMEMSを用いて形成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
シースルー機能を有する表示装置において、両面発光型の発光素子を含む画素を有する第1の表示部と、光散乱性の液晶層を有する第2表示部との間に、シャッター状の遮光手段を設けることにより、第1の表示部、第2の表示部およびシャッター状の遮光手段を切り替えるだけで容易に用途や状況に応じた多様な表示モードを可能とする表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一態様に係る表示装置を説明する斜投影図。
【図2】本発明の一態様に係る表示装置を説明する断面図。
【図3】本発明の一態様に係る表示装置におけるMEMS構造体部を説明する平面図。
【図4】本発明の一態様に係る表示装置を説明する断面図。
【図5】本発明の一態様に係る表示装置を説明する断面図。
【図6】本発明の一態様に係る表示装置におけるシャッターを説明する斜視図。
【図7】本発明の一態様に係る表示装置における第1の表示部を説明する断面図および平面図。
【図8】本発明の一態様に係る表示装置における第1の表示部を説明する断面図および平面図。
【図9】本発明の一態様に係る表示装置における第2の表示部を説明する断面図および平面図。
【図10】本発明の一態様に係る表示装置における第2の表示部を説明する断面図および平面図。
【図11】本発明の一態様に係る表示装置の応用例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する本発明の構成において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。
【0022】
なお、本明細書で説明する各図において、各構成の大きさ、層の厚さ、または領域は、明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。
【0023】
また、本明細書にて用いる第1、第2、第3などの用語は、構成要素の混同を避けるために付したものであり、数的に限定するものではない。そのため、例えば、「第1の」を「第2の」または「第3の」などと適宜置き換えて説明することができる。
【0024】
(実施の形態1)
本実施の形態では、開示する発明の一態様に係る、シースルー機能を有する表示装置について図1乃至図3を用いて説明する。
【0025】
図1は、開示する発明の一態様に係る、シースルー機能を有する表示装置の構成を模式的に示した斜投影図である。図1に示される表示装置は、両面発光型の発光素子を含む画素を有する第1の表示部14と、光散乱性の液晶層を有する第2の表示部18と、第1の表示部14と第2の表示部18の間にシャッター状の遮光手段10を有する。第1の表示部14は、少なくとも両面発光型の発光素子が非発光状態の場合に透光性を有し、第2の表示部18は、少なくとも光散乱性の液晶層が透過状態の場合に透光性を有する。
【0026】
第1の表示部14は、両面発光型の発光素子を用いたシースルー機能を持つ発光表示装置として機能し、各画素において発光状態と非発光状態を切り替えることができる。
【0027】
第2の表示部18は、光散乱性の液晶層を用いた液晶表示装置として機能し、不透明な散乱状態と透光性を有する透過状態とを切り替えることができる。
【0028】
シャッター状の遮光手段10は、第1の表示部14側から第2の表示部18側に向かう光および第2の表示部18側から第1の表示部14側に向かう光について遮光状態と透過状態を切り替えることができる。なお、遮光手段10は上記遮光状態と透過状態を切り替えることができる機構を有すればよく、例えば、開口部を有する遮光層と当該開口部を遮光することができる可動遮光層からなるシャッターなどを用いることができる。
【0029】
以上のようにシースルー機能を有する表示装置において、両面発光型の発光素子を含む画素を有する第1の表示部と、光散乱性の液晶層を有する第2表示部との間に、シャッター状の遮光手段を設けることにより、第1の表示部、第2の表示部およびシャッター状の遮光手段を切り替えるだけで容易に用途や状況に応じた多様な表示モードを可能とする表示装置を提供することができる。
【0030】
なお、第1の表示部14、第2の表示部18および遮光手段10の具体的な構成については、図2および図3の説明において後述する。なお、図1に示す第1の表示部14はアクティブマトリクス型の発光表示装置のように描かれているが、第1の表示部14はこれに限られるものではない。また、図1に示すシャッター状の遮光手段10は第1の表示部14の画素に対応して遮光手段が設けられるように描かれているが、シャッター状の遮光手段10はこれに限られるものではない。
【0031】
以下に図1で示した、シースルー機能を有する表示装置の構成例および表示モードについて図2および図3を用いて説明する。
【0032】
図2(A)乃至図2(C)は、それぞれ開示する発明の一態様に係る、シースルー機能を有する表示装置の断面図であり、第1の表示部104側から視認できる表示モードを示している。図2(A)は第1の表示部104の背景が黒表示の表示モードを、図2(B)は第1の表示部104の背景が白表示の表示モードを、図2(C)は第1の表示部104の背景がシースルー表示の表示モードを示している。
【0033】
まず、図2(A)乃至図2(C)に示される表示装置の構成について説明する。図2(A)乃至図2(C)に示される表示装置は、透光性を有する第1の支持体100と、第1の支持体100に設けられた両面発光型の発光素子を有する第1の表示部104と、第1の支持体100に対向して設けられた透光性を有する第2の支持体102と、第2の支持体102に第1の表示部104と対向して設けられた、光散乱性の液晶層を有する第2の表示部108と、第1の表示部104と第2の表示部108の間に設けられた、遮光層110aと可動遮光層110bとを含むシャッター110とを有する。第1の表示部104は少なくとも両面発光型の発光素子が非発光状態の場合に透光性を有し、第2の表示部108は少なくとも光散乱性の液晶層が透過状態の場合に透光性を有する。第1の支持体100と第2の支持体102の間はシール材112によって封止される。
【0034】
ここで、第1の表示部104が図1に示す第1の表示部14に対応し、シャッター110が図1に示す遮光手段10に対応し、第2の表示部108が図1に示す第2の表示部18に対応する。
【0035】
第1の支持体100および第2の支持体102としては透光性を有する基板を用いることができる。例えば、ガラス基板、セラミックス基板などを用いることができる。また、第1の支持体100および第2の支持体102として、プラスチック基板などの、透光性と可撓性を有する基板を用いることができる。プラスチック基板としては、FRP(Fiberglass−Reinforced Plastics)板、PVF(ポリビニルフルオライド)フィルム、ポリエステルフィルムまたはアクリル樹脂フィルムを用いることができる。また、アルミニウムホイルをPVFフィルムやポリエステルフィルムで挟んだ構造のシートを用いることもできる。
【0036】
図1に示す第1の表示部14に対応する第1の表示部104は、複数の画素を有し、各画素には少なくとも一つ以上の両面発光型の発光素子が形成されている。発光素子としてはエレクトロルミネッセンスを利用するものが適用でき、発光材料により有機EL(Electro Luminescence)素子と無機EL素子に区別される。なお、本明細書等において、両面発光とは、発光素子の発光を当該発光素子の陽極と陰極の両方の側から取り出すことができる発光形式のことを示す。
【0037】
有機EL素子は、発光素子に電圧を印加することにより、一対の電極から電子および正孔がそれぞれ発光性の有機化合物を含む層に注入され、電流が流れる。そして、それらキャリア(電子および正孔)が再結合することにより、発光性の有機化合物が励起状態を形成し、その励起状態が基底状態に戻る際に発光する。このようなメカニズムから、このような発光素子は、電流励起型の発光素子と呼ばれる。
【0038】
一方、無機EL素子は、その素子構成により、分散型無機EL素子と薄膜型無機EL素子とに分類される。分散型無機EL素子は、発光材料の粒子をバインダ中に分散させた発光層を有するものであり、発光メカニズムはドナー準位とアクセプター準位を利用するドナー−アクセプター再結合型発光である。薄膜型無機EL素子は、発光層を誘電体層で挟み込み、さらにそれを電極で挟んだ構造であり、発光メカニズムは金属イオンの内殻電子遷移を利用する局在型発光である。
【0039】
本実施の形態では、発光素子として有機EL素子を用いて説明する。有機EL素子は陰極と陽極の間に電界発光層を積層させて形成される。ここで陰極と陽極の間に設けられる電界発光層の厚さは10nm乃至1000nmとし、好ましくは100nm乃至400nmとする。また、電界発光層は単数の層で構成されていても、複数の層が積層されるように構成されていてもどちらでも良い。電界発光層が複数の層で構成される場合、例えば、陰極、電子注入層、電子輸送層、発光層、ホール輸送層、ホール注入層、陽極の順に積層する。なおこれらの層を全て設ける必要はない。
【0040】
陰極および陽極に用いる導電膜としては透光性を有する導電材料が好ましく、酸化亜鉛、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム錫酸化物(以下、ITOと示す。)、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの導電性酸化物を用いることができる。また、透光性を有する導電膜として光が透過する程度の膜厚(好ましくは、5nm〜30nm程度)の金属膜を用いることができる。特に陰極に用いる導電材料は仕事関数が小さい材料が好ましいので、例えば、Ca、Al、CaF、MgAg、AlLi等を上記の膜厚で用いることが好ましい。また、これらの金属膜を上記の導電性酸化物に積層させて用いても良い。また、第1の表示部104は、少なくとも非発光状態の場合に透光性を有するように、発光素子以外の構成についても透光性を有するようにする。
【0041】
また、有機EL素子に酸素、水素、水分、二酸化炭素等が侵入しないように、有機EL素子の上に保護膜を形成してもよい。保護膜としては、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、DLC(Diamond−Like Carbon)膜等を形成することができる。
【0042】
また、第1の表示部104は、パッシブマトリクス型としてもよいし、TFTなどのトランジスタによって発光素子の駆動が制御されるアクティブマトリクス型としてもよい。いずれの場合においても、各画素に電気的に接続される配線を格子状に設ける必要がある。開口率の向上を図る点において、第1の表示部の配線として用いる導電膜としては透光性を有する導電材料が好ましく、上述の陰極および陽極に用いる透光性を有する導電材料を用いることができる。ただし、配線の導電性向上を図りたい場合には、アルミニウム、クロム、銅、タンタル、チタン、モリブデン、タングステン、マンガン、ジルコニウムから選ばれた金属元素、または上述した金属元素を成分とする合金か、上述した金属元素を組み合わせた合金などを用いることもできる。
【0043】
また、第1の表示部104をアクティブマトリクス型とする場合、トランジスタも透光性を有する材料で形成するのが好ましい。トランジスタに用いる透光性を有する半導体膜としては、酸化物半導体膜を用いるのが好ましい。当該酸化物半導体膜としては、四元系金属酸化物であるIn−Sn−Ga−Zn系金属酸化物や、三元系金属酸化物であるIn−Ga−Zn系金属酸化物、In−Sn−Zn系金属酸化物、In−Al−Zn系金属酸化物、Sn−Ga−Zn系金属酸化物、Al−Ga−Zn系金属酸化物、Sn−Al−Zn系金属酸化物や、二元系金属酸化物であるIn−Zn系金属酸化物、Sn−Zn系金属酸化物などが用いられる。
【0044】
なお、トランジスタの活性層に用いる上述の酸化物半導体膜は、熱処理によって、水素、水分、水酸基または水素化物(水素化合物ともいう)などの不純物を酸化物半導体より排除し、かつ不純物の排除工程によって同時に減少してしまう酸化物半導体を構成する主成分材料である酸素を供給することによって、酸化物半導体膜を高純度化および電気的にi型(真性)化されたものとすることが好ましい。このように高純度化された酸化物半導体膜を含むトランジスタは、電気的特性変動が抑制されており、電気的に安定である。
【0045】
なお、第1の表示部104の構造例の詳細については後の実施の形態に記載する。
【0046】
図1に示す第2の表示部18に対応する第2の表示部108は、液晶粒による光の散乱光を利用して白表示(明表示)を行う光散乱性の液晶層を有する。光散乱性の液晶としては、例えば、高分子分散型液晶(PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)、高分子分散液晶、ポリマー分散型液晶ともいう)又は高分子ネットワーク型液晶(PNLC(Polymer Network Liquid Crystal))が挙げられる。これらを用いた液晶層は高分子ネットワークを形成する高分子層中に液晶粒が分散された構成となっている。
【0047】
また、上記の光散乱性の液晶は、あらかじめ液晶を配向させず、かつ入射した光に偏光を行わないため、配向膜及び偏光板を設けなくてもよい。従って、上記の光散乱性の液晶を用いた第2の表示部108は、配向膜及び偏光板を設ける必要がないため、配向膜及び偏光板による光の吸収がなく、より高輝度な明るい表示画面とすることができる。よって、第2の表示部108の光の利用効率が良好となるので、低消費電力化を図ることができる。
【0048】
第2の表示部108において、光散乱性の液晶層は透光性を有する導電膜によって挟持されるように設けられ、液晶素子を形成する。ここで、透光性を有する導電膜としては、第1の表示部104の有機EL素子の陰極および陽極に用いた導電膜と同様のものを用いることができる。また、第2の表示部108は、少なくとも光散乱性の液晶層が透過状態の場合に透光性を有するように、液晶素子以外の構成についても透光性を有するようにする。
【0049】
上記の光散乱性の液晶層において、上面および下面に設けられた導電膜に電圧を印加しない場合(オフ状態ともいう)は、高分子層内に分散している液晶粒はランダムに配列し高分子の屈折率と液晶分子の屈折率とが異なるため、入射した光は液晶粒によって散乱され、液晶層は不透明な白濁した状態となる。よって視認側から確認できる表示も白表示となる。
【0050】
一方、上面および下面に設けられた導電膜に電圧を印加した場合(オン状態ともいう)、光散乱性の液晶層に電界が形成され、液晶粒内の液晶分子は電界方向に配列し高分子の屈折率と液晶分子短軸の屈折率とがほぼ一致するため、入射した光は液晶粒で散乱されず、液晶層を透過する。よって、液晶層は透光性となり透明な状態となる。液晶層が透光性な状態となった場合は、視認側から確認できる表示は、液晶層の前後に設けられる材料に依存する。
【0051】
なお、本実施の形態では第2の表示部108が、光散乱性を有する液晶層と、当該液晶層の上面および下面に設けられる透光性を有する導電膜と、を有し、当該導電膜は第2の支持体102の基板面に対して一様に形成される構成とした。つまり、第2の表示部108に画素を設けない構成としたが、本実施の形態はこれに限られるものではない。第2の表示部108の液晶層の上面および下面に設けられる透光性を有する導電膜を行方向および列方向に分割して画素電極として、第2の表示部108に複数の画素を設ける構成としても良い。
【0052】
なお、第2の表示部108の構造例の詳細については後の実施の形態に記載する。
【0053】
第1の表示部104と第2の表示部108との間には、開閉可能なシャッター状の遮光手段を設ける。図2(A)乃至図2(C)に示す表示装置においては、遮光層110aと可動遮光層110bとを含むシャッター110が、図1に示すシャッター状の遮光手段10にあたる。
【0054】
シャッター110はMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を用いて形成することが好ましい。図2(A)乃至図2(C)に示す表示装置においては、第1の表示部104と第2の表示部108との間にMEMS構造体部106aとMEMS駆動素子部106bとを設ける。MEMS構造体部106aは、3次元的な立体構造を有し、且つ一部が可動する微小構造体であるシャッター110を複数有する。シャッター110は開口部110cが設けられた遮光層110aと、開口部110cを遮光することができる可動遮光層110bとを有する。ここで、開口部110cの少なくとも一部は、第1の表示部104に設けられた画素と重畳するように設けられる。
【0055】
シャッター110は、可動遮光層110bを開口部110cと重畳させることで開口部110cを通過しようとする光を遮光し、可動遮光層110bを開口部110cと重畳させないように移動させることで開口部110cに光を通過させる。図3に示す平面図にマトリクス状に設けられたシャッター110の例を示す。
【0056】
図3(A−1)および図3(A−2)に示すシャッター110は、遮光層110aの各開口部110cに一つずつ行方向にスライドできる可動遮光層110bが設けられている。開口部110cが第1の表示部104の画素に対応して設けられている場合、各画素に一つずつ可動遮光層110bが設けられることになる。
【0057】
図3(A−1)はシャッター110が閉まっている状態を示し、図3(A−2)は一部のシャッター110が開き、残りのシャッター110が閉まっている状態を示す。図3(A−1)および図3(A−2)のように各開口部110cに可動遮光層110bを設けることにより、開口部110cごとにシャッター110の開閉を設定することができ、開口部110cを第1の表示部104の画素に対応して設けている場合、画素ごとにシャッター110の開閉を設定することができる。なお、図3(A−2)では、一部のシャッター110を開くようにしたが、もちろん全てのシャッター110を開いてもよい。
【0058】
また、図3(A−1)および図3(A−2)では、可動遮光層110bおよび開口部110cの形状を矩形状としたがこれに限られることなく、円形、楕円形、多角形等にしてもよい。
【0059】
また、可動遮光層110bおよび開口部110cをスリット状に形成しても良い。図3(A−1)および図3(A−2)に示すシャッター110の可動遮光層110bおよび開口部110cをスリット状にしたものを図3(B−1)および図3(B−2)に示す。ここで、可動遮光層110bの可動領域は開口部110cにおける可動遮光層110bのスライド方向(行方向)の幅に応じて設定される。よって、図3(B−1)および図3(B−2)に示すように、開口部110cの行方向の幅を狭くすることにより、可動遮光層110bの可動領域を狭く設定することができる。これにより、シャッター110一つあたりの占有面積を狭くすることができるので、MEMS構造体部106aの高開口率化を図ることができる。また、これにより、シャッター110の開閉に必要な消費電力も低減することができる。さらに、開口部110cを第1の表示部104の画素に対応して設ける場合、当該画素をより集積して設けることができる。
【0060】
また、一つの可動遮光層110bで、可動遮光層110bのスライド方向に垂直な方向(列方向)に並んだ複数の開口部110cを遮光できるようにしてもよい。図3(A−1)および図3(A−2)に示すシャッター110の可動遮光層110bを列方向に伸長したものを図3(C−1)および図3(C−2)に示す。
【0061】
また、一つの可動遮光層110bで、可動遮光層110bのスライド方向(行方向)に並んだ複数の開口部110cを遮光できるようにしてもよい。図3(A−1)および図3(A−2)に示すシャッター110の可動遮光層110bを行方向に伸長したものを図3(D−1)および図3(D−2)に示す。
【0062】
なお、図3に示す可動遮光層110bおよび開口部110cの形状などは互いに適宜組み合わせて用いることができる。
【0063】
遮光層110aまたは可動遮光層110bとしては遮光性を有する材料を用いる。例えば、クロム、モリブデン、ニッケル、チタン、銅、タングステン、タンタル、ネオジム、アルミニウム、シリコンなどの金属、合金または酸化物などを用いることができる。
【0064】
また、MEMS構造体部106aおよびシャッター110には、遮光層110aおよび可動遮光層110bの他に可動遮光層110bを基板平面に平行にスライドさせるためのアクチュエータや、可動遮光層110bを支持する構造体などが含まれる。なお、シャッター110の構造例の詳細については後の実施の形態に記載する。
【0065】
また、アクチュエータを介して可動遮光層110bを駆動させるトランジスタがMEMS駆動素子部106bに形成される。MEMS駆動素子部106bに用いるトランジスタは透光性を有する材料で形成されることが好ましく、第1の表示部104で用いたトランジスタと同様のものを用いることができる。また、MEMS駆動素子部106bの配線として用いる導電膜としては透光性を有する導電材料が好ましく、第1の表示部104で用いた配線と同様のものを用いることができる。
【0066】
なお、図2(A)乃至図2(C)において、MEMS構造体部106aとMEMS駆動素子部106bを明確に分けているが、本実施の形態に示す表示装置は必ずしもこれに限定されない。例えば、遮光層110aと可動遮光層110bの間に可動遮光層110bを駆動するためのトランジスタおよび当該トランジスタを駆動するための配線を設けるような構成としても良い。
【0067】
また、シール材112としては、代表的には可視光硬化性、紫外線硬化性または熱硬化性の樹脂を用いるのが好ましい。代表的には、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、アミン樹脂などを用いることができる。また、光(代表的には紫外線)重合開始剤、熱硬化剤、フィラー、カップリング剤を含んでもよい。
【0068】
また、第1の支持体100、第2の支持体102、およびシール材112によって封止された空間には充填材が封入されている。充填材としては窒素やアルゴンなどの不活性な気体を用いることができる。このように充填材を封入することにより、酸素、水素、水分、二酸化炭素等が侵入し、有機EL素子やシャッター110などが劣化するのを防ぐことができる。
【0069】
また、第1の支持体100、第2の支持体102、およびシール材112によって封止された空間に柱状または球状のスペーサを設けて当該空間の高さを制御しても良い。ただし、柱状または球状のスペーサがシャッター110の可動遮光層110bに干渉しないようにする必要がある。
【0070】
次に図2(A)乃至図2(C)に示す第1の表示部104側から視認できる表示モードについて説明する。
【0071】
図2(A)に示す第1の表示部104側から視認できる表示モードは、第1の表示部104の背景が黒表示(暗表示)となる表示モードである。当該表示モードでは、シャッター110の可動遮光層110bを遮光層110aの開口部110cに重畳させているので、第2の支持体102側からの光は開口部110cにおいて遮光される。よって、第1の表示部104側から視認できる光は第1の表示部104の発光だけになる。このとき、第1の表示部104において非発光状態の画素からはほとんど光が射出されないので非発光状態の画素は黒表示となる。
【0072】
なお、本明細書等において、黒表示とは、画素と重畳するシャッター110が閉まっている状態における非発光状態の画素の表示を示すものとする。よって、黒表示という記載は当該画素から射出される光が全くないということを指すものではない。例えば、シャッター110の可動遮光層110bに金属膜などの反射性を有する膜を用いた場合、可動遮光層110bに反射した光が画素からわずかに射出されることもあるが、このような場合も黒表示というものとする。
【0073】
なお、図2(A)に示す表示モードでは、第2の表示部108は散乱状態としていてもよいし、透過状態としていてもよい。
【0074】
図2(A)に示す表示モードにおいては、開口部110cを可動遮光層110bによって遮光するので、第1の表示部104の映像を第2の支持体102側から覗かれたり、第1の表示部の映像に第2の支持体102側の景色が写り込んだりすることを防ぐことができる。さらに、開口部110cを可動遮光層110bによって遮光することにより、第2の支持体102側から非発光状態の画素に余計な光が入射することをふせぐことができるので、非発光状態の画素でコントラストの良好な黒色を発色することができる。
【0075】
図2(B)に示す第1の表示部104側から視認できる表示モードは、第1の表示部104の背景が白表示(明表示)となる表示モードである。当該表示モードでは、シャッター110の可動遮光層110bを遮光層110aの開口部110cに重畳させず、第2の表示部108を散乱状態としているので、第2の表示部108の散乱光が開口部110cを通って第1の支持体100側に射出される。よって、第1の表示部104側から視認できる光は第1の表示部104の発光と第2の表示部108の散乱光となる。このとき、第1の表示部104において非発光状態の画素から射出される光はほとんど第2の表示部108の散乱光となるので非発光状態の画素は白表示となる。また、第2の支持体側に向かう第1の表示部104の発光は、開口部110cを通って第2の表示部108に入射すると散乱されてしまう。
【0076】
なお、本明細書等において、白表示とは、画素と重畳するシャッター110が開いており、且つ第2の表示部108が散乱状態における非発光状態の画素の表示を示すものとする。
【0077】
図2(B)に示す表示モードにおいては、第2の表示部108が散乱状態なので、第1の表示部104の映像を第2の支持体102側から覗かれたり、第1の表示部の映像に第2の支持体102側の景色が写り込んだりすることを防ぐことができる。さらに、第2の表示部108を散乱状態とすることにより、第1の表示部104を発光させることなく第1の表示部104側に白表示することができるので、低消費電力で白表示を行うことが可能となる。
【0078】
図2(C)に示す第1の表示部104側から視認できる表示モードは、第1の表示部104の背景として第2の支持体102の反対側からの光も目に入る、いわゆるシースルー表示となる表示モードである。当該表示モードでは、シャッター110の可動遮光層110bを遮光層110aの開口部110cに重畳させず、第2の表示部108を透過状態としているので、第2の支持体102の向こう側からの入射光が第2の表示部108および開口部110cを通って第1の支持体100側に射出される。よって、第1の表示部104側から視認できる光は第1の表示部104の発光と第2の支持体102の向こう側からの入射光となる。このとき、第1の表示部104において非発光状態の画素から射出される光はほとんど第2の支持体102の向こう側からの入射光となるので非発光状態の画素はシースルー表示となる。なお、図2(C)に示す第2の表示部108は、図2(A)および図2(B)の第2の表示部108とは異なり、透過状態なのでハッチングを変更して示している。
【0079】
なお、本明細書等において、シースルー表示とは、画素と重畳するシャッター110が開いており、且つ第2の表示部108が透過状態における非発光状態の画素の表示を示すものとする。よって、シースルー表示という記載は第2の表示部108側から入射した光が、第1の表示部104側に100%射出されることを指すものではない。例えば、第2の表示部108側から入射した光が遮光層110aなどで吸収減衰されてとしても、シースルー表示というものとする。
【0080】
また、図2(C)に示す表示モードにおいては、第2の表示部108側から第1の表示部104の表示を視認することもできる。
【0081】
図2(C)に示す表示モードにおいては、第2の表示部108が透過状態なので、第1の表示部104の映像と第2の支持体102の向こう側の景色を同時に見ることができる。これにより、第2の支持体102の向こう側の対象に関する情報を第1の表示部104に表示しながら対象を見る、または第1の表示部104に映像を表示して第2の支持体102の向こう側の対象に装飾を施すことができる。
【0082】
また、図2(C)に示す表示モードにおいて、さらに第1の表示部104の発光素子を非発光状態とすることを透過表示と呼ぶ。透過表示とすることにより、第2の支持体102側からの入射光を第1の支持体100側に透過させ、第1の支持体100側からの入射光を第2の支持体102側に透過させることができる。つまり、当該表示装置を窓ガラスなどのように用いることができる。なお、ここでいう透過表示とは、第1の表示部104または第2の表示部108側から入射した光が遮光層110aなどで吸収減衰されてしまう場合も含むものとする。
【0083】
これにより第1の表示部104を発光させないときには、当該表示装置を窓ガラスなどのように、透光性を有する板のような状態で待機させておくことができる。
【0084】
また、図2(A)乃至図2(C)に示す表示モードを第1の表示部104の画素ごとまたはMEMS構造体部106aのシャッター110ごとに使い分けることも可能である。例えば、図2(A)に示す黒表示モードと図2(C)に示すシースルー表示モードを第1の表示部104の画素ごとに使い分けても良い。つまり、第1の表示部104において、発光表示または黒表示をしたい画素については当該画素に重畳するシャッター110を閉めておき、シースルー表示または透過表示をしたい画素については当該画素に重畳するシャッターを開いておくこともできる。これにより、第2の支持体102の向こう側の対象に関する情報を第1の表示部104に表示しながら対象を見る、または第1の表示部104に映像を表示して第2の支持体102の向こう側の対象に装飾を施す際に、第1の表示部104の必要な映像に対して、第2の支持体102の向こう側の景色が透けて写り込むことを防ぐことができる。
【0085】
以上のようにシースルー機能を有する表示装置において、両面発光型の発光素子を含む画素を有する第1の表示部と、光散乱性の液晶層を有する第2表示部との間に、シャッター状の遮光手段を設けることにより、第1の表示部、第2の表示部およびシャッター状の遮光手段を切り替えるだけで容易に用途や状況に応じた多様な表示モードを可能とする表示装置を提供することができる。
【0086】
以上、本実施の形態に示す構成などは、他の実施の形態に示す構成などと適宜組み合わせて用いることができる。
【0087】
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1に示すシースルー機能を有する表示装置とは異なる態様の表示装置について図4を用いて説明する。
【0088】
図4に示す表示装置は、透光性を有する第1の支持体100と、第1の支持体100に設けられた発光素子を有する第1の表示部104と、第1の支持体100に対向して設けられた透光性を有する第2の支持体102と、第2の支持体102の第1の表示部104とは反対側に設けられた、光散乱性の液晶層を有する第2の表示部108と、第1の表示部104と第2の支持体102の間に設けられた、MEMS構造体部106aとMEMS駆動素子部106bとを有する。MEMS構造体部106aは、開口部110cが設けられた遮光層110aと、開口部110cを遮光することができる可動遮光層110bとを含むシャッター110を有し、MEMS駆動素子部106bはシャッター110を駆動するトランジスタを有する。第1の支持体100と第2の支持体102の間はシール材112によって封止される。
【0089】
つまり、図2(A)乃至図2(C)に示す表示装置と図4に示す表示装置の相違点は、第2の表示部108が第1の支持体100と第2の支持体102との間に設けられているか否かという点である。その他の構成については、図2(A)乃至図2(C)に示す表示装置と同様なので詳細についてはそちらを参酌することができる。
【0090】
本実施の形態において、第2の表示部108は第1の支持体100、第2の支持体102およびシール材112で封止された領域の外側に設けられるので、酸素、水素、水分、二酸化炭素等が侵入しないように、第2の表示部108の上に保護膜を形成することが好ましい。保護膜としては、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、DLC(Diamond−Like Carbon)膜等を形成することができる。さらに外気に曝されないように気密性が高く、脱ガスの少ない保護フィルム(貼り合わせフィルム、紫外線硬化樹脂フィルム等)やカバー材でパッケージング(封入)することが好ましい。
【0091】
なお、第2の表示部108の構造例の詳細については後の実施の形態に記載する。
【0092】
なお、図4に示す表示装置の、第1の表示部104側から視認できる表示モードは、第1の表示部104の背景が黒表示(暗表示)となる表示モードとしているが、もちろんこれに限られるものではなく、実施の形態1と同様に、図2(A)乃至図2(C)に示すような各種の表示モードを用いることができる。
【0093】
また、図4に示す表示装置では、第2の表示部108を第1の支持体100、第2の支持体102およびシール材112で封止された領域の外側に設けたが、本実施の形態はこれに限られるものではない。外気に曝されないように気密性が高く、脱ガスの少ない保護フィルムやカバー材で封入できるならば、第1の表示部104を当該領域の外に設けても良い。その場合、図2(A)乃至図2(C)に示す構成において、第1の表示部104を第1の支持体100の第2の表示部108とは反対側に設け、MEMS構造体部106aおよびMEMS駆動素子部106bを第2の表示部108と第1の支持体100の間に設けるような構成となる。
【0094】
以上、本実施の形態に示す構成などは、他の実施の形態に示す構成などと適宜組み合わせて用いることができる。
【0095】
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態1に示すシースルー機能を有する表示装置とは異なる態様の表示装置について図5を用いて説明する。
【0096】
図5(A)および図5(B)は、それぞれ開示する発明の一態様に係る表示装置の断面図である。図5(A)は両面表示の表示モードを、図5(B)は第1の表示部104をバックライトとして用いる表示モードを示している。
【0097】
まず、図5(A)および図5(B)に示される表示装置の構成について説明する。図5(A)および図5(B)に示される表示装置は、透光性を有する第1の支持体100と、第1の支持体100に設けられた発光素子を有する第1の表示部104と、第1の支持体100に対向して設けられた透光性を有する第2の支持体102と、第2の支持体102に第1の表示部104と対向して設けられた、光散乱性の液晶層を有する第2の表示部208と、第1の表示部104と第2の表示部208の間に設けられた、MEMS構造体部106aとMEMS駆動素子部106bとを有する。MEMS構造体部106aは、開口部110cが設けられた遮光層110aと、開口部110cを遮光することができる可動遮光層110bとを含むシャッター110を有し、MEMS駆動素子部106bはシャッター110を駆動するトランジスタを有する。第1の表示部104は複数の第1の画素を有し、第2の表示部208は複数の第2の画素を有し、第1の画素および第2の画素の少なくとも一部は遮光層110aの開口部110cと重畳する。第1の支持体100と第2の支持体102の間はシール材112によって封止される。
【0098】
つまり、図5(A)および図5(B)に示す表示装置は、第2の表示部208に複数の第2の画素が設けられている点において、図2(A)乃至図2(C)に示す表示装置と異なる。その他の構成については、図2(A)乃至図2(C)に示す表示装置と同様なので詳細についてはそちらを参酌することができる。
【0099】
実施の形態1に示す第2の表示部108と異なり、本実施の形態において第2の表示部208は、光散乱性を有する液晶層の上面および下面に設けられる透光性を有する導電膜の一方を分割して画素電極として、第2の表示部208に複数の画素を設ける構成とする。第2の表示部208は、パッシブマトリクス型としてもよいし、TFTなどのトランジスタによって液晶素子の駆動が制御されるアクティブマトリクス型としてもよい。いずれの場合においても、各画素に電気的に接続される配線を格子状に設ける必要がある。第2の表示部の配線として用いる導電膜としては、先の実施の形態において、第1の表示部の配線として用いた導電膜を用いることができるので、詳細についてはそちらを参酌することができる。また、第2の表示部208をアクティブマトリクス型とする場合、トランジスタも透光性を有する材料で形成されることが好ましく、実施の形態1に示す第1の表示部104と同様のものを用いることができる。
【0100】
次に図5(A)および図5(B)に示す表示モードについて説明する。なお、本実施の形態に示す表示装置においても、実施の形態1と同様に図2(A)乃至図2(C)に示す表示モードはもちろん可能である。
【0101】
図5(A)に示す表示モードは、第1の支持体100側からは第1の表示部104の映像を視認することができ、第2の支持体102側からは第2の表示部208の映像を視認することができる、両面表示の表示モードである。当該表示モードでは、シャッター110の可動遮光層110bを遮光層110aの開口部110cに重畳させているので、第1の支持体100側からの光も第2の支持体102側からの光もシャッター110において遮光される。よって、第1の支持体100側から視認できる映像は第1の表示部104の映像だけとなり、第2の支持体102側から視認できる映像は第2の表示部208の映像だけとなる。つまり、図5(A)に示す表示モードでは、一つの表示装置の両面に異なる映像を表示させることができる。
【0102】
また、図5(B)に示す表示モードでは、第1の表示部104を第2の表示部208のバックライトとして用いる表示モードである。当該表示モードでは、シャッター110の可動遮光層110bを遮光層110aの開口部110cに重畳させず、第1の表示部104を発光状態としているので、第1の表示部104の発光が開口部110cを通って、第2の表示部208に入射する。よって、第1の表示部104において、赤(R)色を呈色する発光素子、緑(G)色を呈色する発光素子、青(B)色を呈色する発光素子を設けることにより、第2の表示部208に着色層を用いることなくフルカラー表示を行うことが可能となる。例えば、RGBの3色の発光素子を順次点灯させ、色を切り替えてフルカラー表示をするフィールドシーケンシャル方式を用いることもできる。
【0103】
以上のようにシースルー機能を有する表示装置において、両面発光型の発光素子を含む第1の画素を有する第1の表示部と、光散乱性の液晶層から成る第2の画素を有する第2表示部との間に、シャッター状の遮光手段を設けることにより、第1の表示部、第2の表示部およびシャッター状の遮光手段を切り替えるだけで容易に用途や状況に応じた多様な表示モードを可能とする表示装置を提供することができる。
【0104】
以上、本実施の形態に示す構成などは、他の実施の形態に示す構成などと適宜組み合わせて用いることができる。
【0105】
(実施の形態4)
本実施の形態では、先の実施の形態に示すシースルー機能を有する表示装置に設けられたシャッターの構造例について図6を用いて説明する。
【0106】
図6は、シャッター300の斜視図である。シャッター300は、アクチュエータ311に結合された可動遮光層302を有する。アクチュエータ311は開口部304を有する遮光層(図面が煩雑となるため図示せず)上に設けられており、2つの柔軟性を有するアクチュエータ315を有する。可動遮光層302の一方の辺は、アクチュエータ315に接続されている。アクチュエータ315は、可動遮光層302を、開口部304を有する遮光層表面に平行な横方向に移動させる機能を有する。なお、シャッター300は先の実施の形態に示すシャッター110に対応し、開口部304を有する遮光層は先の実施の形態に示す遮光層110aに対応し、開口部304は先に実施の形態に示す開口部110cに対応し、可動遮光層302は先の実施の形態に示す可動遮光層110bに対応する。
【0107】
アクチュエータ315は、可動遮光層302及び構造体319に接続する可動電極321と、構造体323に接続する可動電極325とを有する。可動電極325は、可動電極321に隣接しており、可動電極325の一端は構造体323に接続し、他端は自由に動くことができる。また、可動電極325の自由に動くことが可能な端部は、可動電極321及び構造体319の接続部で最も近くなるように、湾曲している。
【0108】
可動遮光層302の他方の辺は、アクチュエータ311によって及ぼされた力に対抗する復元力を有するスプリング317に接続されている。スプリング317は構造体327に接続されている。
【0109】
構造体319、構造体323、構造体327は、開口部304を有する遮光層の表面の近傍において、可動遮光層302、アクチュエータ315、及びスプリング317を、浮遊させる機械的支持体として機能する。
【0110】
可動遮光層302の下方には、遮光層で囲まれる開口部304が設けられる。なお、本実施の形態において、可動遮光層302および開口部304の形状は図3(B−1)および図3(B−2)に示すものを用いているが、これに限られるものではなく、先の実施の形態で示した他の形状のものを用いてももちろんよい。
【0111】
シャッター300に含まれる構造体323は、図示しないトランジスタと接続する。当該トランジスタは、先の実施の形態においてMEMS駆動素子部106bに設けられていた、可動遮光層を駆動するためのトランジスタである。これにより、構造体323に接続される可動電極325に、トランジスタを介して任意の電圧を印加することができる。また、構造体319、構造体327は、それぞれ接地電極(GND)と接続する。このため、構造体319に接続する可動電極321及び構造体327に接続するスプリング317の電位は、GNDとなっている。なお、構造体319、構造体327は、任意の電圧を印加できる共通電極に電気的に接続されてもよい。
【0112】
可動電極325に電圧が印加されると、可動電極325と可動電極321との間の電位差により、可動電極321及び可動電極325が電気的に引き寄せあう。この結果、可動電極321に接続する可動遮光層302が、構造体323の方へ引きよせられ、構造体323の方へ横方向に移動する。可動電極321はスプリングとして働くため、可動電極321と可動電極325との間の電位差が除去されると、可動電極321は、可動電極321に蓄積された応力を解放しながら、可動遮光層302をその初期位置に押し戻す。なお、可動電極321が可動電極325に引き寄せられている状態で、開口部304が可動遮光層302に塞がれるように設定してもよいし、逆に開口部304上に可動遮光層302が重ならないように設定してもよい。
【0113】
シャッター300の作製方法について、以下に説明する。開口部304を有する遮光層上にフォトリソグラフィ工程により所定の形状を有する犠牲層を形成する。犠牲層としては、ポリイミド、アクリル等の有機樹脂、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン等の無機絶縁膜等で形成することができる。なお、本明細書などにおいて、酸化窒化シリコンとは、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多いものを指し、窒化酸化シリコンとは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多いものを指すものとする。ここで、酸素および窒素の含有量は、ラザフォード後方散乱法(RBS:Rutherford Backscattering Spectrometry)または水素前方散乱法(HFS:Hydrogen Forward scattering Spectrometry)を用いて測定するものとする。
【0114】
次に、犠牲層上に印刷法、スパッタリング法、蒸着法等により遮光性を有する材料を形成した後、選択的にエッチングをしてシャッター300を形成する。遮光性を有する材料としては例えば、クロム、モリブデン、ニッケル、チタン、銅、タングステン、タンタル、ネオジム、アルミニウム、シリコンなどの金属、合金または酸化物などを用いることができる。または、インクジェット法によりシャッター300を形成する。シャッター300は、厚さ100nm以上5μm以下で形成することが好ましい。
【0115】
次に、犠牲層を除去することで、空間において可動可能なシャッター300を形成することができる。なお、この後、シャッター300の表面を酸素プラズマ、熱酸化等で酸化し、酸化膜を形成することが好ましい。または、原子層蒸着法、CVD法により、シャッター300の表面に、アルミナ、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)等の絶縁膜を形成することが好ましい。当該絶縁膜をシャッター300に設けることで、シャッター300の経年劣化を低減することができる。
【0116】
以上のような構成のシャッター状の遮光手段を、先の実施の形態に示す、透光性を有する支持体に設けられた発光素子を有する第1の表示部と、透光性を有する支持体に設けられた光散乱性の液晶層を有する第2の表示部との間に設けることにより、容易に用途や状況に応じた多様な表示モードを可能とする表示装置を提供することができる。
【0117】
以上、本実施の形態に示す構成などは、他の実施の形態に示す構成などと適宜組み合わせて用いることができる。
【0118】
(実施の形態5)
本実施の形態では、先の実施の形態に示すシースルー機能を有する表示装置に設けられたアクティブマトリクス型の第1の表示部の構造例について図7(A)および図7(B)を用いて説明する。
【0119】
図7(A)はアクティブマトリクス型の第1の表示部に設けられた画素の一を示す平面図であり、本実施の形態に示す第1の表示部は当該画素がマトリクス状に配列している。図7(B)は図7(A)における線A−Bの断面図である。なお、図7(A)において、図7(B)に示す構造の一部は、図面が煩雑となるので省略している。
【0120】
図7(A)および図7(B)に示す第1の表示部は、トランジスタ401、トランジスタ402、発光素子403、容量素子404、ソース配線層405、ゲート配線層406、電源線407を含む。ここで、トランジスタ401、402はnチャネル型薄膜トランジスタとする。
【0121】
トランジスタ401のソース電極またはドレイン電極の一方は、ソース配線層405と電気的に接続されており、ゲート電極はゲート配線層406と電気的に接続されており、ソース電極またはドレイン電極の他方は、容量素子404の電極の一方およびトランジスタ402のゲート電極と電気的に接続されている。また、トランジスタ402のソース電極またはドレイン電極の一方は電源線407と電気的に接続されており、ソース電極またはドレイン電極の他方は、発光素子403の第1の電極層420と電気的に接続される。また、容量素子404の電極の他方は電源線407と電気的に接続される。
【0122】
本実施の形態に示す第1の表示部は、第1の支持体400上にトランジスタ401、トランジスタ402および容量素子404が設けられ、トランジスタ401およびトランジスタ402を覆うように絶縁層411と絶縁層413が設けられる。なお、第1の支持体400は先の実施の形態に示す第1の支持体100と同様のものである。
【0123】
トランジスタ401およびトランジスタ402は、先の実施の形態に示すトランジスタと同様のものを用いることができ、透光性を有する材料で形成することが好ましい。詳細については先の実施の形態を参酌することができる。なお、本実施の形態では、トランジスタ401およびトランジスタ402としてチャネルエッチ型のトランジスタを用いているが、これに限られるものではない。例えば、チャネル保護型としてもよいし、トップゲート型としてもよい。
【0124】
容量素子404は、トランジスタ401およびトランジスタ402のゲート電極と同じ層の導電膜と、当該トランジスタとのゲート絶縁膜と同じ層の絶縁膜と、当該トランジスタのソース電極またはドレイン電極と同じ層の導電膜を用いて形成することができる。
【0125】
なお、トランジスタ401、トランジスタ402および容量素子404と電気的に接続される、ソース配線層405、ゲート配線層406および電源線407は、先の実施の形態に示す第1の表示部の配線と同様のものを用いることができる。よって、詳細については先の実施の形態を参酌することができる。
【0126】
絶縁層411は、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウムなどを用いて形成することができる。また、絶縁層413は、無機絶縁材料または有機絶縁材料を用いて形成することができる。なお、アクリル樹脂、ポリイミド、ベンゾシクロブテン樹脂、ポリアミド、エポキシ樹脂等の、耐熱性を有する有機絶縁材料を用いると、平坦化絶縁膜として好適である。また、上記有機絶縁材料の他に、低誘電率材料(low−k材料)、シロキサン系樹脂、PSG(リンガラス)、BPSG(リンボロンガラス)等を用いることができる。なお、これらの材料で形成される絶縁膜を複数積層させることで、絶縁層を形成してもよい。
【0127】
また、絶縁層413上に設けられた第1の電極層420と、第1の電極層420上に設けられた電界発光層422と、電界発光層422を覆うように設けられた第2の電極層423により発光素子403が形成されている。
【0128】
本実施の形態では画素のトランジスタ402がn型であるので、画素電極層である第1の電極層420を陰極として用い、第2の電極層423を陽極として用いることが好ましい。第1の電極層420および第2の電極層423は先の実施の形態で示した透光性を有する導電材料を用いて形成することができる。よって、詳細については先の実施の形態を参酌することができる。
【0129】
また、電界発光層422は、単数の層で構成されていても、複数の層が積層されるように構成されていてもどちらでも良い。電界発光層が複数の層で構成される場合、例えば、陰極、電子注入層、電子輸送層、発光層、ホール輸送層、ホール注入層、陽極の順に積層する。なおこれらの層を全て設ける必要はない。
【0130】
また、第1の電極層420上に開口部を形成するように、隔壁421が設けられている。隔壁421は、当該開口部の側壁が連続した曲率を持って形成される傾斜面となるように形成されることが好ましい。
【0131】
隔壁421は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、その他の無機絶縁性材料、又はアクリル酸、メタクリル酸及びこれらの誘導体、又はポリイミド、芳香族ポリアミド、ポリベンゾイミダゾールなどの耐熱性高分子、又はシロキサン樹脂を用いてもよい。また、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールなどのビニル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ノボラック樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂材料を用いてもよい。
【0132】
また、発光素子403に酸素、水素、水分、二酸化炭素等が侵入しないように、第2の電極層423及び隔壁421上に保護膜424を形成してもよい。保護膜424としては、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、DLC膜等を形成することができる。
【0133】
以上、本実施の形態に示す構成などは、他の実施の形態に示す構成などと適宜組み合わせて用いることができる。
【0134】
(実施の形態6)
本実施の形態では、先の実施の形態に示すシースルー機能を有する表示装置に設けられたパッシブマトリクス型の第1の表示部の構造例について図8(A)、図8(B)および図8(C)を用いて説明する。
【0135】
図8(A)はパッシブマトリクス型の第1の表示部を示す平面図である。図8(B)は図8(A)における線C−Dの断面図であり、図8(C)は図8(A)における線E−Fの断面図である。なお、図8(A)において、図8(B)および図8(C)に示す構造の一部は、図面が煩雑となるので省略している。
【0136】
図8(A)乃至図8(C)に示す第1の表示部は、第1の支持体500上に第1の方向(列方向)に延伸して設けられた第1の電極層520a乃至第1の電極層520cと、第1の電極層520a乃至第1の電極層520c上に開口部を有するように設けられた隔壁521と、隔壁521上に第1の方向に垂直な第2の方向(行方向)に延伸して設けられた隔壁525と、第1の電極層520a乃至第1の電極層520cと隔壁521上に第2の方向に延伸して設けられた電界発光層522a乃至電界発光層522cと、電界発光層522a乃至電界発光層522c上に第2の方向に延伸して設けられた第2の電極層523a乃至第2の電極層523cと、を含む。
【0137】
第1の電極層520a乃至第1の電極層520cと、第2の電極層523a乃至第2の電極層523cとが、隔壁521の開口部を介して電界発光層522a乃至電界発光層522cを挟持して交差する部分に発光素子503が形成され、第1の表示部の画素領域となる。
【0138】
第1の電極層520a乃至第1の電極層520cと、第2の電極層523a乃至第2の電極層523cの一方を陰極として用い、他方を陽極として用いる。第1の電極層520a乃至第1の電極層520c、および第2の電極層523a乃至第2の電極層523cは先の実施の形態で示した透光性を有する導電材料を用いて形成することができる。よって、詳細については先の実施の形態を参酌することができる。ここで、第1の表示部をパッシブマトリクス型で形成すると、アクティブマトリクス型と比較して配線幅を広くとることができ、配線抵抗の低減を容易に図ることができるので、第1の電極層520a乃至第1の電極層520c、および第2の電極層523a乃至第2の電極層523cに透光性を有する導電材料を用いて第1の表示部の開口率を向上させることが容易になる。
【0139】
また、電界発光層522a乃至電界発光層522cは、単数の層で構成されていても、複数の層が積層されるように構成されていてもどちらでも良い。電界発光層が複数の層で構成される場合、例えば、陰極、電子注入層、電子輸送層、発光層、ホール輸送層、ホール注入層、陽極の順に積層する。なおこれらの層を全て設ける必要はない。
【0140】
また、隔壁521は、当該開口部の側壁が連続した曲率を持って形成される傾斜面となるように形成されることが好ましい。
【0141】
隔壁525は隔壁521上に形成される、第2の電極層523a乃至第2の電極層523cを非連続に分断する機能を有する。隔壁525の側壁は、基板面に近くなるに伴って、一方の側壁と他方の側壁との間隔が狭くなっていくような傾斜を有する。つまり、隔壁525の短辺方向の断面は、台形状であり、底辺(隔壁521の面方向と同様の方向を向き、隔壁521と接する辺)の方が上辺(隔壁521の面方向と同様の方向を向き、隔壁521と接しない辺)よりも短い。隔壁525はいわゆる逆テーパー形状であるために、自己整合的に第2の電極層523a乃至第2の電極層523cは、隔壁525によって分断され、第1の電極層520a乃至第1の電極層520c上に選択的に形成することができる。従ってエッチングにより形状を加工しなくても、隣接する発光素子間は分断されており発光素子間のショートなどの電気的不良を防止することができる。
【0142】
また、隔壁521および隔壁525は、先の実施の形態に示した隔壁421と同様の材料を用いることができる。よって、詳細については先の実施の形態を参酌することができる。
【0143】
また、発光素子503に酸素、水素、水分、二酸化炭素等が侵入しないように、第2の電極層523a乃至第2の電極層523c、隔壁521および隔壁525上に保護膜524を形成してもよい。保護膜524としては、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、DLC膜等を形成することができる。
【0144】
以上、本実施の形態に示す構成などは、他の実施の形態に示す構成などと適宜組み合わせて用いることができる。
【0145】
(実施の形態7)
本実施の形態では、先の実施の形態に示すシースルー機能を有する表示装置に設けられたアクティブマトリクス型の第2の表示部の構造例について図9(A)および図9(B)を用いて説明する。
【0146】
図9(A)はアクティブマトリクス型の第2の表示部に設けられた画素の一を示す平面図であり、本実施の形態に示す第2の表示部は当該画素がマトリクス状に配列している。図9(B)は図9(A)における線G−Hの断面図である。なお、図9(A)において、図9(B)に示す構造の一部は、図面が煩雑となるので省略している。
【0147】
図9(A)および図9(B)に示す第2の表示部は、トランジスタ601、容量配線層604、ソース配線層605、ゲート配線層606を含む。
【0148】
トランジスタ601のソース電極またはドレイン電極の一方は、ソース配線層605と電気的に接続されており、ゲート電極はゲート配線層606と電気的に接続されており、ソース電極またはドレイン電極の他方は、液晶素子660の第1の電極層620と電気的に接続される。
【0149】
本実施の形態に示す第2の表示部は、第2の支持体602上にトランジスタ601が設けられ、トランジスタ601を覆うように絶縁層611と絶縁層613が設けられる。なお、第2の支持体602は先の実施の形態に示す第2の支持体102と同様のものである。
【0150】
トランジスタ601は、先の実施の形態に示すトランジスタと同様のものを用いることができ、透光性を有する材料で形成することが好ましい。詳細については先の実施の形態を参酌することができる。なお、本実施の形態では、トランジスタ601としてチャネルエッチ型のトランジスタを用いているが、これに限られるものではない。例えば、チャネル保護型としてもよいし、トップゲート型としてもよい。
【0151】
容量配線層604は、トランジスタ601のゲート電極と同じ層の導電膜で設けられ、トランジスタ601のゲート絶縁膜と同じ層の絶縁膜を介して第1の電極層620と重畳して容量を形成する。
【0152】
なお、容量配線層604、ソース配線層605およびゲート配線層606は、先の実施の形態に示すソース配線層405、ゲート配線層406および電源線407と同様のものを用いることができる。よって、詳細については先の実施の形態を参酌することができる。
【0153】
また、絶縁層611および絶縁層613は、先の実施の形態に示す絶縁層411および絶縁層413と同様のものを用いることができる。よって、詳細については先の実施の形態を参酌することができる。
【0154】
絶縁層613上に設けられた第1の電極層620と、第1の電極層620上に設けられた液晶層662と、液晶層662上に設けられた第2の電極層623により液晶素子660が形成されている。
【0155】
画素電極として機能する第1の電極層620、および支持部666に設けられた共通電極として機能する第2の電極層623は、先の実施の形態で示した透光性を有する導電材料を用いて形成することができる。よって、詳細については先の実施の形態を参酌することができる。また支持部666は、第2の支持体602と同様のものを用いることができる。
【0156】
なお、先の実施の形態に示す、MEMS構造体部106aおよびMEMS駆動素子部106bは支持部666上に設けることができる。
【0157】
また、液晶層662は、液晶による光の散乱光を利用して白表示(明表示)を行う光散乱性の液晶層とする。光散乱性の液晶としては、例えば、高分子分散型液晶(PDLC、高分子分散液晶、ポリマー分散型液晶ともいう)又は高分子ネットワーク型液晶(PNLC)が挙げられる。これらを用いた液晶層は高分子ネットワークを形成する高分子層中に液晶粒が分散された構成となっている。
【0158】
また、液晶層662中に柱状または球状のスペーサを設けて液晶層662の厚さを制御しても良い。
【0159】
以上、本実施の形態に示す構成などは、他の実施の形態に示す構成などと適宜組み合わせて用いることができる。
【0160】
(実施の形態8)
本実施の形態では、先の実施の形態に示すシースルー機能を有する表示装置に設けられたパッシブマトリクス型の第2の表示部の構造例について図10(A)および図10(B)を用いて説明する。
【0161】
図10(A)はパッシブマトリクス型の第2の表示部を示す平面図である。図10(B)は図10(A)における線I−Jの断面図である。なお、図10(A)において、図10(B)に示す構造の一部は、図面が煩雑となるので省略している。
【0162】
図10(A)および図10(B)に示す第2の表示部は、第2の支持体702に第1の方向(列方向)に延伸して設けられた第1の電極層720a乃至第1の電極層720cと、支持部766に第1の方向に垂直な第2の方向(行方向)に延伸して設けられた第2の電極層723a乃至第2の電極層723cと、設けられた第1の電極層720a乃至第1の電極層720cと第2の電極層723a乃至第2の電極層723cとに挟持される液晶層762と、を含む。
【0163】
なお、第2の支持体702と支持部766は、先の実施の形態に示す第2の支持体602と支持部666と同様のものを用いることができる。
【0164】
なお、先の実施の形態に示す、MEMS構造体部106aおよびMEMS駆動素子部106bは支持部766上に設けることができる。
【0165】
第1の電極層720a乃至第1の電極層720cと、第2の電極層723a乃至第2の電極層723cとが、液晶層762を挟持して交差する部分に液晶素子760が形成され、第2の表示部の画素領域となる。
【0166】
第1の電極層720a乃至第1の電極層720c、および第2の電極層723a乃至第2の電極層723cは先の実施の形態で示した透光性を有する導電材料を用いて形成することができる。よって、詳細については先の実施の形態を参酌することができる。ここで、第2の表示部をパッシブマトリクス型で形成すると、アクティブマトリクス型と比較して配線幅を広くとることができ、配線抵抗の低減を容易に図ることができるので、第1の電極層720a乃至第1の電極層720c、および第2の電極層723a乃至第2の電極層723cに透光性を有する導電材料を用いて第2の表示部の開口率を向上させることが容易になる。
【0167】
また、液晶層762は、先の実施の形態に示す液晶層662と同様のものを用いることができる。また、液晶層762中に柱状または球状のスペーサを設けて液晶層762の厚さを制御しても良い。
【0168】
なお、第1の電極層720a乃至第1の電極層720cと、第2の電極層723a乃至第2の電極層723cを、それぞれ一枚の第1の電極層および第2の電極層とすることにより、実施の形態1に示した、画素を設けない構造の第2の表示部とすることができる。
【0169】
以上、本実施の形態に示す構成などは、他の実施の形態に示す構成などと適宜組み合わせて用いることができる。
【0170】
(実施の形態9)
本実施の形態では、先の実施の形態で説明した表示装置の応用例について図11を用いて説明する。
【0171】
図11(A)は、自動車のフロントガラスに先の実施の形態に示す表示装置を用いた例である。図11(A)では、第1の表示部を車内側に向けて表示装置1100を設けている。表示装置1100は、図2(C)に示すシースルー表示モードで用いられており、第1の表示部の発光素子による映像1110と、表示装置1100の向こう側からの透過像1120とが表示されている。ここで、透過像1120は車外の人影を示し、映像1110は当該人影に対する警告のマークを表している。このように、開示する発明に係る表示装置を用いることにより、表示装置の向こう側の対象に関する情報を表示させながら対象を見ることができる。
【0172】
また、透過像1120と映像1110が重畳して、映像1110が視認しにくい場合などは、映像1110の部分だけを図2(A)に示す黒表示モードとすることもできる。これにより、映像1110の後ろから透過像1120が透けなくなるので、映像1110を明確に視認することができる。
【0173】
なお、表示装置1100は必ずしもフロントガラス全体に用いる必要はなく、映像1110を表示したい部分にのみ表示装置1100を形成し、他の部分は従来のフロントガラスと同様のガラスを用いることも可能である。
【0174】
図11(B)は、窓ガラスに先の実施の形態に示す表示装置を用いた例である。図11(B)では、第1の表示部を室内側に向けて表示装置1200を設けている。表示装置1200は、図2(A)に示す黒表示モードまたは図2(B)に示す白表示モードで用いられており、第1の表示部の発光素子による映像1210が表示されている。ここで、映像1210は例えばテレビ番組の映像などである。
【0175】
また、表示装置1200に映像1210を映さない場合には、表示装置1200を先の実施の形態に示す透過表示とすることにより、表示装置1200を従来の窓ガラスのように扱うことができる。このように、表示装置1200の表示モードを切り替えることにより、表示装置1200をテレビやディスプレイのように扱うこともできるし、窓ガラスのように扱うこともできる。
【0176】
また、図5(A)に示すような両面表示の表示モードを用いることにより、室内と室外で異なる映像を映すこともできる。
【0177】
なお、表示装置1200は必ずしも窓ガラス全体に用いる必要はなく、映像1210を表示したい部分にのみ表示装置1200を形成し、他の部分は従来の窓ガラスと同様のガラスを用いることも可能である。
【0178】
図11(C)は、ショーウインドウのケースに先の実施の形態に示す表示装置を用いた例である。図11(C)では、第1の表示部をケースの外側に向けて表示装置1300を設けている。表示装置1300は、図2(C)に示すシースルー表示モードで用いられており、第1の表示部の発光素子による映像1310と、表示装置1300の内側の被装飾体1320とが表示されている。ここで、被装飾体1320はショーウインドウに飾られているバッグであり、映像1310は当該バッグを飾るリボンの映像である。このように、開示する発明に係る表示装置を用いることにより、表示装置の向こう側の対象を映像で装飾を施して見ることができる。
【0179】
また、映像1310の部分だけを図2(A)に示す黒表示モードとすることにより、映像1310の後ろから被装飾体1320が透けて見えるのを防ぐことができるので、映像1310による装飾にリアリティを持たせることができる。
【0180】
なお、表示装置1300は必ずしもショーウインドウのケース全体に用いる必要はなく、映像1310を表示したい部分にのみ表示装置1300を形成し、他の部分は従来のショーウインドウと同様のケースを用いることも可能である。
【0181】
以上、本実施の形態に示す構成などは、他の実施の形態に示す構成などと適宜組み合わせて用いることができる。
【符号の説明】
【0182】
10 遮光手段
14 第1の表示部
18 第2の表示部
100 第1の支持体
102 第2の支持体
104 第1の表示部
108 第2の表示部
110 シャッター
112 シール材
208 第2の表示部
300 シャッター
302 可動遮光層
304 開口部
311 アクチュエータ
315 アクチュエータ
317 スプリング
319 構造体
321 可動電極
323 構造体
325 可動電極
327 構造体
400 第1の支持体
401 トランジスタ
402 トランジスタ
403 発光素子
404 容量素子
405 ソース配線層
406 ゲート配線層
407 電源線
411 絶縁層
413 絶縁層
420 電極層
421 隔壁
422 電界発光層
423 電極層
424 保護膜
500 第1の支持体
503 発光素子
521 隔壁
522 電界発光層
523 電極層
524 保護膜
525 隔壁
601 トランジスタ
602 第2の支持体
604 容量配線層
605 ソース配線層
606 ゲート配線層
611 絶縁層
613 絶縁層
620 電極層
623 電極層
660 液晶素子
662 液晶層
666 支持部
702 第2の支持体
760 液晶素子
762 液晶層
766 支持部
1100 表示装置
1110 映像
1120 透過像
1200 表示装置
1210 映像
1300 表示装置
1310 映像
1320 被装飾体
106a MEMS構造体部
106b MEMS駆動素子部
110a 遮光層
110b 可動遮光層
110c 開口部
520a 電極層
520c 電極層
522a 電界発光層
522c 電界発光層
523a 電極層
523c 電極層
6016 トランジスタ
720a 電極層
720c 電極層
723a 電極層
723c 電極層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両面発光型の発光素子を含む画素を有する第1の表示部と、
光散乱性の液晶層を有する第2の表示部と、
前記第1の表示部と前記第2の表示部の間にシャッター状の遮光手段を有し、
前記第1の表示部は、少なくとも前記両面発光型の発光素子が非発光状態の場合に透光性を有し、
前記第2の表示部は、少なくとも前記光散乱性の液晶層が透過状態の場合に透光性を有する表示装置。
【請求項2】
透光性を有する第1の支持体と、
前記第1の支持体に設けられた、両面発光型の発光素子を含む画素を有する第1の表示部と、
前記第1の支持体に対向して設けられた、透光性を有する第2の支持体と、
前記第2の支持体に前記第1の表示部と対向して設けられた、光散乱性の液晶層を有する第2の表示部と、
前記第1の表示部と前記第2の表示部の間に、前記画素の少なくとも一部と重畳するように開口部が設けられた遮光層と当該開口部を遮光することができる可動遮光層を含む複数のシャッターと、を有し、
前記第1の表示部は、少なくとも前記両面発光型の発光素子が非発光状態の場合に透光性を有し、
前記第2の表示部は、少なくとも前記光散乱性の液晶層が透過状態の場合に透光性を有する表示装置。
【請求項3】
透光性を有する第1の支持体と、
前記第1の支持体に設けられた、両面発光型の発光素子を含む画素を有する第1の表示部と、
前記第1の支持体に対向して設けられた、透光性を有する第2の支持体と、
前記第2の支持体の前記第1の表示部とは反対側に設けられた、光散乱性の液晶層を有する第2の表示部と、
前記第1の表示部と前記第2の支持体の間に、前記画素の少なくとも一部と重畳するように開口部が設けられた遮光層と当該開口部を遮光することができる可動遮光層を含む複数のシャッターと、を有し、
前記第1の表示部は、少なくとも前記両面発光型の発光素子が非発光状態の場合に透光性を有し、
前記第2の表示部は、少なくとも前記光散乱性の液晶層が透過状態の場合に透光性を有する表示装置。
【請求項4】
前記複数の画素に一つずつ前記可動遮光層が設けられた請求項2または請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記複数の画素および前記複数のシャッターがマトリクス状に設けられ、
一つの前記可動遮光層で列方向に並んだ前記複数の画素を遮光することができる請求項2または請求項3に記載の表示装置。
【請求項6】
前記複数の画素および前記複数のシャッターがマトリクス状に設けられ、
一つの前記可動遮光層で行方向に並んだ前記複数の画素を遮光することができる請求項2または請求項3に記載の表示装置。
【請求項7】
前記開口部に前記可動遮光層を重畳させることにより、前記第1の表示部の背景を黒表示とすることができる請求項2乃至請求項6のいずれか一に記載の表示装置。
【請求項8】
前記開口部に前記可動遮光層を重畳させず、且つ前記第2の表示部を散乱状態とすることにより、前記第1の表示部の背景を白表示とすることができる請求項2乃至請求項7のいずれか一に記載の表示装置。
【請求項9】
前記開口部に前記可動遮光層を重畳させず、且つ前記第2の表示部を透過状態とすることにより、前記第1の表示部の背景に前記第2の支持体の裏側からの入射光を透過させることができる請求項2乃至請求項8のいずれか一に記載の表示装置。
【請求項10】
透光性を有する第1の支持体と、
前記第1の支持体に設けられた、両面発光型の発光素子を含む第1の画素を有する第1の表示部と、
前記第1の支持体に対向して設けられた、透光性を有する第2の支持体と、
前記第2の支持体に前記第1の表示部と対向して設けられた、光散乱性の液晶層を含む第2の画素を有する第2の表示部と、
前記第1の表示部と前記第2の表示部の間に、前記第1の画素および前記第2の画素の少なくとも一部と重畳するように開口部が設けられた遮光層と当該開口部を遮光することができる可動遮光層を含む複数のシャッターと、を有し、
前記第1の表示部は、少なくとも前記両面発光型の発光素子が非発光状態の場合に透光性を有し、
前記第2の表示部は、少なくとも前記光散乱性の液晶層が透過状態の場合に透光性を有する表示装置。
【請求項11】
前記複数の第1の画素および前記複数の第2の画素に一つずつ前記可動遮光層が設けられた請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
前記複数の第1の画素、前記複数の第2の画素および前記複数のシャッターがマトリクス状に設けられ、
一つの前記可動遮光層で列方向に並んだ前記複数の第1の画素および前記複数の第2の画素を遮光することができる請求項10に記載の表示装置。
【請求項13】
前記複数の第1の画素、前記複数の第2の画素および前記複数のシャッターがマトリクス状に設けられ、
一つの前記可動遮光層で行方向に並んだ前記複数の第1の画素および前記複数の第2の画素を遮光することができる請求項10に記載の表示装置。
【請求項14】
前記開口部に前記可動遮光層を重畳させることにより、前記第1の表示部と前記第2の表示部で異なる映像を表示することができる請求項10乃至請求項13のいずれか一に記載の表示装置。
【請求項15】
前記開口部に前記可動遮光層を重畳させず、前記第1の表示部を前記第2の表示部のバックライトとして用いることにより、前記第2の表示部をカラー表示させることができる請求項10乃至請求項14のいずれか一に記載の表示装置。
【請求項16】
前記複数のシャッターはMEMSを用いて形成されている請求項2乃至請求項16のいずれか一に記載の表示装置。
【請求項17】
前記両面発光型の発光素子は有機EL素子である請求項1乃至請求項16のいずれか一に記載の表示装置。
【請求項18】
前記光散乱性の液晶層は高分子分散型液晶材料を含む請求項1乃至請求項17のいずれか一に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−155320(P2012−155320A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−669(P2012−669)
【出願日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】