表示装置
【課題】実像の浮遊量を増大できる実用的な表示装置を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、表示部と、結像素子と、第1反射部と、を備えた表示装置が提供される。前記表示部は、光を出射する。前記結像素子は、主面を有し、物体の実像を、前記主面を対称面とした前記物体の対称位置に結像する。前記結像素子は、前記主面の法線方向に沿ってみたときに前記表示部と重ならない部分を有する。前記第1反射部は、前記主面と対向する部分を有し、前記表示部から出射した前記光を反射して前記結像素子の前記表示部と重ならない前記部分に入射させる。
【解決手段】実施形態によれば、表示部と、結像素子と、第1反射部と、を備えた表示装置が提供される。前記表示部は、光を出射する。前記結像素子は、主面を有し、物体の実像を、前記主面を対称面とした前記物体の対称位置に結像する。前記結像素子は、前記主面の法線方向に沿ってみたときに前記表示部と重ならない部分を有する。前記第1反射部は、前記主面と対向する部分を有し、前記表示部から出射した前記光を反射して前記結像素子の前記表示部と重ならない前記部分に入射させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
素子面に入射した光の方向ベクトルの素子面内方向成分のみが再帰性反射と同等の作用を受け、それ以外の成分は保存される素子が考えられる。このような素子は、素子面に対して面対称の位置に実像を結像する。この素子を用いることで、素子面から離れた位置に実像を形成することができ、空中に浮かんでいるかのような映像を提示することができる。実像の浮遊量を増大できる実用的な構成が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−70073号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、実像の浮遊量を増大できる実用的な表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態によれば、表示部と、結像素子と、第1反射部と、を備えた表示装置が提供される。前記表示部は、光を出射する。前記結像素子は、主面を有し、物体の実像を、前記主面を対称面とした前記物体の対称位置に結像する。前記結像素子は、前記主面の法線方向に沿ってみたときに前記表示部と重ならない部分を有する。前記第1反射部は、前記主面と対向する部分を有し、前記表示部から出射した前記光を反射して前記結像素子の前記表示部と重ならない前記部分に入射させる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】第1の実施形態に係る表示装置を示す模式的断面図である。
【図2】第1の実施形態に係る表示装置を示す模式的平面図である。
【図3】図3(a)及び図3(b)は、光学素子の特性を示す模式図である。
【図4】表示装置に用いられる素子の動作を示す模式的断面図である。
【図5】第1の実施形態に係る表示装置の動作を示す模式的断面図である。
【図6】第1の実施形態に係る表示装置の動作を示す模式的斜視図である。
【図7】第1の実施形態に係る別の表示装置を示す模式的平面図である。
【図8】図8(a)及び図8(b)は、第1の実施形態に係る別の表示装置を示す模式断面図である。
【図9】第1の実施形態に係る別の表示装置を示す模式的断面図である。
【図10】第1の実施形態に係る別の表示装置を示す模式的断面図である。
【図11】第1の実施形態に係る別の表示装置を示す模式的断面図である。
【図12】第1の実施形態に係る別の表示装置の特性を示す模式的断面図である。
【図13】第1の実施形態に係る別の表示装置を示す模式的断面図である。
【図14】第2の実施形態に係る表示装置を示す模式的断面図である。
【図15】第3の実施形態に係る表示装置を示す模式的断面図である。
【図16】第3の実施形態に係る別の表示装置を示す模式的断面図である。
【図17】第4の実施形態に係る表示装置を示す模式的断面図である。
【図18】第5の実施形態に係る表示装置を示す模式的断面図である。
【図19】第6の実施形態に係る表示装置を示す模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、各実施形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
図2は、第1の実施形態に係る表示装置の構成を例示する模式的平面図である。
図1は、図2のA1−A2線断面図である。
図1に表したように、本実施形態に係る表示装置110は、結像素子10と、表示部20と、第1反射部31と、を含む。
【0009】
この例では、表示部20は、結像素子10と並置される。表示部20は、光80を出射する。光80は、画像61を含む。ここで、表示部20とは別に光源が設けられ、光源から放出された光を表示部20が反射し、表示部20から表示部20の外部に向けて光が進む場合も、表示部20が光を出射することに含まれるものとする。
【0010】
第1反射部31は、結像素子10に対向する部分30aを少なくとも含む。第1反射部31は、表示部20から出射した光80を反射して、結像素子10に入射させる。
【0011】
結像素子10は、主面10aを有している。結像素子10は、主面10aの法線方向に沿ってみたときに表示部20と重ならない部分を有する。この例では、結像素子10は、主面10aの法線方向に沿ってみたときに、表示部20と重ならない。例えば、表示部20は、主面10aの法線に対して非平行な方向において結像素子10と並ぶ。この例では、表示部20は、主面10aに対して平行な方向において結像素子10と並ぶ。ただし、後述するように、表示部20の配置は、種々の変形が可能である。なお、本願明細書において、複数の要素どうしの位置の関係は、例えば、複数の要素のそれぞれの重心どうしの位置の関係により規定する。第1反射部31は、表示部20から出射した光80を反射して、結像素子10の、主面10aの法線方向に沿ってみたときに表示部20と重ならない部分に入射させる。
【0012】
例えば、空間内に第1領域r1と第2領域r2とが設けられる。第1領域r1と第2領域r2とは、層状である。第1領域r1は、空間内の1つの平面に対して平行な層状である。第2領域r2は、第1領域r1と平行に設けられる。すなわち、第2領域r1もその平面に対して平行な層状である。
【0013】
この例では、結像素子10は、第1領域r1内に設けられる。結像素子10は、主面10aを有する。例えば、主面10aは、第1領域r1の層の面に対して実質的に平行である。ただし、実施形態はこれに限らず、主面10aは、第1領域r1の層の平面に対して傾斜していても良い。
【0014】
この例では、表示部20は、第1領域r1内に設けられている。すなわち、表示部20は、第1領域r1内において結像素子10と並置される。例えば、表示部20は、光80を出射する表示面20dを有する。表示面20dは、例えば平面状である。表示面20dは、例えば、第1領域r1の層の面に対して実質的に平行である。ただし、実施形態はこれに限らず、表示面20dは、第1領域r1の層の平面に対して傾斜していても良い。この例では、表示部20は、結像素子10と同じ平面内に設けられている。ただし、実施形態はこれに限らず、表示部20は、結像素子10が設けられる平面とは異なる平面内に設けられても良い。
【0015】
第1反射部31は、第2領域r2内に設けられる。例えば、第1反射部31の反射面は、結像素子10の主面10aに対して実質的に平行に配置される。
【0016】
例えば、第1反射部31と結像素子10との間の距離は、距離制御部73(例えばスペーサなど)により制御される。第1反射部31と結像素子10との間の距離は、固定でも良く、また、可変でも良い。すなわち、表示装置110は、第1反射部31と表示部20と間の距離、及び、第1反射部31と結像素子10との間の距離の少なくともいずれかを変化させる距離制御部73をさらに含むことができる。
【0017】
表示部20の表示面20dには、例えば画像61が形成される。また、表示部20の画像61は、物体62でも良い。
【0018】
画像61は、第1反射部31で反射し、画像61を含む光80は、光路85に沿って進行し、結像素子10に入射する。結像素子10は、光80に基づく実像40を結像する。実像40は、結像素子10の第1反射部31とは反対側の位置に配置される。観視者からみると、実像40は、結像素子10の上方(表示部20の上方)に浮いているように知覚される。
【0019】
このように、実像40と第1反射部31との間に、結像素子10(及び表示部20)が配置される。すなわち、実像40と第2領域r2との間に第1領域r1が配置される。
【0020】
ここで、説明の便宜上、第1領域r1及び第2領域r2の層面に対して平行な平面をX−Y平面とする。例えば、結像素子10の主面10aは、X−Y平面に対して平行である。X−Y平面に対して平行な1つの軸をX軸とする。X−Y平面に対して平行でX軸に対して垂直な軸をY軸とする。X−Y平面に対して垂直な軸をZ軸とする。
【0021】
ここで、第1反射部31と結像素子10との間のZ軸に沿った距離を第1距離L1とする。結像素子10と実像40との間のZ軸に沿った距離を第2距離L2とする。表示装置110の厚さは、第1距離L1に依存する。第2距離L2は、実像40の浮き上がっている高さに相当する。
【0022】
図2に表したように、結像素子10は、第1領域r1内において、表示部20を取り囲むように、表示部20と並置されている。例えば、結像素子10は、主面10aに対して平行な面内において表示部20を囲む。この例のように、結像素子10が表示部20を取り囲む場合、実像40は、表示部20の周りの種々の観察方向86から視認できる。
【0023】
ただし、実施形態においては、後述するように、結像素子10は、表示部20の少なくとも1つの部分に沿って設けられれば良い。なお、図2に示した例では、表示部20の1つの辺はX軸に対して平行である。表示部の別の辺は、Y軸に対して平行である。
【0024】
図3(a)及び図3(b)は、光学素子の特性を例示する模式図である。
図3(a)は、本実施形態に係る結像素子10の特性を例示している。図3(b)は、光学素子の1つである鏡の特性を例示している。
【0025】
図3(b)に表したように、鏡19に物体45が並置されている。このとき、鏡19は物体45からの光を鏡19の面で反射する。このため、鏡19で形成される像は、虚像42である。
【0026】
一方、図3(a)に表したように、結像素子10に物体45が並置された場合は、結像素子10で形成される像は、実像41である。
【0027】
鏡19の場合も、結像素子10の場合も、形成される像は、素子面(鏡19の面、または、結像素子10の主面10a)に対して、物体45と面対称である。鏡19は虚像42を形成するのに対して、結像素子10は実像41を形成する。
【0028】
すなわち、図3(a)に表したように、結像素子10は、主面10aを有している。結像素子10は、主面10aを対称面とした物体45の対称位置45pに、物体45の実像41を結像する。
【0029】
このような結像素子10の動作の例について説明する。
図4は、表示装置に用いられる素子の動作を例示する模式的断面図である。
図4に表したように、結像素子10に対向して画像61(または物体62)を配置する。すなわち、図4に示した状態は、画像61の位置に表示部20を配置した状態に相当する。この構成においては、画像61から出射した光80は、結像素子10でその方向を変換し、実像40が結像される。実像40の位置は、画像61の、結像素子10の主面10aに対して面対称の位置である。結像素子10は、再帰性実像結像素子として機能する。
【0030】
このとき、結像素子10と画像61との距離L1aは、結像素子10と実像40との距離L2aと同じである。ここで距離L2aの高さで浮遊する実像40を形成するためには、結像素子10と画像61との距離L1aを、距離L2aと同じにする。この構成においては、結像素子10と画像61との距離L1a(すなわち、結像素子10と表示部20との間の第1距離L1に相当する)は、長くなる。
【0031】
このように、図4に例示した構成においては、実像40と結像素子10の間の距離L2a(すなわち実像の浮遊量)を増大させようとすると、画像61と結像素子10との間の距離L1aも同じだけ長くする必要があり、表示装置は、非常に大きな体積を必要とする。
【0032】
このとき、図4に例示したように、結像素子10と画像61との間に、光路85の折りたたみ面35を挿入する。具体的には、第1反射部31を挿入する。
【0033】
図5は、第1の実施形態に係る表示装置の動作を例示する模式的断面図である。
図5に表したように、本実施形態に係る表示装置110においては、上記の折りたたみ面35の位置に第1反射部31を設ける。これにより、画像61の虚像は、第1反射部31(折りたたみ面35)に対して対称な位置に結像される。さらに、画像61の虚像は、結像素子10に対して対称な位置に実像として結像される。
【0034】
これにより、結像素子10との間の第1距離L1は、結像素子10と実像40との間の第2距離L2よりも短くなる。具体的には、第1距離L1(表示装置110の厚さに相当する)は、第2距離L2の1/2になる。
【0035】
このように、本実施形態によれば、実像40の浮遊量を増大し第2距離L2を長くしても、表示装置110の厚さ(第1距離L1)を小さく維持できる。すなわち、実像の浮遊量を増大できる実用的な表示装置が提供できる。
【0036】
このように、本実施形態においては、第1反射部31により光路85を画像61の側で折りたたむことにより、薄い表示装置を実現することができる。
【0037】
図6は、第1の実施形態に係る表示装置の動作を例示する模式的斜視図である。
図6に表したように、結像された実像40は、結像素子10を含む平面の上に。浮かぶように形成される。表示部20の表示面20dは、実像40が形成される側と反対の方向に配置されており、観視者からは直接見えない。
【0038】
実施形態において、表示部20と実像40との間に、他の物体、映像、模様及び文字などの少なくともいずれかを表示しても良い。
【0039】
図7は、第1の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式的平面図である。
図7に表したように、本実施形態に係る表示装置111においては、結像素子10は、表示部20の周囲の一部に沿って設けられている。この例では、例えば、結像素子10は、主面10aに対して平行な方向に沿って表示部20を挟む。表示装置111の断面構成は、表示装置110と同様なので説明を省略する。
【0040】
表示装置111のように、結像素子10を表示部20の周囲の一部に沿って配置することで、表示装置111の平面的な大きさが縮小できる。結像素子10を表示部20の周囲の一部に配置する場合は、実像40の観察方向86が限定される。
【0041】
本実施形態において、表示部20からの光80(画像61の光)のうちで、表示部20(画像61)に重ならず結像素子10に達した光が、実像40の形成に寄与する。従って、画像61の光80を効率よく結像素子10に導入すれば、光利用効率の低下は抑制できる。なお、光80のうちで、第1反射部31で反射した後に再び画像61に戻ってくる光は、実像40の形成には寄与しない。
【0042】
実施形態において、表示部20から出射された画像61に相当する光80は、第1反射部31で反射した後、結像素子10に入射する。後述するように、表示部20から出射した光80が効率よく結像素子10に入射するように、表示部20からの出射光に指向性を持たせることが望ましい。
【0043】
図8(a)及び図8(b)は、第1の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式断面図である。
図8(a)に表したように、実施形態に係る別の表示装置110aにおいては、結像素子10のZ軸に沿った位置は、表示部20のZ軸に沿った位置と異なる。例えば、結像素子10の主面10aのZ軸に沿った位置は、表示部20の表示面20dのZ軸に沿った位置と異なる。
【0044】
表示装置110及び110aにおいては、表示部20の表示面20dは、主面10aに対して平行である。しかし、平行でなくても良い。
図8(b)に表したように、実施形態に係る別の表示装置110bにおいては、結像素子10の主面10aは、表示部20の表示面20dと非平行である。なお、表示装置110bにおいては、第1反射部31は、主面10aに対して平行である。
このような構成を有する表示装置110a及び110bにおいても、実像の浮遊量を増大できる実用的な表示装置を提供することができる。
【0045】
表示部20の表示面20dは、主面10aに対して実質的に平行であることが好ましい。これにより、表示装置の厚さが薄くできる。例えば、表示面20dと主面10aとの間の角度は、プラスマイナス30度以下である。表示面20dと主面10aとの間の角度は、例えばプラスマイナス20度以下であることが、装置を薄くする場合には、さらに好ましい。ただし、例えば、物体45の実像41を所望の位置に結像させたい場合には、この角度は任意に設定して良い。
【0046】
第1反射部31は、主面10aに対して実質的に平行である。例えば、第1反射部31の反射面と主面10aとの間の角度は、例えばプラスマイナス10度以下である。これにより、例えば、表示部20の像を正しく結像させることができる。この角度は、例えばプラスマイナス5度以下であることがさらに好ましい。
【0047】
表示装置110に関して説明した例では、1回の折りたたみによって実像40が形成されるが、折りたたみ回数は2回以上でも良い。
図9は、第1の実施形態に係る別の表示装置の構成及び動作を例示する模式断面図である。
図9に表したように、本実施形態に係る表示装置112においては、折りたたみ回数が2回である。
【0048】
すなわち、表示装置112は、結像素子10、表示部20及び第1反射部31に加え、第2反射部32をさらに備える。
第2反射部32は、主面10aの法線方向に沿ってみたときに結像素子10と重ならない部分を有する。例えば、第2反射部32は、主面10aの法線に対して非平行な方向において結像素子10と並ぶ。この例では、表示部20は、主面10aに対して平行な方向において第1反射部31と並び、第2反射部32は、主面10aに対して平行な方向において結像素子10と並ぶ。
【0049】
結像素子10は、空間内の平面に対して平行な層状の第1領域r1内に設けられる。第2反射部32は、第1領域r1内において結像素子10と並置される。表示部20は、第1領域r1に対して平行に設けられた層状の第2領域r2内に設けられる。第1反射部31は、第2領域r2内において表示部20と並置される。
【0050】
なお、第2反射部32は、結像素子10が設けられる平面内に設けられても良く、異なる平面内に設けられても良い。第1反射部31は、表示部20が設けられる平面内に設けられても良く、異なる平面内に設けられても良い。
【0051】
第2反射部32は、表示部20から出射した光80を反射して第1反射部31に入射させる。第1反射部31は、第2反射部32で反射した光を反射して結像素子10に入射させる。
【0052】
このように、この例では、結像素子10に並ぶように第2反射部32が配置される。表示部20は、結像素子10と対向する第1反射部31に並ぶように配置される。これにより、画像61の光80は、光路85に沿って進行し、第2反射部32及び第1反射部31で反射した後に、結像素子10を経由して実像40を形成する。
【0053】
このとき、第1距離L1は、第2距離L2の3分の1となる。これにより、より薄い表示装置が実現できる。
【0054】
なお、画像61から、第1反射部31及び第2反射部32を経由しないで結像素子10に直接入射する光81は、目的とする実像40とは異なる位置に、異なる実像40aを形成してしまう。
【0055】
この例では、表示装置112は、表示部20から出射する光80のうちで、第1反射部31(及び第2反射部32の少なくともいずれか)に入射しないで結像素子10に入射する光の強度を弱める光制御部71をさらに備える。光制御部71は、このような光を、例えば遮光する。また、光制御部71は、例えば、表示部20から出射する光80(画像61の光80)の指向性を狭める。これにより、不要な光が結像素子10に入射することを抑制できる。
【0056】
この場合も距離制御部73を設けることができる。距離制御部73は、第1反射部31と結像素子10との間の距離(第1距離L1)を変化させることができる。
【0057】
なお、結像素子10、表示部20及び第1反射部31の配置によっては、距離制御部73は、第1反射部31と表示部20と間の距離を変化させても良い。すなわち、距離制御部73は、第1反射部31と表示部20と間の距離、及び、第1反射部31と結像素子10との間の距離の少なくともいずれかを変化させることができる。
【0058】
図10は、第1の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式的断面図である。 図10に表したように、表示装置112aにおいては、表示部20のZ軸に沿った位置は、第1反射部31のZ軸に沿った位置と異なる。第2反射部32のZ軸に沿った位置は、結像素子10のZ軸に沿った位置と異なる。表示装置112aにおいても、実像の浮遊量を増大できる実用的な表示装置を提供することができる。また、表示装置112及び112aにおいて、結像素子10の主面10aに対して非平行でも良い。
【0059】
図11は、第1の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式的断面図である。 図11に表したように、表示装置112bは、結像素子10、表示部20、第1反射部31及び第2反射部32に加え、第3反射部33をさらに備える。
【0060】
第3反射部33は、主面10aの法線に沿ってみたときに第1反射部31と重ならない部分を有する。例えば、第3反射部33は、主面10aの法線に対して非平行な方向において第1反射部31と並ぶ。この例では、表示部20は、主面10aに対して平行な方向において結像素子10と並ぶ。第2反射部32は、主面10aに対して平行な方向において表示部20と並ぶ。第3反射部33は、主面10aに対して平行な方向において第1反射部31と並ぶ。
【0061】
このような構成を有する表示装置112bにおいては、1折りたたみ回数が3回である。このように、折りたたみ回数は任意である。表示装置112bにおいても、実像の浮遊量を増大できる実用的な表示装置を提供することができる。
【0062】
図12は、第1の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式的断面図である。 図12に表したように、本実施形態に係る表示装置113においては、表示部20から出射する光80の配光分布24は、正面よりも斜め方向の光の強度が強い特性を有する。すなわち、Z軸に対して斜め方向の光の強度は、Z軸に沿う光の強度よりも高い。換言すれば、表示部20から出射した光80のうちの、表示部20の表示面20dに対して垂直な方向(Z軸方向)における強度は、表示部20から出射した光80のうちの、Z軸方向から傾斜した方向の強度よりも低い。
【0063】
例えば、表示部20に用いられる表示装置の光源として、サイドエミッタ型の発光ダイオードを用いることで、このような配光分布24が得られる。これにより、表示部20から出射する光80の正面方向への出射光成分が少なくなり、第1反射部31で反射した後に結像素子10に入射し易くなる。これにより、表示の効率が向上する。
【0064】
表示部20から出射した光80のうち、第1反射部31で反射された後に再び表示部20に戻る光は、実像40の形成に寄与しない。従って、第1反射部31で1回反射した後に結像素子10に到達する光の成分の比率を高めることが望ましい。
【0065】
表示装置113においては、正面方向以外に強い指向性を有する配光分布24が適用される。このために、例えば、表示部20として、サイドエミッタ型の発光ダイオードに基づく直下型バックライトを用いた液晶表示装置が用いられる。これにより、表示部20から出射した光80を、効率よく結像素子10に到達させることができ、光利用効率を大幅に向上できる。
【0066】
図13は、第1の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式的断面図である。 図13に表したように、本実施形態に係る別の表示装置114においては、結像素子10は、ハーフミラー11と再帰性反射板12とを含む。例えば、ハーフミラー11は、表示部20と並置される。ハーフミラー11の主面11aは、例えば、X−Y平面に対して実質的に平行である。再帰性反射板12の主面12aは、例えば、X−Y平面に対して傾斜している。再帰性反射板12は、ハーフミラー11に対向しつつ、第1反射部31に対向している。この例では、ハーフミラー11の主面11aが結像素子10の主面10aに相当する。
【0067】
表示部20から出射した光80は、第1反射部31で反射した後、ハーフミラー11に入射する。光80のうちのハーフミラー11を透過した成分は、再帰性反射板12で再帰反射した後、再びハーフミラー11に到達し、ここで正反射した成分は、実像40を形成する。ハーフミラー11を透過した成分は、表示部20に戻り、損失となる。
【0068】
一方、第1反射部31で反射した後にハーフミラー11で反射した光80は、再度、第1反射部31で反射した後、再帰性反射板12で再帰反射し、第1反射部31で反射した後、その一部がハーフミラー11を透過し実像40の形成に寄与する。
【0069】
この構成において、再帰性反射板12は、観察方向86から見えないように設置されることが望ましい。例えば遮蔽物51などで再帰性反射板12を遮蔽する。実用的な再帰性反射板12においては、全ての光を再帰反射することは難しく、若干の正反射及び散乱の少なくともいずれかを有している。このため、この特性が、観察方向86から実像40を観察する際に、妨害となってしまう。このとき、再帰性反射板12を観察方向86から見えない位置に設置することで、再帰性反射板12の反射部が観察されないため、このような妨害が抑制できる。
【0070】
また、表示部20として、バックライトを有する透過型液晶表示装置が用いられる。表示部20は、任意の画像61が表示可能である。表示部20の周囲には、結像素子10が設けられる。表示部20及び結像素子10に対向して、第1反射部31が設けられる。表示部20の表示面20dは、第1反射部31に対向する側を向いている。
【0071】
上記のような構成を有する表示装置114において、浮遊した実像40が観察できる。実像40と表示装置114と距離(第2距離L2)は、第1反射部31と表示部20との距離(第1距離L1)の2倍となり、薄い表示装置が実現できる。
【0072】
機械的または電気的な手段等を用いた距離制御部73(例えばスペーサなど)により、第1反射部31と表示部20との間隙を変化させることで、結像素子10と実像40の間の距離(第2距離L2)を変化させることができる。距離制御部73となるスペーサの高さを2倍にすると、実像40の浮遊量は2倍になる。
【0073】
この例では、第1反射部31には、表示部20に対向する部分に設けられた光吸収層34が設けられている。光吸収層34に関して、第2の実施形態として、以下説明する。
【0074】
(第2の実施形態)
図14は、第2の実施形態に係る表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
図14に表したように、本実施形態に係る表示装置120においては、第1反射部31は、表示部20に対向する部分に設けられた光吸収層34を含む。これ以外の構成は、表示装置110と同様とすることができるので説明を省略する。
【0075】
図14において、表示部20から出射された光80のうち、第1反射部31で1回反射した後、結像素子10に到達する光82は、所望の実像40の形成に寄与する。しかし、第1反射部31と表示部20との間で複数回の多重反射をする光83は、結像素子10に到達した後、所望の実像40とは異なる実像を形成する。
【0076】
表示装置120においては、第1反射部31のうちの表示部20に対向する部分に、光吸収層34を設けることで、光82は光吸収層34で吸収され、所望の実像40とは異なる実像の形成を抑制することができる。
【0077】
なお、光吸収層34を設ける代わりに、表示部20に対向する部分の第1反射部31を除去しても良い。この場合、光82は表示装置の外に出射される。
【0078】
このように、第1反射部31は、表示部20に対向する対向領域31aと、表示部20に対向しない非対向領域31bと、を有する。対向領域31aの少なくとも一部(例えば、光吸収層34が設けられている部分)の反射率は、非対向領域31bの反射率よりも低い。これにより、上記の、所望の実像40とは異なる実像の形成を抑制することができる。
【0079】
(第3の実施形態)
図15は、第3の実施形態に係る表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
図15に表したように、本実施形態に係る表示装置130は、第1反射部31上に設けられた位相差素子36をさらに備える。これ以外の構成は、表示装置110と同様とすることができるので説明を省略する。
【0080】
表示装置130においては、所望の実像40とは異なる実像の形成を、偏光を用いて抑制する。所望の実像40とは異なる実像は、第1反射部31と表示部20との間での多重反射によって形成されるものである。例えば、表示部20として、液晶表示装置が用いられる。この液晶表示装置には偏光板21が設けられており、液晶表示装置は、実質的に直線偏光を出射する。
【0081】
表示部20から出射した直線偏光が第1反射部31で反射した後、その一部は表示部20に戻り、吸収される。他の一部は、結像素子10に到達し、実像40の形成にそのまま利用される。これにより、所望の実像40とは異なる実像の形成が抑制される。
【0082】
このように、表示部20は、光を出射する表示面20d上に設けられた偏光板21を有する。表示装置130は、位相差素子36をさらに備える。位相差素子36は、表示部20と第1反射部31との間の光路85a上において、偏光板21と第1反射部31との間に設けられる。位相差素子36は、偏光板21から出射した偏光の偏光方向を回転させる。
【0083】
具体的には、最表面に偏光板21が貼られた表示部20と、第1反射部31と、の間の光路85a中に位相差素子36が設けられる。位相差素子36は、表示部20から出射した直線偏光の偏光方向を、第1反射部31で反射して表示部20に入射するまでの光路85a中で、90度回転させる。
【0084】
表示装置130においては、位相差素子36として、例えば4分の1波長板が用いられる。位相差素子36の常軸方向は、表示部20から出た直線偏光が最も90度に近く回転されて反射する方向とする。
【0085】
表示部20から出射された直線偏光のうち、第1反射部31に到達後、結像素子10に到達する光82は、実像40の形成に寄与する。このとき、光82の偏光面は回転するが、実像40の形成には実質的に影響を与えない。一方、表示部20から出射された直線偏光のうち、第1反射部31に到達後、表示部20に戻る光83の偏光面が位相差素子36により90度回転される。このため、光83は、表示部20の偏光板で吸収される。その結果、所望の実像40とは異なる実像の形成が抑制される。
【0086】
図16は、第3の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式的断面図である。 図16に表したように、本実施形態に係る別の表示装置131においても、位相差素子36が設けられる。これ以外の構成は、表示装置110と同様とすることができるので説明を省略する。
【0087】
この場合も、表示部20として、偏光板が設けられた液晶表示装置が用いられる。表示装置131においては、位相差素子36は、表示部20の第1反射部31に対向する側の面に設けられている。
【0088】
これにより、楕円偏光になった出射光のうち、第1反射部31で反射されて表示部20に戻った光83は、その楕円偏光の位相が反転するため、偏光板で吸収される。この場合も、位相差素子36として、例えば、4分の1波長板が用いられる。偏光板での光吸収が最大と成るように位相差素子36の常軸方向が定められる。表示部20に戻らず結像素子10に到達した光82は、実像40の結像に寄与する。表示装置131においても、所望の実像40とは異なる実像の形成が抑制される。
【0089】
なお、位相差素子36は、表示部20と第1反射部31との間に位置していれば良い。 すなわち、位相差素子36は、偏光板21と第1反射部31との間の第1位置、偏光板21上の第2位置、及び、第1反射部31上の第3位置の少なくともいずれかに設けられる。位相差素子36は、表示部20から出射した偏光(例えば直線偏光)の偏光方向を、第1反射部31で反射して表示部20に入射するまでの光路85a中で実質的に90度回転させる。
【0090】
(第4の実施形態)
図17は、第4の実施形態に係る表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
図17に表したように、本実施形態に係る表示装置140においては、第1反射部31は凹面鏡39を含む。すなわち、第1反射部31として凹面鏡39が用いられている。これ以外の構成は、表示装置110と同様とすることができるので説明を省略する。
【0091】
第1反射部31は、結像素子10に対向しつつ、表示部20とさらに対向している。表示装置120においては、表示部20は、凹面鏡39と、凹面鏡39の焦点39fとの間に配置される。凹面鏡39の作用により、表示部20の画像61の虚像61iが形成される。虚像61iは、凹面鏡39の下側(焦点39fとは反対側)に、拡大像として形成される。この虚像61iは、結像素子10によって、結像素子10の主面10aを対称面とする対称位置40pに、実像40として結像される。
【0092】
表示装置120においては、凹面鏡39の作用により、実像40が拡大される。このため、小さい画像61を拡大して実像40を形成することができ、より効果的な画像を形成することが可能となる。換言すれば、表示部20を縮小できる。
【0093】
第1の実施形態と同様に、表示部20と凹面鏡39との間隙を調整することにより、実像40の拡大率を変化させ、結像素子10と実像40との間の距離を変化させることができる。表示部20の画像61を凹面鏡39の焦点39fに近づければ、拡大率が大きくなると共に、表示部20と実像40との間の距離が長くなる。
【0094】
なお、この場合も、第1反射部31は、表示部20に対向する光吸収層34を含んでも良い。
【0095】
(第5の実施形態)
図18は、第5の実施形態に係る表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
図18に表したように、本実施形態に係る表示装置210は、結像素子10と表示部20と第1反射部31とを支持する支持体211をさらに含む。結像素子10、表示部20及び第1反射部31には、例えば表示装置110で説明した構成が採用される。ただし、実施形態はこれに限らず、第1〜第4の実施形態に関して説明した任意の表示装置及びそれらの変形の構成が適用できる。
【0096】
表示装置210においては、支持体211として例えば机が用いられる。結像素子10、表示部20及び第1反射部31は、支持体211の上面211u(机の上面)に埋め込まれている。支持体211の周りの観視者は、観察方向86で、表示装置210が表示する実像40を観視する。実像40は、結像素子10、表示部20及び第1反射部31の上方に知覚される。表示装置210においては、複数の観察方向86から、実像40が観察可能である。
【0097】
また、例えば、表示部20と実像40との間に、任意の物体を置くことで、実像40とその物体とを重畳させることができるユーザーインターフェースが実現できる。
【0098】
(第6の実施形態)
図19は、第6の実施形態に係る表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
図19に表したように、本実施形態に係る表示装置310は、結像素子10、表示部20及び第1反射部31に加え、スクリーン70をさらに含む。結像素子10、表示部20及び第1反射部31には、例えば表示装置140に関して説明した構成が採用される。
【0099】
スクリーン70は、実像40が形成される位置に配置される。スクリーン70は、例えば光散乱性を有する。スクリーン70は、光透過性を有しても良い。また、スクリーン70は、光反射性を有しても良い。
【0100】
表示部20で形成される画像61は、第1反射部31(凹面鏡39)で拡大された後、スクリーン70の位置で、実像40として結像される。
【0101】
光透過性のスクリーン70を配置した場合は、実像40の光は、広い角度で散乱される。このため、表示装置310は、広視野角のリアプロジェクタとして機能する。このリアプロジェクタは、第1の観察方向86a(スクリーン70から結像素子10に向かう方向)によって使用される。また、光学素子からスクリーン70までの距離が短い、薄型のリアプロジェクタが提供できる。
【0102】
一方、光反射性のスクリーン70を用いた場合は、表示装置310は、広視野角のフロントプロジェクタとなる。このフロントプロジェクタは、第2の観察方向86b(結像素子10からスクリーン70に向かう方向)によって使用される。そして、表示装置310の厚さを薄くすることができ、薄型かつ小型のフロントプロジェクタが提供できる。
【0103】
実施形態によれば、実像の浮遊量を増大できる実用的な表示装置が提供される。
【0104】
なお、本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれば良い。
【0105】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明の実施形態は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、表示装置に含まれる表示部、結像素子、反射部、凹面鏡、光制御部、距離制御部、光吸収層及び位相差素子などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0106】
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0107】
その他、本発明の実施形態として上述した表示装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての表示装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0108】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0109】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0110】
10…結像素子、 10a…主面、 11…ハーフミラー、 11a…主面、 12…再帰性反射板、 12a…主面、 19…鏡、 20…表示部、 20d…表示面、 21…偏光板、 24…配光分布、 30a…部分、 31…第1反射部、 31a…対向領域、 31b…非対向領域、 32…第2反射部、33…第3反射部、 34…光吸収層、 35…折りたたみ面、 36…位相差素子、 39…凹面鏡、 39f…焦点、 40…実像、 40a…異なる実像、 40p…対称位置、 41…実像、 42…虚像、 45…物体、 45p…対称位置、 51、遮蔽物、 61…画像、 61i…虚像、 62…物体、 70…スクリーン、 71…光制御部、 73…距離制御部、 80、81、82、83…光、 85、85a…光路、 86…観察方向、 86a、86b…第1及び第2観察方向、 110、110a、110b、111、112、112a、112b、113、114、120、130、131、140、210、310…表示装置、 211…支持体、 211u…上面、 L1、L2…第1及び第2距離、 L1a、L2a…距離、 r1、r2…第1及び第2領域
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
素子面に入射した光の方向ベクトルの素子面内方向成分のみが再帰性反射と同等の作用を受け、それ以外の成分は保存される素子が考えられる。このような素子は、素子面に対して面対称の位置に実像を結像する。この素子を用いることで、素子面から離れた位置に実像を形成することができ、空中に浮かんでいるかのような映像を提示することができる。実像の浮遊量を増大できる実用的な構成が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−70073号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、実像の浮遊量を増大できる実用的な表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態によれば、表示部と、結像素子と、第1反射部と、を備えた表示装置が提供される。前記表示部は、光を出射する。前記結像素子は、主面を有し、物体の実像を、前記主面を対称面とした前記物体の対称位置に結像する。前記結像素子は、前記主面の法線方向に沿ってみたときに前記表示部と重ならない部分を有する。前記第1反射部は、前記主面と対向する部分を有し、前記表示部から出射した前記光を反射して前記結像素子の前記表示部と重ならない前記部分に入射させる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】第1の実施形態に係る表示装置を示す模式的断面図である。
【図2】第1の実施形態に係る表示装置を示す模式的平面図である。
【図3】図3(a)及び図3(b)は、光学素子の特性を示す模式図である。
【図4】表示装置に用いられる素子の動作を示す模式的断面図である。
【図5】第1の実施形態に係る表示装置の動作を示す模式的断面図である。
【図6】第1の実施形態に係る表示装置の動作を示す模式的斜視図である。
【図7】第1の実施形態に係る別の表示装置を示す模式的平面図である。
【図8】図8(a)及び図8(b)は、第1の実施形態に係る別の表示装置を示す模式断面図である。
【図9】第1の実施形態に係る別の表示装置を示す模式的断面図である。
【図10】第1の実施形態に係る別の表示装置を示す模式的断面図である。
【図11】第1の実施形態に係る別の表示装置を示す模式的断面図である。
【図12】第1の実施形態に係る別の表示装置の特性を示す模式的断面図である。
【図13】第1の実施形態に係る別の表示装置を示す模式的断面図である。
【図14】第2の実施形態に係る表示装置を示す模式的断面図である。
【図15】第3の実施形態に係る表示装置を示す模式的断面図である。
【図16】第3の実施形態に係る別の表示装置を示す模式的断面図である。
【図17】第4の実施形態に係る表示装置を示す模式的断面図である。
【図18】第5の実施形態に係る表示装置を示す模式的断面図である。
【図19】第6の実施形態に係る表示装置を示す模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、各実施形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
図2は、第1の実施形態に係る表示装置の構成を例示する模式的平面図である。
図1は、図2のA1−A2線断面図である。
図1に表したように、本実施形態に係る表示装置110は、結像素子10と、表示部20と、第1反射部31と、を含む。
【0009】
この例では、表示部20は、結像素子10と並置される。表示部20は、光80を出射する。光80は、画像61を含む。ここで、表示部20とは別に光源が設けられ、光源から放出された光を表示部20が反射し、表示部20から表示部20の外部に向けて光が進む場合も、表示部20が光を出射することに含まれるものとする。
【0010】
第1反射部31は、結像素子10に対向する部分30aを少なくとも含む。第1反射部31は、表示部20から出射した光80を反射して、結像素子10に入射させる。
【0011】
結像素子10は、主面10aを有している。結像素子10は、主面10aの法線方向に沿ってみたときに表示部20と重ならない部分を有する。この例では、結像素子10は、主面10aの法線方向に沿ってみたときに、表示部20と重ならない。例えば、表示部20は、主面10aの法線に対して非平行な方向において結像素子10と並ぶ。この例では、表示部20は、主面10aに対して平行な方向において結像素子10と並ぶ。ただし、後述するように、表示部20の配置は、種々の変形が可能である。なお、本願明細書において、複数の要素どうしの位置の関係は、例えば、複数の要素のそれぞれの重心どうしの位置の関係により規定する。第1反射部31は、表示部20から出射した光80を反射して、結像素子10の、主面10aの法線方向に沿ってみたときに表示部20と重ならない部分に入射させる。
【0012】
例えば、空間内に第1領域r1と第2領域r2とが設けられる。第1領域r1と第2領域r2とは、層状である。第1領域r1は、空間内の1つの平面に対して平行な層状である。第2領域r2は、第1領域r1と平行に設けられる。すなわち、第2領域r1もその平面に対して平行な層状である。
【0013】
この例では、結像素子10は、第1領域r1内に設けられる。結像素子10は、主面10aを有する。例えば、主面10aは、第1領域r1の層の面に対して実質的に平行である。ただし、実施形態はこれに限らず、主面10aは、第1領域r1の層の平面に対して傾斜していても良い。
【0014】
この例では、表示部20は、第1領域r1内に設けられている。すなわち、表示部20は、第1領域r1内において結像素子10と並置される。例えば、表示部20は、光80を出射する表示面20dを有する。表示面20dは、例えば平面状である。表示面20dは、例えば、第1領域r1の層の面に対して実質的に平行である。ただし、実施形態はこれに限らず、表示面20dは、第1領域r1の層の平面に対して傾斜していても良い。この例では、表示部20は、結像素子10と同じ平面内に設けられている。ただし、実施形態はこれに限らず、表示部20は、結像素子10が設けられる平面とは異なる平面内に設けられても良い。
【0015】
第1反射部31は、第2領域r2内に設けられる。例えば、第1反射部31の反射面は、結像素子10の主面10aに対して実質的に平行に配置される。
【0016】
例えば、第1反射部31と結像素子10との間の距離は、距離制御部73(例えばスペーサなど)により制御される。第1反射部31と結像素子10との間の距離は、固定でも良く、また、可変でも良い。すなわち、表示装置110は、第1反射部31と表示部20と間の距離、及び、第1反射部31と結像素子10との間の距離の少なくともいずれかを変化させる距離制御部73をさらに含むことができる。
【0017】
表示部20の表示面20dには、例えば画像61が形成される。また、表示部20の画像61は、物体62でも良い。
【0018】
画像61は、第1反射部31で反射し、画像61を含む光80は、光路85に沿って進行し、結像素子10に入射する。結像素子10は、光80に基づく実像40を結像する。実像40は、結像素子10の第1反射部31とは反対側の位置に配置される。観視者からみると、実像40は、結像素子10の上方(表示部20の上方)に浮いているように知覚される。
【0019】
このように、実像40と第1反射部31との間に、結像素子10(及び表示部20)が配置される。すなわち、実像40と第2領域r2との間に第1領域r1が配置される。
【0020】
ここで、説明の便宜上、第1領域r1及び第2領域r2の層面に対して平行な平面をX−Y平面とする。例えば、結像素子10の主面10aは、X−Y平面に対して平行である。X−Y平面に対して平行な1つの軸をX軸とする。X−Y平面に対して平行でX軸に対して垂直な軸をY軸とする。X−Y平面に対して垂直な軸をZ軸とする。
【0021】
ここで、第1反射部31と結像素子10との間のZ軸に沿った距離を第1距離L1とする。結像素子10と実像40との間のZ軸に沿った距離を第2距離L2とする。表示装置110の厚さは、第1距離L1に依存する。第2距離L2は、実像40の浮き上がっている高さに相当する。
【0022】
図2に表したように、結像素子10は、第1領域r1内において、表示部20を取り囲むように、表示部20と並置されている。例えば、結像素子10は、主面10aに対して平行な面内において表示部20を囲む。この例のように、結像素子10が表示部20を取り囲む場合、実像40は、表示部20の周りの種々の観察方向86から視認できる。
【0023】
ただし、実施形態においては、後述するように、結像素子10は、表示部20の少なくとも1つの部分に沿って設けられれば良い。なお、図2に示した例では、表示部20の1つの辺はX軸に対して平行である。表示部の別の辺は、Y軸に対して平行である。
【0024】
図3(a)及び図3(b)は、光学素子の特性を例示する模式図である。
図3(a)は、本実施形態に係る結像素子10の特性を例示している。図3(b)は、光学素子の1つである鏡の特性を例示している。
【0025】
図3(b)に表したように、鏡19に物体45が並置されている。このとき、鏡19は物体45からの光を鏡19の面で反射する。このため、鏡19で形成される像は、虚像42である。
【0026】
一方、図3(a)に表したように、結像素子10に物体45が並置された場合は、結像素子10で形成される像は、実像41である。
【0027】
鏡19の場合も、結像素子10の場合も、形成される像は、素子面(鏡19の面、または、結像素子10の主面10a)に対して、物体45と面対称である。鏡19は虚像42を形成するのに対して、結像素子10は実像41を形成する。
【0028】
すなわち、図3(a)に表したように、結像素子10は、主面10aを有している。結像素子10は、主面10aを対称面とした物体45の対称位置45pに、物体45の実像41を結像する。
【0029】
このような結像素子10の動作の例について説明する。
図4は、表示装置に用いられる素子の動作を例示する模式的断面図である。
図4に表したように、結像素子10に対向して画像61(または物体62)を配置する。すなわち、図4に示した状態は、画像61の位置に表示部20を配置した状態に相当する。この構成においては、画像61から出射した光80は、結像素子10でその方向を変換し、実像40が結像される。実像40の位置は、画像61の、結像素子10の主面10aに対して面対称の位置である。結像素子10は、再帰性実像結像素子として機能する。
【0030】
このとき、結像素子10と画像61との距離L1aは、結像素子10と実像40との距離L2aと同じである。ここで距離L2aの高さで浮遊する実像40を形成するためには、結像素子10と画像61との距離L1aを、距離L2aと同じにする。この構成においては、結像素子10と画像61との距離L1a(すなわち、結像素子10と表示部20との間の第1距離L1に相当する)は、長くなる。
【0031】
このように、図4に例示した構成においては、実像40と結像素子10の間の距離L2a(すなわち実像の浮遊量)を増大させようとすると、画像61と結像素子10との間の距離L1aも同じだけ長くする必要があり、表示装置は、非常に大きな体積を必要とする。
【0032】
このとき、図4に例示したように、結像素子10と画像61との間に、光路85の折りたたみ面35を挿入する。具体的には、第1反射部31を挿入する。
【0033】
図5は、第1の実施形態に係る表示装置の動作を例示する模式的断面図である。
図5に表したように、本実施形態に係る表示装置110においては、上記の折りたたみ面35の位置に第1反射部31を設ける。これにより、画像61の虚像は、第1反射部31(折りたたみ面35)に対して対称な位置に結像される。さらに、画像61の虚像は、結像素子10に対して対称な位置に実像として結像される。
【0034】
これにより、結像素子10との間の第1距離L1は、結像素子10と実像40との間の第2距離L2よりも短くなる。具体的には、第1距離L1(表示装置110の厚さに相当する)は、第2距離L2の1/2になる。
【0035】
このように、本実施形態によれば、実像40の浮遊量を増大し第2距離L2を長くしても、表示装置110の厚さ(第1距離L1)を小さく維持できる。すなわち、実像の浮遊量を増大できる実用的な表示装置が提供できる。
【0036】
このように、本実施形態においては、第1反射部31により光路85を画像61の側で折りたたむことにより、薄い表示装置を実現することができる。
【0037】
図6は、第1の実施形態に係る表示装置の動作を例示する模式的斜視図である。
図6に表したように、結像された実像40は、結像素子10を含む平面の上に。浮かぶように形成される。表示部20の表示面20dは、実像40が形成される側と反対の方向に配置されており、観視者からは直接見えない。
【0038】
実施形態において、表示部20と実像40との間に、他の物体、映像、模様及び文字などの少なくともいずれかを表示しても良い。
【0039】
図7は、第1の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式的平面図である。
図7に表したように、本実施形態に係る表示装置111においては、結像素子10は、表示部20の周囲の一部に沿って設けられている。この例では、例えば、結像素子10は、主面10aに対して平行な方向に沿って表示部20を挟む。表示装置111の断面構成は、表示装置110と同様なので説明を省略する。
【0040】
表示装置111のように、結像素子10を表示部20の周囲の一部に沿って配置することで、表示装置111の平面的な大きさが縮小できる。結像素子10を表示部20の周囲の一部に配置する場合は、実像40の観察方向86が限定される。
【0041】
本実施形態において、表示部20からの光80(画像61の光)のうちで、表示部20(画像61)に重ならず結像素子10に達した光が、実像40の形成に寄与する。従って、画像61の光80を効率よく結像素子10に導入すれば、光利用効率の低下は抑制できる。なお、光80のうちで、第1反射部31で反射した後に再び画像61に戻ってくる光は、実像40の形成には寄与しない。
【0042】
実施形態において、表示部20から出射された画像61に相当する光80は、第1反射部31で反射した後、結像素子10に入射する。後述するように、表示部20から出射した光80が効率よく結像素子10に入射するように、表示部20からの出射光に指向性を持たせることが望ましい。
【0043】
図8(a)及び図8(b)は、第1の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式断面図である。
図8(a)に表したように、実施形態に係る別の表示装置110aにおいては、結像素子10のZ軸に沿った位置は、表示部20のZ軸に沿った位置と異なる。例えば、結像素子10の主面10aのZ軸に沿った位置は、表示部20の表示面20dのZ軸に沿った位置と異なる。
【0044】
表示装置110及び110aにおいては、表示部20の表示面20dは、主面10aに対して平行である。しかし、平行でなくても良い。
図8(b)に表したように、実施形態に係る別の表示装置110bにおいては、結像素子10の主面10aは、表示部20の表示面20dと非平行である。なお、表示装置110bにおいては、第1反射部31は、主面10aに対して平行である。
このような構成を有する表示装置110a及び110bにおいても、実像の浮遊量を増大できる実用的な表示装置を提供することができる。
【0045】
表示部20の表示面20dは、主面10aに対して実質的に平行であることが好ましい。これにより、表示装置の厚さが薄くできる。例えば、表示面20dと主面10aとの間の角度は、プラスマイナス30度以下である。表示面20dと主面10aとの間の角度は、例えばプラスマイナス20度以下であることが、装置を薄くする場合には、さらに好ましい。ただし、例えば、物体45の実像41を所望の位置に結像させたい場合には、この角度は任意に設定して良い。
【0046】
第1反射部31は、主面10aに対して実質的に平行である。例えば、第1反射部31の反射面と主面10aとの間の角度は、例えばプラスマイナス10度以下である。これにより、例えば、表示部20の像を正しく結像させることができる。この角度は、例えばプラスマイナス5度以下であることがさらに好ましい。
【0047】
表示装置110に関して説明した例では、1回の折りたたみによって実像40が形成されるが、折りたたみ回数は2回以上でも良い。
図9は、第1の実施形態に係る別の表示装置の構成及び動作を例示する模式断面図である。
図9に表したように、本実施形態に係る表示装置112においては、折りたたみ回数が2回である。
【0048】
すなわち、表示装置112は、結像素子10、表示部20及び第1反射部31に加え、第2反射部32をさらに備える。
第2反射部32は、主面10aの法線方向に沿ってみたときに結像素子10と重ならない部分を有する。例えば、第2反射部32は、主面10aの法線に対して非平行な方向において結像素子10と並ぶ。この例では、表示部20は、主面10aに対して平行な方向において第1反射部31と並び、第2反射部32は、主面10aに対して平行な方向において結像素子10と並ぶ。
【0049】
結像素子10は、空間内の平面に対して平行な層状の第1領域r1内に設けられる。第2反射部32は、第1領域r1内において結像素子10と並置される。表示部20は、第1領域r1に対して平行に設けられた層状の第2領域r2内に設けられる。第1反射部31は、第2領域r2内において表示部20と並置される。
【0050】
なお、第2反射部32は、結像素子10が設けられる平面内に設けられても良く、異なる平面内に設けられても良い。第1反射部31は、表示部20が設けられる平面内に設けられても良く、異なる平面内に設けられても良い。
【0051】
第2反射部32は、表示部20から出射した光80を反射して第1反射部31に入射させる。第1反射部31は、第2反射部32で反射した光を反射して結像素子10に入射させる。
【0052】
このように、この例では、結像素子10に並ぶように第2反射部32が配置される。表示部20は、結像素子10と対向する第1反射部31に並ぶように配置される。これにより、画像61の光80は、光路85に沿って進行し、第2反射部32及び第1反射部31で反射した後に、結像素子10を経由して実像40を形成する。
【0053】
このとき、第1距離L1は、第2距離L2の3分の1となる。これにより、より薄い表示装置が実現できる。
【0054】
なお、画像61から、第1反射部31及び第2反射部32を経由しないで結像素子10に直接入射する光81は、目的とする実像40とは異なる位置に、異なる実像40aを形成してしまう。
【0055】
この例では、表示装置112は、表示部20から出射する光80のうちで、第1反射部31(及び第2反射部32の少なくともいずれか)に入射しないで結像素子10に入射する光の強度を弱める光制御部71をさらに備える。光制御部71は、このような光を、例えば遮光する。また、光制御部71は、例えば、表示部20から出射する光80(画像61の光80)の指向性を狭める。これにより、不要な光が結像素子10に入射することを抑制できる。
【0056】
この場合も距離制御部73を設けることができる。距離制御部73は、第1反射部31と結像素子10との間の距離(第1距離L1)を変化させることができる。
【0057】
なお、結像素子10、表示部20及び第1反射部31の配置によっては、距離制御部73は、第1反射部31と表示部20と間の距離を変化させても良い。すなわち、距離制御部73は、第1反射部31と表示部20と間の距離、及び、第1反射部31と結像素子10との間の距離の少なくともいずれかを変化させることができる。
【0058】
図10は、第1の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式的断面図である。 図10に表したように、表示装置112aにおいては、表示部20のZ軸に沿った位置は、第1反射部31のZ軸に沿った位置と異なる。第2反射部32のZ軸に沿った位置は、結像素子10のZ軸に沿った位置と異なる。表示装置112aにおいても、実像の浮遊量を増大できる実用的な表示装置を提供することができる。また、表示装置112及び112aにおいて、結像素子10の主面10aに対して非平行でも良い。
【0059】
図11は、第1の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式的断面図である。 図11に表したように、表示装置112bは、結像素子10、表示部20、第1反射部31及び第2反射部32に加え、第3反射部33をさらに備える。
【0060】
第3反射部33は、主面10aの法線に沿ってみたときに第1反射部31と重ならない部分を有する。例えば、第3反射部33は、主面10aの法線に対して非平行な方向において第1反射部31と並ぶ。この例では、表示部20は、主面10aに対して平行な方向において結像素子10と並ぶ。第2反射部32は、主面10aに対して平行な方向において表示部20と並ぶ。第3反射部33は、主面10aに対して平行な方向において第1反射部31と並ぶ。
【0061】
このような構成を有する表示装置112bにおいては、1折りたたみ回数が3回である。このように、折りたたみ回数は任意である。表示装置112bにおいても、実像の浮遊量を増大できる実用的な表示装置を提供することができる。
【0062】
図12は、第1の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式的断面図である。 図12に表したように、本実施形態に係る表示装置113においては、表示部20から出射する光80の配光分布24は、正面よりも斜め方向の光の強度が強い特性を有する。すなわち、Z軸に対して斜め方向の光の強度は、Z軸に沿う光の強度よりも高い。換言すれば、表示部20から出射した光80のうちの、表示部20の表示面20dに対して垂直な方向(Z軸方向)における強度は、表示部20から出射した光80のうちの、Z軸方向から傾斜した方向の強度よりも低い。
【0063】
例えば、表示部20に用いられる表示装置の光源として、サイドエミッタ型の発光ダイオードを用いることで、このような配光分布24が得られる。これにより、表示部20から出射する光80の正面方向への出射光成分が少なくなり、第1反射部31で反射した後に結像素子10に入射し易くなる。これにより、表示の効率が向上する。
【0064】
表示部20から出射した光80のうち、第1反射部31で反射された後に再び表示部20に戻る光は、実像40の形成に寄与しない。従って、第1反射部31で1回反射した後に結像素子10に到達する光の成分の比率を高めることが望ましい。
【0065】
表示装置113においては、正面方向以外に強い指向性を有する配光分布24が適用される。このために、例えば、表示部20として、サイドエミッタ型の発光ダイオードに基づく直下型バックライトを用いた液晶表示装置が用いられる。これにより、表示部20から出射した光80を、効率よく結像素子10に到達させることができ、光利用効率を大幅に向上できる。
【0066】
図13は、第1の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式的断面図である。 図13に表したように、本実施形態に係る別の表示装置114においては、結像素子10は、ハーフミラー11と再帰性反射板12とを含む。例えば、ハーフミラー11は、表示部20と並置される。ハーフミラー11の主面11aは、例えば、X−Y平面に対して実質的に平行である。再帰性反射板12の主面12aは、例えば、X−Y平面に対して傾斜している。再帰性反射板12は、ハーフミラー11に対向しつつ、第1反射部31に対向している。この例では、ハーフミラー11の主面11aが結像素子10の主面10aに相当する。
【0067】
表示部20から出射した光80は、第1反射部31で反射した後、ハーフミラー11に入射する。光80のうちのハーフミラー11を透過した成分は、再帰性反射板12で再帰反射した後、再びハーフミラー11に到達し、ここで正反射した成分は、実像40を形成する。ハーフミラー11を透過した成分は、表示部20に戻り、損失となる。
【0068】
一方、第1反射部31で反射した後にハーフミラー11で反射した光80は、再度、第1反射部31で反射した後、再帰性反射板12で再帰反射し、第1反射部31で反射した後、その一部がハーフミラー11を透過し実像40の形成に寄与する。
【0069】
この構成において、再帰性反射板12は、観察方向86から見えないように設置されることが望ましい。例えば遮蔽物51などで再帰性反射板12を遮蔽する。実用的な再帰性反射板12においては、全ての光を再帰反射することは難しく、若干の正反射及び散乱の少なくともいずれかを有している。このため、この特性が、観察方向86から実像40を観察する際に、妨害となってしまう。このとき、再帰性反射板12を観察方向86から見えない位置に設置することで、再帰性反射板12の反射部が観察されないため、このような妨害が抑制できる。
【0070】
また、表示部20として、バックライトを有する透過型液晶表示装置が用いられる。表示部20は、任意の画像61が表示可能である。表示部20の周囲には、結像素子10が設けられる。表示部20及び結像素子10に対向して、第1反射部31が設けられる。表示部20の表示面20dは、第1反射部31に対向する側を向いている。
【0071】
上記のような構成を有する表示装置114において、浮遊した実像40が観察できる。実像40と表示装置114と距離(第2距離L2)は、第1反射部31と表示部20との距離(第1距離L1)の2倍となり、薄い表示装置が実現できる。
【0072】
機械的または電気的な手段等を用いた距離制御部73(例えばスペーサなど)により、第1反射部31と表示部20との間隙を変化させることで、結像素子10と実像40の間の距離(第2距離L2)を変化させることができる。距離制御部73となるスペーサの高さを2倍にすると、実像40の浮遊量は2倍になる。
【0073】
この例では、第1反射部31には、表示部20に対向する部分に設けられた光吸収層34が設けられている。光吸収層34に関して、第2の実施形態として、以下説明する。
【0074】
(第2の実施形態)
図14は、第2の実施形態に係る表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
図14に表したように、本実施形態に係る表示装置120においては、第1反射部31は、表示部20に対向する部分に設けられた光吸収層34を含む。これ以外の構成は、表示装置110と同様とすることができるので説明を省略する。
【0075】
図14において、表示部20から出射された光80のうち、第1反射部31で1回反射した後、結像素子10に到達する光82は、所望の実像40の形成に寄与する。しかし、第1反射部31と表示部20との間で複数回の多重反射をする光83は、結像素子10に到達した後、所望の実像40とは異なる実像を形成する。
【0076】
表示装置120においては、第1反射部31のうちの表示部20に対向する部分に、光吸収層34を設けることで、光82は光吸収層34で吸収され、所望の実像40とは異なる実像の形成を抑制することができる。
【0077】
なお、光吸収層34を設ける代わりに、表示部20に対向する部分の第1反射部31を除去しても良い。この場合、光82は表示装置の外に出射される。
【0078】
このように、第1反射部31は、表示部20に対向する対向領域31aと、表示部20に対向しない非対向領域31bと、を有する。対向領域31aの少なくとも一部(例えば、光吸収層34が設けられている部分)の反射率は、非対向領域31bの反射率よりも低い。これにより、上記の、所望の実像40とは異なる実像の形成を抑制することができる。
【0079】
(第3の実施形態)
図15は、第3の実施形態に係る表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
図15に表したように、本実施形態に係る表示装置130は、第1反射部31上に設けられた位相差素子36をさらに備える。これ以外の構成は、表示装置110と同様とすることができるので説明を省略する。
【0080】
表示装置130においては、所望の実像40とは異なる実像の形成を、偏光を用いて抑制する。所望の実像40とは異なる実像は、第1反射部31と表示部20との間での多重反射によって形成されるものである。例えば、表示部20として、液晶表示装置が用いられる。この液晶表示装置には偏光板21が設けられており、液晶表示装置は、実質的に直線偏光を出射する。
【0081】
表示部20から出射した直線偏光が第1反射部31で反射した後、その一部は表示部20に戻り、吸収される。他の一部は、結像素子10に到達し、実像40の形成にそのまま利用される。これにより、所望の実像40とは異なる実像の形成が抑制される。
【0082】
このように、表示部20は、光を出射する表示面20d上に設けられた偏光板21を有する。表示装置130は、位相差素子36をさらに備える。位相差素子36は、表示部20と第1反射部31との間の光路85a上において、偏光板21と第1反射部31との間に設けられる。位相差素子36は、偏光板21から出射した偏光の偏光方向を回転させる。
【0083】
具体的には、最表面に偏光板21が貼られた表示部20と、第1反射部31と、の間の光路85a中に位相差素子36が設けられる。位相差素子36は、表示部20から出射した直線偏光の偏光方向を、第1反射部31で反射して表示部20に入射するまでの光路85a中で、90度回転させる。
【0084】
表示装置130においては、位相差素子36として、例えば4分の1波長板が用いられる。位相差素子36の常軸方向は、表示部20から出た直線偏光が最も90度に近く回転されて反射する方向とする。
【0085】
表示部20から出射された直線偏光のうち、第1反射部31に到達後、結像素子10に到達する光82は、実像40の形成に寄与する。このとき、光82の偏光面は回転するが、実像40の形成には実質的に影響を与えない。一方、表示部20から出射された直線偏光のうち、第1反射部31に到達後、表示部20に戻る光83の偏光面が位相差素子36により90度回転される。このため、光83は、表示部20の偏光板で吸収される。その結果、所望の実像40とは異なる実像の形成が抑制される。
【0086】
図16は、第3の実施形態に係る別の表示装置の構成を例示する模式的断面図である。 図16に表したように、本実施形態に係る別の表示装置131においても、位相差素子36が設けられる。これ以外の構成は、表示装置110と同様とすることができるので説明を省略する。
【0087】
この場合も、表示部20として、偏光板が設けられた液晶表示装置が用いられる。表示装置131においては、位相差素子36は、表示部20の第1反射部31に対向する側の面に設けられている。
【0088】
これにより、楕円偏光になった出射光のうち、第1反射部31で反射されて表示部20に戻った光83は、その楕円偏光の位相が反転するため、偏光板で吸収される。この場合も、位相差素子36として、例えば、4分の1波長板が用いられる。偏光板での光吸収が最大と成るように位相差素子36の常軸方向が定められる。表示部20に戻らず結像素子10に到達した光82は、実像40の結像に寄与する。表示装置131においても、所望の実像40とは異なる実像の形成が抑制される。
【0089】
なお、位相差素子36は、表示部20と第1反射部31との間に位置していれば良い。 すなわち、位相差素子36は、偏光板21と第1反射部31との間の第1位置、偏光板21上の第2位置、及び、第1反射部31上の第3位置の少なくともいずれかに設けられる。位相差素子36は、表示部20から出射した偏光(例えば直線偏光)の偏光方向を、第1反射部31で反射して表示部20に入射するまでの光路85a中で実質的に90度回転させる。
【0090】
(第4の実施形態)
図17は、第4の実施形態に係る表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
図17に表したように、本実施形態に係る表示装置140においては、第1反射部31は凹面鏡39を含む。すなわち、第1反射部31として凹面鏡39が用いられている。これ以外の構成は、表示装置110と同様とすることができるので説明を省略する。
【0091】
第1反射部31は、結像素子10に対向しつつ、表示部20とさらに対向している。表示装置120においては、表示部20は、凹面鏡39と、凹面鏡39の焦点39fとの間に配置される。凹面鏡39の作用により、表示部20の画像61の虚像61iが形成される。虚像61iは、凹面鏡39の下側(焦点39fとは反対側)に、拡大像として形成される。この虚像61iは、結像素子10によって、結像素子10の主面10aを対称面とする対称位置40pに、実像40として結像される。
【0092】
表示装置120においては、凹面鏡39の作用により、実像40が拡大される。このため、小さい画像61を拡大して実像40を形成することができ、より効果的な画像を形成することが可能となる。換言すれば、表示部20を縮小できる。
【0093】
第1の実施形態と同様に、表示部20と凹面鏡39との間隙を調整することにより、実像40の拡大率を変化させ、結像素子10と実像40との間の距離を変化させることができる。表示部20の画像61を凹面鏡39の焦点39fに近づければ、拡大率が大きくなると共に、表示部20と実像40との間の距離が長くなる。
【0094】
なお、この場合も、第1反射部31は、表示部20に対向する光吸収層34を含んでも良い。
【0095】
(第5の実施形態)
図18は、第5の実施形態に係る表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
図18に表したように、本実施形態に係る表示装置210は、結像素子10と表示部20と第1反射部31とを支持する支持体211をさらに含む。結像素子10、表示部20及び第1反射部31には、例えば表示装置110で説明した構成が採用される。ただし、実施形態はこれに限らず、第1〜第4の実施形態に関して説明した任意の表示装置及びそれらの変形の構成が適用できる。
【0096】
表示装置210においては、支持体211として例えば机が用いられる。結像素子10、表示部20及び第1反射部31は、支持体211の上面211u(机の上面)に埋め込まれている。支持体211の周りの観視者は、観察方向86で、表示装置210が表示する実像40を観視する。実像40は、結像素子10、表示部20及び第1反射部31の上方に知覚される。表示装置210においては、複数の観察方向86から、実像40が観察可能である。
【0097】
また、例えば、表示部20と実像40との間に、任意の物体を置くことで、実像40とその物体とを重畳させることができるユーザーインターフェースが実現できる。
【0098】
(第6の実施形態)
図19は、第6の実施形態に係る表示装置の構成を例示する模式的断面図である。
図19に表したように、本実施形態に係る表示装置310は、結像素子10、表示部20及び第1反射部31に加え、スクリーン70をさらに含む。結像素子10、表示部20及び第1反射部31には、例えば表示装置140に関して説明した構成が採用される。
【0099】
スクリーン70は、実像40が形成される位置に配置される。スクリーン70は、例えば光散乱性を有する。スクリーン70は、光透過性を有しても良い。また、スクリーン70は、光反射性を有しても良い。
【0100】
表示部20で形成される画像61は、第1反射部31(凹面鏡39)で拡大された後、スクリーン70の位置で、実像40として結像される。
【0101】
光透過性のスクリーン70を配置した場合は、実像40の光は、広い角度で散乱される。このため、表示装置310は、広視野角のリアプロジェクタとして機能する。このリアプロジェクタは、第1の観察方向86a(スクリーン70から結像素子10に向かう方向)によって使用される。また、光学素子からスクリーン70までの距離が短い、薄型のリアプロジェクタが提供できる。
【0102】
一方、光反射性のスクリーン70を用いた場合は、表示装置310は、広視野角のフロントプロジェクタとなる。このフロントプロジェクタは、第2の観察方向86b(結像素子10からスクリーン70に向かう方向)によって使用される。そして、表示装置310の厚さを薄くすることができ、薄型かつ小型のフロントプロジェクタが提供できる。
【0103】
実施形態によれば、実像の浮遊量を増大できる実用的な表示装置が提供される。
【0104】
なお、本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれば良い。
【0105】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明の実施形態は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、表示装置に含まれる表示部、結像素子、反射部、凹面鏡、光制御部、距離制御部、光吸収層及び位相差素子などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0106】
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0107】
その他、本発明の実施形態として上述した表示装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての表示装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0108】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0109】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0110】
10…結像素子、 10a…主面、 11…ハーフミラー、 11a…主面、 12…再帰性反射板、 12a…主面、 19…鏡、 20…表示部、 20d…表示面、 21…偏光板、 24…配光分布、 30a…部分、 31…第1反射部、 31a…対向領域、 31b…非対向領域、 32…第2反射部、33…第3反射部、 34…光吸収層、 35…折りたたみ面、 36…位相差素子、 39…凹面鏡、 39f…焦点、 40…実像、 40a…異なる実像、 40p…対称位置、 41…実像、 42…虚像、 45…物体、 45p…対称位置、 51、遮蔽物、 61…画像、 61i…虚像、 62…物体、 70…スクリーン、 71…光制御部、 73…距離制御部、 80、81、82、83…光、 85、85a…光路、 86…観察方向、 86a、86b…第1及び第2観察方向、 110、110a、110b、111、112、112a、112b、113、114、120、130、131、140、210、310…表示装置、 211…支持体、 211u…上面、 L1、L2…第1及び第2距離、 L1a、L2a…距離、 r1、r2…第1及び第2領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を出射する表示部と、
主面を有し、物体の実像を、前記主面を対称面とした前記物体の対称位置に結像する結像素子であって、前記結像素子は、前記主面の法線方向に沿ってみたときに前記表示部と重ならない部分を有する結像素子と、
前記主面と対向する部分を有し、前記表示部から出射した前記光を反射して前記結像素子の前記表示部と重ならない前記部分に入射させる第1反射部と、
を備えた表示装置。
【請求項2】
前記表示部は、前記主面に対して平行な方向において前記結像素子と並ぶ請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記主面の法線方向に沿ってみたときに前記結像素子と重ならない部分を有する第2反射部をさらに備え、
前記第2反射部は、前記表示部から出射した前記光を反射して前記第1反射部に入射させ、
前記第1反射部は、前記第1反射部から出射した光を反射して前記結像素子に入射させる請求項1記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示部は、前記主面に対して平行な方向において前記第1反射部と並び、
前記第2反射部は、前記主面に対して平行な方向において前記結像素子と並ぶ請求項3記載の表示装置。
【請求項5】
前記結像素子は、前記主面に対して平行な方向に沿って前記表示部を挟む請求項1〜4のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項6】
前記結像素子は、前記主面に対して平行な面内において前記表示部を囲む請求項1〜5のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項7】
前記表示部は、前記光を出射する表示面を有し、前記表示面は、前記主面に対して平行である請求項1〜6のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1反射部は凹面鏡を含み、前記表示部とさらに対向し、
前記表示部は、前記凹面鏡の焦点と前記凹面鏡の鏡面との間に配置される請求項1〜7のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項9】
前記第1反射部は、前記表示部に対向する対向領域と、前記表示部に対向しない非対向領域と、を有し、前記対向領域の少なくとも一部の反射率は、前記非対向領域の反射率よりも低い請求項1〜8のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項10】
前記第1反射部と前記結像素子との間の距離を変化させる距離制御部をさらに備えた請求項1〜9のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項11】
前記表示部は、前記光を出射する表示面上に設けられた偏光板を有し、
前記表示部と前記第1反射部との間の光路上において、前記偏光板と前記第1反射部との間に設けられ、前記偏光板から出射した偏光の偏光方向を回転させる位相差素子さらに備えた請求項1〜10のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項12】
前記表示部から出射した前記光のうちの、前記表示部の表示面に対して垂直な方向における強度は、前記表示部から出射した前記光のうちの、前記垂直な方向から傾斜した方向における強度よりも低い請求項1〜11のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項1】
光を出射する表示部と、
主面を有し、物体の実像を、前記主面を対称面とした前記物体の対称位置に結像する結像素子であって、前記結像素子は、前記主面の法線方向に沿ってみたときに前記表示部と重ならない部分を有する結像素子と、
前記主面と対向する部分を有し、前記表示部から出射した前記光を反射して前記結像素子の前記表示部と重ならない前記部分に入射させる第1反射部と、
を備えた表示装置。
【請求項2】
前記表示部は、前記主面に対して平行な方向において前記結像素子と並ぶ請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記主面の法線方向に沿ってみたときに前記結像素子と重ならない部分を有する第2反射部をさらに備え、
前記第2反射部は、前記表示部から出射した前記光を反射して前記第1反射部に入射させ、
前記第1反射部は、前記第1反射部から出射した光を反射して前記結像素子に入射させる請求項1記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示部は、前記主面に対して平行な方向において前記第1反射部と並び、
前記第2反射部は、前記主面に対して平行な方向において前記結像素子と並ぶ請求項3記載の表示装置。
【請求項5】
前記結像素子は、前記主面に対して平行な方向に沿って前記表示部を挟む請求項1〜4のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項6】
前記結像素子は、前記主面に対して平行な面内において前記表示部を囲む請求項1〜5のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項7】
前記表示部は、前記光を出射する表示面を有し、前記表示面は、前記主面に対して平行である請求項1〜6のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1反射部は凹面鏡を含み、前記表示部とさらに対向し、
前記表示部は、前記凹面鏡の焦点と前記凹面鏡の鏡面との間に配置される請求項1〜7のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項9】
前記第1反射部は、前記表示部に対向する対向領域と、前記表示部に対向しない非対向領域と、を有し、前記対向領域の少なくとも一部の反射率は、前記非対向領域の反射率よりも低い請求項1〜8のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項10】
前記第1反射部と前記結像素子との間の距離を変化させる距離制御部をさらに備えた請求項1〜9のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項11】
前記表示部は、前記光を出射する表示面上に設けられた偏光板を有し、
前記表示部と前記第1反射部との間の光路上において、前記偏光板と前記第1反射部との間に設けられ、前記偏光板から出射した偏光の偏光方向を回転させる位相差素子さらに備えた請求項1〜10のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項12】
前記表示部から出射した前記光のうちの、前記表示部の表示面に対して垂直な方向における強度は、前記表示部から出射した前記光のうちの、前記垂直な方向から傾斜した方向における強度よりも低い請求項1〜11のいずれか1つに記載の表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2013−73204(P2013−73204A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214398(P2011−214398)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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