説明

表面に蛍光材料の均一粒子層を形成する方法及び装置

【課題】表面に蛍光材料の均一粒子層を形成する方法及び装置を提供する。
【解決手段】1層の発光ダイオード(light emitting diode、LED)蛍光材料層を形成する方法であって、第1の表面をLED蛍光材料が含まれた粉体に近接した箇所に配置する工程と、前記第1の表面に静電荷を形成する工程と、少なくとも前記静電荷を部分的に利用して、前記第1の表面に前記1層のLED蛍光材料層を形成する工程とを含む。一つの実施例において、この方法は、前記第1の表面をチャンバーの内部に配置するとともに、前記チャンバーの内部において前記粉体を前記第1の表面近傍の空中に散布させる工程を含む。他の実施例において、この方法は、前記粉体が収容される貯蔵容器を提供するとともに、前記第1の表面における前記静電荷とは逆極性の静電荷を前記蛍光粉体に印加する工程を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、材料加工及び光学機器技術に関し、特に、光学装置に用いられる材料層、例えば発光ダイオード(light emitting diode、LED)装置内におけるレンズに用いられる蛍光層を形成する方法及びシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
蛍光材料は、白色光や、又は青色発光ダイオードポンプ(Blue pump LEDs)による様々な有色光(例えば蛍光体変換(phosphor−converted)による緑色光又は赤色光)を発生させるためのLEDパッケージに広く使われている。従来、蛍光材料を青色LEDチップ又はパッケージアセンブリに堆積(deposit、被覆)するための方法が複数提案されている。本明細書の内容において、「蛍光」とは、ある波長を吸収するとともに他の異なる波長を発することが可能なあらゆる発光材料を指す。LEDチップに堆積又は接合される前に、単独で蛍光部分をレンズやカバーといったパッケージに形成しておくことについては、様々な利点があることが知られている。例えば、光学安定性を高めて装置の長寿命化を図ること(例えばアメリカ特許第6204523号を参照)や、又は蛍光層をLEDから離れた箇所に配置することによって装置の効率を改善すること(例えばアメリカ特許第6812500号及びアメリカ特許第7479662号を参照)が挙げられる。
【0003】
また、前記単独で形成された蛍光部分の光学効果(例えば光均一性)を予め最適化させるとともに特徴付けやグループ分けをして、発光ダイオードの特定の波長に対応させておくことにより、生産過程における色温度、色品質、さらには色値の均一性を改善することもできる。
【0004】
従来、生産過程において蛍光粒子層をLEDチップ又はレンズ表面に形成する方法としては、スラリー法(Slurry method)又は電気泳動析出法(Electro−Phoretic Deposition、EPD)が知られている。蛍光体変換発光ダイオードの色度は、蛍光粒子層の性質(例えば充填密度、厚さ及び表面均一性)に大きく依存する。
【0005】
スラリー法においては、まず、蛍光粒子をシリコン、エポキシ樹脂又は溶剤充填材料内に分散して入れることにより蛍光混合物を形成し、次に、各種の技術(例えばスプレーコーティング(spray coating)、ディップコーティング(dipping coating)、又は、支持構造上に、蛍光粉を配置又は被覆成形するか或いは蛍光粉が含まれた粉体を配置する技術)により、前記蛍光混合物をLED表面又はパッケージレンズ材料に使用する。しかしながら、蛍光層をLEDチップ又はパッケージに使用することにおいては、スラリー法にはまだ多くの下記の問題点が残されている。
【0006】
・厚さ均一性のバラツキ:通常、スラリー法によって形成された粒子層の厚さは均一ではなく、特に、非平坦表面に使用された場合には、この問題がさらに顕著となる。
・高充填密度の薄い粒子層の形成が困難であるため、塗布層には高い割合で接着剤材料が含まれている。一般的に、該接着剤材料が良好な熱導体ではないため、パッケージにおける放熱がさらに困難となる。
【0007】
電気泳動析出法(EPD)においては、厚さが20μmよりも低い高充填密度の蛍光粒子を形成可能であるが、下記の難点が知られている。
【0008】
・蛍光粒子の付着強度が弱いため、製造プロセスの中間工程において、取り扱い上の困難性が高まる。
・表面に均一性に優れた層を大面積で形成することが困難である。
・製造プロセスにおいては導電表面が必要である。非導電表面に使用した場合、化学的工程を別途必要とするため、製造プロセスの複雑性が高まる。
【0009】
従って、実際に実施する際に、上述したLED蛍光堆積の既存技術を利用して、高充填密度の均一蛍光粒子層を、通常は絶縁体であり且つ非平面を有するパッケージ材料(例えばレンズ)上に予め塗布することは、従来の蛍光体変換発光ダイオードへの応用には、極めて困難となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】アメリカ特許第6204523号
【特許文献2】アメリカ特許第6812500号
【特許文献3】アメリカ特許第7479662号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで、塗布技術を改良する必要がある。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る実施例においては、例えば発光ダイオード(light emitting diode、LED)装置内におけるレンズに用いられる蛍光層である、光学装置に使用される材料層を形成するための方法及びシステムが提供される。
【0013】
以下、例えば発光ダイオードといったオプトエレクトロニクス分野に適用される、パッケージ構造表面に均一かつ制御可能な発光材料粒子層を形成する方法について述べる。前記方法のある実施例においては、堆積工程は粒子状となる粉体及び接着剤を液体懸濁液の状態に維持する必要がない。逆に、これらの粒子状粉体及び接着剤は、それぞれ別個に表面に使用される。ある実施例において、この工程は、充填密度及び蛍光粒子の層厚さを精確に制御することができる。一つの実施例において、塗布工程が、同一の表面に繰り返して実施されることにより、半球状表面、形状の異なる凹、凸表面又は平面上に、発光材料の均一粒子層が1つ又は複数層形成される。従って、高充填密度を有する粒子層が形成され、表面に均一に分布されるようになる。特にある実施例において、前記均一粒子層が、パッケージ材料と共に形成されることにより、フロー工程の簡略化を図ることができる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る具体的な実施例によれば、1層のLED蛍光材料層を形成する方法は、第1の表面をLED蛍光材料が含まれた粉体に近接した箇所に配置する工程と、前記第1の表面に静電界を形成する工程と、少なくとも前記静電界を部分的に利用して、前記第1の表面に1層のLED蛍光材料層を形成する工程と、を含む。
【0015】
また、本発明に係る他の実施例によれば、1層の波長変換材料層を形成する方法は、第1の表面を波長変換材料が含まれた粉体に近接した箇所に配置する工程と、前記第1の表面に静電界を形成する工程と、少なくとも前記静電界を部分的に利用して、前記第1の表面に1層の波長変換材料層を形成する工程と、を含む。
【0016】
また、本発明に係る他の実施例によれば、1層のLED蛍光材料層を形成する方法は、第1の表面をLED蛍光材料が含まれた粉体に近接した箇所に配置する工程と、前記第1の表面に静電荷を形成する工程と、少なくとも前記静電荷を部分的に利用して、前記第1の表面に1層のLED蛍光材料層を形成する工程と、を含む。
【0017】
また、前述した方法の一実施例において、前記第1の表面を前記粉体に近接した箇所に配置する工程は、前記第1の表面をチャンバーの内部に配置する工程と、前記チャンバーの内部において前記粉体を前記第1の表面近傍の空中に散布させる工程と、を含む。
【0018】
また、他の実施例において、前記第1の表面を前記粉体に近接した箇所に配置する工程は、前記粉体が収容される貯蔵容器を提供する工程と、前記第1の表面における前記静電荷とは逆極性の静電荷を前記粉体に印加する工程と、を含む。
【0019】
また、他の実施例において、前述した方法は、前記粉体の頂部を前記第1の表面の形状と実質的に合致するように成形するとともに、前記第1の表面を前記粉体の前記頂部の箇所に近接するように位置決めする工程をさらに含む。
【0020】
また、本発明に係る代替的な実施例においては、1層の波長変換材料層を形成する方法が提供される。この方法は、第1の表面を波長変換材料が含まれた粉体に近接した箇所に配置する工程と、前記第1の表面に静電荷を形成する工程と、少なくとも前記静電荷を部分的に利用して、前記第1の表面に1層の波長変換材料層を形成する工程と、を含む。
【0021】
また、本発明に係る他の代替的な実施例においては、1層の波長変換材料層を形成する方法が提供される。この方法は、第1の表面を波長変換材料が含まれた粉体に近接した箇所に配置する工程と、前記粉体の表面層に静電荷を形成する工程と、少なくとも前記静電荷を部分的に利用して、前記第1の表面に1層の波長変換材料層を形成する工程と、を含む。
【0022】
また、本発明に係る他の代替的な実施例においては、LEDパッケージ構造に1層の蛍光材料層を形成する方法が提供される。この方法は、第1の表面に前記1層の蛍光材料層を形成する工程と、前記第1の表面を前記蛍光材料層が前記LEDパッケージ構造の表面と接触する箇所に配置する工程と、前記第1の表面と前記LEDパッケージ構造の前記表面との間に圧力を印加する工程と、前記蛍光材料層を前記LEDパッケージ構造に付着させる工程とを含む。
【0023】
また、本発明に係る他の代替的な実施例においては、表面に1層の波長変換材料層を形成する方法が提供される。この方法は、第1の表面に前記1層の波長変換材料層を形成する工程と、第2の表面を前記第2の表面が前記第1の表面にある前記波長変換材料層と接触する箇所に配置する工程と、前記第1の表面と前記第2の表面との間に圧力を印加する工程と、前記波長変換材料層を前記第2の表面に付着させる工程とを含む。
【0024】
また、本発明に係る他の代替的な実施例においては、波長変換LEDパッケージ構造を形成する方法が提供される。この方法は、LEDパッケージ構造本体を形成する工程と、第1の表面に1層の波長変換材料層を形成する工程と、前記第1の表面を前記波長変換材料が前記LEDパッケージ構造本体の表面領域と接触する箇所に配置する工程と、前記第1の表面と前記LEDパッケージ構造本体の表面との間に圧力を印加する工程と、少なくとも波長変換材料を部分的に前記LEDパッケージ構造本体の表面領域に埋め込む工程と、を含む。
【0025】
また、本発明に係る他の代替的な実施例においては、LEDパッケージ構造を形成する方法が提供される。この方法は、Bステージポリマーを含有した表面を有するLEDパッケージ構造本体を形成する工程と、第1の加熱工程により、前記LEDパッケージ構造本体を熱硬化させる工程と、前記LEDパッケージ構造本体の表面層に、1層のLED蛍光材料層を形成する工程と、第2の加熱工程により、前記LEDパッケージ構造本体の表面層を軟化させる工程と、少なくともLED蛍光材料を部分的に前記LEDパッケージ構造本体の前記表面層に埋め込む工程とを含む。
【0026】
また、本発明に係る他の代替的な実施例においては、LEDパッケージ構造を形成する方法が提供される。この方法は、表面層を有するLEDパッケージ構造本体を形成する工程と、前記LEDパッケージ構造本体の前記表面層に1層の波長変換材料層を形成する工程と、加熱工程により、前記LEDパッケージ構造本体の前記表面層を軟化させる工程と、少なくとも前記波長変換材料を部分的に前記LEDパッケージ構造本体の前記表面層に埋め込む工程とを含む。
【0027】
本発明の基本的な特徴及び利点がより理解できるように、本明細書の残りの部分において図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1A】本発明に係る一実施例の中間製造工程において、蛍光体が塗布されたレンズの簡易断面図を示す。
【図1B】本発明に係る一実施例の中間製造工程において、蛍光体が塗布されたレンズの簡易断面図を示す。
【図1C】本発明に係る一実施例の中間製造工程において、蛍光体が塗布されたレンズの簡易断面図を示す。
【図1D】本発明に係る一実施例の中間製造工程において、蛍光体が塗布されたレンズの簡易断面図を示す。
【図2A】本発明に係る他の実施例による、レンズ表面に均一な蛍光塗布を形成する方法の簡易断面図を示す。このうち、静電荷は、レンズの内表面において蛍光粒子が引き付けられるように接着剤材料の表面に発生する。
【図2B】本発明に係る他の実施例による、レンズ表面に均一な蛍光塗布を形成する方法の簡易断面図を示す。このうち、静電荷は、レンズの内表面において蛍光粒子が引き付けられるように接着剤材料の表面に発生する。
【図2C】本発明に係る他の実施例による、レンズ表面に均一な蛍光塗布を形成する方法の簡易断面図を示す。このうち、静電荷は、レンズの内表面において蛍光粒子が引き付けられるように接着剤材料の表面に発生する。
【図3A】本発明に係る他の実施例による、レンズ表面に均一な蛍光塗布を形成する方法の簡易断面図を示す。このうち、粒子層及び接着剤は、ともにプレス部材の表面に形成されるとともにレンズの内表面に押圧され、プレス部材表面、又はプレス部材及びレンズの両方の表面に静電荷が発生する。
【図3B】本発明に係る他の実施例による、レンズ表面に均一な蛍光塗布を形成する方法の簡易断面図を示す。このうち、粒子層及び接着剤は、ともにプレス部材の表面に形成されるとともにレンズの内表面に押圧され、プレス部材表面、又はプレス部材及びレンズの両方の表面に静電荷が発生する。
【図3C】本発明に係る他の実施例による、レンズ表面に均一な蛍光塗布を形成する方法の簡易断面図を示す。このうち、粒子層及び接着剤は、ともにプレス部材の表面に形成されるとともにレンズの内表面に押圧され、プレス部材表面、又はプレス部材及びレンズの両方の表面に静電荷が発生する。
【図3D】本発明に係る他の実施例による、レンズ表面に均一な蛍光塗布を形成する方法の簡易断面図を示す。このうち、粒子層及び接着剤は、ともにプレス部材の表面に形成されるとともにレンズの内表面に押圧され、プレス部材表面、又はプレス部材及びレンズの両方の表面に静電荷が発生する。
【図4A】本発明に係る他の実施例による、レンズ表面に均一な蛍光塗布を形成する方法の簡易断面図を示す。このうち、接着剤材料は粒子状となっており、蛍光粒子が混合され、プレス部材又はレンズの帯電表面に接着される。
【図4B】本発明に係る他の実施例による、レンズ表面に均一な蛍光塗布を形成する方法の簡易断面図を示す。このうち、接着剤材料は粒子状となっており、蛍光粒子が混合され、プレス部材又はレンズの帯電表面に接着される。
【図4C】本発明に係る他の実施例による、レンズ表面に均一な蛍光塗布を形成する方法の簡易断面図を示す。このうち、接着剤材料は粒子状となっており、蛍光粒子が混合され、プレス部材又はレンズの帯電表面に接着される。
【図4D】本発明に係る他の実施例による、レンズ表面に均一な蛍光塗布を形成する方法の簡易断面図を示す。このうち、接着剤材料は粒子状となっており、蛍光粒子が混合され、プレス部材又はレンズの帯電表面に接着される。
【図5A】本発明に係る他の実施例による、レンズ表面に均一な蛍光塗布を形成する方法の簡易断面図を示す。このうち、レンズ材料は、レンズの形成過程において蛍光粒子層を形成するための接着剤として用いられる。
【図5B】本発明に係る他の実施例による、レンズ表面に均一な蛍光塗布を形成する方法の簡易断面図を示す。このうち、レンズ材料は、レンズの形成過程において蛍光粒子層を形成するための接着剤として用いられる。
【図5C】本発明に係る他の実施例による、レンズ表面に均一な蛍光塗布を形成する方法の簡易断面図を示す。このうち、レンズ材料は、レンズの形成過程において蛍光粒子層を形成するための接着剤として用いられる。
【図5D】本発明に係る他の実施例による、レンズ表面に均一な蛍光塗布を形成する方法の簡易断面図を示す。このうち、レンズ材料は、レンズの形成過程において蛍光粒子層を形成するための接着剤として用いられる。
【図6A】本発明に係る他の実施例において、蛍光体含有層を単一の支持キャリアに形成した後、該キャリアをレンズ構造に固定することを示す簡易断面図を示す。
【図6B】本発明に係る他の実施例において、蛍光体含有層を単一の支持キャリアに形成した後、該キャリアをレンズ構造に固定することを示す簡易断面図を示す。
【図6C】本発明に係る他の実施例において、蛍光体含有層を単一の支持キャリアに形成した後、該キャリアをレンズ構造に固定することを示す簡易断面図を示す。
【図6D】本発明に係る他の実施例において、蛍光体含有層を単一の支持キャリアに形成した後、該キャリアをレンズ構造に固定することを示す簡易断面図を示す。
【図6E】本発明に係る他の実施例において、蛍光体含有層を単一の支持キャリアに形成した後、該キャリアをレンズ構造に固定することを示す簡易断面図を示す。
【図6F】本発明に係る他の実施例において、蛍光体含有層を単一の支持キャリアに形成した後、該キャリアをレンズ構造に固定することを示す簡易断面図を示す。
【図6G】本発明に係る他の実施例において、蛍光体含有層を単一の支持キャリアに形成した後、該キャリアをレンズ構造に固定することを示す簡易断面図を示す。
【図6H】本発明に係る他の実施例において、蛍光体含有層を単一の支持キャリアに形成した後、該キャリアをレンズ構造に固定することを示す簡易断面図を示す。
【図6I】本発明に係る他の実施例において、蛍光体含有層を単一の支持キャリアに形成した後、該キャリアをレンズ構造に固定することを示す簡易断面図を示す。
【図7】本発明に係る他の実施例による、複数層の均一粒子層を形成する方法の簡易図を示す。
【図8A】表面に粒子層を大面積に形成する代替方法の簡易図を示す。
【図8B】表面に粒子層を大面積に形成する代替方法の簡易図を示す。
【図8C】表面に粒子層を大面積に形成する代替方法の簡易図を示す。
【図9A】製造工程においてピストン表面の蛍光材料量をモニターするためのピストンプレス部材の設計簡易図を示す。
【図9B】製造工程においてピストン表面の蛍光材料量をモニターするためのピストンプレス部材の設計簡易図を示す。
【図10】本発明に係る一実施例による、表面に均一塗布を形成する装置の簡易図を示す。
【図11A】本発明に係る実施例による、LED装置と発光材料が含まれたレンズとを含むLEDパッケージの一例の簡易断面図を示す。
【図11B】本発明に係る実施例による、LED装置と発光材料が含まれたレンズとを含むLEDパッケージの一例の簡易断面図を示す。
【図12A】本発明に係る実施例による、LED装置と発光材料が含まれたレンズとを含むLEDパッケージの一例の簡易断面図を示す。
【図12B】本発明に係る実施例による、LED装置と発光材料が含まれたレンズとを含むLEDパッケージの一例の簡易断面図を示す。
【図13】本発明に係る一実施例による、レンズ製造工程における粒子含有層を形成する方法の簡易断面図を示す。
【図14A】本発明に係る一実施例による、蛍光粒子シートを形成する方法の簡易断面図を示す。
【図14B】本発明に係る一実施例による、蛍光粒子シートを形成する方法の簡易断面図を示す。
【図14C】本発明に係る一実施例による、蛍光粒子シートを形成する方法の簡易断面図を示す。
【図14D】本発明に係る一実施例による、蛍光粒子シートを形成する方法の簡易断面図を示す。
【図15A】本発明に係る実施例による、シリコンシートの一例の簡易図を示す。
【図15B】本発明に係る実施例による、シリコンシートの一例の簡易図を示す。
【図15C】本発明に係る実施例による、シリコンシートの一例の簡易図を示す。
【図15D】本発明に係る実施例による、シリコンシートの一例の簡易図を示す。
【図15E】本発明に係る実施例による、シリコンシートの一例の簡易図を示す。
【図15F】本発明に係る実施例による、シリコンシートの一例の簡易図を示す。
【図16A】本発明に係る他の実施例による、一種の方法の簡易断面図を示す。
【図16B】本発明に係る他の実施例による、一種の方法の簡易断面図を示す。
【図16C】本発明に係る他の実施例による、一種の方法の簡易断面図を示す。
【図16D】本発明に係る他の実施例による、一種の方法の簡易断面図を示す。
【図16E】本発明に係る他の実施例による、一種の方法の簡易断面図を示す。
【図17A】本発明に係る一実施例による、表面に均一蛍光粒子を形成する方法の簡易断面図を示す。
【図17B】本発明に係る一実施例による、表面に均一蛍光粒子を形成する方法の簡易断面図を示す。
【図17C】本発明に係る一実施例による、表面に均一蛍光粒子を形成する方法の簡易断面図を示す。
【図17D】本発明に係る一実施例による、表面に均一蛍光粒子を形成する方法の簡易断面図を示す。
【図18A】本発明に係る他の実施例による、異なる表面に均一蛍光粒子を形成する方法の簡易断面図を示す。
【図18B】本発明に係る他の実施例による、異なる表面に均一蛍光粒子を形成する方法の簡易断面図を示す。
【図18C】本発明に係る他の実施例による、異なる表面に均一蛍光粒子を形成する方法の簡易断面図を示す。
【図19】本発明に係る他の実施例による、表面に均一蛍光粒子を形成する方法の簡易断面図を示す。
【図20A】本発明に係る一実施例による、蛍光粒子を未硬化のレンズ材料上に付着させる方法の簡易断面図を示す。
【図20B】本発明に係る一実施例による、蛍光粒子を未硬化のレンズ材料上に付着させる方法の簡易断面図を示す。
【図20C】本発明に係る一実施例による、蛍光粒子を未硬化のレンズ材料上に付着させる方法の簡易断面図を示す。
【図20D】本発明に係る一実施例による、蛍光粒子を未硬化のレンズ材料上に付着させる方法の簡易断面図を示す。
【図21A】本発明に係る一実施例による、粒子含有層を有するレンズの簡易断面図を示す。
【図21B】本発明に係る一実施例による、粒子含有層を有するレンズの簡易断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下の具体的な実施例において、蛍光体は、光波長(例えばLED光源)を変換又は変更するためのものである。一般に、これを目的として使用される蛍光体は、イットリウムアルミニウムガーネット(Yttrium Aluminum Garnet、YAG)材料、テルビウムアルミニウムガーネット(terbium Aluminum Garnet、TAG)材料、ZnSeS+材料及びけい素アルミニウム酸窒化物silicon aluminum oxynitride、SiAlON)材料(例えばα−SiAlON)等を含む。しかしながら、本発明に係る実施例によれば、入射光波長を変換又は変更可能な材料であれば、いずれも蛍光材料として用いられることができる。下記の説明において、「蛍光体」とは、光を一つの波長から他の波長へ変換又は変更可能な材料であり、それらの材料は、各種の波長変換又は波長変更材料の混合物又は組成物を含む。
【0030】
本発明に係るある実施例において、塗布工程は、粉体粒子及び接着剤を液体懸濁液状態に維持する必要がない。蛍光粉体粒子及び接着剤材料は、別々に塗布してもよい。そして、プレス部材により、高い温度(例えば150℃)で両者を物体の表面に押圧することにより該接着剤を硬化させる。ピストンプレス部材又はパッケージ材料表面に発生した静電荷により、蛍光粉体粒子を抽出して配列させる。従って、蛍光粒子層の高充填密度及び均一厚さを達成することができるとともに、堆積過程において粒子の移動を最低限に抑えることができる。また、粒子及び接着剤がそれぞれ別個に表面に塗布されるため、蛍光粒子の充填密度及び層厚さは、個別に制御されることが可能である。蛍光粒子及び接着剤の押圧過程において、蛍光粒子の層厚さを制御することができる。ここで、厚さの最低値が粒子の寸法(例えば、LED蛍光体は通常約5μm〜25μmである)によって制限されるため、蛍光粒子の充填密度(ρ)は下記の式により算出される。
【0031】
【数1】

【0032】
ここで、Vpは、粒子体積であり、プレス部材又は物体表面に発生した放電電圧によって制御される。V(=V+V)は、表面上の粒子層の所要体積である。Vは、接着剤の硬化後の体積であり、塗布前に予測されることが可能である。例えば、半球状表面における粒子層体積は、V=2πrtであり、tは、表面にある蛍光層の所要厚さである。
【0033】
前述した静電技術により、蛍光粒子を表面に繰り返し精確に形成して、必要とされる光学特性を得ることができる。本発明に係るLED応用にあっては、静電荷を利用して蛍光粒子を引き付けることで、表面に均一に分布されたマイクログラム(μg)量の蛍光粉体における蛍光粒子を精確に制御することができる。一般に、直径が2mmであるレンズ表面にある20μmのYAG蛍光層においては、蛍光体密度が4.5g/cmであるとすると、蛍光粒子の重量は、約565マイクログラム(2πrtに密度を乗じる)である。
【0034】
ある実施例において、その工程を同一物体の表面に繰り返して施行することで、物体の表面に、制御可能な高充填密度の蛍光粒子層を複数層形成することができる。本明細書において、「物体表面」は、各種の異なる形状(例えば半球状表面、凹、凸表面又は平坦表面)である導電又は非導電表面であってもよい。
【0035】
この実施例によれば、例えばLED応用にあっては、蛍光粒子は、(a)LEDパッケージ、又は(b)システムレベル応用における遠隔蛍光体用の可撓性を有する如何なる表面にも塗布されることが可能である。該物体表面は、各種の材料であってもよく、シリコン、エポキシ樹脂又はガラス、熱可塑性樹脂又はその他のいずれかの周知のパッケージ材料(十分高い屈折率を有するとともに、LEDチップの光抽出を増加させるために半球状、凹、凸又は平面表面に成形される)を含むが、それらに限定されるものではない。
【0036】
ある実施例においては、均一且つ制御可能な粒子層を形成する技術、例えばLED応用における蛍光粒子を各種の形状の表面に形成する技術が提供される。プレス部材又は塗布表面に静電荷を発生させることにより、粒子を導電又は非導電の表面に均一に接着することができる。そして、高い温度及び所定の圧力値の条件において、粒子層を接着剤とともに押圧することにより高充填密度及び均一厚さを有する粒子層を形成する。この工程を繰り返して実行することにより同一表面に複数の粒子層を形成することができる。各粒子層は、異なる性質を有し、例えば異なる種類の蛍光材料を含むことで必要とされる光学性能を得ることができる。
【0037】
この実施例における均一粒子層を形成する方法について、LEDチップレンズの内表面上に、均一な蛍光粒子層を形成することを例に述べる。同様の方法(即ち表面に均一粒子層を形成する方法)の他の応用についても、所属する技術分野において通常知識を有する者は、上述の例により理解することができる。
【0038】
異なる実施例における表面に均一蛍光粒子層を形成する方法は、下記の利点の一つ又は複数を有する。
【0039】
I.表面に発生した静電荷により蛍光粉体粒子を引き付ける。表面に生成された等電位表面により、高充填密度を有し均一に分布された蛍光粒子を表面に吸引することができる。このうち、蛍光粉体粒子は、未帯電、又は表面に発生した電荷と逆極性の静電荷を帯びたものであってもよい。本発明に係る実施例において、蛍光粒子を静電荷を帯びた平面に均一に分布させる技術は、下記のいずれか一つ又は複数を含む。
【0040】
a)静電荷を導電表面又は1層の絶縁薄膜が被覆された導電表面に発生させることにより、粉体粒子を該導電表面に引き付けることができ、又は、
b)静電荷を予め導電表面に発生させ、誘電表面を電荷を帯びた導電表面と接触させることにより静電荷を誘電表面に転移させる。従って、粉体粒子は、誘電表面に直接引き付けられることができ、又は、
c)静電荷をプレス部材の導電表面及びレセプターの誘電表面に同時に発生させることができる。蛍光粉体粒子がまず電荷を帯びた導電表面に付着し、そして、導電表面がレセプターの誘電表面に近づいて、蛍光粉体粒子がレセプターの誘電表面に転移した場合、該導電表面上の電荷が除去される。
【0041】
II.均一に分布された蛍光粒子が表面に引き付けられた後、プレス部材により、レセプター(例えばレンズ)の内表面又は外表面の一部を加熱するか、又はレセプター全体を所定の温度に加熱することにより、レセプターの一部の表面領域にある材料、例えばレンズにある一部の表面領域におけるプリ塗布接着剤又はレンズ材料自体を溶融又は軟化させる。そして、蛍光粒子及びレンズ表面領域にある溶融又は軟化された材料を圧着させることにより粉体粒子の埋め込みを行う。
【0042】
下記の実施例に記載のレンズ材料は、対象となる波長に対して実質的に透明状態である材料を含んでもよい。例を挙げれば、このレンズ材料は、シリコン、エポキシ樹脂、ガラス、熱硬化性プラスチック(熱硬化物)、熱可塑性プラスチック又はその他のいかなる種類のLEDパッケージ材料であってもよい。
【0043】
本発明に係る実施例における接着剤材料は、液体、ペースト状、樹脂、ゴム又は粒子状であり、シリコン、シラン、エポキシ樹脂、ガラス、熱可塑性プラスチック又は対象となる波長に対して透明状態であるいかなる種類の接着剤を含んでもよい。接着剤材料(例えばシリコン又はエポキシ樹脂)は、非完全硬化のもの又はBステージポリマーであり、物体表面に予め形成され、所定の圧力下で、蛍光粒子とともに硬化温度に加熱されてもよい。
【0044】
本発明に係る実施例によれば、1層のLED蛍光材料層を形成する方法は、第1の表面をLED蛍光材料が含まれた粉体に近接した箇所に配置する工程と、前記第1の表面に静電荷を形成する工程と、少なくとも前記静電荷を部分的に利用して、前記第1の表面に前記1層のLED蛍光材料層を形成する工程と、を含む。
【0045】
また、前述した方法の一実施例において、前記第1の表面を前記粉体に近接した箇所に配置する工程は、前記第1の表面をチャンバーの内部に配置する工程と、前記チャンバーの内部において前記粉体を前記第1の表面近傍の空中に散布させる工程と、を含む。
【0046】
また、他の実施例において、前記第1の表面を前記粉体に近接した箇所に配置する工程は、前記粉体が収容される貯蔵容器を提供する工程と、前記第1の表面における前記静電荷とは逆極性の静電荷を前記粉体に印加する工程と、を含む。
【0047】
また、他の実施例において、前述した方法は、前記粉体の頂部を前記第1の表面の形状と実質的に合致するように成形するとともに、前記第1の表面を前記粉体の前記頂部の箇所に近接するように位置決めする工程をさらに含む。
【0048】
また、他の実施例において、前記第1の表面に静電荷を形成する工程は、前記第1の表面に対して垂直な実質的に均一な電界を形成する工程を含む。
【0049】
また、他の実施例において、前記第1の表面に静電荷を形成する工程は、前記静電荷を前記第1の表面に実質的且つ均一に分布させる工程を含む。
【0050】
また、他の実施例において、前記第1の表面に静電荷を形成する工程は、前記第1の表面に等電位表面を形成する工程を含む。
【0051】
また、他の実施例において、前記第1の表面に静電荷を形成する工程は、前記第1の表面に対して垂直な実質的に均一な電界を形成するか、又は静電荷を前記第1の表面に実質的且つ均一に分布させる工程を含む。
【0052】
また、他の実施例において、前記第1の表面を前記粉体に近接した箇所に配置する工程は、貯蔵容器内において、前記第1の表面と前記粉体の頂部との間を実質的に等しい距離に維持する工程を含む。
【0053】
また、他の実施例において、前記第1の表面は、波長変換において最適な光学性能を有する蛍光層の形状に対応する形状を含む。
【0054】
また、他の実施例において、前記第1の表面は、平面である。
【0055】
また、他の実施例において、前記第1の表面は、非平面である。
【0056】
また、他の実施例において、前記第1の表面は、球面である。
【0057】
また、他の実施例において、前記第1の表面は、楕円面である。
【0058】
また、他の実施例において、前記第1の表面は、楕球体表面を含む。
【0059】
また、他の実施例において、前述した方法は、前記第1の表面上の前記静電荷を変更することにより前記第1の表面における粉体量を制御する工程をさらに含む。
【0060】
また、他の実施例において、前述した方法は、前記第1の表面の形状と実質的に合致する第2の表面を使用することにより前記粉体の頂部を成形する工程をさらに含む。
【0061】
また、他の実施例において、前記第1の表面は、レンズ又は任意のLEDパッケージ構造の表面を含む。
【0062】
また、他の実施例において、前記第1の表面は、導電表面、絶縁層が塗布された導電表面、絶縁表面、又は実質的に導電する層が塗布された絶縁表面を含む。
【0063】
また、本発明に係る代替的実施例においては、1層の波長変換材料層を形成する方法が提供される。この方法は、第1の表面を波長変換材料が含まれた粉体に近接した箇所に配置する工程と、前記第1の表面に静電荷を形成する工程と、少なくとも前記静電荷を部分的に利用して、前記第1の表面に前記1層の波長変換材料層を形成する工程と、を含む。
【0064】
また、上述した方法の一実施例において、前記第1の表面を前記粉体に近接した箇所に配置する工程は、前記第1の表面をチャンバーの内部に配置する工程と、前記チャンバーの内部において前記粉体を前記第1の表面近傍の空気中に散布させる工程と、を含む。
【0065】
また、他の実施例において、前記第1の表面を前記粉体に近接した箇所に配置する工程は、前記粉体が収容される貯蔵容器を提供する工程と、前記第1の表面における前記静電荷とは逆極性の静電荷を前記粉体に印加する工程と、前記粉体の頂部を前記第1の表面の形状と実質的に合致するように成形する工程と、前記第1の表面を前記粉体の前記頂部の箇所に近接するように位置決めする工程と、を含む。具体的な実施例において、この方法は、前記第1の表面の形状と実質的に合致する第2の表面を使用することにより前記粉体の頂部を成形する工程をさらに含む。
【0066】
また、他の実施例において、前記第1の表面に静電荷を形成する工程は、前記第1の表面に対して垂直な実質的に等しい電界を形成するか、又は静電荷を前記第1の表面に実質的且つ均一に分布させる工程を含む。
【0067】
また、他の実施例において、前記第1の表面を前記粉体に近接した箇所に配置する工程は、貯蔵容器内において、前記第1の表面と前記粉体の頂面との間を実質的に等しい距離に維持する工程を含む。
【0068】
また、他の実施例において、前述した方法は、前記第1の表面上の前記静電荷を変更することにより前記第1の表面における粉体量を制御する工程をさらに含む。
【0069】
また、他の実施例において、前記第1の表面は、導電表面、絶縁層が塗布された導電表面、絶縁表面、又は実質的に導電する層が塗布された絶縁表面を含む。
【0070】
また、本発明に係る代替的実施例においては、1層の波長変換材料層を形成する方法が提供される。この方法は、第1の表面を波長変換材料が含まれた粉体に近接した箇所に配置する工程と、前記粉体の表面層に静電荷を形成する工程と、少なくとも前記静電荷を部分的に利用して、前記第1の表面に前記1層の波長変換材料層を形成する工程と、を含む。
【0071】
また、前述した方法の一実施例において、前記粉体の表面層に静電荷を形成する工程は、前記粉体の前記表面層に対して垂直な実質的に等しい電界を形成するか、又は静電荷を前記粉体の前記表面層に実質的且つ均一に分布させる工程を含む。
【0072】
また、他の実施例において、前記第1の表面を前記粉体に近接した箇所に配置する工程は、貯蔵容器内において、前記第1の表面と前記粉体の頂面との間を実質的に等しい距離に維持する工程を含む。
【0073】
また、他の実施例において、前記第1の表面を前記粉体に近接した箇所に配置する工程は、前記粉体が収容される貯蔵容器を提供する工程と、前記第1の表面における前記静電荷とは逆極性の静電荷を前記粉体に印加する工程と、前記粉体の頂部を前記第1の表面の形状と実質的に合致するように成形する工程と、前記第1の表面を前記粉体の前記頂部の箇所に近接するように位置決めする工程と、を含む。具体的な実施例において、この方法は、前記第1の表面の形状と実質的に合致する第2の表面を使用することにより前記粉体の頂部を成形する工程をさらに含む。
【0074】
また、他の実施例において、前記第1の表面を前記粉体に近接した箇所に配置する工程は、前記第1の表面をチャンバーの内部に配置する工程と、前記チャンバーの内部において前記粉体を前記第1の表面近傍の空中に散布させる工程と、を含む。
【0075】
また、他の実施例において、前述した方法は、前記第1の表面上の前記静電荷を変更することにより前記第1の表面における粉体量を制御する工程をさらに含む。
【0076】
また、他の実施例において、前記第1の表面は、導電表面、絶縁層が塗布された導電表面、絶縁表面、又は実質的に導電する層が塗布された絶縁表面を含む。
【0077】
また、本発明に係る代替的実施例においては、LEDパッケージ構造に1層の蛍光材料層を形成する方法が提供される。この方法は、第1の表面に前記1層の蛍光材料層を形成する工程と、前記第1の表面を前記蛍光材料層が前記LEDパッケージ構造の表面と接触する箇所に配置する工程と、前記第1の表面と前記LEDパッケージ構造との間に圧力を印加する工程と、前記蛍光材料層を前記LEDパッケージ構造に付着させる工程とを含む。
【0078】
前述した方法の一実施例において、接着剤材料を前記LEDパッケージ構造本体の表面に塗布する工程をさらに含む。
【0079】
また、他の実施例において、この方法は、前記LEDパッケージ構造の表面に不完全硬化の接着剤材料又はBステージポリマー材料を塗布する工程をさらに含む。
【0080】
また、他の実施例において、この方法は、加熱工程により、前記LEDパッケージ構造の表面の一部を軟化させる工程をさらに含む。
【0081】
また、他の実施例において、この方法は、接着剤材料の微細粒子を蛍光粒子と相互に混合させる工程をさらに含む。
【0082】
また、他の実施例において、この方法は、前記蛍光材料層を形成する前に、前記第1の表面に1層の接着剤材料層を予め形成する工程をさらに含む。
【0083】
また、他の実施例において、上述した方法は、前記蛍光材料層を形成した後、前記第1の表面に1層の接着剤材料層を形成する工程をさらに含む。
【0084】
また、他の実施例において、前記LEDパッケージ構造は、レンズを含む。
【0085】
また、他の実施例において、前記第1の表面に前記1層のLED蛍光材料層を形成する工程は、前記第1の表面に静電荷を形成する工程と、蛍光材料の粉体を前記第1の表面に引き付ける工程とを含む。
【0086】
また、他の実施例において、この方法は、前記静電荷を除去することにより前記粉体を前記LEDパッケージ構造の表面に転移させる工程をさらに含む。
【0087】
また、他の実施例において、前記第1の表面に前記蛍光材料層を形成する工程は、第1の表面を被覆した1層の接着剤材料層に前記蛍光材料層を形成する工程を含む。
【0088】
また、他の実施例において、前記第1の表面をLEDパッケージ構造から除去することにより、前記蛍光材料層及び前記接着剤材料を前記LEDパッケージ構造に付着させる。
【0089】
また、他の実施例において、この方法は、前記LEDパッケージ構造の表面に静電荷を形成する工程をさらに含む。
【0090】
また、他の実施例において、この方法は、前記LEDパッケージ構造に第2層の蛍光材料層を形成する工程をさらに含む。具体的な実施例において、前記第2層の蛍光材料層は、前記第1層の蛍光材料層とは異なる光学特性を有する。
【0091】
また、他の実施例において、この方法は、前記LEDパッケージ構造に2層又は複数層の蛍光材料層を形成する工程をさらに含む。
【0092】
また、他の実施例において、前記2層又は複数層の蛍光材料層の各層は、前記第1層の蛍光材料層とは異なる光学特性を有する。
【0093】
また、本発明に係る代替的な実施例においては、表面に1層の波長変換材料層を形成する方法が提供される。この方法は、第1の表面に前記1層の波長変換材料層を形成する工程と、第2の表面を前記第2の表面が前記第1の表面における前記波長変換材料層と接触する箇所に配置する工程と、前記第1の表面と前記第2の表面との間に圧力を印加する工程と、前記波長変換材料層を前記第2の表面に付着させる工程とを含む。
【0094】
前述した方法の一実施例において、前記第1の表面に前記1層の波長変換材料層を形成する工程は、前記第1の表面に静電荷を形成する工程と、前記波長変換材料の粉体を前記第1の表面に引き付ける工程とを含む。
【0095】
また、他の実施例において、この方法は、前記第2の表面に接着剤材料を塗布する工程をさらに含む。
【0096】
また、他の実施例において、この方法は、加熱工程により、LEDパッケージ構造の表面の一部を軟化させる工程をさらに含む。
【0097】
また、他の実施例において、前記波長変換材料は、接着剤材料の微細粒子を含む。
【0098】
また、他の実施例において、この方法は、前記第2の表面に静電荷を形成する工程をさらに含む。
【0099】
また、他の実施例において、この方法は、前記第2の表面に第2層の波長変換材料層を形成する工程をさらに含む。具体的な実施例において、前記第2層の波長変換材料層は、前記第1層の波長変換材料層とは異なる光学特性を有する。
【0100】
また、他の実施例において、この方法は、前記LEDパッケージ構造に2層又は複数層の波長変換材料層を形成する工程をさらに含む。
【0101】
また、他の実施例において、前記2層又は複数層の波長変換材料層の各層は、前記第1層の波長変換材料層とは異なる光学特性を有する。
【0102】
また、他の実施例において、前記第1の表面に1層の波長変換材料層を形成する工程は、第1の表面を前記波長変換材料層の粉体が収容された貯蔵容器に露出させる工程と、少なくとも静電荷を部分的に利用することにより前記第1の表面に前記1層の波長変換材料層を形成する工程とを含む。
【0103】
また、他の実施例において、前記第1の表面に前記1層の波長変換材料層を形成する工程は、前記第1の表面を空中に散布された前記波長変換材料層の粉体に露出させる工程と、少なくとも静電荷を部分的に利用することにより前記第1の表面に前記1層の波長変換材料層を形成する工程とを含む。
【0104】
また、本発明に係るさらに他の代替的な実施例においては、波長変換LEDパッケージ構造を形成する方法が提供される。この方法は、LEDパッケージ構造本体を形成する工程と、第1の表面に1層の波長変換材料層を形成する工程と、前記第1の表面を波長変換材料が前記LEDパッケージ構造本体の表面領域と接触する箇所に配置する工程と、前記第1の表面と前記LEDパッケージ構造本体の前記表面領域との間に圧力を印加する工程と、少なくとも前記波長変換材料の一部を前記LEDパッケージ構造本体の前記表面領域に埋め込む工程と、を含む。
【0105】
また、前述した方法の一実施例において、前記LEDパッケージ構造本体は、レンズを含む。
【0106】
また、他の実施例において、前記波長変換材料は、蛍光体を含む。
【0107】
また、他の実施例において、前記LEDパッケージ構造本体は、Bステージポリマーを含有した少なくとも1つの表面層を含む。
【0108】
また、他の実施例において、前記LEDパッケージ構造本体は、Bステージポリマーを含有した少なくとも1つの表面層を含む。
【0109】
また、他の実施例において、前記LEDパッケージ構造本体は、熱可塑性材料である少なくとも1つの表面層を含む。
【0110】
また、他の実施例において、前記LEDパッケージ構造本体は、ガラスである少なくとも1つの表面層を含む。
【0111】
また、他の実施例において、この方法は、接着剤材料を前記LEDパッケージ構造本体の表面に塗布する工程をさらに含む。
【0112】
また、他の実施例において、この方法は、不完全硬化の接着剤材料又はBステージポリマー材料を前記LEDパッケージ構造本体の表面に塗布する工程をさらに含む。
【0113】
また、他の実施例において、この方法は、加熱工程により、前記LEDパッケージ構造の表面の一部を軟化させる工程をさらに含む。
【0114】
また、他の実施例において、前記第1の表面に前記1層の波長変換材料層を形成する工程は、前記第1の表面に静電荷を形成する工程と、前記波長変換材料の粉体を前記第1の表面に引き付けるる工程と、前記第1の表面を前記波長変換材料が含まれた粉体に近接した箇所に配置する工程と、少なくとも前記静電荷を部分的に利用することにより前記第1の表面に前記1層の波長変換材料層を形成する工程とを含む。
【0115】
また、他の実施例において、この方法は、前記静電荷を除去することにより前記粉体を前記LEDパッケージ構造の表面に転移させる工程をさらに含む。
【0116】
また、他の実施例において、前記第1の表面に前記波長変換材料層を形成する工程は、前記第1の表面を被覆した1層の接着剤材料層に前記波長変換材料層を形成する工程を含む。
【0117】
また、他の実施例において、前記第1の表面を前記LEDパッケージ構造から除去することにより、前記波長変換材料層及び前記接着剤材料層を前記LEDパッケージ構造に付着させる。
【0118】
また、他の実施例において、この方法は、前記LEDパッケージ構造に第2層の波長変換材料層を形成する工程をさらに含む。
【0119】
また、他の実施例において、前記第2層の波長変換材料層は、前記第1層の波長変換材料層とは異なる光学特性を有する。
【0120】
また、他の実施例において、前述した方法は、2層又は複数層の波長変換材料層の形成を繰り返して実施する工程をさらに含む。
【0121】
また、本発明に係る代替的実施例においては、LEDパッケージ構造を形成する方法が提供される。この方法は、Bステージポリマーを含有した表面を有するLEDパッケージ構造本体を形成する工程と、第1の加熱工程により、前記LEDパッケージ構造本体を熱硬化させる工程と、前記LEDパッケージ構造本体の表面層に、1層のLED蛍光材料層を形成する工程とを、第2の加熱工程により、前記LEDパッケージ構造本体の前記表面層を軟化させる工程と、少なくとも前記LED蛍光材料の一部を前記LEDパッケージ構造本体の前記表面層に埋め込む工程とを含む。
【0122】
また、前述した方法の他の実施例において、前記LEDパッケージ構造本体の表面層に1層のLED蛍光材料層を形成する工程は、第1の表面に前記1層のLED蛍光材料層を形成する工程と、前記第1の表面における蛍光材料を前記LEDパッケージ構造本体の前記表面層と接触する箇所に配置する工程と、前記第1の表面と前記LEDパッケージ構造本体の前記表面層との間に圧力を印加する工程とを含む。
【0123】
また、他の実施例において、前記第1の表面に1層のLED蛍光材料層を形成する工程は、第1の表面を前記LED蛍光材料が含まれた粉体に近接した箇所に配置する工程と、前記第1の表面に静電荷を形成する工程と、前記第1の表面における静電荷とは逆極性の静電荷を前記粉体に印加する工程と、少なくとも前記静電荷を部分的に利用することにより前記第1の表面に前記1層のLED蛍光材料層を形成する工程とを含む。
【0124】
また、他の実施例において、前記第1の表面に1層のLED蛍光材料層を形成する工程は、前記第1の表面をチャンバーの内部に配置する工程と、前記チャンバーの内部において前記LED蛍光材料の粒子を前記第1の表面近傍の空中に散布させる工程と、前記第1の表面に前記静電荷を形成する工程と、少なくとも前記静電荷を部分的に利用することにより前記第1の表面に前記1層のLED蛍光材料層を形成する工程とを含む。
【0125】
また、他の実施例において、前記LEDパッケージ構造本体の表面層に1層のLED蛍光材料層を形成する工程は、前記LEDパッケージ構造本体の前記表面層を前記LED蛍光材料が含まれた粉体に近接した箇所に配置する工程と、前記LEDパッケージ構造本体の前記表面層に前記静電荷を形成する工程と、少なくとも前記静電荷を部分的に利用することにより前記LEDパッケージ構造本体の表面層に前記1層のLED蛍光材料層を形成する工程とを含む。
【0126】
また、他の実施例において、前記LEDパッケージ構造本体の表面層に1層のLED蛍光材料層を形成する工程は、前記LEDパッケージ構造本体の表面の少なくとも一部をチャンバーの内部に配置する工程と、前記チャンバーの内部において前記LED蛍光材料の粒子を前記LEDパッケージ構造本体の前記表面層近傍の空中に散布させる工程と、前記LEDパッケージ構造本体の前記表面層に前記静電荷を形成する工程と、前記LEDパッケージ構造本体の前記表面層に前記1層のLED蛍光材料層を形成する工程とを含む。
【0127】
また、本発明に係る他の代替的な実施例においては、LEDパッケージ構造を形成する方法が提供される。この方法は、表面層を有するLEDパッケージ構造本体を形成する工程と、前記LEDパッケージ構造本体の前記表面層に1層の波長変換材料層を形成する工程と、加熱工程により、前記LEDパッケージ構造本体の前記表面層を軟化させる工程と、少なくとも前記波長変換材料の一部を前記LEDパッケージ構造本体の前記表面層に埋め込む工程とを含む。
【0128】
また、前述した方法の他の実施例において、前記LEDパッケージ構造本体の前記表面層に1層の波長変換材料層を形成する工程は、前記第1の表面に前記1層の波長変換材料層を形成するとともに、前記波長変換材料を前記LEDパッケージ構造本体の前記表面層に転移させる工程を含む。
【0129】
また、他の実施例において、前記LEDパッケージ構造本体の表面層に前記1層の波長変換材料層を形成する工程は、前記LEDパッケージ構造本体の前記表面層を波長変換材料の粉体が収容された貯蔵容器に露出させる工程と、少なくとも静電荷を部分的に利用することにより前記1層の波長変換材料層を前記LEDパッケージ構造本体の前記表面層に形成する工程とを含む。
【0130】
また、他の実施例において、前記LEDパッケージ構造本体の前記表面層に1層の波長変換材料層を形成する工程は、前記LEDパッケージ構造本体の前記表面層を空中に散布された波長変換材料の粉体に露出させる工程と、前記1層の波長変換材料層を前記LEDパッケージ構造本体の前記表面層に形成する工程とを含む。
【0131】
以下、関連する図面を参照しながら、実施例をさらに詳しく説明する。
【0132】
[プリ成形レンズ及びレンズに塗布された接着剤]
図1A、1B、1C及び1Dは、本発明に係る一実施例の中間製造工程において、蛍光体が塗布されたレンズの簡易断面図を示す。この実施例によれば、蛍光粒子は、プレス部材表面に引き付けられ、静電荷は、該プレス部材又は該プレス部材とレンズの両方の表面に発生する。図1に示すように、レンズ1の半球状表面32に、接着剤材料2の薄層が予め塗布される。レンズ1は、対象となる波長に対して実質的に透明であるいかなる材料からなってもよい。例を挙げれば、レンズ材料は、シリコン、エポキシ樹脂、ガラス、熱硬化物、熱可塑性プラスチック又はその他のいかなる種類のLEDパッケージ材料であってもよい。ピストン3を表面32まで押し上げることにより、接着剤材料2をレンズ1の内表面(表面32)に塗布することができる。そして、加熱することにより接着剤材料2の一部を硬化させるか、又はBステージエポキシ樹脂を接着剤材料として使用することができる。ピストン表面31は、レンズ1の半球状表面32と類似した曲率を有するように成形され、これにより前記接着剤材料2をレンズ1に均一に塗布することができる。
【0133】
図1Bに示すように、第2のピストン6(その寸法はピストン3と同一か又はそれよりもやや小さい)は静電荷7を帯びている。静電荷7が表面31に均一に分布されるため、蛍光粉体粒子8は、均一に分布するようにピストン6の頂部の表面31に付着する。蛍光粒子がピストン表面に引き付けられる数量は、ピストン6に印加された電荷により制御される。接着剤材料2の表面は、電荷(図1Bに示す)を帯びなくてもよいが、静電荷(図1Cに示す)を帯びてもよい。
【0134】
そして、ピストン6を押し上げることにより接着剤材料2を押圧するとともに、ピストン6又はレンズ1全体を加熱することにより接着剤材料2を完全に硬化させる。ピストン6周囲にあるストッパー5は、押圧する距離を制御するとともに蛍光粒子を表面に制限する。必要に応じてピストン6上の電荷を除去することにより蛍光粉体粒子8をレンズ1における接着剤材料2に放出する。そして、レンズ1をベーキング(例えば150℃で)することにより該接着剤材料2を硬化させる。硬化サイクルが完了した後、1層の蛍光粉体粒子層9が形成される。図1Dに示すように、該層9は、レンズ1の内表面32に結合される。同一の工程を繰り返して行うことにより複数層の蛍光粒子含有層9を形成することができる。形成された粒子含有層9を保護し、後続の製造過程の処理においてそれが損傷しないようにするための保護コーティングとして、必要に応じて別途接着剤材料層を粒子含有層9に塗布することができる。
【0135】
[プリ成形レンズ及びレンズに塗布された接着剤]
図2A、2B及び2Cは、本発明に係る他の実施例のレンズ表面に均一な蛍光塗布を形成する方法の簡易断面図を示す。静電荷は、レンズ側のレンズの内表面に印加され、該内表面には不完全硬化の接着剤材料又はBステージポリマーが予め塗布される。レンズ内表面を、レンズ内表面と同一の曲率を有する帯電金属表面(例えばピストン3)と接触させることにより、レンズ内表面に静電荷を発生させることができる。そして、蛍光粒子を該レンズの内表面に付着させる。ピストン6を例えば150℃に加温し、又はレンズ全体を加熱し、ピストン6を押し上げることにより、蛍光粒子を接着剤表面34に圧着する。同一の工程を繰り返して行うことにより、複数層の蛍光粒子含有層を形成することができる。形成された粒子含有層を保護し、後続の製造過程の処理においてそれが損傷しないようにするための保護コーティングとして、必要に応じて別途接着剤材料層を粒子含有層に塗布することができる。
【0136】
[プリ成形レンズ及びプレス部材の表面に塗布された接着剤]
図3A、3B、3C及び3Dは、本発明に係る他の実施例のレンズ表面に均一な蛍光塗布を形成する方法の簡易断面図を示す。接着剤材料は、不完全硬化又はBステージポリマーによりピストン表面31に堆積される。
【0137】
図3Aに示すように、静電荷は、接着剤表面を、接着剤表面と同一の曲率を有する帯電金属表面と接触させるか、又は電荷をピストン3全体に印加することにより、接着剤表面に生成される。該レンズの内表面32は、無帯電(図3Bに示す)でも帯電(図3Cに示す)でもよい。蛍光粒子を接着剤表面に均一に付着させ、ピストン3を持ち上げることによりレンズと接触させる。該ピストン3を加熱し、又はレンズ全体を加熱し、蛍光粒子及び接着剤をレンズの内表面32に押圧することにより該蛍光粒子層を完全に硬化させる。
【0138】
ピストン3がレンズ表面32に近接した箇所に来た際に、必要に応じてピストン3上の電荷を除去することにより、蛍光粒子8をレンズ上の接着剤に放出する。ピストン3を加熱し、又はレンズ全体をベーキング(例えば150℃で)することにより該接着剤を硬化させる。同一の工程を繰り返して行うことにより複数の蛍光粒子含有層を形成することができる。形成された粒子含有層を保護し、後続の製造過程の処理においてそれが損傷しないようにするための保護コーティングとして、必要に応じて別途接着剤材料層を粒子含有層に塗布することができる。
【0139】
[プリ成形レンズ及び蛍光粉体が混合された粒子接着剤]
図4A、4B、4C及び4Dは、本発明に係る他の実施例のレンズ表面に均一な蛍光塗布を形成する方法の簡易断面図を示す。本実施例において、接着剤材料は、粒子状となっており、蛍光粉体粒子と予め混合される。該接着剤粒子は、シリコン、又は適宜混合されたA及びB部分のエポキシ樹脂微細粒子、又はガラス、熱可塑性プラスチック、熱硬化物又はBステージポリマーの微細粒子であってもよい。静電荷をピストン表面(図4Aに示す)、レンズ表面(図4Bに示す)又はピストン3とレンズとの両方の表面(図4Cに示す)に発生させることができる。
【0140】
図4A又は図4Cに示すように、蛍光体及び接着剤粒子は、この後、ピストン表面に均一に付着する。ピストン3を押し上げることにより蛍光体及び接着剤粒子をレンズの内表面に押圧する前又はした後、該ピストン3又はレンズ全体を加熱する。同時に、ピストン3上の電荷を除去することにより蛍光粒子をレンズの表面に放出する。
【0141】
図4Bに示すように、蛍光体及び接着剤粒子は、レンズの内表面に均一に引き付けられる。所定の圧力値及び高温の条件下(例えばシリコン接着剤を使用した場合、温度は150℃である)で、蛍光体及び接着剤粒子を押圧する。該接着剤が溶融され、蛍光粒子が互いに結合され、蛍光粒子がレンズ表面に固定される。そして、該レンズをベーキング(約150℃)することにより該接着剤を硬化させる。同一の工程を繰り返して行うことにより複数の蛍光粒子含有層を形成することができる。形成された粒子含有層を保護し、後続の製造過程の処理においてそれが損傷しないようにするための保護コーティングとして、必要に応じて別途接着剤材料層を粒子含有層に塗布することができる。
【0142】
[レンズ及び蛍光粒子層を同時に形成する]
特に本発明に係る一実施例では、製造工程において、表面領域32における一部のレンズ1の材料は、粒子含有層を結合する接着剤材料として用いられることが可能である。従って、接着剤塗布工程を省略することにより粒子塗布過程を簡素化させることができる。レンズの形成過程(例えば射出成形、圧縮成形又はトランスファー成形)において、シリコン、エポキシ樹脂、Bステージポリマー、ガラス、熱硬化物又は熱可塑性プラスチックは、いずれもレンズ材料として選択されることができる。
【0143】
例えばシリコン、エポキシ樹脂、Bステージポリマー又は熱硬化物をレンズ材料として使用する場合は、まずレンズ材料を100℃に加熱することにより該材料を部分的に硬化させて該レンズを成形する。静電荷をピストン表面31(図5Aに示す)に発生させるか、又はレンズ表面32(図5Bに示す)に発生させることにより蛍光粒子を引き付ける。図5Cに示すように、前記電荷は、両方の表面に同時に生成されてもよい。該ピストン表面31をレンズ表面32に近接した位置に移動させる前又はした後、該ピストン3又はレンズ1全体を所定の温度に加熱することにより該レンズ1の一部の表面領域32における材料を溶融又は軟化させ、そして蛍光粒子9を該レンズ1の内表面32に押圧する。この過程において、ピストン表面31がレンズ1と互いに接近した場合、必要に応じてピストン3上の電荷を除去することにより粉体粒子を誘電表面に転移させる。そして、蛍光粒子9が埋め込まれたレンズ1(図5Dに示す)をベーキングすることにより該レンズ材料を完全に硬化させる。
【0144】
レンズ材料がガラス又は熱可塑性プラスチックである場合、該レンズ1は、高い温度で予め成形される。まず、蛍光粉体粒子9は、ピストン3の帯電表面31(図5Aに示す)又はレンズ表面32(図5Bに示す)に付着する。該ピストン表面31をレンズ表面32に近接した箇所に移動する前又はした後、ピストン3又はレンズ全体を所定の温度に加熱することにより該レンズ1の一部の表面領域32における材料を溶融又は軟化させるとともに、適当な圧力及び温度の条件下で、帯電表面にある蛍光粒子9を該レンズ1の内表面32に押圧する。この温度下で、レンズ1の形成過程において、レンズ表面の材料は、軟化又は溶融され、レンズ表面内にある粒子が緊密に結合される。この過程において、ピストン表面31がレンズ1と互いに接近した場合、必要に応じてピストン3上の電荷を除去することにより粉体粒子を誘電表面(レンズ表面32)に転移させる。
【0145】
材料にあっては、この実施例において、レンズ材料は、シリコン、Bステージポリマー、ガラス、熱硬化性プラスチック(熱硬化物)又は熱可塑性プラスチックであってもよい。この実施例においては、表面領域にあるレンズ材料が蛍光粒子をレンズ1に接着するための接着剤として用いられるため、前記接着塗布工程を省略することができ、形成の過程が簡素化される。また、レンズ材料の屈折率は、蛍光材料とLEDパッケージレンズとの間の結合界面の光抽出率を強化するために、蛍光粉体材料の屈折率に相応するものを選択することができる。
【0146】
また、他の実施例において、静電荷をピストン表面31及びレンズ内表面32に印加することにより、蛍光粒子9をピストン表面31及びレンズ内表面32の両方に塗布することができる。そして、ピストン3をレンズ1に押圧する。ピストン3からレンズ1に印加された圧力により、蛍光粒子9をレンズ1の軟化表面に埋め込むことができる。
【0147】
ある実施例において、前述したフローを繰り返して行うことにより複数層の蛍光粒子含有層を形成することができる。
【0148】
また、他の実施例において、形成された粒子含有層を保護し、後続の製造過程の処理においてそれが損傷しないようにするために、必要に応じて保護塗布層を粒子含有層に塗布することができる。
【0149】
[蛍光体含有層を単一のキャリアに形成するとともに該キャリアをレンズに固定する]
まず、蛍光体層を単一の支持キャリア、例えばシリコン、ガラス、熱可塑性プラスチック又はその他任意の種類のLEDパッケージ材料に形成する。そして、蛍光体層を含有したキャリアをレンズに固定する。前述した方法のいずれかを使用して、単一のキャリアに均一な蛍光粒子層(蛍光体層)を形成することができる。
【0150】
一つの実施例において、蛍光粒子層は、キャリア表面の一側又は両側に形成され、性質の異なる蛍光材料(図6A、6B、6D、6E、6G又は6Hに示す)であってもよい。該キャリア表面は、平板61上に形成され、又はレセプター表面(例えばレンズ表面)に類似した曲率62を有するように成形され、又は半球状63のものであってもよい。キャリアに塗布工程を繰り返して行うことによりキャリア表面に複数層の蛍光粒子含有層を形成することができる。適当な接着剤を使用することにより支持キャリアをレセプター(例えばレンズ)に固定することができる。
【0151】
また、別途接着剤(例えば上述のようにレンズ材料、例えばガラス又は熱可塑性プラスチックに用いられる)を使用せずに、蛍光体を含有したキャリアをレンズに固定してもよい。ここで、表面領域にあるレンズ材料は、蛍光粒子をレンズに接着するためのものであり、これにより、前記塗布接着の工程が省略され、蛍光体を含有したキャリア又はレセプター全体を所定の温度に加熱し、支持キャリア表面領域にある材料又はレンズ自体を軟化又は溶融させ、蛍光体を含有したキャリアをレセプター(例えばレンズ)と結合させる(図6C、図6F及び図6Iに示す)。支持キャリアの寸法は、必要とされる光学特性に応じて変更可能であり、LEDパッケージデザインに応じて決められる。支持キャリア又はレンズ材料の屈折率は、結合界面での光抽出率を増大するために、蛍光材料の屈折率(例えば1.8以下の蛍光体)に相応するものを選択することができる。ある例示において、増大の幅は、10%に達することができる。
【0152】
[表面上の多層蛍光粒子層の応用]
本発明に係る他の実施例によれば、上述した均一粒子層を形成する工程を簡単に繰り返して行うことにより蛍光粒子含有層を形成することができ、さらには、図7に示すように同一の物体表面には、種類の異なる蛍光材料(赤色、緑色、黄色、琥珀色等)の蛍光粒子含有層を形成することができる。そして、互いに分離した複数層の蛍光材料層(蛍光粒子含有層)が、塗布表面に均一に形成される。従って、本発明に記載された複数層の蛍光粒子含有層の形成のための製造工程は、異なる蛍光材料の層順序を自由に変更可能であり、これにより、光透過層構造中に異なる蛍光材料が堆積された場合、光吸収特性を変更することでLED応用面での光学特性、例えば演色評価数(color rendering index、CRI)又は変換効率等を調整することができる。
【0153】
[各種の形状及び寸法のパッケージ表面の応用]
他の実施例において、本願の製造工程技術は、適当でかつ対応するプレス部材を使用することにより蛍光粒子含有層を下記の各種形状の表面に塗布することに用いることができる。
【0154】
・凹面:例えば図8A、8B及び8Cに示すレンズ又は蓋体の内表面、
・凸面:例えば図8D及び8Eに示すレンズ又は蓋体の外表面、及び
・平面又は板体:例えば図8F及び図8Gに示す平面又は板体。
【0155】
この実施例によれば、本発明の製造工程は、各種寸法のパッケージ構造及び該パッケージ表面に用いられる適当なプレス部材に応用されることが可能である。実際に応用する際に、その寸法は、パッケージ内のLEDの数量に応じて変更可能である。また、レンズ又は蓋体の内表面又は外表面の表面曲率については、なんら制限されず、LEDパッケージに応じて変更可能である。例を挙げれば、図8A又は図8Dに示すレンズ又は蓋体は、非フリップチップ(non−flip chip)装置に適用可能であり、リード線を介して装置の頂部金属に接続される。図8A及び図8Dに示すように、レンズは、リード線が該装置と完全に封止されるように構成される。フリップチップ装置としては、リード線が該装置の頂部に接続されていないため、内表面にある粒子含有層は、該装置表面に近接した箇所(図8B、8C、8E及び8Fに示す)に設けられることが可能であり、主に必要とされる光学特性に応じて設けられる。
【0156】
[平坦表面に粒子層を大面積に塗布する]
また、ある実施例において、上述した技術は、平坦表面、例えば平面パネル、集積LEDサブマウントウェハ(populated LED submount wafers)又は可撓性を有する積層片等に、均一粒子含有層を大面積に形成することができる。これらの実施例において、プレス部材は、平面状(図9Aに示す)又はローラー89(図9Bに示す)であり、最適なスループットを達成することができる。平面状のプレス部材を使用した場合、前記製造工程により平坦表面に均一粒子含有層を形成することができる。
【0157】
また、プレス部材は、大面積の塗布工程が行えるように、最適な生産スループットを得るため、又は静電荷をプレス部材表面に発生させ易くするために、ローラー89の形態であってもよい。薄層の接着剤材料を物体表面、例えば平面パネル、集積LEDサブマウントウェハ(populated LED submount wafers)又は可撓性を有する積層片等に堆積させることができる。この接着剤材料は、不完全硬化され又はBステージポリマーであってもよい。前述した技術と類似して、静電荷はローラー表面又は塗布層表面に生成される。ある実施例において、静電荷は、ローラー表面及び塗布層表面に同時に生成される。実施例の相違に応じて、ローラー表面と塗布層表面との間の電荷分布を変更することができる。
【0158】
帯電ローラーについては、前述した方法により、該ローラーは、粉体供給器から粉体粒子又は粒子粉体混合物をピックアップし、例えば150℃に加熱されることにより、粉体を表面に押圧することができる。そして、パネル、サブマウント又は可撓性を有する集積片をベーキング(例えば150℃)して接着剤を固定させる。前述のように、処理において粒子含有層が損傷することがないように、必要に応じて保護層を粒子含有層に堆積することができる。
【0159】
静電荷を接着剤材料の表面に発生させる場合、粉体粒子は、接着剤表面に直接接着され、そしてローラープレス部材を例えば150℃に加熱するとともに表面全体にわたって圧力を印加するように回転させることにより粒子含有層を固定させる。パネル、サブマウント又は可撓性を有する積層片をベーキング(例えば150℃)し、接着剤を硬化させる。前述のように、処理において粒子含有層が損傷することがないように、必要に応じて保護層を粒子含有層に堆積することができる。
【0160】
[ピストンプレス部材の設計]
図10は、本発明に係る一実施例による、表面に均一塗布を形成するための装置の簡易図を示す。図10に示すように、本発明に係る実施例のピストンシステム6は、製造工程において静電荷によって引き付けられる蛍光粉体粒子の量をモニターするためのLED光源11を含む。LED光源の波長に対して高透明度を有する材料(例えばガラス)をピストン材料として選択することができる。透明の導電材料、例えばインジウムスズ酸化物(Indium Tin Oxide;ITO)を表面の頂部に塗布することができる。
【0161】
また、他の実施例において、ピストンシステム6の他の実施態様は、金属−誘電−金属サンドイッチ層がピストンの表面に形成され、大型コンデンサーとしても機能し、これにより比較的小さい外部電圧により大量の静電荷を生成することができる。該金属−誘電−金属サンドイッチ層の表面に、絶縁層を塗布することができる。
【0162】
本発明に係る他の実施例によれば、レセプターに均一粒子層を形成する方法は、静電荷をプレス部材又は該レセプターの表面に発生させる工程と、1層の粒子材料層を帯電表面に付着させる工程と、高温で圧力を該プレス部材と該レセプターとの間に印加することによりレセプターに実質的に均一な粒子層を形成する工程とを含む。
【0163】
また、一実施例において、第1の表面及び第2の表面は、形状的には実質的に互いに補完しあうものである。
【0164】
また、ある実施例において、前述した方法は、接着剤層を形成する工程をさらに含む。また、一実施例において、接着剤層は、レセプターに形成される。また、他の実施例において、接着剤層は、プレス部材に形成される。また、他の実施例において、接着剤層は、レセプターの表面領域を軟化させることにより形成される。また、ある実施例において、粒子は、接着剤層に圧入される。
【0165】
前述した方法の他の実施例において、形成された粒子含有層は、実質的に等しい厚さおよび高充填密度を有する。
【0166】
また、一実施例において、粒子材料は、蛍光粉体を含む。
【0167】
また、ある実施例において、レセプターは、レンズを含む。また、具体的な実施例において、レセプターは、LED装置に適用されるレンズを含む。
【0168】
また、他の実施例において、前述した方法を繰り返して行うことにより複数層の蛍光粉体含有層を形成することができ、ここで、各層は、実質的に等しい厚さおよび高充填密度を有する。また、一実施例において、各層は、一つ又は複数種の蛍光粉体を含み、各層内にある蛍光粉体は、同一又は異なる蛍光性質を有する。
【0169】
本発明に係る代替的な実施例によれば、第1の表面に粒子層を形成する方法は、静電荷を第1の表面又は第2の表面に発生させる工程と、1層の粒子材料層を帯電表面に付着させる工程と、所定の温度で第1の表面との第2の表面との間に圧力を印加する工程とを含む。
【0170】
前述した方法の一実施例において、実質的に均一な粒子含有層は、第1層に形成される。
【0171】
また、他の実施例において、所定の温度は、室温よりも高い温度である。
【0172】
また、他の実施例において、本発明は、第1の表面に1層の粉体材料層を形成する装置を提供する。この装置は、第1の表面に実質的に相応する第2の表面を有する頂部領域を含む。また、一実施例において、この装置は、基部領域を含み、この領域には圧力を第1の表面と第2の表面との間に印加するように構成されるストッパーが設けられている。
【0173】
また、一実施例において、この頂部領域は、ステンレス材料、金属含有材料、誘電材料、テフロン(登録商標)等又はそれらの材料の組み合わせからなる群から選択される一種の材料からなる。
【0174】
また、他の実施例によれば、本発明は、複数のLED発光装置を形成する方法を提供する。この方法は、第1の波長範囲内にあるLEDダイス(dice)を1組選択する工程と、第1の波長範囲内にあるLEDダイスに適用される蛍光材料から成る実質的に均一な蛍光材料塗布層を有するレンズを1組形成する工程と、該1組のLEDダイスと該1組のレンズとを含むLED発光装置を形成する工程とを含む。また、一実施例において、レンズは、前述した一つ又は複数の方法により製造される。
【0175】
また、他の実施例において、本発明は、複数のLED照明装置を形成する方法を提供する。この方法は、少なくとも出射光の波長に基づいて複数のLEDダイスを2つ又は複数組のLEDダイスに分ける工程と、実質的に均一な蛍光材料塗布層を有する複数のレンズを光学特性に基づいてグループ分けする工程と、いずれか1組のLEDダイスをいずれか1組のレンズと1対とすることにより複数のLED照明装置を形成する工程とを含む。これにより、LED照明装置は、必要とされる光学特性を有する。また、一実施例において、レンズは、前述した一つ又は複数の方法により製造される。
【0176】
また、他の実施例において、本発明は、レンズを提供する。このレンズは、実質的に均一な蛍光材料塗布層を有する。また、ある実施例において、レンズは、前述した一つ又は複数の方法により製造される。また、一実施例において、レンズは、蛍光材料が埋め込まれた接着剤層を含む。また、一実施例において、レンズは、透明材料からなり、蛍光材料が埋め込まれた表面領域を有する。
【0177】
また、他の実施例によれば、本発明は、LED照明装置を提供する。このLED照明装置は、LEDダイス及びレンズを含む。このレンズは、実質的に均一な蛍光材料塗布層を有する。また、一実施例において、このレンズは、前述した一つ又は複数の方法により製造される。また、一実施例において、LEDダイス51は、第1の波長の光を発することができるように構成され、該レンズは、実質的に等しい蛍光材料含有塗布層を有し、該LED照明装置は、目標の波長の光を発することができるように構成される。該レンズは、適当な接着剤を介してLED支持キャリア(図11Aに示す)に直接接着され、又はパッケージハウジング52(図11Bに示す)に接着され、LED発光装置のデザインに応じて決められる。図12A及び12Bに示すように、該レンズの形状及び寸法は、必要とされる光学特性及びパッケージ全体のLED数量に応じて変更可能である。
【0178】
また、他の実施例において、図12A及び12Bに示すように、本発明は、複数のLEDダイス及びレンズを有するLED発光装置が提供される。
【0179】
[レンズ製造工程において粒子含有層を形成する]
特に、本発明に係る実施例において、蛍光粉体(性質の異なる単一又は複数層の蛍光粉体粒子を含む)は、液状の接着剤材料(例えばシリコン、エポキシ樹脂、熱可塑性プラスチック又は任意のレンズ材料)と混合することができる。この実施例において、蛍光粒子粉体は、液状の接着剤材料(例えばシリコン、エポキシ樹脂等)と混合される。
【0180】
図13は、本発明に係る実施例に基づいて、レンズの製造過程において粒子含有層を形成する方法の簡易断面図を示す。図13に示すように、レンズ90は、モールド方法、例えば射出成形、圧縮成形、トランスファー成形又はその他のモールド技術により形成される。この実施例において、レンズ材料は、対象となる波長に対して透明状態であるいかなる材料であってもよい。例えば、レンズ材料は、シリコン、エポキシ樹脂、ガラス、熱硬化性プラスチック(熱硬化物)、熱可塑性プラスチック又はその他のいかなる種類のLEDパッケージ材料であってもよい。レンズの形成後に、図13に示すように、蛍光体と接着剤との混合物91は、例えばモールド工程によりレンズ表面に使用される。蛍光体と接着剤との混合物91の第2の型の寸法は、レンズの形成に用いられる第1の型と同一でも異なってもよく、蛍光体含有層がLEDパッケージに必要な光学特性を得るために必要な条件(例えば厚さ及び形状)に応じて決定される。第2回のモールドの後、レンズをベーキングすることにより材料を完全に硬化させる。蛍光体と接着剤との混合物の塗布過程を繰り返して行うことにより、レンズ表面に複数層の蛍光体含有層を生成することができる。
【0181】
[高充填密度の蛍光粒子を含む蛍光シートを形成する]
特に、本発明に係る一実施例において、蛍光層において高度に充填される粒子は、シート表面に形成され、又はシートに埋め込まれることができる。
【0182】
蛍光粒子がシートに均一に分布された従来の蛍光シートとは異なり、この実施例によれば、図14B、14C及び14Dに示すように、高充填密度を有する蛍光粒子層は、シート表面に形成され、又は該シートに埋め込まれる。光変換材料(例えば蛍光体)については、この実施例における高充填密度の粒子層により放熱性が改善され又は光散乱が低減されるため、最終的に形成される装置の光学性能が強化される。
【0183】
シート材料201は、実施例に記載のLEDパッケージレンズに用いられるいかなる透明材料、例えばシリコン、ガラス、エポキシ樹脂又は熱可塑性プラスチックであってもよい。そして、シート材料201の頂部表面に1層の均一粒子層を形成する。本発明に係る実施例の一つに記載したように、静電荷を利用する前述した方法の一つによれば、均一粒子層を形成することができ、そのプレス部材表面は、半球状ではなく、平面又はローラー(図9Bに示す)である。粒子層の厚さ範囲は、5〜200μmであり、LEDパッケージに必要な光学特性に応じて決められる。
【0184】
図14Aないし図14Dは、本発明に係る実施例による、高充填密度を有する蛍光層をシート表面に形成するか、又は該シート内に埋め込む方法の簡易断面図を示す。まず、図14Aに示すように、シリコン又はLEDパッケージに用いられる任意の透明材料をシート形態に形成し、その厚さは、必要とされる光学性能に応じて決められる。静電荷をシリコンシートの表面又はプレス部材表面に発生させる。また、ある実施例において、静電荷は、プレス部材及び塗布層に同時に生成される。図14Bに示すように、均一に分布された蛍光粉体粒子が静電荷によって引き付けられ、シリコンシートに形成される。このシリコンシートは、Bステージシリコン又は接着剤塗布層を有する一般のシリコンからなり、蛍光粒子を固定する。接着剤粒子(例えばAとB部分が適宜混合されたシリコン微細粒子又はBステージシリコン微細粒子)が蛍光粒子と互いに混合されることにより後続の積層過程において別途接着粘度が提供される。そして、同一又は異なる屈折率を有する他のシート材料202を、高充填密度を有する1層の粒子層207の頂部に積層し(図14Bに示す)、所定の温度に加熱する。このシート材料202は、Bステージシリコン、接着剤層が塗布された一般のシリコン、ガラス、熱可塑性プラスチック又はその他のいかなる透明のレンズ材料であってもよい。そして、図14Cに示すように、高充填密度を有する1層の蛍光粉体粒子層207を該シート202に埋め込む。図14Dに示すように、この工程を繰り返して行うことにより複数層の蛍光粒子(性質の異なる蛍光材料、例えば赤色、緑色、黄色又は琥珀色の蛍光体であってもよい)を形成することができる。このようにして、蛍光体を含有したシートの製造は完成する。
【0185】
特にある実施例において、各層の蛍光粒子(例えば207、208又は209等の層)は、単一又は複数種の蛍光体を含み、所定の割合で均一に混合され、必要とされる色点及び光学特性が提供される。
【0186】
図14Cに示すように、屈折率n1及びn2は、互いに同一でもよく又は異なってもよい。被覆層(即ち蛍光体を含まない領域)の屈折率は、同一でもよく又は異なってもよい。特に、ある実施例において、図14C又は図14Dにおいて蛍光体領域が含まれない材料(例えば材料201又は202)の屈折率は、蛍光材料n(蛍光体)の屈折率(1.8以下)に相応するものであってもよく、これによって、最終的に形成される装置の光抽出率が強化される。
【0187】
前述したLEDに用いられる蛍光体含有シートは、LED支持キャリア全体に積層され、複数の発光ダイオードを含むことができる。また、単一のシリコンシートの寸法を、個別のLEDチップ又はアレイを十分被覆しうるものに構成し、それを単一のLEDダイス表面又はLEDアレイに積層する。図15Aないし図15Dは、本発明に係る実施例による、蛍光シート(シリコンシート)の一例の簡易図を示す。それらの図に示すように、その形状は、正方形、長方形、円形、角度を持った正方形又は長方形(図15Dに示す)、又は必要とされるLED性能に適した適当な形状であり、LED頂部表面及び周縁を十分被覆し、光がどの方向からも蛍光変換層を透過することができることを確保する。図15Eに示すように、蛍光粒子を含有した蛍光シート205は、発光ダイオードを覆うように設けられ、LEDチップの側辺を被覆する。
【0188】
ある応用において、蛍光シート又は板体206(図15A、15B、15C又は15Dに示す)をLED頂部表面に設け、又はLED表面の頂部から所定の距離だけ離れた箇所(図15Fに示す)に設けることができる。
【0189】
図16Aないし図16Eは、本発明に係る他の実施例による一種の方法の簡易断面図を示す。蛍光粉体粒子は、シートにではなく、インナーレンズ(101又は102)の表面に形成される。このインナーレンズは、任意の透明のLEDパッケージ材料により予め形成される(図16A及び図16Bに示す)。前述のように、蛍光粉体粒子は、静電荷を使用することによりインナーレンズに形成されることができる。図16C及び16Dに示すように、まず、予め形成されたシリコンレンズ100を用意し、蛍光粉体粒子95を有するインナーレンズ101、102を該予め形成されたレンズ100の内表面に押圧し、所定の温度(100℃よりも高い)に加熱することにより接着剤材料(例えばシリコン、エポキシ樹脂又はガラス)を完全に硬化させる。接着剤粒子(例えばAとB部分が適宜混合されたシリコン微細粒子又はBステージシリコン微細粒子)が蛍光粒子と互いに混合されることにより、後続の積層過程において別途接着強度が提供される。図16Eに示すように、この工程を繰り返して行うことによりレンズ表面に高充填密度を有する蛍光粒子層を複数形成することができる。
【0190】
[表面に均一蛍光粒子を形成する方法]
図17Aないし図17Dは、本発明に係る一実施例による、表面に均一蛍光粒子を形成する方法の簡易断面図を示す。本発明に係る一実施例において、図17Dに示すように、蛍光粉体粒子は、表面上に生成された静電荷によって引き付けられ、それによって帯電表面に均一に分布された蛍光粒子層が形成される。蛍光粒子を引き付けるフローについては後述する。同様の方法は、いかなる種類の粒子にも適用することができる。
【0191】
蛍光粉体粒子は、容器113内に設けられる。容器113内の蛍光粉体粒子は、単一又は複数種の蛍光体を含み、所定の割合で容器113内において混合され、必要とされる色点及び光学特性を得ることができる。
【0192】
該容器113は、導電材料又は絶縁体により製造される。図17Aに示すように、該容器113の内凹表面114は、形状が金型(120又は121)の形状(図17B又は図17Cに示す)に対応し、且つ、蛍光粒子110が充填されている。蛍光粒子110は、静電荷を帯びても帯びなくてもよい。図17Bに示すように、非帯電の金型120は、形状が帯電の金型121(金型電極)の表面に対応するが、その寸法がやや大きく、蛍光粒子表面111を容器表面114の形状に対応するように成形するためのものである。金型120周縁にあるストッパー122は、該金型電極の蛍光粒子への移入距離を制御するためのものである。
【0193】
蛍光粒子表面は、金型120により成形される。静電荷を均一に帯びた金型121(第2の金型電極)は、不帯電金型120からなる凹部から蛍光粒子110を引き付ける。第2の金型121を凹部111から蛍光粒子と接触しない箇所に所定の距離125だけ接近させることにより該蛍光粉体を電気的に引き付けることができる。金型121の周辺にあるストッパー126は、金型表面と蛍光粒子表面111との間の距離125を制御する。そして、図17Dに示すように、均一な蛍光粒子層119を帯電の金型121(金型電極)に形成することができる。蛍光粒子110が電極金型表面に引き付けられる量は、帯電電圧、距離125、時間又は任意の適当な製造工程パラメータによって制御されてもよい。
【0194】
図18Aないし図18Cは、本発明に係る他の実施例による、異なる表面に均一蛍光粒子を形成する方法の簡易断面図を示す。容器113内の蛍光粒子の表面は、金型表面に対応する各種の形状、例えば図18Aないし図18Cに示す凹、凸、平面形状、さらに不規則形状に成形されることにより、レンズ表面に所定の発光パターンに必要な蛍光体幾何レイアウトが生成される。
【0195】
蛍光体容器は、電極金型の表面と類似した各種の表面輪郭、例えば図18Aないし図18Cに示す平面、凹、凸又は不規則形状を含み、これにより蛍光粒子を適当な箇所に固定することができる。容器113内の蛍光粒子の表面は金型表面により成形され、この金型表面は、レンズ表面に形成された蛍光粒子層の形状と類似又は対応する。電極金型表面及び容器表面輪郭の類似性は、電極金型(例えば金型121)を覆うように蛍光粒子を均一に引き付ける上で極めて重要である。電界が一旦形成されると、容器表面に成形された蛍光粒子は、金型電極へと向くすべての方位の電界の影響を受け、金型電極に徐々に引き付けられ、最後に電極表面に均一な粒子層が形成される。
【0196】
金型により蛍光粉体表面を成形した後、前述した実施例における第2の帯電金型121を蛍光体表面に対して蛍光粒子と接触しない箇所に接近させ、該粒子を電気的に引き付けることにより、金型表面に均一な粒子分布が形成される。同一の電界を維持するために、蛍光粒子を引き付けることにより電極(即ち第2の帯電金型121)の表面に均一に分布させる。図18Aに示す平面形状については、凹んだ表面の寸法d2が、電極表面の寸法d1よりも大きい(即ちd2>d1)。電極に近接した一角に生じた電界エッジ効果を除去するために、電極中央領域に近接する一部の表面面積のみを蛍光粒子の引き付けに使用することにより、引き付けられた粒子の等しい分布を確保することができる。
【0197】
図18Bに示す電極形状について、電極半径r1は、同一の電界が維持されるように蛍光体表面までの半径r2よりも小さく(即ちr1<r2)、蛍光粒子が均一に電極(即ち第2の帯電金型121)の表面に引き付けられる。
【0198】
図18Cに示す電極形状については、電極半径r3は、同一の電界が維持されるように蛍光体表面の半径4よりも大きく(即ちr3>r4)、蛍光粒子が均一に電極(即ち第2の帯電金型)の表面に分布される。
【0199】
不規則形状については、電極の寸法は、内凹の表面よりも大きく、電極表面と内凹表面との間が等ピッチに維持される。
【0200】
前記電極表面は、平面、凹、凸又は不規則形状であり、LEDパッケージ上の蛍光体層の所要形状と類似又は対応し、電界エッジ効果が除去されるように構成され、電極表面に粒子が均一に分布されるとともに必要とされる形状が形成されることを確保することができる。
【0201】
レンズ材料が電極に接着されることを回避するために、蛍光粒子を帯びた金型(即ち第2の帯電金型)に極薄膜が設けられている。この極薄膜は、従来の接着性を有しない金型材料であり、該金型の大体の形状を有する。また、接着性を有しない金型材料、又は接着性を有しない金型塗布層(例えばテフロン(登録商標))を使用することによりこの目的を達成し、レンズが金型に接着されることを最低限に抑えることができる。
【0202】
[表面に均一蛍光粒子を形成する方法]
前述したある実施例のように、蛍光粒子は、容器115内に設けられる。容器115内における蛍光粉体は、単一又は複数種の蛍光体を含み、所定の割合で容器内において混合され、必要とされる色点及び光学特性が提供される。
【0203】
図19に示すように、電極即ち帯電金型は、頂部開口を介して容器115内に置き入れられ、該蛍光粒子を引き付ける。該電極は、該容器115と相互に電気的に絶縁される。不活性気体(例えば窒素)が容器壁上の空気流入口から流入することで、蛍光粒子が容器115内電極の周囲に均一に分布される。蛍光粒子は一旦金型表面に衝突すると、帯電金型の表面に付着する。蛍光粒子が金型の帯電表面に堆積する量は、金型に印加された帯電電圧、金型が粒子容器115内部に露出された時間、不活性気体の流速又は蛍光粒子厚さの制御に適用される任意の製造工程パラメータによって制御される。
【0204】
蛍光粒子が所要の厚さに堆積されると、不活性気体の供給が停止される。帯電金型を容器開口箇所から離間させる。それにより、均一に分布された粒子層が電極(即ち金型の帯電表面)に形成される。
【0205】
蛍光粒子は、電極における電荷とは逆極性の電荷を帯びてもよい。また、該電極は、帯電しなくてもよいが、又は、該蛍光粒子は、静電荷を帯びている。
【0206】
前述した電極表面は、平面、凹、凸又は不規則形状であり、LEDパッケージ上にある蛍光体層の所要形状に対応するとともに、電界エッジ効果が消去されるように構成され、電極表面に粒子が均一に分布されるとともに必要とされる形状が形成されることを確保することができる。
【0207】
金型又は電極表面に特殊な処理を行い、又は接着性を有しない1層の極薄膜を金型に設けることにより、レンズ材料(例えばシリコン)が金型表面に接着されることを回避することができる。
【0208】
[レンズ製造工程において蛍光粒子を未硬化のレンズ材料の表面に接着する]
図20Aないし図20Dは、本発明に係る一実施例による、蛍光粒子を未硬化のレンズ材料表面に付着させる方法の簡易断面図を示す。図20Aにおいて、上金型150の形状は、レンズ内表面に形成されようとする蛍光粒子層の所要形状に対応する。該上金型プレス部材150は、前述した方法により蛍光粉体を引き付ける。金型の一部156は、静電荷を帯びており、前記粒子を引き付ける。該上金型の外部155が非帯電であるため、前記粒子は、プレス部材のみに付着する。
【0209】
図20Bにおいて、金型151が有する内凹は、レンズの所要形状に対応し、さらに、熱硬化型材料157、例えばシリコン、エポキシ樹脂、又は溶融され且つ温度が高くなる場合に再び成形される熱可塑性プラスチック又はガラス等が、その内部に充填される。該金型151は、金属又は非導電材料により製造される。2つの金型150、151を相互に圧着させることにより蛍光粉体をレンズ表面に設けることができる(図20C)。圧着過程において、蛍光粉体粒子が依然として上金型プレス部材150の表面に固定されているため、圧着過程において、蛍光体の散布が影響を受けることはない。そして、金型150、151を加熱し材料を硬化させることにより、レンズ及び強固な粒子層を形成する(図20D)。最後に、該上金型150の電荷を除去することにより粒子を放出させる。
【0210】
金型表面に対して特殊な処理を行い、又は接着性を有しない1層の極薄膜を金型に設けることにより、レンズ材料(例えばシリコン)が金型表面に接着されることを回避することができる。
【0211】
異なる上金型を使用し、モールド工程を繰り返して行うことにより、緊密に充填された複数層の蛍光粒子層を生成することができる。ここで、各層の性質は異なっていてもよく、例えば含有する蛍光材料が異なっていてもよく、又は特定の放射線を提供するものであってもよい。前述した一実施例において、各層の蛍光粒子層は、単一又は複数種の蛍光体を有し、所定の割合で混合され、必要とされる色点及び光学特性が提供される。
【0212】
本発明に係るある実施例において、接着材料は、電極表面上に引き付けられた蛍光粒子をLEDパッケージ材料(例えばシリコン、ガラス、エポキシ樹脂、熱可塑性プラスチック又は対象となる波長に対して透明状態であるその他任意の材料)に接着させることができる。この接着材料は、下記の材料又はその他の組成物からなる。
【0213】
・液体接着剤:例えば硬化可能なシリコン、エポキシ樹脂又はその他の混合物、
・固体薄膜:例えばBステージシリコン、エポキシ樹脂、ガラス又は熱可塑性プラスチック、
・パッケージ材料自体:例えばBステージポリマー、ガラス、熱可塑性プラスチックであり、パッケージ体の付着界面は、粒子を固定するために、温度が高くなると部分的に溶融又は軟化される。又は、
・微細粒子:蛍光粒子と予め混合され、粒子付着過程において、粒子をパッケージ体の表面に固定するために、温度が高くなると溶融又は軟化される。
【0214】
また、他の実施例において、接着材料は、対象となる波長に対して透明状態であるものであり、適当な屈折率を有するものを選択することができ、最終的に形成された装置は最適な光学特性を有する。
【0215】
本発明に係るある実施例によれば、図21A及び図21Bは、LEDパッケージ体(ここではレンズである)表面に蛍光粒子層が形成されることを示す。レンズは、複数層の蛍光体層を含み、各層(211又は212)の蛍光粒子は、単一又は複数種の蛍光体を含み、所定の割合で混合され、必要とされる色点及び光学特性が提供される。
【0216】
[マイクロプラズマを使用することによりレンズと粒子層との間の界面の付着力を改善する]
ある実施例において、レンズ表面を予めクリーニングすることにより蛍光粒子のレンズ表面に対する付着力を改善する必要がある。蛍光粒子が付着される前には、大気圧力下で発生し且つmm又はそれよりも小さい範囲内に制限されるマイクロプラズマを予め使用し、レンズの表面を部分的にクリーニングすることにより、粒子のレンズ表面に対する付着力を改善することができる。
【0217】
本発明に係る他の実施例によれば、レンズを形成する方法は、蛍光体と接着剤材料との混合物を予め形成されたレンズに塗布する工程を含む。
【0218】
また、本発明に係る他の実施例によれば、蛍光体を含有したシリコンシートを形成する方法は、蛍光粒子層を単一の支持キャリアに形成する工程を含む。
【0219】
また、本発明に係る他の実施例によれば、波長変換材料は、第1の屈折率を有し且つ蛍光体を含まない第1層のシリコン材料層と、第1層のシリコンと接触するとともにその上に位置する第2層のシリコン材料層とを含む。第2層のシリコン材料層には蛍光粒子が埋め込まれる。また、ある実施例において、該蛍光粒子は、少なくとも一部が第2層のシリコン材料層の内部に位置する。また、他の実施例において、波長変換材料は、第2層のシリコン材料層と接触するとともにその上に位置する、第2の屈折率を有する第3層のシリコン材料層を含む。また、ある実施例において、前記第2の屈折率は、第1の屈折率と実質的に同一である。
【0220】
また、他の実施例において、波長変換材料は、多層構造を含み、透明のシリコンは、同一又は異なる屈折率を有してもよい。
【0221】
また、本発明に係る他の実施例によれば、波長変換材料の積層構造を形成する方法は、Bステージシリコンにより蛍光粒子が埋め込まれることを含む。また、その他の実施例において、該Bステージシリコンは、接着の用途に用いられる。
【0222】
また、本発明に係る他の実施例によれば、表面に均一蛍光粒子層を形成する方法は、下記の工程を含む。
【0223】
・静電荷を帯びるか又は帯びない蛍光粒子が含まれた容器を提供する工程、所定の形状である表面を有する電極を提供する工程、
・粒子に電極形状と類似した頂部表面を形成する工程、
・電極表面と粒子頂部との間を等ピッチに維持し、成形後の粒子を容器表面に固定する工程、
・電界を電極表面と容器の頂部表面との間に印加する工程、及び
・電極表面に1層の粒子層を形成する工程。
【0224】
また、他の実施例によれば、1層の粒子層を形成する方法は、下記の工程を含む。
・所定の形状を有する電極を複数の粒子に近接した箇所に露出させることにより該電極の表面とそれらの粒子の頂部表面との間を実質的に等しいピッチに維持する工程、及び、
・電界を電極表面とそれらの粒子の頂部表面又は容器表面との間に印加する工程。
【0225】
また、本発明に係る他の実施例によれば、電極表面に1層の粒子層を形成する方法は、粒子を含有した容器上方の箇所に電極を提供する工程と、気圧をそれらの粒子に印加することにより空気中に粒子雲を生成させる工程と、少なくとも空気中の若干の粒子を該電極の表面に付着させることにより1層の粒子を形成する工程とを含む。
【0226】
以上、実施形態によって本発明を説明したが、この開示内容は、本発明を限定するものではない。当業者は、この開示内容に対して種種の修正や変更を加えることが可能である。
【0227】
本発明の開示内容には、本発明の主旨と範囲を逸脱しない限りにおいてなされた全ての修正や変更が含まれる。
【符号の説明】
【0228】
1、90 レンズ
2 接着剤
3 ピストン
5、122、126 ストッパー
6 第2のピストン
7 静電荷
8 蛍光粒子
9 蛍光粉体粒子層
11 LED光源
31 ピストン表面
32 半球状表面
34 接着剤表面
51 LEDダイス
52 パッケージハウジング
61 平板
62 曲率
63 半球状
89 ローラー
91 蛍光体と接着剤との混合物
95 蛍光粉体粒子
100 シリコンレンズ
101、102 インナーレンズ
110 蛍光粒子
111 蛍光粒子表面
113、115 容器
114 内凹表面
119 蛍光粒子層
120、121、151 金型
125 距離
150 上金型
155 外側部
156 金型の一部
157 熱硬化型材料
201、202 シート材料
205 蛍光シート
206 板体
207、208、209 蛍光粒子層
211、212 蛍光体層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1層のLED蛍光材料層を形成する方法であって、
第1の表面をLED蛍光材料が含まれた粉体に近接した箇所に配置する工程と、
前記第1の表面に静電荷を形成する工程と、
少なくとも前記静電荷を部分的に利用して、前記第1の表面に前記1層のLED蛍光材料層を形成する工程と、
を含むことを特徴とする1層のLED蛍光材料層を形成する方法。
【請求項2】
前記第1の表面を前記粉体に近接した箇所に配置する工程は、
前記第1の表面をチャンバーの内部に配置する工程と、
前記チャンバーの内部において、前記粉体を前記第1の表面近傍の空中に散布させる工程と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の表面を前記粉体に近接した箇所に配置する工程は、
前記粉体が収容される貯蔵容器を提供する工程と、
前記第1の表面における前記静電荷とは逆極性の静電荷を前記粉体に印加する工程と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記粉体の頂部を前記第1の表面の形状と実質的に合致するように成形するとともに、前記第1の表面を前記粉体の前記頂部の箇所に近接するように位置決めする工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の表面に静電荷を形成する工程は、前記第1の表面に対して垂直に実質的に均一な電界を形成する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の表面に静電荷を形成する工程は、前記静電荷を前記第1の表面に実質的に均一に分布させる工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の表面に静電荷を形成する工程は、前記第1の表面に等電位表面を形成する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の表面に静電荷を形成する工程は、前記第1の表面に対して垂直に実質的に均一な電界を形成するか、又は静電荷を前記第1の表面に実質的且つ均一に分布させる工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の表面を前記粉体に近接した箇所に配置する工程は、貯蔵容器内において、前記第1の表面と前記粉体の頂部との間を実質的に等しい距離に維持する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の表面は、波長変換において最適な光学性能を有する蛍光層の形状に対応する形状を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の表面は、平面であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の表面は、非平面であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の表面は、球面であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の表面は、楕円面であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の表面は、楕球体表面を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の表面上の前記静電荷を変更することにより前記第1の表面における粉体量を制御する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の表面の形状と実質的に合致する第2の表面を使用することにより前記粉体の頂部を成形する工程をさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の表面は、レンズ又は任意のLEDパッケージ構造の表面を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の表面は、導電表面、絶縁層が塗布された導電表面、絶縁表面、又は実質的に導電する層が塗布された絶縁表面を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項20】
1層の波長変換材料層を形成する方法であって、
第1の表面を波長変換材料が含まれた粉体に近接した箇所に配置する工程と、
前記第1の表面に静電荷を形成する工程と、
少なくとも前記静電荷を部分的に利用して、前記第1の表面に前記1層の波長変換材料層を形成する工程と、
を含むことを特徴とする1層の波長変換材料層を形成する方法。
【請求項21】
前記第1の表面を前記粉体に近接した箇所に配置する工程は、
前記第1の表面をチャンバーの内部に配置する工程と、
前記チャンバーの内部において、前記粉体を前記第1の表面近傍の空中に散布させる工程と、
を含むことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記第1の表面を前記粉体に近接した箇所に配置する工程は、
前記粉体が収容される貯蔵容器を提供する工程と、
前記第1の表面における前記静電荷とは逆極性の静電荷を前記粉体に印加する工程と、
前記粉体の頂部を前記第1の表面の形状と実質的に合致するように成形する工程と、
前記第1の表面を前記粉体の前記頂部の箇所に近接するように位置決めする工程と、
を含むことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記第1の表面の形状と実質的に合致する第2の表面を使用することにより前記粉体の前記頂部を成形する工程をさらに含むことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記第1の表面に静電荷を形成する工程は、前記第1の表面に対して垂直に実質的に均一な電界を形成するか、又は前記静電荷を前記第1の表面に実質的且つ均一に分布させる工程を含むことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項25】
前記第1の表面を前記粉体に近接した箇所に配置する工程は、貯蔵容器内において、前記第1の表面と前記粉体の頂面との間を実質的に等しい距離に維持する工程を含むことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項26】
前記第1の表面上の前記静電荷を変更することにより前記第1の表面における粉体量を制御する工程をさらに含むことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項27】
前記第1の表面は、導電表面、絶縁層が塗布された導電表面、絶縁表面、又は実質的に導電する層が塗布された絶縁表面を含むことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項28】
1層の波長変換材料層を形成する方法であって、
第1の表面を波長変換材料が含まれた粉体に近接した箇所に配置する工程と、
前記粉体の表面層に静電荷を形成する工程と、
少なくとも前記静電荷を部分的に利用して、前記第1の表面に前記1層の波長変換材料層を形成する工程と、
を含むことを特徴とする1層の波長変換材料層を形成する方法。
【請求項29】
前記粉体の表面層に静電荷を形成する工程は、前記粉体の前記表面層に対して垂直に実質的に均一な電界を形成するか、又は静電荷を前記粉体の前記表面層に実質的且つ均一に分布させる工程を含むことを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記第1の表面を前記粉体に近接した箇所に配置する工程は、貯蔵容器内において、前記第1の表面と前記粉体の頂面との間を実質的に等しい距離に維持する工程を含むことを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記第1の表面を前記粉体に近接した箇所に配置する工程は、
前記粉体が収容される貯蔵容器を提供する工程と、
前記第1の表面における前記静電荷とは逆極性の静電荷を前記粉体に印加する工程と、
前記粉体の頂部を前記第1の表面の形状と実質的に合致するように成形する工程と、
前記第1の表面を前記粉体の頂部の箇所に近接するように位置決めする工程と、
を含むことを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項32】
前記第1の表面の形状と実質的に合致する第2の表面を使用することにより前記粉体の頂部を成形する工程をさらに含むことを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項33】
前記第1の表面を前記粉体に近接した箇所に配置する工程は、
前記第1の表面をチャンバーの内部に配置する工程と、
前記チャンバーの内部において、前記粉体を前記第1の表面近傍の空中に散布させる工程と、
を含むことを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項34】
前記第1の表面上の前記静電荷を変更することにより、前記第1の表面における粉体量を制御する工程をさらに含むことを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項35】
前記第1の表面は、導電表面、絶縁層が塗布された導電表面、絶縁表面、又は実質的に導電する層が塗布された絶縁表面を含むことを特徴とする請求項28に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図6F】
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【図6G】
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【図6H】
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【図6I】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図8E】
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【図8F】
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【図8G】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図14D】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図15D】
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【図15E】
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【図15F】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図16D】
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【図16E】
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【図17A】
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【図17B】
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【図17C】
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【図17D】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図19】
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【図20A】
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【図20B】
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【図20C】
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【図20D】
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【図21A】
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【図21B】
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【公表番号】特表2012−527118(P2012−527118A)
【公表日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−510811(P2012−510811)
【出願日】平成22年4月11日(2010.4.11)
【国際出願番号】PCT/US2010/030659
【国際公開番号】WO2010/132160
【国際公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(511277386)
【氏名又は名称原語表記】LING, PEICHING
【住所又は居所原語表記】1439 Royal Ann Court, San Jose, California 95129, United States of America
【Fターム(参考)】