説明

表面の異常および/または特徴を検出する光学システム

システムの表面検査は、第1の斜めの照明光線を用いると共に順次にまたは同時に第2の照明を表面に当てることもできる。反射または散乱される放射線は、好ましくは三つの集光チャンネルによって集光されると共に三つの対応する検出器アレイによって検出されるが、別の数のチャンネルと検出器アレイを使用してもよい。一つまたは両方の照明光線は、検査される表面上のラインへと焦点が合わされ、また各ラインは三つまでまたはそれ以上の検出・集光チャンネルにおいて一つ以上の検出器アレイ上に作像される。ラインに直交した方向においてラインと被検査表面との間で相対運動が惹起され、それによって高い解像度と感度を維持している間に、処理能力を増やす。両方の照明光線から散乱または反射される放射線を検出することにより同じ検出チャンネルが用いられる。一つ以上の異なった空間周波数で回折を瀘過するためにフーリエフィルタが用いられてもよい。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、一般に表面検査システムに関し、特に表面の異常および/または特徴を検出する改良されたシステムに関する。
【0002】
シリコンウェハ上に造られる半導体デバイスの寸法は絶えず縮小化が図られてきた。半導体デバイスを益々小さい寸法に縮小すると、半導体デバイスの寸法に対比して小さい汚染粒子、パターン欠陥および表面欠陥を検出するために使用されるウェハまたはフォトマスク用検査機器の感度に非常により厳しい要件を課すようになった。本願の出願時には、0.13ミクロン以下までの小さなデバイスのための設計ルールが使用されていたし、要求されてきた。同時に、ウェハ検査システムは、これらのシステムがウェハおよびその他の欠陥を検出するためにイン・ライン検査に使用されるように適切な処理能力を提供することが望まれている。
【0003】
明視野法として知られている一つのタイプの表面検査システムは、時々投光照明として知られている要綱で大きな領域を照明する。表面が作像光学機器の下で走査されると、表面の照明された領域の高解像度画像が、表面から反射された放射線から2次元作像光学機器によって得られる。このようなシステムは、作像に必要とされるデータ転送速度により、フォトマスクや半導体のウェハの全面を作像するのにかなりの時間を必要とする。このような理由により、製造におけるよりもむしろラインの背後でのウェハ処理システムでは一般に明視野での検査が使用される。
【0004】
幾つかの明視野システムでは、光源からの放射線が、作像される表面に向かってビームスプリッタに通され、反射される放射線が検出器に向けられる前に表面からの反射される放射線は、再びビームスプリッタに通される。かくして、放射線は光源と検出器との間で二回ビームスプリッタを通るので、放射線の強度は検出器に到達するとかなり低減される。これにより、光源から生じて検出器に到達する光子量が大幅に減らされ、従って明視野での検査の感度を下げることになる。従って、このような欠点が存在しないような改良された明視野システムを提供することが望まれている。
【0005】
暗視野システムとして知られている別のタイプの半導体検査システムでは、検査される表面の大きな領域を照明する代わりに、光線が表面上の小さな領域またはスポットを照明するようにし、ここでスポットが表面を横切って走査される。反射された放射線を検出する代わりに、検出器は散乱される放射線を検出するために鏡面反射方向から離れて設置される。よって、異常が表面上に存在していなければ、検出器から得られる画像は全体的に暗くなる。このような理由により、このようなシステムは暗視野システムとして知られている。暗視野システムにおける検出器は、明視野システムとは反対に一つ以上の異常が存在している時にのみ出力を行う。背景のウェハパターンが散在していたり、或いは基本信号から瀘過されているのであれば、同じ信号検出能力を依然として維持すると共にデータ転送速度がこのようなシステムに対して限界まで至っていない限り、瞬間的なピクセル(検査領域)は明視野におけるよりも暗視野においてより大きくなることが可能である。従って、暗視野システムは一般に、明視野システムに対比してより大きなピクセルとより大きな検査処理能力を有する。
【0006】
一つのタイプの暗視野での作像では、走査しているスポットの下でウェハが移動すると、レーザスポットはウェハ表面を横切って急速に走査され、また信号エレメントの検出器は、ウェハ表面上の対象物から散乱される光信号を受信する。この信号は、シミュレートされた2次元画像を発生させるために処理され、その画像は次にウェハ欠陥の位置をつきとめて特徴付けるために解析される。スポット走査の暗視野システムは一般に、明視野システムよりも高い検査速度を有するが、解像度が低く、ウェハ表面上のパターンから生じる或る種の信号ノイズの影響を受ける。暗視野システムでの検査処理能力は一般に、明視野システムよりも大きいが、それにも拘らずレーザスポットを走査する速度によって制約されることになる。
【0007】
スポット走査の暗視野システムでの問題点は、益々小さくなる欠陥を検出するために暗視野システムが使用される場合に複雑化されることである。照明されるスポットが検出される欠陥寸法に対して大きくなっていれば、背景やノイズ信号がスポット内の異常を示す信号の振幅に対してかなりの振幅を有することがあるので、暗視野システムの感度が低くなる。従って、益々小さくなる欠陥を検出するために、ウェハ表面上の照明される領域の寸法を縮小するのが望ましい。しかし、照明される領域の寸法が縮小化されると、通常の処理能力も低下する。従って、暗視野システムに適切な感度を与えながらも処理能力も増やすことが望まれている。
【0008】
前述したシステムは幾つかの用途には満足なものではあるが、他の用途には不適切であったり、または高価なものとなる。従って、より広範囲な用途に使用され、感度と性能が改善されたコストのより低い改良された表面検査システムを提供することが望まれている。
【特許文献1】米国特許第5,864,394号
【発明の開示】
【0009】
本発明は、ウェハに対して垂直かまたはウェハに対して斜めに或いはその両方でウェハなどのサンプルの表面上で照明ラインを発生する手段を用いると共にウェハに対して垂直か或いはウェハに対して或る角度をなす集光角度で放射線を集光させる実施形態に関する。
【0010】
検査される表面における照明光線の入射角度は、光線と光線を通って検査される表面に対して垂直なラインとの間の角度によって定義される。粒子付着などの或る一定の異常は、大きな入射角度での照明光線に応答してより小さな角度での光線に対するよりもより多くの放射線を散乱する。他方で、引っ掻き傷、薄っぺらな盛り上がり、または凹みなどの他のタイプの異常は、小さな入射角度で表面に向けられた放射線に対してより敏感に反応する。従って、本発明の一態様の一実施形態では、検査される表面は、二つの異なった入射角度でそこに向けられた二つの放射光線によって照明される。サンプル表面への斜めの入射角度の第1の光線は、表面上でラインへと光学機器によって焦点が合わされ、その場合第1の光線と第1の光線を通ると共に表面に垂直な方向とが第1の光線の入射面を規定する。そのラインは、ラインの長さに沿って実質的に焦点が合い、第1の光線の入射面に実質的に存在する。第2の光線は、第2の異なった入射角度で表面の被照明領域へと焦点が合わされる。二つの光線が表面に異なった入射角度で導かれるので、より広範囲な種類の欠陥をこのシステムによって検出することができる。
【0011】
第1のラインおよび/または被照明領域から散乱または反射される放射線は集光され、ラインおよび/または被照明領域の一部分から集光された放射線はアレイの対応する検出器に焦点が合わされる。別な表現をすると、ラインの各部分はアレイの対応する検出器上に作像される。ライン幅の横断寸法は小さいので、システムの検出感度はラインの横断(例えば、直交する)方向において高められる。好ましくは、ラインに沿った方向における検出器の寸法も小さくなるように選択されるので、得られる検出システムの解像度は、一つの寸法のライン幅と他の寸法の検出器の大きさの寸法による結果であり、このシステムが高い検出感度を有するように設計することができる。他方で、表面の全ライン領域が同時に照明されるので、このシステムは、照明されるスポットが表面を横切って走査される暗視野システムに対比してより大きい処理能力を有する。
【0012】
第1の光線に加えて、表面上の被照明領域を照明するために第1の入射角度とは異なった第2の入射角度で第2の放射光線によって同時かまたは順次に表面が照明される。サンプル表面上の第1のラインと被照明領域の両方から散乱または反射される放射線を集光してラインと被照明領域の一部分を一つ以上の検出器アレイの対応する検出器へと焦点合せを行うために集光機器が使用される。両方の光線から生じ、サンプル表面から散乱または反射される放射線を集光して検出するために共通する集光機器と共通するセットの検出器が使用され、それによってこのシステムのコストが削減される。二つの光線は表面で異なった入射角度になっているために、より広範囲の種類の表面の欠陥が検出される。幾つかの実施形態では、二つの光線からの放射線がほぼ同時にまたは順次に検出されてもよい。
【0013】
第2の光線が表面に垂直な方向においてまたはその垂直な方向に近い方向において表面に向けられている場合、前述した実施形態は特に有利である。集光光学機器と検出器を、このシステムが明視野と暗視野のシステムの利点を合わせ持つように設置されてもよい。
【0014】
さらに、第2の光線がサンプル表面上の第2のラインまたは狭い領域も照明する場合、極めてより強くそのラインまたは狭い領域が照明され、それによって検出感度を高めるように光線のほぼ全ての光子が小さな領域へと焦点が合わされるので、性能は従来の明視野システムの性能よりも優れている。さらに、第1の傾斜光線によって照明される第1のラインの場合のように、第1のラインに対して前に説明したのと同じ理由で処理能力を損なわずに検出感度を高めるために第2のラインまたは狭い領域の狭い幅を利用することができる。
【0015】
検出器アレイは、全て以下に定義される明視野での作像、暗視野での作像、二重暗視野での作像または近角度暗視野での作像の構成におけるように検出のために色々な異なった位置に設置されてもよい。さらに、追加の検出器アレイが第1のアレイと組み合わせて用いられて、これらの構成の色々な異なった組み合わせに至る。
【0016】
或る一定の用途のために、検出器アレイは1次元としたり、或いは単一ファイルを形成するように構成されてもよい。他の用途のために、2次元の検出器アレイを用いることも望ましい。時間を遅らせた積分を信号・ノイズ比を高めるために用いてもよい。
【0017】
好ましくは、一つまたは両方の光線が個別に識別可能なS、P成分または円形偏光成分を含む場合のように、一つまたは複数の照明光線が偏光される。散乱または反射される放射線が作像されると、検査される表面に対してただS状態またはP状態の偏光のみを通過させたり、或いは全ての偏光を通過させたりすることができる。
【0018】
検査される表面が幾つかの用途のために規則正しいパターンなどの回折構造を持っている場合、一つ以上の空間周波数を同時に瀘過するフィルタを用いることが望ましい。
【0019】
より高い解像度を必要とする或る一定の用途のために、紫外線または深紫外線の範囲の波長などのより短い波長を用いることも望まれている。このような用途のために、約10MHzを越す周波数でパルス化された放射線などの高い反復速度のパルスの(または滑らかな連続した波の)放射線を用いることも望ましい。本発明の別の態様に係る別の実施形態では、本願発明者により、照明光線が細長い形状を有する反射器によって反射されるようにした明視野システムが構想され、その場合、表面によって反射または散乱される放射線を集光する集光光学機器の集光開口に反射器が配置される。細長い反射器は、被検査表面に放射線を反射して導く。反射器は細長い形状を有するので、集光開口の集光機能をそれほど邪魔せず、表面による反射後に光源から検出器へ通る光子量はビームスプリッタを使用する従来の明視野システムの光子量よりも多くなる。
【0020】
説明を簡略化するために、本願明細書における同じ構成要素には同じ番号が付されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
明視野での作像能力は、レーザ照明される明視野で作像を行う作像光学機器の集光コーン内からの照明を利用するものとして規定される。暗視野での作像能力は、作像光学機器の集光コーンの外からであるが、照明軸線とウェハ表面に垂直な軸線とを含む平面内の照明を利用するものとして規定される。二重暗視野での作像能力は、照明軸線とウェハ表面に垂直な軸線とを含む平面の外にある(作像光学機器の)作像軸線と作像光学機器の集光コーンの外側からの照明を利用するものとして規定される。近角度暗視野での作像能力は、作像光学機器の集光コーンの近くで入射したり、或いは作像光学機器の集光コーン内で入射する照明を利用するものとして規定されるが、ウェハ表面からの鏡面反射は遮断されている。
【0022】
図1〜8を参照する以下の説明は、大部分が関連出願から用いられている。
【0023】
図1は、関連出願の発明の好ましい実施形態を例示するための表面検査システムの斜視図である。システム10は、検査される表面18上のライン20の形状の領域を照明するために、好ましくは視準された光線14を焦点の合った光線16へと焦点を合わせるために円筒レンズ12などの円筒対物レンズを有する。光線14と、かくしてさらに焦点の合った光線16とは、表面18に斜めの入射角度で導かれる。ライン20はほぼ入射面または焦点の合った光線16の入射面に存在する。この情況では、光線16の入射面は、光線16と表面18に垂直な方向22などの垂直方向とを含むと共に光線16を通る共通面によって規定される。被照明ライン20がレンズ12の焦点面に存在するために(即ち、ライン20におけるほぼ全ての点がレンズ12に対して焦点に入っている)、円筒レンズ12は、その主面が表面18にほぼ平行となるように向けられている。ラインの画像は、CCD32の直線状アレイなどの検出器アレイへと作像サブシステム30によって焦点が合わされる。直線状アレイ32は、好ましくはライン20に平行である。レンズ12の焦点倍率は入射面にほぼ垂直な方向にのみ機能するものであり、他の方向では、レンズ12によって殆どまたは何ら焦点合わせが行われない。屈折レンズ12を使用する代わりに、屈折対物レンズが代わりに使用されてもよいが、このような変更や他の変更は本発明の技術範囲内にある。
【0024】
小さい寸法の異常を検出するのに特に有利な一実施形態では、作像サブシステム30は、直線状のCCDアレイ32の中心部分が光線16の入射面にほぼ垂直な面に入るようにライン20にほぼ垂直な光軸36を有する。光軸36は、ライン20の真上の位置を含み、アレイ32が光線16の入射面に入っているような面内であればいずれの方向にも向けられる。このような情況では、アレイ32もライン20の真上になり得る。必要ならば、図2において点線で示されている別のアレイ32’がアレイ32に対角状に向き合った位置に設置され、その場合アレイ32’は同じくライン20にほぼ垂直な軸線36’を有する。それら二つのアレイは共に45度のラインパターンを検出するのに役立つ可能性がある。アレイ32、32’が光線16の入射面に入っていない場合でも、二重暗視野として知られている構成では、ライン20のほぼ全ての部分はこのような部分からの放射線が作像光学機器によって作像されることになるアレイの対応する検出器から依然ほぼ同じ距離になっていることに注目すべきである。このことは、ライン20のほぼ全てが作像光学機器の焦点面内に入るように作像光学機器が(図2に示されているように)配列されることを意味する。このように、ライン20のほぼ全ての部分が同時に高い感度で作像され、検出される。
【0025】
作像サブシステム30は、アレイにおける各検出器がライン20の対応する部分からの光を検出するようにCCDアレイ32における対応する検出器上にライン20の一部分の画像を投影する。ライン20の長さは、視準された入力光線14の大きさとレンズまたはレンズ組合わせ12の物理口径とによってのみ限定される。ライン20の長さを制御するために、点線で示されているオプションのエキスパンダ34がライン20の長さを制御するように光線14の直径を制御するために使用される。
【0026】
図3は、関連出願の発明の代替の実施形態を例示するためのウェハ検査システムの照明部分の斜視図である。線図を簡略化するために、検出器アレイ上に照明されるラインの画像を集光して投影するためのシステム部分は、省略されている。単一の対称レンズを使用する代わりに、図3の実施形態は、より綿密な焦点調節をするために、即ちより細いラインに焦点調節するために二つの円筒レンズ12’を用いている。図1において、システム10の照明と集光の両部分は静止し、ライン20が全表面に及ぶようにするために螺旋状経路で表面18を走査するように、さらに方向52に沿って移動されるスピンドル50の周りで表面18は回転される。図3に示されているように、検査される表面18’は、ライン20が全表面を走査するためにXとYの方向に沿ってその表面を移動させるXYステージ54によっても移動される。また、図3のシステム10’の照明・集光部分は静止したままとなっている。この構成が有利なのは、それが、システムの照明部分と集光部分との間には実質的に相対移動が無いと言う事実によって、システムでの光整合性を簡略化することになるからである。
【0027】
図4は、焦点が合わされる方向に沿い、ラインのあらゆる点に沿った焦点の合ったライン20の点拡張関数をグラフで示す。図4に示されているように、ライン20の点拡張関数は、488nmのアルゴンレーザが使用されれば、発生されるようなガウス形状を成す。ライン20は、ライン20の中心にピークを有し、ライン20に沿って変動する点拡張関数を示すこともある。ラインに沿った強度変動を回避するために、光線をエキスパンダ34によって10mmまたは11mmなどのより長い波長に拡張すると共にラインの中央またはラインの中央の3.3mmまたは5mmなどのラインの中央部のみを使用することが望ましいので、ラインの作像される部分に沿った倍率変化は微々たるものになる。後で説明する作像サブシステムにおける適当な口径によって、アレイ上に作像されるライン部分を制御することができる。図4に示されているように、焦点の合ったライン20の点拡張関数は、ラインに沿ってほぼ同じ形状を有するので、ライン20はほぼ一様な幅を有することになる。
【0028】
図5は、直線状のCCDアレイ32の概略図である。図5に示されているように、アレイ32は、ライン20に平行な方向に寸法dを有し、またWは照明ライン幅である。別な表現をすると、サブシステム30によってアレイ32上に投影されるライン20の画像は、Wの幅を有する。検査システム10のピクセル寸法は、走査ピッチpと検出器アレイ上のライン20の画像に平行な方向におけるアレイ32の検出器のピクセル寸法またはdとによって決められる。別な表現をすると、ピクセル寸法はdpとなる。かくして、CCDアレイ32上に投影される照明ラインの有用部分が5mmの長さを有すると共に照明ライン幅Wが10ミクロンとし、またアレイ32がd=10ミクロンとなる500のエレメントを有すると共に走査線ピッチが5ミクロンとなると仮定すると、ウェハ上の有効ピクセル寸法は5ミクロン×10ミクロンとなり、アレイにおけるライン画像はラインと同じ長さを有すると仮定される。実際には、エイリアシングを回避するために、少なくとも二つまたは三つのサンプルが、サンプル表面上の有効な光スポットの寸法によって各方向(ライン20に沿った方向と、それに垂直な方向)で採取される。好ましくは、5mmの視野を有して30度の集光角度を与えるような品質の優れたカメラレンズなどの適度に高品質なレンズが使用される。
【0029】
前述したように、有効「ピクセル」寸法が5ミクロン×10ミクロンなので、システム10は高い感度を有することが分かる。同時に、表面18上のピクセルライン全体が、従来の暗視野システムにおけるように同時に単一の被照明スポットに代わって照明され、検出されると言う事実によって、システム10はさらに許容し得る処理量を有する。前述したように、ライン20の長さは、視準された光線14の寸法とレンズまたはレンズ組合わせ12の物理口径とによってのみ制限される。かくして、ステージ54は10kHzのライン走査速度に対して0.1ミリ秒当り10ミクロンのステージ速度を有すると仮定すると、100mm/秒などの少なくとも50mm/秒の速度で表面は走査される。5mmのライン20に対して、ウェハ表面は5cm2 /秒の速さで走査される。
【0030】
システム10はさらに表面18、18’の高さの変化と傾きに強く、寛容である。これを図1、2、5〜7を参照して例示する。図6は、表面18が二つの異なった高さになっている場合において図2の表面18の一部分と焦点の合った光線16とアレイ32の二つの画像とを示す横断面図である。図7は、CCDアレイ32と作像サブシステム30と検査される表面18の部分の二つの位置とについての図2における線7−7に沿った横断面図である。
【0031】
図1、2、6を参照すると、作像サブシステム30もCCDアレイ32の画像を表面18上にライン20の画像と重なり合うように投影している。このことを図6に例示する。かくして、表面18が位置18Aにあれば、作像サブシステム30は図6に示されているように表面18A上に検出器アレイの画像32Aを投影する。しかし、代わりに表面が18Bとなるように表面の高さがより高くなっていれば、作像サブシステムは検出器アレイの画像を位置32Bに投影する。光線16の横断面寸法がより長くなっていて、アレイの両方の画像32A、32Bを照明するようになっている。
【0032】
アレイにおける特定の検出器の画像が表面の高さに無関係に表面18の同じ部分上に投影されることは図6から明らかである。かくして、例えば、作像サブシステム30はアレイ32における第1の検出器を表面18A上の位置32A(1)に投影するが、図6に示されているように、表面の位置18B上の位置32B(1)にも投影する。それら二つの画像は、それらの間に横ズレが存在しないように一方が他方の上になっている。逆の作像方向では、表面18の同じ部分の画像が、従ってライン20の同じ部分の画像がアレイ32上の二つの異なった位置へと焦点が合わされることになるが、それら二つの位置は、さらに垂直方向においてのみずれているが、横にはずれていない。よって、検出器が両方の位置をカバーすれば、表面の18Aと18Bの間の高さにおける変化は、検出に対してアレイ32による影響を何ら及ぼすことが無く、システム10、10’は検査される表面の垂直方向の高さの変化には寛容である。
【0033】
アレイ32が表面18上において両方の位置18A、18Bでライン20の画像を確実にカバーするための一つの方法は、垂直方向における検出器の寸法が表面のこのような位置における変化をカバーするために十分に長くなっているようにアレイ32における検出器を選択するものであるので、ライン20の一部分の異なった位置がサブシステム30によって検出器上に、だがその外側では無く、焦点が合わされることになる。別の表現をすれば、検出器の垂直方向寸法がウェハ表面の高さの変化によって惹起されるライン画像の予想の高さ変化よりも大きくなるように選択されれば、ウェハ高さの変化は検出に悪影響を及ぼさない。このことを図7により詳細に示す。
【0034】
図7に示されているように、アレイ32のピクセル高さ(光軸とライン20とに直交する方向の寸法)はウェハ表面の高さの変化によって惹起されるライン20の画像の位置変化よりも大きいので、サブシステム30の作像光学機器は表面の同じ部分とウェハ表面上のラインとを同じ検出器上に投影することになる。代わりに、CCDアレイ32のピクセル高さがウェハ表面の高さの変化によるライン20の画像の予想の位置変化よりも小さい場合、多数行のCCDが2次元アレイにおいて一方が別のものの上になるように用いられて配列され、垂直方向におけるその所定数の行の全高がライン20の画像の予想の高さ変化よりも大きくなる。この全高が垂直方向におけるライン画像の予想移動よりも大きければ、このような2次元アレイは、ウェハ表面の高さの変化にも拘らずラインを検出するのに適することになる。同じ垂直方向の列における検出器によって記録される信号は、ライン20の対応する部分に対して信号を与えるために単純に加えられる。
【0035】
アレイ32の高さまたは垂直方向における寸法がウェハ表面の予想の高さ変化よりも小さい場合でも、サブシステム30の作像光学機器はCCDアレイ上へのライン20の投影画像の高さまたは垂直方向寸法における変化がCCDアレイの高さ以内になるように設計されてもよい。このような変更も他の変更も可能である。かくして、システム10、10’がウェハの高さの変化に寛容であるために、アレイ32におけるラインの画像はアレイよりも長くなり、また検出器アレイ上のライン20の画像の高さ変化の範囲は投影される画像が依然として検出器アレイ上に入るようなものとなる。
【0036】
検出器の2次元アレイがアレイ32に用いられる場合、信号・ノイズ比または背景比率を改善するために時間を遅らせた積分も実行され、その場合検出器の隣接する行の間の信号シフトは、表面18を横切ったライン20の走査と同期化される。
【0037】
図8は、図1と2の作像サブシステム30をより詳細に例示する概略図である。サブシステム30は、好ましくは二つのレンズである。即ち、ライン20から集光すると共にフーリエ変換を行うためのレンズ102と、アレイ32上にラインを作像するレンズ104とから構成される。それら二つのレンズ102、104は、好ましくは独立して収差を最少にする。レンズ104は一般に、照明ライン20の長さをセンサ焦点面32の実際の尺度に拡大するためにレンズ102とは異なった焦点距離を有することになる。レンズ102のフーリエ面と一般に称される位置106にフィルタが設けられる。偏光子が位置106に設置されたり、或いはレンズ104と焦点面(32または32’)との間に設置される。前述した説明は関連出願から大部分得られるものである。
【0038】
図9は、本発明の一実施形態を例示するための表面検査システム200の概略図である。図9に示されているように、照明光線はレーザ202によって与えられる。レーザ202からの光線204は、ミラーM1によってミラーM2に反射されると共に三つの偏光子206a、206b、206cのうちの一つを通過する。モータ(図示せず)などの機器が三つの偏光子のうちから光線204の光路に設置されるものを選択するために使用される。偏光子206aは円偏光された放射線を通し、偏光子206bはS−偏光された放射線を通し、また偏光子206cはP−偏光された放射線を通す。偏光された放射線は、中央部のくびれたリレイズームレンズに通され、ライン20(と後で説明するライン260)の幅などの照明される領域の寸法を制御するために一方向に光線を拡張する光線エキスパンダ210へとミラーM3、M4によって反射される。次に、光線の一部分は、斜めの変向器212によって変向され、ミラーM50、M60によって固定光線エキスパンダ216へと反射され、次に検査される表面18上のライン20へと円筒レンズ(またはミラー)12によって焦点が合わされる。エキスパンダ216は、光線波長などの光線14と光線16の寸法を制御するために使用される。
【0039】
表面18は、ライン20が螺旋経路を走査するように移動されたり、或いは蛇行経路におけるX−軸とY−軸に沿った直線区分に沿って前述した方法で移動される。図9の実施形態では、ライン20がY−軸と整合されると共に表面18がX−軸に沿った方向に移動されるようになるので、ライン20は表面18上の帯状部を走査することになる。ラインが螺旋状経路を走査すれば、帯状部は螺旋形状となる。ライン20が蛇行経路に沿って走査されれば、帯状部は表面の矩形状の細長片部を、例えば米国特許第5,864,394号(特許文献1)(例えば、図6)に例示されている方法により範囲に入れる。図9から注目されるように、表面18上のラインに焦点の合った光線16は、表面18に対して斜めの角度を成している。一つの実装例では、光線16は表面18に垂直な方向から約65度の角度を成している。明らかに、斜めの光線16は、その垂直方向から離れた他の斜めの角度で表面18に入射することもでき、このような変更や他の変更も本発明の技術範囲内にある。
【0040】
照明されたライン20内において表面18によって散乱される放射線は、図10においてより明白に示された三つまでの異なった集光・検出チャンネルで集光され且つ検出される。簡略化して説明するために、ただ一つの集光・検出チャンネルが図9に示されているが、その場合その集光・検出チャンネルは、表面18に垂直な方向、またはそれに接近したり或いは隣接する方向に散乱または反射される放射線を集光して検出する。このチャンネルは、垂直または略垂直な集光チャンネルと呼ばれる。
【0041】
垂直または略垂直な集光チャンネルでは、対物レンズ222は照明されるライン領域20によって散乱される放射線を集光する。好ましくは、対物レンズ222は、集光された放射線を視準すると共に視準された光線を二つのフーリエ・フィルタ224a、224bを通し、また集光光学機器230における幾つかの他の対物レンズは、検出器アレイ232を通す。アレイ32と同様に、ライン20の各々の部分からの放射線が作像光学機器によってアレイ232における対応する検出器へと作像化されるようにアレイ232はライン20と整合される(即ち、Y−軸に沿って整合される)。このような部分は、それらの対応する検出器からほぼ同じ距離になり、且つ作像光学機器の焦点面内に入っている。ライン20における全ての部分は次に作像され、高い感度でほぼ同時に検出される。自動焦点構成部品234によって自動焦点機能が与えられる。ビームスプリッタ236は、制御システム(図示せず)によって表面18の位置を調節するために対物レンズ222からの視準された光線の一部分を自動焦点構成部品234に変向する。好ましくは、対物レンズ222は、他の値の数値口径(「NA」)を有する対物レンズも使用されるが、約0.95のNAを有することができる。
【0042】
対物レンズ222、光学機器230およびアレイ232は、アレイ232上に集光されて作像される放射線が光線16の入射面内において或る方向を取るようになっている場合、光線16、対物レンズ222および光学機器230によって形成されるサブシステムは、暗視野構成または単一暗視野構成となる。
【0043】
図10は、図9のシステムにおける三つの集光チャンネルを例示する。図10に示されているように、前述した垂直または略垂直な集光チャンネルに加えて、図2に示されている光軸36、36’を備える二つの他のチャンネルが用いられ、照明光線16の入射面から離れる方向に散乱される放射線を集光して検出するようになる。これら二つのチャンネルは入射面の外側への方向に散乱される放射線を集光して検出するので、これら二つの集光チャンネルは二重の暗視野集光チャンネルとなる。対物レンズ230および検出器アレイ232から成る垂直または略垂直なチャンネルは、光線16の鏡面反射方向から離れるように散乱される放射線を集光して検出する。検出される放射線が光線16の入射面内にある場合、光線、対物レンズ222、230およびアレイ232は暗視野(時々単一暗視野として知られている)チャンネルを形成する。
【0044】
前述したように、ステージとチャックは、好ましくはライン20にほぼ直交した方向に移動する表面18などによって表面18と光線16との間で相対移動を起こす。かくして、図10において、表面18はX−軸に沿って移動される。表面18はさらにライン20に対して横断はするが、直交はしない方向にも移動され、このような変更も他の変更も本発明の技術範囲内にある。好ましくは、二つの二重の暗視野集光・検出チャンネルは、さらに図9に示されているフィルタ224a、224bに類似するフーリエフィルタ(図10には示されていない)も用いる。好ましくは、三つの集光・検出チャンネルに用いられる各々のフーリエフィルタは、光線16の入射面に直交する方向に整列された金属棒から構成される。フィルタは、マンハッタン状図形からまたは半導体ウェハ上のメモリアレイなどの規則的なパターンからの回折などのY方向における回折を阻止し得る。
【0045】
前述した光線16から成る斜めの照明チャンネルに加えて、表面検査システム200はさらに第2の照明光線も有する。かくして、変向器212によって変向されない光線211からの放射線部分は、光線211をより拡張する固定光線エキスパンダ246へと変向器によって通され、また拡張された光線は円筒対物レンズ248によって焦点が合わされると共にミラー250によって対物レンズ222に向かって反射され、その対物レンズ222は、ミラー250から反射された放射線を光線252として表面18に向かって焦点を合わせて表面18上の別のライン領域を照明する。エキスパンダ246は、その波長などの光線252の寸法を制御するために使用される。前述した照明経路は図11A、11Bを参照することにより明白に示される。アレイ32、32’、232における検出器の出力は、検査される表面上におけるおよび/または表面における異常を検出するために、演算用コンピュータまたは(図9における)プロセッサ270に送られる。コンピュータまたはプロセッサ270は、検査される表面を移動させるためのスピンドル50およびステージ54、正確な焦点合わせのための自動焦点合構成部品234および偏光子の位置決めを制御するためにも使用される。簡略化するために、一方でのコンピュータまたはプロセッサと、他方でのアレイ、自動焦点合構成部品234、偏光子制御用モータとの間の接続は図示されていない。(後述する)回路280は検出器32、32’、232の出力を時間遅延の積分を実行するために用いられる場合に、回路制御のために且つ異常検出用に時間遅延積分された信号の使用のためにコンピュータまたはプロセッサ270が使用されてもよい。
【0046】
図11Aは、第2の照明光線用の放射線の照明・集光経路を例示するための図9のシステム部分の側面図である。図11A、9は、両方共システム200の側面図である。図11Aに示されているように、エキスパンダ246からの拡張された光線は、円筒レンズ(屈折または反射であり得る)248によってライン形状の横断面を有する光線へと焦点が合わされる。この光線は、ミラー250によって反射され、表面18上のライン260へと対物レンズ222によって焦点が合わされる。入ってくる照明光線を光線252へと焦点を合わせる円筒対物レンズ248によって照明ライン260が形成され、光線252はレンズ222のフーリエ面でラインに焦点が合わされるようになっている。次に、レンズ222はこのラインをウェハで実際の照明ライン260へと焦点を合わせる。この作像プロセスにおいて、フーリエ面258における照明ラインの方向とウェハにおけるライン260の方向とは90度だけ回転されている点に注目されたい。同様なフーリエ面が、図8におけるほぼフィルタ106の個所におけるチャンネルなどの二つの側部集光チャンネルに配置される。
【0047】
好ましくは、エキスパンダ210は、光線204の光路に選択的に設置される二つ以上の異なった対物レンズを含むことができ、ライン20、260の所望の幅を選択するようにしている。それら異なった対物レンズは、モータ(図示せず)によって制御される直線的なスライドまたは回転ホイール(図示せず)によって選択的に設置される。エキスパンダ210は、投光照明用の広い光線252を結果として生じることになる対物レンズも含む。図9の実施形態では、同じ光線エキスパンダが光線16、252の幅を制御するために使用されるが、異なったエキスパンダがライン20、260の幅を別々に制御するために使用されることもあり、それも本発明の技術範囲内にあることを理解されたい。
【0048】
図11Bは、第2の照明光線の照明・集光経路を例示するための図9のシステム200の一部分の正面図である。ライン260は、ライン20と同様な方式で検出器アレイ32、32’232へ作像されることがある。ライン260は、レンズ222、248を含む作像光学機器の焦点面に入っている(即ち、実質的にライン260のほぼ全ての点は、作像光学機器に対して焦点を結んでいる)。ライン260におけるほぼ全ての点が、検出器アレイにライン260を作像する作像光学機器の焦点面に入るように、アレイ32、32’、232はライン260と整合される。
【0049】
第2の照明光線252は、表面に対して垂直な方向か、或いは表面に対する垂直方向から15度または20度よりも小さいような小角度(即ち、略垂直方向)のいずれかで表面18に入射する。好ましくは、このような角度は約1度などの5度よりも小さいものである。検出器アレイ232が光線252の鏡面反射を検出するために配置されていれば、光線252、集光光学機器222、230および検出器アレイ232は明視野サブシステムを形成する。障害物(図示せず)がライン260からの鏡面反射を阻止するためにフーリエ面に配置されていれば、集光光学機器230、障害物および検出器アレイ232は近角度暗視野サブシステムを形成する。前述したように、垂直方向または略垂直方向からの照明は、引っ掻き傷などの異常または浅い凹みや緩やかな盛り上がり、表面反射率の変化などのその他の異常を検出するために有用である。ビームスプリッタを用いる従来の明視野設計とは違って、細長い形状を有する反射器が使用される。一実施形態では、例えば、幅の狭いミラー250またはプレート250上の狭い部分反射ミラーが図11Aに例示されているように代わりに使用されるので、それは対物レンズ230の集光口径を大きく遮蔽することがなくなる(例えば、半分以下程)。従って、図9、11A、11Bに例示される設計は低シグマとなる。幾つかの実装例では、シグマは0.00001から0.5の範囲となり得る。
【0050】
同様な傾向で、斜めの照明光線16によって照明されたライン領域によって散乱される放射線を検出するために、対物レンズ230および検出器アレイ232が使用される場合、ミラー250は対物レンズ230の集光口径を大きく塞ぐことはない。このように、動く部品または他に光学構成部を動かす部品の使用を必要とせずに斜めの照明光線16と垂直または略垂直な照明光線252の両方から生じる放射線を検出するのに三つの集光・検出チャンネルが使用される。表面18を好ましくはライン260にほぼ直交した方向に移動することなどで、ステージおよびチャックは、表面18と光線252との間に相対移動を起こす。表面18は、ライン260に対して横断はしているが、直交はしない方向にも移動され、このような変更や他の変更も本発明の技術範囲内にある。
【0051】
前述した光学構成によって、斜めの照明光線16と垂直または略垂直な照明光線252は、表面18を照明するために順次用いることができるものであり、同じ集光・検出装置が両方の照明光線に対して異常を検出するために使用される。両方の光線が同時に表面18を走査することができるようになっている場合と比較して、順次走査することは勿論より多くの時間を必要とする。よって、幾つかの用途で検査に必要な時間量を低減するために、両方の光線が図12に例示されているように同時に表面を走査することが望ましい。
【0052】
両方の光線が同時に表面を走査する場合、二つの光線16、252は、図12に示されている重なったライン領域20、260を照明する異なった波長の放射線から構成される。次に、三つの集光チャンネルによって集光される放射線は、波長によって分離される。例えば、垂直または略垂直な照明光線252は波長λ1の放射線を含み、また斜めの照明光線16は波長λ2の放射線を含む。幾つかの用途に対して、垂直または略垂直な照明光線252から放射線を検出するために二つの側部チャンネルを使用すると共に斜めの照明光線16から放射線を検出するために垂直または略垂直な検出チャンネルを使用するのが適切である。このような情況では、図12に例示されている光学構成で十分である。
【0053】
図12に示されているように、各検出チャンネルには一対のフィルタ272a、272bが設けられる。検出器アレイ32、32’を備える二つの側部検出チャンネルでは、フィルタ272aが放射線波長λ1を検出器32、32’に通すために集光された放射線の光路に存在して波長λ2の放射線の通過を阻止するようにフィルタ272aが整列される。垂直または略垂直なチャンネルにおける一対のフィルタは、フィルタ272bが集光された放射線の光路に存在して波長λ2の放射線を通し、アレイ232を検出するように整列される。放射線が波長によって分離される場合、二つの異なった放射線源が用いられ、一方は光線16のための放射線を供給し、他方は光線252のための放射線を供給する。代わりに、放射線源が両方の波長λ1、λ2を持った放射線を供給することが見いだされている場合、波長λ1の放射線のみが通されて光線16を形成すると共に波長λ2の放射線のみが通されて光線252を形成するように、放射線はフィルタに通される。このような他の変更も本発明の技術範囲内にある。さらに、光線252から波長λ1の放射線がアレイ232に通されると共に光線16から波長λ2の放射線がアレイ32、32’に通されるようにフィルタ272a、272bの配列を変えることも可能である。このような変更も本発明の技術範囲内にある。
【0054】
散乱または反射される放射線を波長によって分離する代わりに、両方の光線が同時に表面を照明するときに二つの照明ライン20、260も分岐部によって分離される。このような情況では、図13に例示されている実施形態において、三つの集光・検出チャンネルが同時に異なったラインから集光・検出を行うように向きが設定される。かくして、図13に示されているように、ライン20、260は表面18上の分岐部によって分離される。二つの側部集光・検出チャンネル(30、32と30’、32’)の光軸36、36’は、照明されるライン領域20内において表面18によって散乱される放射線を集光するように整列される。隣接するライン領域260からの放射線がアレイ32、32’に到達するのを阻止するために適切な口径(図示せず)が使用されたり、或いは検出器領域の基本的な幅を制限することでラインの選択を行う。垂直または略垂直な集光・検出チャンネル(222、230、232)は、ライン領域260内において表面18によって散乱または反射される放射線を集光して検出するように向きが設定される。隣接するライン領域20からの放射線がアレイ232に到達するのを阻止するために適切な口径(図示せず)が使用されたり、或いは検出器領域の基本的な幅を制限することでラインの選択を行う。このような方法により、表面18は両方の光線によって同時に照明され、また三つの集光・検出チャンネルがライン20、260から散乱または反射される放射線を同時に検出するために別々に操作される。
【0055】
前に説明したように、ライン20は図4に例示されているようにその長さに沿ってほぼ同じまたは一様な点拡張関数を有する。かくして、ライン20の画像がアレイ32、32’または232などの検出器アレイ上に投影される場合、点拡張関数が異常の存在によって変えられていなければ集光された放射線は検出器アレイにほぼ同じ点拡張関数を有する。かくして、図14に例示されているように、ライン20はY−軸に沿って整列され、またアレイ232(およびアレイ32、32’)は同じ軸線に沿って整列される。例えば、ライン20の画像が検出器アレイ232上に投影されると、点拡張関数232’は図4におけるライン20の形状と同じ形状を有するように示される。アレイ32、32’上の画像に対しても同じことが当てはまる。従って、図5を参照して前に注目されているように、異なったアレイの検出器は異なった寸法を有するが、システム10、200などの検査システムのピクセル寸法は、ライン20に平行な方向における走査ピッチpとアレイ232、32、32’の検出器の寸法とによって決められる。別な表現をすると、ピクセル寸法はdpとなる。
【0056】
図5を参照すると、システム200によって検出器アレイ32上に(同様にアレイ32’、232に対して)投影されるライン20の画像はWの幅を有する。しかし、ラインが表面18を横切って走査すると、走査ピッチpによって図示されているように、一つ以上のサンプルがライン領域20内に取り込まれる。かくして、走査ピッチpがWの半分に等しければ、これは二つのサンプルがライン幅W内に取り込まれることを意味する。このことは、ライン20の画像が或る位置に存在しているときに、検出器アレイの出力をサンプリングすることによって達成され、またラインが(1/2)Wに等しい距離pだけ移動された後に再びそれら出力をサンプリングすることによっても達成される。このことは、結果的に帯状部方向においてピクセル寸法をWから(1/2)Wに小さくすることになる。よって、放射線光線を表面18上のラインに焦点を合わせることによって、ライン領域内に取り込む必要のあるサンプル数を減らすことができ、他方でサンプリングに高いデータ転送速度を必要とせずにライン20に直交する方向における検出の解像度と感度を高める。前述したことにより、ライン20の長さに沿った方向における検出解像度または感度はdなどのアレイの検出器の寸法によって決められることに注目されたい。従って、三つのアレイにおいてライン画像の長さに沿って適切な寸法の検出器を選択することによって所望の解像度を得ることができる。
【0057】
前述したことにより、システム200は表面検査に特に有利であることが観察される。それは、斜めの照明光線と好ましくは検査される表面に対して垂直または略垂直方向に導かれた第2の照明光線とを提供する。それら両方の照明光線から順次にまたは同時に放射線を検出するために、同じような集光・検出光学機器が使用される。従来の設計とは対照的に、検出器アレイのピクセル寸法は必要なデータ転送速度を過度に高めたり、或いは処理能力を過度に減らしたりせずに感度を高めるように選択される。全体のラインが表面18を横切って走査されるので、単一の照明スポットが表面を横切って走査される従来のシステムと比較してより大きな領域が同時に検査される。
【0058】
図15は、本発明を例示するシステム200の一部分の側面図である。図15に示されているように、ライン20または260の画像は対物レンズ222、230によって検出器アレイ232に投影され、その際ラインの一部分から散乱または反射される放射線はアレイ232における対応する検出器上に投影される。従って、ライン20または260に沿った方向における検出の解像度または感度は、図15に例示されているように、アレイ232における検出器の寸法dによって決められる。前述したように、アレイ232における検出器の寸法は、アレイ32、32’におけるものと同じである必要はない。
【0059】
前述したように、光線16、252は、表面18上の特定のタイプの異常検出における感度を最適化するために偏光される。この目的のために、三つの集光チャンネルの各々は、さらに特定のタイプの欠陥に対する検出感度を高める偏光子を有することができる。図16に示されているように、それら三つのチャンネルの各々は、S−またはP−偏光された放射線のみを選択的に通したり、偏光状態に無関係に全ての放射線を通したりする偏光エレメントを有する。図16に例示されているように、三つの偏光エレメントは、各々S−偏光された放射線のみを通す偏光子282a、P−偏光された放射線のみを通す偏光子282bおよび全ての偏光された放射線を通す光学素子282cから構成される。図16に示されているように、三つの素子282はP−偏光された放射線を通すように位置決めされる。明らかに、偏光子はS−偏光された放射線または全ての偏光された放射線を通すために図16に示されている位置から移動される。偏光された素子282を装備するための一つの可能な手段には三つの異なった偏光子282a、282b、282cを搭載した回転ホイール(図示せず)が使用される。ホイールをモータ(図示せず)などで回転させることにより、適切な偏光子を集光された放射線の光路に置くことができる。第2の可能な装備には偏光子を光線内に位置決めする直線状スライドがある。両装備も本発明に含まれる。
【0060】
図17Aは、本発明の一実施形態の別の態様を例示するためのシステム200の一部分の概略側面図である。マンハッタン状図形などの規則的なパターンまたはメモリアレイが表面18上に存在する場合、このようなパターンは照明光線からの回折を起こし得る。異なった回折オーダーがフーリエフィルタによって阻止される。好ましくは、一つ以上の異なった空間周波数を有する回折オーダーを阻止するためにフィルタが使用される。例えば、このことは、図9に示されているように、金属棒の一つまたは二つのアレイ224a、224bなどの金属棒によって達成される。二つのフィルタが使用される場合、それら二つのフィルタは好ましいことに異なった空間周波数を有する。明らかに、三つ以上のフィルタも用いられ、その場合フィルタは全て異なった空間周波数を有することができる。N個の独立した棒のアレイは、N個までの個別の空間周波数を阻止する。N個の棒はN個までのフィルタを形成するためにあらゆる所望の方法で配列され、各フィルタは一つ以上の棒から構成される。任意の空間取りができるようにする独立した棒フィルタは本発明に含まれる。図17Bは、表面18上のパターンからの異なった回折オーダーの好ましい方向を示す概略図である。より低い空間周波数(一般にウェハ上でミクロン当たり一反復パターンより少ない)に対して、アレイでは二つ以上の棒がその周波数から全てのラインを遮蔽するのに必要とされる。このように、N個の独立した棒は、Nの空間周波数に対する遮蔽を行ったり、或いはNより少ない空間周波数に対する遮蔽を行う。
【0061】
代替の実施形態では、アークランプなどのブロードバンド源がレーザに代わって使用され、一つまたは複数の照明光線用に放射線を供給する。このような場合、その源から利用される放射線強度を大きく下げずに大きな源からラインへと放射線を焦点合わせすることは難しいために、その一つまたは複数の光線はラインよりもむしろ表面18上のより大きな領域を照明することができる。例えば、光線252用の放射線はこのような源によって供給され、またレンズ248および対物レンズ222を含む光学機器は、ラインに代わって表面18上の矩形領域などの領域へと放射線を焦点合わせする。このような場合、検出器の直線状アレイに代わって2次元検出器アレイをアレイ32、32’、232に用いることが望ましい。次に、時間遅延の積分が図11A、11Bの制御回路280によって提供され、信号・ノイズ比を高める(回路280からの検出器アレイへの制御線については図示されていない)。2次元検出器アレイおよび時間遅延の積分も、一つまたは複数の光線が一本または複数本のラインへと焦点が合わされるが矩形領域には焦点が合わされないような或る用途には有用である。図9の実施形態では、全部で三つの検出チャンネルが存在しているが、幾つかの用途に対して二つ以下のチャンネルが適切なこともある。よって、幾つかの用途に対して、ただ一つの二重暗視野チャンネルおよび垂直または略垂直なチャンネルが適切なこともある。さらに他の用途に対して、ただ一つの二重暗視野チャンネルで十分なこともある。前述したように、垂直または略垂直なチャンネルが明視野チャンネルまたは近角度暗視野チャンネルとして配列されることもある。全てのこのような組み合わせは、本発明の技術範囲内にある。二つ以下のチャンネルも四つ以上のチャンネルも両方共本発明の技術範囲内に含まれる。例えば、三つのチャンネルのうちのただ一つだけが幾つかの用途に適切なこともある。他の用途に対して、三つのチャンネルのうちの二つで十分なこともある。さらに他の用途に対して、四つ以上のチャンネルが望ましいこともある。
【0062】
検出の解像度または感度を高めるために、波長が355ナノメーターの放射線などの紫外線または深紫外線の放射線が使用される。使用され得る一つの可能な放射線源としては、1ワットまでの電力で75MHzより大きい周波数で動作するパルスレーザがある。このような目的のための一つの適切なレーザとして三重のNd:YV04のモードロックされたレーザがある。約10MHz以上の周波数でパルスを打つものなど75MHz以外の周波数でパルスを打つパルスレーザも使用される。三つの集光・検出チャンネルの集光対物レンズは、約0.35の数値口径を有する。二つの側部チャンネルは好ましくは、表面18に対する垂直方向から約45度の光軸36、36’を有するような向きに設定される。フィルタ224a、224bは、各々11個までの金属棒を有することができ、これらフィルタは0.29ミクロンから5.9ミクロンのセル寸法を濾過するのに適している。
【0063】
アレイ32、32’、232は、各々1200MMPSのデータ転送速度を有する4096エレメントのダイオードアレイとすることができる。集光光学機器はダイオードアレイのピクセル寸法が作像方向において0.32ミクロン、0.44ミクロンおよび0.62ミクロンのピクセル寸法、または約0.3ミクロンから0.7ミクロンの範囲内にあるピクセル寸法などの異なったピクセル寸法を有することができる。
【0064】
ライン20、260は、1.5ミクロン、3.0ミクロンおよび4.25ミクロンなどの異なった幅、または約1ミクロンから5ミクロンの範囲内にある異なった幅を持つように焦点が合わされ、その場合ライン幅は、強度が1/e2 より低いピーク強度になるポイント間の距離によって規定される。検出器アレイの出力は、各ライン領域の幅内で約3回サンプリングが行われて、0.5ミクロン、1.0ミクロンおよび1.42ミクロンの帯状部方向におけるピクセル寸法、または約0.4ミクロンから1.5ミクロンの範囲内の帯状部方向におけるピクセル寸法を与える。
【0065】
照明スポットが表面を横切って走査される暗視野システムとは対照的に、ライン領域全体が光線16によって(また光線252によって)一度に照明されるので、走査速度はスポット走査システムほど高くする必要がなく、満足な出力を達成する。かくして、システム200は走査速度で450mm/秒またはそれより高い最大速度を達成することができる。
【0066】
幾つかの明視野機構(および前述した暗視野機構)において、テンプレートとして使用されるターゲットおよび基準領域の画像は、それらの間の相違を決めるために比較される。基準領域は、検査される同じ表面上のターゲット領域の他の別の領域であったり、またはコンピュータまたはプロセッサ270に記憶された基準画像であったりする。これらの相違は表面異常を示すことがある。
【0067】
本発明を色々な実施形態を参照して説明してきたが、添付された特許請求の範囲とそれらの等価物によってのみ定義される本発明の技術的範囲を逸脱しない限り変更と改造が行われることを理解されたい。かくして、パターン化されたり、或いはパターン化されない半導体ウェハなどの半導体サンプル上の異常の検出を参照して実施形態を例示してきたが、同じシステムが粗フィルム、ウェハ背面およびフォトマスク、レチクル、液晶ディスプレイまたは他のフラットパネルディスプレイなどの他の種類のサンプル上の異常の検出に適用されることも理解されたい。本願明細書において参照された全ての参考文献は、その全体が本願明細書において援用されている。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】関連出願の実施形態を例示した表面検査システムの斜視図である。
【図2】図1のシステムの頂面図である。
【図3】関連出願における発明の代替の実施形態を例示した表面検査システムの照明部分の斜視図である。
【図4】図1および図3のシステム動作を例示するのに有用な点拡張関数のグラフプロット図である。
【図5】関連出願における発明を例示するのに有用な電荷結合素子(CCD)の平行アレイの概略図である。
【図6】検査される表面の高さ変化に応答して図1〜3のシステム動作を例示するための図2における線6−6に沿った作像システムに対する表面上のラインを照明すると共にアレイの検出器の位置に対応する光線の概略図である。
【図7】関連出願における発明を例示するために表面の高さ変化に応答して図1〜3のシステム動作を例示するために図2における線7−7に沿って切り取られた作像光学機器、CCD検出器および図1のシステムの検査される表面部分の概略図である。
【図8】図1の集光・作像光学機器の概略図である。
【図9】本発明の実施形態を例示するための表面検査システムの概略図である。
【図10】検査される表面と図9の集光光学機器部分の概略正面図である。
【図11A】図9のシステムのグレイまたは明視野部分の動作をより詳細に例示するためのシステムの構成部品の幾つかの側面図である。
【図11B】図9のシステムのグレイまたは明視野部分の動作をより詳細に例示するためのシステムの構成部品の幾つかの正面図である。
【図12】二本の照明ラインが互いに重なり合った図9のシステムの一つの実装例を例示するためのシステムの検査される表面と集光光学機器の概略正面図である。
【図13】検査される表面上で互いからズレているラインを二つの照明光線が照明する図9のシステムの実施形態を例示するためのシステムの検査される表面と集光光学機器の概略正面図である。
【図14】X−軸に沿った図9のシステムの解像度を例示するためのシステムの概略正面図である。
【図15】Y−軸に沿った図9のシステムの解像度を例示するためのシステムの一部分と検査される表面の概略正面図である。
【図16】特定の偏光の放射線または偏光されていない放射線が集光されて検出される一実施形態を例示するための図9のシステムの構成部品と検査される表面の概略正面図である。
【図17A】検査される表面上のフーリエラインとセル図形およびフーリエラインを遮蔽するためのフーリエフィルタを例示するための図9のシステムの構成部品の概略側面図である。
【図17B】検査される表面上の反復パターンおよび本発明を例示するために使用されるパターンからの回折オーダーの好ましい方向の概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプルの異常を検出する光学装置において、
サンプルの表面上で焦点の合った第1のラインに対して斜めの第1の入射角度で放射光線を第1の焦点の合った光線へと焦点を合わせる第1の光学機器であって、前記第1の光線と前記第1の光線を通ると共に前記表面に垂直な方向とが前記第1の光線の入射面を規定し、前記第1のラインが前記第1の光線の入射面に実質的に存在する第1の光学機器と、
サンプルの表面上の照明される領域に対して第2の入射角度で放射光線を第2の焦点の合った光線へと焦点を合わせる第2の光学機器であって、前記第2の入射角度が前記第1の入射角度とは異なる第2の光学機器と、
第1の検出器アレイと、
前記第1および/または第2の光線から生じ、サンプル表面上の第1のラインおよび/または照明される領域から散乱または反射される放射線を集光すると共に前記ラインおよび/または前記照明される領域の一部分から集光される放射線を前記第1のアレイにおける対応する検出器へと焦点を合わせる集光光学機器と、
を備えることを特徴とするサンプルの異常を検出する光学装置。
【請求項2】
表面の異常および/または特徴を検出する装置において、
少なくとも一つの紫外線または深紫外線の波長を有するパルス化された放射線源と、
前記表面上で焦点の合ったラインに対して斜めの入射角度で前記パルス化された放射線を焦点の合った光線へと焦点を合わせる第1の光学機器であって、前記光線と前記光線を通ると共に前記表面に垂直な方向とが前記光線の入射面を規定し、前記ラインが前記光線の入射面に実質的に存在し、前記光線がパルス化された放射線を有する第1の光学機器と、
検出器アレイと、
前記ラインを前記検出器アレイ上に作像する作像光学機器であって、前記アレイにおける各検出器が前記ラインの対応する部分からの光を検出する作像光学機器と、
を備えることを特徴とする表面の異常および/または特徴を検出する装置。
【請求項3】
サンプルの異常を検出する光学装置において、
サンプルの表面上で焦点が合った第1のラインに対して斜めの第1の入射角度で放射光線を第1の焦点の合った光線へと焦点を合わせる第1の光学機器と、
サンプルの表面上の照明される領域に対して第2の入射角度で放射光線を第2の焦点の合った光線へと焦点を合わせる第2の光学機器であって、前記第2の入射角度が前記第1の入射角度とは異なる第2の光学機器と、
第1の検出器アレイと、
前記第1および/または第2の光線から生じ、サンプル表面上の第1のラインおよび/または照明される領域から散乱される放射線を集光すると共に前記ラインおよび/または前記照明される領域の一部分から集光された散乱される放射線を前記第1のアレイにおける対応する検出器へと焦点を合わせる集光光学機器であって、前記集光光学機器が、一つ以上の空間周波数で散乱される放射線を瀘過する空間フィルタを有する集光光学機器と、
を備えることを特徴とするサンプルの異常を検出する光学装置。
【請求項4】
サンプルの異常を検出する光学装置において、
サンプルの表面上の照明される領域に対して或る入射角度で放射光線を焦点の合った光線へと焦点を合わせる第1の光学機器と、
第1の検出器アレイと、
前記第1の光線から生じ、サンプル表面上の照明される領域から散乱される放射線を集光すると共に前記照明される領域の一部分から集光された散乱される放射線を前記第1のアレイにおける対応する検出器へと焦点を合わせる集光光学機器と、を有し、
前記光学機器が光線をサンプルの表面に反射する集光光学機器の集光開口に反射器を有し、前記反射器が集光光学機器の集光開口の妨害を低減する細長い形状を有することを特徴とするサンプルの異常を検出する光学装置。
【請求項5】
サンプルの異常を検出する光学方法において、
サンプルの表面上で焦点の合った第1のラインに対して斜めの第1の入射角度で放射光線を第1の焦点の合った光線へと焦点を合わせるステップであって、前記第1の光線と前記第1の光線を通ると共に前記表面に垂直な方向とが前記第1の光線の入射面を規定し、前記第1のラインが前記第1の光線の入射面に実質的に存在する焦点を合わせるステップと、
サンプルの表面上の照明される領域に対して第2の入射角度で放射光線を第2の焦点の合った光線へと焦点を合わせるステップであって、前記第2の入射角度が前記第1の入射角度とは異なる焦点を合わせるステップと、
前記第1および/または第2の光線から生じ、サンプル表面上の第1のラインおよび/または照明される領域から散乱または反射される放射線を集光すると共に前記ラインおよび/または前記照明される領域の一部分から集光される放射線を第1の検出器アレイにおける対応する検出器へと焦点を合わせるステップと、
を有することを特徴とするサンプルの異常を検出する光学方法。
【請求項6】
表面の異常および/または特徴を検出する方法において、
少なくとも一つの紫外線または深紫外線の波長を有するパルス化された放射線を用意するステップと、
前記表面上で焦点の合ったラインに対して斜めの入射角度で前記パルス化された放射線を焦点の合った光線に焦点を合わせるステップであって、前記光線と前記光線を通ると共に前記表面に垂直な方向とが前記光線の入射面を規定し、前記ラインが前記光線の入射面に実質的に存在し、前記光線がパルス化された放射線を有する焦点を合わせるステップと、
前記ラインを検出器アレイ上に作像するステップであって、前記アレイにおける各検出器が前記ラインの対応する部分からの光を検出する作像するステップと、
を有することを特徴とする表面の異常および/または特徴を検出する方法。
【請求項7】
サンプルの異常を検出する光学方法において、
サンプルの表面上で焦点が合った第1のラインに対して斜めの第1の入射角度で放射光線を第1の焦点の合った光線へと焦点を合わせるステップと、
サンプルの表面上の照明される領域に対して第2の入射角度で放射光線を第2の焦点の合った光線へと焦点を合わせるステップであって、前記第2の入射角度が前記第1の入射角度とは異なる焦点を合わせるステップと、
前記第1および/または第2の光線から生じ、サンプル表面上の第1のラインおよび/または照明される領域から散乱される放射線を集光すると共に前記ラインおよび/または前記照明される領域の一部分から集光された散乱される放射線を前記第1のアレイにおける対応する検出器へと焦点を合わせるステップであって、前記焦点を合わせるステップが、一つ以上の空間周波数で散乱される放射線を瀘過する空間フィルタに前記集光された放射線を通過させるようにする焦点を合わせるステップと、
を有することを特徴とするサンプルの異常を検出する光学方法。
【請求項8】
サンプルの異常を検出する光学方法において、
サンプルの表面上の照明される領域に対して或る入射角度で放射光線を焦点の合った光線へと焦点を合わせるステップと、
前記第1の光線から生じ、サンプル表面上の照明される領域から散乱される放射線を集光機器によって集光すると共に前記照明される領域の一部分から集光された散乱される放射線を第1の検出器アレイにおける対応する検出器へと焦点を合わせるステップと、を有し、
前記焦点を合わせるステップが光線をサンプルの表面に反射する集光光学機器の集光開口に反射器を用い、前記反射器が前記集光光学機器の集光開口の妨害を低減する細長い形状を有することを特徴とするサンプルの異常を検出する光学方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17A】
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【図17B】
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【公表番号】特表2007−524832(P2007−524832A)
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−517681(P2006−517681)
【出願日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【国際出願番号】PCT/US2004/020483
【国際公開番号】WO2005/003746
【国際公開日】平成17年1月13日(2005.1.13)
【出願人】(500049141)ケーエルエー−テンカー テクノロジィース コーポレイション (126)
【Fターム(参考)】