説明

表面処理および/または表面修飾のための濃縮材料、ならびに、化粧品組成物への濃縮材料の使用

本発明は、表面処理および/または表面修飾のための濃縮材料、特に、皮膚および/または髪の表面の処理および/または修飾のための濃縮材料に関する。また、本発明は、当該濃縮材料、例えば、シャンプー、シャワー用ジェル、もしくは、洗い流す(rinse-out)または洗い流さない(leave-in)ヘアコンディショナーなどの化粧品組成物への使用に関する。材料はコンディショニング剤および付着補助のためのポリマーを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面処理および/または表面修飾のための濃縮材料、特に、皮膚および/または髪の表面の処理および/または修飾のための濃縮材料に関する。また、本発明は、当該濃縮材料、例えば、シャンプー、シャワー用ジェル、もしくは、洗い流す(rinse-out)または洗い流さない(leave-in)ヘアコンディショナーなどの化粧品組成物への使用に関する。
【背景技術】
【0002】
表面処理および/または表面修飾のための組成物、例えば、化粧品組成物は、必要な用途に適応できるように、混合材料から成る。ここで、組成物の機能と特性は、組成物の材料、および/または、それらの相互作用、および/または、それらと表面との相互作用、および/または、例えば、pH、希釈または温度などの修飾中のパラメーターとの相互作用などと関連するものである。
【0003】
カチオン性ポリマー、特に、カチオン性ポリサッカライドの化粧品組成物、特に、シャンプーへの使用は既知のものである。これらの材料によって、皮膚および/または髪のレオロジー、および/または、安定性、および/またはコンディショニングが改善される。有用なカチオン性ポリマーとしては、カチオン性グアー、または、カチオン性セルロース誘導体などがある。
【0004】
シャンプーにコンディショニング剤(調整剤)、特に、ポリオルガノシロキサンを使用することは、既知の技術である。
【0005】
化粧品組成物において、ポリオルガノシロキサンなどのコンディショニング剤(調整剤)をカチオン性ポリマーと組み合わせることは既知の技術である。コンディショニング剤(調整剤)、カチオン性ポリマー、および、その他の材料を別々に添加することで、化粧品組成物を製造することは、すでに開示されている。ポリオルガノシロキサンとカチオン性ポリマーの組み合わせは、例えば、欧州特許出願公開第432951号明細書、欧州特許出願公開第529883号明細書、および、欧州特許出願公開第904045号明細書に開示されている。このような組み合わせは、組成物の安定性、および、髪のコンディショニングの特性について有利な点がある旨が開示されている。それによると、髪において、コンディショニングは、物質の付着と関係しているかもしれないと示唆される。また、同じく、それの示唆するところは、組成物を適用する時またはそれがリンス(残留)する時において、コンディショニング剤(調整剤)の付着がカチオン性ポリマーとアニオン性界面活性剤の間のコアセルベートの形成および不安定化の現象と関係があるであろうということである。
【0006】
特定の性質、例えば、粘性、透明度、または物質の付着(コンディショニングの効果)を最適化するために、および/または、より一般的には、乾燥したまたは湿った髪における、ソフトネス、柔軟性、もつれ防止(disentangling)、つや、または、整えやすさ(styleability)などの美容効果を最適化するために、特に、皮膚および/または髪を処理する化粧品組成物が必要とされている。言及するまでもないが、材料によるその効果の他にも、製造、使用が容易で十分に安定な処方物もまた、必要とされている。
【0007】
また、特に洗い流すことを目的とし、安定性、および/または、処方物化の容易性、および/または、(上記に述べた)化粧品の品質、および/または、物質の付着(カチオン性帯電によるポリマーの付着、または、他の物質、例えば、動物由来の物質、鉱物、植物由来の物質、合成油(例えば、シリコンオイル、または「ポリオルガノシロキサン」などによる付着)などに関する品質を改善することができる、特に化粧品組成物に使用するのに有用な新規の材料は、依然、必要とされている。
【特許文献1】欧州特許出願公開第432951号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第529883号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第904045号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、表面処理および/または表面修飾のための濃縮材料により、上記の必要を満足させることである。
【0009】
本発明の課題は、また、化粧品組成物の材料の使用である。
【0010】
また、本発明の課題は、特に、化粧品組成物に適用可能なベクターなどの他の物質に、材料を混合するステップを含む化粧品組成物の製造方法である。また、本発明の課題は、特に、材料を製造するステップ、および、その後に、化粧品組成物に適用可能なベクターなどの他の物質に、材料を混合するステップを含む化粧品組成物の製造方法である。
【0011】
また、本発明の課題は、濃縮材料、好ましくは、化粧品組成物を含んだ組成物を適用するステップ、および、組成物を表面に適用するステップを含んだ、表面処理および/または表面修飾のための、特に、皮膚および/または髪の表面の処理および/または修飾のための方法である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
濃縮材料は以下のものを含む:
a)コンディショニング剤(調整剤)
b)付着補助のためのポリマー
c)任意に、界面活性剤
および
d)任意に、水
ここで、
−物質a)およびb)の材料中の総重量は、10%以上、好ましくは20%以上、好ましくは50%以上、好ましく60%以上であり、
−もし物質c)が存在する場合、物質c)のa)に対する重量比は、1未満、好ましくは0.5未満、好ましくは0.1未満である。
【発明の効果】
【0013】
コンディショニング剤(調整剤)および付着を目的としたポリマーを含んだ濃縮材料を使用することにより、コンディショニングの特性が改善され、特に、組成物に別々導入することで組成物の組み合わせを比較した場合、濃縮材料を導入した組成物の方に付着が増加することを、見出した。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
処方物および材料の形
濃縮材料は、固体または液体(流体)であって良い。濃縮材料が液体である場合、濃縮材料は、溶液、液体相に固体粒子が分散した分散液、または、外側の液体相中に分散した内側の液体相を含むエマルジョンもしくはマイクロエマルジョンであって良い。特に、濃縮材料は、外側の水溶液相中のエマルジョンであると良い。したがって、濃縮材料は、水を含む濃縮材料であって良く、水中にコンディショニング剤(調整剤)a)が分散した液滴を含んだ直接的なエマルジョンで良い。
【0015】
濃縮材料中、水の重量は、90重量%未満であり、好ましくは75重量%未満である。さらには、50%重量%未満、もしくは、0%であっても良い。
【0016】
濃縮材料中、物質b)の物質a)に対する重量比は、好ましくは0.05(5/100)〜9(90/10)であり、より好ましくは0.05〜0.5(25/50)、さらに好ましくは0.075〜0.3である。
【0017】
また、好ましくは、材料は以下のものを含む:
−10重量%〜75重量%、好ましくは20重量%〜70重量%の物質a)、
−0.5重量%〜20重量%、好ましくは1重量%〜15重量%の物質b)、
−0〜15重量%の物質c)、および、
−任意で、水。
【0018】
皮膚および/または髪への効果を目的として、濃縮材料は、また、活性剤を含んでいても良い。活性剤としては、例えば、頭垢取り剤、紫外線保護剤または着色保護剤などである。これらの活性剤は有機化合物でもミネラル粒子でも良い。活性剤が濃縮材料中に含まれる場合、活性剤は、コンディショニング剤(調整剤)a)中に、以下のように分散すると良い:
−溶液として、任意に薬剤と活性剤のための共溶剤
−固体粒子の分散として、または、
−コンディショニング剤(調整剤)またはコンディショニング剤(調整剤)を含んだ溶液中での液滴として分散するエマルジョンとして。
【0019】
濃縮材料は、外側の水溶液相、中間相、活性剤を含んだ外側の相の分散、および活性剤を含んだ中間相中に分散する内側の相を含んだ多層エマルジョンであって良い。
【0020】
また、活性剤は、皮膚および/または髪上で、コンディショニング剤(調整剤)によって特定の方向へ向けられ(ベクター化され)ても良い。
【0021】
濃縮材料においては、付着を目的としたポリマー全体の電荷、それらの溶解性、安定性はpHによって変化して良い。全体の電荷が陽性か中性であるようなpHであることが好ましい。
【0022】
本発明の材料は、PVPおよびMAPTAC(ポリクオタニウム-28)のコポリマーであるポリビニルピロリドン(PVP)、ならびに流体シリコンの組み合わせの材料とは、好ましくは異なっている方が良く、ポリマーのシリコンに対する比は90/10またはそれ以上である。
【0023】
本発明の材料は、シリコンオイルおよびサクシノグリカン含んだ材料とは異なっていることが好ましい。
【0024】
コンディショニング剤(調整剤)a)
濃縮材料は、少なくとも一つのコンディショニング剤(調整剤)を含んでいる。それにより、混合物や他の試薬を含むことを制限しない。
コンディショニング剤(調整剤)a)は好ましくは、水に不溶性の非揮発性の油が良い。時に、コンディショニング剤(調整剤)は下記から選択されると良い:
−a1)植物油、ミネラルオイル、動物油、またはそれらの誘導体、および
−a2)ポリオルガノシロキサン。
【0025】
植物油その誘導体としては、特に以下のもので良い:
アーモンド油(甘いアーモンド油)、無水ラノリン油、アプリコットの実油、アボカド油、ヒマシ油、ホホバ油、オリーブ油、落花生類油、ゴマの種油、ヒマワリ油、トウモロコシ油、綿実油、水素化された植物油、大豆油、スルホン化されたヒマシ油、ココナッツオイル、カカオバター、小麦麦芽油、アロエヴェラ、ブドウの種から取った油、ヘイゼルナッツ油、マカダミアナッツ油、セントジーン結節油(St-Jean protuberance oil)、クルミ油、ヘイゼルナッツ油、ルリヂサ油、桃カーネル油、バージンココナッツオイル、バオバブ油、アボカドバター、パーム油、パームナッツ油、亜麻油、コプラ油とババスーヤシ油。
【0026】
動物由来の油としては、とりわけ、鯨蝋(sperm whale oil)、鯨油、シール油、サーディン油、ニシン油、サメ油、肝油;ブタ脂肪または羊脂肪(獣脂)などが挙げられる。
【0027】
ミネラルオイルとしては、とりわけ、ナフテン油とパラフィン油(ワセリンまたはペトロラタム)が挙げられ、また、ペルヒドロスクアレンおよびスクアレンであっても良い。
【0028】
材料はシリコン(シリコンオイル)を含んでいても良い。用語「シリコン」および「ポリオルガノシロキサン」はアルキル基(例えばメチル基)および/またはアルキル基以外の官能基を有するあらゆるオルガノシロキサン化合物を意味する。
【0029】
好ましくは(シャンプーおよびヘアコンディショナー中では特に)ポリオルガノシロキサンは、非揮発性で水に不溶のポリオルガノシロキサンである。粘性は1000〜2000000mPa.s(25℃)、好ましくは5000〜1000000mPa.s(25℃)である。特に、ポリオルガノシロキサンは、ポリジメチルオルガノシロキサン(“PDMS”、INCI名称:ジメチコン)でも良いし、または、アミン基(例えば、アモジメチコン(INCI名称))、4級アンモニウム基(例えば、シリコンクオタニウム1〜10(INCI名称))、ヒドロキシル基(末端、非末端)、ポリオキシアルキレン基(例えば、ポリエチレンオキシド、および/もしくは、ポリプロピレンオキシド(末端基として、PDMS鎖のブロックとして、もしくはグラフトとして)、芳香族基、もしくはその他の官能基を含んだポリオルガノシロキサンでも良い。
【0030】
ポリオルガノシロキサンは化粧分野で有用であり、その性質は当業者にとって既知である。
【0031】
ポリオルガノシロキサン(シリコン)は濃縮材料中にエマルジョンの形で存在していることが好ましい(水相にシリコンの液体液滴が分散)。エマルジョンとしては、特に液滴のサイズが2μmかそれよりも大きくても良く、または、0.15μm〜2μmでも良く、また、0.15μmかそれよりも小さくても良い。
【0032】
エマルジョンの液滴は、小さいサイズでも、大きいサイズでも良い。その例としては、マイクロエマルジョン、ミニエマルジョン、マクロエマルジョンが挙げられる。本願においては、用語「エマルジョン」は、エマルジョン全てのタイプをカバーするものとする。どのような理論とも結びつくことを望まなくても、一般に、界面活性剤c)のような乳化剤を大量に含むマイクロエマルジョンが、通常、熱力学的に安定したシステムであると指摘されている。他のエマルジョンは、乳化中に供給される機械的エネルギーが存在する、準安定化状態に一定時間置くと、熱力学的に不安定な状態になる。これらのシステムは一般に、比較的少量の界面活性剤を含む。
【0033】
エマルジョンは、外側の相との混合により得られると良い。外側の相は、好ましくは、水、ポリオルガノシロキサン、付着を目的としたポリマー、および一般的には乳化剤でその後、乳化される。その方法は、in-situ乳化(in-situ emulsification)として知られている。
【0034】
乳化
マイクロエマルジョンの液滴のサイズは、例えば下記のように、化粧品組成物に導入される前に、生成したエマルジョンについて、動的光散乱(DQEL)によって測定すれば良い。装置としては、例えば、レーザー(Spectra-Physics 2020 laserなど)、相関器(Brookhaven 2030またはrelatorなど)、および、コンピューターなどが含まれていれば良い。濃縮したサンプルを、脱イオン水で希釈し、0.22μmのフィルタで濾過し、最終的に2重量%とする。得られる直径は、見掛けの直径である。測定は、角度90°および135°で行った。サイズの測定のために、一般的な累積分析に加えて、自己相関機能を3つ利用した(指数関数的サンプリングまたはEXPSAM(Pike教授による)または、NNLSメソッド、および、CONTINメソッド(Provencher教授による))。これらによって、体積や数によってではなく、むしろ散乱強度によって重み付けされたサイズ分布が得ることができる。屈折率および水の粘性はこれらから得ることができる。
【0035】
ある使用の実施例によると、濃縮材料は透明である。例えば、Lambda 40UV-Vis分光器を使用して、濃度水中で0.5重量%で測定した場合、例えば、600nmの波長で透過率は90%以上、好ましくは95%以上である。内容物として将来使用される化粧品組成物は、透明であることが好ましい。例えば、Lambda 40UV-Vis分光器を使用して、例えば、600nmの波長で透過率は90%以上、好ましくは95%以上であると良い。
【0036】
別の実施例によると、濃縮材料は、その液滴の平均径のサイズは0.15μmであるかそれより大きく、例えば、0.5μm、1μm、2μm、10μmまたは20μmであり、好ましくは100μm未満であるエマルジョンである。液滴のサイズは、例えば下記のように、化粧品組成物に導入される前に、生成したエマルジョンについて、光学顕微鏡法 および/または レーザー粒径測定器(laser granulometry)(Horiba LA-910 レーザー散乱分析装置)により、測定すれば良い。本実施例においては、材料が使われる組成物は、ポリオルガノシロキサンの重量に対して乳化剤を10重量%未満の割合で含有している。
【0037】
組成物中の水溶性のシリコンについては、とりわけ、ジメチコンコポリマー(Mirasil DMCOまたはRhodia Chimieより購入可能である)が挙げられる。
【0038】
水に不溶の分散液およびエマルジョン中のシリコンに関しては、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサンおよびポリアルキルアリールシロキサンのオイル、ガムもしくは樹脂、または、非揮発性水に不溶の官能基化されたそれらの誘導体、またはそれらの混合物などが挙げられ、非揮発性で水に不溶のオルガノポリシロキサンが適切に使用される。
【0039】
前記オルガノポリシロキサンは、水に対する溶解性が50g/l未満であり、固有の粘性が25℃で3000mPa.s以上であるとき、水に不溶であり、非揮発性であるとして認めるものである。
【0040】
非揮発性で水に不溶のオルガノポリシロキサンまたはシリコンとしては、シリコンガムが含まれ、例えば、ジフェニルジメチコンガム(Rhodia Chimieから購入可能)であり、好ましくは25℃で6×105mPa.s以上の粘性を有するポリジメチルオルガノシロキサンであり、より好ましくは25℃で2×106mPa.sより大きい粘性を有するポリジメチルオルガノシロキサンであり、例えば、Mirasil DM500000(登録商標)(Rhodia Chimieから購入可能)である。
【0041】
本発明によれば、非揮発性で水に不溶のオルガノポリシロキサンまたはシリコンは、濃縮材料中に分散して存在する。
【0042】
低粘性のシリコンとしては、環状揮発性シリコンおよび低体積のポリジメチルオルガノシロキサンを挙げることができる。
【0043】
また、官能基化されたシリコン誘導体を使用することができる。例えば、アミン誘導体をエマルジョン中に、または、マイクロエマルジョンを開始する時に、使用することができる。それらは、アミノシリコンまたはヒドロキシルシリコンとして既知の化合物で良い。例えば、アミンオイルRhodorsil 21637(アモジメチコン)Rhodia Chimieから購入可能)およびジメチコノールが挙げられる。
【0044】
ポリオルガノシロキサンとしては、特に以下のものを使用すれば良い:
−-Si(CH2)2O-単位、および、Yが-(CH2)3-NH(CH2)2-NH2又は-(CH2)3-NH2 基である-SiY(CH2)O-単位を含むポリオルガノシロキサン、
−Si(CH2)2O単位、並びに、HO-Si(CH2)2O-末端単位、および/または、-Si(CH2)(OH)O-非末端単位を含むポリオルガノシロキサン、
−Si(CH2)2O-単位、および、-SiY(CH2)O-単位を含むポリオルガノシロキサンであり、
YがLX-Zx-Palkであり、LXは、二価の結合性基であり、好ましくはアルキル基であり、
ZXは、共有結合またはヘテロ原子を含んだ二価の結合性基であり、
Palkは、[OE]s-[OP]t-X'の化学式で表せる基である、
ここで、
OEは、-CH2-CH2-O-の化学式で表せる基であり、OPは、-CH2-CHCH3-O-または-CHCH3-CH2-O-の化学式で表せる基であり、X'は水素原子または炭化水素を基とした基であり、sは1よりも大きな値であり、tは0か0よりも大きな値であり、
−Si(CH2)2O-単位を含んだブロックを少なくとも一つ、および、-[OE]s-[OP]t-単位を含んだブロックを少なくとも一つ含んだポリオルガノシロキサン
−下記の単位を含んだポリオルガノシロキサン-Si(CH2)2O-単位および/または-Si(CH2)RO-単位および/または-SiR2O-単位および/またはR-Si(CH2)2O-単位および/またはH3C-SiR2O-単位および/またはR-SiR2O-単位であり、ここでRは別個独立に、メチル基以外のアルキル基、アリール基、アルキル基、アルキルアリール基、または、アラルキル基である。
【0045】
a)としては下記の材料が購入可能である:
− Mirasil DM 500000, Rhodia (INCI: ジメチコン),
− Mirasil DME-2, Rhodia (INCI: ジメチコン)
− Mirasil DME30, Rhodia (INCI: ジメチコン)
− Mirasil ADM-E, Rhodia (INCI: アモジメチコン)
− Dow Corning 1784 HVF, Dow Corning (INCI: ジメチコノール)
− Dow Corning 1784 HMW, Dow Corning (INCI: ジビニルジメチコン/ジメチコン)
− Mirasil DMCP-93, Rhodia (INCI: PEG/PPG-10/2 ジメチコン)
− Parsol SLX, DSM (INCI: Polysilicone-15)
− Mirasil SM, Rhodia (INCI: Simethicone)
− Mirasil DMCOまたはRhodia (INCI PEG/PPG-22/24 ジメチコン)
− Mirasil DM 100000, Rhodia (INCI: ジメチコン)
− DC200 fluid 60000, Dow Corning (INCI: ジメチコン)
− DC200 fluid 300000, Dow Corning (INCI: ジメチコン)
【0046】
付着補助のためのポリマーb)
濃縮材料は、付着補助のためのポリマーを少なくとも一つ含む。そのポリマーの混合物または組み合わせを含むことを除外しない。使用する付着補助のためのポリマーの詳細を以下に述べる。
【0047】
付着補助のためのポリマーは特に以下から選択されると良い:
b1)例えば、カチオン性セルロース、グアーまたはスターチ誘導体などのカチオン性基または潜在的なカチオン性基を有する天然ポリマー誘導体
b2)カチオン性基または潜在的なカチオン性基、および両性イオン基を有する合成ポリマー。
【0048】
用語「潜在的なアニオン性単位、基またはモノマー」は、その電荷がpHによって中性またはアニオン性である単位、基またはモノマーを意味する。用語「潜在的なカチオン性単位、基またはモノマー」は、その電荷がpHによって中性またはカチオン性である単位、基またはモノマーを意味する。用語「潜在的な両性単位、基またはモノマー」は、同時に2つの電荷を有する単位、基またはモノマーを意味する。
【0049】
b1)タイプのポリマー
これらのポリマーために、一般に、カチオン性基または潜在的なカチオン性基はポリマーを修飾することにより得られた。これはしばしば、カチオン化、4級化(quaternization)、誘導体化、官能基化、またはグラフト化とも言われる。
【0050】
例としては、グアー、または、セルロース誘導体などのカチオン性ポリサッカライドを含む。カチオン性官能化されたポリマーは、例えば、炭層原子数1〜14好ましくは2〜8個を有するアルキル鎖などの疎水性または親水性基によって官能基化され、任意に、ヒドロキシル基を有するものが使用される。これらの基は、ポリマーの主鎖にエステル結合を介して結合する。
【0051】
さらに、疎水性または非疎水性のカチオン性グアーである場合、カチオン性基は3つの官能基を有した4級アンモニウム基である。3つの官能基は、独立別個に、水素、および、炭素原子数が1〜22、好ましくは1〜14、より好ましくは1〜3個を有するアルキル基から選択される。対イオンとしては、ハロゲン、好ましくは塩素である。
【0052】
疎水性または非疎水性のカチオン性セルロースである場合、カチオン性基は3つの官能基を有した4級アンモニウム基である。3つの官能基は、独立別個に、水素、および、炭素原子数が1〜10、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜3個を有するアルキル基から選択される。対イオンとしては、ハロゲン、好ましくは塩素である。
【0053】
カチオン性グアー誘導体については、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロライド(Jaguar C13S、C14S、または、C17、および、Jaguar Excel(Rhodia Chimie社が販売))、または、ヒドロキシプロピルグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロライド(Jaguar C162(Rhodia Chimie社が販売))が使用される。
【0054】
カチオン性セルロース誘導体については、ポリ(1,2-オキシエタンジイル)-2-ヒドロキシ-3-トリメチルアンモニウムプロプルクロライドセルロースエーテル、または、ポリクオタニウム-10、または、ポリマーJR400(INPI名称:PQ10)(Amerchol社が販売)を使用すると良い。
【0055】
非イオン性のポリサッカライド誘導体としては、また、例えば、ヒドロキシプロピルグアーを使用すれば良い。
【0056】
天然のカチオン性ポリマーとしては、特に平均分子量が少なくとも2000g/mol、好ましくは2×104〜3×106g/molであると良く、ポリマー化の程度による。これらは、任意に、光散乱で直接に測定しても良く、また、G. Robinson、S.B. Ross Murphy, E.R. Morris(Carbohydrate Research 107, p.17-32, 1982)「粘性と分子量の関係(グアーガラクトマンナンの分子鎖固有の自由度と動的な溶液の特性)」による調整を利用して固有の粘性を介して測定しても良い。
【0057】
カチオン性ポリサッカライド誘導体、特にグアーにおいては、ヒドロキシアルキル化の程度(モル置換、または、MS)が、好ましくは0〜1.2であると良い。これらのポリマーにおいては、さらに、カチオン化の程度(置換の程度、または、DS)が特に0.01〜0.6であると良い。この場合、例えば、Jaguar C162およびC2000(Rhodia Chimie社が販売)が挙げられる。
【0058】
b2)タイプのポリマー
これらのポリマーは、カチオン性基、潜在的カチオン性基、または両性イオン性基を有するモノマーの(共)重合、または、重合の後の修飾によって得ると良い。後者の方法は、しばしば、カチオン化、4級化(quaternization)、誘導体化、官能基化、またはグラフト化とも言われる。本願では、前記モノマーの重合により得られる単位が、モノマーを基礎とした単位となる。修飾されたモノマーの重合により得られる単位は、修飾前のモノマー重合から得られる単位を含まない。他方、そのような単位は、重合の後、修飾された単位を有する同じ化学式を有するであろうモノマーから得られる単位は含む。本願では、用語「コポリマー」は、2種類の単位、3種類(時にターポリマー(terpolymer)と言われる)またはそれ以上の単位で構成されるポリマーも含むものとする。
【0059】
b2)タイプのポリマーは、好ましくは統計的(コ)ポリマー、以下の(コ)ポリマーから選択されると良い:
−以下のものを含む(コ)ポリマー:
−カチオン性または潜在的にカチオン性の単位BCATならびに
−任意に、アニオン性または潜在的なアニオン性の単位BA、非イオン性の単位BN、および、両性イオン単位BZから選択される他の単位、および、それらの組み合わせ
または
−以下のものを含む(コ)ポリマー:
−両性イオン性の単位BZならびに
−任意に、アニオン性または潜在的なアニオン性の単位BA、親水性もしくは疎水性非イオン性の単位BN、カチオン性または潜在的にカチオン性の単位BCATから選択される他の単位、および、それらの組み合わせ。
【0060】
カチオン性または潜在的にカチオン性の単位、および、アニオン性または潜在的なアニオン性の単位の両方含むコポリマーは両性(amphotericまたはampholytic)コポリマーとしばしば呼ばれる。また、時に、正確ではないが、両性イオンポリマーとも呼ばれる。本願では、両性イオン(コ)ポリマーとは、両性イオン単位BZおよび任意に他の単位を含む(コ)ポリマーを言う。
【0061】
潜在的にカチオン性のモノマーBCATの例としては、カチオン性のモノマー単位BCATの由来となるものであり、以下のものが挙げられる:
・α, β-モノエチレン性不飽和カルボン酸N,N(ジアルキルアミノ-ω-アルキル)アミド例えば、
N,N-ジメチルアミノメチル-アクリルアミドまたは-メタクリルアミド、
2(N,N-ジメチルアミノ)エチル-アクリルアミドまたは-メタクリルアミド、
3(N,N-ジメチルアミノ)プロピルアクリルアミドまたはメタクリルアミド
および4(N,N-ジメチルアミノ)ブチル-アクリルアミドまたは-メタクリルアミド;
・α, β-モノエチレン性不飽和アミノエステル、例えば、
2(ジメチルアミノ)エチルアクリレート (DAEA)、
2(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート(DAEMA)、
3(ジメチルアミノ)プロピルメタクリレート、
2(tert-ブチルアミノ)エチルメタクリレート、
2(ジペンチルアミノ)エチルメタクリレート、または、
2(ジエチルアミノ)エチル メタクリレート;
・ビニルピリジン;
・ビニルアミン;
・ビニルイミダゾリン;
・N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミドなどのアミノ基の前駆体のモノマーであり、酸と塩基の加水分解で一級アミン基を生成できるモノマー。
【0062】
潜在的にカチオン性のモノマーBCATの例としては、カチオン性のモノマー単位BCATの由来となるものであり、以下のものが挙げられる:
−アンモニウムアクリロイル、または、アクリロイルオキシモノマー、例えば:
−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリレートクロライド、
−トリメチルアンモニウムエチルアクリルアミド、または、メタクリルアミドクロライド、または、ブロマイド、
−トリメチルアンモニウムブチルアクリルアミド、または、メタクリルアミド メチルサルフェート、
−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドメチルサルフェート(TAPMA-MES)、
−(3-メタアクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロライド(MAPTAC)、
−(3-アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロライド(APTAC)、
−メタアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、または、メチルサルフェート(MADAMQUAT Cl、または、MADAMQUAT MeS)、
−アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド;またはアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート(ADAMQUAT ClまたはADAMQUAT MeS)、
−1-エチル-2-ビニピリジニウム、または、1-エチル-4-ビニルピリジニウムブロマイド、クロライド、または、メチルサルフェート;
−N,N-ジアルキルジアリルアミンモノマー、例えば、N,N-ジメチルジアリルアンモニウムクロライド(DADMAC);
−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド-N-(3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムクロライド(DIQUATクロライド),
−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド-N-(3-メチルサルフェート-2-ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウムメチルサルフェート(DIQUAT メチルサルフェート)
−下記の一般式(1)のモノマー
【化1】


式中、X-はアニオンであり、好ましくはクロライド、または、メチル サルフェートである。
【0063】
疎水性非イオン性のモノマーBNの例としては、疎水性の複数の単位BNの由来となるものであり、以下のものが挙げられる:
−ビニル芳香族モノマー、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエンなど、
−ビニル、または、ビニリデンハライド、例えば、ビニルクロライド、または、ビニリデンクロライド、
−α,β-モノエチレン性不飽和酸の炭素原子数が1〜12個のアルキルエステルで、例えば、メチル、エチル、または、ブチルアクリレート、および、メタクリレート、2-エチルヘキシルアクリレートなど、
−飽和カルボン酸のビニルまたはアリルエステルで、例えば、ビニル、または、アリルアセテート、プロピオネート、ベルサテート(versatate)、ステアレートなど、
−炭素原子3〜12個を含有するα,β-モノエチレン性不飽和ニトリルで、例えば、アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなど、
−α-オレフィン、例えば、エチレンなど、
−共役ジエン、例えば、ブタジエン、イソプレン、または、クロロプレン。
【0064】
親水性非イオン性のモノマーBNの例としては、親水性非イオン性の複数の単位BNの由来となるものであり、以下のものが挙げられる:
−α,β-エチレン性不飽和酸のヒドロキシアルキルエステルで、例えば、ヒドロキシエチル、または、ヒドロキシプロピルアクリレート、および、メタクリレート、グリセリルモノメタクリレートなど、
−α,β-エチレン性不飽和アミド、例えば、アクリルアミド(AM)、メタクリルアミド、N,N-ジメチルメタクリルアミド、N-メチロールアクリルアミドなど、
−ポリエチレンオキシドタイプの水溶性ポリオキシアルキレンセグメントを有するα,β-エチレン性不飽和モノマーで、例えば、ポリエチレンオキシドα-メタクリレート (Bisomer S20W, S10Wなど、Laporte製)、または、α,ω-ジメタクリレート、Rhodia製のSipomer BEM(ポリオキシエチレンω-ベヘニルメタクリレート)、Rhodia製のSipomer SEM-25 (ポリオキシエチレンω-トリスチリルフェニルメタクリレート)など、
−親水性単位の前駆体もしくは重合されたときビニルアセテートなどのセグメントになるようなα,β-エチレン性不飽和モノマーであり、ビニルアルコールユニットやポリビニルアルコールを生成するために、それは加水分解されていても良い、
−ビニルピロリドン(VP)、
−ウレイドタイプのα,β-エチレン性不飽和モノマーであり、特に、2-イミダゾリジノンエチルメタクリルアミド(Sipomer WAM II、RHODIA製)。
【0065】
潜在的にアニオン性または潜在的なアニオン性モノマーBAの例としては、アニオン性または潜在的なアニオン性のモノマー単位BAの由来となるものであり、以下のものが挙げられる:
−カルボン酸基を少なくとも一つ有するモノマーで、例えば、α,β-エチレン性不飽和カルボン酸、または、それに対応する無水物であり、アクリル酸、メタアクリル酸またはマレイン酸およびそれらの無水物、フマル酸、イタコン酸、N-メタアクロイルアラニン、または、N-アクリロイルグリシン、および、それらの水溶性の塩、
−カルボン酸基の前駆体となるモノマーであり、例えば、重合の後、加水分解することで、カルボン酸基を生成できるtert-ブチルアクリレートなど、
−少なくとも一つのサルフェートまたはスルホン酸基を含有するモノマーであって、例えば、2-スルホキシエチルメタクリレート、ビニルベンゼンスルホン酸、アリルスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、スルホエチルアクリレートまたはメタクリレート、および、スルホプロピルアクリレートまたはメタクリレート、並びにこれらの水溶性の塩。
−少なくとも一つのホスホネートまたはリン酸基を含有するモノマーであって、例えば、ビニルホスホン酸、ヒドロキシエチルメタクリレート(Empicryl 6835、Rhodia製)由来のリン酸エステルなどのエチレン性不飽和リン酸エステル、および、ポリオキシアルキレンメタクリレート由来のリン酸エステル並びにこれらの水溶性の塩。
【0066】
両性イオンモノマーBZの例としては、両性イオン単位BZの由来となるものであり、以下のものが挙げられる:
−カルボキシベタイン基(カルボキシアルキルアンモニウムで、アルキル基が、任意に、ヒドロキシル置換されているもの)を有するモノマー
−ピリジニウム(pyrridinium)カルボキシアルキル基(アルキル基が、任意に、ヒドロキシル置換されているもの)を有するモノマー
および、
−イミダゾリウム(imidazolium)カルボキシアルキル基(アルキル基が、任意に、ヒドロキシル置換されているもの)を有するモノマー。
【0067】
付着補助のためのポリマー全体の電荷は、濃縮材料のpH、もしくは材料を使用するときのpHで、好ましくは正か0であると良い。
【0068】
より適切な付着補助のためのポリマーは以下の(コ)ポリマーである:
−ビニルピロリドン単位およびカチオン性単位を含むカチオン性コポリマーで、好ましくはビニルピロリドン単位、ビニルイミダゾリウム(imidazolium)単位、(例えば、カチオン化されたビニルイミダゾール)、または、MADAMQUAT単位、(カチオン化されたジメチルアミノエチルメタアシレート(methacylate))、および任意にビニルカプロラクタム由来の単位を含むコポリマー、
−DADMAC由来の単位、任意に、アクリル酸由来の単位、および、任意に、アクリルアミド由来の単位を含んだカチオン性または両性の(コ)ポリマー、
−MAPTAC由来の単位、任意に、アクリル酸由来の単位、および、任意に、アクリルアミド由来の単位を含んだカチオン性または両性の(コ)ポリマー、
−ビニルピロリドンおよびMAPTAC由来のコポリマー;
−これらのコポリマーは、以後、「適切なコポリマー」と記す。
【0069】
付着補助のためのポリマーとして提供されるカチオン性または両性のポリマーは、特に当業者にとっては周知のINCI用語によると、ポリクオタニウムタイプのポリマーであり、例としては、下記の表1に示したポリマーから選択される。
【0070】
【表1】

【0071】
適切なコポリマー
本発明の適切な実施例のひとつによると、付着補助のためのポリマーは、以下を含んだタイプb2)の両性のコポリマーである:
−以下の一般式(1)の少なくとも一つモノマー化合物BCATを重合させて得られるBCAT単位をその数で0.1%〜50%
【化2】

[一般式1]
式中:
−R1は水素原子、メチル基、または、エチル基であり;
−R2、R3、R4、R5およびR6は、独立別個に炭素原子1〜6個、好ましくは1〜4個を有する直鎖または枝分かれしたアルキル基、ヒドロキシアルキル基、または、アミノアルキル基であり;
−mは、整数で、0〜10、好ましくは0〜2であり;
−nは、整数で、1〜6、好ましくは2〜4であり;
−Zは、C(O)O-基、-C(O)NH-基または酸素原子であり;
−Aは、(CH2)p基であり、pは、整数で、1〜6、好ましくは2〜4であり;
−Bは、炭素原子2〜12個、適切には3〜6個含んだ直鎖または枝分かれのポリメチレン鎖で、任意に、1つか、2つ以上のヘテロ原子、またはヘテロ基、特にOまたはNH、が挿入され、および、任意に1つか、2つ以上のヒドロキシル基またはアミノ基、好ましくはヒドロキシル基により置換され;
−X-は、別個独立であり、対イオンであり;
アニオン性、もしくは潜在的にアニオン性のBAと共重合可能な酸性基を有した親水性モノマーBAの少なくとも1種を重合することで得られる複数の単位BAを含み、
任意に、BCATおよびBAと共重合可能な電荷が中性の少なくとも一種のエチレン性不飽和モノマーBN由来である複数の単位BNを含み、好ましくは、BCATおよびBAと共重合可能な1つか2つ以上の親水性基を有し電荷が中性のエチレン性不飽和親水性モノマーBN由来である複数の単位BNを含み、
単位BAおよび任意のBNの量は、その数で50%〜99.9%である。
【0072】
イオンX-はハライド(例えばクロライド)、サルフェート、メチルサルフェート、ヒドロサルフェート、ホスフェート、シトレート、ホルメート、および、アセテートから選択することが好ましい。
【0073】
共重合体の分子量は1000以上であり、好ましくは10000以上;また20000000以下で良く、好ましくは10000000である。好ましくは500000〜5000000である。言及しなくても、分子量は、平均分子量であり、g/molで表現されるものである。分子量は水性ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)、または、30℃で1NのNaNO3水溶液中の固有の粘性を測定することで決定すれば良い。
【0074】
ポリマーは好ましくはランダムポリマーであれば良い。
【0075】
モノマーBCATは、好ましくは一般式(1)であり、
−Zは、C(O)O、C(O)NHまたはOであり、もっとも好ましくはC(O)NHである;
−nは、2または3、特に3であり、
−mは、0〜2であり、好ましくは0、または、1、さらに好ましくは0;
−Bは以下の式で表され:
【化3】

−qは1〜4で好ましくは1であり;
−R1〜R6は、別個独立にメチル基またはエチル基である。
【0076】
好ましいモノマー(c)としては、DIQUATが挙げられ、以下の化学式を有する:
【化4】

X-は、クロライドイオンまたはメチルサルフェートイオンである。
【0077】
特に好ましいモノマー(c)としては、以下の化学式を有する:
式中、pは、2〜4である。
【化5】

【0078】
アニオンX-は、特にハロゲンアニオンであり好ましくはクロライド、スルホネート、サルフェート、メチルサルフェート、ハイドロジェンサルフェート、ホスフェート、ホスホネート、シトレート、ホルメート、または、アセテートアニオンである。
【0079】
モノマーBAは、炭素原子を3〜8個有するモノエチレン性不飽和カルボン酸、スルホン酸、硫酸、ホスホン酸、リン酸、それらの無水物、および、それらの水溶性の塩である。
【0080】
モノマーBAとしては、アクリル酸、メタクリル酸、α-エタアクリル酸、β,β-ジメチルアクリル酸、メチレンマロン酸、酢酸ビニル、酢酸アリル、エチリジン酢酸、プロピリジン酢酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、N-メタアクリロイルアラニン、N-アクリロイルヒドロキシグリシン、スルホプロピルアクリレート、スルホエチルアクリレート、スルホエチルメタクリレート、スルホエチルメタクリレート、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、ビニルホスホン酸、ホスホエチルアクリレート、ホスホノエチルアクリレート、ホスホプロピルアクリレート、ホスホノプロピルアクリレート、ホスホエチルメタクリレート、ホスホノエチルメタクリレート、ホスホプロピルメタクリレート、および、ホスホノプロピルメタクリレート、それらのアルカリ金属塩、および、それらのアンモニウム塩である。
【0081】
モノマーBNとしては、アクリルアミド、ビニルアルコール、アクリル酸およびメタクリル酸の炭素原子を1〜4個有するアルキルエステル、アクリル酸およびメタクリル酸の炭素原子を1〜4個有するヒドロキシアルキルエステル、(特に、エチレングリコールアクリレートおよびメタクリレート、ならびに、プロピレングリコールアクリレートおよびメタクリレート)、アクリル酸およびメタクリル酸のポリアルコキシレートエステル(特に、ポリエチレングリコールエステルおよびポリプロピレングリコールエステル)、メタクリル酸またはアクリル酸のエステル、ポリエチレングリコールのエステル、ポリプロピレングリコールモノ(炭素原子1〜25個有する)アルキルエーテル、ビニルアセテート、ビニルピロリドン、メチルビニルエーテルである。
【0082】
共重合体は、0.1%〜50%の単位数の単位BCATを含み、50%〜99.1%の単位数の単位BAを含み、任意にBNを含む。好ましくは、共重合体は、10%〜40%の単位数の単位BCATを含み、60%〜90%の単位数のBA単位を含み、任意にBNを含む。さらに、適切なことには、共重合体は、単位BNを含まない。共重合体が単位BNを含む場合、BAのBNに対するモル比は好ましくは1より大きく、例えば1〜4である。
【0083】
好ましくは、ポリマーは、以下の通りである。
−単位BCATは、モノマーBCAT由来で以下の化学式を有するものであり、
【化6】

式中、X-は、クロライドイオン、または、メチルサルフェートイオンであり、
−単位BAはアクリル酸由来であり、
−ポリマーはBNを含まず、
−BAのBCATに対するの単位数の比は、50/50〜90/10である。
【0084】
ここでは、ポリマー全体の電荷は、濃縮材料のpH、もしくは材料を使用するときのpHで、好ましくは負でも、正でも、0でも良い。この電荷の値は、以下の数式によって定義できる:
【数1】

式中、
−[c]は、単位BCATのモル濃度、
−[a]は、単位BAのモル濃度、
−XCは、単位BCATの可能な中和度(この場合、BCATは、潜在的なカチオン性); XC=[BH+]/([B] + [BH+])であり、
−XAは、単位BAの可能な中和度(この場合、BAは、潜在的なアニオン性; XA = [A-]/([AH] + [A-])である。
【0085】
ポリマーとしては以下の物が挙げられる:
【化7】

式中、
−xの値の平均値は、0〜50%、好ましくは0〜30%、さらに好ましくは0%、
−yの値の平均値は、10〜95%、好ましくは50〜70%、
−zの値の平均値は、0.1〜50%、好ましくは10〜50%、
−y/zの比は、4/1〜1/2、好ましくは4/1〜1/1
−x+yは、50〜99.9%
−x+y+z=100%であり、x、y、およびzは、それぞれ、アクリルアミド、アクリル酸 (ナトリウム塩)およびDIQUAT由来の単位のモル%である。
【0086】
他のポリマーとしては以下の物が挙げられる:
【化8】


式中、
−xの値の平均値は、0〜50%、好ましくは0〜30%、さらに好ましくは0%、
−yの値の平均値は、10〜95%、好ましくは50〜70%、
−zの値の平均値は、0.1〜50%、好ましくは10〜50%、
−y/zの比は、4/1〜1/2、好ましくは4/1〜1/1
−x+yは、50〜99.9%である。
【0087】
【化9】


式中、
−xの値の平均値は、0〜50%、好ましくは0〜30%、さらに好ましくは0%、
−yの値の平均値は、10〜95%、好ましくは50〜70%、
−zの値の平均値は、0.1〜50%、好ましくは10〜50%、
−y/zの比は、4/1〜1/2、好ましくは4/1〜1/1
−x+yは、50〜99.9%である。
【0088】
【化10】


式中、
−xの値の平均値は、0〜50%、好ましくは0〜30%、さらに好ましくは0%、
−yの値の平均値は、10〜95%、好ましくは50〜70%、
−zの値の平均値は、0.1〜50%、好ましくは10〜50%、
−y/zの比は、4/1〜1/2、好ましくは4/1〜1/1
−x+yは、50〜99.9%である。
【0089】
【化11】

式中、
−xの値の平均値は、0〜50%、好ましくは0〜30%、さらに好ましくは0%、
−yの値の平均値は、10〜95%、好ましくは50〜70%、
−zの値の平均値は、0.1〜50%、好ましくは10〜50%、
−y/zの比は、4/1〜1/2、好ましくは4/1〜1/1
−x+yは、50〜99.9%である。
【0090】
【化12】


式中、
−xの値の平均値は、0〜50%、好ましくは0〜30%、さらに好ましくは0%、
−yの値の平均値は、10〜95%、好ましくは50〜70%、
−zの値の平均値は、0.1〜50%、好ましくは10〜50%、
−y/zの比は、4/1〜1/2、好ましくは4/1〜1/1
−x+yは、50〜99.9%である。
【0091】
【化13】

式中、
−xの値の平均値は、0〜50%、好ましくは0〜30%、さらに好ましくは0%、
−yの値の平均値は、10〜95%、好ましくは50〜70%、
−zの値の平均値は、0.1〜50%、好ましくは10〜50%、
−y/zの比は、4/1〜1/2、好ましくは4/1〜1/1
−x+yは、50〜99.9%である。
【0092】
界面活性剤c)
ポリオルガノシロキサンエマルジョン生成のためのエマルジョン化のために使用可能な界面活性剤としては、特に、非イオン性界面活性剤である。非イオン性界面活性剤としては、好ましくはポリアルコキシル化されていれば良く、例えば、アルコキシル化脂肪アルコール、アルコキシル化トリグリセリド、アルコキシル化脂肪酸、アルコキシル化ソルビタンエステル、アルコキシル化脂肪アミン、アルコキシル化ビス(1-フェニルエチル)フェノール、アルコキシル化トリス(1-フェニルエチル)フェノール、および、アルコキシル化アルキルフェノールで、特にオキシエチレンおよび/またはオキシプロピレンなどのアルコキシル単位の数が、HLB値が10または10より大きくなるような数であれば良い。
【0093】
しかしながら、特に、化粧品組成物用に他の界面活性剤もまた使用することができる。
【0094】
材料の使用と化粧品組成物
濃縮材料は、化粧品組成物に使用することができる。組成物は、予め生成しておいた濃縮材料と他の材料を混合することで得ることができる。
【0095】
化粧品組成物は一般的に以下のものを含む:
−化粧品に適用可能なベクター、例えば、水性、アルコール性、または、水−アルコール性ベクター
−任意に、少なくとも一つの界面活性剤
−本発明の材料で、コンディショニング剤(調整剤)、および、付着補助のためのポリマーを含んでいる。
【0096】
化粧品組成物中では、コンディショニング剤(調整剤)は、濃縮材料と同一の物理的形態で存在した方が適切であり、例えば、好ましくは実質的に同一の液滴サイズを有したエマルジョンの形態である。物理的形態は、組成物中の他の材料、および、前記組成物の生成方法にも依存するものである。例えば、高剪断は液滴サイズをより小さくする。
【0097】
言うまでもなく、化粧品組成物は他の材料も含んでいる。特に、化粧品組成物は、上記で述べたコンディショニング剤(調整剤)、および、付着補助のためのポリマーから選択された他の材料を含んでいる。
【0098】
組成物中での界面活性剤の重量の割合は、0〜30重量%、好ましくは5重量%〜30重量%である。界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、非イオン性、もしくは、両性の界面活性剤、または、これらの界面活性剤の混合物であり、好ましくは任意に両性界面活性剤を添加したアニオン性界面活性剤である。
【0099】
組成物中での付着補助のためのポリマーの重量の割合は、(活性材料として)0.01重量%〜5重量%、好ましくは0.05重量%〜1.5重量%、好ましくは0.1重量%〜0.3重量%である。
【0100】
組成物中でのコンディショニング剤(調整剤)の重量の割合は、特に、1%より大きく、例えば1%〜10%である。
【0101】
組成物は、洗い流す(rinse-out)ことを目的とした組成物であることが好ましい。そのような組成物としては、シャンプー、シャワー用ジェル、または、ヘアコンディショナーなどがある。また、組成物は洗い流すことを目的としないヘアケア組成物であっても良く、例えば、もつれ防止(disentangling)乳液、もつれ防止(disentangling)ローション、スムーシングローション、表皮コーティング、スタイリングまたはリスタイリング用
ヘアケア製品、日焼け防止、ケアクリーム、化粧リムーバー、化粧品除去または湿潤用のワイプ、髭剃り用フォーム、および、整髪用または固定用フォームなどである。
【0102】
化粧品に使用可能なベクター
化粧品に使用可能なベクターとは、皮膚および/または髪のために局所的に適用するベクターである。
【0103】
両性のポリマーが処方できるようにするために、また、使用の目的に応じた所望の化粧品組成物を得られるように、化粧品に使用可能なベクターを使用すれば良い。異なったタイプの処方物用の様々な化粧品に使用可能なベクターが、当業者の間では知られている。
【0104】
化粧品に使用可能なベクターの例としては、水性ベクター(水を含む)、アルコール性ベクター(例えば、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、または、ポリエチレングリコールなどのアルコールを含む)、プロピレングリコール、水性-アルコール性ベクター(エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、または、ポリエチレングリコールなどのアルコールおよび水の混合物を含む)などを含む。ある種の揮発性または不揮発性のオイルも使用できる。例としては、シクロペンタシロキサンなどのシリコン溶液であり、例えば、MirasilCM5(Rhodiaが販売)が挙げられる。
【0105】
所望する処方物のタイプおよび使用目的に適したベクターを選択することは当業者にとっては既知のことである。例えば、水性ベクターは、一般に、シャンプー、または、シャワー用ジェルに使用される。プロピレングリコールベクターはクリーム状の形態を有する組成物に使用されれば良い。シクロメチコンベクターは、化粧組成物、例えば、ファンデーションに使用されれば良い。
【0106】
化粧品組成物中の界面活性剤
組成物は一般的に水性組成物であり、任意に界面活性剤を含んでいる。また、界面活性剤は、異なる界面活性剤の混合物でもあっても良い。組成物中に含有している界面活性剤には少なくとも一種のアニオン性界面活性剤が含まれていることが好ましい。また、界面活性剤中には、両性の界面活性剤(真正の両性、または、両性イオン界面活性剤)、中性の界面活性剤(非イオン性の界面活性剤)、および/または、カチオン性界面活性剤が含まれていても良い。組成物は、少なくとも一種のアニオン性界面活性剤、および、少なくとも一種の両性の界面活性剤が含まれていることが、特に柔軟性の点から好ましい。組成物中での界面活性剤の含有量は、0〜30重量%である。
【0107】
シャンプーなどの髪のトリートメントを目的とした組成物であるならば、界面活性剤の含有量は、組成物中10〜20重量%が適切である。このような組成物は、例えばナトリウムまたは塩化アンモニウムなどの塩を組成物中3重量%未満含んでいることが好ましい。
【0108】
シャワー用ジェルなどの皮膚のトリートメントを目的とした組成物であるならば、界面活性剤の含有量は、組成物中5〜15重量%が適切である。このような組成物は、例えばナトリウムまたは塩化アンモニウムなどの塩も組成物中2重量%未満含んでいることが好ましい。
【0109】
界面活性剤の総量に対するアニオン性界面活性剤の含有量は、好ましくは50%より大きく、より好ましくは70%より大きい。
【0110】
ヘアコンディショナー用であるならば、界面活性剤の含有量は組成物中5重量%未満が適切である。界面活性剤はカチオン性界面活性剤であることが好ましい。
【0111】
パラメーター(pH)
組成物のpHは、一般的に、その目的と用途によって決定される。一般的には、pHは、3.5〜7.7である。また好ましくは、pHは、4.5、より好ましくは5.5と等しいか、それ以上である。例えば、好ましくは5.5〜7.5であり、好ましくは6〜6.5である。pHが、組成物中の化合物の存在に依存することは明らかである。例えば、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、または、水酸化アンモニウムなどの酸性または塩基性のpH制御剤として、組成物中で使用できることは明らかである。ヘアケア、特に、洗い流さない(leave-in) ヘアコンディショナーを目的とした組成物である場合、一般に含有量が小さく(5重量%未満)、pHは比較的酸性であり、例えば3.5〜5.5である。
【0112】
化粧品組成物の界面活性剤の性質
アニオン性界面活性剤
アニオン性界面活性剤は以下の界面活性剤から選択される:
−R-CH(SO3M)-CH2COOR'の化学式で例示されるアルキルエステルスルホネート、R-CH(OSO3M)-CH2COOR'の化学式で例示されるアルキルエステルサルフェート、
ここで、式中
Rは、炭素原子8〜20個、好ましくは10〜16個を有するアルキル基であり、R'は、炭素原子1〜6個、好ましくは1〜3個を有するアルキル基であり、Mは、アルカリ土類金属カチオンであり、例えば、ナトリウム、または、アンモニウムカチオンである。特に、メチルエステルスルホネートであり、その官能基Rは、炭素原子14〜16個を有する;
−特に、炭素原子9〜20個を有するアルキルベンゼンスルホネート、特に、炭素原子8〜22個を有する一級または二級のアルキルスルホネート、および、アルキルグリセリルスルホネート;
−ROSO3Mの化学式で例示されるアルキルサルフェート、
ここで、式中、Rは、炭素原子10〜24個、好ましくは12〜20個を有するアルキル基、または、ヒドロキシアルキル基であり;Mは、上記で定義したカチオンであり;
−RO(OA)nSO3Mの化学式で例示されるアルキルエーテルサルフェート、
ここで、式中、Rは、炭素原子10〜24個、好ましくは12〜20個を有するアルキル基、または、ヒドロキシアルキル基であり;OAは、エトキシ化および/または プロポキシレート化された官能基であり;Mは、上記で定義したカチオンであり;nは、一般的に1〜4、例えば、ラウリルエーテルサルフェート(n=2);
−RCONHR'OSO3Mで例示されるアルキルアミドサルフェート、
ここで、式中、Rは、炭素原子2〜22個、好ましくは6〜20個を有するアルキル基であり、R'は、炭素原子2〜3個を有するアルキル基であり、
および、それらの化合物のポリアルコキシル化(エトキシ化および/またはプロポキシレート化)誘導体(アルキルアミドエーテルサルフェート);
−飽和または不飽和脂肪酸塩、例えば、炭素原子8〜24個、好ましくは14〜20個を有する脂肪酸塩であり、そのアルカリ土類カチオン、N-アシルN-アルキルタウレート、アルキルイセチオネート、アルキルスクシンアマート、および、アルキルスルホサクシネート、スルホサクシネートモノエステルまたはジエステル、N-アシルサルコシネート、ポリエトキシカルボキシレート;
−ホスフェートモノエステルおよびジエステルで、例えば、下記の化学式を有するもの:
(RO)x-P(=O)(OM)x
ここで、式中、Rは、アルキル、アルキルアリール、アリールアルキルまたはアリール基であり、任意にポリアルコキシル化されており、x およびx'は、1または2であり、xとx' の合計は3であり、Mは、アルカリ土類金属カチオンである。
【0113】
非イオン性の界面活性剤
非イオン性の界面活性剤の界面活性剤としては、以下の界面活性剤から選択すれば良い:
−アルコキシル化脂肪アルコール
−アルコキシル化トリグリセリド
−アルコキシル化脂肪酸
−アルコキシル化ソルビタンエステル
−アルコキシル化脂肪アミン
−アルコキシル化ビス(1-フェニルエチル)フェノール
−アルコキシル化トリス(1-フェニルエチル)フェノール
−アルコキシル化アルキルフェノール
−プロピレンオキシドをプロピレングリコールと縮合させて得られた疎水性化合物をエチレンオキシドと縮合して得られる物質、例えば、プルロニック(Pluronic、登録商標)化合物(BASFが販売)
−プロピレンオキシドをエチレンジアミンと縮合させて得られた化合物をエチレンオキシドと縮合して得られる物質、例えば、テトロニック(Tetronic)化合物(BASFが販売)
−アルキルポリグリコシド、例えば米国特許公報第4565647号明細書に記載
−脂肪酸アミド、例えば炭素原子を8〜20個有する脂肪酸アミド。
【0114】
両性界面活性剤
両性界面活性剤(逆の電荷を有するイオン性基、および、任意に、潜在的なイオン性基を含む真正の両性の界面活性剤、または、同時に2つの逆の電荷をむ両性イオン界面活性剤)は以下の界面活性剤から選択される:
−一般的なベタイン、特に、カルボキシベタイン(例えば、ラウリルベタイン (Mirataine(登録商標)BB(Rhodia社が販売))、または、オクチルベタイン;アミドアルキル ベタイン(例えば、コカミドプロピルベタイン(CAPB)(Mirataine(登録商標)BDJ(Rhodia社が販売));
−スルホベタイン、または、スルタイン、例えば、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン(Mirataine(登録商標)CBS(Rhodia社が販売));
−アルキルアンフォ(ampho)アセテート、および、アルキルアンフォ(ampho)ジアセテート、例えば、ココ(coco)またはラウリル鎖を含んだアルキルアンフォ(ampho)アセテート、および、アルキルアンフォ(ampho)ジアセテート(Miranol C2M、C32、および、特にL32(Rhodia社が販売));
−アルキルアンフォ(ampho)プロピオネート、または、アルキルアンフォ(ampho)ジプロピオネート(Miranol C2M SF);
−アルキルアンフォ(ampho)ヒドロキシプロピルスルタイン(Miranol CS)。
【0115】
カチオン性界面活性剤
カチオン性界面活性剤は1級、2級、または、3級、任意にポリエトキシ化された、脂肪アミン塩、4級アンモニウム塩から選択して良い。例えば、テトラアルキルアンモニウム、アルキルアミドアルキルアンモニウム、トリアルキルベンジルアンモニウム、トリアルキルヒドロキシアルキルアンモニウム、または、アルキルピリジニウムクロライドもしくはブロマイド、イミダゾリン誘導体、および、カチオン性アミンオキシドなどである。
【0116】
使用可能な組成物の例を、以下に列挙する:
−シャンプーのための“ナトリウム”組成物であり、一般的には、12〜16重量%のナトリウムアルキルエーテルサルフェート(例えば、ナトリウムラウリルエーテルサルフェート“SLES”)、または、ナトリウムアルキルエーテルサルフェートおよびナトリウムアルキルサルフェートの混合物(例えば、ナトリウムラウリルサルフェート“SLS”)、1〜3重量%の両性界面活性剤(例えば、ココアミドプロピルベタイン“CAPB”)、0.5〜2重量%の塩(例えば、塩化ナトリウム)を含む組成物、
−シャンプーのための“アンモニウム”組成物であり、一般的には、12〜16重量%のアンモニウムアルキルエーテルサルフェート(例えば、アンモニウムラウリルエーテルサルフェート“ALES”)、または、アンモニウムアルキルエーテルサルフェートおよびアンモニウムアルキルサルフェートの混合物(例えば、アンモニウムラウリルサルフェート“ALS”)、1〜3重量%の両性界面活性剤(例えば、ココアミドプロピルベタイン“CAPB”)、0〜2重量%の塩(例えば、塩化アンモニウム)含む組成物、
−シャワー用ジェルのための“ナトリウム”組成物であり、一般的には、6〜10重量%のナトリウムアルキルエーテルサルフェート(例えば、ナトリウムラウリルエーテルサルフェート“SLES”)、または、ナトリウムアルキルエーテルサルフェートおよびナトリウムアルキルサルフェートの混合物(例えば、ナトリウムラウリルサルフェート“SLS”)、1〜3重量%の両性界面活性剤(例えば、ココアミドプロピルベタイン“CAPB”)、2〜4重量%の塩(例えば、塩化ナトリウム)含む組成物、
−シャワー用ジェルのための“アンモニウム”組成物であり、一般的には、6〜10重量%のアンモニウムアルキルエーテルサルフェート(例えば、アンモニウムラウリルエーテルサルフェート“ALES”)、または、アンモニウムアルキルエーテルサルフェートおよびアンモニウムアルキルサルフェートの混合物(例えば、アンモニウムラウリルサルフェート“ALS”)、1〜3重量%の両性界面活性剤(例えば、ココアミドプロピルベタイン“CAPB”)、0〜4重量%の塩(例えば、塩化アンモニウム)含む組成物。
【0117】
他の化合物
組成物は、洗い流す(シャンプー、シャワージェル、コンディショナーなど)ことを目的とした化粧品組成物に使用しても、それを目的としない化粧品組成物に使用しても、他の化合物を含んでいても良い。ある化合物が、複数の機能を発揮しても良い。また、これらの化合物は、本願の複数のセクションで現れても良い。
【0118】
他の化合物としては、金属イオン封鎖剤、柔軟剤、フォーム修飾剤(foam modifier)、着色剤、真珠剤(nacreous agentまたはpearlizers)、保湿剤、頭垢取りまたは抗脂漏性剤、懸濁剤、乳化剤s、セラミド、プセドセラミド、電解液、脂肪酸、脂肪酸エステル、ヒドロキシ酸、増粘剤、香料、保存剤、有機日焼け防止剤、ミネラル日焼け防止剤、タンパク質、および、これらの物質の誘導体、ビタミン、安定剤、および、レオロジー修飾剤である。これらのうちの幾つかを以下に述べる。
【0119】
安定剤
組成物は好ましくは、一つ以上の安定剤を含んでいると良い。安定剤は、時に懸濁剤と言われることもある。これによって、付着補助のためのポリマーの安定化機能を除外するものではない。
【0120】
これらの薬剤、ポリサッカライドまたは他の薬剤の重量の割合は、一般的に0.1%〜10%であり、好ましくは、0.3%〜8%である。
【0121】
ポリオルガノシロキサンを含有する組成物に特に有用な安定剤の例としては以下の通りである:
−架橋されたポリアクリレートで、例えば、CarbopolまたはCarbomerタイプのポリマー(BF GoodrichまたはNoveonが販売)、Acritamer(Ritaが販売)または、Tego Carbomer(Goldschmidt販売)ある。これらの化合物は、組成物に対して、一般的に0.1%〜3重量%であり、好ましくは、0.3%〜2重量%である。特に、メタクリル酸と炭素原子1〜4個を有するアルキルアクリレートの架橋コポリマーが挙げられ、例えば、carbopol Aqua-SF1(Noveonが販売)である。また、商業的に利用可能な化合物を以下に挙げる:Carbopol ETD-2020(Noveonが販売)、Carbopol(Noveonが販売)、Carbomer C(Rhodiaが販売);
−アクリレート/アミノアクリレート/PEG-20炭素原子を10〜30個有するアルキルイタコネートコポリマー(National StarchがStructure Plusの名前で販売)。これらの化合物は、一般的には、組成物に対して0.1%〜3重量%、好ましくは、0.3%〜2重量%存在していれば良い;
−組成物中にネットワークを形成する不溶性の固体。それらは、脂肪酸モノエステル、および/または、エチレングリコールのジエステルであり、脂肪酸は炭素原子を16〜18個有していることが好ましい。特に、エチレングリコールジステアレート(EGDS)であると良い(他の材料と濃縮されて、Mirasheenの名前でRhodiaが販売)。この化合物は、一般的には、組成物に対して3%〜10重量%、好ましくは、5%〜8重量%存在していれば良い。これらの化合物は、既知の方法によって、組成物に導入されれば良く、特に、結晶の形で行うことが好ましい冷却混合、または、後に結晶化されることが好ましい加熱混合などで良い。また、他の物質、特に界面活性剤などとの混合物で導入されても良い。また、特に、ジステアリルエーテル、エチレングリコールジステアレート(EGDS)(INCI:グリコールジステアレート)、ポリエトキシ化および/またはポリプロポキシレート化ステアレートおよび/またはジステアレート、例えば、PEG-3ジステアレート、PEG/PPGジステアレート、PEG-200ジステアレートまたはPEG-100ステアレートなどが挙げられる。また、商業的に利用可能な物質としては、Mirasheen CP 820(Rhodia); Euperlan PK-3000 AM(Cognis); Euperlan PK-771 BENZ(Cognis); Genapol TS(Clariant)(INCI: PEG-3 ジステアレート)などが挙げられる。
【0122】
増粘剤、ゲル化剤、または、テクスチャリング剤(texturing agent)としては、例えば、Aculyne 22などのAculyne タイプのアニオン性アクリル酸コポリマー(ISPまたはRohm & Haasが販売)、ポリサッカライド、および、それらの化合物の非カチオン性誘導体であり、例えば、セルロース誘導体(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース)、非イオン性のグアー誘導体(例えば、ヒドロキシプロピルグアー(Rhodiaが販売しているJaguar HPなど)、イナゴマメガム、タラガム、または、カシアガム、キサンガム(Rhodiaが販売しているRhodicare製品など))、サクシノグリカン(Rhodiaが販売しているRheozanなど)、アルギナート、カラゲーニン、キチン誘導体、または、テクスチャリング機能を有したその他のポリサッカライドなどである。これらのポリサッカライドとその誘導体は、単独で組み込まれても良く、他のポリサッカライドとの組み合わせで組み込まれても良い。これらの化合物は、一般的には、組成物に対して0.1%〜3重量%、好ましくは、0.3%〜1重量%存在していれば良い。
【0123】
化粧品組成物の他の材料
皮膚の殺菌作用を改善するために、殺菌剤または殺菌性の試薬もまた、化粧品組成物に、分散体または溶液で含まれていても良い。例えば、トリクロサン(triclosan);亜鉛ピリチオン(zinc pyrithione)、または、オクトパイロックス(octopyrox)などの頭垢取り剤;天然もしくは合成ピレスロイドなどの殺虫剤などが挙げられる。
【0124】
化粧品組成物には、太陽光線、紫外線Tから皮膚および/または髪を保護するための薬剤も、含まれていても良い。したがって、化合物は太陽光線防止剤を含んでいれば良い。例えば、European directive No.76/768/EECに許可されていて、その付表と修飾が掲載されている紫外線を強力に吸収する化合物が挙げられる。
【0125】
化粧品化合物を構成するの複数の化合物が組成物中で溶解性が極めて低い場合、または、室温で固体である場合、それらの構成化合物をミネラルオイル、天然オイル、シリコン誘導体、または、シリコンワックスなど有機媒体に溶解させるか、ラテックスタイプのポリマーなどのマトリックスで包み込めば良い。
【0126】
本発明を形成する化粧品組成物には、また、固定用の樹脂が含まれていると良い。
【0127】
固定用の樹脂が含まれている場合、一般に、組成物に対して0.01%〜10重量%、好ましくは、0.5%〜5重量%存在していれば良い。
【0128】
化粧品組成物に導入された固定用樹脂は特に以下の樹脂から選択すれば良い:
・メチルアクリレート/アクリルアミドコポリマー、ポリビニルメチルエーテル/無水マレイン酸コポリマー、ビニルアセテート/クロトン酸コポリマー、オクチルアクリルアミド/メチルアクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン/メチルメタクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドン/ビニルアセテートコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール/クロトン酸コポリマー、ポリビニルアルコール/無水マレイン酸コポリマー、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルグアー、ナトリウムポリスチレンスルホネート、ポリビニルピロリドン/エチルメタクリレート/メタクリル酸ターポリーマー、ポリ(メチルビニルエーテル/マレイン酸)モノチルエーテル、ポリオキシエチレン主要部(trunk)上にグラフトしたポリビニルアセテート(欧州特許出願公開第219048号明細書)、
・テレフタル酸および/またはスルホイソフタル酸、それらの無水物またはそれらのジエステル、および、ジオール由来のコポリエステルであり、例えば、以下のものが挙げられる:
−エチレンテレフタレートおよび/またはプロピレンテレフタレートおよびポリオキシエチレンテレフタレート単位を基礎とするポリエステルコポリマー(米国特許第3959230号明細書、米国特許第3893929号明細書、米国特許第4116896号明細書、米国特許第4702857号明細書、米国特許第4770666号明細書)、
−エトキシ化アリルアルコール、ジメチルテレフタレートおよび1,2-プロピレンジオール由来のオリゴマーをスルホン化することで得られるスルホネーポリエステルオリゴマー(米国特許第4968451号明細書);
−ジメチルテレフタレート、イソフタル酸、ジメチルスルフォイソフタレート、および、エチレングリコール(欧州特許出願公開第540374号明細書);
−ジメチルテレフタレート、イソフタル酸、ジメチルスルホイソフタレート、および、エチレングリコール由来のポリエステル単位、ならびに、ポリオルガノシロキサン単位を含むコポリマー(仏国特許発明第2728915号);
−イソフタル酸、ジメチルスルホサクシネートおよびジエチレングリコールを縮合反応により得られるスルホネート化ポリエステルオリゴマー(仏国特許発明第2236926号);
−プロピレンテレフタレートおよびポリオキシエチレンテレフタレート単位を基礎とし、メチルまたはエチル単位末端を含むポリエステルコポリマー(米国特許第4711730号明細書)、または、アルキルポリエトキシ基末端(米国特許第4702857号明細書)、または、スルホポリエトキシアニオン性基末端(米国特許第4721580号明細書)、および、スルホアロイル末端(米国特許第4877896号明細書)を含むポリエステルオリゴマー
−アジピン酸および/またはテレフタル酸および/またはスルホイソフタル酸から得られるポリエステル、ならびに、ジオールを反応させることで得られるポリエステル−ポリウレタンであって、ポリオキシエチレングリコールおよびジイソシアネートから得られるイソシアネート末端基を含有するプレポリマー(仏国特許発明第2334698号);
・エトキシ化モノアミンまたはポリアミン、および、エトキシ化アミンポリマー(米国特許第4597898号明細書、欧州特許出願公開第11984号明細書)。
【0129】
好ましくは、固定樹脂は、ポリビニルピロリドン(PVP)ポリビニルピロリドンおよびメチルメタクリレートのコポリマー、ポリビニルピロリドンおよびビニルアセテート(VA)のコポリマー、ポリエチレングリコールテレフタレート/ポリエチレングリコールのコポリマー、ポリエチレングリコールテレフタレート/ポリエチレングリコール/ナトリウムポリイソフタレートスルホネートコポリマー、ならびに、これらのコポリマーの混合物である。
【0130】
これらの固定樹脂は、媒体中に、分散または溶解していることが好ましい。
【0131】
また、化粧品組成物は、保護機能を有するポリマー誘導体を含んでいることも好ましい。これらのポリマー誘導体は、組成物に対して0.01%〜10重量%、好ましくは0.1%〜5重量%、特に0.2%〜3重量%存在していれば良い。
【0132】
これらの薬剤は、特に、以下から選択される:
−非イオン性のセルロースを基礎とした誘導体、例えば、セルロースヒドロキシエーテル、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、および、ヒドロキシブチルメチルセルロース;
−ポリアルキレン主要部(trunk)にグラフトしたポリビニル エステル、例えば、ポリオキシエチレン主要部にグラフトしたポリビニルアセテート(欧州特許出願公開第219048号明細書);
−ポリビニルアルコール。
【0133】
本発明の目的である化粧品組成物は、可塑剤を含んでいても良い。可塑剤が存在する場合、組成物に対して0.1%〜20重量%、好ましくは1%〜15重量%存在していれば良い。
【0134】
特に使用される可塑剤としては、アジペート、フタレート、イソフタレート、アゼラート、ステアレート、シリコンコポリオール、グリコール、および、カストリウムオイル、または、これらの混合物である。
【0135】
特にカルシウムを阻害する金属イオン封鎖剤(例えばシトレートイオン)も、また、これらの組成物に添加することも適切である。
【0136】
グリセロール、ソルビトール、尿素、コラーゲン、ゼラチン、アロエベラ、ヒアルロン酸または揮発性の水溶性溶媒(エタノールまたはプロピレングリコール)などの保湿剤もまた、本発明の化粧品組成物に含まれていると良く、それらの含有量は組成物に対して60重量%以下である。
【0137】
さらに頭皮の炎症と刺激を軽減するために、水溶性または水分散性のポリマーを添加しても良い。例えば、コラーゲンまたは植物または動物タンパク質の特定の非アレルギー性誘導体(例えば、小麦タンパク質加水分解物)、天然親水コロイド(グアーガム、イナゴマメガム、タラ ガムなど))または発酵により製造される親水コロイド、および、これらのポリ炭水化物誘導体(例えば、非イオン性のセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、または修飾アニオン性セルロース、例えば、カルボキシメチルセルロース);グアー 誘導体、または、イナゴマメガム誘導体、例えば、それらの非イオン性の誘導体(例えば、ヒドロキシプロピルグアー)もしくは、それらのアニオン性誘導体(カルボキシメチルグアーおよびカルボキシメチルヒドロキシプロピルグアー)などである。
【0138】
粉末状またはコロイド状の炭酸カルシウム、重炭酸ナトリウム、カルシウム二水素リン酸、ミネラルオキシド、などのミネラル粉末または粒子として(時に20または30nm未満、およそ1マイクロメートル未満の粒子)、例えば、二酸化タリウム、ケイ素、一般的に発汗抑制剤として使用されるアルミニウム塩類、カオリン、タルカムパウダー、粘土などを組成物に組み合わせて添加しても良い。
【0139】
一般的に化粧品組成物に使用されバクテリアまたは細菌の拡散を防止するためのp-ヒドロキシ安息香酸のメチル、エチル、プロピルおよびブチルエステル、ナトリウム安息香酸エステル、Germaben(登録商標)、または、他の化学薬品などの保存剤が本発明の水性化粧品中に使用されていても良く、一般的にその割合は、組成物に対して0.01%〜3重量%である。
【0140】
これらの化合物の量は、通常、化粧品組成物中でバクテリア、細菌または酵母が拡散するのを防止できるように調整する。
【0141】
これらの化学的化合物の代わりとして、水分活性を付け加える試薬、および、浸透圧を著しく増加させる試薬、例えば、炭水化物または塩などの試薬を試薬を、時に使用することもできる。
【0142】
太陽光線および紫外線から皮膚および/または髪を保護するためには、有機またはミネラルの日焼け防止剤を、例えば、酸化亜鉛、二酸化チタンまたは酸化セリウムなどのミネラル粒子を粒子状、コロイド状、単独または混合物で組成物に添加すれば良い。抗紫外線作用を増加させるため、化粧品処方物への含有しやすくさせるため、また、表面の光活性を防止するために、それらの粉末を、任意に、表面処理しても良い。日焼け防止剤を組成物中に含有させる場合、有機日焼け防止剤を、特に、ポリオルガノシロキサンに導入すれば良い。
【0143】
消費者が組成物を使用する際、快適さを増すために、Cosmetic Directiveとして知られる1976年7月27日European directive No.76/768/EECの付表IV(「化粧品組成物に使用可能な着色剤のリスト」)の物質から選択される一つか、二つ以上の香料、着色剤、および、顔料などの乳白剤を、必要に応じて、材料に添加しても良い。
【0144】
必須ではないが、組成物は、組成物の外観を調整するために増粘またはゲル化ポリマーを含有していても良い。例えば、上記で述べた架橋ポリアクリレート(Carbopol(Goodrichが販売))、ヒドロキシプロピルセルロースまたはカルボキシメチルセルロースなどの非カチオン性セルロース誘導体、グアー、および、それらの非イオン性の誘導体、キサンガムおよびその誘導体を単独で、また組み合わせで、ポリマーの骨格に共有結合的に結合した疎水性基で修飾された水溶性ポリマーの形で(国際公開第92/16187号パンフレットに記載されている)および/または処方物の構成を100%とする水などである。
【0145】
カルシウムおよびマグネシウムの硬度を制御するために、本発明の化粧品組成物は、0.1〜7重量%のポリマー分散剤もまた含んでいても良い。例を以下に挙げる:
−アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アコニット酸、メサコン酸、シトラコン酸またはメチレンマロン酸などのエチレン性不飽和カルボン酸、と、特に、平均分子量2000〜10000g/molポリアクリレートをポリマー化またはコポリマー化して得られる平均分子量が2000〜100000g/molで、水溶性のポリカルボン酸塩(米国特許第3308067号明細書)、アクリル酸および無水マレイン酸のコポリマーで平均分子量5000〜75000g/mol(欧州特許出願公開第66915号明細書)、
−平均分子量1000〜50000g/molのポリエチレングリコール。
【0146】
本発明の詳細と利点をさらに明らかにするために以下に実施例を列挙するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【実施例】
【0147】
以下の物質を実施例1〜6で、特に使用した。
【表2】

【0148】
実施例1:濃縮材料「混合物1」の生成
以下を含んだ濃縮材料を生成した。
−25重量%のシリコン 1
−2重量%のポリマー A
−73重量%の蒸留水
水とポリマーを凝集防止パドルと共に5分間、700rpmで混合した。凝集防止パドルで、1分間、700rpmで混合した撹拌しながらシリコンオイルを添加した。混合物を19分間撹拌した。最終的なエマルジョンサイズは、7μmで、最終的なpHは、5.3であった。
【0149】
手順:
水性溶液中のポリマーを混合した。
【0150】
実施例2:濃縮材料「混合物2」の生成
以下を含んだ濃縮材料を生成した。
−23.5%のシリコン 1
−0.34%の100%酢酸
−2.34%の界面活性剤 C(活性材料として)
−2.34%のプロピレン グリコール
−61.2%の蒸留水
−2.1%のリマー A(活性材料として)
【0151】
手順
−界面活性剤、プロピレングリコール、水を混合し、混合物を45〜50℃に熱した。
−フレームパドル(frame paddle)(4穴)で200rpmで撹拌しながら、同じ温度で、シリコンオイルを徐々に連続的に界面活性剤相に導入した。撹拌2〜15分続け、添加を終了した。液滴のサイズは1.5μmより大きかった。
−得られたエマルジョンをUltra-Turraxブレンダーで、9500rpmで、2分間、ホモジナイズした:エマルジョンは小さいサイズとなった(<1.5μm)。
−室温で、フレームパドル(frame paddle)で400rpmで撹拌しながら酢酸を液滴で加え、撹拌を150rpmで、15分間続けたところ、粘性の増加が観察された。最終的なpHは5.5であった。
−フレームパドル(frame paddle)で400rpmで撹拌しながら、11.1gのエマルジョンに、水性溶液中のポリマーを、液滴で導入した。ポリマー溶液を2、3滴添加した後、粘性を増し、その後、混合物は均質になった。
【0152】
性質
−光学顕微鏡下でエマルジョンを観察したところ、液滴のサイズにばらつきはなく、エマルジョンは安定で凝集することもなかった。液滴のサイズはおおよそ0.8-0.9μmであった。
−保存し、安定性を経時的にモニターした:
−複数のサンプルを、45℃の環境下で劣化を進行させ、保存し、安定性を経時的にモニターしたところ、エマルジョンは48時間安定であった。
【0153】
実施例3:シャンプーの生成
シャンプーは上記に述べた材料を混合することで得られ、任意に、実施例1の材料を添加しても良い。
【0154】
組成物を分離するのに使用する手順
1、水とポリマーを混合する
2、CAPBを添加する
3、アニオン性界面活性剤を添加し、その後、シリコン エマルジョンを添加する
4、水酸化ナトリウムまたはクエン酸を添加して、pHが6〜6.5となるように調整する
5、塩を添加する
【0155】
材料を使用する手順
1、水とポリマーを混合する
2、CAPBを添加する
3、アニオン性界面活性剤を添加する
4、水酸化ナトリウムまたはクエン酸を添加して、pHが6〜6.5となるように調整する
5、塩を添加する
【0156】
【表3】

【0157】
評価
蛍光X線(シリコンの定量化)による髪上へのシリコンの付着を測定することで、シャンプー及びリンスを行った後、比較例3.2Cのシャンプーよりも実施例3.1のシャンプーの方が付着が良好であった。
【0158】
実施例4:濃縮材料「混合物3」の生成
濃縮材料は室温で生成され、以下のものを含む。
−65%のシリコン 3
−1.90%の界面活性剤 C
−26.41%の蒸留水
−6.69%のポリマー A (活性材料として)
【0159】
手順
界面活性剤相Dの生成以前
70%の界面活性剤Cと30%の水を混合した。その混合物を45℃に熱した後、室温まで冷却した。シリコン3を、IKAレセプターに導入した。界面活性剤相Dを添加しアンカーパドルを使用し、400rpmで15分間、混合した。標準的な撹拌用モータを使用し、徐々にエマルジョンをポリマー Aで希釈し、水性溶液とした。希釈中、フレームパドル(frame paddle)で100rpmで撹拌した。5分間ホモジナイズを行った。
【0160】
性質
−得られたエマルジョンは、光学顕微鏡とHoribaの粒度計により観察した。液滴のサイズは、0.8-1.0μmであった。
−材料のpHは、3.1であった。
−21℃、10rpm(スピンドル6)でBrookfield粘性を測定したところ、45000〜50000mPa.sであった。
−保存し、安定性を経時的にモニターした:
−複数のサンプルを、45℃の環境下で劣化を進行させ、保存し、安定性を経時的にモニターしたところ、エマルジョンは48時間安定であった。
【0161】
実施例5:濃縮材料「混合物4」の生成
濃縮材料は室温で生成され、以下のものを含む。
−50%のシリコン 3
−1.46%の界面活性剤 C
−26.41%の蒸留水
−10%のポリマー A (活性材料として)
【0162】
手順
界面活性剤相Dの生成以前
70%の界面活性剤Cと30%の水を混合した。その混合物を45℃に熱した後、室温まで冷却した。シリコン3を、IKAレセプターに導入した。界面活性剤相Dを添加しアンカーパドルを使用し、400rpmで15分間、混合した。標準的な撹拌用モータを使用し、徐々にエマルジョンをポリマー Aで希釈し、水性溶液とした。希釈中、フレームパドル(frame paddle)で100rpmで撹拌した。5分間ホモジナイズを行った。
【0163】
実施例6:濃縮材料「混合物5」の生成
濃縮材料は室温で生成され、以下のものを含む。
−45%のシリコン 3
−2.82%の界面活性剤ラウレス(laureth)-7
−9%のポリマー A (活性材料として)
−蒸留水で100%とする。
【0164】
手順
手順は、界面活性剤が界面活性剤Cから、ラウレス(laureth)-7に変わることを除いて、上記と同じである。撹拌の速度と時間は下記に示した粒度が得られるように調節すれば良い。
【0165】
性質
−得られたエマルジョンは、光学顕微鏡とHoribaの粒度計により観察した。液滴のサイズは、約0.6μmであった。
−材料のpHは、2.9であった。
−21℃、10rpm(Brookfield DV1マシン)でBrookfield粘性を測定したところ、8200cPであった。
−エマルジョンは安定であった。
【0166】
実施例7:ポリマー A/ジメチコン/Carbopol Aqua SF1を有するシャンプー処方物
組成(活性材料)
−14% SLES
−2% CAPB
−0.1% NaCl
−0.2% ポリマー A(混合物5の形態で導入した)
−1% ジメチコン(混合物5の形態で導入した)
−1.5% Carbopol SF1
【0167】
出発物質
出発物質としては以下を使用した
−商品名はCarbopol Aqua SF1、INCI名称はアクリレートコポリマー、30%含有、Noveonが供給
−SLES:商品名はEmpicol ESB 3M、INCI名称はナトリウムラウリルエーテルサルフェート、27%含有、Huntsmanが供給
−CAPB:商品名はMirataine(登録商標)BETC30、INCI名称はコカミドプロピルベタイン、30%含有、Rhodiaが供給
−5:5の混合物;54%含有
−Kathon CG、SEPPICが供給
−NaCl、Prolaboが供給
出発物質の塊は0.01g単位および/または0.001g単位の精密てんびんで検量する。
【0168】
A.生成段階1
1/水−増粘剤の混合物の生成
ビーカー中
−Carbopol Aqua SF1の塊、5.0gを検量する、
−10gの蒸留水を検量し、液体溶液に添加する、
フレームパドル(frame paddle)で150rpm、5分間、混合した。
2/アニオン性界面活性剤の添加
−SLESの塊、51.9gを検量する、
−SLESを混合物に添加し、フレームパドル(frame paddle)で150rpm、5分間、撹拌した。
3/混合物の構成化
−穏やかに撹拌しながら(50rpm)、水酸化ナトリウムをpH6.6になるまで添加する。
水酸化ナトリウムの各々の添加の間にはホモジナイズする。
4/両性界面活性剤の添加
−CAPBの塊、6.7gを検量する、
−フレームパドル(frame paddle)で50rpm撹拌しながら、CAPBを相に添加し、均質化するまで撹拌する。
【0169】
B.生成段階2
ビーカー中
1/ブレンドの水への溶解
−0.001g単位の精密てんびんで混合物5の塊を2.24g検量する
−10gの水を検量し、添加する
ポリマーが水に溶解するまで、マグネティック撹拌棒で撹拌する
2/塩の添加
−0.001g単位の精密てんびんで塩の塊を0.10g検量する
−混合物中に分散させる
15分間混合する
3/pHの調整
−pH5.5〜6.5となるまで、水酸化ナトリウムの液滴を添加し、
5分間撹拌する。
【0170】
C.段階2の段階1への添加
フレームパドル(frame paddle)で穏やかに50rpm撹拌しながら、段階2の化合物を水-SLES-CAPB-Carbopol Aqua SF1混合物に添加し、均質化するまで撹拌する。
【0171】
D.保存剤の添加
−Kathon CGを2滴含有させ、
フレームパドル(frame paddle)で150rpm、15分間、混合した。
【0172】
E.pHの調整
クエン酸希釈液でpH5〜5.5に調整する。
F.水の添加
水を全体が100gとなるように添加する。
【0173】
処方物の性質
−pH:5.5
−Brookfield DV-Iの粘性と粘度系によると、TC=21℃(スピンドル4)、RVシリーズ、速度10rpmの時:1分後の測定で5040 mPa.sであった
−十分な安定性を有していた
【0174】
実施例8: ポリマー A/ジメチコン/Carbopol ETD2020を有するシャンプー処方物
組成(活性材料)
−14% SLES
−2% CAPB
−1% Carbopol ETD2020
−0.2% ポリマー A(混合物5の形態で導入した)
−1% ジメチコン(混合物5の形態で導入した)
【0175】
出発物質
出発物質としては以下を使用した
−商品名はCarbopol ETD2020、INCI名称はアクリレート/炭素原子10〜30個有するアルキルアクリレートクロス-ポリマー、100%含有、Noveonが供給
−SLES:商品名はEmpicol ESB 3M、INCI名称はナトリウムラウリルエーテルサルフェート、27%含有、Huntsmanが供給
−CAPB:商品名はMirataine(登録商標)BETC30、INCI名称はコカミドプロピルベタイン、30%含有、Rhodiaが供給
−5:5の混合物;54%含有
−Kathon CG、SEPPICが供給
−NaCl、Prolaboが供給
出発物質の塊は0.01g単位および/または0.001g単位の精密天秤で検量する。
【0176】
A.生成段階1
1/水−増粘剤の混合物の生成
ビーカー中
−30gの蒸留水を検量する
−Carbopol ETD2020の塊、1.0gを検量する、
−非凝集パドル(deflocculating paddle)でボルテックスし、水中に粉末を分散させる
−30分撹拌する
−穏やかに撹拌しながら(50rpm)、50%水酸化ナトリウムをpH3〜4になるまで添加する
2/アニオン性界面活性剤の添加
−SLESの塊、51.85gを検量する、
−SLESを混合物に添加し、フレームパドル(frame paddle)で50rpm、30分間、撹拌した。
3/両性界面活性剤の添加
−CAPBの塊、6.7gを検量する、
−フレームパドル(frame paddle)で150rpm撹拌しながら、CAPBを添加し、均質化するまで撹拌する。
4/混合物の構成化
−穏やかに撹拌しながら(50rpm)、水酸化ナトリウムをpH5.5〜6になるまで添加する。
水酸化ナトリウムの各々の添加の間にはホモジナイズする。
【0177】
B.生成段階2
1/ブレンドの水への溶解
ビーカー中
−0.001g単位の精密てんびんで混合物5の塊を2.24g検量する
−5gの水を検量し、添加する
ポリマーが水に溶解するまで、マグネティック撹拌棒で撹拌する
2/pHの調整
−pH5.5〜6.5となるまで、50%水酸化ナトリウムの液滴を添加し、
5分間撹拌する。
【0178】
C.段階2の段階1への添加
フレームパドル(frame paddle)で穏やかに50rpm撹拌しながら、段階2の化合物を水-SLES-CAPB-Carbopol ETD2020混合物に添加し、均質化するまで撹拌する。
【0179】
D.保存剤の添加
−Kathon CGを2滴含有させ、
フレームパドル(frame paddle)で150rpm、15分間、混合した。
【0180】
E.pHの調整
クエン酸希釈液でpH5〜5.5に調整する。
F.水の添加
水を全体が100gとなるように添加する。
【0181】
処方物の性質
−pH:5
−Brookfield DV-Iの粘性と粘度系によると、TC=21℃(スピンドル4)、RVシリーズ、速度10rpmの時:1分後の測定で3540 mPa.sであった
−十分な安定性を有していた
【0182】
実施例9
下記に示した組成物を有する物質を生成した。
出発物質は、INCI名称および/または商品名で特定した。特定されている量は、活性材料としてである。ポリマー A、および、ジメチコンエマルジョンは混合物5の形態で導入されている。
【0183】
【表4】

【0184】
【表5】

【0185】
【表6】

【0186】
【表7】

【0187】
【表8】

【0188】
【表9】

【0189】
【表10】

【0190】
【表11】

【0191】
【表12】

【0192】
【表13】

【0193】
【表14】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面処理および/または表面修飾のための濃縮材料であって、濃縮材料は以下の物質を含む:
a)コンディショニング剤
b)付着補助のためのポリマー
c)任意に、界面活性剤
および
d)任意に、水
ここで、
−物質a)およびb)の材料中の総重量は、10%以上、好ましくは20%以上、好ましくは50%以上、好ましく60%以上であり、
−もし物質c)が存在する場合、物質c)のa)に対する重量比は、1未満、好ましくは0.5未満、好ましくは0.1未満である濃縮材料。
【請求項2】
水の重量が、濃縮材料の90重量%未満であり、好ましくは75重量%未満であることを特徴とする請求項1に記載の材料。
【請求項3】
濃縮材料中、物質b)の物質a)に対する重量比は、好ましくは0.05〜9であり、好ましくは0.05〜0.5、好ましくは0.075〜0.3であることを特徴とする請求項1または2に記載の材料。
【請求項4】
材料が、
−物質a)を10重量%〜75重量%、好ましくは20重量%〜70重量%、
−物質b)を0.5重量%〜20重量%、好ましくは1重量%〜15重量%、
−物質c)を0〜15重量%、および、
−任意で、水
を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の材料。
【請求項5】
材料が水を含んでおり、水中にコンディショニング剤a)が分散した液滴を含む直接的なエマルジョンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の材料。
【請求項6】
エマルジョンの液滴の平均径のサイズが2μmであるかそれよりも大きく、0.15μm〜2μm、または、0.15μmであるかそれよりも小さいエマルジョンであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の材料。
【請求項7】
コンディショニング剤a)が、水に不溶の非揮発性の油であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の材料。
【請求項8】
コンディショニング剤は
−a1)植物油、ミネラルオイル、動物油、または、それらの誘導体、および
−a2)ポリオルガノシロキサン
から選択されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の材料。
【請求項9】
ポリオルガノシロキサンa2)は、ポリジメチルオルガノシロキサン、または、アミン基、4級アンモニウム基、ヒドロキシル基、ポリオキシアルキレン基、芳香族基、もしくは、これらの中の複数の官能基を含有するポリオルガノシロキサンであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の材料。
【請求項10】
付着補助のためのポリマーは、
b1)例えば、カチオン性セルロース、グアーまたはスターチ誘導体などのカチオン性基または潜在的なカチオン性基を有する天然ポリマー誘導体
および、
b2)カチオン性基、もしくは、潜在的なカチオン性基、または、両性イオン基を有する合成ポリマー、
から選択されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の材料。
【請求項11】
ポリマーb2)は、(コ)ポリマーは、好ましくは統計的(コ)ポリマーであって、
−以下のものを含む(コ)ポリマー:
−カチオン性または潜在的にカチオン性の単位BCATならびに
−任意に、アニオン性または潜在的なアニオン性の単位BA、非イオン性の単位BN、および、両性イオン単位BZから選択される他の単位、および、それらの組み合わせ
または
−以下のものを含む(コ)ポリマー:
−両性イオン性の単位BZならびに
−任意に、アニオン性または潜在的なアニオン性の単位BA、親水性もしくは疎水性非イオン性の単位BN、カチオン性または潜在的にカチオン性の単位BCATから選択される他の単位、および、それらの組み合わせ
から選択されることを特徴とする請求項10に記載の材料。
【請求項12】
付着補助のためのポリマーb2)は、
−ビニルピロリドン単位およびカチオン性単位を含むカチオン性コポリマーで、好ましくはビニルピロリドン単位、ビニルイミダゾリウム単位、(例えば、カチオン化されたビニルイミダゾール)、または、MADAMQUAT単位、(カチオン化されたジメチルアミノエチルメタアシレート)、および、任意にビニルカプロラクタム由来の単位を含むコポリマー、
−DADMAC由来の単位、任意に、アクリル酸由来の単位、および、任意に、アクリルアミド由来の単位を含んだカチオン性または両性の(コ)ポリマー、
−MAPTAC由来の単位、任意に、アクリル酸由来の単位、および、任意に、アクリルアミド由来の単位を含んだカチオン性または両性の(コ)ポリマー、
−ビニルピロリドンおよびMAPTAC由来のコポリマー;
から選択されることを特徴とする請求項10または11に記載の材料。
【請求項13】
付着補助のためのポリマーb2)は、両性のコポリマーであって
−以下の一般式の少なくとも一つのモノマー化合物BCATを重合させて得られる複数のBCAT単位を単位数で表して0.1%〜50%で含み、
【化1】

(式中:
−R1は水素原子、メチル基、または、エチル基であり;
−R2、R3、R4、R5およびR6は、独立別個に炭素原子1〜6個、好ましくは1〜4個を有する直鎖または枝分かれしたアルキル基、ヒドロキシアルキル基、または、アミノアルキル基であり;
−mは、整数で、0〜10、好ましくは0〜2であり;
−nは、整数で、1〜6、好ましくは2〜4であり;
−Zは、C(O)O-基、-C(O)NH-基または酸素原子であり;
−Aは、(CH2)p基であり、pは、整数で、1〜6、好ましくは2〜4であり;
−Bは、炭素原子2〜12個、適切には3〜6個含んだ直鎖または枝分かれのポリメチレン鎖で、任意に、1つか、2つ以上のヘテロ原子、またはヘテロ基、特にOまたはNH、が挿入され、および、任意に1つか、2つ以上のヒドロキシル基またはアミノ基、好ましくはヒドロキシル基により置換され;
−X-,は別個独立に、対イオンである);
−アニオン性、もしくは潜在的にアニオン性のBAと共重合可能な酸性基を有した親水性モノマーBAの少なくとも1種を重合することで得られる複数の単位BAを含み、
−任意に、BCATおよびBAと共重合可能な電荷が中性の少なくとも一種のエチレン性不飽和モノマーBN由来である複数の単位BNを含み、好ましくは、BCATおよびBAと共重合可能な1つか2つ以上の親水性基を有し電荷が中性のエチレン性不飽和親水性モノマーBN由来である複数の単位BNを含み、
−単位BAおよび任意のBNの量は、単位数で50%〜99.9%であることを特徴とする請求項10または11に記載の材料。
【請求項14】
−単位BCATは、モノマーBCAT由来で以下の化学式を有するものであり、
【化2】

式中、X-は、クロライドイオン、または、メチルサルフェートイオンであり、
−単位BAはアクリル酸由来であり、
−ポリマーは単位BNを含まず、
−BAのBCATに対する単位数の比は、50/50〜90/10であることを特徴とする請求項13に記載の材料。
【請求項15】
付着補助のためのポリマーb1)は、
−トリメチルアンモニウムで修飾されたヒドロキシエチルセルロース、
−グアーヒドロキシプロピルアンモニウム、
−ヒドロキシプロピルグアーヒドロキシプロピルアンモニウム
から選択されることを特徴とする請求項10に記載の材料。
【請求項16】
界面活性剤c)は、非イオン性の界面活性剤、好ましくはエトキシ化アルコールであることを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載の材料。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか一項に記載の材料の化粧品組成物への使用。
【請求項18】
化粧品組成物が、
−化粧品に使用可能な、好ましくは水性のベクター、
−任意に、少なくとも一種の界面活性剤
−濃縮材料
を含むことを特徴とする請求項17に記載の使用。
【請求項19】
化粧品組成物が、
−アニオン性界面活性剤、および、任意に両性界面活性剤を含む界面活性剤を組成物中0〜30重量%、好ましくは5重量%〜30重量%
−付着補助のためのポリマーを組成物中0.01重量%〜5重量%、好ましくは0.05重量%〜1.5重量%、好ましくは0.1重量%〜0.3重量%
含むことを特徴とする請求項17または18に記載の使用。
【請求項20】
化粧品組成物が、界面活性剤を10%〜20%含んだシャンプー、界面活性剤を5%〜15%含んだシャワー用ジェル、または、界面活性剤を5%未満含んだヘアコンディショナーであることを特徴とする請求項18または19に記載の使用。

【公表番号】特表2008−546749(P2008−546749A)
【公表日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−517548(P2008−517548)
【出願日】平成18年6月23日(2006.6.23)
【国際出願番号】PCT/FR2006/001448
【国際公開番号】WO2007/017564
【国際公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(390023135)ロディア・シミ (146)
【Fターム(参考)】