説明

表面処理ガラス繊維織物及びその製造方法並びにプリプレグ

【課題】 薄型化を図った場合であっても目ずれの発生が少なく、しかも、十分な剛性を有する表面処理ガラス繊維織物を提供すること。
【解決手段】 本発明のガラスクロス10(表面処理ガラス繊維織物)は、経糸20及び緯糸30が交互に上下に交叉した構造を有するガラス繊維織物15と、このガラス繊維織物15に含浸された状態で付着している処理剤50とを備えている。この処理剤50は、シラン化合物及び水溶性ポリウレタンを含有するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面処理ガラス繊維織物及びその製造方法並びにプリプレグに関する。
【背景技術】
【0002】
プリント配線板等の積層板は、絶縁層とその上に形成された導体層とを備えるものである。絶縁層としては、ガラス繊維織物等のガラス繊維基材により強化されたガラス繊維強化樹脂が通常用いられている。
【0003】
近年、電子部品の小型化、高性能化の要求が顕著になり、積層板においてもより一層の小型化が求められている。そして、このような要求に応えるために、薄物プリント配線板や多層プリント配線板が開発され、これらに用いるガラス繊維として薄物ガラス繊維織物が開発されている。
【0004】
ところが、薄物ガラス繊維織物には、その薄さ故に取り扱いが困難であるという問題があった。すなわち、ガラス繊維織物は、ガラス繊維からなる経糸と緯糸とがほぼ直交するように交差させて織られたものであるが、ガラス繊維織物が薄物であると、取り扱い時の張力やねじれ等によりガラス繊維に位置ずれが生じ、これにより経糸と緯糸との交差角度や交差状態が異常となり易い傾向にある(これを一般に「目ずれ」という)。こうなると、ガラス繊維織物の均一性が失われてしまい、その結果、プリント配線板にボイド等が発生し易くなる。
【0005】
このような目ずれの発生を低減し得るガラス繊維織物としては、特定のシラン化合物を付着させたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平2003−183982号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来技術のシラン化合物を付着させたガラス繊維織物は、目ずれの発生が十分に少ないものであった。しかしながら、近年では、電子部品の更なる小型化に対応するため、今まで以上にガラス繊維織物の薄型化が要求されつつある。そこで、本発明者らが、上記従来のガラス繊維織物を更に薄型化して検討を行ったところ、目ずれの発生については十分に低減されていたものの、かかる薄型化によりガラス繊維織物の剛性が低下してしまうという新たな問題が発生することを見出した。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、薄型化を図った場合であっても目ずれの発生が少なく、しかも、適度な剛性を有する表面処理ガラス繊維織物を提供することを目的とする。本発明はまた、かかる表面処理ガラス繊維織物の製造方法、またはこの表面処理ガラス繊維織物を備えるプリプレグを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上述したシラン化合物と樹脂(エポキシ樹脂)とを組み合わせてガラス繊維織物に付着させることにより、薄型のガラス繊維織物において、目ずれの発生を低減できるほか、十分な剛性が得られるようになることを見出した。
【0009】
しかし、この場合、エポキシ樹脂を過剰に付着させたり、または過度に硬化させたりすると、付着後のガラス繊維織物の剛性が高くなり過ぎてしまい、例えば、ガラス繊維織物を巻体として保存した場合にしわが残り易くなる傾向にあった。このように、シラン化合物とエポキシ樹脂を組み合わせる方法は、ガラス繊維織物に対する樹脂の付着量や硬化条件等を厳密に設定する必要があるなど点で不都合を有していることが判明した。
【0010】
本発明者らは、上記知見に基づき、ガラス繊維織物に付着させる成分について更に検討を進めた結果、シラン化合物と特定のポリウレタンとを組み合わせた場合に、目ずれ防止及び剛性付与の双方に優れた結果が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0011】
すなわち、本発明の表面処理ガラス繊維織物は、ガラス繊維織物と、このガラス繊維織物に付着した処理剤とを含み、処理剤は、シラン化合物及び水溶性ポリウレタンを含有することを特徴とする。
【0012】
上記構成を有する表面処理ガラス繊維織物は、ガラス繊維織物にシラン化合物及び水溶性ポリウレタンを付着させてなるものであるため、目ずれの発生が極めて少ないものとなる。また、シラン化合物とともに付着している水溶性ポリウレタンは、柔軟性を有しており、しかも付着後に硬化反応を生じることが殆どないという特性を有している。このため、かかる水溶性ポリウレタンが付着した本発明の表面処理ガラス繊維織物は、上述したエポキシ樹脂のように樹脂成分の付着量や硬化条件を厳密に制御しなくても適度な剛性を有するものとなる。
【0013】
上記本発明の表面処理ガラス繊維織物において、処理剤は、ガラス繊維織物に対して、シラン化合物、水溶性ポリウレタンの順に付着していると好ましい。この場合、シラン化合物が、水溶性ポリウレタンに対するカップリング剤としての機能も有するようになり、これにより、処理剤がガラス繊維織物に対して更に良好に付着した状態となる。
【0014】
より具体的には、水溶性ポリウレタンは、水溶性のポリオキシアルキレンポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られた化合物であると好ましい。かかる水溶性ポリウレタンを用いることにより、本発明の表面処理ガラス繊維織物は更に良好な剛性を有するものとなる。
【0015】
また、本発明による表面処理ガラス繊維織物の製造方法は、ガラス繊維織物に、シラン化合物及び水溶性ポリウレタンを含む処理剤を付着させる付着工程を有することを特徴とする。かかる製造方法によれば、一つの含浸槽でシラン化合物及び水溶性ポリウレタンの両方の付着を行うことができ、上記本発明の表面処理ガラス繊維織物を効率良く製造することができる。
【0016】
上記処理剤の付着は、水に溶解又は分散された処理剤を含む水系液を用いて好適に行うことができる。すなわち、上記本発明の表面処理ガラス繊維織物の製造方法においては、付着工程において、ガラス繊維織物に、処理剤を水に溶解又は分散させた水系液を含浸させた後、ガラス繊維織物を乾燥させることにより、ガラス繊維織物に処理剤を付着させることが好ましい。これにより、ガラス繊維への処理剤の付着が容易化されるとともに均一化され、より目ずれが少なく、また良好な剛性を有する表面処理ガラス繊維織物が得られるようになる。
【0017】
また、処理剤の付着は、シラン化合物及び水溶性ポリウレタンをそれぞれ含む2種の水系液を用いて行うことも好適である。すなわち、付着工程において、ガラス繊維織物に、シラン化合物を水に溶解又は分散させたシラン化合物水系液を含浸させた後、水溶性ポリウレタンを水に溶解又は分散させた水溶性ポリウレタン水系液を含浸させることにより、ガラス繊維織物に処理剤を付着させることが好ましい。かかる方法においては、シラン化合物水系液を含浸させた後、及び/又は、水溶性ポリウレタン水系液を含浸させた後に、ガラス繊維織物を乾燥させるとより好ましい。こうすれば、ガラス繊維織物に対して、処理剤がシラン化合物、水溶性ポリウレタンの順に付着するようになる。この場合、上述の如く、シラン化合物がカップリング剤として機能するため、処理剤がガラス繊維織物に対して良好に付着する。その結果、目ずれ防止効果に優れるとともに良好な剛性を有するガラス繊維織物が容易に得られるようになる。
【0018】
上記表面処理ガラス繊維織物の製造方法において、ガラス繊維織物としては、開繊された状態のものを用いることが好ましい。ガラス繊維織物を構成する経糸及び緯糸は、それぞれガラス繊維の束から構成されている場合が多いが、このガラス繊維織物を繊維強化樹脂に適用する場合には、通常、これらの繊維の束をほどく(開繊する)ことにより樹脂の含浸をより有利にすることが行われている。本発明の製造方法においても同様に、ガラス繊維織物として開繊された状態のものを用いることにより、処理剤の付着を容易化することができる。さらに、得られた表面処理ガラス繊維織物を繊維強化樹脂に適用する際の樹脂成分の含浸も有利となる。
【0019】
また、上記水溶性ポリウレタンとしては、ポリオキシアルキレンポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られた化合物が好ましい。
【0020】
本発明はまた、半硬化状態の熱硬化性樹脂と、この熱硬化性樹脂中に配された上記本発明の表面処理ガラス繊維織物とを備えるプリプレグを提供する。上述の如く、本発明の表面処理ガラス繊維織物は、目ずれが生じ難く、しかも適度な剛性を有するものであることから、本発明のプリプレグは、経糸と緯糸との交差角度や交差状態が良好なガラス繊維織物を備えるものとなる。そして、かかるプリプレグを用いることにより、ボイド等の欠陥が極めて少ない積層板が得られるようになる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、薄型化を図った場合であっても目ずれの発生が少なく、しかも、十分な剛性を有する表面処理ガラス繊維織物及びその製造方法を提供することが可能となる。また、本発明によれば、この表面処理ガラス繊維織物を用いることにより、経糸と緯糸との交差角度や交差状態が良好なガラス繊維織物を備えるプリプレグを提供することが可能となる。かかるプレプレグを用いれば、ボイド等の欠陥が少ない積層板を得ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0023】
図1は、実施形態のガラスクロス(表面処理ガラス繊維織物)を示す平面図である。また、図2は、図1のII−II線に沿う断面構造を模式的に示す図である。ガラスクロス10は、経糸20と緯糸30とが交互に上下に交叉した構造を有するガラス繊維織物15を備えている。また、図2に示すように、緯糸30はガラスフィラメントF(ガラス繊維)が多数集束されたガラス繊維束により構成されている。さらに、これらのガラスフィラメントFの間には処理剤50が存在している。なお、図示されないが、経糸20も緯糸30と同様の構成を有している。このように、ガラスクロス10においては、経糸20及び緯糸30からなるガラス繊維織物15に処理剤50が含浸されている。
【0024】
ガラス繊維織物15としては、5〜500TEX(好ましくは22〜68TEX)のガラス繊維束を経糸20及び緯糸30として用い、織り密度が、経方向で16〜80本/25mm、緯方向で15〜80本/25mmになるように織られたものが挙げられる。経糸20及び緯糸30を構成するガラスフィラメントFとしては、Eガラス、Sガラス、Cガラス等からなるガラス繊維モノフィラメント(フィラメント径は3〜23μmが好ましい)が好ましい。また、経糸20及び緯糸30は、このようなガラスフィラメントFが、50〜1200本集束されたガラス繊維束であると好ましい。
【0025】
このガラス繊維織物15には、ガラスフィラメントFを束ねてガラス繊維束(ガラス繊維ヤーン、ガラス繊維ロービング等)にする際に用いられる集束剤(水溶性高分子と潤滑剤等からなる)が付着していてもよいが、例えば、ガラス繊維強化樹脂を作製する際の界面の濡れ性を向上させる観点から、ガラス繊維織物15としては、熱脱油等により上記集束剤が除去された状態のものが好ましい。
【0026】
処理剤50は、シラン化合物及び水溶性ポリウレタンを含むものである。以下、処理剤50に含まれるシラン化合物、水溶性ポリウレタン及びその他の成分について説明する。
【0027】
まず、シラン化合物について説明する。シラン化合物としては、ガラス繊維織物に用いられる表面処理剤に通常含まれているシランカップリング剤を適用できる。このようなシランカップリング剤としては、加水分解性基と疎水基(有機基)とを有するシラン化合物が挙げられる。
【0028】
シラン化合物としては、具体的には、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン等の不飽和二重結合を有するシランカップリング剤;β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン等のエポキシ基を有するシランカップリング剤;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト基を有するシランカップリング剤;γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基を有するシランカップリング剤が例示できる。
【0029】
次に、水溶性ポリウレタンについて説明する。水溶性ポリウレタンとしては、例えば、ポリイソシアネートと、水溶性のポリオキシアルキレンポリオールとを反応させて得られた化合物が挙げられる。前者のポリイソシアネートは、2以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物であり、ポリウレタンの製造に従来用いられるイソシアネート化合物を特に制限なく適用できる。
【0030】
ポリイソシアネートとしては、具体的には、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、エチレンジイソシアネート、ヘキシレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、ジ又はテトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、4,4´−ジベンジルジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)等のジイソシアネート類が挙げられる。
【0031】
また、上述したジイソシアネート類以外に、ポリイソシアネートとしては、TDIとトリメチロールプロパンとの反応物、アニリンとホルムアルデヒドとを反応させて得られたポリアミンをホスゲン化して得られるポリフェニルメタンポリイソシアネートや、これらの製造する途中で生じるポリイソシアネートが例示できる。
【0032】
水溶性ポリウレタンの合成に用いるポリイソシアネートとしては、上述したポリイソシアネートのなかでは、MDI、TDI、IPDI又はHDIが好ましい。なお、水溶性ポリウレタンの製造に際しては、必ずしも単一種のポリイソシアネートを用いる必要はなく、上述した化合物を2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0033】
一方、水溶性のポリオキシアルキレンポリオールとしては、例えば、ヒドロキシルを有する化合物(以下、「ヒドロキシル化合物」という)と、エチレンオキサイド(EO)及び/又はプロピレンオキサイド(PO)とを反応させることにより得られた化合物が挙げられる。
【0034】
ヒドロキシル化合物としては、1つのヒドロキシル基を有する化合物、2以上のヒドロキシル基を有する化合物、水等が挙げられる。1つのヒドロキシル基を有する化合物としては、メタノール、エタノール、オクチルアルコール、ドデシルアルコール、トリデシルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等の脂肪族1価アルコールや、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、イソブチルフェノール、オクチルフェノール等の芳香族1価アルコールが例示できる。
【0035】
また、2以上のヒドロキシル基を有する化合物としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ジメチロールプロピオン酸又はその塩、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ショ糖等の脂肪族多価アルコールや、ヒドロキノン、カテコール等の多価フェノール、又は、ビスフェノールA、ビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールS等のビスフェノールが例示できる。
【0036】
ヒドロキシル化合物としては、上述した各種の化合物を単独で、又は組み合わせて用いることができる。水溶性ポリウレタンの製造に用いるヒドロキシル化合物としては、上述したなかでは、エチレングリコール、プロピレングリコール又は水が好ましい。これらを用いることにより、良好な水溶性を有するポリウレタンが得られる。
【0037】
ポリオキシアルキレンポリオールは、上記ヒドロキシル化合物と、EO及び/又はPOとを反応させて得られる化合物である。かかる化合物としては、例えば、ヒドロキシル化合物にEO及び/又はPOからなる構造単位を有する分子鎖が結合しており、さらに、この分子鎖の末端にEO又はPOに由来するヒドロキシル基を有しているものが挙げられる。
【0038】
ポリオキシアルキレンポリオールとしては、ヒドロキシル化合物とEOのみを反応させて得られる化合物、ヒドロキシル化合物とEO及びPOの両方を反応させて得られる化合物、又は、これらの混合物が好ましい。また、上述した分子鎖末端のヒドロキシル基は、EOに由来するものであるとより好ましい。これにより、水溶性ポリウレタンを製造する際における、ポリイソシアネートとの反応が有利となる。ポリオキシアルキレングリコールとしては、具体的には、ポリエチレングリコール又はポリオキシエチレンオキシプロピレングリコールが特に好ましい。
【0039】
ポリオキシアルキレンポリオールは、上述したEOやPO以外のその他のオキシドからなる繰り返し単位を含むものであってもよい。その他のオキシドとしては、1,2−ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、α−オレフィンオキサイド、エピクロロヒドリン、スチレンオキサイド等が挙げられる。これらのその他のオキシドは、ポリオキシアルキレンポリオールにおいて、ブロック的に付加していてもよく、ランダム的に付加していてもよい。
【0040】
実施形態における水溶性ポリウレタンは、上述したポリオキシアルキレンポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られるものである。かかる反応は、公知のポリウレタンの製造方法を適用して生じさせることができ、例えば、ポリオキシアルキレンポリオール及びポリイソシアネートに、触媒等を加えて一度に反応させる一段法や、ポリイソシアネートのポリオキシアルキレンポリオールに対する重付加反応によるプレポリマーを経て反応させる2段法(プレポリマー法)等が挙げられる。なお、良好な分子量を有する水溶性ポリウレタンを得るためには、特に後者の2段法を採用することが好ましい。
【0041】
この水溶性ポリウレタンが良好な水溶性を有するためには、当該化合物がその分子中にEOからなる構造単位を60質量%以上含むことが好ましく、70質量%以上含むことがより好ましい。そのためには、原料であるポリオキシアルキレンポリオールとして、その分子中に、上記の条件を満たし得るだけのEO構造を有しているものを用いることが望ましい。また、良好な水溶性を得るためには、水溶性ポリウレタン中におけるポリイソシアネート由来の構造単位の含有量は、10質量%以下であることが好ましい。
【0042】
さらに、水溶性ポリウレタンの重量平均分子量は、20,000〜500,000であることが好ましく、30,000〜400,000であることがより好ましい。また、重量平均分子量/数平均分子量の値は、1.3〜6.0であると好ましく、1.5〜4.0であるとより好ましい。これらの条件を満たす水溶性ポリウレタンは、ガラス繊維織物15に対して適度な剛性を付与できるという特性を有するものとなる。
【0043】
なお、処理剤50は、上述したシラン化合物及び水溶性ポリウレタン以外の他の成分を更に含有していてもよい。このような他の成分としては、乳化剤、消泡剤、界面活性剤等が挙げられる。
【0044】
上述の如く、ガラスクロス10において、処理剤50は、ガラス繊維織物15に含浸された状態で付着している。より具体的には、この処理剤50の付着の態様としては、以下に示す形態が挙げられる。すなわち、例えば、ガラスフィラメントFの一本一本の表面が処理剤50により覆われている形態や、複数本のガラスフィラメントFからなる束の表面が処理剤50により覆われている形態が挙げられる。また、処理剤50は、必ずしも図示のように処理剤50がガラスフィラメントF間に存在している必要はなく、経糸20又は緯糸30を構成する繊維束の表面のみを覆うように付着していてもよい。
【0045】
そして、このように処理剤50がガラスフィラメントF(またはその束)の表面を覆うように付着している場合、処理剤50は、シラン化合物、水溶性ポリウレタンの順にガラスフィラメントFに付着していることが好ましい。すなわち、ガラスフィラメントF(またはその束)は、まずシラン化合物に覆われ、次いで、その表面が水溶性ポリウレタンに覆われた状態であると好ましい。この場合、シラン化合物は、水溶性ポリウレタンに対するシランカップリング剤として機能するようになる。その結果、処理剤50はガラスフィラメントFやその束に対してより強固に付着されるようになる。なお、柔軟性向上及び目ずれ防止のために、水溶性ポリウレタンは、ガラス繊維織物15に対して0.2〜2.0質量%付着させることが好ましい。
【0046】
次に、上述した構成を有するガラスクロス10の好適な製造方法について説明する。
【0047】
ガラスクロス10の製造においては、まず、上述した実施形態のガラス繊維織物15を準備し、好適な場合、このガラス繊維織物15に対して開繊処理を施す。開繊処理は公知の方法で実施することができ、例えば、ガラス繊維織物15に水流をあてる方法や、水中でガラス繊維織物15を振動させる方法等が挙げられる。また、この開繊処理の前又は後には、上述の如く、ガラス繊維織物15を加熱して、ガラス繊維織物15に付着している集束剤の除去(脱油)を行うことが好ましい。
【0048】
次いで、このように開繊処理されたガラス繊維織物15に、処理剤50を付着させる(付着工程)。この付着工程においては、まず、ガラス繊維織物15に、処理剤50におけるシラン化合物を付着させる。シラン化合物の付着は、これを水に溶解又は分散させた水系液(第1の水系液)を、ガラス繊維織物に含浸することにより行うことができる。ガラス繊維織物15に第1の水系液を含浸させる方法としては、例えば、ガラス繊維織物15を第1の水系液中に浸漬させる方法や、ガラス繊維織物15に対して第1の水系液を塗布(スプレー塗布、ロールコーター塗布等)する方法が例示できる。なお、第1の水系液の含浸後、後述する第2の水系液を含浸させる前には、熱風等によりガラス繊維織物15から水を除去して乾燥させることが好ましい。これにより、シラン化合物がカップリング剤として良好に機能し、その後の水溶性ポリウレタンの付着が有利となる。
【0049】
次いで、シラン化合物が付着した状態のガラス繊維織物15に、シラン化合物と同様にして水溶性ポリウレタンを付着させる。かかる水溶性ポリウレタンも、水に溶解又は分散された水系液(第2の水系液)の状態で付着させることが好ましい。第2の水系液の付着後には、第1の水系液の付着後と同様の乾燥を行うと更に好ましい。
【0050】
なお、付着工程においては、必ずしも上述のように第1の水系液及び第2の水系液を順に含浸させる必要はなく、例えば、シラン化合物と水溶性ポリウレタンの両方を含む水系液を含浸させることによって、ガラス繊維織物15に対して一度に処理剤50を付着させてもよい。また、処理剤50として、シラン化合物及び水溶性ポリウレタン以外の成分を含むものを用いる場合には、これらの成分は上記第1及び第2の水系液のいずれかに含有させてもよく、両方に含有させてもよい。
【0051】
こうしてガラス繊維織物15に処理剤50を付着させた後、ガラス繊維織物15に対して処理剤50が過剰に付着している場合には、これを除去することが好ましい。処理剤50の除去は、例えば、処理剤50が付着したガラス繊維織物15を、マングルを通過させるか、又は、互いに所定の間隙をおいて対向して配置されている基材(板状物等)の間を通過させる(スクイズ方法)ことにより行うことができる。
【0052】
そして、このように処理剤50の付着量が調整されたガラス繊維織物15を熱風等で処理して加熱し、これにより当該ガラス繊維織物15中に含まれる溶媒を除去して、ガラス繊維織物15に処理剤50が付着したガラスクロス10を得る。
【0053】
このような製造方法によってガラスクロス10が得られるが、このガラスクロス10は、かかる製造方法に起因して次のような特徴を有していてもよい。すなわち、ガラスクロス10は、ガラス繊維織物15に対して処理剤50が付着して得られたものである。このため、例えば従来の集束剤のように、繊維束を形成する際に同時に付着させた場合と比較して、処理剤50が、経糸20と緯糸30との交叉部の周辺に多く付着している。また、これと同時にこの交叉部における経糸20と緯糸30との接触界面は、処理剤50の付着量が少ない傾向にある。そして、経糸20と緯糸30との交叉部がこのような特徴を有しているため、ガラスクロス10は、ガラス繊維織物15に対する処理剤50の付着を行わなかった従来のものに比して、目ずれの発生が極めて少ないものとなる。
【0054】
次に、好適な実施形態のプリプレグについて説明する。図3は、実施形態のプリプレグを示す斜視図である。プリプレグ60は、半硬化状態の熱硬化性樹脂からなるマトリックス樹脂70中に上記実施形態のガラスクロス10が配された構造を有している。マトリックス樹脂70を構成する熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。
【0055】
このような構成を有するプリプレグ60は、例えば、以下に示す方法により製造可能である。すなわち、まず、ガラスクロス10に対し、硬化前の熱硬化性樹脂を含浸させる。この際、熱硬化性樹脂は、そのままの状態で含浸させてもよく、溶媒に溶解したワニスの状態で含浸させてもよい。そして、必要に応じて溶媒の除去を行った後、含浸後のガラスクロス10を加熱等して、熱硬化性樹脂を半硬化状態とすることにより、プリプレグ60を得ることができる。
【0056】
そして、このプリプレグ60を用いることで、プリント配線板として好適な積層板を得ることができる。このような積層板としては、例えば、プリプレグ60におけるマトリックス樹脂70が硬化してなる絶縁層と、この絶縁層上に形成された導電性材料からなる導体層とを備えるものが挙げられる。かかる積層板において、導体層は、絶縁層の片面又は両面に形成することができる。また、積層板としては、上記絶縁層と導体層とが交互に複数積層された形態のものも例示できる。これらの積層板は、例えば、プリプレグ60と、導体層とを積層した後、これらを加熱及び加圧することにより製造することができる。
【0057】
このような構成を有する積層板は、上述した実施形態のガラスクロス10を含むプリプレグ60からなる絶縁層を備えている。ここで、ガラスクロス10は、上述の如く、ガラス繊維織物15に上述したシラン化合物及び水溶性ポリウレタンを含む処理剤50が含浸されたものであるため、目ずれの発生が極めて少なく、また適度な剛性を有するという特性を有している。よって、プリプレグ60は、ガラスクロス10の目ずれが少ないことから、熱硬化性樹脂が均一に含浸されたものとなり、しかも、ガラスクロス10が適度な剛性を有していることから、しわやねじれ等の発生が極めて少ないものとなる。その結果、積層板は、ボイド等の発生が極めて少ないほか、強度においても優れるものとなる。
【実施例】
【0058】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[表面処理ガラスクロスの調製]
【0059】
(ガラス繊維織物の形成)
IPC規格106に相当する質量24.4g/mのガラス繊維織物を製織した後、400℃で50時間加熱・脱油した。以下の実施例及び比較例では、いずれもこのガラス繊維織物を用いた。
【0060】
(実施例1)
まず、ポリオキシアルキルポリオールとポリイソシアネートを反応して得られた水溶性ポリウレタンを10質量%含む分散液(三洋化成社製、メルポールF−220)、及び、シラン化合物であるビニルベンジルアミノエチルアミノプロピルトリメトキシシランを60質量%含むメタノール溶液(東レダウケミカル社製、SZ6032)を含む水系処理液を調製した。なお、この水系処理液の全量中、上記分散液の含有量は20質量%、上記メタノール溶液の含有量は0.5質量%となるようにした。
【0061】
次に、得られた水系処理液中に上記ガラス繊維織物を浸漬した後、これをマングルにより絞液し、更に110℃で5分間乾燥させて実施例1の表面処理ガラスクロス(表面処理ガラス繊維織物)を得た。得られた表面処理ガラスクロスにおける水溶性ポリウレタン及びシラン化合物の合計の付着量は、処理液付着前のガラス繊維織物の質量に対して0.5質量%であった。
【0062】
(実施例2)
水系処理液の全量中、上記分散液の含有量を40質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして実施例2の表面処理ガラスクロスを得た。なお、得られた表面処理ガラスクロスにおける水溶性ポリウレタン及びシラン化合物の合計の付着量は、処理液付着前のガラス繊維織物の質量に対して1.0質量%であった。
【0063】
(実施例3)
まず、ガラス繊維織物を、ビニルベンジルアミノエチルアミノプロピルトリメトキシシランを60質量%含むメタノール溶液(東レダウケミカル社製、SZ6032)を0.5質量%含む水系処理液(第1の水系液)に浸漬した。このガラス繊維織物を、マングルにより絞液した後、110℃で5分間熱風乾燥して、シラン処理済ガラス繊維織物を得た。
【0064】
次いで、シラン処理済ガラス繊維織物を、ポリオキシアルキルポリオールとポリイソシアネートを反応して得られた水溶性ポリウレタンを10質量%含む分散液(三洋化成社製、メルポールF−220)を20質量%含む水系処理液(第2の水系液)に浸漬した。その後、このガラス繊維織物を、マングルにより絞液した後、110℃で5分間乾燥させ、実施例3の表面処理ガラスクロスを得た。得られた表面処理ガラスクロスにおけるシラン化合物の付着量は、処理液付着前のガラス繊維織物の質量に対して0.04質量%であり、水溶性ポリウレタンの付着量は、処理液付着前のガラス繊維織物の質量に対して0.4質量%であった。
【0065】
(比較例1)
ガラス繊維織物を、ビニルベンジルアミノエチルアミノプロピルトリメトキシシランを60質量%含むメタノール溶液(東レダウケミカル社製、SZ6032)を0.5質量%含む水系処理液に浸漬した後、マングルで絞液し、更に110℃で5分間乾燥させて比較例1の表面処理ガラスクロスを得た。シラン化合物の付着量は、処理液付着前のガラス繊維織物の質量に対して0.04質量%であった。
【0066】
(参考例1)
水溶性ポリウレタンを含む分散液に代えて、ポリビニルアルコール(ケン化度98mol%、重合度500)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして参考例1の表面処理ガラスクロスを得た。ポリビニルアルコールとシラン化合物の合計の付着量は、処理液付着前のガラス繊維織物の質量に対して0.5質量%であった。
【0067】
(参考例2)
水系処理液として、カルボキシル基導入エポキシ樹脂変性物(大日本インキ工業社製、ディックファインEN270)、及び、ビニルベンジルアミノエチルアミノプロピルトリメトキシシランの60質量%メタノール溶液(東レダウケミカル社製、SZ6032)を含むものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして参考例2の表面処理ガラスクロスを得た。なお、この水系処理液の全量中、上記エポキシ樹脂変性物の含有量は10質量%、上記メタノール溶液の含有量は0.5質量%となるようにした。エポキシ樹脂変性物とシラン化合物の合計の付着量は、処理液付着前のガラス繊維織物の質量に対して0.5質量%であった。
[目ずれ及び慣性曲げ剛性の評価]
【0068】
実施例1〜3、比較例1並びに参考例1及び2のガラスクロスについて、目ずれが生じているか否かについて目視で評価を行った。また、各ガラスクロスについて、温度23℃、相対湿度60%で、JIS R3420「ガラス繊維一般試験方法 付属書16」に則り、慣性曲げ剛性(mN・m)を測定した。得られた結果を表1に示す。なお、表1中、目ずれの発生が確認されなかったものを「なし」と表記し、確認されたものを「あり」と表記した。
[はんだ耐熱性の評価]
【0069】
(積層板の作製)
まず、臭素化エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、エピコート5046−B−8)100質量部、ノボラック型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、エピコート154)20質量部、ジシアンジアミドの4質量部、2−エチル4−エチルイミダゾールの0.2質量部、メチルエチルケトンの15質量部、ジメチルホルムアミドの30質量部を、NEMA規格FR−4処方に従って配合してエポキシ樹脂ワニスを得た。得られたエポキシ樹脂ワニスを、実施例1〜3、比較例1並びに参考例1及び2のガラスクロスに含浸させ、130℃で7分間乾燥してプリプレグを作製した。
【0070】
次いで、このプリプレグを4枚積層し、両面に銅箔を重ね、50kg/cmの圧力で170℃、90分間加熱成形して積層板を得た。この積層板をエッチング処理して銅箔を除去し、40mm角に切断して積層板試験片とした。この試験片は、各実施例、比較例及び参考例のガラスクロスについてそれぞれ3枚ずつ作製した。
【0071】
(はんだ耐熱性の評価)
得られた試験片を、それぞれプレッシャークッカーにより121℃で2時間の処理を行った後、260℃のはんだ浴に20秒浸漬して、試験片の表面に膨れが発生しているか否かについて評価した。得られた結果を表1に示す。なお、表1において、試験片表面に膨れが見られなかった試験片を、はんだ耐熱性に優れるものとして○で示し、膨れが見られた試験片を、はんだ耐熱性に劣るものとして×で示している。また、表1においては、各種のガラスクロスを用いた場合に対応する3つの試験片それぞれのはんだ耐熱性の評価結果を示しており、例えば、「○○○」は、3つの試験片全てにおいて膨れが見られなかったことを示している。
【表1】

【0072】
表1より、実施例1〜3のガラスクロスは、目ずれが実質的に生じておらず、また、適度な剛性を有することが判明した。さらに、実施例1〜3のガラスクロスは、積層板とした場合に、優れたはんだ耐熱性を示すことが確認された。
【0073】
これに対し、比較例1のガラスクロスは、目ずれが生じていることが確認された。また、参考例1及び2のガラスクロスを用いた場合は、目ずれの発生は見られなかったものの、積層板とした場合のはんだ耐熱性が低いか、または、ガラスクロスの剛性が大きくなりすぎる傾向にあった。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】実施形態のガラスクロスを示す平面図である。
【図2】図2は、図1のII−II線に沿う断面構造を模式的に示す図である。
【図3】実施形態のプリプレグを示す斜視図である。
【符号の説明】
【0075】
10…ガラスクロス、20…経糸、30…緯糸、50…処理剤、60…プリプレグ、70…マトリックス樹脂。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス繊維織物と、該ガラス繊維織物に付着した処理剤と、を含む表面処理ガラス繊維織物であって、
前記処理剤は、シラン化合物及び水溶性ポリウレタンを含有することを特徴とする表面処理ガラス繊維織物。
【請求項2】
前記処理剤は、前記シラン化合物、前記水溶性ポリウレタンの順に前記ガラス繊維織物に付着していることを特徴とする請求項1記載の表面処理ガラス繊維織物。
【請求項3】
前記水溶性ポリウレタンは、水溶性のポリオキシアルキレンポリオールと、ポリイソシアネートと、を反応させて得られた化合物であることを特徴とする請求項1又は2記載の表面処理ガラス繊維織物。
【請求項4】
ガラス繊維織物に、シラン化合物及び水溶性ポリウレタンを含む処理剤を付着させる付着工程を有することを特徴とする表面処理ガラス繊維織物の製造方法。
【請求項5】
前記付着工程において、前記ガラス繊維織物に、前記処理剤を水に溶解又は分散させた水系液を含浸させた後、前記ガラス繊維織物を乾燥させることにより、前記ガラス繊維織物に前記処理剤を付着させることを特徴とする請求項4記載の表面処理ガラス繊維織物の製造方法。
【請求項6】
前記付着工程において、前記ガラス繊維織物に、シラン化合物を水に溶解又は分散させたシラン化合物水系液を含浸させた後、水溶性ポリウレタンを水に溶解又は分散させた水溶性ポリウレタン水系液を含浸させることにより、前記ガラス繊維織物に前記処理剤を付着させることを特徴とする請求項4記載の表面処理ガラス繊維織物の製造方法。
【請求項7】
前記付着工程において、前記シラン化合物水系液を含浸させた後、及び/又は、前記水溶性ポリウレタン水系液を含浸させた後に、前記ガラス繊維織物を乾燥させることを特徴とする請求項6記載の表面処理ガラス繊維織物の製造方法。
【請求項8】
前記ガラス繊維織物として、開繊されたガラス繊維織物を用いることを特徴とする請求項4〜7のいずれか一項に記載の表面処理ガラス繊維織物の製造方法。
【請求項9】
前記水溶性ポリウレタンは、水溶性のポリオキシアルキレンポリオールと、ポリイソシアネートと、を反応させて得られた化合物であることを特徴とする請求項4〜8のいずれか一項に記載の表面処理ガラス繊維織物の製造方法。
【請求項10】
半硬化の熱硬化性樹脂と、該熱硬化性樹脂中に配された請求項1〜3のいずれか一項に記載の表面処理ガラス繊維織物と、を備えるプリプレグ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−342445(P2006−342445A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−167239(P2005−167239)
【出願日】平成17年6月7日(2005.6.7)
【出願人】(000003975)日東紡績株式会社 (251)
【Fターム(参考)】