説明

表面実装の発光チップパッケージ

表面実装発光パッケージは、上部及び下部の主表面を有するチップキャリアを含む。少なくとも1つの発光チップは、チップキャリアの上部主表面に取付けられる。リードフレームは、チップキャリアの上部主表面に取付けられる。付随する支持体に表面実装されるときに、チップキャリアの下部主表面はリードフレームが間に介在することなく付随する支持体と熱接触する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2003年12月9日に出願された米国仮出願シリアル番号60/527,969号の恩恵を主張する。
【0002】
以下は発光技術に関する。特にこれは、表示灯、照明用途、及び同様のもの向けの表面実装発光ダイオードに関し、これを具体的に参照しながら説明する。しかしながら以下のものはまた、表面実装可能な発光デバイスを有利に利用することができる他の分野での用途も見出される。
【背景技術】
【0003】
表面実装発光パッケージは通常、発光ダイオードチップ、垂直キャビティ面発光レーザ、又は同様のもの等の発光チップを利用している。幾つかの構成では、チップは熱伝導性サブマウントに接合されており、このサブマウントは更にリードフレームに接合される。サブマウントは、電気相互接続部の製造の改善、熱接触及び熱伝導の改善、及び同様のもの等の様々な恩恵をもたらす。リードフレームは、プリント基板又は他の支持体にハンダ付けによって表面実装されるように適合されている。
【0004】
このような構成は幾つかの欠点を有する。熱伝達経路は、2つの介在要素、すなわちサブマウントとリードフレームとを含む。更にリードフレームへの電気接続は通常、場合によっては傷つき易いワイヤボンディングを含む。サブマウントとリードフレームとの間の機械的接続は通常、エポキシ又は他の種類のカプセル化オーバーモールド材料によってある程度達成される。このような材料は比較的高い熱膨張係数を有する可能性があり、これらはワイヤボンディング又は機械的接続に応力を加える可能性がある。
【0005】
本発明は、上述の制約及びその他を克服する装置及び方法の改善を企図するものである。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの態様に従って発光パッケージが開示される。チップキャリアは、上部及び下部の主表面を含む。少なくとも1つの発光チップは、チップキャリアの上部主表面に取付けられる。リードフレームは、チップキャリアの上部主表面に取付けられる。
【0007】
別の態様に従って発光素子が開示される。チップキャリアは、上部及び下部の主表面を有する。少なくとも1つの発光チップは、チップキャリアの上部主表面に取付けられる。リードフレームは、少なくとも1つの発光チップの電極と電気的に接触する。プリント回路を含む支持体が設けられる。リードフレームは、プリント回路と電気的に接触する。チップキャリアは、リードフレームが間に介在することなく支持体に固定される。
【0008】
更に別の態様によれば、発光パッケージは、チップキャリア及び該チップキャリアに取付けられた発光チップを含む。
【0009】
更に別の態様によれば、発光パッケージは、発光チップ及び該発光チップの電極に電気的に接続されているリードフレームを含む。
【0010】
本発明の多くの利点及び利益は、本明細書を読み理解することによって当業者には明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、様々な構成要素及び構成要素の構成、並びに様々な処理操作及び処理操作の構成において具体化することができる。図面は好ましい実施形態を例示する目的のものに過ぎず、本発明を制限するものと解釈されるべきものではない。発光パッケージの図面は縮尺通りではない。
【0012】
図1を参照すると、表面実装発光パッケージ10は、電気絶縁チップキャリア14に接合された、発光ダイオード、共振キャビティ発光ダイオード、垂直キャビティ面発光レーザ、又は同様のもの等の発光チップ12を含む。図1ではフリップチップ接合の構成が示されており、ここでは発光チップ12の表側電極は、チップキャリア14の上部主表面26上に配置された導電層20、22に接合されている。絶縁ギャップ28は、エアギャップとすることができ、或いはエポキシ又は他の誘電体等の電気絶縁材料で充填してもよい。導電層20、22は、反対の電気極性の第1及び第2の端子を形成する。フリップチップ電極接合32、34は、熱超音波接合、導電エポキシ接合、ハンダ接合、又は同様のものとすることができる。
【0013】
チップキャリア14は、好ましくは実質的に熱伝導性を有する。チップキャリア14の少なくとも上部主表面26は、実質的に電気絶縁性を有する。チップキャリア14は、半絶縁性シリコン、セラミック、又は熱伝導性で電気絶縁性のプラスチック等の電気絶縁材料で形成することができる。或いはチップキャリア14は、少なくとも上部主表面26に絶縁層又は絶縁被覆が施工されている導電性材料で形成することができる。例えば、チップキャリア14は、上部主表面26上に二酸化シリコンが配置された導電性シリコンで形成することができ、或いはチップキャリア14は、上部主表面26上に絶縁体が配置された金属で形成することができる、などである。
【0014】
導電層20、22は、発光チップ12がフリップチップ接合されているダイ取付領域から離れて延びている。リードフレーム要素40、42は、導電性を有し且つ互いに電気的に絶縁されており、ダイ取付領域から遠位にある導電層20、22の一部に固定され、これと電気的に接触している。リードフレーム40、42は、チップキャリア14の上部主表面26に取付けられている。リードフレーム要素40は、チップキャリア14から遠位にある電気リード部46と、該リード部46がチップキャリア14の下部主表面50とほぼ同一平面上にあるようにする曲げ部48とを含む。同様にリードフレーム要素42は、チップキャリア14から遠位にある電気リード部52と、該リード部52がチップキャリア14の下部主表面50とほぼ同一平面上にあるようにする曲げ部54とを含む。リードフレーム要素40、42のチップキャリア14の上部主表面26への電気的及び物理的接合は、ハンダ接合54、56によって適切に行われる。リードフレーム40、42は、銅又は別の高導電性材料から適切に形成される。
【0015】
オーバーモールド又はカプセル化材料60は、発光チップ12及びチップキャリア14の上部主表面26上に配置され、チップキャリア14に近隣するリードフレーム要素40、42の一部も同様にカプセル化する。リードフレーム40、42のリード部46、52並びにチップキャリア14の下部主表面50は、カプセル化材料60の外側に延びている。任意選択的に、波長変換蛍光体層62は、カプセル化材料60を被覆し、発光チップ12が放出する光を別の波長又は波長範囲或いは複数の波長に蛍光的又は燐光的に変換する。
【0016】
チップキャリア14、チップキャリア14の上部主表面26に接合された発光チップ12とリードフレーム40、42、並びに任意選択のカプセル化材料60及び蛍光体層62は、プリント基板70上に表面実装される表面実装可能ユニットを集合的に形成する。図1の例示的な実施形態では、プリント基板70は、銅又はアルミニウム板等の金属板72を含み、金属板72の上に絶縁被覆74が配置された。プリントトレースは、絶縁被覆74上に配置され、電気端子、接合バンプ、又は接合パッド80、82を含む、選択された1つ又は複数の電気回路を形成する。リードフレーム要素40のリード部46は、プリント回路の電気端子80にハンダ付けされ、リードフレーム要素42のリード部52は、プリント回路の電気端子82にハンダ付けされている。プリントトレースはまた、任意選択的に電気回路に接続されていない熱端子84を含む。好ましくは、チップキャリア14の下部主表面50は、熱端子84にハンダ付け又は他の方法で接合されて、これらの間に実質的に熱伝導性経路を形成し、発光チップ12内で発生した熱が、実質的に熱伝導性のチップキャリア14を通って熱端子84に、更にそこからプリント基板70に伝導することができるようになる。任意選択的であるが、チップキャリア14の下部主表面50は、熱接触及び熱伝達を促進するために基板又は他の被覆へのハンダ取付のための金属層を含む。
【0017】
1つの実施形態では、リード部46、52を端子80、82に接合する取付部と、チップキャリア14の下部主表面50を熱端子84に接合する取付部とは同一である。例えば、これらの取付部は、単一の接合プロセスでハンダ接合によって全て形成することができる。或いは、リード部46、52を端子80、82に接合するのに用いられる取付部の種類と比べて、チップキャリア14を下部主表面50の熱端子84に接合するのに異なる種類の取付部が用いられる。この方法では、チップキャリア14の熱的取付部、及びリード部46、52の電気的取付部は、熱伝導及び電気伝導それぞれについて別個に最適化することができる。
【0018】
図2A及び2Bは、発光パッケージ110の平面図と側面図を示している。パッケージ110は、図1のパッケージ10と同様のものである。パッケージ10の要素に対応する発光パッケージ110の要素は、100だけオフセットした参照符号で表記されている。パッケージ110は、チップキャリア114の上部主表面126上に配置された導電層120、122にフリップチップ接合された発光チップ112を含む。ギャップ128は、導電層120、122を電気的に絶縁する。リードフレーム要素140、142は、チップキャリア114の上部主表面126上に配置された導電層120、122とハンダ付けされ、或いは電気的に接触し機械的に接合される。リードフレーム要素140、142は各々、チップキャリア114から遠位にある電気リード部146、152がチップキャリア114の下部主表面150とほぼ同一平面上にあるようにする曲げ部148、154を含む。
【0019】
パッケージ10において見られるように、チップキャリア114の少なくとも上部主表面126は電気絶縁性であるが、チップキャリア114は電気絶縁性であるか、又は導電性であり、且つ絶縁層が電気絶縁性の上部主表面126をもたらすものとすることができる。チップキャリア114はまた、好ましくは実質的に熱伝導性である。リードフレーム140、142は導電性であり、銅又は別の金属で適切に形成される。図示のようにパッケージ110は、カプセル化材料又は蛍光体を含まないが、これらの構成要素は任意選択的に追加される。カプセル化材料が追加される場合には、チップキャリア114の下部主表面150及びリードのリード部146、152は、カプセル化材料の外側に延びる必要がある。
【0020】
有利には、発光パッケージ110はワイヤボンディングを含まない。より正確に言えば、リードフレーム140、142と発光チップ112との間の電気接続は、導電層120、122を介するものである。図2Aで最も良く分かるように、導電層120、122は広域の層であり、導電層120、122の厚さが限定されている場合でも良好な導電性を与える。更に、導電層120、122は、反射による光取出しを高める反射層とすることができる。発光パッケージ110は、プリント基板又は他の基板上への表面実装に適している。表面実装を行うために、リード部146、152は、プリント回路の接合バンプ、接合パッド、又は他の電気端子にハンダ付け或いは電気的に接合され、他方、チップキャリア114の下部主表面150は、プリント基板又は他の基板に好ましくはハンダ付けされ、或いは熱的に接合される。
【0021】
図3を参照すると、発光パッケージ210が記載されている。パッケージ210は、図1のパッケージ10と同様である。パッケージ10の要素に対応する発光パッケージ210の要素は、200だけオフセットした参照符号によって表記されている。パッケージ210は、チップキャリア214の上部主表面上に配置された導電層220に接合されている発光チップ212を含む。しかしながらパッケージ10とは異なり、パッケージ210では発光チップ212はフリップチップ接合されていない。より正確に言えば、発光チップ212は、非反転構成で接合され、熱超音波接合、導電性エポキシ、ハンダ又は同様のものを用いて導電層220に電気的に接合されている電極として機能する導電性裏面を含む。発光チップ212の表側電極は、ギャップ228によって導電層220と隔てられた別の導電層222にワイヤボンディングされている。ワイヤボンディング290は、発光チップ212の表側電極292を導電層222と電気接続するために、ギャップ228を跨いで延びている。
【0022】
リードフレーム要素240、242は、チップキャリア214の上部主表面上に配置された導電層220、222とハンダ付けされ、或いは電気的に接触し機械的に接合される。パッケージ10、110の対応するリードフレーム要素と同様に、リードフレーム要素240、242は各々、電気リード部246、252がチップキャリア214の下部主表面とほぼ同一平面上になるようにする曲げ部248、254を含む。パッケージ10と同様に、カプセル化材料260は、発光チップ212、ワイヤボンディング290、チップキャリア214の上部主表面、及びリードフレーム要素240、242の一部をカプセル化しているのに対し、リード部246、252及びチップキャリア214の下部主表面は、カプセル化材料260の外側に延びている。更に発光パッケージ210は、蛍光体被覆262を含む。
【0023】
蛍光体被覆のカプセル化材料が図1及び図3に示されているが、蛍光体を伴わないカプセル化を代わりに利用することができ、又はカプセル化材料に蛍光体を分散させてもよく、或いは蛍光体を発光チップによって生成された光と相互作用するように配置することができることは理解されるであろう。更に、カプセル化材料の無い蛍光体層を含むこと、或いは図2に示すようにカプセル化材料も蛍光体もどちらも含まないことも企図される。
【0024】
図4A、4B、及び4Cを参照すると、発光パッケージ310が記載されている。パッケージ310は、図1のパッケージ10と同様である。パッケージ10の要素に対応する発光パッケージ310の要素は、300だけオフセットした参照符号によって表記されている。パッケージ310は、チップキャリア314の上部主表面上に配置された導電層320、322、324にフリップチップ接合されている4つの発光チップ312A、312B、312C、312Dを含む。導電層320、322、324は、層324が層320、322の間に配置されて直列相互接続端子として機能するように構成されている。導電層320、324はギャップ328によって隔てられ、他方、導電層322、324はギャップ330によって隔てられている。発光チップ312A、312Bは、ギャップ328を跨いでフリップチップ接合されて電極を導電層320、324に接合し、他方、発光チップ312C、312Dは、ギャップ330を跨いでフリップチップ接合されて電極を導電層322、324に接合している。すなわち、発光チップ312A、312Bは、互いに電気的に並列接続され、同様に発光チップ312C、312Dは、互いに電気的に並列接続されている。チップ312A、312Bの並列組合せは、直列相互接続端子導電層324を介してチップ312C、312Dの並列組合せに電気的に直列接続されている。
【0025】
リードフレーム要素340、342は、チップキャリア314の上部主表面上に配置された導電層320、322とハンダ付けされ、或いは電気的に接触し機械的に接合される。パッケージ10、110の対応するリードフレーム要素と同様に、リードフレーム要素340、342は各々、電気リード部346、352がチップキャリア314の下部主表面とほぼ同一平面上にあるようにする曲げ部348、354を含み、その結果、発光チップパッケージ310が、リードフレーム要素340、342のリード部346、352をプリント基板又は他の支持体にハンダ付け又は接続することで表面実装可能となる。好ましくは、表面実装はまた、チップキャリア314の下部主表面とプリント基板又は他の支持体との間にハンダ接合部又は他の熱接触部を形成する段階を含む。発光パッケージ310にはカプセル化材料又は蛍光体は含まれていないが、カプセル化材料、蛍光体、光学構成要素、又は同様のものが任意選択的に含まれることは理解されるであろう。
【0026】
別の実施形態では、発光チップ312B、312Dは、ギャップ328、330をそれぞれ跨いで接続されるツェナーダイオードで置換えられる。ツェナーダイオードは、発光チップ312A、312Cに静電放電保護を可能にする。更に、他の電子構成要素を、チップキャリア314の上部主表面上の導電区域で形成される相互接続回路と共に同様に追加できることは明らかであろう。このような他の電子構成要素は、例えば入力電圧調整、電流制限、又は同様のことを行うことによって発光チップの動作を調節することができる。
【0027】
図5A、5B、及び5Cを参照すると、発光パッケージ410が記載されている。パッケージ410は、図4A、4B、及び4Cのパッケージ310と同様である。パッケージ310の要素に対応する発光パッケージ410の要素は、100だけオフセットした参照符号によって表記されている。パッケージ410は、チップキャリア414の上部主表面上に配置された導電層420、422、424に電気的に接続されている4つの発光チップ412A、412B、412C、412Dを含む。導電層420、422、424は、層424が層420、422の間に配置されて直列相互接続端子として機能するように構成されている。導電層420、424は、ギャップ428によって隔てられ、他方、導電層422、424はギャップ430によって隔てられている。発光チップ412A、412Bは非反転方向で構成され、各チップの導電性裏面は、導電層420に接合される電極としての役割を果たす。発光チップ412C、412Dは同様に非反転方向で構成され、各チップの導電性裏面は、導電層424に接合される電極としての役割を果たす。発光チップ412Aの表側電極は、ワイヤボンディング490Aによってギャップ428を跨いで導電層424にワイヤボンディングされる。同様に発光チップ412Bの表側電極は、ワイヤボンディング490Bによってギャップ428を跨いで導電層424にワイヤボンディングされる。発光チップ412Cの表側電極は、ワイヤボンディング490Cによってギャップ430を跨いで導電層422にワイヤボンディングされる。発光チップ412Dの表側電極は、ワイヤボンディング490Dによってギャップ430を跨いで導電層422にワイヤボンディングされる。このように、発光チップ412A、412Bは互いに電気的に並列接続され、同様に発光チップ412C、412Dは互いに電気的に並列接続されている。チップ412A、412Bの並列組合せは、直列相互接続端子導電層424を介してチップ412C、412Dの並列組合せに電気的に直列接続されている。
【0028】
リードフレーム要素440、442は、チップキャリア414の上部主表面上に配置された導電層420、422とハンダ付けされ、或いは電気的に接触し接合される。パッケージ10、110の対応するリードフレーム要素と同様に、リードフレーム要素440、442は各々、電気リード部446、452がチップキャリア414の下部主表面とほぼ同一平面上にあるようにする曲げ部448、454を含み、その結果、発光チップパッケージ410が、リード部446、452をプリント基板又は他の支持体にハンダ付け又は接続することで表面実装可能となる。好ましくは表面実装はまた、チップキャリア414の下部主表面とプリント基板又は他の支持体との間にハンダ接合部又は他の熱接触部を形成する段階を含む。カプセル化材料又は蛍光体は発光パッケージ410に含まれていないが、カプセル化材料、蛍光体、光学構成要素、又は同様のものが任意選択的に含まれることは理解されるであろう。
【0029】
図3及び図5において、各チップの表側電極を電気接続するために単一のワイヤボンディングが用いられ、各チップの第2の電極は、チップの導電性裏面に対応する。しかしながら、絶縁性裏面と、チップキャリアの表側主表面上に配置された導電フィルムの1つに各々ワイヤボンディングされている2つの表側コンタクトとを利用することも企図される。
【0030】
本明細書で説明される発光パッケージは、電子パッケージ化処理を用いて適切に組立てられる。1つの例示的なプロセスは以下の通りである。プロセスは、好ましくは多数の発光パッケージを生成するためにダイスされることになるチップキャリアウェーハで始まり、これらの発光パッケージは、各々がチップキャリアウェーハからダイスされたチップキャリアを含む。チップキャリアが導電性である場合には、少なくとも上部主表面上に電気絶縁層を形成するように被覆、酸化、或いは他の方法で処理されるのが好ましい。導電層間に電気隔離ギャップを形成するリソグラフィ技術に関連する金属蒸着、電気メッキ、又は同様のものを用いてチップキャリアの上部主表面上に2つ又はそれ以上のパターン化導電層が形成される。これらのパターン化導電層は、図1のパッケージの層20、22のように電気端子導電層である。任意選択的にチップキャリアの下部主表面もまた金属被覆され、下部主表面を通って熱伝導性を改善するためハンダ取付を可能にする。発光チップは、フリップチップ接合、ワイヤボンディング、又は同様のものによってチップキャリアに機械的及び電気的に取付けられる。次いで、チップキャリアウェーハはダイスされ、取付けられた発光チップを有する複数のチップキャリアを生成する。
【0031】
ダイシングによって生成された各チップキャリアは、以下のような例示的なプロセスで処理される。チップキャリアの上部主表面は、リードフレームにハンダ付けされる。好ましくは、2つのリードフレーム要素はこのハンダ付け中にタブ又は他の固定具によって共に固定され、1つの実施形態では、幾つかのこのようなリードフレームが自動的処理を容易にするために線形又は二次元アレイで共に固定される。発光チップ、チップキャリアの上部主表面、及びリードフレームの一部を覆ってカプセル化材料を形成するためにトランスファー成形プロセスが用いられる。成形ダイは、リード部及びチップキャリアの下部主表面が、成形されたカプセル化材料の外側に延びるように設計される。次いで、リードフレームのタブがカット又はトリミングされ、リードフレーム要素を電気的に隔て、ハンダ付け又は同様のものによる表面実装に好適な最終の発光パッケージが生成される。
【0032】
本発明を好ましい実施形態を参照しながら説明してきた。明らかなこととして、前述の詳細な説明を読み理解すると、当業者には修正及び変更が想起されることになる。このような修正及び変更が添付の請求項又はその均等物の範囲内にある限り、本発明は全てのこのような修正及び変更を含むものと解釈すべきであるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】プリント基板に表面実装されている発光パッケージの側面図である。
【図2A】別の発光パッケージの平面図である。
【図2B】別の発光パッケージの側面図である。
【図3】更に別の発光パッケージの平面図である。
【図4A】4つの発光チップがフリップチップ接合されているチップキャリアの平面図である。
【図4B】リードフレームの平面図である。
【図4C】図4A及び4Bの構成要素から構成される発光パッケージの側面図である。
【図5A】4つの発光チップが接合され、各チップの表側電極がワイヤボンディングされているチップキャリアの平面図である。
【図5B】リードフレームの平面図である。
【図5C】図5A及び5Bの構成要素から構成される発光パッケージの側面図である。
【符号の説明】
【0034】
10 表面実装発光パッケージ
12 発光チップ
14 チップキャリア
40、42 リードフレーム要素
60 カプセル化材料
70 プリント基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部及び下部の主表面を有するチップキャリアと、
前記チップキャリアの上部主表面に取付けられた少なくとも1つの発光チップと、
前記チップキャリアの上部主表面に取付けられたリードフレームと、
を備える発光パッケージ。
【請求項2】
少なくとも前記発光チップ及び前記チップキャリアの上部主表面をカプセル化するカプセル化材料を更に備え、前記チップキャリアの下部主表面及び前記リードフレームのリード部が前記カプセル化材料の外側に延びていることを特徴とする請求項1に記載の発光パッケージ。
【請求項3】
前記チップキャリアの上部主表面上に配置され、該上部主表面への前記リードフレームの取付部が電気的に接触する導電性材料の1つ又はそれ以上の区域を更に含む請求項1に記載の発光パッケージ。
【請求項4】
前記導電性材料の1つ又はそれ以上の区域が、
第1の電気端子を形成する導電性材料の第1の区域と、
前記第1の区域から電気的に絶縁され、前記第1の電気端子と反対の電気極性の第2の電気端子を形成する導電性材料の第2の区域と、
を含み、
前記発光チップの電極が前記第1及び第2の電気端子と電気的に接続され、前記リードフレームが前記第1及び第2の電気端子に取付けられていることを特徴とする請求項3に記載の発光パッケージ。
【請求項5】
前記発光チップは、前記第1及び第2の電気端子にフリップチップ接合されていることを特徴とする請求項4に記載の発光パッケージ。
【請求項6】
前記発光チップは、熱超音波接合、ハンダ、及び導電エポキシの1つを用いて前記第1及び第2の電気端子にフリップチップ接合されていることを特徴とする請求項4に記載の発光パッケージ。
【請求項7】
前記発光チップの少なくとも1つの電極は、前記第1及び第2の電気端子のうちの一方にワイヤボンディングされていることを特徴とする請求項4に記載の発光パッケージ。
【請求項8】
前記発光チップの別の電極が、前記第1及び第2の電気端子のうちの他方とワイヤボンディングされていることを特徴とする請求項7に記載の発光パッケージ。
【請求項9】
前記導電性材料の1つ又はそれ以上の区域が、
第1の電気端子を形成する導電性材料の第1の区域と、
前記第1の区域から電気的に絶縁され、前記第1の電気端子と反対の電気極性の第2の電気端子を形成する導電性材料の第2の区域と、
前記導電性材料の第1及び第2の区域から電気的に絶縁され、直列相互接続端子を形成する導電性材料の第3の区域と、
を含み、
前記発光チップが、第1及び第2の発光チップを含み、前記第1の発光チップの電極が前記第1の電気端子及び直列相互接続電気端子と電気的に接続され、前記第2の発光チップの電極が前記第2の電気端子及び直列相互接続電気端子と電気的に接続されており、前記リードフレームが前記第1及び第2の電気端子に取付けられていることを特徴とする請求項3に記載の発光パッケージ。
【請求項10】
前記発光パッケージが更に第3の発光チップを含み、該第3の発光チップの電極が、前記第1の電気端子及び直列相互接続電気端子と電気的に接続されていることを特徴とする請求項9に記載の発光パッケージ。
【請求項11】
前記発光チップが更に第4の発光チップを含み、該第4の発光チップの電極が、前記第2の電気端子及び直列相互接続電気端子と電気的に接続されていることを特徴とする請求項10に記載の発光パッケージ。
【請求項12】
前記第1電気端子及び直列相互接続電気端子と、前記第2電気端子及び直列相互接続電気端子とのうちの少なくとも一方と電気的に接続された少なくとも1つのツェナーダイオードを更に含む請求項9に記載の発光パッケージ。
【請求項13】
前記導電性材料の1つ又はそれ以上の区域に電気的に接触する少なくとも1つの電子構成要素を更に含み、該少なくとも1つの電子構成要素が、前記少なくとも1つの発光チップの動作を調節することを特徴とする請求項3に記載の発光パッケージ。
【請求項14】
前記少なくとも1つの電子構成要素が、静電放電保護を可能にするために前記発光チップと電気的に並列接続されるツェナーダイオードを含むことを特徴とする請求項13に記載の発光パッケージ。
【請求項15】
前記発光チップは、前記リードフレームを通じて電力を受取り、前記チップキャリアの前記下部主表面を通じては電力を受取らないことを特徴とする請求項1に記載の発光パッケージ。
【請求項16】
前記チップキャリアの下部主表面は、前記リードフレームから電気的に絶縁されていることを特徴とする請求項1に記載の発光パッケージ。
【請求項17】
前記リードフレームは、前記チップキャリアの上部主表面に取付けられた前記リードフレームの一部から延びる電気リード部を有し、該電気リード部は、前記チップキャリアの下部主表面とほぼ同一平面上にあるリード部分を含むように成形されていることを特徴とする請求項1に記載の発光パッケージ。
【請求項18】
前記チップキャリアの下部主表面は、実質的に非導電性と前記リードフレームから電気的に絶縁性のうちの少なくとも一方であることを特徴とする請求項17に記載の発光パッケージ。
【請求項19】
前記チップキャリア、発光チップ、及びリードフレームは、表面実装可能ユニットを形成し、前記発光パッケージは更にプリント回路を備え、前記表面実装可能ユニットが前記プリント回路上に実装されており、前記チップキャリアの下部主表面とほぼ同一平面上にある前記リード部分が、該プリント回路と電気的に接触していることを特徴とする請求項18に記載の発光パッケージ。
【請求項20】
前記プリント回路を含むプリント基板を更に備え、前記チップキャリアの下部主表面が、前記プリント基板と熱接触していることを特徴とする請求項19に記載の発光パッケージ。
【請求項21】
前記プリント回路が配置されたプリント基板を更に備え、前記チップキャリアの下部主表面が該プリント基板と直接接触していることを特徴とする請求項19に記載の発光パッケージ。
【請求項22】
前記チップキャリアが、前記プリント基板にハンダ付けされていることを特徴とする請求項21に記載の発光パッケージ。
【請求項23】
前記チップキャリアが、前記プリント基板にハンダ付けされており、前記ハンダ付け接続部が、熱伝導性であるが前記発光チップの動作時に電流は導通しないことを特徴とする請求項21に記載の発光パッケージ。
【請求項24】
前記プリント回路に接触している前記リード部分間の取付部が、該プリント基板に接触している前記チップキャリアの下部主表面の取付部とは異なることを特徴とする請求項21に記載の発光パッケージ。
【請求項25】
少なくとも前記発光チップと前記チップキャリアの上部主表面とをカプセル化するカプセル化材料を更に備え、前記チップキャリアの下部主表面と、前記チップキャリアの下部主表面とほぼ同一平面上にある少なくともリード部分とが、前記カプセル化材料の外側に延びていることを特徴とするカプセル化材料更に含む請求項21に記載の発光パッケージ。
【請求項26】
前記チップキャリアが半絶縁シリコンウェーハを含むことを特徴とする請求項1に記載の発光パッケージ。
【請求項27】
前記チップキャリアが、少なくとも前記上部主表面が絶縁層によって被覆された導電性シリコンを含むことを特徴とする請求項1に記載の発光パッケージ。
【請求項28】
前記チップキャリアは、少なくとも前記上部主表面が絶縁層によって被覆された金属を含むことを特徴とする請求項1に記載の発光パッケージ。
【請求項29】
前記チップキャリアが、熱伝導プラスチックを含むことを特徴とする請求項1に記載の発光パッケージ。
【請求項30】
前記チップキャリアがセラミックを含むことを特徴とする請求項1に記載の発光パッケージ。
【請求項31】
前記チップキャリアが電気絶縁性であり、前記リードフレームが導電性であることを特徴とする請求項1に記載の発光パッケージ。
【請求項32】
上部及び下部の主表面を有するチップキャリアと、
前記チップキャリアの上部主表面に取付けられた少なくとも1つの発光チップと、
前記少なくとも1つの発光チップの電極に電気的に接触しているリードフレームと、
プリント回路を含む支持体と、
を備え、
前記リードフレームが前記プリント回路に電気的に接触しており、前記チップキャリアが、間に前記リードフレームが介在せずに前記支持体に固定されていることを特徴とする発光素子。
【請求項33】
前記リードフレームが、
前記チップキャリアの上部主表面から前記プリント回路の第1の端子に延びる第1のリードフレーム要素と、
前記チップキャリアの上部主表面から前記プリント回路の第2の端子に延びる第2のリードフレーム要素と、
を含むことを特徴とする請求項32に記載の発光素子。
【請求項34】
前記チップキャリアは更に、
前記上部主表面上に配置され、前記第1のリードフレーム要素に電気的に接触している第1の導電層と、
前記上部主表面上に配置され、前記第2のリードフレーム要素に電気的に接触している第2の導電層と、
を備えることを特徴とする請求項33に記載の発光素子。
【請求項35】
前記発光チップの電極は、前記第1及び第2の導電層と電気的に接続されていることを特徴とする請求項34に記載の発光素子。
【請求項36】
前記第1及び第2のリードフレーム要素は、前記チップキャリアの上部主表面に機械的に接合されていることを特徴とする請求項34に記載の発光素子。
【請求項37】
前記少なくとも1つの発光チップは、少なくとも2つの発光チップを含み、前記チップキャリアが更に、前記上部主表面上に配置された第3の導電層を備え、前記2つの発光チップの電極が、前記第3の導電層に接触していることを特徴とする請求項34に記載の発光素子。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図4C】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図5C】
image rotate


【公表番号】特表2007−514320(P2007−514320A)
【公表日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−544014(P2006−544014)
【出願日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【国際出願番号】PCT/US2004/041392
【国際公開番号】WO2005/057672
【国際公開日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(503399964)ゲルコアー リミテッド ライアビリティ カンパニー (32)
【Fターム(参考)】