表面実装用とした恒温型の水晶発振器
【課題】高さ寸法を小さくした表面実装用の恒温型発振器を提供する。
【解決手段】水晶デバイス1とともに発熱用抵抗体5hを配設したセラミックからなる平板状の第1基板11aと、これと面対向して第1基板11aより平面外形が大きなガラスエポキシからなる矩形状の第2基板11bとを備え、第2基板11bは水晶デバイス1が挿入される開口部12を中央領域に有し、第1基板11aの表面外周及び第2基板11bの開口部12の周辺表面のそれぞれ対応する4箇所には端子部16aを有し、端子部16a同士は半田によって接続されており、第2基板11bの開口部12に挿入される水晶デバイス1の先端側頭部は開口部12の開口面内に位置し、第2基板11bの4箇所の端子部16aからはそれぞれ導電路が延出して第2基板11bの外側面を経て外部端子16cが外底面に形成された構成とする。
【解決手段】水晶デバイス1とともに発熱用抵抗体5hを配設したセラミックからなる平板状の第1基板11aと、これと面対向して第1基板11aより平面外形が大きなガラスエポキシからなる矩形状の第2基板11bとを備え、第2基板11bは水晶デバイス1が挿入される開口部12を中央領域に有し、第1基板11aの表面外周及び第2基板11bの開口部12の周辺表面のそれぞれ対応する4箇所には端子部16aを有し、端子部16a同士は半田によって接続されており、第2基板11bの開口部12に挿入される水晶デバイス1の先端側頭部は開口部12の開口面内に位置し、第2基板11bの4箇所の端子部16aからはそれぞれ導電路が延出して第2基板11bの外側面を経て外部端子16cが外底面に形成された構成とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表面実装用とした恒温型の水晶発振器(以下、恒温型発振器とする)を技術分野とし、特に低背化を促進した恒温型発振器に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
恒温型発振器は特に水晶振動子の動作温度を一定にすることから、その周波数温度特性に基づく周波数変化もなく、発振周波数を安定にする。これにより、発振周波数の安定度を例えばppb(1/10億)オーダとして基地局等の周波数源として適用される。近年では、このような高安定とする恒温型の水晶発振器においても、小型化特に表面実装用とした上でさらなる低背化が要求される。
【0003】
(従来技術の一例、特許文献1参照)
第11図(ab)及び第12図は一従来例を説明する図で、第11図(a)は恒温型発振器の概略的な回路図、同図(b)は構造断面図、第12図は水晶振動子の断面図である。
【0004】
恒温型発振器は、水晶振動子1及び発振部2を有する発振回路3と、特に水晶振動子1の動作温度を一定に制御する温度制御回路4とを基本的に有する。発振回路3は例えばコルピッツ型とし、ここでは電圧可変容量素子5Cvを水晶振動子1に接続した電圧制御型とする。発振回路は発振段のみならず例えば緩衝段をも有する。
【0005】
水晶振動子1は表面実装型(以下、表面実装振動子とする)とし、例えば積層セラミックからなる凹状の容器本体6に水晶片7を収容する。水晶片7は(第13図)、両主面に励振電極7aを有し、例えば一端部両側に引出電極7bを延出する。引出電極7bの延出した一端部両側は容器本体6の内底面に導電性接着剤8によって固着される。そして、容器本体6の開口端面に設けられた図示しない金属リングにシーム溶接等によって金属カバー9を接合し、水晶片7を密閉封入する。容器本体6の外底面には水晶片7の励振及び引出電極7(ab)並びに金属カバー9に電気的に接続した各2個の外部端子10(計4個)を有する。
【0006】
温度制御回路4はオペアンプ5OAとパワートランジスタ5Trを有する。オペアンプ5OAは分圧抵抗5(R1、R2)による基準電圧と、一方を感温素子例えばサーミスタ5thとした分圧抵抗5R3による温度検出電圧とを比較し、制御電圧を出力する。パワートランジスタ5Trは制御電圧によってコレクタ電流を増減し、発熱用抵抗体としてのチップ抵抗(以下、発熱抵抗とする)5hによる発熱量を制御する。これにより、特に、水晶振動子1の動作温度を一定に制御する。
【0007】
このようなものでは、例えば第1及び第2基板11(ab)を金属ピンPによって表面実装ベース13上に配置し、金属カバーを接合してなる。第1及び第2基板11(ab)にはいずれも図示しない回路パターンが形成される。第1基板11aは平板状のセラミックとし、第2基板11bは中央領域に開口部12を有するガラスエポキシとして第1基板11aよりも平面外形を大きくする。そして、表面実装ベース13に対向した第1基板11aの下面側に少なくとも表面実装振動子1を配置し、例えば上面側に発熱抵抗5h、サーミスタ等の感温素子5th及びパワートランジスタ5Trを配置する。これら以外の発振回路3や温度制御回路4の他の回路素子5は第1基板11aの上下面の外周部に配設される。
【0008】
第1基板11aの下面側は第2基板11bに面対向し、下面側の表面実装振動子1を含む回路素子5は第2基板11bの開口部12内に挿入される。そして、第1基板11aの外周が第2基板11bの開口部12の周辺表面に接合する。例えば第1基板11aの外周4角部に延出した回路パターンの延出端と、これに対応した第2基板11bの回路パターンの一端とが半田等によって電気的に接合する。そして、第2基板11bの回路パターンの他端は金属ピンPの挿入される4角部の小孔に延出する。
【0009】
表面実装ベース13は例えば2層基板としたガラスエポキシとする。そして、積層面の電極パッドから外側面を経て延出した実装端子としての外部端子14を外底面の4角部に有する。表面実装ベ−スの4角部には電極パッドに図示しない半田によって接合した金属ピンPを有する。そして、金属ピンPは第2基板11bの4角部の小孔に挿入し、半田によって回路パターンの他端と電気的に接続して第2基板11bを保持する。
【0010】
これらの構造によって、特に第1基板11aを熱伝導性に優れたセラミックとし、発熱抵抗5h及び水晶振動子1を配置するので、水晶振動子1への熱伝導を高める。また、第1基板11aの外周は熱伝導性の悪いガラスエポキシとした第2基板11bに面対向して電気的に接続し、第2基板11bの外周を外部端子14と接続した金属ピンPによって保持する。したがって、第1基板11a(セラミック)の発生熱は第2基板11b(ガラスエポキシ)によって遮断されるので、熱効率を高められる。そして、第1基板11aと第2基板11bとは従来(特許文献2)のように金属ピンPを使用した二段構造とすることがないので、高さ寸法を小さくできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2009−232239号公報
【特許文献2】特開2005−341191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
(従来技術の問題点)
しかしながら、上記構成の恒温型発振器では、第1基板11aの接合された第2基板11bを表面実装ベース13上に金属ピンPを用いて保持するので、高さ寸法を充分に小さくできない問題があった。この例では、表面実装ベース13の厚みt1は1.2mm、表面実装ベース13から第2基板11bまでの間隔t2は0.5mm、第2基板11bの厚みt3は0.8mm、第1基板11aの厚みt4は0.5mm、回路素子5の最大厚みt5は0.9mm、第1基板11aから金属カバー9までの間隔t6は0.8mm、金属カバー9の厚みt7は0.3mmとなる。なお、表面実装ベース13の実装端子10は厚みが40μm以下なので省略してある。
【0013】
これらから、表面実装用とした恒温型発振器の全体の高さとしては、この例では5.0mm程度となり、当業界での市場でも5mm以下としたものは散見されない。したがって、恒温型発振器以外の例えば温度補償水晶発振器(TCXO)等の2mm以下としたものに比較して各段に背丈が高く、低背化が要求される。
【0014】
(発明の目的)
本発明は高さ寸法をさらに小さくした表面実装用の恒温型発振器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、特許請求の範囲(請求項1)に示したように、少なくとも外底面に実装端子を有する表面実装用の水晶デバイスとともに発熱用抵抗体を配設したセラミックからなる矩形状とした平板状の第1基板と、前記第1基板と長さ及び幅方向が一致して面対向するとともに前記第1基板よりも平面外形が大きなガラスエポキシからなる矩形状の第2基板とを備え、前記第2基板は前記水晶デバイスが挿入される開口部を中央領域に有して、前記水晶デバイスの配設される第1基板の表面外周及び前記第2基板の開口部の周辺表面のそれぞれ対応する4箇所には端子部を有し、前記第1及び第2基板の端子部同士は半田によって電気的・機械的に接続されてなる表面実装用とした恒温型の水晶発振器において、前記第2基板の開口部に挿入される前記水晶デバイスの先端側頭部は前記開口部の開口面内に位置し、前記第2基板の4箇所の端子部からはそれぞれ導電路が延出して前記第2基板の外側面を経て外部端子が外底面に形成された構成とする。
【発明の効果】
【0016】
このような構成であれば、表面実装用の水晶デバイスを含む回路素子を配設したセラミックからなる第1基板と、外底面に実装端子を有してガラスエポキシからなる第2基板とを面対向して電気的・機械的に接続する。そして、水晶デバイスの先端側頭部を第2基板の開口部の開口面内として恒温型発振器を構成する。したがって、従来例での表面実装ベース上に金属ピンによって第1基板が面接合した第2基板を保持したものに比較して、高さ寸法を大幅に小さくできる。そして、水晶デバイスを第2基板の開口部の開口面内とするので、第2基板の外底面に設けた外部端子によって、表面実装用とした恒温型発振器を得られる。
【0017】
また、水晶デバイス及び発熱用抵抗体の設けられる第1基板をセラミックとして、水晶デバイスはガラスエポキシとした第2基板の開口部の開口面内に挿入される。したがって、他の電子部品とともに搭載されるセット基板(通常ではガラスエポキシ)に表面実装した際、水晶デバイスの外底面は抵抗体を発熱源とした熱伝導性が良好な第1基板(セラミック)に、4つの外側面は熱伝導性が悪くて遮熱効果を有する第2基板(ガラスエポキシ)の開口部内周に、先端側はセット基板に対面して取り囲まれる。これにより、言わば、擬似密閉空間を形成する。
【0018】
したがって、発熱用抵抗体による熱は開口部内に滞留して熱が逃げにくくなるので、熱エネルギーを効率的にするとともに温度制御を容易にする。これらの場合、発熱用抵抗体は第1基板(セラミック)を加熱すればよいので、第1基板の水晶デバイスが配設される一主面、これとは反対面の他主面、基板に設けた凹所内に配置したり、あるいは基板内に埋設したりしてもよい。
【0019】
(実施態様項)
本発明の請求項2では、請求項1において、前記第2基板の4箇所の端子部は一組の対向辺に2個ずつが設けられ、前記第2基板の外部端子は前記一組の対向辺とは直交する他組の対向辺に2個ずつが設けられる。したがって、平面外形が小さくなっても、端子部と外部端子とが電気的に短絡することなく配置できて、平面外形をコンパクトにできる。
【0020】
同請求項3では、請求項1において、前記矩形状は長方形であって、前記端子部の2個ずつが設けられる一組の対向辺は長さ方向の両端側であり、前記実装端子の2個ずつが設けられる他組の対向辺は幅方向の両側とする。これにより、矩形状をさらに明確にするとともに、例えば端子部及び外部端子をいずれも長さ方向の両端側に2個ずつとした場合に比較し、長さ方向を短くしてコンパクトな平面形状にする。
【0021】
同請求項4では、請求項1において、前記第1基板の一主面には前記水晶デバイスとともに少なくとも前記発熱用抵抗体が設けられて前記第2基板の開口部内に挿入される。これにより、発熱用抵抗体を第1基板の一主面とは反対面の他主面に設けた場合に比較し、発熱用抵抗体はガラスエポキシとした第2基板の内周及びセット基板に遮断されて擬似密閉空間に配置される。したがって、直接的に開口部内(擬似密閉空間)を加熱するので、熱エネルギーを効率的にする。
【0022】
同請求項5では、請求項4において、前記発熱用抵抗体は膜抵抗として前記水晶デバイスの外底面に対面して前記第1基板の一主面に形成される。これにより、水晶デバイスの外底面と膜抵抗とが対面するので、外底面に対して膜抵抗からの熱が全面的に供給されるので、熱に対する応答性を良好にする。
【0023】
同請求項6では、請求項1において、前記水晶デバイスは水晶片を密閉封入した水晶振動子とし、前記水晶振動子が配設される第1基板の一主面及び反対面の他主面には前記発熱用抵抗体以外に発振用及び温度制御用の回路素子が配設される。これにより、請求項1の構成をさらに明確にし、恒温型発振器を形成できる。
【0024】
同請求項7では、請求項6において、前記第1基板の一主面及び他主面に配設された回路素子は少なくともいずれか一方の主面に配設された回路素子がシールド用の金属カバーで覆われる。これにより、所謂EMI対策となる。
【0025】
同請求項8では、請求項1において、前記水晶デバイスは水晶片を密閉封入した水晶振動子とし、前記水晶振動子の配設される第1基板の一主面には少なくとも発振回路を集積化したICチップを含む回路素子が配設され、前記第1基板の他主面は全表面が露出する。これにより、高さ寸法をさらに小さくできる。
【0026】
同請求項9では、請求項8において、前記第1基板の他主面にはシールド用の金属膜が設けられる。これにより、EMI対策となる。
【0027】
同請求項10では、請求項1において、前記水晶デバイスは水晶片とともに少なくとも発振回路3を集積化したICチップを密閉封入した水晶発振器とする。この場合、水晶片とICチップとを密閉封入した水晶発振器がセット基板に搭載されて擬似密閉空間部となる第2基板の開口部内に封じ込められるので、水晶発振器内部の温度をさらに安定にする。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1実施形態を説明する表面実装用とした恒温型発振器の図で、同図(a)は平面図、同図(b)はA−A断面図、同図(c)は底面図である。
【図2】本発明の第1実施形態を説明する表面実装用とした恒温型発振器の正面図である。
【図3】本発明の第1実施形態を説明する第1基板の図で、同図(a)は平面図、同図(b)ははB−B断面図、同図(c)は底面図である。
【図4】本発明の第1実施形態を説明する第2基板の図で、同図(a)は平面図、同図(b)は正面図、同図(c)は底面図である。
【図5】本発明の第1実施形態の作用を説明するセット基板に対する恒温型発振器の装着断面図である。
【図6】本発明の第1実施形態の他例を説明する表面実装用とした恒温型発振器の図で、同図(ab)ともに断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態を説明する表面実装用とした恒温型発振器の図で、同図(a)は断面図、同図(b)は底面図である。
【図8】本発明の第2実施形態の他例を説明する第2基板の一部底面図である。
【図9】本発明の第3実施形態を説明する表面実装用とした恒温型発振器の図で、同図(a)は断面図、同図(b)は底面図である。
【図10】本発明の第4実施形態を説明する図で、同図(a)は表面実装用とした恒温型発振器の断面図、同図(b)は表面実装発振器の断面図である。
【図11】従来例を説明する恒温型発振器の図で、同図(a)は概略的な回路図、同図(b)は構造断面図である。
【図12】従来例を説明する水晶振動子の断面図である。
【図13】従来例を説明する水晶片の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を第1図(恒温型発振器の平面図、断面図、底面図)、第2図(同正面図)及び第3図(第1基板)、第4図(第2基板)によって説明する。なお、前従来例と同一部分には同番号を付与してその説明は簡略又は省略する。
【0030】
恒温型発振器は、前述したように、セラミックからなる平板状の第1基板11a と、中央領域に開口部12を有してガラスエポキシからなる第2基板11bとを基本的に備える。第1及び第2基板11(ab)はいずれも矩形状ここでは長方形として第2基板11bは第1基板11aよりも平面外形を大きくし、両者は長さ及び幅方向を一致させて面対向する。そして、第1基板11aの下面側となる一主面には水晶片7を密閉封入して外底面に実装端子(不図示)を有する表面実装振動子1を中央領域として、その外周及び一主面の反対面となる他主面(上面側)には回路素子5が配設される。
【0031】
ここでは、第1基板11aの一主面(下面側)の回路素子5は、少なくとも、発熱抵抗5h、パワートランジスタ5Tr及び感温素子5thとし、水晶振動子1を取り囲んで配置される。この例では、特に温度に依存して特性が変化しやすい電圧可変容量素子5Vc等の回路素子5もこれらの外周側に配置される。また、第1基板11aの他主面(上面側)には、一主面の回路素子5を除く、発振用及び温度制御用の回路素子5等が配設される。
【0032】
第1基板11aの一主面の中央領域に配置された水晶振動子1を含む回路素子5は、第2基板11bの開口部12内に挿入される。この場合、高さの最も大きい水晶振動子1の先端側頭部(金属カバー9側)は、第2基板11bの開口面から突出することなく、第2基板11bの開口面内とする。そして、第1基板11aの一主面の表面外周は第2基板11bの開口部12の周辺表面に接合する。
【0033】
ここで、発振用や温度制御用の回路素子5が配設される第1基板11aの上面側の他主面には(第3図)、各回路素子5間を電気的に接続する図示しない回路パターンを有する。そして、回路パターンの導電路15aが長さ方向の両端側の両角部側に延出し、スルーホール加工による端面電極15bを経て下面の4箇所となる4角部の端子部15cと電気的に接続する。4角部の端子部15cは長さ方向の両端側即ち一組の対向辺の両角部側として2個ずつ設けられる。
【0034】
第1基板11aと面対向する第2基板11bの上面には、第1基板11aの端子部15cと対応した長辺方向の一組の対向辺の両角部側に端子部16aを有する。そして、各端子部16aはそれぞれ隣接する幅方向の両端側即ち他組の対向辺のスルーホール加工による端面電極16bを経て実装端子としての下面の外部端子16cと電気的に接続する。要するに、第2基板11bの下面の外部端子16cは、2個ずつの端子部16aが設けられる一組の対向辺とは直交する他組の対向辺に2個ずつが設けられる。そして、第1基板11aと第2基板11bとの長辺方向の両端側の2個ずつの計4個の端子部(15、16)同士が図示しない半田によって接合し、第1及び第2基板11(b)が一体される。
【0035】
このような構成であれば、発明の効果でも記載するように、表面実装振動子1を含む回路素子5を配設したセラミックからなる第1基板11aと、外部端子16cを下面の外底面に有してガラスエポキシからなる第2基板11bとを面対向して電気的・機械的に接続する。そして、表面実装振動子1の先端側頭部を第2基板11bの開口部12の開口面内に挿入し、表面実装用の恒温型発振器を構成する。したがって、従来例での表面実装ベース13上に金属ピンPによって、第1基板11aが接合した第2基板11bを保持したものに比較して、高さ寸法を大幅に小さくできる。
【0036】
すなわち、本実施形態では、従来例での表面実装ベース13の厚みt1、第2基板11bまでの間隔t2、回路素子5から金属カバー9の上面までの間隔(t6+t7)を排除する。そして、第2基板11b、第1基板11a及び回路素子5の厚み(t3+t4+t5)のみとなるので格段に高さ寸法を小さくできる。ちなみに、表面実装振動子1の高さよりも第2基板11bの厚みt3を従来例(0.8mm)よりも高い1.2mmとし、第1基板11aの厚みt4(0.5mm)、回路素子5の最大高さt5(0.8mm)を従来同様とする。したがって、全体の高さは2.5mmとなって、従来例の5.0mmの半分の高さとなる。
【0037】
また、表面実装振動子1等の設けられる第1基板11aをセラミックとし、表面実装振動子1等はガラスエポキシとした第2基板11bの開口部12の開口面内に挿入される。ここでは、少なくとも表面実装振動子1とともにその加熱源である発熱抵抗5h及びパワートランジスタ5Trさらには感温素子5thが第2基板11bの開口部12内に挿入される。そして、第5図に示したように、他の電子部品とともに搭載されるガラスエポキシからなるセット基板17に表面実装される。
【0038】
したがって、表面実装振動子1の外底面は抵抗体を発熱源とした熱伝導性が良好な第1基板11a(セラミック)に、4つの外側面は熱伝導性が悪くて遮熱効果を有する第2基板11b(ガラスエポキシ)の開口部12内に、先端側頭部(金属カバー9側)はセット基板17に対面して取り囲まれる。この場合、第2基板11bの開口面とセット基板17との間隙は、第2基板11bの外部端子16c及びセット基板17の不図示の回路端子及び半田の合計厚みで僅か約200μmとなる。したがって、第2基板11bの開口部12は、言わば、擬似密閉空間を形成する。
【0039】
これらにより、発熱抵抗5hやパワートランジスタ5trによる熱は開口部12内に滞留して熱が逃げにくくなるので、熱エネルギーを効率的にするとともに温度制御を容易にする。ここでは、熱源としての発熱抵抗5h及びパワートランジスタ5Trが擬似密閉空間となる開口部12内に配置される。したがって、擬似密閉空間を直接的に加熱するので、特に熱エネルギーを効率的にする。そして、感温素子5thも擬似密閉空間内とし、水晶振動子1に対する加熱温度に応じた温度を検出するので、リアルタイムな温度制御になる。
【0040】
また、第1基板11aの4箇所の端子部15cに対応した第2基板11bの端子部16aは一組の対向辺(長辺方向の両端側)に2個ずつが設けられる。そして、第2基板11bの外部端子16cは一組の対向辺とは直交する他組の対向辺(幅方向の両端側)に2個ずつが設けられる。したがって、平面外形が小さくなっても、端子部16aと外部端子16cとが電気的に短絡することなく、平面外形をコンパクトにできる。例えば端子部16a及び外部端子16cをいずれも長さ方向の両端側に2個ずつとした場合に比較し、長さ方向を短くしてコンパクトな平面形状にする。但し、これらの端子部16aや外部端子16cは、必要に応じて4角部等を含めて任意の箇所に設けることもできる。
【0041】
(第1実施形態での他例)
ここでは、例えば第6図(a)に示したように、凹状とした金属カバー17の開口端面を第2基板11bの外周に接合し、上面側からの電界を遮蔽する。例えば金属カバー17の開口端面には爪を有し、第2基板11bの電極孔に挿入される。さらに、第6図(b)に示したように、例えば水晶振動子1の金属カバー9に例えば金属板18を接合して外周の回路素子5を覆って下面側からの電界を遮蔽する。これにより、EMI対策となる。
【0042】
この場合、水晶振動子1の金属カバー9はシールド用としてアースに接地されるので、金属板18もまたシールド用となる。勿論、第2基板11bの開口端面に段部を設けて金属板18を配置してシールド用とすることもできる。但し、この場合は、第2基板11bが積層構造となるので経済的に不利となる。これらのシールド機能は必要に応じて設けられ、以下の実施形態でも同様である。
【0043】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態(第7図の断面図及び底面図)では、発熱用抵抗体を第1実施形態でのチップ素子(発熱抵抗5h)から膜抵抗(発熱抵抗膜とする)5h′とし、さらに感温素子としてのサーミスタ5thをも膜抵抗(サーミスタ膜5th′)とする。ここでは、表面実装振動子1の外底面の中央領域にて対面して第1基板11aの一主面(下面側)に形成する。また、感温素子としてのサーミスタ膜5th′は表面実装振動子1の外底面に対面するとともに、発熱抵抗膜5h′に隣接して形成される。そして、表面実装振動子1の外周には熱源となるパワートランジスタ5Trや温度依存性の高い電圧可変容量素子5Cv等が配置される。なお、図中の符号19は、表面実装振動子1の実装端子10を含み、第1基板11aの回路端子及び両者を接続する半田を指す。
【0044】
これによれば、第1実施形態と同様に、恒温型発振器の高さ寸法を小さくするとともに、熱エネルギーを効率化する等の効果を奏する。そして、ここでは、特に、発熱抵抗膜5h′が表面実装振動子1の外底面に近接して対面するので、発熱抵抗膜5h′からの熱が直接的に伝熱されて応答性を良好にする。なお、発熱抵抗膜5h′が表面実装振動子1の外底面に接触させることもでき、さらに応答性を高められる。
【0045】
(第2実施形態の他例)
ここでは、第8図(第1基板11aの下面となる一部底面図)に示したように、発熱膜抵抗膜5h′は表面実装振動子1の外底面に対向するとともに、表面実装振動子1の実装端子が接続する回路端子20を取り囲んで形成される。この場合、表面実装振動子1の実装端子中の水晶端子例えば一組の対角方向の2個が水晶片7の励振電極と電気的に接続する。したがって、水晶端子と接続する回路端子20を取り囲んだ発熱抵抗膜5h′は、表面実装振動子1の動作温度となる励振電極部を直接的に加熱するので、加熱効率を高める。また、他組の対角方向の実装端子であるアース端子は金属カバー9と枠壁の貫通電極(ビアホール)によって電気的に接続するので、金属カバー9が直接的に加熱されてさらに加熱効率を高められる。なお、回路端子20は貫通電極20aによって第1基板11aの上面側の回路パターンと電気的に接続する。
【0046】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態(第9図の断面図及び底面図)では、第2実施形態での発振用及び温度制御用の回路素子5の殆どを集積化したICチップ21を第1基板11a の一主面に例えばフリップチップボンディングによって配置する。ICチップ21は不図示の樹脂によって覆われる。ここでは、例えばパワートランジスタ5Trや発熱抵抗膜5h′、サーミスタ膜5th′、さらには集積化を困難とする大容量のコンデンサ等や、例えば発振周波数の調整を要する回路素子5を除いて集積化される。そして、第1基板11aの一主面とは反対面となる他主面(上面)は全表面が露出する。
【0047】
これにより、第1基板11aの他主面上の回路素子5を排除して高さ寸法をさらに小さくできる。なお、この例では、第1基板11aの他主面にはシールド用の金属膜22が形成され、図示しない導電路によってアース用の外部端子16cに電気的に接続する。また、温度制御回路4はディスクリート部品として第1基板11aの一主面に配設し、発振回路3のみを集積することもできる。
【0048】
(第4実施形態)
第4実施形態(第10図の恒温型発振器及び表面実装発振器の断面図)では、表面実装デバイスをこれまでの実施形態での表面実装振動子1に代え、表面実装発振器23とする。表面実装発振器23は積層セラミックからなる容器本体24の内底面に発振回路3を集積化したICチップ25を例えばフリップチップボンディングによって固着する。そして、容器本体6の内壁段部に水晶片7の一端部両側を導電性接着剤8によって固着し、開口端面に金属カバー26を接合してこれらを密閉封入する。ここでは、温度制御用や調整用の回路素子5が表面実装発振器の外周に配設される。
【0049】
これによれば、表面実装発振器23は独立的に形成されるので、設計を容易にする。そして、例えば表面実装発振器23を温度補償型(所謂TCXO)とすることにより、温度制御回路4の例えば85℃を中心とした精度を緩くしても、TCXOの温度補償機構によって高精度な温度補償を可能にする。したがって、温度制御回路4の設計を容易にする。
【符号の説明】
【0050】
1 水晶振動子(表面実装振動子)、2 発振部、3 発振回路、4 温度制御回路、5 回路素子、6、24 容器本体、7 水晶片、8 導電性接着剤、9、26 金属カバー、10 実装端子、11a 第1基板、11b 第2基板、12 開口部、13 表面実装ベース、14 外部端子、15a 導電路、15b、16b 端面電極、15c、16a 端子部、17 セット基板、18 金属板、19 実装端子、回路端子、半田、20 回路端子、20a 貫通電極、21、25 ICチップ、22 金属膜、23 表面実装発振器。
【技術分野】
【0001】
本発明は表面実装用とした恒温型の水晶発振器(以下、恒温型発振器とする)を技術分野とし、特に低背化を促進した恒温型発振器に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
恒温型発振器は特に水晶振動子の動作温度を一定にすることから、その周波数温度特性に基づく周波数変化もなく、発振周波数を安定にする。これにより、発振周波数の安定度を例えばppb(1/10億)オーダとして基地局等の周波数源として適用される。近年では、このような高安定とする恒温型の水晶発振器においても、小型化特に表面実装用とした上でさらなる低背化が要求される。
【0003】
(従来技術の一例、特許文献1参照)
第11図(ab)及び第12図は一従来例を説明する図で、第11図(a)は恒温型発振器の概略的な回路図、同図(b)は構造断面図、第12図は水晶振動子の断面図である。
【0004】
恒温型発振器は、水晶振動子1及び発振部2を有する発振回路3と、特に水晶振動子1の動作温度を一定に制御する温度制御回路4とを基本的に有する。発振回路3は例えばコルピッツ型とし、ここでは電圧可変容量素子5Cvを水晶振動子1に接続した電圧制御型とする。発振回路は発振段のみならず例えば緩衝段をも有する。
【0005】
水晶振動子1は表面実装型(以下、表面実装振動子とする)とし、例えば積層セラミックからなる凹状の容器本体6に水晶片7を収容する。水晶片7は(第13図)、両主面に励振電極7aを有し、例えば一端部両側に引出電極7bを延出する。引出電極7bの延出した一端部両側は容器本体6の内底面に導電性接着剤8によって固着される。そして、容器本体6の開口端面に設けられた図示しない金属リングにシーム溶接等によって金属カバー9を接合し、水晶片7を密閉封入する。容器本体6の外底面には水晶片7の励振及び引出電極7(ab)並びに金属カバー9に電気的に接続した各2個の外部端子10(計4個)を有する。
【0006】
温度制御回路4はオペアンプ5OAとパワートランジスタ5Trを有する。オペアンプ5OAは分圧抵抗5(R1、R2)による基準電圧と、一方を感温素子例えばサーミスタ5thとした分圧抵抗5R3による温度検出電圧とを比較し、制御電圧を出力する。パワートランジスタ5Trは制御電圧によってコレクタ電流を増減し、発熱用抵抗体としてのチップ抵抗(以下、発熱抵抗とする)5hによる発熱量を制御する。これにより、特に、水晶振動子1の動作温度を一定に制御する。
【0007】
このようなものでは、例えば第1及び第2基板11(ab)を金属ピンPによって表面実装ベース13上に配置し、金属カバーを接合してなる。第1及び第2基板11(ab)にはいずれも図示しない回路パターンが形成される。第1基板11aは平板状のセラミックとし、第2基板11bは中央領域に開口部12を有するガラスエポキシとして第1基板11aよりも平面外形を大きくする。そして、表面実装ベース13に対向した第1基板11aの下面側に少なくとも表面実装振動子1を配置し、例えば上面側に発熱抵抗5h、サーミスタ等の感温素子5th及びパワートランジスタ5Trを配置する。これら以外の発振回路3や温度制御回路4の他の回路素子5は第1基板11aの上下面の外周部に配設される。
【0008】
第1基板11aの下面側は第2基板11bに面対向し、下面側の表面実装振動子1を含む回路素子5は第2基板11bの開口部12内に挿入される。そして、第1基板11aの外周が第2基板11bの開口部12の周辺表面に接合する。例えば第1基板11aの外周4角部に延出した回路パターンの延出端と、これに対応した第2基板11bの回路パターンの一端とが半田等によって電気的に接合する。そして、第2基板11bの回路パターンの他端は金属ピンPの挿入される4角部の小孔に延出する。
【0009】
表面実装ベース13は例えば2層基板としたガラスエポキシとする。そして、積層面の電極パッドから外側面を経て延出した実装端子としての外部端子14を外底面の4角部に有する。表面実装ベ−スの4角部には電極パッドに図示しない半田によって接合した金属ピンPを有する。そして、金属ピンPは第2基板11bの4角部の小孔に挿入し、半田によって回路パターンの他端と電気的に接続して第2基板11bを保持する。
【0010】
これらの構造によって、特に第1基板11aを熱伝導性に優れたセラミックとし、発熱抵抗5h及び水晶振動子1を配置するので、水晶振動子1への熱伝導を高める。また、第1基板11aの外周は熱伝導性の悪いガラスエポキシとした第2基板11bに面対向して電気的に接続し、第2基板11bの外周を外部端子14と接続した金属ピンPによって保持する。したがって、第1基板11a(セラミック)の発生熱は第2基板11b(ガラスエポキシ)によって遮断されるので、熱効率を高められる。そして、第1基板11aと第2基板11bとは従来(特許文献2)のように金属ピンPを使用した二段構造とすることがないので、高さ寸法を小さくできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2009−232239号公報
【特許文献2】特開2005−341191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
(従来技術の問題点)
しかしながら、上記構成の恒温型発振器では、第1基板11aの接合された第2基板11bを表面実装ベース13上に金属ピンPを用いて保持するので、高さ寸法を充分に小さくできない問題があった。この例では、表面実装ベース13の厚みt1は1.2mm、表面実装ベース13から第2基板11bまでの間隔t2は0.5mm、第2基板11bの厚みt3は0.8mm、第1基板11aの厚みt4は0.5mm、回路素子5の最大厚みt5は0.9mm、第1基板11aから金属カバー9までの間隔t6は0.8mm、金属カバー9の厚みt7は0.3mmとなる。なお、表面実装ベース13の実装端子10は厚みが40μm以下なので省略してある。
【0013】
これらから、表面実装用とした恒温型発振器の全体の高さとしては、この例では5.0mm程度となり、当業界での市場でも5mm以下としたものは散見されない。したがって、恒温型発振器以外の例えば温度補償水晶発振器(TCXO)等の2mm以下としたものに比較して各段に背丈が高く、低背化が要求される。
【0014】
(発明の目的)
本発明は高さ寸法をさらに小さくした表面実装用の恒温型発振器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、特許請求の範囲(請求項1)に示したように、少なくとも外底面に実装端子を有する表面実装用の水晶デバイスとともに発熱用抵抗体を配設したセラミックからなる矩形状とした平板状の第1基板と、前記第1基板と長さ及び幅方向が一致して面対向するとともに前記第1基板よりも平面外形が大きなガラスエポキシからなる矩形状の第2基板とを備え、前記第2基板は前記水晶デバイスが挿入される開口部を中央領域に有して、前記水晶デバイスの配設される第1基板の表面外周及び前記第2基板の開口部の周辺表面のそれぞれ対応する4箇所には端子部を有し、前記第1及び第2基板の端子部同士は半田によって電気的・機械的に接続されてなる表面実装用とした恒温型の水晶発振器において、前記第2基板の開口部に挿入される前記水晶デバイスの先端側頭部は前記開口部の開口面内に位置し、前記第2基板の4箇所の端子部からはそれぞれ導電路が延出して前記第2基板の外側面を経て外部端子が外底面に形成された構成とする。
【発明の効果】
【0016】
このような構成であれば、表面実装用の水晶デバイスを含む回路素子を配設したセラミックからなる第1基板と、外底面に実装端子を有してガラスエポキシからなる第2基板とを面対向して電気的・機械的に接続する。そして、水晶デバイスの先端側頭部を第2基板の開口部の開口面内として恒温型発振器を構成する。したがって、従来例での表面実装ベース上に金属ピンによって第1基板が面接合した第2基板を保持したものに比較して、高さ寸法を大幅に小さくできる。そして、水晶デバイスを第2基板の開口部の開口面内とするので、第2基板の外底面に設けた外部端子によって、表面実装用とした恒温型発振器を得られる。
【0017】
また、水晶デバイス及び発熱用抵抗体の設けられる第1基板をセラミックとして、水晶デバイスはガラスエポキシとした第2基板の開口部の開口面内に挿入される。したがって、他の電子部品とともに搭載されるセット基板(通常ではガラスエポキシ)に表面実装した際、水晶デバイスの外底面は抵抗体を発熱源とした熱伝導性が良好な第1基板(セラミック)に、4つの外側面は熱伝導性が悪くて遮熱効果を有する第2基板(ガラスエポキシ)の開口部内周に、先端側はセット基板に対面して取り囲まれる。これにより、言わば、擬似密閉空間を形成する。
【0018】
したがって、発熱用抵抗体による熱は開口部内に滞留して熱が逃げにくくなるので、熱エネルギーを効率的にするとともに温度制御を容易にする。これらの場合、発熱用抵抗体は第1基板(セラミック)を加熱すればよいので、第1基板の水晶デバイスが配設される一主面、これとは反対面の他主面、基板に設けた凹所内に配置したり、あるいは基板内に埋設したりしてもよい。
【0019】
(実施態様項)
本発明の請求項2では、請求項1において、前記第2基板の4箇所の端子部は一組の対向辺に2個ずつが設けられ、前記第2基板の外部端子は前記一組の対向辺とは直交する他組の対向辺に2個ずつが設けられる。したがって、平面外形が小さくなっても、端子部と外部端子とが電気的に短絡することなく配置できて、平面外形をコンパクトにできる。
【0020】
同請求項3では、請求項1において、前記矩形状は長方形であって、前記端子部の2個ずつが設けられる一組の対向辺は長さ方向の両端側であり、前記実装端子の2個ずつが設けられる他組の対向辺は幅方向の両側とする。これにより、矩形状をさらに明確にするとともに、例えば端子部及び外部端子をいずれも長さ方向の両端側に2個ずつとした場合に比較し、長さ方向を短くしてコンパクトな平面形状にする。
【0021】
同請求項4では、請求項1において、前記第1基板の一主面には前記水晶デバイスとともに少なくとも前記発熱用抵抗体が設けられて前記第2基板の開口部内に挿入される。これにより、発熱用抵抗体を第1基板の一主面とは反対面の他主面に設けた場合に比較し、発熱用抵抗体はガラスエポキシとした第2基板の内周及びセット基板に遮断されて擬似密閉空間に配置される。したがって、直接的に開口部内(擬似密閉空間)を加熱するので、熱エネルギーを効率的にする。
【0022】
同請求項5では、請求項4において、前記発熱用抵抗体は膜抵抗として前記水晶デバイスの外底面に対面して前記第1基板の一主面に形成される。これにより、水晶デバイスの外底面と膜抵抗とが対面するので、外底面に対して膜抵抗からの熱が全面的に供給されるので、熱に対する応答性を良好にする。
【0023】
同請求項6では、請求項1において、前記水晶デバイスは水晶片を密閉封入した水晶振動子とし、前記水晶振動子が配設される第1基板の一主面及び反対面の他主面には前記発熱用抵抗体以外に発振用及び温度制御用の回路素子が配設される。これにより、請求項1の構成をさらに明確にし、恒温型発振器を形成できる。
【0024】
同請求項7では、請求項6において、前記第1基板の一主面及び他主面に配設された回路素子は少なくともいずれか一方の主面に配設された回路素子がシールド用の金属カバーで覆われる。これにより、所謂EMI対策となる。
【0025】
同請求項8では、請求項1において、前記水晶デバイスは水晶片を密閉封入した水晶振動子とし、前記水晶振動子の配設される第1基板の一主面には少なくとも発振回路を集積化したICチップを含む回路素子が配設され、前記第1基板の他主面は全表面が露出する。これにより、高さ寸法をさらに小さくできる。
【0026】
同請求項9では、請求項8において、前記第1基板の他主面にはシールド用の金属膜が設けられる。これにより、EMI対策となる。
【0027】
同請求項10では、請求項1において、前記水晶デバイスは水晶片とともに少なくとも発振回路3を集積化したICチップを密閉封入した水晶発振器とする。この場合、水晶片とICチップとを密閉封入した水晶発振器がセット基板に搭載されて擬似密閉空間部となる第2基板の開口部内に封じ込められるので、水晶発振器内部の温度をさらに安定にする。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1実施形態を説明する表面実装用とした恒温型発振器の図で、同図(a)は平面図、同図(b)はA−A断面図、同図(c)は底面図である。
【図2】本発明の第1実施形態を説明する表面実装用とした恒温型発振器の正面図である。
【図3】本発明の第1実施形態を説明する第1基板の図で、同図(a)は平面図、同図(b)ははB−B断面図、同図(c)は底面図である。
【図4】本発明の第1実施形態を説明する第2基板の図で、同図(a)は平面図、同図(b)は正面図、同図(c)は底面図である。
【図5】本発明の第1実施形態の作用を説明するセット基板に対する恒温型発振器の装着断面図である。
【図6】本発明の第1実施形態の他例を説明する表面実装用とした恒温型発振器の図で、同図(ab)ともに断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態を説明する表面実装用とした恒温型発振器の図で、同図(a)は断面図、同図(b)は底面図である。
【図8】本発明の第2実施形態の他例を説明する第2基板の一部底面図である。
【図9】本発明の第3実施形態を説明する表面実装用とした恒温型発振器の図で、同図(a)は断面図、同図(b)は底面図である。
【図10】本発明の第4実施形態を説明する図で、同図(a)は表面実装用とした恒温型発振器の断面図、同図(b)は表面実装発振器の断面図である。
【図11】従来例を説明する恒温型発振器の図で、同図(a)は概略的な回路図、同図(b)は構造断面図である。
【図12】従来例を説明する水晶振動子の断面図である。
【図13】従来例を説明する水晶片の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を第1図(恒温型発振器の平面図、断面図、底面図)、第2図(同正面図)及び第3図(第1基板)、第4図(第2基板)によって説明する。なお、前従来例と同一部分には同番号を付与してその説明は簡略又は省略する。
【0030】
恒温型発振器は、前述したように、セラミックからなる平板状の第1基板11a と、中央領域に開口部12を有してガラスエポキシからなる第2基板11bとを基本的に備える。第1及び第2基板11(ab)はいずれも矩形状ここでは長方形として第2基板11bは第1基板11aよりも平面外形を大きくし、両者は長さ及び幅方向を一致させて面対向する。そして、第1基板11aの下面側となる一主面には水晶片7を密閉封入して外底面に実装端子(不図示)を有する表面実装振動子1を中央領域として、その外周及び一主面の反対面となる他主面(上面側)には回路素子5が配設される。
【0031】
ここでは、第1基板11aの一主面(下面側)の回路素子5は、少なくとも、発熱抵抗5h、パワートランジスタ5Tr及び感温素子5thとし、水晶振動子1を取り囲んで配置される。この例では、特に温度に依存して特性が変化しやすい電圧可変容量素子5Vc等の回路素子5もこれらの外周側に配置される。また、第1基板11aの他主面(上面側)には、一主面の回路素子5を除く、発振用及び温度制御用の回路素子5等が配設される。
【0032】
第1基板11aの一主面の中央領域に配置された水晶振動子1を含む回路素子5は、第2基板11bの開口部12内に挿入される。この場合、高さの最も大きい水晶振動子1の先端側頭部(金属カバー9側)は、第2基板11bの開口面から突出することなく、第2基板11bの開口面内とする。そして、第1基板11aの一主面の表面外周は第2基板11bの開口部12の周辺表面に接合する。
【0033】
ここで、発振用や温度制御用の回路素子5が配設される第1基板11aの上面側の他主面には(第3図)、各回路素子5間を電気的に接続する図示しない回路パターンを有する。そして、回路パターンの導電路15aが長さ方向の両端側の両角部側に延出し、スルーホール加工による端面電極15bを経て下面の4箇所となる4角部の端子部15cと電気的に接続する。4角部の端子部15cは長さ方向の両端側即ち一組の対向辺の両角部側として2個ずつ設けられる。
【0034】
第1基板11aと面対向する第2基板11bの上面には、第1基板11aの端子部15cと対応した長辺方向の一組の対向辺の両角部側に端子部16aを有する。そして、各端子部16aはそれぞれ隣接する幅方向の両端側即ち他組の対向辺のスルーホール加工による端面電極16bを経て実装端子としての下面の外部端子16cと電気的に接続する。要するに、第2基板11bの下面の外部端子16cは、2個ずつの端子部16aが設けられる一組の対向辺とは直交する他組の対向辺に2個ずつが設けられる。そして、第1基板11aと第2基板11bとの長辺方向の両端側の2個ずつの計4個の端子部(15、16)同士が図示しない半田によって接合し、第1及び第2基板11(b)が一体される。
【0035】
このような構成であれば、発明の効果でも記載するように、表面実装振動子1を含む回路素子5を配設したセラミックからなる第1基板11aと、外部端子16cを下面の外底面に有してガラスエポキシからなる第2基板11bとを面対向して電気的・機械的に接続する。そして、表面実装振動子1の先端側頭部を第2基板11bの開口部12の開口面内に挿入し、表面実装用の恒温型発振器を構成する。したがって、従来例での表面実装ベース13上に金属ピンPによって、第1基板11aが接合した第2基板11bを保持したものに比較して、高さ寸法を大幅に小さくできる。
【0036】
すなわち、本実施形態では、従来例での表面実装ベース13の厚みt1、第2基板11bまでの間隔t2、回路素子5から金属カバー9の上面までの間隔(t6+t7)を排除する。そして、第2基板11b、第1基板11a及び回路素子5の厚み(t3+t4+t5)のみとなるので格段に高さ寸法を小さくできる。ちなみに、表面実装振動子1の高さよりも第2基板11bの厚みt3を従来例(0.8mm)よりも高い1.2mmとし、第1基板11aの厚みt4(0.5mm)、回路素子5の最大高さt5(0.8mm)を従来同様とする。したがって、全体の高さは2.5mmとなって、従来例の5.0mmの半分の高さとなる。
【0037】
また、表面実装振動子1等の設けられる第1基板11aをセラミックとし、表面実装振動子1等はガラスエポキシとした第2基板11bの開口部12の開口面内に挿入される。ここでは、少なくとも表面実装振動子1とともにその加熱源である発熱抵抗5h及びパワートランジスタ5Trさらには感温素子5thが第2基板11bの開口部12内に挿入される。そして、第5図に示したように、他の電子部品とともに搭載されるガラスエポキシからなるセット基板17に表面実装される。
【0038】
したがって、表面実装振動子1の外底面は抵抗体を発熱源とした熱伝導性が良好な第1基板11a(セラミック)に、4つの外側面は熱伝導性が悪くて遮熱効果を有する第2基板11b(ガラスエポキシ)の開口部12内に、先端側頭部(金属カバー9側)はセット基板17に対面して取り囲まれる。この場合、第2基板11bの開口面とセット基板17との間隙は、第2基板11bの外部端子16c及びセット基板17の不図示の回路端子及び半田の合計厚みで僅か約200μmとなる。したがって、第2基板11bの開口部12は、言わば、擬似密閉空間を形成する。
【0039】
これらにより、発熱抵抗5hやパワートランジスタ5trによる熱は開口部12内に滞留して熱が逃げにくくなるので、熱エネルギーを効率的にするとともに温度制御を容易にする。ここでは、熱源としての発熱抵抗5h及びパワートランジスタ5Trが擬似密閉空間となる開口部12内に配置される。したがって、擬似密閉空間を直接的に加熱するので、特に熱エネルギーを効率的にする。そして、感温素子5thも擬似密閉空間内とし、水晶振動子1に対する加熱温度に応じた温度を検出するので、リアルタイムな温度制御になる。
【0040】
また、第1基板11aの4箇所の端子部15cに対応した第2基板11bの端子部16aは一組の対向辺(長辺方向の両端側)に2個ずつが設けられる。そして、第2基板11bの外部端子16cは一組の対向辺とは直交する他組の対向辺(幅方向の両端側)に2個ずつが設けられる。したがって、平面外形が小さくなっても、端子部16aと外部端子16cとが電気的に短絡することなく、平面外形をコンパクトにできる。例えば端子部16a及び外部端子16cをいずれも長さ方向の両端側に2個ずつとした場合に比較し、長さ方向を短くしてコンパクトな平面形状にする。但し、これらの端子部16aや外部端子16cは、必要に応じて4角部等を含めて任意の箇所に設けることもできる。
【0041】
(第1実施形態での他例)
ここでは、例えば第6図(a)に示したように、凹状とした金属カバー17の開口端面を第2基板11bの外周に接合し、上面側からの電界を遮蔽する。例えば金属カバー17の開口端面には爪を有し、第2基板11bの電極孔に挿入される。さらに、第6図(b)に示したように、例えば水晶振動子1の金属カバー9に例えば金属板18を接合して外周の回路素子5を覆って下面側からの電界を遮蔽する。これにより、EMI対策となる。
【0042】
この場合、水晶振動子1の金属カバー9はシールド用としてアースに接地されるので、金属板18もまたシールド用となる。勿論、第2基板11bの開口端面に段部を設けて金属板18を配置してシールド用とすることもできる。但し、この場合は、第2基板11bが積層構造となるので経済的に不利となる。これらのシールド機能は必要に応じて設けられ、以下の実施形態でも同様である。
【0043】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態(第7図の断面図及び底面図)では、発熱用抵抗体を第1実施形態でのチップ素子(発熱抵抗5h)から膜抵抗(発熱抵抗膜とする)5h′とし、さらに感温素子としてのサーミスタ5thをも膜抵抗(サーミスタ膜5th′)とする。ここでは、表面実装振動子1の外底面の中央領域にて対面して第1基板11aの一主面(下面側)に形成する。また、感温素子としてのサーミスタ膜5th′は表面実装振動子1の外底面に対面するとともに、発熱抵抗膜5h′に隣接して形成される。そして、表面実装振動子1の外周には熱源となるパワートランジスタ5Trや温度依存性の高い電圧可変容量素子5Cv等が配置される。なお、図中の符号19は、表面実装振動子1の実装端子10を含み、第1基板11aの回路端子及び両者を接続する半田を指す。
【0044】
これによれば、第1実施形態と同様に、恒温型発振器の高さ寸法を小さくするとともに、熱エネルギーを効率化する等の効果を奏する。そして、ここでは、特に、発熱抵抗膜5h′が表面実装振動子1の外底面に近接して対面するので、発熱抵抗膜5h′からの熱が直接的に伝熱されて応答性を良好にする。なお、発熱抵抗膜5h′が表面実装振動子1の外底面に接触させることもでき、さらに応答性を高められる。
【0045】
(第2実施形態の他例)
ここでは、第8図(第1基板11aの下面となる一部底面図)に示したように、発熱膜抵抗膜5h′は表面実装振動子1の外底面に対向するとともに、表面実装振動子1の実装端子が接続する回路端子20を取り囲んで形成される。この場合、表面実装振動子1の実装端子中の水晶端子例えば一組の対角方向の2個が水晶片7の励振電極と電気的に接続する。したがって、水晶端子と接続する回路端子20を取り囲んだ発熱抵抗膜5h′は、表面実装振動子1の動作温度となる励振電極部を直接的に加熱するので、加熱効率を高める。また、他組の対角方向の実装端子であるアース端子は金属カバー9と枠壁の貫通電極(ビアホール)によって電気的に接続するので、金属カバー9が直接的に加熱されてさらに加熱効率を高められる。なお、回路端子20は貫通電極20aによって第1基板11aの上面側の回路パターンと電気的に接続する。
【0046】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態(第9図の断面図及び底面図)では、第2実施形態での発振用及び温度制御用の回路素子5の殆どを集積化したICチップ21を第1基板11a の一主面に例えばフリップチップボンディングによって配置する。ICチップ21は不図示の樹脂によって覆われる。ここでは、例えばパワートランジスタ5Trや発熱抵抗膜5h′、サーミスタ膜5th′、さらには集積化を困難とする大容量のコンデンサ等や、例えば発振周波数の調整を要する回路素子5を除いて集積化される。そして、第1基板11aの一主面とは反対面となる他主面(上面)は全表面が露出する。
【0047】
これにより、第1基板11aの他主面上の回路素子5を排除して高さ寸法をさらに小さくできる。なお、この例では、第1基板11aの他主面にはシールド用の金属膜22が形成され、図示しない導電路によってアース用の外部端子16cに電気的に接続する。また、温度制御回路4はディスクリート部品として第1基板11aの一主面に配設し、発振回路3のみを集積することもできる。
【0048】
(第4実施形態)
第4実施形態(第10図の恒温型発振器及び表面実装発振器の断面図)では、表面実装デバイスをこれまでの実施形態での表面実装振動子1に代え、表面実装発振器23とする。表面実装発振器23は積層セラミックからなる容器本体24の内底面に発振回路3を集積化したICチップ25を例えばフリップチップボンディングによって固着する。そして、容器本体6の内壁段部に水晶片7の一端部両側を導電性接着剤8によって固着し、開口端面に金属カバー26を接合してこれらを密閉封入する。ここでは、温度制御用や調整用の回路素子5が表面実装発振器の外周に配設される。
【0049】
これによれば、表面実装発振器23は独立的に形成されるので、設計を容易にする。そして、例えば表面実装発振器23を温度補償型(所謂TCXO)とすることにより、温度制御回路4の例えば85℃を中心とした精度を緩くしても、TCXOの温度補償機構によって高精度な温度補償を可能にする。したがって、温度制御回路4の設計を容易にする。
【符号の説明】
【0050】
1 水晶振動子(表面実装振動子)、2 発振部、3 発振回路、4 温度制御回路、5 回路素子、6、24 容器本体、7 水晶片、8 導電性接着剤、9、26 金属カバー、10 実装端子、11a 第1基板、11b 第2基板、12 開口部、13 表面実装ベース、14 外部端子、15a 導電路、15b、16b 端面電極、15c、16a 端子部、17 セット基板、18 金属板、19 実装端子、回路端子、半田、20 回路端子、20a 貫通電極、21、25 ICチップ、22 金属膜、23 表面実装発振器。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも外底面に実装端子を有する表面実装用の水晶デバイスとともに発熱用抵抗体を配設したセラミックからなる矩形状とした平板状の第1基板と、前記第1基板 と長さ及び幅方向が一致して面対向するとともに前記第1基板よりも平面外形が大きなガラスエポキシからなる矩形状の第2基板とを備え、
前記第2基板は前記水晶デバイスが挿入される開口部を中央領域に有して、前記水晶デバイスの配設される第1基板の表面外周及び前記第2基板の開口部の周辺表面のそれぞれ対応する4箇所には端子部を有し、
前記第1及び第2基板の端子部同士は半田によって電気的・機械的に接続されてなる表面実装用とした恒温型の水晶発振器において、
前記第2基板の開口部に挿入される前記水晶デバイスの先端側頭部は前記開口部の開口面内に位置し、
前記第2基板の4箇所の端子部からはそれぞれ導電路が延出して前記第2基板の外側面を経て外部端子が外底面に形成されたことを特徴とする表面実装用とした恒温型の水晶発振器。
【請求項2】
請求項1において、前記第2基板の4箇所の端子部は一組の対向辺に2個ずつが設けられ、前記第2基板の外部端子は前記一組の対向辺とは直交する他組の対向辺に2個ずつが設けられてなる表面実装用とした恒温型の水晶発振器。
【請求項3】
請求項1において、前記矩形状は長方形であって、前記端子部の2個ずつが設けられる一組の対向辺は長さ方向の両端側であり、前記実装端子の2個ずつが設けられる他組の対向辺は幅方向の両側である表面実装用とした恒温型の水晶発振器。
【請求項4】
請求項1において、前記第1基板の一主面には前記水晶デバイスとともに少なくとも前記発熱用抵抗体が設けられて前記第2基板の開口部内に挿入されてなる表面実装用とした恒温型の水晶発振器。
【請求項5】
請求項4において、前記発熱用抵抗体は膜抵抗として前記水晶デバイスの外底面に対面して前記第1基板の一主面に形成されてなる表面実装用とした恒温型の水晶発振器。
【請求項6】
請求項1において、前記水晶デバイスは水晶片を密閉封入した水晶振動子とし、前記水晶振動子が配設される第1基板の一主面及び反対面の他主面には前記発熱用抵抗体以外に発振用及び温度制御用の回路素子が配設されてなる表面実装用とした恒温型の水晶発振器。
【請求項7】
請求項6において、前記第1基板の一主面及び他主面に配設された回路素子は少なくともいずれか一方の主面に配設された回路素子がシールド用の金属カバーで覆われてなる表面実装用とした恒温型の水晶発振器。
【請求項8】
請求項1において、前記水晶デバイスは水晶片を密閉封入した水晶振動子とし、前記水晶振動子の配設される第1基板の一主面には少なくとも発振回路を集積化したICチップを含む回路素子が配設され、前記第1基板の他主面は全表面が露出してなる表面実装用とした恒温型の水晶発振器。
【請求項9】
請求項8において、前記第1基板の他主面にはシールド用の金属膜が設けられてなる表面実装用とした恒温型の水晶発振器。
【請求項10】
請求項1において、前記水晶デバイスは水晶片とともに少なくとも発振回路を集積化したICチップを密閉封入した水晶発振器である表面実装用とした恒温型の水晶発振器。
【請求項1】
少なくとも外底面に実装端子を有する表面実装用の水晶デバイスとともに発熱用抵抗体を配設したセラミックからなる矩形状とした平板状の第1基板と、前記第1基板 と長さ及び幅方向が一致して面対向するとともに前記第1基板よりも平面外形が大きなガラスエポキシからなる矩形状の第2基板とを備え、
前記第2基板は前記水晶デバイスが挿入される開口部を中央領域に有して、前記水晶デバイスの配設される第1基板の表面外周及び前記第2基板の開口部の周辺表面のそれぞれ対応する4箇所には端子部を有し、
前記第1及び第2基板の端子部同士は半田によって電気的・機械的に接続されてなる表面実装用とした恒温型の水晶発振器において、
前記第2基板の開口部に挿入される前記水晶デバイスの先端側頭部は前記開口部の開口面内に位置し、
前記第2基板の4箇所の端子部からはそれぞれ導電路が延出して前記第2基板の外側面を経て外部端子が外底面に形成されたことを特徴とする表面実装用とした恒温型の水晶発振器。
【請求項2】
請求項1において、前記第2基板の4箇所の端子部は一組の対向辺に2個ずつが設けられ、前記第2基板の外部端子は前記一組の対向辺とは直交する他組の対向辺に2個ずつが設けられてなる表面実装用とした恒温型の水晶発振器。
【請求項3】
請求項1において、前記矩形状は長方形であって、前記端子部の2個ずつが設けられる一組の対向辺は長さ方向の両端側であり、前記実装端子の2個ずつが設けられる他組の対向辺は幅方向の両側である表面実装用とした恒温型の水晶発振器。
【請求項4】
請求項1において、前記第1基板の一主面には前記水晶デバイスとともに少なくとも前記発熱用抵抗体が設けられて前記第2基板の開口部内に挿入されてなる表面実装用とした恒温型の水晶発振器。
【請求項5】
請求項4において、前記発熱用抵抗体は膜抵抗として前記水晶デバイスの外底面に対面して前記第1基板の一主面に形成されてなる表面実装用とした恒温型の水晶発振器。
【請求項6】
請求項1において、前記水晶デバイスは水晶片を密閉封入した水晶振動子とし、前記水晶振動子が配設される第1基板の一主面及び反対面の他主面には前記発熱用抵抗体以外に発振用及び温度制御用の回路素子が配設されてなる表面実装用とした恒温型の水晶発振器。
【請求項7】
請求項6において、前記第1基板の一主面及び他主面に配設された回路素子は少なくともいずれか一方の主面に配設された回路素子がシールド用の金属カバーで覆われてなる表面実装用とした恒温型の水晶発振器。
【請求項8】
請求項1において、前記水晶デバイスは水晶片を密閉封入した水晶振動子とし、前記水晶振動子の配設される第1基板の一主面には少なくとも発振回路を集積化したICチップを含む回路素子が配設され、前記第1基板の他主面は全表面が露出してなる表面実装用とした恒温型の水晶発振器。
【請求項9】
請求項8において、前記第1基板の他主面にはシールド用の金属膜が設けられてなる表面実装用とした恒温型の水晶発振器。
【請求項10】
請求項1において、前記水晶デバイスは水晶片とともに少なくとも発振回路を集積化したICチップを密閉封入した水晶発振器である表面実装用とした恒温型の水晶発振器。
【図12】
【図13】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図13】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−166241(P2011−166241A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−23667(P2010−23667)
【出願日】平成22年2月5日(2010.2.5)
【出願人】(000232483)日本電波工業株式会社 (1,148)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月5日(2010.2.5)
【出願人】(000232483)日本電波工業株式会社 (1,148)
【Fターム(参考)】
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