表面検査装置
【課題】被検査面の微小な表面欠陥を地合ノイズの影響を受けずに安定して検査することのできる表面検査装置を提供する。
【解決手段】光源2から鋼板1の表面に照射された照明光の反射光を受光して鋼板表面の画像信号を得る撮像装置3の空間分解能を0.2mm以下にするとともに、照射位置での鋼板1の法線方向1aを基準として撮像装置3を光源2と同じ側に配置し、かつ光源2から鋼板表面への照明光の入射角度αを60°〜80°の間の角度に設定するとともに、撮像装置3の受光角度β1を20°〜αの間の角度に設定した。
【解決手段】光源2から鋼板1の表面に照射された照明光の反射光を受光して鋼板表面の画像信号を得る撮像装置3の空間分解能を0.2mm以下にするとともに、照射位置での鋼板1の法線方向1aを基準として撮像装置3を光源2と同じ側に配置し、かつ光源2から鋼板表面への照明光の入射角度αを60°〜80°の間の角度に設定するとともに、撮像装置3の受光角度β1を20°〜αの間の角度に設定した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検査面を光学的に検査する装置に関し、特に、溶融亜鉛鍍金鋼板における微小な表面欠陥を検査するのに適した表面検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
鋼板の表面品質に対する顧客の要求レベルは、近年、厳格化の一途を辿っている。特に、溶融亜鉛鍍金鋼板に関しては、顧客側でプレス成形を行った後に顕在化するような非常に微小な凹凸欠陥(寸法0.5mm以下、深さ数十μm以下)に対する品質保証が求められつつある。
鋼板の表面に欠陥が存在するか否かの検査は、従来、検査員による目視検査によって行われている。しかし、検査員による目視検査では、鋼板の搬送を停止させない限り上記のような微小欠陥を発見することができないため、鋼板の全長全幅に亘って微小な表面欠陥の有無を検査することは不可能であった。
【0003】
そこで、図9に示すように、矢印方向に搬送される鋼板1の表面に帯状の照明光を光源2から照射するとともに、鋼板1の表面で反射した反射光をCCDラインセンサなどの撮像装置3,5で受光し、これらの撮像装置3,5で得られた鋼板表面の画像信号を画像処理装置で画像処理することによって、鋼板1の表面に発生した欠陥を光学的に検出する技術が知られている(特許文献1参照)。
【0004】
また、図10に示すように、鋼板1の表面に発生した欠陥を光学的に検出する際に、光源2から鋼板1の表面への光の入射角度αを15°〜30°の間の角度に設定するとともに、撮像装置3の受光角度をα+3°〜α+7°に設定したものも知られている(特許文献2参照)。
さらに、図11に示すように、鋼板1の表面に発生した欠陥を光学的に検出する際に、光源2から鋼板1の表面への入射角度αを30°〜60°の間の角度に設定するとともに、撮像装置3,5の受光角度β1,β2をα−5°≦β1≦α+5°,β2≧α+20°に設定したものも知られている(特許文献3参照)。
【特許文献1】特開平5−322794号公報
【特許文献2】特開平8−94542号公報
【特許文献3】特開2006−242886号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1〜3に開示された技術は、基本的に、鋼板からの正反射光を撮像装置で受光して鋼板の表面欠陥を検出するようにしている。撮像装置の空間分解能は検出すべき欠陥サイズの半分程度以下に設定するのが一般的である。このため、0.5mm以下の微小な欠陥が鋼板の表面にあるか否かを光学的に検査する場合、撮像装置の空間分解能を0.2mm程度以下に設定して検査することになるが、鋼板の地合部(健全部)からのノイズ信号に欠陥信号が埋もれてしまい、十分なSN比が得られず欠陥の有無を検査することができないという問題があった。また、深さ数十μm程度以下の微小な凹凸欠陥に対しても、十分なコントラストが得られず、欠陥の見逃しが発生するという問題もあった。
【0006】
本発明は、以上のような従来法の課題を解決し、被検査面の表面欠陥を安定して検査することのできる表面検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明に係る表面検査装置は、被検査面に照明光を照射する光源と、前記被検査面での反射光を受光して画像信号を得る撮像装置と、この撮像装置で得られた画像信号に基づいて前記被検査面の表面欠陥を検出する画像処理装置とを具備してなる表面検査装置において、前記撮像装置の空間分解能を0.2mm以下にするとともに、前記被検査面の法線に対して前記撮像装置を前記光源と同じ側に配置し、かつ前記光源から被検査面への入射角度αを60°〜80°の間の角度に設定するとともに、前記撮像装置の受光角度を20°〜αの間の角度に設定することを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明に係る表面検査装置は、請求項1記載の表面検査装置において、前記被検査面での反射光を受光して画像信号を得る第2の撮像装置を被検査面の法線に対して光源と反対側に配置し、該第2の撮像装置の受光角度を0°〜(α−10°)の間の角度に設定することを特徴とする。
請求項3記載の発明に係る表面検査装置は、請求項1または2記載の表面検査装置において、溶融亜鉛鍍金ラインのインラインスキンパルミルの上流の溶融亜鉛鍍金鋼板表面を前記被検査面とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の発明に係る表面検査装置では、撮像装置の空間分解能を0.2mm以下にし、かつ撮像装置を光源と同じ側に配置し、後方散乱光を受光する配置とすることで、欠陥の大きさが0.5mm以下の場合でも、被検査面の地合部の画像輝度分散値が小さくなるので、地合ノイズを抑制できると共に、微小な欠陥を高コントラストで撮像することが可能となる。これにより、被検査面の表面欠陥があるか否かを正確に検査することができる。さらに、光源から被検査面への入射角度αを60°〜80°の間の角度に設定するとともに、撮像装置の受光角度を20°〜αの間の角度に設定することで、被検査面に発生した微小な凹凸欠陥の陰影が現われ易くなるので、被検査面に微小な凹凸欠陥があるか否かを正確に検査することができる。
【0010】
請求項2記載の発明に係る表面検査装置では、第2の撮像装置を光源と反対側に配置し、前記後方散乱光を受光するようにその角度を0°〜(α−10°)の間の角度に設定することで、多様な微小表面欠陥が被検査面にあるか否かを正確に検査することができる。
請求項3記載の発明に係る表面検査装置では、溶融亜鉛鍍金ラインのインラインスキンパルミルの上流の鋼板表面を被検査面とするので、微小な凹凸欠陥がスキンパス圧下によって平坦化されることがなく、微小な凹凸欠陥が溶融亜鉛鍍金鋼板の表面にあるか否かを正確に検査することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、被検査面の一例として鋼板表面を取り上げて、本発明に係る表面検査装置を図面に基づいて説明する。図1は本発明の第1の実施形態に係る表面検査装置の概略構成を示す図であり、同図に示されるように、第1の実施形態に係る表面検査装置は光源2、撮像装置3および画像処理装置4を備えている。
光源2は図中矢印方向に搬送される鋼板1の上方に配置されており、この光源2から鋼板1の表面に照射される照明光は鋼板1の法線1aに対して60°以上80°以下の入射角度αで鋼板1の表面に投光されるようになっている。また、光源2は例えばメタルハライドランプからの光を光ファイバーを用いて導き、出射光端側をライン状(線状)として、線状光源にし、その光をシリンドリカルレンズで集光して鋼板1の表面に照射するように構成されている。
【0012】
撮像装置3は空間分解能が0.1mm(板幅方向:鋼板搬送方向に対して直交する方向)×0.1mm(鋼板搬送方向)のCCDラインセンサカメラ等から構成されており、この撮像装置3で得られた鋼板表面の画像信号は画像処理装置4で画像処理(たとえば、しきい値処理)されるようになっている。また、撮像装置3は鋼板1への照射位置における鋼板表面の法線方向1aを基準として光源2と同じ側に配置(いわゆる後方散乱光を受光する配置)されており、この撮像装置3の受光角度β1が鋼板1の法線方向1aに対して20°以上α以下(αは前述の入射角度で、α=60〜80°)になっている。
【0013】
このような構成において、表面に直径0.3mmの表面欠陥(押し疵)を有する鋼板1を撮像装置の空間分解能を0.05mm,0.1mm,0.15mm,0.2mm,0.3mm,0.4mm,0.5mm,0.6mm,0.7mm,0.8mmとして、検査したときの欠陥SN比を測定した結果を図2に示す。
同図に示されるように、撮像装置3の空間分解能が0.3mm〜0.8mmの場合は欠陥SN比が低くなるのに対し、撮像装置3の空間分解能が0.2mm以下の場合は欠陥SN比が2.5より大きな値となることがわかる。したがって、図1に示した第1の実施形態の光源と撮像装置の配置とし、撮像装置3の空間分解能を0.2mm以下にすることで、欠陥の大きさが0.5mm以下の場合でも鋼板1の表面に微小な欠陥があるか否かを正確に検査することができる。なお、空間分解能の下限はノイズと検出対象のサイズによるが、0.05mm以上が適用範囲で、0.1mm以下が好ましい。
【0014】
次に、光源2から鋼板1の表面に照射された照明光の反射光を受光する撮像装置3として空間分解能が0.1mmの撮像装置を用い、その撮像装置の受光角度β1をβ1=10°に設定して溶融亜鉛鍍金鋼板の地合部(健全部)を撮像したときの鋼板地合部の画像輝度分散値を測定した結果を図3に示す。
同図に示されるように、撮像装置3の反対側に光源を配置して撮像装置が正反射光を受光する位置(入射角度α=10°)では、鋼板地合部の画像輝度分散値(地合ノイズレベルの大きさに対応)が大きくなり、欠陥信号と地合ノイズを分離するのが困難となるのに対し、撮像装置3の配置が鋼板1からの拡散反射光を受光する配置(入射角度α=−60°〜−20°,0°〜40°)では鋼板地合部の画像輝度分散値が小さくなり、欠陥信号と地合ノイズを分離するのが容易となる。なお、図3においては、鋼板表面の照射位置における鋼板表面の法線方向に対して撮像装置側(後方散乱光受光方向)の入射角度を正として表している。
【0015】
このことから、鋼板のような表面テクスチャーを有した対象表面を空間分解能が0.1mm程度の高分解能撮像装置で撮像する場合、撮像装置3の配置が鋼板1からの正反射光を受光する配置では、鋼板地合部(健全部)からの反射輝度分散値が大きくなり、安定した欠陥検査ができなくなるとの知見が得られたので、第1の実施形態では、鋼板照射位置での鋼板1の法線方向1aを基準として撮像装置3を光源2と同じ側に配置し、撮像装置3に鋼板1からの正反射光成分が入らない後方散乱光を受光する配置とする。
【0016】
次に、撮像装置の受光角度β1を0°,10°,20°,30°,40°,50°,60°とした場合における光の入射角度α(α=40°〜80°)と欠陥SN比との関係を調べた結果を図4に示す。図4においても、図3と同様に、鋼板表面の照射位置における鋼板の法線方向に対して撮像装置側の入射角度を正としている。
同図に示されるように、光源2から鋼板1の表面に照射される照明光の入射角度αが50°以下の場合は欠陥SN比が低くなり、凹凸欠陥の陰影が現われ難くなるのに対し、入射角度αが60°以上の場合は欠陥SN比が高くなり、凹凸欠陥の陰影が現われ易くなることがわかる。また、受光角度β1が20°未満の場合は欠陥SN比が低くなるのに対し、入射角度β1が20°以上の場合は欠陥SN比が高くなることがわかる。
【0017】
このことから、鋼板1からの正反射光ではなく拡散反射光を撮像装置3で受光して微小な凹凸欠陥を検出する場合、欠陥の凹凸部分による幾何学的な光の反射方向(反射角度)変化に基づく検出法では、輝度変化が小さく、十分なSN比が得られないという知見が得られた。これにより、第1の実施形態では、光源2から鋼板1の表面への入射角度αを鋼板1の法線1aに対して60°〜80°の間の角度に設定するとともに、受光角度β1を鋼板1の法線1aに対して20°〜αの間の角度に設定する。
【0018】
次に、撮像装置の受光角度β1をβ1=35°に固定し、光源2から鋼板1の表面への入射角度αを−80°〜+60°の間で変化させたときの欠陥SN比を測定した結果を図5に示す。ここで、αは鋼板表面の法線方向に対して撮像装置側を正とし、反射側を−とする。
同図に示されるように、鋼板1の表面に発生した欠陥がある特定の欠陥B(凹状の点状欠陥の一種)である場合は欠陥を検出できないことがわかる。したがって、このような欠陥も検査対象に含まれる場合は、第1の実施形態の構成に加えて、図6に示す第2の実施形態のように、光源2から鋼板1の表面に照射された照明光の反射光を受光して鋼板表面の画像信号を得る第2の撮像装置5を照射位置での鋼板1の法線方向1aを基準として光源2と反対側で、前方散乱光を受光するように配置し、撮像装置の受光角度β2を鋼板1の法線方向1aに対して0°以上(α−10°)以下とすることが好ましい。ただし、β2は鋼板表面の法線方向に対して光源とは反対側の方向を正として扱う。
【0019】
光源2から鋼板1の表面への照明光の入射角度αを50°,60°,70°,80°とした場合における第2の撮像装置5の受光角度β2(β2=0°〜70°)と上記欠陥Bに対する欠陥SN比との関係を調べた結果を図7に示す。
同図に示されるように、第2の撮像装置5の受光角度β2が概ねα−10°以上になると、欠陥SN比が低下することがわかる。
【0020】
このことから、鋼板1の表面に発生した上記欠陥Bのような欠陥を光学的に検出するためには、照射位置での法線方向を基準として、第2の撮像装置5を光源の反対側に配置し、受光角度β2を鋼板1の法線方向1aに対して0°以上(α−10°)以下にすることが良いことがわかり、第2の実施形態では、第1の実施形態の配置に加えて、鋼板1の表面から第2の撮像装置5に入射する照明光の入射角度β2を鋼板1の法線1aに対して0°〜α−10°の間の角度とする。
【0021】
本発明に係る表面検査装置は種々の鋼板製造ラインに適用できるが、溶融亜鉛鍍金鋼板製造ラインに適用する場合は、鋼板を調圧するスキンパスミルの上流に本発明に係る表面検査装置を設置することが好ましく、以下、その理由について説明する。
溶融亜鉛鍍金鋼板は自動車の外板などに使用されるため、微小な凹凸欠陥の検査ニーズが非常に高い鋼板である。従来の溶融亜鉛鍍金鋼板製造ラインの欠陥検査装置は、スキンパスミルよりも上流側では、地合ノイズが大きく、欠陥SN比が低下するため、スキンパスミルの下流に設置するのが一般的であった。しかしながら、本発明に係る表面検査装置では、正反射受光を回避した光学配置となっているため、地合ノイズを著しく抑制可能である。一方、溶融亜鉛鍍金金属鋼板の微小凹凸欠陥の多くは、スキンパス調質圧延により欠陥凹凸部が押し潰されて健全部とのコントラストが低下することがわかった。そこで、種々の微小凹凸欠陥に対して、スキンパス調質圧延前とスキンパス圧延後の状態で欠陥SN比を比較調査した。その結果を図8に示す。図8からわかるように、図1に示した第1の実施形態や図6に示した第2の実施形態を用いて欠陥の有無を検査する場合、スキンパスミルの上流で検査を行ったほうがSN比が大きくなり、有利であることがわかる。
【0022】
上述した第1及び第2の実施形態において、光源2から鋼板1の表面に投光される照明光としては、たとえば鋼板1の搬送方向に垂直な方向の帯状照明光を用いることができる。また、光源2としては、たとえばメタルハライドランプ、ハロゲンランプ、高輝度LED、キセノンストロボランプ等を用いることができる。また、撮像装置3,5としては、CCDラインセンサカメラなどの1次元撮像装置や、CCDエリアセンサカメラなどの2次元撮像装置を用いることができる。
【0023】
また、上述の説明においては、鋼板表面を被検査面とする例を説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、アルミや銅などの金属帯やフィルムや紙などの表面を被検査面として適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る表面検査装置の概略構成を示す図である。
【図2】表面に直径0.3mmの表面欠陥を有する鋼板を空間分解能を変えて撮像装置で撮像したときの欠陥SN比を示す図である。
【図3】受光角度β1をβ1=10°に設定して溶融亜鉛鍍金鋼板の地合部を撮像したときの鋼板地合部の画像輝度分散値を測定した結果を示す図である。
【図4】鋼板の表面に照射される照明光の入射角度と欠陥SN比との関係を調べた結果を示す図である。
【図5】鋼板の表面に照射される照明光の入射角度αを−80°〜+60°の間で変化させたときの欠陥SN比を測定した結果を示すである。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る表面検査装置の概略構成を示す図である。
【図7】第2の撮像装置の受光角度β2と欠陥SN比との関係を調べた結果を示す図である。
【図8】スキンパス圧延前での欠陥SN比とスキンパス圧延後での欠陥SN比との関係を調べた結果を示す図である。
【図9】第1の従来例を示す図である。
【図10】第2の従来例を示す図である。
【図11】第3の従来例を示す図である。
【符号の説明】
【0025】
1 鋼板
2 光源
3 撮像装置
4 画像処理装置
5 第2の撮像装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検査面を光学的に検査する装置に関し、特に、溶融亜鉛鍍金鋼板における微小な表面欠陥を検査するのに適した表面検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
鋼板の表面品質に対する顧客の要求レベルは、近年、厳格化の一途を辿っている。特に、溶融亜鉛鍍金鋼板に関しては、顧客側でプレス成形を行った後に顕在化するような非常に微小な凹凸欠陥(寸法0.5mm以下、深さ数十μm以下)に対する品質保証が求められつつある。
鋼板の表面に欠陥が存在するか否かの検査は、従来、検査員による目視検査によって行われている。しかし、検査員による目視検査では、鋼板の搬送を停止させない限り上記のような微小欠陥を発見することができないため、鋼板の全長全幅に亘って微小な表面欠陥の有無を検査することは不可能であった。
【0003】
そこで、図9に示すように、矢印方向に搬送される鋼板1の表面に帯状の照明光を光源2から照射するとともに、鋼板1の表面で反射した反射光をCCDラインセンサなどの撮像装置3,5で受光し、これらの撮像装置3,5で得られた鋼板表面の画像信号を画像処理装置で画像処理することによって、鋼板1の表面に発生した欠陥を光学的に検出する技術が知られている(特許文献1参照)。
【0004】
また、図10に示すように、鋼板1の表面に発生した欠陥を光学的に検出する際に、光源2から鋼板1の表面への光の入射角度αを15°〜30°の間の角度に設定するとともに、撮像装置3の受光角度をα+3°〜α+7°に設定したものも知られている(特許文献2参照)。
さらに、図11に示すように、鋼板1の表面に発生した欠陥を光学的に検出する際に、光源2から鋼板1の表面への入射角度αを30°〜60°の間の角度に設定するとともに、撮像装置3,5の受光角度β1,β2をα−5°≦β1≦α+5°,β2≧α+20°に設定したものも知られている(特許文献3参照)。
【特許文献1】特開平5−322794号公報
【特許文献2】特開平8−94542号公報
【特許文献3】特開2006−242886号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1〜3に開示された技術は、基本的に、鋼板からの正反射光を撮像装置で受光して鋼板の表面欠陥を検出するようにしている。撮像装置の空間分解能は検出すべき欠陥サイズの半分程度以下に設定するのが一般的である。このため、0.5mm以下の微小な欠陥が鋼板の表面にあるか否かを光学的に検査する場合、撮像装置の空間分解能を0.2mm程度以下に設定して検査することになるが、鋼板の地合部(健全部)からのノイズ信号に欠陥信号が埋もれてしまい、十分なSN比が得られず欠陥の有無を検査することができないという問題があった。また、深さ数十μm程度以下の微小な凹凸欠陥に対しても、十分なコントラストが得られず、欠陥の見逃しが発生するという問題もあった。
【0006】
本発明は、以上のような従来法の課題を解決し、被検査面の表面欠陥を安定して検査することのできる表面検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明に係る表面検査装置は、被検査面に照明光を照射する光源と、前記被検査面での反射光を受光して画像信号を得る撮像装置と、この撮像装置で得られた画像信号に基づいて前記被検査面の表面欠陥を検出する画像処理装置とを具備してなる表面検査装置において、前記撮像装置の空間分解能を0.2mm以下にするとともに、前記被検査面の法線に対して前記撮像装置を前記光源と同じ側に配置し、かつ前記光源から被検査面への入射角度αを60°〜80°の間の角度に設定するとともに、前記撮像装置の受光角度を20°〜αの間の角度に設定することを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明に係る表面検査装置は、請求項1記載の表面検査装置において、前記被検査面での反射光を受光して画像信号を得る第2の撮像装置を被検査面の法線に対して光源と反対側に配置し、該第2の撮像装置の受光角度を0°〜(α−10°)の間の角度に設定することを特徴とする。
請求項3記載の発明に係る表面検査装置は、請求項1または2記載の表面検査装置において、溶融亜鉛鍍金ラインのインラインスキンパルミルの上流の溶融亜鉛鍍金鋼板表面を前記被検査面とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の発明に係る表面検査装置では、撮像装置の空間分解能を0.2mm以下にし、かつ撮像装置を光源と同じ側に配置し、後方散乱光を受光する配置とすることで、欠陥の大きさが0.5mm以下の場合でも、被検査面の地合部の画像輝度分散値が小さくなるので、地合ノイズを抑制できると共に、微小な欠陥を高コントラストで撮像することが可能となる。これにより、被検査面の表面欠陥があるか否かを正確に検査することができる。さらに、光源から被検査面への入射角度αを60°〜80°の間の角度に設定するとともに、撮像装置の受光角度を20°〜αの間の角度に設定することで、被検査面に発生した微小な凹凸欠陥の陰影が現われ易くなるので、被検査面に微小な凹凸欠陥があるか否かを正確に検査することができる。
【0010】
請求項2記載の発明に係る表面検査装置では、第2の撮像装置を光源と反対側に配置し、前記後方散乱光を受光するようにその角度を0°〜(α−10°)の間の角度に設定することで、多様な微小表面欠陥が被検査面にあるか否かを正確に検査することができる。
請求項3記載の発明に係る表面検査装置では、溶融亜鉛鍍金ラインのインラインスキンパルミルの上流の鋼板表面を被検査面とするので、微小な凹凸欠陥がスキンパス圧下によって平坦化されることがなく、微小な凹凸欠陥が溶融亜鉛鍍金鋼板の表面にあるか否かを正確に検査することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、被検査面の一例として鋼板表面を取り上げて、本発明に係る表面検査装置を図面に基づいて説明する。図1は本発明の第1の実施形態に係る表面検査装置の概略構成を示す図であり、同図に示されるように、第1の実施形態に係る表面検査装置は光源2、撮像装置3および画像処理装置4を備えている。
光源2は図中矢印方向に搬送される鋼板1の上方に配置されており、この光源2から鋼板1の表面に照射される照明光は鋼板1の法線1aに対して60°以上80°以下の入射角度αで鋼板1の表面に投光されるようになっている。また、光源2は例えばメタルハライドランプからの光を光ファイバーを用いて導き、出射光端側をライン状(線状)として、線状光源にし、その光をシリンドリカルレンズで集光して鋼板1の表面に照射するように構成されている。
【0012】
撮像装置3は空間分解能が0.1mm(板幅方向:鋼板搬送方向に対して直交する方向)×0.1mm(鋼板搬送方向)のCCDラインセンサカメラ等から構成されており、この撮像装置3で得られた鋼板表面の画像信号は画像処理装置4で画像処理(たとえば、しきい値処理)されるようになっている。また、撮像装置3は鋼板1への照射位置における鋼板表面の法線方向1aを基準として光源2と同じ側に配置(いわゆる後方散乱光を受光する配置)されており、この撮像装置3の受光角度β1が鋼板1の法線方向1aに対して20°以上α以下(αは前述の入射角度で、α=60〜80°)になっている。
【0013】
このような構成において、表面に直径0.3mmの表面欠陥(押し疵)を有する鋼板1を撮像装置の空間分解能を0.05mm,0.1mm,0.15mm,0.2mm,0.3mm,0.4mm,0.5mm,0.6mm,0.7mm,0.8mmとして、検査したときの欠陥SN比を測定した結果を図2に示す。
同図に示されるように、撮像装置3の空間分解能が0.3mm〜0.8mmの場合は欠陥SN比が低くなるのに対し、撮像装置3の空間分解能が0.2mm以下の場合は欠陥SN比が2.5より大きな値となることがわかる。したがって、図1に示した第1の実施形態の光源と撮像装置の配置とし、撮像装置3の空間分解能を0.2mm以下にすることで、欠陥の大きさが0.5mm以下の場合でも鋼板1の表面に微小な欠陥があるか否かを正確に検査することができる。なお、空間分解能の下限はノイズと検出対象のサイズによるが、0.05mm以上が適用範囲で、0.1mm以下が好ましい。
【0014】
次に、光源2から鋼板1の表面に照射された照明光の反射光を受光する撮像装置3として空間分解能が0.1mmの撮像装置を用い、その撮像装置の受光角度β1をβ1=10°に設定して溶融亜鉛鍍金鋼板の地合部(健全部)を撮像したときの鋼板地合部の画像輝度分散値を測定した結果を図3に示す。
同図に示されるように、撮像装置3の反対側に光源を配置して撮像装置が正反射光を受光する位置(入射角度α=10°)では、鋼板地合部の画像輝度分散値(地合ノイズレベルの大きさに対応)が大きくなり、欠陥信号と地合ノイズを分離するのが困難となるのに対し、撮像装置3の配置が鋼板1からの拡散反射光を受光する配置(入射角度α=−60°〜−20°,0°〜40°)では鋼板地合部の画像輝度分散値が小さくなり、欠陥信号と地合ノイズを分離するのが容易となる。なお、図3においては、鋼板表面の照射位置における鋼板表面の法線方向に対して撮像装置側(後方散乱光受光方向)の入射角度を正として表している。
【0015】
このことから、鋼板のような表面テクスチャーを有した対象表面を空間分解能が0.1mm程度の高分解能撮像装置で撮像する場合、撮像装置3の配置が鋼板1からの正反射光を受光する配置では、鋼板地合部(健全部)からの反射輝度分散値が大きくなり、安定した欠陥検査ができなくなるとの知見が得られたので、第1の実施形態では、鋼板照射位置での鋼板1の法線方向1aを基準として撮像装置3を光源2と同じ側に配置し、撮像装置3に鋼板1からの正反射光成分が入らない後方散乱光を受光する配置とする。
【0016】
次に、撮像装置の受光角度β1を0°,10°,20°,30°,40°,50°,60°とした場合における光の入射角度α(α=40°〜80°)と欠陥SN比との関係を調べた結果を図4に示す。図4においても、図3と同様に、鋼板表面の照射位置における鋼板の法線方向に対して撮像装置側の入射角度を正としている。
同図に示されるように、光源2から鋼板1の表面に照射される照明光の入射角度αが50°以下の場合は欠陥SN比が低くなり、凹凸欠陥の陰影が現われ難くなるのに対し、入射角度αが60°以上の場合は欠陥SN比が高くなり、凹凸欠陥の陰影が現われ易くなることがわかる。また、受光角度β1が20°未満の場合は欠陥SN比が低くなるのに対し、入射角度β1が20°以上の場合は欠陥SN比が高くなることがわかる。
【0017】
このことから、鋼板1からの正反射光ではなく拡散反射光を撮像装置3で受光して微小な凹凸欠陥を検出する場合、欠陥の凹凸部分による幾何学的な光の反射方向(反射角度)変化に基づく検出法では、輝度変化が小さく、十分なSN比が得られないという知見が得られた。これにより、第1の実施形態では、光源2から鋼板1の表面への入射角度αを鋼板1の法線1aに対して60°〜80°の間の角度に設定するとともに、受光角度β1を鋼板1の法線1aに対して20°〜αの間の角度に設定する。
【0018】
次に、撮像装置の受光角度β1をβ1=35°に固定し、光源2から鋼板1の表面への入射角度αを−80°〜+60°の間で変化させたときの欠陥SN比を測定した結果を図5に示す。ここで、αは鋼板表面の法線方向に対して撮像装置側を正とし、反射側を−とする。
同図に示されるように、鋼板1の表面に発生した欠陥がある特定の欠陥B(凹状の点状欠陥の一種)である場合は欠陥を検出できないことがわかる。したがって、このような欠陥も検査対象に含まれる場合は、第1の実施形態の構成に加えて、図6に示す第2の実施形態のように、光源2から鋼板1の表面に照射された照明光の反射光を受光して鋼板表面の画像信号を得る第2の撮像装置5を照射位置での鋼板1の法線方向1aを基準として光源2と反対側で、前方散乱光を受光するように配置し、撮像装置の受光角度β2を鋼板1の法線方向1aに対して0°以上(α−10°)以下とすることが好ましい。ただし、β2は鋼板表面の法線方向に対して光源とは反対側の方向を正として扱う。
【0019】
光源2から鋼板1の表面への照明光の入射角度αを50°,60°,70°,80°とした場合における第2の撮像装置5の受光角度β2(β2=0°〜70°)と上記欠陥Bに対する欠陥SN比との関係を調べた結果を図7に示す。
同図に示されるように、第2の撮像装置5の受光角度β2が概ねα−10°以上になると、欠陥SN比が低下することがわかる。
【0020】
このことから、鋼板1の表面に発生した上記欠陥Bのような欠陥を光学的に検出するためには、照射位置での法線方向を基準として、第2の撮像装置5を光源の反対側に配置し、受光角度β2を鋼板1の法線方向1aに対して0°以上(α−10°)以下にすることが良いことがわかり、第2の実施形態では、第1の実施形態の配置に加えて、鋼板1の表面から第2の撮像装置5に入射する照明光の入射角度β2を鋼板1の法線1aに対して0°〜α−10°の間の角度とする。
【0021】
本発明に係る表面検査装置は種々の鋼板製造ラインに適用できるが、溶融亜鉛鍍金鋼板製造ラインに適用する場合は、鋼板を調圧するスキンパスミルの上流に本発明に係る表面検査装置を設置することが好ましく、以下、その理由について説明する。
溶融亜鉛鍍金鋼板は自動車の外板などに使用されるため、微小な凹凸欠陥の検査ニーズが非常に高い鋼板である。従来の溶融亜鉛鍍金鋼板製造ラインの欠陥検査装置は、スキンパスミルよりも上流側では、地合ノイズが大きく、欠陥SN比が低下するため、スキンパスミルの下流に設置するのが一般的であった。しかしながら、本発明に係る表面検査装置では、正反射受光を回避した光学配置となっているため、地合ノイズを著しく抑制可能である。一方、溶融亜鉛鍍金金属鋼板の微小凹凸欠陥の多くは、スキンパス調質圧延により欠陥凹凸部が押し潰されて健全部とのコントラストが低下することがわかった。そこで、種々の微小凹凸欠陥に対して、スキンパス調質圧延前とスキンパス圧延後の状態で欠陥SN比を比較調査した。その結果を図8に示す。図8からわかるように、図1に示した第1の実施形態や図6に示した第2の実施形態を用いて欠陥の有無を検査する場合、スキンパスミルの上流で検査を行ったほうがSN比が大きくなり、有利であることがわかる。
【0022】
上述した第1及び第2の実施形態において、光源2から鋼板1の表面に投光される照明光としては、たとえば鋼板1の搬送方向に垂直な方向の帯状照明光を用いることができる。また、光源2としては、たとえばメタルハライドランプ、ハロゲンランプ、高輝度LED、キセノンストロボランプ等を用いることができる。また、撮像装置3,5としては、CCDラインセンサカメラなどの1次元撮像装置や、CCDエリアセンサカメラなどの2次元撮像装置を用いることができる。
【0023】
また、上述の説明においては、鋼板表面を被検査面とする例を説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、アルミや銅などの金属帯やフィルムや紙などの表面を被検査面として適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る表面検査装置の概略構成を示す図である。
【図2】表面に直径0.3mmの表面欠陥を有する鋼板を空間分解能を変えて撮像装置で撮像したときの欠陥SN比を示す図である。
【図3】受光角度β1をβ1=10°に設定して溶融亜鉛鍍金鋼板の地合部を撮像したときの鋼板地合部の画像輝度分散値を測定した結果を示す図である。
【図4】鋼板の表面に照射される照明光の入射角度と欠陥SN比との関係を調べた結果を示す図である。
【図5】鋼板の表面に照射される照明光の入射角度αを−80°〜+60°の間で変化させたときの欠陥SN比を測定した結果を示すである。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る表面検査装置の概略構成を示す図である。
【図7】第2の撮像装置の受光角度β2と欠陥SN比との関係を調べた結果を示す図である。
【図8】スキンパス圧延前での欠陥SN比とスキンパス圧延後での欠陥SN比との関係を調べた結果を示す図である。
【図9】第1の従来例を示す図である。
【図10】第2の従来例を示す図である。
【図11】第3の従来例を示す図である。
【符号の説明】
【0025】
1 鋼板
2 光源
3 撮像装置
4 画像処理装置
5 第2の撮像装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査面に照明光を照射する光源と、前記被検査面での反射光を受光して画像信号を得る撮像装置と、この撮像装置で得られた画像信号に基づいて前記被検査面の表面欠陥を検出する画像処理装置とを具備してなる表面検査装置において、
前記撮像装置の空間分解能を0.2mm以下にするとともに、前記被検査面の法線に対して前記撮像装置を前記光源と同じ側に配置し、かつ前記光源から被検査面への入射角度αを60°〜80°の間の角度に設定するとともに、前記撮像装置の受光角度を20°〜αの間の角度に設定することを特徴とする表面検査装置。
【請求項2】
請求項1記載の表面検査装置において、前記被検査面での反射光を受光して画像信号を得る第2の撮像装置を被検査面の法線に対して光源と反対側に配置し、該第2の撮像装置の受光角度を0°〜(α−10°)の間の角度に設定することを特徴とする表面検査装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の表面検査装置において、溶融亜鉛鍍金ラインのインラインスキンパルミルの上流の溶融亜鉛鍍金鋼板表面を前記被検査面とすることを特徴とする表面検査装置。
【請求項1】
被検査面に照明光を照射する光源と、前記被検査面での反射光を受光して画像信号を得る撮像装置と、この撮像装置で得られた画像信号に基づいて前記被検査面の表面欠陥を検出する画像処理装置とを具備してなる表面検査装置において、
前記撮像装置の空間分解能を0.2mm以下にするとともに、前記被検査面の法線に対して前記撮像装置を前記光源と同じ側に配置し、かつ前記光源から被検査面への入射角度αを60°〜80°の間の角度に設定するとともに、前記撮像装置の受光角度を20°〜αの間の角度に設定することを特徴とする表面検査装置。
【請求項2】
請求項1記載の表面検査装置において、前記被検査面での反射光を受光して画像信号を得る第2の撮像装置を被検査面の法線に対して光源と反対側に配置し、該第2の撮像装置の受光角度を0°〜(α−10°)の間の角度に設定することを特徴とする表面検査装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の表面検査装置において、溶融亜鉛鍍金ラインのインラインスキンパルミルの上流の溶融亜鉛鍍金鋼板表面を前記被検査面とすることを特徴とする表面検査装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−275424(P2008−275424A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−118905(P2007−118905)
【出願日】平成19年4月27日(2007.4.27)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月27日(2007.4.27)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【Fターム(参考)】
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