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被検出物捕集具の使用方法
説明

被検出物捕集具の使用方法

【課題】検査場所で捕集した微生物等の被検出物を、より正確に検出することができる被検出物捕集具の使用方法を提供する。
【解決手段】一面側に被検出物を捕集する担体5を保持した捕集ディッシュ4を備え、前記捕集ディッシュ4は、前記一面側と他面側とを繋ぐ貫通孔41を有している被検出物捕集具の使用方法であって、前記担体5を上方に向けて前記被検出物の捕集操作を行った後、前記担体5を下方に向けると共に、前記貫通孔41を介して前記被検出物を検出するための試薬を前記担体5に捕集した前記被検出物と接触させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微生物、化学物質等の被検出物を、空気中を介して捕集する被検出物捕集具の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空気中に浮遊する微生物、化学物質等の被検出物を捕集する技術としては、フィルターを介して空気を吸引し、被検出物をフィルターで分離するものが広く知られている。また、空気中に浮遊する微生物を捕集する捕集具としては、常温から昇温することでゲルからゾルに相変位する担体を捕集ディッシュ上に配置したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この捕集具は、インパクター方式のエアーサンプラーに組み付けて使用され、エアーサンプラーによって吸引された空気が担体に衝突する際に、空気に同伴する微生物がゲル状の担体に捕集されるようになっている。そして、捕集された微生物は、昇温することでゾル化した担体と共に捕集ディッシュから取り出され、所定の計数方法に準拠して計数される。
【0003】
一方、微生物の計数方法としては、微生物から抽出したATP(アデノシン三リン酸)を定量することで微生物を間接的に計数する、いわゆるATP法が知られている(例えば、特許文献2参照)。このATP法は、捕集した微生物にATP抽出試薬を接触させることで微生物に内在するATPを抽出し、このATPに発光試薬を反応させた際の発光強度に応じて微生物を計数するように構成されている。
【0004】
このATP法によれば、例えば平板培地で培養した微生物のコロニー数によって捕集した微生物を計数する計数方法では数日間を要するところ、微生物を捕集してからその計数までの時間を1時間乃至数時間程度に飛躍的に短縮することができる。
しかしながら、このATP法は、微弱な発光強度に基づいて微生物を計数するために、計数対象となるサンプルに外乱要因となる物質が混入する可能性を極力低減する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−131186号公報
【特許文献2】特開平11−137293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、従来の捕集具(例えば、特許文献1参照)は、捕集ディッシュ上の担体が露出しているので、エアーサンプラーで微生物を担体に捕集した後、これを微生物の計数に供するまでの間に、例えば検査対象外となる余計な微生物や、その他の外乱要因となる物質が担体に混入する恐れがある。特に、微生物を捕集した検査場所と、微生物の計数施設との間が離れている場合にはそれによる汚染の恐れが更に増す。
つまり、従来の捕集具(例えば、特許文献1参照)においては、エアーサンプラーから取り外した後、微生物の計数までの間に担体が汚染されることで、検査場所で捕集した微生物を正確に計数することができない恐れがある。
【0007】
そこで、本発明の課題は、検査場所で捕集した微生物等の被検出物を、より正確に検出することができる被検出物捕集具の使用方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決する本発明の被検出物捕集具の使用方法は、一面側に被検出物を捕集する担体を保持した捕集ディッシュを備え、前記捕集ディッシュは、前記一面側と他面側とを繋ぐ貫通孔を有している被検出物捕集具の使用方法であって、前記担体を上方に向けて前記被検出物の捕集操作を行った後、前記担体を下方に向けると共に、前記貫通孔を介して前記被検出物を検出するための試薬を前記担体に捕集した前記被検出物と接触させることを特徴とする。
【0009】
また、前記課題を解決する本発明の被検出物捕集具の使用方法は、一面側に被検出物を捕集する担体を保持した捕集ディッシュと、前記担体を覆うように前記捕集ディッシュに対して配置されるハウジングとを備え、前記捕集ディッシュは、前記一面側と前記ハウジングとの間に形成される空間と外部とを繋ぐ貫通孔を有している被検出物捕集具の使用方法であって、前記ハウジングを取り外して前記担体を露出させる第1工程と、露出させた前記担体に対して前記被検出物の捕集操作を行う第2工程と、前記捕集操作を行った後に、前記担体を覆うように前記捕集ディッシュに対して前記ハウジングを再び配置する第3工程と、前記捕集ディッシュに形成された前記貫通孔を介して前記被検出物を検出するための試薬を前記ハウジング内に注入する第4工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、検査場所で捕集した微生物等の被検出物を、より正確に検出することができる被検出物捕集具の使用方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係る被検出物捕集具を取り付ける微生物計数装置の構成説明図である。
【図2】図1の微生物計数装置における被検出物捕集具の搭載部付近の様子を示す斜視図である。
【図3】図1の微生物計数装置における被検出物捕集具の搭載部に、被検出物捕集具が搭載された様子を示す断面図である。
【図4】制御部の指令に基づいて微生物計数装置が動作する工程を示すフローチャートである。
【図5】本実施形態に係る被検出物捕集具の斜視図である。
【図6】図5の被検出物捕集具の分解斜視図であり、(a)は、斜め上方から見下ろした際の分解斜視図、(b)は、斜め下方から見上げた際の分解斜視図である。
【図7】図5のVII−VII断面図である。
【図8】本発明の実施形態に係る被検出物捕集具で微生物を捕集する方法を説明するための斜視図である。
【図9】(a−1)から(a−4)は、微生物計数装置内での被検出物捕集具の使用方法について説明するための被検出物捕集具の断面図、(b−1)から(b−4)は、(a−1)から(a−4)に対応する場面でのフィルター近傍の様子を拡大して示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明の実施形態に係る被検出物捕集具について適宜図面を参照しながら詳細に説明する。ここでは、空気中を浮遊する微生物(細菌、真菌等)を被検出物として捕集する被検出物捕集具を例に説明するが、本発明の被検出物捕集具は、被検出物として、金属や化学物質の微細粒子を捕集するものであってもよく、被検出物は固体に限定されずミストであってもよい。
【0013】
以下では、本実施形態に係る被検出物捕集具を取り付けた微生物計数装置の全体構成、及びその微生物計数装置における微生物の計数原理について説明し、その後に本実施形態に係る被検出物捕集具及びその使用方法について説明する。
【0014】
(微生物計数装置の全体構成)
図1に示すように、微生物計数装置10は、サンプルに含まれる微生物をATP法に準拠して計数する装置であって、筐体101内に、サンプルを内部に有する被検出物捕集具1(図2参照)を搭載する搭載部102と、機能液体タンク105と、温水供給部103と、吸引ユニット104と、複数の試薬Rを配置する試薬カートリッジ2と、分注ユニット106と、発光強度測定ユニット107と、制御部108とを備えて構成されている。
なお、図1中、筐体101及び試薬カートリッジ2は、作図の便宜上、仮想線で示し、被検出物捕集具1は記載を省略している。
【0015】
搭載部102は、図2に示すように、被検出物捕集具1(ハウジング6)を収容する凹部102aを有しており、この搭載部102には、係合リング102bが設けられている。また、凹部102aの周囲に配置される、言い換えれば凹部102aを形成しているアルミ材には、後記するようにヒーター102c(図3参照)が埋設されている。なお、凹部102aの形成には、このアルミ材に代えて他の良熱伝導性部材を使用してもよい。
【0016】
係合リング102bは、凹部102aの開口縁に配置されている。この係合リング102bは、後に詳しく説明するように、被検出物捕集具1のハウジング6に設けられた第1係合爪62aと係合することで、ハウジング6を搭載部102に支持するようになっている。ちなみに、係合リング102bは、ハウジング6の第1係合爪62aが収まるような平面形状の切欠き102dを有すると共に、凹部102aが形成される装置本体10aとの間に第1係合爪62aを受け入れ可能な厚さで隙間Gを形成している。
つまり、ハウジング6を凹部102a内に装嵌する際に、第1係合爪62aを、切欠き102dを介して凹部102a内に入れ、ハウジング6を回転させて第1係合爪62aを隙間Gに滑り込ませることで、ハウジング6は係合リング102bと係合することとなる。
【0017】
このような凹部102aに配置された被検出物捕集具1は、図3に示すように、被検出物捕集具1の蓋体3が取り外されて、後に詳しく説明するように、ハウジング6内に配置された捕集ディッシュ4が露出することとなる。
【0018】
なお、図3中、符号41は、ハウジング6の内部空間66内に試薬R(図1参照)や温水を注入するための貫通孔であり、符号5は捕集ディッシュ4の裏側に配置された担体であり、符号64aはハウジング6の排出開口であり、符号7は、この排出開口64aに設けられたフィルターであり、符号104aはハウジング6に接続される吸引ユニット104(図1参照)の吸引ヘッドである。なお、内部空間66は、特許請求の範囲にいう「空間」に相当する。
【0019】
そして、図3に示すように、係合リング102bを介して搭載部102に支持された被検出物捕集具1においては、貫通孔41を有する捕集ディッシュ4が、ハウジング6の上方に配置され、サンプルとしての担体5は、捕集ディッシュ4の裏側でハウジング6の内部空間66内に配置されることとなる。
【0020】
また、搭載部102に支持された被検出物捕集具1は、凹部102aから上方に突出したハウジング6部分に捕集ディッシュ4が配置されるようになっている。なお、ヒーター102cは、搭載部102に支持された被検出物捕集具1のハウジング6を囲う凹部102a(アルミ材)を所定温度に温めることができれば手段は問わないが、カートリッジヒーター等が好ましい。
【0021】
図1に示す機能液体タンク105は、滅菌蒸留水等の液体を貯留するものである。この液体は、例えば、後記する被検出物捕集具1の担体5(図3参照)のろ過速度の向上や、洗浄のためにハウジング6(図3参照)内に加えられ、更には後記する分注ユニット106のシリンジポンプ106cの配管系に満たされる。なお、この機能液体タンク105には、バッファー液を貯留することもできる。
【0022】
温水供給部103は、機能液体タンク105から供給された滅菌蒸留水等を温めて供給するものである。更に詳しく説明すると、温水供給部103は、捕集ディッシュ4の貫通孔41(図3参照)を介して温水をハウジング6の内部空間66(図3参照)に注入するものであり、図示を省略するが、例えばペリスタポンプでカートリッジヒーターからの温水を、フレキシブルチューブ等で形成されたノズルを介して吐出するものが挙げられる。ちなみに、このノズルは、水平及び垂直方向に移動する手段を備えることにより、必要に応じて捕集ディッシュ4の貫通孔41(図3参照)を介してハウジング6の内部空間66(図3参照)内に挿入される。
【0023】
図1に示す吸引ユニット104は、ハウジング6の内部空間66(図3参照)内に注入した温水や、後記する試薬R等を吸引することで、これらを、フィルター7(図3参照)を介して排出するものである。この吸引ユニット104は、例えば、前記した吸引ヘッド104a(図3参照)と、この吸引ヘッド104aに所定の配管を介して接続される図示しない吸引ポンプ及び廃液タンク等で構成することができる。
ちなみに、本実施形態での吸引ユニット104は、搭載部102に支持されたハウジング6(図3参照)に対して、吸引ヘッド104a(図3参照)の連結及び離反が可能なように、吸引ヘッド104aを上下移動させる昇降装置(図示省略)を更に備えている。
【0024】
図1に示す試薬カートリッジ2は、ATP法に必要な複数の試薬Rを一纏めに配置するものである。試薬カートリッジ2は、搭載部102の近傍の予め定められた位置に配置される。この試薬カートリッジ2は、次に説明する分注ユニット106の分注ノズル106aが、予め定められた順番で試薬Rを被検出物捕集具1のハウジング6内、及び発光強度測定ユニット107の発光用チューブ107a内に分注していくことができるように、試薬Rを位置決めしている。つまり、試薬Rの位置(座標)は、後記するように、分注ユニット106を制御する制御部108に記憶されている。
【0025】
なお、ATP法に必要な試薬Rとしては、例えば、捕集した微生物の細胞外に存在するATPを消去するATP消去試薬、微生物に内在するATPを抽出するATP抽出試薬、微生物から抽出したATPを発光させるATP発光試薬等が挙げられる。
【0026】
ATP消去試薬としては、例えば、ATP分解酵素が挙げられる。
ATP抽出試薬としては、例えば、塩化ベンザルコニウム、トリクロロ酢酸、トリス緩衝液等が挙げられる。
ATP発光試薬としては、例えば、ルシフェラーゼ・ルシフェリン試薬が挙げられる。
なお、試薬Rには、発光強度測定ユニット107の補正試薬、滅菌した純水等を含めることができる。
【0027】
図1に示す分注ユニット106は、前記した試薬Rを、被検出物捕集具1のハウジング6内に分注するものである。また、分注ユニット106は、試薬Rやハウジング6(図3参照)内の後記するATP抽出液を、発光強度測定ユニット107の発光用チューブ107a内に分注するものである。
【0028】
この分注ユニット106は、細管で形成された分注ノズル106aと、分注ノズル106aを3軸方向に移動させるアクチュエーター106bと、分注ノズル106aに所定のフレキシブル配管で接続されたシリンジポンプ106cと、このシリンジポンプ106cを介して分注ノズル106aに滅菌蒸留水等を機能液体タンク105から供給するための図示しない配管等で構成することができる。
【0029】
図1に示す発光強度測定ユニット107としては、ハウジング6(図3参照)内から分注された後記するATP抽出液を受け入れて、ATPを発光させる発光用チューブ107aと、このATPの発光強度を検出する光電子増倍管等を有する光検出部本体107bとを備えるものが挙げられる。
【0030】
図1に示す制御部108は、微生物計数装置10を全体的に統括して制御すると共に、被検出物捕集具1(図3参照)を搭載部102に搭載した後、温水供給部103、吸引ユニット104、分注ユニット106、及び発光強度測定ユニット107を次に説明する手順で制御するように構成されている。このような制御部108は、CPU、ROM、RAM、各種インタフェイス、電子回路等を含んで構成されている。
【0031】
(微生物計数装置の動作及び微生物の計数原理)
次に、制御部108が実行する手順を説明しながら、この微生物計数装置10の動作及び微生物の計数原理について説明する。次に参照する図4は、制御部の指令に基づいて微生物計数装置が動作する工程を示すフローチャートである。
【0032】
図1に示す微生物計数装置10では、被検出物捕集具1(図3参照)を搭載部102に搭載した後に図示しない起動スイッチをオンにすることで、制御部108が次の手順を実行する。
【0033】
制御部108は、図4に示すように、ヒーター102c(図3参照)に通電するように所定のインバータ等に指令を出力してヒーター102cを発熱させる。つまり、制御部108は、ヒーター102cで被検出物捕集具1の担体5(図3参照)を昇温させる(ステップS201)。その結果、担体5は、ゾル化することで捕集ディッシュ4(図3参照)からハウジング6(図3参照)内の底部に剥落する。
【0034】
次に、制御部108は、温水供給部103(図1参照)に指令を出力して、温水をハウジング6(図3参照)内に注入させる(ステップS202)。その結果、担体5(図3参照)のゾル化が促進されると共に、温水で担体5は希釈される。
【0035】
次に、制御部108は、吸引ユニット104(図1参照)に指令を出力して、吸引ヘッド104a(図3参照)をハウジング6(図3参照)に接続させると共に吸引させて、ハウジング6(図3参照)の内容物をろ過させる(ステップS203)。その結果、担体5に捕集された微生物は、フィルター7(図3参照)で分離して保持されると共に、希釈された担体5は、ろ過されてハウジング6外に排出される。
【0036】
次に、制御部108は、再び温水供給部103に指令を出力して、温水をハウジング6(図3参照)内に分注させる(ステップS204)。その後、再びこの温水をろ過する(ステップS205)。これによりハウジング6内が洗浄され、フィルター7での微生物回収率が向上する。
【0037】
次に、制御部108は、分注ユニット106(図1参照)に指令を出力して、試薬カートリッジ2のATP消去試薬をハウジング6(図3参照)内に分注させる(ステップS206)。その結果、フィルター7上の微生物の細胞外に存在するATPが消去される。
【0038】
次に、制御部108は、吸引ユニット104(図1参照)に指令を出力して吸引させて、ハウジング6(図3参照)の内容物をろ過させる(ステップS207)。その結果、微生物は、フィルター7(図3参照)で分離して保持されると共に、ATP消去試薬及び温水は、ろ過されてハウジング6外に排出される。
【0039】
分注ユニット106(図1参照)に指令を出力して、試薬カートリッジ2のATP発光試薬を発光用チューブ107a(図1参照)に分注させる(ステップS208)。
【0040】
次に、制御部108は、発光強度測定ユニット107(図1参照)に指令を出力して光検出部本体107b(図1参照)をオンにする(ステップS209)。
【0041】
次に、制御部108は、分注ユニット106(図1参照)に指令を出力して、試薬カートリッジ2のATP抽出液をハウジング6(図3参照)内に分注させる(ステップS210)。その結果、フィルター7に保持された微生物からATPが抽出されフィルター7上にサンプル液が調製される。
【0042】
ステップS208,S209の結果、発光強度測定ユニット107の光検出部は、発光用チューブ107aにおけるATP発光試薬のバックグラウンドの測定を行う。
【0043】
次に、制御部108は、分注ユニット106(図1参照)に指令を出力して、ハウジング6内のATP抽出液を、バックグラウンド測定を行った発光用チューブ107aに分注させる(ステップS211)。その結果、発光用チューブ107a内では、ATP抽出液と、ステップS208において、先に分注されたATP発光試薬との反応によって発光する。
【0044】
次に、制御部108は、発光強度測定ユニット107(図1参照)の光検出部本体107b(図1参照)がATPの発光を検出して出力した信号をデジタル処理し、単一光子計数法に基づいて発光強度を測定する(ステップS212)。そして、制御部108は、予め記憶しているATP量(amol)と、発光強度(CPS)との関係を示す検量線に基づいて、発光用チューブ107aに分注したATP抽出液に含まれるATP量(amol)を演算すると共に、このATP量(amol)、並びにステップS210で調製したサンプル液中のATP抽出液量に基づいて、担体5に含まれる微生物等量のATP換算値として微生物の計数を行う(ステップS213)。
【0045】
(被検出物捕集具)
次に、本実施形態に係る被検出物捕集具1について説明する。以下の説明において、被検出物捕集具1の上下方向は、次に参照する図5に示す上下方向を基準とする。図5は、本実施形態に係る被検出物捕集具の斜視図である。図6は、図5の被検出物捕集具の分解斜視図であり、(a)は、斜め上方から見下ろした際の分解斜視図、(b)は、斜め下方から見上げた際の分解斜視図である。図7は、図5のVII−VII断面図である。
【0046】
本実施形態に係る被検出物捕集具1は、空気中の被検出物である微生物を捕集する際には、後記するインパクター型のエアーサンプラー50(図8参照)に配置されて使用され、捕集した微生物を計数する際には、前記した微生物計数装置10に搭載されて使用される。ちなみに、被検出物捕集具1は、後に詳しく説明するように、微生物の捕集の際と、計数の際では、上下(天地)が逆となるようにして使用される。
【0047】
図5に示すように、被検出物捕集具1は、その上部が略円筒形状に形成されると共に、その下部が下方に向かって縮径する略円錐形状に形成されている。そして、後に詳しく説明するが、この被検出物捕集具1は、その上部がエアーサンプラー50(図8参照)と係合して微生物を捕集し、その下部が微生物計数装置10と係合して捕集した微生物を、その計数に供するようになっている。
【0048】
なお、図5中、符号3は蓋体であり、符号6はハウジングであり、符号31は後記するエアーサンプラー50(図8参照)と係合する第2係合爪であり、符号62aは微生物計数装置10と係合する第1係合爪である。ちなみに、エアーサンプラー50は、特許請求の範囲にいう「被検出物を捕集させる捕集装置」に相当し、第2係合爪31は、特許請求の範囲にいう「係合部」に相当する。
【0049】
被検出物捕集具1は、図6(a)及び(b)に示すように、その上方から下方に向かって、蓋体3、捕集ディッシュ4、担体5、ハウジング6、フィルター7、及びフィルター固定リング8の順番で相互に組み付けられて構成されている。
【0050】
蓋体3は、後記するハウジング6の上部開口を塞ぐように配置されるものであり、上方に開口した有底の円筒形状を呈している。そして、蓋体3の周面の上端縁には、前記した第2係合爪31が径方向の外側に延出するように、周方向に沿って等間隔に並んで形成されている。ちなみに、本実施形態での第2係合爪31は、後記するエアーサンプラー50の係合凹部53(図8参照)の数に合わせて、3つ形成されている。
【0051】
蓋体3の周面の下端縁には、第3係合爪32が径方向の外側に延出するように、周方向に沿って等間隔に並んで3つ形成されている。この第3係合爪32は、後記するハウジング6の第1L字溝61aに嵌入して、ハウジング6に蓋体3を着脱自在に連結するものである。
【0052】
蓋体3の底部の外面は、図6(b)に示すように、下方に突出する複数の条が平行に並ぶ凹凸面で形成されている。この底部の外面は、次に説明する捕集ディッシュ4の上面と接触するように配置された際に、凹凸面としたことでその接触面積を低減している。この凹凸面は、例えば、前記した微生物計数装置10の搭載部102(図2参照)に被検出物捕集具1を配置し、ハウジング6から蓋体3を取り外した際に、捕集ディッシュ4をハウジング6側に残して、捕集ディッシュ4と離反し易くしている。また、後記するように、エアーサンプラー50(図8参照)で微生物を捕集した後、微生物の計数施設(例えば、微生物計数装置10(図1参照)の配置施設)までこれを必要に応じて保冷して搬送した場合に、稀に、蓋体3と捕集ディッシュ4との間に結露することがあるが、この場合であっても凹凸面は、捕集ディッシュ4と離反し易くしている。なお、この凹凸面は、前記した条に限らず、複数の突起で形成することができるし、例えば、梨地、布目等のシボで形成することもできる。
【0053】
また、蓋体3の底部の外面には、図6(b)に示すように、下方に突出する円柱状の突起33が形成されている。この突起33の外径は、次に説明する捕集ディッシュ4の貫通孔41の内径よりもやや小さくなっている。また、この突起33の高さは、その貫通孔41の長さと等しくなっている。
【0054】
捕集ディッシュ4は、図6(a)及び(b)に示すように、円盤形状を呈している。この捕集ディッシュ4の中央部には、この捕集ディッシュ4を上下に貫通する貫通孔41が形成されている。
【0055】
この捕集ディッシュ4の上面は、図6(a)に示すように、前記した蓋体3の底部の外面と接触可能なように、平坦面となっている。
また、捕集ディッシュ4の下面には、貫通孔41の周りで、次に説明するリング状の担体5が収容可能なように、内外二重の環状リブ42a,42bが立設されている。
【0056】
ちなみに、捕集ディッシュ4の外径は、後記するハウジング6の下側円筒部62の内径以上、上側円筒部61の内径以下の範囲内で設定されるが、上側円筒部61の内径と略同じに設定するのが望ましい。また、図6(b)に示す捕集ディッシュ4の外側の環状リブ42bの外径は、後記する下側円筒部62の内径以下に設定されるが、下側円筒部62の内径と略同じに設定するのが望ましい。
【0057】
担体5は、後記するように、エアーサンプラー50(図8参照)に配置されて、エアーサンプラー50が空気を吸引した際の空気流を受けると共に、その空気に同伴する微生物を捕集するものである。
【0058】
この担体5は、常温から昇温することでゲルからゾルに相変位する材料で形成されている。この担体5の材料としては、30℃以上でゾルに相変位するものが望ましく、37〜40℃で液化するものが更に望ましい。中でも、ゼラチン、ゼラチンとグリセロールの混合物、及びN−アクリロイルグリシンアミドとN−メタクリロイル−N´−ビオチニルプロピレンジアミンとの10:1のコポリマーが望ましい。
担体5は、前記したように、リング形状を呈しており、図6(b)に示すように、捕集ディッシュ4の環状リブ42a,42b同士の間に形成される空間と同形状のものが望ましい。
なお、担体5は、環状リブ42a,42b同士の間の空間に、前記した材料を塗布し、又は充填することで形成されるが、自立したリング形状のものを前記した空間に嵌め込んで配置してもよい。
【0059】
ハウジング6は、図6(a)及び(b)に示すように、その上方から下方に向かって、前記した蓋体3の外径と略同じ内径を有する上側円筒部61と、この上側円筒部61の内径よりも更に縮径した内径を有する下側円筒部62と、この下側円筒部62の内径から徐々に縮径した内径を有する逆円錐形状のロト部64と、このロト部64の最下部に形成される排出開口64aの出口周囲に設けられたフィルター取付部65と、がこの順番に一体となるように構成されている。
【0060】
上側円筒部61の内周面には、前記したように、蓋体3の第3係合爪32が嵌入する第1L字溝61aが内周に沿って、第3係合爪32と対応する位置に3箇所形成されている。
【0061】
下側円筒部62は、棚部63を介して上側円筒部61と接続されている。
この下側円筒部62の外周面には、前記した微生物計数装置10の係合リング102b(図2参照)と係合する第1係合爪62aが形成されている。この第1係合爪62aは、下側円筒部62の径方向の外側に延出するように、周方向に沿って等間隔に並んで形成されている。ちなみに、本実施形態での第1係合爪62aは、4つ形成されている。
【0062】
ロト部64は、下方に向かって内径が徐々に縮径することで、内容物が最下部の排出開口64a(図6(b)参照)に向かって流下し易くなっている。
【0063】
フィルター取付部65は、排出開口64a(図6(b)参照)の出口を塞ぐように配置されるフィルター7の形状に合わせて、薄い円盤状の空間を形成するフィルター収容部65a(図6(b)参照)と、フィルター固定リング8を支持する円筒形状のリング支持部65bとが一体となって形成されている。
【0064】
リング支持部65bの内周面には、後記するフィルター固定リング8に形成された第4係合爪82aが嵌入する第2L字溝65cが形成されている。この第2L字溝65cは、周方向に沿って等間隔に並んで4つ形成されている。
【0065】
本実施形態でのフィルター7は、メンブレンフィルターであって、前記したように、排出開口64aの出口を塞ぐように、言い換えれば、排出開口64aの外側に配置され、排出開口64a側から順番に、親水性フィルター7aと、疎水性フィルター7bとが重ねられている。
【0066】
親水性フィルター7a、及び疎水性フィルター7bは、上市品を使用することができる。親水性フィルター7aとしては、例えば、MF−ミリポア(日本ミリポア社製)、Durapore(日本ミリポア社製)、Isopore(日本ミリポア社製)等が挙げられる。
疎水性フィルター7bとしては、例えば、マイテックス(日本ミリポア社製)、ポリプロピレンプレフィルター(日本ミリポア社製)等が挙げられる。
これらのフィルター7は、排出開口64aの内径よりも大きい外径のものが使用されることは言うまでもない。
【0067】
フィルター固定リング8は、図6(a)及び(b)に示すように、ハウジング6(ロト部64)にフィルター7を固定するものであって、ロト部64の排出開口64aとフィルター7を介して連通する位置に、貫通孔81を有している。
【0068】
このフィルター固定リング8は、前記したフィルター取付部65のリング支持部65bの内径と略同じ外形のリング本体82と、このリング本体82の下方に形成されて、リング本体82の外径よりも大きい径のフランジ部83と、を備えている。
【0069】
また、フィルター固定リング8は、図6(a)に示すように、リング本体82の上面に一体に形成されて、ハウジング6のフィルター収容部65aの内側に嵌入する嵌入部84と、この嵌入部84での貫通孔81の開口周囲に立設された環状リブ85とを更に備えている。ちなみに、フィルター7は、この環状リブ85によって排出開口64a(図6(b)参照)の出口周囲に押し付けられることとなる。
【0070】
そして、リング本体82の周面には、第4係合爪82aが径方向の外側に延出するように、周方向に沿って等間隔に4つ形成されている。この第4係合爪82aは、前記したリング支持部65bの第2L字溝65cに対応する位置に形成され、第2L字溝65cに嵌入することで、ハウジング6にフィルター固定リング8を着脱自在に連結するものである。
【0071】
以上のような、被検出物捕集具1は、図7に示すように、ハウジング6の前記した棚部63の上に、捕集ディッシュ4が載置され、ハウジング6と蓋体3とは、この捕集ディッシュ4を介在させて、前記した第1L字溝61a及び第2係合爪31によって連結される。この際、捕集ディッシュ4の貫通孔41は、蓋体3の突起33で封止されることとなる。
なお、ハウジング6と蓋体3とは、ハウジング6と蓋体3を相対的に回転させて第1L字溝61aから第2係合爪31を抜き出すことで、その連結を解くことができる。
【0072】
そして、フィルター7が、ロト部64の排出開口64aの出口を塞ぐように、フィルター収容部65aに配置されると共に、フィルター取付部65、及びフィルター固定リング8が、前記した第2L字溝65c及び第4係合爪82aによって連結されることで、ロト部64の排出開口64aと、フィルター固定リング8の貫通孔81は、フィルター7を介して連通し合う。この際、フィルター7は、前記したように、フィルター固定リング8の環状リブ85によって排出開口64aの出口周囲に押し付けられて強固に固定される。
【0073】
このような被検出物捕集具1では、ハウジング6内に、前記した試薬R(図1参照)等が分注される際には、図3に示すように、試薬等を受け入れる内部空間66に連通するように貫通孔41が開口するが、試薬Rが分注される前には、蓋体3の突起33が貫通孔41を封止する。また、ロト部64の排出開口64aの出口は、微生物を分離するフィルター7で塞がれている。その結果、内部空間66は、少なくとも微生物については外部環境と隔てられた空間(閉鎖空間)となる。そして、捕集ディッシュ4に保持される担体5は、この閉鎖空間内に配置されることとなる。
以上のような、被検出物捕集具1は、フィルター7を除いて成形可能な樹脂で形成することができる。中でもポリプロピレンが望ましい。
【0074】
(被検出物捕集具の使用方法)
次に、本実施形態に係る被検出物捕集具1の使用方法について説明する。
ここでは、まず被検出物捕集具1で微生物を捕集する方法について説明する。次に参照する図8は、本発明の被検出物捕集具で微生物を捕集する方法を説明するための斜視図である。
【0075】
図8に示すように、微生物の捕集に供する際の被検出物捕集具1は、担体5を保持する捕集ディッシュ4が蓋体3上に載置されたものが使用される。つまり、図7に示す被検出物捕集具1において、上下を逆にし、蓋体3側に捕集ディッシュ4を残したままで、ハウジング6及びフィルター固定リング8を取り外したものが使用される。ちなみに、蓋体3からのハウジング6の取り外しは、次に説明するように、エアーサンプラー50の台座52に蓋体3を位置決めして配置した後、前記したように、ハウジング6と蓋体3を相対的に回転させて第1L字溝61a(図6(a)参照)から第2係合爪31(図6(a)参照)を抜き出すことでその連結を解いて行う。
【0076】
この被検出物捕集具1は、エアーサンプラー50の本体部51の上方に形成された平面視で円形の台座52に載置される。なお、台座52には、前記したように、蓋体3の第2係合爪31を受け入れる係合凹部53が形成されており、被検出物捕集具1は、台座52の中央部に位置決めされるようになっている。
【0077】
ちなみに、図8中、符号54は、本体部51の吸引口であり、符号55はエアーサンプラー50のノズルヘッドである。
【0078】
つまり、この微生物を捕集する方法では、図8に示すように、ハウジング6及びフィルター固定リング8が一体で取り外されて、担体5が露出した被検出物捕集具1が台座52に載置され、この台座52を覆うようにノズルヘッド55が配置される。ここでの担体5を露出させる工程は、特許請求の範囲にいう「担体を露出させる第1工程」に相当する。
【0079】
そして、本体部51内に配置された図示しないファンが駆動して、吸引口54から空気が吸引されると、ノズルヘッド55内に設けられた複数の微細ノズル(図示省略)から空気流が担体5に噴射される。その結果、担体5に噴射された空気に同伴する微生物は、担体5に捕集されることとなる。つまり、担体5を上方に向けて微生物の捕集操作が行われる。
【0080】
この際、図8に示すように、蓋体3の突起33によって、捕集ディッシュ4の貫通孔41(図7参照)が封止されているので、捕集ディッシュ4の担体5側の面は、面一となって、受ける空気流の乱れが抑制される。その結果、担体5は、効率よく微生物を捕集することができる。
【0081】
エアーサンプラー50が予め定められた空気量を吸引すると、この被検出物捕集具1による微生物の捕集工程は終了する。この捕集工程は、特許請求の範囲にいう「被検出物の捕集操作を行う第2工程」に相当する。
【0082】
この捕集工程が終了すると、再び、ハウジング6及びフィルター固定リング8が一体で蓋体3に取り付けられて、図7に示す被検出物捕集具1の状態に再び戻る。この工程は、特許請求の範囲にいう「前記担体を覆うように前記捕集ディッシュに対して前記ハウジングを再び配置する第3工程」に相当する。
【0083】
次に、捕集した微生物を計数する微生物計数装置10内での被検出物捕集具1の使用方法について説明する。
前記した捕集工程が終了して、図7に示す状態に再び戻った被検出物捕集具1は、前記したように、そのままの状態で微生物計数装置10内にユーザーにより搬送される(図2参照)。
次いで、前記したように、搭載部102に配置された被検出物捕集具1は、ユーザーによりハウジング6から蓋体3が取り外される(図3参照)。
【0084】
次に参照する図9(a−1)から(a−4)は、微生物計数装置内での被検出物捕集具の使用方法について説明するための被検出物捕集具の断面図、図9(b−1)から(b−4)は、図9(a−1)から(a−4)に対応する場面でのフィルター近傍の様子を拡大して示す模式図である。
なお、図9(b−1)から(b−4)中、符号Bで示される微生物は、実際には、マイクロメーターオーダーの大きさであり、ATPは、実際には分子レベルの大きさであって、図9(b−1)から(b−4)は、これらの相対的な大きさを示すものではない。
【0085】
前記したステップS201(図4参照)で担体5が昇温されると、図9(a−1)に示すように、捕集ディッシュ4に保持された担体5は、ゾル化してハウジング6のロト部64に剥落する。この際、図9(b−1)に示すように、エアーサンプラー50(図8参照)で捕集された微生物Bは、フィルター7上で担体5と共に滞留する。
【0086】
次に、前記したステップS202(図4参照)でハウジング6内に温水HWが注入されると、担体5のゾル化がさらに促進されると共に、温水で希釈される。この際、フィルター7は、図9(a−2)に示すように、その下側が疎水性フィルター7bで構成されているので、担体5を希釈して含む温水HWは、ハウジング6内に滞留する。そして、微生物Bは、フィルター7上で担体5を希釈して含む温水HWと共に滞留する。なお、図9(a−2)中、符号4は、捕集ディッシュであり、符号64はロト部である(以下の図中、この符号について同じ)。
【0087】
次に、前記したステップS203(図4参照)で、ハウジング6内の内容物がろ過されると、ハウジング6内の担体5を希釈して含む温水HW(図9(a−2)参照)は、図9(a−3)に示すように、排出される。この際、担体5を希釈して含む温水HW中の微生物Bは、図9(b−3)に示すように、フィルター7で分離して保持される。
【0088】
ちなみに、本実施形態でのフィルター7は、図9(b−3)に示すように、親水性フィルター7aと疎水性フィルター7bの二重構造になっているために、従来のATP法で使用される親水性フィルターのみのフィルターで形成されたものと異なって、疎水性フィルター7bの作用により、吸引または加圧ろ過をしない限り、上部に液体を保持することができるので、ATP抽出などの試薬反応処理をフィルター7上で行うことができる。
【0089】
そして、前記したステップS206(図4参照)で、ハウジング6内にATP消去試薬を分注した後に、前記したステップS210(図4参照)で、ハウジング6内にATP抽出試薬が分注される。
これらの試薬の分注工程は、特許請求の範囲にいう「前記試薬を前記ハウジング内に注入する第4工程」に相当する。
【0090】
そして、前記したステップS210(図4参照)で、ATP抽出試薬が注入されたハウジング6内には、図9(a−4)に示すように、ATP抽出液EXが滞留することとなる。この際、図9(b−4)に示すように、ATP抽出液EXには、微生物Bの数に対応した量で、ATPが存在することとなる。
【0091】
そして、前記したステップS211(図4参照)で、図9(b−4)に示すATP抽出液EXが発光用チューブ107a(図1参照)に分注されることで、被検出物捕集具1の使用方法の一連の工程が終了する。
【0092】
以上のような被検出物捕集具1及びその使用方法によれば、担体5を上方に向けて微生物の捕集操作を行った後、担体5を下方に向けると共に、貫通孔41を介して、試薬を微生物と接触させることになる。
したがって、この被検出物捕集具1及びその使用方法によれば、担体5を上方に向けることで、微生物の捕集が容易になると共に、試薬を微生物と接触させる際、つまり微生物を検出する際には、担体5を下方に向けることで、捕集ディッシュ4が担体5の蓋として機能する。その結果、例えば、上方から落下する埃や細菌等によって担体5が汚染されることが防止される。
【0093】
また、被検出物捕集具1をエアーサンプラー50に取り付ける前、及びエアーサンプラー50で微生物を捕集した後にこれを微生物計数装置10内に搬送する前までの間に、担体5は、ハウジング6内の閉鎖空間内に配置されることとなるので、従来の担体が露出した捕集具(例えば、特許文献1参照)と異なって、担体5が微生物の計数の外乱要因となる物質で汚染されるのを防止することができる。
その結果、この被検出物捕集具1及びその使用方法によれば、検査場所で捕集した微生物を、より正確に計数することができる。
【0094】
以上のような被検出物捕集具1及びその使用方法によれば、被検出物捕集具1をエアーサンプラー50に取り付ける前、及びエアーサンプラー50で微生物を捕集した後にこれを微生物計数装置10内に搬送する前までの間に、担体5は、ハウジング6内の閉鎖空間内に配置されることとなるので、従来の担体が露出した捕集具(例えば、特許文献1参照)と異なって、担体5が微生物の計数の外乱要因となる物質で汚染されるのを防止することができる。
その結果、この被検出物捕集具1及びその使用方法によれば、検査場所で捕集した微生物を、より正確に計数することができる。
【0095】
また、被検出物捕集具1及びその使用方法によれば、微生物計数装置10を使用して微生物に試薬Rを接触させる際に、捕集ディッシュ4の貫通孔41を介してハウジング6内に試薬Rを分注するので、ハウジング6内とその外部との連通が必要最小限に止められる。その結果、ハウジング6内が微生物の計数の外乱要因となる物質で汚染されるのを防止することができる。
【0096】
また、被検出物捕集具1及びその使用方法によれば、ハウジング6の内容物を排出する排出開口64aを有し、この排出開口64aに、微生物を分離し保持するフィルターが配置されているので、微生物と試薬Rとをハウジング6内で接触させることができる。その結果、従来の捕集具(例えば、特許文献1参照)のように、捕集具から取り出した微生物に試薬を接触させて微生物を計数するものと異なって、微生物の計数の外乱要因が飛躍的に減少する。
【0097】
また、被検出物捕集具1及びその使用方法によれば、フィルター7は、親水性フィルター7aと疎水性フィルター7bの二重構造になっているために、従来のATP法で使用される親水性フィルターのみのフィルターで形成され、回収した微生物に対する試薬反応処理をフィルター7上で実施することができる。
【0098】
また、被検出物捕集具1及びその使用方法によれば、蓋体3は、エアーサンプラー50に係合する第2係合爪31を、ハウジング6の反対側に備えており、図5に示すように、蓋体3と、ハウジング6とが一体となった状態でハウジング6側を手指で把持し、図8に示すように、エアーサンプラー50に蓋体3を配置した後、蓋体3からハウジング6を取り外すことで、担体5を露出させることができる。つまり、担体5を露出させる際に、担体5を保持する捕集ディッシュ4に手指が触れることが避けられる。したがって、この被検出物捕集具1及びその使用方法によれば、担体5が微生物の計数の外乱要因となる物質で汚染されるのを、より確実に防止することができる。
【0099】
また、被検出物捕集具1及びその使用方法によれば、搭載部102に配置されて、ユーザーによりハウジング6から蓋体3が取り外された際に、捕集ディッシュ4は上下(天地)が逆になって担体5が内部空間66側を向いているので、担体5の汚染を、より確実に防止することができる。なお、この作用効果は、フィルター7の、例えば前記した親水性フィルター7aと疎水性フィルター7b等の種類や、その数に関係なく奏することができる。
【0100】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、種々の形態で実施することができる。
前記実施形態では、被検出物捕集具1で捕集した微生物を微生物計数装置10で計数することを想定しているが、本発明は微生物計数装置10に組み込まずに、手作業で試薬Rをハウジング内に分注してATP法により微生物を計数するものであってもよい。
【0101】
本発明は、枯草菌等の芽胞形成菌に適用してもよく、この場合には、前記した試薬にアミノ酸、糖等の栄養形細胞変換試薬を含めることができる。
【0102】
また、前記実施形態では、ATP法によって微生物の計数を行っているが、本発明は、微生物から抽出したDNA、RNA、NAD等の生体内物質に励起光を照射して生じさせた蛍光に基づいて微生物の計数を行ってもよい。
【0103】
また、被検出物捕集具1でグラム陰性桿菌を捕集してこれを計数する場合には、その細胞膜に含まれるエンドトキシンを指標とし、エンドトキシンにリムルスを反応させた際の発光強度に基づいて細菌数を計数してもよい。
【0104】
また、フィルター7から微生物を回収し、培養にまわして計数してもよい。
【符号の説明】
【0105】
1 被検出物捕集具
2 試薬カートリッジ
3 蓋体
4 捕集ディッシュ
5 担体
6 ハウジング
7 フィルター
7a 親水性フィルター
7b 疎水性フィルター
10 微生物計数装置
31 第2係合爪(係合部)
41 貫通孔
50 エアーサンプラー(捕集装置)
64a 排出開口
66 内部空間(空間)
108 制御部
R 試薬
B 微生物(被検出物)
EX ATP抽出液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面側に被検出物を捕集する担体を保持した捕集ディッシュを備え、
前記捕集ディッシュは、前記一面側と他面側とを繋ぐ貫通孔を有している被検出物捕集具の使用方法であって、
前記担体を上方に向けて前記被検出物の捕集操作を行った後、
前記担体を下方に向けると共に、前記貫通孔を介して前記被検出物を検出するための試薬を前記担体に捕集した前記被検出物と接触させることを特徴とする被検出物捕集具の使用方法。
【請求項2】
一面側に被検出物を捕集する担体を保持した捕集ディッシュと、
前記担体を覆うように前記捕集ディッシュに対して配置されるハウジングとを備え、
前記捕集ディッシュは、前記一面側と前記ハウジングとの間に形成される空間と外部とを繋ぐ貫通孔を有している被検出物捕集具の使用方法であって、
前記ハウジングを取り外して前記担体を露出させる第1工程と、
露出させた前記担体に対して前記被検出物の捕集操作を行う第2工程と、
前記捕集操作を行った後に、前記担体を覆うように前記捕集ディッシュに対して前記ハウジングを再び配置する第3工程と、
前記捕集ディッシュに形成された前記貫通孔を介して前記被検出物を検出するための試薬を前記ハウジング内に注入する第4工程と、
を有することを特徴とする被検出物捕集具の使用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−53057(P2012−53057A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236156(P2011−236156)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【分割の表示】特願2009−295655(P2009−295655)の分割
【原出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(000005452)株式会社日立プラントテクノロジー (1,767)
【Fターム(参考)】