説明

被記録媒体種類識別装置および記録装置

【課題】 簡単な構成で、被記録媒体の表面および裏面の種類を識別可能にし、また、被記録媒体への最適でない記録条件を排除する。
【解決手段】 1組の発光部・受光部を備える検知部を持ち、検知部を固定したまま被記録媒体を移動し、検知部と被記録媒体の相対位置を変化させることによって、被記録媒体の表面および裏面の種類を識別する。また、予め設定された被記録媒体種類情報と、被記録媒体種類識別装置により検知された種類情報が一致しない場合、記録せずに排紙するか、強制的に記録動作を実施するか、自動的に被記録媒体を反転する等の手段により、過失で無駄な記録動作をしてしまうことを防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録装置に用いられる被記録媒体種類識別装置および記録装置に関し、更には被記録媒体の両面の種類を検出可能な被記録媒体種類識別装置と、その記録装置において使用者が被記録媒体の挿入方向を誤ってしまった場合の制御方法、および用紙反転部を備えている場合の制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、被記録媒体の記録面に着色されたトナーやインクを付着させて画像を形成し、その画像が記録された被記録媒体を排出する記録装置として、インクジェット方式、電子写真方式、など様々な記録装置が存在している。それらの記録装置の中で、形成される画像の品質を向上させるために、供給された被記録媒体の種類に合わせて最適な条件で記録が出来るように、被記録媒体種類の識別を識別し、被記録媒体種類に合った記録条件で記録動作を実施する構成を備えた記録装置が存在する。
【0003】
そのような被記録媒体種類の識別装置においては、被記録媒体の片側の面のみに作用し、その種類を識別するように構成される物が大半である。あるいは、識別精度を向上させるために、被記録媒体の両側の面に識別手段を配して、その目的を達成しようとするものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、識別手段の数を少なくするために、被記録媒体の表裏を反転させて、表面と裏面を個別に識別手段に対向させるようにして表裏の状態を識別し、識別精度を向上させるものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
更には、被記録媒体表裏の摩擦抵抗差を検知して被記録媒体のセット方法が適当であったかどうかを判別する機構を備えたものが存在する(例えば、特許文献3参照)。
【0006】
なお、光学的に被記録媒体表面の状態を検知する手法としては、例えば特許文献4で開示されるが如く、発光部と受光部を持つセンサにて、正反射光の割合を参照する方法がある。
【特許文献1】特開平9−40227号公報
【特許文献2】特開2002−188997号公報
【特許文献3】特開2002−128324号公報
【特許文献4】特開平6−015861号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、それらの被記録媒体種類識別手段を備えた記録装置にあって、被記録媒体の表裏面に独立に識別手段を設けた場合は、センサ部やセンサ制御部を多く備える必要があり、コスト的に高価になってしまうことがあった。
【0008】
また、被記録媒体と被記録媒体識別手段の相対的位置を反転させて表裏の識別を行う場合には、相対的位置の反転に多くの時間を必要とし、記録速度が遅くなったり、反転機構のために多くのスペースを必要とし、装置サイズが拡大してしまうことがあった。
【0009】
また、被記録媒体表裏の摩擦抵抗差を検知してセット方法が適当であるかどうかを判別する機構を備えた場合には、被記録媒体に接触して検知する必要があるため、被記録媒体の表面が脆弱である場合に被記録媒体を痛めてしまう可能性があった。
【0010】
本発明は、以上の点に着目して成されたもので、簡単な構成で、被記録媒体の表面および裏面の種類を識別可能にし、また、被記録媒体への最適でない記録条件を排除する被記録媒体種類識別装置および記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記目的を達成するため、被記録媒体の種類を識別する識別装置であって、1組の発光部および受光部からなる検知手段と、被記録媒体搬送手段と、を持ち、前記検知手段の位置は固定したままで、前記被記録媒体搬送手段により被記録媒体を移動することで、該被記録媒体の第1の面と、第1の面と反対側の第2の面の種類とを識別することにより、上記課題を解決するものである。
【0012】
また、反射板を使用した光学系を持ち、前記被記録媒体の移動により光学経路を変化させることで、該被記録媒体の第1の面および第2の面の種類を識別することにより、上記課題を解決するものである。
【0013】
また、導光手段により前記発光部の光を被記録媒体の第1の面および第2の面に導き、また別の導光手段により第1の面および第2の面から反射して戻る光を前記受光部に導いていて、前記被記録媒体の移動により、片面のみの反射状態と、両面合わせた反射状態とを検知することにより、該被記録媒体の第1の面および第2の面の種類を識別することにより、上記課題を解決するものである。
【0014】
また、被記録媒体の記録面たる第1の面と、第1の面と反対側の第2の面の種類とを識別する被記録媒体種類識別装置を備えた記録装置であって、記録動作開始前に予め被記録媒体の記録面側の種類を指定した、第1被記録媒体種類情報と、前記被記録媒体種類識別装置によって第1の面を検知した結果である、第2被記録媒体種類情報と、前記被記録媒体種類識別装置によって第2の面を検知した結果である、第3被記録媒体種類情報と、を記憶する記憶手段を持ち、第1被記録媒体種類情報と第2被記録媒体種類情報、および第1被記録媒体種類情報と第3被記録媒体種類情報をそれぞれ比較する比較手段を備えることにより、上記課題を解決するものである。
【0015】
また、前記比較手段により、前記第1被記録媒体種類情報と前記第2被記録媒体種類情報とが異なっていると判定した場合、判定結果を記録装置内あるいは記録装置外に表示する手段を持つことにより、上記課題を解決するものである。
【0016】
また、前記比較手段により、前記第1被記録媒体種類情報と前記第2被記録媒体種類情報とが異なっていると判定した場合、記録動作を実施せずに被記録媒体を記録装置外に排出するか、そのまま記録動作を実施するかを選択可能な選択手段を備えることにより、上記課題を解決するものである。
【0017】
また、前記比較手段により、前記第1被記録媒体種類情報と前記第2被記録媒体種類情報とが異なっており、かつ前記第1被記録媒体種類情報と前記第3被記録媒体種類情報とが一致していると判定した場合、被記録媒体表裏反転手段により、自動的に該被記録媒体を反転して記録部へ搬送することにより、上記課題を解決するものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る被記録媒体種類識別装置によれば、表裏面の検知手段に1組の発光・受光素子を使用しているため、別々に2組の発光・受光素子を使用している時のように、2組のセンサの相関を取る為の感度調整を行う必要がない。
【0019】
また、センサが1組で済むために、制御回路を含めて部品点数を削減することが可能になり、低コスト化の効果がある。また、非接触で被記録媒体の表裏凹凸差を検出することが可能なので、脆弱な表面層を持った被記録媒体に傷を付けてしまうことが無く、幅広い被記録媒体に対応することが可能になる。
【0020】
更には、1組のセンサで表裏面を検知するために、被記録媒体を反転させたり、センサを移動させる機構を備える必要がないため、低コスト化の他に、動作時間を短縮することが可能となり、記録速度を高速化することが可能となる。
【0021】
更に、被記録媒体を反転させる機構を備えなくても、被記録媒体の表裏の被記録媒体種類情報を検知することが可能なので、余分なスペースを必要とせず、装置の小型化に貢献する。
【0022】
また、本発明に係る被記録媒体種類識別装置を備えた記録装置によれば、被記録媒体のセットを表裏誤ってセットされていることが検知可能になり、誤りを検知した時には、記録動作を停止することが出来るので、被記録媒体を無駄にすることがない。更には、自動反転ユニットを備える記録装置の場合は、被記録媒体が表裏誤ってセットされていた時に、自動的に表裏反転して再セットすることが可能になるので、操作性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
被記録媒体種類識別手段を備える記録装置にあって、識別手段は1組の発光・受光素子のみを使用し、識別手段を固定したまま被記録媒体の相対位置を僅かに移動させるだけで、被記録媒体の表裏の種類を識別できるような形態を構成する。また、表裏の特性に差がある被記録媒体を使用している場合には、識別手段による識別結果によって、被記録媒体が正しい向きにセットされているかどうかを判断し、間違っていた場合には警告を出したり、記録動作を中断したり、あるいはセット方向を自動的に修正したりして、被記録媒体に無駄な記録を行わないような形態を構成する。
【実施例1】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【0025】
図1は本発明を適用した、被記録媒体種類識別手段の一実施例を示す、模式的側面図である。
【0026】
同図において、4は被記録媒体(記録用紙)、51はLEDなど電気信号で発光量を制御可能な発光部、52は発光部51からの光のうち記録用紙4表面に正反射して戻ってくる光量を検知するフォトダイオードなどによる正反射光センサ、53は同じく拡散光量を検知する拡散光センサ、54は発光部51からの光を反対面に導く反射板A、55は反対面の正反射光を正反射光センサ52に導く反射板B、56は同じく反射板C、57は反対面の拡散光を拡散光センサ53に導く反射板D、58は同じく反射板E、である。
【0027】
図1(a)は、同図にて上側を記録用紙4の表面と定義した場合の、裏面側の被記録媒体種類識別中の状態を示す図である。記録用紙4は図の右側から図1矢印A方向に進行してきて、図1(a)の位置に記録用紙4先端がある時に、識別を開始する。発光部51から鉛直線と角度θ1で照射された光は、矢印方向に進行し、反射板A54にあたる。反射板Aはガラス製の鏡など、反射率が良好の材質で作られているため、入射した光はほぼ全反射して記録用紙4の裏面に向かう。
【0028】
記録用紙の裏面に対して角度θ1と等しい角度θ2で入射した光は反射するが、この時記録用紙の表面状態、特に紙の繊維やコート層の条件によって異なる凹凸の状態により、反射の仕方が変化してくる。すなわち、表面の凹凸が小さく、極めて平滑な場合には、反射板にあたった場合と同様に全反射して、入射角と等しい角度θ3で正反射していく成分が大半を占める。
【0029】
逆に表面の凹凸が大きい場合には、入射した光は乱反射して拡散していく成分が多くなり、正反射する成分が減少する。よって、この正反射光と拡散光をそれぞれ検出することで、記録用紙の表面状態を検知することが可能となる。そして、その表面状態の検知結果により、記録用紙の種類を推定することが可能となる。
【0030】
なお、本実施例では、正反射光と拡散光の双方を検知しているが、必ずしも両方とも検知する必要はなく、どちらか一方の検知結果だけでも記録用紙の表面状態を検知することが可能である。本実施例においては、より精度良く検知するために、双方を検知する構成としている。
【0031】
正反射した光は、図1(a)の破線に沿って進み、反射板B55にあたる。反射板B55も反射板A54と同様にほぼ全反射する(以下、反射板C56、反射板D57、反射板E58も同様)ので、光は更に破線に沿って進み、反射板C56にあたって全反射し、鉛直線と角度θ4(角度θ1と等しい)で正反射光センサ52に至る。
【0032】
乱反射した拡散光の一部は、同図の一点鎖線に沿って進む。どの方向に拡散した拡散光を検知するかは任意であるが、本実施例においては記録用紙4の鉛直方向に拡散した光を検知するようにしている。この拡散光は反射板D57にあたって全反射し、更に反射板E58にあたって全反射して、拡散光センサ53に至る。
【0033】
以上のような光学系により、所定の光を記録用紙4裏面に入射した場合の正反射光と拡散光を知ることが出来る。
【0034】
次に、図1(a)から、用紙搬送方向である図1矢印A方向に更に少しだけ搬送する。そして、図1(b)の位置まで搬送した以降のいずれかの場所で、記録用紙4表面の被記録媒体種類判別を実施する。この時は、発光部51から照射された光は、角度θ5で記録用紙4表面に入射する。この時、角度θ5は、裏面入射時の角度θ2と略同一角度であるように、光学系は配置されている。よって、角度θ4と等しい角度θ6で正反射した正反射光は、正反射光センサ52に至り、乱反射した拡散光のうち記録用紙4と鉛直方向成分は拡散光センサ53に至る。
【0035】
以上の光学系により、記録用紙4裏面の表面状態を検知した場合と同様の角度で入射させた場合の正反射光と、記録用紙4と鉛直方向成分の拡散光を検知できるので、裏面と表面を全く同じ条件で観測することが可能となる。
【0036】
以上から得られた、裏面および表面の正反射光と拡散光のデータから表面状態を計算し、それぞれの面の種類を推定する。その結果により、普通紙、光沢紙、コート紙、OHPフィルムなどのうち、どのグループに属する表面であるかを推定することが可能である。推定方法の詳細に関しては、特許文献4に開示される発明と同様の手法を用いることが可能である。
【0037】
なお、前述したように、記録用紙の表面状態は、正反射光あるいは拡散光のどちらか一方でも検知可能であるので、その場合は、図1の構成から不要な方の光学経路および受光センサを省略した形にすることも可能である。
【0038】
以上のように、被記録媒体識別手段において、表裏面の検知手段に1組の発光・受光素子を使用しているため、別々に2組の発光・受光素子を使用している時のように、2組のセンサの相関を取るための感度調整を行う必要がない。なお、絶対値を求めるためには1組でも感度調整を行う必要があるが、表裏の差分を検出するだけであれば、全く感度調整を不要にすることも可能である。
【0039】
また、センサが1組で済むために、制御回路等を含めて部品点数を削減することが可能になり、低コスト化の効果がある。
【0040】
また、非接触で被記録媒体の表裏凹凸差を検出することが可能なので、脆弱な表面層を持った被記録媒体に傷を付けてしまうこともなく、幅広い被記録媒体に対応することが可能になる。更には、1組のセンサで表裏面を検知するために、被記録媒体を反転させたり、センサを移動させたりする機構を備える必要がないため、低コスト化の他に、動作時間を短縮することが可能となり、記録速度を高速化することが可能となる。
【0041】
次に、上述の被記録媒体種類識別手段を適用した記録装置に関して説明する。
【0042】
図2は、被記録媒体種類識別手段を適用した記録装置の概略を示す模式的側断面図である。
【0043】
また、図3は被記録媒体種類識別手段を適用した記録装置の模式的斜視図である。
【0044】
同図において、1は記録装置本体、2は記録装置に着脱可能に配された用紙反転部(自動両面ユニット)、3は用紙を積載し給紙する自動給紙部、10は記録装置のフレームになるシャーシ、11はインクを吐出する記録部(記録ヘッド)、12は記録部11にインクを供給するインクタンク、13は記録部11およびインクタンク12を載置して往復走査するキャリッジ、14は自動給紙部からの記録用紙を挟持して搬送する紙送りローラ、15は紙送りローラ14に対向して圧接されるピンチローラ、16は記録後の記録用紙を搬送する第1排紙ローラ、17は第1排紙ローラ下流側に設けられた第2排紙ローラ、18は第1排紙ローラ16に対向して圧接される第1拍車列、19は第2排紙ローラ17に対向して圧接される第2拍車列、20は紙送りローラ14での記録用紙4逆送時に自動給紙部3側に用紙が戻るのを阻止するASFフラップ、21は用紙反転部2で記録用紙を搬送する反転部ローラA、22は同じく反転分ローラB、23、24、25は反転部ローラに対向して圧接される両面ピンチローラA、B、C、26は自動給紙部3の給紙ローラ、27は給紙ローラ26に対向して圧接されるトルクリミッタを内蔵した分離ローラ、28は記録用紙を載置し適当なタイミングで給紙ローラ方向に圧接される圧板、29は用紙反転部の用紙通過経路を決定する出口フラップ、50は前述の被記録媒体種類識別手段を含む被記録媒体検出部、である。
【0045】
なお、図2は、図3を矢印A方向から見た時の、主に記録用紙通紙経路を示した模式図となる。
【0046】
また、図4は被記録媒体種類識別手段の電気回路構成を示す、模式的ブロック図である。
【0047】
同図において、70は記録装置全体を制御する主制御基板、71は被記録媒体検出手段を制御する被記録媒体検出制御基板、72は発光部51を制御する発光制御部、73は正反射光センサ52を制御する正反射光センサ制御部、74は拡散光センサ53を制御する拡散光センサ制御部、75は記録装置全体を制御するCPU、76は記録装置各部の駆動・センシングなどを制御する記録装置制御手段、77は紙送りローラ14などを制御する用紙搬送手段、である。
【0048】
以下、図2、図3、図4を用いて、記録装置動作の概略を説明する。
【0049】
自動給紙部3の圧板28に載置された記録用紙4は、記録装置制御手段76から給紙命令があると、用紙搬送手段77が動作開始することによって給紙される。具体的には、所定タイミングで圧板28を給紙ローラ26方向に圧接することにより、積載された最上位の記録用紙が給紙ローラ26に圧接され、同時に給紙ローラ26を給紙方向に回転するため、記録用紙が搬送される。複数枚の記録用紙4が同時に搬送されてしまった場合には、分離ローラ27に組み込まれたトルクリミッタの効果により、最上位の記録用紙以外には圧板28方向に押し戻す力が作用するため、最上位の記録用紙4が1枚だけ分離されて給紙される。
【0050】
給紙された記録用紙4は紙送りローラ14に到達する前に、被記録媒体検出部50を通過する。この時、前述の如く最初に裏面(非記録面)の記録媒体種類を検知し、更に少し記録用紙4を搬送したところで表面(記録面)の記録媒体種類を検知する。記録媒体種類を検知する瞬間は、記録用紙4の搬送動作を停止して行っても良いし、搬送動作させたまま記録媒体種類検知を実施しても良い。
【0051】
なお、検知結果の処理方法に詳細に関しては後述する。記録用紙4の表裏の記録媒体種類が検知出来て、正しい向きに搬送されていることが確認出来たら、更に記録用紙4を搬送し、紙送りローラ14を回転させて、紙送りローラ14とピンチローラ15のニップ部に記録用紙を挟持させる。この時、記録用紙4の先端と紙送りローラ14の平行度を良くし斜行を無くすために、いわゆるレジストレーション取り動作を行っても良い。
【0052】
記録用紙4の先端が記録部11の下まで来たら、記録動作を開始する。記録動作はキャリッジ13の図2紙面垂直方向への往復走査による行方向の記録と、紙送りローラ14による記録用紙4の間欠搬送による列方向の記録を併用して行う。
【0053】
なお、本実施例においては、記録部11はインクジェットプロセスを用いているので、記録動作の際には、記録用紙4の種類に最も適したインクの打ち込み量に基づくデータを記録装置制御手段76に格納し、記録を行う。
【0054】
記録動作が進行して、記録用紙4の先端が記録部11の下流側に達すると、記録用紙4は第1排紙ローラ16と第1拍車列18、および第2排紙ローラ17と第2拍車列19にも挟持され、搬送される。記録動作を続行し、記録用紙4の必要部分への記録が終了したら、第2排紙ローラ17の作用によって記録用紙4を機外へ排紙することが出来る。
【0055】
なお、本実施例の記録装置においては、自動両面ユニットも具備しているため、表面の記録動作に引き続いて、裏面への記録動作を行うことも可能である。この場合は、第2排紙ローラ18による記録用紙4の機外への排紙の前に、用紙搬送ローラ列を今までと逆方向に回転させることにより、記録用紙4を逆方向に搬送し、用紙反転部2へと搬送する。
【0056】
この時、記録用紙4は図2の通紙パスに沿って進行する。すなわち、出口フラップ29が通常解放している側に用紙が進行するので、通紙パスを図2の反時計回りに搬送される。記録用紙4は反転部ローラA21と両面ピンチローラA23および両面ピンチローラB24に挟持されて搬送され、更には反転部ローラB22と両面ピンチローラC25に挟持されて搬送される。記録用紙4先端が出口フラップ29に到達すると、軽い弾性力で止められていた出口フラップ29は記録用紙4の剛性により押し開けられ、元の通紙パスに戻ることになる。
【0057】
そのまま搬送を継続して紙送りローラ14まで達した後、再び紙送りローラ14とピンチローラ15に挟持されると、用紙反転動作が完了する。この時、記録用紙4の面は、表裏反転されているので、ここから先程と同様に記録動作を再開することにより、裏面への記録を実施することが出来る。裏面への記録動作が終了したら、第2排紙ローラ17の作用により、記録用紙4を機外へ排紙することが出来る。
【0058】
以上が、本実施例の記録装置における記録動作の概略である。
【0059】
なお、本実施例においては、被記録媒体検知部50を自動給紙部3と紙送りローラ14の間に配置したが、本発明の趣旨はこれには拘束されず、紙送りローラ14と記録部11の間など、記録動作前に記録用紙4が通過できる場所であれば他の場所であっても良い。
【0060】
また、本実施例においては、記録部11にインクジェットプロセスを適用しているが、本発明の趣旨はこれには拘束されず、電子写真プロセス、熱転写プロセス、感熱プロセス、ドットインパクトプロセス、などを適用しても良い。
【0061】
また、本実施例においては、キャリッジ13を往復走査させる、いわゆるシリアル方式を適用しているが、本発明の趣旨はこれには拘束されず、記録用紙4の幅一杯に同時に記録することが可能な、いわゆるライン方式を適用しても良い。
【0062】
更には、用紙反転部2は、用紙搬送ローラ列を逆転することで用紙反転させたが、本発明の趣旨はこれには拘束されず、第2排紙ローラ17の下流側に通紙パスを作り、Uターンさせた後スイッチバックさせる方法で紙送りローラ14の上流側に戻すことで、用紙搬送ローラ列を正転させたまま表裏反転するように構成しても良い。
【0063】
次に、被記録媒体種類識別手段からの検知結果処理方法に関して説明する。
【0064】
現在、インクジェットプロセスを利用する記録装置等においては、インクの吸収を良くするため、あるいは記録面に写真のような光沢感を持たせるため、更には半光沢調や絹目調や高白色度などの特殊効果を得るために、記録面にのみ特殊な処理を施した記録用紙が数多く作られている。このような記録用紙は、非記録面側は全く記録に適していない場合があり、極端にはインクを吹き付けても全く吸収せずにはじいてしまい、画像形成できないこともある。すなわち、記録用紙の記録面を記録装置の正しい方向にセットした場合は問題がないが、使用者が誤って反転して記録用紙をセットしてしまった場合には、全く記録出来なかったり、意図せざる不正な記録結果となってしまい、記録用紙を無駄にしてしまう可能性がある。
【0065】
また、通常は、ホストコンピュータ等からプリント動作を指示する場合には、予め使用する記録用紙種類を設定する方式と、被記録媒体種類識別手段によりセットされた記録用紙の記録面側を自動的に検知して、その検知結果に合わせて最適な記録を行おうとする方式とがある。特に、前者の予め記録用紙種類を設定しておく記録方法の場合には、予め設定された記録用紙種類と実際にセットされた用紙種類との間にミスマッチがあると、意図した記録結果が得られないことが発生しうる為、出来る限りミスマッチを防止する必要がある。その為に、本実施例で配置された被記録媒体検出部50を使用して、記録用紙の種類を判別し、以下の処理を行う。
【0066】
図5は、記録用紙種類判定処理を含む、記録装置の動作を示す制御仕様の概略である。
【0067】
記録動作が開始すると、S1でホストコンピュータでプリンタドライバソフト等を介してホストコンピュータ上に記録用紙種類をセットする。
【0068】
次にS2で、ホストコンピュータから記録装置本体1の記録装置制御部76に記録用紙種類を転送し、記憶させる。この時の予め設定しておく記録用紙種類を記録用紙種類データ(A)と呼ぶことにする。
【0069】
なお、本実施例ではホストコンピュータのデータを転送する形式を取ったが、記録装置本体1に記録用紙種類設定手段を設けて、それを設定することで直接に記録装置制御部76に記録用紙種類データ(A)を記憶させるようにしても良い。
【0070】
次にS3で、記録装置本体1機構の動作をさせ、記録動作を開始する。
【0071】
先ずS4で、自動給紙部3に積載された記録用紙を1枚搬送開始する。
【0072】
次にS5で、前述のように被記録媒体検出部50を使用して、先ず搬送中の記録用紙裏面の記録用紙種類を検知し、それを記録用紙種類データ(B)として記録装置制御部76に記憶する。引き続き、搬送中の記録用紙表面の記録用紙種類を検知し、それを記録用紙種類データ(C)として記録装置制御部76に記憶する。
【0073】
次にS6で、予め設定した値である記録用紙種類データ(A)と、これから記録を実施する予定の面の記録用紙種類データ(C)とが、一致した種類であるかどうかを確認する。両者が一致していれば、記録動作を実施しても問題ないので、後述する記録動作へと進む。両者が一致していなかった場合、前述のように現在セットされている記録用紙上に誤った設定で記録動作を実施してしまうことになるので、次のように使用者の判断を仰ぐ。
【0074】
すなわち、S7にて、予め使用者がセットした記録用紙種類と現在搬送中の記録用紙種類が異なることを示す、ミスマッチ警告信号をホストコンピュータに転送する。なお、特に記録用紙種類データ(A)と記録用紙種類データ(C)が不一致で、かつ記録用紙種類データ(A)と記録用紙種類データ(B)が一致している場合、用紙の表裏を逆にセットしている可能性が高いので、用紙セット方向が反対である警告信号をホストコンピュータに転送する。
【0075】
次にS8で、ミスマッチ状態を使用者に伝えるために、ホストコンピュータ上にダイアログを出して、現在搬送中の記録用紙が予め設定された記録用紙種類と異なることを表示したり、用紙セット方向が反対であることを表示する。その上で、これから先の処理に関して、記録用紙を排出して強制的に記録動作を終了させるか(強制終了)、ミスマッチが有ることを知った上でそのまま記録動作を継続するか(記録継続)、選択を促すメッセージを表示する。
【0076】
あるいは、記録装置本体1に表示手段を設け、そこに前記と同様の表示と、選択を促すメッセージを表示する。
【0077】
次にS9で、記録装置の記録動作を一時的に停止して、使用者の選択を待つ。
【0078】
次にS10で、使用者がホストコンピュータの入力手段から処理方法の選択を入力するか、あるいは記録装置本体1に設けられた入力手段から処理方法の選択を入力する。
【0079】
次にS11にて、入力されたデータが強制終了であるか、記録継続であるかを判定する。結果が、記録継続であった場合には、S12にて記録動作に移り、記録用紙を搬送して記録動作を行う。この場合は、記録結果は保証されないが、使用者の何らかの意図により適合しない記録面への強制的記録動作を行う可能性があるので、このような手段を残している。
【0080】
逆に結果が、強制終了であった場合には、S13にて排紙動作に移る。この時は、記録継続の時と同様に記録用紙の搬送は行うが、記録ヘッドによる記録動作は行わずに、そのまま排紙ローラ16、17により記録装置本体1の外へ記録用紙を排出する。
【0081】
以上で、記録動作が終了する。
【0082】
次に、図6に用紙反転部を利用して記録用紙セットの修正を実施する場合の制御仕様概略を示す。
【0083】
S20からS25までの処理は、図5のS1〜S6の場合と同様であるので省略する。
【0084】
S25で予め設定した値である記録用紙種類データ(A)と記録用紙表面の記録用紙種類データ(C)が一致していなかった場合S26に進み、同様に記録用紙種類データ(A)と記録用紙裏面の記録用紙種類データ(B)とが一致しているかどうかを判定する。
【0085】
もし一致している場合は、記録用紙の表裏面を誤ってセットした可能性が考えられる為に、S27へ進む。ここで、S27〜S30ではS7〜S10と同様に使用者にメッセージを表示するが、この時は記録用紙の表裏を間違えてセットされていることを表示し、自動的に表裏を反転させて記録動作を継続させる(自動反転)か、あるいは記録用紙を排出して強制的に記録動作を終了させる(強制終了)かどうかの選択を促すメッセージを表示する。
【0086】
あるいは、記録装置本体1に表示手段を設け、そこに前記と同様の表示と、選択を促すメッセージを表示する。
【0087】
以上の表示後に、S30にて入力待ちをする。
【0088】
次にS31にて、入力されたデータが自動反転であるか、強制終了であるかを判定する。結果が、自動反転であった場合は、S32にて記録用紙反転動作に移る。これは、自動両面記録動作のところで前述したように、一度記録用紙後端部が紙送りローラ14近傍に来るまで正方向に搬送した後、紙送りローラ14を逆転し、記録用紙を用紙反転部2に送り込むことによって表裏反転し、再び紙送りローラ14に噛み込ませることで、正しい記録面側が記録部11に対向するようにする。
【0089】
次にS33にて、記録動作に移り、記録用紙を搬送しつつ記録動作を行う。
【0090】
逆に結果が、強制終了であった場合には、S34にて排紙動作に移る。この時は、自動反転の時と同様に、記録用紙後端部が紙送りローラ14近傍に来るまで正方向に搬送した後、引き続き正方向に搬送し続けることで、排紙ローラ16、17にて記録装置本体1の外へ記録用紙を排出する。
【0091】
遡って、S26で記録用紙種類データ(A)と記録用紙種類データ(B)が一致していなかった場合は、S35〜S38のメッセージ表示に進む。メッセージ表示方法はS27〜S30と同様であるが、この状況では記録用紙表面も裏面も予め指定した記録用紙種類とは異なるため、誤った記録用紙がセットされたと判断し、表示する内容は、記録用紙を排出して強制的に記録動作を終了させるか(強制終了)、ミスマッチがあることを知った上でそのまま記録動作を継続するか(記録継続)、の選択を促すメッセージを表示することになる。
【0092】
以上の表示後に、S38にて入力待ちをする。
【0093】
次にS39にて、入力されたデータが強制終了であるか、記録継続であるかを判定する。結果が、記録継続であった場合には、S33に進み、記録用紙を搬送して記録動作を行う。この場合の記録結果は保証されない。
【0094】
逆に結果が強制終了であった場合には、S34に進み、記録用紙の搬送のみ行って、記録ヘッドによる記録動作は行わずに、そのまま排紙ローラ16、17により記録装置本体1の外へ記録用紙を排出する。
【0095】
以上が、被記録媒体検出部の検知結果を使用した、記録装置の制御方法の一例である。
【0096】
このように、用紙反転部を備えた記録装置においては、被記録媒体検出部による表面と裏面の記録用紙種類データの検知結果により、自動反転して正しい面に記録を行う場合と、強制的に記録動作を終了させる場合と、ミスマッチを承知した上で元の意図と異なる記録面に強制的に記録を行う場合とを選択して実施することが可能である。
【0097】
よって、常に記録用紙の種類に最適な条件で記録を行うことが出来るので、過失で記録用紙を無駄にしたりすることを防止出来る。
【実施例2】
【0098】
実施例1においては、被記録媒体種類識別手段として1組の発光・受光素子と反射板の組み合わせを用いて、記録用紙の表面および裏面の記録用紙種類を検知したが、本発明の趣旨はこれには拘束されず、被記録媒体種類識別手段を以下のように構成することも可能である。
【0099】
図7は、本発明の第2実施例を適用した、被記録媒体種類識別手段の一実施例を示す、模式的斜視図である。
【0100】
同図において、80は発光部51からの光をガイドする発光ライトガイド、81は正反射光センサ52への光をガイドする正反射光ライトガイド、82は拡散光センサ53への光をガイドする拡散光ライトガイド、83は記録用紙4の表面に光を当てて表面状態を検知する為の表面判定範囲、84は同じく裏面に光を当てて表面状態を検知する為の裏面判定範囲、である。
【0101】
実施例1と同様に、1組の発光・受光素子を使用しているが、実施例1では反射板を使用して光の通過経路を変更することで表面と裏面の反射状態を検知していたのに対し、本実施例では、ライトガイドを使用して表面と裏面の反射状態を同時に検知するようにしている。以下に検知方法を説明する。
【0102】
図7(a)は表面のみの反射状態を検知している状態を示す図である。発光部51から発せられた光は、発光ライトガイド80により半分は表面へ、半分は裏面へとガイドされる。発光ライトガイド80を出て、記録用紙4の表面判定範囲83に向かう光は、図7(a)の矢印Aで表される経路を通る。正反射光は矢印Aの如く正反射ライトガイド81に入り、ガイドされて正反射光センサ52へと至る。
【0103】
また、拡散光のうち、記録用紙4紙面と垂直方向に拡散した光は、拡散光ライトガイド82に入り、ガイドされて拡散光センサ53へと至る。一方、発光部51から発せられた光のうち、発光ライトガイド80によって記録用紙4の裏面側にガイドされた光は、発光ライトガイド80を出た後に、図7(b)の矢印Bの経路を通る。記録用紙4のこの位置では、矢印(b)の光は記録用紙4に当たらずに、そのまま通過してしまう。
【0104】
よって、正反射光ライトガイド81および拡散光ライトガイド82の裏面側に戻る光はなく、反射光センサ52と拡散光センサ53に戻る、裏面側分の光量はゼロとなる。この状態での、正反射光センサ52の受光量をC、拡散光センサ53の受光量をDとする。
【0105】
次に、記録用紙4を少しだけ前進させる。
【0106】
図7(b)は表面および裏面の反射状態を同時に検知している状態を示す図である。表面側の光の通過経路は図7(a)の時と同じであるが、発光ライトガイド80を通って裏面側に出た光は、図7(b)矢印Bのように記録用紙4の裏面判定範囲84に向かう。すると、裏面で正反射した光は、正反射光ライトガイド81に入り、ガイドされて正反射光センサ52へと導かれる。また、拡散光のうち、記録用紙4紙面と垂直方向に拡散した光は、拡散光ライトガイド82に入り、ガイドされて拡散光センサ53へと導かれる。
【0107】
よって、この状態では、正反射光センサ52に戻る光は、表面の正反射光量と裏面の正反射光量が加算された受光量Eとなり、拡散光センサ53に戻る光は、表面の拡散光量と裏面の拡散光量が加算された受光量Fとなる。受光量Eのうち、表面分の受光量は図7(a)の時と変わらない為、
裏面正反射光受光量G=受光量E−受光量C
の式で求められる。
【0108】
同様に、受光量Fのうち、表面分の受光量は図7(a)の時と変わらない為、
裏面拡散光受光量H=受光量F−受光量D
の式で求められる。
【0109】
以上より、表面の正反射光受光量C、表面の拡散光受光量D、裏面の正反射光受光量G、裏面の拡散光受光量H、がそれぞれ独立に求まるので、表面の表面状態および裏面の表面状態を求めることが可能となる。
【0110】
よって、実施例1と同様に、本実施例の被記録媒体種類識別手段を記録装置に適用することで、実施例1と同様の制御を実現することが可能となる。
【0111】
なお、前述したように、記録用紙の表面状態は、正反射光あるいは拡散光のどちらか一方でも検知可能であるので、その場合は、図1の構成から不要な方のライトガイドおよび受光センサを省略した形にすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】本発明の一実施形態に係る被記録媒体種類識別手段の構成を示す模式的側面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る被記録媒体種類識別手段を適用した記録装置の構成を示す模式的側断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る被記録媒体種類識別手段を適用した記録装置の構成を示す模式的斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る被記録媒体種類識別手段を適用した記録装置の電気構成を示す模式的ブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る被記録媒体種類識別手段を適用した記録装置の制御方法一例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態に係る被記録媒体種類識別手段を適用した記録装置の制御方法一例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る被記録媒体識別手段の構成を示す模式的斜視図である。
【符号の説明】
【0113】
1 記録装置本体(記録ユニット本体)
2 用紙反転部(自動両面ユニット)
3 自動給紙部(メインASF)
4 被記録媒体(記録用紙)
10 シャーシ
11 記録部(記録手段、記録ヘッド)
12 インクタンク
13 キャリッジ
14 紙送りローラ
15 ピンチローラ
16 第1排紙ローラ
17 第2排紙ローラ
18 第1拍車列
19 第2拍車列
20 ASFフラップ
21 反転部ローラA(両面ローラA)
22 反転部ローラB(両面ローラB)
23 両面ピンチローラA
24 両面ピンチローラB
25 両面ピンチローラC
26 給紙ローラ
27 分離ローラ
28 圧板
29 出口フラップ
50 被記録媒体検出部
51 発光部
52 正反射光センサ
53 拡散光センサ
54 反射板A
55 反射板B
56 反射板C
57 反射板D
58 反射板E
70 主制御基板
71 被記録媒体検出制御基板
72 発光制御部
73 正反射光センサ制御部
74 拡散光センサ制御部
75 CPU
76 記録装置制御部
77 用紙搬送手段
80 発光ライトガイド
81 正反射光ライトガイド
82 拡散光ライトガイド
83 表面判定範囲
84 裏面判定範囲

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被記録媒体の種類を識別する被記録媒体種類識別装置であって、
1組の発光部および受光部からなる検知手段と、被記録媒体搬送手段と、を持ち、
前記検知手段の位置は固定したままで、前記被記録媒体搬送手段により被記録媒体を移動することで、該被記録媒体の第1の面と、第1の面と反対側の第2の面の種類とを識別することを特徴とする被記録媒体種類識別装置。
【請求項2】
反射板を使用した光学系を持ち、前記被記録媒体の移動により光学経路を変化させることで、該被記録媒体の第1の面および第2の面の種類を識別することを特徴とする請求項1に記載の被記録媒体種類識別装置。
【請求項3】
導光手段により前記発光部の光を被記録媒体の第1の面および第2の面に導き、また別の導光手段により第1の面および第2の面から反射して戻る光を前記受光部に導いていて、
前記被記録媒体の移動により、片面のみの反射状態と、両面合わせた反射状態とを検知することにより、該被記録媒体の第1の面および第2の面の種類を識別することを特徴とする請求項1に記載の被記録媒体種類識別装置。
【請求項4】
被記録媒体の記録面たる第1の面と、第1の面と反対側の第2の面の種類とを識別する被記録媒体種類識別装置を備えた記録装置であって、
記録動作開始前に予め被記録媒体の記録面側の種類を指定した、第1被記録媒体種類情報と、
前記被記録媒体種類識別装置によって第1の面を検知した結果である、第2被記録媒体種類情報と、
前記被記録媒体種類識別装置によって第2の面を検知した結果である、第3被記録媒体種類情報と、を記憶する記憶手段を持ち、
第1被記録媒体種類情報と第2被記録媒体種類情報、および第1被記録媒体種類情報と第3被記録媒体種類情報をそれぞれ比較する比較手段を備えることを特徴とする記録装置。
【請求項5】
前記比較手段により、前記第1被記録媒体種類情報と前記第2被記録媒体種類情報とが異なっていると判定した場合、
判定結果を記録装置内あるいは記録装置外に表示する手段を持つことを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
【請求項6】
前記比較手段により、前記第1被記録媒体種類情報と前記第2被記録媒体種類情報とが異なっていると判定した場合、
記録動作を実施せずに被記録媒体を記録装置外に排出するか、そのまま記録動作を実施するかを選択可能な選択手段を備えることを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
【請求項7】
前記比較手段により、前記第1被記録媒体種類情報と前記第2被記録媒体種類情報とが異なっており、かつ前記第1被記録媒体種類情報と前記第3被記録媒体種類情報とが一致していると判定した場合、
被記録媒体表裏反転手段により、自動的に該被記録媒体を反転して記録部へ搬送することを特徴とする請求項4に記載の記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−219281(P2006−219281A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−36051(P2005−36051)
【出願日】平成17年2月14日(2005.2.14)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】